説明

消費電力量算出装置、消費電力量算出方法、消費電力量算出プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】機器の消費電力量を算出できる消費電力量算出装置、消費電力量算出方法、消費電力量算出プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】消費電力量算出装置100は、所定のデータ伝送路90を介して接続される機器200から機器情報を取得する取得手段21と、取得手段21により取得した機器情報に含まれる機器200の出力枚数と機器200のTEC(Typical Electricity Consumption)値とに基づき、機器200の消費電力量を算出する算出手段22と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費電力量算出装置に関し、特に、電力計などの消費電力を計測する計測器を用いずに、機器の消費電力量を算出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、ネットワークを介して互いに接続された画像形成装置と所定のサーバとを、互いの省エネルギー動作に連動させることにより、使用時の環境負荷を軽減することができるシステムが開示されている。
【0003】
近年の環境指向又は省エネ指向の高まりにより、プリンタ、コピー機、又は複写機(MFP:Multifunction Peripheral)などの画像形成装置(以下、「機器」という。)に関しても、環境又は省エネに対する配慮が重要視されつつある。例えば、消費電力の低い機種が市場において好まれつつある。
【0004】
主要メーカの機器の消費電力に関する情報は、所定の機関(例えば「(財)省エネルギーセンター」)より公開されており、ユーザによっては購入する機器を選択する際の重要な判断材料の1つとされている。また、機器の購入後においても、エネルギーコスト削減の観点から、自らのオフィスにおいて機器による消費電力量がどの程度のものであるかについて、関心を持ち始めているユーザ(企業)も存在する。
【0005】
このように関心がよせられている消費電力量は、機器の実際の使用環境において、オフィス全体の電力が集中管理されるテナントを除き、機器に電力計を接続し計測することで得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、多数の機器が設置されているオフィスなどにおいては、全ての機器に対して電力計を設置するのは非常に煩雑であり、コスト面からも現実的であるとはいえない。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、機器の消費電力量を算出できる消費電力量算出装置、消費電力量算出方法、消費電力量算出プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る消費電力量算出装置は、所定のデータ伝送路を介して接続される機器から機器情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した機器情報に含まれる前記機器の出力枚数と前記機器のTEC(Typical Electricity Consumption)値とに基づき、前記機器の消費電力量を算出する算出手段と、を有している。
【0009】
このような構成によって、本発明に係る消費電力量算出装置は、機器のTEC値と機器における1週間あたりの印刷枚数とに基づき、機器における1日あたりの消費電力量を算出する。
【0010】
よって、本発明に係る消費電力量算出装置は、機器の消費電力量を算出できる。これにより、計測器を用いることなく機器の消費電力を取得できる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る消費電力量算出方法は、所定のデータ伝送路を介して接続される機器から機器情報を取得する取得手順と、前記取得手順により取得した機器情報に含まれる前記機器の出力枚数と前記機器のTEC値とに基づき、前記機器の消費電力量を算出する算出手順と、を有している。
【0012】
このような手順によって、本発明に係る消費電力量算出方法は、機器のTEC値と機器における1週間あたりの印刷枚数とに基づき、機器における1日あたりの消費電力量を算出すると言う動作を実現する。
【0013】
よって、本発明に係る消費電力量算出方法は、計測器を用いることなく機器の消費電力を取得可能な環境を提供できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、機器のTEC値に基づいて消費電力量を推定することにより、機器の消費電力量を算出可能な消費電力量算出装置、消費電力量算出方法、消費電力量算出プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る消費電力量算出装置の動作環境例(その1)を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る消費電力量算出装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る消費電力量算出装置が有する機能構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る算出用データの例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る消費電力量算出の処理手順例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る消費電力量算出装置の動作環境例(その2)を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る消費電力量算出部の機能構成例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る消費電力量算出の処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、「実施形態」という。)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
<動作環境>
本実施形態に係るシステムの構成について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る消費電力量算出装置100の動作環境例(その1)を示す図である。
図1には、機器200の消費電力量を算出(推定)するシステム1(以下、「消費電力量算出システム」という。)の一例が示されている。消費電力量算出システム1において、消費電力量算出装置100は、LAN(Local Area Network)などの内部ネットワーク90(有線又は無線の別は問わない)を介して、1又は複数の機器200(機器20a、20b、及び20nなど)と接続されている。
【0019】
機器200は、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリ、又はこれらの2つ以上の機能を1台の筐体において実現する複合機(MFP)などの画像形成装置である。
【0020】
このようなシステム構成により、消費電力量算出装置100は、機器200から機器情報を取得し、各機器200の消費電力量を算出(推定)する。
【0021】
<ハードウェア構成>
次に、上記消費電力量算出装置100のハードウェア構成について説明する。
【0022】
図2は、本実施形態に係る消費電力量算出装置100のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示すように、消費電力量算出装置100は、入力装置101、表示装置102、ドライブ装置103、RAM(Random Access Memory)104、ROM(Read Only Memory)105、CPU106、インタフェース装置107、及びHDD(Hard Disk Drive)108などを含むハードウェアを備え、それぞれがバスで相互に接続されている。
【0023】
入力装置101は、キーボード及びマウスなどを含み、消費電力量算出装置100に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイなどを含み、消費電力量算出装置100による処理結果(例えば「消費電力量の算出結果(推定結果)」)などを表示する。
【0024】
インタフェース装置107は、消費電力量算出装置100をネットワークなどの所定のデータ伝送路に接続するインタフェースである。よって、消費電力量算出装置100は、インタフェース装置107を介して、機器200とデータ通信を行うことができる。
【0025】
HDD108は、各種プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、例えば、消費電力量算出装置100全体を制御する情報処理システム(例えば「Windows(登録商標)」や「UNIX(登録商標)」などの基本ソフトウェアであるOS(Operating System))、及び情報処理システム上において各種機能(例えば「消費電力量算出機能」)を提供するアプリケーションなどがある。また、HDD108は、格納している上記プログラムやデータを、所定のファイルシステム及び/又はDB(Data Base)により管理している。
【0026】
ドライブ装置103は、着脱可能な記録媒体103aとのインタフェースである。よって、消費電力量算出装置100は、ドライブ装置103を介して、記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
【0027】
ROM105は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、消費電力量算出装置100が起動されるときに実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、消費電力量算出装置100のシステム設定、及びネットワーク関連の設定などのデータが格納されている。
【0028】
RAM104は、上記各種記憶装置から読み出されたプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。CPU106は、上記RAM104上に読み出したプログラムを実行することにより、消費電力量算出装置100の全体制御や消費電力量算出装置100が搭載する各種機能を動作させる。
【0029】
このようなハードウェア構成により、消費電力量算出装置100は、例えば、HDD108からRAM104上に読み出したプログラム(消費電力量算出プログラム)をCPU106により実行し、消費電力量算出機能を実現することができる。
【0030】
<消費電力量算出機能>
次に、上記消費電力量算出機能について説明する。
【0031】
本実施形態に係る消費電力量算出装置100では、機器200のTEC値と、機器200における1週間あたりの印刷枚数とに基づき、機器200における1日あたりの消費電力量を算出すると言う消費電力量算出機能を有している。
【0032】
TEC値とは、国際エネルギースタープログラムで定められた測定法に基づき算出された値である。例えば、画像形成装置の場合には、平日5日の稼働時間及びスリープ/オフモード時の消費電力の測定値と、休日2日のスリープ/オフモード時の消費電力の測定値との総和により算出される。
【0033】
このように、TEC値は、1週間における平均的なオフィスの利用形態を想定し、機器又は機種仕様や消費電力などから算出した値であり、単位は(kWh)である。算出結果については、所定の機関により公表されており、機器200には、機器又は機種単位でTEC値が存在する。
【0034】
そこで、本実施形態では、機器200のTEC値に基づいて消費電力を推定する。また、TEC値は、上述したように、1週間における平均的なオフィスの利用形態を想定して算出された値であることから、算出時に用いる各種パラメータ値を、1週間単位で取り扱う。
【0035】
これによって、消費電力量算出装置100は、計測器を用いることなく機器200の消費電力を取得できる。また、主要メーカの機器200のTEC値は、公表された値であることから、自社及び他社機器とが混在するようなオフィス環境においても、同一の算出方法によって消費電力を推定することができる。すなわち、オフィス環境における様々な機器200の消費電力量算出に、柔軟に対応することができる。
【0036】
《機能構成》
図3は、本実施形態に係る消費電力量算出装置100が有する機能構成例を示す図である。
【0037】
図3に示すように、消費電力量算出装置100は、機器情報取得部21、消費電力量算出部22、及び各種データを保持する保持部23と24を有している。
【0038】
機器情報取得部21は、機器200から機器情報を取得する機能部である。機器情報取得部21は、例えば、所定の時間間隔で、機器200に情報取得要求を行い、機器200からの応答により機器情報を取得する。このとき取得される機器情報には、機器識別情報(例えば「シリアル番号」)、機種識別情報(例えば「機種コード値」)、及び機器200による出力枚数(例えば「カウンタ値」)が含まれる。
【0039】
なお、複数の機器200から機器情報を取得する際には、まず、当該装置が、ブロードキャストなどにより、同一の内部ネットワーク90に接続されデータ通信可能な機器200を検索する。続いて、応答のあった機器200(検索結果に基づき特定された機器200)に対して、情報取得要求を行う。
【0040】
消費電力量算出部22は、機器情報取得部21により取得した機器情報と、TEC値を含む算出用データとに基づいて、機器200の消費電力量を算出する機能部である。消費電力量算出部22は、例えば、図4に示すような算出用データを、算出時のパラメータとして用いる。
【0041】
図4は、本実施形態に係る算出用データの例を示す図である。算出用データには、主に、TEC値などの機種固有データを含む機種固有情報31(図中の(A))と、1週間の消費電力量に対する各曜日の消費電力量の割合を表すデータを含む電力消費割合情報32(図中の(B))とがある。
【0042】
(機種固有情報)
図4(A)に示すように、機種固有情報31は、「機種識別情報」、「TEC値」、「IPM値」の各項目を含み、機種識別情報に、TEC値及びIPM(Image per minute)値が対応付けられている。ここで、「IPM値」とは、1分間の出力枚数である。すなわち、機種の出力性能値である。
【0043】
このようなデータ構成により、機器情報に含まれる機種識別情報を基に、機種固有情報31を参照することで、機種に対応するTEC値(公表されている消費電力量)及びIPM値(印刷性能値)を取得できる。
【0044】
(電力消費割合情報)
図4(B)に示すように、電力消費割合情報32は、「機器識別情報」及び「電力消費割合」の各項目を含み、電力消費割合に、機器識別情報が対応付けられている。また、機器200の動作環境(例えば「機器配置位置」)や利用用途(例えば「共有利用」か「個人利用」か)に応じて各曜日における利用頻度が異なることから、電力消費割合は、この点を考慮し、予め幾つかのパターンを用意しておく。例えば図4(B)には、週末の利用頻度が高いパターンの電力消費割合(図中のパターン1)と、各曜日平均した利用頻度のパターンの電力消費割合(図中のパターン2)とが、登録パターン例として示されている。
【0045】
このようなデータ構成により、機器情報に含まれる機器識別情報を基に、電力消費割合情報32を参照することで、機器に対応する各曜日の電力消費割合の値を取得できる。
【0046】
なお、上記機種固有情報31及び上記電力消費割合情報32の各項目は、管理者を含むユーザが、所定のツール(例えば「ウェブブラウザ」)や所定のコマンドを用いて設定・変更が可能となっている。また、機種固有情報31のTEC値及びIPM値については、当該装置が備えるインタフェース装置107を介して、公表している所定の機関から取得し、該当項目のデータを更新するようにしてもよい。このようにして、算出用データは、最新の状態に保たれる。
【0047】
上述した算出用データは、当該装置が備える記憶装置(例えば「HDD」)の所定の記憶領域に保持されている。
【0048】
よって、消費電力量算出部22は、算出時に算出用データ保持部23にアクセスし、機器情報に含まれる機器識別情報及び機種識別情報を基に、機種固有情報31及び電力消費割合情報32を参照し、算出時の各パラメータ値を取得する。
【0049】
消費電力算出部22は、取得した各パラメータ値を基に、所定の計算式を用いて、機器200の消費電力量の推定値を算出し、算出結果を、算出データとして当該装置が備える記憶装置の所定の記憶領域である算出データ保持部24に記録する。
【0050】
なお、消費電力量算出部22により行われる具体的な算出処理については、以降の機能動作の中で説明する。
【0051】
このように、本実施形態に係る消費電力量算出機能は、上記各機能部が連係動作することにより機能する。
【0052】
以下に、消費電力量算出機能の詳細な動作(機能部群の連係動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0053】
《機能動作》
消費電力量算出機能は、消費電力量算出装置100に搭載(インストール)される消費電力量算出プログラム(ソフトウェア部品)が、CPU106により、格納先(例えば「ROM」)からRAM104上に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0054】
図5は、本実施形態に係る消費電力量算出の処理手順例を示すフローチャートである。
図5に示すように、消費電力量算出装置100は、機器情報取得部21により、機器200から各種識別情報(機器識別情報や機種識別情報)及び出力枚数を含む機器情報を取得する(ステップS101)。なお、機器情報取得部21は、単に出力枚数を取得するのではなく、TEC値を用いて消費電力量を算出するために、TEC値と同じ、1週間あたりの出力枚数を取得する。
【0055】
続いて、消費電力量算出装置100は、消費電力量算出部22により、TECの標準出力枚数と、ステップS101において取得した出力枚数(以下、「取得出力枚数」という。)との差分枚数を算出する(ステップS102)。具体的には、まず、TECの標準出力枚数を算出する。標準出力枚数は、以下の[式1]により算出できる。
TECの標準出力枚数 = 0.5*(IPM値*IPM値) ・・・ [式1]
そのため、消費電力量算出部22は、ステップS101において取得した機種識別情報を基に、算出用データ保持部23に保持される機種固有情報31を参照し、機種に対応するTEC値及びIPM値を取得する。消費電力量算出部22は、このようにして取得したIPM値を基に標準出力枚数を算出する。例えば、機種が"MFP01"の場合には、対応するIPM値が"30"となる。その結果、TECの標準出力枚数は、450(枚)と算出される。
【0056】
これにより、消費電力量算出部22は、差分枚数を、以下の[式2]により算出する。
差分枚数 = |TECの標準出力枚数―取得出力枚数| ・・・ [式2]
例えば、TECの標準出力枚数が450(枚)"で、取得出力枚数が1000(枚)の場合には、差分枚数が550(枚)となる。
【0057】
続いて、消費電力量算出装置100は、消費電力量算出部22により、算出した差分枚数(以下、「算出差分枚数」という。)及びステップS102において取得したTEC値(以下、「取得TEC値」という。)を基に1週間あたりの時間平均消費電力量を算出する(ステップS103)。具体的には、まず、1枚あたりの稼働電力値を算出する。1枚あたりの稼働電力値は、以下の[式3]により算出できる。
1枚あたりの稼働電力値 = (1時間の稼働電力値/3600)*1枚あたりの出力時間 ・・・ [式3]
例えば、1時間の稼働電力値が1050(W)とすると、1秒あたりの稼働電力値は、0.291(W)となる。また、IPM値が"30"から1枚あたりの出力時間は、2(秒)となる。その結果、1枚あたりの稼働電力値は、0.582(w)と算出される。
【0058】
これにより、消費電力量算出部22は、1週間あたりの時間平均消費電力量を、以下の[式4]により算出する。
1週間あたりの時間平均消費電力量 = 取得TEC値+(算出差分枚数*算出した1枚あたりの稼働電力値) ・・・ [式4]
例えば、機種が"MFP01"の場合には、取得TEC値が"10.1(kWh)"となり、かつ算出差分枚数550(枚)となる。その結果、算出した1枚あたりの稼働電力値が0.582(w)の場合、1週間あたりの時間平均消費電力量は、約10.420(kWh)と算出される。
【0059】
続いて、消費電力量算出装置100は、消費電力量算出部22により、1週間における各曜日の電力消費割合を基に1日あたりの時間平均消費電力量(推定値)を算出する(ステップS104)。消費電力量算出部22は、1日あたりの時間平均消費電力量を、以下の[式5]により算出する。
1日あたりの時間平均消費電力量(推定値) = 算出した1週間あたりの時間平均消費電力量*曜日の電力消費割合 ・・・ [式5]
そのため、消費電力量算出部22は、ステップS101において取得した機器識別情報を基に、算出用データ保持部23に保持される電力消費割合情報32を参照し、電力消費割合の登録パターンを特定する。続いて、特定した登録パターンのうち、曜日に対応する電力消費割合の値を取得する。消費電力量算出部22は、このようにして取得した電力消費割合とステップS103において算出した1週間あたりの時間平均消費電力量とを基に、1日あたりの時間平均消費電力量を算出する。
【0060】
例えば、機器が"M1"の場合には、パターン1が特定され、対応する電力消費割合が"20(%)"となるので、1日あたりの時間平均消費電力量は、約2.084(kWh)と算出される。
【0061】
続いて、消費電力量算出装置100は、消費電力量算出部22が、算出した1日あたりの時間平均消費電力量を、算出データとして、算出データ保持部24へ記録する(ステップS105)。
【0062】
以上のように、消費電力量算出装置100では、TEC値に基づき、機器200の消費電力を推定する。
【0063】
また、上記算出処理手順により得られた機器200の消費電力量(推定値)は、例えばCO2排出量やエネルギーコストなどの算出に用いることができる。このようにして算出され得られた値は、環境負荷軽減やコスト削減などの分析に用いられる。
【0064】
<他の動作環境>
上記推定値の利用を考えると、図1を用いて説明を行った動作環境の他に、例えば図6に示すような動作環境も想定される。
【0065】
図6は、本実施形態に係る消費電力量算出装置100の動作環境例(その2)を示す図である。図6には、機器200の状態を遠隔監視するシステム10(以下、「遠隔監視システム」という。)の一例が示されている。
【0066】
遠隔監視システム10は、例えばメーカ側に構築された機器分析システム1000と、ユーザ側(企業側)に構築された機器管理システム2000とが、インターネットなどの外部ネットワーク80により接続されている。
【0067】
機器分析システム1000は、上記に説明を行った消費電力量算出装置100と、1又は複数のPC300とが内部ネットワーク90で接続されている。
【0068】
機器管理システム2000は、1又は複数の機器200と、これらの機器200を監視し、機器管理を行う機器管理装置400と、1又は複数のPC300とが内部ネットワーク90で接続されている。このような環境において、機器管理装置400は、所定の監視間隔に従って、管理対象の機器200から定期的に機器情報を取得する。
【0069】
さらに、機器分析システム1000と機器管理システム2000とは、互いの内部ネットワーク90が、例えばファイアウォールを介して外部ネットワーク80に接続されている。
【0070】
これにより、機器分析システム1000が有する消費電力量算出装置100は、外部ネットワーク80を介して、機器管理システム2000が有する機器管理装置400から、機器200の機器情報を取得することができる。
【0071】
具体的には、消費電力量算出装置100は、機器情報取得部21により、外部ネットワーク80を介して、機器管理装置400に対して機器情報の取得要求を行う(S1)。その結果、機器管理装置400は、各機器200から取得した機器情報を要求元へ送信し応答する(S2)。消費電力量算出装置100は、このようにして取得した機器情報を基に、消費電力量算出部22により、機器200の消費電力量を算出できる。
【0072】
その結果を受けて、機器分析システム1000では、CO2排出量やエネルギーコストなどの算出を行い、環境負荷軽減やコスト削減などの分析が行える。
【0073】
なお、上記では、消費電力量算出装置100から機器情報の取得要求を行い、その応答として機器管理装置400から機器情報が送信される構成について説明を行った。消費電力量算出装置100が機器情報を取得する方法は、この限りでなく、例えば、消費電力量算出装置100が情報取得要求を行わずとも、機器管理装置400が動的に機器情報を送信する構成であってもよい。
【0074】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る消費電力量算出装置100によれば、機器情報取得部21により、機器200の機器情報を取得する。また、消費電力量算出装置100は、消費電力算出部22が、機器200のTEC値(1週間あたりの時間平均消費電力量)と取得した機器情報に含まれる機器200における1週間あたりの印刷枚数とに基づき、機器200における1日あたりの消費電力量を算出する。
【0075】
これにより、計測器を用いることなく機器200の消費電力を取得することができる。
【0076】
[第2の実施形態]
本実施形態では、機器のTEC値をも推定する構成について説明する。
【0077】
機器のTEC値は、機器200の製造年度に応じて異なる。よって、場合によっては、製造年度の古い機器のTEC値は公表されていない場合が考えられる。
【0078】
そこで、本実施形態では、最も新しい製造年度(以下、「最新製造年度」という。)に対応するTEC値から、古い製造年度のTEC値を推定し、推定したTEC値に基づき、機器の消費電力量を算出する。
【0079】
以下に、上記機能を有する本実施形態に係る消費電力量算出装置について説明する。なお、以降では、第1の実施形態と同じ技術的事項について同一参照符号を付し、その説明を便宜省略する。
【0080】
<消費電力量算出機能>
本実施形態に係る消費電力量算出装置100が有する機能で、第1の実施形態と異なる点は、消費電力量算出部22である。
【0081】
《機能構成》
図7は、本実施形態に係る消費電力量算出部22の機能構成例を示す図である。
【0082】
図7に示すように、本実施形態に係る消費電量算出部22は、製造年度判定部221及びTEC値算出部222を有している。
【0083】
製造年度判定部221は、機器200の製造年度が最新製造年度と一致するか否かを判定する。そのため、製造年度判定部221は、まず、機器情報取得部21により取得した機器情報に含まれる機器200の製造年度を示す情報(以下、「製造年度情報」という。)に基づき、最新製造年度からさかのぼって何年前の製造年度かを特定する。例えば、最新製造年度が2008年度で、取得した機器情報に含まれる製造年度情報が2003年度であった場合には、機器200が5年前の製造年度であると特定される。
【0084】
よって、製造年度判定部221は、特定した機器200の製造年度が、1年前以上の製造年度である場合には、最新製造年度と一致しないと判定し、後述するTEC値算出部222へ製造年度に応じたTEC値の推定を要求する。
【0085】
TEC値算出部222は、算出要求を受け付けると、製造年度判定部221により特定したN年前の製造年度と年間平均の消費改善効率とに基づき、所定の計算式を用いて、製造年度に対応するTEC値を算出する。
【0086】
本実施形態では、省エネ関連情報(例えば「省エネ関連法規により公表される各種情報」)から得られる消費改善効果から、製造年度に対応するTEC値を推測する。例えば、省エネ関連情報から「6年間で40(%)」という消費改善効果が得られたとする。この場合、1年間平均の消費改善効率は、約6.7(%)となる。
【0087】
そこで、TEC値算出部222は、製造年度に応じた消費改善効率に基づき、その当時のTEC値を推定する。そのため、TEC値算出部222は、最新製造年度からさかのぼったN年前の製造年度を算出する。
【0088】
そのため、最新製造年度の消費改善効率を1として、N年前の製造年度の消費改善効率を、式[1+N*0.067]により算出する。この算出値は、最新製造年度に対応するTEC値から、N年前にさかのぼった製造年度に対応するTEC値を算出する増加係数を示す値である。
【0089】
TEC値算出部222は、このように算出された増加係数を、最新製造年度のTEC値に乗算し、製造年度に応じたTEC値を算出する。
【0090】
例えば、機種"MFP01"の2003年に製造された機器200の場合には、最新製造年度2008年に対応するTEC値が10.1(kWh)であることから、製造年度2003年に対応するTEC値が約13.484(=10.1*(1+(5*0.067)))と算出される。
【0091】
このように、本実施形態に係る消費電力量算出部22は、上記各機能部が連係動作することにより、各製造年度に対応するTEC値を推定し、推定したTEC値に基づき機器200の消費電力量(推定値)を算出する。
【0092】
以下に、上記製造年度に応じたTEC値の算出を含む消費電力量算出機能の詳細な動作(機能部群の連係動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
【0093】
《機能動作》
消費電力量算出機能は、消費電力量算出装置100に搭載(インストール)される消費電力量算出プログラム(ソフトウェア部品)が、CPU106により、格納先(例えば「ROM105」など)からRAM104上に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0094】
図8は、本実施形態に係る消費電力量算出の処理手順例を示すフローチャートである。
図8に示すように、消費電力量算出装置100は、機器情報取得部21により、機器200から各種識別情報(機器識別情報や機種識別情報)及び出力枚数を含む機器情報を取得する(ステップS201)。なお、機器情報取得部21は、単に出力枚数を取得するのではなく、TEC値を用いて消費電力量を算出するために、TEC値と同じ、1週間あたりの出力枚数を取得する。
【0095】
続いて、消費電力量算出装置100は、消費電力量算出部22が有する製造年度判定部221により、ステップS101における取得した機器情報に含まれる機器200の製造年度情報に基づいて、最新製造年度からさかのぼって何年前の製造年度かを特定する。つまり、機器200の製造年度を特定する(ステップS202)。
【0096】
続いて、消費電力量算出装置100は、消費電力量算出部22により、TECの標準出力枚数と、ステップS201における取得出力枚数との差分枚数を算出する(ステップS203)。具体的には、まず、TECの標準出力枚数を算出する。標準出力枚数は、以下の[式1]により算出できる。
TECの標準出力枚数 = 0.5*(IPM値*IPM値) ・・・ [式1]
そのため、消費電力量算出部22は、ステップS101において取得した機種識別情報を基に、算出用データ保持部23に保持される機種固有情報31を参照し、機種に対応するTEC値及びIPM値を取得する。消費電力量算出部22は、このようにして取得したIPM値を基に、標準出力枚数を算出する。例えば、機種が"MFP01"の場合には、対応するIPM値が"30"となるので、TECの標準出力枚数は、450(枚)と算出される。
【0097】
これにより、消費電力量算出部22は、差分枚数を、以下の[式2]により算出する。
差分枚数 = |TECの標準出力枚数―取得出力枚数| ・・・ [式2]
例えば、TECの標準出力枚数が450(枚)"で、取得出力枚数が1000(枚)の場合には、差分枚数が550(枚)となる。
【0098】
続いて、消費電力量算出装置100は、消費電力量算出部22が有する製造年度判定部221により、ステップS202において特定した機器200の製造年度が、最新製造年度と一致するか否かを判定する(ステップS204)。
【0099】
ステップS204において、最新製造年度と一致した場合には(ステップS204:YES)、消費電力量算出装置100は、消費電力量算出部22により、算出差分枚数及びステップS203における取得TEC値を基に1週間あたりの時間平均消費電力量を算出する(ステップS205)。具体的には、まず、1枚あたりの稼働電力値を算出する。1枚あたりの稼働電力値は、以下の[式3]により算出できる。
1枚あたりの稼働電力値 = (1時間の稼働電力値/3600)*1枚あたりの出力時間 ・・・ [式3]
例えば、1時間の稼働電力値が1050(W)とすると、1秒あたりの稼働電力値は、0.291(W)となる。また、IPM値が"30"から1枚あたりの出力時間は、2(秒)となる。その結果、1枚あたりの稼働電力値は、0.582(w)と算出される。
【0100】
これにより、消費電力量算出部22は、1週間あたりの時間平均消費電力量を、以下の[式4]により算出する。
1週間あたりの時間平均消費電力量 =取得TEC値+(算出差分枚数*算出した1枚あたりの稼働電力値) ・・・ [式4]
例えば、機種が"MFP01"の場合には、取得TEC値が"10.1(kWh)"となり、かつ算出差分枚数550(枚)となる。その結果、算出した1枚あたりの稼働電力値が0.582(w)の場合、1週間あたりの時間平均消費電力量は、約10.420(kWh)と算出される。
【0101】
続いて、消費電力量算出装置100は、消費電力量算出部22により、1週間における各曜日の電力消費割合を基に1日あたりの時間平均消費電力量(推定値)を算出する(ステップS206)。消費電力量算出部22は、1日あたりの時間平均消費電力量を、以下の[式5]により算出する。
1日あたりの時間平均消費電力量(推定値) = 算出した1週間あたりの時間平均消費電力量*曜日の電力消費割合 ・・・ [式5]
そのため、消費電力量算出部22は、ステップS201において取得した機器識別情報を基に、算出用データ保持部23に保持される電力消費割合情報32を参照し、電力消費割合の登録パターンを特定する。続いて、特定した登録パターンのうち、曜日に対応する電力消費割合の値を取得する。消費電力量算出部22は、このようにして取得した電力消費割合とステップS205において算出した1週間あたりの時間平均消費電力量とを基に、1日あたりの時間平均消費電力量を算出する。
【0102】
例えば、機器が"M1"の場合には、パターン1が特定され、対応する電力消費割合が"20(%)"となる。その結果、1日あたりの時間平均消費電力量は、約2.084(kWh)と算出される。
【0103】
続いて、消費電力量算出装置100は、消費電力量算出部22が、算出した1日あたりの時間平均消費電力量を、算出データとして、算出データ保持部24へ記録する(ステップS207)。
【0104】
一方、ステップS204において、最新製造年度と不一致の場合には(ステップS204:NO)、消費電力量算出装置100は、消費電力量算出部22が有するTEC値算出部222により、ステップS204において判定したN年前の製造年度(以下、「判定製造年度」という。)と年間平均の消費改善効率とを基に、製造年度に対応するTEC値を算出する(ステップS208)。TEC値算出部222は、製造年度に対応するTEC値を、以下の[式6]により算出する。
製造年度に対応するTEC値 = 最新製造年度のTEC値*(1+(N*0.067)) ・・・ [式6]
なお、上記最新製造年度のTEC値は、最新のエネルギースター登録値である。また、上記Nは、製造年度判定部221により判定したN年前の製造年度である。
【0105】
例えば、最新製造年度2008年で、機器200の製造年度が5年前の2003年であった場合、上記[式6]の[1+(N*0.067)]を算出すると1.335となる。この値は、最新製造年度2008年の消費改善効率を1とした場合に、最新製造年度に対応するTEC値から、5年前にさかのぼった製造年度に対応するTEC値を算出する増加係数を示す値である。
【0106】
よって、TEC値算出部222は、算出された増加係数を最新製造年度のTEC値に乗算し、製造年度に応じたTEC値を算出する。
【0107】
例えば、機種"MFP01"の2003年に製造された機器200の場合には、最新製造年度2008年に対応するTEC値が10.1(kWh)である。その結果、製造年度2003年に対応するTEC値は、約13.484(kWh)と算出される。
【0108】
このようにして算出されたTEC値(推定値)は、ステップS205の処理手順で用いられる。
【0109】
以上のように、消費電力量算出装置100では、製造年度に応じてTEC値を推定し、推定したTEC値に基づき、機器200の消費電力を推定する。
【0110】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る消費電力量算出装置100によれば、機器情報取得部21により、機器200の機器情報を取得する。続いて、消費電力量算出装置100は、消費電力算出部22が製造年度判定部221により、機器200の製造年度を特定し、機器200の製造年度が最新製造年度であるか否かを判定する。消費電力量算出装置100は、機器200の製造年度が最新製造年度でなかった場合に、TEC値算出部222により、判定した製造年度から製造年度に応じたTEC値(推定値)を算出する。
【0111】
その結果、消費電力量算出装置100は、消費電力算出部22がTEC値算出部222により算出した機器200のTEC値(1週間あたりの時間平均消費電力量)と、取得した機器情報に含まれる機器200における1週間あたりの印刷枚数とに基づき、機器200における1日あたりの消費電力量を算出する。
【0112】
これにより、計測器を用いることなく機器200の消費電力を取得することができる。さらに、機器200が古い機種であっても、その製造年度に応じたTEC値を推定し、推定値を基に機器200の消費電力を取得することができる。
【0113】
ここまで、上記実施形態に基づき説明を行ってきたが、上記実施形態に係る消費電力量算出機能は、図を用いて説明を行った各処理手順を、消費電力量算出装置100の動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、CPU106により実行されることで実現可能な機能である。
【0114】
上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体103aに格納することができる。記録媒体103aには、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)、及びDVD(Digital Versatile Disk)、ならびにSDメモリカード(SD Memory Card)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどがある。
【0115】
よって、上記プログラムは、上記記録媒体103aを読み取り可能なドライブ装置103を介して消費電力量算出装置100にインストールすることができる。また、消費電力量算出装置100は、インタフェース装置107を備えていることから、電気通信回線を介して上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0116】
また、上記実施形態の中で、算出用データ保持部23から、機種識別情報を基にTEC値を取得する構成を例に説明を行ったが、この限りでない。例えば、機器200から取得した機器情報にTEC値が含まれているか否かを判定し、含まれていたと判定した場合には、機器情報のTEC値を用い、含まれていない場合には、算出用データ保持部23から取得する構成であってもよい。
【0117】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0118】
1 消費電力量算出システム
10 遠隔監視システム
21 機器情報取得部
22 消費電力量算出部
23 算出用データ保持部
24 算出データ保持部
221 製造年度判定部
222 TEC値算出部
31 機種固有情報
32 電力消費割合情報
41 消費電力量(推定値)
80 外部ネットワーク(インターネット)
90 内部ネットワーク(LAN)
100 消費電力量算出装置
101 入力装置
102 表示装置
103 ドライブ装置(a:記録媒体)
104 RAM(揮発性の半導体メモリ)
105 ROM(不揮発性の半導体メモリ)
106 CPU(中央処理装置)
107 インタフェース装置(NIC:Network I/F Card)
108 HDD(不揮発性の記憶装置)
200 機器(画像形成装置)
300 クライアントPC(情報処理装置)
400 機器管理装置(機器管理サーバ)
1000 機器分析システム
2000 機器管理システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0119】
【特許文献1】特開2005−53122号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデータ伝送路を介して接続される機器から機器情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した機器情報に含まれる前記機器の出力枚数と前記機器のTEC(Typical Electricity Consumption)値とに基づき、前記機器の消費電力量を算出する算出手段と、を有することを特徴とする消費電力量算出装置。
【請求項2】
前記算出手段は、
前記機器情報に基づく前記機器における1週間あたりの出力枚数と前記機器のTEC値とに基づき、前記機器の消費電力を算出することを特徴とする請求項1に記載の消費電力量算出装置。
【請求項3】
当該消費電力量算出装置が、
前記機器の消費電力量を算出するための算出用データを所定の記憶領域に格納し保持する保持手段を有し、
前記算出手段は、
前記保持手段により保持される算出用データのうち、1週間における各曜日の消費電力割合を示す情報を参照し、
1週間あたりの消費電力量に、参照して得た各曜日の消費電力割合を乗算することにより、1日あたりの消費電力量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の消費電力量算出装置。
【請求項4】
前記算出手段は、
前記機器情報に基づく前記機器における1週間あたりの出力枚数とTECの標準出力枚数との差分枚数を算出し、
算出した差分枚数と前記機器のTEC値とに基づき、1週間あたりの消費電力量を算出することを特徴とする請求項3に記載の消費電力量算出装置。
【請求項5】
前記算出手段は、
前記保持手段により保持される算出用データのうち、前記機器における機種ごとのTEC値を示す情報を参照し、
前記機器の出力枚数と参照して得たTEC値とに基づき、前記機器の消費電力量を算出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の消費電力量算出装置。
【請求項6】
当該消費電力量算出装置が、
前記機器情報に基づき前記機器の製造年度を特定し、特定した製造年度が最新の製造年度と一致するか否かを判定する判定手段を有し、
前記判定手段は、
判定結果に基づき、前記特定した製造年度に対応するTEC値の算出を要求することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の消費電力量算出装置。
【請求項7】
当該消費電力量算出装置が、
年平均の消費効果率に基づき、製造年度に対応するTEC値を算出するTEC値算出手段を有し、
前記TEC値算出手段は、
前記判定手段からの算出要求を受け付けると、
前記年平均の消費効果率と前記特定した製造年度とに基づき算出した増加係数を、最新の製造年度に対応するTEC値に乗算し、前記特定した製造年度に対応するTEC値を算出することを特徴とする請求項6に記載の消費電力量算出装置。
【請求項8】
所定のデータ伝送路を介して接続される機器から機器情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得した機器情報に含まれる前記機器の出力枚数と前記機器のTEC(Typical Electricity Consumption)値とに基づき、前記機器の消費電力量を算出する算出手順と、を有することを特徴とする消費電力量算出方法。
【請求項9】
コンピュータを、
所定のデータ伝送路を介して接続される機器から機器情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した機器情報に含まれる前記機器の出力枚数と前記機器のTEC(Typical Electricity Consumption)値とに基づき、前記機器の消費電力量を算出する算出手段として機能させる消費電力量算出プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−214667(P2010−214667A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62051(P2009−62051)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】