説明

洗浄ノズル

【課題】洗浄対象から除去された異物を効果的に排出方向へ洗い流し、十分な洗浄を発揮する洗浄ノズルを提供する。
【解決手段】洗浄ノズル10は、軸部材12、及び、回転部材20を備えている。軸部材12は、一端が管体Kに取り付けられ、管体Kの軸方向に流路13が構成されると共に流路13から径方向外側に延出されて外周に開口する外周孔15が構成されている。回転部材20は、軸部材12の外周に軸部材12と同軸で相対回転可能に取り付けられ、軸部材12の軸方向で外周孔15と対応する位置に内周側が開口し径方向に対する回転角度及び外周へ向かうにつれて管体K側へ向かって軸方向に対する角度を有する第1噴射孔22が貫通構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体や液体などの流体を噴出して、高圧ゴムホース、樹脂ホース、鋼管等の管状のものの内部を洗浄する洗浄ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
ホースの先端に取り付けられ、孔から流体を噴出させて、排水管の洗浄を行う洗浄用のノズルが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平1−30548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のノズルでは、基体に対して回転体を旋回させながら洗浄を行うために、回転体の孔は、回転軸線に対して直角で半径方向に対して傾斜している。しかしながら、洗浄は、噴出した流体により洗浄対象の管内面から除去された水垢や土砂等の異物がノズルの後方、つまり排出方向に流し出されることにより行われるところ、該孔では、異物がノズルの前方へも流し出されてしまい、十分な洗浄効果が期待できない場合がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、洗浄対象から除去された異物を効果的に排出方向へ洗い流し、十分な洗浄を発揮する洗浄ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る洗浄ノズルは、一端が管体に取り付けられ、前記管体の軸方向に流路が構成されると共に前記流路から径方向外側に延出されて外周に開口する外周孔の構成された軸部材と、前記軸部材の外周に前記軸部材と同軸で相対回転可能に取り付けられ、前記軸部材の軸方向で前記外周孔と対応する位置に内周側が開口し径方向に対する回転角度及び外周へ向かうにつれて前記管体側へ向かって前記軸部材の軸方向に対する角度を有する第1噴射孔が貫通構成された回転部材と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載の洗浄ノズルでは、管体から流路へ流入された流体は、外周孔を通り、回転部材の第1噴射孔から噴射される。回転部材の第1噴射孔は、軸部材と同軸で相対回転可能に取り付けられ径方向に対して回転角度を有しているので、流体の噴出によって軸部材に対して回転する。また、第1噴射孔は、外周へ向かうにつれて管体側へ向かって軸部材の軸方向に対する角度を有しているので、噴出した流体により洗浄対象から除去された異物がノズルの後方、つまり排出方向に流し出されることにより、十分な洗浄効果を発揮することができる。
【0008】
また、第1噴射孔は、回転部材の軸部材の軸方向で外周孔と対応する位置に内周側が開口されている。ここで、第1噴射孔が回転部材の軸部材の軸方向で外周孔と対応する位置とは、第1噴射孔の少なくとも一部が、回転によって外周孔と重なり合う位置をいう。このように、第1噴射孔を配置することにより、回転部材が軸部材に対して回転し、第1噴射孔と外周孔とが重なり合った時に、流体は高い排出圧で噴出され、高い洗浄力を得ることができる。また、前述の回転で第1噴射孔と外周孔とが重なり合う位置と重なり合わない位置とで流体の排出圧が変化するので、流体が不均一に噴射され、洗浄力を高めることができる。
【0009】
請求項2の発明に係る洗浄ノズルは、前記第1噴射孔は軸線が、前記回転部材の中心軸に対してねじれ関係で、直線的に穿孔されていること、を特徴とする。
【0010】
ここで、第1噴射孔の軸線が回転部材の中心軸に対してねじれ関係とは、回転部材の中心軸と第1噴射孔の軸線とが、平行でなく、かつ、交わらない関係をいう。
【0011】
このように、第1噴射孔を穿孔することにより、孔開け加工を容易に行うことができる。
【0012】
請求項3の発明に係る洗浄ノズルは、前記回転部材には、前記軸部材の軸方向で前記第1噴射孔と異なる位置に第2噴射孔が貫通構成されていること、を特徴とする。
【0013】
このように、第2噴射口を第1噴射孔と別に構成することにより、軸方向で広範囲に流体を噴射させて、洗浄力を高めることができる。
請求項4の発明に係る洗浄ノズルは、前記第2噴射孔が、外周へ向かうにつれて前記管体側へ向かって前記軸部材の軸方向に対する角度を有すること、を特徴とする。
このように、第2噴射孔も外周へ向かうにつれて管体側へ向かって軸部材の軸方向に対する角度を有することにより、噴出した流体により洗浄対象から除去された異物がノズルの後方、つまり排出方向に流し出されやすくなり、さらに洗浄効果を発揮することができる。
【0014】
請求項5の発明に係る洗浄ノズルは、前記第2噴射孔は、軸線が前記回転部材の中心軸に対してねじれ関係で、直線的に穿孔されていること、を特徴とする。
【0015】
このように、第2噴射孔を穿孔することにより、第1噴射孔と同様に、孔開け加工を容易に行うことができる。
請求項6の発明に係る洗浄ノズルは、洗浄対象がホースであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明に係る洗浄ノズルによれば、洗浄対象から除去された異物を効果的に排出方向へ洗い流し、十分な洗浄を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ホース内に配置された洗浄ノズルを示す部分破断斜視図である。
【図2】洗浄ノズルの分解斜視図である。
【図3】洗浄ノズルの側断面図である。
【図4】ホース内に配置された洗浄ノズルを示す、図3におけるA−A矢視拡大断面図である。
【図5】洗浄ノズルを示す平面図である。
【図6】洗浄ノズルにおける噴射孔の構成を示す斜視断面図である。
【図7】洗浄ノズルにおける回転部材と軸部材との関係を示す部分破断平面図である。
【図8】ホース内に配置された変形例に係る洗浄ノズルの拡大断面図である。
【図9】変形例に係る洗浄ノズルの噴射孔の構成を示す斜視断面図である。
【図10】ホース内に配置された他の変形例に係る洗浄ノズルを示す部分破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る洗浄ノズル10は、軸部材12、回転部材20、及び、先端部材30を備えている。これらの各部材は、SUS303、304等のステンレス系材料からなるものを用いると、防錆効果が高く好適である。また、S45C等のSC材からなるものを用いてもよい。SC材は安価であり、また金属接触によるカジリ(摩擦熱等による金属同士の凝着)が少なく、回転部材が回転し易いため好適に用いられる。本実施形態では、洗浄ノズル10を、ホース40の洗浄用として説明する。洗浄ノズル10は、先端部材30側からホース40に挿入して、ホース40を洗浄するものであり、先端部材30側が前方となる。洗浄のための流体としては、圧縮空気などの気体、水、洗浄液などの液体を用いることができる。
【0019】
図3にも示されるように、軸部材12は、軸状とされ、基端部14及び芯部16を有している。軸部材12の中心軸をCLとする。基端部14は芯部16よりも大径とされ、芯部16と逆側の端部の内周には、管体Kを取り付ける取付雌ねじ部14Aが構成されている。芯部16の基端部14と逆側の先端には、先端部材30と連結するための雄ねじ部16Aが突出形成されている。
【0020】
管体Kの先端外周には、取付雌ねじ部14Aと螺合する雄ねじKNが形成されている。雄ねじKNが取付雌ねじ部14Aと螺合することにより、基端部14が管体Kに取り付けられる。管体Kは、ステンレス等の鋼管、ホース、樹脂パイプ等を用いることができるが、特に鋼管が好ましい。管体Kから圧力のかかった流体が供給されるため、ある程度の硬性を持つものでないと、洗浄対象のホース40内部で管体Kが震動し易くなるためである。
【0021】
図3に示すように、軸部材12の内側には、中心軸CL方向に沿って流路13が構成されている。流路13は、基端部14側が大径の大流路13Aとされ、芯部16側が基端部14側よりも小径の小流路13Bとされている。小流路13Bは、芯部16の中間部まで延出されている。
【0022】
小流路13Bの先端側には、外周孔15が連通されている。外周孔15は、小流路13Bから径方向外側に延出され、芯部16の外側まで貫通形成されている。外周孔15は、周方向に開口が等間隔で並ぶように4箇所に形成されている。なお、外周孔15の個数は4個に限定されるものではなく、1〜3個でも、5個以上でもよい。
【0023】
雌ねじ部14Aには、先端部材30が取り付けられている。先端部材30は略半球状とされ、芯部16の雄ねじ部16Aが螺合される雌ねじ30Aが形成されている。先端部材30の外径は芯部16よりも大径で、基端部14の外径と略同じとされている。先端部材30は、本発明の必須の構成要件ではないが、略半球状の先端部材30を取り付けることにより、前方への挿入をスムーズに行うことができる。
【0024】
芯部16の外周には、回転部材20が軸部材12と同軸で相対回転可能に取り付けられている。回転部材20は円筒状とされ、芯部16が筒内に挿入され(回転部材20が芯部16に外挿され)ている。回転部材20は、先端部材30と基端部14の間で中心軸CL方向の移動が規制されている。回転部材20の筒内には、凹部20Aが構成されている。凹部20Aは回転部材20の筒内において、中心軸CL方向の両端よりも中間部を大径とすることで構成され、芯部16の外周面との間に空間Rが構成される。空間Rを構成することにより、圧縮空気を外周孔15から後述する第1噴射孔22、第2噴射孔26へスムーズに送出することができる。
【0025】
回転部材20の外周には、第1溝21、及び、第2溝23が形成されている。第1溝21、及び、第2溝23は、周方向に沿って互いに中心軸CL方向に離間して形成され、断面V字形とされている。なお、断面は、V字形である必要はなく、円弧形であっても、凹形状であってもよい。第1溝21は、中心軸CL方向で外周孔15に対応する位置よりも基端部14側に構成されている。第2溝23は、中心軸CL方向で外周孔15に対応する位置よりも先端部材30側に構成されている。第1溝21、及び、第2溝23は、本発明の必須の構成要件ではないが、第1溝21、及び、第2溝23を形成することにより、後述する第1噴射孔22、第2噴射孔26の穿孔をより簡単に行うことができる。
【0026】
回転部材20には、第1噴射孔22、及び、第2噴射孔26が構成されている。第1噴射孔22、及び、第2噴射孔26の開口径は、ノズルの大きさにより適宜設定されるが、開口部を略円形状とした場合、その直径は0.5〜3.0mm程度とすることが好ましい。圧力のかかった流体を比較的小径の開口部から噴射することで高い洗浄力を確保することができ、また噴射孔の穿孔時にドリル等の工具の折損を防止する観点からも、直径0.5〜3.0mm程度のドリル部等を持つ工具を用いることが望ましいためである。第1噴射孔22は、図7に示すように、筒内側の一端が芯部16の外周孔15に対応する位置に開口されている。第1噴射孔22の筒外側の他端は、第1溝部21の先端部材30側の溝壁に開口するように構成されている。第1噴射孔22の軸線L1は直線となっており、第1噴射孔22は直線的に穿孔されている。したがって、第1噴射孔22は、外周へ向かうにつれて中心軸CL方向の後方へ向かい(管体Kへ向かい)、中心軸CL方向に対する角度α1を有している(図3参照)。この角度α1は、例えば30〜60°である。30°を下回ると、第1噴射孔22からホース40の内面40Aまで距離が大きくなり、噴射圧が低下して十分な洗浄力が得られなくなるためである。一方、60°を上回ると、ホース40の内面40Aまでの距離は短いので噴射圧は高いものの、洗浄ノズル10の後方、すなわち排出方向(矢印Z方向、図1参照)に噴射が困難となり、異物が洗浄ノズル10の前方へも流し出されてしまい、十分な洗浄効果が期待できない場合があるためである。より好ましい角度範囲は、30〜45°である。
【0027】
また、第1噴射孔22の軸線L1は、図4に示すように、中心軸CL方向からみて中心軸CLから偏心量eだけオフセットされて、中心軸CLとねじれ関係となるように配置されている。ここで、第1噴射孔22の軸線L1が中心軸CLに対してねじれ関係とは、空間において、中心軸CLと軸線L1とが、平行でなく、かつ、交わらない関係をいう。したがって、第1噴射孔22の軸線L1は、径方向に対して回転角度βを有している。このように、回転角度βを有することにより、第1噴射孔22から流体が噴射されると、回転部材20が軸部材12周りに回転する。なお、回転角度β、すなわち、偏心量eを変化させることで、回転部材20の回転力を変化させることができる。例えば偏心量eを大きく設定すると回転角度βは大きくなり、回転力を大きくすることができ、偏心量eを小さく設定すると回転角度βは小さくなり、回転力を小さくすることができる。この偏心量eは、回転部材20の内径の半径を100とすると、30〜75程度とすることが好ましい。偏心量eが30を下回ると、回転角度βが小さくなるため、十分な回転力が得られなくなり、偏心量eが75を上回ると、回転力は大きくなるが第1噴射孔22、第2噴射孔26からホース40の内面40Aまでの距離が大きくなるため(距離D1・D2、図4参照)、噴射圧が低下して十分な洗浄力が得られなくなるおそれがある。
なお、後述するように第2噴射孔26の軸線L2が、径方向に対して回転角度を有する場合は、図8及び図9に示すように、第1噴射孔22の軸線L1は径方向に対して回転角度βを有していなくてもよい。第2噴射孔26から噴射される流体の圧力のみでも回転部材20を回転させることができるためである。
【0028】
例えば、図4において、中心軸CL方向から見て、軸線L1が上下方向となる第1噴射孔22(左上の第1噴射孔22)を、回転部材20の上方から見たとき、図5に示されるように、該第1噴射孔22(下側の第1噴射孔22)の軸線L1は、中心軸CLと平行となる。またこの第1噴射孔22を回転部材20の側方からみたとき、図6に示されるように、第1噴射孔22(上側の第1噴射孔22)の軸線L1は、中心軸CLに対して角度α1傾斜している。
【0029】
すなわち、図6に示されるように、中心軸CLを含み互いに直交する投影面P1、P2を考えると、第1噴射孔22の軸線L1は、投影面P1に投影すると中心軸CLと平行となり、投影面P2に投影すると中心軸CLに対してα1傾斜している。このように第1噴射孔22を穿孔することにより、穿孔時にドリル等の工具の折損を抑制できるようになっている。
【0030】
第1噴射孔22は、中心軸CLに対して点対称となるように複数設けられている。本実施形態では、第1噴射孔22が2箇所に設けられている。
【0031】
第1溝21を挟んで第1噴射孔22の後方側には、凹部21Aが構成されている。凹部21Aは、第1溝21の後方側壁面と回転部材20の外周面とで構成される角部を一部削り取ることで構成されている。この凹部21Aを設けることで、流体を第1噴射孔22から斜め後方(矢印A方向)に円滑に噴射できるようになっている。
【0032】
第2噴射孔26は、筒内側の一端が芯部16の外周孔15よりも先端部材30側に開口されている。第2噴射孔26の筒外側の他端は、第2溝23の先端部材30側の溝壁に開口するように構成されている。第2噴射孔26の軸線L2は直線となっており、第2噴射孔26は直線的に穿孔されている。したがって、第2噴射孔26は、外周へ向かうにつれて中心軸CL方向の後方へ向かい(管体Kへ向かい)、中心軸CL方向に対する角度α2を有している(図3参照)。この角度α2の好ましい角度範囲は、角度α1と同様である。すなわち、例えば30〜60°であり、より好ましくは、30〜45°である。
【0033】
また、第2噴射孔26の軸線L2は、図4に示すように、軸線L1と同様に、中心軸CL方向からみて中心軸CLから偏心量eだけオフセットされて、中心軸CLとねじれ関係となるように配置されている。したがって、第2噴射孔26の軸線L2は、径方向に対して回転角度βを有している。第2噴射孔26は、中心軸CL方向からみて、第1噴射孔22から90度回転した位置に、第1噴射孔22と同様に穿孔されている。したがって、第2噴射孔26の穿孔時にも、ドリル等の工具の折損を抑制できるようになっている。本実施形態では、第2噴射孔26が2箇所に設けられている。なお、第1噴射孔22の軸線L1が径方向に対して回転角度βを有している場合、第2噴射孔26の軸線L2は径方向に対して回転角度βを有していなくてもよい。第1噴射孔22から噴射される流体の圧力のみでも回転部材20を回転させることができるためである。
【0034】
第2溝23を挟んで第2噴射孔26の後方側には、凹部23Aが構成されている。凹部23Aは、第2溝23の後方側壁面と回転部材20の外周面とで構成される角部を一部削り取ることで構成されている。この凹部23Aを設けることで、流体を第2噴射孔26から斜め後方(矢印A方向)に円滑に噴射できるようになっている。
【0035】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。
【0036】
図1に示すように、洗浄ノズル10を先端部材30側からホース40内に挿入し、管体K側から流体(ここでは圧縮空気)を供給する。すると、圧縮空気は、流路13を通って外周孔15から空間Rへ噴出される。そして、空間Rから、第1噴射孔22、第2噴射孔26を経て、回転部材20の外へ噴射される。噴射された圧縮空気は、ホース40の内面40Aに当たって内面40Aの異物除去(洗浄)が行われる。
【0037】
このとき、第1噴射孔22、第2噴射孔26は、回転角度βを有しているので、回転部材20には、中心軸CLを中心として、矢印B方向(図4参照)の回転力が生じ、軸部材12の外周で回転する。回転部材20は、回転しつつ圧縮空気を噴射するので、ホース40の内面40Aの異物除去(洗浄)を満遍なく行うことができる。
【0038】
また、第1噴射孔22は、回転により外周孔15と重なり合う位置に配置されると、外周孔15からの圧縮空気が直接第1噴射孔22へ入り外側へ噴射される。したがって、第1噴射孔22と外周孔15とが重なり合う位置に配置された時に、圧縮空気は高い排出圧で噴射され、高い洗浄力を得ることができる。
【0039】
また、回転部材20の回転により、第1噴射孔22と外周孔15が重なり合う位置と重なり合わない位置とで圧縮空気の排出圧が変化するので、圧縮空気が不均一に噴射され、洗浄力を高めることができる。
【0040】
また、第1噴射孔22、第2噴射孔26は、各々後方へ向かう角度α1、α2を有しているので、圧縮空気は後方へ向かう成分を有する矢印A方向に噴射される。したがって、噴出した圧縮空気によりホース40の内面40Aから除去された異物が洗浄ノズル10の後方、すなわち排出方向(矢印Z方向、図1参照)に流し出されることにより、十分な洗浄効果を発揮することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、第2噴射孔26を設けた例について説明したが、第2噴射孔26は必ずしも設ける必要はない。図10に示すように、第1噴射口22のみを設け、第2噴射孔26を設けない構成にすることもできる。本実施形態のように、中心軸CL方向で第1噴射孔22と別の位置に第2噴射孔26を設けることにより、中心軸CL方向で広範囲に流体を噴射して、洗浄力を高めることができる。
【0042】
また、本実施形態では、第1噴射孔22の軸線L1、第2噴射孔26の軸線L2を、中心軸CLとねじれ関係となるように設定したが、必ずしもねじれ関係となるように設定する必要はない。本実施形態のようにすることで、第1噴射孔22、第2噴射孔26の穿孔時に、工具の折損を抑制して孔開け加工を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0043】
10 洗浄ノズル
12 軸部材
13 流路
15 外周孔
20 回転部材
22 第1噴射孔
26 第2噴射孔
CL 中心軸
K 管体
L1 軸線
L2 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が管体に取り付けられ、前記管体の軸方向に流路が構成されると共に前記流路から径方向外側に延出されて外周に開口する外周孔の構成された軸部材と、
前記軸部材の外周に前記軸部材と同軸で相対回転可能に取り付けられ、前記軸部材の軸方向で前記外周孔と対応する位置に内周側が開口し径方向に対する回転角度及び外周へ向かうにつれて前記管体側へ向かって前記軸部材の軸方向に対する角度を有する第1噴射孔が貫通構成された回転部材と、
を備えた洗浄ノズル。
【請求項2】
前記第1噴射孔は、軸線が前記回転部材の中心軸に対してねじれ関係で、直線的に穿孔されていること、を特徴とする請求項1に記載の洗浄ノズル。
【請求項3】
前記回転部材には、前記軸部材の軸方向で前記第1噴射孔と異なる位置に第2噴射孔が貫通構成されていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄ノズル。
【請求項4】
前記第2噴射孔は、外周へ向かうにつれて前記管体側へ向かって前記軸部材の軸方向に対する角度を有すること、を特徴とする請求項3に記載の洗浄ノズル。
【請求項5】
前記第2噴射孔は、軸線が前記回転部材の中心軸に対してねじれ関係で、直線的に穿孔されていること、を特徴とする請求項3または請求項4に記載の洗浄ノズル。
【請求項6】
洗浄対象がホースであることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の洗浄ノズル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−669(P2013−669A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135132(P2011−135132)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】