説明

波面較正分析器と方法

波面センサは、切除した試験面の1つまたは複数の特徴を測定することによって、レーザ眼科手術システムのようなレーザ切除システムの較正を向上させる。通常、光は切除した試験面を通過し、光を分析して試験面の特徴を求める。幾つかの実施形態では、切除した試験面を治療平面に沿って位置決めする。幾つかの実施形態では、光はハルトマン・シャック・センサのような波面センサを通過して、光を電気信号に変換する。次に、プロセッサは電気信号を、試験面の高次収差および/またはアーティファクト、屈折力測定値、形状測定値などを示す表面マップのようなデータへと変換する。次に、生成されたデータを使用して、レーザ外科システムを較正する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
(関連出願の相互引用)
本特許出願は、2003年4月9日に出願された米国暫定特許出願第60/461,739号(代理人文書第018158−022500US号)、2003年11月10日に出願された第60/518,867号(代理人文書第018158−022510US号)に対する優先権を主張し、その全開示は両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概ね医療デバイス、方法、システムに関する。特に、本発明はレーザ切除システムの較正を分析する方法、デバイス、システムに関する。
【背景技術】
【0003】
視覚障害を矯正するために角膜の外面の眼科手術を可能にする紫外線や赤外線レーザに基づくシステムと方法が知られている。このような措置は一般的に、紫外線または赤外線レーザを使用して、角膜から前方支質組織の顕微鏡的層を除去し、屈折力を変更する。紫外線レーザ切除措置では、放射光が、隣接組織と下にある組織に熱損傷を引き起こさない光分解で、角膜組織を切除する。照射された表面の分子は、残りの基質を有意に加熱せずに、これより小さい揮発性破片へと破壊される。切除のメカニズムは光化学的である。つまり、分子間結合を直接破壊する。切除は、角膜の支質まで貫入して、近視、遠視、乱視の矯正のような様々な目的でその輪郭を変化させる。
【0004】
このようなレーザに基づくシステムと方法では、照射した束密度とレーザ照射に対する角膜の曝露時間が制御され、角膜の表面彫刻を実行し、角膜において所望の表面変化を達成する。そのために、角膜から特定の深さの組織を除去するために適用しなければならない適切なエネルギ密度を決定する切除アルゴリズムが開発されている。例えば紫外線の波長では、約100〜400ミリジュール/cm2の一連のパルスを加えた場合、約0.6ジュール/cm2から約1ジュール/cm2の累積エネルギ密度は通常、約1ミクロンの深さまで角膜組織を切除する。したがって、特定の個人の屈折率エラーを矯正するために除去される角膜組織の量と形状に応じて、各処置に合わせて切除アルゴリズムを調整する。
【0005】
このようなレーザ切除アルゴリズムを適切に使用するために、レーザ切除システムは通常、較正しなければならない。レーザ・システムの較正は、患者の角膜に所望の形状と屈折力の変更を与えるように、角膜組織の所期の形状と量の除去を保証するのに役立つ。また、システム性能の許容可能なレベルを試験することが通常は望ましい。例えば、このような試験は、内部光学系が位置合わせされ、レーザ・フルエンスが正確であることなどを保証するのに役立てることができる。
【0006】
エキシマ・レーザ手術の前には、往々にして塑性試験材料の切除を実行して、レーザのエネルギ密度と切除形状を較正する。このような試験中に、レンズを切除して試験プラスチックにし、試験レンズの屈折力を標準的なレンズ測定計で読み取る。次に、レンズ測定計からの読み取り値をレーザ・システムに入力し、したがってシステムは適切な較正調節を実行することができる。試験レンズは、拡大鏡で肉眼にて評価してもよく、時には正確に評価してビームの均質性と品質の測定に役立てるために、試験サンプルをラボラトリに送付する。
【0007】
知られているレーザ切除較正技術は極めて効果的であるが、なお特定の欠点がある。例えば、試験レンズをラボラトリで正確に評価している間に、各手術を遅延することは実際的でない。このようなラボの評価をせず、使用者が単に肉眼でレンズを検査するか、従来通りのレンズ測定計を使用して試験レンズを分析する場合、試験レンズで高次の収差またはアーティファクトを検出することはほぼ不可能である。アーティファクトとは、通常は局所的/孤立した切除欠陥であり、レーザ・ビームの不均質性から引き起こされることが多い。切除した試験レンズの力と形状を正確に評価することは、従来通りのレンズ測定計しか使用しないと、非常に主観的でもある。これに対して、各現場で干渉計表面プロファイラのような専門的な試験レンズ評価機器を要求すると、機器の費用と全体的なシステムの複雑さを大幅に挙げることがある。屈折力の近似と試験レンズの肉眼評価を越えたいくつかの情報が、毎月か、毎日か、または各切除処置前に実行するか否かにかかわらず、定期的な較正の正確さを改良するのに役立つ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上を鑑みて、レーザ切除システムの較正を分析するために、改良された方法、デバイス、システムを提供することが望ましい。このような改良が、全体的なシステムの費用と複雑さを大幅に増大せずに、較正の正確さを向上させると、特に望ましい。このような改良が、自動化した較正フィードバックと調節システムで使用するような量化可能なデータを提供できると、さらに望ましい。これらの目的の少なくとも一部は、本発明によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
切除した試験面の1つまたは複数の特徴を波面センサで測定することによって、レーザ眼科手術システムのようなレーザ切除システムの較正を向上させることができる。通常、光を切除した試験面に通し、光を分析して、試験面の特徴を決定する。幾つかの実施態様では、光をハルトマン・シャック・センサのような波面センサに通し、光を電気信号に変換する。次に、プロセッサが電気信号を、例えば試験面上の収差および/またはアーティファクト、屈折力測定値、形状測定値などを示す表面マップのようなデータに変換する。次に、作成したデータを使用して、レーザ手術システムを較正する。
【0010】
幾つかの実施態様では、試験面を治療平面に沿って配置する。「治療平面」とは、切除処置を実行するためにレーザ・システムからレーザを導く任意の面という意味である。したがって、試験面を治療平面に沿って配置すると、目のその後の治療は、試験面が位置決めされた同じ面で実行される。
【0011】
本発明の一態様では、目で切除処置を実行するためにレーザ切除システムの較正を分析する方法は、レーザ・システムで試験面を選択的に切除し、光源からの光を試験面を通すように導き、光が試験面を通過した後、試験面の屈折力とレーザ切除システムの少なくとも1つの追加的な切除特徴を求めるために、少なくとも1つの較正デバイスで光を分析することを含む。幾つかの実施態様では、切除処置を実行するためにレーザ・システムからレーザが導かれる面を備える治療平面に沿って試験面を配置し、光を、光源から試験面を通して治療平面に導く。幾つかの実施態様では、少なくとも1つの較正デバイスで光を分析する。任意選択で、試験面は、切除、導き、分析中に、治療平面に固定状態で位置決めしてよい。このような実施態様は、任意選択でさらに、切除ステップの前に試験面を治療平面へと移動させることを含む。例えば、試験面は、プラットフォームに結合し、プラットフォームを移動して、試験面を治療平面内に位置決めすることができる。
【0012】
幾つかの実施態様では、試験面を切除してレンズにする。幾つかの実施態様では、選択的切除は、レーザ・エネルギを試験面に加えて、少なくとも1つの処置を近似することを含む。これは、例えば人間の目の乱視矯正、人間の目の近視矯正、人間の目の遠視矯正、光線療法フラットなどであるが、それに制限されない。方法の幾つかの実施態様はさらに、光を分析するために、較正デバイスの少なくとも一部を治療平面の位置へと移動させることを含む。このような移動は、例えば較正デバイスの少なくとも部分をピボット・アーム、回転アーム、リニア・スライド、枠ピボットなどの可動部材と結合することによって達成される。
【0013】
分析ステップは、適切な手段を介して実施することができる。例えば、幾つかの実施態様では分析は光を分析するために波面センサを使用することを含む。例えば、波面センサはハルトマン・シャック・センサ、チェルニング・センサ、光線追跡センサ、シャーリング干渉計センサ、振幅格子センサ、パターン歪み測定装置で構成されたグループから選択することができる。多くの実施態様の分析は、切除した試験面の品質と形状のうち少なくとも1つを求める。任意選択で、切除した試験面の品質の分析は、試験面上の少なくとも1つの収差を検出することを含む。これも任意選択で、切除した試験面の品質分析は、試験面上の少なくとも1つの高次収差またはアーティファクトを検出することを含む。このような実施態様では、品質の分析はさらに、試験面上の少なくとも1つの高次収差の高さを求めることを含む。幾つかの実施態様はさらに、試験面の少なくとも1つのマップを作成することを含み、マップは、試験面上の高次収差および/またはアーティファクトそれぞれの位置を示す。任意選択で、このようなマップはさらに、試験面上の高次収差および/またはアーティファクトの形状を示す。
【0014】
幾つかの実施態様では、分析ステップは一般的に、光を電気信号に変換し、屈折力と少なくとも1つの追加的な切除特徴を求めるために電気信号を処理することを含む。光の変換は、例えば光を波面レンズ・アレイを通過させ、その通過した光を光検出デバイスで感知することを含む。幾つかの実施態様では、例えば光検出デバイスは電荷結合素子を備える。幾つかの実施態様では、方法は、光がレンズ・アレイを通過する前にそれを調節するために、試験面とレンズ・アレイの間のパスに配置された少なくとも1つの集束レンズを調節することも含む。幾つかの実施態様はさらに、試験面を近似的に表す画像を作成するために電気信号を使用することを含む。画像は、例えば表面マップを含む。
【0015】
幾つかの実施態様では、分析ステップは、光に関する波面データを測定し、試験面の表面マップを作成するために再構築アルゴリズムを使用することを含む。幾つかの実施態様では、再構築アルゴリズムを使用することは、ゼルニケ再構築アルゴリズムまたはフーリエ再構築アルゴリズムを使用することを含む。方法の幾つかの実施態様はさらに、分析ステップ中に求めた屈折力と少なくとも1つの追加的切除特徴に基づいて、レーザ切除システムを調節することを含む。少なくとも1つの切除特徴は、例えば切除した試験面の品質と形状のうち少なくとも1つを含んでよい。
【0016】
本発明の別の態様では、レーザ切除システム、表面の選択的レーザ切除によって表面を再成形できるレーザ切除システムで使用する較正装置は、選択的にレーザで切除可能な試験面、光検出アセンブリ、光を治療平面に通して光検出アセンブリへと向ける光源を含み、さらに検出した光を分析して、試験面の屈折力とレーザ切除システムの少なくとも1つの追加的切除特徴を求めるために、光検出アセンブリに結合したプロセッサを含む。幾つかの実施態様では、切除可能な試験面は、治療平面に沿って位置決め可能であり、治療平面は、再成形処置を実行するためにレーザ・システムからレーザが導かれる面を備える。このような実施態様では、光源は、光を治療平面へと、切除した試験面を通して光検出アセンブリに向けるように構成される。幾つかの実施態様では、レーザで切除可能な試験面を切除し、光が光源から試験面を通過する間、試験面は治療平面に沿って固定状態で位置決めされる。例えば、装置の幾つかの実施態様はさらに、試験面が結合された可動プラットフォームを含むことができ、プラットフォームは治療平面に沿って試験面を位置決めするために移動可能である。
【0017】
幾つかの実施態様では、切除可能な試験面はレンズを備える。同様に幾つかの実施態様では、光検出アセンブリは波面センサを備える。波面センサは、例えばハルトマン・シャック・センサ、チェルニング・センサ、光線追跡センサ、シャーリング干渉計センサ、振幅格子センサ、パターン歪み測定装置などを含む。他の実施態様では、光検出アセンブリは、シャーリング干渉計センサ、振幅格子センサ、またはパターン歪み測定装置のようなセンサを備えてよい。
【0018】
幾つかの実施態様では、光検出アセンブリは、光を電気信号に変換する電荷結合素子を備える。電気信号を分析して、屈折力と少なくとも1つの追加的切除特徴を求めるために、プロセッサを電荷結合素子に結合させる。任意選択で、プロセッサは、電気信号の分析に基づいてレーザ切除システムを較正するために、さらにレーザ切除システムと結合させられることもある。幾つかの実施態様では、プロセッサは、ゼルニケ再構築アルゴリズムまたはフーリエ再構築アルゴリズムを適用して、光検出アセンブリで測定した波面データから試験面の少なくとも1つの表面マップを導出する手段を含む。幾つかの実施態様では、装置はさらに、光の少なくとも1つの特徴を調節するために光源と光検出アセンブリの間に配置された少なくとも1つの調節レンズを備える。
【0019】
幾つかの実施態様では、少なくとも1つの追加的切除特徴は、切除した試験面の品質と形状のうち少なくとも1つを含む。例えば、品質は、切除した試験面の収差とアーティファクトのうち少なくとも1つを含む。任意選択で、プロセッサは切除した試験面の少なくとも1つの画像を作成することができ、少なくとも1つのこの画像は、少なくとも1つの収差またはアーティファクトを示す。幾つかの実施態様では、少なくとも1つの画像は、試験面の少なくとも1つの表面マップを備える。任意選択で、プロセッサは、少なくとも1つの収差またはアーティファクトの少なくとも1つの測定値を生成する。幾つかの実施態様では、プロセッサはレーザ切除システムに結合される。さらに、幾つかの実施態様では、プロセッサは、屈折力と少なくとも1つの追加的切除特徴のうち少なくとも1つに基づいてレーザ切除システムを自動的に較正する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は概ね、レーザ切除システムの較正を分析するために改良された方法、デバイス、システムを提供する。特に、本発明は、屈折力と試験面のレーザ試験切除の少なくとも1つの他の切除特徴を測定する方法、デバイス、システムに関する。他の特徴は、例えば試験面の形状または品質、試験面上の収差とアーティファクトの存在、位置および/またはサイズなどを含む。本発明のデバイスと方法は、治療平面でこのような特徴を測定する。「治療平面」とは、人間の目で実行すべきレーザ治療が辿る面を意味する。レーザ較正デバイスは、デバイスをピボット・アーム、接合アーム、回転アーム、リニア・スライダなどのような可動部材に結合するなど、任意の適切な手段によって治療平面に沿って位置決めすることができる。
【0021】
幾つかの実施形態では、レーザ波面センサは、切除した試験面の1つまたは複数の表面マップを作成するか、レーザ切除システムを自動的に較正する、あるいはその両方を実行することができる。本発明は、適切な設定の適切なレーザ切除システムとともに使用してよいが、光屈折角膜切開(PRK)、光線療法角膜切開(PTK)、レーザ原位置角膜曲率形成(LASIK)などのような目のレーザ切除処置中に使用するエキシマ・レーザの較正を向上させるために、特に有用である。様々な実施形態で、本発明のデバイスは、既存のレーザ・システムで使用するために容易に適合させたり、新しいレーザ・システムに組み込んだり、既存のシステムまたは新しいシステムと適合する独立したデバイスを備えたりしてもよい。
【0022】
通常、本発明の方法は、レーザ・システムで試験面を選択的に切除し、光源からの光を治療平面に沿って試験面に通すように導くことを含み、治療平面は、切除処置を実行するためにレーザ・システムから導かれたレーザが辿る面を備え、さらに光が試験面を通過した後に、試験面の屈折力と少なくとも1つの追加的切除特徴を求めるために、治療平面に沿って配置された少なくとも1つの較正デバイスで光を分析することを含む。例えば幾つかの実施形態では、本発明のデバイスと方法を使用して、屈折力、さらに試験面上のレーザ試験切除の形状および/または品質を測定することができる。幾つかの実施形態では、試験面を通過した光の分析は、ハルトマン・シャック波面センサのような波面測定デバイスを使用して遂行される。しかし他の実施形態では、以下でさらに説明するように、試験面からの光を分析するために、代替測定デバイスを使用してもよい。
【0023】
「試験面」という用語は、本明細書では、試験容量においてレーザ切除システムによって切除できる任意の試験材料、試験レンズなどを指すために使用される。多くの実施形態では、このような試験面は試験レンズを形成するためにレーザ切除デバイスで切除されるプラスチックまたは他の材料を備える。切除デバイスは通常、目のレーザ切除処置中に目の一部を切除するかのように試験面を切除する。次に、本発明のデバイスと方法を使用してレーザの較正を求めるために、試験面を使用することができる。
【0024】
次に図1を参照すると、本発明のデバイスおよび/または方法を使用することができるレーザ眼科手術システム10は、レーザ・ビーム14を生成するレーザ12を含むことが適切である。レーザ12は、任意選択でレーザ送出光学系16に結合される。光学系はレーザ・ビーム14を患者Pの目に導く。送出光学系支持構造(明快さを期してここでは図示せず)は、レーザ12を支持する枠18から延びている。顕微鏡20を送出光学系支持構造に装着する。顕微鏡は目の角膜の描画像に使用することが多い。同様のレーザ眼科手術システム10が、米国特許出願第09/960,163号、米国特許公報第2002/0097375号に記載され、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
レーザ12は概ねエキシマ・レーザを備え、理想的には約193nmの波長を有するレーザ光のパルスを生成するアルゴン・フッ素レーザを備える。レーザ12は、送出光学系16を介して送出され、患者の目にフィードバックされた安定フルエンスを提供するように設計することが好ましい。本発明は、代替的な紫外線または赤外線源、特に目の隣接する組織および/または下にある組織に有意の損傷を引き起こさずに、制御可能な状態で角膜組織を切除するように較正された光源も同様に有用である。このような光源は、固体レーザや約185nmと215nmの間の紫外線波長のエネルギを生成できる他のデバイスおよび/または周波数逓倍技術を使用する他のデバイスを含むが、それに制限されない。したがって、エキシマ・レーザが切除ビームの例示的光源であるが、本発明では他のレーザを使用してもよい。
【0026】
レーザ12と送出光学系16は概ね、プロセッサ22の指示で患者Pの目にレーザ・ビーム14を導く。プロセッサ22は通常、角膜で所定の彫刻を実行し、かつ目の屈折特徴を変更するように、角膜の一部をレーザ・エネルギのパルスに曝露するレーザ・ビーム14を選択的に調節する。多くの実施形態では、レーザ12とレーザ送出光学システム16は両方とも、プロセッサ22のコンピュータ制御下にあって、所望のレーザ彫刻プロセスを実行し、プロセッサは、光学フィードバック・システムからの入力に応答して切除処置を変更することが理想的である。フィードバックは、自動化した画像分析システムからプロセッサ22へと入力することが好ましく、あるいは光学フィードバック・システムによって提供された分析画像の視覚的検査に応答して、入力デバイスを使用してシステム・オペレータが手動でプロセッサに入力してもよい。プロセッサ22は、フィードバックに応答して彫刻治療を継続かつ/または終了することが多く、任意選択でフィードバックの少なくとも一部に基づいて計画された彫刻を変更してもよい。
【0027】
レーザ・ビーム14は、様々な代替メカニズムを使用して所望の彫刻を生成するように調節することができる。レーザ・ビーム14は、1つまたは複数の可変開口を使用して選択的に制限することができる。可変絞りや可変幅スリットを有する例示的な可変開口が、米国特許第5,713,892号に記載され、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。レーザ・ビームは、目の軸線からのレーザ・スポットのオフセットとサイズを変更することによっても調整することができ、これは米国特許第5,683,379号に記載された通りであり、1997年11月12日に出願された共願米国特許出願第08/968,380号、1999年3月22日に出願された第09/274,999号にも記載された通りであり、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
目の表面をレーザ・ビームで走査することや、例えば米国特許第4,665,913号(その全開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載され、LaserSight(登録商標)Technologies, Inc.のLaserScan LSX(登録商標)レーザ、WavelightのAllegretto(登録商標)レーザ、AlconのLADARVision(登録商標)、Bausch&Lombの217C、217Aエキシマ・レーザのような他の走査レーザ・システムで実証されるように、各位置でパルス数および/または休止時間を制御することと、1995年6月6日出願の米国特許出願第08/468,898号(その全開示は参照により本明細書に組み込まれる)で記載されたように、角膜に入射するビームの輪郭を変更するために切開するレーザ・ビーム14の光学的経路でマスクを使用することとを含むさらなる代替方法、角膜で可変サイズのビーム(通常は可変幅スリットおよび/または可変直径のアイリス絞りで制御される)を走査する複合輪郭走査システムなどを含むさらなる代替システムが可能である。このようなレーザ・パターン調整技術のコンピュータ・プログラムと制御方法は、特許文献に十分に記載されている。
【0029】
追加の構成要素とサブシステムをレーザ・システム10に含んでもよい。例えば、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,646,791号で記載されているように、レーザ・ビーム内のエネルギ分布を制御するために、空間および/または時間積算器を含んでよい。切除流出液吸引器/フィルタや、本発明を理解するために必要ではないレーザ手術システムの他の補助的構成要素は、本発明を理解するために詳細に説明する必要がない。
【0030】
上述したように、レーザ・システム10は通常、コンピュータまたはプログラマブル・プロセッサ22を含む。プロセッサ22は、キーボード、表示モニタのような標準的ユーザ・インタフェース・デバイスを含む従来通りのPCシステムを備える(またはそれとインタフェースをとる)ことができる。プロセッサ22は通常、磁気または光ディスク・ドライブ、インタネット接続などのような入力デバイスを含む。このような入力デバイスは、本発明の方法のいずれかについてステップまたはプログラミング命令を実現する具体的な記憶媒体29からコンピュータで実行可能なコードをダウンロードするために使用することが多い。具体的な記憶媒体29は、フロッピ・ディスク、光ディスク、データ・テープ、不揮発性メモリなどの形態をとることができ、プロセッサ22は、メモリ・ボードや、コードを記憶して、実行する現代のコンピュータ・システムの他の標準的な構成要素を含む。
【0031】
次に図2を参照すると、本発明の実施形態により、ハルトマン・シャック波面センサを使用するレーザ切除システムの較正を分析する波面センサ100が概略的に図示されている。様々な実施形態では、波面センサ100は、上述したようなレーザ切除システムに組み込むか、このようなレーザ切除システムに結合するか、独立した較正システムを備えることができる。幾つかの実施形態では、波面センサ100は単に較正を分析するために使用し、他の実施形態では、分析器100をレーザ切除システムの較正にも使用する。幾つかの実施形態では、分析器100はレーザ切除システムを自動的に較正する。上述したように、波面センサ100は、治療平面でレーザ切除システムの較正を分析するように位置決めすることができる。したがって、波面センサ100は、その全体または一部が治療平面に位置決めされ、治療平面に固定状態または可動状態で位置決めすることができる。幾つかの実施形態では、波面センサ100の全部または一部を、可動アーム、直接滑動トラックなどのような可動部材と結合して、治療平面での可動位置決めを提供することができる。
【0032】
通常、波面センサ100は光源102、選択的にレーザで切除可能な試験面110、光検出アセンブリ105、プロセッサ108を含む。幾つかの実施形態では、光検出アセンブリ105は、小型レンズのアレイ104、光センサ・デバイス106を備え、他の実施形態では、光検出アセンブリ105は、代替的および/または追加的構成要素を備える。以下でさらに説明するように幾つかの実施形態では、光検出アセンブリは、ハルトマン・シャック・センサ、チェルニング・センサ、光線追跡センサ、シャーリング干渉計センサ、振幅格子センサ、またはパターン歪み測定装置のような波面センサを備える。しかし、他の実施形態は、他の適切な光検出アセンブリを含んでよい。任意選択で、波面センサ100の様々な実施形態は、帯域フィルタのような1つまたは複数のフィルタ112、調節レンズ114、116、鏡(図示せず)のような1つまたは複数の反射表面、追加的な光学構成要素(図示せず)および/またはデバイスに沿って適切な位置に位置決めされた他の適切な構成要素も含んでよい。
【0033】
光源102は、内部または外部電源(図示せず)を介して電力を供給することができ、通常は試験面110を通して導かれる光120を供給する。幾つかの実施形態では、光120は試験面110を通過する前に基準構造または他の1つまたは複数の構成要素を通過してよいが、このような基準構造は必要ではない。次に、光線120は帯域フィルタ112、レンズ114、116のような任意の追加的で任意選択の光学系を通過してから、光検出アセンブリ105を通過する。例えば、光学調節レンズ114、116を使用して、光120をレンズ・アレイ104に集束させたり、光パターンの幅を調節したりすることができる。幾つかの実施形態では、光源102は波面センサ100の1つまたは複数の他の構成要素に対してオフセットし、1つまたは複数の鏡または他の反射表面を使用して、光120を所望のパスで導くことができる。したがって、波面センサ100は概ね図2の直線状の構造となるように図示されているが、本発明の範囲内で任意の適切な構成が想定される。
【0034】
波面技術は、レーザ切除眼科手術システムが患者の目の光学的特徴を追跡し、測定する一つの方法である。目の波面測定は通常、例えば内部収差と角膜表面の収差の両方など、目の光学的経路全体で収差の評価を可能にする高次収差マップを作成する。次に、収差情報を使用して、外科用レーザ・システムが患者の目の中と目の上の複雑な収差を矯正できるようにするために、個別切除パターンを計算することができる。本発明の様々な実施形態では、波面技術を使用して、患者の目ではなく試験面110の光学特徴を測定する。
【0035】
1つの例示的波面技術システムは、VISX WaveScan(登録商標)システムであり、これは患者の目の光学系全体にわたって収差を量化できるハルトマン・シャック波面センサを使用し、これは球面円柱エラー、コマ、その他の高次収差のホストを含む。患者の目の収差は、収差マップの形態で外科医に対して表示することができる。本発明のデバイスと方法は、患者の目に光を通すのではなく、試験面110に光を通し、次に光検出アセンブリ105に通す。その1つの実施形態はハルトマン・シャック波面センサである。
【0036】
光センサ・デバイス106は通常、これに接触する光120を電気信号に変換する。したがって、光センサ・デバイス106は、光120を電気信号に変換する任意の適切なデバイスを備えてよい。幾つかの実施形態では、例えば光センサ・デバイス106は、プロセッサ108が画像情報を分析できるように自身に接触する光120をディジタル画像信号に変換する電荷結合素子(CCD)を備えてよい。
【0037】
プロセッサ108は通常、光センサ・デバイス106に接触する光の画像の1つまたは複数の光学特徴を計算するように配置構成されたハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを備える。プロセッサ108は光学的品質を決定することが多く、これは任意選択で画像で正確に再現され、光センサ・デバイス106に接触する最小の形体または空間周波数を測定することによって実行する。プロセッサ108は、試験面110の屈折力および/または形状も決定する。より複雑な分析も実行できる。プロセッサ108は、システム内でどの品質測定を使用するかに応じて、光学的伝達関数計算デバイス、変調伝達関数計算デバイスなどであると説明することができる。
【0038】
光120を光センサ・デバイス106で電気信号に変換した後、通常は電気信号を処理して、データを供給する。次に、例えば試験面110の切除に使用するレーザ切除システムを較正するために、データを使用することができる。プロセッサ108は、任意の数の様々な構成要素を備えてよく、例えば画像取り込み装置、スイッチ、コンピュータ、ディスプレイおよび/または任意の他の適切な構成要素または組み合わせである。幾つかの様々な実施形態では、プロセッサ108は、試験面110の表面に沿った切除深さ、切除形状、高次収差のような収差の存在、アーティファクトの存在、試験面の力、試験面の全体的形状(円筒形、球形など)、表面収差またはアーティファクトの高さまたは深さなどのようなデータを作成するが、それに制限されない。このようなデータは、プロセッサ108によって任意の適切な形態で提供される。これは例えば2次元表面マップ、3次元表面マップ、チャート、表、グラフおよび/または他のディジタル・ディスプレイ上の表示の形態である。試験面110の表面マップは、例えば切除パターン、高次収差の形状と深さ、アーティファクトの形状と深さ、収差とアーティファクトの位置などを示す。幾つかの実施形態では、このようなデータをレーザ切除システムの較正システムに直接入力して、プロセッサ108から導出したデータに基づく較正を可能にする。通常、プロセッサ108は、光センサ・デバイス106からデータにする電気信号の処理機能を実行するために使用することができる。
【0039】
次に図2Aを参照すると、本発明の好ましい実施形態では、波面センサ100aは上述したものと同様の構成要素を含み、光120aを供給する光源102a、試験面110a、帯域フィルタ112a、レンズ114a、116a、小型レンズ・アレイ104aと光センサ・デバイス106aを含む光検出アセンブリ105a、プロセッサ108aを含む。この実施形態は、光120aを反射する1つまたは複数の鏡111も含む。この実施形態では、試験面110aを治療平面130に位置決めする。上述したように、「治療平面」は、切除処置を実行するためにレーザ・システムからのレーザを導くことができる任意の面と定義される。したがって図2Aでは、光120aは治療平面130に沿って導かれて、治療平面130に沿って配置された試験面110aを通過し、その後に波面センサ100aの他の構成要素を通過する。他の実施形態では、光は治療平面へと通過してよいが、面沿いではなく、試験面を通過する。上述したように、治療平面130内に試験面110aを配置すると、レーザ切除処置を準備し、実行する際に幾つかの利点がある。
【0040】
次に図3を参照すると、上述したハルトマン・シャックの実施形態とは異なるが、それでも類似の波面情報を提供する波面センサの様々な実施形態を使用することができる。例えば図3で図示されているように、波面センサの1つの実施形態は、シャーリング干渉計デバイス200を備えてよい。シャーリング干渉計200は、半波長位相板アレイ146、描画像レンズ149、試験面110と光センサ・デバイス106の間に配置構成された開口ストップ150を含むことが適切である。1つの実施形態では、位相板アレイ146は、試験面110の比較的近傍に位置決めされ、したがって試験面110を通る光120によって生成された収差波面145が、位相板アレイ146で遮断される前に伝播する距離はほとんどない。
【0041】
1つの実施形態では、図3Aで示すように位相板アレイ146はチェッカー板パターンの要素を備えてよく、色がない正方形要素153は、光源(図示せず)によって供給される光120の波長の1/2だけ色つきの正方形要素154より光学的に厚い。したがって、位相アレイ146は回折格子として作用し、収差波面145を奇数の回折次数へと分割するが、偶数次数またはゼロ次数を生成しない。このように生成された+1次および−1次を、光線147(点線)、148(実線)として図示する。それぞれ収差情報を搬送するこれらのビーム147、148は交差し、レンズ149によって集束される。開口150はレンズ149の焦点面に位置決めされ、ビーム147、148の焦点が合う。この面では、各次数が集束スポットになり、各次数が特定の回折方向の異なる角度でレンズ149へと通過することによって、他の次数から変位する。
【0042】
1つの実施形態では、図3Bで示すように開口150が、1次回折スポットの位置で透明な区域を有するが、他の位置では不透明である。したがって、回折焦点155、156、157、158、159、160、161、162で示された1次ビームのみが開口を通過する。これらのスポットはx+1と−1次、y+1と−1次、さらにx、yが混合した1次を表す。他の全ての次数は遮断される。1次ビーム147、148は光センサ・デバイス106へと通り、これは通常は電荷結合画像センサであり、レンズ149が収差波面145の各回折ビームで画像を生成する面にある。これらの画像151、152は、相互に対して変位するか、ずれ、干渉してシャーリング干渉写真として知られるフリンジ・パターンを生成する。このようなシャーリング干渉写真から、元の波面の勾配または傾斜情報を画像処理により取得することができ、したがってハルトマン・シャック波面センサから取得されるものに類似する情報を提供する。
【0043】
次に図4を参照すると、波面センサの別の実施形態では波面勾配測定値が回折格子分析器300を介して提供される。回折格子分析器300は通常、通常は電荷結合アレイである光センサ・デバイス106から距離Tに位置するクロスドグリッド・シヌソイド振幅格子163を含む。収差波面145が回折格子163を通過するにつれ、回折格子163から距離Tに位置するトールボット面に回折が生じ、光センサ・デバイス106の面に回折パターンが形成される。この回折パターンのフーリエ変換が得られ、そこから波面勾配情報を引き出すことができる。図4Aは、クロスドグリッド・シヌソイド振幅格子163の前面図を示す。透明な正方形164の中心では、回折格子の透過率は1.0である。この透過振幅はシヌソイド状に低下し、グレーの正方形165の中心で回折格子の透過率は0.0である。
【0044】
上述したように、次に図5を参照すると、波面センサのさらに別の実施形態は、波面勾配を測定可能である光線追跡センサ・デバイス400を含む。このタイプのセンサでは、ハルトマン・シャック・センサの平行光線120が細い光線166で置換され、これはその後に平行移動し、したがって既知の様々な位置xで切除した試験面110を順次サンプリングする。サンプリングした各位置で、ビーム166はパス167へと偏向して、試験面110から距離Dに位置する光センサ・デバイス106に入射する。ビーム166が偏向していなかった場合、これは代替パス168を辿り、実際のパス167がセンサに入射する位置から距離dでセンサ・デバイス106と交差することになる。値dは光センサ・デバイス106によって測定される。比率d/Dは偏向角169の正接である。この比率は、位置xにおける切除した波面145の傾斜である。切除した試験面の表面にわたる様々なx位置で、一連のこのような測定値から波面を再構築することができる。任意選択で、幾つかの既知の位置で試験オブジェクト110を通過した任意の数のビームを使用して、複数の位置における勾配を同時に測定することができる。
【0045】
次に図6を参照すると、さらに別の実施形態では、本発明の波面センサが波面勾配を測定するパターン歪み測定装置500を含む。装置500は光源170を使用し、これは明るいパターンを供給するが、通常は必ずしも暗い縞と明るい縞の交互のパターンではない。光源170は試験面110から既知の距離Aに配置される。光源170からの光は試験面110を通過して、表面110から距離Bに位置するレンズ171へと至る。レンズ171は、ストップ172によって生成された小さい開口を有し、したがって多少ピンホール・カメラのように作用する。光源170からの光の画像173が、レンズ171によって光センサ・デバイス106上に形成される。画像173は切除した試験オブジェクト110の存在によって歪む。位置174から放射される光線を考える。通常は、位置xsにある光源170の暗い部分と明るい部分との間の縁部である。試験面110がない場合、位置174からの全光線のうち点線の光線176のみが開口172を通過し、光センサ・デバイス106に到達することができる。しかし、試験面110が所定の位置にある場合、光線178aは偏向し、したがって偏向した光線178bが光センサ・デバイスに到達せず、光線175aは偏向角度177で偏向し、したがって偏向した光線175bは開口172を通過して、位置xdで光センサ・デバイス106に当たる。距離BとC、さらに測定位置xdが分かると、偏向光線175bの試験面110上の位置xtを、同様の三角形の幾何学的減速を使用して見いだすことができる。次に、距離A、xt、xsが分かると光線175aの初期進行方向が分かる。距離Cとxdが分かると、試験面110による偏向後の偏向光線175bの最終的方向が分かる。このような2本の光線の方向の差で、位置xtで切除した試験オブジェクト110によって引き起こされる光線偏向角度177が分かる。この偏向は、位置xtにおける収差波面145の勾配である。光源170の複数の位置でこの計算を実行する場合、収差波面145の複数ポイントでの勾配が分かり、したがってハルトマン・シャック・センサ・システムで見いだされるのと類似した波面勾配情報を提供する。実際には、単純な平行縞パターンを使用する場合、縞が垂直軸に平行な1つの方向は、勾配の水平成分を与える。次に、水平軸に平行な縞を有するようにパターンを再配向し、勾配の垂直成分を求める。交差した回折格子パターンを使用して、1つの測定値しか使用せずに勾配情報を求めることができる。
【0046】
次に図7A、図7Bを参照すると、波面センサ100によって生成されるデータの一形態は、1つまたは複数の表面マップである。表面マップは、例えば2次元マップ180a、180bおよび/または3次元マップ190a、190bを含む。表面マップは、表面の輪郭または試験面110の全体的形状を評価するのに役立ち、高次収差および/またはアーティファクトの大きさを導出するのにも使用することができる。例えば幾つかの実施形態では、高次収差および/またはアーティファクトは、3次元マップおよび/または2次元マップの暗い領域182a、182b(または明るい方の領域)にあるピーク192a、192bで表される。様々な実施形態では、プロセッサ108は高さ、直径および/または他の寸法によって高次収差および/またはアーティファクトの測定値を提供し、したがってこのような情報を較正に使用することができる。通常、プロセッサ108は、フーリエまたはゼルニケ再構築アルゴリズムのような再構築アルゴリズムを使用して、光センサ・デバイス106からのデータを変化することによって表面マップを提供する。しかし、データを使用可能な形態に変換するために、プロセッサ108が使用する他の適切なプロセスも想定される。
【0047】
幾つかの実施形態では、高次収差および/またはアーティファクトに関するデータを提供することに加えて、波面センサ100は、切除部の屈折力に関するデータも提供する。波面センサ100はさらに、球面円柱より複雑な形状を有するレンズの波面勾配を測定するために使用することができ、このような測定は、現在の従来通りのレンズ測定計では不可能である。
【0048】
本発明の範囲内で様々な改善、適合、改造が可能である。したがって、本発明の範囲は上述した例示的実施形態の詳細に制限されず、請求の範囲によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】レーザ眼科手術システムの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態による波面センサ・デバイスの側面図である。
【図2A】本発明の実施形態により試験面を治療平面に沿って位置決めした状態の波面センサ・デバイスの側面図である。
【図3】本発明の別の実施形態による波面センサ・デバイスの側面図である。
【図3A】図3で示した波面センサ・デバイスの実施形態で使用する通りの位相プレート・アレイの前面図である。
【図3B】図3で示した波面センサ・デバイスの実施形態で使用する通りの開口の前面図である。
【図4】本発明の別の実施形態による波面センサ・デバイスの側面図である。
【図4A】図4で示した波面センサ・デバイスの実施形態で使用する通りのクロスドグリッド・シヌソイド振幅格子の前面図である。
【図5】本発明の別の実施形態による波面センサ・デバイスの側面図である。
【図6】本発明の別の実施形態による波面センサ・デバイスの側面図である。
【図7】有意のアーティファクトを有する切除試験面の波面マップ、本発明の原理により作成した画像の例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目の切除処置を実行するレーザ切除システムの較正を分析する方法であって、
試験面をレーザ・システムで選択的に切除することと、
光源からの光を試験面に通すように導くことと、
試験面の屈折力と、レーザ切除システムの少なくとも1つの追加的な切除特徴を求めるために、光が試験面を通過した後、光を分析することとを含む方法。
【請求項2】
試験面が治療平面に沿って配置され、治療平面が、切除処置を実行するためにレーザ・システムからレーザが導かれる面を備え、光が光源から試験面を通して治療平面へと導かれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光が少なくとも1つの較正デバイスで分析される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
試験面が、切除、導き、分析中に治療平面に固定状態で位置決めされる請求項2に記載の方法。
【請求項5】
さらに、切除ステップの前に試験面を治療平面へと移動させることを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
試験面を移動させることが、試験面が結合されたプラットフォームを移動させることを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
試験面がレンズへ切除される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
試験面がプラスチック較正部材を備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
選択的に切除することが、人間の目の乱視矯正、人間の目の近視矯正、人間の目の遠視矯正、光線療法フラットで構成されるグループから選択した少なくとも1つの処置を近似するために、試験面にレーザ・エネルギを加えることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
分析することが、光を分析するために少なくとも1つの波面センサを使用することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
波面センサが、ハルトマン・シャック・センサ、チェルニング・センサ、光線追跡センサ、シャーリング干渉計センサ、振幅格子センサ、パターン歪み測定装置で構成されたグループから選択される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
分析することが、切除した試験面の品質と形状のうち少なくとも1つを求めることを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
切除した試験面の品質を分析することが、試験面上の少なくとも1つの高次収差またはアーティファクトを検出することを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
品質分析がさらに、試験面上の少なくとも1つの高次収差またはアーティファクトの高さを求めることを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
さらに、試験面の少なくとも1つのマップを作成することを含み、マップは、試験面上の少なくとも1つの高次収差またはアーティファクトの位置を示す請求項13に記載の方法。
【請求項16】
マップがさらに、試験面上の少なくとも1つの高次収差またはアーティファクトの形状を示す請求項15に記載の方法。
【請求項17】
分析することが、
光を電気信号に変換することと、
屈折力と少なくとも1つの追加的な切除特徴を求めるために電気信号を処理することとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
光の変換が、
光が波面レンズ・アレイを通過できるようにすることと、
光検出デバイスで通過した光を感知することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
光検出デバイスが電荷結合素子を備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
さらに、光がレンズ・アレイを通過する前にこれを調節するために、試験面とレンズ・アレイの間のパスに配置された少なくとも1つの集束レンズを調節することも含む請求項18に記載の方法。
【請求項21】
さらに、試験面を近似的に表す画像を作成するために電気信号を使用することを含む請求項17に記載の方法。
【請求項22】
分析することが、
光に関する波面データを測定することと、
試験面の表面マップを作成するために再構築アルゴリズムを使用することとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項23】
再構築アルゴリズムを使用することが、ゼルニケ再構築アルゴリズムとフーリエ再構築アルゴリズムの一方を使用することを含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
さらに、分析ステップ中に求めた屈折力と少なくとも1つの追加的切除特徴に基づいて、レーザ切除システムを調節することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つの切除特徴が、切除した試験面の品質と形状のうち少なくとも1つを含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
レーザ切除システムで使用する較正装置であって、レーザ切除システムが、表面の選択的レーザ切除によって表面の再成形が可能であり、
選択的にレーザで切除可能な試験面と、
光検出アセンブリと、
光を切除した試験面を通して光検出アセンブリへと導く光源と、
検出した光を分析して、試験面の屈折力、レーザ切除システムの少なくとも1つの追加的切除特徴を求めるために、光検出アセンブリに結合したプロセッサとを備える較正装置。
【請求項27】
試験面が、治療平面に沿って位置決め可能であり、治療平面が、再成形処置を実行するためにレーザ・システムからレーザが導かれる面を備え、光源が、光を治療平面へ、切除した試験面を通して光検出アセンブリに向けて通す請求項26に記載の較正装置。
【請求項28】
試験面を切除し、光が光源から試験面を通過する間、試験面が治療平面に沿って固定状態で位置決めされる請求項27に記載の較正装置。
【請求項29】
さらに、試験面が結合された可動位置決めデバイスを備え、位置決めデバイスが治療平面に沿って試験面を位置決めするために移動可能である請求項28に記載の較正装置。
【請求項30】
少なくとも1つの位置決めデバイスが、可動プラットフォーム、接合したアーム、回転アーム、リニア・スライド、枠ピボットで構成したグループから選択される請求項29に記載の較正装置。
【請求項31】
切除可能な試験面がレンズを備える請求項26に記載の較正装置。
【請求項32】
切除可能な試験面がプラスチック較正部材を備える請求項26に記載の較正装置。
【請求項33】
光検出アセンブリが波面センサを備える請求項26に記載の較正装置。
【請求項34】
波面センサが、ハルトマン・シャック・センサ、チェルニング・センサ、光線追跡センサ、シャーリング干渉計センサ、振幅格子センサ、パターン歪み測定装置で構成したグループから選択される請求項33に記載の較正装置。
【請求項35】
光検出アセンブリが、光を電気信号に変換する電荷結合素子を備える請求項26に記載の較正装置。
【請求項36】
プロセッサが、電気信号を分析して、屈折力と少なくとも1つの追加的切除特徴を求めるために、電荷結合素子に結合される請求項35に記載の較正装置。
【請求項37】
プロセッサがさらに、電気信号の分析に基づいてレーザ切除システムを較正するために、レーザ切除システムと結合される請求項36に記載の較正装置。
【請求項38】
プロセッサが、ゼルニケ再構築アルゴリズムとフーリエ再構築アルゴリズムの少なくとも1つを適用して、光検出アセンブリで測定した波面データから試験面の少なくとも1つの表面マップを導出する手段を備える請求項26に記載の較正装置。
【請求項39】
さらに、光の少なくとも1つの特徴を調節するために光源と光検出アセンブリの間に配置された少なくとも1つの調節レンズを備える請求項26に記載の較正装置。
【請求項40】
少なくとも1つの追加的切除特徴が、切除した試験面の品質と形状のうち少なくとも1つを備える請求項26に記載の較正装置。
【請求項41】
品質が、切除した試験面の高次収差とアーティファクトのうち少なくとも1つを備える請求項40に記載の較正装置。
【請求項42】
プロセッサが、切除した試験面の少なくとも1つの画像を作成し、その少なくとも1つの画像が、少なくとも1つの高次収差またはアーティファクトを示す請求項41に記載の較正装置。
【請求項43】
少なくとも1つの画像が、試験面の少なくとも1つの表面マップを備える請求項42に記載の較正装置。
【請求項44】
プロセッサが、少なくとも1つの高次収差またはアーティファクトの少なくとも1つの測定値を生成する請求項41に記載の較正装置。
【請求項45】
プロセッサがレーザ切除システムに結合される請求項26に記載の較正装置。
【請求項46】
プロセッサが、屈折力と少なくとも1つの追加的切除特徴のうち少なくとも1つに基づいてレーザ切除システムを自動的に較正する請求項45に記載の較正装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−522642(P2006−522642A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507171(P2006−507171)
【出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/007780
【国際公開番号】WO2004/093663
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(592075367)ヴィズイクス・インコーポレーテッド (14)
【Fターム(参考)】