説明

液体レベル制御バルブ

タンク(123)に供給された液体を制御するバルブ装置。当該バルブ装置は、液体入口(101)、前記タンク(123)に液体を放出する液体出口(120)、バルブシート(119)であって開口部を画定し、この開口部を通して液体が前記入口(101)から前記出口(120)へ流れるようにしたバルブシート、開位置と閉位置との間で前記バルブシート(119)に対して可動するバルブ部材(107)および前記バルブ装置を稼動させる制御手段を含む。制御手段は、制御室(103)、前記制御室(103)と前記入口(101)との間の液体流路(102)、前記液体流路(102)内の流れ制御要素(104)、リリーフバルブ(106)であって、前記制御室(103)からリリーフポート(121)へ選択的に液体を放出するために開位置と閉位置との間で可動するリリーフバルブ(106)およびリリーフバルブ駆動手段であって、前記タンク(123)内の液体量に従って前記リリーフバルブの稼動を制御するリリーフバルブ駆動手段を含む。バルブ装置(200)は、本体部(201)とリリーフ部(202)を含む複数部分構成で作成され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体レベルが予めセットされた位置以下である時にのみ、バルブを開くことによりタンクまたは容器に貯留された液体量を制御する液体バルブに関するものである。本発明は、特に、水槽内のように、タンクまたは容器内の液体レベル が低過ぎる場合は常に、その液体レベルを上昇させることを可能とするバルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、先行文献(または当該文献からの先行情報)または公知事項は参照されないし、当該先行文献(または当該文献からの先行情報)または公知事項が、本明細書に関連する分野において、通常の一般的知識の一部をなすような認識、承認またはいかなる示唆としても参照されるべきものはない。
【0003】
従来のバルブは、一般的に、バルブシートと可動バルブ部材を有している。可動バルブ部材は、バルブシートに当接して流量を調節する。アクチュエータは、バルブ部材に直接作用してバルブ部材を動かす。 かかる従来のバルブにおいては、バルブ部材を動かすために必要な力は極めて大きなものとなり得る 。
【0004】
従って、出願人は、従来型のバルブで要求されるよりも実質的により小さな力で操作可能なバルブを提供することにより、従来技術の欠点を実質的に解決する従来バルブの改良を行った。出願人の従来技術によるバルブ装置の詳細は、国際出願番号PCT/AU1996/00263を含む出願人による種々の特許や特許出願において記述されており、その内容は参照によりここに援用されている。
【0005】
出願人による先の前記特許出願において、制御室、制御室を入口ポートと出口ポートに繋げる流路および当該流路の少なくとも一つの流路内にある流れ制御要素を含む バルブ装置が定義されている。流れ制御要素は、流路内の液体の流れを効果的に制御し、それにより、バルブ装置の入口と出口間の流体の流れを制御する。この配置を用いると、バルブの稼動を制御するために、顕微鏡的な流れおよび先行技術比して最小限の力/エネルギーだけが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際出願番号PCT/AU1996/00263
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述の特許/特許出願に記載された自動的に可動する流れ制御要素配置を組み込んだ圧力平衡パイロット操作バルブを提供しようとするものである。
【0008】
本発明は、タンク内の液体量に従って駆動するバルブ装置を提供しようとするものである。
【0009】
本発明は、タンク内の液体の圧力、レベル、容量またはその他のパラメーター に従って自動的に稼動するバルブ装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、一つの広い形態では、タンクに供給される液体を制御するバルブ装置を提供するものであり、前記バルブ装置は、
液体入口と、
前記タンクヘ液体を放出するための液体出口と、
バルブシートであって開口部を画定し 、前記開口部を通して液体が前記入口から前記出口へ流れるように適合されたバルブシートと、
バルブ部材であって、開位置と閉位置との間でバルブシートに対して可動するバルブ部材と、
前記バルブ装置を稼動させるための制御手段と、を含み、前記制御手段は、
制御室と、
前記制御室と前記入口との間の液体流路と、
前記液体流路内の流れ制御要素と、
リリーフバルブであって、前記制御室からリリーフポートへ選択的に液体を放出するために開位置と閉位置との間で可動するリリーフバルブと、
リリーフバルブ駆動手段であって、前記タンク内の液体量に従って前記リリーフバルブの稼動を制御するリリーフバルブ駆動手段と、を含む。
【0011】
好ましくは、前記リリーフバルブ駆動手段は、
リリーフ室であって、少なくとも一部が可動壁によって形成され、前記可動壁は前記リリーフバルブに稼動可能な状態で結合されたリリーフ室と、
前記リリーフ室を前記タンクに繋げる液体経路であって、前記リリーフ室内の圧力が前記タンク内の圧力と実質的に関係して適合されるようにした液体経路と、を含み、
前記タンク内の圧力が予め決められた閾値の圧力に達すると、これが前記液体経路を経て前記リリーフ室へと繋がり、前記可動壁の移動を生じさせ、前記リリーフバルブを結果的に稼動させ、それにより、前記制御手段の稼動を制御して前記バルブ装置を稼動する。
【0012】
また、好ましくは、前記可動壁は、ダイヤフラムまたは柔軟性のある材質のような形をとる 。
【0013】
好ましくは、前記リリーフポートを経て放出される液体は、前記タンク内へ供給される。
【0014】
また、好ましくは、前記バルブ部材は、ダイヤフラムの形をとるか、あるいは、柔軟性のある材料で形成される。
【0015】
好ましくは、前記流れ制御要素は、前記流路内で移動 するように適合され、セルフクリーニング特性および流れ制限特性を提供する。
【0016】
また、好ましくは、前記流路および/または前記流れ制御要素の大きさ及び/または形状は、前記バルブ装置を稼動する速度/加速度、および/または該バルブ装置を稼動させるに必要な力/エネルギーを制御するために選択される。
【0017】
好ましくは、前記リリーフバルブ駆動手段は、前記タンク内の液体の圧力、レベル、容量またはその他のパラメーターに対応するものである。
【0018】
好ましくは、前記装置は、
前記制御室を含む本体部と、
前記リリーフバルブを含むリリーフ部と、
を含む多部分構成に作成される。
【0019】
また、好ましくは、前記本体部および前記リリーフ部は、任意に取り外し可能な方式で、ねじ込み式、クリップ式、スナップ嵌込み式、またはその他で互いに固定されるように適合される。
【0020】
さらに広い形態では、本発明は、バルブ装置の本体部を提供するものであり、該バルブ装置は、
液体入口と、
前記タンクに液体を放出する液体出口と、
バルブシートであって開口部を画定し、前記開口部を通して液体が前記入口から前記出口へ流れるように適合されたバルブシートと、
バルブ部材であって、開位置と閉位置との間で前記バルブシートに対して可動するバルブ部材と、
前記バルブ装置を稼動させる制御手段と、を含み、前記制御手段は、
制御室と、
前記制御室と前記入口との間の液体流路と、
前記液体流路内の流れ制御要素と、
リリーフバルブであって、前記制御室からリリーフポートへ選択的に液体を放出するために開位置と閉位置との間で可動するリリーフバルブと、
リリーフバルブの駆動手段であって、前記タンク内の液体量に従って前記リリーフバルブの稼動を制御するリリーフバルブ駆動手段と、を含み、
該本体部は、前記制御室を含むことを特徴としており、
さらに、前記本体部は前記リリーフバルブを含むリリーフ部に接するように適合されることを特徴としている。
【0021】
好ましくは、前記本体部は、
前記制御室と、
前記液体流路と、
前記流れ制御要素と、を含んでいる。
【0022】
また、さらに広い形態では、本発明は、バルブ装置のリリーフ部を提供するものであり、該バルブ装置は、
液体入口と、
前記タンクに液体を放出する液体出口と、
バルブシートであって開口部を画定し、前記開口部を通して液体が前記入口から前記出口へ流れるように適合されたバルブシートと、
バルブ部材であって、開位置と閉位置との間で前記バルブシートに対して可動するバルブ部材と、
前記バルブ装置を稼動させる制御手段と、を含み、前記制御手段は、
制御室と、
前記制御室と前記入口との間の液体流路と、
前記液体流路内の流れ制御要素と、
リリーフバルブであって、前記制御室から前記リリーフポートへ選択的に液体を放出するために開位置と閉位置との間で可動するリリーフバルブと、
リリーフバルブ駆動手段であって、前記タンク内の液体量に従って前記リリーフバルブの稼動を制御するリリーフバルブ駆動手段と、を含み、
該リリーフ部は前記リリーフバルブを含むことを特徴としており、
さらに、前記リリーフ部は前記制御室を含む本体部に接するように適合されていることを特徴とする。
【0023】
また、さらに広い形態では、本発明は、前述したバルブ装置を使用して、前記タンク内の液体のレベル、容量および圧力の一つ以上を含むがそれに限定されないパラメーターに従ってタンクに供給される液体の流れを制御する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、添付図面に関連して説明されている、下記の好適ではあっても限定的ではない実施例の詳細な説明から充分に理解されるであろう。
【0025】
【図1】図1は、本発明にかかるバルブとその関連部品の概略図の断面図である。
【図2】図2は、「閉」位置にあるバルブ装置の詳細図である。
【図3】図3は、「駆動」状態のバルブの詳細図であり、すなわち 、タンクの圧力が下がった際に、これがリリーフ室の圧力の低下を必然的に引き起こし、リリーフバルブを開く。
【図4】図4は、図3に示された状態の直後のバルブ装置の詳細図であり、この場合、制御室内の圧力が低下してバルブ部材が必然的に開位置に移動可能になり、液体が入口から出口へ流れることが可能になっている、すなわち、バルブが「開」位置にあるときである。
【図5】図5は、本発明にかかるバルブ装置の別の実施例の断面図を示す図であり、当該バルブ装置は、二部分構成で作成されている。即ち、「本体部」と「リリーフ」部を有する。
【図6】図6は、図5の実施例におけるリリーフ部を示す図である。
【図7】図7は、図5の実施例における本体部を示す図である。
【図8】図8は、図5の実施例における本体部の別の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面を通じて、同じ番号は、明示的に指摘しない限り、同一の特徴を示すために使用される。
【実施例1】
【0027】
図1ないし図4において、本発明の低出力駆動機構 を組み込んだパイロット操作バルブ装置の第一実施例を示している。図1は、バルブ装置、入口、出口およびそれらに結合された液体タンクを示している。図2は、「閉」位置にあるバルブの詳細を示している。図3は、「駆動」後のバルブを示している。図4は、「開位置」にあるバルブを示している。
【0028】
液体入口101は、流路102を経て制御室103に繋がっている。流路102は、流れ制御要素104により部分的に満たされた比較的大きな開口部105(orifice)内に形成されている。開口部105と流れ制御要素104との断面積の相違が流路102の実際の断面積である。制御「圧力」室103は、ダイヤフラムのような構造の形をとり得る バルブ本体107とバルブ本体109によって形成されている。
【0029】
流路102の下流は、開口部111と部材112から形成されたリリーフバルブ106である。リリーフバルブ113も、またダイヤフラムの形をとり得る が、部材112を開口部111に対して密接して押し当てるように適合されている。バルブ本体114とリリーフバルブ113は、リリーフ圧力室118を画定している。開口部116とチューブ115が、リリーフ室118をタンクまたは容器123内の圧力が変わる環境117に繋がっている。
【0030】
液体入口101は、図4に示されるように、バルブ部材107がバルブシート119から離れるように移動して「開」位置になった時に、液体出口120に繋がる。図3は、中間の「駆動」位置を示している。
【0031】
リリーフポート121は、リリーフバルブ106を経て制御圧力室103に繋がっている。リリーフポート121は、圧力が入口101の圧力よりも低い環境122に繋がる。
【0032】
図1は、閉状態にあるバルブを示している。すなわち、環境117の圧力は、リリーフダイヤフラム113がリリーフバルブ106を閉じるのに充分な高圧となっている。室103内の圧力は入口圧力101と等しくなる 。入口圧力の影響を受けるダイヤフラム107の両側の断面積の相違によって、ダイヤフラム107がバルブシート119に強制的に密接させられ、バルブが閉じられる。
【0033】
図3に示されるように、タンクまたは容器123内の環境117の圧力が、リリーフダイヤフラム113がリリーフバルブ106を開くのに充分低い時にバルブは開かれる。その後、液体は、圧力室103から比較的制限されていないリリーフバルブ106とリリーフポート121を通じて流れ出すことが可能となる。極めて制限された流路102は、バルブ部材またはダイヤフラム107がバルブシート119から離れるように移動することが可能になるレベルまで圧力を低下させる程度に、圧力室103に流入する液体の流れを抑制する。そうすることにより、図3に示すように、部材104に対して開口部105を移動させ、液体を入口101から出口120へ流すことが可能になる。
【0034】
流路102を形成するための、前記配置と開口部105に対する流れ制御要素104の自動的な移動は、セルフクリーニングおよび流路102の好ましい 流れ制限特性を提供し、また、さもなければ下流バイパス開口部を閉鎖してしまう粒子の進入を阻止するものである。制御室103への流入を阻止される粒子は、液体出口120の比較的大きな開口部を通る主流とともに洗い流される。
【0035】
バルブは、図4に示されるように、リリーフバルブ106が前述したように閉じられるまで、開いたままとなる。リリーフバルブ106が一旦閉じられると、室103内の圧力が上昇してダイヤフラム107をバルブシート119に向かって押し動かし、それによりバルブが閉じられる。バルブが閉じる速度は、直接的に、制御室103流入する液体の流入率(割合)によって(しかし、必ずしも比例的である必要はない)変化する。即ち、極めて制限された流路102は、ゆっくりした閉じる速度をもたらし、それにより、流体ハンマー が制御される。
【0036】
バルブ駆動時には常時、開口部105に対して流れ制御要素104が移動することによって、閉じる速度と開く速度(加速度)を制御する手段を提供することもできる。 これを実施するための一つの好ましい方法は、流路102の有効な流路長を(図1に示されるように)前記の相対移動によって変化するような寸法にする こと、および/または、部材104と開口部105の何れかまたは両方の断面に変化(例えば、先細形状)を付けることである。他の方法は、当業者にとっては明らかであろう。
【0037】
開口部111のシーリング面の断面領域は、小さな力で閉じる/開けるに十分な小ささとなるように、且つ流路102を通過するには十分小さい固体粒子によって詰まることのない十分な大きさになるような寸法にされる。
【0038】
好ましくは、環境117の圧力は、タンクまたは容器123内の液体レベル/圧力に関係している。本件においては、図1に示すように、環境117を液体タンク123内の適切な高さに位置させることが、パラメーター、すなわち、バルブが閉じる液体レベルを決定することになる。
【0039】
微小な液体流量割合の実現の可能性とともに前記配置のセルフクリーニング特性とフィルター特性によって、制御液体が流れる断面積を確実に減じることが可能になる。その結果、この種の圧力平衡パイロット操作バルブの応答時間がより制御可能であり、また、当該バルブを稼動するに要求される力/エネルギーは、比較的小さい。
【0040】
確実で且つ満足いくように応答時間を制御し、要求される駆動力を低減することができるようにすることは、大きな機構(レバーアームや大きな浮きのような)の必要性や、流量割合の能力等の制限を排除するばかりではない。実際、これは、遥かにシンプルに稼動する機構の利用、および流体ハンマーの問題なしに流量割合を高く保つことを可能にしている。
【0041】
本発明のバルブ装置は、よって、タンクへ供給される液体を制御するバルブを提供することが理解されるであろう。即ち、タンク内の液体の圧力、レベルまたは容量が所定量を下回るときは、当該バルブが駆動されて液体流を生じさせ、それによりタンク内の液体の供給量を増加させる。そして、所定量に達すればそれにより自動的に当該バルブを閉じることになる。
【実施例2】
【0042】
図5ないし図8において、低出力駆動機構を組み込む本発明のパイロット駆動バルブ装置の第2実施例が示されているが、当該実施例では、バルブ装置200は、本体部201とリリーフ部202を含む2部分構成であることが示されている。かかる2部分構成が、種々部品への接続や交換を可能とする製造上の種々の利点となれば、この2部分構成は、勿論、当業者によって更に複数部分構成に変更して構成することが可能であることは理解されよう。
【0043】
当該バルブ装置200は、本体部201が制御室203を含み、一方、リリーフ部は、リリーフバルブ204を含むことが示されている。本体部分201とリリーフ部202は、ねじ込み式、クリップ式、スナップ嵌込み式、またはその他の方法を含むがそれにとらわれない、様々な方法で相互に結合され得る。前記実施例では、ねじ込み式、また、シーリングリング204を使用して結合されている。
【0044】
分離した構成部分、即ち、本体部201は図7と図8に示されており、一方、リリーフ部は分離して図6に示されている。
【0045】
前記実施例において、本体部201は、液体入口205、液体出口206、当該入口205から当該出口206へ液体が流通する開口部を画定するバルブシート207および図1ないし図4に記載されたと同じ方式で開および閉位置との間でバルブシート207に対して移動するバルブ部品213を含んでいる。丁度、前の実施例のように、当該バルブは、制御室203、制御室203と入口205の間の液体流路208および液体流路内に備えられた流れ制御要素210を含む制御手段により稼動される。
【0046】
リリーフ部202は、図6に示されているように、開および閉位置の間で移動可能なリリーフバルブ部品211を含み、制御室203からリリーフ部212を経由して液体を選択的に放出する。リリーフバルブ211は、図1ないし図4に関連して丁度上述したように、タンクまたは容器内の液体量に従ってリリーフバルブの稼動を制御すべく駆動される。
【0047】
図7と図8に示されるように、本体部201は、制御室203、液体流路208および流れ制御要素210を含んでいる。図7のケースにおいて、流れ制御要素は、本体部213の中央部にある入口205と制御室203間に備えられている。一方、図8のケースにおいては、入口205と出口206の位置が入れ替わっているが、流れ制御要素が、少なくとも、入口と制御室213との間に確実に設けられるようにするため、流れ制御要素210は、軸に沿わずに本体部213に挿設される。
【0048】
当該流れ制御要素は、図5、図7および図8に示されており、バルブ部材内の対応した形状の切り欠きに嵌合される拡大端部を有することによって、液体流路208内に保持されることになる。同様に、バルブ部品は、柔軟な材料でダイヤフラムのような構造213の形をとって作成され得、実質的に円筒形状をした本体部、円筒形状の本体部213の上端面に設けられた径方向の凹部214および径方向の凹部214に隣接した本体部213から外方に延びる周辺フランジ215を有している。バルブ部品213の更なる詳細は、本出願人による出願中の特許出願に記載されている。その詳細はこの参照によりここに全て援用されている。
【0049】
本発明のバルブ装置は、当該バルブを駆動/調整するために要求される力またはエネルギー量において、従来技術に対して顕著な利点を有していることが理解されるであろう。これは、バルブを開閉するための顕微鏡的な流れを可能とする液体流路内の流れ制御要素の使用と、それに連動したリリーフバルブの使用との組合せにより実現される。当該バルブを駆動/調整可能にする力/エネルギーは、流れ制御要素、液体流路およびその他の特徴に応じて選択的に選択され得ることが当業者により理解されるであろう。
【0050】
本発明に対する多くのバリエーションや変更は、当業者にとって明らかであることは理解されよう。かかる全てのバリエーションや変更は、ここにおいて広く記載された本発明の精神や範囲に含まれることになるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクに供給される液体を制御するバルブ装置において、
液体入口と、
タンクに液体を放出する液体出口と、
バルブシートであって開口部を画定し、前記開口部を通して液体が前記入口から前記出口へ流れるように適合されたバルブシートと、
バルブ部材であって、開位置と閉位置との間で前記バルブシートに対して可動するバルブ部材と、
前記バルブ装置を稼動させる制御手段と、を含み、前記制御手段は、
制御室と、
前記制御室と
前記制御室と前記入口との間の液体流路と、
前記液体流路内の流れ制御要素と、
リリーフバルブであって、前記制御室からリリ−フポートへ選択的に液体を放出するために開位置と閉位置との間で可動するリリーフバルブと、
リリーフバルブの駆動手段であって、前記タンク内の液体量に従って前記リリーフバルブの稼動を制御するリリーフバルブ駆動手段と、を含むことを特徴とするバルブ装置。
【請求項2】
前記リリーフバルブ駆動手段は、
リリーフ室であって、少なくとも一部が可動壁によって形成され、前記可動壁は前記リリーフバルブに稼動可能な状態で結合されたリリーフ室と、
前記リリーフ室を前記タンクに繋げる液体経路であって、前記リリーフ室内の圧力が前記タンク内の圧力と実質的に関係して適合されるようにした液体経路と、を含み、
前記タンク内の圧力が予め決められた閾値の圧力に達すると、これが前記液体経路を経て前記リリーフ室へと繋がり、前記可動壁の移動を生じさせ、前記リリーフバルブを結果的に稼動させ、それにより、前記制御手段の稼動を制御して前記バルブ装置を稼動することを特徴とする請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項3】
前記可動壁はダイヤフラムまたは柔軟性のある材質のような形をとることを特徴とする請求項2に記載のバルブ装置。
【請求項4】
前記リリーフポートを経て放出される液体は、前記タンク内へ供給されることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のバルブ装置。
【請求項5】
前記バルブ部材は、ダイヤフラムの形をとるか、あるいは柔軟性のある材料で形成されることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のバルブ装置。
【請求項6】
前記流れ制御要素は、前記流路内で移動するように適合され、セルフクリーニング特性および流れ制限特性を提供することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載のバルブ装置。
【請求項7】
前記流路および/または前記流れ制御要素の大きさおよび/または形状は、前記バルブ装置を稼動する速度/加速度、および/または該バルブ装置を駆動するために必要な力/エネルギーを制御するために選択されることを特徴とする請求項6に記載のバルブ装置。
【請求項8】
前記リリーフバルブ駆動手段は前記タンク内の液体の圧力、レベル、容量またはその他のパラメーターに応答することを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載のバルブ装置。
【請求項9】
前記装置は、
前記制御室を含む本体部と、
前記リリーフバルブを含むリリーフ部と、を含む多部分構成に作成されることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載のバルブ装置。
【請求項10】
前記本体部および前記リリーフ部は、任意に取外し可能な方式で、ねじ込み式、クリップ式、スナップ嵌込み式、またはその他で互いに固定されるように適合されることを特徴とする請求項9に記載のバルブ装置。
【請求項11】
バルブ装置の本体部であって、該バルブ装置は、
液体入口と、
前記タンクに液体を放出する液体出口と、
バルブシートであって開口部を画定し、前記開口部を通して液体が前記入口から前記出口へ流れるように適合されたバルブシートと、
バルブ部材であって、開位置と閉位置との間で前記バルブシートに対して可動するバルブ部材と、
前記バルブ装置を稼動させる制御手段と、を含み、前記制御手段は、
制御室と、
前記制御室と前記入口との間の液体流路と、
前記液体流路内の流れ制御要素と、
リリーフバルブであって、前記制御室からリリーフポートへ選択的に液体を放出するために開位置と閉位置との間で可動するリリーフバルブと、
リリーフバルブの駆動手段であって、前記タンク内の液体量に従って前記リリーフバルブの稼動を制御するリリーフバルブ駆動手段と、を含み、
該本体部は、前記制御室を含むことを特徴としており、
さらに、前記本体部は前記リリーフバルブを含むリリーフ部に接するように適合されることを特徴とするバルブ装置の本体部。
【請求項12】
前記制御室と、
前記液体流路と、
前記流れ制御要素と、を含むことを特徴とする請求項11に記載のバルブ装置の本体部。
【請求項13】
バルブ装置のリリーフ部で、当該バルブ装置は、
液体入口と、
前記タンクに液体を放出する液体出口と、
バルブシートであって開口部を画定し、前記開口部を通して液体が前記入口から前記出口へ流れるように適合されたバルブシートと、
バルブ部材であって、開位置と閉位置との間で前記バルブシートに対して可動するバルブ部材と、
前記バルブ装置を稼動させる制御手段と、を含み、前記制御手段は、
制御室と、
前記制御室と前記入口との間の液体流路と、
前記液体流路内の流れ制御要素と、
リリーフバルブであって、前記制御室から前記リリーフポートへ選択的に液体を放出するために開位置と閉位置との間で可動するリリーフバルブと、
リリーフバルブの駆動手段であって、前記タンク内の液体量に従って前記リリーフバルブの稼動を制御するリリーフバルブ駆動手段と、を含み、
該リリーフ部は前記リリーフバルブを含むことを特徴としており、
さらに、前記リリーフ部は前記制御室を含む本体部に接するように適合されていることを特徴とする。
【請求項14】
請求項1ないし13の何れか1項に記載のバルブ装置を使用して、前記タンク内の液体のレベル、容量および圧力を含むがそれに限定されないパラメーターに従ってタンクに供給される液体の流れを制御する方法。
【請求項15】
バルブ装置で、実質的に添付図面に示されているもの。
【請求項16】
バルブ装置の本体部であって、実質的に添付図面の図7または図8に示されているもの。
【請求項17】
バルブ装置のリリーフ部であって、実質的に添付図面の図6に示されているもの。
【請求項18】
タンクに供給される液体の流れを制御する方法であって実質的に上述されたもの。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−507049(P2010−507049A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532643(P2009−532643)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【国際出願番号】PCT/AU2007/001569
【国際公開番号】WO2008/046138
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(509109567)マイクロフロー インターナショナル ピーティーワイ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】