説明

洗浄治具

【課題】 外装体と洗浄治具本体の間に水晶素板が入り込み、水晶素板が破損してしまうことを防止すると共に、洗浄治具自体の反りや破損を防止することができる洗浄治具を提供することを課題とする。
【解決手段】 薄板を洗浄する際に用いられる洗浄治具であって、薄板が挿入可能とするように、第1の基部と第1の枠部により設けられる第1の収容部を有し、第1の収容部底面に第1の貫通孔が設けられている第1の外装体と、第2の基部と第2の枠部により設けられる第2の収容部を有し、第2の収容部底面に第2の貫通孔が設けられ、第2の収容部底面の4隅に第2の注入排出孔が設けられている第2の外装体と、を備え、第1の枠部が第2の収容部内に嵌め込めるようになっており、第1の枠部の4隅に第1の注入排出孔が第2の注入排出孔と向かい合う位置に設けられ、第1の注入排出孔が第1の収容部と連通していることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄く形成された板状体を洗浄する際に用いる洗浄治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薄く形成された板状体、つまり薄板には、例えば水晶素板がある。この水晶素板は、従来より、通信機器や電子機器等に搭載される圧電デバイスに用いられている。
【0003】
図5及び図6に示す水晶素板400は、洗浄されてから用いられる。水晶素板400は小さく割れやすいため、前記水晶素板400の洗浄には、洗浄治具300が用いられる。
具体的には、図5及び図6に示すように、洗浄治具300は、第1の外装体310と第2の外装体320とから構成されている。
【0004】
第1の外装体310は、第1の基部310aと第1の枠部310bにより構成されている。
前記枠部310bは、一枚板の金属板をエッチング加工することによって複数設けられ、第1の枠部310bで囲まれた部分が第1の収容部311となる。つまり、第1の収容部311は、第1の基部310aと第1の枠部310bにより形成される。
前記第1の収容部311は、その内部に前記水晶素板400が挿入可能であり、第1の収容部311底面となる第1の枠部310b内の第1の基部310aに第1の貫通孔312が設けられている。
【0005】
第2の外装体320は、第2の基部320aと第2の枠部320bにより構成されている。
前記枠部320bは、一枚板の金属板をエッチング加工することによって設けられ、第2の枠部320bで囲まれた部分が第2の収容部321となる。つまり、第2の収容部321は、第2の基部320aと第2の枠部320bにより形成される。
第2の基部320aと第2の枠部320bにより第2の収容部321が複数形成されており、第2の収容部321底面となる第2の枠部320b内の第2の基部320aに第2の貫通孔322が設けられている。
水晶素板400が、前記第1の収容部311の水晶素板400に対向する底面と前記第2の収容部321の水晶素板400に対向する底面にはさまれて第1の外装体310から脱落しないようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この従来の洗浄治具300を用いた水晶素板400の洗浄は、前記水晶素板300を収容し、前記洗浄治具300を洗浄槽に浸けて、前記洗浄治具300に向かって水流を噴射することによって、前記水晶素板400に付着している研磨粉やごみ等の付着物を落とすシャワー洗浄を行なっている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−240977号公報
【特許文献2】特開2007−28453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の洗浄治具300は、第1の外装体310及び第2の外装体320のどちらか一方の外側に向いている面に対して水流を噴射することにより、前記第1の貫通孔312内及び前記第2の貫通孔322内から第1の収容部311内及び第2の収容部312内に入った水流の水圧によって、水流を噴射している側と反対側の面の外装体が浮いた状態になるので、第1の外装体310と第2の外装体320との間に水晶素板400が入り込み、水晶素板400が割れてしまうといった課題あった。
また、水流を噴射している側と反対側の面の外装体が浮いた状態になることから、水晶素板400が固定されなくなるため、第1の外装体310と第2の外装体320との間に入り込んだ水晶素板400を収容部に再整理する工程が必要になるため、生産性が低下してしまうといった課題があった。
【0009】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、第1の外装体と第2の外装体との間に薄板が入り込み、薄板が破損してしまうことを防ぐと共に、生産性を向上させる洗浄治具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の洗浄治具は、薄板を洗浄する際に用いられる洗浄治具であって、薄板が挿入可能とするように、第1の基部と第1の枠部により設けられる第1の収容部を有し、第1の収容部底面に第1の貫通孔が設けられている第1の外装体と、第2の基部と第2の枠部により設けられる第2の収容部を有し、第2の収容部底面に第2の貫通孔が設けられ、第2の収容部底面の4隅に第2の注入排出孔が設けられている第2の外装体と、を備え、第1の枠部が第2の収容部内に嵌め込めるようになっており、第1の枠部の4隅に第1の注入排出孔が第2の注入排出孔と向かい合う位置に設けられ、第1の注入排出孔が第1の収容部と連通していることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の洗浄治具は、薄板を洗浄する際に用いられる洗浄治具であって、薄板が挿入可能とするように、第1の基部と4つの壁部により設けられる第1の収容部を有し、第1の収容部底面に第1の貫通孔が設けられている第1の外装体と、第2の基部と第2の枠部により設けられる第2の収容部を有し、第2の収容部底面に第2の貫通孔が設けられ、第2の収容部底面の4隅に第2の注入排出孔が設けられている第2の外装体と、を備え、4つの壁部が第2の収容部内に嵌め込めるようになっており、第1の基部の4箇所に第1の注入排出孔が第2の注入排出孔と向かい合う位置に設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
このような洗浄治具によれば、第2の外装体の第2の収容部底面の4隅に第2の注入排出孔が設けられ、第1の外装体の第1の枠部の4隅に第1の注入排出孔が、第2の注入排出孔と向かい合う位置に設けられていることによって、洗浄治具の片面に対して水流を噴射することにより、前記第1の貫通孔内及び前記第2の貫通孔内から第1の収容部内及び第2の収容部内に入った水流は、第1の注入排出孔及び第2の注入排出孔から排出されることによって、水流を噴射している面と反対側の面の外装体にかかる水圧を低減し、第1の外装体と第2の外装体との間に水晶素板が入り込むことを防ぐことができるので、水晶素板が破損することを防止することができる。
また、第1の注入排出孔及び第2の注入排出孔から排出されることによって、水流を噴射している面と反対側の面の外装体にかかる水圧を低減することができるので、水流を噴射している側と反対側の面の外装体が浮いた状態になることを防ぐことができる。よって、第1の外装体と第2の外装体との間に水晶素板が入り込むことがなくなり、水晶素板を第1の収容部に再整理する工程が必要ないので、生産性を向上させることができる。
【0013】
また、このような洗浄治具によれば、第2の外装体の第2の収容部底面の4隅に第2の注入排出孔が設けられ、第1の外装体の4つの壁部が第2の収容部内に嵌め込めるようになっており、第1の基板部の4箇所に第1の注入排出孔が、第2の注入排出孔と向かい合う位置に設けられていることによって、洗浄治具の片面に対して水流を噴射することにより、前記第1の貫通孔内及び前記第2の貫通孔内から第1の収容部内及び第2の収容部内に入った水流は、第1の注入排出孔及び第2の注入排出孔から排出されることによって、水流を噴射している面と反対側の面の外装体にかかる水圧を低減し、第1の外装体と第2の外装体との間に水晶素板が入り込むことを防ぐことができるので、水晶素板が破損することを防止することができる。
また、第1の注入排出孔及び第2の注入排出孔から排出されることによって、水流を噴射している面と反対側の面の外装体にかかる水圧を低減することができるので、水流を噴射している側と反対側の面の外装体が浮いた状態になることを防ぐことができる。よって、第1の外装体と第2の外装体との間に水晶素板が入り込むことがなくなり、水晶素板を第1の収容部に再整理する工程が必要ないので、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る洗浄治具を第1の外装体側から見た分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る洗浄治具を第2の外装体側から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る洗浄治具を第1の外装体側から見た分解斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る洗浄治具を第2の外装体側から見た分解斜視図である。
【図5】従来の洗浄治具を第1の外装体側から見た分解斜視図である。
【図6】従来の洗浄治具を第2の外装体側から見た分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施添付図面に基づいて詳細に説明する。尚、薄板を水晶素板として説明する。
図1〜図5に示す洗浄治具100は、水晶素板10を収容し、その洗浄治具100を洗浄槽(図示せず)に浸けて、洗浄治具100に向かって水流を噴射することによって、水晶素板10の表面に水流を当てて、前記水晶素板10に付着している付着物を落とすことにより洗浄する際に用いるものである。以下、水晶素板10、洗浄治具100の順に説明する。
【0016】
(水晶素板)
水晶素板10は、人工水晶体から所定のカットアングルで切断し外形加工を施された概略平板状で平面形状が例えば四角形となっている。
水晶素板10の厚みは、例えば、20μm〜50μmとなっている。このように洗浄された水晶素板10の表裏両主面には励振用電極(図示せず)が被着形成され水晶振動素子(図示せず)となる。
前記水晶振動素子は、外部からの電圧が引き出し電極(図示せず)を励振用電極を介して水晶素板10に印加されると、所定の振動モード及び周波数で励振を起こすようになっている。
励振用電極は、前記水晶素板10の表裏両主面に金属膜を積層するようにして被着・形成したものであり、水晶素板10の上面には第1の金属膜であるクロム(Cr)、チタン(Ti)が形成され、第1の金属膜の上面に第2の金属膜である金(Au)が積層するように形成されている。
【0017】
(洗浄治具)
(第1の実施形態)
図1〜図2に示すように、第1の実施形態に係る洗浄治具100は、第1の外装体110と第2の外装体120とから構成されている。
図1〜図2に示す第1の外装体110は、例えば、SUS304等のステンレス鋼によって構成された一枚板の金属板により構成されている。
第1の外装体110は、第1の基部110aと第1の枠部110bにより構成されている。
前記枠部110bは、一枚板の金属板をエッチング加工することによって複数設けられ、第1の枠部110bで囲まれた部分が第1の収容部111となる。つまり、第1の収容部111は、第1の基部110aと第1の枠部110bにより形成される。
【0018】
前記第1の収容部111は、その内部に前記水晶素板10が挿入可能であり、第1の収容部111底面となる第1の枠部110b内の第1の基部110aに第1の貫通孔112が設けられている。
前記第1の貫通孔112は、金属板を打ち抜き加工等をすることにより設けられている。前記第1の貫通孔112は、水晶素板10の主面に設けられる励振用電極及び引き出し電極の形状を成している。
【0019】
また、前記第1の外装体110の前記第1の枠部110bの4隅には、第1の注入排出孔113が設けられている。つまり、第1の注入排出孔113は、後述する第2の注入排出孔123と向かい合う位置になるように前記第1の枠部110bの4隅に設けられている。
前記第1の注入排出孔113は、前記第1の収容部111と連通している。つまり、第1の注入排出孔113は、水流を第1の収容部111内及び後述する第2の収容部121に注入する役割と前記前記第1の貫通孔112及び後述する第2の注入排出孔123から入った水流を排出する役割とを果たす。
【0020】
また、第1の収容部111は、後述する第2の外装体120の第2の収容部121よりも開口面積は小さくなっている。つまり、第1の枠部110bの外周サイズは、後述する第2の枠部120bに設けられた第2の収容部121の開口部サイズよりも小さくなっている。
また、第1の外装体110の厚みは、第1の基部110aと第1の枠部110bの厚みを足して、例えば、70〜140μmになっている。
【0021】
図1〜図2に示す第2の外装体120は、第1の外装体110と同様に、例えば、SUS304等のステンレス鋼によって構成された一枚板の金属板により構成されている。
第2の外装体120は、第2の基部120aと第2の枠部120bにより構成されている。
前記枠部120bは、一枚板の金属板をエッチング加工することによって設けられ、第2の枠部120bで囲まれた部分が第2の収容部121となる。つまり、第2の収容部121は、第2の基部120aと第2の枠部120bにより形成される。
【0022】
第2の基部120aと第2の枠部120bにより第2の収容部121が複数形成されており、第2の収容部121底面となる第2の枠部120b内の第2の基部120aに第2の貫通孔122が設けられている。
前記第2の貫通孔122は、金属板を打ち抜き加工等をすることにより設けられている。前記第2の貫通孔122は、水晶素板10の主面に設けられる励振用電極の形状を成している。
【0023】
また、第2の外装体120の前記第2の収容部121底面の4隅に第2の注入排出孔123が設けられている。
また、第2の注入排出孔123は、前記第1の注入排出孔113と向かい合う位置になるように設けられている。つまり、前記第2の注入排出孔123は、前記第1の注入排出孔113と対向する位置に設けられている。
これにより、第2の注入排出孔123は、水流を前記第1の収容部111内及び前記第2の収容部121内に注入する役割と前記前記第2の貫通孔112及び後述する第1の注入排出孔113から入った水流を排出する役割とを果たす。
【0024】
また、第2の収容部121の開口部サイズは、前記第1の外装体110の第1の枠部110bの外周サイズよりも開口面積は大きくなっており、この第2の収容部121内に第1の外装体110の第1の枠部110bが嵌め込むことができるようになっている。
このように第2の収容部121に第1の枠部110bを嵌め込むことによって、前記第1の収容部111の底面と前記第2の収容部121の底面が水晶素板10と向かい合うようになっている。
また、このように第2の収容部121に第1の枠部110bを嵌め込むことによって前記第2の注入排出孔123と前記第1の注入排出孔113が向かい合うようになっている。
【0025】
この水晶素板10と対向する前記第1の収容部111の底面の中央と前記第2の収容部121の底面の中央には、第1の外装体110と第2の外装体120の一方の主面から他方に主面に貫通された第1の貫通孔112、第2の貫通孔122が設けられている。尚、第1の収容部111及び第2の収容部121の開口サイズは、内部に収容する水晶素板10の主面サイズより小さくなっている。
また、第2の外装体120の厚みは、第2の基部120aと第2の枠部120bの厚みを足して、例えば、70〜140μmになっている。
また、第1の外装体110、第2の外装体120との間隔は、収容される水晶素板10の厚み程度となっている。
【0026】
このような洗浄治具100は、第1の外装体110の第1の収容部111内に水晶素板10を収容し、第2の外装体120の第2の収容部121に第1の外装体110の第1の枠部120bを嵌め込むようにして、第1の外装体110と第2の外装体120を重ね合わせ、接合固定状態で使用される。
前記水晶素板10が収容された洗浄治具100の第1の貫通孔112及び第2の貫通孔122の開口に向けて水流を噴射させる。
第1の外装体110に設けられた第1の貫通孔112と第2の外装体120に設けられた第2の貫通孔122を通して、水流が水晶素板10にあたることによって、前記水晶素板10に付着している付着物が落とされ、水晶素板10の洗浄を行なっている。
【0027】
このように、本発明の洗浄治具100によれば、第2の外装体120の第2の収容部121底面の4隅に第2の注入排出孔123が設けられ、第1の外装体110の第1の枠部110bの4隅に第1の注入排出孔113が、第2の注入排出孔123と向かい合う位置に設けられていることによって、洗浄治具100の片面に対して水流を噴射することにより、前記第1の貫通孔112内及び前記第2の貫通孔122内から第1の収容部111内及び第2の収容部121内に入った水流は、第1の注入排出孔113及び第2の注入排出孔123から排出されることによって、水流を噴射している面と反対側の面の外装体にかかる水圧を低減し、第1の外装体110と第2の外装体120との間に水晶素板10が入り込むことを防ぐことができるので、水晶素板10が破損することを防止することができる。
また、第1の注入排出孔113及び第2の注入排出孔123から排出されることによって、水流を噴射している面と反対側の面の外装体にかかる水圧を低減することができる。よって、水流を噴射している側と反対側の面の外装体が浮いた状態にならないので、第1の外装体110と第2の外装体120との間に入り込むことがなくなり、水晶素板10を第1の収容部111に整理する工程が必要ないので、生産性を向上させることができる。
【0028】
(第2の実施形態)
図3〜図4に示すように、第2の実施形態に係る洗浄治具200は、第1の外装体210と第2の外装体220とから構成され、前記第1の外装体210が、第1の基部210aと4つの壁部210bにより構成されている点が第1の実施形態と異なる。
図3〜図4に示す第1の外装体210は、例えば、SUS304等のステンレス鋼によって構成された一枚板の金属板により構成されている。
第1の外装体210は、第1の基部210aと4つの壁部210bにより構成されている。
前記4つの壁部210bは、一枚板の金属板をエッチング加工することによって複数設けられ、前記4つの壁部210bで囲まれた部分が第1の収容部211となる。つまり、第1の収容部211は、第1の基部210aと4つの壁部210bにより形成される。
【0029】
前記第1の収容部211は、その内部に前記水晶素板10が挿入可能であり、第1の収容部211底面となる4つの壁部210bで囲まれた第1の基部210aに第1の貫通孔212が設けられている。また、前記4つの壁部210bは、第1の貫通孔212を囲むと共に、各壁部210bが接触しない位置にそれぞれ設けられている。
前記第1の貫通孔212は、金属板を打ち抜き加工等をすることにより設けられている。前記第1の貫通孔212は、水晶素板10の主面に設けられる励振用電極及び引き出し電極の形状を成している。
【0030】
また、後述する第2の注入排出孔223と向かい合う前記第1の外装体210の第1の基部210aの位置に第1の注入排出孔213が設けられている。
つまり、第1の注入排出孔213は、後述する第2の注入排出孔223と向かい合う位置になるように、4つの壁部210bが設けられていない第1の基部210aの4箇所に設けられている。
前記第1の注入排出孔213は、水流を第1の収容部211内及び後述する第2の収容部221に注入する役割と前記前記第1の貫通孔212及び後述する第2の注入排出孔223から入った水流を排出する役割とを果たす。
【0031】
図1〜図2に示す第2の外装体220は、第1の外装体210と同様に、例えば、SUS304等のステンレス鋼によって構成された一枚板の金属板により構成されている。
第2の外装体220は、第2の基部220aと第2の枠部220bにより構成されている。
前記枠部220bは、一枚板の金属板をエッチング加工することによって設けられ、第2の枠部220bで囲まれた部分が第2の収容部221となる。つまり、第2の収容部221は、第2の基部220aと第2の枠部220bにより形成される。
【0032】
第2の基部220aと第2の枠部220bにより第2の収容部221が複数形成されており、第2の収容部221底面となる第2の枠部220b内の第2の基部220aに第2の貫通孔222が設けられている。
前記第2の貫通孔222は、金属板を打ち抜き加工等をすることにより設けられている。前記第2の貫通孔222は、水晶素板10の主面に設けられる励振用電極の形状を成している。
【0033】
また、第2の外装体220の前記第2の収容部221底面の4隅に第2の注入排出孔223が設けられている。
また、第2の注入排出孔223は、前記第1の注入排出孔213と向かい合う位置になるように設けられている。つまり、前記第2の注入排出孔223は、前記第1の注入排出孔213と対向する位置に設けられている。
これにより、第2の注入排出孔223は、水流を前記第1の収容部211内及び前記第2の収容部221内に注入する役割と前記前記第2の貫通孔222及び後述する第1の注入排出孔213から入った水流を排出する役割とを果たす。
【0034】
また、第2の収容部221の開口部サイズは、前記第1の外装体210の前記4つの壁部210bの外周サイズよりも開口面積は大きくなっており、この第2の収容部221内に第1の外装体210の4つの壁部210bが嵌め込むことができるようになっている。
このように第2の収容部221に前記4つの壁部210bを嵌め込むことによって、前記第1の収容部211の底面と前記第2の収容部221の底面が水晶素板10と向かい合うようになっている。
また、このように第2の収容部221に前記4つの壁部210bを嵌め込むことによって、前記第2の注入排出孔223と前記第1の注入排出孔213が向かい合うようになっている。
【0035】
このような洗浄治具200によれば、第2の外装体220の第2の収容部221底面の4隅に第2の注入排出孔223が設けられ、第1の外装体210の4つの壁部210bが第2の収容部221内に嵌め込めるようになっており、第2の注入排出孔223と向かい合う第1の外装体210の位置に第1の注入排出孔213が設けられていることによって、洗浄治具200の片面に対して水流を噴射することにより、前記第1の貫通孔212内及び前記第2の貫通孔222内から第1の収容部211内及び第2の収容部221内に入った水流は、第1の注入排出孔213及び第2の注入排出孔223から排出されることによって、水流を噴射している面と反対側の面の外装体にかかる水圧を低減することができる。よって、第1の外装体210と第2の外装体220との間に水晶素板10が入り込むことを防ぐことができるので、水晶素板10が破損することを防止することができる。
【0036】
また、第1の注入排出孔213及び第2の注入排出孔223から排出されることによって、水流を噴射している面と反対側の面の外装体にかかる水圧を低減することができるので、水流を噴射している側と反対側の面の外装体が浮いた状態になることを防ぐことができる。よって、第1の外装体210と第2の外装体220との間に水晶素板10が入り込むことがなくなり、水晶素板10を第1の収容部211に再整理する工程が必要ないので、生産性を向上させることができる。
【0037】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
また、前記実施形態においては、第1の注入排出孔213及び第2の注入排出孔223は、1つの収容部に対して、各4箇所設けられているが、隣り合う別の収容部に設けられた第1の注入排出孔及び第2の注入排出孔とつながっていても構わない。
【0038】
また、前記実施形態においては、第1の貫通孔212、第2の貫通孔222は、平面形状は四角形で記載されていたが、円形でも構わない。また、水晶素板10も平面形状は四角形で記載されていたが、円形の板であっても構わない。
【0039】
また、前記実施形態においては、薄板を水晶素板10として説明したが、セラミック、ガラス、サファイア等の硬脆材のものであっても構わない。
【0040】
また、圧電デバイスは、素子搭載部材の一方の主面に形成されている凹部空間内に、水晶素板10に励振電極が設けられた水晶振動素子が搭載され、前記封止用導体パターンと蓋体が接合され、気密封止されている水晶振動子がある。
また、素子搭載部材に水晶振動素子と集積回路素子が搭載され、前記素子搭載部材の封止用導体パターンと蓋体が接合され、気密封止されている水晶発振器がある。
【符号の説明】
【0041】
10・・・水晶素板
110、210・・・第1の外装体
110a、210a・・・第1の基部
110b・・・第1の枠部
210b・・・壁部
111、211・・・第1の収容部
112、212・・・第1の貫通孔
113、213・・・第1の注入排出孔
120、220・・・第2の外装体
120a、220a・・・第2の基部
120b、220b・・・第2の枠部
121、221・・・第2の収容部
122、222・・・第2の貫通孔
123、223・・・第2の注入排出孔
100、200・・・洗浄治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板を洗浄する際に用いられる洗浄治具であって、
前記薄板が挿入可能とするように、第1の基部と第1の枠部により設けられる第1の収容部を有し、前記第1の収容部底面に第1の貫通孔が設けられている第1の外装体と、
第2の基部と第2の枠部により設けられる第2の収容部を有し、前記第2の収容部底面に第2の貫通孔が設けられ、前記第2の収容部底面の4隅に第2の注入排出孔が設けられている第2の外装体と、を備え、
前記第1の枠部が前記第2の収容部内に嵌め込めるようになっており、前記第1の枠部の4隅に第1の注入排出孔が前記第2の注入排出孔と向かい合う位置に設けられ、前記第1の注入排出孔が前記第1の収容部と連通していることを特徴とする洗浄治具。
【請求項2】
薄板を洗浄する際に用いられる洗浄治具であって、
前記薄板が挿入可能とするように、第1の基部と4つの壁部により設けられる第1の収容部を有し、前記第1の収容部底面に第1の貫通孔が設けられている第1の外装体と、
第2の基部と第2の枠部により設けられる第2の収容部を有し、前記第2の収容部底面に第2の貫通孔が設けられ、前記第2の収容部底面の4隅に第2の注入排出孔が設けられている第2の外装体と、を備え、
前記4つの壁部が前記第2の収容部内に嵌め込めるようになっており、前記第1の基部の4箇所に第1の注入排出孔が前記第2の注入排出孔と向かい合う位置に設けられていることを特徴とする洗浄治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−131177(P2011−131177A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293968(P2009−293968)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000104722)京セラキンセキ株式会社 (870)
【Fターム(参考)】