説明

液体バーコード及び液体バーコードリーダー

本発明は、液体チャンバーに貯蔵された液体バーにより形成された液体バーコード(liquid barcode)を用いる商品認証及び識別装置に関するものである。
本発明は、液体の充填されたバー形状のチャンバーで形成された液体バーと、前記液体バー間のギャップに形成されたスペースバーと、複数の液体バー及びスペースバーを並列に配置して集積することによって形成されたプラスチックボディーと、を含み、前記プラスチックボディーは、選択的に磁気テープをさらに含む、液体バーコードである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体チャンバーに貯蔵された液体バーにより形成された液体バーコード(liquid barcode)を用いる商品認証及び識別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バーコードは、2進コードを表現する白色及び黒色のバー形状部分の組合せを含む。バーコードは、データを迅速に入力するのに用いられ、コンピュータに容易に読み込まれることができる。バーコードは、コンピュータに接続された光マークリーダにより自動で読み取られて、コンピュータに入力及び格納されたり認識されたりする形態を有することができる。バーコードは、世界商品コード(universal product code; UPC)に従う商品タイプを表したり、スーパーマーケットなどで販売情報のPOS(point-of-sale)システムに用いられる。バーコードに対応する商品の価格は、ディスプレイ装置上に別途にディスプレイされることができる。バーコードは、UPCなどの標準に従ってエンコーディングされ、バーコードスキャナー及びデコーダで構成されたリーダを通じてデコーディングされる。スキャナーがバーコードを読み取ると、コードは、デコーダに伝送されてデコーディングされ、理解されうるような情報に変換されることができる。バーコード内の情報のデコーディングは、スキャナーにより行われる。バーコードの黒色バー部分である黒色バーは、少量の光をスキャナーに反射するのに比べて、黒色バーの間に配置された白色スペースバーはより多量の光を反射し、反射された光量の差はスキャナー内のフォトディテクタにより電気信号に変換され、信号の読み取りが可能になるわけである。
【0003】
従来、バーコードの読み取りにおいてハンドヘルドスキャナーが用いられた。最近では、レーザー型スキャナーが主に用いられている。レーザー型において、バーコードの印刷された商品をリーダーを横切って移動させることによってバーコードが自動で読み取られ、より効率的な作業が可能になった。省力化フィールドでは、バーコードを処理対象物に付着し、該バーコードから製品番号及び商品番号を認識可能にすることによって、作業に必要な様々なアイテムの識別を容易にすることができる。また、バーコードは、商店での販売情報、図書館での本の管理、識別証明書及び商品の識別を含む多様な目的のために用いられることができる。バーコードは紙の他にも様々な物質上に印刷することができ、所望の情報が迅速にアクセスできるという利点を有する。しかし、バーコード中の情報容量には制限があり、商品に関する全てタイプの情報をバーコードから完全に把握することはできないという短所がある。このような短所を補償するために、2次元(2D)バーコード、すなわち、マトリクスコードが最近開発されている。
【0004】
2Dバーコードが従来のバーコードと格別な差異点を有するわけではないが、従来の線形バーコードに用いられた線形配列の代わりに、約4,000文字が黒色及び白色の長方形のモザイク型配列にコーディングされることができるため、より多い情報を含むことができる。しかし、かかる2Dバーコードは、次のような2つの問題点を有する。第一に、バーコード複写が可能なため、バーコードから得られる情報の信頼性及び正確性が低下する。第二に、情報が白色及び黒色により2進コードで表現されるため、2Dバーコードを含むあらゆる従来バーコードの情報量は制限される。そこで、この種の問題点を克服するために、本発明の実施形態は、一連の複数のチャンバーがバー形状の液体バーとして形成されて並列に配列された液体バーコードを提供する。
【0005】
従来のクレジットカードは磁気認識方法を採用する。ユーザーがクレジットカードなどの磁気カードを現金自動入出金機(ATM)またはカードリーダーに通過させると、カードに記録された磁気情報は電気信号に変換される。この信号はリーダーの内部に伝送され、所定の2進コードに変換されることで、カード中の情報が入力される。磁気カードは、磁気テープが一般のクレジットカードなどのPVCカードに付着されて用いられる。磁気認識方法は、基本情報の記録及び付加情報の容易な記録及び削除を許容するという点から広く用いられている。しかし、この方法は、複写可能であるという問題点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、液体バーコード、及びラボオンディスク(lab-on-a-disc)及び流体中の少量の物質を診断して検出するラボオンチップ(lab-on-a-chip)、蛋白質チップ、DNAチップなどのバイオチップが集積されたバイオディスクなどの薄膜化学分析機、クレジットカード及び他の商品の商品認証及び識別に利用可能な液体バーコードを読み取る液体バーコードリーダーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、バー形状チャンバーを“液体バー”という。
本発明の一形態によれば、液体を貯蔵する一連の液体バーがプラスチックボディー内に並列に集積された液体バーコードを提供する。例えば、本発明の一形態によれば、液体の充填されたバー形状チャンバーで形成された液体バー;前記液体バー間の空隙に形成されたスペースバー;及び、複数の液体バー及びスペースバーを並列に配置して集積することによって形成されたプラスチックボディーを含む液体バーコードを提供する。前記プラスチックボディーは選択的に磁気テープをさらに含むことができる。
【0008】
本発明の他の形態によれば、液体バーコードの集積されたプラスチックボディーと液体バーコードの光特性を読み取る分光計とを含む液体バーコードリーダーを提供する。
【0009】
液体バーコードにおいて、液体バーは、バーの上部及び下部に数字情報をさらに含むことができる。数字情報は、商品アイテムコード、メーカーコードまたは国識別コードでありうる。
液体バーコードの余白の液体バーは、背景(ブランク)ソリューションを貯蔵することができる。
【0010】
液体バーは、それぞれ異なる大きさのナノ粒子を含む一連の液体バーで形成されることができる。液体バーは、それぞれ異なる密度のナノ粒子を含む一連の液体バーで形成されることができる。液体バーは、それぞれ異なる3次元構造のナノ粒子を含む一連の液体バーで形成されることができる。液体バーコードは、それぞれの液体バーに貯蔵された様々な液体、液体バーの幅、液体バーの個数、またはスペースバーの幅の様々な組合せにより多くの情報を含むことができる。
【0011】
液体バー間の空間は、スペースバーとすることができる。例えば、液体バー間のギャップは、スペースバーを形成することができる。
プラスチックボディーは、上部基板及び下部基板を積層することによって形成されることができる。液体バーコードは、上部基板及び/または下部基板により刻まれた一連のバー形状のものにより形成されることができる。
プラスチックボディーの上部基板は、反射層をさらに含むことができる。
プラスチックボディーは、磁気テープをさらに含むことができる。
【0012】
本発明の他の形態によれば、液体バーコードの光特性を読み取る分光計;及び、前記分光計を制御し及び/またはバイオディスクまたは薄膜化学分析機を駆動する中央処理装置(CPU)を含む液体バーコードリーダーを提供する。
液体バーコードリーダーは、光が入力または出力されるスリットをさらに含む。
液体バーコードリーダーは、磁気テープの情報を読み取る磁気カードリーダーをさらに含むことができる。
【0013】
液体バーコード中の液体は透明である、または、不透明ではあるが可視帯域では透明でありうる。
液体バーコードは、薄膜化学分析機内に配列されて、薄膜化学分析機に対する商品認証及び分析機能を提供することができる。
液体バーコードチャンバー及び磁気テープが薄膜化学分析機上に配列され、薄膜化学分析機上の商品情報を格納し、分析結果を格納し、付加情報を記録できる液体バーコードを提供することができる。例えば、液体バーコードの複写が不可能なため、薄膜化学分析機の商品認証及び識別に用いられることができ、磁気テープが、薄膜化学分析機に対する商品情報を格納し、分析結果を格納し、付加情報を記録するのに用いられることができる。
【0014】
薄膜化学分析機用の液体バーコード及び磁気テープは、薄膜化学分析機の外周部上に配列されることができる。
プラスチックボディーは、接着テープの形態にすることができる。この場合、液体バーコードが、商品識別及び認証を要求する商品に付着されることができる。
薄膜ボディーが商品の一部を形成したり商品に付着されたりして、商品が本物か判定できるようにする液体バーコードを提供することができる。商品は高価のハンドバッグ、美術品、デジタルビデオディスク(DVD)、バイオディスク、薄膜化学分析機、メモリカード、クレジットカード、入場カード、高価の商品でありうる。
【0015】
液体バーに貯蔵された液体は、ゲル状態の液体を含むことができる。薄膜化学分析機は、ELISA/CLISA分析方法が適用されるラボオンチップ、急速テスト方法が適用されるラボオンチップ、免疫方法が適用されるラボオンチップ、生化学方法が適用されるラボオンチップ、または食品中毒細菌、残余抗生剤、残余農薬、汚染水中の重金属、遺伝子操作食品、食品アレルギー、汚染された物質、大腸菌またはサルモネラ菌などの細菌、実子確認、肉類、及び血統識別の調査のためのラボオンチップ等、流体中の少量の化学物質またはバイオ物質(サンプル)を診断または検出するラボオンチップまたは薄膜分析機を集積するバイオディスクを含むことができる。
【0016】
バイオ物質(サンプル)は、DNA、オリゴヌクレオチド、RNA、PNA、リガンド、レセプター、抗原、抗体、牛乳、小便、唾液、髪の毛、作物及び野菜サンプル、肉サンプル、魚サンプル、鳥サンプル、汚染水、家畜サンプル、食品サンプル、食品材料、貯蔵食品、口腔細胞、組織細胞、唾液、精液、蛋白質、または他のバイオマスから選択された一つ以上を含むことができる。食品材料は、食品を準備する材料であり、例えば、シチュー用食品材料、キムチ用食品材料、スープ用食品材料を含むことができる。
【0017】
小便を検査すると、薄膜化学分析機は、白血球、血液、蛋白質、ニトリル、pH、比重、葡萄糖、ケトン、アスコルビン酸、ウロビリノーゲン、及びビリルビンの分析を行うことができる。髪の毛を検査すると、ミネラルを含む人間の身体内の営養分及び有毒物質の蓄積による履歴を血液や小便分析に比べてより正確に測定することができる。また、長期にわたる無機物質の過度及び不足を正確にわかることができ、 当業者によく知られた有毒な重金属の量を発見するサンプルとなる。生化学分析は、GOT、GPT、ALP、LDH、GGT、CPK、アミラーゼ、T−蛋白質、アルブミン、葡萄糖、T−コレステロール、トリグリセリド、T−ビリルビン、D−ビリルビン、BUN、クレアチニン、I−リン、カルシウム、及び尿酸の分析を含むことができる。
【0018】
急速テスト方法は、多種の腫瘍マーカーまたはキャプチャープローブ(capture probe)が多孔性メンブレイン上に線またはスポットの形態で固定されたストリップを含むことができる。急速テスト方法及びELISA方法は、基板上に線またはスポットの形態で固定された多種の腫瘍マーカーまたはキャプチャープローブを含むことができる。腫瘍マーカーは、AFP、PSA、CEA、CA19−9、CA125、胃癌マーカー、乳癌マーカー、肺癌マーカー及びCA15−3の中から選択された一つ以上を含むことができる。キャプチャープローブは、アルツハイマーマーカーであるグルタミン合成酵素を固定するものを含むことができる。
【0019】
キャプチャープローブは、ミオグロビン、CK−MB、及び心筋硬塞マーカーであるトロポニンI(TnI)を固定するものを含むことができる。急速テスト方法は、多孔性メンブレイン上にAIDS、アルツハイマー、腫瘍マーカー、心筋硬塞、残余抗生剤、残余農薬、残余重金属、アレルギー及び乳癌検査、食品中毒細菌検査(例えば、大腸菌、サルモネラ等)用の一つ以上のマーカーまたはキャプチャープローブを固定した後に、免疫クロマトグラフィー法によって反応検査を行うことができる。免疫クロマトグラフィー法は、免疫化学及びクロマトグラフィー分析を結合した検査方法であり、抗原に対する抗体の特定免疫反応、コロイドゴールドの天然色特性及び流動性、及び多孔性メンブレインの毛細血管現象により分子移動を適用する検査方法を含むことができる。
【0020】
免疫クロマトグラフィー法は、従来の多段免疫測定方法で見られる酵素コンプレックス及び基板の反応を通じてサンプル希釈、洗浄及び着色を一つの段階に結合し、迅速な検査を可能にする。また、容易性、経済的利点、及び検査結果の迅速な読取は、所定の装置を使用せずに検査結果を判定することによって得ることができる。免疫クロマトグラフィー法及び急速テスト方法は、当業者に周知のものである。
【0021】
薄膜としてのCD及びDVDに対して、例えば、標準CDは、12cmポリカーボネート基板、反射金属層及び保護ラッカーコーティングにより形成されることができる。CD及びCD−ROMのフォーマットは、ISO 9960産業標準に従って記載されることができる。ポリカーボネート基板は、光品質の透明ポリカーボネートでありうる。大量で印刷または複写されたCD−標準のデータ層は、ポリカーボネート基板の一部になり得、データは、射出成形プロセスでスタンプにより一連のピット(pit)形態で刻まれることができる。射出成形プロセスでは、溶融ポリカーボネートが高圧下でモールドに注入され、ミラー形状を有するように冷却されて、ポリカーボネートがモールド、スタンプまたはスタンプのミラーイメージを有しうるようにし、2進データを表すディスク基板上のピットは、ポリカーボネート基板により生成されることができる。スタンプマスターは一般的にガラスでありうる。このディスクは、薄膜化学分析機などの流体中の少量の物質を診断及び検出する薄膜型分析機に変形及びリモデリング可能である。この場合、射出成形プロセス中に、流体の流れうるチャンネル、バッファ液体を貯蔵できるチャンバー、ホール及びバルブが、ピットではなくディスク表面上に形成されることができる。また、液体バーコード用の一連の液体バーは、ディスク上にバー形状チャンバーを装着することによって形成されることができる。ディスク径は、120mm、80mm、または32mmである。
【0022】
液体バーコードは、ラボオンチップ、蛋白質チップ、及びDNAチップなどの流体中の少量のバイオまたは化学物質を診断及び検出する薄膜化学分析機用バーコードとして好適に用いることができる。以下、薄膜化学分析機がCD−ROM及びDVDなどの通常のディスクに集積されたディスクは“バイオディスク”とする。
また、液体バーコードは、通常のCD−ROM及びDVDなどのディスク及びバイオディスクに集積することができる。プラスチックボディーは、ガラス、シリカ及びシリコンウエハーなどの様々な物質に代替可能である。例えば、プラスチックは、経済上の理由、プロセシングの容易性、CD−ROM及びDVDリーダなどの従来のレーザー反射基本ディテクタとの互換性の点から好適に用いることができる。例えば、プラスチックボディーは、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、環状オレフィンコポリマー(COC)及びポリカーボネートのグループから選択された一つ以上で形成することができる。
【0023】
液体バーコードリーダーにおいて、分光計の光源は、それぞれ異なる波長を有する複数のレーザーがモジュール形態で形成されたレーザーモジュールでありうる。レーザーは、レーザーダイオードでありうる。
【0024】
液体バーコードリーダーは、前記分光計が装着され、前記分光計の所定位置を前記バイオディスク上で放射方向に移動させるスライダー;前記バイオディスクを回転させるスピンドルモーター;及び、前記スライダーの移動を制御するスライドモーターをさらに含むことができる。スライダーは、バイオディスクの“放射方向移動”を通じてバイオディスク上に配列された液体バーコードの放射位置を移動させることができる。その後、バイオディスクを回転させることによって、液体バーコードは分光計により読み取られることができる。“放射方向移動”は、分光計を放射方向に移動させるプロセスであり、バイオディスクの中心から距離(r)に対応する位置にスライダーを移動させることでありうる。スライドモーターまたはスレッド(sled)モーターのギアリンクユニットにより、スライダーは、バイオディスクの中心から外周方向に、または外周部からバイオディスクの中心へと可逆移動を行うことができる。
【0025】
バイオディスクは、液体バーコードの半径(radius)上に基準ホールをさらに含み、フォトディテクタがバイオディスクの回転中に基準ホールを検出する度に、基準トリガー信号が液体バーコードリーダーに提供されるようにすることができる。以下、バイオディスク上の2次元位置は、距離(r)及び各(θ)により表現されることができる。例えば、各(θ)は、0度線(zero degree line)上で基準ホールを取ることによって算出することができる。以下、液体バーコードの開始位置と終了位置は、(r、θstart)及び(r、θend)であるとする。
【0026】
液体バーコードリーダーで、例えば、分光計は、バイオディスク上の液体バーコードを読み取る前に、まず、液体バーコードを該当の半径(r)に移動させる“放射方向移動”を行うことができる。“放射方向移動”は、分光計を放射方向に移動させるプロセスであり、スライダーをバイオディスクの中心から距離(r)に対応する位置に移動させることによって行うことができる。その後、半径(r)上の“方位角検索”が必要になりうる。“方位角検索”は、バイオディスクが回転する間に行われることができる。例えば、“方位角検索”は、基準トリガー信号及びFG信号に対して半径(r)上の分光計により得られた検出信号から液体バーコード領域(r、θstart−θend)内の信号のみを得たり、余白を認識する分光計により液体バーコード領域を得ることによって行うことができる。FG信号は、三菱半導体M63022FP(スピンドルモーター及び5チャンネルアクチュエータドライバ)のデータシートに説明されている。FG信号は、モーターの回転速度に比例する周波数信号である。一般に、FG信号は、当業者によく知られたモーターのホール(hall)センサーまたはFGセンサーにより得られる。FG信号の周波数は、モーターの速度に比例して増加することができる。FG信号のパルス間隔がバイオディスクの1回転、すなわち、360度に対応するので、液体バーコード領域(θstart−θend)は、基準トリガーから算出することができる。
【0027】
“方位角検索”のためのバイオディスクの方位角回転は、スピンドルモーター上に設計されたステップモーターの回転により行うことができる。
液体バーコードリーダーにおいて、CPUは、分光計により読み取られた液体バーコードを認識し、インターネットを通じて液体バーコードの情報を遠隔で伝送し、商品が本物なのかに関する情報、商品識別情報及び商品情報を遠隔サーバーから受信することができる。サーバーは、クレジットカード会社またはディスクメーカーのサーバーでありうる。商品が本物でない場合は、2つの場合を想定できる。液体バーコードが商品自体に存在しない場合と、バーコードが存在してはいるが、バーコードが一致しない場合がありうる。いずれの場合にも、(遠隔)サーバーから商品識別情報を受信することができず、この場合、液体バーコードリーダーはボイスユニットまたはディスプレイユニットを通じてユーザーにエラーメッセージを伝達する。
【発明の効果】
【0028】
本実施形態による液体バーコードは、薄膜型でありかつ複写不可能である。したがって、CD−ROM及びDVDなどの通常のディスク及び磁気カードなどの薄膜に集積され、当該商品の認証及び識別において信頼性を増大させることができる。また、本実施形態による液体バーコードは、様々な液体特性から、従来のバーコードに比べて制限なく情報量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来のバーコードシステムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による、プラスチックボディーに集積された液体バーの様々な例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による、反射層を有する液体バーを集積した液体バーコードを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、薄膜化学分析機の外周部に配置された液体バーコード及び磁気テープを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による、磁気カードに配置された液体バーコードを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による、バイオディスク上に配置された液体バーコードを読み取る液体バーコードリーダーの断面図である。
【図7】本発明の一実施形態による、バイオピックアップモジュール(BOPM)が設置配列されたスライダーの平面図である。
【図8】本発明の一実施形態による、図6の薄膜化学分析機を駆動及び制御する液体バーコードリーダーの側面図である。
【図9】本発明の一実施形態によるグレーティングミラーを用いる分光計を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0031】
図1は、従来のバーコードシステムを示す図である。従来のバーコードは、太いまたは細いバー(黒色バー)と、アルファベットまたは特殊シンボルを表すように形成配置されて容易に読み取られるようなスペースバー(白色バー)との組合せを含むことができる。また、バーの太さ及びスペースの幅の比によって約150種のバーコードシステムが存在する。バーコードは、それぞれのコードシステムによって表現されることができ、特定コードシステム内のバーコードの表現をバーコードシンボルという。バーコードシンボルは、バーコードの始部及び終部にブランクスペースを有する。ブランクスペースを余白(quiet zone)という。余白は、最も狭い要素の10倍以上と定義される。余白は、開始文字前のブランク部分及び終了文字後のブランク部分を指し示す。余白は、一般的にバーコードの明白な開始と終了を具現する上で必須である。開始文字は、バーコードの含シンボル部分の先頭に記録された文字であり、データの入力方向及びバーコードのタイプをバーコードスキャナーに知らせる役割を果たすことができる。終了文字は、バーコードの含シンボル部分が終了したことを示し、バーコードスキャナーがバーコードの両端からバーコードを読み取るようにする。また、バーコードは、メッセージが正確に読み取られたかをチェックするのに用いられるチェック文字を含むことができる。チェック文字は、情報の正確性を要求するフィールドに用いることができる。バーコードシンボルは、人の目につく(数字、文字、シンボルなどを含みうる)バーコードの上部または下部上の“説明部位(interpretation line)”と呼ばれる情報を含むことができる。これらの部位はメーカーコード及び商品分類コードを含むことができる。
【0032】
図2及び3は、本発明の一実施形態による、プラスチックボディーに集積された液体バー132の様々な例を示す図である。プラスチックボディーは、上部基板1、中間基板2、及び下部基板3で構成されることができる。中間基板2及び下部基板3は、一つの基板で同時に製造でき、この場合は、中間基板2と下部基板3は製造時に区別する必要はない。これらの基板は、射出成形プロセス中に、液体を貯蔵できる液体バー132を形成することができる。
本発明の一実施形態で、液体バーの幅、スペースバー134の幅、及びバーの個数は、バーコード標準に従えばいい。中間基板2と下部基板3を互いに接着した後に、液体を液体バー132に充填することができる。この場合、液体バー132は、毛細管法により容易に液体で充填されることができる。
【0033】
本発明の一実施形態で、液体バー132の下部基板3の表面は、親水性物質で被覆することができる。親水性物質で被覆すると、液体バー132に液体をより容易に充填することができる。最後に、液体を充填した後、上部基板を付着することで、一連の液体バー132及びスペースバー134で形成された液体バーコード200が完成する。例えば、製造プロセスで、中間基板2及び下部基板3とが積層形態で結合した状態で、ディスペンサ(所定量の液体を注入する注入部)により液体を液体バー132に所定量注入し、その後、上部基板1を積層形態で結合させることができる。
【0034】
本発明の一実施形態で、液体バーコード200を形成する上部基板1及び下部基板3にホール(液体注入ホール)は形成されない。これは、液体注入ホールの封止の不完全性による液体蒸発を防止するためである。本実施形態による液体バーコードは、液体蒸発を防止するために別途の液体注入ホールを有しない。
【0035】
図2の左図は、反射層99Bが液体バーコード200の上部基板1に集積され、光源装置99A及びフォトディテクタ46を含む分光計103Aが液体バーコード200の下部に配置された本発明の実施形態を示す。光源装置99Aにより生成された所定波長の光が液体バー132を通過し、反射層99Bで反射された光をフォトディテクタ46により測定することで、液体バー132の吸収量を測定する。この反射層99Bを有する液体バーコードは、ハンドヘルドスキャナーの形態の液体バーコードリーダーにより読み取ることができる。一方、図2の右図は、反射層99Bのない液体バーコードを示す。この場合、液体バーコードを、液体バーコード200の一側(この例では液体バーコード200の下部に図示する。)に光源装置99Aを配置し、液体バーコード200の他側(この例では液体バーコード200の上部に図示する。)にフォトディテクタ46を配置することによって、読み取ることができる。図3は、本発明の実施形態による図2の左図に示すように反射層99Bを有する液体バーを集積した液体バーコードを示す図である。
【0036】
図4は、本発明の一実施形態による、図2の液体バーがバイオディスク100の外周部に配置された液体バーコード200を示す図である。この場合、外周方向にバイオディスクに埋め込まれた一連の液体バーは、分光計103Aにより読み取ることができる。ここで、光源装置99Aは所定波長の光を選択して液体バーのそれぞれに出力し、波長に対して吸収性を測定することで、液体バーコードを読み取ることができる。
【0037】
本発明の実施形態で、例えば、“放射方向移動”及び“方位角検索”は、分光計103Aをスライダー211上に装着することによって分光計103Aによる液体バーコードの読み取を先に行うことができる。分光計のフォトディテクタ46は、CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサーまたはラインイメージセンサーとすることができる。
本発明の一実施形態で、ラインイメージセンサーは、線形センサーアレイまたはコンタクトイメージセンサー(CIS)でありうる。さらに、分光計はバイオディスクの生化学反応チャンバー133の反応結果を読み取ることができる。生化学反応チャンバーは、バイオ物質サンプルとの生物学的または生化学的反応を行ったりサンプルとの特定結合反応を行ったりするキャプチャープローブ(capture probe)が固定されているチャンバーでありうる。参照番号188は磁気テープである。
【0038】
図5は、本発明の一実施形態による、磁気カード300に配列された液体バーコード200を示す図である。この場合、磁気テープ188を読み取りながら液体バーコード200を同時に読み取ることによって、磁気テープ188及び液体バーコード200の情報を結合または比較することで、磁気テープ188の真偽を判定することができる。磁気テープ188及び液体バーコード200は、磁気カードの認証に必要な情報及び個別暗号情報を格納することで、カードの複製や他人によるカードの不正使用を防止することができる。
【0039】
本発明の一実施形態による液体バーコードリーダーにおいて、例えば、磁気カード300上の液体バーコード200の読み取りまたは液体バーコード200及び磁気テープ188の読み取りから、液体バーコードリーダー100A上に現在ローディングされているプラスチックボディーが本物のクレジットカードか否かを認識できる。
参照番号65A及び65Bはそれぞれ開始余白及び終了余白を表す。
【0040】
図6は、本発明の一実施形態による、バイオディスク100上に配列された液体バーコード200を読み取る液体バーコードリーダー100Aの断面図である。図6を参照すると、バイオディスク100で、分析の全体プロセスが通常のCD−ROMまたはDVDに類似しているディスクのように薄膜であるラボオンチップ(lab-on-a-chip)上に集積される。例えば、分析に必要な様々なバッファ液体が貯蔵され、様々な化学プロセスを行うチャンバー130,131,132,140,141,142,150,151,152,153、プロセシングされた流体及びバッファ液体を移動させるチャンネル、チャンネルの開閉を制御するバルブ70A,70B,70C,70D,70E,70F,70G,71A,71B,71C,71Dをバイオディスク100上に集積することができる。参照番号4A,4B,4Cは、該当のバルブの閉止部を表し、参照番号5Aは、移動可能なバルブ開閉部を表す。参照番号121は、サンプルを注入するアパーチャを表し、参照番号120は、サンプルを注入するユニットを表す。参照番号12は排出口を表す。参照番号211は、分光計103Aを装着したスライダーを表し、スライダー211は、スライドモーター109に接続して駆動制御されることができる。スライダー211は、液体バーコード200を読み取ったり生化学反応チャンバー133の量的または質的分析を行う分光計103A、及び通常の光ディスクCDまたはDVD上のデータを再生(プレイ)する光ピックアップ部103Bを装着することができる。バイオディスク100における生化学反応チャンバー133または液体バーコード200の空間的アドレシングは、スライドモーター109を制御して、分光計103Aを該当の位置に空間的に移動させることによってなる。この場合、分光計103Aは、生化学反応チャンバー133及び液体バーコード200を読み取ることができる。放射方向移動は、スライドモーター109を制御することによって行うことができる。“方位角検索”は、スピンドルモーター102の短い回転または連続回転を制御したり、スライダー211を停止させながらステップモーターを制御してバイオディスク100を所定角度回転させることによって行うことができる。ステップモーターはスピンドルモーターの軸上でギアと結合して動作できる。参照番号110Bは、スライダー211上の分光計103A及び光ピックアップ装置103Bに必要な様々な制御信号を伝送するフレキシブルケーブルを表し、このフレキシブルケーブルは、ウエハーまたはハーネス(harness)110Aを通じて中央処理装置(CPU)101に接続することができる。参照番号181は、バイオディスク100が載置されるターンテーブルを表し、ディスクの中央アパーチャ170により、ディスクの前面または上部がターンテーブル181上にローディングされる。
【0041】
本発明の一実施形態において、例えば、液体バーコードリーダー100Aは、液体バーコード200または磁気テープ188の読み取り結果を格納装置113に格納したり、入出力装置111を通じて伝送することができる。すなわち、CPU101は、入出力装置111により、分光計で読み取られた液体バーコードを認識し、インターネットを通じて液体バーコードの情報を遠隔で伝送し、サーバーから商品が本物か否かに関する情報、商品識別情報及び商品情報または認証情報を受信する通信部を提供する。
本発明の一実施形態で、例えば、入出力装置111は、ユニバーザルシリアルバス(USB)、IEEE 1394、ATAPI、SCSIまたはインターネット通信ネットワークの通信標準に従うことができる。参照番号110は、磁気テープ188を読み取る磁気カードリーダーを表す。
【0042】
図7は、本発明の一実施形態によって分光計103A及び光ピックアップ装置103Bが設置及び配列されたスライダー211の平面図である。ターンテーブル181を中心にしたスライダー211の可逆放射方向移動は、スライダーモーター109に連結されたウオームギヤ連結部109A及び109Bにより制御することができる。スライダー211は、スライドアーム108A及び108Bをガイドとして用いてスライディング方式で移動可能である。スライドアーム108A及び108Bは、ねじ110A,110B,110C,110Dにて液体バーコードリーダー100Aの本体に結合することができる。参照番号100Bは、ウエハーまたはハーネスを用いて連結されうるフレキシブルケーブルを表す。参照番号181は、スピンドルモーター102により回転するターンテーブルを表す。
【0043】
本発明の一実施形態において、磁気テープは、バイオディスクに埋め込まれた後に配置されることができる。この場合、磁気テープは外部危険から保護されることができる。参照番号5Aは、スライダー211上に設置された移動可能なバルブ開閉部を表す。
【0044】
図8は、本発明の一実施形態による、図6に示すバイオディスク100を駆動及び制御する液体バーコードリーダー100Aの側面図である。参照番号300は、液体バーコードリーダー100Aを支持する本体を表す。液体バーコードリーダーの下部においては、回路基板140が液体バーコードリーダー100Aの本体300に接続結合される。液体バーコードリーダーを制御するCPU101及び格納装置113または入出力装置111は、回路基板140上に配置設計されている。CPU101は、バイオディスク100を回転または停止させるスピンドルモーター102を制御し、スライドモーター109の制御を通じてスライダー211上に装着された光ピックアップ装置103Bの移動を制御し、液体バーコード200及び生化学反応チャンバー133を読み取る分光計103Aの位置を移動させることができる。また、CPU101は、液体バーコードリーダー100A上に現在ローディングされているディスクが通常の光ディスク(例えば、音楽CD、CD−R、ゲームCD、DVD等)かまたはバイオディスク100か判定する。通常の光ディスクであれば、CPU101は、ディスクから読み取られた内容(データ)を光ピックアップ装置103Bから格納装置113または入出力装置111に伝送したり、光ピックアップ装置103Bに書き込まれる内容(データ)を伝送し、個別のユニットに読み取り及び/または書き込みに必要な様々な制御信号を提供する等の光ディスクの通常の動作を行う。ディスクがバイオディスクであれば、CPU101は、ラボオンチップのプロセスを制御する様々な制御命令信号を個別のユニットに伝送することができる。
【0045】
本発明の一実施形態において、例えば、バイオディスクのローディング時に、バーコードリーダー100Aは液体バーコード200または磁気テープ188を読み取って、バイオディスクの有効性及び薄膜化学分析機の商品情報を判定し、バイオディスクの商品認証を行うことができる。
本発明の一実施形態において、例えば、バイオディスク100の液体バーコードまたは磁気テープの読み取りを通じてバイオディスク100の固有識別情報を認識することによって、CPU101は、液体バーコードリーダー100A上に現在ローディングされているディスクがバイオディスクであるか否かを認識することができる。
【0046】
本発明の一実施形態において、例えば、液体バーコード200または生化学反応チャンバー133の読み取り結果は、スライダー211に連結されたフレキシブルケーブル110Bを通じてCPU101または格納装置113または入出力装置111に伝送されることができる。参照番号104は、ターンテーブル181上にローディングされたバイオディスク100の圧縮部を表し、圧縮部104は、垂直方向に移動したりアイドリング回転(idle rotations)を行うように設計される。分光計の光源装置は、透過性または吸収性を測定するために複数の光波長を出力し、フォトディテクタが特定波長に対して光透過性または吸収性を測定するようにすることができる。例えば、分光計は、当業者によく知られた光源、波長選択器、サンプルコンテナ(テストチューブまたは生化学反応チャンバー133)及びフォトディテクタからなる。分光計は、ブランクソリューションを用いて透過性が100%(ゼロ吸収性)になるように調節でき、サンプルソリューションの吸収性を測定することができる。光源は、サンプル分析に必要な波長範囲で充分のエネルギーを有する一定量の光を放出できるものを含むことができる。光源として、タングステンフィラメントランプ、水素または重水素ランプ、白色光発光ダイオード(LED)、電子フラッシュ及びレーザーを用いることができる。本発明の一実施形態によれば、光源は、白色光LED、RGBレーザー、複数のLDが集積されたレーザーダイオード(LD)モジュール、または電子フラッシュでありうる。RGBレーザーは、赤色、緑色、及び青色光を放出する3個のレーザーが一つのモジュールとして形成された装置である。3個のレーザー出力パワーを結合させることによって、サンプル分析に必要な様々な波長を有する光を得ることができる。LDモジュールは、それぞれ異なる波長を有する複数のLDをモジュール化し、所定波長の光を放出するLDを順にターンオンすることによって得られ、波長に対するサンプルの吸収を測定することができる。波長は、340nm、405nm、450nm、505nm、546nm、570nm、600nm及び700nmの中から一つ以上を選択することができる。電子フラッシュがターンオンされる時、フォトディテクタが測定対象の吸収性を測定することができる。白色光LEDまたはRGBレーザーまたはLDモジュールまたは電子フラッシュは、光源装置の大きさを減少させることができる。光源から放出された光が白色光であれば、分光計が光源から放出された光から所定波長の光を得ることが重要である。理想的な場合、厳格な単色性放射が得られる。しかし、これは実現し難いので、任意の範囲の波長分布を表す光の単色化度合が、スペクトラムの帯域幅を特定することによって表現されることができる。光源の単一波長にさらに近い光は、測定敏感度及び解像度を増加させることができる。所望の波長を有する光は、波長選択器を用いて選択することができる。フィルターまたはグレーティングミラーまたはその組合せを波長選択器とすることができる。グレーティングミラーは入射光を分散方式で反射させる一種のプリズムの役割を果たすことができる。
【0047】
図9は、本発明の一実施形態によるグレーティングミラーを用いる分光計108(図示せず)を示す図である。分光計108は、光源装置99A及びフォトディテクタ46からなることができる。図9を参照すると、光源41からの白色光がレンズ42により集束されてビームを生成し、ビームは、第1Hスリット及びVスリット45Aを通過してスポットビームを生成する。スポットビームがグレーティングミラー43に入射すると、グレーティングミラー43上で反射された光は波長に対して位相空間で分離されることができる。第2Hスリット及びVスリット45Bが所定の角度で固定配列され、グレーティングミラー43で反射された後に位相空間で分離された光のうち、所定波長を有する光のみが得られることができる。この場合、ステップモーター44を用いてグレーティングミラー43を回転させることによって、第2Hスリット及びVスリット45Bを通過した光の波長を調節することができる。すなわち、グレーティングミラー43の回転角を制御することによって、所望の所定波長領域の光が透過して第2Hスリット及びVスリット45Bの出口から得られる。したがって、所定波長を有する光は、生化学反応チャンバー133及び液体バー132を通過し、フォトディテクタ46はこの光を測定する。こうすることによって、カラーの強度または吸収量または透過量を測定し、液体の光特性を定量的に分析することができる。分光計を用いた生化学反応チャンバー133の量的または質的分析方法として、当業者によく知られたエンドポイント方法(end point method)、レート分析方法(rate assay method)、及び初期レート方法(initial rate method)などの方法を用いることができる。参照番号41は、分光計108の光源を表す。波長選択器は、グレーティングミラー43の回転角を制御するステップモーター44、光源からの光を集束するレンズ42、集束したビームからスポットビームを生成する第1HスリットまたはVスリット45A、波長に対してスポットビームを分離するグレーティングミラー43及びグレーティングミラー43から反射された所定角のビーム(すなわち、所定波長を有する光)のみを通過させる第2HスリットまたはVスリット45Bからなることができる。光源41及び波長選択器により得られた所定波長を有する光は、生化学反応チャンバー133または液体バー132を通過し、フォトディテクタ46は光の吸収量を測定する。これにより、生化学反応チャンバー133の化学反応結果を量的または質的に分析したり、液体バーコードを読み取ることができる。ステップモーター44を回転させることによって、様々な波長の光が生化学反応チャンバー133または液体バー132を通過することができ、光の吸収量を波長に対して測定することができる。
【0048】
本発明の一実施形態において、第1HスリットまたはVスリットあるいは第2HスリットまたはVスリットの代わりに光ファイバーを用いても良い。以下、光源41、レンズ42、第1HスリットまたはVスリット45A、グレーティングミラー43、及び第2HスリットまたはVスリット45Bの組合せを、光源装置99Aとする。LDモジュール及びRGBモジュールを光源装置99Aに用いても良く、その場合、光源装置99Aは簡易化することができる。余白65A及び65Bの液体バーは、ブランクソリューションを貯蔵することができる。分光計を調節してブランクソリューションの透過性を100%(ゼロ吸収性)にさせた後に、データ領域内の液体バー中の液体の吸収性を測定することができる。バイオディスクが回転する間にはブランクソリューションの吸収性が常に“0”になるように設定し、余白65A及び65Bが最も狭い要素よりも10倍広い幅を有するという事実に基づいて余白65A及び65Bが認識され、これにより、液体バーコードの開始と終了を認識することができる。したがって、バイオディスクが回転する間に、液体バーコードの空間アドレシング及び読み取りが可能である。また、例えば、開始余白65A及び終了余白65Bの幅を異ならせることによって両者を区別することができる。
【0049】
本発明の一実施形態による液体バーコードリーダーにおいて、例えば、CPU101は読み取られた液体バーコードまたは磁気テープの情報を認識でき、通常の光ディスク(CD及びDVD)または使用不可能なバイオディスクがローディングされたと判定されると、液体バーコードリーダーからディスクを取り出したり警告メッセージをユーザーに伝達する。また、磁気テープには、ディスクが既に何回使用されたバイオディスクかに関する情報、有効期間情報、または診断しようとする疾病のタイプが格納されることができる。すなわち、使い捨てバイオディスクが使用途中にまたは使用完了後に排出されると、履歴が磁気テープに記録される。当該バイオディスクが後にローディングされる場合、ユーザーは、このバイオディスクを診断用に利用できないということがわかる。また、有効期間情報によると、有効期間の経過したバイオディスクがローディングされる場合、ユーザーは、このバイオディスクを診断用に利用できないということがわかる。
【0050】
本発明が好適な実施形態に上げて説明されてきたが、当業者には、添付の特許請求の範囲により定義された本発明の思想及び範囲を逸脱しない限度内で形態及び詳細において様々な変更が可能であるということが理解できる。好適な実施形態は、単に本発明を説明するためのもので、本発明を限定するためのものではない。したがって、本発明の範囲は、本発明の詳細な説明により定義されずに、添付の特許請求の範囲により定義されるべきであり、範囲内におけるあらゆる差異点は本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1:上部基板
2:中間基板
3:下部基板
4A,4B,4C:バルブ閉止部
5A:バルブ開閉部
12:排出口
46:フォトディテクタ
65A:開始余白
65B:終了余白
70A〜71D:バルブ
99A:光源装置
99B:反射層
100:バイオディスク
100A:液体バーコードリーダー
101:CPU
102:スピンドルモーター
103A:分光計
103B:光ピックアップ装置
104:圧縮部
108A,108B:スライドアーム
109:スライドモーター
110:磁気カードリーダー
110A:ウエハーまたはハーネス
110B:フレキシブルケーブル
111:入出力装置
113:格納装置
120:サンプル注入部
121:サンプル注入開口部
130,131,132、133,140,141,143,150,151,152,153:チャンバー
132:液体バー
134:スペースバー
140:回路基板
170:アパーチャ
181:ターンテーブル
188:磁気テープ
200:液体バーコード
211:スライダー
300:磁気カード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の充填されたバー形状のチャンバーで形成された液体バーと、
前記液体バー間のギャップに形成されたスペースバーと、
複数の液体バー及びスペースバーを並列に配置して集積することによって形成されたプラスチックボディーと、
を含み、
前記プラスチックボディーは、選択的に磁気テープをさらに含む、液体バーコード。
【請求項2】
前記液体バーコードの余白(quiet zone)の液体バーは、ブランクソリューションを貯蔵する、請求項1に記載の液体バーコード。
【請求項3】
前記液体バーは、異なる大きさ、異なる密度または異なる3次元構造のナノ粒子を含む液体で形成される、請求項1に記載の液体バーコード。
【請求項4】
前記プラスチックボディーは、反射層をさらに含む、請求項1に記載の液体バーコード。
【請求項5】
前記プラスチックボディーは、磁気カード、バイオディスクまたは薄膜化学分析機上に集積される、請求項1に記載の液体バーコード。
【請求項6】
請求項1、2及び5のいずれか一項に記載のバーコードのグループから選択された液体バーコードの光特性を読み取る分光計と、
前記分光計を制御し及び/またはバイオディスクまたは薄膜化学分析機を駆動する中央処理装置(CPU)と、
を含む液体バーコードリーダー。
【請求項7】
前記分光計の光源は、白色光発光ダイオード(LED)、RGBレーザー、レーザーダイオード(LD)モジュール及び電子フラッシュの中から選択された一つである、請求項6に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項8】
前記プラスチックボディーが挿入または排出されるスリットをさらに含む、請求項6に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項9】
前記プラスチックボディーに含まれる磁気テープの情報を読み取る磁気カードリーダーをさらに含む、請求項6に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項10】
前記分光計が装着され、前記分光計の所定位置を前記バイオディスク上で放射方向に移動させるスライダーと、
前記バイオディスクを回転させるスピンドルモーターと、
前記スライダーの移動を制御するスライドモーターと、
をさらに含む、請求項6に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項11】
前記スライダー上に光ピックアップ装置がさらに装着される、請求項10に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項12】
前記分光計は、前記バイオディスク上の液体バーコードを読み取るに先立って、前記スライダーによる放射方向移動及び方位角検索を行う、請求項10に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項13】
前記方位角検索は、前記バイオディスクが回転する間に、基準トリガー信号及び周波数発生器(FG)信号を参照して前記分光計から得た検出信号から液体バーコード中の信号を獲得したり、余白を参照して前記分光計から得た検出信号から液体バーコード領域中の信号を獲得することによってなる、請求項12に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項14】
前記方位角検索は、バイオディスクが回転していると共に最も狭い要素よりも10倍広い幅を有する場合には余白の吸収性が常に“0”という情報を用いて余白を認識することによってなる、請求項12に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項15】
前記CPUは、前記分光計により読み取られた液体バーコードを認識し、前記液体バーコードの情報を遠隔で伝送し、商品が本物か否かに関する情報、商品識別情報及び商品情報及び/または認証情報を遠隔サーバーで受信する通信部を提供する入出力装置をさらに含む、請求項6に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項16】
前記CPUは、前記バーコードまたは磁気テープの情報を認識し、通常の光ディスク(コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD))または使用不可能なバイオディスクがローディングされたと判定されると、ディスクを排出したりユーザーに警告メッセージを伝達する、請求項6に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項17】
前記CPUは、前記ローディングされたバイオディスクから読み取られた液体バーコードまたは磁気テープの情報を認識し、前記バイオディスクが既に用いられたものと判定されると、前記ディスクを排出したり警告メッセージをユーザーに伝達する、請求項6に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項18】
前記CPUは、前記ローディングされたディスクから読み取られた液体バーコードまたは磁気テープの情報を認識し、前記バイオディスクの有効期間が経過したと判断されると、前記ディスクを排出したり警告メッセージをユーザーに伝達する、請求項16に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項19】
前記液体バーコードまたはクレジットカード上の液体バーコード及び磁気テープの読み取りを通じて、前記クレジットカードが本物であることを認識する、請求項6に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項20】
前記CPUは、前記液体バーコードリーダー上にローディングされたディスクが通常の光ディスクかまたはバイオディスクか判定し、前記ディスクが通常の光ディスクであれば、前記CPUは、前記光ピックアップ装置により前記ディスクから読み取られたデータを格納装置または入出力装置に伝送したり、前記光ディスクに書き込まれるデータを伝送すること、再生または記録に必要な様々な制御信号を前記光ピックアップ装置に提供すること、を含む光ディスクに対する通常の動作を行い、前記ディスクがバイオディスクであれば、前記CPUは、ラボオンチップ(lab-on-a-chip)のプロセスを制御する様々な制御命令信号を、前記スピンドルモーター、スライドモーター及び分光計に提供する、請求項11に記載の液体バーコードリーダー。
【請求項21】
前記分光計は、前記バイオディスク内の生化学反応チャンバーの反応結果をさらに読み取る、請求項10に記載の液体バーコードリーダー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2011−503686(P2011−503686A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530927(P2010−530927)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006221
【国際公開番号】WO2009/054664
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】