説明

浴水汚れ分解装置およびこれを備えた追焚き機能付き給湯機

【課題】浴水を清浄に保ち易い浴水汚れ分解装置を得ること。
【解決手段】浴槽150から浴水150aを取り出して加熱した後に浴槽に戻す追焚き機能付き給湯機130での追焚き用の配管(戻り管70b)内に配置されるプラス電極およびマイナス電極と、これらプラス電極とマイナス電極とに電圧を印加する電源部91とを用いて浴水汚れ分解装置100を構成し、電源部からプラス電極とマイナス電極とに所定の電圧を印加することで該プラス電極と該マイナス電極との間に生じる放電により、浴水中の汚れを分解する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴水に含まれる汚れや浴槽に接続された配管等に付着した汚れを分解することができる浴水汚れ分解装置、およびこれを備えた追焚き機能付き給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
貯湯タンクに貯留した湯を熱源として用いる熱交換器により浴槽の浴水を追焚き可能な追焚き機能付き給湯機では、人体から浴水に洗い落とされた皮脂、角質等の汚れ成分が浴槽から追焚き用の往き管、追焚き用の熱交換器、追焚き用の戻り管を経て再び浴槽へと循環する。このため、追焚き用の配管(往き管、戻り管)の内面や追焚き用の熱交換器の内面、浴槽の内面には、上記の汚れ成分が不可避的に付着し、堆積する。そして、配管の内面や熱交換器の内面での汚れ成分の付着量がある程度多くなると、追焚き時に当該汚れ成分が浴槽へと流れ出て浴槽内の浴水を汚したり、ロドトルーラ属の細菌等が繁殖してぬめり感のある表面堆積物を形成したりする。また、追焚き用の熱交換器の内面の汚れは、熱交換効率を低下させる。
【0003】
上記配管の内面や熱交換器の内面に付着し、堆積した汚れ成分や該汚れ成分中で繁殖した細菌は、市販の発泡性洗浄剤を用いて洗浄除去することができるが、環境への負荷を考慮すると洗浄剤をできるだけ用いずに汚れ成分や細菌を除去することが好ましく、工業分野では微小泡により汚れを除去する洗浄装置も開発されている。例えば特許文献1には、洗浄水を収容する洗浄槽と、洗浄槽中に被洗浄物を載置するハンガーと、洗浄水と気体とを混合して多数の微小気泡を含んだ流れを発生させ、該流れを被洗浄物に射出するインゼクターとを具備した洗浄装置が記載されている。この洗浄装置では、洗浄により被洗浄物から分離した汚れ(油脂)をオーバーフロー槽に溜め、汚れを分離した後のきれいな水を洗浄槽に再び戻すオーバーフロー系が必要に応じて設けられる。
【0004】
【特許文献1】特開2007−136275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
浴水中の汚れ成分や細菌(以下、「汚れ」と総称する)を除去するにあたって特許文献1に記載された方法を適用すると、汚れが浮遊した浴水をオーバーフローさせることになり、湯の節約という観点から望ましくなくなる。勿論、オーバーフローさせた浴水をオーバーフロー槽に溜め、汚れを分離した後のきれいな浴水を浴槽に再び戻すオーバーフロー系を設ければ湯の節約につながるが、このようなオーバーフロー系を浴槽に設けることは困難である。また、追焚き用の配管の内面や熱交換器の内面を清浄に保つにあたっては、これらの清浄化に伴って汚れが浴槽内に流入して入浴者の身体に再付着してしまうのを防止することが望まれる。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、浴水の清浄化を図り易い簡便な浴水汚れ分解装置およびこれを備えた貯湯式給湯機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の浴水汚れ分解装置は、浴槽から浴水を取り出して加熱した後に浴槽に戻す追焚き機能付き給湯機での追焚き用の配管に取り付けられる浴水汚れ分解装置であって、追焚き用の配管内に配置されるプラス電極およびマイナス電極と、プラス電極とマイナス電極とに電圧を印加して、プラス電極とマイナス電極との間に放電を生じさせる電源部とを備え、追焚き用の配管を流れる浴水中の汚れを放電により分解するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の浴水汚れ分解装置は、浴槽から追焚き用の往き管、追焚き用の熱交換器、追焚き用の戻り管を経て再び浴槽へと循環する浴水中の汚れ成分や細菌を放電により無害で極微小な有機物に分解するものであるので、装置構成およびその使用が簡便であり、浴水の清浄化を容易に図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の浴水汚れ分解装置および追焚き機能付き給湯機それぞれの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の追焚き機能付き給湯機の一例を示す概略図である。同図に示す追焚き機能付き給湯機130は、市水等の低温水を熱源機で湯に沸き上げて所望箇所に給湯する機能と、浴槽150内の浴水150aを追焚きする機能とを有するものであり、当該追焚き機能付き給湯機130は、ヒートポンプユニット10とタンクユニット110と制御装置120とを備えている。以下、追焚き機能付き給湯機130の各構成要素について説明する。
【0011】
上記のヒートポンプユニット10は、冷媒を圧縮する圧縮機1と、沸上げ用熱交換器3と、膨張弁5と、蒸発器7と、これらを環状に接続する循環配管9とによって構成された冷凍サイクルシステムを有し、熱源機として機能する。上記の冷凍サイクルシステムでは、二酸化炭素等の冷媒が圧縮機1で圧縮されて高温、高圧となった後に沸上げ用熱交換器3で放熱し、膨張弁5で減圧され、蒸発器7で吸熱してガス状態となって圧縮機1に吸入される。冷媒として二酸化炭素を用いる場合、高圧側では該二酸化炭素の臨界圧を超える条件下で運転することが好ましい。この冷凍サイクルシステムは、ユニットケースUC1に納められている。
【0012】
一方、タンクユニット110は、貯湯タンク20、給水管路30、貯湯用循環管路40、給湯管路50、一次側循環管路60、二次側循環管路70、追焚き用熱交換器80、および浴水汚れ分解装置100を有している。
【0013】
上記の貯湯タンク20は、給水管路30から供給される低温水を貯留すると共にヒートポンプユニット10で沸き上げられた湯を貯留する積層式の貯湯タンクである。この貯湯タンク20の下部には、給水管路30が接続される水導入口20aと、貯湯用循環管路40の往き管40aが接続される水導出口20bとが設けられており、当該貯湯タンク20の上部には、貯湯用循環管路40の戻り管40bが接続される温水導入口20cと、給湯管路50が接続される温水導出口20dとが設けられている。貯湯タンク20は、常に満水状態に保たれる。
【0014】
給水管路30は、市水等の低温水を貯湯タンク20、給湯管路50、および所定の給湯先に供給する管路であり、第1〜第3給水管部30a〜30cおよび減圧弁(図示せず)を有している。第1給水管部30aは水道等の水源(図示せず)と貯湯タンク20の水導入口20aとを繋ぎ、第2給水管部30bは第1給水管部30aから分岐して該第1給水管部30aと後述の混合弁45a,45bとを繋ぎ、第3給水管部30cは第1給水管部30aから分岐して該第1給水管部30aと所定の給湯先とを繋ぐ。図示の例では、給湯先の例として1つの給湯栓160が示されている。減圧弁は、第1給水管部30aでの第3給水管部30cの分岐箇所よりも上流側に設けられて、水源からの低温水の水圧を所定値に減じる。図1においては、第1給水管部30aでの低温水の流れ方向を実線の矢印で示している。
【0015】
貯湯用循環管路40は、貯湯タンク20の水導出口20bからヒートポンプユニット10中の沸上げ用熱交換器3を経由して貯湯タンク20の温水導入口20cに達する管路であり、三方弁33と貯湯用送水ポンプ35とが設けられた往き管40aと、戻り管40bと、バイパス管40cとを有している。往き管40aは水導出口20bと沸上げ用熱交換器3とを繋ぎ、戻り管40bは沸上げ用熱交換器3と温水導入口20cとを繋ぐ。バイパス管40cは、往き管40aでの沸上げ用熱交換器3の上流側に設けられた三方弁33により往き管40aから分岐して、往き管40aと戻り管40bとを接続する。凍結防止運転時には、貯湯タンク20から往き管40aに流入した水がバイパス管40cを通って戻り管40bに流れる。沸上げ用熱交換器3により湯を沸上げる沸上げ運転および上記凍結防止運転を可能にするために、往き管40aでの三方弁33の上流側に貯湯用送水ポンプ35が設けられている。
【0016】
給湯管路50は、貯湯タンク20に貯留された湯と給水管路30からの低温水とを第1混合弁45aまたは第2混合弁45bで混合して所定温度の温湯を調製し、該温湯を浴槽150や所定の給湯先、図示の例では給湯栓160に供給する管路であり、上記第1混合弁45aおよび第2混合弁45bの他に第1〜第3給湯管部50a〜50cを有している。第1給湯管部50aは貯湯タンク20の温水導出口20dと第1、第2混合弁45a,45bとを繋ぎ、第2給湯管部50bは第1混合弁45aと二次側循環管路70での戻り管70bとを繋ぎ、第3給湯管部50cは第2混合弁45bと給湯栓160とを繋ぐ。図1においては、給湯栓160からの湯水の流出方向を破線の矢印で示している。
【0017】
一次側循環管路60は、貯湯タンク20の温水導出口20dから追焚き用熱交換器80を経由して貯湯タンク20の下部に達する管路であり、往き管60aと、一次側送水ポンプ55が設けられた戻り管60bとを有している。往き管60aは貯湯タンク20の温水導出口20dと追焚き用熱交換器80上部の温水導入口80aとを繋ぎ、戻り管60bは追焚き用熱交換器80下部の温水導出口80bと貯湯タンク20の下部とを繋ぐ。図示の例では、第1給湯管部50aでの貯湯タンク20側の所定の区間が、往き管60aでの貯湯タンク側の区間を兼ねている。
【0018】
二次側循環管路70は、浴槽150から追焚き用熱交換器80を経由して再び浴槽150に戻る管路であり、二次側送水ポンプ65が設けられた往き管70aと、戻り管70bとを有している。往き管70aは浴槽150と追焚き用熱交換器80下部の浴水導入口80cとを繋ぎ、戻り管70bは追焚き用熱交換器80上部の浴水導出口80dと浴槽150とを繋ぐ。
【0019】
追焚き用熱交換器80は、一次側循環管路60を流れる湯と二次側循環管路70を流れる浴水150aとの間で熱交換を行って浴水150aを加熱するものであり、図示の例では、複数の伝熱プレートが当該追焚き用熱交換器80での高さ方向に積層されたプレート式の水−水熱交換器が用いられている。一次側循環管路60および二次側循環管路70の各々を接続することができるように、追焚き用熱交換器80の上部には上述した温水導入口80aと浴水導出口80dが、また下部には上述した温水導出口80bと浴水導入口80cが設けられている。これらの導入口80a,80cおよび導出口80b,80dを有する追焚き用熱交換器80では、追焚き運転時に上部が下部に比べて高温になるので、熱交換量を高め易いと共に貯湯タンク20に戻す温水の温度を低め易い。このため、追焚き用熱交換器80として熱交換能力が高いプレート式の熱交換器を用いることにより、貯湯タンク20内に相当量の熱量が蓄積された状態で追焚き運転を行ったときでも貯湯タンク20下部での貯留水を低温状態に保ち易くなる。
【0020】
浴水汚れ分解装置100は、二次側循環管路70を流れる浴水150a中の汚れ成分や細菌を放電により無害で極微小な有機物に分解して浴水150aを清浄化する装置であり、本発明の浴水汚れ分解装置に含まれる。図示の浴水汚れ分解装置100は、戻り管70b内に配置されたプラス電極とマイナス電極(いずれも図示せず)とを有する汚れ分解部90Aと、該汚れ分解部90Aのプラス電極とマイナス電極とに電圧を印加して当該プラス電極とマイナス電極との間に放電を生じさせる電源部91と、該電源部91の出力動作を制御する電源制御部92とを備えている。また、往き管70aに取り付けられて該往き管70aを流れる浴水150a中に微小泡を生じさせるエジェクタ部93aと、該エジェクタ部93aに接続されたガス導入管93bと、該ガス導入管93bでのエジェクタ部93a側に設けられてガス導入管93bへの浴水150aの流入を防止する逆止弁93cと、ガス導入管93bでのガス導入口側に設けられてガス導入管93bへの空気の流入を制御する電磁弁93dとを有する微小泡発生部93も備えている。
【0021】
タンクユニット110を構成する上述の構成部材のうち、給水管路30、貯湯用循環管路40、給湯管路50、および二次側循環管路70をそれぞれ除いた残りの構成部材は、ユニットケースUC2に納められている。給水管路30、貯湯用循環管路40、給湯管路50、および二次側循環管路70の各々は、その一部がユニットケースUC2の外部にまで延在している。
【0022】
制御装置120は、上記のユニットケースUC2内に配置された制御装置本体120aと、台所や浴室等に配置されて制御装置本体120aに有線接続または無線接続されたリモートコントローラ120bとを有している。制御装置本体120aは、ヒートポンプユニット10、三方弁33、貯湯用送水ポンプ35、第1混合弁45a、第2混合弁45b、一次側送水ポンプ55、二次側送水ポンプ65、電源制御部92、および電磁弁93dに接続され、当該制御装置本体120aの入力装置として機能するリモートコントローラ120からユーザが入力した情報や指令等に応じてこれらの動作を制御する。
【0023】
したがって、追焚き機能付き給湯機130は、リモートコントローラ120bからユーザが入力した上述の情報や指令等に基づいて動作する。例えば、リモートコントローラ120bからユーザが入力した沸上げ開始時刻になると、制御装置120による制御の下にヒートポンプユニット10および貯湯用循環ポンプ35が起動されて沸上げ運転が開始され、貯湯タンク20に設けられた温度センサ(図示せず)の検知結果から所定温度の湯が貯湯タンク20に所定量貯留されたと判断されるまで継続される。この間、貯湯タンク20下部の水導出口20bから貯湯用循環管路40に低温水が流入し、ヒートポンプユニット10で湯に沸き上げられて貯湯タンク20上部の温水導入口20cから該貯湯タンク20に戻される。
【0024】
また、リモートコントローラ120bからユーザが追焚き運転の開始指令を入力すると、制御装置120による制御の下に一次側送水ポンプ55および二次側送水ポンプ65が起動されて追焚き運転が開始されると共に、浴水汚れ分解装置100が起動されて浴水150aの清浄化が開始される。この追焚き運転は、例えば戻り管70bに配置された温度センサ(図示せず)の検知結果から浴槽150内の浴水150aが所定温度にまで加熱されたと判断されるまで継続される。
【0025】
追焚き運転が行われている間、貯湯タンク20上部の温水導出口20dから一次側循環管路60に湯が流入する一方で、浴槽150から二次側循環管路70に浴水150aが流入し、一次側循環管路60を流れる湯と二次側循環管路70を流れる浴水150aとの間で追焚き用熱交換器80により熱交換が行われて浴水150aが加熱される。また、微小泡発生部93が往き管70a中の浴水150aに多数の微小泡を生じさせ、これらの微小泡が二次側循環管路70を流れる過程で往き管70a内、追焚き用熱交換器80内、および戻り管70b内の汚れ成分や細菌を吸着し、該微小泡に吸着した汚れ成分や細菌が汚れ分解部90Aでの放電により無害で極微小な有機物に分解されて、浴水150aが清浄化される。以下、汚れ分解部90Aの構造および該汚れ分解部90Aによる汚れの分解について、図2および図3を参照して詳述する。
【0026】
図2は、図1に示した追焚き機能付き給湯機を構成している浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。同図に示すように、汚れ分解部90Aは、平板状を呈するプラス電極83a(汚れ分解時にプラスの極性にされる電極を意味する。以下同じ。)とマイナス電極85a(汚れ分解時にプラスの極性にされる電極を意味する。以下同じ。)とが戻り管70bの管径方向に一定間隔で交互に配置された構造を有している。プラス電極83aおよびマイナス電極85aの各々はチタン製の電極であり、各プラス電極83aは浴水汚れ分解装置100の電源部91(図1参照)のプラス端子91aに、また各マイナス電極85aは電源部91のマイナス端子91bに接続されている。なお、図2においては、戻り管70bでの浴水150a(図1参照)の流れ方向を白抜きの矢印で示している。
【0027】
一般に、微小泡はマイナスに帯電しており、プラスに帯電している汚れ成分や細菌を吸着する。このため、往き管70aに設けた微小泡発生部93により追焚き運転時に浴水150aに多数の微小泡を生じさせると、往き管70aの内面、追焚き用熱交換器80(図1参照)の内面、および戻り管70bの内面に付着し、堆積した汚れ成分(角質や皮脂等)、および該堆積した汚れ成分中で繁殖した細菌等の汚れが微小泡に吸着する。
【0028】
図3は、図2に示した汚れ分解部による汚れの分解を概略的に示す概念図である。同図に示すように、汚れGが吸着した微小泡MBは、浴水150aの流れに乗って汚れ分解部90Aに運ばれ、電源部91(図1参照)のプラス端子91a、マイナス端子91bから所定のパルス放電電圧を印加されたプラス電極83aとマイナス電極85aとの間に生じるパルス放電により、無害で極微小な有機物Orに分解される。このとき、プラス電極83aおよびマイナス電極85aそれぞれの表面およびその周囲は放電空間となる。パルス放電は、例えば追焚き運転の期間中、連続的に行われる。浴水150a中の汚れGを上記の放電によって有機物Orに分解する結果として、浴水150aが清浄化される。
【0029】
なお、図3においては、各プラス電極83aを実線で描いており、各マイナス電極85aを破線で描いている。また、プラス端子91aと各プラス電極83aとを接続する導線、およびマイナス端子91bと各マイナス電極85aとを接続する導線の各々を、便宜上、一点鎖線で描いている。そして、浴水150aにスマッジングを付すと共に該浴水150aの流れ方向を白抜きの矢印で示している。これらの点は、後述する実施の形態3〜9で参照する図5,6,8,9、11,12,14,15,17においても同様である。
【0030】
上述した汚れ分解部90Aでのプラス電極83aとマイナス電極83bとの間隔を概ね5mm〜20mmの範囲内とし、電源部91から各電極83a,83bに印加するパルス放電電圧を概ね1kV〜30kVの範囲内にすると、上記の汚れGが無害で極微小な有機物Orに分解されることが確認された。汚れ分解部90Aによる汚れGの分解効果は、パルス放電電圧の周波数を100Hzから100kHzまで変化させても大きな違いはなかった。また、全ての電極83a,85aの極性をプラスに保って各電極83a,85aに微小泡MBを電気的に吸引し、個々の電極83a,85a表面での微小泡BMの密度を高めた後に電極85aの極性をマイナスに反転させて瞬間的にパルス放電を行っても、同様の汚れ分解効果を得ることができた。
【0031】
上述のようにして汚れGを分解する浴水汚れ分解装置100(図1参照)は、装置構成およびその使用が簡便であり、当該浴水汚れ分解装置100を備えた追焚き機能付き給湯機130では、追焚き運転時に自動的に浴水150aが清浄化される。浴水150aの清浄化を容易に図ることができる。
【0032】
実施の形態2.
図4は、本発明の他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。同図に示す汚れ分解部90Bは、円筒状を呈するプラス電極83bとマイナス電極85bとが一定間隔で同心円状に交互に配置された構造を有している。プラス電極83bおよびマイナス電極85bの各々はチタン薄板、タングステン薄板、ステンレス薄板、金属メッシュ等を円筒状に丸めたものであり、各プラス電極83bは浴水汚れ分解装置での電源部(図示せず)のプラス端子91aに、また各マイナス電極85bは上記電源部のマイナス端子91bに接続される。基材の表面にプラチナ、金、銀等をコーティングしたものをプラス電極83bとして用いると、放電による当該プラス電極83bの劣化が抑えられて電極寿命が大幅に延びる。図示を省略した浴水汚れ分解装置は、上述した汚れ分解部90Bの他に、プラス電極83bとマイナス電極85bとに電圧を印加して放電を生じさせる電源部と、該電源部の出力動作を制御する電源制御部とを備えている。
【0033】
図5は、図4に示した汚れ分解部の使用形態の一例を概略的に示す概念図である。同図に示す例は、二次側循環回路の戻り管70bを途中の一定区間に亘って第1流路70b1と第2流路70b2とに分岐させた追焚き機能付き給湯機に図4の汚れ分解部90Bを配置した例であり、追焚き機能付き給湯機は、戻り管70bおよび汚れ分解部それぞれの構成を除き、図1に示した追焚き機能付き給湯機130と同様の構成を有している。
【0034】
上記第1流路70b1での浴槽側の端部は2つに分岐し、その一方は止水栓を兼ねた電極ホルダ部67aにより止水され、他方は第2流路70b2に合流している。第1流路70b1での上流側にモータMを有する電磁弁68aが設けられ、下流側にモータMを有する電磁弁68bが設けられ、これら2つの電磁弁68a,68bによって挟まれた区間に、汚れ分解部90Bの各電極83b,85bが電極ホルダ部67aにより保持されて配置されている。また、第2流路70b2には、モータMを有する電磁弁68cが設けられている。第1流路70b1と第2流路70b2とは、電磁弁68b,68cの下流側で互いに合流している。
【0035】
追焚き運転時には、例えば追焚き機能付き給湯機の制御装置の制御の下に電磁弁68a,68bの各々が開弁されると共に電磁弁68cが閉弁される。浴水150aは、戻り管70bの第2流路70b2は流れずに第1流路70b1を流れて浴槽に戻る。図5中の上側の図に示すように、汚れGが吸着した微小泡MBは浴水150aの流れに乗って汚れ分解部90Bに運ばれる。そして、各プラス電極83bと各マイナス電極85bとに例えば10kVのパルス放電電圧を印加することでプラス電極83bとマイナス電極85bとの間に生じるパルス放電により、無害で極微小な有機物に分解される。パルス放電は、例えば追焚き運転の期間中、連続的に行われる。浴水150a中の汚れGを上記の有機物Orに分解する結果として、浴水150aが清浄化される。
【0036】
放電現象により各電極83a,83bの表面が劣化して浴水汚れ分解装置の性能が低下し、各電極83b,85bの交換が必要になったときには、図5中の下側の図に示すように、例えば追焚き機能付き給湯機の制御装置の制御の下に電磁弁68a,68bの各々を閉弁させると共に電磁弁68cを開弁させて、浴水150aが第1流路70b1は流れずに第2流路70b2を流れるようにする。このように浴水150aの流路を切り替えると、追焚き運転中であっても電極ホルダ部67aを第1流路70b1から取り外すことで各電極83b,85bを戻り管70bから取り出すことができ、容易に交換することができる。勿論、各電極83b,85bを戻り管70bから取り出す際には、当該電極83b,85bへのパルス放電電圧の印加を中断しておく。
【0037】
図6は、図4に示した汚れ分解部の使用形態の他の例を概略的に示す概念図である。同図に示す例では、汚れ分解部の各電極への電圧の印加形態のみが図5に示した例とは異なり、まず、浴水150a中の汚れGを放電により分解する前に全ての電極83b,85bの極性をプラスにする。これにより、図6中の上側の図に示すように、汚れGが吸着した微小泡MBを各電極83b,85bに電気的に吸引して個々の電極83b,85b表面での微小泡BMの密度を高める。
【0038】
この後、図6中の下側の図に示すように、浴水汚れ分解装置の電源部での端子91bの極性をマイナスに反転させて各プラス電極83bと各マイナス電極85bとにパルス放電電圧を印加する。これによりプラス電極83bとマイナス電極85bとの間にパルス放電が生じ、各電極83b,85bに電気的に吸引されていた微小泡MBに吸着している汚れGを無害で極微小な有機物に瞬間的に分解する。全ての電極83b,85bの極性をプラスにする動作とパルス放電動作とは、追焚き運転の期間中、交互に間欠的に行われる。このようにして汚れGを分解すると、パルス放電を連続的に行って汚れGを分解する場合に比べ、各電極83b,85bへのパルス放電電圧の総印加時間が短縮されるので、浴水汚れ分解装置のエネルギー消費量が低減され、ランニングコストが抑えられる。
【0039】
実施の形態3.
図7は、本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。同図に示す汚れ分解部90Cは、メッシュ状を呈するプラス電極83cとマイナス電極85cとが一定間隔で交互に配置された構造を有している。プラス電極83cおよびマイナス電極85cの各々は金属製のもの、またはセラミックスや合成樹脂により作製される基材の表面に吸着剤や酸化触媒等を添着させて導電性をも付与したものであり、各プラス電極83cは浴水汚れ分解装置での電源部(図示せず)のプラス端子91aに、また各マイナス電極85cは電源部のマイナス端子91bに接続される。図示を省略した浴水汚れ分解装置は、上述した汚れ分解部90Cの他に、プラス電極83cとマイナス電極85cとに電圧を印加して放電を生じさせる電源部と、該電源部の出力動作を制御する電源制御部とを備えている。
【0040】
図8は、図7に示した汚れ分解部の使用形態の一例を概略的に示す概念図である。同図に示す例は、二次側循環回路の戻り管70bを途中の一定区間に亘って第1流路70b1と第2流路70b2とに分岐させ、該第1流路70b1および第2流路70b2の各々を上流側の区間と下流側の区間とに分けて上流側の区間と下流側の区間とを継手を兼ねた電極ホルダ部67bで流路毎に接続した追焚き機能付き給湯機に図7の汚れ分解部90Cを2つ配置した例である。追焚き機能付き給湯機は、戻り管70bおよび汚れ分解部それぞれの構成を除き、図1に示した追焚き機能付き給湯機130と同様の構成を有している。
【0041】
上記第1流路70b1での上流側にはモータMを有する電磁弁68aが設けられ、下流側にはモータMを有する電磁弁68bが設けられ、これら2つの電磁弁68a,68bによって挟まれた区間に継手を兼ねた電極ホルダ部67bが設けられて、該電極ホルダ部67bにより汚れ分解部90Cの各電極83c,85cが保持されている。同様に、第2流路70b2での上流側にはモータMを有する電磁弁68cが設けられ、下流側にはモータMを有する電磁弁68dが設けられ、これら2つの電磁弁68c,68dによって挟まれた区間に継手を兼ねた電極ホルダ部67bが設けられて、該電極ホルダ部67bにより他の汚れ分解部90Cのプラス電極83cとマイナス電極85cとが保持されている。各汚れ分解部90Cでのプラス電極83cおよびマイナス電極85cの各々は、第1流路70b1または第2流路70b2での流路径方向に延在している。第1流路70b1と第2流路70b2とは、電磁弁68b,68dの下流側で互いに合流している。
【0042】
追焚き運転時には、例えば追焚き機能付き給湯機の制御装置の制御の下に電磁弁68a,68bの各々が閉弁されると共に電磁弁68c,68dの各々が開弁される。浴水150aは、戻り管70bの第1流路70b1は流れずに第2流路70b2を流れて浴槽に戻る。図8中の上側の図に示すように、汚れGが吸着した微小泡MBは浴水150aの流れに乗って第2流路70b2中の汚れ分解部90Cに運ばれ、各プラス電極83cと各マイナス電極85cとに例えば6kVのパルス放電電圧を印加することでプラス電極83cとマイナス電極85cとの間に生じるパルス放電により、無害で極微小な有機物に分解される。浴水150a中の汚れGを上記の有機物に分解する結果として、浴水150aが清浄化される。
【0043】
放電現象により各電極83c,85cの表面が劣化して浴水汚れ分解装置の性能が低下し、各電極83c,85cの交換が必要になったときには、図8中の下側の図に示すように、例えば追焚き機能付き給湯機の制御装置の制御の下に電磁弁68a,68bの各々を開弁させると共に電磁弁68c,68dの各々を閉弁させて、浴水150aが第2流路70b2は流れずに第1流路70b1を流れるようにする。このように浴水150aの流路を切り替えると、追焚き運転中であっても第2流路70b2中の電極ホルダ部67bを汚れ分解部90Cごと第2流路70b2から取り外すことで各電極83c,85cを戻り管70bから取り出すことができ、容易に交換することができる。
【0044】
実施の形態4.
図9は、図7に示した汚れ分解部の使用形態の他の例を概略的に示す概念図である。同図に示す例は、二次側循環回路の戻り管70bを途中の一定区間に亘って第1流路70b1と第2流路70b2とに分岐させ、第2流路70b2を上流側の区間と下流側の区間とに分けてこれらの区間を電極ホルダ部67bで接続すると共に、第2流路70b2の上流側に給湯管路中の第2給湯管部50bを接続し、第2流路70b2の下流側にドレイン管125を接続した追焚き機能付き給湯機に図7の汚れ分解部90Cを配置した例である。
【0045】
この例での追焚き機能付き給湯機は、戻り管70bおよび汚れ分解部それぞれの構成、第2給湯管部50bと戻り管70bとの接続形態、およびドレイン管125の有無を除き、図1に示した追焚き機能付き給湯機130と同様の構成を有している。図示を省略した浴水汚れ分解装置は、上述した汚れ分解部90Cの他に、プラス電極83cとマイナス電極85cとに電圧を印加して放電を生じさせる電源部と、該電源部の出力動作を制御する電源制御部とを備えている。
【0046】
上記第1流路70b1での上流側にはモータMを有する電磁弁68aが設けられ、下流側にはモータMを有する電磁弁68bが設けられている。また、第2流路70b2での第1流路70b1との分岐側にはモータMを有する電磁弁68cが設けられ、第1流路70b1との合流側にはモータMを有する電磁弁68dが設けられ、これら2つの電磁弁68c,68dによって挟まれた区間に継手を兼ねた電極ホルダ部67bが設けられて、該電極ホルダ部67bにより汚れ分解部90Cのプラス電極83cとマイナス電極85cとが保持されている。汚れ分解部90Cでの各電極83c,85cは、第2流路70b2での流路径方向に延在している。第1流路70b1と第2流路70b2とは、電磁弁68b,68dの下流側で互いに合流している。
【0047】
また、第2給湯管部50bは電磁弁68cの下流側で第2流路70b2に合流しており、当該第2給湯管部50bでの下流側にはモータMを有する電磁弁68eが設けられている。ドレイン管125は電磁弁68dの上流側で第2流路70b2から分岐しており、当該ドレイン管125での上流側にはモータMを有する電磁弁68fが設けられている。
【0048】
追焚き運転時には、例えば追焚き機能付き給湯機の制御装置の制御の下に電磁弁68a,68b,68e、68fが閉弁されると共に電磁弁68c,68dの各々が開弁される。浴水150aは、戻り管70bの第1流路70b1は流れずに第2流路70b2を流れて浴槽に戻る。第2給湯管部50bから第2流路70b2への湯水の流入はない。また、浴水150a中の汚れGを放電により分解するのに先だって、浴水汚れ分解装置での電源部の各端子91a,91bの極性をプラスにすることで全ての電極83c,85cの極性をプラスにする。これにより、図9中の上側の図に示すように、汚れGが吸着した微小泡MBを各電極83c,85cに電気的に吸引して個々の電極83c,85c表面での微小泡BMの密度を高める。
【0049】
この後、図9中の下側の図に示すように、例えば追焚き機能付き給湯機の制御装置の制御の下に電磁弁68a,68bの各々を開弁させると共に電磁弁68c,68dの各々を閉弁させて、浴水150aが第2流路70b2は流れずに第1流路70b1を流れて浴槽に戻るように流路を切り替える。また、電磁弁68e、68fの各々を開弁させて第2給湯管部50bからの湯水を第2流路70b2経由でドレイン管125に流す。さらには、電源部の端子91bの極性をマイナスに反転させて各プラス電極83cと各マイナス電極85cとにパルス放電電圧を印加する。これによりプラス電極83cとマイナス電極85cとの間にパルス放電が生じ、各電極83c,85cに電気的に吸引されていた微小泡MBに吸着している汚れGを無害で極微小な有機物に瞬間的に分解する。浴水150a中の汚れGを上記の有機物に分解する結果として、浴水150aが清浄化される。
【0050】
汚れGの分解により生じた無害で極微小な有機物は、第2給湯管部50bから第2流路70b2に供給される湯水の流れに乗ってドレイン管125に排出される。汚れ分解部90Cでの汚れGの分解により生じた上記の有機物が浴槽に流入してしまうことが防止されるので、浴水150aが更に清浄化される。図9の下側の図においては、第2給湯管部50bからの湯水の流れ方向を白抜きの破線の矢印で示してある。
【0051】
なお、電磁弁68a,68bの各々が閉弁し、電磁弁68c,68d,68e,68fの各々が開弁した状態で全ての電極83c,85cの極性をマイナスにしたところ、個々の電極83c,85cに電気的に吸引されていた微小泡MBを各電極83c,85cから脱離させて、汚れGが吸着したままドレイン管125に排出することができた。
【0052】
実施の形態5.
図10は、本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。同図に示す汚れ分解部90Dは、二次側循環管路の戻り管70bに中空円板状の大径の電極ホルダ部67dが形成された追焚き機能付き給湯機に取り付けられるものであり、軸部83d1と該軸部83d1に取り付けられたハニカム構造の電極部83d2とを有するプラス電極83d、およびメッシュ状のマイナス電極(図示せず)を備えている。なお、以下の説明では、ハニカム構造の電極部を「ハニカム構造電極部」という。
【0053】
ハニカム構造電極部83d2は、セラミックスや合成樹脂等により作製される基材の表面に吸着剤としてのゼオライトと酸化触媒とを担持させて導電性をも付与したものであり、六角形状の各孔Hの軸線が軸部83d1の長手軸から僅かにずれるように成形されている。当該ハニカム構造電極部83d2は、各孔Hが浴水の流路となる向きで電極ホルダ部67dでのホルダ本体67d1に保持される。このとき、軸部83d1はホルダ本体67d1をその厚さ方向に貫通する。戻り管70bに浴水が流れると、ハニカム構造電極部83d2での各孔Hの軸線が軸部83d1の長手軸から僅かにずれていることから、浴水の流量に応じた速度でハニカム構造電極部83d2が軸部83d1を中心にして自然に回転する。マイナス電極は、ホルダ本体67d1の上部に取り外し可能に装着されるキャップ67d2の内側上部に配置される。
【0054】
図11は、図10に示した汚れ分解部の使用形態の一例を概略的に示す概念図である。同図に示す例は、二次側循環管路の戻り管70bに上述の電極ホルダ部67dが形成された追焚き機能付き給湯機に図10の汚れ分解部90Dを配置した例であり、戻り管70bおよび浴水汚れ分解装置(図示せず)の各々を除いた追焚き機能付き給湯機の構成は、図1に示した追焚き機能付き給湯機130の構成と同様である。図11に示した構成要素のうちで図10に示した構成要素と共通するものについては、図10で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。図示を省略した浴水汚れ分解装置は、上述した汚れ分解部90Dの他に、汚れ分解部90D内のプラス電極83dとマイナス電極85dとに電圧を印加して放電を生じさせる電源部と、該電源部の出力動作を制御する電源制御部とを備えている。
【0055】
図11中の上側の図に示すように、追焚き運転が開始されるのと同時に、浴水汚れ分解装置での電源部のプラス端子91aからプラス電極83dに所定の電圧が印加されて、プラス電極83dの極性がプラスに保たれる。マイナス電極85dには電圧が印加されない。その結果として、汚れGが吸着した微小泡MBがプラス電極83dに電気的に吸引されて、プラス電極83d表面での微小泡BMの密度が高まる。また、浴水150aが戻り管70bを流れることから、ハニカム構造電極部83d2が軸部83d1を中心にして1分間に1回転程度の速度で自然に回転する。
【0056】
図11中の下側の図に示すように、ハニカム構造電極部83d2が半回転すると、電源部のプラス端子91aおよびマイナス端子91bの各々から汚れ分解部90Cに所定のパルス放電電圧が印加され、プラス電極83dとマイナス電極85dとの間にパルス放電が生じて、微小泡MBに吸着していた汚れGが無害で極微小な有機物に分解される。パルス放電は、例えば追焚き運転の期間中、間欠的に行われる。浴水150a中の汚れGを上記の有機物に分解する結果として、浴水150aが清浄化される。なお、ハニカム構造電極部83d2の回転量は、図示を省略したロータリエンコーダにより検出され、該ロータリエンコーダの検出量に基づいて、浴水汚れ分解装置の電源制御部が電源部から各電極83d,85dへのパルス放電電圧の印加時期を判断する。
【0057】
実施の形態6.
図12は、本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を示す概略図である。同図に示す汚れ分解部90Eは、紫外線照射部95を備えた浴水汚れ分解装置(図示せず)を構成するものであり、当該汚れ分解部90Eは、プラス電極83eを構成するハニカム構造電極部83e2での六角形状の各孔の軸線が軸部83e1の長手軸と略平行である点、および軸部83e1が駆動部87、具体的にはモータにより回転されてハニカム構造電極部83e2が回転する点をそれぞれ除き、図10に示した汚れ分解部90Dと同様の構成を有している。ただし、ハニカム構造電極部83e2には、吸着剤としてのゼオライトと、酸化触媒としてのプラチナ担持酸化チタンとが添着されている。
【0058】
上記の汚れ分解部90Eは、二次側循環管路の戻り管70bに中空円板状を呈する大径の電極ホルダ部67eが形成された追焚き機能付き給湯機に取り付けられるものであり、電極ホルダ部67eは、プラス電極83eを回転可能に保持するホルダ本体67e1と、ホルダ本体67e1の上部に取り外し可能に装着されるキャップ67e2とにより構成される。キャップ67e2の所定箇所には紫外線透過窓Wが形成されており、マイナス電極85eはキャップ67e2の内側上部に配置される。戻り管70bおよび浴水汚れ分解装置の各々を除いた追焚き機能付き給湯機の構成は、図1に示した追焚き機能付き給湯機130の構成と同様である。図示を省略した浴水汚れ分解装置は、上述した汚れ分解部90Eおよび紫外線照射部95の他に、プラス電極83eとマイナス電極85eとに電圧を印加して放電を生じさせる電源部と、該電源部の出力動作を制御する電源制御部とを備えている。
【0059】
図12中の上側の図に示すように、追焚き運転が開始されるのと同時に、浴水汚れ分解装置での電源部のプラス端子91aからプラス電極83eに所定の電圧が印加されて、プラス電極83eの極性がプラスに保たれる。マイナス電極85eには電圧が印加されない。その結果として、汚れGが吸着した微小泡MBがプラス電極83eに電気的に吸引されて、プラス電極83e表面での微小泡BMの密度が高まる。また、駆動部87が起動され、ハニカム構造電極部83e2が軸部83e1を中心にして1時間に1回転程度の速度でゆっくり回転する。
【0060】
図12中の下側の図に示すように、ハニカム構造電極部83e2が半回転すると、浴水汚れ分解装置での電源部のプラス端子91aおよびマイナス端子91bの各々から汚れ分解部90Eに所定のパルス放電電圧が印加されてプラス電極83eとマイナス電極85eとの間にパルス放電が生じ、浴水150a中の汚れGが無害で極微小な有機物に分解される。その結果として、浴水150aが清浄化される。また、紫外線照射部95の紫外光源95bが点灯される。同図においては、紫外光源95bから放射される紫外光を実線の矢印で表している。
【0061】
紫外光源95bからの紫外光によってハニカム構造電極部83e2中の酸化触媒の酸化作用が助長されることから、図示の使用形態の下では、紫外光を照射しない場合に比べ、汚れGの分解速度が1.5倍程度速くなり、これに伴ってパルス放電電圧の総印加時間を70%程度に低減させることが可能になる。なお、ハニカム構造電極部83e2の回転量は、図示を省略したロータリエンコーダにより検出され、該ロータリエンコーダの検出量に基づいて、浴水汚れ分解装置の電源制御部が電源部から各電極83e,85eへのパルス放電電圧の印加時期を判断する。
【0062】
実施の形態7.
図13は、本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。同図に示す汚れ分解部90Fは、2つのマイナス電極85fを有するという点を除き、図12に示した汚れ分解部90Eと同様の構成を有している。ただし、ハニカム構造電極部83f2には、吸着剤として活性炭が添着されている。図13においては、汚れ分解部90Fでのプラス電極に参照符号「83f」を付し、該プラス電極83fでの軸部に参照符号「83f1」を付し、該プラス電極83fでのハニカム構造電極部に参照符号「83f2」を付してある。
【0063】
この汚れ分解部90Fは、二次側循環管路の戻り管70bに中空円板状の大径の電極ホルダ部67fが形成された追焚き機能付き給湯機に取り付けられる。図示の電極ホルダ部67fは、図10に示した電極ホルダ部67dと同様に、プラス電極83fを回転可能に保持するホルダ本体67f1と、該ホルダ本体67f1の上部に取り外し可能に装着されるキャップ67f2とを有している。キャップ67f2には、オゾン水生成装置96aが生成したオゾン水の流入路となる配管96bと、上記オゾン水の排出流路となるドレイン管125とが接続されており、当該キャップ67f2内での配管96dとの接続箇所に1つのマイナス電極85fが、また当該キャップ67f2内でのドレイン管125との接続箇所に他のマイナス電極85fがそれぞれ配置されている。なお、オゾン水生成装置96aと配管96bとは、汚れ分解部90Fと共に浴水汚れ分解装置を構成する。
【0064】
図14は、図13に示した汚れ分解部の使用形態の一例を概略的に示す概念図である。同図に示す例は、二次側循環管路の戻り管70bに上述の電極ホルダ部67fが形成された追焚き機能付き給湯機に図13の汚れ分解部90Fを配置した例であり、戻り管70b、浴水汚れ分解装置(図示せず)、およびドレイン管125の各々を除いた追焚き機能付き給湯機の構成は、図1に示した追焚き機能付き給湯機130の構成と同様である。図14に示した構成要素のうちで図13に示した構成要素と共通するものについては、図13で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。図示を省略した浴水汚れ分解装置は、上述した汚れ分解部90F、オゾン水生成装置96a、および配管96bの他に、プラス電極83fとマイナス電極85fとに電圧を印加して放電を生じさせる電源部と、該電源部の出力動作を制御する電源制御部とを備えている。
【0065】
図14中の上側の図に示すように、追焚き運転が開始されるのと同時に、浴水汚れ分解装置での電源部のプラス端子91aからプラス電極83fに所定の電圧が印加されて、プラス電極83fの極性がプラスに保たれる。マイナス電極85fには電圧が印加されない。その結果として、汚れGが吸着した微小泡MBがプラス電極83fに電気的に吸引されて、プラス電極83f表面での微小泡BMの密度が高まる。ハニカム構造電極部83f2は、軸部83e1を中心にして1日に1回転程度の速度でゆっくり回転する。
【0066】
図14中の下側の図に示すように、ハニカム構造電極部83e2が半回転すると、汚れ分解装置での電源部のプラス端子91aおよびマイナス端子91bの各々から汚れ分解部90Fに所定のパルス放電電圧が印加されて、プラス電極83eとマイナス電極85eとの間にパルス放電が生じる。また、パルス放電が開始されると、オゾン水生成装置96aから電極ホルダ部67fにオゾン水OWが供給される。
【0067】
上記のオゾン水OWによりハニカム構造電極部83e2中の吸着剤の表面が清浄化されると共に、ハニカム構造電極部83e2での有機物の分解作用が助長されることから、図示の使用形態の下では、オゾン水OWを供給しない場合に比べ、汚れGの分解速度が2倍程度速くなり、これに伴ってパルス放電電圧の総印加時間を半分程度に低減させることが可能になる。電極ホルダ部67fに供給されたオゾン水OWは、ドレイン管125に排出される。図14中の下側の図においては、オゾン水OWの流れ方向を破線の矢印で示している。なお、ハニカム構造電極部83f2の回転量は、図示を省略したロータリエンコーダにより検出され、該ロータリエンコーダの検出量に基づいて、浴水汚れ分解装置の電源制御部が電源部から各電極83f,85fへのパルス放電電圧の印加時期を判断する。
【0068】
実施の形態8.
図15は、本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を示す概略図である。同図に示す汚れ分解部90Gは、微小泡含有水生成器97aを備えた浴水汚れ分解装置(図示せず)を構成するものであり、当該汚れ分解部90Gは、プラス電極83gを構成するハニカム構造電極部83g2での六角形状の各孔の軸線が軸部83g1の長手軸から僅かに傾いている点、および軸部83g1を回転させるモータを有していない点をそれぞれ除き、図14に示した汚れ分解部90Fと同様の構成を有している。
【0069】
上記の汚れ分解部90Gは、二次側循環管路の戻り管70bに中空円板状を呈する大径の電極ホルダ部67gが形成された追焚き機能付き給湯機に取り付けられるものであり、電極ホルダ部67gは、微小泡含有水生成器97aが生成した微小泡含有水の流入路となる配管97bとの接続口、および微小泡含有水の流出路となるドレイン管125との接続口がそれぞれ大径であるという点を除き、図14に示した電極ホルダ部67fと同様の構成を有している。戻り管70bおよび浴水汚れ分解装置の各々を除いた追焚き機能付き給湯機の構成は、図1に示した追焚き機能付き給湯機130の構成と同様である。図示を省略した浴水汚れ分解装置は、上述した汚れ分解部90G、微小泡含有水生成器97a、および配管97bの他に、プラス電極83gとマイナス電極85gとに電圧を印加して放電を生じさせる電源部と、該電源部の出力動作を制御する電源制御部とを備えている。
【0070】
図15中の上側の図に示すように、追焚き運転が開始されるのと同時に、浴水汚れ分解装置での電源部のプラス端子91aからプラス電極83gに所定の電圧が印加されて、プラス電極83gの極性がプラスに保たれる。マイナス電極85gには電圧が印加されない。その結果として、汚れGが吸着した微小泡MBがプラス電極83gに電気的に吸引されて、プラス電極83g表面での微小泡BMの密度が高まる。また、浴水150aが戻り管70bを流れることから、ハニカム構造電極部83g2が軸部83g1を中心にして1分間に1回転程度の速度で自然に回転する。
【0071】
図15中の下側の図に示すように、ハニカム構造電極部83g2が半回転すると、浴水汚れ分解装置での電源部のプラス端子91aおよびマイナス端子91bの各々から汚れ分解部90Gに所定のパルス放電電圧が印加され、プラス電極83gと各マイナス電極85gとの間にパルス放電が生じて、微小泡MBに吸着した汚れGが無害で極微小な有機物に分解される。その結果として、浴水150aが清浄化される。
【0072】
また、パルス放電が開始されると、多数の微小泡mbを含有した微小泡含有水BWが微小泡含有水生成器97aから電極ホルダ部67gに供給される。この微小泡含有水BWは、主としてプラス電極83gおよびマイナス電極85gの表面の洗浄に利用される。微小泡含有水BWを電極ホルダ部67gに供給することにより、各電極83g,85gの表面を清浄に保つことが容易になる。電極ホルダ部67gに供給された微小泡含有水BWは、ドレイン管125に排出される。図14中の下側の図においては、微小泡含有水BWの流れ方向を一点鎖線の矢印で示している。なお、ハニカム構造電極部83g2の回転量は、図示を省略したロータリエンコーダにより検出され、該ロータリエンコーダの検出量に基づいて、浴水汚れ分解装置の電源制御部が電源部から各電極83g,85gへのパルス放電電圧の印加時期を判断する。
【0073】
実施の形態9.
図16は、本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。同図に示す汚れ分解部90Hは、軸部83h1と該軸部83h1に取り付けられたハニカム構造電極部83h2とを有するプラス電極83h、およびハニカム状のマイナス電極85hを備えており、ハニカム構造電極部83h2とマイナス電極85hとは、軸部83h1に一定間隔で交互に取り付けられている。ハニカム構造電極部83h2およびマイナス電極85hの各々は、セラミックスや合成樹脂等により作製される基材の表面に吸着剤としてのゼオライトおよび酸化触媒等を添着させて導電性をも付与したものであり、当該ハニカム構造電極部83h2およびマイナス電極85hの各々は、六角形状の各孔Hの軸線が軸部83h1の長手軸から僅かにずれるように成形されている。
【0074】
この汚れ分解部90Hは、二次側循環管路の戻り管70bに中空円板状の大径の電極ホルダ部67hが形成された追焚き機能付き給湯機に取り付けられる。図示の電極ホルダ部67hは、プラス電極83hおよびマイナス電極85hを回転可能に保持するホルダ本体67h1と、該ホルダ本体67h1の上部に取り外し可能に装着されるキャップ67h2とを有している。
【0075】
図17は、図16に示した汚れ分解部の使用形態の一例を概略的に示す概念図である。同図に示す例は、二次側循環管路の戻り管70bに上述の電極ホルダ部67hが形成された追焚き機能付き給湯機に図16の汚れ分解部90Hを配置した例であり、戻り管70bおよび浴水汚れ分解装置(図示せず)の各々を除いた追焚き機能付き給湯機の構成は、図1に示した追焚き機能付き給湯機130の構成と同様である。図17に示した構成要素のうちで図16に示した構成要素と共通するものについては、図16で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。図示を省略した浴水汚れ分解装置は、上述した汚れ分解部90Hの他に、プラス電極83hとマイナス電極85hとに電圧を印加して放電を生じさせる電源部と、該電源部の出力動作を制御する電源制御部とを備えている。
【0076】
図17中の上側の図に示すように、追焚き運転が開始されるのと同時に、浴水汚れ分解装置での電源部のプラス端子91aからプラス電極83hに所定の電圧が印加されて、プラス電極83hの極性がプラスに保たれる。マイナス電極85hには電圧が印加されない。その結果として、汚れGが吸着した微小泡MBがプラス電極83hに電気的に吸引されて、プラス電極83h表面での微小泡BMの密度が高まる。各ハニカム構造電極部83h2および各マイナス電極85hは、軸部83e1を中心にして1分間に1回転程度の速度で自然に回転する。
【0077】
図17中の下側の図に示すように、各ハニカム構造電極部83h2および各マイナス電極85hが半回転すると、汚れ分解装置での電源部のプラス端子91aおよびマイナス端子91bの各々から汚れ分解部90Fに所定のパルス放電電圧が印加され、プラス電極83hとマイナス電極85hとの間にパルス放電が生じて、微小泡MBに吸着していた汚れGが無害で極微小な有機物に分解される。結果として、浴水150aは清浄化される。
【0078】
この汚れ分解部90Hでは、ハニカム構造電極部83h2とマイナス電極85hとが交互に配置されているので、放電が生じる電極表面の面積が実施の形態5〜8で挙げた汚れ分解部に比べて増加しており、汚れGを効率よく分解することができる。また、ハニカム構造電極部83h2およびマイナス電極85hの厚みを薄くして電極間距離を近づければ、プラス電極83hおよびマイナス電極85hに供給するパルス放電電圧を下げても汚れGを効率よく分解することができる。なお、ハニカム構造電極部83h2およびマイナス電極85hの回転量は、図示を省略したロータリエンコーダにより検出され、該ロータリエンコーダの検出量に基づいて、浴水汚れ分解装置の電源制御部が電源部から各電極83h,85hへのパルス放電電圧の印加時期を判断する。
【0079】
以上、本発明の浴水汚れ分解装置および追焚き機能付き給湯機について実施の形態を挙げて説明したが、前述のように、本発明は上記の形態に限定されるものではない。例えば、浴水汚れ分解装置における電源制御部は必須の構成部材ではなく、追焚き機能付き給湯機の制御部に当該電源制御部を兼ねさせることも可能である。浴水汚れ分解装置における微小泡発生部も必須の構成部材ではなく、任意の構成部材とすることができるが、追焚き用の配管を流れる浴水中の汚れを効率よく分解するうえからは、微小泡発生部を用いて浴水汚れ分解装置を構成した方が好ましい。また、実施の形態1〜9では、汚れ分解部の各電極を保持する電極ホルダ部を追焚き機能付き給湯機における二次側循環管路での戻り管の一部として説明したが、電極ホルダ部は浴水汚れ分解装置の一構成部材とみなすこともできる。
【0080】
汚れ分解部のプラス電極およびマイナス電極の材料は、適宜選定可能である。チタンやタングステン等の単体金属より各電極を作製することもできるし、ステンレス等の合金により各電極を作製することもできるし、単体金属製または合金製の基材にプラチナ、銀、金等をコーティングすることで各電極を作製することもできる。さらには、金属、セラミックス、合成樹脂等により作製した基材の表面に酸化チタン、酸化マンガン、またはこれらの表面にプラチナ等の貴金属を担持させた酸化触媒、およびゼオライト、活性炭等の吸着剤の少なくとも一方を添着させて各電極を作製することもできる。
【0081】
汚れ分解部でのプラス電極とマイナス電極との電極間距離は、20mm程度以下の範囲内で適宜選定可能であり、概ね5〜20mm以下とすることが好ましい。また、プラス電極とマイナス電極とに印加する電圧は、数十kV程度以下の範囲内で適宜選定可能であり、概ね1kV〜30kVの範囲内とすることもできる。当該汚れ分解部が取り付けられる追焚き機能付き給湯機は、ヒートポンプユニットにより湯を沸き上げるタイプのものの他に、貯湯タンク内に配置したヒータにより湯を沸き上げるタイプのものであってもよい。本発明については、上述した以外にも種々の変形、修飾、組み合わせ等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の浴水汚れ分解装置は、家庭用または業務用の追焚き機能付き給湯機に用いることができ、本発明の追焚き機能付き給湯機は、家庭用または業務用の給湯機として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の追焚き機能付き給湯機の一例を示す概略図である。
【図2】図1に示した追焚き機能付き給湯機を構成している浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。
【図3】図2に示した汚れ分解部による汚れの分解を概略的に示す概念図である。
【図4】本発明の他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。
【図5】図4に示した汚れ分解部の使用形態の一例を概略的に示す概念図である。
【図6】図4に示した汚れ分解部の使用形態の他の例を概略的に示す概念図である。
【図7】本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。
【図8】図7に示した汚れ分解部の使用形態の一例を概略的に示す概念図である。
【図9】図7に示した汚れ分解部の使用形態の他の例を概略的に示す概念図である。
【図10】本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。
【図11】図10に示した汚れ分解部の使用形態の一例を概略的に示す概念図である。
【図12】本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を示す概略図である。
【図13】本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。
【図14】図13に示した汚れ分解部の使用形態の一例を概略的に示す概念図である。
【図15】本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を示す概略図である。
【図16】本発明の更に他の浴水汚れ分解装置での汚れ分解部を概略的に示す斜視図である。
【図17】図16に示した汚れ分解部の使用形態の一例を概略的に示す概念図である。
【符号の説明】
【0084】
20 貯湯タンク
60 一次側循環管路
60a 往き管
60b 戻り管
67a,67b,67d〜67h 電極ホルダ部
70 二次側循環管路
70a 往き管
70b 戻り管
80 追焚き用熱交換器
83a〜83h プラス電極
83d2,83e2,83f2,83g2,83h2 ハニカム構造の電極部
85a〜85h マイナス電極
87 駆動部
90A〜90H 汚れ分解部
91 電源部
92 電源制御部
93 微小泡発生部
100 浴水汚れ分解装置
130 追焚き機能付き給湯機
150 浴槽
150a 浴水
MB 微小泡
G 汚れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽から浴水を取り出して加熱した後に前記浴槽に戻す追焚き機能付き給湯機での追焚き用の配管に取り付けられる浴水汚れ分解装置であって、
前記追焚き用の配管内に配置されるプラス電極およびマイナス電極と、
前記プラス電極と前記マイナス電極とに電圧を印加して、該プラス電極と該マイナス電極との間に放電を生じさせる電源部と、
を備え、前記追焚き用の配管を流れる浴水中の汚れを前記放電により分解することを特徴とする浴水汚れ分解装置。
【請求項2】
前記追焚き用の配管での前記プラス電極および前記マイナス電極の上流側に配置されて、前記配管を流れる浴水中に微小泡を発生させる微小泡発生部を更に備え、
前記微小泡に吸着した汚れを前記放電により分解することを特徴とする請求項1に記載の浴水汚れ分解装置。
【請求項3】
前記汚れが吸着した微小泡を前記プラス電極で電気的に吸引した後、前記汚れを前記放電により分解することを特徴とする請求項2に記載の浴水汚れ分解装置。
【請求項4】
前記プラス電極は、ハニカム構造の電極部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の浴水汚れ分解装置。
【請求項5】
前記ハニカム構造の電極部を前記追焚き用の配管内で回転させる駆動部を更に有することを特徴とする請求項4に記載の浴水汚れ分解装置。
【請求項6】
前記汚れが吸着した微小泡を前記プラス電極で電気的に吸引し、該プラス電極が回転した後に前記汚れを前記放電により分解すること特徴とする請求項4または5に記載の浴水汚れ分解装置。
【請求項7】
前記プラス電極および前記マイナス電極の各々はチタン製電極であるか、またはチタン製、ステンレス製、もしくはタングステン製の基材にプラチナ、銀、もしくは金をコーティングした電極であり、
該プラス電極と該マイナス電極との電極距離は20mm以下である、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の浴水汚れ分解装置。
【請求項8】
前記プラス電極および前記マイナス電極の各々は金属製、セラミックス製、または合成樹脂製の基材の表面に吸着剤および酸化触媒の少なくとも一方が添着された電極であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の浴水汚れ分解装置。
【請求項9】
前記酸化触媒は酸化チタンもしくは酸化マンガン、または該酸化チタンもしくは酸化マンガンの表面に貴金属を担持させたものであり、
前記吸着剤はゼオライトまたは活性炭である、
ことを特徴とする請求項8に記載の浴水汚れ分解装置。
【請求項10】
貯湯タンクに貯留した湯を熱源として用いる追焚き用熱交換器を備え、浴槽から取り出した浴水を前記追焚き用熱交換器により加熱した後に前記浴槽に戻す追焚き運転を行うことができる追焚き機能付き給湯機であって、
前記追焚き用の配管内に配置されるプラス電極およびマイナス電極と、前記プラス電極と前記マイナス電極とに電圧を印加して、該プラス電極と該マイナス電極との間に放電を生じさせる電源部とを備え、前記追焚き用の配管を流れる浴水中の汚れを前記放電により分解する浴水汚れ分解装置を具備したことを特徴とする追焚き機能付き給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−117073(P2010−117073A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290352(P2008−290352)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】