説明

流体吐出装置

【課題】作業性の向上を図る。
【解決手段】
第1流路を形成する第1流路形成部材には、第1流路を他の流路に接続するための第1継ぎ手と、ヘッド用の信号を伝達するための第1コネクタとを設ける。ヘッドと第1流路形成部材との間に配置され、第2流路を形成する第2流路形成部材には、第1継ぎ手に接続されることで第2流路を第1流路に連通させる第2継ぎ手と、第1コネクタに接続されることでヘッド用の信号を伝達する第2コネクタとを設ける。第1流路形成部材との間の所定方向への相対的な移動により、第1継ぎ手と第2継ぎ手との脱着と共に第1コネクタと第2コネクタとの脱着が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体吐出装置の一種であるインクジェットプリンタには、用紙の幅方向に複数のノズルを設けた、所謂ラインヘッドを有するものが提案されている。そして、このプリンタには、複数の短尺ヘッドをベース基板に取り付けたラインヘッドを有するものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2005−329595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなプリンタにおいて、ヘッドにはインクの吐出を制御するための各種の信号を送信する必要がある。この点、前述のプリンタの構成を採った場合、各短尺ヘッドをベース基板に取り付け、それとは別に配線の接続を行うことが通常である。そして、ヘッドのベース基板への取り付けと必要な配線作業とを別に行った場合、作業性が悪いという問題があった。特に複数の短尺ヘッドをベース基板に取り付ける構成では、それが顕著であった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための主たる発明は、
(A)流体を吐出するヘッドと、
(B)前記ヘッドで吐出される流体用の第1流路を形成する第1流路形成部材であって、
(B1)前記第1流路を他の流路に接続するための第1継ぎ手と、
(B2)前記ヘッド用の信号を伝達するための第1コネクタと、
を有する第1流路形成部材と、
(C)前記ヘッドと前記第1流路形成部材との間に配置され、前記流体用の第2流路を形成する第2流路形成部材であって、
(C1)前記第1継ぎ手に接続されることで前記第2流路を前記第1流路に連通させる第2継ぎ手と、
(C2)前記第1コネクタに接続されることで前記ヘッド用の信号を伝達する第2コネクタと、を有し、
(C3)前記第1流路形成部材との間の所定方向への相対的な移動により、前記第1継ぎ手と前記第2継ぎ手との脱着と共に前記第1コネクタと前記第2コネクタとの脱着が行われる第2流路形成部材と、
(D)を有する、流体吐出装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0007】
すなわち、(A)流体を吐出するヘッドと、(B)前記ヘッドで吐出される流体用の第1流路を形成する第1流路形成部材であって、(B1)前記第1流路を他の流路に接続するための第1継ぎ手と、(B2)前記ヘッド用の信号を伝達するための第1コネクタと、を有する第1流路形成部材と、(C)前記ヘッドと前記第1流路形成部材との間に配置され、前記流体用の第2流路を形成する第2流路形成部材であって、(C1)前記第1継ぎ手に接続されることで前記第2流路を前記第1流路に連通させる第2継ぎ手と、(C2)前記第1コネクタに接続されることで前記ヘッド用の信号を伝達する第2コネクタと、を有し、(C3)前記第1流路形成部材との間の所定方向への相対的な移動により、前記第1継ぎ手と前記第2継ぎ手との脱着と共に前記第1コネクタと前記第2コネクタとの脱着が行われる第2流路形成部材と、(D)を有する、流体吐出装置を実現できることが明らかにされる。
このような流体吐出装置によれば、第1流路形成部材と第2流路形成部材との間の所定方向への相対的な移動により、第1継ぎ手と第2継ぎ手との脱着と共に第1コネクタと第2コネクタとの脱着が行われるので、作業性の向上が図れる。
【0008】
かかる流体吐出装置であって、前記第1流路形成部材は、装置本体側に取り付けられ、前記第2流路形成部材は、前記ヘッドとともに、前記第1流路形成部材に対して脱着されることが好ましい。
このような流体吐出装置によれば、第2流路形成部材の脱着と共にヘッドの脱着もできるので、作業性の向上が図れる。
【0009】
かかる流体吐出装置であって、前記第2コネクタは、前記第1コネクタに接続された状態において、前記第1継ぎ手と前記第2継ぎ手の接続位置よりも上方に位置することが好ましい。
このような流体吐出装置によれば、流体が各コネクタに付着して生じる不具合を有効に防止できる。
【0010】
かかる流体吐出装置であって、前記第2流路形成部材では、前記第1流路形成部材との間の上下方向への相対的な移動により、前記第1継ぎ手と前記第2継ぎ手との脱着と共に前記第1コネクタと前記第2コネクタとの脱着が行われることが好ましい。
このような流体吐出装置によれば、流体が各コネクタに付着して生じる不具合をより有効に防止できる。
【0011】
かかる流体吐出装置であって、前記ヘッドは、媒体の最大幅よりも狭い範囲で流体を吐出する、複数のノズルを有する短尺ヘッドであって、前記複数のノズルが少なくとも前記媒体の幅全体に渡って配置されるように複数設けられた短尺ヘッドであることが好ましい。
このような流体吐出装置によれば、製造が容易な短尺ヘッドを複数用いているので、製造の容易化が図れる。
【0012】
かかる流体吐出装置であって、前記第2流路形成部材には、前記短尺ヘッドが取り付けられていることが好ましい。
このような流体吐出装置によれば、ヘッドの取り付けが容易になる。
【0013】
かかる流体吐出装置であって、前記ヘッドは、前記媒体の最大幅以上の範囲に流体を吐出できるように、複数のノズルが設けられた長尺ヘッドであることが好ましい。
このような流体吐出装置によれば、ヘッドが長尺ヘッドであるため、装置の小型化が図れる。
【0014】
かかる流体吐出装置であって、前記第2流路形成部材は、前記長尺ヘッドと一体に設けられていることが好ましい。
このような流体吐出装置によれば、装置の小型化が図れる。
【0015】
かかる流体吐出装置であって、前記第1コネクタと前記第2コネクタの組は、前記長尺ヘッドにおける長尺方向の或る部分で短尺方向の一端側に設けられ、他の部分で前記短尺方向の他端側に設けられていることが好ましい。
このような流体吐出装置によれば、コネクタを必要十分な数にできる。
【0016】
===第1実施形態===
<プリンタ1の概要>
図1は、プリンタ1の構成を説明するブロック図である。例示したプリンタ1は、流体吐出装置に相当し、用紙、布、フィルム等の媒体に向けて、流体の一種であるインクを吐出する。このプリンタ1では、ブラック、シアン、マゼンタ、及び、イエローからなる4色のインクを吐出する。媒体は、流体が吐出される対象となる対象物であり、例えば用紙である。
【0017】
プリンタ1は、用紙搬送機構10、駆動信号生成回路20、ヘッドユニット30、インク供給機構40、インク回収機構50、検出器群DG、及び、プリンタ側コントローラ60を有する。
【0018】
用紙搬送機構10は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当し、媒体としての用紙を所定の搬送方向へ搬送する。駆動信号生成回路20は、駆動信号生成部として機能し、インクを吐出させるために用いられる駆動信号を生成する。この駆動信号は、ヘッドユニット30が有するヘッド32に供給される。そして、駆動信号は、ヘッド32が有する駆動素子(発熱素子やピエゾ素子,図示せず。)へ印加される。
【0019】
ヘッドユニット30は、ヘッド制御部31とヘッド32とを有する。ヘッド制御部31は、駆動信号の駆動素子への印加を制御する。本実施形態のヘッド制御部31は、プリンタ側コントローラ60から送信されるヘッド制御信号(ヘッド用の信号の一種)に基づき、駆動信号における必要部分を駆動素子に印加する。ヘッド32は、短尺ヘッドの一種であり、ノズルからインクを吐出させる。図3に示すように、本実施形態のヘッドユニット30は、複数のヘッド32を有している。なお、ヘッドユニット30については、後で説明する。
【0020】
インク供給機構40は、ヘッドユニット30が有する複数のヘッド32に対してインクを供給する。図1に示すように、インク供給機構40は、インクカートリッジ41、加圧ポンプ42、及び、流路形成部材70を有する。このプリンタ1では、4色のインクを用いて印刷を行う。このため、インクカートリッジ41には、4色のインクが貯留されている。なお、インク供給機構40についても、後で説明する。
【0021】
インク回収機構50は、複数のヘッド32から排出されるインクを回収する。このインク回収機構50は、キャップユニット51や吸引ポンプ53等を有する。このインク回収機構50についても後で説明する。
【0022】
検出器群DGは、プリンタ1の状況を監視する各種の検出器を有する。複数の検出器の中には、用紙の搬送量を検出する搬送量検出器や用紙の有無を検出する用紙センサが含まれる。そして、各検出器による検出結果は、プリンタ側コントローラ60に出力される。
【0023】
プリンタ側コントローラ60は、プリンタ1における制御の中心となる部分であり、コンピュータCPと通信可能に接続するためのインタフェース61と、全体的な制御を行う演算処理装置としてのCPU62と、CPU62に用いられる各種の情報を記憶するメモリ63とを有する。そして、プリンタ側コントローラ60は、コンピュータCPから受け取った印刷データや検出器群DGによる検出結果に基づいて各部を制御し、用紙に画像を印刷させる。例えば、用紙搬送機構10に対して搬送信号を出力し、用紙を搬送させる。インク供給機構40に対しては加圧信号や選択信号を出力し、インクを各ヘッド32に供給させる。インク回収機構50に対しては、キャッピング信号や吸引信号を出力し、ヘッド32から排出されたインクを回収させる。
【0024】
===プリンタ1の要部===
<ヘッドユニット30について>
図2に示すように、ヘッドユニット30はフレーム33を有している。フレーム33は、プリンタ1における筐体に取り付けられている。そして、フレーム33には、流路形成部材70を介して複数のヘッド32が取り付けられる。ヘッドユニット30が有する各ヘッド32は、複数のノズルを有している。このノズルは、インクが吐出される部分である。複数のノズルは、吐出されるインクの種類毎にグループ化されており、所定方向に所定ピッチで設けられてノズル列321(図3を参照)を構成している。
【0025】
ノズル列321は、用紙の最大幅よりも狭い範囲でインクを吐出する長さに定められ、例えば色毎に設けられる。プリンタ1(ヘッドユニット30)への取り付け状態において、或るノズル列321に属する複数のノズルは、用紙の幅方向である紙幅方向に並ぶ。なお、紙幅方向は、用紙の搬送方向に対して交差する交差方向に相当し、搬送方向と直交する方向に定められる。このプリンタ1では4色のインクが吐出されるので、1つのヘッド32には、4つのノズル列321が設けられている。そして、1つのヘッド32が有する複数のノズル列321は、搬送方向に間隔を空けて設けられる。
【0026】
また、各ヘッド32は、互いに位置をずらして配置されている。詳しくは、最大サイズの用紙における紙幅方向の全体に渡ってノズルが等間隔で配置されるように位置をずらして配置される。このため、用紙の1回の搬送によって、この用紙における所望の位置に画像を印刷できる。要するに、このプリンタ1では、複数の短尺ヘッドを用いてラインヘッドを作製しているといえる。
【0027】
このような短尺ヘッドは、長尺ヘッドに比べて歩留まりがよい。ここで、長尺ヘッドとは、ノズル列の長さが最大サイズの用紙における紙幅以上のヘッドのことである。そして、歩留まりのよい短尺ヘッドを複数用いてラインヘッドを作製すると、ラインヘッドの製造に際して容易化が図れる。また、不具合のある短尺ヘッドについては交換することで対応ができるので、この点でも製造の容易化が図れる。
【0028】
<インク供給機構40について>
図1に示すように、インク供給機構40は、インクカートリッジ41と、カートリッジ用加圧ポンプ42と、流路形成部材70とを有する。
【0029】
インクカートリッジ41は、流体を貯留する流体貯留部の一種であり、ユーザによって交換できるような形態で設けられている。図2に示すように、インクカートリッジ41は、ケース411と、ケース411の内部に収容されたインクパック(図示せず)とを有する。ケース411の内部は気密に設けられており、ケース411に設けた弁体(図示せず)を通じてインクパックが加圧されるようになっている。また、インクカートリッジ41は、吐出されるインクの種類毎に設けられている。従って、このプリンタ1では、4色のインクのそれぞれについてインクカートリッジ41が用意される。
【0030】
各インクカートリッジ41には、インクチューブ43の一端が連通される。インクチューブ43は、複数のインクカートリッジ41のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、流体の種類毎に設けられている。インクチューブ43の他端は、流路形成部材70に接続されている。従って、インクカートリッジ41からのインクは、インクチューブ43を介して流路形成部材70に供給される。カートリッジ用加圧ポンプ42は、インクカートリッジ41内のインクを加圧するためのものである。このプリンタ1では、インクチューブ43を介して、インクカートリッジ41に貯留されたインクを流路形成部材70に供給している。このようにインクチューブ43を介してインクを供給する場合、十分な圧力差を与えることで、インクをヘッドユニット30に対して確実に供給できる。カートリッジ用加圧ポンプ42は、インクの供給圧力を確保すべく、インクカートリッジ41におけるケース411の内部を空気で加圧する。なお、カートリッジ用加圧ポンプ42は、プリンタ側コントローラ60からの加圧信号によって動作する。
【0031】
流路形成部材70は、インクカートリッジ41側から供給されたインク(流体)を、各ヘッド32に供給するものである。流路形成部材70は、フレーム33に取り付けられる共通流路形成部材71と、ヘッド32が取り付けられるとともに共通流路形成部材71に脱着される個別流路形成部材72とを有する(図3を参照。)。なお、これらの部材については、後で説明する。
【0032】
<インク回収機構50について>
図1に示すように、インク回収機構50は、キャップユニット51と、移動機構52と、吸引ポンプ53と、インク回収部54とを有する。
【0033】
キャップユニット51は、複数のキャップ511を有する(図3を参照。)。各キャップ511は、ノズルとの対向面が開口した箱状の部材であり、ヘッド32から排出されたインクを内側の空間で受ける。このため、各キャップ511は、ヘッド32のノズル面に対向する位置に配置され、移動機構52によって、ヘッドユニット30に対して近接する方向と、離隔する方向とに移動可能に設けられている。
【0034】
各キャップ511は、ヘッド32を正常な状態にするためのメンテナンス時などに用いられる。例えば、ノズル内のインクを強制的に吐出させるフラッシング時において、各キャップ511は吐出されたインクを受ける。また、ヘッド32内のインクを強制的に吸い出す吸引クリーニング時にて、各キャップ511はノズル面に当接されて、ヘッド32から吸い出されたインクを受ける。これらのフラッシングや吸引クリーニングは、増粘インクをヘッド32から除去するために行われる。また、ヘッド32内の気泡を除去する場合にも行われる。
【0035】
吸引ポンプ53は、前述した吸引クリーニングなどに用いられるものであり、キャップ511の内側空間に負圧を発生させる。この吸引ポンプ53としては、例えばチューブポンプが用いられる。このプリンタ1では、図2に示すように、キャップ511の数に応じた数の吸引ポンプ53が設けられている。
【0036】
インク回収部54は、各キャップ511が受けたインクを回収する部分であり、例えばインクの吸収体と、この吸収体を収納するケースとを有する(何れも図示せず。)。そして、各キャップ511との間は、チューブ541によって接続されている。
【0037】
===流路形成部材70の詳細===
<共通流路形成部材71について>
図4A及び図4Bに示すように、流路形成部材70が有する共通流路形成部材71は、その内部に共通流路71aが設けられた部材である。共通流路71aは、複数のヘッド32に供給すべくインクを流す流路であり、第1流路に相当する。従って、共通流路形成部材71は、第1流路形成部材に相当する。共通流路71aは、インクの種類に対応する数が設けられる。このプリンタ1では、色の異なる4種類のインクをヘッド32から吐出させる。このため、共通流路形成部材71には、各色のインクに対応させて4本の共通流路71aが設けられる。
【0038】
共通流路形成部材71には共通側継ぎ手71bが設けられる。共通側継ぎ手71bは、共通流路71aを他の流路に接続するための部分であり、第1継ぎ手に相当する。この共通側継ぎ手71bは、円筒部71cと、パッキン71dと、弁体71eと、スプリング71fとを有する。円筒部71cは、共通流路形成部材71の底面に突設されている。円筒部71cの内側は、インク流路(便宜上、接続用流路71gともいう。)として用いられる。この接続用流路71gは、共通流路71aに連通されている。また、円筒部71cは、複数の共通流路71aのそれぞれについて設けられる。このプリンタ1では、4つの共通流路71aが設けられているので、円筒部71cも4つ設けられている。パッキン71dは、液体を透過しない性質を有する弾性部材であり、円筒部71cにおける先端部分に嵌め込まれている。パッキン71dの中心部には、肉厚方向を貫通する挿入孔が設けられている。この挿入孔には、個別流路形成部材72が有する導入針部72b(第2継ぎ手に相当する。)が挿入される。このパッキン71dは、導入針部72bが挿入孔に挿入された状態で、導入針部72bの周囲に液密な状態で接触し、インクの漏れを抑制する。弁体71eは、接続用流路71g内に配置され、パッキン71dの挿入孔(開口)を塞いだり開放したりする。スプリング71fは、弁体71eに対してパッキン71d側への押圧力を付与する。
【0039】
導入針部72bが挿入されていない状態(非挿入状態)において、スプリング71fは弁体71eをパッキン71d側に押圧する。これにより、図4Bの右側に位置する円筒部71cのように、パッキン71dの挿入孔は、弁体71e(一点鎖線で示す)によって塞がれる。その結果、接続用流路71g内のインクが外部に漏れてしまう不具合が抑制される。一方、導入針部72bが挿入されている状態(挿入状態)において弁体71eは、図4Bに実線で示すように、導入針部72bに押されてスプリング71f側に移動し、パッキン71dから離れる。これにより、導入針部72bにおける先端部分は、接続用流路71g内に位置し、接続用流路71gのインクは、この開口を通じて個別流路形成部材72側に流入する。
【0040】
共通流路形成部材71には、配線基板73と雄コネクタ74が取り付けられている。配線基板73には、ヘッド制御信号などの各種の信号を伝達する配線が設けられている。ヘッド制御信号としては、例えば、駆動素子に印加される駆動信号、クロック信号、及び、ドットの有無等を示すドット形成データがある。雄コネクタ74は、ヘッド制御信号等を各ヘッド32に伝達すべく、個別流路形成部材72に設けられた雌コネクタ76(後述する。)に接続される部材であり、ヘッド用の信号を伝達するための第1コネクタに相当する。このプリンタ1において、雄コネクタ74は、個別流路形成部材72に応じた数が設けられる。これらの配線基板73と雄コネクタ74は、共通流路形成部材71が有する両側のフランジ部71hのそれぞれに取り付けられている。配線基板73及び雄コネクタ74は、フランジ部71hにおける共通側継ぎ手71b側の面に取り付けられる。ここで、各共通側継ぎ手71bは、雄コネクタ74よりもフランジ部71hから遠い位置に設けられている。そして、共通流路形成部材71は、各共通側継ぎ手71bが下方に位置する向きでフレーム33に取り付けられる。このため、共通流路形成部材71の取り付け状態において、雄コネクタ74は、各共通側継ぎ手71bよりも上方に位置する。
【0041】
<個別流路形成部材72について>
流路形成部材70が有する個別流路形成部材72は、その内部に個別流路72aが設けられた部材である。個別流路72aは、特定のヘッド32に供給されるインクを流すための流路であり、第2流路に相当する。従って、個別流路形成部材72は、第2流路形成部材に相当する。なお、このプリンタ1では、個別流路形成部材72に取り付けられた1つのヘッド32が特定の短尺ヘッドに相当する。個別流路72aは、個別流路形成部材72におけるヘッド32の取り付け面からその反対面まで、個別流路形成部材72を貫通するように設けられた孔であり、共通流路71aを通じて供給されたインクをヘッド32へ供給する。この個別流路72aもまた、インクの種類に対応する数が設けられる。すなわち、各色のインクに対応させて4本の個別流路72aが設けられる。
【0042】
個別流路形成部材72におけるヘッド32の取り付け面とは反対側の面には、導入針部72bが形成されている。便宜上、以下の説明では、この面のことを針部形成面72cともいう。前述したように、導入針部72bは、共通側継ぎ手71bに挿入されるものである。この導入針部72bは、先端が斜めに加工された中空管であり、内部空間が個別流路72aの一部分となっている。このような導入針部72bは、第1継ぎ手に接続されることで第2流路を第1流路に連通させる第2継ぎ手に相当する。そして、針部形成面72cには、インクの種類に対応して4本の導入針部72bが突設されている。導入針部72bの先端が斜めに加工されているのは、弁体71eを押し上げた状態において、接続用流路71g内に開口を臨ませるためである。これにより、弁体71eを押し上げた状態でも開口が塞がれずに済み、接続用流路71gのインクを個別流路72aに導入することができる。
【0043】
導入針部72bの並び方向における導入針部72bよりも外側の位置には、針部形成面72cよりも突出した状態で、一対のガイド壁部72dが設けられている。これらのガイド壁部72dは、個別流路形成部材72を共通流路形成部材71に取り付ける際に、個別流路形成部材72をガイドする。このプリンタ1では、ガイド壁部72dにおける内側の側面同士の間隔は、共通流路形成部材71の本体部分(フランジ部71hを除いた部分)の幅よりも多少広くなっている。このため、個別流路形成部材72を共通流路形成部材71に取り付ける際に、ガイド壁部72dにおける内側の側面が共通流路形成部材71の側面に適宜当接して移動方向を規制する。
【0044】
ガイド壁部72dの内部には、ガイド壁部72dの先端面からヘッド32取り付け面まで貫通するケーブル用貫通穴72eが設けられる。すなわち、ガイド壁部72dは中空状に設けられている。ケーブル用貫通穴72eは、配線ケーブル75を挿入するためのものである。この配線ケーブル75は、ヘッド32に対してヘッド用の信号を伝達する。このため、配線ケーブル75の一端は雌コネクタ76に接続され、他端はヘッド32に接続されている。そして、雌コネクタ76は、ガイド壁部72dの先端面に接合される。例示した個別流路形成部材72では、一対のガイド壁部72dのそれぞれに雌コネクタ76が接合さされている。この雌コネクタ76は、雄コネクタ74に接続されることで、ヘッド用の信号をヘッド32に伝達する。このため、雌コネクタ76は、第1コネクタに接続されることでヘッド用の信号を伝達する第2コネクタに相当する。
【0045】
<個別流路形成部材72の取り付けについて>
次に、個別流路形成部材72の共通流路形成部材71に対する脱着について説明する。この第1実施形態では、共通流路形成部材71がフレーム33を介してプリンタ1の筐体に取り付けられている。そして、ヘッド32が取り付けられた個別流路形成部材72を、共通流路形成部材71に対して所定方向へ移動させることで、共通側継ぎ手71b(第1継ぎ手)と導入針部72b(第2継ぎ手)との脱着と共に雄コネクタ74(第1コネクタ)と雌コネクタ76(第2コネクタ)との脱着が行われる。以下、説明する。
【0046】
まず、個別流路形成部材72を共通流路形成部材71に取り付ける場合について説明する。この場合、個別流路形成部材72にはヘッド32を予め取り付けておく。そして、図4Aに示すように、導入針部72bを共通側継ぎ手71bに対向させた状態で、個別流路形成部材72を共通流路形成部材71よりも下方に位置付ける。次に、個別流路形成部材72の位置を調整する。すなわち、各雄コネクタ74の真下に対応する雌コネクタ76が位置するように、個別流路形成部材72の位置を調整する。位置を調整したならば、個別流路形成部材72を上方に移動させる。このとき、各雌コネクタ76が対応する雄コネクタ74に丁度はまるように、個別流路形成部材72を持ち上げる。
【0047】
このとき、共通流路形成部材71によって、共通側継ぎ手71b及び導入針部72bは隠れた状態になっている。しかし、各雄コネクタ74と各雌コネクタ76とを位置あわせすることで、各共通側継ぎ手71bと各導入針部72bについても位置あわせができる。このため、共通側継ぎ手71b及び導入針部72bが作業者から隠れた状態になっていても、これらの接続を確実に行うことができる。
【0048】
個別流路形成部材72を持ち上げると、共通側継ぎ手71bに導入針部72bが挿入される。このとき、共通側継ぎ手71bが有するパッキン71dが導入針部72bの動きに追従して変形する。このため、導入針部72bが多少ぶれて移動したとしても、インクの漏れを抑制できる。共通側継ぎ手71bと導入針部72bの接続に伴って各雌コネクタ76と各雄コネクタ74も接続される。これにより、配線基板73側の配線と配線ケーブル75側の配線とが導通され、ヘッド用の信号がヘッド32に伝達される。このため、コネクタの接続を別途行わなくても済み、作業性の向上が図れる。
【0049】
そして、図4Bに示すように、個別流路形成部材72が共通流路形成部材71に取り付けられた状態において、各コネクタ74,76は、共通側継ぎ手71b及び導入針部72bよりも上方に位置している。このため、導入針部72bの共通側継ぎ手71bへの挿入に伴ってインクが多少漏れてしまったとしても、漏れたインクが各コネクタ74,76に到達することは防止される。このため、漏れたインクによって各コネクタ74,76が汚損されてしまう不具合を確実に防止できる。
【0050】
また、この取り付け状態では、導入針部72bが弁体71eを上方に押し上げており、かつ、導入針部72bの先端が斜めに開口しているので、接続用流路71gを通じて、共通流路71aを流れるインクを個別流路72aへ確実に導入できる。
【0051】
次に、個別流路形成部材72を共通流路形成部材71から取り外す場合について説明する。この場合、個別流路形成部材72を、取り付け時とは反対向きに移動させる。すなわち、個別流路形成部材72を下方向に移動させる。これにより、雌コネクタ76が雄コネクタ74から取り外され、これに伴って導入針部72bが共通側継ぎ手71bから引き抜かれる。ここで、弁体71eは、スプリング71fによってパッキン71d側に押圧されているので、導入針部72bの移動に伴って移動する。そして、導入針部72bがパッキン71dから抜かれると、弁体71eは、パッキン71dに設けられた挿入孔(開口)を内側から塞ぐ。これにより、インクの漏れを抑制することができる。なお、万一、インクが漏れてしまったとしても、取り外し時においては雌コネクタ76が導入針部72bよりも上方に位置しているので、漏れたインクによって雌コネクタ76が汚損されてしまうことを防止できる。
【0052】
<まとめ>
以上説明したように、このプリンタ1では、個別流路形成部材72を上下方向に移動させることで、共通側継ぎ手71bと導入針部72bとの脱着と共に雄コネクタ74と雌コネクタ76との脱着が行われる。これにより、コネクタの接続作業を別途行わなくて済み、作業性の向上が図れる。
【0053】
また、共通流路形成部材71はフレーム33に取り付けられており、この共通流路形成部材71に対してヘッド32が取り付けられた状態の個別流路形成部材72を脱着している。このため、個別流路形成部材72の脱着と共にヘッド32の脱着もでき、作業性の向上が図れる。
【0054】
雌コネクタ76に関し、この雌コネクタ76は、雄コネクタ74との接続状態において、共通側継ぎ手71bと導入針部72bとの接続位置よりも上方に位置する。このため、インクが各コネクタ74,76に付着してしまう不具合を確実に防止できる。
【0055】
===第2実施形態===
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態のプリンタでは、主に(1)所謂長尺ヘッドを用いている点、(2)個別流路形成部材が長尺ヘッドと一体的に設けられている点、(3)雄コネクタと雌コネクタの組が、長尺ヘッドにおける長尺方向の或る部分では短尺方向の一端側に設けられ、長尺方向の他の部分では短尺方向の他端側に設けられている点に特徴を有している。以下、説明する。
【0056】
<ヘッド34について>
図5A,図5Bに示すように、このプリンタ1が有するヘッド34では、複数のノズル341がヘッド34の長手方向に沿って所定ピッチで並んだ状態で設けられ、ノズル列342を構成している。図6A,図6Bに示すように、ヘッド34は、その長手方向が紙幅方向(搬送方向とほぼ直交する方向)と揃う向きに取り付けられている。このため、ノズル列342も紙幅方向に沿って設けられる。そして、ノズル列342の長さは、最大サイズの用紙における紙幅よりも長く定められる。すなわち、複数のノズル341は、用紙(媒体)の最大幅以上の範囲にインクを吐出できるように配置されている。従って、ヘッド34は所謂長尺ヘッドに相当する。このヘッド34(長尺ヘッド)を備えるプリンタ1では、用紙の1回の搬送によって、この用紙における所望の位置に画像を印刷できる。このノズル列342は、吐出されるインクの色毎(流体の種類毎)に複数設けられている。このヘッド34では4色のインクを吐出するので、ノズル列342が4つ設けられている。これらのノズル列342は、搬送方向に位置をずらして設けられている。
【0057】
また、図5B,図6Bに示すように、このヘッド34は、複数のユニット34A〜34Eを接合することによって長尺化を実現している。そして、共通流路71aからのインクの供給は、ユニット毎になされる。このため、各ユニット34A〜34Eには、導入針部343aと個別流路343bの組が複数設けられている。そして、各導入針部343a及び各個別流路343bは、各ユニット34A〜34Eのケース部343に設けられている。すなわち、このヘッド34では、ケース部343が、第2流路(個別流路343b)を形成するための第2流路形成部材になっている。言い換えれば、第2流路形成部材がヘッド34(長尺ヘッド)と一体に構成されているといえる。これにより、装置の小型化が図れる。
【0058】
また、このヘッド34では、ガイド壁部343cを各ユニット34A〜34Eに1つずつ設けている。そして、各ガイド壁部343cの先端面に雌コネクタ35を取り付けている。例えば、2つの雌コネクタ35を並べた状態で取り付けている。これにより、図6Bに示すように、雄コネクタ74と雌コネクタ35の組は、搬送方向の上流側と下流側のそれぞれにおいて、ヘッド34の長尺方向に間隔をあけて設けられる。すなわち、ヘッド34における長尺方向の或る部分で短尺方向の一端側に設けられ、他の部分で短尺方向の他端側に設けられる。
【0059】
<まとめ>
第2実施形態のプリンタ1でも、共通流路形成部材71がフレーム33を介してプリンタ1の筐体に取り付けられている。そして、ヘッド34を共通流路形成部材71に対して上下方向へ移動させることで、共通側継ぎ手71bと導入針部343aとの脱着と共に雄コネクタ74と雌コネクタ35との脱着が行われる。このため、コネクタの接続を別途行わなくて済み、作業性の向上が図れる。
【0060】
そして、第2実施形態のヘッド34は所謂長尺ヘッドであるので、第1実施形態のものに比べて小型化が図れるという利点を有する。加えて、個別流路343bや導入針部343aがヘッド34におけるケース部343に設けられているので、この点でも小型化が図れるという利点を有する。
【0061】
また、雄コネクタ74と雌コネクタ35の組は、ヘッド34における長尺方向の或る部分で短尺方向の一端側に設けられ、他の部分で短尺方向の他端側に設けられるので、コネクタを必要十分な数に定めることができる。また、ヘッド34は、共通流路形成部材71に対して、各コネクタによって支持されている。そして、コネクタの組を短尺方向の一端側と他端側のそれぞれに分散させて設けているので、ヘッド34を、共通流路形成部材71に対して十分な強さで支持できる。
【0062】
===その他の実施形態===
前述した実施形態は、プリンタ1について記載されているが、その中には、流体吐出装置や流体吐出方法の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0063】
<個別流路形成部材72等の脱着について>
前述の第1実施形態では、プリンタ1の本体部に取り付けられた状態の共通流路形成部材71に対し、ヘッド34が取り付けられた状態の個別流路形成部材72を脱着していたが、この構成に限定されない。例えば、個別流路形成部材72を取り付けたままで共通流路形成部材71をフレーム33から取り外し、その後に共通流路形成部材71と個別流路形成部材72とを脱着するようにしてもよい。この場合、共通流路形成部材71と個別流路形成部材72との間の所定方向への相対的な移動により、共通側継ぎ手71bと導入針部72bとの脱着と共に雄コネクタ74と雌コネクタ76との脱着が行われる。
【0064】
<継ぎ手について>
前述した各実施形態では、第1継ぎ手として、共通流路形成部材71に設けた共通側継ぎ手71bを例示し、第2継ぎ手として、個別流路形成部材72やヘッド34のケースに設けた導入針部72b,343aを例示した。第1継ぎ手及び第2継ぎ手は、これらに限定されるものではない。すなわち、第1流路(例えば共通流路71a,343b)と第2流路(例えば個別流路72a,343b)とを接続するものであればよい。
【0065】
<コネクタの形状について>
第1実施形態において、一方のガイド壁部72dに設けられる雌コネクタ76と他方のガイド壁部72dに設けられる雌コネクタ76の形状を異ならせ、かつ、共通流路形成部材71側に設けられる雄コネクタ74の形状を、対応する雌コネクタ76に適合したものとしてもよい。このようにすると、コネクタ74,76の形状に基づいて個別流路形成部材72の向きを判断できる。従って、取り付けの向きを間違えてしまう不具合を事前に防止できる。
【0066】
<脱着方向について>
前述した各実施形態において、脱着方向は上下方向であったが、上下方向に限られない。例えば斜め上下方向であってもよい。要するに、所定方向の相対移動によって脱着が行われればよい。
【0067】
<流体吐出装置について>
前記実施形態では、流体吐出装置をインクジェット方式のプリンタ1に具体化したが、これに限定されず、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体、流体として流して吐出できる固体を含む)を、吐出若しくは噴射する流体吐出装置に具体化することもできる。
【0068】
例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を吐出する液状体吐出装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する液体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置であってもよい。
【0069】
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液体吐出装置、ジェルを吐出する流状体吐出装置、トナーなどの粉体を例とする固体を吐出する粉体吐出式記録装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の吐出装置に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】プリンタの構成を説明するブロック図である。
【図2】ヘッドユニット及びその周辺部分を説明する斜視図である。
【図3】ヘッド等を説明する斜視図である。
【図4】図4Aは、流路形成部材を説明する斜視図である。図4Bは、流路形成部材を説明する断面図である。
【図5】図5Aは、第2実施形態に関し、共通流路形成部材とヘッドを説明する図である。図5Bは、第2実施形態に関し、ヘッドをノズル面側からみた図である。
【図6】図6Aは、第2実施形態に関し、共通流路形成部材及びヘッドを、筐体に取り付けた状態の説明図である。図6Bは、第2実施形態に関し、共通流路形成部材とヘッドとを離した状態を説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0071】
1 プリンタ,30 ヘッドユニット,32 ヘッド,
321 ノズル列,33 フレーム,34 ヘッド,
34A〜34E ユニット,341 ノズル,342 ノズル列,
343 ケース部,343a 導入針部,343b 個別流路,
343c ガイド壁部,35 雌コネクタ,70 流路形成部材,
71 共通流路形成部材,71a 共通流路,
71b 共通側継ぎ手,71c 円筒部,71d パッキン,
71e 弁体,71f スプリング,71g 接続用流路,
72 個別流路形成部材,72a 個別流路,72b 導入針部,
72c 針部形成面,72d ガイド壁部,73 配線基板,
74 雄コネクタ,75 配線ケーブル,76 雌コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)流体を吐出するヘッドと、
(B)前記ヘッドで吐出される流体用の第1流路を形成する第1流路形成部材であって、
(B1)前記第1流路を他の流路に接続するための第1継ぎ手と、
(B2)前記ヘッド用の信号を伝達するための第1コネクタと、
を有する第1流路形成部材と、
(C)前記ヘッドと前記第1流路形成部材との間に配置され、前記流体用の第2流路を形成する第2流路形成部材であって、
(C1)前記第1継ぎ手に接続されることで前記第2流路を前記第1流路に連通させる第2継ぎ手と、
(C2)前記第1コネクタに接続されることで前記ヘッド用の信号を伝達する第2コネクタと、を有し、
(C3)前記第1流路形成部材との間の所定方向への相対的な移動により、前記第1継ぎ手と前記第2継ぎ手との脱着と共に前記第1コネクタと前記第2コネクタとの脱着が行われる第2流路形成部材と、
(D)を有する、流体吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流体吐出装置であって、
前記第1流路形成部材は、
装置本体側に取り付けられ、
前記第2流路形成部材は、
前記ヘッドとともに、前記第1流路形成部材に対して脱着される、流体吐出装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の流体吐出装置であって、
前記第2コネクタは、
前記第1コネクタに接続された状態において、前記第1継ぎ手と前記第2継ぎ手の接続位置よりも上方に位置する、流体吐出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の流体吐出装置であって、
前記第2流路形成部材では、
前記第1流路形成部材との間の上下方向への相対的な移動により、前記第1継ぎ手と前記第2継ぎ手との脱着と共に前記第1コネクタと前記第2コネクタとの脱着が行われる、流体吐出装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れかに記載の流体吐出装置であって、
前記ヘッドは、
前記媒体の最大幅よりも狭い範囲で流体を吐出するように複数のノズルが設けられた短尺ヘッドであって、前記複数のノズルが少なくとも前記媒体の幅全体に渡って配置されるように複数設けられた短尺ヘッドである、流体吐出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の流体吐出装置であって、
前記第2流路形成部材には、
前記短尺ヘッドが取り付けられている、流体吐出装置。
【請求項7】
請求項1から請求項4の何れかに記載の流体吐出装置であって、
前記ヘッドは、
前記媒体の最大幅以上の範囲に流体を吐出できるように、複数のノズルが設けられた長尺ヘッドである、流体吐出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の流体吐出装置であって、
前記第2流路形成部材は、
前記長尺ヘッドと一体に設けられている、流体吐出装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の流体吐出装置であって、
前記第1コネクタと前記第2コネクタの組は、
前記長尺ヘッドにおける長尺方向の或る部分で短尺方向の一端側に設けられ、他の部分で前記短尺方向の他端側に設けられている、流体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−12273(P2009−12273A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176016(P2007−176016)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】