説明

海面上の小目標捜索支援方法

【課題】航空機乗員がモニタ画面から目を離している場合においても、海面に浮遊する小目標の検出に関する捜索支援情報を乗員に伝えるための手段を提供する。
【解決手段】航空機に搭載された赤外線撮像装置等を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援方法において、目標抽出処理部15で算出した小目標の位置と航空機の位置の距離差に応じて、音信号変換部18により音の強弱や間隔の変動を用いてヘッドフォン19に音の信号を出力し、乗員が赤外線撮像装置10のモニタ13の画面を見ていないときでも捜索対象とする小目標が航空機の近傍にあることを乗員に知らせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は海面に浮遊した小目標を上空から航空機等に搭載された赤外線撮像装置で撮像して航空機等の乗員が捜索を行う海面上の小目標捜索支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は航空機に搭載された一般的な赤外線撮像装置のモニタ画面を示す図である。夜間等に海面に浮遊する小目標の捜索にあたっては、航空機に搭載された赤外線撮像装置で撮像した画像を乗員が、図10全体に示すモニタ画面100を目視し捜索対象となっている小目標の存在の有無を判定して小目標の捜索活動を行っている。撮像画像の他にモニタ画面100上に表示される付加情報例として、日時に関する情報が表示領域101に、機体に関する情報が表示領域102に、赤外線撮像装置(以下、カメラと記す)に関する情報が表示領域103に表示される。表示領域104には航空機に搭載されたカメラと撮像画面中心までの距離が海里(NM:Nautical Mile)の単位で示される。
【0003】
航空機に固定されたカメラは初期状態で初期値(例えば、航空機の真下)に向けられており、このときカメラの左右旋回角度を示すマーク105およびカメラの上下旋回角度を示すマーク106はそれぞれ目盛107および108の略中央にある。カメラを左右に旋回させるとマーク105は目盛107上を左右に移動する。カメラを上下に旋回させるとマーク106は目盛108上を上下に移動する。
【0004】
モニタ画面100上には小目標に関する付加情報は表示されていない。このため、乗員は機内のモニタ画面100を目視して小目標の存在の有無を判定し、判定後に実際に機外の海面を直接目視して小目標を捜索しなおすといった動作を繰り返し行っている。そのため、捜索に時間がかかっているのが現状である。
【0005】
特許文献1に記載の発明は、捜索レーダのレーダエコーから特定の目標を識別し、強調表示する機能を備えた捜索レーダシステムおよび捜索レーダシステムの目標表示方法に関し、レーダエコーの表示画面上における特定の目標について、その目標位置をエコーの特徴とともに明確にレーダオペレータに提示するものである。具体的には、目標のエコーに対して輝度情報に加え予め設定された色指定情報に従い色情報を付加して画像処理を行い、色情報が付加された目標のエコーを他のエコーと合成し、カラーモニタに表示する。
【0006】
【特許文献1】特開2001−272456号公報(段落[0014]〜[0028]、図1、図2および要約書参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の捜索レーダシステムおよび捜索レーダシステムの目標表示方法、あるいは上述した従来技術による海面に浮遊する小目標の捜索方法では、モニタ画面に捜索対象らしき小目標が多数映し出され刻一刻と変動する場合に、乗員はモニタ画面を見てそれらすべてに対して捜索対象らしさを自己判定し、その度合いの高そうなものの捜索を行っている。そのため、捜索中はモニタ画面を注視する必要があり、航空機の操縦に関する操作(計器類の確認,スイッチ類の操作等)に専念出来ないだけでなく、逆に操縦中はモニタ画面を見ることができず捜索活動に専念出来ないという問題がある。
【0008】
また、このような状況においては、航空機乗員がモニタ画面から目を離している時に目標検出情報がモニタ画面に表示されたとしても見落としてしまう恐れがあるという問題がある。
【0009】
したがって、本発明は上述した問題を解決し、航空機乗員がモニタ画面から目を離している場合においても、目標検出に関する情報を乗員に伝えるための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の第一形態による海面上の小目標捜索支援方法は、航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援方法において、前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機の位置との距離差に応じて音の強弱及び間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力することを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成する本発明の第二形態による海面上の小目標捜索支援方法は、航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援方法において、前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機との位置の距離差に応じて振動の強弱及び間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成する本発明の第三形態による海面上の小目標捜索支援方法は、航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援方法において、前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機との位置の距離差に応じて光の強弱及び点滅間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第一形態によれば、音による本捜索乗員支援方法を適用することにより、従来乗員が操縦操作等でモニタ画面を見ていないときに見逃していた捜索対象の有無を知ることができる。
【0014】
本発明の第一形態では、航空機内は騒音が大きいので、音による乗員への通知では騒音によりかき消される場合がある。このような場合の他の手段として、本発明の第二形態によれば、乗員に振動パッド等による通知をすることにより、乗員が操縦操作等でモニタ画面を見ていないときや騒音時に見落としていた捜索対象の有無を知ることができる。
【0015】
本発明の第三形態によれば、乗員が操縦操作等に見ている計器類等の視野内にあるLED等を点灯または点滅させることにより、乗員に通知をすることで、乗員が操縦操作等でモニタ画面を見ていないときに見逃していた捜索対象の有無を知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る赤外線撮像装置の概略ブロック構成図である。回転翼機、固定翼機等の航空機に搭載された図1全体に示す赤外線撮像装置10では撮像部11により得られた画像信号を信号処理部12内で補正処理を行い、重畳処理部16で補正処理した画像信号と機体情報等とを重畳し、画像調整部17で画像化処理を行い、モニタ13の画面に表示している。補正処理部14で補正処理を実施した後に、目標抽出処理部15で二値化処理、エッジ抽出、特徴抽出、パターンマッチング等の一般的な目標抽出処理を実施する。
【0017】
本発明は小目標と機体(撮像装置搭載機)との距離差に応じて下記のように出力する。
第1実施形態では、音(近いほど大きい音、間隔の短い音)を出力する。
第2実施形態では、振動(近いほど大きな振動、間隔の短い振動)を出力する。
第3実施形態では、光(近いほど明るい光、間隔の短い光)を出力する。
【0018】
再び図1に戻る。信号処理部12における目標抽出処理部15の目標抽出処理において小目標と機体(撮像装置搭載機)との距離差を算出し、音信号変換部18は算出された距離差に応じて、その距離差が近いほど大きい音または間隔の短い音をヘッドフォン等に出力する。しかるに、目標抽出処理部15では小目標の捜索対象らしさの度合いを判定し、音信号変換部18は目標抽出処理で得られた小目標の捜索対象らしさの度合いに対応して音信号の強弱や間隔を変動させる音変換処理を行ってもよい。このように、乗員が装着しているヘッドフォン19等を介して音が乗員に伝えられるので、乗員がモニタ画面を見ていなくても小目標の捜索に支障はない。
【0019】
距離差または捜索対象らしさの度合いに基づいて音信号の強弱や間隔を変動させるに当たっては、予め距離差(または捜索対象らしさの度合い)と音の強さ(または間隔)とを対応づけて設定したテーブルを、音信号変換部18がアクセス可能な記憶装置に記憶させ、該テーブルを参照することで出力すべき音信号の強弱や間隔を求めることもできる。なお、どの程度の距離差(または捜索対象らしさの度合い)をどの程度の音の強さ(または間隔)と対応付けるかは、本装置の利用者が適宜設計できる。また、音の変化は対象物と機体との距離差だけではなく、赤外線撮像装置が検出した、対象物と対象物周囲(例えば海面)との温度差に基づいて変化させてもよい。
【0020】
また、音信号変換部18による音変換処理は、プログラムによって表現され、コンピュータにロードされることでコンピュータに該処理を実行させるように構成してもよい。また、信号処理部12内のその他の処理も同様にコンピュータにプログラムを実行させるよう構成してもよい。
【0021】
図2は本発明の第2実施形態に係る赤外線撮像装置の概略ブロック構成図である。
信号処理部22における目標抽出処理部25の目標抽出処理において、小目標と機体(撮像装置搭載機)との距離差を算出し、振動信号変換部28は算出された距離差に応じて、その距離差が近いほど大きな振動、間隔の短い振動を振動パッド等に出力する。しかるに、目標抽出処理部25では小目標の捜索対象らしさの度合いを判定し、振動信号変換部28は目標抽出処理で得られた小目標の捜索対象らしさの度合いに対応して振動の強弱や間隔を変動させる振動変換処理を行ってもよい。このように、乗員に装着された振動パッド29等を介して振動が乗員に伝えられるので、乗員がモニタ画面を見ていなくても小目標の捜索に支障はない。
【0022】
距離差または捜索対象らしさの度合いに基づいて振動の強弱や間隔を変動させるに当たっては、予め距離差(または捜索対象らしさの度合い)と振動の強弱(または間隔)とを対応づけて設定したテーブルを、振動信号変換部28がアクセス可能な記憶装置に記憶させ、該テーブルを参照することで出力すべき振動信号の強弱や間隔を求めることもできる。なお、どの程度の距離差(または捜索対象らしさの度合い)をどの程度の振動の強弱(または間隔)と対応付けるかは、本装置の利用者が適宜設計できる。また、振動の強弱(または間隔)の変化は対象物と機体との距離差だけではなく、赤外線撮像装置が検出した、対象物と対象物周囲(例えば海面)との温度差に基づいて変化させてもよい。
【0023】
また、振動信号変換部28による振動変換処理は、プログラムによって表現され、コンピュータにロードされることでコンピュータに該処理を実行させるよう構成してもよい。また信号処理部22内のその他の処理部も同様にコンピュータにプログラムを実行させるよう構成してもよい。
【0024】
図3は本発明の第3実施形態に係る赤外線撮像装置の概略ブロック構成図である。
信号処理部32における目標抽出処理部35の目標抽出処理において小目標と機体(撮像装置搭載機)との距離差を算出し、光信号変換部38は算出された距離差に応じて、その距離差が近いほど明るい光または間隔の短い光を出力する。しかるに、目標抽出処理部35では小目標の捜索対象らしさの度合いを判定し、光信号変換部38は目標抽出処理で得られた小目標の捜索対象らしさの度合いに対応して光の強弱や間隔を変動させる光変換処理を行ってもよい。このように、乗員の視界にある計器類に設置されたLED39等を介して光信号が乗員に伝えられるので、乗員がモニタ画面を見ていなくても小目標の捜索に支障はない。
【0025】
距離差または捜索対象らしさの度合いに基づいて光の強弱や間隔を変動させるに当たっては、予め距離差(または捜索対象らしさの度合い)と光の強弱(または間隔)とを対応づけて設定したテーブルを、光信号変換部38がアクセス可能な記憶装置に記憶させ、該テーブルを参照することで出力すべき光信号の強弱や間隔を求めることもできる。なお、どの程度の距離差(または捜索対象らしさの度合い)をどの程度の光の強弱(または間隔)と対応付けるかは、本装置の利用者が適宜設計できる。また、光の強弱(または間隔)の変化は対象物と機体との距離差だけではなく、赤外線撮像装置が検出した、対象物と対象物周囲(例えば海面)との温度差に基づいて変化させてもよい。
【0026】
また、光信号変換部38による光変換処理は、プログラムによって表現され、コンピュータにロードされることでコンピュータに該処理を実行させるよう構成してもよい。また信号処理部32内のその他の処理部も同様にコンピュータにプログラムを実行させるよう構成してもよい。
【0027】
図4は本発明の第1〜3実施形態に係る赤外線撮像装置における信号処理部によるカラーモニタ画面の表示処理の第1具体例を説明するブロック構成図である。図4全体に示す赤外線撮像装置40では、撮像部41により得られた画像信号に信号処理部42内で補正処理を行い、重畳処理部46で補正処理部44の出力と後述するシンボル割付処理部45Aの出力と日時、機体および装置の情報等とを重畳し、画像調整部47で重畳処理部46からの出力の画像化処理を行い、画像調整部47から出力された画像データをモニタ43の画面に表示している。補正処理部44で補正処理を実施した後に、目標抽出処理部45で二値化処理、エッジ抽出、特徴抽出、パターンマッチング等の一般的な目標抽出処理が実施される。
【0028】
目標抽出処理部45で目標抽出処理を実施して得られた小目標に対して、シンボル割付処理部45Aではそのときに得られた捜索対象らしさの度合い(例えば、ある閾値に対してどれ位上回っているか、あるパターンにどれ位似ているか等)を用いて、その度合いのレベルに応じてシンボル割付処理部45Aで予め割り当てられた色および/または形状の異なるシンボルを割り振るシンボル割付処理を実施して、重畳処理部46による重畳処理にて補正処理部44の出力画像信号と日時、機体および装置の情報等と、シンボル割付処理部45Aからの出力とを重畳し、小目標近傍にそれぞれのシンボル情報を付してカラーモニタ43の画面上に表示する。
【0029】
次に、モニタ画面に乗員の負荷軽減を図る情報を重畳表示する方法について説明する。
図5は図4に示すモニタ画面で捜索を行う乗員の負荷を軽減するためのカラー表示の例を示す図であり、(A)は小目標の捜索対象らしさの度合いが高い程円の大きさが大きく表示される例を示す図であり、(B)は小目標の捜索対象らしさの度合いが高い程棒の長さが長く表示される例を示す図であり、(C)は小目標の捜索対象らしさの度合いが数値で表示される例を示す図である。図5の(A)〜(C)においてRは赤、Yは黄、Lは青を意味し、形状(円、バー(棒))および数値がこれらの色で画面上に表示される。
【0030】
図5の(A)および図5の(B)の表示例では、小目標の捜索対象らしさの度合いが高い順に赤→黄→青で表すとともに、形状(円、バー(棒))も度合いの高い順にシンボルの大きさ(/長さ)を大(/長)→中→小(/短)で表している。
図5の(C)の表示例では、小目標の捜索対象らしさの度合いが高い順に赤→黄→青で表すとともに、数値(81、75、53、46、37)で表している。
【0031】
図6は図4に示すモニタ画面で捜索を行う乗員の負荷を軽減するための白黒表示の例を示す図であり、(A)は小目標の捜索対象らしさの度合いが高い程円の大きさが大きく表示される例を示す図であり、(B)は小目標の捜索対象らしさの度合いが高い程棒の長さが長く表示される例を示す図であり、(C)は小目標の捜索対象らしさの度合いを数値で表示される例を示す図である。図7は図4に示すモニタ画面で捜索を行う乗員の負荷を軽減するための白黒表示の例を示す図であり、小目標の捜索対象らしさの度合いが異なる形状で表示される例を示す図である。
【0032】
白黒モニタ画面では、図5を用いて説明したカラーモニタ画面の様な捜索対象らしさの度合いに対応した色分けによる表示は不可能なため、形状や数値のみによる表示を行う。
図6の(A)および図6の(B)に示す表示例では、小目標の捜索対象らしさの度合いが高い順にシンボルの大きさを大(/長さ)→小(/短)で表している。
図6の(C)に示す表示例では、小目標の捜索対象らしさの度合いを数値(88、72、63、51、33)で表している。
図7に示す表示例では、小目標の捜索対象らしさの度合いを種々の異なる形状で表している。
【0033】
上記モニタ画面に乗員の負荷軽減を図る情報を重畳表示によれば、捜索乗員支援表示をすることにより、従来のモニタ表示画面にはなかった捜索対象情報が重畳されることで乗員がモニタ画面を見て捜索対象らしき小目標があるときだけ機外を見れば良いことになるので、捜索活動の効率化を図ることができる。
【0034】
図8は本発明の第1〜3実施形態に係る赤外線撮像装置における信号処理部によるモニタ画面の表示処理の第2具体例を説明するブロック構成図である。図8全体に示す赤外線撮像装置80では、撮像部81により得られた画像信号に信号処理部82内で補正処理を行い、重畳処理部86で補正処理部84の出力と後述するシンボル割付処理部85Aの出力と日時、機体および装置の情報等とを重畳し、画像調整部87で重畳処理部86から出力された画像データの画像化処理を行い、画像調整部87から出力された画像データをモニタ83の画面に表示している。補正処理部84で補正処理を実施した後に、目標抽出処理部85で二値化処理、エッジ抽出、特徴抽出、パターンマッチング等の一般的な目標抽出処理が実施される。
【0035】
信号処理部82における目標抽出処理部85の目標抽出処理において小目標の捜索対象らしさの度合いが判定され、優先順位判定処理85Bにて機体に近い順や度合いの高い順等の情報を元に捜索順位を求め、その捜索順位を元にシンボル割付処理部85Aでシンボル割付処理を行い、補正処理部84の出力画像信号と、日時、機体および装置の情報等と、シンボル割付処理部85Aからの出力とを重畳して、小目標近傍にそれぞれのシンボル情報を付してカラーモニタ83の画面上に表示する。
【0036】
次に、捜索対象らしき小目標がモニタ画面上に多数映し出された場合に、乗員がそれらすべての小目標に対して捜索対象か非対象かを判定し、捜索する優先順位を決定し、それに従って捜索開始し飛行するまでにはかなりの時間を要するので、上述した捜索乗員支援表示に加えて、捜索優先順位情報を表示することによって捜索時間の短縮を図る方法について以下に説明する。
【0037】
図9は図8に示すモニタ画面で捜索を行う乗員の負荷を軽減するための表示の例を示す図であり、(A)は優先順位の高い順に捜索をする指示(矢印)が表示される例を示す図であり、(B)は優先順位を数値にて表す例を示す図である。
図9の(A)に示す表示例では、優先順位の高い順に捜索をする指示(矢印)が表示されている。ここでは優先順位の高い順に異なる色を用いている。
図9の(B)に示す表示例では、優先順位を数値(1、2、3、4、5)にて表している。
【0038】
上記捜索優先順位情報の表示によれば、捜索乗員支援表示における捜索優先順位表示をすることにより、従来はモニタ画面に映し出された捜索対象を自己判断でくくまなく捜索することでかかっていた捜索時間を短縮することが可能となる。
【0039】
(付記1)
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援方法において、
前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機の位置との距離差に応じて音の強弱及び間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力することを特徴とする海面上の小目標捜索支援方法。
【0040】
(付記2)
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援方法において、
前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機との位置の距離差に応じて振動の強弱及び間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力することを特徴とする海面上の小目標捜索支援方法。
【0041】
(付記3)
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援方法において、
前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機との位置の距離差に応じて光の強弱及び点滅間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力することを特徴とする海面上の小目標捜索支援方法。
【0042】
(付記4)
前記出力装置による出力を、前記小目標の位置と前記航空機の位置との距離差に代えて、前記小目標の温度と該小目標の周囲の温度との間の温度差に応じて変化させる、
付記1乃至3の何れか一つに記載の小目標捜索支援方法。
【0043】
(付記5)
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援のために用いられるプログラムであって、
コンピュータに、
前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機の位置との距離差に応じて音の強弱及び間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力するよう実行させることを特徴とするプログラム。
【0044】
(付記6)
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援のために用いられるプログラムであって、
コンピュータに、
前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機との位置の距離差に応じて振動の強弱及び間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力するよう実行させることを特徴とするプログラム。
【0045】
(付記7)
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援のために用いられるプログラムであって、
コンピュータに、
前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機との位置の距離差に応じて光の強弱及び点滅間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力するよう実行させることを特徴とするプログラム。
【0046】
(付記8)
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援装置において、
前記装置と接続され、小目標の位置と前記航空機の位置との距離差に応じて音の強弱及び間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力する出力装置を備えたことを特徴とする海面上の小目標捜索支援装置。
【0047】
(付記9)
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援装置において、
前記装置と接続され、小目標の位置と前記航空機との位置の距離差に応じて振動の強弱及び間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力する出力装置を備えたことを特徴とする海面上の小目標捜索支援装置。
【0048】
(付記10)
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援装置において、
前記装置と接続され、小目標の位置と前記航空機との位置の距離差に応じて光の強弱及び点滅間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力する出力装置を備えたことを特徴とする海面上の小目標捜索支援装置。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態に係る赤外線撮像装置の概略ブロック構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る赤外線撮像装置の概略ブロック構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る赤外線撮像装置の概略ブロック構成図である。
【図4】本発明の第1〜3実施形態に係る赤外線撮像装置における信号処理部によるモニタ画面の表示処理の第1具体例を説明するブロック構成図である。
【図5】図4に示すモニタ画面で捜索を行う乗員の負荷を軽減するための白黒表示の例を示す図であり、(A)は小目標の捜索対象らしさの度合いが高い程円の大きさが大きく表示される例を示す図であり、(B)は小目標の捜索対象らしさの度合いが高い程棒の長さが長く表示される例を示す図であり、(C)は小目標の捜索対象らしさの度合いを数値で表示される例を示す図である。
【図6】図4に示すモニタ画面で捜索を行う乗員の負荷を軽減するための白黒表示の例を示す図であり、(A)は小目標の捜索対象らしさの度合いが高い程円の大きさが大きく表示される例を示す図であり、(B)は小目標の捜索対象らしさの度合いが高い程棒の高さが高く表示される例を示す図であり、(C)は小目標の捜索対象らしさの度合いを数値で表示される例を示す図である。
【図7】図4に示すモニタ画面で捜索を行う乗員の負荷を軽減するための白黒表示の例を示す図であり、小目標の捜索対象らしさの度合いが異なる形状で表示される例を示す図である。
【図8】本発明の第1〜3実施形態に係る赤外線撮像装置における信号処理部によるモニタ画面の表示処理の第2具体例を説明するブロック構成図である。
【図9】図8に示すモニタ画面で捜索を行う乗員の負荷を軽減するための表示の例を示す図であり、(A)は優先順位の高い順に捜索をする指示(矢印)が表示される例を示す図であり、(B)は優先順位を数値にて表す例を示す図である。
【図10】航空機に搭載された一般的な赤外線撮像装置のモニタ画面を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
10、20、30、40、 赤外線撮像装置(赤外線カメラ)
11、21、31、41、81 撮像部
12、22、32、32、82 信号処理部
13、23、33、43、83 モニタ
18 音信号変換部
28 振動信号変換部
38 光信号変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援方法において、
前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機の位置との距離差に応じて音の強弱及び間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力することを特徴とする海面上の小目標捜索支援方法。
【請求項2】
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援方法において、
前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機との位置の距離差に応じて振動の強弱及び間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力することを特徴とする海面上の小目標捜索支援方法。
【請求項3】
航空機に搭載された装置を用いて、航路上に沿ってスキャニングしながら海面に浮遊する小目標を捜索する海面上の小目標捜索支援方法において、
前記装置と接続された出力装置により、小目標の位置と前記航空機との位置の距離差に応じて光の強弱及び点滅間隔のいずれかまたは両方を変化させて出力することを特徴とする海面上の小目標捜索支援方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−32650(P2008−32650A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−208924(P2006−208924)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】