説明

消臭剤組成物

【課題】特に浴室の臭いに対して優れた消臭効果とその持続性を示す消臭剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)スペアミント油、ハッカ油、ペパーミント油、メントール、メントン、イソメントン、カルボンをそれぞれ特定範囲で含有する香料組成物、(b)分子量90〜500の多価カルボン酸、並びに(c)グリコール系溶剤を含有し、(a)/〔(b)+(c)〕が質量比で1/50〜1/500である消臭剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭剤組成物及び該消臭剤組成物を含有する浴室用消臭洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ハッカオイルやスペアミントオイルを用いた防臭剤組成物の技術は特許文献1に記載されている。また、クエン酸などの多価カルボン酸及び溶剤を用いた消臭剤の技術も知られており、特許文献2を参考にすることができる。一方、香料を含有する浴室用消臭洗浄剤の技術については特許文献3を参考にすることができ、該公報に用いる香料成分としてハッカオイルやスペアミントオイルが記載されている。また、消臭成分の技術は特許文献4、非特許文献1ならびに非特許文献2を参考にすることができる。
【特許文献1】特開2004-277554号公報
【特許文献2】特開2004-89358号公報
【特許文献3】特開2003-183698号公報
【特許文献4】特開2005-137868号公報
【非特許文献1】「普及版 防脱臭技術集成」石黒辰吉監修、(株)エヌ・ティー・エス、2002年12月10日初版第二刷
【非特許文献2】「消・脱臭技術の進歩と実務」西田耕之助監修、(株)総合技術センター、1993年3月8日第2版第1刷
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、生活空間の消臭に関心が高まりつつあり、各用途に応じて各種の消臭剤が開発されているが、これらは室内空間、トイレ、生ごみや台所などの臭いを対象とするものであり、浴室の消臭については議論されていない。浴室の臭いは人体から洗浄除去された皮脂や汗などの臭いばかりか、排水口の臭い、カビ臭などさまざまな臭いが複雑に交じり合ったものであり、しかもこれらはシャンプーやリンスなどの洗浄剤に含まれるシリコーン化合物、皮脂に由来するオイル状物質などにより浴室表面に強固に付着している。このような臭いは通常の浴室洗浄剤により洗浄することで洗浄初期には緩和されるが、しばらく放置すると再び臭いが発生するという課題がある。また、一般の消臭剤を用いて消臭することが考えられるが、浴室の表面は水により洗い流される状態にあり、消臭成分も除去されてしまい、消臭効果の持続性を期待することができない。従って、優れた消臭効果と消臭効果の持続性を有する浴室に効果的な消臭剤の開発が望まれている。
【0004】
特許文献1は、特定のハーブ系香料を含有する防臭剤の技術を開示するものであるが、食器洗いスポンジなどに高濃度に接触させて用いるものであり、浴室消臭に特有の課題やその解決手段の示唆はない。また、特許文献2、3は、浴室にも適用できるものであるが、消臭効果と消臭効果の持続性については更なる改善が望まれる。また、浴室用の洗浄剤組成物に消臭効果を付与することは望ましいものであるが、消臭効果とその持続性に優れ、且つ浴室汚れ(皮脂汚れやセッケンカス)に対して高い洗浄力を示すものは見出されていなかった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、優れた消臭効果と消臭効果の持続性を有する浴室に効果的な消臭剤組成物、及び、消臭効果とその持続性に優れ、且つ浴室汚れに対して高い洗浄力を示す浴室用消臭洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(a)下記(a1)から選ばれる香料成分(a1)を香料組成物中に10質量%以上含有する香料組成物〔以下、(a)成分という〕、(b)分子量90〜500の多価カルボン酸又はその塩〔以下、(b)成分という〕、並びに(c)logPが−0.7〜3の溶剤〔以下、(c)成分という〕を含有し、(a)/〔(b)+(c)〕が質量比で1/50〜1/500である消臭剤組成物に関する。
(a1);スペアミント油、ハッカ油、ペパーミント油、メントール、メントン、イソメントン、カルボン
【0007】
また、本発明者らは、上記本発明の消臭剤組成物を(a)成分〜(c)成分の合計で1〜20質量%、(d)界面活性剤〔以下、(d)成分という〕を5〜15質量%、及び水を含有する浴室用消臭洗浄剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、浴室の臭いに対して優れた消臭効果と消臭効果の持続性を示す消臭剤組成物が得られる。また、この消臭剤組成物に界面活性剤を組み合わせることにより、浴室空間に消臭成分であるスペアミント油やハッカ油やペパーミント油またはそれらの植物精油に含まれる成分を有効に残留させることが可能であり、浴室洗浄後、長時間にわたって消臭効果が持続され、しかも、浴室汚れ(皮脂汚れやセッケンカス)に対して高い洗浄力を示すため、優れた浴室用消臭洗浄剤組成物が提供される。
【0009】
また、スペアミント油やハッカ油やペパーミント油またはそれらの植物精油に含まれる成分の他に、特定のグリーン系香料やフルーティ系香料を組み合わせることで、さらに消臭効果の持続性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
室内空間、トイレ、生ごみや台所などの臭いとしては硫化水素、メルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドなどの含硫黄化合物やアンモニア、インドールなどの含窒素化合物が知られており、またカビ臭として2−メチルイソボルネオール、ジオスミン、1−オクテン−3−オールなどが知られている。下水道設備の進歩や防汚・抗菌素材の使用により、これら臭気の発生は抑制されている。本発明者らは、浴室の「こもった臭い」「むっとした臭い」の原因を究明した結果、脂肪族アルデヒドとして、ブタナール、ペンタナール、イソペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、及びドデカナールが、脂肪酸として、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、オレイン酸、及びパルミチン酸が、また芳香族アルコールとして、フェノール及びクレゾールが主な臭気の原因物質であり、特に、ヘキサナール、ノナナール及びデカナール、並びにヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸及びデカン酸が、「こもった臭い」に特有な成分であることを解明した。また、本発明者らはこれら臭気原因物質に対する消臭効果を得るべく鋭意検討の結果、特定のハーブミント系香料もしくはこれらハーブミント系香料とある特定のグリーン系香料やフルーティ系香料との組み合わせである香料成分が上記臭気原因物質に対して優れた消臭効果を示すことを見出した。以下、本発明の(a)〜(c)成分等を中心に説明する。
【0011】
〔消臭剤組成物〕
<(a)成分>
本発明の(a)成分は、スペアミント油、ハッカ油、ペパーミント油、メントール、メントン、イソメントン、カルボンから選ばれる香料成分〔以下(a1)成分という〕を香料組成物中に10質量%以上含有する香料組成物である。スペアミント油、ハッカ油、ペパーミント油は天然植物を例えば水蒸気蒸留などの方法により抽出した植物精油であり、一般に多数の香料成分の混合物である。これらの主成分はメントール、メントン、イソメントン、カルボンであり、植物精油中に合計60〜80質量%含まれており、本発明の消臭効果を有する主成分である。また、植物精油以外に合成香料又は単離香料のメントール、メントン、イソメントン、カルボンを用いても本発明の効果を得ることができる。また、植物精油中の他の成分の合成香料又は単離香料を組み合わせてもよい。他の成分とはスペアミント油、ハッカ油、ペパーミント油に含まれるメントール、メントン、イソメントン、カルボン以外の成分であり、具体的には、以下の合成香料又は単離香料を、メントール、メントン、イソメントン、カルボンの合計60〜80質量部に対して、下記割合で(a1)成分として配合してもよい。
・リモネン;1〜13質量部
・1,8-シネオール;0.1〜6質量部
・3-オクタノール;0〜2質量部
・ピペリトン;0〜2質量部
・プレゴン;0〜5質量部
・メンチルアセテート;0〜5質量部
・ネオメントール;0〜5質量部
・メントフラン;0〜5質量部
【0012】
すなわち本発明では、(a1)成分はスペアミント油、ハッカ油、ペパーミント油、メントール、メントン、イソメントン、カルボンのみから構成されているか、或いはメントール、メントン、イソメントン、カルボンの割合が60〜80質量部に対して、他の香料成分が前記配合表の割合で調合された調合香料を指す。
【0013】
本発明の(a)成分は(a1)成分のみから構成されていてもよい。しかしながら、他の香料成分と併用する場合は、本発明の(a1)成分であるメントール、メントン、イソメントン、カルボンが(a)成分である香料組成物中に10質量%以上、好ましくは30質量%以上、特に好ましくは50質量%以上になるように天然精油、合成香料、単離香料を組み合わせることが好ましい。本発明の(a1)成分は、優れた消臭効果に加えて、清涼感や清潔感のある香りであり、浴室のこもった臭いに対する消臭剤および消臭洗浄剤として良好な香料成分である。
【0014】
本発明の(a)成分には、消臭持続性の点から下記(a2)から選ばれる香料成分(a2)〔以下、(a2)成分という〕を含有することが好ましい。
(a2);ジヒドロミルセノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドと3,5-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドの混合物(商品名=トリプラール/アイエフエフ社または商品名=リグストラール/クエスト社)、4-tert-3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール(商品名=リリアール/ジボダン社)、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドと3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドの混合物(商品名=リラール/アイエフエフ社)、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、ダイナスコン、シクロヘキシルサリシレート、2-シクロヘキシルプロピオン酸エチル(商品名=ポアレネート/花王)、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-2-カルボキシレート(商品名=フルテート/花王)、2,2,5,5-テトラメチル-4-イソプロピル-1,3-ジオキサン(商品名=ベルドキサン/花王)、2-メチルペンチル 2-メチルペンチレート(商品名=ペラナット/花王)、3,6(4,6)-ジメチル-3-シクロヘキセン-1カルボアルデハイド(商品名=シクロベルタール/花王)。尚、ダイナスコンはα-ダイナスコン、β-ダイナスコン、またはα-ダイナスコンとβ-ダイナスコンの混合物(商品名=ダイナスコン10/フィルメニッヒ社)でもよい。
【0015】
これら(a2)成分は、グリーン系やフルーティ系の香料であり、(a1)成分と組み合わせることによって、より消臭効果を持続させることができる物質であり、特にジヒドロミルセノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドと3,5-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドの混合物(商品名=トリプラール/アイエフエフ社または商品名=リグストラール/クエスト社)、4-tert-3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール(商品名=リリアール/ジボダン社)、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドと3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドの混合物(商品名=リラール/アイエフエフ社)、ダマセノン、α-ダイナスコン、β-ダイナスコン、α-ダイナスコンとβ-ダイナスコンの混合物(商品名=ダイナスコン10/フィルメニッヒ社)、2,2,5,5-テトラメチル-4-イソプロピル-1,3-ジオキサン(商品名=ベルドキサン/花王)、2-メチルペンチル 2-メチルペンチレート(商品名=ペラナット/花王)、3,6(4,6)-ジメチル-3-シクロヘキセン-1カルボアルデハイド(商品名=シクロベルタール/花王)が好適である。
【0016】
また、(a1)成分/(a2)成分の質量比は50/1〜1/4、更に10/1〜1/2、特に4/1〜1/1が好ましい。
【0017】
本発明の(a)成分には上記(a1)成分及び(a2)成分以外の香料成分を含有でき、香りの設計を自由に行うことができる。使用できる香料成分としては「香料の調香の基礎知識」中島基貴著、産業図書(株)1995年6月21日初版に記載のものを使用することができる。
【0018】
(a)成分中には、溶剤や希釈剤を用いることがあるが、本発明において上記香料組成物(a)、並びに(a1)成分及び(a2)成分の配合量は全て、これらの溶剤、希釈剤を除いた質量%または質量比とする。溶剤、希釈剤の例としては、安息香酸ベンジル、エタノール、エチレングリコール、クエン酸トリエチル、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。
【0019】
<(b)成分>
本発明の(b)成分は分子量90〜500の多価カルボン酸又はその塩であり、具体的には下記(b1)〔以下、(b1)成分という〕及び(b2)〔以下、(b2)成分という〕から選ばれる化合物が好適である。
(b1);ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸、アルキルグリシン-N,N-ジ酢酸、アスパラギン酸-N,N-ジ酢酸、セリン-N,N-ジ酢酸、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミンコハク酸などのアミノポリ酢酸またはこれらの塩、好ましくはアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩。
(b2)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキメチル酒石酸などの有機酸またはこれらのアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩。
【0020】
本発明では特に(b1)成分としてエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸が好ましく、(b2)成分としてはクエン酸が好適である。また、本発明では(b1)成分及び(b2)成分を併用することが好ましく、(b1)成分/(b2)成分の質量比は、好ましくは1/20〜2/1、更に好ましくは1/10〜1.5/1、特に好ましくは1/30〜3/1である。
【0021】
<(c)成分>
本発明の(c)成分は、logPが−0.7〜3、好ましくは−0.1〜2、特に好ましくは0.5〜1.6の溶剤である。ここでlogPとは、有機化合物の水と1-オクタノールに対する親和性を示す係数である。1-オクタノール/水分配係数Pは、1-オクタノールと水の2液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPの形で示すのが一般的である。多くの化合物のlogP値が報告され、Daylight Chemical Information Systems, Inc. (Daylight CIS)などから入手しうるデータベースには多くの値が掲載されているので参照できる。実測のlogP値がない場合には、Daylight CISから入手できるプログラム“CLOGP”で計算すると最も便利である。このプログラムは、実測のlogP値がある場合にはそれと伴に、Hansch, Leoのフラグメントアプローチにより算出される“計算logP(ClogP)”の値を出力する。フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(cf. A. Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C. Hansch, P.G. Sammens, J.B. Taylor and C.A. Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990)。このClogP値は現在最も汎用的で信頼できる推定値であるので、化合物の選択に際して実測のlogP値の代わりに用いることができる。本発明では、logPの実測値があればそれを、無い場合はプログラムCLOGP v4.01により計算したClogP値を用いた。
【0022】
このようなLogPを有する有機溶剤としては下記一般式(1)、一般式(2)及び一般式(3)の化合物が好適である。
11-OH (1)
〔式中R11は、炭素数4〜8の炭化水素基、好ましくはアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基である。〕
21-(O-R22a-O-R23 (2)
〔式中、R21、R23は、水素原子、R24CO-、炭素数1〜8の炭化水素基、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、またはアリールアルキル基であり、R22は炭素数2〜9の分岐鎖を有していてもよいアルキレン基である。aは1〜5の数である。ここでR24は炭素数1〜3のアルキル基である。〕
31-O-CH2CH(O-R32)CH2-O-R33 (3)
〔式中R31は、炭素数3〜8のアルキル基であり、R32、R33は水素原子又はヒドロキシ基で置換していてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。〕
【0023】
一般式(1)のより具体的に好ましい化合物としては、n-ヘキサノール、シクロヘキサノール、フェノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等が挙げられる。
【0024】
また、一般式(2)のより具体的に好ましい化合物としてはエタノール、イソプロピルアルコール、イソプレングリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレン(平均付加モル数1〜5)モノメチルエーテル、ポリオキシプロピレン(平均付加モル数1〜5)モノエチルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数1〜5)モノフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数1〜5)モノベンジルエーテル、水溶性溶剤が挙げられる。
【0025】
また、一般式(3)のより具体的に好ましい化合物としては1,3-ジメチルブチルグリセリルエーテル、ペンチルグリセリルエーテル、ヘキシルグルセチルエーテル、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、2-メチルオクタン-1,8-ジオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ペンチルグリセリルエーテル、2-エチルヘキシルグリセリルエーテルを挙げることができる。
【0026】
これらの中でもジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ペンチルグリセリルエーテル、2-エチルヘキシルグリセリルエーテルが特に好ましい。
【0027】
<消臭剤組成物、消臭方法>
本発明は上記(a)成分〜(c)成分を含有することにより「浴室のこもった臭い」を効果的に消臭することが可能になり、特に(a)成分/(b)成分の質量比は1/2〜1/100、更に1/3〜1/80、特に1/10〜1/50が好適であり、(a)/(c)の質量比は1/10〜1/500、更に1/20〜1/400、特に1/30〜1/300が好適である。
【0028】
また、上記(a)成分〜(c)成分の特定質量比を有する消臭組成物を、浴室の対象表面1m2当たり(a)成分〜(c)成分の合計が0.1〜3.0g、更に0.3〜1.5gの量となるように均一に接触させる方法が消臭効果の点から好ましい。接触させる方法としてはスポンジや不織布などの柔軟な液体吸収性の物品により塗り広げる方法、又はトリガー式スプレーヤーにより対象表面にスプレーする方法が採用される。このような方法に供させる消臭剤組成物としては、上記(a)成分〜(c)成分を合計で1〜20質量%、更に3〜15質量%、特に5〜12質量%含有する溶液、好ましくは水溶液を用いることが好適である。
【0029】
本発明の消臭剤組成物は、残部が水であることが好ましい。保存安定性の観点や、(b)成分の作用効果から、イオン交換水や蒸留水、もしくは次亜塩素酸塩や塩素で滅菌した滅菌水などを用いることが染料の褪色性を防止する点から好適である。
【0030】
本発明の消臭剤組成物には、本発明を構成する成分以外に、公知の消臭成分を、本発明の効果に配慮した上で任意に配合してもよい。
【0031】
例えば、特許文献4、非特許文献1及び非特許文献2等に記載されている物質、並びに一般的に消臭成分として用いられている物質から選ばれる1種以上であり、ポリフェノール、植物抽出物、分子内に窒素原子を有する有機化合物、シクロデキストリン及びその誘導体、消臭性鉄系、亜鉛系、銀系及び銅系化合物、消臭性多孔質物質、その他消臭性無機塩類、並びに化学的消臭作用のある物質から選ばれる1種以上を含むものが挙げられる。なお、これら消臭成分の分類は、異なる分類に同じ物質を含むことを排除するものではない。またその他任意成分の記載と重なってもかまわない。以下具体的に記載する。
【0032】
ポリフェノールの具体的な例としては、カルコン、フラバノン、フラボン、フラボノール、イソフラボン、フラバノール、カテキン等のフラボノイド類、クロロゲン酸、没食子酸、エラーグ酸、タンニン類等の単体及びこれらの混合物が挙げられる。
【0033】
植物抽出物は、特許文献4、非特許文献1及び非特許文献2等に記載されている植物、並びに一般的に消臭成分として用いられている植物から選ばれる1種以上の植物の抽出物を含むものが挙げられる。具体的な例としては、シソ、セージ、ローズマリー、タイム、オランダハッカ、オレガノ等のシソ科、クコ等のナス科、ホオノキ、コブシ等のモクレン科、スオウ等のマメ科、バラ、ブラックベリー、ラズベリー、ワイルドストロベリー等のバラ科、茶、サザンカ、ツバキ等のツバキ科、ユーカリ等のフトモモ科、ヒイラギモクセイ、シナレンギョウ、ライラック、コバノトネリコ等のモクセイ科、キリ等のゴマノハグサ科、ツワブキ、フキ等のキク科、カキノキ等のカキノキ科、コナラ等のブナ科、ヤマナラシ等のヤナギ科の植物等からの抽出物が挙げられる。植物の抽出方法としては、水、エタノール、ブチレングリコール等の単独溶媒もしくは混合溶媒による抽出、乾留、水蒸気蒸留等の分離方法が挙げられ、植物抽出物とはその方法によって得られる成分を意味する。
【0034】
また、分子内に窒素原子を有する有機化合物は、化合物の代表的な構造としては、アミン、アミド、イミド、アミンオキシド等が挙げられ、(I)アミンオキシド系界面活性剤、(II)ベタイン系界面活性剤、(III)脂肪酸アルカノールアミド系界面活性剤、(IV)4級アンモニウム塩型界面活性剤、(V)アルカノールアミン類、(VI)尿素、(VII)アンスラニル酸エステル類、(VIII)アミノ酸またはアミノ糖からなる高分子化合物、(IX)ポリアルキレンポリアミン類が挙げられる。
【0035】
このうち(I)〜(IV)は後述する(d)成分であるが、洗浄剤に拘らない消臭成分として、特定の界面活性剤が消臭効果を示すことが知られている。以下具体的に記載する。
(I)アミンオキシド系界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキシド(花王株式会社製 アンヒトール20N)、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド(川研ファインケミカル株式会社製 ソフタゾリンLAO)等;
(II)ベタイン系界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン(花王株式会社製 アンヒトール20AB)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(花王株式会社製 アンヒトール20BS)、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(花王株式会社製 アンヒトールYB)、ラウリルヒドロキシスルフォベタイン(花王株式会社製 アンヒトール20HD)等;
(III)脂肪酸アルカノールアミド系界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)(アデカソールCO 旭電化工業)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド等;
(IV)第4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム(コータミン24P 花王等)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(コータミンD86P 花王等)、塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム(サニゾールC 花王等)等;
(V)アルカノールアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等;
(VI)尿素;
(VII)アンスラニル酸エステル類としては、アンスラニル酸メチル、メチルアンスラニル酸メチル等;
(VIII)アミノ酸またはアミノ糖からなる高分子化合物としては、キトサン(重量平均分子量100万〜数万)、ポリリジン(重量平均分子量3000〜1万)、キトサンとメタクリル酸のコポリマー等;
(IX)ポリアルキレンポリアミン類としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。
【0036】
シクロデキストリン及びその誘導体の具体的な例としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン等が挙げられる。
【0037】
消臭性鉄系、亜鉛系、銀系及び銅系化合物の具体的な例としては、L−アスコルビン酸鉄の鉄系化合物、ウンデシレン酸銀等の銀系化合物、ウンデシレン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛等の亜鉛系化合物、銅クロロフィリンナトリウム等の銅系化合物等が挙げられる。
【0038】
消臭性多孔質物質は、消臭剤として使われている有機及び無機質の多孔質物質を意味する。消臭性多孔質物質の具体的な例としては、活性炭、木炭、竹炭、多孔質シリカ(多孔質二酸化ケイ素)、多孔質ケイ酸カルシウム、多孔質ケイ酸アルミニウム、ゼオライト、疎水性ゼオライト、セピオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、多孔質セラミック、層状リン酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム等が挙げられる。
【0039】
その他消臭性無機塩類の具体的な例としては、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、ミョウバン、硫酸アルミニウム等が挙げられる。
【0040】
化学的消臭作用のある物質には縮合型、付加型、酸化型等がある。縮合型の具体的な例としては、グリオキザール等が挙げられる。付加型の具体的な例としては、ラウリルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、マレイン酸ジメチル等のマレイン酸エステル、フマル酸エステル等が挙げられる。酸化型の具体的な例としては、過酸化水素、過炭酸ナトリウム等が挙げられる。
【0041】
また本発明では、抗菌剤や酸化防止剤を配合することで、菌の発生や酸化による臭い生成を抑制し、更なる消臭効果を得てもよい。
【0042】
この場合の抗菌剤としては、「抗菌剤の科学 Part2」、冨岡敏一、荒川正澄著、(株)工業調査会、1999年9月1日初版第3刷に記載のもの、「防菌防黴 Vol.26,臨時増刊号(通巻287号)」、日本防菌防黴学会、1998年3月20日発行に記載のもの、及び一般的に抗菌剤として用いられている物質から選ばれる1種以上を含むものを使用することができる。
【0043】
具体的には、有機系抗菌剤としては、トリクロサン、クロロヘキシジン、スルファジアジン、ジンクピリチオン、オルトフェニルフェノール、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、テトラクロロイソフタロニトリル(TPN)、チアベンダゾール(TBZ)等が挙げられる。
【0044】
天然系抗菌剤としては、キトサン、ペクチン、ポリリジン、プロポリス等が挙げられる。
【0045】
無機系の抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛および/又はそれらの錯体を担体にイオン交換あるいは担持させたものが挙げられる。担体としては、シリカアルミナマグネシウム、リン酸カルシウム、シリカゲル、ガラス、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウムである。具体的には、銀ゼオライト、リン酸ジルコニウム銀等が挙げられる。
【0046】
さらに、抗菌剤として、抗菌性の植物抽出物を挙げることができる。具体例としては、アカザ科のハハキギ等、アヤメ科のヒオウギ等、オトギリソウ科のセイヨウオトギリソウ等、カンラン科のニュウコウ、ギレアドバルサムノキ等、キキョウ科のツリガネニンジン等、キク科のエキナセア、カミツレ、ゴボウ、セイタカアワダチソウ、ホソバオケラ等、キンポウゲ科のオウレン等、スイカズラ科のスイカズラ等、クスノキ科のゲッケイジュ等、クワ科のホップ等、シソ科のコガネバナ、オレガノ、ケイガイ、セージ、タイム、セイヨウヤマハッカ、ヤマジソ、ラベンダー、ローズマリー等、ショウガ科のシュクシャ、ショウガ等、スイカズラ科のセイヨウニワトコ等、スギ科のスギ等、セリ科のヨロイグサ、ボウフウ等、タデ科のミチヤナギ等、ツツジ科のウワウルシ等、ドクダミ科のドクダミ等、ハマビシ科のハマビシ等、ブドウ科のヤブガラシ等、フトモモ科のオールスパイス、ティーツリー、ユーカリ、チョウジ等、マメ科のイヌエンジュ、エンジュ、クララ、ホンシタン、ムラサキタガヤサン等、マンサク科のフウ等、ミカン科のキハダ、ウンシュウミカン等、ムラサキ科のコンフリー等、メギ科のバーベリー、ナンテン等、モクレン科のホオノキ等、バラ科のワレモコウ、バラ等、ヤドリギ科のヤドリギ等、ユリ科のハナスゲ、バラン、カンゾウ等、リンドウ科のジンギョウ等、イネ科の孟宗竹等からの植物抽出物が挙げられる。
【0047】
また、酸化防止剤の具体例としては、ブチルヒドロキシトルエン(B.H.T)、ブチルヒドロキシアニソール(B.H.A)、アスコルビン酸及びその塩類、クエン酸及びその塩類、クエン酸誘導体、エリソルビン酸及びその塩類、亜硫酸塩、トコフェロール、トレハロース、フラボンやフラボノール等のフラボン誘導体、コウジ酸、コーヒー酸、クロロゲン酸、フェルラ酸、没食子酸プロピル等の没食子酸誘導体、グァヤク脂、カテキン及びカテキンエステル、クローブ抽出物、ローズマリー抽出物、オールスパイス抽出物、オレガノ抽出物、ピメンタ抽出物、ペッパー抽出物、ワサビ抽出物、セリ抽出物、セージ抽出物、マージョラム抽出物、タイム抽出物、ブドウ種子抽出物、茶抽出物、コーヒー豆抽出物、ヤマモモ抽出物、リンゴ抽出物、コメヌカ油抽出物、クワ抽出物、ドクダミ抽出物、ワレモコウ抽出物、ヒマワリ種子抽出物、プロポリス抽出物等が挙げられる。
【0048】
本発明の消臭剤組成物には、その他の任意成分として、ハイドロトロープ剤、殺菌剤、防カビ剤、防腐剤、染料、粘度調整剤などを含有することができる。
【0049】
〔浴室用消臭洗浄剤組成物〕
本発明の消臭剤組成物は、浴室用消臭洗浄剤組成物に応用することが好ましく、上記消臭剤組成物を、(a)成分〜(c)成分の合計が浴室用消臭洗浄剤組成物中に1〜20質量%、更に3〜15質量%、特に5〜12質量%となるように用いることが好ましい。
【0050】
本発明の浴室用消臭洗浄剤には上記消臭剤組成物以外に洗浄力を付与し、(a)成分を効果的に残留させ、消臭効果を持続させる目的から界面活性剤〔以下(d)成分という〕を含有する。使用できる界面活性剤としては陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種以上が好適である。
【0051】
陽イオン界面活性剤〔以下(d1)成分という〕としては、炭素数8〜16の炭化水素基を1〜3個と残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、もしくはベンジル基である4級アンモニウム化合物が好適である。
【0052】
(d1)成分としては下記一般式(4)〜(6)の化合物を挙げることができる。
【0053】
【化1】

【0054】
〔式中、R4a及びR5aは炭素数5〜16、好ましくは6〜14のアルキル基、又はアルケニル基、好ましくはアルキル基であり、R4c、R4dは炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。Aは-COO-、OCO-、-CONH-、-NHCO-、
【0055】
【化2】

【0056】
である。bは0又は1の数である。R4bは、炭素数1〜6のアルキレン基、又は-(O-R4fb-である。ここでR4fはエチレン基もしくはプロピレン基、好ましくはエチレン基でありであり、bは1〜10、好ましくは1〜5の数である。R4eは炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキレン基である。また、R6a、R6b、R6c、R6dはこれらの1つは炭素数8〜16のアルキル基であり、残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。さらにX-は陰イオン基、好ましくはハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸イオンである。〕
【0057】
本発明の最も好ましい陽イオン界面活性剤としては下記のものを挙げることができる。
【0058】
【化3】

【0059】
陰イオン界面活性剤〔以下(d2)成分という〕としては、炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)ベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル塩、炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)硫酸エステル塩、α-オレフィン(炭素数10〜18)スルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩(炭素数10〜18)、α-スルホ脂肪酸(炭素数10〜18)低級アルキル(炭素数1〜2)エステル塩、二級アルカンスルホン酸塩(炭素数13〜18)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、(炭素数10〜18)、ポリオキシエチレンアミドアルキルエーテルカルボン酸塩(炭素数8〜18)、又は脂肪酸から選ばれる陰イオン界面活性剤を挙げることができる。
【0060】
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、洗剤用界面活性剤市場に一般に流通しているものの中で、アルキル鎖の平均炭素数が8〜16のものであればいずれも用いることができ、例えば花王(株)製のネオペレックスF25、Shell社製のDobs102等を用いることができる。また、工業的には、洗剤用原料として広く流通しているアルキルベンゼンをクロルスルホン酸、亜硫酸ガス等の酸化剤を用いてスルホン化して得ることもできる。アルキル基の平均炭素数は10〜14が好ましい。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩としては、平均炭素数10〜18、好ましくは10〜16の直鎖もしくは分岐鎖1級アルコール又は直鎖2級アルコールに、EOを1分子当たり平均0.5〜5モル付加させ、これを例えば特開平9-137188号記載の方法を用いて硫酸化して得ることができる。アルキル基の平均炭素数は10〜16が好ましい。アルキル硫酸エステル塩としては炭素数10〜16、好ましくは10〜14の直鎖もしくは分岐鎖1級アルコール又は直鎖2級アルコールをSO3又はクロルスルホン酸でスルホン化し、中和して得ることができる。α-オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数8〜18のα-アルケンをSO3でスルホン化し、水和/中和を経て成することができ、炭化水素基中にヒドロキシ基が存在する化合物と不飽和結合が存在する化合物の混合物である。また、α-スルホ脂肪酸低級アルキルエステル塩としてはアルキル基の炭素数は10〜16が好ましく、メチルエステル又はエチルエステルが洗浄効果の点から好ましい。本願発明では、皮膚刺激性、及び洗浄効果の点から炭素数10〜14、エチレンオキシド平均付加モル数1〜3のポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩が特に良好である。脂肪酸としては炭素数8〜14の飽和脂肪酸、好ましくはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸が好ましい。また、やし油やパーム核油から誘導されるアルキル分布を有する脂肪酸も使用することができる。なお、本発明の脂肪酸とはアルキル基又はアルケニル基とカルボン酸基のみから構成される化合物であり、アルキルエーテルカルボン酸やアルキルアミドカルボン酸などの化合物が含まれない。
【0061】
塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルカノールアミン塩、アンモニウム塩が好適であり、洗浄効果の点からナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が好ましい。
【0062】
非イオン界面活性剤〔以下(d3)成分という〕としては下記一般式(7)及び/又は一般式(8)の化合物が好ましい。
7a-O-(R7bO)d-H (7)
〔式中、R7aは、炭素数8〜18、好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R7bは炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。dは平均付加モル数として3以上20未満、好ましくは4以上15以下、特に好ましくは5以上10以下の数を示す。〕
8a-(OR8b)ef (8)
〔式中、R8aは直鎖の炭素数8〜16、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜14のアルキル基、R8bは炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基、特にエチレン基であり、Gは還元糖に由来する残基、eは平均値0〜6の数、fは平均値1〜10、好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜2の数を示す。〕
【0063】
一般式(7)の化合物において特に好ましい化合物は下記一般式(7-1)の化合物又は一般式(7-2)の化合物を挙げることができる。
7c-O(EO)g-H (7-1)
〔式中、R7cは炭素数10〜18、好ましくは10〜16の一級の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基又は二級のアルキル基である。EOはエチレンオキサイドであり、gは平均付加モル数として3以上20未満である。〕
7d-O[(EO)h/(PO)i]-H (7-2)
〔式中、R7dは炭素数10〜18、好ましくは10〜16の一級のアルキル基である。EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドを示す。hは平均付加モル数3〜15、iは平均付加モル数1〜5であり、hとiの合計は20未満である。EOとPOはランダム付加又はEOを付加した後、POを付加してもよく、またその逆のようなブロック付加体でもよい。〕
【0064】
一般式(8)の化合物において、Gは還元糖に由来する残基であり、原料の還元糖としては、アルドースとケトースの何れであっても良く、また、炭素数が3〜6個のトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースを挙げることができる。アルドースとして具体的にはアピオース、アラビノース、ガラクトース、グルコース、リキソース、マンノース、ガロース、アルドース、イドース、タロース、キシロースを挙げることができ、ケトースとしてはフラクトースを挙げることができる。本発明ではこれらの中でも特に炭素数5又は6のアルドペントースあるいはアルドヘキソースが好ましく中でもグルコースが最も好ましい。Gの還元糖としては上記単糖類が好ましいが、これら単糖が2〜5個、好ましくは2又は3個縮合したオリゴ糖を用いても差し支えない。さらには単糖とオリゴ糖が混合したものでもよく、この場合には平均縮合度は1〜5、好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2が好適であり、1〜1.5が最も好ましい。
【0065】
一般式(8)の化合物はR8a-(OR8b)e-OHと還元糖とを酸触媒を用いてアセタール化反応又はケタール化反応することで容易に合成することができる。これらはアセタール化反応の場合、ヘミアセタール構造であっても良く、通常のアセタール構造であっても良い。
【0066】
両性界面活性剤〔以下(d4)成分という〕のより具体的な化合物としては下記一般式(9)の化合物、及び下記一般式(10)の化合物が好ましい。
【0067】
【化4】

【0068】
〔式中、R9aは炭素数8〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R9bは炭素数1〜6のアルキレン基であり、Bは-COO-、-CONH-、-OCO-、-NHCO-から選ばれる基である。jは0又は1の数であり、R9c、R9dは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。〕
【0069】
【化5】

【0070】
〔式中、R10aは炭素数9〜23のアルキル基又はアルケニル基であり、R10bは炭素数1〜6のアルキレン基である。Dは-COO-、-CONH-、-OCO-、-NHCO-、-O-から選ばれる基であり、kは0又は1の数である。R10c、R10dは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R10eはヒドロキシ基で置換していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基である。Eは-SO3-、-OSO3-、-COO-から選ばれる基である。〕
【0071】
一般式(9)において、R9aは、好ましくは炭素数10〜14のアルキル基又はアルケニル基であり、特に好ましくはラウリル基(又はラウリン酸残基)及び/又はミリスチル基(又はミリスチン酸残基)である。Bは、好ましくは-COO-又は-CONH-であり、最も好ましくは-CONH-である。R10bの炭素数は、好ましくは2又は3であり、R10c、R10dは、好ましくはメチル基である。
【0072】
本発明ではR10aは単独のアルキル(又はアルケニル)鎖長でもよく、異なるアルキル(又はアルケニル)鎖長を有する混合アルキル基(又はアルケニル基)であってもよい。後者の場合には、ヤシ油、パーム核油から選ばれる植物油から誘導される混合アルキル(又はアルケニル)鎖長を有するものが好適である。具体的にはラウリル基(又はラウリン酸残基)/ミリスチル基(又はミリスチン酸残基)のモル比が95/5〜20/80、好ましくは90/10〜30/70であることが洗浄効果、及び泡立ち性の点から好ましい。
【0073】
一般式(10)において、R10aは、好ましくは炭素数9〜15、特に9〜13のアルキル基であり、R10bは、好ましくは炭素数2又は3のアルキレン基である。Dは-CONH-が好ましい。R10c、R10dはメチル基、又はヒドロキシエチル基が好ましい。Eは-SO3-又は-COO-が好ましく、Eが-SO3-の場合にはR10eは-CH2CH(OH)CH2-が好ましく、Eが-COO-の場合にはR10eはメチレン基が好ましい。
【0074】
浴室用消臭洗浄剤組成物においては、洗浄効果の点から、(d1)成分、(d2)成分が好ましく、特に(d1)成分が好適である。また、洗浄剤組成物中の含有量は、(d1)成分が0.1〜2質量%、(d2)成分が0.5〜5質量%であることが好ましく、洗浄剤組成物中に全(d)成分を1〜15質量%、更に5〜15質量%含有することが好ましい。
【0075】
本発明の浴室用消臭洗浄剤組成物には上記(c)成分以外の水溶性溶剤を含有することができ、特に、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を用いることができる。これら水溶性溶剤の含有量は組成物中に0.01〜10質量%、更に0.5〜5質量%が好ましい。
【0076】
本発明の浴室用消臭洗浄剤組成物にはその他洗浄剤組成物に含有することができるハイドロトロープ剤、殺菌剤、抗菌剤、防カビ剤、防腐剤、染料、粘度調整剤、酸化防止剤などを含有することができる。抗菌剤及び酸化防止剤は、消臭剤組成物に記載した化合物を用いてもよい。
【0077】
本発明の浴室用消臭洗浄剤組成物は、上記消臭剤組成物、(d)成分及び任意成分を水に溶解させた水溶液の形態であり、水に存在する微量の金属成分を除去したイオン交換水や蒸留水、もしくは次亜塩素酸塩や塩素で滅菌した滅菌水などを用いることが染料の褪色性を防止する点から好適であり、特に鉄イオン、ニッケルイオン、銅イオンが褪色性に大きく影響するためこれら金属イオンの合計量を1ppm未満に低減化させた水を使用するべきである。
【0078】
また本発明の浴室用消臭洗浄剤組成物は、本発明の効果の点から、20℃におけるpHが5〜9、更に6〜8であることが好ましい。pH調整剤としては塩酸や硫酸など無機酸や、上記(b)成分などの有機酸などの酸剤を用いることができる。また、アルカリ剤としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを用いることが好ましい。
【実施例】
【0079】
実施例1〜10及び比較例1
表1の香料組成物の処方例1から11をそれぞれ配合し、表2の洗浄剤組成物を調製した。それらの組成物ついて、消臭効果を評価した。評価は、浴室内に残留している皮脂汚れに由来する今回新たに見出されたにおいを意図した系について実施した。また、以前から知られている浴室の悪臭成分である排水口からの含硫黄化合物と浴室に発生するカビ臭を意図した系についても評価を行った。また、香りの清涼感についても評価した。その詳細を以下に示す。
【0080】
<消臭効果の評価方法>
(方法1)
(1)人工皮脂汚れ
人工皮脂汚れとして、脂肪酸(炭素数8〜18)50%、スクアレン8%、ミリスチン酸ミリスチル15%、牛脂10%、コレステロール17%の混合物を用いた(%は質量%である)。
【0081】
(2)試験手順
今回、見出された臭気物質としてノナナール又はへキサン酸を用い、上記人工皮脂汚れと臭気物質の混合物(皮脂汚れ:臭気物質=3:1の割合(質量比)で混合したもの)を薬包紙上に8mg量り取り、そのまま直径17cm、深さ2cmのポリプロピレン製鉢皿に薬包紙ごと薄く塗り拡げて、評価用アクリルボックス(縦40cm×横40cm×高さ30cm;上部に開閉可動式のフタ付き)の中央に置き、2分間静置して、ボックス内の臭気強度(下記基準による臭気強度)が3となるように調整した(ボックス内温度25℃;湿度30%RH)。その後、表2の洗浄剤組成物をトリガー式スプレーヤー(1回の噴霧量1ml)で皿上に3回スプレーし、3回目のスプレーから5分経過時と30分経過時におけるボックス内の悪臭をパネラー10人により官能評価し、以下の基準で評価した。評価する時間は、一般的な家庭の浴室の掃除実態にあわせた。つまり、5分後とは、スプレーして少し放置した後、浴室を洗浄している場面を想定しており、30分後の評価は、掃除を終了した後の場面を想定した。この方法1は、主に皮脂汚れから発生する臭気に対する消臭効果を評価したものである。悪臭の強さの評価基準は以下の6段階とし、10人の評価結果の平均値を四捨五入し、その数字を用いて消臭効果を判定した。消臭効果は以下の4段階とした。
【0082】
・悪臭の強さの評価基準
5:悪臭が強烈に感じられる
4:悪臭が強く感じられる
3:悪臭があきらかに感じられる
2:悪臭がかすかに感じられる
1:悪臭がほとんど感じられない
0:悪臭が全く感じられない
【0083】
・消臭効果の基準
洗浄剤組成物をスプレーした後、悪臭の強度の変化によって消臭効果のレベルを以下のように設定した。尚、消臭効果AまたはBは消臭効果があると判断した。
A:悪臭の強さが3から0に減少する
B:悪臭の強さが3から1に減少する
C:悪臭の強さが3から2に減少する
D:悪臭の強さが3のまま変わらない
【0084】
(方法2)
(1)試験手順
評価用ステンレス製ブース(間口96cm×奥行き98cm×高さ195cm;側面に評価用の開閉窓付き)内に、排水口の臭気の代表としてメチルメルカプタンを選択し、ブース内の臭気強度(方法1と同じ)が3となるように調製した。その後、表2の洗浄剤組成物をトリガー式スプレーヤー(方法1と同じもの)で悪臭成分を載せた皿上に3回スプレーし、3回目のスプレーから5分経過時と30分経過時におけるボックス内の悪臭を方法1と同様に官能評価した。5分後と30分後を評価する理由は、(方法1)と同じである。悪臭の臭気は、以下のように調整した。また各悪臭の強さおよび消臭効果についての評価基準は(方法1)と同じである。この方法2は、主に排水口から発生する臭気に対する消臭効果を評価したものである。
【0085】
(2)方法2での臭気強度の調整
直径5.5cmのろ紙(東洋濾紙(株)製、No.5C)を評価用ブースの中央に皿を置き、皿に載せたろ紙上にメチルメルカプタンナトリウム15質量%水溶液(東京化成工業(株)製)5μLをマイクロピペットで滴下し、続いて、20質量%クエン酸水溶液1mLを滴下した。ブースの扉を直ちに閉めて5分間静置し、ブース内の臭気強度が3となるように調整した(ブース内温度25℃;湿度30%RH)。
【0086】
(方法3)
(1)試験手順
評価用ステンレス製ブース(間口96cm×奥行き98cm×高さ195cm;側面に評価用の開閉窓付き)内に、カビ臭の代表として2-メチルイソボルネオールを選択し、ブース内の臭気強度(方法1と同じ)が3となるように調製した。その後、表2の洗浄剤組成物をトリガー式スプレーヤー(方法1と同じもの)で悪臭成分を載せた皿上に3回スプレーし、3回目のスプレーから5分経過時と30分経過時におけるボックス内の悪臭を方法1と同様に官能評価した。5分後と30分後を評価する理由は、(方法1)と同じである。悪臭の臭気は、以下のように調整した。また各悪臭の強さおよび消臭効果についての評価基準は(方法1)と同じである。この方法3は、主にカビ臭に対する消臭効果を評価したものである。
【0087】
(2)方法3での臭気強度の調整
直径5.5cmのろ紙(東洋濾紙(株)製、No.5C)を評価用ブースの中央に皿を置き、皿に載せたろ紙上に2-メチルイソボルネオール(和光純薬工業(株)製、水質試験用標準品)1%アセトン溶液20μLをマイクロピペットで滴下し、ブースの扉を直ちに閉めて5分間静置し、ブース内の臭気強度が3となるように調整した(ブース内温度25℃;湿度30%RH)。
【0088】
<香りの清涼感についての評価方法>
評価用アクリルボックス(縦40cm×横40cm×高さ30cm;上部に開閉可動式のフタ付き)内にプラスチック製洗面器を置き(ボックス内温度25℃;湿度30%RH)、表2の洗浄剤組成物をトリガー式スプレーヤー(方法1と同じもの)で洗面器内に3回スプレーし、3回目のスプレーから5分経過後と30分経過後の香りの質(清涼感)について、パネラー10人が官能評価した。評価基準は、以下のとおりである。
【0089】
10名の評価者がボックス内に拡散した香りの清涼感(すがすがしさ)を、以下の基準で官能評価した。
A:10名中8名以上の評価者が香りのすがすがしさを感じた。
B:10名中6名又は7名の評価者が香りのすがすがしさを感じた。
C:10名中5名の評価者が香りのすがすがしさを感じた。
D:10名中3名又は4名の評価者が香りのすがすがしさを感じた。
E:10名中2名以下の評価者が香りのすがすがしさを感じた。
【0090】
【表1】

【0091】
*1:ペパーミント油、ハッカ油には、それぞれ、l-メントールが約40質量%、メントンが約20質量%、イソメントンが約3〜7質量%含まれている。
*2:スペアミント油には、l-カルボンが約70質量%、メントンが約1質量%、イソメントンが約0.1質量%含まれている。
【0092】
【表2】

【0093】
尚、表2における実施例1〜10のすべての組成において、石鹸カス汚れに対する洗浄力は良好であった。
【0094】
実施例11〜15及び比較例2〜6
表1の処方例6、11の香料組成物を用い、表3の浴室用消臭洗浄剤組成物(一部は消臭剤組成物)を調製し、以下の評価を行った。結果を表3に示す。
【0095】
(1)石鹸カス汚れ洗浄力
こすった程度では全く落ちない風呂汚れが付着している浴室の洗面器(ポリプロピレン製)を評価用の洗浄剤組成物を含ませたポリウレタン製のスポンジで軽く5往復こすった後の浴槽表面の汚れの除去状態を目視によって下記の基準で評価した。なお、表中の数値は同様の処理を20回行った場合の平均値である。
・汚れ落ちの評価基準
5:汚れ落ちが非常に良好
4:汚れ落ちが良好
3:汚れ落ちにむらがある。
2:若干汚れが落ちる程度
1:ほとんど汚れが落ちない
【0096】
(2)消臭効果持続性試験方法
市販のスプレーヤー(1回の噴霧量1ml)に洗浄剤組成物を充填し、浴室(170cm×140cm×200cm)の壁(床から100cmの位置、壁から20cmスプレーヤーを放して)に3回スプレーし、軽く水洗する。スプレーした壁から80cm離れた位置に立ったモニターが消臭感を20分おきに評価し、消臭感の持続する測定時間(分)を消臭効果持続性とした。持続時間はモニター5人の評価結果の平均値とした。なお、この浴室の初期(スプレー前)の悪臭匂い強度は3であり、その匂い強度が0になる場合を消臭感ありとした。
【0097】
【表3】

【0098】
表3に示されるように、界面活性剤を含有しない実施例11は、消臭効果の持続性に優れており、消臭剤組成物として使用できることが確認された。該組成物に、界面活性剤を加えていくと、実施例12、13のように、石鹸カス汚れ洗浄力も向上することがわかる。一方、処方例11の香料組成物を用いた比較例2は、石鹸カス汚れ洗浄力は比較的よいものの、消臭効果の持続性に乏しい。また、香料組成物を含有しない比較例3では、消臭効果が全く得られていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下記(a1)から選ばれる香料成分(a1)を香料組成物中に10質量%以上含有する香料組成物、(b)分子量90〜500の多価カルボン酸又はその塩、並びに(c)logPが−0.7〜3の溶剤を含有し、(a)/〔(b)+(c)〕が質量比で1/50〜1/500である消臭剤組成物。
(a1);スペアミント油、ハッカ油、ペパーミント油、メントール、メントン、イソメントン、カルボン
【請求項2】
(a)成分中に下記(a2)から選ばれる香料成分(a2)を含有し、且つ(a1)/(a2)が質量比で50/1〜1/4である請求項1記載の消臭剤組成物。
(a2);ジヒドロミルセノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドと3,5-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドの混合物、4-tert-3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドと3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒドの混合物、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、ダイナスコン、シクロヘキシルサリシレート、2-シクロヘキシルプロピオン酸エチル、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-2-カルボキシレート、2,2,5,5-テトラメチル-4-イソプロピル-1,3-ジオキサン、2-メチルペンチル 2-メチルペンチレート、3,6(4,6)-ジメチル-3-シクロヘキセン-1カルボアルデハイド
【請求項3】
(a)/(b)質量比が1/2〜1/100である請求項1記載の消臭剤組成物。
【請求項4】
(a)/(c)質量比が1/10〜1/500である請求項1記載の消臭剤組成物。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項記載の消臭剤組成物を(a)成分〜(c)成分の合計で1〜20質量%、(d)界面活性剤を1〜15質量%、及び水を含有する浴室用消臭洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2007−14749(P2007−14749A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146223(P2006−146223)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】