説明

流体調整器のための自己整合バネ座および自己整合バネ座を備える流体調整器

付勢開放バネまたは付勢閉鎖バネを自己整合するためのバネ座は、ガス調整器(100)の管状制御要素(130)内に配置され、バネを通常より早く故障させる可能性がある、バネ(193)の側面負荷を低減するように設計される。バネ座は、バネ座アダプタ(200)とシートリング(202)とを備えることができる。バネ座アダプタは、管状制御要素の内側に固定され、シートリングは、ボールソケット型継ぎ手を介して、バネ座アダプタ上に可動式に取り付けられる。可動シートリングは、バネによって係合され、ボールソケット継ぎ手を介したバネ座アダプタに対する3次元変位によって自己整合されるように適合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、流体制御装置に関し、より具体的には、位置決め装置を含む流体制御装置、および流体制御装置のための位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体制御装置は、制御弁および調整器を含む様々な分類の機器を含む。かかる制御装置は、システムの中を通過する流体の流動を制御するために、化学的処理システム、天然ガス送達システム等の流体プロセス制御システム内に連結されるように適合される。各制御装置は、流体流路を画定し、流路の寸法を調節するための制御部材を含む。例えば、図1は、弁本体12およびアクチュエータ14を含む、既知の調整器10を示す。弁本体12は、流路16を画定し、スロート18を含む。図1において、調整器10は、上向き流構成で構成される。アクチュエータ14は、上部アクチュエータケーシング20、下部アクチュエータケーシング22、ダイヤフラム32を含む、ダイヤフラムサブアセンブリ30、および位置決め装置アセンブリ34を含む。
【0003】
位置決め装置アセンブリ34は、管状制御部材33、コイルバネ35、中心ロッド36、第1のバネ座38、および第2のバネ座40を含む。管状制御部材33は、上部および下部アクチュエータケーシング20、22内に配置され、ダイヤフラムサブアセンブリ30の両側の圧力の変化に反応した、両方向変位のために適合される。そのように構成されることによって、管状制御部材33は、弁本体12のスロート18を通過する流体の流動を制御する。加えて、図示するように、調整器10は、弁本体12のスロート18内に配置される、シートリング26を含む。弁本体12の出口圧力が高い時、位置決め装置アセンブリ34の密封表面28は、シートリング26に密封係合し、スロート18を閉鎖してもよい。同様に、アクチュエータ14に圧力が全くない場合、またはダイヤフラム32の故障時、中心ロッド36によって担持され、管状制御部材33内に配置される、コイルバネ35は、図1に示す開放位置に、管状制御部材33を付勢する。
【0004】
さらに図1を参照すると、従来の調整器10のコイルバネ35は、第1のバネ座38と第2のバネ座40との間で、中心ロッド36によって担持される。第1のバネ座38は、概して、中心ロッド36に固定して連結される、平坦なプレートを備える。第2のバネ座40は、管状制御部材33の内壁に固定して連結される、より複雑な構造を含む。典型的には、第2のバネ座40は、管状制御部材33の内壁に螺着される。図2に示すように、第2のバネ座40は、管状制御部材33の中でバネ35を着座および整合するための複雑な幾何学的断面を有する、一体型部材を備える。
【0005】
具体的には、図2に示す調整器10の第2のバネ座40は、概して、固定部分42、着座部分44、およびロッド受容部分46を含む、修正された円錐形または三角形に似ている、断面形状を含む。固定部分42は、第2のバネ座40を管状制御部材33に螺着する、複数の雄ネジ48を含む。ロッド受容部分46は、管状制御部材33および第2のバネ座40が調整器10の動作中に中心ロッド36に対して移動することができるように、中心ロッド36(図1に示すような)を受容するための開口50を画定する。
【0006】
第2のバネ座40の着座部分44は、固定部分42とロッド受容部分46との間に配置され、バネ35の端部によって係合されるように適合される。具体的には、着座部分44は、概して水平な着座表面52と、整合表面54とを含む。図1に示すように、バネ35の端部は、着座表面52に対して着座し、バネ35の内側は、整合表面54に隣接して、および/または整合表面54と接触して配置される。そのように構成されることによって、第2のバネ座40の着座部分44は、管状制御部材33内でバネ35を支持および整合するように動作する。
【0007】
動作中、管状制御部材33および第2のバネ座40は、ダイヤフラムアセンブリ30の両側の圧力の変化に反応して、中心ロッド36に対して移動する。この移動は、バネ35を管状制御部材33の移動と一緒に周期的に伸縮させる。しかしながら、バネ35の伸縮は、管状制御部材33に対する第1のバネ座38の不整合を引き起こす可能性がある。この不整合は、かかるバネの製造において存在する欠陥の結果である可能性がある。これらの欠陥は、バネ35の不均一な周辺負荷を引き起こす可能性があり、それは、バネ35を横方向に移動させ、管状制御部材33の内壁に接触させる可能性があり、かつ/または第1のバネ座38を管状制御部材33の内壁へと横方向に押し込む可能性がある。この現象は、概して、側面負荷と称され、それは、バネ35および/または第1のバネ座38を通常より早く摩耗させる可能性があり、かつ/または故障させる可能性がある。この問題は、バネ35が、大きい負荷を生成する大型の係数が高いバネを備える時に深刻になる。
【発明の概要】
【0008】
本開示の一態様は、調整器の流体流路を通る流体の流動を調整するための、位置決め装置アセンブリを提供する。位置決め装置アセンブリは、管状制御部材、中心ロッド、第1のバネ座、第2のバネ座、およびバネを備える。中心ロッドは、管状制御部材内に少なくとも部分的に配置され、調整器のケーシングに固定されるように適合される。第1のバネ座は、管状制御部材内に配置され、中心ロッドに対して固定される。第2のバネ座は、管状制御部材内に少なくとも部分的に配置され、それを貫通して中心ロッドが延在する開口部を画定する。バネは、第1のバネ座と第2のバネ座との間に配置され、調整器のケーシングに対して所定の位置に、管状制御部材を付勢するように適合される。第2のバネ座は、制御部材に対して固定される、バネ座アダプタと、バネに係合し、バネ座アダプタに対する変位のために適合される、シートリングとを備え、それによって管状制御部材内でバネを自己整合する。
【0009】
いくつかの実施形態では、シートリングは、バネ座アダプタに対して関節運動する。
【0010】
いくつかの実施形態では、第2のバネ座は、シートリングがバネ座アダプタに対して関節運動することができるように、バネ座アダプタとシートリングとの間にボールソケット型継ぎ手を備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、バネ座アダプタは、部分的球状凸面を備え、シートリングは、バネ座アダプタの部分的球状凸面に係合する。
【0012】
いくつかの実施形態では、シートリングは、バネ座アダプタの部分的球状凸面に係合する、部分的球状凹面を備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、アセンブリは、第1のバネ座と管状制御部材の内面との間に配置される、ナイロンガイドリングをさらに備え、ナイロンガイドリングは、第1のバネ座と管状制御部材との間の移動を容易にする。
【0014】
本開示の別の態様は、調整器の流体流路を通過する流体の流動を調整するための、位置決め装置アセンブリに関する。位置決め装置アセンブリは、管状制御部材、中心ロッド、第1のバネ座、第2のバネ座、およびバネを備える。中心ロッドは、管状制御部材内に少なくとも部分的に配置され、調整器のケーシングに固定されるように適合される。第1のバネ座は、管状制御部材内に配置され、中心ロッドに対して固定される。第2のバネ座は、管状制御部材内に少なくとも部分的に配置され、凸状外面と、それを貫通して中心ロッドが延在する開口部とを画定する。バネは、第1のバネ座と、第2のバネ座との間に配置され、調整器のケーシングに対して所定の位置に、管状制御部材を付勢するように適合される。バネは、第2のバネ座と係合している部分を有し、それは、凸状外面に対して可動式に配置され、それによって管状制御要素内でバネを自己整合する。
【0015】
いくつかの実施形態では、第2のバネ座と係合しているバネの部分は、凸状外面に対して関節運動する。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2のバネ座は、関節運動することができるボールソケット型継ぎ手を画定する。
【0017】
いくつかの実施形態では、第2のバネ座は、制御部材に対して固定され、凸状外面を担持する、バネ座アダプタと、バネ座アダプタとバネとの間に配置される、シートリングとを備え、シートリングは、凸状外面に可動式に係合し、それによって管状制御部材内のバネの自己整合を容易にする。
【0018】
いくつかの実施形態では、第2のバネ座のバネ座アダプタは、管状制御部材に螺着される。
【0019】
いくつかの実施形態では、バネ座アダプタの凸状外面は、部分的球状凸面を備え、シートリングは、バネ座アダプタの部分的球状凸面に係合する。
【0020】
いくつかの実施形態では、シートリングは、バネ座アダプタの部分的球状凸面に係合する、部分的球状凹面を備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、アセンブリは、第1のバネ座と管状制御部材の内面との間に配置される、ナイロンガイドリングをさらに備えることができ、ナイロンガイドリングは、第1のバネ座と管状制御部材との間の移動を容易にする。
【0022】
本開示の別の態様は、弁本体、アクチュエータケーシング、管状制御要素、中心ロッド、第1のバネ座、第2のバネ座、およびバネを備える、調整器に関する。弁本体は、流体のための流路を画定する。アクチュエータケーシングは、弁本体に連結される。管状制御部材は、アクチュエータケーシング内に少なくとも部分的に配置され、流路を通る流体の流動を調整するために、弁本体に対する変位のために適合される。中心ロッドは、管状制御部材内に少なくとも部分的に配置され、アクチュエータケーシングに固定される。第1のバネ座は、管状制御部材内に配置され、中心ロッドに対して固定される。第2のバネ座は、管状制御部材内に少なくとも部分的に配置され、それを貫通して中心ロッドが延在する開口部を画定する。バネは、第1のバネ座と、第2のバネ座との間に配置され、アクチュエータケーシングに対して所定の位置に、管状制御部材を付勢する。第2のバネ座は、管状制御部材に対して固定される、バネ座アダプタと、バネに係合し、バネ座アダプタに対する変位のために適合される、シートリングとを備え、それによって管状制御部材内でバネを自己整合する。
【0023】
いくつかの実施形態では、シートリングは、バネ座アダプタに対して関節運動する。
【0024】
いくつかの実施形態では、第2のバネ座は、シートリングがバネ座アダプタに対して関節運動することができるように、バネ座アダプタとシートリングとの間にボールソケット型継ぎ手を備える。
【0025】
いくつかの実施形態では、バネ座アダプタは、部分的球状凸面を備え、シートリングは、バネ座アダプタの部分的球状凸面に係合する。
【0026】
いくつかの実施形態では、シートリングは、バネ座アダプタの部分的球状凸面に係合する、部分的球状凹面を備える。
【0027】
いくつかの実施形態では、アセンブリは、第1のバネ座と管状制御部材の内面との間に配置される、ナイロンガイドリングをさらに備え、ナイロンガイドリングは、第1のバネ座と管状制御部材との間の移動を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来の調整器の断面側面図である。
【図2】図1の従来の調整器のバネ座の詳細部分断面図である。
【図3】本開示に従って構成される、調整器の断面側面図である。
【図4】図3の調整器のバネ座の詳細部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図3を参照すると、本開示の原理に従って構成される、制御装置の一実施形態は、圧力調整器100を含む。圧力調整器100は、概して、弁本体102とアクチュエータ106とを含む。弁本体102は、考察されるように、入口110と出口112との間、ならびにアクチュエータ106へと延在する、流路108を画定する。アクチュエータ106は、図3に示すような開放位置と、閉鎖位置(図示せず)との間で移動可能である、制御アセンブリ114を含み、制御アセンブリ114は、弁本体102のスロート116内に配置される、シートリング104に係合する。制御アセンブリ114の移動は、入口110および出口112における流体の圧力の変動に反応して生じる。したがって、シートリング104に対する制御アセンブリ114の位置は、圧力調整器100の流動能力に影響を及ぼす。
【0030】
上記のように、アクチュエータ106は、制御アセンブリ114、および追加的に、上部アクチュエータケーシング122と、下部アクチュエータケーシング124と、ケージ126と、を含む。上部および下部アクチュエータケーシング122、124は、少なくとも1つのネジ締結具119および対応するナット121によって一緒に固定される。上部アクチュエータケーシング122は、中央開口部123、少なくとも1つの第1の制御入口125、およびトラベルチャンバ127を画定する。トラベルチャンバ127は、アクチュエータ106内の制御アセンブリ114の位置を示す、トラベルインジケータ131を含有する。下部アクチュエータケーシング124は、少なくとも1つの第2の制御入口129を画定する。制御開口部123は、少なくとも1つのネジ締結具113によって上部アクチュエータケーシング122に固定される、キャッププレート117を受容する。
【0031】
協働して、上部および下部アクチュエータケーシング122、124は、弁本体102の中のアクチュエータ開口部115と連通している、空洞135を画定する。図3に示すように、アクチュエータ106のケージ126は、空洞135に延在する第1の端部126aと、シートリング104を画定する第2の端部126bとを有する。
【0032】
さらに図3を参照すると、制御アセンブリ114は、ダイヤフラムサブアセンブリ133および位置決め装置アセンブリ138を含む。位置決め装置アセンブリ138は、管状制御部材130、取り付けサブアセンブリ132、中心ロッド186、第1のバネ座188、第2のバネ座190、およびコイルバネ193を含む。
【0033】
管状制御部材130は、概して円筒形の内面143および概して円筒形の外面147を有する。内面143は、管状制御部材130を貫通する中心孔を画定する。加えて、管状制御部材130は、上端部130aおよび下端部130bを含む。上端部130aは、アクチュエータ106の空洞135内に配置され、下端部130bは、ケージ126内に配置される。管状制御部材130の上端部130aは、開放され、外面147上に形成される円周フランジ140を含む。加えて、管状制御部材130の上部分130aは、内面143上のネジ部分141を含む。管状制御部材130の下端部130bは、開放され、取り付けサブアセンブリ132を収容する。
【0034】
取り付けサブアセンブリ132は、取り付け部材142、ディスクリテーナ144、ディスクホルダ146、および密封ディスク148を含む。開示された形態において、取り付け部材142は、管状制御部材130の開放下端部130bに螺入され、貫通孔150を画定する、概して円筒形の本体を含む。貫通孔150は、概して、管状制御部材130と軸方向に整合される。ディスクリテーナ144は、一対の締結具152によって取り付け部材142に固定される、概して円筒形の本体を含む。図示される形態において、締結具152は、ネジ締結具を含む。取り付け部材142と同様に、ディスクリテーナ144は、貫通孔154を画定する。ディスクリテーナ144の貫通孔154は、取り付け部材142の貫通孔150の直径に実質的に等しい直径を有し、それと軸方向に整合される。
【0035】
図示するように、ディスクリテーナ144は、ディスクホルダ146および密封ディスク148を、リテーナアセンブリ132の取り付け部材142に固定する。ディスクホルダ146は、鉄鋼等の硬質材料で構成される、概して環状のプレートを含む。密封ディスク148は、弾性材料から作られ、ディスクホルダ146に固定される、概して環状のディスクを含む。一形態において、密封ディスク148は、接着剤でディスクホルダ146に固定される。開示された形態によると、ディスクリテーナ144の構成は、制御アセンブリ114が閉鎖位置にあり、シートリング104に対して密封ディスク148を圧縮する時、密封ディスク148の半径方向変形を制限する。
【0036】
ここで、図3に示す調整器100の上部分を参照すると、ダイヤフラムサブアセンブリ133は、ダイヤフラム134、上部ダイヤフラムプレート136a、および下部ダイヤフラムプレート136bを含む。上部および下部ダイヤフラムプレート136a、136bは、管状制御部材130の円周フランジ140に締め付けられる。ダイヤフラムプレート136a、136bは、締結具156によって一緒に固定され、それによって管状制御部材130およびダイヤフラムプレート136a、136bを一緒に固定する。加えて、ダイヤフラムプレート136a、136bは、ダイヤフラム134の半径方向に内向きの部分を挟む。ダイヤフラム134の半径方向に外向きの部分は、上部アクチュエータケーシング122と、下部アクチュエータケーシング124との間に固定される。
【0037】
位置決め装置アセンブリ138の中心ロッド186、第1および第2のバネ座188、190、およびバネ193は、概して、管状制御部材130内に配置され、図3に示す開放位置に、管状制御部材130を付勢する。
【0038】
中心ロッド186は、第1のネジ端部186aおよび第2のネジ端部186bを含む。第1のネジ端部186aは、キャッププレート117を貫通して延在し、一対の外部ナット194が、第1のネジ端部186aに螺入され、図3に示す調整器100の配向に対して下向き方向への中心ロッド186の軸方向変位を制限する。中心ロッド186は、外部ナット194からキャッププレート117の反対側に配置される、ショルダ196をさらに含み、図3に示す調整器100の配向に対して上向き方向への中心ロッド186の軸方向変位を制限する。したがって、中心ロッド186の第1のネジ端部186aは、第2のネジ端部186bがアクチュエータ106の中へと延在する一方で、キャッププレート117、アクチュエータ106、および弁本体102に対する軸方向変位に対して効果的に固定される。
【0039】
中心ロッド186の第2のネジ端部186bは、管状制御部材130の中へと延在し、第1のバネ座188を支持するために、管状制御部材130の第2の端部130bに隣接して配置される。より具体的には、第1のバネ座188は、中央開口部188aおよび複数の開口188bを画定する、概して平坦なプレートを含む。複数の開口188bは、取り付けサブアセンブリ132の貫通孔150、154を介した弁本体102を通る流路108と流体連通し、既知の方法での調整器100の動作を容易にする。
【0040】
中央開口部188aは、中心ロッド186上に形成されるショルダ187に隣接した位置で、中心ロッド186の第2の端部186bを受容する。保持ナット198は、中心ロッド186の第2のネジ端部186bに螺入され、第1のバネ座188が中心ロッド186に対して固定されるように、ショルダ187に対して第1のバネ座188を押し付ける。したがって、第1のバネ座188は、以下でより詳細に考察するように、管状制御部材130に対して摺動可能に配置される。図示するように、第1のバネ座188は、管状制御部材130内でバネ193の下部分193bを支持し、それによって第2のバネ座190と係合してバネ193の上部分193aを位置付ける。
【0041】
開示された実施形態の第2のバネ座190は、バネ座アダプタ200およびシートリング202を含む、2つの別々の異なる構成要素を含む。バネ座アダプタ200は、管状制御部材130に固定され、シートリング202を支持する。シートリング202は、バネ座アダプタ200と係合して配置され、それに対して可動であり、シートリング202を自己整合し、これは、ひいては、シートリング202は、調整器100の組み立ておよび動作中に、管状制御部材130内でバネ193および第1のバネ座188を自己整合する。
【0042】
例えば、図4を参照すると、バネ座アダプタ200、およびバネ座アダプタ200とは分離された別個の構成要素である、シートリング202を含む、第2のバネ座190の一実施形態が、より詳細に示される。
【0043】
バネ座アダプタ200は、固定部分204、着座部分206、およびロッド受容部分208を含む、修正された円錐形または三角形に概して似ている、断面形状を含む。固定部分204は、概して円筒形であり、図3に示すように、バネ座アダプタ200を、管状制御部材130の内面143上の複数のネジ141に螺着する、複数の雄ネジ210を含む。ロッド受容部分208もまた、概して円筒形であり、管状制御部材130および第2のバネ座190が、調整器100の動作中に、中心ロッド186に対して移動することができるように、図3に示すような中心ロッド186を受容するための開口212を画定する、端壁208aを含む。
【0044】
第2のバネ座200の着座部分206は、固定部分204とロッド受容部分208との間に配置され、シートリング202、およびしたがってシートリング202に係合するバネ193の上部分193aによって係合され、それらを可動式に支持するように適合される。具体的には、着座部分206は、固定部分204とロッド受容部分208との間である角度を成して延在する壁を含み、壁は、シートリング202に沿って対向して着座されるための外面214を画定する。
【0045】
図示するように、シートリング202の開示された実施形態は、着座表面216、整合表面218、および内面220を画定する、概してL字型の断面を含む。シートリング202の内面220は、バネ座アダプタ200の外面214に係合し、考察されるように、それに対する変位のために適合される。開示された実施形態において、着座および整合表面216、218は、相互に対して約90°で配置される。図3に示すように、バネ193の上部分193aは、シートリング202の着座表面216に対して着座し、バネ193の内側部分193cは、整合表面218に隣接して、および/または整合表面218と接触して配置される。そのように構成されることによって、第1のバネ座188がバネ193の下部分193bを支持する一方で、第2のバネ座190のシートリング202は、管状制御部材130内でバネ193の上部分193aを支持および整合するように動作する。そのように構成されることによって、バネ193は、第1のバネ座188と、第2のバネ座190のシートリング202の着座表面216との間で圧縮される。
【0046】
上記のように、第2のバネ座190のシートリング202は、バネ座アダプタ200に対して可動である。具体的には、開示された実施形態において、バネ座アダプタ200の外面214は、凸状部分的球状表面を含み、シートリング202の内面220は、凹状部分的球状表面を含む。一実施形態では、外面214および内面220は、同じ曲率半径を有することができる。したがって、外面214および内面220は、シートリング202がバネ座アダプタ200に対して関節運動、枢動、回転、および別様に自由に移動することを可能にする、バネ座アダプタ200とシートリング202との間のボールソケット型継ぎ手222を画定する。
【0047】
そのように構成されることによって、開示された調整器100の第2のバネ座190は、シートリング202およびコイルバネ193がバネ座190の外面214に対して移動することを可能にすることによって、シートリング202、コイルバネ193、および第1のバネ座188に自己整合機能を有利に提供する。例えば、動作中、管状制御部材130および第2のバネ座190は、アクチュエータ106のダイヤフラムアセンブリ133にわたる圧力の変化に反応して、中心ロッド186に対して上下に移動する。この移動は、管状制御部材130がケージ126の弁座104に向かって、および弁座104から離れて移動する際に、バネ193を周期的に伸縮させる。コイルバネ193が欠陥を有する場合、コイルバネ193および/または第1のバネ座188は、バネ193の不均一な周辺負荷による側面負荷を受ける可能性がある。
【0048】
しかしながら、第2のバネ座190の可動シートリング202およびバネ193の可動上部分193aは、バネ193によって生成される異なる周辺力に応じて、バネ座アダプタ200に対するそれらの位置を枢動、関節運動、回転、およびそうでなければ自己調整させることによって、かかる周辺負荷を有利に抑制する。したがって、バネ193および第1のバネ座188の側面負荷を、低減することができ、これにより、バネ193および第1のバネ座188の摩耗を低減し、耐用年数を増加させることができる。
【0049】
開示された設計の別の利点は、従来の設計よりも容易な組み立てを提供することである。具体的には、本明細書に開示される位置決め装置アセンブリ138を組み立てるために、技術者は、最初に、第1のバネ座188を中心ロッド186の第2の端部186bに取り付け、ロッド186を管状制御部材130の中に位置付けることができる。次いで、バネ193は、管状制御部材130の中に入れられ、ロッド186の周囲に位置付けることができる。次いで、シートリング202を、整合表面218がバネ193に入るように適合し、着座表面216がバネ193の上部分193aに係合するように、バネ193上に位置付けることができる。最後に、技術者は、次いで、バネ座アダプタ200のロッド受容部分208の開口212を、中心ロッド186の第1の端部186a上に配置することができ、着座部分206の外面214をシートリング202の内面220に係合させる。
【0050】
そのように位置付けられることによって、バネ座アダプタ200の固定部分204上のネジ210を、次いで、管状制御部材130の内面143上のネジ141に締め付けることができる。バネ座アダプタ200を管状制御部材130に締め付ける間、バネ座アダプタ200は、バネ193およびシートリング202に対して回転させられる。従来の設計において、バネ座に印加されるトルクは、特に、バネが予負荷を必要とする場合に、バネに直接伝達され、それによってバネの整合を妨げ、バネ座の締め付けを困難にする。しかしながら、本明細書に開示される設計では、バネ座アダプタ200を管状制御部材130に締め付けることによってバネ193へ移行するトルク量は、シートリング202がバネ193に直接係合し、バネ座アダプタ200が、最小限の摩擦を生成しながら、シートリング202に対して回転することが可能であるように特別に設計されているため、低減される。したがって、開示された位置決め装置アセンブリ138の組み立てプロセスは、従来の位置決め装置の組み立てよりもはるかに容易である。
【0051】
さらに、これまで考察された利点に加えて、バネ圧縮設計は、現場で種々のバネ設定点を達成するために利用できる可能性がある。例えば、現場において、キャッププレート117を上部アクチュエータケーシング122から容易に取り外すことができる可能性があり、次いで、バネ座アダプタ200が管状制御部材130から取り外すことができる可能性があり、シートリング202が、例えば、バネ193に対して異なる量の予負荷を与えるために、異なる厚さ寸法を有する、異なるシートリング202と交換できる可能性がある。さらに、バネ193自体は、取り外され、異なるバネ力を有する異なるバネと交換できる可能性がある。さらにまた、バネ193の圧縮は、管状制御要素130に対する第2のバネ座190の軸方向位置を調節することによって調節することができ、それは、その中のバネ座アダプタ202に部分的にネジを緩める、またはさらにネジ込むことによって、容易に行うことができる。
【0052】
本明細書に開示されるバネ座アダプタ200の外面214が、凸状で部分的に球状であり、シートリング202の内面220が、外面214の曲率半径に等しい曲率半径を有する、凹状で部分的に球状であるように記載されてきたが、代替の実施形態は、異なって構成できる可能性がある。例えば、1つの代替の実施形態では、外面214および内面220は、それぞれ凸状および凹状であるが、必ずしも部分的に球状ではなくてもよい。
【0053】
別の実施形態では、外面214および内面220の曲率半径は、異なる可能性がある。例えば、バネ座アダプタ200上の外面214の曲率半径は、シートリング202の内面220の曲率半径よりも大きくてもよい。そのように構成されることによって、シートリング202はまた、いかなる摩擦も生成することなく、バネ座アダプタ200に対して枢動することができ、むしろ、外面214は、例えば、支点として有利に機能することができる。
【0054】
別の実施形態では、バネ座アダプタ200の外面214は、凸状にできる可能性があるが、シートリング202の内面220は、シートリング202とバネ座アダプタ200との間に、線接触のみが存在するように、円形縁部を含んでもよい。さらに別の実施形態では、バネ座アダプタ200の外面は、凹状または平坦とさえもできる可能性がある。
【0055】
さらに別の実施形態では、第2のバネ座190は、摩擦を低減し、シートリング202の移動を容易にするように、シートリング202とバネ座アダプタ200との間に配置される、減摩構成要素を含むことができる。減摩構成要素は、例えば、ナイロンリング、またはグラファイト層、潤滑剤層、テフロン層等を含むことができる。
【0056】
上記は、調整器およびかかる調整器の位置決め装置アセンブリの種々の実施形態、特徴、および構成要素を記載してきたが、本発明は、記載された具体例に限定されることを意図せず、むしろ、当業者が当該技術分野への貢献であると理解するであろうものによって定義されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整器の流体流路を通過する流体の流動を調整するための位置決め装置アセンブリであって、
管状制御部材と、
前記管状制御部材内に少なくとも部分的に配置され、前記調整器のケーシングに固定されるように適合される、中心ロッドと、
前記管状制御部材内に配置され、前記中心ロッドに対して固定される、第1のバネ座と、
前記管状制御部材内に少なくとも部分的に配置され、それを貫通して前記中心ロッドが延在する開口部を画定する、第2のバネ座と、
第1のバネ座と第2のバネ座との間に配置される、バネであって、前記調整器のケーシングに対して所定の位置に、前記管状制御部材を付勢するように適合される、バネと、
を備え、
前記第2のバネ座は、前記制御部材に対して固定される、バネ座アダプタと、前記バネに係合し、前記バネ座アダプタに対する変位のために適合される、シートリングとを備え、それによって前記管状制御部材内で前記バネを自己整合する、
位置決め装置アセンブリ。
【請求項2】
前記シートリングは、前記バネ座アダプタに対して関節運動する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第2のバネ座は、前記シートリングが前記バネ座アダプタに対して関節運動することができるように、前記バネ座アダプタと前記シートリングとの間にボールソケット型継ぎ手を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記バネ座アダプタは、部分的球状凸面を備え、前記シートリングは、前記バネ座アダプタの前記部分的球状凸面に係合する、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記シートリングは、前記バネ座アダプタの前記部分的球状凸面に係合する、部分的球状凹面を備える、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のバネ座と前記管状制御部材の内面との間に配置される、ナイロンガイドリングをさらに備え、前記ナイロンガイドリングは、前記第1のバネ座と前記管状制御部材との間の移動を容易にする、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
調整器の流体流路を通る流体の流動を調整するための位置決め装置アセンブリであって、
管状制御部材と、
前記管状制御部材内に少なくとも部分的に配置され、前記調整器のケーシングに固定されるように適合される、中心ロッドと、
前記管状制御部材内に配置され、前記中心ロッドに対して固定される、第1のバネ座と、
前記管状制御部材内に少なくとも部分的に配置される、第2のバネ座であって、凸状外面と、それを貫通して前記中心ロッドが延在する開口部とを画定する、第2のバネ座と、
第1のバネ座と第2のバネ座との間に配置される、バネであって、前記バネは、前記調整器の前記ケーシングに対して所定の位置に入るように、前記管状制御部材を付勢するように適合され、前記バネは、前記第2のバネ座と係合している部分を有し、前記部分は、前記凸状外面に対して可動式に配置され、それによって前記管状制御要素内で前記バネを自己整合する、バネと、
を備える、位置決め装置アセンブリ。
【請求項8】
前記第2のバネ座と係合している前記バネの前記部分は、前記凸状外面に対して関節運動する、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記第2のバネ座は、関節運動することができるボールソケット型継ぎ手を画定する、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記第2のバネ座は、前記制御部材に対して固定され、前記凸状外面を担持する、バネ座アダプタと、前記バネ座アダプタと前記バネとの間に配置される、シートリングとを備え、前記シートリングは、前記凸状外面に可動式に係合し、それによって前記管状制御部材内の前記バネの自己整合を容易にする、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第2のバネ座の前記バネ座アダプタは、前記管状制御部材に螺着される、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記バネ座アダプタの前記凸状外面は、部分的球状凸面を備え、前記シートリングは、前記バネ座アダプタの前記部分的球状凸面に係合する、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記シートリングは、前記バネ座アダプタの前記部分的球状凸面に係合する、部分的球状凹面を備える、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記第1のバネ座と前記管状制御部材の内面との間に配置される、ナイロンガイドリングをさらに備え、前記ナイロンガイドリングは、前記第1のバネ座と前記管状制御部材との間の移動を容易にする、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項15】
流体のための流路を画定する、弁本体と、
前記弁本体に連結される、アクチュエータケーシングと、
前記アクチュエータケーシング内に少なくとも部分的に配置され、前記流路を通過する前記流体の流動を調整するために、前記弁本体に対する変位のために適合される、管状制御部材と、
前記管状制御部材内に少なくとも部分的に配置され、前記アクチュエータケーシングに固定される、中心ロッドと、
前記管状制御部材内に配置され、前記中心ロッドに対して固定される、第1のバネ座と、
前記管状制御部材内に少なくとも部分的に配置され、それを貫通して前記中心ロッドが延在する開口部を画定する、第2のバネ座と、
第1のバネ座と第2のバネ座との間に配置される、バネであって、前記アクチュエータケーシングに対して所定の位置に入るように、前記管状制御部材を付勢する、バネと、
を備え、
前記第2のバネ座は、前記管状制御部材に対して固定される、バネ座アダプタと、前記バネに係合し、前記バネ座アダプタに対する変位のために適合される、シートリングとを備え、それによって前記管状制御部材内で前記バネを自己整合する、
調整器。
【請求項16】
前記シートリングは、前記バネ座アダプタに対して関節運動する、請求項15に記載の調整器。
【請求項17】
前記第2のバネ座は、前記シートリングが前記バネ座アダプタに対して関節運動することができるように、前記バネ座アダプタと前記シートリングとの間にボールソケット型継ぎ手を備える、請求項15に記載の調整器。
【請求項18】
前記バネ座アダプタは、部分的球状凸面を備え、前記シートリングは、前記バネ座アダプタの前記部分的球状凸面に係合する、請求項17に記載の調整器。
【請求項19】
前記シートリングは、前記バネ座アダプタの前記部分的球状凸面に係合する、部分的球状凹面を備える、請求項18に記載の調整器。
【請求項20】
前記第1のバネ座と前記管状制御部材の内面との間に配置される、ナイロンガイドリングをさらに備え、前記ナイロンガイドリングは、前記第1のバネ座と前記管状制御部材との間の移動を容易にする、請求項15に記載の調整器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−525544(P2012−525544A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507353(P2012−507353)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/031901
【国際公開番号】WO2010/126762
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(510279033)エマーソン プロセス マネージメント レギュレーター テクノロジーズ インコーポレイテッド (15)
【Fターム(参考)】