説明

洗剤組成物

硬質表面用の洗剤組成物が提供され、前記組成物は(9)より低いpHで漂白特性を示すことができる過酸化漂白剤、及びアミノケトン又はその誘導体の漂白活性剤を含み、及び組成物の25℃の蒸留水中の1wt%溶液は(9)より低いpHを有する。カリウムモノペルスルフェートが好ましい漂白剤化合物であり、ジエチルアミノアセトン又はその誘導体が好ましい漂白活性剤である。組成物は(9)より低いpHで良好な漂白性能を示す。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、漂白剤及び漂白活性剤を含んだ洗剤組成物に関する。特に本発明は、9以下のpHで共に活性である漂白剤及び漂白活性剤を含んだ硬質表面(hard surface)用の洗浄剤に関する。
【0002】
(背景及び先行技術)
一般的に多くの硬質表面用の洗剤組成物及び特に自動食器洗浄機用の洗剤組成物は、通常は9から12の範囲にあるアルカリ性のpHを有する。このような組成物中で漂白剤系を使用して、漂白できる汚れ、例えばお茶及びトマトを除去することがよく知られている。例えば、過酸化漂白化合物及び漂白活性剤を含んだ自動食器洗浄機用の洗剤組成物が、EP-A-677576で開示されている。このような組成物において使用される典型的な漂白剤系は、塩素系の漂白剤(chlorine based bleaches)及び過酸化漂白剤を含み、後者は普通は漂白活性剤と共に使用される。漂白剤系の後者のタイプの例は、典型的にはTAEDである漂白活性剤と共に使用されるペルカーボネート又はペルボレート漂白剤を含む。実際、これら二つの漂白剤/活性剤系は、現行の洗剤組成物中で典型的に使用されているものである。
しかしながら、組成物のpHがより中性のpH、例えばpH7又は8まで低下した場合、現在使用されている標準的な塩素系又は過酸化漂白剤は最早機能しない。これらの活性は、これらのより低いpHで動態学的に阻害され、結果として、酸化プロセスはよりゆっくりと進行し、その結果、要求される漂白効果を得るために、pH9以上の場合の数分どころではなく、数時間又は数日が要求される。N-アシル及びO-アシル漂白活性化合物を使用して、硬質表面用の洗浄剤における漂白特性に対する水性の酸性環境下でペルオキシ酸を発生させることが提案されている(WO95/21236を参照されたい)。自動食器洗浄機用の組成物中にpH調整系を使用して、10より低い最終pHを有する組成物を得ることも提案されている(WO95/12656及びWO96/05283を参照されたい)。
【0003】
しかしながら、いくつかの例において、より低いpHで、硬質表面洗浄剤及びとりわけ自動食器洗浄機用の洗剤を構築することが望まれる。これは例えば、洗剤組成物がより高いpHで少なくともある程度不安定な成分を含まなければならない場合、皮膚及び眼に対して刺激のより少ない洗剤が求められる場合、又はより低いpHの組成物がいくつかの他の理由の為に望まれる場合に当てはまる。
9より低いpHで、及びとりわけ中性のpH、例えば7で漂白性能を改良するため、このより低いpHで効果的である酸素系の漂白剤が使用できる。モノペルスルフェート塩、例えばカリウムペルオキシモノペルスルフェート(以後、KMPSと言う)は、使用できるこのような過酸化漂白剤の一種である。
しかしながら、KMPSでさえ、その活性を、要求される温度及び要求される時間内で許容される漂白活性を達成するレベルまで増加させるために、漂白活性剤の使用を要求する。
【0004】
KMPSは、KMPSを活性剤としてTAEDと共に使用するEP-A-787482の開示のように、入れ歯の手入れ用途における漂白剤として使用することが見出された。EP-A-787482における実施例は、20wt%のKMPS、3wt%のナトリウムペルカーボネート及び1wt%のTAEDを含み、優れた漂白効果を得るために一晩の反応時間を要求する。従って、KMPSとTAEDの組み合わせは、硬質表面用の洗浄剤、とりわけ自動食器洗浄機用の組成物と同様に、反応時間が比較的短くなければならない場合、低温の漂白に対して適切ではない。
他に知られたKMPS用の活性剤は、ケトンを含む。最も単純な利用可能なケトンであるアセトンが、KMPS用の活性剤として作用することが知られている;ジオキシランが、汚れ、食物残渣(food residue)等を酸化(漂白)する為に使用できる中間体の高い活性の分子である事を開示するW. Adam: Dioxiranes, “新しい種類の強力な酸化剤(A new class of powerful oxidants)”, JACS, 1989, p.205を参照されたい。しかしながら、アセトンは一般的に硬質表面用の洗浄剤、とりわけ自動食器洗浄機用の組成物の成分として望ましくなく、それは、引火/爆発の危険性が存在し、ごまかすことが非常に難しい強烈かつ独特の臭いを有するからである。
【0005】
KMPSを含んだ過酸化漂白剤用のさらなるケトン活性剤は、US3,822,114に開示されている。pH10以上で繊維及び硬質表面を漂白することが開示されている。
EP1209221は、pH9及び10で組成物中の漂白活性剤として使用するための、とりわけ過酸化漂白剤、例えばKMPSと共に使用するためのある環状糖ケトンを開示する。しかしながら、これらの漂白活性剤は、数時間の前記漂白剤の反応時間を示すことがわかっており、これは硬質表面を洗浄する洗剤組成物では許容されず又は望まれない。EP1209221に開示された漂白剤系は、pH10以上でのみ活性である。
しかしながら、モノペルスルフェート塩と開示されたケトン漂白活性剤の先行技術の漂白剤系が示す不利な点は、その漂白性能が全く満足できないことであり、それは非常にゆっくりと進行し及び/又は十分に効果的でなく及び/又は9以下のpHで効果的ではないからである。
本発明の目的は上記問題の1以上を解決することである。特に、本発明の目的は、pH9より低いpHを有していても、更に好ましくは10時間より短い反応時間で、漂白可能な汚れの効果的な除去又は減少を示す、安全で確実な硬質表面用の洗剤組成物を提供することである。本発明のさらなる目的は、pH6から8で(効果及び速度の点において)良好な漂白特性を示す硬質表面用の洗剤組成物を提供することである。本発明のさらなる目的は、水系システムか又は有機溶媒溶液を含んだものに基づいて提供されるような洗剤組成物を提供することである。最良の洗剤は水系システムであり、これらは本発明の範囲内で、pHを維持するために緩衝システムを要求する。
【0006】
(発明の説明)
本発明により、以下を含む硬質表面用の洗剤組成物が提供される;
a)9より低いpHで漂白特性を示すことができる過酸化漂白剤、及び
b)アミノケトン又はその誘導体の漂白活性剤、
ここで、前記組成物の25℃での蒸留水中における1wt%溶液は、9より低いpHを有する。
洗剤組成物が食器用の洗剤組成物、とりわけ自動食器洗浄機用の組成物であることが好ましい。好ましくは、硬質表面用の洗剤組成物は、1wt%から20wt%の過酸化漂白剤を含む。
第二の態様により、アミノケトン又はその誘導体の漂白活性剤及び多価イオンの供給源の、過酸化漂白剤の漂白性能を改良するための使用を提供する。
過酸化漂白剤が6.5から8.5の範囲におけるpHで漂白特性を示すことができることが好ましい。
硬質表面用の洗剤組成物は、好ましくはアミノケトン又はその誘導体の漂白活性剤を、0.01から10wt%の量で含む。
【0007】
両方の態様について、好ましい過酸化漂白剤はペルスルフェートであり、そのナトリウム塩又はカリウム塩が最も好ましく、カリウムモノペルスルフェートがとりわけ好ましい。ジアルキルアミノアセトンが最も好ましい漂白活性剤であり、好ましいタイプは、2つの独立したC1-C5アルキル鎖を有するものであり、ジエチルアミノアセトンがとりわけ好ましく、それらのハイドロクロライド誘導体(塩)がとりわけ好ましい。
本発明の組成物はさらに、多価イオンの供給源、及びとりわけスルフェート、カーボネート、アセテート、グルコネート及び金属タンパク化合物、又は亜鉛、ビスマス又はマンガンから選択されるものを含む。
さらに、本発明の洗剤組成物はpH緩衝系を含む事が好ましい。洗剤組成物は、25℃の脱塩水中における1wt%溶液として、6.5から8.5の範囲におけるpHを有する事が好ましい。
【0008】
驚くべき事に、本発明の組成物は、9以下のpHを有する組成物中において良好な漂白性能を示すことが見出された。絶対漂白力は、所望の漂白効果を得るために要求される反応時間として許容される事がわかった。さらに、本発明の組成物は先行技術に関する他の不利な点、例えば洗剤組成物に対して引火/爆発の危険性又は許容されない臭いを与えることに受け入れられない形で苦しめられることもない。
本発明の硬質表面用の洗剤組成物は、これらがさらに多価イオンの供給源を含む場合に特に良好な漂白性能を示すことが、驚くべき事に更にわかった。これはとりわけ驚くべきであり、それは漂白性能は通常多価イオンの存在により不利な影響を受けることがよく知られているためである。
他に記載しない限り、本明細書における全ての量は、組成物全体の質量に基づいた活性成分の質量によるパーセンテージとして与えられる。
【0009】
本明細書で使用されるものとしての用語“硬質表面用の洗剤組成物”は、硬質表面を洗浄するために使用される洗剤組成物を意味する。硬質表面の例は、床、壁、表面、窓及び家庭用品、特に台所用品、例えば取り皿、大皿及び食卓用金物等を含むがこれに限定されない。柔らかい表面に使用するための洗剤組成物、例えば洗濯洗剤及び繊維等に使用するための他の組成物は、用語“硬質表面用の洗剤組成物”の範囲に含まれない。
本明細書で使用する“9より低いpHで漂白特性を示すことができる”とは、SOFW-ジャーナル,132,3-2006,55-70ページで公開されているように、過酸化漂白剤が、汚れたティーカップの漂白のためのIKW(Industrieverband fuer Koerper- und Waschpflege based in Frankfurt, Germany)法による、50℃ノーマルサイクルを用いたMiele651食器洗浄機中で試験した場合、1〜10の等級(1が全く汚れが除去されておらず、10が完全に除去された)に基づいて少なくとも5の結果を示す事を意味する。
【0010】
(詳細な説明)
本発明は、以下に更に詳細に説明される。
本発明の硬質表面用の洗剤組成物は、いかなる種類のこのような洗剤、例えば食器用洗剤、フロアクリーナー又は表面洗浄剤として処方して良い。本発明の洗剤組成物のとりわけ好ましい種類は、自動食器洗浄機用の洗剤である。
洗剤組成物は、意図される用途に従って水系又は溶剤系であって良い。水が組成物中に存在するかどうかは、洗剤組成物の意図される使用及び製品のフォーマットによって決まるであろう。
蒸留水中における洗剤組成物の1wt%溶液は、9より低い、好ましくは6.0〜8.9、より好ましくは6.5〜8.5、とりわけ6.8〜8.2、例えば7.0〜8.0の範囲における、25℃でのpHを有する。
【0011】
a)洗剤組成物フォーマット
本発明の洗剤組成物は、ペースト、液体、固体(例えば錠剤、粉末/顆粒)又はゲルを含んだいかなる適切な形態であって良く、粉末及び錠剤が好ましい。組成物が自動食器洗浄機用の製品である場合、投与単位の製品形態であることが好ましく、すなわち洗浄操作における単一の部分の洗剤組成物として使用するため設計された形態であることが好ましい。もちろん、このような単一の部分の1以上を、洗浄操作において使用して良い。
固体形態は、例えば錠剤、ロッド、ボール又は菱形の形態にあるものを含む。組成物は、微粒形態、緩い又は圧縮して成形されて良く、又は射出成形若しくはキャスティング若しくは押し出しにより成形されても良い。組成物を、水溶性のラッピング、例えばPVOH又はセルロース材料のラッピング中に入れても良い。固体製品は、所望のように分割された製品とし提供して良い。
組成物は投与単位(分割された製品)製品を含んだ、ペースト、ゲル又は液体形態であっても良い。例は、少なくとも部分的に水溶性包装、例えばポリビニルアルコール包装により包まれたペースト、ゲル又は液体製品を含む。この包装は、例えば、カプセル、ポーチ等の形態をとっても良い。好ましくは、組成物は、このような包装により実質的に包まれ、最も好ましくはこのような包装で完全に包まれる。いかなるこのような包装は、本明細書で言及するように、1以上の製品形態を含んで良い。
【0012】
b)漂白化合物
漂白化合物は本発明の組成物中に存在し、9より低い、好ましくは6.0〜8.9、より好ましくは6.5〜8.5、とりわけ6.8〜8.2、例えば7.0〜8.0の範囲におけるpHで漂白特性を示すことができる。漂白化合物は、単独か及び/又はアミノケトン漂白活性剤の存在下でこれら漂白特性を示すことができる。
最も好ましくは、漂白剤は、無機過酸化物又は有機過酸及びどちらかの誘導体(塩を含む)であって、9より低いpHで漂白特性を示すことができるものから選択される。適切な無機過酸化物の例はペルスルフェートを含み、ナトリウム及びカリウムペルオキシモノペルスルフェートがとりわけ好ましく、とりわけカリウム塩が本発明の最も好ましいタイプの漂白剤である。無機過酸化物は、通常アルカリ金属塩、例えばリチウム、ナトリウム又はカリウム塩であり、特にナトリウム又はカリウム塩である。ペルボレート及び/又はペルカーボネートを使用しても良いがあまり好ましくなく、それはこれらがペルスルフェートよりも効果がより低いことがわかっているためである。しかしながら、漂白化合物、例えばペルオキシモノペルスルフェート及び/又はペルボレート及び/又はペルカーボネートの混合物を、本発明により使用することができる。ペルオキシモノペルスルフェートとペルボレート及び/又はペルカーボネートの合計量の質量比率は、好ましくは1:10〜10:1、好ましくは5:1〜1:2の範囲である。
【0013】
有機過酸は、例えば、過安息香酸及びペルオキシカルボン酸、例えばモノ又はジペルオキシフタル酸、2-オクチルジペルオキシコハク酸、ジペルオキシドデカンジカルボン酸、ジペルオキシ-アゼライン酸及びイミドペルオキシカルボン酸及び任意でこれらの塩を含む、漂白剤として従来から使用されている全ての有機過酸を含む。フタルイミドペルヘキサン酸(PAP)がとりわけ好ましい。
漂白成分は、0.5wt%〜30wt%、より好ましくは0.75wt%〜25wt%、より好ましくは1wt%〜20wt%、例えば1.5wt%〜15wt%の量で洗剤組成物中に好ましく存在する。
【0014】
c)漂白活性剤
本発明の洗剤組成物は、アミノアセトン又はこれらの誘導体の漂白活性剤を含む。これらの誘導体は、アミノアセトンの塩を含む。疑いを回避するため、本明細書で使用する用語“アミノアセトン漂白活性剤”は、漂白活性特性を有する、アミノアセトン及び塩を含んだその誘導体を含む。好ましい漂白活性剤はジアルキルアミノアセトンであり、最も好ましいのは、2つの独立したC1-C22アルキル鎖、C2-C22アルケニル鎖又はフェニル又はC5-C8シクロアルキル鎖、とりわけ2つの独立したC1-C5アルキル鎖、例えば2つの独立したC1-C3アルキル鎖を有するものである。ジエチルアミノアセトンがとりわけ好ましい漂白活性剤である。本発明の具体的な態様に従って、KMPSとジエチルアミノアセトンを含んだ漂白系が提供され、特に有利であることがわかった。
前記アミノアセトンの合成は、R. Stoermer et al., Chem. Ber., 28, 1895, 2220-2227及び Chem. Ber., 29, 1896, 866-874, J. Magge und H. Henze, J. Amer. Chem. Soc., 60, 1938, 2148-2151, J. King und McMillan, J. Amer. Chem. Soc., 73, 1951, 4451-4453及びH. Zaugg und B. Horrom, J. Amer. Chem. Soc., 72, 1950, 3004-3007に記載されている。合成は、溶媒中でジ-アルキルアミンとモノ-ハロゲンアセトンの反応を介して普通に行われる。塩の形成は、アミノアセトンと無機又は有機酸の反応を介して達成できる。好ましい酸は、塩酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、安息香酸及びポリカルボン酸である。ハイドロクロライド誘導体がとりわけ好ましく、及びジアミノアセトンハイドロクロライドが最も好ましい。
【0015】
いかなる適切なアミノアセトン漂白活性剤が使用できる一方で、本発明の漂白活性剤として使用するために最も好ましいアミノアセトンは、以下を含む;N,N-ジメチルアミノアセトン、N,N-ジエチルアミノアセトン、N,N-ジプロピルアミノアセトン、N,N-ジブチルアミノアセトン及びN,N-ジイソブチルアミノアセトン、ピペリジルアセトン、1-モルホリン-4-イル-アセトン、及びN,N-ジメチルアミノアセトン-ハイドロクロライド、N,N-ジエチルアミノアセトン-ハイドロクロライド、N,N-ジエチルアミノアセトン-ハイドロゲンスルフェート、N,N-ジエチルアミノアセトン-アセテート、N,N-ジエチルアミノアセトン-ポリカルボキシレート、N,N-ジプロピルアミノ-アセトン-ハイドロクロライド(N,N-dipropy-lamino-acetone-hydrochloride)、N,N-ジ-n-ブチルアミノアセトン-ハイドロクロライド、N,N-ジイソブチル-アミノアセトン-ハイドロクロライド、ピペリジル-アセトン-ハイドロクロライド、及び1-モルホリン-4-イル-アセトン-ハイドロクロライドを含むこれらの塩。
アミノアセトン及びこれらの塩は、本発明により、キャリアー系と共に又はこれを用いずに使用できる。
【0016】
キャリアー系がアミノアセトンに対して使用される場合、いかなる通常の系を適用して良い。例えば、キャリアー系は、以下の1以上を含んで良い;シリケート、アルミノシリケート、カーボネート、ホスフェート、スルフェート及び有機化合物、例えばクエン酸及びその塩。
アルミノシリケートは、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム又はナトリウムの結晶又はアモルファスシリケートである。アルミノシリケートの例は、クレイ、例えばカオリン、タルク、葉ろう石、アタパルガイト、海泡石、サポナイト、ヘクトライト、スメクタイト、例えばモンモリロナイト(montmorillionite)、及びとりわけベントナイト、ボーキサイト及びゼオライトを含む。ゼオライトが使用される場合、タイプA又はPが好ましい。アミノアセトンに対してとりわけ好ましいキャリアーは、Copisil(登録商標) S 401, Copisil(登録商標) N 401, Laundrosil(登録商標) DGA, Laundrosil(登録商標) EX 0242, Copisil(登録商標) S 401, Copisil (登録商標) N 401又はIkomont(登録商標) CA (Suedchemie, Germanyから入手可能)として知られるベントナイトである。
【0017】
更に層状シリケート、例えば市場で入手可能な製品である、SKS-6及びClariant, Germanyから入手可能なNabion15も使用できる。これら層状シリケートは、Sudchemie, Germanyから入手可能であるTonsil(登録商標) EX 519, Tonsil Optimum 210 FF, Tonsil Standard 310 FF及び314 FF及びOpazil(登録商標) SOとして市場で入手可能な、酸性変性した製品としても使用できる。
キャリアー系としてCopisil材料を用いたアミノアセトン漂白活性剤が、9より低いpHで効果的である漂白化合物に対して非常に良好な活性化特性を示し、結果としてアミノアセトン漂白活性剤とベントナイトキャリアー系を含んだ混合物がとりわけ好ましいことがわかった。
他の好ましいキャリアー系は、ナトリウム-又はカリウムスルフェート、ナトリウムカーボネート、ナトリウムハイドロゲンカーボネート及びアルカリホスフェートを含む。ホスフェートキャリアー化合物の例は、トリ-ナトリウムホスフェート、テトラ-ナトリウム-ジホスフェート、ジ-ナトリウム-ジハイドロゲン-ジホスフェート、ペンタ-ナトリウム-トリホスフェート、ナトリウム-ヘキサメタホスフェート及びトリ-ナトリウム-ホスフェートのオリゴマーを含む。
【0018】
有機キャリアー系は、クエン酸及びそのナトリウム塩、ニトリロトリアセテート(NTA)及びエチレン-ジアミン四酢酸(EDTA)を含む事ができる。さらにポリアクリレート及びポリメタクリレート(polymethyacrylates)のホモポリマー及びコポリマーの塩を使用できる。これらポリマーの相対分子量は、好ましくは1000〜100,000である。
本発明がキャリアー系を有する形態、例えば粉末、顆粒又は他の混合物である場合において、アミノアセトンが組成物中に使用される場合、結果得られる混合物は、典型的に、20〜98wt%の量のキャリアー系を含み、残りがアミノアセトン漂白活性剤である。混合物は、30から95wt%のキャリアー系、とりわけ40から90wt%のキャリアー系を含むことが好ましい。従って、混合物におけるアミノアセトン漂白活性剤の量は、2〜80wt%、より好ましくは5〜70wt%、とりわけ10〜60wt%を含む。本明細書における量は、本発明の硬質表面用の洗剤組成物中で使用するものとしてのアミノアセトン(塩)/キャリアー系混合物中における量を言う。
【0019】
アミノアセトン漂白活性剤は、いかなる適切な方法によりキャリアー系と共に混合して、これら二つの化合物の混合物を製造して良い。粉末化したキャリアー系をアミノアセトン又はその塩の水溶液と単純に混合する場合、アミノアセトン漂白活性剤と粉末化したキャリアー系を混合するための好ましい方法は、ミキサー、例えば造粒機を用いることである。使用するキャリアー系の量は、アミノアセトン溶液の濃度、キャリアー系のタイプ及びプロセスパラメーターにより決まるであろう。適切な量のキャリアー系を選択して、いかなる与えられた状況で使用することも、当業者の知識の範囲内である。
造粒プロセスを使用してアミノアセトン漂白活性剤/キャリアー系混合物を製造する場合、典型的には、いかなる通常の方法により、例えばスプレードライにより、又は通常のオーブン中における加熱による乾燥工程が続く。いかなる乾燥後の混合物におけるアミノアセトン(塩)及びキャリアー系の量は、上記の規定の通りである。
押し出しは、アミノアセトン漂白活性剤/キャリアー系混合物を製造することができる他の方法である。さらに、当業者は適切な方法を知っており、これは本明細書でさらなる説明を必要としない。
【0020】
アミノアセトン漂白活性剤がキャリアー系との混合物として使用される場合、漂白活性剤の物理的及び/又は化学的な安定性が向上することがわかった。これは、漂白活性剤それ自体の安定性に対する場合であり、及び有機及び/又は無機過酸化成分を含んでも良い、硬質表面用の組成物において含まれる場合である。
アミノアセトン漂白活性剤及びその塩は、好ましくは、0.01〜10wt%、より好ましくは0.1〜8wt%及び最も好ましくは0.5〜5wt%の量で、本発明の硬質表面用の洗剤組成物中に使用される。これは、漂白活性剤それ自身の量を表し、キャリアー系とのいかなる混合物の合計量を表すものではない。
アミノアセトン漂白活性剤とキャリアー系の混合物が固形の形態、例えば粉末又は顆粒で使用される場合、重量平均粒子径は、50から2000μm、より好ましくは150から1800μm、例えば300〜1500μmの範囲にあることが好ましい。ふるいを用いて所望の粒径を有する混合物を得ても良い。
【0021】
更に、本発明の一態様により、アミノアセトンの塩を、酸性又はある程度中性化されたキャリアー物質、例えばポリアクリル酸上で、アミノアセトンの適切な量をそのままスプレーすることにより合成して良い。
これら活性剤は、許容される反応時間、典型的には1時間より短い時間で、漂白できる汚れに対して非常に効果的な漂白効果を与えることがわかった。
【0022】
d) pH緩衝系
本発明の洗剤組成物は緩衝系を含んで、とりわけ洗剤組成物が水系である場合、溶液(dissolution)における9より低いpHで組成物のpHを維持して良い。
緩衝系は、酸性源又はアルカリ性源を含んで、溶液における所望のpHを得ても良い。酸性源は、酸性であるいかなる成分も適切である;例えばポリカルボン酸。クエン酸がとりわけ好ましい。これらの酸の塩も使用して良い。アルカリ性源は塩基性であるいかなる化合物も適切である;例えば強塩基と弱酸の全ての塩、例えばソーダである。しかしながら、付加的な酸又は塩基が存在しても良い。アルカリ組成物シリケートの場合において、ホスフェート又はハイドロゲンホスフェートを適切に使用して良い。好ましいシリケートは、ナトリウムシリケート、例えばナトリウムジシリケート、ナトリウムメタシリケート及び結晶フィロシリケート(crystalline phyllosilicates)である。
本発明により、洗剤組成物は、9より低い、好ましくは6.0〜8.9、より好ましくは6.5〜8.5、とりわけ6.8〜8.2、例えば7.0〜8.0のpHを有する。洗剤組成物のpHは、25℃の脱塩水中の1wt%溶液のpHとして表現される。
【0023】
e)他の任意の成分
硬質表面用の洗浄剤組成物、及び特に自動食器洗浄機用の組成物中に、技術的及び/又は性能上の理由から、多価イオンの供給源を含むことが知られる。例えば、多価イオン、とりわけ多価カチオン、及び最もとりわけ亜鉛及び/又はマンガンイオンが、金属及び/又はガラスの腐食を防ぐこれらの能力のために含まれてきた。ビスマスイオンも、このような組成物中に含まれた場合に利点を有するであろう。
例えば、銀/銅の腐食阻害剤として使用するために適切であるものとして知られる有機及び無機レドックス活性物質が、WO94/26860及びWO94/26859で記載されている。適切な無機レドックス活性物質は、例えば、亜鉛、マンガン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、コバルト及びセリウム塩及び/又は錯塩から成る群より選択される金属塩及び/又は金属錯塩であり、金属は酸化状態のII、III、IV、V又はVIの一つである。特に適切な金属塩及び/又は金属錯塩は、MnSO4、Mn(II)シトレート、Mn(II)ステアレート、Mn(II)アセチルアセトネート、Mn(II)[1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホネート]、V2O5、V2O4、VO2、TiOSO4、K2TiF6、K2ZrF6、CoSO4、Co(NO3)2及びCe(NO3)3から成る群より選択される。亜鉛塩が、特に好ましい腐食防止剤である。
【0024】
従って、本発明のとりわけ好ましい任意の成分は、多価イオン、とりわけカチオン、例えばすぐ上の段落で記載したようなもの、及び特に亜鉛、ビスマス及び/又はマンガンイオンの供給源である。特に亜鉛イオンの供給源が好ましい。多価イオンのいかなる適切な供給源を使用しても良く、供給源は好ましくは、スルフェート、カーボネート、アセテート、グルコネート及び金属タンパク化合物の多価カチオン塩及びすぐ上の段落に記載されたものから選択される。
驚くべき事に、多価カチオン供給源が本発明の洗剤組成物中に含まれる場合、特に亜鉛供給源が含まれる場合、漂白性能が悪影響を受けないことがわかった。これは全く予期されておらず、漂白化合物及び多価イオン、とりわけ亜鉛イオンを含んだ洗剤組成物に通常発生する漂白性能に対するマイナスの効果は、少なくともある程度対処されている。さらに、漂白性能の増加までもが、多価カチオン供給源、とりわけ亜鉛イオン供給源を含むことにより得ることもできることが、非常に驚くべき事にわかった。
【0025】
多価カチオン/多価カチオンの供給源のいかなる通常の量も、本発明の組成物に含まれて良い。しかしながら、多価カチオンは、0.01wt%〜5wt%、好ましくは0.1wt%〜3wt%、例えば0.5wt%〜2.5wt%の量で存在する。本発明の硬質表面用の洗剤組成物中の多価カチオンの供給源の量は、結果として相応してより多くなるであろう。
本発明の洗剤組成物は、界面活性剤、例えば、アニオン性、カチオン性、両性又は両イオン性の界面活性剤又はこれらの混合物を含んで良い。多くのこのような界面活性剤が、Kirk Othmer's Encyclopedia of Chemical Technology, 3rd Ed., Vol. 22, pp. 360-379, "界面活性剤と洗剤系(Surfactants and Detersive Systems)"に記載されており、これは参照により本明細書に取り込まれる。一般的に、漂白剤に安定な界面活性剤が好ましい。
好ましい種類の非イオン性界面活性剤は、6から20の炭素原子を有するモノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノールの反応により調製されるエトキシ化した非イオン性界面活性剤である。好ましくは、界面活性剤は、アルコール又はアルキルフェノールの1モルあたり、少なくとも12モル、特に好ましくは少なくとも16モル、さらにより好ましくは少なくとも20モルのエチレンオキシドを有する。
【0026】
特に好ましい非イオン性界面活性剤は、16-20炭素原子を有する直鎖脂肪族アルコールと、アルコール1モルあたり少なくとも12モル、特に好ましくは少なくとも16及びさらにより好ましくは少なくとも20モルのエチレンオキシドからの非イオン性のものである。
本発明の一態様により、非イオン性界面活性剤は更に、分子中にプロピレンオキシド単位を含んで良い。好ましくは、これらPO単位は、非イオン性界面活性剤の全体の分子量の25質量%以下、好ましくは20wt%以下、及びさらにより好ましくは15質量%以下を構成する。
エトキシ化されたモノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノールであり、更にポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー単位を含む界面活性剤を使用して良い。このような界面活性剤のアルコール又はアルキルフェノール部分は、非イオン性界面活性剤の全体の分子量の30%より多く、好ましくは50%より多く、より好ましくは70%より多い部分を構成する。
【0027】
他の種類の適切な非イオン性界面活性剤は、トリメチロールプロパンを用いて開始される、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのリバースブロックコポリマー、及びポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマーを含む。
他の好ましい種類の非イオン性界面活性剤は、以下の式により記載できる:
R1O[CH2CH(CH3)O]X[CH2CH2O]Y[CH2CH(OH)R2]
(式中、R1は4-18炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族炭化水素基又はその混合体を表し、R2は2-26の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族炭化水素残基(rest)又はこれらの混合体を表し、xは0.5〜1.5の値であり、yは少なくとも15の値である。)。
他のグループの好ましい非イオン性界面活性剤は、以下の式のエンドキャップされたポリオキシアルキル化された非イオン性のものである:
R1O[CH2CH(R3)O]X[CH2]kCH(OH)[CH2]jOR2
(式中R1及びR2は1-30炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和又は不飽和の脂肪族又は芳香族炭化水素基であり、R3は水素原子又はメチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、2-ブチル又は2-メチル-2-ブチル基を表し、xは1〜30の値であり、k及びjは1〜12の、好ましくは1〜5の値である。)。xの値が>2である場合、上記式中の各R3は異なることができる。R1及びR2は、好ましくは6-22炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和又は不飽和の脂肪族又は芳香族の炭化水素基であり、8-18の炭素原子を有する基が特に好ましい。基R3Hに関して、メチル又はエチルが特に好ましい。xについての特に好ましい値は1〜20、好ましくは6〜15から成る。
【0028】
上記のように、x>2の場合において、式中の各R3は、異なることができる。例えば、x=3の場合、基R3 は、全てのシングルオーダー(single order)、例えば(PO)(EO)(EO)、(EO)(PO)(EO)、(EO)(EO)(PO)、(EO)(EO)(EO)、(PO)(EO)(PO)、(PO)(PO)(EO)及び(PO)(PO)(PO)中で使用できる、エチレンオキシド(R3=H)又はプロピレンオキシド(R3
=メチル)単位を構築するために選択できるであろう。xに関する値3は、単なる例であり、より大きい値を選択して、それにより(EO)又は(PO)単位のバリエーションのより多い数としても良い。
特に好ましい上記式のエンドキャップされたポリオキシアルキル化されたアルコールは、以下の単純化された式の分子をもたらす、k=1及びj=1であるものである:
R1O[CH2CH(R3)O]XCH2CH(OH)CH2OR2
異なる非イオン性界面活性剤の混合物の使用は、本発明との関係で適切であり、例えばアルコキシル化したアルコールとヒドロキシ基を含んだアルコキシ化したアルコールの混合物である。
【0029】
他の適切な界面活性剤が、WO95/01416に開示されており、参照により本明細書に明確にその内容が取り込まれる。
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、本発明の組成物中に、0.1wt%〜5wt%、より好ましくは0.5wt%〜3wt%、例えば0.5〜3wt%の量で存在する。
界面活性剤は、典型的には、15wt%以下、好ましくは0.5wt%〜10wt%、例えば1wt%〜5wt%の量で含まれる。
洗剤組成物は、リンベースか又はリンベースではないか又はさらには両方のタイプの組み合わせでもよい、通常の量の洗剤ビルダーを含んでも良い。適切なビルダーは、本技術で知られている。
リンビルダーが本発明の硬質表面用の洗浄剤組成物中に使用される場合、モノホスフェート、ジホスフェート、トリポリホスフェート又はオリゴマーのポリホスフェートを使用することが好ましい。これら化合物のアルカリ金属塩、特にナトリウム塩が好ましい。とりわけ好ましいビルダーは、ナトリウムトリポリホスフェート(STPP)である。
【0030】
リンベースではないビルダーは、カルボン酸基(群)を有する有機分子、アミノ酸ベースの化合物又はサクシネートベースの化合物であってもよい。用語“サクシネートベースの化合物”及び“コハク酸ベースの化合物”は、本明細書において互換可能に使用される。
カルボン酸基を含んだ有機分子であるビルダー化合物は、クエン酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、乳酸及びこれらの塩を含む。特に、これら有機化合物のアルカリ又はアルカリ土類金属塩、とりわけナトリウム塩を使用して良い。とりわけ好ましいビルダーは、ナトリウムシトレートである。
【0031】
本発明のアミノ酸ベースの化合物の好ましい例は、MGDA(メチル-グリシン-アセト酢酸及びその塩及び誘導体)及びGLDA(グルタミック-N,N-アセト酢酸及びその塩及び誘導体)である。GLDA(その塩及び誘導体)は、本発明でとりわけ好ましく、その四ナトリウム塩がとりわけ好ましい。他の適切なビルダーは、参照により本明細書に取り込まれるUS6,426,229に記載される。特に適切なビルダーは以下を含む;例えばアスパラギン酸−N-モノ酢酸(ASMA)、アスパラギン酸-N,N-アセト酢酸(ASDA)、アスパラギン酸-N-モノプロピオン酸(ASMP)、イミノジコハク酸(IDA)、N-(2-スルホメチル)アスパラギン酸(SMAS)、N-(2-スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS)、N-(2-スルホメチル)グルタミン酸(SMGL)、N-(2-スルホエチル)グルタミン酸(SEGL)、N-メチルイミノアセト酢酸(MIDA)、α-アラニン-N,N-アセト酢酸(α-ALDA)、β-アラニン-N,N-アセト酢酸(β-ALDA)、セリン-N,N-アセト酢酸(SEDA)、イソセリン-N,N-アセト酢酸(ISDA)、フェニルアラニン-N,N-アセト酢酸(PHDA)、アントラニル酸-N,N-アセト酢酸(ANDA)、スルファニル酸-N,N-アセト酢酸(SLDA)、タウリン-N,N-アセト酢酸(TUDA)及びスルホメチル-N,N-アセト酢酸(SMDA)及びこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩。
【0032】
さらに好ましいサクシネート化合物がUS-A-5,977,053に記載されており、以下の式を有する;
【化1】

(式中、R、R1は互いに独立にH又はOHを意味し、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立にカチオン、水素、アルカリ金属イオン及びアンモニウムイオンを意味し、アンモニウムイオンは、一般式R6R7R8R9N+を有し、R6、R7、R8、R9はそれぞれ独立に水素、1〜12C原子を有するアルキル基又は2〜3C原子を有するヒドロキシル置換されたアルキル基を意味する)。好ましい例は、四ナトリウムイミノサクシネートである。
【0033】
好ましくは、組成物中に存在するビルダーの合計量は、少なくとも5wt%、好ましくは少なくとも10wt%、より好ましくは少なくとも20wt%、及び最も好ましくは少なくとも25wt%の量で、及び好ましくは70wt%以下、好ましくは65wt%以下、より好ましくは60wt%以下、及び最も好ましくは35wt%以下の量である。使用される実際の量は、使用されるビルダーの性質によって決まるであろう。
本発明の洗剤組成物は、更に第二のビルダー(又は共ビルダー)を含んでも良い。好ましい第二のビルダーは、ポリカルボン酸のホモポリマー及びコポリマー及びそのある程度又は完全に中性化された塩、単量体ポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸及びこれらの塩、ホスフェート及びホスホネート及びこのような物質の混合物を含む。上記化合物の好ましい塩は、アンモニウム及び/又はアルカリ金属塩であり、即ち、リチウム、ナトリウム及びカリウム塩であり、及び特に好ましい塩は、ナトリウム塩である。有機物である第二のビルダーが好ましい。
【0034】
適切なポリカルボン酸は、非環式、脂環式、複素環式及び芳香族カルボン酸であり、この場合、これらは、好ましくは2以下の炭素原子により互いに分けられている少なくとも2つのカルボキシル基を含む。
2つのカルボキシル基を含んだポリカルボキシレートは、例えばマロン酸、(エチレンジオキシ)アセト酢酸、マレイン酸、ジグリコール酸、酒石酸、タルトロン酸及びフマル酸の水溶性塩を含む。3つのカルボキシル基を含んだポリカルボキシレートは、例えば水溶性のシトレートを含む。これに対して、適切なヒドロキシカルボン酸は、例えば、クエン酸である。
他の適切なポリカルボン酸はアクリル酸のホモポリマーである。他の適切なビルダーは、WO95/01416に開示されており、その内容は本明細書に明確に参照される。
本発明の洗剤組成物は、さらに1以上の泡を制御する薬剤(foam control agent)を含んでも良い。この目的に対して適切な泡を制御する薬剤は、この分野で通常に使用される全てのもの、例えばシリコーン及びパラフィンオイルである。泡を制御する薬剤は、組成物の合計質量の5wt%以下の量で組成物中に好ましく存在する。
【0035】
洗剤組成物は、通常の量で銀/銅腐食防止剤を含んでも良く、組成物が自動食器洗浄機用の洗剤である場合これが好ましい。この用語は、非鉄金属、特に銀及び銅の曇りを防ぎ又は減少させることを意図した薬剤を含む。好ましい銀/銅腐食防止剤は、ベンゾトリアゾール又はビス-ベンゾトリアゾール及びこれらの置換された誘導体である。他の適切な薬剤は、有機及び/又は無機レドックス活性物質及びパラフィンオイルである。ベンゾトリアゾール誘導体は、芳香環上の有効な置換位置が部分的又は完全に置換されたこれら化合物である。適切な置換基は、直鎖又は分枝鎖C1-20アルキル基、及びヒドロキシル、チオ、フェニル又はハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素である。好ましい置換されたベンゾトリアゾールは、トリルトリアゾールである。
他の慣例の添加剤は、例えば染料及び香料であり、任意に液体製品の場合、防腐剤であり、これらの適切な例は、イソチアゾリノンに基づいた化合物である。増粘剤をペースト、液体及びゲル製品中に使用しても良い。いかなる適切な増粘剤も使用して良く、ゴム、ポリマー及びゲルが好ましい。
【0036】
洗剤組成物の洗浄性能を向上することを意図するポリマーを含んでも良い。例えばスルホン化したポリマーを使用して良い。好ましい例は、CH2=CR1-CR2R3-O-C4H3R4-SO3X(式中、R1、R2、R3、R4は、独立に1〜6炭素のアルキル又は水素であり、xは水素又はアルカリである。)と、いかなる適切な他のモノマー単位、例えば修飾したアクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸及びメチレンマロン酸又はこれらの塩、マレイン酸無水物、アクリルアミド、アルキレン、ビニルメチルエーテル、スチレン及びこれらのいかなる混合物とのコポリマーを含む。スルホン化した(コ)ポリマーにおいて追加される他の適切なスルホン化したモノマーは、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシ-プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペネン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-スルホプロピルアクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、スルホメチルアクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド及びこれらの水溶性塩である。適切なスルホン化したポリマーが、US5308532及びWO2005/090541で開示されている。
【0037】
スルホン化したポリマーが存在する場合、これは組成物中に、少なくとも0.1wt%、好ましくは少なくとも0.5wt%、より好ましくは少なくとも1wt%、及び最も好ましくは少なくとも3wt%、及び40wt%以下、好ましくは25wt%以下、より好ましくは15wt%以下、及び最も好ましくは10wt%以下の量で好ましく存在する。
硬質表面用の洗浄剤が成形した塊又は錠剤の形状にある場合、通常の量の結合剤材料を含んでも良い。いかなる通常の結合剤も、典型的には10wt%以下の量で、より好ましくは5wt%以下の量で使用して良い。適切な結合剤はポリエチレングリコールを含む。
洗剤組成物は、1以上の酵素を含んで良い。しかしながら、酵素は、これらが洗剤組成物のpHで効果的であるものから好ましく選択される。いくつかの場合において、通常使用されているよりもより高いレベルの酵素が、それらを補償するために必要とされ、これらの最適なpH範囲の外側で機能する。
酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ及びペルオキシダーゼ酵素から選択される。このような酵素は市場で入手可能であり、例えばNova Industries A/Sによる登録商標Esperase、Alcalase及びSavinase、及びInternational Biosynthetics, IncによるMaxataseで販売されている。プロテアーゼ酵素が本発明の組成物中に含まれることが最も好ましい;このような酵素は、例えば食器洗浄用の洗剤組成物において効果的である。
【0038】
望ましくは酵素(群)は、0.01〜3wt%、とりわけ0.1〜2.5wt%、例えば0.2〜2wt%の量で組成物中に存在する。
本発明の洗剤組成物は、少量の通常の量の香料、防腐剤及び/又は着色剤を含んでも良い。このような成分は、2wt%以下の量で典型的に存在する。
本発明の組成物は、そのフォーマットにより決定されるいかなる適切な方法により製造してよい。洗剤組成物の製造方法は、本技術でよく知られており、本明細書で更に説明する必要はない。例えば、洗剤錠剤を、圧縮粒(compacting granular)/粒子材料により製造して良い。
組成物は、以下の制限しない実施例を参照して記載される。本発明の範囲内にあるさらなる実施例は、当業者に対して明らかであろう。
【0039】
実施例
実施例1;比較の硬質表面用の洗剤組成物
粉末化した洗剤組成物を、以下の表1に示す処方に従って調製した。組成物は、公知の過酸化漂白剤であるモノペルスルフェート及び公知の環状糖ケトン漂白活性剤である1,2:4,5-ジ-O-イソプロピリデン-D-エリスロ-2,3-ヘキソジウオ(hexodiuo)-2,6-ピラノース(IEHP)から成っていた。
【0040】
表1
【表1】

【0041】
*1Novozymes, Denmarkから入手可能なDuramyl(RTM)
*2 Genecor International, USAのプロテアーゼ(RTM)
*3Rohm and Haasから入手可能なスルホン化したポリアクリル酸コポリマーAcusol(RTM)587
*4C16-18脂肪族アルコール3EO-3PO
【0042】
それぞれ別々の組成が、試験する前に速やかに全ての成分を共に単純に混合することにより調製された。処方のpHは、室温で水中の1wt%で測定された。少量のクエン酸又はソーダを添加して、7.5の所望のpH値を達成した。
【0043】
実施例2;比較の処方のpH7.5での漂白能力
表1の処方の漂白性能(及び他の洗浄性能)を、上記IKW法に従って、お茶で汚したティーカップを含んだ、50℃ノーマルサイクルを用いたMiele651食器洗浄機中で試験した。20gの粉末処方を、サイクルを開始する前に食器洗浄機の投与チャンバーに対して添加した。水の硬度は、21°gHであった。
比較の組成物により得られるティーカップにおけるお茶の汚れの漂白結果が、表1に示される。漂白効果は、1-10のスケール(1が少し又は全く漂白されておらず、10がお茶の汚れを完全に漂白する)で表現される。
【0044】
表2
【表2】

【0045】
上記試験におけるティーカップからのお茶の汚れの除去は、漂白剤及び漂白活性剤のより高い濃度でさえ不十分であった。自動食器洗浄機のサイクルの主な洗浄サイクルにおける(即ち洗剤が活性である)試験時間は20分である。
【0046】
実施例3;ジエチル-アミノアセトン漂白活性剤を含む組成物
本発明の洗剤組成物を、以下の表3に示す処方に従い、実施例1で概略したような同じ方法で調製した。組成物は、公知の過酸化漂白剤であるペルオキシモノペルスルフェートと更に本発明によるジエチルアミノアセトン漂白活性剤から成っていた。
【0047】
表3
【表3】

【0048】
処方のpHは、室温で水中の1wt%で測定した。少量のクエン酸又はソーダを添加して、7.5の所望のpH値を達成した。
【0049】
実施例4;pH7.5での本発明の洗剤組成物の漂白能力
表3における処方の漂白性能を、実施例1のように試験した。
【0050】
表4
【表4】

【0051】
上記結果は、本発明の硬質表面用の洗浄剤組成物が、pH7で良好な漂白特性を示し、及びこれが許容される時間(通常の自動食器洗浄機のサイクルのタイミング)内で達成されることを証明する。
【0052】
実施例5;ジエチルアミノアセトン漂白活性剤のpH依存性
pHの範囲に対する漂白活性剤として機能するジエチルアミノアセトンの能力を、以下の表5に示す組成物を用いて、実施例1において記載した実験レジメに従って試験することにより調査した。組成物を実施例1の方法に従って調製した。
【0053】
表5
【表5】

【0054】
*5 ジエチルアミノアセトン漂白活性剤を、Copisilとして入手可能なベントナイトクレイキャリアーと1:2質量部で共に粒子にした。組成物は、0.447wt%のクレイキャリアーと、0.223wt%のジエチルアミノアセトン漂白活性剤を含んだ。
【0055】
表6;お茶の汚れの漂白におけるpHの効果
【表6】

【0056】
上記結果は、ジエチルアミノアセトンが、9より低いpHで漂白活性剤として効果的であることを実証する。さらに、これは、これらの活性剤が、9以上のpHよりも、pH 7及び8でより効果的であることを示す。
【0057】
実施例6;ジエチルアミノアセトン漂白活性剤の濃度依存性
一定の漂白剤濃度での漂白性能におけるジエチルアミノアセトンの濃度の効果を、以下の表7で示す組成物を用いて、実施例1で記載された実験レジメに従って試験することにより調査した。組成物を、実施例1に示す方法に従って調製した。組成物のpHは7であった。結果を以下の表8に示す。
【0058】
表7:
【表7】

【0059】
*5ジエチルアミノアセトン漂白活性剤を、実施例5におけるようにベントナイトクレイキャリアーと共に造粒した。実施例6Aは、0.447wt%のクレイキャリアー及び0.223wt%のジエチルアミノアセトン漂白活性剤を含んだ。実施例6Bは、0.693wt%のクレイキャリアーと0.347wt%のジエチルアミノアセトン漂白活性剤を含んだ。実施例6Cは、1.334wt%のクレイキャリアーと、0.666wt%のジエチルアミノアセトン漂白活性剤を含んだ。
【0060】
表8:
【表8】

【0061】
上記結果は、ジエチルアミノアセトン漂白活性剤の濃度の増加が、KMPSの一定濃度に対する漂白効果の増加をもたらすことを実証する。さらに、実施例6Cは驚くほど高い安定性を示し、それは、漂白活性剤の粒のいかなる変色も又は洗剤組成物の黄変も、30℃/70%RHでの6週間の貯蔵後に観察されなかったためである。
【0062】
実施例7;亜鉛塩の添加
亜鉛塩は、自動食器洗浄機用の洗浄剤に頻繁に含まれて、ガラスの腐食を防止し又は減少させる。しかしながら、亜鉛イオンは酸素系漂白剤の性能における負の影響を有し、これは明らかに望まれない。
表7の組成物を調製したが、0.24wt%のナトリウムシトレートの代わりに同量の亜鉛スルフェートを添加し、実施例1の実験レジメ及び調製方法に従った。
お茶の除去が、亜鉛を含まない表7の実施例に対する5.0から、亜鉛スルフェートを含んだ組成物に関する6.0のスコアまで向上した。これは全く予想されていなかったことであり、漂白剤及び亜鉛イオンを含んだ洗剤組成物に通常見られる漂白性能における負の効果が打ち消された。さらに、良好な漂白性能が維持されているだけでなく、漂白性能における増加が得られたことも大変な驚きである。
【0063】
実施例8;ホスフェートビルダー(STPP)を含んだ洗剤組成物
表9の洗剤組成物を、実施例1の方法により調製した。組成物のpHを、上記実施例に記載したように測定し、8であった。
【0064】
表9:
【表9】

【0065】
洗剤組成物を実施例1の方法により調製し、実験レジメに従って試験し、5.0のスコアを得た。従って、許容される漂白結果が、使用したビルダー(ホスフェート又はホスフェートではない)の種類によらず本発明により得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含んだ硬質表面用の洗剤組成物であって、前記組成物の25℃の蒸留水中の1wt%溶液が9より低いpHを有する前記組成物;
a)9より低いpHで漂白特性を示すことができる過酸化漂白剤、及び
b)アミノケトン又はその誘導体の漂白活性剤。
【請求項2】
組成物が食器洗浄用の洗剤組成物である、請求項1に記載する硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項3】
食器洗浄用の洗剤組成物が、自動食器洗浄機用の洗剤である、請求項2に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項4】
過酸化漂白剤が、6.5〜8.5の範囲におけるpHで漂白特性を示すことができる、請求項1から3のいずれか1項に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項5】
組成物が、1wt%から20wt%の過酸化漂白剤を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項6】
過酸化漂白剤がペルスルフェート漂白剤である、請求項1から5のいずれか1項に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項7】
ペルスルフェート漂白剤が、ペルスルフェート漂白剤のナトリウム塩又はカリウム塩である、請求項1から6のいずれか1項に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項8】
ペルスルフェート漂白剤が、カリウムモノペルスルフェートである、請求項7に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項9】
組成物が、アミノケトン又はその誘導体の漂白活性剤を0.01〜10wt%の量で含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項10】
アミノケトン又はその誘導体の漂白活性剤が、ジアルキル-アミノアセトンである、請求項1から9のいずれか1項に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項11】
ジアルキル-アミノアセトンが、2つの独立したC1-C5アルキル鎖を有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項12】
ジアルキルアミノアセトンが、ジエチルアミノアセトンである、請求項11に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項13】
アミノケトン誘導体がハイドロクロライド塩である、請求項1から12のいずれか1項に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項14】
洗剤組成物がさらに多価カチオンの供給源を含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項15】
多価カチオンが、亜鉛、ビスマス又はマンガンから成る群より選択される、請求項14に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項16】
多価カチオンの供給源が、スルフェート、カーボネート、アセテート、グルコネート及び金属タンパク化合物から成る群より選択される、請求項14又は15に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項17】
洗剤組成物がpH緩衝系を含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項18】
洗剤組成物が、25℃の脱塩水中の1wt%溶液として、6.5〜8.5の範囲におけるpHを有する、請求項1から17のいずれか1項に記載の硬質表面用の洗剤組成物。
【請求項19】
アミノケトン又はその誘導体の漂白活性剤及び多価イオンの供給源の、過酸化漂白剤の漂白性能を向上するための使用。

【公表番号】特表2009−545646(P2009−545646A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522337(P2009−522337)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002943
【国際公開番号】WO2008/015443
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(506429673)レキット ベンキサー ナムローゼ フェンノートシャップ (36)
【Fターム(参考)】