説明

活性成分を含む油体を調製するための方法

本発明は、油体を含む新規なエマルジョンを提供する。本発明はまた、油体および活性成分を含む製剤を生成するための新規な方法に関し、ここで、活性成分は油体に分配される。これらの方法は、疎水性または両親媒性のいずれかの生物学的活性剤とのエマルジョンを生成するために特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、油体を含む新規なエマルジョンを提供する。本発明はまた、油体および活性成分を含む製剤を生成するための新規な方法に関し、ここで、活性成分は油体に分配される。これらの方法は、疎水性または両親媒性のいずれかの活性剤とのエマルジョンを生成するために特に有用である。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
経済的に重要である作物、例えば、ダイズ、ナタネ、ヒマワリ、ベニバナ、およびヤシなどを含む脂肪種子作物の種子中で、水不溶性オイル画分は、油体、オレオソーム、脂質体、またはスフェロソームとして、当該分野において様々に公知である別個の細胞下構造中に保存される(Huang 1992, Ann. Rev. Plant Mol. Biol. 43: 177-200)。脂肪酸のグリセロールエステルとして化学的に定義されるオイル(トリアシルグリセリド)の混合物に加えて、油体は、リン脂質および集合的に油体タンパク質と呼ばれる関連するタンパク質のメンバーを含む。構造的な観点から、油体は、油体が埋め込まれるリン脂質の単層によって封入されるトリアシルグリセリドマトリックスであると見なされる(Huang, 1992, Ann. Rev. Plant Mol. Biol. 43: 177-200)。植物種の油体画分に存在する種油は、種々のトリアシルグリセリドの混合物であり、その正確な組成は、そのオイルが由来する植物種に依存する。種子のオイルの性質を操作し、および植物オイル組成物の天然に利用可能なレパートリーに拡張することは、古典的な育種および遺伝子操作技術の組み合わせを通して可能になってきた。この領域における進行中の努力の概観のためには、Designer Oil Crops/Breeding, Processing and Biotechnology, D. J. Murphy編、1994, VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim, Germanyを参照されたい。
【0003】
植物種子油は、種々の工業的用途において使用される。これらの用途において使用される植物油を得るために、種子は、破砕または圧縮され、続いて有機抽出、ガム除去、中和、漂白、および濾過などのプロセスを使用して精製される。植物油種子の水性抽出もまた、実証されている(例えば、EmbongおよびJelen, 1977, Can. Inst. Food Sci. Technol. J. 10: 239-243)。先行技術によって教示されるプロセスの目的は純粋な油を得ることであるので、これらの製造プロセスの過程において油体はそれらの構造的な完全性を喪失する。従って、植物油から製剤化される先行技術のエマルジョンは、一般的に、インタクトな油体を含まない。
【0004】
Voultouryらの米国特許第5,683,740号およびVoultouryらの同第5,613, 583号は、破砕された油脂性植物種子から調製された脂質ベシクルを含むエマルジョンを開示している。これらの特許において記載される破砕プロセスの過程において、油体はそれらの構造的な完全性を実質的に失っている。従って、破砕プロセスにおいて、70%〜90%の種子油が遊離のオイルの型で放出されることが開示された。このように、これらの特許の対象であるエマルジョンは、実質的な量の遊離のオイルがそこから放出された破砕種子から調製されるが、油体の構造的な完全性は実質的に失われている。さらに、これらの両方の特許において開示されたエマルジョンは、比較的粗い種子抽出物から調製され、グリコシル化された油体種子タンパク質およびグリコシル化されていない油体タンパク質を含む、多数の内因性種子成分を含む。これらの特許が関連するエマルジョンは、アレルゲン性および望ましくない臭気、香味、色、および官能検査的な特性を含み得る種々の望ましくない特性を、これらのエマルジョンに対して付与する夾雑種子成分を含むことが、これらのエマルジョンの不利な点である。種子夾雑物の存在に起因して、これらの特許において開示されるエマルジョンは、限られた用途を有する。
【0005】
油体の非破壊的調製は、Deckersら(米国特許第6,183,762号、同第6,210,742号、同第6,146,645号、同第6,372,234号、同第6,582,710号、同第6,582,710号、同第6,596,287号、同第6,761,914号、US 2002/00373036、および米国特許第6,599,513号)によって開示されている。これらの特許および特許出願に従って、油体の精製調製物は、天然のエマルジョンとして収集され、さらなるエマルジョンは、エマルジョンを、とりわけ、化粧品用途、薬学的用途、および食品用途のために適切にするために、所望の乳化のバランス、粘度、安定性、および外見を達成するために、非常に多数の他の物質の存在下で調製され得る。これらの特性を達成するためのさらなる成分は、水、乳化剤、安定剤、粘稠化剤もしくは低粘稠化剤、保存料、香料、または他の添加物を含み得る。特に関心対象のものは、活性成分を含む油体調製物である。関心対象のアッセイ成分を油体エマルジョンと単に混合することは、受容可能な油体調製物を生じ得るが、油体を用いて選択的に分配する活性成分を含む油体エマルジョンを調製することが特に望ましい。例えば、従来から不安定な活性は、油体のコアに分配されたときに安定化され得る。さらに、ヒトの皮膚への局所的適用のために使用される油体製剤において、ヒトの皮膚への活性成分の送達特性は、活性が油体に分配されるときに調節され得る。上記に言及されたDeckers特許に従って単に混合することは、活性成分のある程度の分配を促進するかもしれないが、頻繁には、分配は達成されないか、または活性成分の分配は最適以下である。分配されたと見なされるために、活性は、例えば、結合形成またはある他の関連によって油体と物理的な接触状態になければならず、かつ油体と分配されなければならない。
【0006】
従って、例えば、従来から安定でない活性を含む、活性のインタクトな油体への分配を容易にするための必要性が、当該分野において存在する。
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
本明細書に言及される本発明は、内部油コア中に、脂質膜上に、脂質膜中に分配されるか、または油体の脂質膜の外部表面に結合されるために関心対象の1つ以上の疎水性活性および/または両親媒性活性を提供する。
【0008】
改善された油体分配のための新規な系が本明細書で記載される。この系は、2つの溶媒の使用および活性および油体エマルジョンのブレンドを生じる活性の可溶化を含む。この系は、油体エマルジョンを活性成分と混合することよりも複雑であり、油体上または油体中に分配する活性の増加を生じる。これは、特に溶解することが困難であり、しばしば有機溶媒の使用を必要とする、固体および半固体の、疎水性および両親媒性の分子のためにとりわけ有用である。第1の溶媒の除去は、この溶媒が最終生成物中で適合可能でないか、または望ましくない場合に、任意の工程において実行され得る。最終的に、活性および溶媒がブレンドされ、油体に分配される。
【0009】
本発明は、油体および活性剤を含む製剤を生成するための新規な方法に関し、ここで、活性剤は油体に分配される。現在、本発明者らは、現在の製剤中で反応性かつ不安定な活性剤を含む油体を調製するための新規な方法を発見した。大まかに言って、本発明は、油体に分配された活性剤を含むエマルジョンを製剤化するための方法を提供し、ここで、これらは、安定化され、かつ局所的送達または経口送達のために容易に利用可能である。
【0010】
従って、本発明は、活性剤を油体に分配する方法を提供する方法を提供し、この方法は:
a)第1の溶媒中に活性剤を溶解する工程;
b)溶解した活性剤を第2の溶媒と混合する工程;および
c)溶媒の混合物を油体と接触させて、油体に該活性剤を分配する工程
を含む。
【0011】
本発明の好ましい態様において、活性剤は、溶媒の非存在下で油体と接触されたとき、または活性剤が第1の溶媒中に溶解されるときに、活性剤が油体に分配されない。本発明のさらに好ましい態様において、活性剤は、疎水性分子および両親媒性分子からなる活性剤の群から選択される。
【0012】
本発明のさらに好ましい態様において、第1の溶媒は有機溶媒である。好ましくは、第1の溶媒は、第2の溶媒との混合後に、蒸発によって実質的に除去されるか、または希釈によって体積が実質的に減少される。
【0013】
本発明のなおさらに好ましい態様において、第2の溶媒は、水、水性緩衝液、オイル、脂肪酸、および脂質からなる溶媒の群より選択される。
【0014】
活性剤、および本発明の得られるエマルジョンを含む油体を調製する方法は、個人医療用製品および皮膚科学用製品の調製において含まれる広範な用途において使用され得る。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかし、詳細な説明および具体的な実施例は、本発明の好ましい態様を示すが、例示のみの目的で与えられる。なぜなら、本発明の精神および範囲内の種々の変更および修飾は、この詳細な説明から当業者に明らかとなるからである。
【0015】
発明の詳細な説明
本明細書中上記に言及されるように、本発明は、油体および活性剤を含む製剤を生成するための新規な方法に関する。本発明はまた、油体から調製される新規なエマルジョン製剤に関する。本発明を使用して、活性成分を、例えば、20%〜30%(乾燥重量活性/油体の乾燥重量)を油体に分配することが可能である。本発明者らはまた、現在の製剤において、反応性かつ不安定な特定の生物学的に活性剤が安定に製造され、それによって、個人医療用製品および皮膚科学用製品としてより有効に製造されることを見い出してきた。添加された達成可能な活性のレベル、油体の安定特性、および新規な剤を局所的に送達する能力は、本発明の考慮すべき用途を作る。
【0016】
従って、本発明に従って、活性剤を油体に分配するための方法が提供され、ここでこの方法は以下の工程を含む:
(i)第1の溶媒中に活性剤を溶解する工程;
(ii)溶解した活性剤を第2の溶媒と混合して、活性剤を含む第1の溶媒および第2の溶媒の混合物を得る工程;および
(iii)第1の溶媒および第2の溶媒の混合物を油体と接触させて、油体にこの活性剤を分配する工程。
【0017】
好ましい態様において、この活性剤は、溶媒の非存在下で油体と接触されたとき、または活性剤が第1の溶媒中に直接溶解されるときに、活性剤が油体に分配されない。好ましくは、活性剤は、活性剤が水に不溶性であり、または水に本質的に不溶性であるという点でさらに特徴付けられる。本発明の方法は、活性剤がさらに、第2の溶媒中で不溶性であり、または本質的に不溶性である場合に特に有用である。
【0018】
用語「分配」、「分配する」、および「分配された」は、本明細書で使用される場合、活性が、内部油コア中に、脂質膜上に、脂質膜中に局在化されるか、または油体の脂質膜の外部表面に結合されるされることを意味する。
【0019】
溶媒
用語「第1の溶媒」は、本明細書で使用される場合、活性剤を溶解するために使用される第1のまたは最初の溶媒をいう。好ましくは、第1の溶媒は有機溶媒である。有機溶媒の例には、アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、グリコール、グリコールエーテル、ならびにそれらの酢酸塩、エステル、エーテル、およびケトンが含まれるがこれらに限定されない。アルコールの例には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(イソプロパノール)が含まれるがこれらに限定されない。脂肪族炭化水素の例には、n−ヘキサンが含まれるがこれに限定されない。芳香族炭化水素の例には、トルエン、キシレン、スチレン、およびベンゼンが含まれるがこれらに限定されない。塩素化炭化水素の例には、ペルクロロエチレン、塩化メチレン、四塩化炭素、メチルクロロホルム、クロロホルム、およびトリクロロエチレンが含まれるがこれらに限定されない。グリコールエーテルの例には、ブチルセルソルブ(2−ブトキシエタノール)、セルソルブ(2−エトキシエタノール)、メチルセルソルブ(2−メトキシエタノール)、およびセルソルブアセテート(2−エトキシエチルアセテート)が含まれるがこれらに限定されない。エステルの例には、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、セカミルアセテート、およびイソアミルアセテートが含まれるがこれらに限定されない。エーテルの例には、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、およびイソプロピルエーテルが含まれるがこれらに限定されない。ケトンの例には、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、およびイソフォロンが含まれるがこれらに限定されない。より好ましくは、第1の溶媒は、アルコールまたは塩素化炭化水素である。最も好ましくは、第1の溶媒は、イソプロパノール、エタノール、およびクロロホルムからなる溶媒の群から選択される。さらに、第1の溶媒は、オイル、脂質、または脂肪酸であり得る。
【0020】
用語「第2の溶媒」は、本明細書で使用される場合、一旦それが第1の溶媒中に溶解されると、活性剤と混合される溶媒をいう。第2の溶媒は、油体を適合可能である任意の溶媒であり得る。本発明の方法は、活性剤が油体または第2の溶媒中で直接可溶性でない場合に、特に有用であることに注意されたい。第2の溶媒中の活性剤の溶解性は、例えば、「The CRC, Handbook of Chemistry and Physics」または「The Merck Index」, Merck & Co., Inc. Budavari S(編)を含むがこれに限定されない、安定性に関する情報を提供する標準的な化学的指標を参照することによって、当業者によって容易に決定され得る。第2の溶媒は、水、水性緩衝液、オイル、脂肪酸、および脂質からなる溶媒の群より選択される。水性緩衝液の例には、リン酸、リン酸緩衝化生理食塩水、重炭酸塩、およびHEPES(N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N'-[2-エタンスルホン酸])を含む緩衝液が含まれるがこれらに限定されない。塩の濃度およびpHは、活性の変化に依存して、活性の分配を容易にするように変化される必要があるかもしれない。好ましくは、使用される水性緩衝液は、50mM リン酸一塩基ナトリウム、pH 8.0または25mM 炭酸水素ナトリウム、pH 8.3である。オイルの例には、以下の種子からのオイルが含まれるがこれらに限定されない:ナタネ(ブラシカ(Brassica spp.))、ダイズ(グリシン マックス(Glycine max))、ヒマワリ(ヘリアンサス アニュス(Helianthus annuus))、油ヤシ(エラエイス ギネイス(Elaeis guineeis))、オリーブ(オレア(Olea spp.))、綿実(ゴシピウム(Gossypium spp.))、ラッカセイ(アラキス ヒポガエア(Arachis hypogaea))、ココナツ(コカス ヌシフェラ(Cocus nucifera))、ヒマ(リシヌス コミュニス(Ricinus communis))、ベニバナ(カーサムス ティントリウス(Carthamus tinctorius))、カラシ(ブラシカ(Brassica spp.)およびシナピス アルバ(Sinapis alba))、コリアンダー(コリアンドラム サティブム(Coriandrum sativum))、カボチャ(キューカビタ マキシマ(Cucurbita maxima))、アマニ/アマ(リヌム ユーシタティシマム(Linum usitatissimum))、ブラジルナッツ(ベルソレティア エクセルサ(Bertholletia excelsa))、ホホバ(シモンドシア キネンシス(Simmondsia chinensis))、トウモロコシ(ゼア メイズ(Zea mays))、ハマナ(クランベ アビシニカ(Crambe abyssinica))、およびルーコラ(エルカ サティバ(Eruca sativa))。オイルの他の例には、合成油、鉱油、およびシリコーン油が含まれるがこれらに限定されない。好ましい態様において、第2の溶媒はベニバナ油である。用語「脂肪酸」は、カルボキシル基が末端である長い炭化水素鎖を説明するために本明細書で使用される。脂肪酸は、オイル、脂肪、およびワックスなどの脂質の主要な成分である。脂肪酸の例には、アラキン酸、アラキドン酸、ビーン酸、ブラシジン酸、カプリン酸、カプリル酸、セロチン酸、セトレン酸、エルカ酸、ガドレイン酸、ラウリン酸、ラウロレイン酸、リグノセリン酸、リノール酸、リノレン酸、マルガリン酸、メリス酸/トリアコンタン酸、ミリストレイン酸、モンタン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステリック酸(steric acid)、セラコレイン酸またはネルボン酸、ステアリン酸が含まれるがこれらに限定されない。用語「脂質」は、本明細書で使用される場合、水などの極性溶媒中で不溶性であるが、クロロホルム、エーテル、ベンゼンなどの非極性有機溶媒に容易に溶解する有機物質の一般的な群をいう。すべてではないが、多くが、主要な構造成分として脂肪酸を含む。
【0021】
油体
用語「油体」は、本明細書で使用される場合、任意の細胞下のオイルまたはワックスを貯蔵するオルガネラを意味する。油体は、油体または油体様オルガネラを含む任意の細胞から得られ得る。これは、動物細胞、植物細胞、真菌細胞、酵母細胞(Leber, R.ら、1994, Yeast 10: 1421-1428)、細菌細胞(Pieper-Furstら、1994, J. Bacteriol. 176:4328-4337)および藻類細胞(Roessler, P.G., 1988, J. Phycol. (London) 24: 394-400)を含む。本発明の好ましい態様において、油体は、油体または油体様オルガネラが存在する、花粉、胞子、種子、および植物の栄養器官からの細胞を含む植物細胞から得られる(Huang, 1992, Ann. Rev. Plant Physiol. 43: 177-200)。より好ましくは、本発明の油体調製物は植物種子から得られる。本発明において有用な植物種子の間で、以下からなる植物種の群より選択される植物種から入手可能な種子が好ましい:アーモンド(プルナス ダルシス(Prunus dulcis));アニス(ピンペネラ アニサム(Pimpinella anisum));アボガド(ペルセア(Persea spp.));ビーチナッツ(ファガス シルバティカ(Fagus sylvatica));ルリヂサ(オオマツヨイグサとしても知られる)(ボラジオ オフシナリス(Boragio officinalis));ブラジルナッツ(ベルソレティア エクセルサ(Bertholletia excelsa));キャンドルナッツ(アレウリティス チグリウム(Aleuritis tiglium));カラッパ(カラッパ ギネンシス(Carapa guineensis));カシューナッツ(アンカルディウム オシデンタレ(Ancardium occidentale));ヒマ(リシヌス コミュニス(Ricinus communis));ココナツ(ココス ヌシフェラ(Cocus nucifera));コリアンダー(コリアンドラム サティブム(Coriandrum sativum));綿実(ゴシピウム(Gossypium spp.));ハマナ(クランベ アビシニカ(Crambe abyssinica));クレピス アルピナ(Crepis alpina);クロトン(クロトン チグリウム(Croton tiglium));クフェア(Cuphea spp.);ディル(アネサム グラベアリス(Anethum gravealis));ユーフォルビア ラガスカエ(Euphorbia lagascae);ジモルフォテカ プルビアリス(Dimorphoteca pluvialis);フォルスフラックス(カモリナ サティバ(Camolina sativa));ウイキョウ(フォエニキュラム ブルガリス(Foeniculum vulgaris));ラッカセイ(アラキス ヒポガエア(Arachis hypogaea));ヘーゼルナッツ(コリラス アベラーナ(coryllus avellana));アサ(キャナビス サティバ(Cannabis sativa));ギンセンソウ(ルナリア アニュア(Lunnaria annua));ホホバ(シモンドシア キネンシス(Simmondsia chinensis));カポック果実(セイバ ペンタンドラ(Ceiba pentandra));ククイナッツ(アレウリティス モルカーナ(Aleuritis moluccana));レスクエレラ(Lesquerella spp.);アマニ/アマ(リヌム ユーシタティシマム(Linum usitatissimum));ルピナス(ルピナス(Lupinus spp.));マカダミアナッツ(マカダミア(Macadamia spp.));トウモロコシ(ゼア メイズ(Zea mays));メドウフォーム(リンナンセス アルバ(Limnanthes alba));カラシ(ブラシカ(Brassica spp.)およびシナピス アルバ(Sinapis alba));オリーブ(オレア(Olea spp.));油やし(エレイス ギンネイス(Elaeis guineeis));オイチシカ(リカニア リジダ(Licania rigida));パパイヤ(アシミナ トリローバ(Assimina triloba));ペカン(ジュグランデセ(Juglandaceae spp.));シソ(ペリラ フルテセンス(Perilla frutescens));フィジックナッツ(ガトロファ キューカス(Gatropha curcus));ピリナッツ(カナリウム オバタム(Canarium ovatum));松果(マツ(pine spp.));ピスタチオ(ピスタチア ベラ(Pistachia vera));ポンガム(ボンガミン グラブラ(Bongamin glabra));ケシの種(パパバー ソニフェラム(Papaver soniferum));ナタネ(ブラシカ(Brassica spp.));ベニバナ(カーサムス ティントリウス(Carthamus tinctorius));ゴマ(セサマム インジカム(Sesamum indicum));ダイズ(グリシン マックス(Glycine max));カボチャ(キューカビタ マキシマ(Cucurbita maxima));サラノキ(ショレア ルブシャ(Shorea rubusha));ルリギク(ストークシア レービス(Stokesia laevis));ヒマワリ(ヘリアンサス アニュス(Helianthus annuus));ツクマ(アストカーヤ(Astocarya spp.));タングナット(アレウリチス コルダータ(Aleuritis cordata));クワガタソウ(ベルノニア ガラメンシス(Vernonia galamensis))およびこれらの混合物。最も好ましくは、植物の種子は、以下を含む植物種の群からである:ナタネ(ブラシカ(Brassica spp.))、ダイズ(グリシン マックス(Glycine max))、ヒマワリ(ヘリアンサス アニュス(Helianthus annuus))、油ヤシ(エラエイス ギネイス(Elaeis guineeis))、綿実(ゴシピウム(Gossypium spp.))、ラッカセイ(アラキス ヒポガエア(Arachis hypogaea))、ココナツ(コカス ヌシフェラ(Cocus nucifera))、ヒマ(リシヌス コミュニス(Ricinus communis))、ベニバナ(カーサムス ティントリウス(Carthamus tinctorius))、カラシ(ブラシカ(Brassica spp.)およびシナピス アルバ(Sinapis alba))、コリアンダー(コリアンドラム サティブム(Coriandrum sativum))、カボチャ(キューカビタ マキシマ(Cucurbita maxima))、アマニ/アマ(リヌム ユーシタティシマム(Linum usitatissimum))、ブラジルナッツ(ベルソレティア エクセルサ(Bertholletia excelsa))、ホホバ(シモンドシア キネンシス(Simmondsia chinensis))、トウモロコシ(ゼア メイズ(Zea mays))、ハマナ(クランベ アビシニカ(Crambe abyssinica))、およびルーコラ(エルカ サティバ(Eruca sativa))。ベニバナ(カーサムス ティントリウス(Carthamus tinctorius))から調製された油体が本明細書における使用のために最も好ましい、
【0022】
植物から油体を調製するために、このような植物は、当業者に周知である農業的な栽培の実施を使用して、生長し、かつ種子を設定することを可能にする。種子を収穫し、所望される場合、例えば、種子をふるいにかけることまたはすすぐこと、および任意に乾燥させることによる、石または種子の外皮などの物質の除去(外皮を除去すること)の後で、種子は、続いて、機械的な粉砕によって加工される。好ましくは、液相は、種子の粉砕の前に加えられる。これは、湿式粉砕として知られている。好ましくは、液体は水であるが、エタノールなどの有機溶媒もまた使用され得る。オイル抽出プロセスにおける湿式粉砕は、以下を含む種々の植物種からの種子について報告されている:カラシ(Aguilarら1991, Journal of Texture studies 22: 59-84)、ダイズ(米国特許第3,971,856号;Caterら、1974, J. Am. Oil Chem. Soc. 51: 137-141)、ピーナッツ(米国特許第4,025,658号;同第4,362,759号)、綿実(Lawhonら、1977, J. Am. Oil, Chem. Soc. 54: 75-80)、およびココナッツ(Kumarら、1995, INFORM 6(11): 1217-1240)。粉砕の前に、液相中に約15分から約2日までの時間の間、種子を浸漬させることもまた、有利であり得る。浸漬は細胞壁を軟化させ得、粉砕プロセスを容易にし得る。より長い時間の浸漬は発芽プロセスを模倣し得、種子成分の組成の特定の有利な変化を生じ得る。
【0023】
種子は、好ましくは、コロイドミルを使用して粉砕される。コロイドミルに加えて、ディスクミル、コロイドミル、ピンミル、オービタルミル、IKAミル、および工業的スケールのホモジナイザーを含む、工業的スケールの量の種子を加工することが可能である他の製粉および粉砕の装置もまた、本明細書に記載される発明において利用され得る。ミルの選択は、利用される種子の供給源と同様に、種子のスループット要求に依存し得る。種子の油体は粉砕プロセスの間でインタクトなままであることは決定的に重要である。それゆえに、油体を破壊する傾向がある、種油加工において一般的に利用される任意の操作条件は、対象の発明のプロセスにおける使用のために適切ではない。製粉温度は、好ましくは、10℃から90℃の間であり、より好ましくは、25℃から50℃の間、および最も好ましくは、30℃から40℃の間であるのに対して、pHは、好ましくは、2.0から11の間、より好ましくは6.0から9.0の間、および最も好ましくは、7.0から8.5の間に維持される。
【0024】
種子の外皮、繊維性物質、溶解していない炭水化物、およびタンパク質などの固体の夾雑物、ならびに他の不溶性夾雑物は、粉砕された種子画分から除去される。固体夾雑物の分離は、デカンテーション遠心分離を使用して達成され得る。種子スループット要件に依存して、デカンテーション遠心分離の能力は、3相デカンターなどのデカンテーション遠心分離の他のモデルを使用することによって変化され得る。操作条件は、不溶性夾雑物質が沈殿し、かつデカンテーションの際に沈殿したままで残っているように、利用され、かつ調製されなければならない特定の遠心分離に依存して変化する。油体相および液相の部分的な分離は、これらの条件下で観察され得る。
【0025】
不溶性夾雑物の除去後、油体は水相から分離される。本発明の1つの態様において、管状ボウル遠心分離が利用される。好ましい態様において、ディスクスタック遠心分離が利用される。他の態様において、ハイドロサイクロン、または自然の重力下での相の定着、または任意の他の重力に基づく分離方法が利用され得る。濾過などのサイズ排除方法、例えば、膜限外濾過および交差流濾過法を利用する水相から油体画分を分離することもまた可能である。重要なパラメーターは、遠心分離を操作するために使用されるリングダムのサイズである。リングダムは、サイズが変化する中心の環状開口部を有する、取り外し可能な環であり、油体からの水相の分子を調節し、従って、得られる油体画分の純度を支配する。利用される正確なリングダムサイズは、使用される遠心分離の型、使用される脂肪種子の型、ならびに油体調製物の所望の最終的な一貫性に依存する。本明細書に従って、1つの態様において、ベニバナ油体は、73mmのリングダムサイズとともに、SA-7(Westphalia)ディスクスタック遠心分離を使用して得られ得る。分離の効率は、流速によってさらに影響される。この態様において、流速は、代表的には、2.0l/分から7.0l/分の間に維持され、温度は、好ましくは、26℃から40℃の間に維持される。使用されるモデル遠心分離に依存して、流速およびリングダムサイズは、水相からの油体画分の最適な分離が達成されるように調製され得る。これらの調整は、当業者には容易に明らかである。
【0026】
固体の分離および油体画分からの水相の分離はまた、重力に基づく分離方法、例えば、3相管状ボウル遠心分離またはデカンターまたはハイドロサイクロンまたはサイズ排除に基づく分離方法などを使用して同時に実行され得る。
【0027】
プロセスにおけるこの段階で得られる組成物は、一般的に、比較的粗く、グリコシル化されているタンパク質およびグリコシル化されていないタンパク質、ならびにグルコシニレートまたはその分解生成物などの他の夾雑物を含む多数の種子タンパク質を含む。本発明の好ましい態様において、有意な量の種子夾雑物が除去される。夾雑する種子物質の除去を達成するために、水相からの分離の際に得られる油体調製物は、油体画分を再懸濁すること、および再懸濁画分を遠心分離することによって少なくとも1回洗浄される。このプロセスは、本願の目的のために、洗浄された油体調製物と呼ばれるものを生じる。洗浄の数は、一般的に、油体画分の所望される純度に依存する。利用される洗浄条件に依存して、本質的に純粋な油体調製物が得られ得る。このような調製物において、存在する唯一のタンパク質は油体タンパク質である。油体画分を洗浄するために、管状ボウル遠心分離または他の遠心分離、例えば、ハイドロサイクロンまたはディスクスタック遠心分離が使用され得る。油体の洗浄は、水、緩衝液系、例えば、0.01Mから少なくとも2Mの間の濃度の塩化ナトリウム、高pH(11〜12)の0.1M炭酸ナトリウム、低塩緩衝液、例えば、50mM Tris-HCl pH 7.5、有機溶媒、界面活性剤、または任意の他の液相を使用して実行され得る。高純度の油体が望ましいと見なされる態様において、洗浄は、高pH(11〜12)で好ましく実行される。洗浄のために使用される液相、ならびに洗浄条件、例えば、pHおよび温度などが、使用される種子の型に依存して変化され得る。pH 2とpH 11〜12の間における多数の異なるpHでの洗浄は、これが特定のタンパク質中の夾雑物の段階的除去を可能にするときに、有益であり得る。洗浄条件は、洗浄工程が、油体の構造的な完全性を損なうことなしに、有意な量の夾雑物の除去を生じるように選択される。1回より多くの洗浄工程が実行される態様において、洗浄条件は、異なる洗浄工程について変化し得る。SDSゲル電気泳動または他の分析技術は、油体の洗浄の際の種子タンパク質および他の夾雑物の除去をモニターするために便利に使用され得る。洗浄工程間で水相のすべてを除去する必要はなく、最終的な洗浄された油体調製物は、水、緩衝液系、例えば、50mM Tris-HCl pH 7.5、または任意の他の液相を使用して実行され得、そのように所望される場合、pHは、pH 2.0から11の間、より好ましくは6.0から9.0の間、および最も好ましくは7.0から8.5の間の任意のpHに調整され得る。
【0028】
油体調製物を製造するためのプロセスは、バッチ操作または連続フロープロセスにおいて実行され得る。特に、ディスクスタックが使用される場合、ポンプの系が、連続流を生成するために便利に設定される。このポンプは、例えば、空気操作ダブルダイヤフラムポンプ、水圧ポンプ、ポジティブディスプレースメントポンプ、またはペリスターポンプであり得る。デカンテーション遠心分離および環状ボウル遠心分離に対する均質なコンシステンシーの供給を維持するために、例えば、IKAホモジナイザーなどが、分離工程の間に加えられ得る。イン−ラインホモジナイザーがまた、油体調製物を洗浄するために利用される種々の遠心分離またはサイズ排除に基づく装置の間に追加され得る。リングダムサイズ、緩衝液組成、温度、およびpHは、第1の分離工程において利用されるリングダムサイズから、各洗浄工程において異なる可能性がある。
【0029】
活性
本発明に従って、広範な種々の生物学的に活性な成分が、本発明の油体とともに製剤化され得る。用語「生物学的に活性な薬剤」、「活性」、「活性剤」、および「活性成分」は、本明細書で使用される場合、生きている生物に投与されるときに、任意の生理学的、診断的、予防的、または薬理学的な効果を含む検出可能な生物学的効果を有する、任意の薬剤を意味する。これらの用語は、任意の薬理学的、治療的、栄養学的、皮膚科学的、または薬用化粧品的な薬剤を含むがこれらに限定されないことを意味する。さらに、用語「生物学的に活性な薬剤」、「活性」、「活性剤」、および「活性成分」は、本明細書で使用される場合、好ましくは、油体、水、水溶液、オイル、脂肪酸、または脂質に直接的に不溶性であるが、活性は有機溶媒中で溶解性である化合物をいう。活性は、ヒト身体の表面領域、例えば、皮膚、毛髪、頭皮、歯、および爪の身体的な外見、健康、適応性、または能力を増強または改善することが可能であり得る。活性は、臨床的に有意なレベルまで、過剰に添加されることが可能なあるレベルまで(20%〜30%乾燥重量の活性/油体の乾燥重量)であり得る。製剤化される活性の量は、所望の効果および選択される活性に依存する。一般的に、活性の量は、0.0001%(w/w)から約50%(w/w)までの範囲である。しかし、より好ましくは、最終組成物中の活性の量は、0.01%(w/w)から約20%(w/w)まで、最も好ましくは、0.1%(w/w)から約10%(w/w)までの範囲である。活性の化学的性質に依存して、活性は、種々の方法において、最終製剤中に組み込まれ得、例えば、両親媒性活性は、油体のリン脂質膜に分配され得るのに対して、疎水性活性は、油体の脂質コアに分配され得る。
【0030】
活性剤は、活性剤を溶解するために十分である第1の溶媒の量である第1の溶媒中で溶解される。その量は、活性および溶媒に依存して変動する。その量は、当業者によって容易に決定され得る。例えば、「The CRC, Handbook of Chemistry and Physics」または「The Merck Index」, Merck & Co., Inc. Budavari S(編)を含むがこれに限定されない、安定性に関する情報を提供する標準的な化学的指標を参照することによる。一旦活性が第1の溶媒中に溶解されると、溶解した活性は第2の溶媒と混合される。
【0031】
好ましくは、第1の溶媒は、第2の溶媒との混合後に実質的に除去される。特定の態様において、第1の溶媒は、蒸発によって実質的に除去されるか、または希釈によって体積が実質的に減少する。第1の溶媒を蒸発させるための方法の例には、試料を圧縮された空気、酸素、または窒素のいずれかの流れに曝露することが含まれるがこれに限定されない。好ましくは、試料は、窒素の流れに曝露される。用語「実質的に除去される」とは、本明細書で使用される場合、好ましくは、約90%〜99.9%の第1の溶媒が除去され、より好ましくは、約95%〜約99.9%の第1の溶媒が除去され、および最も好ましくは、約99%〜約99.9%の第1の溶媒が除去されることを意味する。
【0032】
油体は、油体への活性の分配を容易にするために、溶媒/活性混合物とともにインキュベートされる。このインキュベーションは、0℃よりも上の温度で好ましく実行され、室温または高い温度で実行され得る。このインキュベーションは、例えば、最適な分配を確実にするために、34℃〜37℃の温度で、一晩以上実行され得る。
【0033】
ヘキサン抽出は、遊離のオイル中に存在する活性の量を測定するために使用され得る(遊離のオイルは、油体中に含まれないオイルとして定義される。インタクトな油体は、ヘキサン単独による抽出に対して大部分耐性であることに注意されたい)(Tzenら (1997) J. Biochem 121: 762-768.)。一旦遊離のオイルが活性/油体フラクションから除去されると、全体の残りのオイルの分析は、例えば、ヘキサン:イソプロパノール、クロロホルム、またはクロロホルム:メタノールの溶液抽出を使用して実行され得る。遊離のオイルフラクションと全体のオイルフラクションの両方に存在する活性の量は、活性に依存して、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、分光光度法、蛍光、または活性アッセイ法を含むがこれらに限定されない多数の方法によって測定され得る。遊離のオイルフラクションと全体のオイルフラクションの両方における活性の量を比較することによって、インタクトな油体に取り込まれた活性の平均量が決定され得る。一般的に、インタクトな油体への活性の分配の効率は、約10%〜約99.9%の範囲であり得る。しかし、より代表的には、インタクトな油体への活性の分配の効率は、約50%〜約99%、および最も代表的には、約90%〜約99%の範囲である。
【0034】
用語「疎水性」は、本明細書で使用される場合、水などの極性溶媒に容易には溶解しない物質をいう。一般的に、疎水性が大きくなるにつれて、物質が非極性溶媒に分配する傾向が大きくなる。分子の疎水的な性質は、分子の分配係数によって測定され得る。簡単にいえば、分配係数は、接触している2つの不混和性相の間の平衡濃度の比率である。例えば、オクタノール/水の分配係数(KOW、POW、またはP値)は、2相のオクタノール/水系の水(極性)相における化学物質/活性の濃度に対する、オクタノール(非極性)相におけるその濃度の比率である。高いP値を有する化合物は、比較的疎水性であると見なされる。測定された値が<10-4から>10+8までの範囲(少なくとも12桁の規模)であるので、ロガリズム(log P)は、その値を特徴付けるために一般的に使用される。logP値は、例えば、逆相HPLCを使用して(YamagamiおよびHaraguchi, 2000. Chem Pharm Bull (Tokyo) 48 (12): 1973-7)、または原子/フラグメント寄与法を使用する、Syracuse Research Corporationによって開発されたKowWinプログラムのようなコンピュータプログラムを使用することによって、経験的に決定され得る。
【0035】
好ましい態様において、活性化合物のlog P値は約0から約8までの範囲である。より好ましい態様において、このlog P値は約2から約7までの範囲である。最も好ましい態様において、このlog P値は約3から約7までの範囲である。
【0036】
本発明に従って使用され得る、1つの特に好ましい疎水性活性は、プロピオン酸クロベタゾールである。プロピオン酸クロベタゾールについての他の同義語および誘導体には、クロベタゾール、クロベタゾール17-プロピオネート、(11β,16β)-21-クロロ-9-フルオロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-17-(1-オキソプロポキシ)プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、デルモバル(Dermoval)、デルモベート(Dermovate)、デルモキシン(Dermoxin)、デルモキシナール(Dermoxinale)、テモベート(Temovate)、およびこれらの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。プロピオン酸クロベタゾールが治療するために使用され得る状態には、中程度から重篤なコルチコステロイド応答性皮膚疾患の炎症性および掻痒性の症状が含まれる。これらの徴候の例には、アレルギー反応、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、包茎、そう痒症、乾癬、頭皮皮膚疾患、脂漏性皮膚炎、および皮膚過敏が含まれるがこれらに限定されない。
【0037】
本発明に従って使用され得る、別の特に好ましい疎水性活性はジクロフェナクである。ジクロフェナクについての他の同義語および誘導体には、2-[(2,6-ジクロロフェニル-アミノ]ベンゼン酢酸、[o-2,6-ジクロロアニリノ)フェニル]-酢酸、ボルタロール(Voltarol)、カタフラム(Catafram)(ジクロフェナクカリウム)、ブロタレン(Vlotaren)(ジクロフェナクナトリウム)、ブロタレン-XR、ソラレーズ(Solaraze)、アロボラン(Allvoran)、ベンフォフェン(Benfofen)、デアルジック(Dealgic)、デフラマット(Deflamat)、デルフィナク(Delphinac)、ジクロマックス(Diclomax)、ミクロメチン(Miclometin)、ジクロフロゴント(Diclophlogont)、ジクロ-プレン(Diclo-Puren)、ジクロレウム(Dicloreum)、ジクロ-スポンジリル(Diclo-Spondyril)、デロバサン(Delobasan)、デュラボルテン(Duravolten)、エコフェナク(Ecofenac)、エフェックトン(Effekton)、レキソベン(Lexobene)、モチフェン(Motifene)、ネリオジン(Neriodin)、ノバピリナ(Novapirina)、プリモフェナク(Primofenac)、プロフェナチン(Prophenatin)、レウォジナ(Rewodina)、ルマルガン(Rhumalgan)、トラボナ(Trabona)、ツドーミン(Tsudohmin)、バレタン(Valetan)、ボルダール(Voldal)、キセニド(Xenid)およびこれらへの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。ジクロフェナクは、身体中の熱、痛み、および炎症を治療する際に有効である非ステロイド性抗炎剤(anti-inflammatory anagenic)である。治療するためにジクロフェナクが使用され得る状態には、関節炎および痛風によって引き起こされる痛み、圧痛、炎症(膨潤)および硬直の軽減、生理痛および手術または出産後の痛みの軽減、関節リウマチ、骨関節炎、強直性脊椎炎、白内障または角膜反応手術および紫外線角膜炎後の手術後の炎症が含まれるがこれらに限定されない。
【0038】
本発明に従って使用され得る、なお別の特に好ましい疎水性活性はジスラノールである。ジスラノールについての他の同義語および誘導体には、1,8-ジヒドロキシ-9(lOH)-アントラセノン、1,8-ジヒドロキシアントロン、アントラリン、アントラフォルテ(Anthraforte)、アントラノール(Anthranol)、アントラスカルプ(Anthrascalp)、アントラダーム(Antraderm)、シグノリン(Cignolin)、ジスロクリーム(Dithrocream)(登録商標)、ジスロクレーム(Drithrocreme)、ジスロ-スカルプ(Dirthro-Scalp)、ミカノール(Micanol)、ソダドレート(Psoradrate)、プロシダーム(Prosiderm)、ソリン(Psorin)およびこれらへの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。治療するためにジスラノールが使用され得る症状には、亜急性および慢性の乾癬が含まれるがこれらに限定されない。
【0039】
本発明に従って使用され得る、1つの特に好ましい疎水性活性はレチノイン酸である。レチノイン酸についての他の同義語および誘導体には、(すべて-E)-3,7-ジメチル-9-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2,4,6,8-ノナテトラエン酸、ビタミンA酸、トレチノイン、アベレル(Aberel)、アイロール(Airol)、アビタ(Avita)、エピ-アベレル(Epi-Aberel)、ユーダイナ(Eudyna)、カーロカル(Kerlocal)、レノバ(Renova)(商標)、レチン-A(Retin-A)(商標)、レチノール、ベサノイック(Vesanoic)およびこれらへの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。治療するためにレチノイン酸が使用され得る症状には、軽度から中程度のざ瘡および日光で損傷された(光によって老化した)皮膚(すなわち、しわ、まだらの色素沈着過剰、および日光への過剰露出に伴う肌荒れを減少させること)が含まれるがこれらに限定されない。
【0040】
本発明に従って使用され得る、別の特に好ましい疎水性活性はリドカインである。リドカインについての他の同義語および誘導体には、2-ジエチルアミノ-2',6'-アセトキシリダイド、2-(ジエチルアミノ)-N-(2,6-ジメチルフェニル)アセトアミド、アネスタコン(Anestacon)、クイバサール(Cuivasal)、ダンカイン(Duncaine)、EMLA(R)、グラボカイン(Gravocain)、イシカイン(Isicaine)、レオステシン(Leostesin)、リドカイン(lidocaine)、リドカインベースおよびリドカインHCl USP(LIDOCAINE BASE AND LIDOCAINE HCl USP)、リドセシン(Lidothesin)、リグノカイン(Lignocaine)、ルカイナ(Rucaina)、シレステシン(Sylestesin)、ω-ジエチルアミノ-2',6'-ジメチルアセトアニリド、キシレステシン(Xylestesin)、キシロカイン(Xylocaine)、キシロシチン(Xylocitin)、キシロトックス(Xylotox)およびこれらへの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。治療するためにリドカインが使用され得る症状には、心室性不整脈、心室性期外収縮(PVC)、頻脈、および細動が含まれるがこれらに限定されない。
【0041】
本発明に従って使用され得る、さらに別の特に好ましい疎水性活性はクリンダマイシンである。クリンダマイシンについての他の同義語および誘導体には、7-デオキシ-7(S)-クロロリンコマイシン、7(S)-クロロ-7-デオキシリンコマイシン、アンチローブ(Antirobe)、クレオシン(Cleocin)、クリンダマイシン、クリンダテック(Clindatech)、ダラシン(Dalacin)、ダラシンC、ダラクチン(Dalactine)、ハイドロクロライドモノハイドレート(ダラクチン)、クリマイシン(Klimicin)、クリマイシンC、クリマイシンメチルキサミド)-1-チオ-L-スレオ-α-D-ガラクト-オクチルピラノシド、L-スレオ-α-D-ガラクト-オクトピラノシド、メチル7-クロロ-6,7,8-トリデオキシ-6-(((l-メチル-4-プロピル-2-ピロリジニル)炭素 イル)アミノ)-1-チオ-,(2S-トランス)-,ヒドロクロライドモノハイドレート、メチル7-クロロ-6,7,8-トリデオキシ-6-(l-メチル-トランス-4-プロピル-L-2-ピロリジンカルボキサミド)-1-チオ-L-スレオ-α-D-ガラクト-オクトピラノシド、メチル7-クロロ-6,7,チオ(hio)-L-スレオ-α-D-ガラクト-オクトピラノシド、ソベリン(Sobelin)、U-21251、およびこれらへの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。治療するためにクリンダマイシンが使用され得る症状には、幼児におけるバクテロイデス フラギリス(bacteroides fragilis)感染が含まれるがこれらに限定されない。
【0042】
本発明に従って使用され得る、さらに別の特に好ましい疎水性活性は過酸化ベンゾイルである。過酸化ベンゾイルについての他の同義語および誘導体には、2,3,6-TBA、アセトキシル(Acetoxyl)、インシドール(incidol)、ロロキシド(loroxide)、ルシドール(Lucidol)、ルペルコ(luperco)、ルペロックス(luperox)fl、ナイパー(nayper)bおよびbo、ネリカー(Nericur)、ノロックス(norox)bzp- 250、ノロックスbzp-c-35、ノバデロックス(Novadelox)、Oxy-10、OXY-5、Oxy-5、Oxy 10、オキシライト(oxylite)、オキシウォッシュ(oxy wash)、パンオキシル(PanOxyl)、ペルオキシデックス(Peroxydex)、ペルサドックス(Persadox)、ペルサ-ゲル(Persa-gel)、キノラー(quinolor)化合物、サノジット(sanoxit)、スーパーオックス(superox)、TCBA、セラダーム(Theraderm)、トペックス(Topex)、トリバック(Tribac)、バノキシド(vanoxide)、ゼラック(Xerac)、ゼラックBP 10、ゼラックBP 5、アクネゲル(Acnegel)、アズテック(aztec)bpo、ベノキシル(Benoxyl)、ベンザック(Benzac)、ベンザゲル(Benzagel)10、ベンザクネン(Benzaknen)、ベンザニュー(benzaknew)、安息香酸、過酸化物、ベンゾペルオキサイド、 過酸化ベンゾイル、過酸化ベンゾイル、残渣の水、超酸化ベンゾイル、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジフェニルグリオキサール、BPO、BZF-60、カデト(Cadet)、カドックス(cadox)bs、デサンデン(Desanden)、デブロキシド(Debroxide)、ドライアンドクリア(dry and clear)、エピ-クリア(epi-clear)、フォステックス(fostex)、ガロックス(Garox)、およびこれらへの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。治療するために過酸化ベンゾイルが使用され得る症状には、軽度から中程度のざ瘡が含まれるがこれらに限定されない。
【0043】
本発明に従って使用され得る、さらに別の特に好ましい疎水性活性はシクロスポリンAである。シクロスポリンAについての他の同義語および誘導体には、抗生物質(antibiotic) s7481fl、シクロスポリン(Ciclosporin)(シクロスポリンA、シクロスポリンA、ol 27-400、ラミヒフィン(Ramihyphin)A、s7481fl、およびこれらへの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。治療するためにシクロスポリンAが使用され得る症状には、臓器(例えば、腎臓、肝臓、および心臓)移植を受けた患者、乾癬、および関節リウマチにおける身体の天然の免疫を減少することが含まれるがこれらに限定されない。
【0044】
別の態様において、本明細書に従って、抗癌剤ドキソルビシン(アドリアマイシンとしても知られる)が、油体エマルジョンとして使用されかつ製剤化され得る。
【0045】
用語「両親媒性」(「amphiphilic」または「amphipathic」)は、本明細書で使用される場合、溶質および溶媒についてのそれらの親和性が異なる、2つの区別可能な要素を有する分子をいう。分子の1つの部分は水などの極性溶媒についての親和性を有し、親水性であるといわれる。分子の第2の部分は、炭化水素などの非極性溶媒についての親和性を有し、これは疎水性であるといわれる。両親媒性分子は、水と相互作用するときに独特の挙動を示し、ここでは、分子の極性または親水性部分が、水と相互作用することを「追求」するのに対して、一方非極性または疎水性部分が水との相互作用を「遮断」する。両親媒性分子中の親水性部分と疎水性部分の間のバランスは、分類の方法として使用される(親水性-親油性バランス、HLB)。一般的に使用される両親媒性分子についてのHLB値は文献中で容易に利用可能である(例えば、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」, The Pharmaceutical Press. London, 1994)。HLB系は、もともとGriffinによって考案された(J. Soc. Cosmetic Chem.,1, 311, 1949)。Griffinは、両親媒性分子のHLB値を、5で除算した親水基のモル%として定義し、ここで、完全に親水性の分子(非極性基を有さない)は、20のHLB値を有した。HLB値を計算するこの単純なアプローチは、ポリオキシエチレンエーテルに唯一適用可能である。結果的に、他の両親媒性分子については、HLB値は、水溶性、誘電率、界面張力、および曇点などの多様な特性から誘導されてきた。このような分散剤は、好ましくは、1から20の間の親水性-親油性バランスを有する(Griffin, W C, J. Soc. Cos. Chem. 1, 1949. 311: J. Soc. Cos. Chem. 5, 1954, 249において定義されるようなHLB値)。Davisら Proc. 2ns Int. Cong. Surface Act. Vol 1 Butterworths, 1959, Londonは、異なる親水基および疎水基に対して定数を関連付ける、より一般的な経験式を提案した:
HLB= [(nH×H)-nL×L] +7
ここで、HおよびLは、親水基および疎水基にそれぞれ割り当てられた定数であり、nHおよびnLは、分子あたりのこれらの基の数である。本発明の目的のために、HLBは任意スケール上での経験的な量であり、これは、両親媒性分子または両親媒性分子の混合物の極性の尺度である。P. Becherら,「Nonionic Surfactant, Physical Chemistry」Marcel Dekker, N. Y. (1987), 439-456頁を参照されたい。好ましくは、本発明に従って、両親媒性活性のHLB値は、約1〜約14の範囲であり、より好ましくは、活性のHLBは約4〜約10の範囲であり、および最も好ましくは、活性のHLB値は約6〜8の範囲である。
【0046】
本発明に従って使用され得る、1つの特に好ましい両親媒性活性はアムホテリシン Bである。アムホテリシン Bについての他の同義語および誘導体には、アムホテリシン Bデオキシコール酸、ファンジゾン(商標)、およびこれらへの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。治療するためにアムホテリシン Bが使用され得る症状には、真菌感染が含まれるがこれに限定されない。
【0047】
本発明に従って使用され得る、1つの特に好ましい両親媒性活性はホスファチジルコリンである。ホスファチジルコリンについての他の同義語および誘導体には、レシチンおよびこの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。ホスファチジルコリンは膜リン脂質である。ホスファチジルコリンは、多くのスキンケア製品中で見い出され、美容整形外科において使用されてきた(すなわち、はれを最小化するための眼の下の脂肪パッドに注入される)。
【0048】
本発明に従って使用され得る、1つの特に好ましい両親媒性活性はテトラカインである。テトラカインについての他の同義語および誘導体には、アメトカイン、2-ジメチルアミノエチル、4-(ブチルアミノ)安息香酸2-(ジメチルアミノ)エチルエーテルモノ塩酸塩、4-(ブチルアミノ)安息香酸、アネタイン(Anethaine)、ブテタノール(Butethanol)、トネキソール(Tonexol)、4-(ブチルアミノ)-安息香酸, 2-(ジメチルアミノ)エチルエステル、ジカイン(dicain)、デシカイン(Decicain)、ポントカイン(Pontocaine)、およびこれらの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。テトラカイン(Tetracine)は局所的適用のための有効な局所麻酔剤である。これらの局所的適用の例には、静脈穿刺(venepuncture)または静脈カニューレ挿入、および軽度の眼の手術の前の麻酔が含まれるがこれらに限定されない。
【0049】
本発明に従って使用され得る、1つの特に好ましい両親媒性活性はアクチノマイシンである。アクチノマイシンについての他の同義語および誘導体には、3H-フェノキサジン-1,9-ジカルボキサミド、2-アミノ-N,N'-ビス[ヘキサデカヒドロ-2,5,9-トリメチル-6,13-ビス(1-メチルエチル)-1,4,7,11,14-ペンタオキソ-lH-ピローロ[2,1-i][1,4,7,10,13]オキサテトラアザシクロヘキサデシン-10-イル]-4,6-ジメチル-3-オキソ-、ACT、hbf 386、リオバック コスメゲン(Lyovac cosmegen)、メラクチノマイシン(Meractinomycin)、オンコスタチン(Oncostatin)K、X 97、アクチノマイシンA IV、アクチノマイシン7、アクチノマイシンAIV、アクチノマイシンジオイックD酸、ジラクトン、アクチノマイシンC1、アクチノマイシンcl、アクチノマイシンD、(-)-アクチノマイシンd、アクチノマイシンi、アクチノマイシンIl、アクチノマイシンIV、アクチノマイシン-[threo-val-pro-sar-meval]、アクチノマイシンX 1、アクチノマイシンx i、アクチノミエイン(actinomyein-theo-val-pro-sar-meval)、ACTO-D、AD、ジラクトンアクチノマイシンジオイックD酸、ジラクトンアクチノマイシンD酸、C1、コスメゲン(Cosmegen)、ダクチノマイシン、ダクチノマイシンD、ダクチノミエイン(dactinomyein)d、およびこれらの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。治療するためにアクチノマイシンDが使用され得る症状には癌が含まれるがこれらに限定されず、およびこれは抗生物質として使用される。
【0050】
本明細書に記載される組成物中での使用のために意図されるさらなる活性には、以下のカテゴリーおよび活性の例およびこれらの活性の代替的な型、例えば、代替的な塩の型、遊離の酸の型、遊離の塩基型、および水和物が含まれる:
・鎮痛剤/解熱剤(例えば、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ブプレノルフィン、塩酸プロポキシフェン、プロポキシフェンナプシレート、塩酸メペリジン、塩酸ヒドロモルホン、モルヒネ、オキシコドン、コデイン、ジヒドロコデイン酒石酸水素塩、ペンタゾシン、ヒドロコドン酒石酸水素塩、レボルファノール、ジフルニサル、トロラミンサリチル酸塩、塩酸ナルブフェン、メフェナム酸、ブトルファノール、コリンサリチル酸塩、ブタルビタール、フェニルトロキサミンクエン酸塩、ジフェンヒドラミンクエン酸酸塩、メトトリメプラジン、シンナメドリン塩酸塩、およびメプロバメート);
・抗喘息剤(antiasthamatics)(例えば、ケトチフェンおよびトラキサノックス(traxanox);
・抗生物質(例えば、ネオマイシン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、アンピシリン、ペニシリン、テトラサイクリン、およびシプロフロキサシン);
・抗うつ薬(例えば、ネフォパム、オキシペルチン、ドキセピン、アモキサピン、トラゾドン、アミトリプチリン、マプロチリン、フェネルジン、デシプラミン、ノルトリプチリン、トラニルシプロミン、フルオキセチン、ドキセピン、イミプラミン、イミプラミンパモエート、イソカルボキサジド、トリミブラミン、およびプロトリプチリン);
・抗糖尿病剤(例えば、ビグアニドおよびスルホニル尿素誘導体);
・抗真菌剤(例えば、グリセオフルビン、ケトコナゾール、イトラコナゾール、アムホテリシンB、ニスタチン、およびカンジサイジン);
・降圧剤(例えば、プロパノロール、プロパフェノン、オキシプレノロール、、ニフェジピン、レセルピン、トリメタファン、フェノキシベンザミン、塩酸パルギリン、デセルピジン、ジアゾキシド、グアネチジン一硫酸塩、ミノキシジル、レシンナミン、ニトロプルシッドナトリウム、ローオルフィア サーペンティナ(rauwolfia serpentina)、アルセロキシロン、およびフェントラミン);
・抗炎症剤(例えば、(非ステロイド性)インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン、イブプロフェン、ラミフェナゾン、ピロキシカム、ビフェニルカルボン酸誘導体、アセトミナフェン、(ステロイド性)ヒドロコルチゾン、コルチゾン、デキサメサゾン、フルアザコート、セレコキシブ、ロフェコキシブ、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、およびプレドニゾン);
・抗新生物剤(例えば、 シクロホスファミド、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、メトトレキサート、フルオロウラシル、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU)、メチル−CCNU、シスプラチン、エトポシド、カンプトテシンおよびその誘導体、フェネステリン、パクリタキセルおよびその誘導体、ドセタキセルおよびその誘導体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、タモキシフェン、およびピポスルファン);
・抗不安薬(例えば、ロラゼパム、ブスピロン、プラゼパム、クロルジアゼポキシド、オキザゼパム、クロラゼプ酸ジカリウム、ジアゼパム、パモ酸ヒドロキシジン、塩酸ヒドロキシジン、アルプラゾラム、ドロペリドール、ハラゼパム、クロルメザノン、およびダントロレン);
・免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、ミゾリビン、およびFK506(タクロリムス));
・抗片頭痛薬(例えば、エルゴタミン、プロパノロール、イソメテプテンムケート、およびジクロラールフェナゾン);
・鎮静剤/睡眠薬(例えば、バルビツール酸、例えば、ペントバルビタール、およびセコバルビタール;ならびにベンゾジアザピン、例えば、フルラゼパム塩酸塩、トリゾラム、およびミダゾラム);
・抗アンギナ剤(例えば、β-アドレナリン作動性ブロッカー;カルシウムチャネルブロッカー、例えば、ニフェジピン、およびジルチアゼム;ならびに硝酸化合物、例えば、ニトログリセリン、ジ硝酸イソソルビド、テトラ硝酸ペンタエリスリトール、およびテトラ硝酸エリトリチル);
・抗精神病薬(例えば、ハロペリドール、コハク酸ロキサピン、塩酸ロキサピン、チオリダジン、塩酸チオリダジン、チオチキセン、フルフェナジン、フルフェナジンデカノエート、フルフェナジンエナンテート、トリフルオペラジン、クロルプロマジン、パーフェナジン、クエン酸リチウム、およびプロクロルペラジン);
・抗躁薬(例えば、炭酸リチウム);
・抗不整脈薬(例えば、ブレチリウムトシレート、エスモロール、ベラパミル、アミオダロン、エンカイニド、ジゴキシン、ディジトキシン、メキシレチン、リン酸ジソピラミド、プロカインアミド、硫酸キニジン、グルコン酸キニジン、ポリガラクツロン酸キニジン、酢酸フレカイニド、トカイニド、およびリドカイン);
・抗関節炎剤(例えば、フェニルブタゾン、スリンダク、ペニシルアミン、サルサラート、ピロキシカム、アザチオプリン、インドメタシン、メクロフェナム酸、金チオリンゴ酸ナトリウム、ケトプロフェン、オーラノフィン、アウロチオグルコースおよびトルメチンナトリウム);
・抗痛風薬(例えば、コルヒチン、およびアロプリノール);
・抗凝血剤(例えば、ヘパリン、ヘパリンナトリウム、およびワーファリンナトリウム);
・血栓溶解剤(例えば、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、およびアルテプラーゼ);
・抗線維素溶解薬(例えば、アミノカプロン酸);
・血液レオロジー剤(例えば、ペントキシフィリン);
・抗血小板薬、(例えば、アスピリン);
・抗痙攣薬(例えば、バルプロ酸、ジバルプロエックスナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、クロナゼパム、プリミドン、フェノバルビタール(phenobarbitol)、カルバマゼピン、アモバルビタールナトリウム、メトスクシミド、メタルビタール、メホバルビタール、メフェニトイン、フェンスクシミド、パラメタジオン、エトトイン、フェナセミド、セコバルビタール(secobarbitol)ナトリウム、クロラゼプ酸ジカリウム、およびトリメタジオン);
・抗パーキンソン病薬(例えば、エトスクシミド);
・抗ヒスタミン剤/鎮痒剤(例えば、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニルアミン、塩酸シプロヘプタジン、テルフェナジン、フマル酸クレマスチン、トリプロリジン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン、フェニンダミン、アゼタジン、トリペレナミン、デキスクロルフェニルアミンマレイン酸塩、メトジラジン、および);
・カルシウム調節のために有用な薬剤(例えば、カルシトニン、および副甲状腺ホルモン);
・抗細菌剤(例えば、硫酸アミカシン、アズトレオナム、クロラムフェニコール、パルミチン酸クロラムフェニコール、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、パルミチン酸クリンダマイシン、リン酸クリンダマイシン、メトロニダゾール、塩酸メトロニダゾール、硫酸ゲンタマイシン、塩酸リンコマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸バンコマイシン、硫酸ポリミキシンB、コリスチメタートナトリウム、および硫酸コリスチン);
・抗ウイルス剤(例えば、インターフェロンα、β、またはγ、ジドブジン、塩酸アマンタジン、リバビリン、およびアシクロビル);
・抗微生物剤(例えば、セファスポリン、例えば、セファゾリンナトリウム、セファジン、セファクロル、セファピリンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフロキシム e アゾチル、セフォタキシムナトリウム、セファドロキシル一水和物、セファレキシン、セファロチンナトリウム、塩酸セファレキシン一水和物、セファンマンドールナフェート、セフォキシチンナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフォラニド、セフトリアゾンナトリウム、セフタジジン、セファドロキシル、セファラジン、およびセフロキシムナトリウム;ペニシリン、例えば、アンピシリン、アモキシシリン、ペニシリンG ベンズアチン、シクラシリン、アンピシリンナトリウム、ペニシリンGカリウム、ペニシリンVカリウム、ピペラシリンナトリウム、オキサシリンナトリウム、バクアンピシリン塩酸塩、クロキサシリンナトリウム、チカルシリン二ナトリウム、アズロシリンナトリウム、カルベニシリンインダニルナトリウム、ペニシリンGプロカイン、メチシリンナトリウム、およびナフシリンナトリウム;エリスロマイシン、例えば、エチルコハク酸エリスロマイシン、エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、エリスロマイシンラクトビオネート、ステアリン酸エリスロマイシン、およびエチルコハク酸エリスロマイシン;ならびにテトラサイクリン、例えば、塩酸テトラサイクリン、ドキシサイクリンハイクレート(hyclate)、塩酸ミノサイクリン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、トリクロサン、トルナフィエート、クロルヘキシジン、過酸化ベンゾイル)
・抗感染症薬(例えば、GM-CSF);
・気管支拡張薬(例えば、交感神経作用薬、例えば、塩酸エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、硫酸テルブタリン、イソエタリン、イソエタリンメシレート、塩酸イソエタリン、硫酸アルブテロール、アルブテロール、ビトルテロールメシレート、塩酸イソプロテレノール、硫酸テルブタリン、酒石酸水素エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、エピネフリン、および酒石酸水素エピネフリン;イプラトロピウム臭素などの抗コリン作動薬;キサンチン、例えば、アミノフィリン、ダイフィリン、硫酸メタプロテレノール、およびアミノフィリン;クロモリンナトリウムなどの肥満細胞安定剤;ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)、およびジプロピオン酸ベクロメタゾン一水和物などの吸入剤コルチコステロイド;サルブタモール;臭化イプラトロピウム;ブデソニド;ケトチフェン
;サルメテロール;キシナフォーテ(xinafoate);硫酸テルブタリン;トリアムシノロン;テオフィリン;ネドクロミルナトリウム;硫酸メタプロテレノール;アルブテロール;フルニソリド;フルチカゾンプロピオネート)
・ステロイド化合物およびホルモン(例えば、アンドロゲン、例えば、ダナゾール、テストステロンシピオネート、、フルオキシメステロン、エチルテストステロン、テストステロンエナテート、メチルテストステロン、フルオキシメステロンおよびテストステロンシピオネート;エステロゲン、例えば、エストラジオール、エストロピペート、結合体化エストロゲン;プロゲスチン、例えば、酢酸メトキシプロゲステロン、および酢酸ノルエチンドロン;コルチコステロイド、例えば、トリアムシノロン、ベタメサゾン、ベタメサゾンリン酸ナトリウム、デキサメサゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、酢酸デキサメタゾンプレドニゾン、酢酸メチルプレドニゾロンの懸濁物、トリアムシノロンアセトニド、メチルプレドニゾロン、リン酸ナトリウムプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムメチルプレドニゾロン、コハク酸ナトリウムヒドロコルチゾン、トリアムシノロンヘキサアセトニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシピオネート、プレドニゾロン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロンテブテート、酢酸プレドニゾロン、リン酸ナトリウムプレドニゾロン、およびコハク酸ナトリウムヒドロコルチゾン;甲状腺ホルモン、例えば、レボチロキシンナトリウム);
・血糖降下剤(例えば、ヒトインスリン、精製ウシインスリン、精製ブタインスリン、グリブリド、クロルプロパミド、グリピジド、トルブタミド、およびトラザミド);
・脂質低下剤(例えば、クロフィブラート、デキストロサイロキシンナトリウム、プロブコール、プラバスチチン、アトルバスタチン、ロバスタチン、およびナイアシン);
・タンパク質(例えば、DNアーゼ、アルギナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、およびリパーゼ);核酸(例えば、本明細書に記載される任意のタンパク質を含む、任意の治療的に有用なタンパク質をコードするセンスまたはアンチセンス核酸);
・赤血球生成刺激のために有用である剤(例えば、エリスロポエチン);
・抗潰瘍/抗逆流剤(例えば、ファモチジン、シメチジン、および塩酸ラニチジン);
・制嘔吐剤/鎮吐薬(例えば、塩酸メクリジン、ナビロン、プロクロルペラジン、ジメンヒドリナート、塩酸プロメタジン、トリエチルペラジン、およびスコポラミン);
・脂溶性ビタミン(例えば、ビタミンA、D、E、Kなど);ならびにミトタン、ハロニトロソウレア、アントロサイクリン、およびエリプテシンなどの他の薬物;
・日焼け防止活性(例えば、パラ−アミノ安息香酸(PABA)、サリチル酸オクチル、オクチルメトキシシナメート(Parasol MCX);二酸化チタン)
・しわ取り剤および老化防止活性(例えば、レチノイン酸)
・白色化および漂白活性(例えば、アスコルビルパルミテートおよび甘草の根)
・抗ざ瘡活性(例えば、ヒドロコルチゾンおよび過酸化ベンゾイル)
・ビタミン活性(例えば、レチノイン酸、レチニルアルデヒド、レチンA、レチニルパルミテート、アダパレン、およびβ-カロテンを含むビタミンAおよび誘導体;カルシポトリエン(ビタミンD3アナログ)を含むビタミンD;その個々の構成成分のα-、β-、γ-、δ-トコフェロールおよびコトリエノールおよびそれらの混合物を含むビタミンEならびにビタミンEパルミテート、ビタミンEリノレート、およびビタミンEアセテートを含むビタミンE誘導体;ビタミンKおよび誘導体)
・脂質(例えば、とりわけ、トリアシルグリセロール;γ-リノレン酸などの脂肪酸;ワックス;コレステロール;スフィンゴ脂質;セラミド;リン脂質;およびこれらの混合物)
・色素(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、メトズサレン、トリオキサレン、カロテノイド(αカロテン、βカロテン、ルテイン、リコペン)、クロロフィル(aおよびb)、キサントフィル)
・抗酸化剤(例えば、ビタミンEおよびビタミンE模倣物、αリポ酸、コエンザイムQ(CoQ、Q、ユビキノン)、ビタミンA、カロテン、リコペン、リポ酸、メラトニン、いくつかのポリフェノール、いくつかのフラボノイド)
・抗真菌剤(例えば、リロピロックス、ラノコナゾール、ベンジルアミン誘導体、イマドゾール、アムホテリシン B)
・香料(例えば、アセトアニソール、アセトフェノン、アセチルセドレン、メチルノニルアセトアルデヒド、ヘリオトロピン、サンデラ、メトキシシトラネラール、ヒドロキシシトラネラール、ゲラニオール、ベンズアルデヒド、リナロール、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、シンナミルアセテート、1-メントール、バニリン、サンドルウッド油、アンゲリックルート油、ベルガモット油、ブチュリーフ油、カシア油、カモミール油、レモン油、ラベンダー油、イランイラン油)
・昆虫忌避剤(例えば、N,N-ジエチル-3メチルベンズアミド、N,N-ジエチル-mトルアミド(DEET)、ジメチルフタレート(DMP)、シトロネラ(Citronella)またはユーカリプス(eucalyptus)の油、ピレトリン、ピレスロイド)。
【0051】
これらおよび他のクラスの有用な活性の記載、ならびに各クラス中での種の列挙は、「Martindale, The Extra Pharmacopoeia」, 第30版 (The Pharmaceutical Press, London 1993)において見い出され得る。この開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0052】
以下の非限定的な実施例は、本明細書の例示である。
【0053】
実施例
実施例1
ベニバナからの洗浄した油体調製物の入手
本実施例は、ベニバナからの油体フラクションの回収を説明する。得られる調製物はインタクトな洗浄した油体を含む。
【0054】
種子の汚染除去
全体で45kgの乾燥ベニバナ(カーサラマス ティンクトリウス(Carthamus tinctorius))種子を、65℃の水道水約120Lを使用して2回、約15℃の水道水約120Lを使用して1回洗浄した。洗浄を1つの樽中で、廃棄する水を分離するための篩目を用いて実行した。
【0055】
種子の粉砕
粉砕の前に外部から接続したホースを通してpH7.0の25mM NaH2P04緩衝液約100Lを供給しながら、洗浄した種子を、交差した歯を有するMZ-120ローター/ステーター粉砕セットおよびトップローディングホッパーに装着されたコロイドミル(Colloid Mill, MZ-130 (Fryma); キャパシティー: 350 kg/hr)のホッパーを通して注いだ。ミルの操作は、100ミクロン未満の粒子サイズを達成するように選択された、1Rのギャップ設定において、18℃および30℃であった。45kgの種子すべてを10分以内に粉砕した。
【0056】
均質化および固形物の除去
得られるスラリーを、ナイフインラインホモジナイザー(Dispax Reactor(登録商標)DR 3-6/A, IKA(登録商標)Works, Inc.)に、約7L/分の速度にてポンプで送った。3250rpmの操作速度までの遠心分離の後、アウトプットスラリーを、直接的にデカンテーション遠心分離(NX-314B-31, Alfa-Laval)に供した。25分以内に、約160kgの種子粉砕スラリーをデカントした。Watson-Marlow(Model 704)ペリスターポンプを、この段階のスラリー移動のために使用した。
【0057】
油体の分離
油体フラクションの分離は、3相分離および自己洗浄ボウルおよび脱着可能なリングダムシリーズ;最大キャパシティー:83L/分;リングダム:69mmを装着した、ディスクスタック遠心分離セパレーター(SA 7, Westfalia)を使用して達成した。操作速度は〜8520rpmであった。Watson-Marlow (Model 704) ペリスターポンプを使用して、デカントした液相(DL)を、操作速度までにした後で遠心分離装置にポンプで送った。これは、液相を、水および可溶性種子タンパク質を含む重い相(HP1)、ならびに油体を含む軽い相(LP1)にデカントした。遠心分離を1回通した後で得られた油体フラクションは、未洗浄油体調製物と呼ばれる。次いで、この未洗浄油体を、 25mM NaH2PO4 (pH 7) 緩衝液と混合しながら (35℃, 4L/分) 、静的インラインミキサーに通して、第2のディスクスタック遠心分離セパレーター (SA 7, Westfalia) に送った;最大キャパシティー:83L/分;リングダム:73mm。操作速度は〜8520rpmであった。次いで、油体を含む分離された軽い相(LP2)を、pH8の50mM NaH2P04緩衝液と混合しながら (35℃, 4L/分)、別の静的インラインミキサーに通して、第3のディスクスタック遠心分離セパレーター (SA 7, Westfalia) に送った;最大キャパシティー:83L/分;リングダム:75mm。操作速度は〜8520rpmであった。全体の手順を室温で実行した。第2の分離後に得られる調製物は、すべてが、洗浄した油体調製物と呼ばれる。3回の洗浄後に、大部分の夾雑する可溶性種子タンパク質が除去された。油体が化粧品製剤中で使用されるならば、0.1% Neolone 950および0.1 % glycacil Lが保存剤として加えられてもよい。
【0058】
実施例2
洗浄したベニバナ油体へのプロピオン酸クロベタゾールの分配
洗浄したベニバナ油体は実施例1に記載されるように調製した。油体を、0.1% Neolone 950および0.1 % glycacil Lを用いて保存した。プロピオン酸クロベタゾール(CP)(供給業者-Sigma)を、清浄かつ乾燥した16×100mm スクリューキャップPyrex試験管で秤量し(12mg-30mg)、300μlのイソプロパノール次いで200mgのベニバナ油と混合した。合わせた試料をボルテックスし、続いて34℃で20分間インキュベートした。インキュベーション後、試料を再ボルテックスし、次いで、イソプロパノールを除去するために20分間窒素下で乾燥させた。1mlの洗浄した高い乾燥重量の油体を、CP/ベニベナ油混合物に室温で加え、手短に遠心分離して、内容物をペレット化して、内容物の徹底的な混合を可能にし、ボルテックスし、さらに気密性のチューブ中で一晩、34℃〜42℃でインキュベートして、油体へのCPおよびベニバナ油の取り込みを可能にした。ヘキサン抽出を使用して、遊離のオイル中に存在するCPの量を決定した(遊離のオイルは、油体中に含まれていないオイルとして定義される。インタクトな油体は大部分がヘキサン単独による抽出に対して抵抗性であるが、添加された油体のすべてのヘキサン抽出が、ヘキサンによってインタクトな油体に対してなされる損傷について、添加されていない油体から得られる遊離のオイルの値を使用する補正を通して、補正しなくてはならないことに注意されたい)。3mlのヘキサンをチューブに加え、このチューブを32回振盪させて混合する。試料を、油体-水相からヘキサンを分離するために、1分間、3220×gで、スイングバケット臨床遠心分離機で遠心分離する。遊離のオイルはヘキサン層(上層)に残ることに注意されたい。ヘキサン層を別のチューブに移し、ヘキサン抽出を、残りのCP/油体混合物に対して反復する。一旦、第2の抽出からの溶媒の大部分が第1の抽出物を含むチューブに加えられると、ヘキサン含有チューブを加熱ブロックに移す。ヘキサンは、少なくとも1.5時間、ブロックを40℃〜45℃に加熱しながら、チューブを高純度N2ガスの穏やかな流れに供することによって蒸発させた。一旦、遊離のオイルをCP/油体フラクションから除去したら、全体の残存するオイルの分析を実行した。インタクトな油体中の残存する全体のオイルを、4mlの3:2ヘキサン:イソプロパノール溶液(HIP)を加えること、およびすべてのオイルがHIP溶媒に溶解するまで(約10秒〜20秒間)混合するために激しく振盪することによって測定した。これに続いて、チューブへの2.5 mlの6.67% Na2SO4 (w/v) の添加を行い、チューブをさらに10秒間振盪させた。相分離は、スイングバケット臨床遠心分離機中で、2分間、3220×gの遠心分離によって容易に行われる。有機相または上相を、水相の移動を回避しながら、パスツールピペットを使用して第2の試験チューブに移す。3mlの7:2 HIP溶液を、水相を含むもともとのチューブに加え、このチューブを10秒間振盪させる。このチューブを2分間3220×gで遠心分離し、上相を、第1のHIP抽出において回収した有機相と合わせる。7:2HIP抽出工程を反復した。乾燥ブロックヒーター中で加熱しながら(40℃〜45℃)、合わせた有機相を含むチューブを圧縮N2ガスの穏やかな流れに供することによって、溶媒を液体抽出物から蒸発させた。このチューブを1時間後に秤量し、次いでその後15分毎に秤量する。2つの連続する重量が同じ(±0.0001g)である場合、すべての揮発性成分が蒸発したこと、および抽出した脂質のみが残っていると仮定する。遊離のオイルフラクションと、全体のオイルフラクションの両方に存在するCPの量を、240nmの波長の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定し、次いで、既知量のCPを用いて調製したHPLC標準曲線と比較した。遊離のオイルフラクションと、全体のオイルフラクションの両方におけるCPの量を比較することによって、平均94.7%の加えたプロピオン酸クロベタゾールがインタクトな油体に取り込まれたことを決定した。油体に取り込まれたプロピオン酸クロベタゾールのレベルは、乾燥重量のパーセンテージとして、0.316%であった。より大きな体積の油体を添加する場合、油体とオイルを混合し、従って、効率的な添加を促進する際に、Cito-unguator lab ミキサー (Gako Konietzko) が特に効率的であることを見い出した。
【0059】
実施例3
洗浄したベニバナ油体へのレチノイン酸の分配
洗浄したベニバナ油体は実施例1に記載されるように調製した。油体を、0.1% Neolone 950および0.1 % glycacil Lを用いて保存した。レチノイン酸(RA)(供給業者-Sigma)を、清浄かつ乾燥した16×100mm スクリューキャップPyrex試験管で秤量し(1mg-8mg)、3mlのイソプロパノールと混合した。ベニバナ油グラムあたり5mgのRAを超えて存在しないように、ベニバナ油を加える。合わせた試料をボルテックスし、40℃〜45℃加熱ブロック中に配置し、次いで、イソプロパノールが除去されるまで窒素の定常流下で乾燥させた(約0.5時間〜1時間)。次に、RAを可溶化するために使用するベニバナ油のグラムあたり、4ml〜5mlの洗浄した高い乾燥重量の油体を、RA/ベニベナ油混合物に加える。RA/ベニベナ油混合物は、油体の添加の直前まで、加熱ブロック中に保持したことに注意されたい。この油体混合物を手短に遠心分離して内容物をペレット化し、内容物の徹底的な混合を可能にし、ボルテックスし、さらに気密性のチューブ中で一晩、34℃〜37℃でインキュベートして、油体へのRAおよびベニバナ油の取り込みを可能にする。ヘキサン抽出を使用して、遊離のオイル中になお溶解している、取り込まれていないRAの量を決定した(遊離のオイルは、油体中に含まれていないオイルとして定義される。インタクトな油体は大部分がヘキサン単独による抽出に対して抵抗性であるが、添加された油体のすべてのヘキサン抽出が、ヘキサンによってインタクトな油体に対してなされる損傷について、添加されていない油体から得られる遊離のオイルの値を使用する補正を通して、補正しなくてはならないことに注意されたい)。3mlのヘキサンをチューブに加え、このチューブを32回振盪させて混合する。試料を、油体-水相からヘキサンを分離するために、1分間、3220×gで、スイングバケット臨床遠心分離機で遠心分離する。遊離のオイルはヘキサン層(上層)に残ることに注意されたい。ヘキサン層を別のチューブに移し、ヘキサン抽出を、残りのRA/油体混合物に対して反復する。一旦、第2の抽出からの溶媒の大部分が第1の抽出物を含むチューブに加えられると、ヘキサン含有チューブを加熱ブロックに移す。ヘキサンは、少なくとも1.5時間、ブロックを40℃〜45℃に加熱しながら、チューブを高純度N2ガスの穏やかな流れに供することによって蒸発させた。一旦、遊離のオイルをRA/油体フラクションから除去したら、全体の残存するオイルの分析を実行した。インタクトな油体中の残存する全体のオイルを、4mlの3:2ヘキサン:イソプロパノール溶液(HIP)を加えること、およびすべてのオイルがHIP溶媒に溶解するまで(約10秒〜20秒間)混合するために激しく振盪することによって測定した。これに続いて、チューブへの2.5 mlの6.67% Na2SO4 (w/v) の添加を行い、チューブをさらに10秒間振盪させた。相分離は、スイングバケット臨床遠心分離機中で、2分間、3220×gの遠心分離によって容易に行われる。有機相または上相を、水相の移動を回避しながら、パスツールピペットを使用して第2の試験チューブに移す。3mlの7:2 HIP溶液を、水相を含むもともとのチューブに加え、このチューブを10秒間振盪させる。このチューブを2分間3220×gで遠心分離し、上相を、第1のHIP抽出において回収した有機相と合わせる。7:2HIP抽出工程を反復した。乾燥ブロックヒーター中で加熱しながら(40℃〜45℃)、合わせた有機相を含むチューブを圧縮N2ガスの穏やかな流れに供することによって、溶媒を液体抽出物から蒸発させた。このチューブを1時間後に秤量し、次いでその後15分毎に秤量する。2つの連続する重量が同じ(±0.0001g)である場合、すべての揮発性成分が蒸発したこと、および抽出した脂質のみが残っていると仮定する。遊離のオイルフラクションと、全体のオイルフラクションの両方に存在するRAの量を、380nmの波長で分光光度計を使用して吸収を測定することによって計算し、次いで、既知量のRAを用いて調製した標準曲線と比較した。全体のオイルフラクションから回収したRAと、油体中に加えられたものの量を比較することによって、平均94.72%の加えたRAがインタクトな油体に取り込まれたことを決定した。油体に取り込まれたRAのレベルは、乾燥重量のパーセンテージとして、0.195%であった。より大きな体積の油体を添加する場合、油体とオイルを混合し、従って、効率的な添加を促進する際に、Cito-unguator lab ミキサー (Gako Konietzko) が特に効率的であることを見い出した。
【0060】
実施例4
洗浄したベニバナ油体へのジスラノールの分配
洗浄したベニバナ油体は実施例1に記載されるように調製した。油体を、0.1% Neolone 950および0.1 % glycacil Lを用いて保存した。ジスラノール(供給業者-Spectrum)を、清浄かつ乾燥した16×100mm スクリューキャップPyrex試験管で秤量し(1mg-30mg)、500μlのクロロホルムと混合した。ベニバナ油グラムあたり9mgのジスラノールを超えて存在しないように、ベニバナ油を加える。合わせた試料をボルテックスし、40℃〜45℃加熱ブロック中に配置し、次いで、クロロホルムが除去されるまで窒素の定常流下で乾燥させた(約1時間〜2時間混合物を随時再混合)。次に、ジスラノールを可溶化するために使用するベニバナ油のグラムあたり、0.2% L-アスコルビン酸(供給業者-Sigma)を含む4ml〜5mlの洗浄した高い乾燥重量の油体を、ジスラノール/ベニベナ油混合物に加える。この油体混合物を手短に遠心分離して内容物をペレット化して、内容物の徹底的な混合を可能にし、ボルテックスし、さらに気密性のチューブ中で一晩、34℃〜37℃でインキュベートして、油体へのジスラノールおよびベニバナ油の取り込みを可能にする。油体を、0.2% アスコルビン酸を含む等量の50mM リン酸、pH 8.0で1回洗浄し(注記:取り込まれていないジスラノールは洗浄中にペレット化する。ジスラノールはヘキサンに溶解性でなく、それゆえに、ヘキサン抽出は、取り込まれていないジスラノールを除去しない。)、油体を上相から取り出して新鮮なチューブに入れる。ヘキサン抽出を使用して、オイルキャリアの添加の効率を示す、遊離のオイルの量を決定した(遊離のオイルは、油体中に含まれていないオイルとして定義される。インタクトな油体は大部分がヘキサン単独による抽出に対して抵抗性であるが、添加された油体のすべてのヘキサン抽出が、ヘキサンによってインタクトな油体に対してなされる損傷について、添加されていない油体から得られる遊離のオイルの値を使用する補正を通して、補正しなくてはならないことに注意されたい)。3mlのヘキサンをチューブに加え、このチューブを32回振盪させて混合する。試料を、油体-水相からヘキサンを分離するために、1分間、3220×gで、スイングバケット臨床遠心分離機で遠心分離する。遊離のオイルはヘキサン層(上層)に残ることに注意されたい。ヘキサン層を別のチューブに移し、ヘキサン抽出を、残りのジスラノール/油体混合物に対して反復する。一旦、第2の抽出からの溶媒の大部分が第1の抽出物を含むチューブに加えられると、ヘキサン含有チューブを加熱ブロックに移す。ヘキサンは、少なくとも1.5時間、ブロックを40℃〜45℃に加熱しながら、チューブを高純度N2ガスの穏やかな流れに供することによって蒸発させた。一旦、遊離のオイルをジスラノール/油体フラクションから除去したら、全体の残存するオイルの分析を実行した。インタクトな油体中の残存する全体のオイルを、3mlのクロロホルムを加えること、およびすべてのオイルが溶媒に溶解するまで(約10秒〜20秒間)混合するために激しく振盪することによって測定した。相分離は、スイングバケット臨床遠心分離機中で、1分間、3220×gの遠心分離によって容易に行われる。有機相または上相を、水相の移動を回避しながら、パスツールピペットを使用して第2の試験チューブに移す。3mlのクロロホルムを、水相を含むもともとのチューブに加え、このチューブを10秒間振盪させる。このチューブを1分間3220×gで遠心分離し、上相を、第1のクロロホルム抽出において回収した有機相と合わせる。3mlの7:2 ヘキサン:イソプロパノール溶液(HIP)を、水相を含むもともとのチューブに加え、このチューブを10秒間振盪させる。次いで、このチューブを2分間3220×gで遠心分離し、上相を、最初の2工程において得られた下のクロロホルム相と合わせる。乾燥ブロックヒーター中で加熱しながら(40℃〜45℃)、合わせた有機相を含むチューブを圧縮N2ガスの穏やかな流れに供することによって、溶媒を液体抽出物から蒸発させた。このチューブを1時間後に秤量し、次いでその後15分毎に秤量する。2つの連続する重量が同じ(±0.0001g)である場合、すべての揮発性成分が蒸発したこと、および抽出した脂質のみが残っていると仮定する。遊離のオイルフラクションと、全体のオイルフラクションの両方に存在するジスラノールの量を、376nmの波長で分光光度計を使用して吸収を測定することによって計算し、次いで、既知量のジスラノールを用いて調製した標準曲線と比較した。全体のオイルフラクションから回収したジスラノールと、油体中に加えられたものの量を比較することによって、平均97.3%の加えたジスラノールがインタクトな油体に取り込まれたことを決定した。油体に取り込まれたジスラノールのレベルは、乾燥重量のパーセンテージとして、0.253%であった。より大きな体積の油体を添加する場合、油体とオイルを混合し、従って、効率的な添加を促進する際に、Cito-unguator lab ミキサー (Gako Konietzko) が特に効率的であることを見い出した。
【0061】
実施例5
洗浄したベニバナ油体へのジクロフェナクの分配
洗浄したベニバナ油体は実施例1に記載されるように調製した。油体を、0.1% Neolone 950および0.1 % glycacil Lを用いて保存した。ジクロフェナク(供給業者-Sigma)を、清浄かつ乾燥した16×100mm スクリューキャップPyrex試験管で秤量し(1mg-300mg)、10mlのエタノールおよび3倍量のリン酸緩衝液(0.1% Neolone 950を有する、50mM リン酸一塩基ナトリウム、pH 8.0)をエタノール/ジクロフェナク混合液に加えて混合した。1gの油体を、室温で緩衝化エタノール混液に加え、試料を、気密性のチューブ中で一晩、34℃〜37℃でインキュベートして、油体へのジクロフェナクの取り込みを可能にする。油体を、3220×gで10分間、エタノールを含む緩衝液、およびおそらく取り込まれていないジクロフェナクからそれらを分離するために遠心分離する。緩衝液部分を除去し、0.1% Neolone 950を含む50mM リン酸、pH 8.0で油体を2回洗浄する。クロロホルム::メタノール(2:1)抽出を使用して、油体から抽出されたオイル中に含まれるジクロフェナクの量を決定した。次いで、3mlのクロロホルム::メタノールをチューブに加え、このチューブを激しく振盪させて混合する。試料を、油体-水相から溶媒を分離するために、1分間、3220×gで、スイングバケット臨床遠心分離機で遠心分離する。溶媒層を別のチューブに移し、抽出を、残りのジクロフェナク/油体混合物に対してさらに2回反復する。第2の抽出物および第3の抽出物を、第1の抽出物を含むチューブに加えた。抽出物を含むチューブは加熱ブロックに移す。溶媒は、少なくとも1.5時間、ブロックを40℃〜45℃に加熱しながら、チューブを高純度N2ガスの穏やかな流れに供することによって蒸発させた。このチューブを1時間後に秤量し、次いでその後15分毎に秤量する。2つの連続する重量が同じ(±0.0001g)である場合、すべての揮発性成分が蒸発したこと、および抽出した脂質のみが残っていることを仮定する。全体のオイルフラクションに存在するジクロフェナクの量を、320mの波長で分光光度計を使用して吸収を測定することによって計算し、次いで、既知量のジクロフェナクを用いて調製した標準曲線と比較した。全体のオイルフラクションから回収したジクロフェナクと、油体中に加えられたものの量を比較することによって、平均43.9%の加えたジクロフェナクがインタクトな油体に取り込まれたことを決定した。乾燥重量のパーセンテージとして、油体に取り込まれたジクロフェナクのレベルは、1.36%であった。
【0062】
実施例6
洗浄したベニバナ油体へのテトラカインの分配
洗浄したベニバナ油体は実施例1に記載されるように調製した。油体を、0.1% Neolone 950および0.1 % glycacil Lを用いて保存した。テトラカイン遊離塩基(供給業者-Sigma)を、清浄かつ乾燥した16×100mm スクリューキャップPyrex試験管で秤量し(1mg-200mg)、1mlのイソプロパノール、次いで1gのベニバナ油と混合した。次に、3g〜5gの洗浄した高い乾燥重量の油体を、テトラカイン/オイル混合物に室温で加え、試料を十分に混合し、そして気密性のチューブ中で一晩、34℃〜37℃でインキュベートして、油体へのテトラカインの取り込みを可能にする。ヘキサン抽出を使用して、遊離のオイルでなお溶解しているテトラカインの量を決定するために、遊離のオイルの量を決定した(遊離のオイルは、油体中に含まれていないオイルとして定義される。インタクトな油体は大部分がヘキサン単独による抽出に対して抵抗性であるが、添加された油体のすべてのヘキサン抽出が、ヘキサンによってインタクトな油体に対してなされる損傷について、添加されていない油体から得られる遊離のオイルの値を使用する補正を通して、補正しなくてはならないことに注意されたい)。3mlのヘキサンをチューブに加えた後で、このチューブを32回振盪させて混合する。試料を、油体-水相からヘキサンを分離するために、1分間、3220×gで、スイングバケット臨床遠心分離機で遠心分離する。遊離のオイルはヘキサン層(上層)に残ることに注意されたい。ヘキサン層を別のチューブに移し、ヘキサン抽出を、残りのテトラカイン/油体混合物に対して反復する。一旦、第2の抽出からの溶媒の大部分が第1の抽出物を含むチューブに加えられると、ヘキサン含有チューブを加熱ブロックに移す。ヘキサンは、少なくとも1.5時間、ブロックを40℃〜45℃に加熱しながら、チューブを高純度N2ガスの穏やかな流れに供することによって蒸発させた。一旦、遊離のオイルをテトラカイン/油体フラクションから除去したら、全体の残存するオイルの分析を実行した。インタクトな油体中の残存する全体のオイルを、4mlの3:2ヘキサン:イソプロパノール溶液(HIP)を加えること、およびすべてのオイルがHIP溶媒に溶解するまで(約10秒〜20秒間)混合するために激しく振盪することによって測定した。これに続いて、チューブへの2.5 mlの6.67% Na2SO4 (w/v) の添加を行い、チューブをさらに10秒間振盪させた。相分離は、スイングバケット臨床遠心分離機中で、2分間、3220×gの遠心分離によって容易に行われる。有機相または上相を、水相の移動を回避しながら、パスツールピペットを使用して第2の試験チューブに移す。3mlの7:2 HIP溶液を、水相を含むもともとのチューブに加え、このチューブを10秒間振盪させる。このチューブを2分間3220×gで遠心分離し、上相を、第1のHIP抽出において回収した有機相と合わせる。7:2 HIP抽出工程を反復した。乾燥ブロックヒーター中で少なくとも1.5時間加熱しながら(40℃〜45℃)、チューブを圧縮N2ガスの穏やかな流れに供することによって、溶媒を蒸発させた。このチューブを1時間後に秤量し、次いでその後15分毎に秤量する。2つの連続する重量が同じ(±0.0001g)である場合、すべての揮発性成分が蒸発したこと、および抽出した脂質のみが残っていると仮定する。全体のオイルフラクションに存在するテトラカインの量を、338nmの波長で分光光度計を使用して吸収を測定することによって計算し、次いで、既知量のテトラカインを用いて調製した標準曲線と比較した。全体のオイルフラクションから回収したジスラノールと、油体中に加えられたものの量を比較することによって、平均90.8%の加えたテトラカインがインタクトな油体に取り込まれたことを決定した。油体に取り込まれたテトラカインのレベルは、乾燥重量のパーセンテージとして、2.43%であった。より大きな体積の油体を添加する場合、油体とオイルを混合し、従って、効率的な添加を促進する際に、Cito-unguator lab ミキサー (Gako Konietzko) が特に効率的であることを見い出した。
【0063】
実施例7
洗浄したベニバナ油体へのホスファチジルコリンの分配
洗浄したベニバナ油体は実施例1に記載されるように調製した。油体を、0.1% Neolone 950および0.1 % glycacil Lを用いて保存した。ホスファチジルコリン(PC、供給業者-Sigma)を、清浄かつ乾燥した16×100mm スクリューキャップPyrex試験管で秤量した(1mg-300mg)。蛍光トレーサー(ホスファチジン酸、供給業者−Molecular Probes)をPCに加えた。使用した量は、1mg/mlトレーサー溶液のPCの重量0.05%〜0.25%であった(製造業者の指示書に従って再懸濁した)。200μlのイソプロパノールを、10mgのPC毎に加えて、PC/トレーサー混合物を溶解した。緩衝液(50mM NaH2PO4, pH 8.0)を、油体がそこで作られるのと同じ緩衝液(50mM NaH2PO4, pH 8.0)を使用してイソプロパノール混合物に加えた。体積は、添加される油体の体積と等価であった。PC/トレーサー/イソプロパノール/緩衝液の混合物は、15秒〜30秒間、超音波処理した。15分間の試料の穏やかな加熱(42℃)を伴う窒素の定常流を使用して、溶媒を蒸発させた。油体を、気密性のチューブ中で、数時間から数日間、37℃でインキュベートした。取り込まれていないPCを除去するために、油体を緩衝液で2回洗浄した。洗浄フラクションと油体フラクションの両方を、全体のオイル抽出手順を使用して、ヘキサンを用いる抽出後に蛍光の量について評価した。全体のオイル抽出を、4mlの3:2ヘキサン:イソプロパノール溶液(HIP)を測定した試料の量まで加えること、およびすべてのオイルがHIP溶媒に溶解するまで(約10秒〜20秒間)混合するために激しく振盪することによって行った。チューブへの2.5 mlの6.67% Na2SO4 (w/v) の添加を行い、チューブをさらに10秒間振盪させた。相分離は、スイングバケット臨床遠心分離機中で、2分間、3220×gの遠心分離によって容易に行われる。有機相または上相を、水相の移動を回避しながら、パスツールピペットを使用して第2の試験チューブに移す。3mlの7:2 HIP溶液を、水相を含むもともとのチューブに加え、このチューブを10秒間振盪させた。このチューブを2分間3220×gで遠心分離し、上相を、第1のHIP抽出において回収した有機相と合わせる。7:2 HIP抽出工程を反復した。乾燥ブロックヒーター中で加熱しながら(40℃〜45℃)、合わせた有機相を含むチューブを圧縮N2ガスの穏やかな流れに供することによって、溶媒を脂質抽出物から蒸発させた。このチューブを1時間後に秤量し、次いでその後15分毎に秤量する。2つの連続する重量が同じ(±0.0001g)である場合、すべての揮発性成分が蒸発したこと、および抽出した脂質のみが残っていることを仮定する。既知量のイソプロパノールを抽出フラクションに加え、試料を、蛍光分光光度計を使用して定量した。油体から回収した蛍光の量と、トレーサーとして油体に加えられたものを比較することによって、油体の乾燥重量の平均0.12%に等価なPCの量が油体の膜に添加され得ることを決定した。ステアリルアミンは、ステアリン酸(牛脂由来)およびアンモニアから誘導化される。これは、PCリポソームの電荷を修飾するために使用されてきた正電荷誘導剤である(Moncelliら (1994) Biophys. J. 66: 1969-1980)。ステアリルアミン(Sigma)がPC/トレーサー混合物中に、添加のために使用されるPCの量の約30%で含まれるならば、PCの量は、油体の膜に添加され得る油体の乾燥重量の平均1.25%に等価であった。
【0064】
本発明は、好ましい実施例であると現在見なされているものに対する参照とともに記載されてきたが、本発明は、開示された実施例に制限されるものではないことが理解される。反対に、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる種々の修飾および等価な機構を網羅することが意図される。
【0065】
すべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも各々個別の刊行物、特許、または特許出願が、特異的かつ独立して、その全体が参照により組み入れられることが示されるのと同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、油体に活性剤を分配させる方法:
a)第1の溶媒中に活性剤を溶解する工程;
b)該溶解した活性剤を第2の溶媒と混合して、活性剤を含む第1の溶媒および第2の溶媒の混合物を得る工程;および
c)該第1の溶媒および第2の溶媒の混合物を油体と接触させて、該油体に該活性剤を分配する工程。
【請求項2】
溶媒の非存在下で油体と接触したとき、または活性剤が第1の溶媒単独中に溶解しているときに、活性剤が油体に分配されない、請求項1記載の方法。
【請求項3】
活性剤が水中で不溶性である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
活性剤が第2の溶媒中で不溶性である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
油体中に分配される活性剤の量が約0.0001%〜50%(w/v)の範囲である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
油体中に分配される活性剤の量が約0.1%〜20%(w/v)の範囲である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
油体中に分配される活性剤の量が約0.1%〜10%(w/v)の範囲である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
インタクトな油体中への活性の分配の効率が約10%〜99%の範囲である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
インタクトな油体中への活性の分配の効率が約50%〜99%の範囲である、請求項1記載の方法。
【請求項10】
インタクトな油体中への活性の分配の効率が約90%〜99%の範囲である、請求項1記載の方法。
【請求項11】
活性剤が疎水性分子および両親媒性分子からなる活性剤の群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
疎水性分子が、プロピオン酸クロベタゾール、ジクロフェナク、ジスラノール、レチノイン酸、リドカイン、クリンダマイシン、過酸化ベンゾイル、およびシクロスポリンAからなる群より選択される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
疎水性分子が約0〜8の範囲のlog P値を有する、請求項11記載の方法。
【請求項14】
疎水性分子が約2〜7の範囲のlog P値を有する、請求項11記載の方法。
【請求項15】
疎水性分子が約3〜7の範囲のlog P値を有する、請求項11記載の方法。
【請求項16】
両親媒性分子がアムホテリシンB、ホスファチジルコリン、テトラカイン、およびアクチノマイシンDからなる群より選択される、請求項11記載の方法。
【請求項17】
両親媒性分子が、約1〜14の範囲のHLB値を有する、請求項11記載の方法。
【請求項18】
両親媒性分子が、約4〜10の範囲のHLB値を有する、請求項11記載の方法。
【請求項19】
両親媒性分子が、約6〜8の範囲のHLB値を有する、請求項11記載の方法。
【請求項20】
第1の溶媒が、油体と適合性でないか、または最終生成物中で望ましくない、請求項1記載の方法。
【請求項21】
第1の溶媒が有機溶媒である、請求項1記載の方法。
【請求項22】
第1の溶媒が、アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、グリコール、グリコールエーテル、およびそれらの酢酸塩、エステル、エーテル、ケトン、オイル、脂質、および脂肪酸からなる溶媒の群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項23】
第1の溶媒がアルコールまたは塩素化炭化水素である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
第1の溶媒がイソプロパノール、エタノール、およびクロロホルムからなる群より選択される、請求項22記載の方法。
【請求項25】
第2の溶媒が水、水性緩衝液、オイル、脂肪酸、および脂質からなる溶媒の群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項26】
水性緩衝液が、50mM リン酸一塩基ナトリウム、pH 8.0および25mM 炭酸水素ナトリウム、pH 8.3からなる群より選択される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
オイルがベニバナ油である、請求項25記載の方法。
【請求項28】
第1の溶媒が、第2の溶媒と混合された後で実質的に除去される、請求項1記載の方法。
【請求項29】
第1の溶媒が、蒸発によって実質的に除去されるか、または希釈によって体積が実質的に減少される、請求項26記載の方法。
【請求項30】
蒸発の方法が、試料を窒素の流れに曝露することである、請求項27記載の方法。
【請求項31】
油体が、油体または油体様オルガネラを含む細胞から得られる、請求項1記載の方法。
【請求項32】
細胞が、動物細胞、植物細胞、真菌細胞、酵母細胞、細菌細胞、および藻類細胞を含む、請求項29記載の方法。
【請求項33】
植物細胞が、花粉、胞子、種子、および植物の栄養器官からの細胞を含む、請求項30記載の方法。
【請求項34】
植物の種子が、ナタネ(ブラシカ(Brassica spp.))、ダイズ(グリシン マックス(Glycine max))、ヒマワリ(ヘリアンサス アニュス(Helianthus annuus))、油ヤシ(エラエイス ギネイス(Elaeis guineeis))、綿実(ゴシピウム(Gossypium spp.))、ラッカセイ(アラキス ヒポガエア(Arachis hypogaea))、ココナツ(コカス ヌシフェラ(Cocus nucifera))、ヒマ(リシヌス コミュニス(Ricinus communis))、オリーブ(オレア(Olea spp.))、ベニバナ(カーサムス ティントリウス(Carthamus tinctorius))、カラシ(ブラシカ(Brassica spp.)およびシナピス アルバ(Sinapis alba))、コリアンダー(コリアンドラム サティブム(Coriandrum sativum))、カボチャ(キューカビタ マキシマ(Cucurbita maxima))、アマニ/アマ(リヌム ユーシタティシマム(Linum usitatissimum))、ブラジルナッツ(ベルソレティア エクセルサ(Bertholletia excelsa))、ホホバ(シモンドシア キネンシス(Simmondsia chinensis))、トウモロコシ(ゼア メイズ(Zea mays))、ハマナ(クランベ アビシニカ(Crambe abyssinica))、およびルーコラ(エルカ サティバ(Eruca sativa))からなる植物種の群より得られる、請求項31記載の方法。

【公表番号】特表2007−507432(P2007−507432A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529519(P2006−529519)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/CA2004/001792
【国際公開番号】WO2005/030169
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYREX
【出願人】(506111941)セムバイオシス ジェネティクス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】