流体薬剤送達装置
【課題】 患者への流体の経皮送達用の流体送達装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 本装置は、患者の皮膚に貼ることができるエンベロープを備える。エンベロープは、少なくともチャンバ(22)がそれらの間に確定されるように、少なくとも1つの不透過層(18)とカップリングした少なくとも1つの拡散層(20)を含む。他の実施形態は内部拡散層(42)を含み、従って同様に、さらなるチャンバを保有する。1つの構成において、境界層(200)は、装置を患者に取り除き可能なように固定できるようにし、且つ装置の外周を超えて流体が放射状に移動することを阻害する。別の構成において、好ましくは抗菌性物質層(330)が提供されて微生物の成長を阻害する。
【解決手段】 本装置は、患者の皮膚に貼ることができるエンベロープを備える。エンベロープは、少なくともチャンバ(22)がそれらの間に確定されるように、少なくとも1つの不透過層(18)とカップリングした少なくとも1つの拡散層(20)を含む。他の実施形態は内部拡散層(42)を含み、従って同様に、さらなるチャンバを保有する。1つの構成において、境界層(200)は、装置を患者に取り除き可能なように固定できるようにし、且つ装置の外周を超えて流体が放射状に移動することを阻害する。別の構成において、好ましくは抗菌性物質層(330)が提供されて微生物の成長を阻害する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の背景]
[発明の分野]
本発明は、概して流体送達装置に関し、より詳細には、患者の皮膚表面範囲に流体薬剤を供する流体薬剤送達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[関連技術の記載]
経皮パッチは、流体薬剤等の薬学的物質を患者の皮膚を通過させることにより、そのような流体を患者に送達する機構として既知である。経皮パッチは、例えば、ホルモン補充療法及び禁煙等の治療に使用されている。経皮パッチの種類のうち1つは、補充不可な(unreplenishable)薬学的物質の供給を含む。このパッチは、パッチを皮膚に接着しやすくするための、皮膚接触接着層を有する。一般に、そのような経皮パッチは、物質が患者に送達される期間、皮膚の適した範囲に接着される。
【0003】
いったんパッチ内の薬学的物質が実質的に排出されると、パッチは皮膚からはがされる。もっと多くの物質を患者に送達しなければならない場合、次のパッチを、患者の皮膚への刺激を回避する目的で、しばしば患者の皮膚の別の場所に、貼らなければならない。この種類の経皮パッチを用いることの欠点の1つは、特定の患者について、次のパッチを貼るごとに皮膚に新しい範囲を探し求めなければならないことである。したがって、そのようなパッチを長期間用いなければならない場合、パッチを貼るのに適した、皮膚の利用可能な範囲を見いだすことがどんどん難しくなっていく可能性がある。別の欠点は、そのような経皮パッチは固定された初期量(すなわち体積)の薬学的物質を含有し、したがって個々のパッチは医薬流体等のような物質を大量に送達することができないということである。
【0004】
別の種類のパッチは、皮下注射針を用いてパッチに薬学的物質を再充填することを許容する注射口を含む。そのような構成(arrangement)によりパッチが再充填できるものの、再充填プロセスは、皮下注射針の使用による患者の怪我又はパッチの損傷を防ぐ目的で、医療業務従事者(health care worker)により行われるべきである。結果として、パッチを再充填するために、医療施設への頻繁な訪問、又は医療業務従事者の頻繁な家庭訪問が必要である。したがって、そのような構成の利便性は、理想よりも低い。そのうえさらに、皮下注射針の使用は、皮下注射針又は他の鋭利な医療器具の使用にしばしば伴う医療業務従事者の予期せぬ穿刺のような、医療業務従事者にとって明らかな危険を生じさせる。
【0005】
他のパッチ型流体送達構成は、外部の流体供給との接続を可能にするが、薬学的物質の送達を促すために複雑な機構を利用し、及び/又はパッチの範囲中で均一な送達を提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、従来技術の限界を超える、改善された経皮パッチに対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の流体送達装置の好適な実施の形態は、患者への流体薬剤の経皮送達を提供する
。1つの構成において、装置は、患者の皮膚に接着可能な薄いエンベロープ(envelope)又はポーチ(pouch)を含む。エンベロープは、エンベロープ内に少なくとも1つのチャンバ又は流体リザーバが存在するように、少なくとも1つの流体不透過層とカップリングした少なくとも1つの流体半透過層を含む。
【0008】
他の構成において、少なくとも1つのさらなる層が存在してもよい。このさらなる層は、層を貫通した複数の開口部を有する流体不透過層を含むことが好ましい。そのような構成の1つにおいて、不透過層は装置の上部表面を占めている。不透過層に位置した一方向弁は、装置を静脈内バッグ、ポンプ、リザーバ、又は他の外部流体送達システム等の外部流体源に接続させるだけでなく、装置に流体を充填することを容易にする。
【0009】
1つの構成において、流体送達装置はある体積の流体で充填されて患者の皮膚に取り付けられ、それにより携帯可能な流体源として機能する。別の構成において、流体送達装置は外部流体源に接続したままである。そのような構成において、本装置は、長期間にわたり制御された流速で、大量の流体を患者に送達することが可能である。さらに、そのような構成は、流体の患者への送達を中断することなく、外部流体源からの一時的な分離を容易にする。好ましくは、本装置を通じた流体の拡散は、装置が流体で充填された場合に不透過層(単数又は複数)の伸張により流体に付与される圧力、及び/又は外部流体源により供給される圧力で生じる。
【0010】
本発明の一態様は、流体不透過層と、流体半透過層とを含む流体薬剤送達装置を包含する。流体半透過層及び不透過層は共同してそれらの間にある空間を確定する。空間は送達装置の流体リザーバを確定する。流体半透過層及び不透過層はそれらの間に連続シールを有して流体リザーバの外周を確定する。流体リザーバと連絡する流体注入口は流体が流体リザーバに入れるように形状が定められた弁を備える。1つの構成において、弁は注入口を通ってリザーバからの流体の流出を妨ぐ一方向型の弁である。流体注入口は流体の供給に接続を許容するのに適している。流体は、望ましくは送達装置の層、又は、流体の外部源により付与される圧力のいずれかに応答して流体半透過層を通って拡散可能である。
【0011】
本発明のさらなる形態は、向かい合う第一壁及び第二壁を有する流体不透過ポーチを含む流体薬剤送達装置を含む。第一壁及び第二壁はそれらの間にある空間を確定する。空間は送達装置の流体リザーバを確定する。第二壁はそこを貫通し送達装置の拡散部を確定する複数の開口部を含む。流体注入口は、流体リザーバと連絡し、流体が流体リザーバに入れるように形状が定められた弁を備える。流体注入口は流体供給と接続することを許容するのに適している。送達装置の少なくとも拡散部を覆う流体半透過層は、流体リザーバ内の流体が半透過層を通過しなければ送達装置を出られないように形状が定められている。
【0012】
本発明の別の態様は、医薬流体を患者の皮膚部に送達するシステムをも含む。このシステムは、それらの間にある空間を確定する流体半透過層及び不透過層を有する送達装置を含む。空間は送達装置の流体リザーバを確定する。流体注入口は流体リザーバと連絡する。ポンプは、医薬流体に圧力をかけるように設定されており、流体注入口と接続可能であって、送達サイクルの間、医薬流体の流れを流体リザーバに供給する。輸液ポンプが流体注入口に接続されている場合、リザーバ内の医薬流体は、輸液ポンプによりかけられる圧力に応答して半透過層を通ってリザーバ内に拡散する。
【0013】
本発明の別の態様はさらに、向かい合う第一壁及び第二壁を有する流体不透過ポーチを含む流体薬剤送達装置を含む。第一壁及び第二壁はそれらの間にある空間を確定する。空間は送達装置の流体リザーバを確定する。第二壁はそこを貫通し送達装置の拡散部を確定する複数の開口部を含む。コイル状ワイヤ部材は、送達装置の少なくとも拡散部を覆い、複数の隣接するワイヤ区分の間の複数のギャップを確定する複数の隣接するワイヤ区分を
構築する。コイル状ワイヤ部材は、流体リザーバ内の流体がコイル状ワイヤ部材を通過しなければ送達装置を出られないように形状が定められている。
【0014】
好ましい実施の形態は、流体不透過シート層と拡散層とを含む流体送達装置である。拡散層は、第一の表面とそれに向かい合う第二の表面とを有する。拡散層の第一の表面及び不透過層は共同してそれらの間にある空間を確定し、空間は送達装置の流体リザーバを確定する。拡散層の第一の表面及び不透過層はそれらの間に連続シールを有して流体リザーバの外周を確定する。境界層は、第二の表面の内部領域を実質的に境界づける拡散層の第二の表面の外周の全体に実質的に配置される。境界層は、流体薬剤送達装置が患者の皮膚に固定されように、且つ流体が放射状に内部領域を通過することを実質的に防ぐ。
【0015】
別の好ましい実施の形態は、第一の流体不透過層及び拡散層を含む流体薬剤送達装置である。拡散層及び第一の流体不透過層は共同してそれらの間にある空間を確定し、該空間は送達装置の流体リザーバを確定する。拡散層及び第一の流体不透過層はそれらの間に連続したシールを実質的に有して流体リザーバの外周を確定する。流体注入口は、流体リザーバと連絡し、弁は流体が流体リザーバに入れるようにする。流体注入口は送達装置が流体の供給と選択的に接続することを可能にしている。抗菌性物質の層は、拡散層の表面に隣接している。流体は流体に付与される圧力に応答して半透過層を通って拡散可能である。
【0016】
さらに別の実施の形態において、医薬流体を患者の皮膚部に送達するシステムは、共同してその間の空間を確定する流体半透過層及び拡散層を含む送達装置を含む。該空間は、送達装置の流体リザーバを確定する。流体注入口は、流体リザーバと連絡する。接着境界層は、患者に固定可能であることを許容するように形状が定められ、実質的に連続した境界内部領域を作る。ポンプは、流体に圧力をかけるように設定され、ポンプは流体注入口と接続可能であり、送達サイクルの間、流体の流れを流体リザーバに供給する。輸液ポンプが流体注入口に接続されている場合、リザーバ内の流体は、拡散ポンプによりかけられる圧力に応答して拡散層を通って拡散可能である。
【0017】
さらに別の実施の形態において、流体薬剤送達装置は、第一壁とそれに向かい合う第二壁とを有する流体不透過ポーチを含む。第一壁及び第二壁はそれらの間にある空間を確定し、該空間は送達装置の流体リザーバを確定する。第二壁は送達装置から流体が拡散することを許容し、抗菌性物質を含む。コイル状ワイヤ部材は、複数の隣接するワイヤ区分の間の複数のギャップを確定する複数の隣接するワイヤ区分を含む。コイル状ワイヤ部材は、流体リザーバ内の流体がコイル状ワイヤ部材を通過しなければ送達装置を出られないように形状が定められている。
【0018】
本発明のこれら及び他の特長、態様、及び利点は、複数の好適な実施の形態の図面を参照して記載される。これらは、本発明を示すことを意図するものであって、制限することを意図しない。図面には34の図が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】流体送達装置の、一部を切り取った斜視図である。図1の流体送達装置には、円周シールで結合した、その間にある流体リザーバを確定する流体不透過層及び流体半透過層が含まれる。流体注入口により、流体を流体リザーバに入れることができる。
【図2】図1の流体送達装置の平面図である。
【図3】図1の流体送達装置の側面図である。
【図4】図2の線4−4に沿って取られた図1の流体送達装置の横断面図である。
【図5】図1の流体送達装置の使用環境の一例の斜視図であり、ここで装置は患者の前腕に流体を送達するのに用いられる。
【図6】図5の使用環境例の横断面図であり、送達装置の流体リザーバ内に含まれる流体の体積を示す。
【図7】流体送達装置の別の実施形態の、一部を切り取った斜視図である。図7の装置には、上部流体不透過層及び下部流体不透過層が含まれる。下部不透過層には、流体が層を通過できるように形状を定められた複数の開口部が含まれる。流体半透過層は、上部層と下部層との間に位置して、複数の開口部を覆うように形状が定められている。
【図8】図7の線8−8に沿って取られた図7の流体送達装置の横断面図である。
【図9】流体送達装置の別の実施形態の、一部を切り取った斜視図である。図9の装置には、上部流体不透過層及び下部流体不透過層が含まれ、ここで下部不透過層には、流体がそこを通過できるように形状を定められた複数の開口部が含まれる。流体半透過層は、下部層の外側表面に隣接した位置にあり、複数の開口部を覆うように形状が定められている。
【図10】図9の線10−10に沿って取られた図9の流体送達装置の横断面図である。
【図11】犬の骨の外形を有する流体送達装置の実施形態の平面図である。
【図12】楕円の外形を有する流体送達装置の実施形態の平面図である。
【図13】長方形の外形を有する流体送達装置の実施形態の平面図である。
【図14】正方形の外形を有する流体送達装置の実施形態の平面図である。
【図15】正三角形の外形を有する流体送達装置の実施形態の平面図である。
【図16】装置のコイル状ワイヤの拡散層を示すために上部層を部分的に切り取った流体送達装置の平面図である。
【図17】図16の線17−17に沿って取られた図16の流体送達装置の横断面図である。
【図18】リザーバを複数の互いにつながった領域、又はフローチャンネルに分割する、複数の直線の閉じ目を有する流体送達装置の平面図である。
【図19】線19−19に沿って取られた図18の流体送達装置の横断面図である。
【図20】図18の流体送達装置の改変体の平面図であり、ここで閉じ目は、装置の縁に隣接した位置にある流体注入口から外に向かって伸びている。
【図21】図18の流体送達装置の別の改変体の平面図であり、ここで単独の閉じ目は、互いに直列で結合した一連の直線部分を含み、内部リザーバを実質的に2つの部分に分割している。
【図22】図18の流体送達装置のさらに別の改変体の平面図であり、ここで複数の閉じ目は、装置の中心点から外に向かって放射状に伸びている。流体注入口は、実線で示すように、装置の縁に隣接して位置してもよく、又は点線(phantom)で示すように、装置のほぼ中央に位置してもよい。
【図23】流体送達装置の別の実施形態の、一部を切り取った斜視図である。図23の流体送達装置には、円周シールで結合して、その間にある流体リザーバを確定する流体不透過層及び流体半透過層が含まれる。接着片は、流体半透過層に配置されている。
【図24】図23の流体送達装置の底面図である。
【図25】図23の流体送達装置の側面図である。
【図26】図24の線26−26に沿って取られた図23の流体送達装置の拡大横断面図である。
【図27】図24の線27−27に沿って取られた図23の流体送達装置の横断面図である。図27では、流体送達装置は患者の皮膚に取り付けられている。
【図27A】図27の線27A−27Aに沿って取られた図23の流体送達装置の拡大部分横断面図である。
【図28】図23の送達装置の改変体の横断面図である。
【図29】装置のコイル状ワイヤの拡散層を示すために上部層を部分的に切り取った図23の流体送達の別の改変体の平面図である。
【図30】図29の線30−30に沿って取られた図29の流体送達装置の横断面図である。
【図31】図1の流体送達装置の改変体の、一部を切り取った斜視図である。図31の流体送達装置には抗菌層又は抗菌被膜が含まれる。
【図32】図31の流体送達装置の横断面図である。
【図33】図31の流体送達装置の改変体の横断面図である。
【図34】図31及び図32の流体送達装置の別の改変体の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
特定の好適な実施形態及び実施例が以下に記載されるものの、本発明は、具体的に開示される実施形態を超えて、代替的な実施形態及び/又は本発明の利用並びにそれらの明らかな改変物及び等価物まで広がることが当業者に理解されるだろう。したがって、本明細書中開示される本発明の範囲が、以下に記載される特定の実施形態により制限されるべきではないことが、意図される。
【0021】
図1〜図4は、概して参照番号10で示される流体送達装置の好適な実施形態を示す。流体送達装置10には、薄い円形のポーチ、又はエンベロープ12が含まれ、これは患者の皮膚に配置するのに適している。好ましくは、注入口弁アセンブリ14により、エンベロープ12の内部空間と流体の連絡ができる。
【0022】
図1〜図4に示されるとおり、好ましくは、エンベロープ12は、流体不透過シート18、及び流体が実質的に均一な速度でシートを通過できる流体半透過シート、又は拡散シート20で構成される。図示される実施形態において、不透過シート18及び拡散シート20の外側縁部分は、実質的に流体密封の内部チャンバ22がその間に形成されるように、外周シール16により互いに固定されている。したがって、外周シール16は、内部チャンバ22、すなわち送達装置10の流体リザーバの外周を確定する。外周シール16は、任意の適した様式で構築されてもよい。例えば、外周シール16は、例えば、熱接着、化学的接着、又はRF溶着により作られてもよいが、例えば、これらに限定されない。また、例えば、重複部材又は補強部材等の、1種又は複数のさらなる構成成分を用いて外周シール16を形成してもよい。当業者に明らかである実質的に流体密封の内部チャンバを作る他の方法もまた、用いてもよい。
【0023】
不透過シート18の外側に面した表面は、装置10の頂面を確定し、これは、好ましくは患者の皮膚と接触しない。拡散シート20の外側に面した表面は、装置10の下部接触表面を確定し、これは、装置10の操作の間、患者の皮膚に置かれる。そのような構成において、接着材は、好ましくは接着層の形態で、拡散シート20の下側表面の露出部分に存在することができ、装置10を患者の皮膚に固定する補助となる。接着材は、拡散シート20の外部表面全体に備えられてもよく、又は、例えば以下に記載されるように、外周部分等、外部表面の一部にのみ備えられてもよい。具体的に示されないが、装置10が使用されるまで接着材を保護し無菌性を維持するために、さらなる取り除き可能な保護シートが提供されてもよい。また、そのような層は、装置10に取り付けられた場合、流体が拡散シート20を通じてリザーバから流出することを防いで、装置10が流体であらかじめ充填されていることを許容することができる。
【0024】
代替的な構成において、不透過シート18及び拡散シート20は、必ずしも同じ大きさ及び形のものでなくてもよい。そのような構成の1つにおいて、上側の不透過シート18は下側の拡散シート20よりも大きくてもよく、したがって不透過シート18の一部は患者の皮膚と接触しても良い。あるいは、図5及び図6を参照して以下でより詳細に記載されるように、装置10を患者の皮膚に固定する他の適した手段、例えば、別の層、外側包装材等が、単独で、又は装置10に提供された接着材と組み合わせて利用されてもよい。
【0025】
好ましくは、拡散シート20は、当業者に容易に明らかとなるとおり、少なくとも部分
的に、予定される種類の医薬流体に曝露するのに適した生体適合性の物質で構成される。図1〜図4に示される実施形態において、拡散シート20は、流体の均一な分布を提供するだけでなく、膜を通過する流体の流速を制御するように形状が定められた半透膜から構成される。
【0026】
好ましくは、半透膜、又は多孔質膜は、膜を通じた流体分子の通過速度を制限するように、大きさが正確にそろった孔を複数含むか、又は膜を通過して伸びる蛇行通路を複数含む。望ましくは、孔はそれぞれ約0.25μm未満の直径を有する。当業者に理解されるとおり、孔の断面が円形である必要はない。したがって、ある直径を有する孔の詳述は、本発明を制限することを意図しない。むしろ、そのような大きさの通路を記載する目的で断面の形を円形であると仮定することができると推定される。
【0027】
半透膜を構成することが可能な適した材料として、制限なく、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデン、ジフルオリド、ポリカーボネート、ナイロン、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、又は他の類似の材料が挙げられる。拡散シート20を構成することができる他の材料として、縫合材料、ステンレス鋼等の表面被覆及び/又は表面処理金属、及び合金鉄/非鉄合金が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、以下でより詳細に記載されるように、内部チャンバ22から患者の皮膚へ流れる流体の速度及び分布を制御するために、他の実施形態において、拡散シート20は、多孔不透過シート、コイル状バネ、コイル状ワイヤ/コード、あるいは別の類似装置により補強又は置換されてもよい。好ましい多孔質膜材料の1つは、Del Star Technologies,Inc製の商品名DELNETという開口部を備えたフィルム固体である。
【0028】
図1〜図3に示されるように、好ましくは、弁14は不透過シート18の中心に位置する。他の実施形態において、弁14は、内部チャンバ22と連絡できる、不透過シート18の他の場所、又は装置10の他の場所に位置してもよい。図示される弁14は、外部環境から内部チャンバ22へ流体を連絡できる注入口通路23(図3)を確定する。好ましくは、弁14は「一方向」弁アセンブリである。すなわち、弁14は、外部環境から内部チャンバ22への流体の連絡を可能にするが、内部チャンバ22内の流体が弁14を通じて出ることを実質的に防ぐ。当業者に明らかになるとおり、弁14の「一方向」機能を提供するために、任意の適した構造を用いることができる。
【0029】
望ましくは、弁14はルアー(luer)コネクタ等のカップラーを受けるのに適していて、外部流体供給源、又は圧力源と装置10とカップリングできる。また、他の適した種類の接続アセンブリもまた用いられてもよい。有利なことに、弁14の「一方向」の性質により、流体が内部チャンバ22から損なわれることなく、外部装置を送達装置10にカップリング/カップリング解除できる。そのうえさらに、弁14を覆って損傷や混入から保護するためにキャップ(示されず)を提供してもよい。
【0030】
図示される流体送達装置10は、抗生物質、局所麻酔、薬物「カクテル」、及び/又は他の流体物質等の流体薬剤(単数又は複数)を、患者の皮膚の表面範囲へ連続送達するのに、特に良く適している。表面範囲は、様々な種類の形と大きさのものであってもよく、そして皮膚表面の創傷部位、やけど、植皮、又は他のそのような治療範囲からなってもよい。
【0031】
図5及び図6は、そのような使用環境の1つの例を示し、ここで、流体送達装置10は、流体25を患者の前腕27の皮膚に送達するのに用いられる。図5及び図6に示されないものの、包帯又は伸縮性包装材等の消毒した包帯を用いて装置10を前腕27の決まった位置に固定してもよい。消毒した包帯はまた、装置10中の流体25に加圧する目的で
、装置10に力を加えるために用いられてもよい。消毒した包帯は、流体の外部源(示されず)及び/又は装置10自身によりかけられる圧力に加えて、流体25を加圧するために用いられてもよく、又は消毒した包帯は、流体を加圧する唯一の手段であってもよい。
【0032】
図示される構成において、管29は流体送達装置10の弁14に接続している。弁14及び管29によって、装置10は静脈内バッグ、ポンプ、リザーバ、又は他の外部流体送達システム等の外部流体源(示されず)と流体を連絡するようになる(place)と考えられる。図6に示されるように、いったん流体送達装置10がある体積の流体25で充填されると、管29は弁14から分離されてもよい。弁14の一方向の特性は、流体が内部チャンバ22から漏れないことを確実にする。管29が分離されることで、流体送達装置10は携帯可能な、患者への流体25源として機能する。しかしながら、当業者に理解されるとおり、弁14はまた、流体25が弁14を通じてリザーバに入ること及び出ることの両方を許容する二方向弁でもよい。
【0033】
そのような構成において、装置10の内部チャンバ22が流体25で充填されている場合、好ましくは装置10の不透過シート18の伸張により流体25に圧力がかけられる。この圧力により、流体25の内部チャンバ22から前腕27への拡散が生じる。しかしながら、上部シート及び下部シートの18、20が伸縮可能である必要はない。それでもなお、流体25は、不透過シート18又は拡散シート20により圧力をかけられることなく、拡散シート20を通じて拡散することができる。望ましくは、拡散シート20は流体25の流速に影響を及ぼし、そして流体25を皮膚に均一に分布させる。具体的には、好適な構成において、拡散シート20の孔の大きさが流体25の装置10からの流速を決定する。
【0034】
代替構成において、装置10が、制御された流速で流体25を患者に連続的に送達するように、管29(及び外部流体源)は一方向弁14と接続したままでもよい。この方法では、好ましくは、装置10を通じた流体25の拡散は、上記で記載されるような送達装置10の内部系圧により流体25にかけられる圧力と、外部流体源によりかけられる圧力との組合せの下で生じる。流体25の送達は、流体の外部供給が尽きるまで続いてもよい。言い換えると、外部流体供給が送達サイクルの期間を決定する。事実、送達装置10の内部リザーバ(例えば、内部チャンバ22)によって、外部流体供給はいったん空になっても、装置10の内部系圧力及び流体25がリザーバ22内に残っていることで、流体25の送達は続いたまま、交換することができる。したがって、外部流体供給は、流体25の患者への送達を中断することなく、再補充できる。
【0035】
使用においては、好ましくは、もし提供されていれば、保護シートを装置10からはがして、装置10を、患者の皮膚の希望の範囲、例えば前腕27等に適用する。管29を流体送達装置10の弁14に接続することにより、装置10を流体の外部源と接続する。装置10のリザーバ22を外部流体源からの流体25で充填する。いったんリザーバ22が十分なレベルまで充填されると、流体は拡散シート20を通過し患者の皮膚を通じて拡散し始める。所望であれば、装置10を保護し、無菌状態を維持し、及び/又は流体25の拡散を補助するために、消毒した包帯又は包帯等の外部包装材で、流体送達装置10を覆ってもよい。
【0036】
流体の外部源が実質的に枯渇した場合、管29を装置10及び外部包装材(もしあれば)から分離することができ、そして装置10を患者から取り外すことができる。あるいは、管29を装置10から分離することができ、そして別の外部流体源を装置10に接続することができる。したがって、患者から装置10を取り外すことなく外部流体源を更新することができる。そのうえさらに、外部流体源を分離したときに流体25がまだリザーバ22内に存在している場合、再充填した流体源を装置10に接続して送達装置10に流体
を送達し始めることができる。したがって、外部流体源の再充填の間、患者への流体送達は、中断されることなく進んで行くことができる。
【0037】
図7及び図8は、図1〜図6の送達装置10の改変体を示し、これは概して参照番号30と示される。ほとんどの例において、様々な送達装置の個々の構成要素を示すのに、図全体にわたって同種の構成要素には同種の参照番号が付けられる。送達装置30も患者の皮膚に設置するのに適しており、そして好ましくは、流体送達装置10と実質的に同様である。しかしながら、図7及び図8の送達装置30は、2層より多い層からなる。具体的には、装置30には、不透過シート18、流体半透過拡散シート20、及び下部不透過シート32が含まれる。上記に記載される装置10と同様に、拡散シート20が、第一のチャンバ34及び第二のチャンバ36を、それぞれ不透過シート18、不透過シート32の間で確定するように、シート18、シート20、シート32は、外周シール33で互いに接続している。第一チャンバ34及び第二チャンバ36は、装置30の流体リザーバをまとめて確定する。代替構成において、拡散シート20及び下部不透過シート32は互いに結合して、それにより、第二チャンバ36を除去する。そのようにして、シート20、シート32は合成シートを形成し、これは、好ましくは、第一チャンバ34を通って患者の皮膚に達する流体の流速及び分布を制御する。
【0038】
図示される実施形態において、拡散シート20は、上部シート18及び下部シート32と、大きさ及び形が実質的に同様なものである。しかしながら、代替構成において、拡散シート20は、上部シート18及び下部シート32のいずれかより小さくてもよく、そして外周シール33とは別に、下部シート32に固定されてもよい。例えば、拡散シート20は、下部、不透過シート32の一部のみを覆ってもよく、そして外周シール33とは別の、ただしこれに似たシールによりシート32に固定されてもよい。そのような構成において、好ましくは、下部シート32の開口部は、拡散シート20で覆われた範囲内のみに備えられる。すなわち、望ましくは、流体の流速が実質的に均一であるように、装置30は、リザーバ34内の流体が必ず拡散シート20を通過してから装置30を出るように構成される。
【0039】
弁14は、不透過シート18上に位置し、外部環境から第一チャンバ34への流体の連絡を容易にする。弁14は、好ましくは、ルアーコネクタ等のカップラーを受けるのに適した一方向弁である。一方向弁14は、第一チャンバ34に流体を充填すること、及び/又は第一チャンバ34を外部流体源(用いられる場合)に接続することを容易にする。
【0040】
下部不透過シート32は、装置30の底部表面の少なくとも一部分を確定し、ここは装置30の使用中、患者の皮膚と接触することになる。図7に示されるとおり、好ましくは下部不透過シート32は、第二チャンバ36から患者の皮膚への流体の通過を可能にする複数の通路35を有する。好ましくは、通路は、直径の小さい円形の穴を含む。望ましくは、穴35はそれぞれ、約0.25μm〜約0.254mmの範囲の直径を有する。そのうえさらに、好ましくは、穴35は、下部不透過シート32、又は実質的にその一部分にわたって実質的に均等に分布している。穴35を含む下部不透過シート32の領域は、一般に、送達装置30の拡散区分を確定する。すなわち、装置30内の流体は、拡散区分を通じて実質的に均一な様式で送達される。
【0041】
好ましくは、流体送達装置30の使用は、図1〜図6の流体送達装置10の操作と実質的に同様である。しかしながら、弁14を介して装置30に入る流体は、第一チャンバ34に入り、それから拡散シート20を通じて第二チャンバ36へと拡散し、その後下部不透過シート32の開口部35を通過して患者の皮膚に達する。操作において、第一チャンバ34はある体積の流体で充填され、そして拡散シート20により流体は制御された流速で第一チャンバ34から第二チャンバ36へ通過することが可能になる。下部不透過シー
ト32の複数の小さい穴35は、流体が第二チャンバ36から患者の皮膚へ通過することで、流体を均一に分布させる。
【0042】
図5及び図6を参照して上記に記載されたとおり、管が装置30の弁14に接続されて、それにより第一チャンバ34が、静脈内バッグ、ポンプ、リザーバ、又は他の外部流体送達システム等の外部流体源(示されず)と流体を連絡できるようになってもよいと考えられる。一つの構成において、流体送達装置30は、ある体積の流体で充填されて、それから管が弁14から分離されてもよい。管を分離した上で、流体送達装置30は、患者への流体の、携帯可能な源として機能する。装置30の第一チャンバ34が流体で充填される場合、装置30の不透過シート18の伸張により、及び/又は上記で記載されるような外部包帯により、望ましくは、流体に圧力がかけられることが理解されるだろう。この圧力により、制御された速度で、流体が第一チャンバ34から第二チャンバ36へ拡散し、次いで穴35を通じて患者の皮膚へと流れることになる。
【0043】
あるいは、管(及び外部流体源)は、装置30が制御された流速で流体を患者に連続的に送達するように、弁14に接続されたままでもよい。したがって、好ましくは、装置30を通じた流体の拡散は、不透過シート18の伸張により流体にかけられる圧力、及び外部流体源によりかけられる圧力の組合せの下で生じる。
【0044】
図9及び図10は、患者の皮膚に設置するのに適した流体送達装置40の別の実施形態を示す。図9及び図10に示される流体送達装置40は、下部不透過シート42が拡散シート20と上部不透過シート18との間に位置することを除いて、実質的に、図7及び図8に示される流体送達装置10と同様である。先の実施形態におけるように、好ましくは、不透過シート18、不透過シート42、及び拡散シート20は、下部不透過シート42が、第一チャンバ44及び第二チャンバ46を、それぞれ不透過シート18及び拡散シート20との間で確定するように、外周シール43によって互いに接続している。不透過シート18、及び不透過シート42は、上記に記載されるように、プラスチック又は他の同様な材料で作製されてもよい。
【0045】
好ましくは、弁14は、不透過シート18上に位置し、外部環境から第一チャンバ44への流体の連絡を提供する。弁14は、流体が外部環境へ漏れだすことなく、第一チャンバ44に入ることができるように形状が定められている。弁14は、好ましくは、ルアーコネクタ等のカップラーを受けるのに適している。弁14は、第一チャンバ44に流体を充填すること、及び/又は第一チャンバ44を外部流体源(用いられる場合)に接続することを容易にする。
【0046】
図9に示されるとおり、下部不透過シート42(中間層)は、第一チャンバ44から第二チャンバ46への流体の流れを均一に分布させる、小さい直径の穴45を複数含む。望ましくは、穴45はそれぞれ、約0.25μm〜約0.254mmの範囲の直径を有する。次いで、第二チャンバ46の流体は、拡散シート20を通過して患者の皮膚へ達する。図1〜図4を参照して記載されたように、好ましくは、拡散シート20は、拡散シート20を通過する流体を均一に分布させるだけでなく、皮膚への流速も制御する半透膜からなる。拡散シート20は、底部表面を含み、これは装置40の皮膚接触表面の少なくとも一部を確定する。別の実施形態において、シート20及びシート42は、互いに結合して、それにより第二チャンバ46を除去する。この実施形態において、シート20及びシート42は、第一チャンバ44を通って患者の皮膚へ達する流体の流速及び分布を制御する合成シートを含む。
【0047】
流体送達装置40が、抗生物質、局所麻酔、薬物「カクテル」、及び/又は他の流体物質等の流体薬剤(単数又は複数)を、患者の皮膚の、創傷部位又は治療範囲等の表面範囲
への連続送達に利用できることが理解されるだろう。流体送達装置40の操作は、上記で記載される、流体送達装置30の操作と実質的に同様である。操作において、弁14を介して装置40に入る流体は、第一チャンバ44に入り、それから第二チャンバ46(用いられる場合)へと分布し、その後制御されて患者の皮膚に達する。装置40が皮膚上に置かれて第一チャンバ44が一定体積の流体で充填された場合、下部不透過シート42の穴45は、概して均一に、流体を第一チャンバ44から第二チャンバ46に分布させる。次いで、拡散シート20により、流体は、制御された流速で第二チャンバ46から患者の皮膚に達することが可能になる。
【0048】
図5及び図6を参照して上記に記載されたとおり、管が装置40の弁14に接続されて、それにより第一チャンバ44が、静脈内バッグ、ポンプ、リザーバ、又は他の外部流体送達システム等の外部流体源(示されず)と流体を連絡できるようになってもよいと考えられる。一つの実施形態において、流体送達装置40は、ある体積の流体で充填されて、それから管が弁14から分離されてもよい。その後、流体送達装置40は、患者への流体の、携帯可能な源として機能する。装置40の第一チャンバ44が流体で充填される場合、不透過シート18の伸張により、及び/又は上記で記載されるような外部包帯により、流体に圧力がかけられることが理解されるだろう。この圧力により、流体が第一チャンバ44から第二チャンバ46へ流れ、制御されて患者の皮膚へ拡散する。
【0049】
あるいは、管(及び外部流体源)は、装置40が制御された流速で流体を患者に連続的に送達するように、弁14に接続されたままでもよい。管が弁14に接続された状態で、好ましくは、装置40を通じた流体の拡散は、不透過シート18の伸張により流体にかけられる圧力、及び外部流体源によりかけられる圧力の組合せの下で生じる。
【0050】
治療を必要とする特定の表面範囲に依存して、流体送達装置10、30、及び40は、様々な形及び大きさ、並びにそれらの組合せで、有利なように形状が定められてよいことが理解されるだろう。図11〜図15は、有利な形及び大きさを有する、流体送達装置の複数の実施形態を示す。しかしながら、本明細書中に示される以外の形及び大きさ、並びにより複雑な形を提供する、それらと他の形及び大きさの組合せが考えられ、それらが本発明の範囲内にあることが、注記されるべきである。
【0051】
図11は、エンベロープ51及び弁14を含む流体送達装置50の実施形態を示す。エンベロープ51は、長方形ブリッジ部分56で相互接続した第一の円形部分52及び第二の円形部分54を備える。弁14は「一方向」種類のものであり、ルアーコネクタを受けるのに適している。装置50は図1〜図10を参照して上記で記載されたシート及び内部チャンバを任意の数及び/又は組合せで含んでもよいと考えられる。装置10、装置30、装置40でそうであるように、流体送達装置50を構成するシートは、外周シール58により互いに接続している。流体送達装置50の操作は、装置10、装置30、又は装置40の操作と実質的に同様である。
【0052】
図12は、一方向弁14を含む楕円形エンベロープ62を含む流体送達装置60の実施形態を示す。装置60は、本明細書中記載されるシートを任意の数及び/又は組合せで含んでもよく、それらは外周結合材64により互いに固着していると考えられる。楕円形エンベロープ62内に用いられるシートに依存して、流体送達装置60の操作は、装置10、装置30、又は装置40の操作と実質的に同様である。
【0053】
流体送達装置70の別の実施形態は図13に示される。示されるとおり、流体送達装置70は、弁14を有する長方形エンベロープ72を含む。長方形エンベロープ72は、本明細書中に記載されるシート及び内部チャンバを任意の数及び/又は組合せで含んでもよいと考えられる。長方形エンベロープ72を構成するシートは、シール74により互いに
接続している。長方形エンベロープ72を構成する特定のシートに依存して、流体送達装置70の操作は、装置10、装置30、又は装置40の操作と実質的に同様である。
【0054】
正方形エンベロープに限定されないが異なる長方形及び大きさを有する他のエンベロープを形成するように、長方形エンベロープ72の寸法を変更してもよいと考えられる。正方形エンベロープ82を有する流体送達装置80の1つの実施形態は、図14に示される。図13に示される長方形エンベロープ72でそうであるように、正方形エンベロープ82は、一般に、エンベロープ72の中心に配置された一方向弁14を含む。正方形エンベロープ82は、本明細書中に記載されるシートを任意の数及び/又は組合せで含んでもよい。シートは、外周シール84により互いに固着している。正方形エンベロープ82を構成する特定のシートに依存して、流体送達装置80の操作は、装置10、装置30、又は装置40の操作と実質的に同様である。
【0055】
図15は、三角形エンベロープ92を含む流体送達装置90の別の実施形態を示す。三角形エンベロープ92は、ルアーコネクタを受けるのに適した弁14を含む。上記に記載される装置がそうであるように、三角形エンベロープ92は、本明細書中に記載されるシートを任意の数及び/又は組合せで含んでもよい。三角形エンベロープ92を構成するシートは、外周シール94により互いに接続している。三角形エンベロープ92に用いられる特定のシートに依存して、流体送達装置90の操作は、装置10、装置30、又は装置40の操作と実質的に同様である。
【0056】
図16及び図17は、概して参照番号100と示される、流体送達装置の別の実施形態を示す。流体送達装置100は、拡散シート20(装置30の)がコイル状ワイヤ部材102に置き換わっていることを除いて、好ましくは、図7及び図8の装置30と実質的に同様である。望ましくは、操作において、コイル状ワイヤ部材102により、流体は、コイル状ワイヤ部材102の範囲中を、制御された速度で、且つ実質的に均一な様式で通過できる。
【0057】
先の実施形態におけるように、流体送達装置100は、上部層104及び下部層106を含む。好ましくは、上部層104及び下部層106は外周シール108で結合している。コイル状ワイヤ部材102は、上部層104と下部層106との間の空間、又は流体リザーバ110内に位置する。コイル状ワイヤ部材102は、全体の大きさが変わってもよいが、好ましくは下部層106のかなりの部分を覆う。より好ましくは、コイル状ワイヤ部材102は、リザーバ110内の流体のかなりの部分、好ましくはリザーバ110内の実質的に全ての流体が、コイル状ワイヤ部材102を通過してから装置100を出るように、下部層106の全てを実質的に覆う。
【0058】
図示された構成において、コイル状ワイヤ部材102は、中心点Cから、実質的に一定の割合で増加する半径で伸びて、コイル形になるように操作された、1本のワイヤエレメント112で構築される。したがって、ワイヤ112の隣接する部分の間に、実質的に一定のギャップ114が確定される。そのような構成は、部材102の制御された速度及び均一な拡散機能を容易にする。しかしながら、他の構成において、コイル状ワイヤ部材102は、直径が一定間隔で増加し、互いに固定された、複数の別個の輪で構築されてもよい。他の構成では、円形以外の形に形成されているが、好ましくはワイヤの隣接する部分の間に、実質的に一定のギャップが確定されている、1本のワイヤを用いてもよい。そのうえさらに、ワイヤエレメント112は、円形又は長方形に限定されないがこれらを始めとする様々な断面の形を仮定してもよい。1つの構成において、ワイヤエレメント112は、隣接するコイルが、コイル状ワイヤ部材102の少なくとも一部分に沿って接触しているように形成されてもよい。そのような構成において、流体は、隣接するコイルの、又は流体圧に応じて伸張したコイル状ワイヤ部材102の結果としての小さなギャップを通
過することができる。
【0059】
好ましくは、図17に示されるとおり、コイル状ワイヤ部材102は、所望であれば、層104、層106の一方又は両方への接着を容易にするように、実質的に平坦である。好適な構成において、コイル状ワイヤ部材102の少なくとも一部が下部層106に固定される。コイル状ワイヤ部材102は、ワイヤエレメント112の下側表面の全長に沿って下部層106に固定されてもよい。あるいは、部材102は、例えば、部材102の外周に沿って、又は部材102の中心部分でなど、ワイヤエレメント112の1つ又は複数の異なる点又は領域で下部層106に固定されてもよい。有利には、そのような構成を用いて、コイル状ワイヤ部材102は、装置100内の流体によりかけられる圧力に応じて、ワイヤエレメント112の隣接する部分間のギャップ114の大きさを変更するように、拡張又は収縮することができてもよい。
【0060】
コイル状ワイヤ部材102を1つ又は複数の層104、層106に固定するために、化学的結合又は熱的接着に限定されないが、これらを始めとする任意の適した方法を用いてもよい。図示される実施形態において、コイル状ワイヤ部材102は、流体送達装置100の下部層106の一部のみを覆っている。しかしながら、代替実施形態では、コイル状ワイヤ部材102は実質的に下部層106全体を覆ってもよく、そして任意に、上部層104及び下部層106の間の外周シール108内に固定されてもよい。
【0061】
好ましくは、下部層106は、流体が流体リザーバ110から出て行けるように、複数の開口部116を含む。開口部116は、全体で、送達装置100の流体拡散部を確定する。望ましくは、開口部116は、コイル状ワイヤ部材102により覆われる範囲よりわずかに小さいかもしれないが、実質的に等しい、下部層106の範囲を覆う。それゆえ、流体リザーバ110内の流体は、コイル状ワイヤ部材102のギャップ114を通過してから、開口部116を通過して、装置100から流出する。
【0062】
好ましくは、上記に記載される実施形態と同様に、流体送達装置100は、下部層106の外部表面に接着層の形で接着材を用いて、装置100が患者の皮膚に固定された位置にあることを許容する。接着材は、下部層106の外部表面全体を覆ってもよく、又はその一部のみでもよい。1つの構成において、接着材は、下部層106の外部表面の外周にのみ提供される。装置100を患者の皮膚の所望の位置に固定するために、包装材又は包帯もまた、単独又は接着材と組み合わせて用いられてもよい。さらに、上記の実施形態に関して記載されるように、流体が流体リザーバ110に導入できるように、及び望ましくは、装置100が流体の外部源に接続できるようにするために、流体送達装置100に流体注入口14が備えられる。
【0063】
図18及び図19を参照して、概して参照番号120で示される、流体送達装置の別の実施形態が示される。流体送達装置120は、外周シール128により結合した上部層124と下部層126との間に流体リザーバ122を確定する点で、上記に記載される実施形態と同様である。好ましくは、上部層124は流体不透過シートを含み、そして下部層126は流体半透過シートを含む。望ましくは、流体半透過シートは、流体がシートを、制御された実質的に均一な速度で通過できるように形状が定められている。しかしながら、装置120は、図7及び図8の装置30、図9及び図10の装置40、及び図16及び図17の装置100に関して上記に記載されるように、代替的に、2層より多い層で構成されてもよい。さらに、送達装置120は、流体が流体リザーバ122に導入できるように、及び装置120が外部流体源に接続できるようにするために、好ましくは、注入口14を含む。
【0064】
流体送達装置120は、主に、装置120の流体リザーバ122が複数の相互接続した
領域122a〜領域122hにセグメント化されているという点で、上記に記載される実施形態と異なっている。図示される実施形態において、領域122a〜領域122hは、好ましくは直線又は曲線に沿って、上部層124を下部層126に固定することにより作られる複数の閉じ目(seams)130により確定される。製造プロセスの効率性のため、外周シール128の形成と同時に閉じ目130を形成することが好ましい。しかしながら、閉じ目130及び外周シール128はまた、別々のプロセス工程で作られてもよい。さらに、リザーバ122内の個々の領域を確定する他の適した方法も用いられてもよい。
【0065】
領域122a〜領域122hは、全体で、内部チャンバ、又はリザーバ122内の複数の「フローチャンネル」を確定する。フローチャンネルは、流体の、下部流体半透過層126への実質的に均一な分布を提供するように、大きさを決められて装置120内に位置すると考えられる。望ましくは、フローチャンネルは、装置120自身により、又は圧力の外部源により流体にかけられる圧力がより均等に流体に分配するように、流体を装置120内で分割する。結果として、流体の拡散は、装置120により確定される拡散部にわたってより均一になる。そのうえ、フローチャンネルの大きさ及び/又は形は、流体送達装置120を通じて拡散することが意図される特定の種類の流体、及び/又は装置120の全体的な形により、さらに影響を及ぼされると考えられる。例えば、図18及び図19の装置120において、装置120は円形のものであり、そして閉じ目130は直線状で、実質的に互いに平行に配列されている。
【0066】
図20〜図22は、さらなる流体送達装置、140、150、及び160を示し、これらは図18及び図19の装置120と実質的に同様である。図20の円形装置140において、流体注入口14は装置140の縁近くに位置し、そして閉じ目130は注入口のほぼ中心点から外側に向かって伸びている。したがって、装置140に導入された流体は、複数の閉じ目130により作られたフローチャンネルに分けられ、ここで装置120、又は外部圧力源により流体にかけられる圧力は、より均等に流体に分配されて、流体のより均一な送達をもたらす。
【0067】
図21は、蛇行形に形成されて、閉じ目130の実質的に平行な複数の部分(これらは直列で互いに接続している)を確定する、単独の閉じ目130を有する円形流体送達装置150を示す。流体注入口14は、装置150の縁に隣接して位置する。
【0068】
図22は、円形流体送達装置160を示し、ここで複数の閉じ目130は、装置160のほぼ中心点から外側に向かって放射状に伸びている。流体注入口14は実線で示されるように、装置160の縁に隣接して位置してもよく、又は代替的に点線(phantom)で示されるように中心に位置してもよい。
【0069】
図23〜図27Aは、流体送達装置190の別の好適な実施形態を示す。多くの点に関して、流体送達装置190は図1の流体装置10と同様である。しかしながら、さらに、流体エンベロープ12は、接着層、すなわち境界層200を含み、これは、好ましくは、流体送達装置190を患者の皮膚等の表面に固定するよう、及び好ましくは、流体が装置190を流出した後に半径方向で装置190の外周210を超えて通過してしまうことを阻害する補助となるよう形状が定められている。
【0070】
境界層200は、流体送達装置190を患者に固定するための任意の適した構造を備えてもよい。好ましくは、境界層200は、図24に示されるとおり、下部表面204の外周210のほぼ全体に配置される接着片又は層である。すなわち、境界層200は、好ましくは、流体送達装置190の外周210のほぼ全体に伸びる、中断のない連続した環状片である。望ましくは、境界層200は、例えば、発泡層又は同様な材料等の、ある厚さを提供する部材を有する。示されないものの、いくつかの構成によっては、境界層200
は、流体送達装置190の外周210の一部にのみ伸びてもよい。例えば、境界層200は、下部表面204の外周210のかなりの部分に伸びてもよい。そのような構成は、境界層200が、装置190を患者に固定する機能を果たしながらも、ある程度の流体保持を提供できるようにするだろう。
【0071】
図示される境界層又は片200は幅Wを有し、これは適した長さの時間の間、装置190を患者に固定するのに十分な接着性を提供するように、そしてまた、境界層200を超える、したがって装置190の外周210を超える流体移動を阻害するように、形状が定められる。望ましくは、この幅は、約0.5インチ未満である。しかしながら、他の構成において、接着片200は、約0.25インチ〜約0.5インチの間の幅Wを有してもよい。さらに、他の幅Wもまた、装置190の特定の用途に合わせて用いられてもよい。例えば、装置190の外形寸法が、例えば、患者の胸部又は背中等の広い表面範囲を覆うように定められている用途において、0.5インチより大きい幅Wが好ましい場合もある。本開示を検討した後、当業者は、例えば、接着の剥離強度等、装置190の所望の特長に基づいて、所望の用途について接着片200の所望の幅Wを決定することができるだろうと考えられる。そのうえさらに、図示される実施形態において、接着境界片200は、一般に均一な幅Wを有する。しかしながら、他の構成において、接着境界片200は、その長さ方向に沿って変化する幅Wを有してもよい。
【0072】
図示される構成において、接着片200は、図23及び図24に示されるとおり、拡散シート20により確定される内部空間216の外周、接着片200、及び前腕27の境界となる。上記に記載されるように、接着片200は、好ましくは、装置190から分配される空間216内への流体の含有を補助する機能を果たす。次いで、空間216内の流体は、所望の場所で、好ましくは流体が漏れだすことなく、患者の皮膚へと通過する。すなわち、好ましくは、接着片200は、流体が空間216の外へ放射状に移動することを防ぐか、又は実質的に阻害するように形状が定められている。好ましくは、接着片200はまた、流体送達装置190を患者の皮膚に固定する。
【0073】
図示される構成において、シール220は、拡散シート20の下部表面204と接着片200の上部表面221との間に形成される。さらに、シール222は、前腕27と接着片200の下部表面223との間に形成される。好ましくは、シール220、シール222は、流体が流体送達装置190と患者の皮膚との間でそこから放射状に漏れないように、流体の外側への動きを阻害し、好ましくは防ぐ、流体密封のシールである。シール220、シール222は、医学的応用で用いるのに適した接着材料で作ることができ、且つ医療用装置構築物に用いられる一般的な材料(例えば、医療用の重合体材料又は金属材料)に適合しても良い。
【0074】
有利なことに、接着片200は、送達装置190により覆われる創傷部位の汚染の量を減少させ得る。例えば、接着片200の下部表面223は、細菌又は他の汚染物質が流体送達装置190と患者の皮膚との間を通過することを阻害するように、患者の皮膚と接合することができる。
【0075】
図28は、概して参照番号224で示される、流体送達装置の別の実施形態を示す。好ましくは、流体送達装置224は、以下に記載される以外は、構造及び機能において、図23の流体送達装置190と実質的に同様である。図示される実施形態において、境界層200は、流体送達装置224を患者に接続する。境界層200は、患者の皮膚と結合するための接着層をはじめとする、拡散シート20に接着した材料の薄層を備えてもよく、又は、単に接着材の層を備えてもよい。したがって、装置224の拡散シート20は、患者の皮膚表面に対して、相対的に平坦に位置する。すなわち、空間216の厚さは、好ましくは、最小限に減らされるか、又は実質的に排除される。そのような構成を用いて、流
体送達装置224は、患者の皮膚に結合され、拡散シート20は患者の皮膚表面に対して、概して平坦に位置することができる。
【0076】
図23〜図28の流体送達装置190、224は、好ましくは、流体送達装置190、224への流体送達を選択的に阻害又は許容し得る弁14を含む。弁14は、好ましくは、弁14と実質的に同様であり、したがって詳細に記載されない。図示される実施形態において、管29は、片方の端で流体送達装置190、224の弁14の第一末端に接続される。管29のもう一端は、静脈内バッグ、ポンプ、リザーバ、又は他の外部流体送達システム等の外部流体源に接続される。別の実施形態において、送達装置190、224は、例えば、流体送達シリンジ等の他の流体源と流体を連絡し得る。
【0077】
操作において、流体は、管29により、弁14及び注入口通路23(図23)を通過して流体送達装置190、224の流体リザーバ22に入ることにより、装置190、224に送達される。十分量の流体25がリザーバ22に送られた後、流体25は、上記に記載されるように、拡散シート20を通って、好ましくは内部空間216を通過し、またここに溜められて、拡散し始める。次いで、内部空間216内の流体25は、患者の皮膚を介して患者に送達される。したがって、流体送達装置190に送達された流体は、リザーバ22、拡散シート20、及び空間216を通過して患者の皮膚まで達する流体経路に沿って流れることができる。接着片200は、流体25が患者に吸収されている間、流体送達装置190、224の外周202を患者の皮膚に固定する。
【0078】
1つの構成において、流体送達装置190、224は、接着片200の少なくとも下部表面223に取り除き可能な保護シート(示されず)を含む。取り除き可能な保護シートは、接着片200の所望の接着特性及び/又は無菌性を維持し得る。取り除き可能な保護シートは、使用前に接着片200からはがされて、接着片200の下部表面223を露出する。しかしながら、代替構成において、接着片200は保護シートを持たなくてもよく、使用まで密閉された包装に入れられていてもよい。包装が開けられると、流体送達装置190、224は、いかなる保護シートもはがすことなく、患者の皮膚へ直接取り付けることができる。使用前の接着片200の無菌性及び接着特性を保持する他の適した構成もまた用いられてもよい。
【0079】
任意に、流体送達装置190、224は、1回又は複数の送達サイクルの間、患者の皮膚に固定されたままであり得る。すなわち、流体送達装置190、224は、1バッチより多い流体が再充填されて患者に送達することができる。流体送達装置190は、任意の適した送達サイクル回数の間、患者に固定されたままでもよい。接着片200が、流体送達装置190、224を患者の皮膚に繰り返し取り付けるのに用いることができ、しかも患者の皮膚の1カ所又は複数箇所で流体送達装置190、224にそれを許容することもまた、考えられている。
【0080】
図29及び図30は、概して参照番号228で示される、流体送達装置の別の実施形態を示す。流体送達装置228は、下部層106が、該下部層に取り付けられた接着片200を有することを除いて、好ましくは、図16及び図17の装置100と実質的に同様である。装置228は、好ましくは、コイル状ワイヤ部材102を含み、これにより、流体は、コイル状ワイヤ部材102の範囲にわたって、制御された速度で、及び実質的に均一な様式で、部材102を通過できる。送達装置228は概して送達装置100と同様であるため、送達装置228のさらに詳細な説明は、当業者が本発明の流体送達装置228を作成又は使用する目的で、必要であるとは考えられない。
【0081】
図31及び図32は、参照番号300で示される、流体送達装置の別の実施形態を示す。図示される実施形態において、流体送達装置300は、流体不透過シート318及び、
好ましくは実質的に均一な速度で流体がそこを通過することを許容する流体半透過シート又は拡散シート320とで構築されるエンベロープ312を含む。不透過シート318及び拡散シート320の外側縁部分は、その間に実質的に流体密封の内部チャンバ322が形成されるように、外周シール316で互いに固定される。したがって、好ましくは、送達装置300は、図1〜図6に示される流体送達装置10と実質的に同様である。しかしながら、さらに、流体送達装置300は、拡散シート320に隣接し、且つ、好ましくは、装置300の外側表面を確定する抗菌性物質330の層を含む。
【0082】
図示される実施形態において、抗菌性物質層330は、送達装置300の下部皮膚接触表面を確定する。したがって、抗菌性物質層330の少なくとも一部は、流体送達装置230の操作の間、患者の皮膚に対して配置される。抗菌性物質層330は、有利なことに、送達装置300の材料内、及び送達装置300と患者との間での、微生物の成長を阻害する。
【0083】
図示される構成において、抗菌性物質層330は、実質的に拡散シート320の全体を覆う。しかしながら、抗菌性物質層330は、微生物の成長を阻害するのに適した、拡散シート320の任意の場所(単数又は複数)を覆うことも可能である。例えば、抗菌性物質層330は、患者の皮膚で拡散シート320の真下の部分のみと接触するように大きさ及び形状が定められてもよい。
【0084】
好ましくは、図31及び図32に示されるとおり、抗菌性物質層330の厚さは、実質的に一定である。しかしながら、構成によっては、抗菌性物質層330の厚さは、層330のある範囲では増加又は減少していてもよい。例えば、抗菌性物質層330の厚さは、流体送達装置300の中心から放射状に外に向かって移動する場合に変化してもよい。抗菌性物質層330は、流体が患者の皮膚に送達されることを許容したままで、微生物の成長を阻害するのに適した任意の厚さを有し得ると考えられる。
【0085】
現在好ましい構成において、抗菌性物質層330は、銀イオン材料を含有する。好ましい銀イオン材料は、商品名AQUACEL AGで、ConvaTec,a Bristol-Myers Squibb Companyにより市販されている。この特定の材料はまた、創傷流体と接触するとゲル化又は膨潤して、患者と装置300との間のデッドスペース(dead space)を減少させる特徴も有する。抗菌性物質層330は、ゲル化材料内の細菌も閉じ込める。さらに、イオン化銀は、細菌及び他の病原を殺傷する。したがって、抗菌性物質層330の抗菌性により、流体送達装置300を、かなりの長時間にわたって取り外すことなく使用できる。したがって、装置300の真下の範囲を清潔にする目的での、不便でしばしば痛みを伴う装置300の取り外しが、治療過程の間、減少するか排除される。別の構成において、拡散シート320はイオン化銀で含浸されていてもよく、且つ追加層330が省略されてもよい。
さらに、他の抗菌性物質が用いられてもよい。
【0086】
図33は、図31及び図32の送達装置300の改変体を示し、これは概して参照番号400で示される。送達装置400は、抗菌性物質層330及び接着片又は層420の両方を含み、該接着片420は、好ましくは図23〜図27Aの流体送達装置190の接着片200と同様である。有利なことに、接着片420及び拡散シート320は、共同して、流体送達装置400と患者の皮膚との間で放射状に流体が漏れることを阻害又は予防し得る。接着片420の厚さは、抗菌性物質層330の厚さと同じであっても異なっていてもよい。
【0087】
有利なことに、接着片420は、送達装置400により覆われた部位の汚染速度を減少させ得る。例えば、接着片420は、好ましくは、細菌又は他の汚染物質が流体送達装置400と患者の皮膚との間に入ることを阻害又は予防するように、患者の皮膚と結合する
。もし細菌又は他の汚染物質が接着片420と患者の皮膚との間に入ったとしても、有利なことに、抗菌性物質層330が流体送達装置400により覆われた範囲の感染率を減少させる。例えば、上記に記載されるように、抗菌性物質層330は、好ましくは微生物殺傷性を示す銀イオン材料を含有する。したがって、有利なことに、接着片420と抗菌性物質層330との組合せは、共同して、流体送達装置400により覆われた皮膚部を清潔にするために装置400を取り外すことを必要とせずに、この範囲の感染率を減少させる。
【0088】
図34に示されるとおり、流体送達装置430のさらなる実施形態は、上部不透過シート318及び下部不透過シート332との間に配置された拡散シート320を備える。送達装置430は、図34の装置430が抗菌物質層330を含むことを除いて、好ましくは、図8に示される送達装置30と同様である。図示される実施形態において、抗菌性物質層330は、下部不透過シート332の下に位置し、したがって、抗菌性物質層330が、装置430の下部表面の少なくとも一部、又は装置430の皮膚接触表面を確定する。
【0089】
上記に記載されるように、好ましくは、拡散シート320は、不透過シート318と下部不透過シート332との間に挿入されて、装置430の内部領域を第一チャンバ334と第二チャンバ336とに分割する。第一チャンバ334は、拡散シート320の上部表面と不透過シート318の下部表面との間に確定され、そして第二チャンバ336は、拡散シート320の下部表面と不透過下部シート332との上部表面の間に確定される。下部不透過シート332は、好ましくは、送達装置430のリザーバから患者の皮膚への流体通過を可能にする、1つ又は複数の通路335を含む。
【0090】
図示される実施形態において、抗菌性物質層330は、複数の通路335のそれぞれに対応する複数の通路337を含む。したがって、装置430内の流体は、第二チャンバ336から不透過シート332及び抗菌性物質層330の両方を通じて送達され得る。好ましくは、装置430は、穴335及び穴337により確定される拡散区分にわたって、実質的に均一な様式で、流体を送達する。好ましくは、流体送達装置430は、上記に記載される送達装置と同様な様式で構成又は操作される。しかしながら、他の構成において、抗菌性物質層330は、実質的に連続していて通路335を覆う。そのような構成において、抗菌性物質層330は、望ましくは装置430からの流体の流れを材料的に邪魔することなく、すなわち、装置430が抗菌性物質層330なしで有するであろう流速に実質的に影響を及ぼすことなく、好ましくは、流体が抗菌性物質層330を通過できるぐらい十分多孔質である。
【0091】
本発明の好適な実施形態が詳細に記載されてきたものの、本明細書中に記載される特長及び有益性の全てを必ずしも提供する必要はない実施形態をはじめとする特定の修飾及び改変が、当業者に明らかとなるだろう。すなわち、実施形態のあるものは、1つ又は複数の特長及び有益性を例示し、一方他の実施形態は他の特長及び有益性を例示していてもよい。したがって、本発明の範囲は、図面又は前述のそれらの記載によって制限されず、以下の請求項によって制限される。
【技術分野】
【0001】
[発明の背景]
[発明の分野]
本発明は、概して流体送達装置に関し、より詳細には、患者の皮膚表面範囲に流体薬剤を供する流体薬剤送達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[関連技術の記載]
経皮パッチは、流体薬剤等の薬学的物質を患者の皮膚を通過させることにより、そのような流体を患者に送達する機構として既知である。経皮パッチは、例えば、ホルモン補充療法及び禁煙等の治療に使用されている。経皮パッチの種類のうち1つは、補充不可な(unreplenishable)薬学的物質の供給を含む。このパッチは、パッチを皮膚に接着しやすくするための、皮膚接触接着層を有する。一般に、そのような経皮パッチは、物質が患者に送達される期間、皮膚の適した範囲に接着される。
【0003】
いったんパッチ内の薬学的物質が実質的に排出されると、パッチは皮膚からはがされる。もっと多くの物質を患者に送達しなければならない場合、次のパッチを、患者の皮膚への刺激を回避する目的で、しばしば患者の皮膚の別の場所に、貼らなければならない。この種類の経皮パッチを用いることの欠点の1つは、特定の患者について、次のパッチを貼るごとに皮膚に新しい範囲を探し求めなければならないことである。したがって、そのようなパッチを長期間用いなければならない場合、パッチを貼るのに適した、皮膚の利用可能な範囲を見いだすことがどんどん難しくなっていく可能性がある。別の欠点は、そのような経皮パッチは固定された初期量(すなわち体積)の薬学的物質を含有し、したがって個々のパッチは医薬流体等のような物質を大量に送達することができないということである。
【0004】
別の種類のパッチは、皮下注射針を用いてパッチに薬学的物質を再充填することを許容する注射口を含む。そのような構成(arrangement)によりパッチが再充填できるものの、再充填プロセスは、皮下注射針の使用による患者の怪我又はパッチの損傷を防ぐ目的で、医療業務従事者(health care worker)により行われるべきである。結果として、パッチを再充填するために、医療施設への頻繁な訪問、又は医療業務従事者の頻繁な家庭訪問が必要である。したがって、そのような構成の利便性は、理想よりも低い。そのうえさらに、皮下注射針の使用は、皮下注射針又は他の鋭利な医療器具の使用にしばしば伴う医療業務従事者の予期せぬ穿刺のような、医療業務従事者にとって明らかな危険を生じさせる。
【0005】
他のパッチ型流体送達構成は、外部の流体供給との接続を可能にするが、薬学的物質の送達を促すために複雑な機構を利用し、及び/又はパッチの範囲中で均一な送達を提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、従来技術の限界を超える、改善された経皮パッチに対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の流体送達装置の好適な実施の形態は、患者への流体薬剤の経皮送達を提供する
。1つの構成において、装置は、患者の皮膚に接着可能な薄いエンベロープ(envelope)又はポーチ(pouch)を含む。エンベロープは、エンベロープ内に少なくとも1つのチャンバ又は流体リザーバが存在するように、少なくとも1つの流体不透過層とカップリングした少なくとも1つの流体半透過層を含む。
【0008】
他の構成において、少なくとも1つのさらなる層が存在してもよい。このさらなる層は、層を貫通した複数の開口部を有する流体不透過層を含むことが好ましい。そのような構成の1つにおいて、不透過層は装置の上部表面を占めている。不透過層に位置した一方向弁は、装置を静脈内バッグ、ポンプ、リザーバ、又は他の外部流体送達システム等の外部流体源に接続させるだけでなく、装置に流体を充填することを容易にする。
【0009】
1つの構成において、流体送達装置はある体積の流体で充填されて患者の皮膚に取り付けられ、それにより携帯可能な流体源として機能する。別の構成において、流体送達装置は外部流体源に接続したままである。そのような構成において、本装置は、長期間にわたり制御された流速で、大量の流体を患者に送達することが可能である。さらに、そのような構成は、流体の患者への送達を中断することなく、外部流体源からの一時的な分離を容易にする。好ましくは、本装置を通じた流体の拡散は、装置が流体で充填された場合に不透過層(単数又は複数)の伸張により流体に付与される圧力、及び/又は外部流体源により供給される圧力で生じる。
【0010】
本発明の一態様は、流体不透過層と、流体半透過層とを含む流体薬剤送達装置を包含する。流体半透過層及び不透過層は共同してそれらの間にある空間を確定する。空間は送達装置の流体リザーバを確定する。流体半透過層及び不透過層はそれらの間に連続シールを有して流体リザーバの外周を確定する。流体リザーバと連絡する流体注入口は流体が流体リザーバに入れるように形状が定められた弁を備える。1つの構成において、弁は注入口を通ってリザーバからの流体の流出を妨ぐ一方向型の弁である。流体注入口は流体の供給に接続を許容するのに適している。流体は、望ましくは送達装置の層、又は、流体の外部源により付与される圧力のいずれかに応答して流体半透過層を通って拡散可能である。
【0011】
本発明のさらなる形態は、向かい合う第一壁及び第二壁を有する流体不透過ポーチを含む流体薬剤送達装置を含む。第一壁及び第二壁はそれらの間にある空間を確定する。空間は送達装置の流体リザーバを確定する。第二壁はそこを貫通し送達装置の拡散部を確定する複数の開口部を含む。流体注入口は、流体リザーバと連絡し、流体が流体リザーバに入れるように形状が定められた弁を備える。流体注入口は流体供給と接続することを許容するのに適している。送達装置の少なくとも拡散部を覆う流体半透過層は、流体リザーバ内の流体が半透過層を通過しなければ送達装置を出られないように形状が定められている。
【0012】
本発明の別の態様は、医薬流体を患者の皮膚部に送達するシステムをも含む。このシステムは、それらの間にある空間を確定する流体半透過層及び不透過層を有する送達装置を含む。空間は送達装置の流体リザーバを確定する。流体注入口は流体リザーバと連絡する。ポンプは、医薬流体に圧力をかけるように設定されており、流体注入口と接続可能であって、送達サイクルの間、医薬流体の流れを流体リザーバに供給する。輸液ポンプが流体注入口に接続されている場合、リザーバ内の医薬流体は、輸液ポンプによりかけられる圧力に応答して半透過層を通ってリザーバ内に拡散する。
【0013】
本発明の別の態様はさらに、向かい合う第一壁及び第二壁を有する流体不透過ポーチを含む流体薬剤送達装置を含む。第一壁及び第二壁はそれらの間にある空間を確定する。空間は送達装置の流体リザーバを確定する。第二壁はそこを貫通し送達装置の拡散部を確定する複数の開口部を含む。コイル状ワイヤ部材は、送達装置の少なくとも拡散部を覆い、複数の隣接するワイヤ区分の間の複数のギャップを確定する複数の隣接するワイヤ区分を
構築する。コイル状ワイヤ部材は、流体リザーバ内の流体がコイル状ワイヤ部材を通過しなければ送達装置を出られないように形状が定められている。
【0014】
好ましい実施の形態は、流体不透過シート層と拡散層とを含む流体送達装置である。拡散層は、第一の表面とそれに向かい合う第二の表面とを有する。拡散層の第一の表面及び不透過層は共同してそれらの間にある空間を確定し、空間は送達装置の流体リザーバを確定する。拡散層の第一の表面及び不透過層はそれらの間に連続シールを有して流体リザーバの外周を確定する。境界層は、第二の表面の内部領域を実質的に境界づける拡散層の第二の表面の外周の全体に実質的に配置される。境界層は、流体薬剤送達装置が患者の皮膚に固定されように、且つ流体が放射状に内部領域を通過することを実質的に防ぐ。
【0015】
別の好ましい実施の形態は、第一の流体不透過層及び拡散層を含む流体薬剤送達装置である。拡散層及び第一の流体不透過層は共同してそれらの間にある空間を確定し、該空間は送達装置の流体リザーバを確定する。拡散層及び第一の流体不透過層はそれらの間に連続したシールを実質的に有して流体リザーバの外周を確定する。流体注入口は、流体リザーバと連絡し、弁は流体が流体リザーバに入れるようにする。流体注入口は送達装置が流体の供給と選択的に接続することを可能にしている。抗菌性物質の層は、拡散層の表面に隣接している。流体は流体に付与される圧力に応答して半透過層を通って拡散可能である。
【0016】
さらに別の実施の形態において、医薬流体を患者の皮膚部に送達するシステムは、共同してその間の空間を確定する流体半透過層及び拡散層を含む送達装置を含む。該空間は、送達装置の流体リザーバを確定する。流体注入口は、流体リザーバと連絡する。接着境界層は、患者に固定可能であることを許容するように形状が定められ、実質的に連続した境界内部領域を作る。ポンプは、流体に圧力をかけるように設定され、ポンプは流体注入口と接続可能であり、送達サイクルの間、流体の流れを流体リザーバに供給する。輸液ポンプが流体注入口に接続されている場合、リザーバ内の流体は、拡散ポンプによりかけられる圧力に応答して拡散層を通って拡散可能である。
【0017】
さらに別の実施の形態において、流体薬剤送達装置は、第一壁とそれに向かい合う第二壁とを有する流体不透過ポーチを含む。第一壁及び第二壁はそれらの間にある空間を確定し、該空間は送達装置の流体リザーバを確定する。第二壁は送達装置から流体が拡散することを許容し、抗菌性物質を含む。コイル状ワイヤ部材は、複数の隣接するワイヤ区分の間の複数のギャップを確定する複数の隣接するワイヤ区分を含む。コイル状ワイヤ部材は、流体リザーバ内の流体がコイル状ワイヤ部材を通過しなければ送達装置を出られないように形状が定められている。
【0018】
本発明のこれら及び他の特長、態様、及び利点は、複数の好適な実施の形態の図面を参照して記載される。これらは、本発明を示すことを意図するものであって、制限することを意図しない。図面には34の図が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】流体送達装置の、一部を切り取った斜視図である。図1の流体送達装置には、円周シールで結合した、その間にある流体リザーバを確定する流体不透過層及び流体半透過層が含まれる。流体注入口により、流体を流体リザーバに入れることができる。
【図2】図1の流体送達装置の平面図である。
【図3】図1の流体送達装置の側面図である。
【図4】図2の線4−4に沿って取られた図1の流体送達装置の横断面図である。
【図5】図1の流体送達装置の使用環境の一例の斜視図であり、ここで装置は患者の前腕に流体を送達するのに用いられる。
【図6】図5の使用環境例の横断面図であり、送達装置の流体リザーバ内に含まれる流体の体積を示す。
【図7】流体送達装置の別の実施形態の、一部を切り取った斜視図である。図7の装置には、上部流体不透過層及び下部流体不透過層が含まれる。下部不透過層には、流体が層を通過できるように形状を定められた複数の開口部が含まれる。流体半透過層は、上部層と下部層との間に位置して、複数の開口部を覆うように形状が定められている。
【図8】図7の線8−8に沿って取られた図7の流体送達装置の横断面図である。
【図9】流体送達装置の別の実施形態の、一部を切り取った斜視図である。図9の装置には、上部流体不透過層及び下部流体不透過層が含まれ、ここで下部不透過層には、流体がそこを通過できるように形状を定められた複数の開口部が含まれる。流体半透過層は、下部層の外側表面に隣接した位置にあり、複数の開口部を覆うように形状が定められている。
【図10】図9の線10−10に沿って取られた図9の流体送達装置の横断面図である。
【図11】犬の骨の外形を有する流体送達装置の実施形態の平面図である。
【図12】楕円の外形を有する流体送達装置の実施形態の平面図である。
【図13】長方形の外形を有する流体送達装置の実施形態の平面図である。
【図14】正方形の外形を有する流体送達装置の実施形態の平面図である。
【図15】正三角形の外形を有する流体送達装置の実施形態の平面図である。
【図16】装置のコイル状ワイヤの拡散層を示すために上部層を部分的に切り取った流体送達装置の平面図である。
【図17】図16の線17−17に沿って取られた図16の流体送達装置の横断面図である。
【図18】リザーバを複数の互いにつながった領域、又はフローチャンネルに分割する、複数の直線の閉じ目を有する流体送達装置の平面図である。
【図19】線19−19に沿って取られた図18の流体送達装置の横断面図である。
【図20】図18の流体送達装置の改変体の平面図であり、ここで閉じ目は、装置の縁に隣接した位置にある流体注入口から外に向かって伸びている。
【図21】図18の流体送達装置の別の改変体の平面図であり、ここで単独の閉じ目は、互いに直列で結合した一連の直線部分を含み、内部リザーバを実質的に2つの部分に分割している。
【図22】図18の流体送達装置のさらに別の改変体の平面図であり、ここで複数の閉じ目は、装置の中心点から外に向かって放射状に伸びている。流体注入口は、実線で示すように、装置の縁に隣接して位置してもよく、又は点線(phantom)で示すように、装置のほぼ中央に位置してもよい。
【図23】流体送達装置の別の実施形態の、一部を切り取った斜視図である。図23の流体送達装置には、円周シールで結合して、その間にある流体リザーバを確定する流体不透過層及び流体半透過層が含まれる。接着片は、流体半透過層に配置されている。
【図24】図23の流体送達装置の底面図である。
【図25】図23の流体送達装置の側面図である。
【図26】図24の線26−26に沿って取られた図23の流体送達装置の拡大横断面図である。
【図27】図24の線27−27に沿って取られた図23の流体送達装置の横断面図である。図27では、流体送達装置は患者の皮膚に取り付けられている。
【図27A】図27の線27A−27Aに沿って取られた図23の流体送達装置の拡大部分横断面図である。
【図28】図23の送達装置の改変体の横断面図である。
【図29】装置のコイル状ワイヤの拡散層を示すために上部層を部分的に切り取った図23の流体送達の別の改変体の平面図である。
【図30】図29の線30−30に沿って取られた図29の流体送達装置の横断面図である。
【図31】図1の流体送達装置の改変体の、一部を切り取った斜視図である。図31の流体送達装置には抗菌層又は抗菌被膜が含まれる。
【図32】図31の流体送達装置の横断面図である。
【図33】図31の流体送達装置の改変体の横断面図である。
【図34】図31及び図32の流体送達装置の別の改変体の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
特定の好適な実施形態及び実施例が以下に記載されるものの、本発明は、具体的に開示される実施形態を超えて、代替的な実施形態及び/又は本発明の利用並びにそれらの明らかな改変物及び等価物まで広がることが当業者に理解されるだろう。したがって、本明細書中開示される本発明の範囲が、以下に記載される特定の実施形態により制限されるべきではないことが、意図される。
【0021】
図1〜図4は、概して参照番号10で示される流体送達装置の好適な実施形態を示す。流体送達装置10には、薄い円形のポーチ、又はエンベロープ12が含まれ、これは患者の皮膚に配置するのに適している。好ましくは、注入口弁アセンブリ14により、エンベロープ12の内部空間と流体の連絡ができる。
【0022】
図1〜図4に示されるとおり、好ましくは、エンベロープ12は、流体不透過シート18、及び流体が実質的に均一な速度でシートを通過できる流体半透過シート、又は拡散シート20で構成される。図示される実施形態において、不透過シート18及び拡散シート20の外側縁部分は、実質的に流体密封の内部チャンバ22がその間に形成されるように、外周シール16により互いに固定されている。したがって、外周シール16は、内部チャンバ22、すなわち送達装置10の流体リザーバの外周を確定する。外周シール16は、任意の適した様式で構築されてもよい。例えば、外周シール16は、例えば、熱接着、化学的接着、又はRF溶着により作られてもよいが、例えば、これらに限定されない。また、例えば、重複部材又は補強部材等の、1種又は複数のさらなる構成成分を用いて外周シール16を形成してもよい。当業者に明らかである実質的に流体密封の内部チャンバを作る他の方法もまた、用いてもよい。
【0023】
不透過シート18の外側に面した表面は、装置10の頂面を確定し、これは、好ましくは患者の皮膚と接触しない。拡散シート20の外側に面した表面は、装置10の下部接触表面を確定し、これは、装置10の操作の間、患者の皮膚に置かれる。そのような構成において、接着材は、好ましくは接着層の形態で、拡散シート20の下側表面の露出部分に存在することができ、装置10を患者の皮膚に固定する補助となる。接着材は、拡散シート20の外部表面全体に備えられてもよく、又は、例えば以下に記載されるように、外周部分等、外部表面の一部にのみ備えられてもよい。具体的に示されないが、装置10が使用されるまで接着材を保護し無菌性を維持するために、さらなる取り除き可能な保護シートが提供されてもよい。また、そのような層は、装置10に取り付けられた場合、流体が拡散シート20を通じてリザーバから流出することを防いで、装置10が流体であらかじめ充填されていることを許容することができる。
【0024】
代替的な構成において、不透過シート18及び拡散シート20は、必ずしも同じ大きさ及び形のものでなくてもよい。そのような構成の1つにおいて、上側の不透過シート18は下側の拡散シート20よりも大きくてもよく、したがって不透過シート18の一部は患者の皮膚と接触しても良い。あるいは、図5及び図6を参照して以下でより詳細に記載されるように、装置10を患者の皮膚に固定する他の適した手段、例えば、別の層、外側包装材等が、単独で、又は装置10に提供された接着材と組み合わせて利用されてもよい。
【0025】
好ましくは、拡散シート20は、当業者に容易に明らかとなるとおり、少なくとも部分
的に、予定される種類の医薬流体に曝露するのに適した生体適合性の物質で構成される。図1〜図4に示される実施形態において、拡散シート20は、流体の均一な分布を提供するだけでなく、膜を通過する流体の流速を制御するように形状が定められた半透膜から構成される。
【0026】
好ましくは、半透膜、又は多孔質膜は、膜を通じた流体分子の通過速度を制限するように、大きさが正確にそろった孔を複数含むか、又は膜を通過して伸びる蛇行通路を複数含む。望ましくは、孔はそれぞれ約0.25μm未満の直径を有する。当業者に理解されるとおり、孔の断面が円形である必要はない。したがって、ある直径を有する孔の詳述は、本発明を制限することを意図しない。むしろ、そのような大きさの通路を記載する目的で断面の形を円形であると仮定することができると推定される。
【0027】
半透膜を構成することが可能な適した材料として、制限なく、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデン、ジフルオリド、ポリカーボネート、ナイロン、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、又は他の類似の材料が挙げられる。拡散シート20を構成することができる他の材料として、縫合材料、ステンレス鋼等の表面被覆及び/又は表面処理金属、及び合金鉄/非鉄合金が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、以下でより詳細に記載されるように、内部チャンバ22から患者の皮膚へ流れる流体の速度及び分布を制御するために、他の実施形態において、拡散シート20は、多孔不透過シート、コイル状バネ、コイル状ワイヤ/コード、あるいは別の類似装置により補強又は置換されてもよい。好ましい多孔質膜材料の1つは、Del Star Technologies,Inc製の商品名DELNETという開口部を備えたフィルム固体である。
【0028】
図1〜図3に示されるように、好ましくは、弁14は不透過シート18の中心に位置する。他の実施形態において、弁14は、内部チャンバ22と連絡できる、不透過シート18の他の場所、又は装置10の他の場所に位置してもよい。図示される弁14は、外部環境から内部チャンバ22へ流体を連絡できる注入口通路23(図3)を確定する。好ましくは、弁14は「一方向」弁アセンブリである。すなわち、弁14は、外部環境から内部チャンバ22への流体の連絡を可能にするが、内部チャンバ22内の流体が弁14を通じて出ることを実質的に防ぐ。当業者に明らかになるとおり、弁14の「一方向」機能を提供するために、任意の適した構造を用いることができる。
【0029】
望ましくは、弁14はルアー(luer)コネクタ等のカップラーを受けるのに適していて、外部流体供給源、又は圧力源と装置10とカップリングできる。また、他の適した種類の接続アセンブリもまた用いられてもよい。有利なことに、弁14の「一方向」の性質により、流体が内部チャンバ22から損なわれることなく、外部装置を送達装置10にカップリング/カップリング解除できる。そのうえさらに、弁14を覆って損傷や混入から保護するためにキャップ(示されず)を提供してもよい。
【0030】
図示される流体送達装置10は、抗生物質、局所麻酔、薬物「カクテル」、及び/又は他の流体物質等の流体薬剤(単数又は複数)を、患者の皮膚の表面範囲へ連続送達するのに、特に良く適している。表面範囲は、様々な種類の形と大きさのものであってもよく、そして皮膚表面の創傷部位、やけど、植皮、又は他のそのような治療範囲からなってもよい。
【0031】
図5及び図6は、そのような使用環境の1つの例を示し、ここで、流体送達装置10は、流体25を患者の前腕27の皮膚に送達するのに用いられる。図5及び図6に示されないものの、包帯又は伸縮性包装材等の消毒した包帯を用いて装置10を前腕27の決まった位置に固定してもよい。消毒した包帯はまた、装置10中の流体25に加圧する目的で
、装置10に力を加えるために用いられてもよい。消毒した包帯は、流体の外部源(示されず)及び/又は装置10自身によりかけられる圧力に加えて、流体25を加圧するために用いられてもよく、又は消毒した包帯は、流体を加圧する唯一の手段であってもよい。
【0032】
図示される構成において、管29は流体送達装置10の弁14に接続している。弁14及び管29によって、装置10は静脈内バッグ、ポンプ、リザーバ、又は他の外部流体送達システム等の外部流体源(示されず)と流体を連絡するようになる(place)と考えられる。図6に示されるように、いったん流体送達装置10がある体積の流体25で充填されると、管29は弁14から分離されてもよい。弁14の一方向の特性は、流体が内部チャンバ22から漏れないことを確実にする。管29が分離されることで、流体送達装置10は携帯可能な、患者への流体25源として機能する。しかしながら、当業者に理解されるとおり、弁14はまた、流体25が弁14を通じてリザーバに入ること及び出ることの両方を許容する二方向弁でもよい。
【0033】
そのような構成において、装置10の内部チャンバ22が流体25で充填されている場合、好ましくは装置10の不透過シート18の伸張により流体25に圧力がかけられる。この圧力により、流体25の内部チャンバ22から前腕27への拡散が生じる。しかしながら、上部シート及び下部シートの18、20が伸縮可能である必要はない。それでもなお、流体25は、不透過シート18又は拡散シート20により圧力をかけられることなく、拡散シート20を通じて拡散することができる。望ましくは、拡散シート20は流体25の流速に影響を及ぼし、そして流体25を皮膚に均一に分布させる。具体的には、好適な構成において、拡散シート20の孔の大きさが流体25の装置10からの流速を決定する。
【0034】
代替構成において、装置10が、制御された流速で流体25を患者に連続的に送達するように、管29(及び外部流体源)は一方向弁14と接続したままでもよい。この方法では、好ましくは、装置10を通じた流体25の拡散は、上記で記載されるような送達装置10の内部系圧により流体25にかけられる圧力と、外部流体源によりかけられる圧力との組合せの下で生じる。流体25の送達は、流体の外部供給が尽きるまで続いてもよい。言い換えると、外部流体供給が送達サイクルの期間を決定する。事実、送達装置10の内部リザーバ(例えば、内部チャンバ22)によって、外部流体供給はいったん空になっても、装置10の内部系圧力及び流体25がリザーバ22内に残っていることで、流体25の送達は続いたまま、交換することができる。したがって、外部流体供給は、流体25の患者への送達を中断することなく、再補充できる。
【0035】
使用においては、好ましくは、もし提供されていれば、保護シートを装置10からはがして、装置10を、患者の皮膚の希望の範囲、例えば前腕27等に適用する。管29を流体送達装置10の弁14に接続することにより、装置10を流体の外部源と接続する。装置10のリザーバ22を外部流体源からの流体25で充填する。いったんリザーバ22が十分なレベルまで充填されると、流体は拡散シート20を通過し患者の皮膚を通じて拡散し始める。所望であれば、装置10を保護し、無菌状態を維持し、及び/又は流体25の拡散を補助するために、消毒した包帯又は包帯等の外部包装材で、流体送達装置10を覆ってもよい。
【0036】
流体の外部源が実質的に枯渇した場合、管29を装置10及び外部包装材(もしあれば)から分離することができ、そして装置10を患者から取り外すことができる。あるいは、管29を装置10から分離することができ、そして別の外部流体源を装置10に接続することができる。したがって、患者から装置10を取り外すことなく外部流体源を更新することができる。そのうえさらに、外部流体源を分離したときに流体25がまだリザーバ22内に存在している場合、再充填した流体源を装置10に接続して送達装置10に流体
を送達し始めることができる。したがって、外部流体源の再充填の間、患者への流体送達は、中断されることなく進んで行くことができる。
【0037】
図7及び図8は、図1〜図6の送達装置10の改変体を示し、これは概して参照番号30と示される。ほとんどの例において、様々な送達装置の個々の構成要素を示すのに、図全体にわたって同種の構成要素には同種の参照番号が付けられる。送達装置30も患者の皮膚に設置するのに適しており、そして好ましくは、流体送達装置10と実質的に同様である。しかしながら、図7及び図8の送達装置30は、2層より多い層からなる。具体的には、装置30には、不透過シート18、流体半透過拡散シート20、及び下部不透過シート32が含まれる。上記に記載される装置10と同様に、拡散シート20が、第一のチャンバ34及び第二のチャンバ36を、それぞれ不透過シート18、不透過シート32の間で確定するように、シート18、シート20、シート32は、外周シール33で互いに接続している。第一チャンバ34及び第二チャンバ36は、装置30の流体リザーバをまとめて確定する。代替構成において、拡散シート20及び下部不透過シート32は互いに結合して、それにより、第二チャンバ36を除去する。そのようにして、シート20、シート32は合成シートを形成し、これは、好ましくは、第一チャンバ34を通って患者の皮膚に達する流体の流速及び分布を制御する。
【0038】
図示される実施形態において、拡散シート20は、上部シート18及び下部シート32と、大きさ及び形が実質的に同様なものである。しかしながら、代替構成において、拡散シート20は、上部シート18及び下部シート32のいずれかより小さくてもよく、そして外周シール33とは別に、下部シート32に固定されてもよい。例えば、拡散シート20は、下部、不透過シート32の一部のみを覆ってもよく、そして外周シール33とは別の、ただしこれに似たシールによりシート32に固定されてもよい。そのような構成において、好ましくは、下部シート32の開口部は、拡散シート20で覆われた範囲内のみに備えられる。すなわち、望ましくは、流体の流速が実質的に均一であるように、装置30は、リザーバ34内の流体が必ず拡散シート20を通過してから装置30を出るように構成される。
【0039】
弁14は、不透過シート18上に位置し、外部環境から第一チャンバ34への流体の連絡を容易にする。弁14は、好ましくは、ルアーコネクタ等のカップラーを受けるのに適した一方向弁である。一方向弁14は、第一チャンバ34に流体を充填すること、及び/又は第一チャンバ34を外部流体源(用いられる場合)に接続することを容易にする。
【0040】
下部不透過シート32は、装置30の底部表面の少なくとも一部分を確定し、ここは装置30の使用中、患者の皮膚と接触することになる。図7に示されるとおり、好ましくは下部不透過シート32は、第二チャンバ36から患者の皮膚への流体の通過を可能にする複数の通路35を有する。好ましくは、通路は、直径の小さい円形の穴を含む。望ましくは、穴35はそれぞれ、約0.25μm〜約0.254mmの範囲の直径を有する。そのうえさらに、好ましくは、穴35は、下部不透過シート32、又は実質的にその一部分にわたって実質的に均等に分布している。穴35を含む下部不透過シート32の領域は、一般に、送達装置30の拡散区分を確定する。すなわち、装置30内の流体は、拡散区分を通じて実質的に均一な様式で送達される。
【0041】
好ましくは、流体送達装置30の使用は、図1〜図6の流体送達装置10の操作と実質的に同様である。しかしながら、弁14を介して装置30に入る流体は、第一チャンバ34に入り、それから拡散シート20を通じて第二チャンバ36へと拡散し、その後下部不透過シート32の開口部35を通過して患者の皮膚に達する。操作において、第一チャンバ34はある体積の流体で充填され、そして拡散シート20により流体は制御された流速で第一チャンバ34から第二チャンバ36へ通過することが可能になる。下部不透過シー
ト32の複数の小さい穴35は、流体が第二チャンバ36から患者の皮膚へ通過することで、流体を均一に分布させる。
【0042】
図5及び図6を参照して上記に記載されたとおり、管が装置30の弁14に接続されて、それにより第一チャンバ34が、静脈内バッグ、ポンプ、リザーバ、又は他の外部流体送達システム等の外部流体源(示されず)と流体を連絡できるようになってもよいと考えられる。一つの構成において、流体送達装置30は、ある体積の流体で充填されて、それから管が弁14から分離されてもよい。管を分離した上で、流体送達装置30は、患者への流体の、携帯可能な源として機能する。装置30の第一チャンバ34が流体で充填される場合、装置30の不透過シート18の伸張により、及び/又は上記で記載されるような外部包帯により、望ましくは、流体に圧力がかけられることが理解されるだろう。この圧力により、制御された速度で、流体が第一チャンバ34から第二チャンバ36へ拡散し、次いで穴35を通じて患者の皮膚へと流れることになる。
【0043】
あるいは、管(及び外部流体源)は、装置30が制御された流速で流体を患者に連続的に送達するように、弁14に接続されたままでもよい。したがって、好ましくは、装置30を通じた流体の拡散は、不透過シート18の伸張により流体にかけられる圧力、及び外部流体源によりかけられる圧力の組合せの下で生じる。
【0044】
図9及び図10は、患者の皮膚に設置するのに適した流体送達装置40の別の実施形態を示す。図9及び図10に示される流体送達装置40は、下部不透過シート42が拡散シート20と上部不透過シート18との間に位置することを除いて、実質的に、図7及び図8に示される流体送達装置10と同様である。先の実施形態におけるように、好ましくは、不透過シート18、不透過シート42、及び拡散シート20は、下部不透過シート42が、第一チャンバ44及び第二チャンバ46を、それぞれ不透過シート18及び拡散シート20との間で確定するように、外周シール43によって互いに接続している。不透過シート18、及び不透過シート42は、上記に記載されるように、プラスチック又は他の同様な材料で作製されてもよい。
【0045】
好ましくは、弁14は、不透過シート18上に位置し、外部環境から第一チャンバ44への流体の連絡を提供する。弁14は、流体が外部環境へ漏れだすことなく、第一チャンバ44に入ることができるように形状が定められている。弁14は、好ましくは、ルアーコネクタ等のカップラーを受けるのに適している。弁14は、第一チャンバ44に流体を充填すること、及び/又は第一チャンバ44を外部流体源(用いられる場合)に接続することを容易にする。
【0046】
図9に示されるとおり、下部不透過シート42(中間層)は、第一チャンバ44から第二チャンバ46への流体の流れを均一に分布させる、小さい直径の穴45を複数含む。望ましくは、穴45はそれぞれ、約0.25μm〜約0.254mmの範囲の直径を有する。次いで、第二チャンバ46の流体は、拡散シート20を通過して患者の皮膚へ達する。図1〜図4を参照して記載されたように、好ましくは、拡散シート20は、拡散シート20を通過する流体を均一に分布させるだけでなく、皮膚への流速も制御する半透膜からなる。拡散シート20は、底部表面を含み、これは装置40の皮膚接触表面の少なくとも一部を確定する。別の実施形態において、シート20及びシート42は、互いに結合して、それにより第二チャンバ46を除去する。この実施形態において、シート20及びシート42は、第一チャンバ44を通って患者の皮膚へ達する流体の流速及び分布を制御する合成シートを含む。
【0047】
流体送達装置40が、抗生物質、局所麻酔、薬物「カクテル」、及び/又は他の流体物質等の流体薬剤(単数又は複数)を、患者の皮膚の、創傷部位又は治療範囲等の表面範囲
への連続送達に利用できることが理解されるだろう。流体送達装置40の操作は、上記で記載される、流体送達装置30の操作と実質的に同様である。操作において、弁14を介して装置40に入る流体は、第一チャンバ44に入り、それから第二チャンバ46(用いられる場合)へと分布し、その後制御されて患者の皮膚に達する。装置40が皮膚上に置かれて第一チャンバ44が一定体積の流体で充填された場合、下部不透過シート42の穴45は、概して均一に、流体を第一チャンバ44から第二チャンバ46に分布させる。次いで、拡散シート20により、流体は、制御された流速で第二チャンバ46から患者の皮膚に達することが可能になる。
【0048】
図5及び図6を参照して上記に記載されたとおり、管が装置40の弁14に接続されて、それにより第一チャンバ44が、静脈内バッグ、ポンプ、リザーバ、又は他の外部流体送達システム等の外部流体源(示されず)と流体を連絡できるようになってもよいと考えられる。一つの実施形態において、流体送達装置40は、ある体積の流体で充填されて、それから管が弁14から分離されてもよい。その後、流体送達装置40は、患者への流体の、携帯可能な源として機能する。装置40の第一チャンバ44が流体で充填される場合、不透過シート18の伸張により、及び/又は上記で記載されるような外部包帯により、流体に圧力がかけられることが理解されるだろう。この圧力により、流体が第一チャンバ44から第二チャンバ46へ流れ、制御されて患者の皮膚へ拡散する。
【0049】
あるいは、管(及び外部流体源)は、装置40が制御された流速で流体を患者に連続的に送達するように、弁14に接続されたままでもよい。管が弁14に接続された状態で、好ましくは、装置40を通じた流体の拡散は、不透過シート18の伸張により流体にかけられる圧力、及び外部流体源によりかけられる圧力の組合せの下で生じる。
【0050】
治療を必要とする特定の表面範囲に依存して、流体送達装置10、30、及び40は、様々な形及び大きさ、並びにそれらの組合せで、有利なように形状が定められてよいことが理解されるだろう。図11〜図15は、有利な形及び大きさを有する、流体送達装置の複数の実施形態を示す。しかしながら、本明細書中に示される以外の形及び大きさ、並びにより複雑な形を提供する、それらと他の形及び大きさの組合せが考えられ、それらが本発明の範囲内にあることが、注記されるべきである。
【0051】
図11は、エンベロープ51及び弁14を含む流体送達装置50の実施形態を示す。エンベロープ51は、長方形ブリッジ部分56で相互接続した第一の円形部分52及び第二の円形部分54を備える。弁14は「一方向」種類のものであり、ルアーコネクタを受けるのに適している。装置50は図1〜図10を参照して上記で記載されたシート及び内部チャンバを任意の数及び/又は組合せで含んでもよいと考えられる。装置10、装置30、装置40でそうであるように、流体送達装置50を構成するシートは、外周シール58により互いに接続している。流体送達装置50の操作は、装置10、装置30、又は装置40の操作と実質的に同様である。
【0052】
図12は、一方向弁14を含む楕円形エンベロープ62を含む流体送達装置60の実施形態を示す。装置60は、本明細書中記載されるシートを任意の数及び/又は組合せで含んでもよく、それらは外周結合材64により互いに固着していると考えられる。楕円形エンベロープ62内に用いられるシートに依存して、流体送達装置60の操作は、装置10、装置30、又は装置40の操作と実質的に同様である。
【0053】
流体送達装置70の別の実施形態は図13に示される。示されるとおり、流体送達装置70は、弁14を有する長方形エンベロープ72を含む。長方形エンベロープ72は、本明細書中に記載されるシート及び内部チャンバを任意の数及び/又は組合せで含んでもよいと考えられる。長方形エンベロープ72を構成するシートは、シール74により互いに
接続している。長方形エンベロープ72を構成する特定のシートに依存して、流体送達装置70の操作は、装置10、装置30、又は装置40の操作と実質的に同様である。
【0054】
正方形エンベロープに限定されないが異なる長方形及び大きさを有する他のエンベロープを形成するように、長方形エンベロープ72の寸法を変更してもよいと考えられる。正方形エンベロープ82を有する流体送達装置80の1つの実施形態は、図14に示される。図13に示される長方形エンベロープ72でそうであるように、正方形エンベロープ82は、一般に、エンベロープ72の中心に配置された一方向弁14を含む。正方形エンベロープ82は、本明細書中に記載されるシートを任意の数及び/又は組合せで含んでもよい。シートは、外周シール84により互いに固着している。正方形エンベロープ82を構成する特定のシートに依存して、流体送達装置80の操作は、装置10、装置30、又は装置40の操作と実質的に同様である。
【0055】
図15は、三角形エンベロープ92を含む流体送達装置90の別の実施形態を示す。三角形エンベロープ92は、ルアーコネクタを受けるのに適した弁14を含む。上記に記載される装置がそうであるように、三角形エンベロープ92は、本明細書中に記載されるシートを任意の数及び/又は組合せで含んでもよい。三角形エンベロープ92を構成するシートは、外周シール94により互いに接続している。三角形エンベロープ92に用いられる特定のシートに依存して、流体送達装置90の操作は、装置10、装置30、又は装置40の操作と実質的に同様である。
【0056】
図16及び図17は、概して参照番号100と示される、流体送達装置の別の実施形態を示す。流体送達装置100は、拡散シート20(装置30の)がコイル状ワイヤ部材102に置き換わっていることを除いて、好ましくは、図7及び図8の装置30と実質的に同様である。望ましくは、操作において、コイル状ワイヤ部材102により、流体は、コイル状ワイヤ部材102の範囲中を、制御された速度で、且つ実質的に均一な様式で通過できる。
【0057】
先の実施形態におけるように、流体送達装置100は、上部層104及び下部層106を含む。好ましくは、上部層104及び下部層106は外周シール108で結合している。コイル状ワイヤ部材102は、上部層104と下部層106との間の空間、又は流体リザーバ110内に位置する。コイル状ワイヤ部材102は、全体の大きさが変わってもよいが、好ましくは下部層106のかなりの部分を覆う。より好ましくは、コイル状ワイヤ部材102は、リザーバ110内の流体のかなりの部分、好ましくはリザーバ110内の実質的に全ての流体が、コイル状ワイヤ部材102を通過してから装置100を出るように、下部層106の全てを実質的に覆う。
【0058】
図示された構成において、コイル状ワイヤ部材102は、中心点Cから、実質的に一定の割合で増加する半径で伸びて、コイル形になるように操作された、1本のワイヤエレメント112で構築される。したがって、ワイヤ112の隣接する部分の間に、実質的に一定のギャップ114が確定される。そのような構成は、部材102の制御された速度及び均一な拡散機能を容易にする。しかしながら、他の構成において、コイル状ワイヤ部材102は、直径が一定間隔で増加し、互いに固定された、複数の別個の輪で構築されてもよい。他の構成では、円形以外の形に形成されているが、好ましくはワイヤの隣接する部分の間に、実質的に一定のギャップが確定されている、1本のワイヤを用いてもよい。そのうえさらに、ワイヤエレメント112は、円形又は長方形に限定されないがこれらを始めとする様々な断面の形を仮定してもよい。1つの構成において、ワイヤエレメント112は、隣接するコイルが、コイル状ワイヤ部材102の少なくとも一部分に沿って接触しているように形成されてもよい。そのような構成において、流体は、隣接するコイルの、又は流体圧に応じて伸張したコイル状ワイヤ部材102の結果としての小さなギャップを通
過することができる。
【0059】
好ましくは、図17に示されるとおり、コイル状ワイヤ部材102は、所望であれば、層104、層106の一方又は両方への接着を容易にするように、実質的に平坦である。好適な構成において、コイル状ワイヤ部材102の少なくとも一部が下部層106に固定される。コイル状ワイヤ部材102は、ワイヤエレメント112の下側表面の全長に沿って下部層106に固定されてもよい。あるいは、部材102は、例えば、部材102の外周に沿って、又は部材102の中心部分でなど、ワイヤエレメント112の1つ又は複数の異なる点又は領域で下部層106に固定されてもよい。有利には、そのような構成を用いて、コイル状ワイヤ部材102は、装置100内の流体によりかけられる圧力に応じて、ワイヤエレメント112の隣接する部分間のギャップ114の大きさを変更するように、拡張又は収縮することができてもよい。
【0060】
コイル状ワイヤ部材102を1つ又は複数の層104、層106に固定するために、化学的結合又は熱的接着に限定されないが、これらを始めとする任意の適した方法を用いてもよい。図示される実施形態において、コイル状ワイヤ部材102は、流体送達装置100の下部層106の一部のみを覆っている。しかしながら、代替実施形態では、コイル状ワイヤ部材102は実質的に下部層106全体を覆ってもよく、そして任意に、上部層104及び下部層106の間の外周シール108内に固定されてもよい。
【0061】
好ましくは、下部層106は、流体が流体リザーバ110から出て行けるように、複数の開口部116を含む。開口部116は、全体で、送達装置100の流体拡散部を確定する。望ましくは、開口部116は、コイル状ワイヤ部材102により覆われる範囲よりわずかに小さいかもしれないが、実質的に等しい、下部層106の範囲を覆う。それゆえ、流体リザーバ110内の流体は、コイル状ワイヤ部材102のギャップ114を通過してから、開口部116を通過して、装置100から流出する。
【0062】
好ましくは、上記に記載される実施形態と同様に、流体送達装置100は、下部層106の外部表面に接着層の形で接着材を用いて、装置100が患者の皮膚に固定された位置にあることを許容する。接着材は、下部層106の外部表面全体を覆ってもよく、又はその一部のみでもよい。1つの構成において、接着材は、下部層106の外部表面の外周にのみ提供される。装置100を患者の皮膚の所望の位置に固定するために、包装材又は包帯もまた、単独又は接着材と組み合わせて用いられてもよい。さらに、上記の実施形態に関して記載されるように、流体が流体リザーバ110に導入できるように、及び望ましくは、装置100が流体の外部源に接続できるようにするために、流体送達装置100に流体注入口14が備えられる。
【0063】
図18及び図19を参照して、概して参照番号120で示される、流体送達装置の別の実施形態が示される。流体送達装置120は、外周シール128により結合した上部層124と下部層126との間に流体リザーバ122を確定する点で、上記に記載される実施形態と同様である。好ましくは、上部層124は流体不透過シートを含み、そして下部層126は流体半透過シートを含む。望ましくは、流体半透過シートは、流体がシートを、制御された実質的に均一な速度で通過できるように形状が定められている。しかしながら、装置120は、図7及び図8の装置30、図9及び図10の装置40、及び図16及び図17の装置100に関して上記に記載されるように、代替的に、2層より多い層で構成されてもよい。さらに、送達装置120は、流体が流体リザーバ122に導入できるように、及び装置120が外部流体源に接続できるようにするために、好ましくは、注入口14を含む。
【0064】
流体送達装置120は、主に、装置120の流体リザーバ122が複数の相互接続した
領域122a〜領域122hにセグメント化されているという点で、上記に記載される実施形態と異なっている。図示される実施形態において、領域122a〜領域122hは、好ましくは直線又は曲線に沿って、上部層124を下部層126に固定することにより作られる複数の閉じ目(seams)130により確定される。製造プロセスの効率性のため、外周シール128の形成と同時に閉じ目130を形成することが好ましい。しかしながら、閉じ目130及び外周シール128はまた、別々のプロセス工程で作られてもよい。さらに、リザーバ122内の個々の領域を確定する他の適した方法も用いられてもよい。
【0065】
領域122a〜領域122hは、全体で、内部チャンバ、又はリザーバ122内の複数の「フローチャンネル」を確定する。フローチャンネルは、流体の、下部流体半透過層126への実質的に均一な分布を提供するように、大きさを決められて装置120内に位置すると考えられる。望ましくは、フローチャンネルは、装置120自身により、又は圧力の外部源により流体にかけられる圧力がより均等に流体に分配するように、流体を装置120内で分割する。結果として、流体の拡散は、装置120により確定される拡散部にわたってより均一になる。そのうえ、フローチャンネルの大きさ及び/又は形は、流体送達装置120を通じて拡散することが意図される特定の種類の流体、及び/又は装置120の全体的な形により、さらに影響を及ぼされると考えられる。例えば、図18及び図19の装置120において、装置120は円形のものであり、そして閉じ目130は直線状で、実質的に互いに平行に配列されている。
【0066】
図20〜図22は、さらなる流体送達装置、140、150、及び160を示し、これらは図18及び図19の装置120と実質的に同様である。図20の円形装置140において、流体注入口14は装置140の縁近くに位置し、そして閉じ目130は注入口のほぼ中心点から外側に向かって伸びている。したがって、装置140に導入された流体は、複数の閉じ目130により作られたフローチャンネルに分けられ、ここで装置120、又は外部圧力源により流体にかけられる圧力は、より均等に流体に分配されて、流体のより均一な送達をもたらす。
【0067】
図21は、蛇行形に形成されて、閉じ目130の実質的に平行な複数の部分(これらは直列で互いに接続している)を確定する、単独の閉じ目130を有する円形流体送達装置150を示す。流体注入口14は、装置150の縁に隣接して位置する。
【0068】
図22は、円形流体送達装置160を示し、ここで複数の閉じ目130は、装置160のほぼ中心点から外側に向かって放射状に伸びている。流体注入口14は実線で示されるように、装置160の縁に隣接して位置してもよく、又は代替的に点線(phantom)で示されるように中心に位置してもよい。
【0069】
図23〜図27Aは、流体送達装置190の別の好適な実施形態を示す。多くの点に関して、流体送達装置190は図1の流体装置10と同様である。しかしながら、さらに、流体エンベロープ12は、接着層、すなわち境界層200を含み、これは、好ましくは、流体送達装置190を患者の皮膚等の表面に固定するよう、及び好ましくは、流体が装置190を流出した後に半径方向で装置190の外周210を超えて通過してしまうことを阻害する補助となるよう形状が定められている。
【0070】
境界層200は、流体送達装置190を患者に固定するための任意の適した構造を備えてもよい。好ましくは、境界層200は、図24に示されるとおり、下部表面204の外周210のほぼ全体に配置される接着片又は層である。すなわち、境界層200は、好ましくは、流体送達装置190の外周210のほぼ全体に伸びる、中断のない連続した環状片である。望ましくは、境界層200は、例えば、発泡層又は同様な材料等の、ある厚さを提供する部材を有する。示されないものの、いくつかの構成によっては、境界層200
は、流体送達装置190の外周210の一部にのみ伸びてもよい。例えば、境界層200は、下部表面204の外周210のかなりの部分に伸びてもよい。そのような構成は、境界層200が、装置190を患者に固定する機能を果たしながらも、ある程度の流体保持を提供できるようにするだろう。
【0071】
図示される境界層又は片200は幅Wを有し、これは適した長さの時間の間、装置190を患者に固定するのに十分な接着性を提供するように、そしてまた、境界層200を超える、したがって装置190の外周210を超える流体移動を阻害するように、形状が定められる。望ましくは、この幅は、約0.5インチ未満である。しかしながら、他の構成において、接着片200は、約0.25インチ〜約0.5インチの間の幅Wを有してもよい。さらに、他の幅Wもまた、装置190の特定の用途に合わせて用いられてもよい。例えば、装置190の外形寸法が、例えば、患者の胸部又は背中等の広い表面範囲を覆うように定められている用途において、0.5インチより大きい幅Wが好ましい場合もある。本開示を検討した後、当業者は、例えば、接着の剥離強度等、装置190の所望の特長に基づいて、所望の用途について接着片200の所望の幅Wを決定することができるだろうと考えられる。そのうえさらに、図示される実施形態において、接着境界片200は、一般に均一な幅Wを有する。しかしながら、他の構成において、接着境界片200は、その長さ方向に沿って変化する幅Wを有してもよい。
【0072】
図示される構成において、接着片200は、図23及び図24に示されるとおり、拡散シート20により確定される内部空間216の外周、接着片200、及び前腕27の境界となる。上記に記載されるように、接着片200は、好ましくは、装置190から分配される空間216内への流体の含有を補助する機能を果たす。次いで、空間216内の流体は、所望の場所で、好ましくは流体が漏れだすことなく、患者の皮膚へと通過する。すなわち、好ましくは、接着片200は、流体が空間216の外へ放射状に移動することを防ぐか、又は実質的に阻害するように形状が定められている。好ましくは、接着片200はまた、流体送達装置190を患者の皮膚に固定する。
【0073】
図示される構成において、シール220は、拡散シート20の下部表面204と接着片200の上部表面221との間に形成される。さらに、シール222は、前腕27と接着片200の下部表面223との間に形成される。好ましくは、シール220、シール222は、流体が流体送達装置190と患者の皮膚との間でそこから放射状に漏れないように、流体の外側への動きを阻害し、好ましくは防ぐ、流体密封のシールである。シール220、シール222は、医学的応用で用いるのに適した接着材料で作ることができ、且つ医療用装置構築物に用いられる一般的な材料(例えば、医療用の重合体材料又は金属材料)に適合しても良い。
【0074】
有利なことに、接着片200は、送達装置190により覆われる創傷部位の汚染の量を減少させ得る。例えば、接着片200の下部表面223は、細菌又は他の汚染物質が流体送達装置190と患者の皮膚との間を通過することを阻害するように、患者の皮膚と接合することができる。
【0075】
図28は、概して参照番号224で示される、流体送達装置の別の実施形態を示す。好ましくは、流体送達装置224は、以下に記載される以外は、構造及び機能において、図23の流体送達装置190と実質的に同様である。図示される実施形態において、境界層200は、流体送達装置224を患者に接続する。境界層200は、患者の皮膚と結合するための接着層をはじめとする、拡散シート20に接着した材料の薄層を備えてもよく、又は、単に接着材の層を備えてもよい。したがって、装置224の拡散シート20は、患者の皮膚表面に対して、相対的に平坦に位置する。すなわち、空間216の厚さは、好ましくは、最小限に減らされるか、又は実質的に排除される。そのような構成を用いて、流
体送達装置224は、患者の皮膚に結合され、拡散シート20は患者の皮膚表面に対して、概して平坦に位置することができる。
【0076】
図23〜図28の流体送達装置190、224は、好ましくは、流体送達装置190、224への流体送達を選択的に阻害又は許容し得る弁14を含む。弁14は、好ましくは、弁14と実質的に同様であり、したがって詳細に記載されない。図示される実施形態において、管29は、片方の端で流体送達装置190、224の弁14の第一末端に接続される。管29のもう一端は、静脈内バッグ、ポンプ、リザーバ、又は他の外部流体送達システム等の外部流体源に接続される。別の実施形態において、送達装置190、224は、例えば、流体送達シリンジ等の他の流体源と流体を連絡し得る。
【0077】
操作において、流体は、管29により、弁14及び注入口通路23(図23)を通過して流体送達装置190、224の流体リザーバ22に入ることにより、装置190、224に送達される。十分量の流体25がリザーバ22に送られた後、流体25は、上記に記載されるように、拡散シート20を通って、好ましくは内部空間216を通過し、またここに溜められて、拡散し始める。次いで、内部空間216内の流体25は、患者の皮膚を介して患者に送達される。したがって、流体送達装置190に送達された流体は、リザーバ22、拡散シート20、及び空間216を通過して患者の皮膚まで達する流体経路に沿って流れることができる。接着片200は、流体25が患者に吸収されている間、流体送達装置190、224の外周202を患者の皮膚に固定する。
【0078】
1つの構成において、流体送達装置190、224は、接着片200の少なくとも下部表面223に取り除き可能な保護シート(示されず)を含む。取り除き可能な保護シートは、接着片200の所望の接着特性及び/又は無菌性を維持し得る。取り除き可能な保護シートは、使用前に接着片200からはがされて、接着片200の下部表面223を露出する。しかしながら、代替構成において、接着片200は保護シートを持たなくてもよく、使用まで密閉された包装に入れられていてもよい。包装が開けられると、流体送達装置190、224は、いかなる保護シートもはがすことなく、患者の皮膚へ直接取り付けることができる。使用前の接着片200の無菌性及び接着特性を保持する他の適した構成もまた用いられてもよい。
【0079】
任意に、流体送達装置190、224は、1回又は複数の送達サイクルの間、患者の皮膚に固定されたままであり得る。すなわち、流体送達装置190、224は、1バッチより多い流体が再充填されて患者に送達することができる。流体送達装置190は、任意の適した送達サイクル回数の間、患者に固定されたままでもよい。接着片200が、流体送達装置190、224を患者の皮膚に繰り返し取り付けるのに用いることができ、しかも患者の皮膚の1カ所又は複数箇所で流体送達装置190、224にそれを許容することもまた、考えられている。
【0080】
図29及び図30は、概して参照番号228で示される、流体送達装置の別の実施形態を示す。流体送達装置228は、下部層106が、該下部層に取り付けられた接着片200を有することを除いて、好ましくは、図16及び図17の装置100と実質的に同様である。装置228は、好ましくは、コイル状ワイヤ部材102を含み、これにより、流体は、コイル状ワイヤ部材102の範囲にわたって、制御された速度で、及び実質的に均一な様式で、部材102を通過できる。送達装置228は概して送達装置100と同様であるため、送達装置228のさらに詳細な説明は、当業者が本発明の流体送達装置228を作成又は使用する目的で、必要であるとは考えられない。
【0081】
図31及び図32は、参照番号300で示される、流体送達装置の別の実施形態を示す。図示される実施形態において、流体送達装置300は、流体不透過シート318及び、
好ましくは実質的に均一な速度で流体がそこを通過することを許容する流体半透過シート又は拡散シート320とで構築されるエンベロープ312を含む。不透過シート318及び拡散シート320の外側縁部分は、その間に実質的に流体密封の内部チャンバ322が形成されるように、外周シール316で互いに固定される。したがって、好ましくは、送達装置300は、図1〜図6に示される流体送達装置10と実質的に同様である。しかしながら、さらに、流体送達装置300は、拡散シート320に隣接し、且つ、好ましくは、装置300の外側表面を確定する抗菌性物質330の層を含む。
【0082】
図示される実施形態において、抗菌性物質層330は、送達装置300の下部皮膚接触表面を確定する。したがって、抗菌性物質層330の少なくとも一部は、流体送達装置230の操作の間、患者の皮膚に対して配置される。抗菌性物質層330は、有利なことに、送達装置300の材料内、及び送達装置300と患者との間での、微生物の成長を阻害する。
【0083】
図示される構成において、抗菌性物質層330は、実質的に拡散シート320の全体を覆う。しかしながら、抗菌性物質層330は、微生物の成長を阻害するのに適した、拡散シート320の任意の場所(単数又は複数)を覆うことも可能である。例えば、抗菌性物質層330は、患者の皮膚で拡散シート320の真下の部分のみと接触するように大きさ及び形状が定められてもよい。
【0084】
好ましくは、図31及び図32に示されるとおり、抗菌性物質層330の厚さは、実質的に一定である。しかしながら、構成によっては、抗菌性物質層330の厚さは、層330のある範囲では増加又は減少していてもよい。例えば、抗菌性物質層330の厚さは、流体送達装置300の中心から放射状に外に向かって移動する場合に変化してもよい。抗菌性物質層330は、流体が患者の皮膚に送達されることを許容したままで、微生物の成長を阻害するのに適した任意の厚さを有し得ると考えられる。
【0085】
現在好ましい構成において、抗菌性物質層330は、銀イオン材料を含有する。好ましい銀イオン材料は、商品名AQUACEL AGで、ConvaTec,a Bristol-Myers Squibb Companyにより市販されている。この特定の材料はまた、創傷流体と接触するとゲル化又は膨潤して、患者と装置300との間のデッドスペース(dead space)を減少させる特徴も有する。抗菌性物質層330は、ゲル化材料内の細菌も閉じ込める。さらに、イオン化銀は、細菌及び他の病原を殺傷する。したがって、抗菌性物質層330の抗菌性により、流体送達装置300を、かなりの長時間にわたって取り外すことなく使用できる。したがって、装置300の真下の範囲を清潔にする目的での、不便でしばしば痛みを伴う装置300の取り外しが、治療過程の間、減少するか排除される。別の構成において、拡散シート320はイオン化銀で含浸されていてもよく、且つ追加層330が省略されてもよい。
さらに、他の抗菌性物質が用いられてもよい。
【0086】
図33は、図31及び図32の送達装置300の改変体を示し、これは概して参照番号400で示される。送達装置400は、抗菌性物質層330及び接着片又は層420の両方を含み、該接着片420は、好ましくは図23〜図27Aの流体送達装置190の接着片200と同様である。有利なことに、接着片420及び拡散シート320は、共同して、流体送達装置400と患者の皮膚との間で放射状に流体が漏れることを阻害又は予防し得る。接着片420の厚さは、抗菌性物質層330の厚さと同じであっても異なっていてもよい。
【0087】
有利なことに、接着片420は、送達装置400により覆われた部位の汚染速度を減少させ得る。例えば、接着片420は、好ましくは、細菌又は他の汚染物質が流体送達装置400と患者の皮膚との間に入ることを阻害又は予防するように、患者の皮膚と結合する
。もし細菌又は他の汚染物質が接着片420と患者の皮膚との間に入ったとしても、有利なことに、抗菌性物質層330が流体送達装置400により覆われた範囲の感染率を減少させる。例えば、上記に記載されるように、抗菌性物質層330は、好ましくは微生物殺傷性を示す銀イオン材料を含有する。したがって、有利なことに、接着片420と抗菌性物質層330との組合せは、共同して、流体送達装置400により覆われた皮膚部を清潔にするために装置400を取り外すことを必要とせずに、この範囲の感染率を減少させる。
【0088】
図34に示されるとおり、流体送達装置430のさらなる実施形態は、上部不透過シート318及び下部不透過シート332との間に配置された拡散シート320を備える。送達装置430は、図34の装置430が抗菌物質層330を含むことを除いて、好ましくは、図8に示される送達装置30と同様である。図示される実施形態において、抗菌性物質層330は、下部不透過シート332の下に位置し、したがって、抗菌性物質層330が、装置430の下部表面の少なくとも一部、又は装置430の皮膚接触表面を確定する。
【0089】
上記に記載されるように、好ましくは、拡散シート320は、不透過シート318と下部不透過シート332との間に挿入されて、装置430の内部領域を第一チャンバ334と第二チャンバ336とに分割する。第一チャンバ334は、拡散シート320の上部表面と不透過シート318の下部表面との間に確定され、そして第二チャンバ336は、拡散シート320の下部表面と不透過下部シート332との上部表面の間に確定される。下部不透過シート332は、好ましくは、送達装置430のリザーバから患者の皮膚への流体通過を可能にする、1つ又は複数の通路335を含む。
【0090】
図示される実施形態において、抗菌性物質層330は、複数の通路335のそれぞれに対応する複数の通路337を含む。したがって、装置430内の流体は、第二チャンバ336から不透過シート332及び抗菌性物質層330の両方を通じて送達され得る。好ましくは、装置430は、穴335及び穴337により確定される拡散区分にわたって、実質的に均一な様式で、流体を送達する。好ましくは、流体送達装置430は、上記に記載される送達装置と同様な様式で構成又は操作される。しかしながら、他の構成において、抗菌性物質層330は、実質的に連続していて通路335を覆う。そのような構成において、抗菌性物質層330は、望ましくは装置430からの流体の流れを材料的に邪魔することなく、すなわち、装置430が抗菌性物質層330なしで有するであろう流速に実質的に影響を及ぼすことなく、好ましくは、流体が抗菌性物質層330を通過できるぐらい十分多孔質である。
【0091】
本発明の好適な実施形態が詳細に記載されてきたものの、本明細書中に記載される特長及び有益性の全てを必ずしも提供する必要はない実施形態をはじめとする特定の修飾及び改変が、当業者に明らかとなるだろう。すなわち、実施形態のあるものは、1つ又は複数の特長及び有益性を例示し、一方他の実施形態は他の特長及び有益性を例示していてもよい。したがって、本発明の範囲は、図面又は前述のそれらの記載によって制限されず、以下の請求項によって制限される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体薬剤送達装置であって、
流体不透過ポーチと、
流体注入口と、
流体半透過層とを含み、
前記流体不透過ポーチは、向かい合う第一壁及び第二壁を有し、該第一壁及び該第二壁はそれらの間にある空間を確定し、該空間は前記流体薬剤送達装置の流体リザーバを確定し、該第二壁は該壁を貫通し該流体薬剤送達装置の拡散部を確定する複数の開口部を含み、
前記流体注入口は、前記流体リザーバと連絡し、流体が前記流体リザーバに入れるように形状が定められた弁を含み、前記流体注入口は流体供給と接続することを可能にし、
前記流体半透過層は、前記送達装置の少なくとも前記拡散部を覆い、前記流体半透過層は、前記流体リザーバ内の流体が該流体半透過層を通過しなければ該流体薬剤送達装置を出られないように形状が定められている、前記流体薬剤送達装置。
【請求項2】
前記流体注入口は、流体が前記流体リザーバに入れるように形状が定められた一方向弁を含む、請求項1に記載の送達装置。
【請求項3】
流体は、流体圧力の外部源により該流体にかけられる圧力に応答して、前記流体半透過層を通って拡散可能である、請求項1または2に記載の送達装置。
【請求項4】
前記流体半透過層は、孔の大きさが0.25ミクロン未満である多孔質膜を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項5】
前記第二壁の前記開口部は、約0.25ミクロン〜0.254mmの間の直径を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項6】
前記流体不透過ポーチは前記第一壁と前記第二壁との間の円周シールを含み、前記流体半透過層の外周は該円周シールによって密閉される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項7】
少なくとも1つの内部壁を前記流体リザーバ内にさらに含み、該内部壁は該流体リザーバを互いに相互接続した複数の領域にセグメント化する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項8】
前記流体半透過層は、前記第一壁と前記第二壁との間に配置される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項9】
前記流体半透過層は、前記第二壁に隣接して、前記流体不透過ポーチの外側に配置される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項10】
前記流体半透過層は、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデンジフルオリド、ポリカーボネート、ナイロン、高密度ポリエチレン、及びポリテトラフルオロエチレンのうち1つから選択される材料を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項11】
医薬流体を患者の皮膚部に送達するシステムであって、
送達装置と、
ポンプとを含み、
前記送達装置は、流体半透過層及び流体不透過層を含み、該流体半透過層及び流体不透過層は共同してそれらの間にある空間を確定し、該空間は該送達装置の流体リザーバを確定し、流体注入口は該流体リザーバと連絡し、
前記ポンプは、流体に圧力をかけるように設定され、該ポンプは前記流体注入口と接続可能であり、送達サイクルの間、該流体の流れを前記流体リザーバに供給し、
前記輸液ポンプが前記流体注入口に接続されている場合、前記流体リザーバ内の前記流体は、該輸液ポンプによりかけられる前記圧力に応答して前記流体半透過層を通って拡散可能である、
前記システム。
【請求項12】
前記流体半透過層は、孔の大きさが0.25ミクロン未満である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
少なくとも1つの内部壁を前記流体リザーバ内にさらに含み、該内部壁は該流体リザーバを互いに相互接続した複数の領域にセグメント化する、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記流体半透過層は、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデンジフルオリド、ポリカーボネート、ナイロン、高密度ポリエチレン、及びポリテトラフルオロエチレンのうち1つから選択される材料を含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
流体薬剤送達装置であって、
流体不透過ポーチと、
コイル状ワイヤ部材とを含み、
前記流体不透過ポーチは、向かい合う第一壁及び第二壁を有し、該第一壁及び該第二壁はそれらの間にある空間を確定し、該空間は該送達装置の流体リザーバを確定し、該第二壁は該壁を貫通し該送達装置の拡散部を確定する複数の開口部を含み、
前記コイル状ワイヤ部材は、前記送達装置の少なくとも前記拡散部を覆い、該コイル状ワイヤ部材は複数の隣接するワイヤ区分の間の複数のギャップを確定する複数の隣接するワイヤ区分を含み、該コイル状ワイヤ部材は、該流体リザーバ内の流体が該コイル状ワイヤ部材を通過しなければ該送達装置を出られないように形状が定められている、
前記流体薬剤送達装置。
【請求項16】
前記コイル状ワイヤ部材は、ワイヤエレメントの第一の末端から第二の末端まで、実質的に一定の割合で増加する半径で伸びて、コイル形状を形成する1本のワイヤエレメントを含む、請求項15に記載の送達装置。
【請求項17】
前記コイル状ワイヤ部材は、実質的に平坦である、請求項15または16に記載の送達装置。
【請求項18】
前記コイル状ワイヤ部材の外周縁は、前記流体不透過ポーチの前記第二壁に固定される、請求項15〜17のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項19】
流体薬剤送達装置であって、
流体不透過シートと、
拡散シートと、
境界層とを含み、
前記拡散シートは、第一の表面とそれに向かい合う第二の表面とを有し、該拡散シートの該第一の表面及び該不透過シートは共同してそれらの間にある空間を確定し、該空間は該
送達装置の流体リザーバを確定し、該拡散シートの該第一の表面及び該不透過シートはそれらの間に連続シールを有して該流体リザーバの外周を確定し、
前記境界層は、前期第二の表面の内部領域の実質的に境界となる前記流体半透過層の前記第二の表面に配置され、該境界層は、前記流体薬剤送達装置が患者に固定されるように、且つ流体が放射状に該内部領域を超えることを実質的に防ぐように、形状が定められている、
前記流体薬剤送達装置。
【請求項20】
流体注入口をさらに含む送達装置であって、該流体注入口は前記流体リザーバと連絡し、該流体注入口は流体が前記流体リザーバに入れるように形状が定められた弁を含み、該流体注入口は該送達装置が流体供給と選択的に接合することを可能にする、請求項19に記載の送達装置。
【請求項21】
コイル状ワイヤ部材をさらに含む送達装置であって、該コイル状ワイヤ部材は、複数の隣接するワイヤ区分の間の複数のギャップを確定する複数の隣接するワイヤ区分を含み、該コイル状ワイヤ部材は、前記流体リザーバ内の流体が該コイル状ワイヤ部材を通過しなければ該送達装置を出られないように形状が定められている、請求項19または20に記載の送達装置。
【請求項22】
前記第二の表面に固定され、且つ前記内部領域の少なくとも一部を占める抗菌性物質層をさらに含む、請求項19〜21のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項23】
前記抗菌性物質層は銀イオン材料である、請求項22に記載の送達装置。
【請求項24】
前記境界層は、前記流体半透過層と患者の皮膚との間の経路を少なくとも部分的に確定する、請求項19〜23のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項25】
前記境界層は約0.5インチ未満の幅を有する、請求項19〜24のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項26】
前記境界層は約0.25インチ〜約0.5インチの間の幅を有する、請求項19〜24のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項27】
前記境界層は均一な幅を有する、請求項19〜26のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項28】
前記弁は、流体が前記流体リザーバに入れるように、且つ流体が前記流体注入口を通じて該流体リザーバから出ることを防ぐように形状が定められた一方向弁を含む、請求項19〜27のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項29】
医薬流体を患者の皮膚部に送達するシステムであって、
送達装置と、
ポンプとを含み、
前記送達装置は、共同して該送達装置の流体リザーバを確定する流体半透過層及び拡散層と、該流体リザーバと連絡する流体注入口と、該送達装置が患者に固定可能であることを許容するように形状が定められた接着境界層とを含み、該接着境界層は実質的に連続した境界内部領域を作り、
前記ポンプは、流体に圧力をかけるように設定され、前記ポンプは前記流体注入口と接続可能であり、送達サイクルの間、前記流体の流れを前記流体リザーバに供給し、
前記輸液ポンプが前記流体注入口に接続されている場合、前記流体リザーバ内の前記流体は、該輸液ポンプによりかけられる前記圧力に応答して前記拡散層を通って前記内部領
域へ拡散可能である、
前記システム。
【請求項30】
前記拡散層は、孔の大きさが0.25ミクロン未満である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
少なくとも1つの内部壁を前記流体リザーバ内にさらに含み、該内部壁は該流体リザーバを互いに相互接続した複数の領域にセグメント化する、請求項29または30に記載のシステム。
【請求項32】
前記拡散層は、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデンジフルオリド、ポリカーボネート、ナイロン、高密度ポリエチレン、及びポリテトラフルオロエチレンのうち1つから選択される材料を含む、請求項29〜31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記内部領域内に抗菌性物質層をさらに含む、請求項29〜32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
流体送達装置であって、
実質的に流体不透過性で柔軟な第一シートと、
流体透過性で柔軟な第二シートと、
接着境界層とを含み、
前記第二シートは、該第二シートを通じた流体の流れがその表面にわたって実質的に均一であるように、該流れを制限し、
該第一シートと該第二シートとは一緒に固定されてポケットを形成し、該ポケットは流体が、該第二シートを通じて出る以外は、該ポケットの外側へ流れることを防ぐように密閉されており、
前記接着境界層は、前記ポケットからの流体が該接着境界層により作られた境界内の患者の皮膚部に実質的に閉じ込められるように、該ポケットの周囲に伸び、且つ患者の皮膚と隣接する前記第二シートを固定するのに適している、
前記流体送達装置。
【請求項35】
流体薬剤送達装置であって、
第一の流体不透過層と、
拡散層と、
流体注入口と、
抗菌性物質材料とを含み、
前記拡散層は、前記拡散層と前記第一の流体不透過層は共同してそれらの間にある空間を確定し、該空間は該送達装置の流体リザーバを確定し、該拡散層と前記第一の流体不透過層はそれらの間に連続したシールを有して前記流体リザーバの外周を確定し、
前記流体注入口は、前記流体リザーバと連絡し、該流体注入口は流体が前記流体リザーバに入れるように形状が定められた弁を含み、該流体注入口は該送達装置が流体供給と選択的に接続することを可能にし、
前記抗菌性物質材料は前記拡散層の表面に隣接し、
流体は該流体に付与される圧力に応答して前記拡散層を通って拡散可能である、
前記流体薬剤送達装置。
【請求項36】
前記抗菌性物質材料は銀イオン材料である、請求項35に記載の送達装置。
【請求項37】
第二の流体不透過層を前記抗菌性物質層と前記第一の流体不透過層との間にさらに含む
送達装置であって、該第二の流体不透過層は全体で前記装置の拡散部を確定する複数の開口部を含む、請求項35または36に記載の送達装置。
【請求項38】
前記第二の流体不透過層は前記第一の流体不透過層と前記拡散層との間にある、請求項37に記載の送達装置。
【請求項39】
前記第二の流体不透過層は前記拡散層と前記抗菌性物質層との間にある、請求項38に記載の送達装置。
【請求項40】
流体薬剤送達装置であって、
流体不透過ポーチと、
コイル状ワイヤ部材とを含み、
前記流体不透過ポーチは、向かい合う第一壁と第二壁とを有し、該第一壁及び該第二壁はそれらの間にある空間を確定し、該空間は該送達装置の流体リザーバを確定し、該第二壁は該送達装置から流体が拡散することを許容し、該第二壁は抗菌性物質材料を含み、
前記コイル状ワイヤ部材は、複数の隣接するワイヤ区分の間の複数のギャップを確定する複数の隣接するワイヤ区分を含み、該コイル状ワイヤ部材は、前記流体リザーバ内の流体が該コイル状ワイヤ部材を通過しなければ該送達装置を出られないように形状が定められている、
前記流体薬剤送達装置。
【請求項41】
前記コイル状ワイヤ部材は、ワイヤエレメントの第一の末端から第二の末端まで、実質的に一定の割合で増加する半径で伸びて、コイル形を形成する、1本のワイヤエレメントを含む、請求項40に記載の送達装置。
【請求項42】
前記コイル状ワイヤ部材は、実質的に平坦である、請求項40または41に記載の送達装置。
【請求項43】
前記コイル状ワイヤ部材の外周縁は、前記流体不透過ポーチの前記第二壁に固定される、請求項40〜42のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項1】
流体薬剤送達装置であって、
流体不透過ポーチと、
流体注入口と、
流体半透過層とを含み、
前記流体不透過ポーチは、向かい合う第一壁及び第二壁を有し、該第一壁及び該第二壁はそれらの間にある空間を確定し、該空間は前記流体薬剤送達装置の流体リザーバを確定し、該第二壁は該壁を貫通し該流体薬剤送達装置の拡散部を確定する複数の開口部を含み、
前記流体注入口は、前記流体リザーバと連絡し、流体が前記流体リザーバに入れるように形状が定められた弁を含み、前記流体注入口は流体供給と接続することを可能にし、
前記流体半透過層は、前記送達装置の少なくとも前記拡散部を覆い、前記流体半透過層は、前記流体リザーバ内の流体が該流体半透過層を通過しなければ該流体薬剤送達装置を出られないように形状が定められている、前記流体薬剤送達装置。
【請求項2】
前記流体注入口は、流体が前記流体リザーバに入れるように形状が定められた一方向弁を含む、請求項1に記載の送達装置。
【請求項3】
流体は、流体圧力の外部源により該流体にかけられる圧力に応答して、前記流体半透過層を通って拡散可能である、請求項1または2に記載の送達装置。
【請求項4】
前記流体半透過層は、孔の大きさが0.25ミクロン未満である多孔質膜を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項5】
前記第二壁の前記開口部は、約0.25ミクロン〜0.254mmの間の直径を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項6】
前記流体不透過ポーチは前記第一壁と前記第二壁との間の円周シールを含み、前記流体半透過層の外周は該円周シールによって密閉される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項7】
少なくとも1つの内部壁を前記流体リザーバ内にさらに含み、該内部壁は該流体リザーバを互いに相互接続した複数の領域にセグメント化する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項8】
前記流体半透過層は、前記第一壁と前記第二壁との間に配置される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項9】
前記流体半透過層は、前記第二壁に隣接して、前記流体不透過ポーチの外側に配置される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項10】
前記流体半透過層は、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデンジフルオリド、ポリカーボネート、ナイロン、高密度ポリエチレン、及びポリテトラフルオロエチレンのうち1つから選択される材料を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項11】
医薬流体を患者の皮膚部に送達するシステムであって、
送達装置と、
ポンプとを含み、
前記送達装置は、流体半透過層及び流体不透過層を含み、該流体半透過層及び流体不透過層は共同してそれらの間にある空間を確定し、該空間は該送達装置の流体リザーバを確定し、流体注入口は該流体リザーバと連絡し、
前記ポンプは、流体に圧力をかけるように設定され、該ポンプは前記流体注入口と接続可能であり、送達サイクルの間、該流体の流れを前記流体リザーバに供給し、
前記輸液ポンプが前記流体注入口に接続されている場合、前記流体リザーバ内の前記流体は、該輸液ポンプによりかけられる前記圧力に応答して前記流体半透過層を通って拡散可能である、
前記システム。
【請求項12】
前記流体半透過層は、孔の大きさが0.25ミクロン未満である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
少なくとも1つの内部壁を前記流体リザーバ内にさらに含み、該内部壁は該流体リザーバを互いに相互接続した複数の領域にセグメント化する、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記流体半透過層は、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデンジフルオリド、ポリカーボネート、ナイロン、高密度ポリエチレン、及びポリテトラフルオロエチレンのうち1つから選択される材料を含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
流体薬剤送達装置であって、
流体不透過ポーチと、
コイル状ワイヤ部材とを含み、
前記流体不透過ポーチは、向かい合う第一壁及び第二壁を有し、該第一壁及び該第二壁はそれらの間にある空間を確定し、該空間は該送達装置の流体リザーバを確定し、該第二壁は該壁を貫通し該送達装置の拡散部を確定する複数の開口部を含み、
前記コイル状ワイヤ部材は、前記送達装置の少なくとも前記拡散部を覆い、該コイル状ワイヤ部材は複数の隣接するワイヤ区分の間の複数のギャップを確定する複数の隣接するワイヤ区分を含み、該コイル状ワイヤ部材は、該流体リザーバ内の流体が該コイル状ワイヤ部材を通過しなければ該送達装置を出られないように形状が定められている、
前記流体薬剤送達装置。
【請求項16】
前記コイル状ワイヤ部材は、ワイヤエレメントの第一の末端から第二の末端まで、実質的に一定の割合で増加する半径で伸びて、コイル形状を形成する1本のワイヤエレメントを含む、請求項15に記載の送達装置。
【請求項17】
前記コイル状ワイヤ部材は、実質的に平坦である、請求項15または16に記載の送達装置。
【請求項18】
前記コイル状ワイヤ部材の外周縁は、前記流体不透過ポーチの前記第二壁に固定される、請求項15〜17のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項19】
流体薬剤送達装置であって、
流体不透過シートと、
拡散シートと、
境界層とを含み、
前記拡散シートは、第一の表面とそれに向かい合う第二の表面とを有し、該拡散シートの該第一の表面及び該不透過シートは共同してそれらの間にある空間を確定し、該空間は該
送達装置の流体リザーバを確定し、該拡散シートの該第一の表面及び該不透過シートはそれらの間に連続シールを有して該流体リザーバの外周を確定し、
前記境界層は、前期第二の表面の内部領域の実質的に境界となる前記流体半透過層の前記第二の表面に配置され、該境界層は、前記流体薬剤送達装置が患者に固定されるように、且つ流体が放射状に該内部領域を超えることを実質的に防ぐように、形状が定められている、
前記流体薬剤送達装置。
【請求項20】
流体注入口をさらに含む送達装置であって、該流体注入口は前記流体リザーバと連絡し、該流体注入口は流体が前記流体リザーバに入れるように形状が定められた弁を含み、該流体注入口は該送達装置が流体供給と選択的に接合することを可能にする、請求項19に記載の送達装置。
【請求項21】
コイル状ワイヤ部材をさらに含む送達装置であって、該コイル状ワイヤ部材は、複数の隣接するワイヤ区分の間の複数のギャップを確定する複数の隣接するワイヤ区分を含み、該コイル状ワイヤ部材は、前記流体リザーバ内の流体が該コイル状ワイヤ部材を通過しなければ該送達装置を出られないように形状が定められている、請求項19または20に記載の送達装置。
【請求項22】
前記第二の表面に固定され、且つ前記内部領域の少なくとも一部を占める抗菌性物質層をさらに含む、請求項19〜21のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項23】
前記抗菌性物質層は銀イオン材料である、請求項22に記載の送達装置。
【請求項24】
前記境界層は、前記流体半透過層と患者の皮膚との間の経路を少なくとも部分的に確定する、請求項19〜23のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項25】
前記境界層は約0.5インチ未満の幅を有する、請求項19〜24のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項26】
前記境界層は約0.25インチ〜約0.5インチの間の幅を有する、請求項19〜24のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項27】
前記境界層は均一な幅を有する、請求項19〜26のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項28】
前記弁は、流体が前記流体リザーバに入れるように、且つ流体が前記流体注入口を通じて該流体リザーバから出ることを防ぐように形状が定められた一方向弁を含む、請求項19〜27のいずれか一項に記載の送達装置。
【請求項29】
医薬流体を患者の皮膚部に送達するシステムであって、
送達装置と、
ポンプとを含み、
前記送達装置は、共同して該送達装置の流体リザーバを確定する流体半透過層及び拡散層と、該流体リザーバと連絡する流体注入口と、該送達装置が患者に固定可能であることを許容するように形状が定められた接着境界層とを含み、該接着境界層は実質的に連続した境界内部領域を作り、
前記ポンプは、流体に圧力をかけるように設定され、前記ポンプは前記流体注入口と接続可能であり、送達サイクルの間、前記流体の流れを前記流体リザーバに供給し、
前記輸液ポンプが前記流体注入口に接続されている場合、前記流体リザーバ内の前記流体は、該輸液ポンプによりかけられる前記圧力に応答して前記拡散層を通って前記内部領
域へ拡散可能である、
前記システム。
【請求項30】
前記拡散層は、孔の大きさが0.25ミクロン未満である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
少なくとも1つの内部壁を前記流体リザーバ内にさらに含み、該内部壁は該流体リザーバを互いに相互接続した複数の領域にセグメント化する、請求項29または30に記載のシステム。
【請求項32】
前記拡散層は、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデンジフルオリド、ポリカーボネート、ナイロン、高密度ポリエチレン、及びポリテトラフルオロエチレンのうち1つから選択される材料を含む、請求項29〜31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記内部領域内に抗菌性物質層をさらに含む、請求項29〜32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
流体送達装置であって、
実質的に流体不透過性で柔軟な第一シートと、
流体透過性で柔軟な第二シートと、
接着境界層とを含み、
前記第二シートは、該第二シートを通じた流体の流れがその表面にわたって実質的に均一であるように、該流れを制限し、
該第一シートと該第二シートとは一緒に固定されてポケットを形成し、該ポケットは流体が、該第二シートを通じて出る以外は、該ポケットの外側へ流れることを防ぐように密閉されており、
前記接着境界層は、前記ポケットからの流体が該接着境界層により作られた境界内の患者の皮膚部に実質的に閉じ込められるように、該ポケットの周囲に伸び、且つ患者の皮膚と隣接する前記第二シートを固定するのに適している、
前記流体送達装置。
【請求項35】
流体薬剤送達装置であって、
第一の流体不透過層と、
拡散層と、
流体注入口と、
抗菌性物質材料とを含み、
前記拡散層は、前記拡散層と前記第一の流体不透過層は共同してそれらの間にある空間を確定し、該空間は該送達装置の流体リザーバを確定し、該拡散層と前記第一の流体不透過層はそれらの間に連続したシールを有して前記流体リザーバの外周を確定し、
前記流体注入口は、前記流体リザーバと連絡し、該流体注入口は流体が前記流体リザーバに入れるように形状が定められた弁を含み、該流体注入口は該送達装置が流体供給と選択的に接続することを可能にし、
前記抗菌性物質材料は前記拡散層の表面に隣接し、
流体は該流体に付与される圧力に応答して前記拡散層を通って拡散可能である、
前記流体薬剤送達装置。
【請求項36】
前記抗菌性物質材料は銀イオン材料である、請求項35に記載の送達装置。
【請求項37】
第二の流体不透過層を前記抗菌性物質層と前記第一の流体不透過層との間にさらに含む
送達装置であって、該第二の流体不透過層は全体で前記装置の拡散部を確定する複数の開口部を含む、請求項35または36に記載の送達装置。
【請求項38】
前記第二の流体不透過層は前記第一の流体不透過層と前記拡散層との間にある、請求項37に記載の送達装置。
【請求項39】
前記第二の流体不透過層は前記拡散層と前記抗菌性物質層との間にある、請求項38に記載の送達装置。
【請求項40】
流体薬剤送達装置であって、
流体不透過ポーチと、
コイル状ワイヤ部材とを含み、
前記流体不透過ポーチは、向かい合う第一壁と第二壁とを有し、該第一壁及び該第二壁はそれらの間にある空間を確定し、該空間は該送達装置の流体リザーバを確定し、該第二壁は該送達装置から流体が拡散することを許容し、該第二壁は抗菌性物質材料を含み、
前記コイル状ワイヤ部材は、複数の隣接するワイヤ区分の間の複数のギャップを確定する複数の隣接するワイヤ区分を含み、該コイル状ワイヤ部材は、前記流体リザーバ内の流体が該コイル状ワイヤ部材を通過しなければ該送達装置を出られないように形状が定められている、
前記流体薬剤送達装置。
【請求項41】
前記コイル状ワイヤ部材は、ワイヤエレメントの第一の末端から第二の末端まで、実質的に一定の割合で増加する半径で伸びて、コイル形を形成する、1本のワイヤエレメントを含む、請求項40に記載の送達装置。
【請求項42】
前記コイル状ワイヤ部材は、実質的に平坦である、請求項40または41に記載の送達装置。
【請求項43】
前記コイル状ワイヤ部材の外周縁は、前記流体不透過ポーチの前記第二壁に固定される、請求項40〜42のいずれか一項に記載の送達装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図27A】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図27A】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2010−214136(P2010−214136A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141039(P2010−141039)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【分割の表示】特願2006−527018(P2006−527018)の分割
【原出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(500278903)アイ−フロー コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【分割の表示】特願2006−527018(P2006−527018)の分割
【原出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(500278903)アイ−フロー コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】
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