説明

流体供給システムを位置付けるためのシステムと方法

陰圧閉鎖創傷療法(NPWT)のシステムと方法に使用されるものを含む、治療用流体送達システムのための流体供給システムと方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2010年1月29日に出願された、“Systems and Methods for Positioning Fluid Supply System”と題する、参照によって本願に援用される米国仮特許出願第61/299,744号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は概して、流体供給システムの位置付けに関する。より具体的には、ただしこれに限定されないが、本発明は、流体供給システムを陰圧閉鎖創傷療法(NPWT)システムとともに使用される治療用流体送達システムに近接させて位置付けるためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床研究と実務から、組織部位の付近に陰圧を印加することによって、その組織部位での新組織の成長が助長され、加速されることがわかっている。この現象の応用分野は多数あるが、陰圧の印加が特に成果を上げているのが創傷の治療である。この治療法(しばしば、医療界では「陰圧閉鎖創傷療法」、「減圧療法」または「真空療法」と呼ばれる)からは多数の恩恵がもたらされ、たとえば治癒が早まり、肉芽組織の形成が増進される。一般に、陰圧は創傷インサート(たとえば、多孔質パッドまたはその他のさまざまな手段)を通じて組織に印加される。創傷インサートには一般に、陰圧を組織へと分散させ、組織から吸引される流体を通過させることのできるセルや微細孔が含まれる。創傷インサートは、治療を促進する他の構成要素、たとえばドレープ(接着サージカルドレープ等)を有する創傷被覆材の中に組み込むことができる。陰圧閉鎖創傷療法と流体(洗浄用流体および/または薬剤等)の潅流を併用して、治癒の促進および/または効果の増大を図ってもよい。
【0004】
これに加え、創傷インサートへの治療用流体(生理食塩水や抗生剤流体等)の送達によってもまた、恩恵を受けることができる。このような流体供給および送達システムの接続と位置決めは困難な場合がある。ある例では、流体を別の輸液器材(IV)支持装置に設置することができるが、それには、その支持装置そのものまたはその付近の何れかにユニットを設置しなければならない。そのため、患者の周辺に十分な空間的余裕がない場合、設備の配置の面で問題が生じかねない。また、そのユニットが携帯用と想定されている場合も、このような支持方式では、その使用態様に不利な影響が及ぶ可能性がある。
【0005】
これに加えて、接続方法には、カートリッジから現在流体送達ポンプに使用されている基本的なチューブ配管システムまで、様々なものがある。多くの既存のシステムに、そのシステムと一緒に使用できる流体容器の種類を限定する要素が付随する。たとえば、多くのカートリッジシステムで、流体容器の特定の構成か、そのシステムのための高価なチューブセットが定められており、その結果、コストの問題が生じるほか、使用者の使用できる輸液の種類が限られる。
【0006】
さらに、サイズの異なる流体容器を固定することも、携帯型の製品には問題となりうる。好ましくないことに流体容器がずれると、よじれたり、接続部が外れたりする場合がある。NPWTシステムの場合、これによって漏れや閉塞のアラームが鳴るか、治療が中断されたままとなる可能性もある。
【発明の概要】
【0007】
本願には、流体供給システムと、そのようなシステムと治療用流体送達システムとの連結の実施形態が含まれる。
【0008】
ある実施形態は、流体送達システムに取り付けるためのカートリッジを含む。特定の実施形態において、このカートリッジは、導管を備える穿刺手段を備えていてもよく、この穿刺手段は液体容器を穿刺し、容器の内部と導管との間を流体連通させるためのものであり、導管は排出口接続部を備える。特定の実施形態において、導管は、カートリッジが連結される流体送達システムによって作動され、液体を容器の内部から排出口接続部へと送出するためのポンプ構成要素を備えていてもよい。
【0009】
ある実施形態において、ポンプ構成要素は、蠕動ポンプアクチュエータを有する流体送達システムに接続されると蠕動ポンプを形成する柔軟な導管であってもよい。ある実施形態において、ポンプ構成要素は、カートリッジが連結される流体送達システムのアクチュエータによって作動されるように構成された隔膜ポンプであってもよい。
【0010】
特定の実施形態は、液体容器を支持するための支持手段をさらに備えていてもよい。ある実施形態において、穿刺手段は、支持手段に取り付け、支持手段の中にセットされた容器がこの穿刺手段によって穿刺されるように構成されてもよい。特定の実施形態において、導管は、穿刺手段からポンプ構成要素までの第一の連結手段と、ポンプ構成要素から排出口接続部までの第二の連結手段と、を備えていてもよい。特定の実施形態において、ポンプ構成要素は第一の連結手段と第二の連結手段との間の柔軟な導管であってもよい。
【0011】
ある実施形態において、穿刺手段は通気弁を備えていてもよい。特定の実施形態は、カートリッジと接続される流体送達システムを備えていてもよく、この流体送達システムは、カートリッジのポンプ構成要素を作動させるためのアクチュエータを備える。特定の実施形態において、アクチュエータは、カートリッジの導管と係合して、蠕動ポンプを形成するロータを備えていてもよい。特定の実施形態は、流体送達システムを備えていてもよく、アクチュエータはカートリッジの隔膜ポンプを作動させるためのプッシュ/プルアクチュエータを備える。
【0012】
ある実施形態は、流体容器を支持するように構成された支持手段を備える流体供給システムを備える。支持手段は、基底部であり、その基底部から延びる第一の横方向延長部と第二の横方向延長部を備える基底部と、第一の横方向延長部と第二の横方向延長部の間のスロットと、を備えていてもよい。流体供給システムはまた、支持手段に連結されたカートリッジを備えていてもよく、このカートリッジは流体送達システムと係合するように構成される。ある実施形態において、カートリッジは、第一の端と第二の端を備えるハウジングと、第一の端に近い第一の連結部材と第二の端に近い第二の連結部材とを備えていてもよい。特定の実施形態は、保持部材に連結された穿刺手段を備えていてもよく、この保持部材は、支持手段のスロットと係合するように構成される。ある実施形態はまた、穿刺手段と第一の連結部材に連結された導管を備えていてもよく、この穿刺手段と第一の連結部材は流体連通している。
【0013】
ある実施形態において、第一の横方向延長部と第二の横方向延長部は受容部を形成してもよく、穿刺手段は、保持部材がスロットと係合すると、受容部の中へと延びてもよい。特定の実施形態はまた、支持手段の受容部の中に挿入されるように構成された液体容器を備えていてもよい。ある実施形態において、穿刺手段は、液体容器が支持手段の受容部の中に挿入されると、液体容器を穿刺するように構成されてもよい。特定の実施形態において、液体容器の上側部分は支持部材係合部材を備えていてもよい。
【0014】
特定の実施形態において、支持部材係合部材は、延長部と開口部を備えていてもよい。ある実施形態において、支持部材係合部材は、治療用流体送達システムに連結された支持部材と係合するように構成されていてもよい。特定の実施形態において、支持手段の第一の横方向延長部と第二の横方向延長部は、湾曲し、先細であってもよい。特定の実施形態において、流体供給システムは、下側支持面を有する制御部ハウジングを備える治療用流体送達システムに連結されてもよく、スロットは下側支持面の上方に位置付けられてもよい。ある実施形態において、穿刺手段に連結された導管は、保持部材がスロットと係合し、制御ハウジングの下側支持面が平坦面の上に設置された時に、閉塞しないようになっていてもよい。
【0015】
特定の実施形態はまた、第一の連結部材と第二の連結部材に連結された導管を備えていてもよい。ある実施形態において、導管は、流体供給システムが治療用流体送達システムに連結された時に、ポンプと係合するように構成されてもよい。特定の実施形態において、ポンプは蠕動ポンプであってもよい。特定の実施形態において、カートリッジと支持手段は一体の構成要素である。ある実施形態において、カートリッジと支持手段は別個の構成要素であってもよい。
【0016】
特定の実施形態はまた、液体容器を治療用流体送達システムと流体連通状態に固定する方法を含んでいてもよい。特定の実施形態において、この方法は、流体容器を受けるように構成された受容部を備える支持手段を提供するステップと、支持手段に連結されたカートリッジを提供するステップとを含み、カートリッジは治療用流体送達システムと係合するように構成される。ある実施形態において、カートリッジは穿刺手段を備えていてもよく、この方法は、穿刺手段を支持手段と係合させて、穿刺手段が受容部の中へと延びるようにするステップを含んでいてもよい。この方法はまた、液体容器を支持手段の受容部にセットするステップと、液体容器を穿刺手段で穿刺するステップと、を含んでいてもよい。
【0017】
特定の実施形態において、カートリッジは、第一の端と第二の端を備えるハウジングを備えていてもよく、カートリッジは、第一の端に近い第一の連結部材と第二の端に近い第二の連結部材を備えていてもよく、穿刺手段は、第一の連結部材と流体連通する導管に連結されてもよい。特定の実施形態において、支持手段はスロットを備えていてもよく、穿刺手段は保持部材に連結されていてもよく、保持部材は、穿刺部材が受容部の中へと延びる際に、支持手段のスロットと係合してもよい。
【0018】
ある実施形態において、支持手段は、基底部であってその基底部から延びる第一の横方向延長部と第二の横方向延長部を備える基底部を備えていてもよく、液体容器は、その液体容器が受容部にセットされた時に、基底部、第一の横方向延長部および第二の横方向延長部の間にセットされてもよい。特定の実施形態において、液体容器の上側部分は、支持部材係合部材を備えていてもよく、治療用流体送達システムは支持部材を備えていてもよい。本方法の特定の実施形態は、液体容器の支持部材係合部材を治療用流体送達システムの支持部材と係合させるステップを含んでいてもよい。
【0019】
ある実施形態は、治療用流体送達システムと流体連通する液体容器を固定する方法を含んでいてもよい。
【0020】
本発明のシステムおよび/または方法の何れかの実施形態は何れも、上記のステップ、要素および/または特徴の何れかを、備え/含み/包含し/備えるというよりむしろ、基本的にこれらからなる、とすることができる。それゆえ、特許請求の範囲の請求項の何れにおいても、「〜からなる」、または「基本的に〜からなる」という用語は、上記の非限定的連結動詞の何れかと置き換えて、非限定的連結動詞を使用して、その請求項の範囲を置き換えなかった場合のものから変えることができる。
【0021】
上記の実施形態および他の実施形態に関する詳細を以下に示す。
【0022】
以下の図面は、限定としてではなく、例示として描かれている。簡潔さと明瞭さを期すために、ある構造の中の各特徴には、その構造が描かれているすべての図面の中で常に符号が付されていとはかぎらない。同一の参照番号は必ずしも同一の構造を指すとはかぎらない。むしろ、同じ参照番号は、同様の特徴または同様の機能を備える特徴を指すために使用されている場合があり、これは同一でない参照番号についても同様である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】図1Aは、例示的実施形態によるポンプ係合カートリッジの斜視図を示す。
【図1B】図1Bは、ポンプに連結されたポンプ係合カートリッジの部分概略側面図を示す。
【図2】図2は、例示的実施形態による液体容器用支持手段の斜視図を示す
【図3】図3は、図2の支持手段に連結された図1Aのポンプ係合カートリッジの斜視図を示す。
【図4】図4は、図1Aのポンプ係合カートリッジと図2の支持手段に連結された流体容器を示す。
【図5】図5は、治療用流体送達システムに連結された図4のアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
「連結された」という用語は接続されたと定義されるが、これは必ずしも直接ではなく、また必ずしも機械的にではない。すなわち、「連結された」2つのものは相互に一体であってもよい。不定冠詞(a,an)は、本明細書が明確に他の解釈を必要としないかぎり、1つまたはそれ以上と定義される。「実質的に」、「おおよそ」および「約」という用語は、概ねと定義され、当業者にとって当然のごとく、必ずしも、その特定されたものの全体とはかぎらない。
【0025】
「〜を備える(comprise)」(およびそのすべての変化形(comprises,comprising))、「〜を備える(have)」(およびそのすべての変化家(has,having))、「〜を含む(include)」(およびそのすべての変化形(includes,including))および「〜を包含する(contain)」(およびそのすべての変化形(contains,containin))は、非限定的連結動詞である。その結果、1つまたはそれ以上のステップを「備える」、「備える」、「含む」または「包含する」方法は、これらの1つまたはそれ以上のステップを持つが、これらの1つまたはそれ以上のステップだけを持つことに限定されない。同様に、1つまたはそれ以上の要素を「備える」、「備える」、「含む」または「包含する」接続パッドは、これらの1つまたはそれ以上の要素を持つが、これらの要素だけを持つことに限定されない。たとえば、流体送達接続部と圧力センサ接続部を備える接続パッドは、特定された要素を含むが、これらの要素だけを備えることに限定されない。たとえば、このような接続パッドはまた、真空接続部も含むことができる。
【0026】
さらに、ある方法で構成された手段または構造は、少なくともその方法で構成されるが、それはまた、特定的に記載されたもの以外の方法でも構成することができる。
【0027】
ここで、図面、より具体的には図1Aと1Bを参照すると、ポンプ係合カートリッジ10の一例は、ハウジング11と、穿刺手段12と、穿刺手段12に連結された導管13と、を備える。図の実施形態において、ハウジング11はさらに、それぞれ第一の端25と第二の端と26の付近にある1対の導管連結部材15と16との間に配置された陥凹部14を備える。導管20(フレキシブルチューブ等)を導管連結部材15、16間に、陥凹部14を渡るように延ばすことができる。より詳しくは後述するように、ポンプ係合カートリッジ10は、治療用流体送達システムと係合してもよく、それによって連結部材15、16間の導管がポンプ(蠕動または隔膜ポンプ等)と係合して治療用流体が送達される。
【0028】
図1Bに示される部分概略側面図には、ポンプ係合カートリッジ10が、蠕動ポンプ76を備える治療用流体送達システム70に連結された状態で示されている。この実施形態において、蠕動ポンプ76は、陥凹部14の中に導管20を係合させるように構成された作動部材、すなわちロータ77を備える。ある実施形態において、導管20は、陥凹部14を渡って延びるトラックまたは溝の中に配置されてもよい。ロータ77が回転して導管20と係合すると、流体が連結部材15から導管20を通って連結部材16へと送出される。より詳しくは後述するように、連結部材15は導管13と流体連通しており、これは流体容器と流体連通した状態とすることができる。この構成によって、蠕動ポンプ76は、ポンプ係合カートリッジ10に連結された液体容器から流体を送出できる。
【0029】
ここで、図2〜4を参照すると、液体容器50を支持するように構成された支持手段30の一例が、ポンプ係合カートリッジ10に連結された状態で示されている。図3は、相互に連結されて流体供給システム60を形成しているポンプ係合カートリッジ10と支持手段30を描いており、その一方で図4は支持手段30にセットされた液体容器50を示す。
【0030】
図2〜4に示されるように、支持手段30は、液体容器50を受けるように構成された受容部31を備える。図の実施形態において、受容部31は、基底部34から延びる1対の横方向延長部32、33によって形成される。横方向延長部32、33は湾曲し、先細であり、さまざまな大きさと形状の液体容器50を収容する。この実施形態において、横方向延長部32、33は、ギャップまたはスロット35を提供するように構成される。図の実施形態において、支持手段30はまた、(使用中に支持手段が位置付けられた時に)略垂直に延びる延長部36を備える。図3と4に示されるように、延長部36は、ポンプ係合カートリッジ10の上側部分に連結されてもよく、液体容器50のためのさらなる支持部となる。
【0031】
図1Aの例示的実施形態に示されているように、穿刺手段12は、スロット35と係合するように構成された保持部材17に連結される。図の実施形態において、保持部材17は複数の柔軟なリブ18を備え、これは保持部材17とスロット35との間を楔嵌合により能動的に係合させる。これに加えて、通気弁19が穿刺手段12に連結されてもよく、これによって使用者は、流体がなくなって空になった液体容器50に(必要に応じて)通気させることができる。例示的実施形態において、穿刺手段12は、保持部材17から遠い端において尖った先端または先細部を備える長い本体を備えていてもよい。使用中、保持部材17をスロット35の中に挿入でき、それによって穿刺手段12はスロット35から上方へと延びる。この配置により、穿刺手段12は受容部31の中に延びることになり、液体容器50が受容部31の中に挿入されると、穿刺手段12が液体容器50を穿刺することができる。あるいは、穿刺手段を液体容器50の中に挿入してから、保持部材17をスロット35に係合させることもできる。
【0032】
図3に示されるように、ポンプ係合カートリッジ10と支持手段30を相互に連結して、流体供給システム60を形成することができる。図4と5に示されるように、液体容器50を支持手段30にセットすることができる。この構成により、液体容器50からの流体は、穿刺手段12(内部導管を備える)、導管13、連結部材15、16および導管20の中を通ることができる。図5に示されるように、流体供給システム60は、治療用流体送達システム70に連結することができる。ある実施形態において、治療用流体送達システム70は、治療用流体を流体供給システム60から投与するように構成されたポンプおよび制御システムを備える。特定の実施形態において、治療用送達システム70は、導管20を連結部材15、16間に係合させる蠕動ポンプを備えていてもよい。ある実施形態において、治療用流体送達システム70は、流体を陰圧閉鎖創傷療法(NPWT)システムに送達するように構成されてもよい。他の実施形態において、治療用流体送達システム70は、流体を他のシステム、たとえば流体を静脈内投与するように設計されたものに送達するように構成されてもよい。
【0033】
流体供給システム60は、従前の流体供給システムと比較して、数多くの恩恵を提供する。たとえば、流体供給システム60によれば、液体容器50を治療用流体送達システム70に近接させて保持することができる。ここで、図4を参照すると、液体容器50は、延長部52と開口部53を備える支持部材係合部材51を備える。図5に示されるように、支持部材係合部材51は、フック72とハンドル73を備える支持部材71と係合するように構成される。ある実施形態において、ハンドル73は、(図5に示される位置から)上方に延ばすことができる。このような構成により、支持部材71は異なる長さの流体容器を支持することができる。支持部材71と支持手段30は、液体容器50の上側部分を安定に支持することができる。
【0034】
さらに、支持手段30は、さまざまな大きさと形状の液体容器、たとえば250mlから1,000mlの範囲の液体容器を受け入れるように構成される。横方向延長部32、33の湾曲した、先細の形状により、支持手段30は受容部31の中の異なる位置で液体容器を支持することができる。たとえば、より小型の流体容器は、受容部31の中のより下側の位置で支持されてもよく、これは流体容器が受容部31のより深く入ってから、横方向延長部32、33と係合するからである。より大型の容器は、受容部31の中のより高い位置で支持されてもよく、これはそれがより小型の流体容器より早く横方向延長部32、33と係合するであろうからである。穿刺手段12の流体容器との係合および保持部材17とスロット35との係合によって、受容部31の中に挿入された流体容器の下側部分を安定化させることができる。それに加えて、支持部材71と支持部材係合部材51との係合によって、流体容器の上側部分が安定化する。これらの特徴により、使用者は種類の異なる液体容器を利用でき、この流体供給システムのために特に設計された流体容器を必要としない。このような容器の特定はしばしば、流体供給システムに関わるコストを増大させる可能性がある。
【0035】
これに加えて、流体供給システムと治療用流体送達システム70は、システムが平坦面により支持されても、導管13がよじれたり挟まったりしないように構成される。図5に示されるように、治療用流体送達システム70は、制御ユニットハウジング74を備え、その下面75は、平坦面上に置かれた治療用流体送達システム70を支持するために使用できる。この実施形態において、保持部材17(導管13に連結される)は、制御ユニットハウジング74の下面75より上方に位置付けられる。この構成により、治療用流体送達システム70は平坦面の上で支持され、その際、導管13が制御ユニットハウジング74や保持部材17等の構成要素の下で閉塞する(挟まれる、またはよじれる等)ことはない。
【0036】
本明細書で説明した手段、システムおよび方法の各種の例示的実施形態は、開示された特定の形態に限定されるものではない。むしろ、これらは特許請求の範囲の範囲内に含まれるすべての改良と変更を含む。たとえば、支持手段は、治療用流体送達システムに連結された側面カバーと一体であってもよい。そのような構成により、より大きなボトルを支持することも可能となる。側面カバーはまた、不使用時または保管中に、送達機構を保護するためにも使用できる。これに加えて、ある実施形態は、流体容器の周囲でばね式のストラップを利用して、支持手段の受容部内への流体容器の固定を支援してもよい。さらに、ある実施形態は、受容部を備える支持手段を備えず、その代わりに、ストラップおよび/または側面カバーに関連付けた穿刺手段を利用してもよい。ある実施形態において、支持手段とカートリッジは一体の構成要素であり、その一方で他の実施形態において、これらは別個の構成要素であってもよい。さらに他の実施形態において、流体容器は支持手段またはポンプ係合カートリッジと一体であってもよく、システムは穿刺手段を含んでいなくてもよい。たとえば、流体容器は、ポンプ係合カートリッジ10と一体的に形成されて、導管13と連結可能なポートを備えていてもよい。このような構成では、流体容器とポンプ係合カートリッジとの一体形成によって、流体容器の安定化を支援するための穿刺手段を含める必要性が減少しうる。
【0037】
ある実施形態は、ロードセルを備えて、流体容器が空になることが防止され、また液面表示手段が提供されるようにしてもよい。
【0038】
特許請求の範囲は、その請求項の中で、それぞれ「〜のための手段」または「〜のためのステップ」という語句を使用して明確に限定されていないかぎり、ミーンズプラスまたはステッププラスファンクション限定を含むものではなく、またこれを含むと解釈するべきではない。当然のことながら、上記の恩恵と利点は、1つの実施形態に関連するかもしれず、または複数の実施形態に関連するかもしれないことは理解されよう。さらに当然のことながら、不定冠詞(an)付きの品目という表記は、1つまたはそれ以上のその品目を指す。
【0039】
本明細書に記載の方法のステップは、あらゆる好適な順序で、あるいは適当であれば同時に実行してもよい。
【0040】
適当であれば、上記の例の何れかの態様は、上記の他の例の何れかの態様と組み合わせて、同様の、または異なる特性を備え、同じまたは異なる課題を解決する、別の例を形成してもよい。
【0041】
当然のことながら、好ましい実施形態の上記の説明は、例として行われたにすぎず、当業者であれば、各種の変更を加えることができる。上記の仕様、例およびデータは、本発明の例示的実施形態の構造と使用を十分に説明している。本発明の各種の実施形態を上である程度具体的に説明したが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多くの変更を加えることができるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体送達システムに取り付けるカートリッジにおいて、
導管を備える穿刺手段を備え、前記穿刺手段が、液体容器を穿刺し、前記容器の内部と前記導管との間を流体連通させるためのものであり、前記導管が排出口接続部を備え、
前記導管が、前記カートリッジが連結される流体送達システムによって作動され、容器の前記内部から前記排出口接続部へと液体を送出するポンプ構成要素を備えることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のカートリッジにおいて、
前記ポンプ構成要素が、蠕動ポンプアクチュエータを備える流体送達システムに接続されると蠕動ポンプを形成する柔軟な導管であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項3】
請求項1に記載のカートリッジにおいて、
前記ポンプ構成要素が、前記カートリッジが連結される流体送達システムのアクチュエータによって作動されるように構成された隔膜ポンプであることを特徴とするカートリッジ。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のカートリッジにおいて、
前記液体容器を支持する支持手段をさらに備えることを特徴とするカートリッジ。
【請求項5】
請求項4に記載のカートリッジにおいて、
前記穿刺手段が、前記支持手段に取り付けられて、前記支持手段にセットされた容器が前記穿刺手段によって穿刺されるように構成されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項6】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のカートリッジにおいて、
前記導管が、
前記穿刺手段から前記ポンプ構成要素までの第一の連結手段と、
前記ポンプ構成要素から前記排出口接続部までの第二の連結手段と、
を備えることを特徴とするカートリッジ。
【請求項7】
請求項7に記載のカートリッジにおいて、
前記ポンプ構成要素が前記第一の連結手段と前記第二の連結手段との間の柔軟な導管であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載のカートリッジにおいて、
前記穿刺手段が通気弁を備えることを特徴とするカートリッジ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載のカートリッジに接続するための流体送達システムにおいて、
前記流体送達システムが、前記カートリッジの前記ポンプ構成要素を作動させるアクチュエータを備えることを特徴とする流体供給システム。
【請求項10】
請求項9に記載の流体供給システムにおいて、
前記アクチュエータが、カートリッジの前記導管と係合して、蠕動ポンプを形成するロータを備えることを特徴とする流体供給システム。
【請求項11】
請求項9に記載の流体供給システムにおいて、
前記アクチュエータが、カートリッジの隔膜ポンプを作動させるプッシュ/プルアクチュエータを備えることを特徴とする流体供給システム。
【請求項12】
流体供給システムにおいて、
液体容器を支持するように構成された支持手段を備え、前記支持手段が、
基底部であり、前記基底部から延びる第一の横方向延長部と第二の横方向延長部を備える基底部と、
前記第一の横方向延長部と前記第二の横方向延長部との間のスロットと、
前記支持手段に連結されたカートリッジと、を備え、前記カートリッジが流体送達システムと係合するように構成され、前記カートリッジが、
第一の端と第二の端を備えるハウジングと、
前記第一の端に近い第一の連結部材と、前記第二の端に近い第二の連結部材と、
保持部材に連結された穿刺手段であり、前記保持手段が前記支持手段の前記スロットと係合するように構成されている穿刺手段と、
前記穿刺手段と前記第一の連結部材に連結された導管と、を備え、
前記穿刺手段と前記第一の連結部材が流体連通していることを特徴とする流体供給システム。
【請求項13】
請求項12に記載の流体供給システムにおいて、
前記第一の横方向延長部と前記第二の横方向延長部が受容部を形成し、前記保持部材が前記スロットと係合すると、前記穿刺手段が前記受容部の中へと延びることを特徴とする流体供給システム。
【請求項14】
請求項13に記載の流体供給システムにおいて、
前記支持手段が前記受容部の中に挿入されるように構成された液体容器をさらに備えることを特徴とする流体供給システム。
【請求項15】
請求項14に記載の流体供給システムにおいて、
前記穿刺手段が、前記容器が前記支持手段の前記受容部の中に挿入されると前記液体容器を穿刺するように構成されていることを特徴とする流体供給システム。
【請求項16】
請求項14に記載の流体供給システムにおいて、
前記液体容器の上側部分が、支持部材係合部材を備えることを特徴とする流体供給システム。
【請求項17】
請求項16に記載の流体供給システムにおいて、
前記支持部材係合部材が延長部と開口部を備えることを特徴とする流体供給システム。
【請求項18】
請求項16に記載の流体供給システムにおいて、
前記支持部材係合部材が、治療用流体送達システムに連結された支持部材と係合するように構成されていることを特徴とする流体供給システム。
【請求項19】
請求項12に記載の流体供給システムにおいて、
前記支持手段の前記第一の横方向延長部と前記第二の横方向延長部が湾曲し、先細であることを特徴とする流体供給システム。
【請求項20】
請求項12に記載の流体供給システムにおいて、
前記流体供給システムが、下側支持面を有する制御部ハウジングを備える治療用流体送達システムに連結され、
前記スロットが前記下側支持面より上方に位置付けられることを特徴とする流体供給システム。
【請求項21】
請求項20に記載の流体供給システムにおいて、
前記保持部材が前記スロットと係合するとき、および前記制御部ハウジングの前記下側支持面が平坦面に置かれるときに、前記穿刺手段に連結された前記導管が閉塞しないことを特徴とする流体供給システム。
【請求項22】
請求項12に記載の流体供給システムにおいて、
前記第一の連結部材と前記第二の連結部材に連結された導管をさらに備えることを特徴とする流体供給システム。
【請求項23】
請求項22に記載の流体供給システムにおいて、
前記導管が、前記流体供給システムが治療用流体送達システムに連結されると、ポンプと係合するように構成されていることを特徴とする流体供給システム。
【請求項24】
請求項23に記載の流体供給システムにおいて、
前記ポンプが蠕動ポンプであることを特徴とする流体供給システム。
【請求項25】
請求項12に記載の流体供給システムにおいて、
前記カートリッジと前記支持手段が一体の構成要素であることを特徴とする流体供給システム。
【請求項26】
請求項12に記載の流体供給システムにおいて、
前記カートリッジと前記支持手段が別個の構成要素であることを特徴とする流体供給システム。
【請求項27】
液体容器を治療用流体送達システムと流体連通した状態で固定する方法において、
前記液体容器を受けるように構成された受容部を備える支持手段を提供するステップと、
前記支持手段に連結されたカートリッジを提供するステップと、を含み、
前記カートリッジが、前記治療用流体送達システムと係合するように構成され、
前記カートリッジが穿刺手段を備え、
前記穿刺手段を前記支持手段に係合させて、前記穿刺手段が前記受容部の中に延びるようにするステップと、
前記液体容器を前記支持手段の前記受容部にセットするステップと、
前記液体容器を前記穿刺手段で穿刺するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、
前記カートリッジが、第一の端と第二の端を備えるハウジングを備え、
前記カートリッジが、前記第一の端に近い第一の連結部材と前記第二の端に近い第二の連結部材とを備え、
前記穿刺手段が前記第一の連結部材と流体連通する導管に連結されることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項27に記載の方法において、
前記支持手段がスロットを備え、
前記穿刺手段が保持部材に連結され、
前記穿刺部材が前記受容部の中に延びると、前記保持部材が前記支持手段の前記スロットと係合することを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項27に記載の方法において、
前記支持手段が、基底部であって前記基底部から延びる第一の横方向延長部と第二の横方向延長部を備える基底部を備え、前記液体容器が前記受容部にセットされると、前記液体容器が前記基底部、前記第一の横方向延長部および前記第二の横方向延長部の間にセットされることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項27に記載の方法において、
前記液体容器の上側部分が支持部材係合部材を備え、前記治療用流体送達システムが支持部材を備えることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、
前記液体容器の前記支持部材係合部材を前記治療用流体送達システムの前記支持部材に係合させるステップをさらに含むことを特徴とする方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−517900(P2013−517900A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551262(P2012−551262)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2011/022571
【国際公開番号】WO2011/094306
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(505167473)ケーシーアイ ライセンシング インク (19)
【Fターム(参考)】