説明

注入材

【課題】 所望のゲルタイムを確保でき、従来の注入材では浸透性の向上が図り難かった砂地等の地盤に対しても高い浸透性を示し、初期〜中長期に渡って高い強度発現性を有する強固な地盤に改質できる注入材を提供する。
【解決手段】 シリカゾル、セメントクリンカ粉末、スラグ粉末、石膏類、アルカリ金属の硫酸塩及びナフタレンスルホン酸系減水剤を含有してなる水性スラリーからなり、シリカゾルを除く全粒子の90体積%までが10.5μm以下の粒子であり、且つ45体積%までが2.2μm以下の粒子である注入材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脆弱地盤を強固な地盤に改質するための水硬性の注入材に関する。
【背景技術】
【0002】
水硬性の地盤改良用注入材としては、主にLW工法に使用される水ガラスとセメントを有効成分としたスラリー状の注入材が実用化されている。従来のLW工法用注入材では粒径の大きい市販のポルトランドセメントをそのまま使用することが多く、またゲル化時間が数分以内と短いため注入スラリーが深部に到達する前に固結することがあり、地盤への浸透性が概して低いものであった。浸透性を向上するために、より細かい粒径のセメントを使用したり、ゲルタイム調整剤を用いてゲル化時間を伸延することで、浸透性の改善が行われてきた。一方、改質地盤が高アルカリになるのを避ける上で水ガラスの代わりに水性コロイダルシリカ(シリカゾル)を用いることも行われており、ゲル化剤に超微粒セメントを使用することにより、ゲル化時間のコントロールを容易にし、広範囲なゲルタイムの選定と浸透性向上が図れることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような注入材でも、対象地盤によっては浸透性が向上せず、結果として地盤改質効果が十分得られない場合がある。特に、砂地等の空隙径のかなり小さい地盤では、注入材中の粒子、特にセメント粒子の粒径によって浸透性が大きく左右される。超微粒子セメントを始めとする微細粒子で材料を構成しても、この種の地盤に対しては浸透性が満足できる状況に至っていないのが実情である。この理由の1つとして、シリカゾルの使用は注入材の粘性を高めるため浸透速度の低下を起こし易いことによる。分散剤を併用すれば有効成分の濃度を低減させることなくこの弊害を解消できるが、併用効果を高めるため分散剤量を増すと凝結が遅延し、固結強度の発現性が低下することから強固な地盤に改質できなくなる。
【0004】
また、シリカゾル−セメント系の注入材で、ゲル化剤としてのセメントの一部を潜在水硬性物質である高炉スラグ粉末に置換すると、ゲル化剤の反応活性が適度に抑制されるためシリカゾルの早期ゲル化を遅らせることもでき、目立った凝結遅延を生じることなく、長いゲルタイムを確保することも可能になる。更に、セメントやスラグの微粒分を除去すれば、より効果的にゲル化剤としての反応活性を抑制でき、長いゲルタイムを確実に確保することができる上に、一般にスラリー化した際に凝集化し易い微粒分が含まれないことは、注入浸透の支障要因の除去に繋がる(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法では凝集化を抑制できれば浸透し易い微粒子が省かれることになり、砂地のような、例えば2mm以下の小粒子が密になって形成される空隙経路のかなり狭い地盤では浸透性の向上が極めて困難になることに加え、水硬性成分の反応活性も低下するので特に初期強度の発現性低下は避けられない。
【特許文献1】特開平10−231481号公報
【特許文献2】特開平6−219796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、所望のゲルタイムを確保でき、従来の注入材では浸透性の向上が図り難かった砂地等の地盤に対しても高い浸透性を示し、初期〜中長期に渡って高い強度発現性を有する強固な地盤に改質できる注入材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題解決のための検討を重ねた結果、シリカゾルとそのゲル化剤としてセメントとスラグを用いる注入材系で、ゲル化剤粒子の水中での凝集化や擬凝結を防ぐために特定の減水剤とアルカリ金属の硫酸塩を用い、強度発現を伸延させる上で石膏を用い、且つシリカゾルを除く粒子を特定の粒度構成に調整し、これを水で水性スラリー化したものを用いることにより、比較的長いゲルタイムを容易に確保でき、また従来、注入浸透が困難であった砂質地盤のような空隙路の狭い地盤でも十分浸透し、高い固結強度の強固な地盤に改質できることを見出し本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明は、シリカゾル、セメントクリンカ粉末、スラグ粉末、石膏類、アルカリ金属硫酸塩及びナフタレンスルホン酸系減水剤を含有してなる水性スラリーからなり、シリカゾルを除く全粒子の90体積%以上が10.5μm以下の粒子であり、且つ45体積%までが2.2μm以下の粒子である注入材を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の注入材を用いることにより、従来の注入材では注入浸透困難であった礫を殆ど含まない砂質地盤のような空隙路の狭い地盤でも高い浸透性が得られ、注入後の固結強度の発現性も高く、強固な地盤構造を初期から長期に渡って維持できる。また本注入材は、比較的長いゲルタイムも確保でき、その施工使用態様も所謂1、1.5、2ショットでの何れにも適用できることから作業性に富む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の注入材に用いるシリカゾルは、水性コロイダルシリカであり、コロイド状態安定のため微量のアルカリイオン又は水素イオンを含むものでも使用できる。アルカリイオン又は水素イオンの含有量は、SiO2/R2O(但し、Rはアルカリ金属又は水素)のモル比でおよそ500以下が好ましい。また、使用するシリカゾルの粒径は特に制限されないが、好ましくは3〜100nm、より好ましくは3〜50nmである。粒径3nm未満のシリカゾルは一般にコロイド状態安定のため比較的大量のアルカリイオン含有を必要とし、SiO2/R2Oのモル比が5を大きく下回って水ガラスに近い値となり、高アルカリ質の改質地盤が形成される虞がある。また100nmを超えるシリカゾルではゲル強度が低い。本注入材中のシリカゾル含有量は以下に記すセメントクリンカ粉末とスラグ粉末の合計含有量100質量部に対し、固形分として5〜100質量部、特に10〜70質量部が好ましい。シリカゾル含有量が5質量部未満では注入後の注入材が固結せずに流冒する虞があり、また100質量部を超えると粘性が上昇し、作業性が悪くなる他、浸透性も低下し易くなる。
【0010】
本発明の注入材に用いるセメントクリンカ粉末は、石灰石等のセメント原料を約1300〜1450℃で焼成したものを粉砕して得られるもので、主要生成相が水硬性物質であれば限定されない。またセメントクリンカ粉末が含まれた無機粉末を使用しても良い。このような無機粉末として好適なものはセメントであり、例えば、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等の各種混合セメント、エコセメント等の特殊セメントを挙げることができ、2種以上を併用しても良い。本注入材100質量部中のセメントクリンカ粉末の含有量は、5〜50質量部、特に10〜40質量部が好ましい。含有量が5質量部未満ではシリカゾルのゲル化が殆ど進行せず、50質量部を超えると所望のゲルタイムが著しく得難くなる。
【0011】
本発明の注入材に用いるスラグ粉末は、何れのスラグ粉末でも良く、例えば製鋼スラグ、精銅スラグ、脱珪スラグ、脱燐スラグ、下水汚泥溶融スラグ、都市ゴミ溶融スラグ等の粉末が使用できる。スラグ粉末はセメントクリンカ粉末よりもゲル化剤としての反応活性が低いため、瞬結化を防ぎゲルタイムを長く設定することができることから注入地盤深部まで注入材が浸透するのに寄与する。本注入材100質量部中のスラグ粉末の含有量は50〜95質量部、特に60〜90質量部が好ましい。スラグ粉末含有量が50質量部未満では含有効果が得難くなり、また95質量部を超えると初期の固結強度の低下を引き起こすことがある。
【0012】
本発明の注入材に用いる石膏類は、無水石膏、半水石膏、二水石膏等の天然石膏の他、化学石膏と称されているものの何れでも良く、2種以上を併用しても良い。好ましくは無水石膏を使用する。石膏類は、専らエトリンガイト生成による初期強度発現性増進作用を付与するため使用される。本注入材100質量部中の石膏類の総含有量は、SO3換算で0.1〜3質量部、特0.15〜2質量部が好ましい。注入材に例えばポルトランドセメントなどの硫酸カルシウム含有物を配合使用する場合は、このような配合物に由来した硫酸カルシウム量を加味した含有量とする。石膏類の総含有量が、SO3換算で0.1質量部未満では含有効果が殆ど得られず、また3質量部を超えると凝結遅延を起し、初期強度の低下や注入成分が流冒する虞がある。
【0013】
本発明の注入材に用いるアルカリ金属硫酸塩は、リチウム、ナトリウム、カリウムの何れか1種又は2種以上の硫酸化合物である。アルカリ金属硫酸塩は常温では水に溶解し、水性スラリー中でのセメントクリンカ粉末粒子やスラグ粉末粒子の擬凝結を抑制して良好な注入浸透性を確保し、また凝結遅延を起こさないことから初期強度の発現性を低下させることもない。本注入材100質量部中のアルカリ金属硫酸塩の含有量は、0.1〜10質量部、特に0.2〜5質量部が好ましい。0.1質量部未満では含有効果が殆ど得られず、また10質量部を超えると硬化促進作用が強く働き浸透性が低下する。また本発明においては、シリカゾルとアルカリ金属硫酸塩とを組み合せることが重要であり、この2成分の組み合せにより良好な浸透性と十分な固結強度、すなわち、所望の深さまで浸透し、かつ所望の固結強度を達成できる。
【0014】
本発明の注入材に用いるナフタレンスルホン酸系減水剤は、ナフタレンスルホン酸系の高性能減水剤や高性能AE減水剤であっても良い。より具体的には、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ポリアルキルアリルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸変性リグニン縮合物、変性リグニンと高縮合芳香族スルホン酸複合体が挙げられる。また、液体でも可溶性粉体の何れでも良い。ナフタレンスルホン酸系減水剤を使用することでシリカゾルのゲル化に支障を及ぼすことなく水性スラリー中でのセメントクリンカ粉末粒子やスラグ粉末粒子の凝集を防ぎ、分散状態を維持できることから、浸透性の向上を図ることができる。本注入材中のナフタレンスルホン酸系減水剤の含有量は、固形分換算で0.05〜3質量部、特に0.1〜2質量部が好ましい。0.05質量部未満では含有効果が殆ど得られず、また3質量部を超えると凝結遅延を起こすことがあり、強固な地盤に改質できないことがある。
【0015】
また、本発明の注入材は、前記以外の成分も本発明の効果を実質喪失させない範囲で使用することができる。このような成分として、例えば、所望のゲルタイムを設定し易くなり、また長いゲルタイムの確保も容易に行えることからゲルタイム調整剤の使用が推奨される。ゲルタイム調整剤としては特に限定されるものではないが、例えば公知のアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属燐酸塩などの無機塩を挙げることができる。ゲルタイム調整剤を使用する場合の配合量は、水硬性物質及び潜在水硬性物質の合計含有量100質量部に対し、0.1〜15質量部、特に0.2〜10質量部が好ましい。0.1質量部未満では配合効果が得られず、また15質量部を超えると強度発現性が低下することがある。
【0016】
本発明の注入材は、シリカゾルを除く固形の粒子の粒度構成が、シリカゾル以外の全粒子の90体積%以上、好ましくは95体積%以上が粒径10.5μm以下で、且つシリカゾル以外の全粒子の45体積%以下、好ましくは35体積%以下が粒径2.2μm以下である。粒径10.5μm以下の粒子が90体積%未満では粗粒分が多く含まれることから浸透性が低下することがあり好ましくない。特に、砂質地盤中等の空隙路の狭い、具体的には粒径74μm以下の細粒含有率が20%以下である砂質地盤に対しては殆ど浸透できなくなるので好ましくない。また、粒径2.2μm以下の粒子が45体積%を超えると、特にゲル化剤該当成分の反応活性が高くなり過ぎて注入スラリーが地盤深部にまで達する前に固結したり、凝集化し易くなるため、強固な地盤が得られないことがあるので好ましくない。
【0017】
本発明の注入材は、以上のような成分を含有するスラリー状の注入材であり、スラリー化には水が使用される。スラリー濃度としては、5〜75質量%、特に10〜70質量%であることが望ましい。スラリー濃度が5質量%未満では固結化のための有効成分濃度が低くなり過ぎて強固な地盤に改質し難くなる。また、スラリー濃度が75質量%を超えると固型粒子の分散性の低下や粘性が高くなり過ぎ、均質な固結強度の地盤への改質が困難になったり浸透性の低下を起こす虞がある。
【0018】
また、本発明の注入材は、単独の水性スラリーとして施工使用する場合、製造からある程度時間を経た後での使用となるときは、流動状態を保つためモルタルやコンクリートに使用されるような、例えばクエン酸、酒石酸、グルコン酸などのカルボン酸塩やそのアルカリ金属塩などの凝結遅延剤が配合されるのが好ましい。凝結遅延剤の配合量は、水硬性物質及び潜在水硬性物質の合計含有量100質量部に対し、約0.05〜3質量部、特に0.1〜2質量部が好ましい。また、本発明の注入材は施工状況に応じて、シリカゾル及び必要に応じてこれにゲルタイム調整剤を加えたスラリーと、それ以外の成分を配合してなるスラリーを分けて作製し、これを注入時に合流混合又は同時に注入して地盤中で混ざるように施工使用することもできる。この場合、シリカゾル及びゲルタイム調整剤が含まれない水性スラリーのスラリー濃度は、5〜70質量%が望ましく、またシリカゾル及び必要に応じてこれにゲルタイム調整剤を加えてなる水性スラリーのスラリー濃度は、10〜60質量%が望ましい。
【実施例】
【0019】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの結果より何ら制限されるものではない。なお、実施例において使用した原料は以下の通りである。
【0020】
[使用材料]
水硬性混合微粉末
高炉水砕スラグ(新日本製鉄株式会社製)、普通ポルトランドセメント用クリンカ(太平洋セメント株式会社製)、無水石膏(セントラル硝子株式会社製)、ナフタレンスルホン酸系減水剤(マイティ150:花王株式会社製)、中性無水ボウ硝(東ソー株式会社製)、硫酸第一鉄7水和物(試薬特級:和光純薬工業株式会社製)、亜硫酸ナトリウム(試薬特級:関東化学株式会社製)、チオ硫酸ナトリウム(試薬特級:関東化学株式会社製)を使用し、表1に表す含有量および粒度分布となるように水硬性混合微粉末を作製した。ここで、高炉水砕スラグ、普通ポルトランドセメント用クリンカ、無水石膏、中性無水ボウ硝、硫酸第一鉄7水和物、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムについては、チューブミルに一括投入して混合粉砕し、遠心分級機で所望の粒度に調整した。尚、粒度測定はレーザー回折式粒度分布測定装置(HELOS&RODOS)を用いて行なった。
【0021】
シリカゾル
表2に示す物性のシリカゾルを使用した。
ゲルタイム調整剤
炭酸水素ナトリウム(試薬特級:関東化学株式会社製)
【0022】
【表1】

【0023】
【表2】

【0024】
[注入材の特性評価]
上記材料を用いて下記配合を注入材として砂質地盤への浸透試験、サンドゲルの強度試験およびゲルタイム測定試験を行なった。注入材は、前記作製した各水硬性混合微粉末を水/水硬性混合微粉末重量比190%に調整して約1分間混練した水性スラリーをA液、水/シリカゾルおよびゲルタイム調整剤体積比100%の混合水溶液をB液として用いた。ゲルタイム調整剤はA・B両液混合液のゲルタイムが約10分程度となるよう添加した。ゲルタイムとはA・B両液混合後から流動性を失う時間とした。このA・B両液を1:1の体積比で混合後、直ちに、撹拌装置を取り付けた圧力容器内に投入し、1.0Kgf/cm2の一定圧力で、垂直に立てたφ5×100cmアクリル管に間隙率39%となるよう豊浦砂(平均粒径約200μm、粒径74μm以下の細粒分含有率1%以下、粒径2mm以上の礫分含有率0%の砂質地盤)を充填した供試体の下部より注入した。供試体砂層上部から流出した水あるいはスラリー量をグラウト注入量として測定し、この値をもって浸透性を評価した。尚、供試体は注入前に水で飽和しておき、注入完了は注入開始から15分以内とした。測定したグラウト注入量の結果を表3に表す。多く注入できたもの(グラウト注入量が多いもの)ほど注入浸透性が高い注入材である。また、スラリー硬化後、アクリル管から脱型した硬化供試体をφ5×10cmの円柱状に加工し、材齢6時間で、地盤工学会基準「土の一軸圧縮試験方法」(T511)に準じて一軸圧縮強度の測定を行い、この測定値をもって初期の強度発現性を評価した。一軸圧縮強度の測定結果も表3に表す。
【0025】
また、実施例2の水硬性混合微粉末に対してクエン酸ナトリウム(扶桑工業化学株式会社製)を1重量%添加したものを実施例5として水/水硬性混合微粉末重量比190%に調整して約1分間混練した水性スラリーをA液、水/シリカゾル体積比100%の混合水溶液をB液として用いた。この注入材の試験結果についても表3に表す。
【0026】
【表3】

【0027】
表3から明らかなように、シリカゾル、セメントクリンカ粉末、スラグ粉末、石膏類、アルカリ金属硫酸塩及びナフタレンスルホン酸系減水剤を配合しても、粒度分布が本発明の範囲外では十分な浸透性(注入量)及び強度発現性が得られなかった(比較例1〜4)。
また、シリカゾルを配合してもアルカリ金属硫酸塩を配合しない場合は、十分な浸透性及び強度発現性が得られなかった(比較例5〜8)。さらに、ナフタレンスルホン酸系減水剤を配合しない場合も十分な浸透性及び強度発現性が得られなかった。
【0028】
実施例2の水硬性混合微粉末を用いて上記配合の注入材を作液し、豊浦砂に添加する細粒分を変化させた供試体について浸透試験およびサンドゲルの強度試験を行なった。結果を表4に示す。
【0029】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカゾル、セメントクリンカ粉末、スラグ粉末、石膏類、アルカリ金属硫酸塩及びナフタレンスルホン酸系減水剤を含有してなる水性スラリーからなり、シリカゾルを除く全粒子の90体積%以上が10.5μm以下の粒子であり、且つ45体積%までが2.2μm以下の粒子である注入材。
【請求項2】
水性スラリーがゲルタイム調整剤を含有する請求項1記載の注入材。
【請求項3】
砂質地盤用注入材である請求項1又は2記載の注入材。


【公開番号】特開2006−241316(P2006−241316A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59224(P2005−59224)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(501173461)太平洋マテリアル株式会社 (307)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】