説明

流体の混合方法、微粒子の製造方法及び微粒子

【課題】流体の混合特性を制御できる流体の混合方法、所望の微粒子を得ることができる微粒子の製造方法及びこれにより製造される微粒子を提供する。
【解決手段】
少なくとも2種類の流体をマイクロリアクター内で混合する方法において、第1の流体Aを、分割供給流路12Aを介して混合領域18に供給し、第2の流体Bを供給流路14を介して混合領域18に供給し、流体A、Bの動圧の合計値を制御して、混合領域18内で流体A,Bを混合させて、混合された流体A、Bをマイクロ流路16へ流入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体の混合方法、微粒子の製造方法及び微粒子において、特に、マイクロリアクターを用いて、複数の種類の流体を混合する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数種の流体を、マイクロリアクターを用いて混合、反応させて微粒子を形成する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、混合を促進する方法として、各流体を微小セグメント化して界面接触させることで分子拡散速度を上げる方法が記載されている。
【0003】
特許文献1の方法を微粒子の形成に適用した場合、粒子サイズを制御できる一方で、速い反応に用いた場合、析出による詰まりが発生する問題があった。
【0004】
また、外部及び内部のエネルギーによって強制的に接触面積を増大させる方法が、例えば、特許文献2に記載されている。特許文献2には、マイクロデバイスに供給される複数の流体をサブチャンネルの中心軸の一点で交差させるように合流させることで、均一な瞬時混合を行うことのできる流体の混合方法が記載されている。
【0005】
特許文献2に記載された方法では、混合すべき流体の流速を上げることで内部のエネルギーを増大させることが望ましいことが知られている。しかしながら、どういう条件で混合すれば目的とする微粒子ができるかについて具体的な開示はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第00/62913号
【特許文献2】特開2005−288254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、析出による詰まりが発生せず流体の混合特性を制御できる流体の混合方法、所望の微粒子を得ることができる微粒子の製造方法及びこれにより製造される微粒子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の流体の混合方法は、少なくとも2種類の流体をマイクロリアクター内で混合する方法において、第1の流体を第1の流路を介して混合領域に供給するステップと、第2の流体を第2の流路を介して前記混合領域に供給するステップと、前記各流体の動圧合計値を制御して、前記混合領域内で前記各流体を混合するステップと、前記混合領域内で混合された前記各流体を第3の流路へ流入するステップを含むことを特徴とする。
【0009】
発明者らは、複数種の流体を衝突させて混合することによって、微粒子を形成する流体の混合方法について注意深く観察した。その結果、各流路の流速から求められる動圧の合計値を制御することによって、流体の混合特性を制御することができることを見出し、本発明に至った。
【0010】
ここで動圧とは単位体積当たりの流体の運動エネルギーといい、1/2ρVで求められる値を意味する(但し、ρ:流体の密度[kg/m]、V:合流点に向かう流体の速度[m/s])。また、流体の混合とは反応を伴う混合を含む。
【0011】
本発明の流体の混合方法は、前記発明において、前記各流体の動圧合計値を100kPa以上、10MPa以下であることが好ましい。さらに、本発明の流体の混合方法は、前記発明において、前記各流体の動圧合計値を200kPa以上、3MPa以下であることが、より好ましい。本発明によれば、各流体の動圧の合計値を100kPa以上10MPa以下、より好ましくは200kPa以上、3MPa以下とすることで、より迅速な混合を得ることができる。この混合方法を利用することで微細で、単分散な微粒子を得ることが可能となる。
【0012】
本発明の流体の混合方法は、前記発明において、混合領域の体積は0.001mm〜1mmであることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.5mmである。混合領域の体積が0.001mmより小さくなると微粒子を製造するのに現実的な流量を流そうとしても圧力損失が大きくなり過ぎるからであり、混合領域の体積が1mmより大きくなると混合領域内での混合状態に分布が生じて、生成する微粒子の分布が多分散になる虞があるからである。
【0013】
本発明の流体の混合方法は、前記発明において、前記混合領域に供給される1秒当たりの総流量は、前記混合領域の体積の1×103〜1×10倍であることが好ましく、より好ましくは5×10〜5×10倍である。総流量の体積が混合領域の体積の1×103倍より小さくなると動圧が100kPaに達せず、1×10倍より大きくなると圧力損失が大きくなる虞があるからである。
【0014】
本発明の流体の混合方法は、前記発明において、前記第1の流路及び前記第2の流路の少なくとも一方の流路が、前記混合領域に向かう途中で分岐された複数のサブ流路を備え、前記複数のサブ流路のうちの少なくとも1つのサブ流路を流れる一方の流体の中心軸と、他方の流路を流れる他方の流体の中心軸とが前記混合領域内において一点で交差させることが好ましい。
【0015】
本発明によれば、2種類以上の流体が合流する前に、少なくとも1つの流体を複数の流体に分割した上で、分割された少なくとも一つの流体の中心軸と他方の流体の中心軸が混合領域の一点で所定の交差角度をもって交差するように合流させる。これら分割された流れが合流・衝突することで、流れが有する運動エネルギーによって瞬間的により小さい流体塊に分割されることによって、流体同士の接触面積の増大と拡散混合距離の縮小が図られ、瞬時混合を達成することができる。
【0016】
ここで、流体の中心軸とは、例えば流路を流れる流体が円柱状の形を成している場合には、円柱の軸方向の中心線をいう。また、流路を流れる流体が円柱以外の場合には、流路の長さ方向に垂直な断面の重心(幾何学的な重心)を通過して流路の長さ方向に沿った軸が中心軸に相当する。
【0017】
本発明の流体の混合方法は、前記発明において、前記第3の流路の径が、前記合流流路の相当直径以下であることが好ましい。
【0018】
本発明によれば、第3の流路の径を合流流路の相当直径以下としているので、1点で合流衝突する前に出口へ流れ出ることによる2つの流体の未衝突を防ぎ、単位体積あたりの運動エネルギーである動圧をより効果的に流体に与えることができる。
【0019】
前記目的を達成するために、本発明の微粒子の製造方法は、上述の流体の混合方法の何れかによって、有機化合物をそれ対する溶解度が相対的に高い良溶媒に溶解させた溶液を第1の流体として、有機化合物に対する溶解度が相対的に低い貧溶媒を含む溶液を第2の流体として混合することを特徴する。
【0020】
本発明によれば粒子径が小さく、しかも単分散性に優れた微粒子を製造することができる。
【0021】
また、前記発明において、前記第1の流体の動圧と前記第2の流体の動圧の比が、1:0.1〜1:100であることが好ましい。その動圧比が、1:0.1〜1:100となるように混合することで、析出した有機化合物が高濃度過ぎることによって凝集が発生することなく、また生産性の観点から希薄過ぎない範囲で調製することができる。生産性と流れの安定化の観点では、動圧比1:1が最も良い。
【0022】
本発明の微粒子の製造方法は、前記発明において、前記有機化合物が、水性媒体に不溶性、もしくは難溶性の素材であることが好ましい。
【0023】
ここで、水性媒体に不溶とは、水性媒体100mLに対する溶解度が、25℃において、0.001g以下であることをいい、水性媒体に難溶とは、水性媒体100mLに対する溶解度が、25℃において、0.001〜1gの範囲にあることをいう。
【0024】
前記目的を達成するために、本発明の微粒子は、上述の微粒子の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
【0025】
本発明において、「マイクロリアクター」とは、微小流路で流体を流通し、合流させ、それに起因する混合、反応、熱交換などの操作を行うための装置の総称である。その微小流路またはそこを流通する流れの直径または相当直径は1mm以下であり、特に直径または相当直径は500μm以下である。相当直径とは、流体力学において用いられる意味で使用している。
【発明の効果】
【0026】
本発明の流体の混合方法によれば、各流体の動圧の合計値を制御することで流体の混合特性を制御することができる。また、動圧の合計値を所定の値以上とすることによって流体の混合特性を向上することができる。また、本発明の微粒子の製造方法によれば目詰まりすることなく微細で、単分散の微粒子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に適用される平面型のマイクロリアクターの概念図。
【図2】本発明に適用される平面型のマイクロリアクターの変形例を示す概念図。
【図3】本発明に適用される平面型のマイクロリアクターの別の変形例を示す概念図。
【図4】本発明に適用される立体型のマイクロリアクターの概念図。
【図5】立体型のマイクロリアクターの平面及び断面から見た図
【図6】本発明に適用される平面型のT字型マイクロリアクターの概念図。
【図7】本発明に適用される平面型のY字型マイクロリアクターの概念図。
【図8】別のT字型マイクロリアクターの混合領域を示す概念図。
【図9】合計動圧と粒径d50との関係を示すグラフ。
【図10】合計動圧と分布Mv/Mnとの関係を示すグラフ。
【図11】流体混合システムの構成図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を含む範囲を意味する。
【0029】
本発明の流体の混合方法は、少なくとも2種類の流体をマイクロリアクター内で混合する方法において、第1の流体を第1の流路を介して混合領域に供給するステップと、第2の流体を第2の流路を介して前記混合領域に供給するステップと、前記各流体の動圧合計値を制御して、前記混合領域内で前記各流体を合流させるステップと、前記混合領域内で混合された前記各流体を第3の流路へ流入するステップを含むことを特徴とする。
【0030】
複数種の流体を衝突させて混合することによって、微粒子を形成する流体の混合方法について、各流路の流速から求められる動圧の合計値を制御することによって、流体の混合特性を制御することができる。この流体の混合方法を利用することによって、所望の粒子径の粒子を得ることができる。
【0031】
図1は、少なくとも2種類の流体を混合するために適用されるマイクロリアクターの一例である。図1に示すように、マイクロリアクター10は、第1の流体Aを供給する1本の供給流路12の途中から分岐して第1の流体Aを2つに分割できるようにした2本の分割供給流路12A,12Bと、第2の流体Bを供給する分割していない1本の供給流路14と、第1の流体Aと第2の流体Bとの反応・流通を行うマイクロ流路16とが、1つの混合領域18で連通するように形成される。また、これら分割供給流路12A,12B、供給流路14、及びマイクロ流路16は、実質的に同一の平面内で混合領域18の周りに90°の等間隔で配置される。即ち、各流路12A,12B,14、16の中心軸(一点鎖線)は混合領域18において十文字状(交差角度α=90°)に交差する。尚、図1では第1の流体Aの供給流路12のみを分割したが、第2の流体Bの供給流路14も複数に分割してもよい。また、混合領域18の周りに配置する各流路12A,12B,14、16の交差角度αは、90°に限らず適宜設定できる。また、供給流路12、14の分割数は、特に限定されるものではないが、数が多すぎるとマイクロリアクター10の構造が複雑になるので、2〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
【0032】
次に、図1のマイクロリアクター10に基づいて動圧の合計値の求め方を説明する。動圧の合計値を求めるために、各流路12A,12B,14を流れる流体の動圧を求める。ここで流体Aの密度ρa[kg/m]とし、流体Aの混合領域18に向かう速度をVa[m/s]とすると、流体Aの動圧Pdaは、以下の式で求められる。
【0033】
(1)Pda=1/2×ρa×Va×2(流路の本数)
ここで流体Bの密度ρb[kg/m]とし、流体Bの混合領域18に向かう速度をVb[m/s]とすると、流体Aの動圧Pdbは、以下の式で求められる。
【0034】
(2)Pdb=1/2×ρb×Vb×1(流路の本数)
したがって、各流体の動圧の合計値Ptoは、Pto=Pda+Pdbとなる。なお、各流体の速度は、各流体を流れる単位時間当たりの流量[m/s]を各流路の断面積[m]で除することで求めることができる。
【0035】
上述の例では、流体Aが2本の流路を有し、流体Bが1本の流路を有する場合を説明したが、流体が3種以上を含む場合、また各流路が2以上に分岐される場合でも同様に求めることができる。
【0036】
図2は、図1の平面型のマイクロリアクター10の変形例である。供給流路14の中心軸に対して分割供給流路12A,12Bの中心軸の成す交差角度βは図1の90°よりも小さく45°に形成される。また、分割供給流路12A,12Bの中心軸に対してマイクロ流路16の中心軸の成す交差角度αが135°になるように形成される。
【0037】
図3は、図1の平面型のマイクロリアクター10の更に別の変形例である。第2の流体Bが流れる供給流路14の中心軸に対して第1の流体Aが流れる分割供給流路12A,12Bの中心軸の成す交差角度βは図1の90°よりも大きく135°に形成される。また、分割供給流路12A,12Bの中心軸に対してマイクロ流路16の中心軸の成す交差角度αが45°になるように構成される。供給流路14、分割供給流路12A,12B、及びマイクロ流路16の互いの交差角度α、β、流路12A,12B,14,16の断面積は適宜設定できるが、合流された第2の流体Bと第1の流体Aの全ての溶液の厚み方向の断面積の総和をS1とし、マイクロ流路16の径方向の断面積をS2としたときに、S1>S2を満足するように交差角度α、β、流路12A,12B,14,16の断面積を設定することが好ましい。これにより、流体A,B同士の接触面積の一層の増大と拡散混合距離の一層の縮小を図ることができるので、より瞬時混合が生じ易くなるからである。
【0038】
図4は、少なくとも2種類の流体を混合するために適用される立体型のマイクロリアクター30の一例であり、マイクロリアクター30を構成する3つのパーツを分解した状態を斜視図で示した分解斜視図である。尚、図1〜図3と同じ機能を有する部分には同符号を付して説明する。
【0039】
立体型のマイクロリアクター30は、主として、それぞれが円柱状の形状をした供給ブロック32、合流ブロック34、及び反応ブロック36により構成される。そして、マイクロリアクター30を組み立てるには、円柱状をしたこれらのブロック32、34、36を、この順番で互いの側面同士を合わせて円柱状になるようにし、この状態で各ブロック32、34、36をボルト・ナット等により一体的に締結する。
【0040】
供給ブロック32の合流ブロック34に対向する側面33には、2本の環状溝38、40が同芯状に穿設される。マイクロリアクター30の組み立て状態において、2本の環状溝38、40は第2の流体Bと第1の流体Aとがそれぞれ流れるリング状流路を形成する。そして、供給ブロック32の合流ブロック34に対向しない反対側の側面35から外側環状溝38と内側環状溝40に達する貫通孔42、44がそれぞれ形成される。かかる2本の貫通孔42、44のうち、外側の環状溝38に連通する貫通孔42には、第1の流体Aを供給する供給手段(ポンプ及び連結チューブ等)が連結される。また、内側環状溝40に連通する貫通孔44には、第2の流体Bを供給する供給手段(ポンプ及び連結チューブ等)が連結される。図4では、外側環状溝38に第1の流体Aを流し、内側環状溝40に第2の流体Bを流すようにしたが、逆にしてもよい。
【0041】
合流ブロック34の反応ブロック36に対向する側面41の中心には円形状の混合領域46が形成される。この混合領域46から放射状に4本の長尺放射状溝48、48…と4本の短尺放射状溝50、50…が交互に穿設される。これら混合領域46や放射状溝48,50はマイクロリアクター30を組み立てた状態において、混合領域18となる円形状空間と流体A,Bが流れる放射状流路とを形成する。また、8本の放射状溝48,50のうち、長尺放射状溝48の先端から合流ブロック34の厚み方向にそれぞれ貫通孔52、52…が形成される。これらの貫通孔52は供給ブロック32に形成されている前述の外側環状溝38に連通される。同様に、短尺放射状溝50の先端から合流ブロック34の厚み方向にそれぞれ貫通孔54、54…が形成される。これらの貫通孔54は供給ブロック32に形成されている内側環状溝40に連通される。
【0042】
また、反応ブロック36の中心には、反応ブロック36の厚み方向に混合領域46に連通する1本の貫通孔58が形成され、この貫通孔58がマイクロ流路16となる。
【0043】
これにより、流体Aは供給ブロック32の貫通孔42→外側環状溝38→合流ブロック34の貫通孔52→長尺放射状溝48から構成される供給流路12を流れて4つの分割流に分割されて混合領域18(混合領域46)に至る。一方、流体Bは供給ブロック32の貫通孔44→内側環状溝40→合流ブロック34の貫通孔54→短尺放射状溝50から構成される供給流路14を流れて4つの分割流に分割されて混合領域18(混合領域46)に至る。混合領域18において流体Aの分割流と流体Bの分割流とがそれぞれの運動エネルギーを有して合流、衝突、混合した後、90°流れ方向を変えてマイクロ流路16に流入する。マイクロ流路16内で、流体A、Bは反応・流通する。図5(A)は合流ブロック34の平面図、図5(B)は図5(A)のa−a線に沿った断面図である。図5において、Wは分割された供給流路12、14の幅、Hは分割された供給流路12、14の深さ、Dは混合領域18の合流部相当直径、Rはマイクロ流路16の直径であり、通常、混合領域18の合流部相当直径はマイクロ流路16の直径より大きく設計するが同じ直径でも良い。ここで、合流部相当直径とは、図5(C)に示すように、各流路(例えば、長尺放射状溝50、短尺放射状溝48)を隔てる壁を結んだ円の直径を意味する。
【0044】
各流路を隔てる壁のマイクロリアクター中心側の頂点を結んで形成される図形が円でない場合は、前記頂点から最小二乗法で求めた円の直径を混合領域の相当直径とする。
【0045】
上記の如く構成された図1〜図4のマイクロリアクター10、30は、半導体加工技術、特にエッチング(例えばフォトリソエッチング)加工、超微細放電加工、光造形法、鏡面加工仕上げ技術、拡散接合技術等の精密機械加工技術を利用して製造することができる。また、汎用的な旋盤、ボール盤を用いる機械加工技術も利用できる。
【0046】
マイクロリアクター10、30の材料としては、特に限定されるものではなく、上述の加工技術を適用できるものであればよい。具体的には、金属材料(鉄、アルミニウム、ステンレススチール、チタン、各種の金属等)、樹脂材料(フッ素樹脂、アクリル樹脂等)、ガラス(シリコン、石英等)を用いることができる。
【0047】
次に、上記の如く構成されたマイクロリアクター10、30を用いた本発明の流体の混合方法について説明する。上記の如く構成された図1〜図4のマイクロリアクター10、30によって、流体AとBを混合する場合には、いずれのマイクロリアクター10、30の場合にも、分割工程と合流工程とを経て2種類の流体が混合される。分割工程(供給ブロック)では、2種類の流体A,Bのうちの少なくとも一方の流体が複数の流体に分割される。合流工程(合流ブロック)では、分割された複数の分割溶液のうちの少なくとも1つの分割溶液の中心軸と2種類の流体A、Bのうちの他方の溶液の中心軸とが混合領域18において一点で交差するように、2種類の流体A、Bを合流させる。混合領域18において、各流体の動圧の合計値を制御することによって、混合特性を制御することができる。特に、動圧の合計値を100kPa以上、好ましくは200kPa以上とすることで混合特性が向上する。動圧の合計値が低いほうが、マイクロリアクター10、30へ供給されるエネルギーが少なくなる。したがって、流体の混合特性と消費されるエネルギーを、各流体の動圧の合計値を制御することでコントロールすることができる。
【0048】
立体型のマイクロリアクターの混合領域の体積は、合流部相当直径Dから求められる円の面積と、供給流路の深さHとを掛け合わせることで算出される。なお、混合領域の体積は0.001mm〜1mmであることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.5mmである。混合領域の体積が0.001mmより小さくなると微粒子を製造するのに現実的な流量を流そうとしても圧力損失が大きくなり過ぎるからであり、混合領域の体積が1mmより大きくなると混合領域内での混合状態に分布が生じて、生成する微粒子の分布が多分散になる虞があるからである。
【0049】
図6及び図7は、T字型のマイクロリアクター60及びY字型のマイクロリアクター70の一態様の構造を示した概念図である。図6(A)のT字型のマイクロリアクター60は、第1の流体Aを供給する供給流路62と、第2の流体Bを供給する供給流路66と、第1の流体Aと第2の流体Bとの反応を行うマイクロ流路68とが、1つの混合領域64で連通するように構成される。
【0050】
図7(A)のY字型のマイクロリアクター70は、第1の流体Aを供給する供給流路72と、第2の流体Bを供給する供給流路76と、第1の流体Aと第2の流体Bとの反応を行うマイクロ流路78とが、1つの混合領域74で連通するように構成される。
【0051】
T字型のマイクロリアクター60の混合領域64内で、密度ρa[kg/m]で速度Va[m/s]の第1の流体Aと、密度ρb[kg/m]で速度Vb[m/s]の第2の流体Bとが衝突し混合される。同様に、Y字型のマイクロリアクター70の混合領域74内で、密度ρa[kg/m]で速度Va[m/s]の第1の流体Aと、密度ρb[kg/m]で速度Vb[m/s]の第2の流体Bとが衝突し混合される。衝突によるエネルギーで混合反応された流体A、Bはマイクロ流路68、78に流入する。マイクロ流路68、78内で、流体A、Bは混合され反応・流通する。
【0052】
T字型のマイクロリアクター60及びY字型のマイクロリアクター70を適用して2種類の流体を混合する場合のおいても、各流体の動圧の合計値を制御することで、流体の混合特性を制御することができる。T字型のマイクロリアクター60及びY字型のマイクロリアクター70では、動圧の合計値は以下のようにして求められる。
(1)Pda=1/2×ρa×Va×1(流路の本数)
(2)Pdb=1/2×ρb×Vb×1(流路の本数)
したがって、各流体の動圧の合計値Ptoは、Pto=Pda+Pdbとなる。なお、各流体の混合領域に向かう速度は、各流体を流れる単位時間当たりの流量[m/s]を各流路の断面積[m]で除することで求めることができる。
【0053】
T字型のマイクロリアクター60及びY字型のマイクロリアクター70に関して、合流流路相当直径は、2本の供給流路の内、大きな流路の直径を意味する。
【0054】
また、T字型のマイクロリアクター60及びY字型のマイクロリアクター70に関して、混合領域の体積は、以下のようにして求めることができる。
【0055】
図6(B)は、T字型マイクロリアクター60の混合領域を示す概念図である。このマイクロリアクター60では、供給流路62、供給流路66及びマイクロ流路68は同じ径を有している。この場合、供給流路62と供給流路66との交わる点又は線(流路が円筒形の場合は点、流路が矩形の場合は線)から、供給流路62と供給流路66の延長線がマイクロ流路68と交わる点又は線を結んだ斜線で示す領域が混合領域64となる。
【0056】
図7(B)は、Y字型マイクロリアクター70の混合領域を示す概念図である。このマイクロリアクター70では、供給流路72、供給流路76及びマイクロ流路78は同じ径を有している。この場合、供給流路72と供給流路76との交わる点又は線(流路が円筒形の場合は点、流路が矩形の場合は線)から、供給流路72と供給流路76の延長線がマイクロ流路78と交わる点又は線を結んだ斜線で示す領域が混合領域74となる。
【0057】
図8は、T字型のマイクロリアクター60の一例を示している。図8のマイクロリアクター60は、供給流路62と供給流路66の径は、中央部分で大きくなっている。供給流路62と供給流路66に対して90°を成す大径の流路が、径の小さいマイクロ流路68に連通する。
【0058】
図8のT字型のマイクロリアクター60は、入口流路(供給流路62と供給流路66)と出口流路(マイクロ流路68)の径と、2つの液が合流する領域の径とが異径又は異なる形状をなしている。かかる場合、混合領域64は、斜線で示すように、異径又は異なる形状の部分となる。混合領域64の体積は斜線部で示される領域の体積となる。
【0059】
また、本発明に用いられる2種類の流体として、例えば、有機化合物をそれに対する溶解度が相対的に高い良溶媒に溶解させた溶液としてエタノール、有機化合物に対する溶解度が相対的に低い貧溶媒溶液として水が用いられる。また、製造される微粒子としては、例えば、水性媒体に不溶性または難溶性の有機化合物、特にセラミドが用いられる。
【0060】
上述のマイクロリアクターへ流体を供給する配管に流量計、ポンプ及び流量制御装置を設置することが好ましい。これにより、動圧合計を制御しながら混合することができる。
【0061】
動圧を制御しながら混合する方法について図11の流体混合システム100を参照して説明する。流体混合システム100は、第1の流体Aを貯蔵するタンク102aと第2の流体Bを貯蔵する102bと2つの流体を混合するマイクロリアクター10を有する。タンク102aとマイクロリアクター10は供給流路12によって接続される。ポンプ104aと流量計106aが供給流路12に設置される。タンク102bとマイクロリアクター10は供給流路14によって接続される。ポンプ104bと流量計106bが供給流路14に設置される。ポンプ104a,104bと流量計106a,106bとが流量制御装置108に電気的に接続される。流量計106a,106bからの情報に基づいて流量量制御装置108はポンプ104a,104bの運転を制御することができる。
【0062】
例えば、第1の流体Aの密度ρa=790(kg/m)、第2の流体Bの密度ρb=1000(kg/m)、第1の流路の断面積Sa=2×10−8(m)、流路本数na=5、第2の流路の断面積Sb=14×10−8(m)、流路本数nb=5とし、第1の流体と第2の流体を動圧比1:1、最低必要動圧を100(kPa)で合流させた場合、以下の式からマイクロリアクターに供給すべき最低の合計流量Qを求めることができる。
【0063】
(1)動圧比 1:1=ρava/2:ρbvb/2(vaは第1の流体Aの流路一本当たりの線速(m/s)、vbは第2の流体Bの流路一本当たりの線速(m/s))
(2)最低必要動圧を100kPa ρava/2×na+ρbvb/2×nb>100×10
(3)合計流量Q=Qa+Qb(Qaは第1の液体の流量、Qbは第2の流体の流量)
(4)Qa=va×Sa×na
(5)Qb=vb×Sb×nb
(1)(2)より、va=(2×100×10/(ρa(na+nb)))1/2、vb=(2×100×10/(ρb(na+nb)))1/2が導き出せる。これより、va=5.0(m/s)、vb=4.5(m/s)となる。
【0064】
(4)よりQa=5.0×2×10−8×5=5×10−7(m/s)、(5)よりQb=4.5×14×10−8×5=3.15×10−6(m/s)となり、(3)よりQ=3.65×10−6(m/s)=219(ml/min)となる。マイクロリアクターへの供給量が算出された最低流量Qを超えるよう制御される。
【0065】
次に、第1の流体Aの密度ρa=790(kg/m)、第2の流体Bの密度ρb=1000(kg/m)、第1の流路の断面積Sa=2×10−8(m)、流路本数na=5、第2の流路の断面積Sb=14×10−8(m)、流路本数nb=5とし、第1の流体Aと第2の流体Bを動圧比1:1、最低必要動圧を100(kPa)、合計流量Q=480(ml/min)=8×10−6(m/s)で合流させた場合、以下の式からマイクロリアクターに供給すべき第1の液体の流量Qa及びva、第2の液体の流量Qb及びvbを求めることができる。
(1)動圧比 1:1=ρava/2:ρbvb/2(vaは第1の流体Aの流路一本当たりの線速(m/s)、vbは第2の流体Bの流路一本当たりの線速(m/s))
(2)最低必要動圧を100kPa ρava/2×na+ρbvb/2×nb>100×10
(3)合計流量Q=Qa+Qb(Qaは第1の流体Aの流量、Qbは第2の流体Bの流量)
(4)Qa=va×Sa×na
(5)Qb=vb×Sb×nb
(1)よりvb=(ρa/ρb)1/2×vaと(3)(4)(5)から、va=Q/(Sana+(ρa/ρb)1/2Sbnb)が導き出せる。これより、va=11m/s、vb=9.8m/sとなる。
【0066】
(4)とva=11m/sよりQa=66.4ml/min、(5)とvb=9.8m/sよりQb=413.6ml/minとなる。
【0067】
[セラミド分散物]
本発明のセラミド分散物は、(1)セラミド類を含有し、油相成分として水相中に分散されると共に1nm以上100nm以下の体積平均粒径を有するセラミド含有粒子と、(2)(a)脂肪酸及び(b)脂肪酸塩の少なくとも一方の脂肪酸成分と、(3)前記セラミド類に対して5倍量以上20倍量以下の多価アルコールと、(4)多糖類脂肪酸エステルとを含み、pHが6以上8以下のセラミド分散物である。
【0068】
(1)セラミド含有粒子
本発明におけるセラミド含有粒子は、セラミド類を含有し、油相成分として水相に分散されると共に1nm以上100nm以下の体積平均粒径を有するものである。
【0069】
本発明におけるセラミド類は、セラミド及びその誘導体を包含するものであり、合成品、抽出品等の由来は問わない。本発明における「セラミド類」とは、後述する天然型セラミド及びこれを基本骨格として有する化合物並びに、これらの化合物を派生しうる前駆物質を有し、天然型セラミド、スフィンゴ糖脂質などの糖修飾セラミド、セラミド類似体、スフィンゴシン及びフィトスフィンゴシン、これらの誘導体を総称したものである。
【0070】
(天然型セラミド)
本発明において、天然型セラミドとは、ヒトの皮膚に存在するものと同じ構造を有するセラミドのことを意味する。また、天然型セラミドのより好ましい態様は、スフィンゴ糖脂質を包含せず、且つその分子構造中に水酸基を3個以上有する態様である。
【0071】
以下、本発明に用いうる天然型セラミドについて詳細に説明する。
【0072】
本発明に好適に用いうる天然型セラミドの基本構造式の例を、下記(1−1)〜(1−11)に示す。
【0073】
(1−1)はセラミド1、(1−2)はセラミド9、(1−3)はセラミド4、(1−4)はセラミド2、(1−5)はセラミド3、(1−6)はセラミド5、(1−7)はセラミド6、(1−8)はセラミド7、(1−9)はセラミド8、(1−11)はセラミド3Bとして知られた化合物である。
【0074】
【化1】

【0075】
【化2】

【0076】
【化3】

【0077】
前記構造式は、それぞれのセラミドについての一例を示しているが、天然物であるために、実際にヒトや動物等に由来するセラミドは、上記アルキル鎖の長さには様々な変形例が存在し、上記骨格を有するものであれば、アルキル鎖長については、いかなる構造のものでもよい。
【0078】
また、製剤化などの目的で溶解性を付与するために分子内に二重結合を導入することや、浸透性を付与するために疎水基を導入することなど、上記セラミド類に目的に応じて、修飾を加えたものを用いることもできる。
【0079】
これら天然型と称される一般的な構造を有するセラミドは、天然物(抽出物)、微生物発酵法で得られたものあるが、合成物、動物由来のものをさらに含んでもよい。
【0080】
このような天然型セラミドは、市販品としても入手可能であり、例えば、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社製)、Ceramide TIC-001(高砂香料社製)、CERAMIDE II(Quest International社製)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社製)、CERAMIDE2(セダーマ社製)等が挙げられ、また、前記例示化合物(1−5)は、「セラミド3」〔商品名、エボニック(旧デグサ)社製〕として、前記例示化合物(1−7)は、「セラミド6」〔商品名、エボニック(旧デグサ)社製〕として入手可能である。
【0081】
セラミド含有粒子が含有する天然型セラミドは、1種であっても、2種以上を併用してもよいが、セラミド類は一般に融点が高く、結晶性が高いことから、2種以上併用すると、乳化安定・取り扱い性の観点で好ましい。
【0082】
セラミド含有粒子の粒径は、市販の粒度分布計等で計測することができる。
【0083】
粒度分布測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。
【0084】
本発明におけるセラミド含有粒子の粒径測定では、粒径範囲及び測定の容易さから、動的光散乱法を適用すること好ましい。
【0085】
動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))等が挙げられる。本願では、ナノトラックUPAを用いて平均粒径d50、体積平均粒径Mv、個数平均粒径Mnを求めた。
【0086】
一つの粉体の集合を仮定し、その粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが10%、50%、90%となる点の粒子径をそれぞれ10%径、50%径、90%径(μm)とし、50%径を平均粒径d50とする。一つの粉体の集団を仮定し、粒子径の小さい順から、 d1、d2、・・・・di、・・・dkの粒子径を持つ粒子がそれぞれn1、n2、・・・・ni、・・・nk個あり、また粒子1個当りの表面積をai、体積比率をviとした場合に、以下の式から求めた平均径をMvとする。
【0087】
【数1】

【0088】
粒子はすべて球形計算として求められた仮想の個数分布から求めた平均径をMnとする。
【0089】
〔他の油成分〕
本発明のセラミド分散物は、水相に、セラミド含有粒子を分散させて油相として構成されるものであるが、油相中に前記した天然型セラミド等のセラミド類とは異なる油成分(本明細書においては、適宜、他の油成分と称する。)及び/又は溶媒を含有させて、該油成分及び/又は溶媒中に、天然型セラミドを含む油滴様の分散粒子が、天然型セラミド含有粒子として存在する形態を採ることもできる。なお、かかる形態を採る場合、本発明におけるセラミド含有粒子の平均粒径とは、セラミド含有粒子を含む油滴様の分散粒子の平均粒径を意味する。
【0090】
(2)脂肪酸成分
本発明における脂肪酸成分は、(a)脂肪酸の炭素数が12以上20以下の脂肪酸及び(b)脂肪酸塩の少なくとも一方である。このような脂肪酸成分であれば、セラミド類を含有する微細で且つ安定したなセラミド含有粒子を得ることができる。なお、本発明において、後述する「界面活性剤」には、この脂肪酸成分は含まれない。
【0091】
(a)成分の脂肪酸としては脂肪酸の炭素数が12以上20以下であれば使用することが可能である。その中でラウリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の常温もしくは分散時の温度で溶液状であることがより望ましい。炭素数12以上18以下の脂肪酸の例としてラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸等があげられる。(a)成分の脂肪酸は、油相成分としてセラミド分散物に含まれる。
【0092】
(b)成分の脂肪酸塩は、脂肪酸の融点に関わらず水性媒体に可溶形態であるため、混合工程における溶解性の観点からいずれの融点の脂肪酸から構成されたものであってもよく、また飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。脂肪酸塩を構成する塩としては、ナトリウム、カリウム等の金属塩や、L−アルギニン、L−ヒスチジン、L−リジン等の塩基性アミノ酸塩、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩、が挙げられる。塩の種類は、用いられる脂肪酸の種類等により適宜選択されるが、溶解性及び分散液の安定性の観点から、ナトリウムなどの金属塩が好ましい。(b)成分の脂肪酸塩は、水性媒体に可溶であるのでセラミド分散物の水相成分とすることができる。
【0093】
本発明のセラミド分散物中の脂肪酸成分としては、炭素数が12以上20以下の脂肪酸であればよく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、αリノレン酸、γリノレン酸等、及びこれらの塩を例示することができ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、常温もしくは分散時の温度で溶液状であることの観点から、本発明における脂肪酸成分としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ラウリン酸、ステアリル酸、イソステアリン酸、オレイン酸、γリノレン酸、αリノレン酸、リノール酸及びそれらの塩からなる群より選択された少なくとも1種であることが好ましく、オレイン酸であることが特に好ましい。
【0094】
(3)多価アルコール
多価アルコールは、保湿機能や粘度調整機能等を有している。また、多価アルコールは、水と油脂成分との界面張力を低下させ、界面を広がりやすくし、微細で、かつ、安定な微粒子を形成しやすくする機能も有している。
【0095】
以上より、セラミド分散物が多価アルコールを含有することは、セラミド分散物の分散粒子径をより微細化でき、かつ該粒子径が微細な粒子径の状態のまま長期に亘り安定して保持できるとの観点から好ましい。
【0096】
また、多価アルコールの添加により、セラミド分散物の水分活性を下げることができ、微生物の繁殖を抑えることができる。
【0097】
本発明に使用できる多価アルコールとしては、二価以上のアルコールであれば特に限定されず用いることができる。
【0098】
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、マルチトール、還元水あめ、蔗糖、ラクチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、キシロース、グルコース、ラクトース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、イノシトール、ペンタエリスリトール、マルトトリオース、ソルビタン、トレハロース、澱粉分解糖、澱粉分解糖還元アルコール等が挙げられ、これらを、単独又は複数種の混合物の形態で用いることができる。
【0099】
(4)多糖類脂肪酸エステル
本発明のセラミド分散物は、多糖類脂肪酸エステルを含む。本発明のセラミド分散物のような乳化・分散物は、一般に、種々の機能を有する各成分を安定して処方するため、各種の有機塩又は無機塩の形態で処方することがある。このように有機塩又は無機塩が多くなるとこの塩により、白濁、凝集、沈澱、増粘、分離といった現象、いわゆる塩析が起こりやすくなるしやすくなる傾向があり、特に、透明性を重視した処方の場合には、このような塩析は透明性を損なうことがあるため、好ましくない。本発明のセラミド分散物は多糖類脂肪酸エステルを含有するので分散安定性に加えて、各種有機又は無機塩を配合する場合であっても、いわゆる塩析を良好に抑制することができる。
【0100】
また、セラミド分散物の析出抑制といった分散物の経時安定性を向上させることも可能である。
【0101】
本発明における多糖類脂肪酸エステルにおいて、多糖類部分は、平均重合度が2以上140以下のグルコース又はフルクトースなどの糖単位で構成され、ショ糖などの二糖類、オリゴ糖、イヌリン(グルコースにフラクトースが2個から60個程度直鎖状につながったもの)、デンプン、およびデキストリンなどの六糖以上の多糖類を挙げることができる。塩を加えることによりセラミド分散物が白濁、凝集、沈澱、増粘、分離といった現象の塩析の抑制効果の観点から、デキストリン、イヌリン又はこれらの組み合わせであることが好ましく、イヌリンであることが更に好ましい。イヌリンは、D−フルクトースを主要成分とするオリゴ糖であり、β−1,2結合したフラノイドフルクトースと、還元末端においてショ糖結合したα−D−グルコースを有する構造を示すフラノイドフルクトース単位は一般に2〜60程度となる。
【0102】
多糖類とエステルを形成する脂肪酸部分は、塩による析出の抑制効果の観点から、12以上18以下の炭素数の脂肪酸であることが好ましく、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、エチルヘキサン酸、ベヘン酸、ベヘニン酸等を挙げることができる。
【0103】
このような多糖類脂肪酸エステルとしては、デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、オリゴ糖脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステル等を挙げることができ、イヌリン脂肪酸エステル、デキストリン脂肪酸エステルが好ましい。イヌリン脂肪酸エステルとしては、オクタン酸イヌリン、デカン酸イヌリン、ラウリン酸イヌリン、ミリスチン酸イヌリン、ラウリルカルバミン酸エステル、パルミチン酸イヌリン、ステアリン酸イヌリン、アラキン酸イヌリン、ベヘン酸イヌリン、オレイン酸イヌリン、2−エチルへキサン酸イヌリン、イソミリスチン酸イヌリン、イソパルミチン酸イヌリン、イソステアリン酸イヌリン、イソオレイン酸イヌリンなどを挙げることができる。本発明の多糖類脂肪酸エステルとしては、セラミド分散物の安定性の観点から、ステアリン酸イヌリン、ラウリルカルバミン酸エステル、パルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/オクタン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリンが好適であり、ラウリルカルバミン酸イヌリンが最も好ましい。
【0104】
ラウリルカルバミン酸イヌリンは、HLB値が約8で、油性成分に対する溶解性は低いが、分散性は良好で、水に対する溶解性も低く、水相中で凝集する。そして水中油型エマルション中では、イヌリン骨格が水和化されることによって、ラウリルカルバミン酸イヌリンが分散粒子の表面に位置して立体的バリアを形成し、その立体的バリアによって、水相中で分散粒子を包囲したような乳化構造を形成する。
【0105】
(5)セラミド類の良溶媒
本発明のセラミド分散物は、セラミド類の良溶媒を更に含んでいてもよい。この良溶媒は、本明細書における「油成分」には包含されない。
【0106】
セラミド類の良溶媒は、例えば、セラミド類を25℃において少なくとも0.1質量%以上溶解可能な常温で液状の溶媒であればよい。本発明において、良溶媒はセラミド類が0.1質量%以上溶解する油脂・溶媒であれば、いかなる物質でも構わない。
【0107】
本発明における良溶媒は、水溶性有機溶媒であることが好ましい。
【0108】
本発明における水溶性有機溶媒は、天然成分を含む油相として、後述する水性溶液との混合に用いられる。この水性有機溶媒は同時に、天然成分を抽出する抽出液の主成分である。即ち、本発明において天然成分は、水溶性有機溶媒を主成分とする抽出液へ抽出された状態で、水性溶液との混合に使用される。
【0109】
本発明に用いられる水溶性有機溶媒とは、水に対する25℃での溶解度が10質量%以上の有機溶媒を指す。水に対する溶解度はできあがった分散物の安定性の観点から30質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
【0110】
水溶性有機溶媒は、単独で用いてもよく、複数の水溶性有機溶媒の混合溶媒でもよい。また、水との混合物として用いてもよい。水との混合物を用いる場合には、上記水溶性有機溶媒は、少なくとも50容量%以上含まれていることが好ましく、70容量%以上であることがより好ましい。
【0111】
水溶性有機溶媒は、セラミド分散物の製造方法で、油相成分を混合して油相を調製するために好ましく用いられ、水相との混合後には除去されることが好ましい。
【0112】
このような水溶性有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸メチル、アセト酢酸メチル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルフォキシド、エチレングリコール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等及びそれらの混合物を挙げられる。これらの中でも、食品への用途に限定した場合、エタノール、プロピレングリコール、又はアセトンが好ましく、エタノール、又はエタノールと水との混合液が特に好ましい。
【0113】
以上、本発明の流体の混合方法、微粒子の製造方法、及び微粒子について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよい。
【実施例】
【0114】
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。図4に示すマイクロリアクター30を使用して2種類の流体を混合して、微粒子の製造を行なった。
【0115】
下記油相液1に記載の各成分を室温にて約30分間攪拌し、油相液1を調製した。また下記水相液2は、純水にラウリルカルバミン酸イヌリン(INUTEC SP1:日本シイベルヘグナー社製。以下同じ)を加えて約50℃に加温し、充分に攪拌溶解した後、残りの成分を加えて混合し、液温を30℃に調整した。
【0116】
<油相液1組成>
セラミド3B〔天然型セラミド、具体例1−11〕 0.900部
セラミド6〔天然型セラミド、具体例1−7〕 1.100部
オレイン酸 0.200部
エタノール〔水溶性有機溶媒〕 97.800部
<水相液1組成>
純水 96.860部
ラウリルカルバミン酸イヌリン 0.290部
グリセリン 1.430部
1,3−ブタンジオール 1.430部
0.1モル水酸化ナトリウム 適量
(最終のセラミド分散物のpH=7.4)
得られた油相液1(油相)と水相液1(水相)を、1:7の比率(質量比)で、マイクロリアクターを用いて混合して、セラミド分散液1を得た。なお、マイクロリアクターの使用条件は、下記のとおりである。
【0117】
−流量比−
油相と水相を1:7の比率で送液した。
【0118】
(実施例1)
第1流路幅100μm深さ200μm、流路本数5本、第2流路幅700μm深さ200μm流路本数5本、合流部相当直径φ1.34mm深さ200μm、出口直径φ0.8mm、混合領域0.28mm3のマイクロリアクターを用いて80ml/min〜960ml/minの流量で送液した。その結果、320ml/min(第1液40ml/min:第2液280ml/min=1:7)(混合領域の1.9×10倍)で動圧199kPaに達し、粒径d50=3.7nm、分布Mv/Mn=1.18となった。またこの流量以上では、粒径d50は5nm以下、分布Mv/Mnは1.3以下となった。
【0119】
(実施例2)
第1流路幅150μm深さ200μm、流路本数3本、第2流路幅600μm深さ200μm流路本数3本、合流部相当直径φ0.8mm深さ200μm、出口直径φ0.8mm、混合領域0.10mm3のマイクロリアクターを用いて80ml/min〜400ml/minの流量で送液した。その結果、200ml/min(第1液25ml/min:第2液175ml/min=1:7)(混合領域の3.3×10倍)で動圧124kPaに達し、粒径d50=4.7nm、分布Mv/Mn=1.29となった。またこの流量以上では、粒径d50は5nm以下、分布Mv/Mnは1.3以下となった。
【0120】
(実施例3)
第1流路幅100μm深さ400μm、流路本数3本、第2流路幅400μm深さ400μm流路本数3本、合流部相当直径φ0.8mm深さ400μm、出口直径φ0.8mm、混合領域0.20mm3のマイクロリアクターを用いて80ml/min〜400ml/minの流量で送液した。その結果、240ml/min(第1液30ml/min:第2液210ml/min=1:7)(混合領域の2.0×10倍)で動圧100kPaに達し、粒径d50=3.1nm、分布Mv/Mn=1.23となった。またこの流量以上では、粒径d50は5nm以下、分布Mv/Mnは1.3以下となった。
【0121】
(実施例4)
第1流路幅400μm深さ400μm、流路本数3本、第2流路幅400μm深さ400μm流路本数3本、合流部相当直径φ0.8mm深さ400μm、出口直径φ0.8mm、混合領域0.20mm3のマイクロリアクターを用いて160ml/min〜480ml/minの流量で送液した。その結果、320ml/min(第1液40ml/min:第2液280ml/min=1:7)(混合領域の2.7×10倍)で動圧144kPaに達し、粒径d50=3.9nm、分布Mv/Mn=1.26となった。またこの流量以上では、粒径d50は5nm以下、分布Mv/Mnは1.3以下となった。
【0122】
(実施例5)
第1流路幅200μm深さ200μm、流路本数3本、第2流路幅200μm深さ200μm流路本数3本、合流部相当直径φ0.4mm深さ200μm、出口直径φ0.4mm、混合領域0.025mm3のマイクロリアクターを用いて40ml/min〜120ml/minの流量で送液した。その結果、80ml/min(第1液10ml/min:第2液70ml/min=1:7)(混合領域の5.3×10倍)で動圧144kPaに達し、粒径d50=3.7nm、分布Mv/Mn=1.21となった。またこの流量以上では、粒径d50は5nm以下、分布Mv/Mnは1.3以下となった。
【0123】
(実施例6)
第1流路幅100μm深さ100μm、流路本数5本、第2流路幅100μm深さ100μm流路本数5本、合流部相当直径φ0.34mm深さ100μm、出口直径φ0.34mm、混合領域0.009mm3のマイクロリアクターを用いて8ml/min〜40ml/minの流量で送液した。その結果、24ml/min(第1液3ml/min:第2液21ml/min=1:7)(混合領域の4.4×10倍)で動圧124kPaに達し、粒径d50=3.8nm、分布Mv/Mn=1.26となった。またこの流量以上では、粒径d50は5nm以下、分布Mv/Mnは1.3以下となった。
【0124】
(実施例7)
第1流直径300μm流路本数1本、第2流路直径300μm流路本数1本、混合領域0.023mm3のT字リアクターを用いて20ml/min〜200ml/minの流量で送液した。その結果、80ml/min(第1液10ml/min:第2液70ml/min=1:7)(混合領域の5.6×10倍)で動圧138kPaに達し、粒径d50=3.9nm、分布Mv/Mn=1.19となった。またこの流量以上では、粒径d50は5nm以下、分布Mv/Mnは1.3以下となった。
【0125】
図9(A)及び(B)は、実施例1〜7に関して、合計動圧(横軸)と粒径d50(縦軸)との関係を示すグラフである。図9(A)では、合計動圧の最大値を1800kPaとし、実施例1〜7の粒径d50をプロットした。図9(B)は、図9(A)において、横軸の最大値を400kPaとして表示したものである。
【0126】
図9に示すように、合計動圧が10から100kPa前後までの範囲である場合、粒径d50は合計動圧に応じて変化している。つまり、合計動圧を制御することによって、粒径d50を制御することができる。
【0127】
一方、合計動圧が100kPa前後を超える範囲では、合計動圧に関係なく粒径d50は5nm前後である。粒径d50が5nm程度の微粒子を得るためには、合計動圧が100kPa前後を超えることが望ましい。この場合、合計動圧を100kPaに近い値にすることが望ましい。合計動圧が大きいほど、圧力損失が大きくなり必要以上にエネルギーを消費するからである。
【0128】
図10(A)及び(B)は、実施例1〜7に関して、合計動圧(横軸)と分布Mv/Mn(縦軸)との関係を示すグラフである。図10(A)では、合計動圧の最大値を1800kPaとし、実施例1〜7の分布Mv/Mnをプロットした。図10(B)は、図10(A)において、横軸の最大値を400kPaとして表示したものである。なお、分布Mv/Mn(体積平均粒子径/個数平均粒子径)は、単分散性を示す指標であり、1に近いほど単分散性に優れることを示す。
【0129】
図10に示すように、合計動圧が0から200kPa前後までの範囲である場合、分布Mv/Mnは合計動圧に応じて変化している。つまり、合計動圧を制御することによって、分布Mv/Mnを制御することができる。
【0130】
一方、合計動圧が200kPa前後を超える範囲では、合計動圧に関係なく分布Mv/Mnは1.2前後である。分布Mv/Mnが1.2前後の微粒子を得るためには、合計動圧が200kPa前後を超えることが望ましい。この場合、合計動圧を150kPaに近い値にすることが望ましい。合計動圧が大きいほど、圧力損失が大きくなり必要以上にエネルギーを消費するからである。
【符号の説明】
【0131】
10、30…マイクロリアクター、12、14…供給流路、12A、12B…分割供給流路、16…マイクロ流路、18、46、64、74…混合領域、32、…供給ブロック、34、…合流ブロック、36、…反応ブロック、38…外側環状溝、40…内側環状溝、42、44…貫通孔、48…長尺放射状溝、50…短尺放射状溝、52、54…貫通孔、58…貫通孔(マイクロ流路16)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種類の流体をマイクロリアクター内で混合する方法において、
第1の流体を第1の流路を介して混合領域に供給するステップと、
第2の流体を第2の流路を介して前記混合領域に供給するステップと、
前記各流体の動圧の合計値を制御して、前記混合領域内で前記各流体を合流させるステップと、
前記混合領域内で混合された前記各流体を第3の流路へ流入するステップを含む流体の混合方法。
【請求項2】
請求項1記載の流体の混合方法において、前記各流体の動圧合計値を100kPa以上とする流体の混合方法。
【請求項3】
請求項2記載の流体の混合方法において、前記各流体の動圧合計値を200kPa以上とする流体の混合方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1に記載の流体の混合方法において、混合領域の体積は0.001mm〜1mmである流体の混合方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1に記載の流体の混合方法において、前記混合領域に供給される1秒当たりの総流量が、前記混合領域の体積の1×10〜1×10倍である流体の混合方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1に記載の流体の混合方法において、前記第1の流路及び前記第2の流路の少なくとも一方の流路が、前記混合領域に向かう途中で分岐された複数のサブ流路を備え、前記複数のサブ流路のうちの少なくとも1つのサブ流路を流れる一方の流体の中心軸と、他方の流路を流れる他方の流体の中心軸とが前記混合領域内において一点で交差する流体の混合方法。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1に記載の流体の混合方法において、前記第3の流路の径が、合流流路の相当直径以下である流体の混合方法。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1に記載の流体の混合方法によって、有機化合物をそれに対する溶解度が相対的に高い良溶媒に溶解させた溶液を第1の流体として、有機化合物に対する溶解度が相対的に低い貧溶媒を含む溶液を第2の流体として混合することを特徴する微粒子の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の微粒子の製造方法において、前記有機化合物が、水性媒体に不溶性、もしくは難溶性の素材である微粒子の製造方法。
【請求項10】
請求項8又は9記載の微粒子の製造方法で製造されたことを特徴とする微粒子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−20089(P2011−20089A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169315(P2009−169315)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】