説明

海外ローミング端末国際通信通話通知システム

【課題】海外ローミング端末の利用者に対する発信のうち、特に、海外等、国内サービス圏外への着信となる場合に、発信者に海外ローミング端末への接続が国際電話となることを通知する。
【解決手段】国内の通信業者の通信システムは、海外ローミング端末を利用する利用者の海外ローミング端末利用者情報を管理するとともに、前記海外ローミング端末の利用者が海外ローミングサービスを利用可能な地域に滞在していることを前記海外ローミング端末利用者情報に登録する手段と、発信者が前記海外ローミング端末の利用者に発信した場合に、前記海外ローミング端末利用者情報を参照し、前記海外ローミング端末の利用者が国内サービス領域外にいる場合に、国際電話となることを前記発信者に通知し、国際電話として接続するか否かを確認させる手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海外ローミング端末国際通信通話通知システムに係り、特に、海外ローミング端末の利用者が海外にいる場合に、発信者に対して発信した通信が海外ローミング接続になることを通知する海外ローミング端末国際通信通話通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、着信者が海外ローミング端末の利用者の場合、国内にいる場合は通常通り接続されるが、海外等、国内サービス圏外にいる場合は、国際電話として接続される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述したように、着信者が海外ローミング端末の利用者の場合、国内にいる場合は通常通り接続されるが、海外等、国内サービス圏外にいる場合は、国際電話として接続される。
しかしながら、発信者には国際電話になることがわからず接続され、国際電話料金が双方に課金され、また、着信者側の時差を無視した接続になるという問題があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、海外ローミング端末の利用者に対する発信のうち、特に、海外等、国内サービス圏外への着信となる場合に、発信者に海外ローミング端末への接続が国際電話となることを通知する海外ローミング端末国際通信通話通知システムを提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
前述の目的を達成するために、本発明は、着信者が国内サービス領域外にいる場合に国内から着信可能な海外ローミング端末を持ち、海外のローミングサービスを提供できる海外ローミング端末国際通信通話通知システムにおいて、国内の通信業者の通信システムは、前記海外ローミング端末を利用する利用者の海外ローミング端末利用者情報を管理するとともに、前記海外ローミング端末の利用者が海外ローミングサービスを利用可能な地域に滞在していることを前記海外ローミング端末利用者情報に登録する手段と、発信者が前記海外ローミング端末の利用者に発信した場合に、前記海外ローミング端末利用者情報を参照し、前記海外ローミング端末の利用者が国内サービス領域外にいる場合に、国際電話となることを前記発信者に通知し、国際電話として接続するか否かを確認させる手段とを有する。
【発明の効果】
【0005】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明によれば、発信者が、着信者が海外に滞在していることを把握することができるので、国際通信通話として接続するか、及び着信側の時差を考慮した通信通話とするかを発信者が判断でき、通信費用の抑制を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明で利用する海外ローミング端末の概略構成を示す機能ブロック図である。図1において、100は海外ローミング端末、101は表示画面部、102はキー等の操作部、103は通話部、104は通信制御部、105はアプリケーションプログラム部、106は海外滞在フラグを示す。
図2は、発信者と、海外ローミング端末の利用者とが通信する通信システムの概略構成を示すブロック図である。
図2において、201は発信側となる携帯及び固定端末、202は発信者の携帯及び固定端末と国内通信業者の交換システムを接続する通信経路、203は発信者の契約先国内通信業者、204は海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者、205は海外ローミング先通信業者、206は海外ローミング先の通信業者システムと海外ローミング端末を結ぶ通信経路、207は着信先となる海外ローミング端末、208は発信者側の国内通信業者の通信システム、209は海外発信国内通信業者の通信システム、210は海外ローミング先通信業者の通信システムを示す。
【0007】
図2において、発信者が着信者と同じ電話会社の場合(例えば、KDDI同士の場合)、海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204は、発信者の契約先国内通信業者203と同じ電話会社となるので、発信者の携帯端末201からの発信は、直接同じ電話会社である海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204の通信システム209に入り、通信システム209の海外ローミングサービスシステムを経由して、海外ローミング先通信業者205の通信システム210に接続される。
また、発信者が着信者とが異なる電話会社の場合(例えば、発信者がKDDI、受信者がNTTドコモの場合)、海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204は、発信者の契約先国内通信業者203とは異なる電話会社となるので、発信者の携帯端末201からの発信は、一旦、発信者の契約先国内通信業者203の通信システム208に入り、そこから海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204の通信システム209に入り、通信システム209の海外ローミングサービスシステムを経由して、海外ローミング先通信業者205の通信システム210に接続される。
【0008】
図3は、図2に示す海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者の通信システム209で管理する、海外ローミング端末を利用する利用者の自社顧客情報のデータベースのレコード例を示す図である。
図3において、301は通常通信に必要な顧客情報(電話番号など)を記録したフィールドを示し、302は海外ローミング端末の利用者が国内或いは海外に滞在しているかを記録するフィールド(即ち、海外滞在フラグ)を示す。
図4は、海外ローミング端末の利用者が国内サービス圏外にいる場合に、発信者に通知する音声或いは画面メッセージの一例を示す図である。
図5は、海外ローミング端末の利用者が海外滞在を登録する際、対象サービス圏外にいる場合に、表示されるエラーメッセージの一例を示す図である。
図6は、海外ローミング端末の利用者が国内サービス圏外にいる旨を国内の顧客情報のデータベースに登録するための海外ローミング端末画面の一例を示す図である。
【0009】
以下、本実施例の海外ローミング端末国際通信通知システムについて説明する。
図7(a)、図7(b)は、本実施例の海外ローミング通知システムにおける、着信側登録処理を示すフローチャートである。
先ず、海外ローミング端末の利用者が、海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者の国内サービス領域以外に滞在している旨を、海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者内に通知するかを決定する(ステップ7010)。
ステップ7010において通知する場合は、海外ローミング端末100(または207)を操作して海外滞在登録するプログラムを起動し(ステップ7020)、利用地域を確認するための通信を開始する(ステップ7030)。
海外ローミング先通信業者205の通信システム210及び海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204の通信システム209は、海外ローミング端末100からの通信が自社サービス領域内かどうかを判定し(ステップ7050、ステップ7060)、利用地域が国内と判定された場合は国内での利用であることを(ステップ7065)、利用地域が海外と判定された場合は海外での利用であること(ステップ7070)を海外ローミング端末100に回答する。
海外ローミング端末100では、通知された利用地域情報をもとに利用地域が国内か海外かを判断し(ステップ7080)、利用地域を特定できなかった場合と国内での利用であった場合、図5に示す登録不可のエラーメッセージを海外ローミング端末100に表示する(ステップ7130)。
【0010】
ステップ7050において、自サービス領域内の場合は海外に滞在している旨を海外ローミング端末100に返答する(ステップ7070)。
海外ローミング端末100は、自端末が海外ローミング領域内にあることを判定し(ステップ7080)、自端末内の海外滞在フラグ106をオンにセットする(ステップ7090)。
自端末の海外滞在フラグ106をオンにした(ステップ7090)後、海外ローミング端末100は、海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204の通信システム209で管理している顧客情報の中の、自端末の利用者の顧客情報内の海外滞在フラグ302をオンにセットする依頼を、海外ローミング先通信業者205の通信システム210に送信する(ステップ7100)。
海外ローミング先通信業者205の通信システム210は、この内容を海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204の通信システム209に中継する(ステップ7110)。
海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204の通信システム209は、管理している顧客情報の中で、通知された海外ローミング端末の利用者の顧客情報の海外滞在フラグ302をオンにセットする(ステップ7120)。
【0011】
次に、国内に滞在する第3者が、海外ローミング端末の利用者に発信した場合(ステップ7140)、海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204の通信システム209が、海外ローミング端末の利用者の顧客情報内の海外滞在フラグ302の状態を確認する(ステップ7150)。
海外滞在フラグ302の状態を確認した結果(ステップ7160)、海外滞在フラグ302がオフの場合は、着信者が国内にいるものとして通常国内通信を行い(ステップ7170)、また、海外滞在フラグ302がオンの場合、着信者が海外滞在していることを、発信者の携帯及び固定端末202に表示または音声通知し(ステップ7180)、発信者の携帯及び固定端末202は、図4に示す通知または音声情報を出力する(ステップ7190)。
発信者は、着信者が海外滞在している情報を了解の上、通信通話を継続するかを判断し(ステップ7200)、ステップ7200において継続しない場合は通信を切断し(ステップ7210)、ステップ7200において継続する場合は、海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204の通信システム209に海外ローミングとしての接続を要求し(ステップ7220)、海外ローミング先通信業者205の通信システム210に接続し(ステップ7230)、海外ローミング端末100に接続する(ステップ7240)。
【0012】
図8は、本実施例の海外ローミング通知システムにおける、海外ローミング端末発信処理を示すフローチャートである。
海外ローミング端末の利用者が、海外ローミング端末100を使用して海外で発信した場合(ステップ8010のYes)、海外ローミング先通信業者205の通信システム210は、通常海外発信処理を行う(ステップ8030)。
一方、海外ローミング端末利用者が、海外ローミング端末100を使用して国内で発信した場合(ステップ8010のNo)、自端末内の海外滞在フラグ106の状態を判定し(ステップ8020)、海外滞在フラグ106がオフの場合は、通常国内通信通話として発信する(ステップ8080)。
国内での発信の場合で、自端末内の海外滞在フラグ106がオンになったままの場合、自端末が国内にあることを、海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204の通信システム209に確認し(ステップ8040)、海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者204の通信システム209は、管理している顧客情報の中で、通知された海外ローミング端末の利用者の顧客情報内の海外滞在フラグ302がオンのままであることを確認し(ステップ8050)、当該顧客情報内の海外滞在フラグ302をオフにセットする(ステップ8060)。
また、海外ローミング端末100は自端末内の海外滞在フラグ106をオフにセットし(ステップ8070)、国内通常発信を行う(ステップ8080)。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明で利用する海外ローミング端末の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】発信者と海外ローミング端末の利用者とが通信する通信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者の通信システムで管理する、海外ローミング端末を利用する自社顧客情報のデータベースのレコード例を示す図である。
【図4】海外ローミング端末の利用者が国内サービス圏外にいる場合に、発信者に通知する音声或いは画面メッセージの一例を示す図である。
【図5】海外ローミング端末の利用者が海外滞在を登録する際、対象サービス圏外にいる場合に表示されるエラーメッセージの一例を示す図である。
【図6】海外ローミング端末の利用者が国内サービス圏外にいる旨を国内の顧客情報のデータベースに登録するための海外ローミング端末画面の一例を示す図である。
【図7(a)】本発明の実施例の海外ローミング通知システムにおける、着信側登録処理を示すフローチャートである。
【図7(b)】本発明の実施例の海外ローミング通知システムにおける、着信側登録処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例の海外ローミング通知システムにおける、海外ローミング端末発信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0014】
100,207 海外ローミング端末
101 表示画面部
102 キー等の操作部
103 通話部
104 通信制御部
105 アプリケーションプログラム部
106 海外滞在フラグ
201 発信側となる携帯及び固定端末
202,206 通信経路
203 発信者の契約先国内通信業者
204 海外ローミング端末利用者の契約先国内通信業者
205 海外ローミング先通信業者
208,209,210 通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信者が国内サービス領域外にいる場合に国内から着信可能な海外ローミング端末を持ち、海外のローミングサービスを提供できる海外ローミング端末国際通信通話通知システムにおいて、
国内の通信業者の通信システムは、海外ローミング端末を利用する利用者の海外ローミング端末利用者情報を管理し、
前記国内の通信業者の通信システムは、前記海外ローミング端末の利用者が海外ローミングサービスを利用可能な地域に滞在していることを前記海外ローミング端末利用者情報に登録する手段と、
発信者が前記海外ローミング端末の利用者に発信した場合に、前記海外ローミング端末利用者情報を参照し、前記海外ローミング端末の利用者が国内サービス領域外にいる場合に、国際電話となることを前記発信者に通知し、国際電話として接続するか否かを確認させる手段とを有することを特徴とする海外ローミング端末国際通信通話通知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−147724(P2008−147724A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328925(P2006−328925)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(391002409)株式会社 日立システムアンドサービス (205)
【Fターム(参考)】