説明

浴槽付きベッド

【課題】 少人数の者でも大きな労力と熟練とを必要とせずに、容易に入浴介護が行える浴槽付きベッドを提供する。
【解決手段】 マット載置枠(11)の下方に移動台車(21)と、この移動台車(21)の駆動源(22)とを設ける。該移動台車(21)に浴槽(30)と吊り紐式リフト(40,40)と、起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体(41,41)とを取り付ける。吊り紐式リフト(40,40)は、一対の吊り紐(42,42)と、リフト柱体(41,41)の上部先端部より垂れ下がる吊り紐(42)の先端に取り付けられたフック体(43)と、吊り紐(42)を昇降するそれぞれの駆動源(44)とで構成する。さらに、浴槽(30)内に略水平状態で入れることのできる大きさの枠体(51)にネット(52)を張り該枠体(51)の四隅に連結環部(53)を設けた人体支承ネット(50)を設けてなる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、介護用に使用するのに特に適した、浴槽付きベッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】要介護者への重要な介護の一つに、入浴介護がある。しかし、入浴介護はあまりに大きな労力が要求されるため、訓練を積んだ数人が介護班を結成し、浴槽等の必要装置を要介護者の住む家に運び込んで、協力して入浴の介護を行うのが一般的である。
【0003】しかし、上記の従来の入浴介護方法は、多くの人手を必要とするので経費が嵩むという問題点を有するばかりか、ある程度力の強い人と介護のノウハウを持った人とに介護してもらわなくてはならないので、要介護者にとっては他人の世話を受けなくてはならず、気心を知れた身内のみで介護を受けるのとは異なって、介護を受ける人の気遣いも相当に大きいという問題点が指摘されている。
【0004】そこで、従来より、自宅でいつでも身内の者のみの介護で入浴できる浴槽付きのベッドが提案されているが、ベッドから浴槽に要介護者を移動させる工程と、入浴が終了した人をベッドに戻す工程が未だ簡易化できず、一人か二人の身内の者で入浴介護を容易に行える程度のものは、未だ開発できていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、少人数の者でも大きな労力と熟練とを必要とせずに、容易に入浴介護が行える浴槽付きベッドを提供することを課題としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため、本発明は、マット載置枠11の下方に移動台車21と、この移動台車21をベッドの横部位まで往復移動する駆動源22とを設け、上記移動台車21に浴槽30を取り付けると共に、この浴槽30の長手方向両端部位に吊り紐式リフト40,40と、常時は該浴槽30の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体41,41とを取り付け、上記吊り紐式リフト40,40は、それぞれ一対の吊り紐42,42と、浴槽30をベッドの横に移動させて前記リフト柱体41,41をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体41,41の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐42の先端に取り付けられたフック体43と、この各フック体43を各吊り紐42によって昇降するそれぞれの駆動源44とで構成し、さらに、浴槽30内に入れることのできる大きさの枠体51にネット52を張り該枠体51の四隅に前記フック体43,43,43,43を掛ける連結環部53を設けた人体支承ネット50を設けてなる技術的手段を講じたものである。
【0007】それ故、本発明浴槽付きベッドは、通常は浴槽30等をマット載置枠11の下方に収納しておいて、従来の通常のベッドとして使用でき、入浴時は浴槽30をベッドの横に移動させて該浴槽30を使用する。そして、入浴に際しては人体支承ネット50を吊り紐式リフト40,40で昇降することで、大きな労力を要さずに要看護者の浴槽30への出入りを介護できる作用を呈するものである。
【0008】なお、ベッド上の要介護者を人体支承ネット50上に移すには、一つの方法として、人体支承ネット50をベッドの横にある浴槽30の上に位置させ、要看護者はベッドの上から人体支承ネット50上へと横方向に引きずって移動する方法と、もう一つの方法は、ベッドの上で要介護者の体を横向きにし、そこに人体支承ネット50を差し込み、体を仰向きになおして該人体支承ネット50の上へ要介護者の体を移動させる方法である。また、入浴が終了して人体支承ネット50上からベッド上に要介護者を移動させる場合も、略同様な二つの方法があるが、いずれの方法も、主として横方向に体を移動するものであるので、一度に要介護者の体重の全てを保持する必要性がないので、小さな力で要介護者の移動が可能となる作用を呈するものである。
【0009】次に、請求項2の発明は、マット載置枠11の下方に移動台車21と、この移動台車21をベッドの横部位まで往復移動する駆動源22とを設け、上記移動台車21に浴槽30を取り付けると共に、この浴槽30の長手方向両端部位に吊り紐式リフト40,40と、常時は該浴槽30の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体41,41とを取り付け、上記吊り紐式リフト40,40は、それぞれ一対の吊り紐42,42と、浴槽30をベッドの横に移動させて前記リフト柱体41,41をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体41,41の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐42の先端に取り付けられたフック体43と、この各フック体43を各吊り紐42によって昇降するそれぞれの駆動源44とで構成し、さらに、浴槽30内に入れることのできる大きさの枠体51にネット52を張り該枠体51の四隅に前記フック体43,43,43,43を掛ける連結環部53を設けた人体支承ネット50を設け、上記吊り紐式リフト40,40は、人体支承ネット50を浴槽30内に沈める際に、乗せた人の足側が先に下がるよう該人体支承ネット50を傾斜させて下降する制御盤Pに連結してなる技術的手段を講じたものである。
【0010】それ故、本発明は前記請求項1の作用に加えて、吊り紐式リフト40,40が、人体支承ネット50を浴槽30内に沈める際に、乗せた人の足側が先に下降して、要介護者が足から先に湯に入る作用を呈するものである。
【0011】次に、請求項3の発明は、マット載置枠11の下方に移動台車21と、この移動台車21をベッドの横部位まで往復移動する駆動源22とを設け、上記移動台車21に浴槽30を取り付けると共に、この浴槽30の長手方向両端部位に吊り紐式リフト40,40と、常時は該浴槽30の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体41,41とを取り付け、上記吊り紐式リフト40,40は、それぞれ一対の吊り紐42,42と、浴槽30をベッドの横に移動させて前記リフト柱体41,41をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体41,41の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐42の先端に取り付けられたフック体43と、この各フック体43を各吊り紐42によって昇降するそれぞれの駆動源44とで構成し、さらに、浴槽30内に入れることのできる大きさの枠体51にネット52を張り該枠体51の四隅に前記フック体43,43,43,43を掛ける連結環部53を設けた人体支承ネット50を設け、上記浴槽30の上面部位には、基端部を浴槽30の縁部上面上に枢止され、常時は全体を浴槽30の縁部上面上に位置し、必要時は先端を浴槽30の内側に向けて突出して前記人体支承ネット50を浴槽30の上に支持する回動支持アーム60,60,60,60を設けた技術的手段を講じたものである。
【0012】それ故、本発明は請求項1の作用に加え、回動支持アーム60,60,60,60を設けてなるので、この上に人体支承ネット50を載せることで固定できる作用を呈し、要介護者が人体支承ネット50に移動する際も、該人体支承ネット50を動かないように固定して保持する作用を呈する。
【0013】次に、請求項4の発明は、マット載置枠11の下方に移動台車21と、この移動台車21をベッドの横部位まで往復移動する駆動源22とを設け、上記移動台車21に浴槽30を取り付けると共に、この浴槽30の長手方向両端部位に吊り紐式リフト40,40と、常時は該浴槽30の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体41,41とを取り付け、上記吊り紐式リフト40,40は、それぞれ一対の吊り紐42,42と、浴槽30をベッドの横に移動させて前記リフト柱体41,41をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体41,41の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐42の先端に取り付けられたフック体43と、この各フック体43を各吊り紐42によって昇降するそれぞれの駆動源44とで構成し、さらに、浴槽30内に入れることのできる大きさの枠体51にネット52を張り該枠体51の四隅に前記フック体43,43,43,43を掛ける連結環部53を設けた人体支承ネット50を設け、上記浴槽30の上面部位には、基端部を浴槽30の縁部上面上に枢止され、常時は全体を浴槽30の縁部上面上に位置し、必要時は先端を浴槽30の内側に向けて突出して前記人体支承ネット50を浴槽30の上に支持する回動支持アーム60,60,60,60を設け、上記移動台車21の駆動源22と吊り紐式リフト40,40とは、入浴開始の入力信号で、該駆動源22で浴槽30の全体を完全にベッドの横まで移動させ、吊り紐式リフト40,40のリフト柱体41を起立させ、回動支持アーム60,60,60,60の先端を浴槽30の内側に回動させて、人体支承ネット50を該回動支持アーム60,60,60,60上に載せて確認信号を入力すると、移動台車21の駆動源22が移動台車21を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、この状態でマット10上の人を人体支承ネット50上に移動させ、次に確認信号を入力すると浴槽30の全体を再び完全にベッドの横まで移動させた後、該人体支承ネット50を一定距離吊り上げ、回動支持アーム60,60,60,60を戻して確認信号を入力すると、吊り紐式リフト40,40は乗せた人の足側が先に下降するように人体支承ネット50を傾斜させて浴槽30内に沈めるようになし、さらに、入浴終了信号を入力させると、吊り紐式リフト40,40が人体支承ネット50をマット10より上方に吊り上げ、この状態を保って移動台車21の駆動源22が移動台車21を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、次いで、吊り紐式リフト40,40が人体支承ネット50をマット10上に下ろす制御盤Pに連結してなる技術的手段を講じたものである。
【0014】それ故、本発明は、請求項3の作用に加えて、要介護者をベッドから人体支承マット50上に移す際に、該人体支承ネット50の一部がベッドの下方に入り込むので、要介護者を人体支承ネット50の中央に直接移動させることができる作用を呈する。
【0015】また、入浴が終了してベッドに戻る際も、人体支承ネット50をマット10の所定位置の上におろすことができるので、要介護者をベッドの中央に移動させることができる作用を呈するものである。
【0016】次に、請求項5の発明は、ベッド本体1の左右一端の長手方向桟にマット載置枠11の長手方向辺部を枢着軸2,2で枢着し、このマット載置枠11の下方に該マット載置枠11を枢止軸2,2を中心に回動傾斜させる駆動源3,3を設け、さらに、該マット載置枠11の下方には移動台車21と、この移動台車21をベッドの横部位まで往復移動する駆動源22とを設け、上記移動台車21に浴槽30を取り付けると共に、この浴槽30の長手方向両端部位に吊り紐式リフト40,40と、常時は該浴槽30の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体41,41とを取り付け、上記吊り紐式リフト40,40は、それぞれ一対の吊り紐42,42と、浴槽30をベッドの横に移動させて前記リフト柱体41,41をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体41,41の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐42の先端に取り付けられたフック体43と、この各フック体43を各吊り紐42によって昇降するそれぞれの駆動源44とで構成し、さらに、浴槽30内に入れることのできる大きさの枠体51にネット52を張り該枠体51の四隅に前記フック体43,43,43,43を掛ける連結環部53を設けた人体支承ネット50を設け、上記浴槽30の上面部位には、基端部を浴槽30の縁部上面上に枢止され、常時は全体を浴槽30の縁部上面上に位置し、必要時は先端を浴槽30の内側に向けて突出して前記人体支承ネット50を浴槽30の上に支持する回動支持アーム60,60,60,60を設けた技術的手段を講じたものである。
【0017】それ故、本発明は、請求項3及び請求項4の作用に加えて、ベッド本体1の左右横方向一端の長手方向桟にマット載置枠11の長手方向辺部を枢着軸2,2で枢着し、このマット載置枠11の下方に該マット載置枠11を枢止軸2,2を中心に回動傾斜させる駆動源3,3を設けてなるので、マット載置枠11を傾斜させて要介護者の移動を行うと、要介護者の体重を横方向にずらす力の助けに利用でき、小さな力で要介護者を移動可能となす作用を呈するものである。
【0018】次に、請求項6の発明は、ベッド本体1の左右一端の長手方向桟にマット載置枠11の長手方向辺部を枢着軸2,2で枢着し、このマット載置枠11の下方に該マット載置枠11を枢止軸2,2を中心に回動傾斜させる駆動源3,3を設け、さらに、該マット載置枠11の下方には移動台車21と、この移動台車21をベッドの横部位まで往復移動する駆動源22とを設け、上記移動台車21に浴槽30を取り付けると共に、この浴槽30の長手方向両端部位に吊り紐式リフト40,40と、常時は該浴槽30の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体41,41とを取り付け、上記吊り紐式リフト40,40は、それぞれ一対の吊り紐42,42と、浴槽30をベッドの横に移動させて前記リフト柱体41,41をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体41,41の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐42の先端に取り付けられたフック体43と、この各フック体43を各吊り紐42によって昇降するそれぞれの駆動源44とで構成し、さらに、浴槽30内に入れることのできる大きさの枠体51にネット52を張り該枠体51の四隅に前記フック体43,43,43,43を掛ける連結環部53を設けた人体支承ネット50を設け、上記浴槽30の上面部位には、基端部を浴槽30の縁部上面上に枢止され、常時は全体を浴槽30の縁部上面上に位置し、必要時は先端を浴槽30の内側に向けて突出して前記人体支承ネット50を浴槽30の上に支持する回動支持アーム60,60,60,60を設け、上記マット載置枠11に連結した駆動源3,3と、移動台車21の駆動源22と、吊り紐式リフト40,40とは、入浴開始の入力信号で、該駆動源22で浴槽30の全体を完全にベッドの横まで移動させ、吊り紐式リフト40,40のリフト柱体41を起立させ、回動支持アーム60,60,60,60の先端を浴槽30の内側に回動させて、人体支承ネット50を該回動支持アーム60,60,60,60上に載せて確認信号を入力すると、移動台車21の駆動源22が移動台車21を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、さらに、駆動源3,3でマット載置枠11を傾け、この状態でマット10上の人を人体支承ネット50上に移動させ、次に確認信号を入力すると浴槽30の全体を再び完全にベッドの横まで移動させた後、該人体支承ネット50を一定距離吊り上げ、回動支持アーム60,60,60,60を戻して確認信号を入力すると、吊り紐式リフト40,40は乗せた人の足側が先に下降するように人体支承ネット50を傾斜させて浴槽30内に沈めるようになし、入浴終了信号を入力させると、吊り紐式リフト40,40が人体支承ネット50をマット10より上方に吊り上げ、この状態を保って移動台車21の駆動源22が移動台車21を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、次いで、吊り紐式リフト40,40が人体支承ネット50をマット10上に下ろすようになした制御盤Pに連結してなる技術的手段を講じたものである。
【0019】それ故、本発明は、前記した請求項4の作用と、請求項5の作用との両作用を呈するものである。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。図中、1がベッド本体である。このベッド本体1は床面F(図2参照)の上方所定距離の高さにマット10を保持できるものであれば従来公知な種々の形式・構成のものが使用できる。なお、図実施例では、四隅に足片1b,1b,1b,1bを有した長方形の枠体1aの長手方向両端に頭側ボード1cと足側ボード1dを取り付けた形式のものを使用している。
【0021】そして、上記枠体1aの上にマット10を敷設できるようになしてあるが、本実施例では上記枠体1aにマット載置枠11を取り付け、このマット載置枠11の上にマット10が敷設されるようになしてある。このマット載置枠11は、図4及び図5に示すように、桟部材を格子状に設けて、マット10の上から局所的に体重が加わっても大きく凹まないようになしてあるが、通常の板材で構成したり、布テープや針金を縦横方向に渡して構成するような従来公知な方式が無論利用できる。なお、本実施例では、必要時にマット10を傾斜させるため、ベッド本体1を構成する前記枠体1aと該マット載置枠11とを別個に用意したが、マット10を傾斜させる必要性のない場合は、このマット載置枠11を特に別個に用意する必要はなく、該枠体1aと一体的に構成してもよいものである。
【0022】そして、上記マット載置枠11の下方に移動台車21と、この移動台車21をベッドの横部位まで往復移動する駆動源22とを設けてある。この移動台車21は下面に転車23a,23a,23b,23bを設けて床面F上を移動可能になしてある。なお本実施例では、この移動台車21は枠状に構成してあるが、上部が開口する箱体状等適宜構成のものに変えても差し支えない。
【0023】また、上記移動台車21は、本実施例では、図3に最も明らかに示すように、床面F上にはベッドの横方向に向くレール24,24を平行に敷設し、前記転車23a,23a,23b,23bのベッド横方向の一端側の一対の転車23a,23aはこのレール24,24上を、ベッドの横方向他端側の一対の転車23b、23bは直接床面F上を転動するようになしてある。
【0024】また、上記駆動源22は移動台車21をベッドの横方向に往復移動(図3矢印AR1方向に移動)できるものであればよく、ベッドの横方向を向く一対のパワーシリンダ等を使用してもよいが、本実施例では、図3に示すものが使用されている。すなわち、本実施例では一本のパワーシリンダ22を使用し、ベッドの長手方向に固定した固定桟25に一端を枢着した第一リンク26aと、該固定桟25によって一端をベッドの長手方向に案内される第二リンク26bとの中間部位をX字状に交差し、この交差部を軸27で枢着してある。そして、前記第一リンク26aの他端を平行移動桟28に、該平行移動桟28に沿って移動可能となるように連結し、第二リンク26bの他端は該平行移動桟28の一端に枢着し、駆動源22の駆動軸の先端は第一リンク26aに連結する。したがって、該駆動源22の駆動軸の出入(伸縮)で、第一リンク26aと第二リンク26bとの交差角度が変更され、平行移動桟28が固定桟25に対して接離方向に平行移動されるようになるもので、所謂、パンタグラフ式のジャッキを応用しているものである。
【0025】なお、上記レール24,24及び固定桟25は移動不能に固定されているもので、本実施例では、図では明示していないが、これらはベッド本体1に連結して、ベッド本体1の荷重が加わった摩擦抵抗で移動しないようになしているが、必要に応じては床面Fにアンカーボルト等で固定するようになしてもよいのは無論である。
【0026】また、本実施例では上記平行移動桟28の両端には、縦軸で支承された転車28a,28aが取り付けられ、この転車28a,28aは前記したレール24,24の内側立ち上がり面に接して転動し、平行移動桟28がベッドの幅方向(左右横方向)には移動するも、ベッドの長手方向には移動しないようになしてある。そして、この平行移動桟28に前記移動台車21を連結固定螺子等で連結して、該移動台車21またはこの移動台車21上に搭載した後記する浴槽30が、ベッドの下からベッドの横部位まで往復移動できるようになしてある。
【0027】そして、上記移動台車21に浴槽30を取り付けると共に、この浴槽30の長手方向両端部位に吊り紐式リフト40,40と、常時は該浴槽30の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体41,41とを取り付けてある。この吊り紐式リフト40,40は要介護者を昇降するためのものであるのは無論で、特に吊り紐式を採用したのは、人体と接触する可能性のある部位が後記する可曲性を有した吊り紐42であるので、人体に接しても違和感が無く、かつ安全であることと、可曲性の吊り紐42で昇降を行うので多少の余裕があって、リフト柱体41,41を仰伏動できる等の、取り扱いが容易となるためである。また、この種の吊り紐式リフト40,40は、その吊り紐42,42を弛ませることで、大きな余裕を持たせることができ、昇降駆動機構部や吊り紐42自体を、要介護者や各部材より遠ざけることが可能となる利点をも有するものである。
【0028】また、上記浴槽30は、上半身を起こして座った状態で入浴するものであってもよいが、ベッドのマット支承枠11の下部には十分な高さの空間が確保できないのが通常であるので、本実施例では比較的長尺で、要介護者が足を伸ばして横になって入浴できるタイプのものが使用されている。そして、この浴槽30は前記移動台車21の上に固定される。なお、図示はしていないが、この浴槽30は常時適温を保つサーモスイッチ付き加熱装置と、濾過装置と、殺菌装置とを設け、用水を長期間繰り返し使用できるようになしておくことが望ましい。
【0029】上記サーモスイッチ付き加熱装置は、熱源にガスまたは電気等を使用した従来公知なものを使用すればよく、上記濾過装置と殺菌装置との一例としては、殺菌装置として、水(風呂用水)を電気分解して酸素と共にオゾンを発生させる電解式オゾナイザーを使用し、この電解式オゾナイザーの上流部位に副濾過装置としてヘヤーキャッチャー等のフィルタを設け、用水中の大きな不純物をまず除去するようになしてある。そして、該電解式オゾナイザーの下流部位にはメインの濾過装置として活性炭式濾過槽を連結してある。この活性炭濾過槽は従来多用されているもので、微小粒子を濾過するほか、アンモニア性窒素等を吸着除去する。
【0030】活性炭式濾過槽は上記のように濾過、吸着機能で用水を浄化するものであるが、本実施例では電解式オゾナイザーで発生したオゾンの強力な酸化力で、活性炭によって捕集又は吸着された不純物や細菌等を酸化分解してしまうもので、活性炭は多少消耗するが、活性炭の目詰まりも少なく、用水の透明性と無菌性は長期間確保でき、用水中にアンモニア性窒素が溶存することも防止できた。
【0031】また、本発明に使用する浴槽30には、用水を循環噴射する際に、外気を気泡として混入し浴槽内に噴射するようになして、この気泡流噴射装置(図示せず)より噴出した気泡が用水中で破裂する際に発生する超音波で身体の洗浄を行うようになしてあり、常時は石鹸等の洗剤は使用しないようになしている。
【0032】また、上記吊り紐式リフト40,40は、それぞれ一対の吊り紐42,42と、浴槽30をベッドの横に移動させて前記リフト柱体41,41をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体41,41の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐42の先端に取り付けられたフック体43と、この各フック体43を各吊り紐42によって昇降するそれぞれの駆動源44とで構成してある。
【0033】すなわち、上記吊り紐式リフト40は、吊り紐42の先端を引き出して下降させ、引き戻して上昇させるものが使用でき、通常この種のリフトは該吊り紐42を巻取りドラムに巻取り又は巻き戻す方式のものが使用される。しかし、この巻き取りドラム方式は、巻取量にしたがってその巻取り径が異なってくるので、昇降位置の正確な把握が難しくなる。そこで、本実施例では螺進退によって吊り紐42の先端を引き出したり引き戻すようになしてある。
【0034】すなわち、上記吊り紐式リフト40は、上記浴槽30の長手方向両端部位(該浴槽30の外側)にカバー体49を固定し、このカバー体49内には水平方向に一対の螺子棒48,48が設けられ、この螺子棒48,48は夫々正逆転可能なモータよりなる駆動源44で伝動機構48aを介して正逆転するようになしてある。そして、両螺子棒48,48には該螺子棒48に螺合するナット46が設けられ、このナット46が螺子棒48の回転で螺進退(図8左右方向に移動)するようになしてある。そして、吊り紐42の基端をこのナット46に連結・固定するか、該吊り紐42の基端を適宜固定場所に固定して、該ナット46に取り付けた滑車に掛けて折り返すかして、該ナット46の螺進退(図8左右方向の移動)で吊り紐42の先端が引き出されたり、引き戻される(昇降する)ようになしてある。
【0035】上記吊り紐式リフト40は一対取り付けられ、各吊り紐式リフト40には一対の吊り紐42,42が設けられるので、該吊り紐42は計4本使用され、後記する人体支承ネット50を4点支承で安定的に支承するようになしてある。なお、この吊り紐42の先端は、図10に最も明らかに示すように、前記リフト柱体41の先端下面より一対ずつが垂れ下がるようになしてある。
【0036】また、上記リフト柱体41は、略逆L字状で、常時は該浴槽30の上に倒しておいて、浴槽30と共にマット載置枠11の下に収納(図1参照)しておき、使用時に浴槽30と共にベッドの横方向に引き出して、起立できるようになしてあり、前記したカバー体49等の固定部位に、その基部を図9に示す水平枢止軸47で仰伏動可能に(図9矢印AR4方向に回動可能に)枢着してある。
【0037】そして、上記リフト柱体41の水平枢止軸47の近傍には、リフト柱体41が略直立状態を保つ係止爪45を取り付けてある。この係止爪45は中間部位を軸45bで固定部位に枢着し、常時はスプリング45aでその先端をリフト柱体41の底部曲面部41aに圧接し、リフト柱体41を起立すると該係止爪45の先端をスプリング45aの付勢力に抗して押し下げ、該リフト柱体41を直立して係止爪45の先端上方を該リフト柱体41の底部が通過すると、該係止爪45の先端はリフト柱体41の側壁横に位置して該側壁を係止して仰動方向に戻らなくなるようになしてある。なお、この係止爪45の他端は手動レバー部45cとなしてあり、この手動レバー部45cを指先で持ち上げる(図9矢印AR5方向に回動する)と係止爪45の係止を脱着できるようになしてある。
【0038】また、上記リフト柱体41は、略逆L字状をして、該リフト柱体41を起立させると、その上部先端を浴槽30の左右(横方向)略中央の上方に位置するようになし、この上部先端より前記した吊り紐42,42の先端を垂れさげるようになしてある。なお、該リフト柱体41は筒状に構成されその筒内には吊り紐42を案内するローラ等が設けられ、一対の吊り紐42,42は適所の案内ローラ等で案内されるようになしてあるのは無論であるが、特に、リフト柱体41の上部先端より垂れ下がる開口部41dには図10に示すように、縦方向に一対の回転自在な平行ローラ41b,41b(一方は、図10奥にある。)を、横方向にも一対の回転自在な平行ローラ41c,41cを設け、両吊り紐42,42は各平行ローラ41b,41b、41c,41cの間を通過させて、各吊り紐42,42がどちらの方向に傾斜されても、これら平行ローラ41b,41b、41c,41cに接して、摩擦抵抗を大きくしないように案内している。
【0039】そして、各吊り紐42の先端にはフック体43をそれぞれ取付けてある。このフック体43は、後記する人体支承ネット50を吊り下げた状態に保持するためのもので、一般に茄子環と称されている引っ掛けたものが抜け落ちないようになす、抜け止め爪43a(図8R>8参照)を有したものを使用することが安全対策上望ましいものである。
【0040】そして、本発明は、浴槽30内に略水平状態で入れることのできる大きさの枠体51にネット52を張り該枠体51の四隅に前記フック体43,43,43,43を掛ける連結環部53を設けた人体支承ネット50を設けてなる。この枠体51は耐食性の軽量金属パイプ等で構成され、ネット52は合成樹脂繊維の布地テープを荒く織ったもの等、通水性を有するが吸水性は少ないものが入浴後水を拭き取ったり乾燥するのに適している。
【0041】そして、上記枠体51とネット52とはその上に人を乗せて吊り下げるのに充分な強度が要求されるのは無論であるが、ネット52には多少の伸縮性をもたせ、要介護者が乗ると該ネット52体重で多少窪んで、要介護者の体が枠体51の平面より多少下方に沈んだ状態で支承されるようになすと安定性が生ずるものである。また、上記連結環部53は、図では必ずしも明示していないが、一例として、略逆U字状の金属辺の下部両端を枠体51の上面に溶接等で固着して構成すればよい。
【0042】したがって、上記人体支承ネット50は、吊り紐式リフト40,40によって昇降でき、要介護者を介護人が抱えて体重を支えることなく、浴槽30に入れたり該浴槽30より出す入浴介護ができるのは無論であるが、この人体支承ネット50は移動台車21の駆動源22によって、ベッドの横方向にも往復移動することが可能となる。すなわち、要介護者をベッドから人体支承ネット50へ、または人体支承ネット50よりベッド上に移動させる際、両者の位置を適宜に設定することで、小さな力で容易に要介護者の移動が可能となるものである。
【0043】なお、前記浴槽30は常にお湯を張った状態として使用するため、保温と蒸気の放出を防ぐために密閉蓋31を用意している。そして、入浴をしない場合は、浴槽にこの密閉蓋31を装着(図11参照)しておくようになしてある。なお、前記した人体支承ネット50はこの密閉蓋31の上に載せ、前記リフト柱体41,41は密閉蓋31の上に載せた人体支承ネット50の上に折り重ねるようになしている。
【0044】次に、請求項2の発明は、上記請求項1の構成に加えて、前記吊り紐式リフト40,40は、人体支承ネット50を浴槽30内に沈める際に、乗せた人の足側が先に下がるよう該人体支承ネット50を傾斜させて下降する制御盤Pに連結してなるものである。この人体支承ネット50の足側を先に下降するには、吊り紐式リフト40,40の各駆動源44,44,44,44への通電を制御(頭側の吊り紐式リフト40の駆動源40,40への通電を足側に比べて多少遅くする。)することで行えることができるのは無論で、制御盤Pに予めそのためのプログラムを設定しておけばよいものである。
【0045】通常、体の自由が利かない人等が入浴する際は、体のほとんど全ての部分が湯に浸るまでは、大きな不安が伴うもので、この不安を多少でも低減させなければならない。そこで、心臓より遠い足から徐々に湯に入るのが最も安心感が得られるもので、本発明では、人体支承ネット50を足側が先に下降して、足側に向かって下がるように傾斜した状態を保ったまま下降するようになし、要介護者に不安感を与えないようになしたものである。
【0046】次に、請求項3の発明は、前記請求項1の構成に加えて、浴槽30の上面部位には、基端部を浴槽30の縁部上面上に枢止され、常時は全体を浴槽30の縁部上面上に位置し、必要時は先端を浴槽30の内側に向けて突出して前記人体支承ネット50を浴槽30の上に支持する回動支持アーム60,60,60,60を設けてなる。この、回動支持アーム60,60,60,60は、図示例では、浴槽30の長手方向両端に縁上に設けられ、常時は浴槽の左右方向に向けてあるが、使用時ベッドの長手方向に向けることで、その先端を浴槽30の内側(正確には、内側上方)に突出できるよう(図14R>4参照)になしてある。
【0047】そして、該回動支持アーム60,60,60,60は、基端を縦軸61で浴槽30の縁部上面に枢止して、先端には人体支承ネット50の枠体51を係入する凹部62を設けてなり、さらに、図示はしていないが、上記縦軸61を中心軸として回動した際に、図14に破線で示す回動位置と実線で示す回動位置とに係止されるようになしておくとよいものである。
【0048】上記回動支持アーム60,60,60,60を設けた理由は、要看護者を人体支承ネット50に移す際に、この人体支承ネット50が揺れると不安感が生ずるためで、これから移る人体支承ネット50は固定されていて、動かないようにしておくことで要介護者に安心感を与えることができるものである。
【0049】次に、請求項4の発明は、上記請求項3の構成に加え、上記移動台車21の駆動源22と、吊り紐式リフト40,40とは、入浴開始の入力信号で、該駆動源22で浴槽30の全体を完全にベッドの横まで移動させ、吊り紐式リフト40,40のリフト柱体41を起立させ、回動支持アーム60,60,60,60の先端を浴槽30の内側に回動させて、人体支承ネット50を該回動支持アーム60,60,60,60上に載せて確認信号を入力すると、移動台車21の駆動源22が移動台車21を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、この状態でマット10上の人を人体支承ネット50上に移動させ、次に確認信号を入力すると浴槽30の全体を再び完全にベッドの横まで移動させた後、該人体支承ネット50を一定距離吊り上げ、回動支持アーム60,60,60,60を戻して確認信号を入力すると、吊り紐式リフト40,40は乗せた人の足側が先に下降するように人体支承ネット50を傾斜させて浴槽30内に沈めるようになし、さらに、入浴終了信号を入力させると、吊り紐式リフト40,40が人体支承ネット50をマット10より上方に吊り上げ、この状態を保って移動台車21の駆動源22が移動台車21を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、次いで、吊り紐式リフト40,40が人体支承ネット50をマット10上に下ろす制御盤Pに連結してなる。
【0050】すなわち、本発明では、入浴をしていない常時は、図11に示すように、移動台車21はベッドの下、すなわち、マット支承枠11の下に収納されている。そして、入浴をしようとする場合は、手元スイッチS(図1参照)で入浴開始信号を制御盤Pに送信する。すると、移動台車21の駆動源22は、入浴開始の入力信号で、浴槽30の全体を完全にベッドの横まで移動(図11に示す矢印AR6方向に移動)させて停止(図1212の位置で停止)する。
【0051】そこで、吊り紐式リフト40,40のリフト柱体41を起立(図13の状態)させ、回動支持アーム60,60,60,60の先端を図14に実線で示すように、浴槽30の内側に回動させ、その上に人体支承ネット50を載せる。なお、この吊り紐式リフト40の起立と、回動支持アーム60,60,60,60の回動と、人体支承ネット50のセットとは介護者が手動で行う。なお、この際に、密閉蓋31を使用している場合はこれを外すのは無論であり、また、人体支承ネット50は吊り紐式リフト40,40に連結(吊り紐42,42,42,42に吊り下げる。)しておいても、該吊り紐式リフト40,40は使用しなくてもよいが、安全のためには該人体支承ネット50を吊り紐式リフト40,40で吊り下げておく(図15図示状態となし、この状態で吊り紐42を弛ませ連結しておいてもよい。)ことが望ましい。
【0052】そして、人体支承ネット50を回動支持アーム60,60,60,60上に載せて(紐式リフト40,40で吊り下げてある場合は、人体支承ネット50を回動支持アーム60,60,60,60上にまで下降させる。)、確認信号を入力すると、移動台車21の駆動源22が移動台車21を所定距離ベッドの下方に戻して停止(図15の矢印AR7方向に移動し、図16の位置で停止する。なお、ここではマット10は実線で示すように水平のままとする。)する。
【0053】なお、図16で明らかなように、移動台車21の図15矢印AR7方向への移動に際して、吊り紐42,42がベッド1のマット10部位に引っ掛かって、該移動台車21の移動の支障となってしまう。そこで、該吊り紐42,42を予め人体支承ネット50に連結しておいた場合は、移動台車21の移動に先立って該吊り紐42,42を弛ませておくものとする。なお、吊り紐42,42が弛んでいても、人体支承ネット50は回動支持アーム60,60,60,60で支持されているし、万が一の場合は、吊り紐42,42,42,42が機能し、それなりの安全性は確保できるものである。
【0054】そこで、図16の状態で、マット10上の人を人体支承ネット50上に移動させる。この要介護者の移動は、無論、介護者が行うものであるが、要介護者を横に移動させればよいもので、さらには、人体支承ネット50が水平なマット10の上面より段違い状に低くなっているので、横斜め下方向に要介護者を移動させればよいもので、下半身を移した後、上半身を移す等して、小さな力で、容易に人体支承ネット50への移動が行えるものである。なお、移動台車21を所定距離戻した理由は、要介護者をベッドの上から直接人体支承ネット50の左右中央に移し替えられるようになしたもので、要介護者が人体支承ネット50の左右いずれかに偏った位置に乗せられると、違和感を感じるばかりか、吊り紐式リフト40,40の荷重バランスを失うことで危険性をも伴うためである。
【0055】そして、次に確認信号を入力すると浴槽30の全体を再び完全にベッドの横まで移動(図16の矢印AR8方向に移動)させた後、該人体支承ネット50を一定距離吊り上げる(該人体支承ネット50は、図17R>7に矢印AR9で示すように移動し、破線で示す位置まで上昇させる。)。そこで、介護者は、回動支持アーム60,60,60,60を戻して、再度、確認信号を入力すると、吊り紐式リフト40,40は乗せた人の足側が先に下降するように人体支承ネット50を傾斜させて浴槽30内に沈める(該人体支承ネット50を、図17の矢印AR10方向に下降させ、図18状態とする。)ようになして要介護者の入浴を行う。
【0056】そして、実際の入浴介護は、無論介護人が行うが、入浴が終了したら、入浴終了信号を入力させると、吊り紐式リフト40,40が人体支承ネット50をマット10より上方に吊り上げ、この状態(図19の図示状態)を保って、移動台車21の駆動源22が移動台車21を所定距離ベッドの下方に戻し(図19の矢印AR11方向に移動し)て停止(図20図示位置で停止)し、次いで、吊り紐式リフト40,40が人体支承ネット50をマット10上に下ろす。なお、この際、各吊り紐42を弛むまで下ろす(図20状態)と各吊り紐42,42を人に触れないよう避けることができるものである。なお、該人体支承ネット50より要介護者をマット10上に移動させる際に、介護者が手で要介護者を横に引きずるようになして移してもよいが、図20例では人体支承ネット50の横方向一方側に連結した鶴紐42,42を吊り紐式リフト40、40で、同図矢印AR12方向に引き上げて、該人体支承ネット50を破線で示すように傾斜すると移動しやすくなる。なお該人体支承ネット50の左右一方を手で持ち上げるようになしても無論よい。また、ここで移動台車21を所定距離ベッドの下方に戻したのは、要介護者を直接ベッドの左右中央におろせるようになすためのものである。
【0057】なお、図19に示される、100は乾燥装置で、この乾燥装置100は、浴槽30に設けたレール32(図1参照)に案内されて移動しながら、温風を要介護者の上下両側より吹きかけて、体に付着した水分を乾燥させるようになしている。
【0058】なお、本発明の制御盤Pは、各機器を制御する際、その都度確認信号を入力するようになしてあるが、タイマー設定時間が経過すると自動的に確認信号が入力されたとみなして次の作動が行われるようになしてもよい。しかし、安全対策上は介護者が状況を目視で確認して、要介護者に次の動きを説明しながら操作するのが、親切で安全性がより確保できて望ましいものである。また、この確認信号はスイッチを押している間入力され、スイッチを離すと確認信号の入力は遮断されて、その際の操作は中断(各機器の動作は停止)されるようになしておくと、より安全性信頼性が保たれるものである。
【0059】なお、図中、90,90はサイドガード体で、このサイドガード体90,90はベッド本体1に着脱可能に取り付けられており、入浴介護に際して邪魔になるので外すようになしてある。
【0060】次に、請求項5の発明は、ベッド本体1の左右一端の長手方向桟にマット載置枠11の長手方向辺部を枢着軸2,2で枢着し、このマット載置枠11の下方に該マット載置枠11を枢止軸2,2を中心に回動傾斜させる駆動源3,3を設けてなる。すなわち、本発明のマット載置枠11乃至その上に載置されたマット10は、駆動源3,3で左右一端側が持ち上げられるように傾斜するようになしてある。
【0061】図示例の上記マット載置枠11は、図4及び図5に示すように、全体枠12と、この全体枠12の上に取り付けられる、背板枠13と、臀部枠14と、足部枠15とで構成されている。該背板枠13は、要介護者がベッドで上半身を起こす際に、その助けとするもので、該背板枠13は全体枠12に軸17,17でその足側端部を枢着し、この軸17,17を中心軸に該背板枠13を仰伏動(図7の矢印AR3方向に回動)する駆動装置16を全体枠12との間に取り付けてある。すなわち、駆動装置16の基端は全体枠12に枢着され、該駆動装置16の駆動軸先端は背板枠13に枢着され、図示例では,該駆動装置16の駆動軸を退行させると該背板枠13の頭側が仰動する(図7に破線で示す状態となる。)ようになしてある。
【0062】また、臀部枠14は、ベッドに便器を取り付けた際の、便器貫出口を設けるためのもので、観音開きの扉部14a,14aが設けられて、この扉部14a,14aは便器70の上昇で、軸14b,14bを中心軸としてその内側を持ち上げるようになしてある。なお、足部枠15は単にマット10を支承するためのものである。そして、図示はしていないが、本発明ではマット載置枠11と背板枠13とがそれぞれ傾斜するので、この傾斜時に該マット10がずれないよう、該マット10は裏面の適宜な場所が、マット載置枠11の適所に締着リボン等で締着固定してある。
【0063】なお、上記便器70は通常の洗浄機能付き水洗便器が利用でき、移動台車21の浴槽30の横に駆動源で昇降する昇降台71上に搭載されている。そして、この便器を使用する場合は、制御盤Pに便器使用開始信号を入力する。すると、移動台21の駆動源22が作動して移動台21を移動(図11の矢印AR6方向に移動)し、この移動台21はその上の便器70が上記扉部14a,14aの下方に位置した状態で停止(図21図示状態で停止)する。
【0064】ついで、該便器70は図示しない駆動源で図22に示すように上昇し、扉部14a,14aを押し開く。なお、マット10には切込部10a,10a(図1参照)が設けられ、扉部14a,14aが開くと該切込部10a,10aも追従した、図22に破線で示すように開かれ、該便器70の使用が可能となるものである。なお、便器70を使用する際は座った姿勢でないと都合が悪いので、便器70の上昇と共に、背板枠13を仰動して、図1の状態となるようになしている。
【0065】また、本実施例では、この便器70にはタンク72が設けられ、排泄物は一定時間このタンク72内に滞留するようになし、滞留中に殺菌されるようになしてある。この殺菌は排泄物を直接前記した電解式オゾナイザと同じ原理の装置で電気分解したところ、3リッターの排泄物を約30分で完全滅菌でき、排水は透明化できたものであった。
【0066】そして、本発明は上記マット載置枠11乃至その上に載置されたマット10を、ベッドの長手方向軸で傾斜させる(図6矢印AR2方向に回動して、破線状態とする)と、ベッド上の人は傾斜角度によってはベッド上より転げ落ちる(図6右側に向かって転げ落ちたり、ずれ落ちる)心配がある。しかし、傾斜角度が緩やかであると、転げ落ちる心配はなく、この転げ落ちようとする力が、要介護者を人体支承ネット50に移動する力の助けとなるものである。
【0067】そして、本発明は、さらに、該マット載置枠11の下方には移動台車21と、この移動台車21をベッドの横部位まで往復移動する駆動源22とを設け、上記移動台車21に浴槽30を取り付けると共に、この浴槽30の長手方向両端部位に吊り紐式リフト40,40と、常時は該浴槽30の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体41,41とを取り付け、上記吊り紐式リフト40,40は、それぞれ一対の吊り紐42,42と、浴槽30をベッドの横に移動させて前記リフト柱体41,41をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体41,41の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐42の先端に取り付けられたフック体43と、この各フック体43を各吊り紐42によって昇降するそれぞれの駆動源44とで構成し、さらに、浴槽30内に入れることのできる大きさの枠体51にネット52を張り該枠体51の四隅に前記フック体43,43,43,43を掛ける連結環部53を設けた人体支承ネット50を設け、上記浴槽30の上面部位には、基端部を浴槽30の縁部上面上に枢止され、常時は全体を浴槽30の縁部上面上に位置し、必要時は先端を浴槽30の内側に向けて突出して前記人体支承ネット50を浴槽30の上に支持する回動支持アーム60,60,60,60を設けてなるのは請求項3と同じである。
【0068】次に、請求項6の発明は、上記請求項5の発明の構成に加えて、上記マット載置枠11に連結した駆動源3,3と、移動台車21の駆動源22と、吊り紐式リフト40,40とを、入浴開始の入力信号で、該駆動源22で浴槽30の全体を完全にベッドの横まで移動させ、吊り紐式リフト40,40のリフト柱体41を起立させ、回動支持アーム60,60,60,60の先端を浴槽30の内側に回動させて、人体支承ネット50を該回動支持アーム60,60,60,60上に載せて確認信号を入力すると、移動台車21の駆動源22が移動台車21を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、さらに、駆動源3,3でマット載置枠11を傾け、この状態でマット10上の人を人体支承ネット50上に移動させ、次に確認信号を入力すると浴槽30の全体を再び完全にベッドの横まで移動させた後、該人体支承ネット50を一定距離吊り上げ、回動支持アーム60,60,60,60を戻して確認信号を入力すると、吊り紐式リフト40,40は乗せた人の足側が先に下降するように人体支承ネット50を傾斜させて浴槽30内に沈めるようになし、入浴終了信号を入力させると、吊り紐式リフト40,40が人体支承ネット50をマット10より上方に吊り上げ、この状態を保って動台車21の駆動源22が移動台車21を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、次いで、吊り紐式リフト40,40が人体支承ネット50をマット10上に下ろすようになした制御盤Pに連結してなるものである。
【0069】したがって、本発明において入浴介護を行うには、前記した請求項4と略同じ手順で行えばよいが、マット載置枠11乃至その上に載置されたマット10を、ベッドの長手方向軸で傾斜できるようになしてあるので、ベッド上から人体支承ネット50に要介護者を移す図16の状態では、破線で示すように該マット載置枠11を傾斜させて行うものとし、より小さい力で入浴介護ができるようになしてある。
【0070】なお、マット10の上面と回動支持アーム60,60,60,60の上に載置した人体支承ネット50とは段違いになっているので、該マット10を上記のように傾斜させても、この段部は無くならない。そして、人体支承ネット50に移るにはこの段差を越えなくてはならず、要介護者にその分の負担が加わるので、図6R>6に示す、クッション材80をこの段差部にあてがうとよい。このクッション材80はマット10と略同様な構成で構成し、クッション性を有した幅の狭い立方体で構成されている。なお、マット10の側面にはフラップ体10bがその上辺で縫合され、このフラップ体10bの内面には面ファスナー(図示せず)が取り付けられ、常時はこの面ファスナーでマット10の側面に設けた他方側面ファスナーに係合しており、上記クッション材80を使用する場合は、マット10の側面より該フラップ体10bの下部を剥がして、該クッション材80に設けた他方側面ファスナーに係合させなおして、図6に示す状態となして、段差部にスロープを渡すようになして、要介護者の移動が円滑に行えるようになすとよい。
【0071】
【発明の効果】本発明は上記のごときで、ベッドの横方向に出入する浴槽30と、要介護者を乗せて昇降する吊り紐式リフト40,40とを設けてなるので、介護者は要介護者を抱えて入浴介護することなく、大きな力を必要とせずに、入浴介護の経験のない身内の者でも、数回の練習で容易に入浴介護のできる浴槽付きベッドを提供できるものである。
【0072】また、人体支承ネット50は移動台車21の駆動源22によって、ベッドの横方向にも往復移動することが可能となる。すなわち、要介護者をベッドから人体支承ネット50へ、または人体支承ネット50よりベッド上に移動させる際、両者の位置を適宜に設定することで、小さな力で容易に要介護者の移動が可能な浴槽付きベッドを提供できるものである。
【0073】また、請求項2の発明は、上記効果に加えて、要介護者を足側より先に入浴させることができ、要介護者に不安感を与えない浴槽付きベッドを提供できるものである。
【0074】また、請求項3の発明は、請求項1の効果に加えて、人体支承ネット50を固定した状態に保持したので、要看護者を該人体支承ネット50に移す際に、この人体支承ネット50が揺れず、要介護者に安心感を与えることのできる浴槽付きベッドを提供できるものである。
【0075】さらに、請求項4の発明は、請求項3の効果に加え、入浴介護法が制御盤Pにプログラミングされてなるので、スイッチ操作で順次適切な入浴介護が行える浴槽付きベッドを提供できるものである。
【0076】また、請求項5の発明は、マット載置枠11乃至その上に載置されたマット10を、ベッドの長手方向軸で傾斜させるようになしたので、要介護者の体重を逆に移動の力に利用して、さらに容易に、入浴介護が行える浴槽付きベッドを提供できるものである。
【0077】そして、請求項6の発明は、上記請求項5の構成に、予めプログラミングした制御盤Pを連結したので、この制御盤Pのプログラムで、入浴介護が、容易、適切になし得る浴槽付きベッドを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明浴槽付きベッドの一実施例を示す使用状態斜視図である。
【図2】正面図である
【図3】本発明に使用される移動台車部の平面図である。
【図4】本発明に使用されるマット支承枠の平面図である。
【図5】図4のマット支承枠の部品分解平面図である。
【図6】マット支承枠の長手方向軸による回動機構部の側面説明図である。
【図7】背板枠の仰伏動機構部の正面図である。
【図8】本発明に使用される吊り紐式リフトの蓋を開いた側面図である。
【図9】図8の吊り紐式リフトのリフト柱体の基端部正面図である。
【図10】図8の吊り紐式リフトのリフト柱体の上部先端部の縦断面図である。
【図11】本発明浴槽付きベッドの使用状態側面図である。
【図12】本発明浴槽付きベッドの別の使用状態側面図である。
【図13】本発明浴槽付きベッドのさらに別の使用状態側面図である。
【図14】本発明浴槽付きベッドのさらに別の使用状態で浴槽部の要部平面図である。
【図15】本発明浴槽付きベッドのさらに別の使用状態側面図である。
【図16】本発明浴槽付きベッドのさらに別の使用状態側面図である。
【図17】本発明浴槽付きベッドのさらに別の使用状態側面図である。
【図18】本発明浴槽付きベッドのさらに別の使用状態側面図である。
【図19】本発明浴槽付きベッドのさらに別の使用状態側面図である。
【図20】本発明浴槽付きベッドのさらに別の使用状態側面図である。
【図21】本発明浴槽付きベッドのさらに別の使用状態側面図である。
【図22】本発明浴槽付きベッドのさらに別の使用状態側面図である。
【符号の説明】
1 ベッド本体
2 枢着軸
3 駆動源
11 マット載置枠
21 移動台車
22 駆動源
30 浴槽
40 吊り紐式リフト
41 リフト柱体
42 吊り紐
43 フック体
44 駆動源
50 人体支承ネット
51 枠体
52 ネット
53 連結環部
60 回動支持アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】 マット載置枠(11)の下方に移動台車(21)と、この移動台車(21)をベッドの横部位まで往復移動する駆動源(22)とを設け、上記移動台車(21)に浴槽(30)を取り付けると共に、この浴槽(30)の長手方向両端部位に吊り紐式リフト(40,40)と、常時は該浴槽(30)の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体(41,41)とを取り付け、上記吊り紐式リフト(40,40)は、それぞれ一対の吊り紐(42,42)と、浴槽(30)をベッドの横に移動させて前記リフト柱体(41,41)をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体(41,41)の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐(42)の先端に取り付けられたフック体(43)と、この各フック体(43)を各吊り紐(42)によって昇降するそれぞれの駆動源(44)とで構成し、さらに、浴槽(30)内に略水平状態で入れることのできる大きさの枠体(51)にネット(52)を張り該枠体(51)の四隅に前記フック体(43,43,43,43)を掛ける連結環部(53)を設けた人体支承ネット(50)を設けてなる浴槽付きベッド。
【請求項2】 マット載置枠(11)の下方に移動台車(21)と、この移動台車(21)をベッドの横部位まで往復移動する駆動源(22)とを設け、上記移動台車(21)に浴槽(30)を取り付けると共に、この浴槽(30)の長手方向両端部位に吊り紐式リフト(40,40)と、常時は該浴槽(30)の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体(41,41)とを取り付け、上記吊り紐式リフト(40,40)は、それぞれ一対の吊り紐(42,42)と、浴槽(30)をベッドの横に移動させて前記リフト柱体(41,41)をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体(41,41)の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐(42)の先端に取り付けられたフック体(43)と、この各フック体(43)を各吊り紐(42)によって昇降するそれぞれの駆動源(44)とで構成し、さらに、浴槽(30)内に略水平状態で入れることのできる大きさの枠体(51)にネット(52)を張り、該枠体(51)の四隅に前記フック体(43,43,43,43)を掛ける連結環部(53)を設けた人体支承ネット(50)を設け、上記吊り紐式リフト(40,40)は、人体支承ネット(50)を浴槽(30)内に沈める際に、乗せた人の足側が先に下がるよう該人体支承ネット(50)を傾斜させて下降する制御盤(P)に連結してなる浴槽付きベッド。
【請求項3】 マット載置枠(11)の下方に移動台車(21)と、この移動台車(21)をベッドの横部位まで往復移動する駆動源(22)とを設け、上記移動台車(21)に浴槽(30)を取り付けると共に、この浴槽(30)の長手方向両端部位に吊り紐式リフト(40,40)と、常時は該浴槽(30)の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体(41,41)とを取り付け、上記吊り紐式リフト(40,40)は、それぞれ一対の吊り紐(42,42)と、浴槽(30)をベッドの横に移動させて前記リフト柱体(41,41)をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体(41,41)の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐(42)の先端に取り付けられたフック体(43)と、この各フック体(43)を各吊り紐(42)によって昇降するそれぞれの駆動源(44)とで構成し、さらに、浴槽(30)内に入れることのできる大きさの枠体(51)にネット(52)を張り該枠体(51)の四隅に前記フック体(43,43,43,43)を掛ける連結環部(53)を設けた人体支承ネット(50)を設け、上記浴槽(30)の上面部位には、基端部を浴槽(30)の縁部上面上に枢止され、常時は全体を浴槽(30)の縁部上面上に位置し、必要時は先端を浴槽(30)の内側に向けて突出して前記人体支承ネット(50)を浴槽(30)の上に支持する回動支持アーム(60,60,60,60)を設けた浴槽付きベッド。
【請求項4】 マット載置枠(11)の下方に移動台車(21)と、この移動台車(21)をベッドの横部位まで往復移動する駆動源(22)とを設け、上記移動台車(21)に浴槽(30)を取り付けると共に、この浴槽(30)の長手方向両端部位に吊り紐式リフト(40,40)と、常時は該浴槽(30)の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体(41,41)とを取り付け、上記吊り紐式リフト(40,40)は、それぞれ一対の吊り紐(42,42)と、浴槽(30)をベッドの横に移動させて前記リフト柱体(41,41)をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体(41,41)の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐(42)の先端に取り付けられたフック体(43)と、この各フック体(43)を各吊り紐(42)によって昇降するそれぞれの駆動源(44)とで構成し、さらに、浴槽(30)内に入れることのできる大きさの枠体(51)にネット(52)を張り該枠体(51)の四隅に前記フック体(43,43,43,43)を掛ける連結環部(53)を設けた人体支承ネット(50)を設け、上記浴槽(30)の上面部位には、基端部を浴槽(30)の縁部上面上に枢止され、常時は全体を浴槽(30)の縁部上面上に位置し、必要時は先端を浴槽(30)の内側に向けて突出して前記人体支承ネット(50)を浴槽(30)の上に支持する回動支持アーム(60,60,60,60)を設け、上記移動台車(21)の駆動源(22)と、吊り紐式リフト(40,40)とは、入浴開始の入力信号で、該駆動源(22)で浴槽(30)の全体を完全にベッドの横まで移動させ、吊り紐式リフト(40,40)のリフト柱体(41)を起立させ、回動支持アーム(60,60,60,60)の先端を浴槽(30)の内側に回動させて、人体支承ネット(50)を該回動支持アーム(60,60,60,60)上に載せて確認信号を入力すると、移動台車(21)の駆動源(22)が移動台車(21)を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、この状態でマット(10)上の人を人体支承ネット(50)上に移動させ、次に確認信号を入力すると浴槽(30)の全体を再び完全にベッドの横まで移動させた後、該人体支承ネット(50)を一定距離吊り上げ、回動支持アーム(60,60,60,60)を戻して確認信号を入力すると、吊り紐式リフト(40,40)は乗せた人の足側が先に下降するように人体支承ネット(50)を傾斜させて浴槽(30)内に沈めるようになし、さらに、入浴終了信号を入力させると、吊り紐式リフト(40,40)が人体支承ネット(50)をマット(10)より上方に吊り上げ、この状態を保って移動台車(21)の駆動源(22)が移動台車(21)を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、次いで、吊り紐式リフト(40,40)が人体支承ネット(50)をマット(10)上に下ろす制御盤(P)に連結してなる浴槽付きベッド。
【請求項5】 ベッド本体(1)の左右一端の長手方向桟にマット載置枠(11)の長手方向辺部を枢着軸(2,2)で枢着し、このマット載置枠(11)の下方に該マット載置枠(11)を枢止軸(2,2)を中心に回動傾斜させる駆動源(3,3)を設け、さらに、該マット載置枠(11)の下方には移動台車(21)と、この移動台車(21)をベッドの横部位まで往復移動する駆動源(22)とを設け、上記移動台車(21)に浴槽(30)を取り付けると共に、この浴槽(30)の長手方向両端部位に吊り紐式リフト(40,40)と、常時は該浴槽(30)の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体(41,41)とを取り付け、上記吊り紐式リフト(40,40)は、それぞれ一対の吊り紐(42,42)と、浴槽(30)をベッドの横に移動させて前記リフト柱体(41,41)をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体(41,41)の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐(42)の先端に取り付けられたフック体(43)と、この各フック体(43)を各吊り紐(42)によって昇降するそれぞれの駆動源(44)とで構成し、さらに、浴槽(30)内に入れることのできる大きさの枠体(51)にネット(52)を張り該枠体(51)の四隅に前記フック体(43,43,43,43)を掛ける連結環部(53)を設けた人体支承ネット(50)を設け、上記浴槽(30)の上面部位には、基端部を浴槽(30)の縁部上面上に枢止され、常時は全体を浴槽(30)の縁部上面上に位置し、必要時は先端を浴槽(30)の内側に向けて突出して前記人体支承ネット(50)を浴槽(30)の上に支持する回動支持アーム(60,60,60,60)を設けた浴槽付きベッド。
【請求項6】 ベッド本体(1)の左右一端の長手方向桟にマット載置枠(11)の長手方向辺部を枢着軸(2,2)で枢着し、このマット載置枠(11)の下方に該マット載置枠(11)を枢止軸(2,2)を中心に回動傾斜させる駆動源(3,3)を設け、さらに、該マット載置枠(11)の下方には移動台車(21)と、この移動台車(21)をベッドの横部位まで往復移動する駆動源(22)とを設け、上記移動台車(21)に浴槽(30)を取り付けると共に、この浴槽(30)の長手方向両端部位に吊り紐式リフト(40,40)と、常時は該浴槽(30)の上に倒しておいて使用時に起立できるようになした略逆L字状のリフト柱体(41,41)とを取り付け、上記吊り紐式リフト(40,40)は、それぞれ一対の吊り紐(42,42)と、浴槽(30)をベッドの横に移動させて前記リフト柱体(41,41)をその上部先端部がベッド方向に向かうようにして起立させた状態で、該リフト柱体(41,41)の上部先端部より垂れ下がる各吊り紐(42)の先端に取り付けられたフック体(43)と、この各フック体(43)を各吊り紐(42)によって昇降するそれぞれの駆動源(44)とで構成し、さらに、浴槽(30)内に入れることのできる大きさの枠体(51)にネット(52)を張り該枠体(51)の四隅に前記フック体(43,43,43,43)を掛ける連結環部(53)を設けた人体支承ネット(50)を設け、上記浴槽(30)の上面部位には、基端部を浴槽(30)の縁部上面上に枢止され、常時は全体を浴槽(30)の縁部上面上に位置し、必要時は先端を浴槽(30)の内側に向けて突出して前記人体支承ネット(50)を浴槽(30)の上に支持する回動支持アーム(60,60,60,60)を設け、上記マット載置枠(11)に連結した駆動源(3,3)と、移動台車(21)の駆動源(22)と、吊り紐式リフト(40,40)とは、入浴開始の入力信号で、該駆動源(22)で浴槽(30)の全体を完全にベッドの横まで移動させ、吊り紐式リフト(40,40)のリフト柱体(41)を起立させ、回動支持アーム(60,60,60,60)の先端を浴槽(30)の内側に回動させて、人体支承ネット(50)を該回動支持アーム(60,60,60,60)上に載せて確認信号を入力すると、移動台車(21)の駆動源(22)が移動台車(21)を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、さらに、駆動源(3,3)でマット載置枠(11)を傾け、この状態でマット(10)上の人を人体支承ネット(50)上に移動させ、次に確認信号を入力すると、浴槽(30)の全体を再び完全にベッドの横まで移動させた後、該人体支承ネット(50)を一定距離吊り上げ、回動支持アーム(60,60,60,60)を戻して確認信号を入力すると、吊り紐式リフト(40,40)は乗せた人の足側が先に下降するように人体支承ネット(50)を傾斜させて浴槽(30)内に沈めるようになし、入浴終了信号を入力させると、吊り紐式リフト(40,40)が人体支承ネット(50)をマット(10)より上方に吊り上げ、この状態を保って移動台車(21)の駆動源(22)が移動台車(21)を所定距離ベッドの下方に戻して停止し、次いで、吊り紐式リフト(40,40)が人体支承ネット(50)をマット(10)上に下ろすようになした制御盤(P)に連結してなる浴槽付きベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図20】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2001−314476(P2001−314476A)
【公開日】平成13年11月13日(2001.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−137966(P2000−137966)
【出願日】平成12年5月11日(2000.5.11)
【出願人】(000119597)
【出願人】(000002266)シルバー精工株式会社 (17)
【Fターム(参考)】