説明

液体収納袋体

【課題】両端に自立可能な底部を備えた袋を用いて突き刺しチューブの突き刺しを安定良く行なえるようにした液体収納袋体を提供する。
【解決手段】袋本体8が合成樹脂フィルムを材料に用いて筒状となるように作られ、その胴部9の長さ方向両端である上下両端にスタンドパックの形態の下端の底部の形を呈する底部10を備え、また胴部9の長さ方向に沿う一側部に内容物の充填口11を備えてなり、かかる袋本体8内には内容物である液体が充填され、充填口11の入口部が閉じられた状態において袋本体8の胴部9にシュリンクフィルムで筒状に作られた収縮体14を被せ、外部から熱をかけて収縮体14を収縮させて胴部9を締め付けることにより両端の底部10が張った状態となるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の上端口部に取り付けられた液体取り出しポンプの突き刺しチューブが突き刺さり、液体取り出しポンプの動作により内部の液体が液体取り出しポンプのノズルより取り出されるようにした液体取り出し装置に使用される液体収納袋体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に開示されているような両端に自立可能な底部を備え、両端の何れでも自立できるような筒状の形態を呈し、一側部に充填口を備えた袋が知られている。
上記特許文献1に開示されているような袋の場合、始めは扁平状態の袋の中に充填口より内容物を充填することにより袋は徐々に膨らむことになるが、充填中において袋は扁平状態に戻ろうと作用し、平面から見て完全な円形に近い形になるまで内容物を充填することは困難であった。つまり、袋の胴部は内容物によって外側に膨らむようには張っておらず、両端の底部も外側に張っておらずに、弛んだ状態となる。
【特許文献1】実開昭57−85436号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されているような袋に内容物を充填したものを用いて、容器内にセットし、容器の上端に取り付けられる液体取り出しポンプの突き刺しチューブを袋の上端に位置する底部に突き刺そうとしても袋の上端の底部が弛んでいるために突き刺しにくいという問題が生じる。
【0004】
本発明の目的は、このような課題を解決するものであり、両端に自立可能な底部を備えた袋を用いて突き刺しチューブの突き刺しを安定良く行なえるようにした液体収納袋体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の液体収納袋体は、容器内にセットされ容器の上端口部に装着される液体取り出しポンプの突き刺しチューブが上から突き刺さり、液体取り出しポンプの動作により内部の液体が液体取り出しポンプのノズルより取り出される液体取り出し装置に使用される液体収納袋体であって、袋本体が合成樹脂フィルムを材料に用いて筒状となるように作られ、その胴部の長さ方向両端である上下両端にスタンドパックの形態の下端の底部の形を呈する底部を備え、また胴部の長さ方向に沿う一側部に内容物の充填口を備えてなり、かかる袋本体内には内容物である液体が充填され、充填口の入口部が閉じられた状態において袋本体の胴部にシュリンクフィルムで筒状に作られた収縮体を被せ、外部から熱をかけて収縮体を収縮させて胴部を締め付けることにより両端の底部が張った状態になっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明の液体収納袋体は、胴部の長さ方向両端である上下両端にスタンドパックの形態の下端の底部の形を呈する底部を備え内部に内容物である液体が充填されてなる袋本体の胴部にシュリンクフィルムで筒状に作られた収縮体を被せ、外部から熱をかけて収縮体を収縮させて胴部を締め付けることにより両端の底部が張った状態となっているので突き刺しチューブの突き刺しが容易に行なえることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。
先ず、図1〜図6に示す第1の実施の形態について説明すると、1は上端が開口する縦長の合成樹脂製の容器本体で、この容器本体1の上端開口部は容器本体1と同様の合成樹脂製からなり容器本体1の胴部1aに被さる蓋体2によって閉じられ、容器を構成している。なお、蓋体2の下端内面には容器本体1の下端外面に形成されている雄ねじ部3に螺合する雌ねじ部4が形成されており、雌ねじ部4を雄ねじ部3に螺合させることにより容器本体1の上端が蓋体2で閉じられることになる。蓋体2の上端口部2aには液体取り出し部となる液体取り出しポンプ5が螺合することにより装着される。液体取り出しポンプ5には前記容器本体1内に下向きに突出する突き刺しチューブ6を備え、この突き刺しチューブ6は容器本体1内にセットされる液体収納袋体7(詳細は後述する)の上端に突き刺さり、液体取り出しポンプ5の動作により液体収納袋体7内部の液体が液体取り出しポンプ5のノズル5aより取り出されるようにした液体取り出し装置が構成される。
【0008】
ところで、前記液体収納袋体7の袋本体8は合成樹脂フィルムを材料に用いて筒状となるように作られ、その胴部9の長さ方向両端である上下両端に、スタンドパックの形態の袋に備わる下端の底部の形をした底部10を備え、またその長さ方向に沿う一側部の中央部に内容物の充填口11を備えている。なお、内容物充填前は袋本体8が扁平状態であるがために前記底部10も折り畳まれて膨らんだ状態とはなっていない。図中、12は袋本体8のヒートシール部である。
【0009】
上記の袋本体8の内部に内容物である洗剤やシャンプー、リンスなどの液体を充填するときは袋本体8の長さ方向が水平方向に向き、充填口11が上に向くように袋本体8を位置決めし、かかる状態で充填口11より内容物を充填するのである。内容物充填後は充填口11の入口部をヒートシールにより閉じるのである。13はそのヒートシール部である。
【0010】
袋本体8を長さ方向が水平方向に向くようにして内容物を充填するとき、始めは袋本体8は扁平状態であり、充填口11より内容物を充填することにより袋本体8は徐々に膨らむことになるが、充填中において袋本体8は扁平状態に戻ろうと作用し、袋本体8の胴部9が完全な円筒状に近い形になるまで内容物を充填することは困難であり、胴部9や底部10が弛んだ状態となる。
【0011】
つまり、内容物が充填された袋本体8を立てた状態で容器内にセットしたとき、袋本体8の胴部9や底部10に張りがなく、前記液体取り出しポンプ5の突き刺しチューブ6で袋本体8の上端に位置する底部10に突き刺すときに突き刺しチューブ6で底部10が押されて沈むため、突き刺しチューブ6が底部10に突き刺しにくいという問題がある。そこで、本実施の形態では内容物が充填された袋本体8の外側に袋本体8の外周の長さに合う内周を備えるようにシュリンクフィルムで筒状に作られた収縮体14を用い、この収縮体14を袋本体8の胴部9に被せ、外部から熱をかけて収縮体14を収縮させて胴部9を締め付けることにより両端の底部10が張った状態の液体収納袋体7が完成する。なお、この第1の実施の形態では袋本体8の胴部9の上下両端近傍部を除く範囲で収縮体14が被せられている。
【0012】
この液体収納袋体7は前記両端の底部10が上下に位置するように立てた状態で容器本体1内にセットされ、上端口部2aに液体取り出しポンプ5が螺合して装着された蓋体2によって容器本体1の上端を閉じる。そのとき、液体取り出しポンプ5から下向きに突出する突き刺しチューブ6を液体収納袋体7の袋本体8の上端に位置する底部10に上から突き刺す。そのとき、前記上端に位置する底部10は張った状態となっているので突き刺しチューブ6の突き刺しが容易に行なえることになる。
【0013】
ところで、前記収縮体14の材料であるシュリンクフィルムとしては例えばポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルなどの熱により収縮するフィルムが使用される。このシュリンクフィルムからなる収縮体14は機械から筒状に押し出されたフィルムを必要長さにカットして収縮体14として使用するようにしても良く、あるいは平たいフィルムを筒状に曲げ、フィルムの両端を接着剤で接合したものやフィルムの両端をヒートシールで接合したものを収縮体14として使用するようにしても良い。
【0014】
なお、液体収納袋体7には胴部9の長さ方向両端である上下両端にスタンドパックの形態の下端の底部の形を呈する底部10を備えており、少なくとも上端に位置する底部10は突き刺しチューブ6を突き刺しやすい材料を使用することが必要であるが、上下両端の底部10共に突き刺しチューブ6を突き刺しやすい材料を使用することも可能で、これにより、液体収納袋体7を上下何れに向けても突き刺しチューブ6の突き刺しが可能となり、その結果液体収納袋体7の長さ方向の何れの一端が上端に位置するように容器内に液体収納袋体7をセットすることができて容器内へのセット時の方向性が無くなる。
【0015】
次に、図7および図8に示す第2の実施の形態について説明すると、前記第1の実施の形態では袋本体8の胴部9の上下両端近傍部を除く範囲で収縮体14が被せられているが、第2の実施の形態では袋本体8の胴部9の上下方向全長に亘って収縮体14が被せられている。他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態における液体取り出し装置の容器本体、蓋体、液体取り出しポンプ、液体収納袋体の組み合わせ前の斜視図である。
【図2】同液体収納袋体の袋本体の液体充填前の状態を示す斜視図である。
【図3】同液体収納袋体の袋本体と収縮体の組み合わせ前の斜視図である。
【図4】同袋本体と収縮体を組み合わせて完成した液体収納袋体の斜視図である。
【図5】同液体収納袋体を容器本体内にセットし蓋体を閉じた後液体取り出しポンプの突き刺しチューブを袋本体の上端底部に突き刺す状態を示す断面図である。
【図6】同取り出しポンプの突き刺しチューブを袋本体の上端底部に突き刺した使用可能な状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における液体収納袋体の袋本体と収縮体の組み合わせ前の斜視図である。
【図8】同袋本体と収縮体を組み合わせて完成した液体収納袋体の斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
1 容器本体
2 蓋体
2a 上端口部
3 雄ねじ部
4 雌ねじ部
5 液体取り出しポンプ
5a ノズル
6 突き刺しチューブ
7 液体収納袋体
8 袋本体
9 胴部
10 底部
11 充填口
12 ヒートシール部
13 ヒートシール部
14 収縮体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内にセットされ容器の上端口部に装着される液体取り出しポンプの突き刺しチューブが上から突き刺さり、液体取り出しポンプの動作により内部の液体が液体取り出しポンプのノズルより取り出される液体取り出し装置に使用される液体収納袋体であって、袋本体が合成樹脂フィルムを材料に用いて筒状となるように作られ、その胴部の長さ方向両端である上下両端にスタンドパックの形態の下端の底部の形を呈する底部を備え、また胴部の長さ方向に沿う一側部に内容物の充填口を備えてなり、かかる袋本体内には内容物である液体が充填され、充填口の入口部が閉じられた状態において袋本体の胴部にシュリンクフィルムで筒状に作られた収縮体を被せ、外部から熱をかけて収縮体を収縮させて胴部を締め付けることにより両端の底部が張った状態になっていることを特徴とする液体収納袋体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−95276(P2010−95276A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−266928(P2008−266928)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000208226)大和グラビヤ株式会社 (48)
【出願人】(599154652)龍江精工株式会社 (17)
【Fターム(参考)】