流体試料の自動採取のためのシステム及び方法
生物の試料部位SSから流体試料を採取するための自動システムに関する。システムは、試料部位SSに近接して配置されるように構成される接続部CJを備えるカテーテル手段CA,CBを備えている。接続部は第1および第2カテーテル手段CA,CBと試料採取端CTEに接続される。弁VA2が第1カテーテル手段CAに接続され、第1カテーテル手段に吸引されるべき混合不可流体に対する入口入口VIを有している。ポンプ手段PA,PBがカテーテル手段と接続でき、流体ABの全体を吸引して接続部に移動させるように構成されている。混合不可流体ABの第1部分AB1は前記第2カテーテル手段CBに配置され、前記混合不可流体ABの第2部分AB2は第1カテーテル手段に配置され、第1部分AB1と第2部分AB2とは採取された試料TSを分離するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として生きた形態の試験対象物からの流体試料の自動採取に関する。より詳しくは、本発明は生物の試料部位における流体の組成を代表する組成を有する流体試料の自動採取に関する。
【背景技術】
【0002】
薬化学および医薬産業において、生物、例えばラットや豚のような研究動物の形態の試験対象物についての薬物動態学を進めることがしばしば必要である。そのような学問において、試験対象物におけるゆるやかな反応の観察を可能にするために、時間あるいは日々の経過の間試験対象物に物質を注入すると共に、試験対象物から複数の試料あるいは標本を採取するのが一般的である。標本を手作業で採取することの時間とコストと共に、研究動物へのそのような手作業のストレス刺激を最小にするために、自動試料採取手法が用いられる傾向にある。
【0003】
従来技術において、生物、例えばラットや豚のように、実験目的に使用される研究動物から標本を採取し、あるいは注入物を搬送するための自動システムがある。いくつかの従来技術のシステムにある問題は、採取試料の容積が通常は、採取された試料の分析に必要な容積よりも多いということである。分析に使用されるよりも多くの容積の体液を取り出すことの理由は、試験対象物の体液の組成を示す組成を有する分析されるべき試料を得るためである。今日の多くのシステムは、濯ぎ流体などを備える管を利用し、管の中に採取された試料が導入された場合に、採取された試料と濯ぎ流体との間の相互混合によって試料が希釈されてしまう。結果として、採取された試料は体液を代表する組成を表さないことになる。従って、仮に採取された試料が分析されても、分析結果は正しい結果を示さない。
【0004】
不必要に大量の容積の試料を採取することは、少ない総血液容積しか持たない例えばラットやマウスなどの試験対象物から血液試料を採取する際に特に問題である。ラットやマウスから血液試料を採取する場合において、生物の健康状態に悪影響を与えないで採取できるのは、動物の体重のおよそ1〜2%に対応する血液容積だけである。もしそれよりも多い試料容積が採取された場合、新たに試料を採取する前に試験対象物を復活させるために、数日間試料採取作業を中断しなければならない。
【0005】
今日市販されているシステムのいくつかを使用する場合、低希釈割合の採取試料を得るために、試験対象物からおよそ200マイクロリットルの血液を取り出さなければならない。今日のシステムは10%希釈された採取試料を生み出し、例えばラットなどから採取される総容積が2〜3ミリリットルを超えないようにするために、およそ10個の試料しかラットなどの試験対象物から採取することはできない。従って、繰り返しの血液試料の採取において、試験対象物から採取される総血液容積を最小にし、採取された試料容積の全体あるいはほぼ全体を分析に用いる必要がある。後者については、血液試料が低希釈割合である場合にのみ可能である。
【0006】
多くのお薬物動態学研究において、今日の自動システムを用いて可能となる、少ない容積の試料を得ることがより求められている。
【0007】
Fossline氏らの先行技術文書米国特許第4691580号明細書は流体試料装置を開示しており、食塩水と血液試料との相互混合を低減し、血液試料を分離するために気泡が用いられる。
【0008】
インターナショナル・テクニダイン社の先行技術文書欧州特許第0389719号明細書は、体液試料に適した試料収集搬送システムの一例を開示している。試料は、各試料が分離された状態で内腔管の中を一端から他端へ運ばれる。このシステム問題は、試料搬送管の内面に接触して残る洗浄流体の残渣を収集するために、分析されるべき試料(欧州特許第0389719号明細書の参照番号63)に先だって、1つ或いは複数の試料(欧州特許第0389719号明細書の参照番号62)が採取されることである。従って、分析のために必要な量よりも多くの容積の試料が採取されてしまう。このことは、特に少ない総容積の試料流体しか持ち合わせていない生物から試料が採取される場合に重大である。従って、分析される試料あたりの採取されるべき必要な容積が少ない場合よりも少ない試料が採取される。そのようなシステムの他の欠点は、開示されている洗浄手段(欧州特許第0389719号の図2K)が、生物の血管内にカテーテルを通して、すべての洗浄流体の流れを方向付けてしまうということである。この血管への洗浄流体の供給は、血液の希釈を引き起こしてしまう。新しい血液試料が採取された場合には、その血液の組成は洗浄流体が血管に供給されなかった場合と同じではなくなる。従って、指標的組成を有する試料を採取するために、分析されるべき他の試料を採取する前に、著しく長い時間待たなければならない。血管に洗浄流体を供給することの他の問題点は、生物の流体バランスを変化させてしまうことである。血管に洗浄流体を供給することの更に他の問題点は、洗浄流体はカテーテル手段内での血液の凝固を防止するために通常ヘパリンを含んでいるが、生物に供給することは有害である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の全体的な目的は、試験対象物の試料部位での体液と同じ組成を有する流体試料を採取する場合の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
目的を達成するための特徴は、採取される試料の希釈を最小にできる、試験対象物から流体試料を採取するための自動システムを提供することである。
【0011】
本発明のより具体的な目的は、試験対象物の試料部位における正常な血流内の血液の組成に対応する組成を有する血液試料を提供することである。この目的を達成するための特徴は、採取される血液試料の希釈を最小にできる、試験対象物から血液試料を採取するための自動システムを提供することである。
【0012】
本発明により、先行技術と比較して様々な有利なことが達成される。特に、先行技術に係るシステムによって採取された流体試料に比較して、高い濃度を有する採取済み流体試料が得られる。他の利点としては、最低量の濯ぎ液が試料部位に供給されるので、先行技術のシステムに比較して体液の希釈を低減できるということである。更に他の利点は、カテーテル手段の内腔を洗浄するための改善された手段を提供することであり、薬液は汚染の危険性を最小にする試料採取のために用いられる同じカテーテル手段によって試料部位に供給される。
【0013】
上記した目的及び特徴は、特に本発明によって実現される。本発明は、独立請求項に係るシステム、方法、使い捨て器具およびコンピュータプログラムに当てはまる。本発明の望ましい実施形態は従属請求項に特定されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、添付図面を参照しながら以下により詳細に説明される。
【0015】
図1は、本発明に係る自動試料採取システムの一実施形態を示す。図はポンプ手段PA、PBと1組の弁Vに通信可能に接続される制御ユニットCUを概略的に示している。制御ユニットCUはポンプ手段PA、PBと1組の弁Vの動作を制御するように構成されている。ポンプ手段は例えばピストン式ポンプや往復運動ポンプとして実現される。図に係るシステム10はまた、制御ユニットCUに通信可能に接続された分析器Aも備えている。しかし、分析器はシステム10に含まれるのではなく、代わりにシステム10に接続される個別のユニットであってもよいことは理解するべきである。分析器Aは、採取された試料を分析するように構成されている。
【0016】
図2A−2Iに示されるように、システム10は可撓性管、例えば第1及び第2カテーテル手段CA及びCBをそれぞれ備えている。図示された実施形態において、システム10は更に、カテーテル手段CA及びCBに接続された複数の弁VA1,VA2,VB1,VB2,VB3,VB4と第1及び第2の濯ぎ/洗浄流体源FA,FBをそれぞれ備えている。第1及び第2の濯ぎ/洗浄流体源FA,FBはそれぞれ弁VA1,VB1のところに配置されている。第1及び第2の濯ぎ流体源は、各々がカテーテル手段CA及びCBの弁にそれぞれ接続できる2つの出口開口を有する単一の流体源を配置できることは理解するべきである。
【0017】
カテーテル手段CA及びCBは、それぞれ内腔を備えている。更に数個のカテーテル部品又は管がカテーテル手段CA及びCBを構成する。図2A−2Iに示される実施形態において、第1カテーテル手段CAは第1ポンプ手段PAと第1弁VA1を接続する第1部分CA1と、第1流体源FAと第1弁VA1とを接続する第2部分CA2を備えている。カテーテル手段CAは、第1弁VA1と第2弁VA2を接続する第3部分CA3と、第2弁VA2と三方接続部CJとを接続する第4部分CA4とを更に備えている。
【0018】
また、図2Aに示されているように、第2カテーテル手段CBは、第2ポンプ手段PBと第1弁VA1を接続する第1部分CB1と、第2流体源FBと第1弁VB1を接続する第2部分CB2とを有する。カテーテル手段CBは、第1弁VB1と第2弁VB2とを接続する第3部分CB3と、第2弁VB2と第3弁VB3を接続する第4部分CB4とを有する。第5部分CB5は第3弁VB3と三方接続部CJとを接続し、第6部分CB6は第3弁VB3と第4弁VB43とを接続するように構成されている。第7部分CB7は第2弁VB2と第4弁VB4とを接続し、第8部分CB8は第4弁VB4から試料管Tまで延びている。
【0019】
各弁はカテーテル手段における流体流れの流路を制御するように構成され、ポンプ手段はカテーテル手段内に形成される流体の流量と方向を制御するように構成されている。
【0020】
カテーテル手段の部品は、図2A−2Iにおいては単に概略的に描写したものに過ぎず、例えば寸法、すなわち異なる部品の直径や長さ実際の大きさには従っておらず、発明の原理を例示するためだけの役割を有している。
【0021】
図2Aにおける各弁の二方向矢印は、システムに備えられている複数の弁各々によって形成される起こり得る流れ方向、すなわち各弁を通る流体の起こり得る流路を示している。
【0022】
試料を自動で採取するための創作的方法の実施形態について、図2A−2Iを参照しながら以下に説明する。
【0023】
ステップ100において、濯ぎ流体、例えばヘパリンで凝血防止された塩化ナトリウム溶液は、管すなわちカテーテル手段CAは,CBの内腔に供給され、場合によっては図2Aに示すシステム10のポンプ手段PA,PBにも供給される可能性がある。
【0024】
ステップ102において、弁VA2の入口VIは開放され、ポンプ手段PAは吸引作用を提供し、混合不可流体、例えば気泡ABの全量が図2Bのカテーテル手段CA3の内腔内に吸引される。第1ポンプ手段PAの流れ方向と動作方向は、矢印によって示されている。第2ポンプ手段PBは起動していない。
【0025】
ステップ104において、気泡ABはカテーテル手段CAの中で試験対象物の試料部位SS、すなわち血管に向かって移動する。カテーテル手段CA,CB内での気泡ABと濯ぎ溶液の移動は、ポンプ手段PA,PBによって成し遂げられる。制御ユニットCUは、上記した混合不可流体ABをカテーテル手段CA,CBの三方接続部CJに送り込むように、ポンプ手段PA,PBを制御するように構成されている。混合不可流体ABのうちの第1部分AB1は、第2カテーテル手段CBの第5カテーテル部CB5に位置することが望ましく、混合不可流体ABのうちの第2部分AB2は、第1カテーテル手段CAの第4カテーテル部CB4に位置することが望ましい。混合不可流体ABの第1部分AB1と第2部分AB2は、およそ同じ容積である。
【0026】
三方接続部CJへの気泡ABの移動を成し遂げるために、制御ユニットCUは押込み作用を提供するために第1ポンプ手段PAを制御し、吸引作用を提供するために第2ポンプ手段PBを制御するように構成されることが望ましい。押込み及び吸引作用は同じ大きさあるいはほとんど同じ大きさである。換言すると、第1ポンプ手段PAと第2ポンプ手段PBとは、同じ流速で反対方向の流れを提供するように制御されることが望ましい。図2Cにおける矢印は、濯ぎ流体と気泡ABの流れ方向及びポンプ手段PA,PBの動作方向を示している。図2Cは、気泡ABが接続部CJへ移動した時の状況を概略的に示している。
【0027】
本発明の利点は、混合不可流体が接続部へ移動した場合に、混合不可流体の下流に形成された濯ぎ流体が接続部そして第2カテーテル手段を介して廃棄容器などに運ばれる。従って、この動作の間試料部位に濯ぎ流体が供給されない。結果として、試料部位での体液(body fluid)は希釈されない。
【0028】
ステップ106において、第1ポンプ手段PAは停止され、カテーテル手段を通る流路はそのまま維持される。第2ポンプ手段PBは押込み作用を提供し、気泡ABの第1部分AB1をカテーテル手段の試料採取端CTEへ向かって移動させる。気泡ABの第1部分AB1が試料採取端CTEへ達すると、第2ポンプ手段PBは停止される。
【0029】
カテーテル手段CA,CBの試料採取端CTEにある濯ぎ流体(図2参照)の容積Rは小さく、およそ5マイクロリットルで、それが体液に供給された場合でも体液を最小限希釈するだけである。
【0030】
上記したように、制御ユニットはポンプ手段の動作を制御する。容積、すなわちカテーテル手段の長さと内径及びポンプ手段による流速の情報によって、制御ユニットは流体の一部がいつ所望の位置に到達したかを判断することができる。従って、混合不可流体を接続部で正確に位置決めするために、ポンプ手段の動作がいつ停止したかを判断することができる。また、混合不可流体の第1部分を試料採取端の端部開口に正確に位置決めすることも可能である。このことは、試料部位への混合不可流体の第1部分の引き込みの危険性を最小にできるので、本質的に有利である。混合不可流体の第1部分が気泡である場合、空気塞栓症(air embolism)の危険性は無くなる。
【0031】
図2Dはステップ106の結果を概略的に示しており、矢印は濯ぎ流体、気泡の第1部分AB1の流れ方向と第2ポンプ手段PBの動作方向を示している。
【0032】
ステップ108において、流体試料は試料部位SSから採取される。血液試料の場合、所望の試料容積は第2ポンプ手段PBの吸引作用によって試験対象物の血管から導出される。カテーテル手段において、気泡ABの第1部分AB1は図2Eに示されるように採取された試料の手前に位置している。この動作中において、第1ポンプ手段PAは停止する。あるケースにおいて、分析を行うのに必要な容積よりもおよそ5マイクロリットル多い試料容積を導出するのが有利であり。
【0033】
ステップ110において、採取された試料TSは、図2Fに示すように、第2ポンプ手段PBの吸引作用と第1ポンプ手段PAの押込み作用によって、試料管Tに向かって運ばれる。採取された試料TSと濯ぎ流体は、気泡ABの第1部分AB1と第2部分AB2によってそれぞれ分離されている。これは、同じ流速であるが異なる方向への流れを提供するために制御される第1ポンプ手段PAと第2ポンプ手段PBによって成し遂げられ、すなわち第2ポンプ手段PBは吸引作用を提供し第1ポンプ手段PAは押込み作用を提供し、あるいは試料が逆の方向に移動する場合には反対となる作用によって成し遂げられる。
【0034】
ステップ112において、第2ポンプ手段PBは押込み作用を提供し、採取された試料TSは、図2Gに示すように、カテーテル手段CBの供給端CDEに配置された試料管Tに向けて、第2カテーテル手段CBの第6及び第8部分に運ばれる。
【0035】
ステップ114において、採取された試料TSは図2Hに示すように、第2ポンプ手段PBの押込み作用によって試料管Tへ搬送される。
【0036】
ステップ116において、第1及び第2カテーテル手段CA,CBの内腔は、カテーテル手段CA,CBを通して濯ぎ液流を提供することによって濯がれ/洗浄される。制御ユニットCUは第1ポンプ手段PAと第2ポンプ手段PBとが同じ速度で動作するように制御し、これによりカテーテル手段は、カテーテル手段の試料採取端CTEを介して試料部位SSに濯ぎ流体を供給すること無しに濯がれる。図2I参照。
【0037】
仮に第1ポンプ手段と第2ポンプ手段とが協調した態様で動作しない場合、すなわち例えば第1ポンプ手段の押込み作用が第2ポンプ手段の吸引作用よりも小さい場合、不必要な容積の試料液が試料部位から導出されてしまう。一方、第1ポンプ手段の押込み作用が第2ポンプ手段の吸引作用よりも大きい場合、濯ぎ流体が試料部位に供給されてしまう。後者は、カテーテル手段の試料採取端CTEが濯がれるべき場合には必要である。そのような場合、濯ぎ液の流れは、第1ポンプ手段PAによる押込みが第2ポンプ手段PBの吸引よりも僅かに高い圧力でなされることによって成し遂げられるのが望ましい。このようにして、試験対象物の試料部位に濯ぎ流体を供給することなく、試料部位に取り付けられたカテーテル手段の試料採取端CTEも濯がれる。例えば、第1ポンプ手段PAは流れFの100%で押込み、第2ポンプ手段PBは流れFの90%で吸引する。
【0038】
各ポンプ手段PA,PBを同じ割合で動作させるように制御することによって、カテーテル手段は濯ぎ流体を試験対象物に供給する危険性無しで濯がれることは理解するべきである。これは、試験対象物が大量の流体の供給に対して敏感な場合に特に有利である。これは例えば、血管への濯ぎ流体の供給が血液を希釈させ、これにより正常な血液の特性及び血液内の異なる成分の濃度を変化させることから、カテーテル手段がラットやマウスの血管に接続された場合である。更に、濯ぎ流体の供給は、試験対象物の流体バランスも変化させてしまう。
【0039】
図3は、本発明で使用される二重内腔カテーテル手段CA,CBの一実施形態を概略的に示している。図示のように、カテーテル手段は接合部で単一の内腔に出会う2つの内腔を備えている。さらに、試料採取端の反対側の端部において、カテーテル手段CA,CBは2つの分離されたカテーテル手段CA,CBに分岐する。従って上記したように、吸引された気泡は弁入口からカテーテル部CA4の接合部へ移動し、カテーテル手段における気泡の下流側にある濯ぎ液は接合部に向かってカテーテル手段CB5内を運ばれ、その後カテーテル手段CB5内を介して廃棄容器へ運ばれる。こうして、濯ぎ流体は試料部位に供給されることなく試料採取端を通過する。
【0040】
本発明は、発明の一実施形態を参照して説明した。しかし、本発明のシステムや方法の様々な改良や変形が、本発明の範囲から逸脱することなく成し遂げられることは理解するべきである。濯ぎ流体源FA,FBは、例えば単一の濯ぎ流体源として構成してもよい。上記文章において、気泡を引用して説明したが、他の混合不可流体、例えば試料内で混合できない他の気体や他の適当な物質および濯ぎ流体が使用されることは理解するべきである。そのような場合、混合不可流体は例えば弁VA2でカテーテル手段CAに取り付けられる容器に収容される。
【0041】
ポンプ手段PA,PBは上記したように2つの個別のポンプ手段として構成されるが、それに加え、押込み作用を提供できる第1部分と吸引作用を提供できる第2部分を持つ単一の二重作用吸引押込みポンプ手段として構成してもよい。第1部分と第2部分は個別あるいは同時に動作するように構成されている。二重作用ポンプ手段を有する場合、カテーテル手段に第3のポンプ手段が配置され、第1部分と第2部分とが個別に動作している場合に動作し、起動している第1部分或いは第2部分を埋め合わせるように構成されている。すなわち、各部分の1つが押込み作用を提供している場合には吸引作用を提供し、各部分の1つが吸引作用を提供している場合には押込み作用を提供する。
【0042】
更に、本発明はカテーテル手段CA,CBに接続できる薬液源を備えることもできる。カテーテル手段とポンプ手段の創作的配置により、薬剤はポンプ手段によってカテーテル手段を介して試験対象物に供給され、同じカテーテル手段とポンプ手段によって試料が採取される前に、ありそうな薬剤残留物を除去するために、カテーテル手段は結果として完全に洗浄される。カテーテル手段を通して流体流れを提供するための有利な方法により、カテーテル手段は試料部位に濯ぎ流体を供給することなく完全に洗浄される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のシステムの一実施形態を概略的に示す図である。
【図2A】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2B】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2C】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2D】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2E】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2F】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2G】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2H】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2I】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図3】本発明のシステムに使用される2つの内腔を有するカテーテル手段の一実施形態を概略的に示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として生きた形態の試験対象物からの流体試料の自動採取に関する。より詳しくは、本発明は生物の試料部位における流体の組成を代表する組成を有する流体試料の自動採取に関する。
【背景技術】
【0002】
薬化学および医薬産業において、生物、例えばラットや豚のような研究動物の形態の試験対象物についての薬物動態学を進めることがしばしば必要である。そのような学問において、試験対象物におけるゆるやかな反応の観察を可能にするために、時間あるいは日々の経過の間試験対象物に物質を注入すると共に、試験対象物から複数の試料あるいは標本を採取するのが一般的である。標本を手作業で採取することの時間とコストと共に、研究動物へのそのような手作業のストレス刺激を最小にするために、自動試料採取手法が用いられる傾向にある。
【0003】
従来技術において、生物、例えばラットや豚のように、実験目的に使用される研究動物から標本を採取し、あるいは注入物を搬送するための自動システムがある。いくつかの従来技術のシステムにある問題は、採取試料の容積が通常は、採取された試料の分析に必要な容積よりも多いということである。分析に使用されるよりも多くの容積の体液を取り出すことの理由は、試験対象物の体液の組成を示す組成を有する分析されるべき試料を得るためである。今日の多くのシステムは、濯ぎ流体などを備える管を利用し、管の中に採取された試料が導入された場合に、採取された試料と濯ぎ流体との間の相互混合によって試料が希釈されてしまう。結果として、採取された試料は体液を代表する組成を表さないことになる。従って、仮に採取された試料が分析されても、分析結果は正しい結果を示さない。
【0004】
不必要に大量の容積の試料を採取することは、少ない総血液容積しか持たない例えばラットやマウスなどの試験対象物から血液試料を採取する際に特に問題である。ラットやマウスから血液試料を採取する場合において、生物の健康状態に悪影響を与えないで採取できるのは、動物の体重のおよそ1〜2%に対応する血液容積だけである。もしそれよりも多い試料容積が採取された場合、新たに試料を採取する前に試験対象物を復活させるために、数日間試料採取作業を中断しなければならない。
【0005】
今日市販されているシステムのいくつかを使用する場合、低希釈割合の採取試料を得るために、試験対象物からおよそ200マイクロリットルの血液を取り出さなければならない。今日のシステムは10%希釈された採取試料を生み出し、例えばラットなどから採取される総容積が2〜3ミリリットルを超えないようにするために、およそ10個の試料しかラットなどの試験対象物から採取することはできない。従って、繰り返しの血液試料の採取において、試験対象物から採取される総血液容積を最小にし、採取された試料容積の全体あるいはほぼ全体を分析に用いる必要がある。後者については、血液試料が低希釈割合である場合にのみ可能である。
【0006】
多くのお薬物動態学研究において、今日の自動システムを用いて可能となる、少ない容積の試料を得ることがより求められている。
【0007】
Fossline氏らの先行技術文書米国特許第4691580号明細書は流体試料装置を開示しており、食塩水と血液試料との相互混合を低減し、血液試料を分離するために気泡が用いられる。
【0008】
インターナショナル・テクニダイン社の先行技術文書欧州特許第0389719号明細書は、体液試料に適した試料収集搬送システムの一例を開示している。試料は、各試料が分離された状態で内腔管の中を一端から他端へ運ばれる。このシステム問題は、試料搬送管の内面に接触して残る洗浄流体の残渣を収集するために、分析されるべき試料(欧州特許第0389719号明細書の参照番号63)に先だって、1つ或いは複数の試料(欧州特許第0389719号明細書の参照番号62)が採取されることである。従って、分析のために必要な量よりも多くの容積の試料が採取されてしまう。このことは、特に少ない総容積の試料流体しか持ち合わせていない生物から試料が採取される場合に重大である。従って、分析される試料あたりの採取されるべき必要な容積が少ない場合よりも少ない試料が採取される。そのようなシステムの他の欠点は、開示されている洗浄手段(欧州特許第0389719号の図2K)が、生物の血管内にカテーテルを通して、すべての洗浄流体の流れを方向付けてしまうということである。この血管への洗浄流体の供給は、血液の希釈を引き起こしてしまう。新しい血液試料が採取された場合には、その血液の組成は洗浄流体が血管に供給されなかった場合と同じではなくなる。従って、指標的組成を有する試料を採取するために、分析されるべき他の試料を採取する前に、著しく長い時間待たなければならない。血管に洗浄流体を供給することの他の問題点は、生物の流体バランスを変化させてしまうことである。血管に洗浄流体を供給することの更に他の問題点は、洗浄流体はカテーテル手段内での血液の凝固を防止するために通常ヘパリンを含んでいるが、生物に供給することは有害である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の全体的な目的は、試験対象物の試料部位での体液と同じ組成を有する流体試料を採取する場合の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
目的を達成するための特徴は、採取される試料の希釈を最小にできる、試験対象物から流体試料を採取するための自動システムを提供することである。
【0011】
本発明のより具体的な目的は、試験対象物の試料部位における正常な血流内の血液の組成に対応する組成を有する血液試料を提供することである。この目的を達成するための特徴は、採取される血液試料の希釈を最小にできる、試験対象物から血液試料を採取するための自動システムを提供することである。
【0012】
本発明により、先行技術と比較して様々な有利なことが達成される。特に、先行技術に係るシステムによって採取された流体試料に比較して、高い濃度を有する採取済み流体試料が得られる。他の利点としては、最低量の濯ぎ液が試料部位に供給されるので、先行技術のシステムに比較して体液の希釈を低減できるということである。更に他の利点は、カテーテル手段の内腔を洗浄するための改善された手段を提供することであり、薬液は汚染の危険性を最小にする試料採取のために用いられる同じカテーテル手段によって試料部位に供給される。
【0013】
上記した目的及び特徴は、特に本発明によって実現される。本発明は、独立請求項に係るシステム、方法、使い捨て器具およびコンピュータプログラムに当てはまる。本発明の望ましい実施形態は従属請求項に特定されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、添付図面を参照しながら以下により詳細に説明される。
【0015】
図1は、本発明に係る自動試料採取システムの一実施形態を示す。図はポンプ手段PA、PBと1組の弁Vに通信可能に接続される制御ユニットCUを概略的に示している。制御ユニットCUはポンプ手段PA、PBと1組の弁Vの動作を制御するように構成されている。ポンプ手段は例えばピストン式ポンプや往復運動ポンプとして実現される。図に係るシステム10はまた、制御ユニットCUに通信可能に接続された分析器Aも備えている。しかし、分析器はシステム10に含まれるのではなく、代わりにシステム10に接続される個別のユニットであってもよいことは理解するべきである。分析器Aは、採取された試料を分析するように構成されている。
【0016】
図2A−2Iに示されるように、システム10は可撓性管、例えば第1及び第2カテーテル手段CA及びCBをそれぞれ備えている。図示された実施形態において、システム10は更に、カテーテル手段CA及びCBに接続された複数の弁VA1,VA2,VB1,VB2,VB3,VB4と第1及び第2の濯ぎ/洗浄流体源FA,FBをそれぞれ備えている。第1及び第2の濯ぎ/洗浄流体源FA,FBはそれぞれ弁VA1,VB1のところに配置されている。第1及び第2の濯ぎ流体源は、各々がカテーテル手段CA及びCBの弁にそれぞれ接続できる2つの出口開口を有する単一の流体源を配置できることは理解するべきである。
【0017】
カテーテル手段CA及びCBは、それぞれ内腔を備えている。更に数個のカテーテル部品又は管がカテーテル手段CA及びCBを構成する。図2A−2Iに示される実施形態において、第1カテーテル手段CAは第1ポンプ手段PAと第1弁VA1を接続する第1部分CA1と、第1流体源FAと第1弁VA1とを接続する第2部分CA2を備えている。カテーテル手段CAは、第1弁VA1と第2弁VA2を接続する第3部分CA3と、第2弁VA2と三方接続部CJとを接続する第4部分CA4とを更に備えている。
【0018】
また、図2Aに示されているように、第2カテーテル手段CBは、第2ポンプ手段PBと第1弁VA1を接続する第1部分CB1と、第2流体源FBと第1弁VB1を接続する第2部分CB2とを有する。カテーテル手段CBは、第1弁VB1と第2弁VB2とを接続する第3部分CB3と、第2弁VB2と第3弁VB3を接続する第4部分CB4とを有する。第5部分CB5は第3弁VB3と三方接続部CJとを接続し、第6部分CB6は第3弁VB3と第4弁VB43とを接続するように構成されている。第7部分CB7は第2弁VB2と第4弁VB4とを接続し、第8部分CB8は第4弁VB4から試料管Tまで延びている。
【0019】
各弁はカテーテル手段における流体流れの流路を制御するように構成され、ポンプ手段はカテーテル手段内に形成される流体の流量と方向を制御するように構成されている。
【0020】
カテーテル手段の部品は、図2A−2Iにおいては単に概略的に描写したものに過ぎず、例えば寸法、すなわち異なる部品の直径や長さ実際の大きさには従っておらず、発明の原理を例示するためだけの役割を有している。
【0021】
図2Aにおける各弁の二方向矢印は、システムに備えられている複数の弁各々によって形成される起こり得る流れ方向、すなわち各弁を通る流体の起こり得る流路を示している。
【0022】
試料を自動で採取するための創作的方法の実施形態について、図2A−2Iを参照しながら以下に説明する。
【0023】
ステップ100において、濯ぎ流体、例えばヘパリンで凝血防止された塩化ナトリウム溶液は、管すなわちカテーテル手段CAは,CBの内腔に供給され、場合によっては図2Aに示すシステム10のポンプ手段PA,PBにも供給される可能性がある。
【0024】
ステップ102において、弁VA2の入口VIは開放され、ポンプ手段PAは吸引作用を提供し、混合不可流体、例えば気泡ABの全量が図2Bのカテーテル手段CA3の内腔内に吸引される。第1ポンプ手段PAの流れ方向と動作方向は、矢印によって示されている。第2ポンプ手段PBは起動していない。
【0025】
ステップ104において、気泡ABはカテーテル手段CAの中で試験対象物の試料部位SS、すなわち血管に向かって移動する。カテーテル手段CA,CB内での気泡ABと濯ぎ溶液の移動は、ポンプ手段PA,PBによって成し遂げられる。制御ユニットCUは、上記した混合不可流体ABをカテーテル手段CA,CBの三方接続部CJに送り込むように、ポンプ手段PA,PBを制御するように構成されている。混合不可流体ABのうちの第1部分AB1は、第2カテーテル手段CBの第5カテーテル部CB5に位置することが望ましく、混合不可流体ABのうちの第2部分AB2は、第1カテーテル手段CAの第4カテーテル部CB4に位置することが望ましい。混合不可流体ABの第1部分AB1と第2部分AB2は、およそ同じ容積である。
【0026】
三方接続部CJへの気泡ABの移動を成し遂げるために、制御ユニットCUは押込み作用を提供するために第1ポンプ手段PAを制御し、吸引作用を提供するために第2ポンプ手段PBを制御するように構成されることが望ましい。押込み及び吸引作用は同じ大きさあるいはほとんど同じ大きさである。換言すると、第1ポンプ手段PAと第2ポンプ手段PBとは、同じ流速で反対方向の流れを提供するように制御されることが望ましい。図2Cにおける矢印は、濯ぎ流体と気泡ABの流れ方向及びポンプ手段PA,PBの動作方向を示している。図2Cは、気泡ABが接続部CJへ移動した時の状況を概略的に示している。
【0027】
本発明の利点は、混合不可流体が接続部へ移動した場合に、混合不可流体の下流に形成された濯ぎ流体が接続部そして第2カテーテル手段を介して廃棄容器などに運ばれる。従って、この動作の間試料部位に濯ぎ流体が供給されない。結果として、試料部位での体液(body fluid)は希釈されない。
【0028】
ステップ106において、第1ポンプ手段PAは停止され、カテーテル手段を通る流路はそのまま維持される。第2ポンプ手段PBは押込み作用を提供し、気泡ABの第1部分AB1をカテーテル手段の試料採取端CTEへ向かって移動させる。気泡ABの第1部分AB1が試料採取端CTEへ達すると、第2ポンプ手段PBは停止される。
【0029】
カテーテル手段CA,CBの試料採取端CTEにある濯ぎ流体(図2参照)の容積Rは小さく、およそ5マイクロリットルで、それが体液に供給された場合でも体液を最小限希釈するだけである。
【0030】
上記したように、制御ユニットはポンプ手段の動作を制御する。容積、すなわちカテーテル手段の長さと内径及びポンプ手段による流速の情報によって、制御ユニットは流体の一部がいつ所望の位置に到達したかを判断することができる。従って、混合不可流体を接続部で正確に位置決めするために、ポンプ手段の動作がいつ停止したかを判断することができる。また、混合不可流体の第1部分を試料採取端の端部開口に正確に位置決めすることも可能である。このことは、試料部位への混合不可流体の第1部分の引き込みの危険性を最小にできるので、本質的に有利である。混合不可流体の第1部分が気泡である場合、空気塞栓症(air embolism)の危険性は無くなる。
【0031】
図2Dはステップ106の結果を概略的に示しており、矢印は濯ぎ流体、気泡の第1部分AB1の流れ方向と第2ポンプ手段PBの動作方向を示している。
【0032】
ステップ108において、流体試料は試料部位SSから採取される。血液試料の場合、所望の試料容積は第2ポンプ手段PBの吸引作用によって試験対象物の血管から導出される。カテーテル手段において、気泡ABの第1部分AB1は図2Eに示されるように採取された試料の手前に位置している。この動作中において、第1ポンプ手段PAは停止する。あるケースにおいて、分析を行うのに必要な容積よりもおよそ5マイクロリットル多い試料容積を導出するのが有利であり。
【0033】
ステップ110において、採取された試料TSは、図2Fに示すように、第2ポンプ手段PBの吸引作用と第1ポンプ手段PAの押込み作用によって、試料管Tに向かって運ばれる。採取された試料TSと濯ぎ流体は、気泡ABの第1部分AB1と第2部分AB2によってそれぞれ分離されている。これは、同じ流速であるが異なる方向への流れを提供するために制御される第1ポンプ手段PAと第2ポンプ手段PBによって成し遂げられ、すなわち第2ポンプ手段PBは吸引作用を提供し第1ポンプ手段PAは押込み作用を提供し、あるいは試料が逆の方向に移動する場合には反対となる作用によって成し遂げられる。
【0034】
ステップ112において、第2ポンプ手段PBは押込み作用を提供し、採取された試料TSは、図2Gに示すように、カテーテル手段CBの供給端CDEに配置された試料管Tに向けて、第2カテーテル手段CBの第6及び第8部分に運ばれる。
【0035】
ステップ114において、採取された試料TSは図2Hに示すように、第2ポンプ手段PBの押込み作用によって試料管Tへ搬送される。
【0036】
ステップ116において、第1及び第2カテーテル手段CA,CBの内腔は、カテーテル手段CA,CBを通して濯ぎ液流を提供することによって濯がれ/洗浄される。制御ユニットCUは第1ポンプ手段PAと第2ポンプ手段PBとが同じ速度で動作するように制御し、これによりカテーテル手段は、カテーテル手段の試料採取端CTEを介して試料部位SSに濯ぎ流体を供給すること無しに濯がれる。図2I参照。
【0037】
仮に第1ポンプ手段と第2ポンプ手段とが協調した態様で動作しない場合、すなわち例えば第1ポンプ手段の押込み作用が第2ポンプ手段の吸引作用よりも小さい場合、不必要な容積の試料液が試料部位から導出されてしまう。一方、第1ポンプ手段の押込み作用が第2ポンプ手段の吸引作用よりも大きい場合、濯ぎ流体が試料部位に供給されてしまう。後者は、カテーテル手段の試料採取端CTEが濯がれるべき場合には必要である。そのような場合、濯ぎ液の流れは、第1ポンプ手段PAによる押込みが第2ポンプ手段PBの吸引よりも僅かに高い圧力でなされることによって成し遂げられるのが望ましい。このようにして、試験対象物の試料部位に濯ぎ流体を供給することなく、試料部位に取り付けられたカテーテル手段の試料採取端CTEも濯がれる。例えば、第1ポンプ手段PAは流れFの100%で押込み、第2ポンプ手段PBは流れFの90%で吸引する。
【0038】
各ポンプ手段PA,PBを同じ割合で動作させるように制御することによって、カテーテル手段は濯ぎ流体を試験対象物に供給する危険性無しで濯がれることは理解するべきである。これは、試験対象物が大量の流体の供給に対して敏感な場合に特に有利である。これは例えば、血管への濯ぎ流体の供給が血液を希釈させ、これにより正常な血液の特性及び血液内の異なる成分の濃度を変化させることから、カテーテル手段がラットやマウスの血管に接続された場合である。更に、濯ぎ流体の供給は、試験対象物の流体バランスも変化させてしまう。
【0039】
図3は、本発明で使用される二重内腔カテーテル手段CA,CBの一実施形態を概略的に示している。図示のように、カテーテル手段は接合部で単一の内腔に出会う2つの内腔を備えている。さらに、試料採取端の反対側の端部において、カテーテル手段CA,CBは2つの分離されたカテーテル手段CA,CBに分岐する。従って上記したように、吸引された気泡は弁入口からカテーテル部CA4の接合部へ移動し、カテーテル手段における気泡の下流側にある濯ぎ液は接合部に向かってカテーテル手段CB5内を運ばれ、その後カテーテル手段CB5内を介して廃棄容器へ運ばれる。こうして、濯ぎ流体は試料部位に供給されることなく試料採取端を通過する。
【0040】
本発明は、発明の一実施形態を参照して説明した。しかし、本発明のシステムや方法の様々な改良や変形が、本発明の範囲から逸脱することなく成し遂げられることは理解するべきである。濯ぎ流体源FA,FBは、例えば単一の濯ぎ流体源として構成してもよい。上記文章において、気泡を引用して説明したが、他の混合不可流体、例えば試料内で混合できない他の気体や他の適当な物質および濯ぎ流体が使用されることは理解するべきである。そのような場合、混合不可流体は例えば弁VA2でカテーテル手段CAに取り付けられる容器に収容される。
【0041】
ポンプ手段PA,PBは上記したように2つの個別のポンプ手段として構成されるが、それに加え、押込み作用を提供できる第1部分と吸引作用を提供できる第2部分を持つ単一の二重作用吸引押込みポンプ手段として構成してもよい。第1部分と第2部分は個別あるいは同時に動作するように構成されている。二重作用ポンプ手段を有する場合、カテーテル手段に第3のポンプ手段が配置され、第1部分と第2部分とが個別に動作している場合に動作し、起動している第1部分或いは第2部分を埋め合わせるように構成されている。すなわち、各部分の1つが押込み作用を提供している場合には吸引作用を提供し、各部分の1つが吸引作用を提供している場合には押込み作用を提供する。
【0042】
更に、本発明はカテーテル手段CA,CBに接続できる薬液源を備えることもできる。カテーテル手段とポンプ手段の創作的配置により、薬剤はポンプ手段によってカテーテル手段を介して試験対象物に供給され、同じカテーテル手段とポンプ手段によって試料が採取される前に、ありそうな薬剤残留物を除去するために、カテーテル手段は結果として完全に洗浄される。カテーテル手段を通して流体流れを提供するための有利な方法により、カテーテル手段は試料部位に濯ぎ流体を供給することなく完全に洗浄される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のシステムの一実施形態を概略的に示す図である。
【図2A】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2B】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2C】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2D】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2E】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2F】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2G】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2H】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図2I】図1に係る本発明のシステムの実施形態の部分を概略的に示す図であり、本発明によって提供される試料採取手順の各ステップである。
【図3】本発明のシステムに使用される2つの内腔を有するカテーテル手段の一実施形態を概略的に示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生きた試験対象物の試料部位SSから流体試料を採取するための自動システム10であって、
前記試料部位SSに近接して配置されるように構成され、第1カテーテル手段CAと第2カテーテル手段CBと試料採取端CTEに接続される三方接続部CJを備えるカテーテル手段CA,CBと、
前記第1カテーテル手段CAに接続され、前記第1カテーテル手段CAに吸引されるべき混合不可流体ABのための入口VIを有する弁VA2と、
前記カテーテル手段CA,CBと接続でき、前記混合不可流体ABの全体を前記第1カテーテル手段CAに吸引するように構成され、前記混合不可流体ABの全体を前記三方接続部CJに移動させ、前記混合不可流体ABの第1部分AB1を前記第2カテーテル手段CBの一部に配置すると共に前記混合不可流体ABの第2部分AB2を前記第1カテーテル手段CAの一部に配置するポンプ手段PA,PBとを備え、前記混合不可流体ABの第1部分AB1と第2部分AB2とは前記採取された試料TSを前記濯ぎ流体から分離するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
ポンプ手段PA,PBはさらに、前記第1及び第2カテーテル手段の一方から他方へ流体が流れた場合に、前記流体の流れが前記試料採取端CTEを通過するように、前記カテーテル手段CA,CBに形成される流量と流れ方向を制御するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記試料採取端CTEは、前記試料部位SSに配置されるように構成され、前記ポンプ手段PA,PBは、前記混合不可流体ABの第1部分AB1を前記試料採取端CTEの端部開口に向けて移動させ、前記第1部分AB1が前記端部開口に配置された時に流体試料を採取し、前記ポンプ手段PA,PBは、採取された前記試料を試料管Tへ供給するように構成された試料供給端CDEへ、前記試料採取端CTEから採取された前記試料を運ぶように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記カテーテル手段CA,CBに配置され、前記カテーテル手段CA,CBにおける前記流体の流路を制御するように構成された複数の弁VA1,VA2,VB1,VB2,VB3,VB4を更に備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ポンプ手段PA,PBおよび複数の弁VA1,VA2,VB1,VB2,VB3,VB4とに接続でき、前記ポンプ手段PA,PBおよび複数の弁VA1,VA2,VB1,VB2,VB3,VB4の動作を制御するように構成された制御ユニットCUを更に備えることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記カテーテル手段CA,CBは二つの内腔を持つカテーテル手段であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記カテーテル手段CA,CBに接続できる濯ぎ流体源FA,FBであって、この濯ぎ流体源FA,FBから前記カテーテル手段CA,CBへ濯ぎ流体を供給するための濯ぎ流体源FA,FBを更に備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ポンプ手段PA,PBは、前記濯ぎ流体源FA,FBから前記カテーテル手段CA,CBを通して前記カテーテル手段CBの供給端CDEの廃棄管に向かって、前記濯ぎ流体の流れを提供するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記濯ぎ流体の流れは、前記第2ポンプ手段PBによって提供される吸引作用と等しい押込み作用を提供する第1ポンプ手段PAによって作り出され、前記濯ぎ流体は前記第1カテーテル手段CAから第2カテーテル手段CBへ流れる場合に、前記試料採取端CEに流れ込むこと無く通過することを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記濯ぎ流体の流れは、前記第2ポンプ手段PBが吸引するよりも僅かに高い圧力で押込む第1ポンプ手段PAによって作り出され、前記濯ぎ流体の一部は前記カテーテル手段CA,CBの試料採取端CTEに入って濯ぐことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記試料採取端CTEは、流れFの100%で押込む第1ポンプ手段PAと流れFの90%で吸引する第2ポンプ手段PBによって濯がれることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ポンプ手段PA,PBは、押込み作用を提供する能力を有する第1部分PAと吸引作用を提供する能力を有する第2部分PB、或いはその逆である各部分を備える単一の二重作用吸引押込みポンプ手段として構成され、前記第1部分と第2部分PA,PBとは同時又は別個に動作するように構成されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記二重作用吸引押込みポンプ手段の第1部分と第2部分とが別個に動作した場合に動作し、前記第1部分と第2部分PA,PBの起動中の1つの作用を補正するように構成されている第3のポンプ手段を更に備えていることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記採取された流体試料TSを分析するように構成された分析手段AMをさらに備えることを特徴とする請求項1〜13に記載のシステム。
【請求項15】
前記カテーテル手段CA,CBに接続できる薬液源を更に備え、前記ポンプ手段PA,PBは前記薬剤の総量を前記試料採取端CTEに運び、前記薬剤を前記試料部位SSに供給するように構成されていることを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載のシステム。
【請求項16】
生きた試験対象物の試料部位SSから流体試料を自動的に採取する方法であって、
カテーテル手段CA,CBに濯ぎ流体を供給し(ステップ100)、
混合不可流体ABの総量を前記カテーテル手段CA,CBに吸い込み(ステップ102)、
前記混合不可流体ABの総量を前記カテーテル手段CA,CBの三方接続部CJに移動させ(ステップ104)、
前記混合不可流体ABの第1部分AB1を試料採取端CTEの開口に向けて移動させ(ステップ106)、
前記流体試料TSを引き出し(ステップ108)、
前記混合不可流体ABの第2部分AB2を採取された前記試料TSの後ろに配置し(ステップ110)、
前記カテーテル手段CA,CB内の採取された前記試料TSを前記試料管Tにおいて試料供給端CDEに移動させ(ステップ112)、
採取された前記試料を前記試料管Tに供給し(ステップ114)、
前記濯ぎ流体の流れを前記カテーテル手段CA,CB内を通して提供することによって前記カテーテル手段CA,CBの内腔を濯ぐことを特徴とする方法。
【請求項17】
生きた試験対象物の試料部位SSから流体試料を自動的に採取するシステムで使用するためのコンピュータプログラムであって、請求項1〜16の何れか一項に記載の手段及び機能を実現するように構成されたコードを備えていることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項1〜15の何れか一項に記載されたシステムであって、生きた試験対象物の試料部位SSから流体試料を自動的に採取するシステムで使用するための使い捨て器具。
【請求項1】
生きた試験対象物の試料部位SSから流体試料を採取するための自動システム10であって、
前記試料部位SSに近接して配置されるように構成され、第1カテーテル手段CAと第2カテーテル手段CBと試料採取端CTEに接続される三方接続部CJを備えるカテーテル手段CA,CBと、
前記第1カテーテル手段CAに接続され、前記第1カテーテル手段CAに吸引されるべき混合不可流体ABのための入口VIを有する弁VA2と、
前記カテーテル手段CA,CBと接続でき、前記混合不可流体ABの全体を前記第1カテーテル手段CAに吸引するように構成され、前記混合不可流体ABの全体を前記三方接続部CJに移動させ、前記混合不可流体ABの第1部分AB1を前記第2カテーテル手段CBの一部に配置すると共に前記混合不可流体ABの第2部分AB2を前記第1カテーテル手段CAの一部に配置するポンプ手段PA,PBとを備え、前記混合不可流体ABの第1部分AB1と第2部分AB2とは前記採取された試料TSを前記濯ぎ流体から分離するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
ポンプ手段PA,PBはさらに、前記第1及び第2カテーテル手段の一方から他方へ流体が流れた場合に、前記流体の流れが前記試料採取端CTEを通過するように、前記カテーテル手段CA,CBに形成される流量と流れ方向を制御するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記試料採取端CTEは、前記試料部位SSに配置されるように構成され、前記ポンプ手段PA,PBは、前記混合不可流体ABの第1部分AB1を前記試料採取端CTEの端部開口に向けて移動させ、前記第1部分AB1が前記端部開口に配置された時に流体試料を採取し、前記ポンプ手段PA,PBは、採取された前記試料を試料管Tへ供給するように構成された試料供給端CDEへ、前記試料採取端CTEから採取された前記試料を運ぶように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記カテーテル手段CA,CBに配置され、前記カテーテル手段CA,CBにおける前記流体の流路を制御するように構成された複数の弁VA1,VA2,VB1,VB2,VB3,VB4を更に備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ポンプ手段PA,PBおよび複数の弁VA1,VA2,VB1,VB2,VB3,VB4とに接続でき、前記ポンプ手段PA,PBおよび複数の弁VA1,VA2,VB1,VB2,VB3,VB4の動作を制御するように構成された制御ユニットCUを更に備えることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記カテーテル手段CA,CBは二つの内腔を持つカテーテル手段であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記カテーテル手段CA,CBに接続できる濯ぎ流体源FA,FBであって、この濯ぎ流体源FA,FBから前記カテーテル手段CA,CBへ濯ぎ流体を供給するための濯ぎ流体源FA,FBを更に備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ポンプ手段PA,PBは、前記濯ぎ流体源FA,FBから前記カテーテル手段CA,CBを通して前記カテーテル手段CBの供給端CDEの廃棄管に向かって、前記濯ぎ流体の流れを提供するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記濯ぎ流体の流れは、前記第2ポンプ手段PBによって提供される吸引作用と等しい押込み作用を提供する第1ポンプ手段PAによって作り出され、前記濯ぎ流体は前記第1カテーテル手段CAから第2カテーテル手段CBへ流れる場合に、前記試料採取端CEに流れ込むこと無く通過することを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記濯ぎ流体の流れは、前記第2ポンプ手段PBが吸引するよりも僅かに高い圧力で押込む第1ポンプ手段PAによって作り出され、前記濯ぎ流体の一部は前記カテーテル手段CA,CBの試料採取端CTEに入って濯ぐことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記試料採取端CTEは、流れFの100%で押込む第1ポンプ手段PAと流れFの90%で吸引する第2ポンプ手段PBによって濯がれることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ポンプ手段PA,PBは、押込み作用を提供する能力を有する第1部分PAと吸引作用を提供する能力を有する第2部分PB、或いはその逆である各部分を備える単一の二重作用吸引押込みポンプ手段として構成され、前記第1部分と第2部分PA,PBとは同時又は別個に動作するように構成されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記二重作用吸引押込みポンプ手段の第1部分と第2部分とが別個に動作した場合に動作し、前記第1部分と第2部分PA,PBの起動中の1つの作用を補正するように構成されている第3のポンプ手段を更に備えていることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記採取された流体試料TSを分析するように構成された分析手段AMをさらに備えることを特徴とする請求項1〜13に記載のシステム。
【請求項15】
前記カテーテル手段CA,CBに接続できる薬液源を更に備え、前記ポンプ手段PA,PBは前記薬剤の総量を前記試料採取端CTEに運び、前記薬剤を前記試料部位SSに供給するように構成されていることを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載のシステム。
【請求項16】
生きた試験対象物の試料部位SSから流体試料を自動的に採取する方法であって、
カテーテル手段CA,CBに濯ぎ流体を供給し(ステップ100)、
混合不可流体ABの総量を前記カテーテル手段CA,CBに吸い込み(ステップ102)、
前記混合不可流体ABの総量を前記カテーテル手段CA,CBの三方接続部CJに移動させ(ステップ104)、
前記混合不可流体ABの第1部分AB1を試料採取端CTEの開口に向けて移動させ(ステップ106)、
前記流体試料TSを引き出し(ステップ108)、
前記混合不可流体ABの第2部分AB2を採取された前記試料TSの後ろに配置し(ステップ110)、
前記カテーテル手段CA,CB内の採取された前記試料TSを前記試料管Tにおいて試料供給端CDEに移動させ(ステップ112)、
採取された前記試料を前記試料管Tに供給し(ステップ114)、
前記濯ぎ流体の流れを前記カテーテル手段CA,CB内を通して提供することによって前記カテーテル手段CA,CBの内腔を濯ぐことを特徴とする方法。
【請求項17】
生きた試験対象物の試料部位SSから流体試料を自動的に採取するシステムで使用するためのコンピュータプログラムであって、請求項1〜16の何れか一項に記載の手段及び機能を実現するように構成されたコードを備えていることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項1〜15の何れか一項に記載されたシステムであって、生きた試験対象物の試料部位SSから流体試料を自動的に採取するシステムで使用するための使い捨て器具。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図3】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図3】
【公表番号】特表2007−527008(P2007−527008A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501747(P2007−501747)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000295
【国際公開番号】WO2005/084547
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(503196927)ディラブ・イ・ルンド・アクチボラグ (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000295
【国際公開番号】WO2005/084547
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(503196927)ディラブ・イ・ルンド・アクチボラグ (1)
【Fターム(参考)】
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