説明

消防・防災・安全用標識プレートおよび消防・防災・安全用標識プレート作成キット

【課題】従来の類似のものには見られないレベルで、優れた視認効果を発揮することのできる消防・防災・安全用の標識プレートを提供する。
【解決手段】以下の(A)と(B)の各シートを用い、一方は地を形成する地シートとして使用し、他方は識別型を形成する型シートとして使用して構成した。(A)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズとカラーインク層を有した再帰反射性シート、(B)蓄光材を含有した蓄光性シート、(C)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子および蓄光材を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層からなるシート、(D)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子、蓄光材および色素を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層からなるシート

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の類似のものには見られないレベルで視認性に優れた消防・防災・安全用標識プレートと、該消防・防災・安全用標識プレートを作成するために用いられる消防・防災・安全用標識プレート作成キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、反射領域と蓄光性発光領域の2領域を有するように形成された蓄光性を有する反射シートが、道路標識用、工事標識、案内標識用または安全誘導用表示板など、あるいは防災作業衣など安全衣料分野などの用途分野用として提案されている(特許文献1〜3)。
【0003】
このように構成された反射シートは、光の反射でそのシートの本来の設置目的(情報表示・標識機能など)を良好に達成することができることに加えて、光がない状況下でも、蓄光発光により該シートの本来の設置目的を達成することができるようにされている点で優れたものである。特に、建物内、地下鉄駅内、地下街・地下道あるいは工場内などの安全誘導用表示板としての使用に効果的であり、期待が持たれるものである。
【0004】
しかし、火災現場や停電現場などの厳しい事態下では、夜間や建物内で反射するのに元となる光がほぼ存在しない状況となったり、あるいは、発生する黒煙等が遮蔽物となり、その存在が光を照らすことを困難にしたりあるいは見えにくくして視認性が阻害される場合がある。
【0005】
本発明者らの各種知見によれば、こうした状況下においても、特に有効なことは、反射機能をより高くすることであり、特に、火災現場や停電現場の初期の状態では、わずかな光に対しても光量が大きく、それも、再帰型の反射をすることができる標識プレートが望まれるものであった。
【0006】
こうした観点からみると、特許文献1〜3のものは、さらに一層高度な性能の実現が望まれるものであった。
【特許文献1】特開平5−173008号公報
【特許文献2】特開平8−129351号公報
【特許文献3】特開2006−138054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、従来の類似のものには見られないレベルで、優れた視認効果を発揮することのできる消防・防災・安全用の標識プレートを提供することにある。
【0008】
さらにまた、そのような標識プレートを、建造物内の通路構造等の個別事情等に合わせ、プレート設置者が適宜に作成できる消防・防災・安全用標識プレート作成キットを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成する本発明(第1の本発明)の消防・防災・安全用標識プレートは、以下の(1)のとおりの構成を有する。
(1)以下の(A)と(B)の各シートを用い、その一方を地を形成する地シートとして使用し、他方を識別型を形成する型シートとして使用して、情報表示・標識機能を有するプレートに構成せしめたことを特徴とする消防・防災・安全用標識プレート。
(A)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズとカラーインク層を有してなり、該カラーインク層と該ガラスビーズは、該カラーインク層の表層寄りに該ガラスビーズが多く偏在してかつ該ガラスビーズが該カラーインク層に担持されて形成された再帰反射性シート、
(B)蓄光材を含有した蓄光性シート、
【0010】
また、かかる本発明の消防・防災・安全用標識プレートにおいて、より具体的構成として好ましくは、以下の(2)〜(5)のいずれかの構成を有する。
(2)前記(B)の蓄光性シートが、反射材を含有していることを特徴とする上記(1)記載の消防・防災・安全用標識プレート。
(3)前記(A)の再帰反射性シートが、反射材粒子を含有していることを特徴とする上記(1)または(2)記載の消防・防災・安全用標識プレート。
(4)前記(A)の再帰反射性シートに含有されている反射材粒子が、白色のものであることを特徴とする上記(3)記載の消防・防災・安全用標識プレート。
(5)前記(A)の再帰反射性シートに含有されている白色の反射材粒子が、雲母粒子に酸化チタンをコーティングしたものであることを特徴とする上記(4)記載の消防・防災・安全用標識プレート。
【0011】
また、上述した目的を達成する本発明(第2の本発明)のもう一つの消防・防災・安全用標識プレートは、以下の(6)のとおりの構成を有する。
(6)視認される色彩が相違する以下の(C)と(D)の各シートを用い、その一方を地を形成する地シートとして使用し、他方を識別型を形成する型シートとして使用して、情報表示・標識機能を有するプレートに構成せしめたことを特徴とする消防・防災・安全用標識プレート。
(C)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子および蓄光材を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層であって、かつ前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在している樹脂層からなるシート、
(D)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子、蓄光材および色素を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層であって、かつ、前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在している樹脂層からなるシート、
【0012】
また、かかる(6)の本発明の消防・防災・安全用標識プレートにおいて、より具体的構成として好ましくは、以下の(7)〜(11)のいずれかの構成を有する。
(7)前記(C)の樹脂層シートが、(D)の樹脂層シートに含まれる色素と相違する色の色素を含有しているものであることを特徴とする上記(6)記載の消防・防災・安全用標識プレート。
(8)前記(C)の樹脂層シートと(D)の樹脂層シートの双方または一方において、前記ガラスビーズの平均粒径が前記蓄光材の平均粒子径よりも大きく、かつ、該蓄光材の平均粒子径が前記反射材の平均粒子径よりも大きいことを特徴とする上記(6)または(7)記載の消防・防災・安全用標識プレート。
(9)前記(C)の樹脂層シートと(D)の樹脂層シートの双方または一方において、前記ガラスビーズの平均粒径が前記蓄光材の平均粒子径の2〜5倍であり、該蓄光材の平均粒子径が前記反射材の平均粒子径の2〜5倍であることを特徴とする上記(8)記載の消防・防災・安全用標識プレート。
(10)前記(C)の樹脂層シートと(D)の樹脂層シートの双方または一方において、前記反射材粒子が、雲母粒子を含んでなることを特徴とする上記(6)〜(9)のいずれかに記載の消防・防災・安全用標識プレート。
(11)前記雲母粒子が、酸化チタンで白色にコーティングされてなるものであることを特徴とする上記(10)記載の消防・防災・安全用標識プレート。
【0013】
また、上述した目的を達成する本発明の消防・防災・安全用標識プレート作成キットは、以下の(12)のとおりの構成を有する。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の消防・防災・安全用標識プレートを構成するための地シート用と型シート用のシート状物の複数が、一つのキットとして構成されていることを特徴とする消防・防災・安全用標識プレート作成キット。
【発明の効果】
【0014】
請求項1にかかる本発明(第1の本発明)によれば、反射領域と蓄光発光性領域の2領域を有して情報表示・標識機能を発揮するように構成された消防・防災・安全用標識プレートにおいて、わずかな光に対しても光量大きく、再帰型の反射をすることができて、苛酷な状況下においても、良好な識別性能を発揮することができる消防・防災・安全用標識プレートが提供される。
【0015】
また、請求項6にかかる本発明(第2の本発明)によれば、視認される色彩が相違する、反射と蓄光発光の両特性を兼備した2以上の領域により情報表示・標識機能を発揮するように構成された消防・防災・安全用標識プレートにおいて、わずかな光に対しても光量大きく、再帰型の反射をすることができて、苛酷な状況下においても視認される色彩の相違をクリアなものにできて、より良好な識別性能を発揮することができる消防・防災・安全用標識プレートが提供される。
【0016】
また、請求項12にかかる本発明の消防・防災・安全用標識プレート作成キットによれば、上述した請求項1または請求項6記載の効果を有する消防・防災・安全用標識プレートを、プレート設置者が、建造物内の通路構造などの個別事情等に合わせて最適なものを作成し設置できるキットが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、更に詳しく本発明の消防・防災・安全用標識プレートと消防・防災・安全用標識プレート作成キットについて説明する。
【0018】
第1の本発明の消防・防災・安全用標識プレートは、以下の(A)と(B)の各シートを用い、その一方を、地を形成する地シートとして使用し、他方を、識別型を形成する型シートとして使用して、情報表示・標識機能を有するプレートに構成したものである。
(A)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズとカラーインク層を有してなり、該カラーインク層と該ガラスビーズは、該カラーインク層の表層寄りに該ガラスビーズが多く偏在してかつ該ガラスビーズが該カラーインク層に担持されて形成された再帰反射性シート、
(B)蓄光材を含有した蓄光性シート、
かかる(A)と(B)の各シートを組み合わせて一つのプレートに形成して使用するが、シートの一方は地を成すシートとして使用し、他方は識別型を形成する型シートとして使用する。
【0019】
識別型とは、各種の消防・防災・安全用標識プレートとしての情報伝達のための識別機能を発揮するマークや図柄、文字列などを形成させるための型をいう。型シートとは、例えば、「消火器」や「非常口」などの文字列、非常口の図柄に向かい人が走っていく姿の図柄や、階段に向かって人が歩いていく姿の図柄などを構成することのできる外形輪郭が特定の型に形作られたシートを言う。該型シートにより形成される型は、ポジティブに形を形成するものであってもよいが、ネガティブに形を形成するものであってもよい。
【0020】
要は、いずれが型シートで、いずれが地シートであるかは、見方の問題にすぎないので、本発明ではさほど重要な概念ではなく、少なくとも2種シートが組合わされて、互いに全体として識別のためのマークや図柄、文字列などを形成しているものであればよい。
【0021】
図1は、本発明にかかる消防・防災・安全用標識プレートの構成を説明するものであり、図1(a)〜(c)は、一つの消防・防災・安全用標識プレートであっても、その視認のされ方(見え方)は、3種の態様があることを説明する概略モデル図である。
【0022】
図1において、本発明にかかる消防・防災・安全用標識プレート1は、正面から見た場合、型シート(あるいは地シート)1A、地シート(あるいは型シート)1Bから成っており、それらシートの組合せにより、看者に知らしめるべき一定の情報が該標識プレート上に付加されている。同図(a)は、その設置場所における通常の状態での見え方をモデル的に表現したものであり、例えば、濃緑色で1A部分が形成され、明るい薄黄緑色で1B部分が形成されて視認されるものである。同図(b)は、再帰反射した光の中での見え方をモデル的に表現したものであり、例えば、全体的に反射して光る中で、1A部分が明るい水色に見え、1B部分が金〜銀色などに見えて、プレート全体として情報の視認性が非常に良好である。また同図(c)は、看者や該標識プレートの周辺空間が非常に暗い中でも、該標識プレート中の矢印と出口の図柄が暗い地色の中で蓄光発光により浮かび上がるように見えて、視認性を発揮するものである。
【0023】
ここで、図1(b)で説明をした再帰型の反射(光)とは、図7(a)に、ガラスビーズ2の列と入射光Eとその反射光Rの関係をモデル的に示したように、入射してきた方向とほぼ同一の方向に光が反射する性質の反射(光)をいい、正面位置あるいは斜め位置からであっても、看者が該標識プレートに光を照射する限り、明るい直接の反射光としてその看者に認識でき、該標識プレートにて示されている情報を即座かつ確実に認識でき、その身の処し方を知ることができるのである。
【0024】
この再帰型の反射は、ガラスビーズのような反射材が持つ光学的特性であるが、特に、本発明では、特定の屈折率の範囲(屈折率が1.5〜2.2)と特定の粒径の範囲(粒径が10〜250μm)のガラスビーズを使用することにより、視認性に特に優れた再帰型反射の効果を得ることができる。特に、屈折率の好ましい範囲は1.8〜2.1、ガラスビーズの径の好ましい範囲は50〜250μm、さらに最も好ましい範囲は50〜120μmである。
【0025】
なお、図7(b)は、鏡面反射での入射光Eとその反射光Rの方向を示したモデル図であり、このような反射の仕方では、看者が斜め位置から該標識プレートに光を照射することになる場合、該反射光はその標識プレートに示されている情報を看者に即座かつ確実に認識させる点ではほとんど寄与することができないのである。
【0026】
なお、図7(a)、(b)において、Bはベース(基体、支持体)を示しているが、このベースBに色素を含ませている場合には、該色素の色が反射光Rの色として視認されることとなり、該色によっても視認性が向上し得るものである。色素は、顔料または染料、あるいはその両方が使用され、再帰反射光に有彩色(赤、青、黄色など)の色を付けて目立たせて視認性を一層向上させることができる。
【0027】
本発明(第1の本発明)の請求項1にかかる消防・防災・安全用標識プレートは、上に説明した再帰反射する機能を有する領域と、蓄光材を含有していて蓄光機能を有する領域との組合せで、マークや図柄、文字列などを形成して、有事の際などに有用な情報を表示するものである。ここで、蓄光機能とは、太陽光・蛍光灯などの光のエネルギーを吸収し、その蓄えたエネルギーを可視光線に変換することで光を放出する機能をいい、従来から蓄光塗料として知られているものなどを、適宜に塗布や印刷などにより基体に付与して使用すればよい。すなわち、硫化物系のもの(例えば、化学組成がZnS:Cuのもの)や酸化物系のもの(例えば、化学組成がSrAl:Eu,Dyのもの)等を使用することができるが、放出する光の量(残光輝度)と残光時間をより大きくできる点や耐熱性・耐久性の点で、酸化物系のものを使用することが好ましい。また、蓄光材は、粒子状のものとして使用することが、残光輝度、残光時間を大きくできる点や塗布のし易さの点で好ましく、平均粒径は好ましくは0.5〜200μmのもの、より好ましくは5〜100μm、最も好ましくは10〜60μmのものを使用するのがよい。
【0028】
第1の本発明の消防・防災・安全用標識プレートの具体的な構造の態様例を、図2〜図4により説明する。
【0029】
図2〜図4は、いずれも第1の本発明にかかる消防・防災・安全用標識プレート1の態様例をモデル的に示したものであり、本発明の消防・防災・安全用標識プレート1は、少なくとも上述した特定の屈折率と径を有したガラスビーズ2の多数とカラーインク層4とで再帰反射性シートを構成し、特に該カラーインク層4の表層寄りに該ガラスビーズ2が多く偏在するようにされている。ガラスビーズ2がカラーインク層4に担持されて表層寄りに多く偏在することにより、図7(a)にモデル的に示した再帰型反射がより効果的に実現される。
【0030】
ガラスビーズ2は、無色透明なものを使用することが肝要であり、そのようにすることによって、カラーインク層4の色をピュアに呈したものとして反射光が視認されることとなる。カラーインク層は、例えば、顔料もしくは染料の色素と無色透明なメジウム成分あるいは樹脂成分からなるものである。
【0031】
図2において、5で示したのは遮蔽層であり、例えば、白色の顔料が含有されて構成される不透明な白色の樹脂層で形成される。該遮蔽層が存在することにより、光量が大きく強い反射光となり、また該反射光の色も鮮明なものとなる。該遮蔽層5中には、光をより反射させる機能を積極的に持たせるために、反射材粒子(反射鏡)6としての機能をもつ粒子を含有させてもよい。
【0032】
例えば、反射材としては、アルミニウム粒子や、天然あるいは人工の雲母粒子などが該当し、代表的にはこれら粒子を用いることができる。なお、該雲母粒子は、一般に半透明なもので、光を半ば透過させるので酸化チタンなどをコーティングして白色反射面を呈するようにして用いることが反射光の色を鮮明なものにする上で好ましい。雲母粒子は、一般に薄板状の粒子であり、本発明において、天然品あるいは人工合成品のいずれでも使用できる。雲母粒子は、層状構造を形成し、しかも半透過性を有し一部の光を反射し一部の光を透過させるために、光の多重層反射を起こすことができ、透過した光も下側の雲母粒子により色素を介して反射されることとなり、再帰反射光としての光量、色の強さ・鮮明さ向上効果に寄与するものである。反射材粒子(雲母粒子など)は、平均粒子径(平均長径)は好ましくは0.1〜100μm程度のもの、より好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは5〜25μm程度のものを用いることであり、ガラスビーズの粒径よりも小さいものを用いれば、ガラスビーズの間を透過してくる光を反射する層として作用でき好ましいものである。
【0033】
また、使用する色素(顔料、染料)の粒子径は、極力小さいものとすべきであり、好ましくは0.01〜10μm程度、より好ましくは0.1〜1μm程度のものを使用することがよい。色素の粒子径が0.01μmよりも小さい場合には、一般に高価格となり望ましくなく、また、10μmよりも大きい場合には、該色素が反射材や反射材粒子ないしは透過性反射材粒子としての雲母粒子などよりも大きいものである率が高くなり、その結果、該反射材や該雲母粒子まで到達する光を遮る率が高くなり、反射光量を低下させることになるので好ましくない。
【0034】
なお、カラーインク層を構成する上であるいは各層を構成する上で、メジウムやベース樹脂(分散媒樹脂)を用いる場合、発光や発色に影響を与えない透明なもので、かつ耐熱性のあるもの、いわゆる透明インク樹脂などを用いるのがよい。該樹脂は、有機系のものや無機系のものなど、さらに水系や油性のもの等を使用できるが、扱いのしやすさなどからアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などを使用するのが好ましい。
【0035】
第1の本発明のプレートにおいて、図1に示した遮蔽層5を特に設けない場合は、図3に示したようにカラーインク層4内に、アルミニウム粒子や雲母粒子などの反射材粒子6を含有させればよい。
【0036】
図2および図3において、3は蓄光材の層であり、この図2、図3に示した態様では、標識プレートの全体を蓄光材層3を有するシートで形成し、その上に上述した再帰型反射性シートを添着した構成となっている。すなわち、再帰型反射性シートで覆われていない部分が蓄光性領域となり、再帰型反射性シートで覆われている領域部分とで、識別マーク、柄などを構成する。再帰型反射性シートで覆われていない領域の該蓄光材層3は、その表面がポリエステル樹脂や塩化ビニルなどの適宜の合成樹脂フィルム層7で覆われていてもよく(図2の態様)、あるいは直接、表面に露出されるようにされていてもよい(図3の態様)。
【0037】
図2および図3において、蓄光材層3の下には、特に限定されるものではないが、例えば、合成樹脂フィルム層7、接着剤層8、離型紙9などの層を形成して、プレート本体(図示せず)に、全体が接着・接合できるようにされている。
【0038】
また、蓄光材層3に、反射材(アルミニウム粒子や、透過性反射材粒子としての雲母粒子等)を含有するようにしてもよい。そのようにすると、それらによる反射機能を利用して視認される光量(残光輝度)を大きくすることができ、好ましいからである。
【0039】
図4は、再帰型反射性シートと蓄光性シートをそれぞれ形成した後、両者を突き合わせるようにして用いてプレートに形成した態様例を示したものである。このようにすると両領域の高低差がより小さいプレート構造を形成することができる。
【0040】
以下、請求項6にかかる第2の本発明の消防・防災・安全用標識プレートについて説明をする。
【0041】
図5と図6は、それぞれ第2の本発明の消防・防災・安全用標識プレート1の具体的な構造の態様例を示したものであり、該プレートは、視認される色彩が相違する以下の(C)と(D)の各シートを用い、その一方は地を形成する地シートとして使用し、他方は識別型を形成する型シートとして使用して、情報表示・標識機能を有するプレートに構成せしめたものである。
(C)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子および蓄光材を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層であって、かつ前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在している樹脂層からなるシート、
(D)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子、蓄光材および色素を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層であって、かつ、前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在している樹脂層からなるシート、
すなわち、地シート、型シートとして使用される各シートは、いずれも、屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ11を含有する再帰型反射層と蓄光層を少なくとも有して構成された再帰反射性蓄光シートであって、両者の相違は、視認される色の相違である。したがって、少なくとも一方のシートには、色素が含まれていることが肝要であり、双方ともに色素が含まれている場合には、視認される色が相違するようにして色素が使用されていること、すなわち、該色素の色を相違させて地シートと型シートを形成することが肝要である。色素は、色を相違させるものであればよく、前述したように顔料および/または染料を組合せて使用することができる。
【0042】
図5、図6において、12は蓄光材の粒子であり、13Aと13Bはカラーインク層であり、両者の色は相違するもので構成する。13Aと13Bのカラーインク層は、有色の透明なもので構成することがよく、いずれか一方は色素が含まれず無色透明なもので形成してもよい。14は反射材の粒子であり、15は接着剤層、16は離型紙、17はプレート基体である。
【0043】
ガラスビーズ11は、無色透明なものを使用して、色素が持つ色がそのまま視認できるようにすることが肝要であり、再帰反射特性を強くする上で、少なくとも(C)のシートと(D)のシートの一方かあるいは双方において、反射材粒子14として酸化チタンなどにより白色にコーティングされた雲母粒子などの半透過性の反射材粒子を用いるのがよい。反射材粒子としての雲母粒子の作用は、雲母は前述のように一般に半透明な鏡のようなものであり、入射する光や反射する光の透過に対して邪魔することがほとんどなく、結果的に、再帰反射させる光量を多くかつ色素による色彩も鮮明で強いものにすることができ、また、蓄光発色による発光量(残光輝度)の視認上の低下を招くものではないので、含有させることが好ましいものである。
【0044】
ガラスビーズの好ましい粒径の範囲、蓄光材の粒子径、反射材(雲母粒子など)粒子径および色差の粒子径の好ましい範囲は、前述した第1の本発明で説明したのと同様である。また、メジウムやベース樹脂(分散媒樹脂)についても第1の本発明で説明したのと同様である。
【0045】
このような構成にすることにより、再帰反射材シートとしての機能と、蓄光材シートとしての機能を、地シートと型シートのそれぞれが保有することとなり、ただし、視認される色は両者で相違するので、有事の場合でも、ライト等を使って光を照射できる状況下でも、あるいはライトなどがない状況下でも反射光あるいは蓄光発光により情報表示・標識機能を良好に発揮することができるものである。
【0046】
図2〜図6に示したように、各シートの層構造において、ガラスビーズは、表層寄りにより多く偏在している構造であることが再帰反射性能を高いものにする上で重要である。
【0047】
該構造を有するシートは、多段プリント方式による多段積層形成法、あるいは多段プリントによって積層転写シートを形成してのち転写する方法などにより、あるいは、ガラスビーズや蓄光材、反射材、場合により色素などをすべて混合した樹脂インク(これを、本発明では便宜上、オールインワンタイプの樹脂インクと呼ぶ)を用いて、1度でスクリーン印刷するという方法等で形成させることができる。1度で印刷するという方法の場合は、ガラスビーズ、色素粒子、蓄光材粒子、透過性反射材(雲母)粒子などの粒子径の大小関係(ガラスビーズの径を他のそれよりも大きくする、透過性反射材(雲母)粒子の粒子径を他よりも小さくするなど)などをうまく設定することにより、その印刷後のインク層が固化していく過程で、表面寄りにガラスビーズが多く偏在するように、かつ、色素粒子、蓄光材粒子、あるいは反射材粒子もしくは透過性反射材粒子(雲母粒子)などが下の方に多く分布するようにできる。
【0048】
より具体的に、表面寄りにガラスビーズが多く偏在するように、かつ、その下方に、色素粒子、蓄光材粒子、さらに反射材粒子もしくは透過性反射材粒子(雲母粒子など)などがより多く分布するように製造する方法に関して、3つの場合について説明する。
【0049】
すなわち、ガラスビーズ2、11が表面寄りに多く偏在している樹脂の層を形成するには、特に限定されるものではないが、代表的には、例えば、以下の(I)、(II)、(III)のうちのいずれかの方法によって製造できる。なお、色素を使用しない場合には、適宜に含有させずに層構造を形成するとよい。
【0050】
第2の本発明の標識プレートを形成する場合には、少なくとも(C)のシートと(D)のシートの双方か一方について、以下の(I)、(II)、(III)のうちのいずれかの方法によって製造することが好ましい。
【0051】
(I)転写シート方式:
転写シート方式による場合は、以下の(1)〜(5)の順に加工をして製造することができる。
(1)ガラスビーズ11を一面に敷き詰めたビーズのシート上に、蓄光インクで印刷またはコーティングして蓄光材12を含んだ蓄光樹脂層を設ける。
(2)さらに、その上から反射材と白顔料を含む樹脂インクで印刷またはコーティングして反射層を設ける。
(3)次に、反射材層の上に、ホットメルト接着樹脂層を印刷またはコーティングして転写シートを完成させる。
(4)この転写シートを基体に重ね、熱プレスするとホットメルト樹脂層と基体とが接着する。
(5)十分に冷えてから、ビーズシートのベースフィルム(図示していない)を剥がすことにより、図5に示したような構造を有する樹脂層を製造することができる。
このようにして転写して形成された樹脂層においては、その層の表面にガラスビーズが一面にあるので、良好に再帰反射をする。そして、ガラスビーズは透明なので、その内側に位置する蓄光剤を含んだ樹脂の層中の蓄光材が発光すると、その光はガラスビーズを通過し、外側から視認されるのである。蓄光材を含んだ樹脂層は、色素を含有させた有色か無色の透明な樹脂を用いる。さらに、その内側に反射材14と白色顔料(白色顔料がコーティングされた反射材)を入れ遮蔽性を備えた反射材層を設けると、さらに良好な蓄光や反射光が得られる。蓄光樹脂層の層(12)は遮蔽力がなく、光を一部通過させるので、通過した光は反射層材の層(14)に到達し光をはね返すことができるため、より強く再帰反射する仕組みとなっているのであり、さらに、ホットメルト樹脂接着層15には、ゴム系接着樹脂を混入することにより、変形などに対応することができる伸縮性を有するようにできるものである。
【0052】
また、印刷方式の場合には、スクリーン印刷法などを採用できるが、以下の(II)法または(III)法により製造することができる。
【0053】
(II)ガラスビーズ、蓄光材および反射材、場合により色素を含む樹脂インク(すなわち、オールインワンタイプの樹脂インク)を用いる場合:
流動性があるオールインワンタイプの樹脂インクで印刷し、反射機能と蓄光機能の両方を効率良く発現させるために、該樹脂インクを構成する各材料の粒子径を、以下のようにコントロールしてインクを作成する。
すなわち、例えば、ビーカーの中に大きい粒と小さい粒を入れて混合したとき、一応、均一に混ざるが、ビーカーに振動を与えてトントントンと叩くと、次第に粒子の大きいものは上に、小さいものは下に分布するようになるが、印刷樹脂インクでも同じようなことを起こさせることができ、ガラスビーズが一番上に、その次に蓄光材、そして最後(一番下)に反射材というように層状構造を構成するように粒子径を調整し、これにより、反射・蓄光の両機能を持つ、図6に示したような構造を有する樹脂の層を製造することができる。
このような層状構造を形成する上で、使用される各粒子のそれぞれの平均粒子径は、ガラスビーズは10〜250μmの範囲のものを使用すること、好ましくは50〜250μm、最も好ましくは50〜120μmの範囲のものを使用することである。蓄光材は平均粒子径で0.5〜200μmのものを使用することが好ましく、より好ましくは5〜10μm、最も好ましくは10〜60μmのものを使用することである。反射材は平均粒子径で0.1〜100μmのものを使用することが好ましく、より好ましくは1〜50μm、最も好ましくは5〜25μmのものを使用することである。
そして、そのような範囲の中で、粒径の大小の相互の関係は、ガラスビーズの平均粒子径は蓄光材のそれよりも大きく、また蓄光材の平均粒子径は反射材のそれよりも大きいものを用いることが、蓄光材の層、反射材の層を明瞭に形成できて、蓄光性能と再帰反射性能の両者を良好に保有させることができる点で好ましく、具体的には、ガラスビーズの平均粒径が蓄光材の平均粒子径の2〜5倍であり、蓄光材の平均粒子径が反射材の平均粒子径の2〜5倍であることが、確実に積層状に分離した層を形成させ得る点で好ましい。このそれぞれの差が2倍未満であれば、明確な積層状の構造ができにくい方向であり、また5倍を超える場合には、表面がざらつきが生じたり風合いが硬く重くなり、またそれぞれの粒子が脱落しやすくなる方向であり好ましくない。なお、色素は、反射材よりもさらに小さいものを用いることが好ましいが、一般に色素の粒子は非常に小さいのでその点では問題は少ない。
また、図3に示したような構造を持つ場合の(A)のシートは、ガラスビーズ2が表層寄りに多く偏在し、かつ反射材粒子6が内層寄りに多く偏在している構造のものであるが、そうした構造を持つ樹脂の層構造も、ガラスビーズと2と反射材の平均粒子径をうまく設定すること、具体的には、ガラスビーズの平均粒径が反射材の平均粒子径の2〜5倍であるようにして、それらと分散媒樹脂、必要に応じて色素などを混合して混合樹脂インクを構成し、該インクを用いて1段の印刷をすることにより得ることができる。
【0054】
(III)多段印刷法による反射・蓄光機能を出現させるための樹脂インクの場合:
標識プレートの基材に直接多段印刷するには、まず基材に遮蔽層を印刷する。遮蔽層は該基材が着色しているとき、その色が表面から見えないようにするためで、反射材14と白色顔料を含む樹脂インクで印刷をすればよいものである。次に、蓄光材12を含む樹脂インクで印刷する。この樹脂インクには、反射材(層中において、より下方に位置させるために、蓄光材よりも粒径が小さい反射材)を入れてもよい。その後、ガラスビーズ2、11を含む有色か無色の透明樹脂インクで印刷する。このようにして多段印刷して形成された樹脂の層は、反射と蓄光の両機能を備えたものとなる。
【0055】
以上のように、本発明の消防・防災・安全用標識プレートを製造するには、各種の方法があるが、特に、転写方式、多段印刷方式による場合は、ガラスビーズ2、11が整然と一列に担持されている状態を形成しやすいものであり、再帰反射効果を高くかつ安定して発揮できる樹脂の積層構造を製造できる。オールインワンタイプの樹脂インクを使ったプリント方式で製造する場合には、ガラスビーズ2、11が多少凹凸を呈して並んで存在する樹脂の層となるので、再帰反射特性は多少劣る方向であるが、本発明者らの各種知見によれば実用に問題ないほど十分高いものである。
【0056】
本発明にかかる消防・防災・安全用標識プレートは、例えば、図1に示したような一般的な構造形態のものや、あるいは、例えば「消火器」、「非常口」などの文字だけのものなどであれば、工場でその最終形態まで完成させて流通経路に乗せて出荷することができるが、一方で、標識の設置者によっては、特に、自己の設置場所に合わせてより詳細に示した避難経路図などを標識プレートに表して設置したいなどの希望がある場合がある。
【0057】
そのような場合には、上述した本発明の消防・防災・安全用標識プレートを構成するための地シート用と型シート用のシート状物の複数が一つのキットとして構成要素になっている消防・防災・安全用標識プレート作成キットとして製造し、その態様で流通経路に乗せて出荷することも有用なものである。該作成キットには、例えば、矢印、人型や「非常口」などの型板・テンプレートなどを同梱してあるものでもよい。あるいは、当初から、矢印の型、文字列などの必要な型パーツに形成されている型シートまたは地シートが組合されて該キットが構成されているものであってもよい。
【0058】
また、本発明の消防・防災・安全用標識プレートは、シート状の平坦なものであることが周囲から広く(180度の視野)視認できることから好ましいが、特に平坦な場合だけに限らず、建造物の柱や、構造物の支柱・フレームなどで湾曲しているものや注状のものにも貼付けて使用することも好ましく、その場合には360度の視野も期待でき、その場合、標識プレートの基体には、ゴム系の樹脂やゴム系の接着樹脂などを用いて全体が可撓性を有するものに形成することが好ましい。
【0059】
例えば、自転車などの反射材でフレームパイプの全周に設置されるものや、ヘルメット表面などに貼付られる反射材などは、夜間で暗い中では直接的に光が照射されないときは光を反射しないため視認され難いものであるが、本発明の標識シートを使用すると、蓄光による発光機能によって暗い中でも視認されやすくなる。
【実施例】
【0060】
実施例1
蓄光材として平均粒子径が25μmのものを使用し、分散媒樹脂としてウレタン系樹脂を使用して、図3に示したのと同様の構成の蓄光材層を印刷方式によりプラスチックプレートの全面に印刷して、長方形状の蓄光プレートを形成した。
その上に、ガラスビーズ、反射材および濃緑色の色素を一つのインクに含有させたオールインワンタイプ(蓄光材は、この場合は含有せず)の樹脂インクを用いて、図1に示した標識の1Aの型(矢印の周囲や人型)を印刷した。分散媒樹脂は耐久性の観点からウレタン系樹脂を使用し、ガラスビーズの屈折率は1.93、平均粒子径は63μmのものを用い、反射材の平均粒子径は12μmであり酸化チタンで白色にコーティングした人工の雲母を用いたものである。
この標識プレートを、夜間、光を当てて再帰反射機能のレベルを確認した結果、70m離れたところからの反射光を肉眼ではっきりと視認でき、特に、斜めからの光の場合でもその再帰反射光を良く視認でき180度近くの方向から確認ができた。また、暗いときには、蓄光発光による矢印が良好に視認できた。
【0061】
実施例2
以下のようにガラスビーズ、蓄光材、反射材および色素の全てを一つのインクに含有させたオールインワンタイプの樹脂インク2種を用いて、図1に示した標識プレートをスクリーン印刷方式により製作した。
断面構造は図6に概略を示したものであり、分散媒樹脂はウレタン系樹脂を用い、ガラスビーズの屈折率は1.93、平均粒子径は53μmであり、蓄光材の平均粒子径は26μm、反射材の平均粒子径は12μmであり酸化チタンで白色にコーティングした人工の雲母を用い、樹脂インクの1種には薄黄緑色の顔料を少量含有させ、他の1種には濃緑色の顔料を含有させたものである。
前者の薄緑色の顔料を入れた樹脂インクでは図1の1Bの型を印刷し、後者の濃緑色の顔料を入れた樹脂インクでは図1の1Aの型を印刷した。
このプレートを、夜間、光を当てて再帰反射機能のレベルを確認した結果、70m離れたところからの反射光を肉眼ではっきりと視認できた。
また、蓄光機能についてもそのレベルを確認したところ、残光輝度が約320mcd/m、残光時間が1000分以上、耐光性が1000時間以上であり、十分に高い満足できるものであった。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明にかかる消防・防災・安全用標識プレートの構成を説明するものであり、図1(a)〜(c)は、一つの消防・防災・安全用標識プレートであっても、その視認のされ方(見え方)は3種の態様があることを説明する概略モデル図である。
【図2】図2は、本発明のうち請求項1にかかる消防・防災・安全用プレートの実施態様の1例をモデル的に示した概略断面図である。
【図3】図3は、本発明のうち請求項1にかかる消防・防災・安全用プレートの実施態様の他の例をモデル的に示した概略断面図である。
【図4】図4は、本発明のうち請求項1にかかる消防・防災・安全用プレートの実施態様のさらに他の例をモデル的に示した概略断面図である。
【図5】図5は、本発明のうち請求項7にかかる消防・防災・安全用プレートの実施態様の1例をモデル的に示した概略断面図である。
【図6】図6は、本発明のうち請求項7にかかる消防・防災・安全用プレートの実施態様の他の1例をモデル的に示した概略断面図である。
【図7】図7は、入射光Eとその反射光Rの関係をモデル的に示し説明するものであり、同図(a)は再帰型反射について、(b)は鏡面反射について説明したものである。
【符号の説明】
【0063】
1 消防・防災・安全用標識プレート
1A 型シート(地シート)
1B 地シート(型シート)
2 ガラスビーズ
3 蓄光材層
3A 蓄光材粒子
4 カラーインク層
4A カラーインク層(4Bとは色が相違する)
4B カラーインク層(4Aとは色が相違する)
5 遮蔽層
6 反射材粒子
7 合成樹脂フィルム
8 接着剤
9 離型紙
11 ガラスビーズ
12 蓄光材
13A カラーインク層(13Bとは色が相違する)
13B カラーインク層(13Aとは色が相違する)
14 反射材
15 接着剤層(ホットメルト樹脂接着層)
16 離型紙
17 プレート基体
B ベース(基体、支持体)
E 入射光
R 反射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(A)と(B)の各シートを用い、その一方を地を形成する地シートとして使用し、他方を識別型を形成する型シートとして使用して、情報表示・標識機能を有するプレートに構成したことを特徴とする消防・防災・安全用標識プレート。
(A)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズとカラーインク層を有してなり、該カラーインク層と該ガラスビーズは、該カラーインク層の表層寄りに該ガラスビーズが多く偏在してかつ該ガラスビーズが該カラーインク層に担持されて形成された再帰反射性シート、
(B)蓄光材を含有した蓄光性シート、
【請求項2】
前記(B)の蓄光性シートが、反射材を含有していることを特徴とする請求項1記載の消防・防災・安全用標識プレート。
【請求項3】
前記(A)の再帰反射性シートが、反射材粒子を含有していることを特徴とする請求項1または2記載の消防・防災・安全用標識プレート。
【請求項4】
前記(A)の再帰反射性シートに含有されている反射材粒子が、白色のものであることを特徴とする請求項3記載の消防・防災・安全用標識プレート。
【請求項5】
前記(A)の再帰反射性シートに含有されている白色の反射材粒子が、雲母粒子に酸化チタンをコーティングしたものであることを特徴とする請求項4記載の消防・防災・安全用標識プレート。
【請求項6】
視認される色彩が相違する以下の(C)と(D)の各シートを用い、その一方を地を形成する地シートとして使用し、他方を識別型を形成する型シートとして使用して、情報表示・標識機能を有するプレートに構成せしめたことを特徴とする消防・防災・安全用標識プレート。
(C)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子および蓄光材を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層であって、かつ前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在している樹脂層からなるシート、
(D)屈折率1.5〜2.2で粒径10〜250μmの多数のガラスビーズ、反射材粒子、蓄光材および色素を含有する再帰反射特性と蓄光特性を有する樹脂層であって、かつ、前記ガラスビーズは表層寄りに多く偏在し、前記蓄光材は内層寄りに多く偏在している樹脂層からなるシート、
【請求項7】
前記(C)の樹脂層シートが、(D)の樹脂層シートに含まれる色素と相違する色の色素を含有しているものであることを特徴とする請求項6記載の消防・防災・安全用標識プレート。
【請求項8】
前記(C)の樹脂層シートと(D)の樹脂層シートの双方または一方において、前記ガラスビーズの平均粒径が前記蓄光材の平均粒子径よりも大きく、かつ、該蓄光材の平均粒子径が前記反射材の平均粒子径よりも大きいことを特徴とする請求項6または7記載の消防・防災・安全用標識プレート。
【請求項9】
前記(C)の樹脂層シートと(D)の樹脂層シートの双方または一方において、前記ガラスビーズの平均粒径が前記蓄光材の平均粒子径の2〜5倍であり、該蓄光材の平均粒子径が前記反射材の平均粒子径の2〜5倍であることを特徴とする請求項8記載の消防・防災・安全用標識プレート。
【請求項10】
前記(C)の樹脂層シートと(D)の樹脂層シートの双方または一方において、前記反射材粒子が、雲母粒子を含んでなることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の消防・防災・安全用標識プレート。
【請求項11】
前記雲母粒子が、酸化チタンで白色にコーティングされてなるものであることを特徴とする請求項10記載の消防・防災・安全用標識プレート。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の消防・防災・安全用標識プレートを構成するための地シート用と型シート用のシート状物の複数が、一つのキットとして構成されていることを特徴とする消防・防災・安全用標識プレート作成キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−151210(P2009−151210A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330745(P2007−330745)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000215822)帝国繊維株式会社 (24)
【出願人】(599056530)株式会社小松プロセス (18)
【Fターム(参考)】