説明

液体吐出装置

【課題】モータや駆動側のマグネットをキャリッジが往復運動しない装置本体の所定位置に設置することでキャリッジの軽量化とキャリッジ上のスペースの有効活用を図ることができる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体貯留部4は、当該液体3を撹拌する撹拌部材5が設けられており、キャリッジ1が所定位置にあるとき、当該キャリッジ1が往復運動しない所定位置に設置された駆動装置により、撹拌部材5に対して駆動伝達して貯留する液体3を撹拌する駆動系10を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインクジェットプリンタなどの液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インクジェットプリンタのインクとしては、色鮮やかな印刷ができるが退色し易い水溶性の染料を用いた染料系インクと、鮮やかさはやや劣るが退色に強い顔料を着色剤として用いる顔料系インクのいずれかが用いられる。
顔料系のインクを用いる場合、インクに含まれる固定分が沈降してインクジェットヘッドから吐出されるインクの濃度がばらついたり、目詰まりや色の変化を起こしたりするなどの問題があった。
【0003】
このため、液体吐出装置がアイドリング中のインクカートリッジの位置に合わせて、インクカートリッジ内にスターラを装備して間欠運転することで撹拌する液体吐出装置も提案されている。スターラチップは、インクカートリッジの中央部が低くなるように傾斜するテーパー面が形成された底部に配置され、外部から供給される回転磁場によって回転することで沈降したインクを撹拌するようになっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−74625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のようなキャリッジ上に液体容器を搭載する方式のプリンタにおいては、スターラとスターラチップを用いて液の撹拌を行う場合、スターラをキャリッジに搭載するとモータやカップリングマグネットが重く、キャリッジの往復運動には大きな駆動力が必要になり、また限られたキャリッジ上のスペースをモータやマグネットが占める分、ヘッド搭載スペースが狭くなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、モータや駆動側のマグネットをキャリッジが往復運動しない装置本体の所定位置に設置することでキャリッジの軽量化とキャリッジ上のスペースの有効活用を図ることができる液体吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る液体吐出装置は、所定方向に往復動するキャリッジに搭載され、対向する媒体に液体を吐出する液体吐出部と、前記キャリッジに搭載され、前記液体吐出部から吐出する液体を貯留する液体貯留部を備えた液体吐出装置であって、前記液体貯留部は、底面の面積より側面の面積の方が広い縦長な筐体状に形成されており内部には貯留される液体を撹拌する撹拌部材が設けられており、前記側面には、前記キャリッジが所定位置にあるとき、前記液体貯留部の外部に設置された駆動装置により、前記撹拌部材に対して駆動伝達して貯留する液体を撹拌する駆動伝達部を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、大型で重量の大きなモータやマグネットをキャリッジ上に搭載することないので、キャリッジの軽量化とキャリッジ上のスペースの有効活用を図ることができるうえに、底面の面積より側面の面積の方が広い縦長な筐体状に形成された液体貯留部内の液体をコンパクトな構成で撹拌することができる。よって、例えばインクジェットプリンタにおいてキャリッジ上に搭載したヘッドの構成をコンパクトにすることができ、沈降性を有する顔料系のインクを用いてもインク貯留部の側面より狭い底面に沈降する固形成分を均一に分散させてインク吐出特性が良好なまま印刷することができる。
【0009】
前記駆動伝達部はマグネットカップリング若しくは機械的連結によって前記駆動装置から駆動伝達されるようになっていても良い。
具体的には、前記撹拌部材は回転翼を有する回転軸の軸端に前記側壁と対向配置された被駆動側磁石を有するマグネットスターラであり、当該マグネットスターラは、前記被駆動側磁石と前記側壁を介して対向配置された駆動側磁石とマグネットカップリングにより連結されて前記駆動装置により回転駆動されるようになっていても良い。
上記構成によれば、マグネットカップリングの駆動側磁石或いは駆動装置はキャリッジが往復移動しない装置本体の所定位置に設置されているため、キャリッジ上で駆動伝達される部分は、被駆動側磁石或いは残りの駆動伝達部となるため、往復動するキャリッジの軽量化と省スペース化を図ることができる。
【0010】
前記液体吐出部と前記液体貯留部との間は複数の配管により連通されており、前記撹拌部材により前記液体貯留部と前記液体吐出部との間を液体が循環するようになっていても良い。
上記構成によれば、撹拌部材の撹拌により液体貯留部に貯留された液体を撹拌するのみならず撹拌部材を送液ポンプとして使用して液体貯留部の液圧が高い部分から配管を通じて液体吐出部へ送液して配管を通じて液体貯留部へ液体を循環させて液体貯留部のみならず配管内や液体吐出部内の沈降成分についても液体中に均一に分散させることができる。
【0011】
また、前記液体貯留部が複数併設されており、各液体貯留部の撹拌部材に単一の駆動伝達装置より駆動伝達されて撹拌動作が行なわれるようにしても良い。具体的には、前記各液体貯留部の前記撹拌部材は前記回転軸の両端部に前記被駆動側磁石が各々設けられており、各液体貯留部に設けられた前記撹拌部材どうしが前記側壁を介して対向する被駆動側磁石間のマグネットカップリングにより連結されていても良い。
上記構成によれば、キャリッジの走査方向に沿って液体貯留部が複数併設されていても、待機位置に備えた単一の駆動伝達装置より各液体貯留部内に備えた撹拌部材へ駆動伝達して効率良く撹拌動作が行える。よって、例えばインクジェットプリンタにおいて複数の沈降性インクを同時に吐出する場合にもインク吐出特性を良好に維持することができる。
【0012】
尚、駆動装置に最も近い液体貯留部と併設される液体貯留部に備わる撹拌部材は、マグネットカップリングにより連結されて前記駆動装置より同時に駆動伝達されるようになっていても良いし、回転軸どうしが機械的に連結されて前記駆動装置より同時に駆動伝達されるようになっていても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、液体吐出装置において、往復動するキャリッジに駆動装置や1対のマグネットカップリングを構成する磁石を搭載せずに、マグネットカップリングの被駆動側の磁石を搭載するのみで撹拌手段を駆動することができ、キャリッジの軽量化による往復動負荷の軽減やキャリッジの省スペース化による空間の有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】液体吐出装置のキャリッジが待機位置に移動した状態の模式図である。
【図2】インク貯留部を複数備えた場合の駆動伝達構成を示す説明図である。
【図3】他例に係るインク貯留部を複数備えた場合の駆動伝達構成を示す説明図である。
【図4】駆動伝達装置の他例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る液体吐出装置の実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一部材には同一の符号を付する。
【0016】
図1は、液体吐出装置のキャリッジが待機位置に移動した状態の模式図である。キャリッジ1は図示しない往復動機構によって所定方向に往復動する。このキャリッジ1には、対向する媒体にインクを吐出するインクジェットヘッド2(液体吐出部)と、インクジェットヘッド2から吐出するインク3を貯留するインク貯留部4(液体貯留部)を備えている。
【0017】
尚、媒体(メディア)には、紙類のほかに、PVC(ポリ塩化ビニル),PLA(ポリ乳酸),PP(ポリプロピレン),PET(ポリエチレンテレフタレート),PC(ポリカーボネート),PMMA(ポリメタクリル酸メチル)などの樹脂シート、織布、不織布などの布シート、アルミやステンレスなどの金属シート、或いは複合材料からなる合成シートなどの各種材料が含まれるものとする。具体的には、普通紙、コート紙、インクジェット用光沢紙、インクジェット用光沢フィルム、インクジェット用トランスペアレンシー、ターポリン、養生シート、フレキシブルフェイス、布、メッシュ等を用いることができる。
【0018】
またインク3は、インク溶液中に固形成分が分散した沈降性のインク、例えば顔料系のインクや無機蛍光体を有する蛍光体インク、或いは蛍光顔料インクなどの溶媒と固形成分が分離して沈降し易いインクを想定している。蛍光顔料インクは、蛍光顔料が分散された分散インクである。分散インクは水性顔料インク、非水性顔料インクのどちらでもよく、顔料は有機物でも無機物でもよい。
【0019】
インクジェットヘッド2は、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
【0020】
図1において、インク貯留部4は、底面面積より側面積の方が広い縦長な筐体状に形成されており、インク貯留部4内には、固形成分が沈降し易い沈降性のインク3が充填されている。また、インク貯留部4内には、インクを撹拌する撹拌羽5を備えた撹拌部材6が設けられている。撹拌部材6は対向するインク貯留部側面4a,4b方向を回転軸6aとして回転するように回転可能に軸支されている。この回転軸6aの一端には周方向N極・S極が交互に着磁されている円板状若しくは円環状の被駆動側磁石7が設けられている。
【0021】
また、キャリッジ1の待機位置には、インクジェットヘッド2に対向する位置にキャップ8が設けられている。キャップ8は、インクジェットヘッド2の吐出ノズルを覆ってインクが乾燥したり増粘したりするのを防ぐ。尚、乾燥性のないインク3を用いる場合にはキャップ8を省略することもできる。
【0022】
また、キャリッジ1が待機位置において、インク貯留部4の側面4bと対向する装置壁面9には、開口部9aが設けられており、該開口部9aには撹拌部材6に対して駆動伝達して連続運転により撹拌させる駆動装置及び駆動伝達装置の駆動側磁石からなる駆動系10が設けられている。本実施形態では、モータ11のモータ軸11aの先端には周方向N極・S極が交互に着磁されている円板状若しくは円環状の駆動側磁石12が設けられている。
キャリッジ1が待機位置へ移動すると、前述したインク貯留部4内の被駆動側磁石7と駆動側磁石12とが近接して対向配置されたマグネットカップリングにより連結した状態となる。
【0023】
上記構成によれば、キャリッジ1が待機位置にあるときモータ11を所定方向に回転させると、マグネットカップリングにより連結された撹拌部材6が回転軸6aを中心に連続回転し、撹拌部材6の撹拌羽5によってインク貯留部4の底部に沈降した固形成分を撹拌するので、インク貯留部4内を底面積の大きさに制約されることなく効率よく撹拌することができる。よって、沈降性を有する顔料系のインク3を用いても固形成分を均一に分散させてインク吐出特性が良好なまま印刷することができる。
【0024】
また、インク貯留部4が底面積より側面積の方が広い縦長な筐体状に形成されていても、撹拌部材6は対向する側面4a,4b方向に配置された回転軸6aを中心として回転することで、インク貯留部4の底部に沈降している固形成分を効率良くインク溶媒中に均一に分散させることができる。
【0025】
また、図1において、インクジェットヘッド2とインク貯留部4との間には当該インク貯留部の底部4cに接続するインク供給配管13とインク貯留部4の側面4aに接続するインク戻り配管14とが各々接続されている。インク戻り配管14は印刷動作時にはインク3に混入するエアパージ用の配管として利用することもできる。
この場合、上述した撹拌羽5の回転によりインク貯留部4に貯留されたインク3がインク供給配管13を介してインクジェットヘッド2を通過してインク戻り配管14を介して循環することにより撹拌することができる。
【0026】
上記構成によれば、撹拌羽5の回転によりインク貯留部4に貯留されたインク3を撹拌するのみならず撹拌羽5を送液ポンプとして使用してインク貯留部4の液圧が高い底部4cからインク供給菅13を通じてインクジェットヘッド2へ送液してインク戻り配管14を通じてインク貯留部4へインク3を循環させて底部4cに沈降している固形成分を効率良くインク溶媒中に均一に分散させることができる。
尚、駆動系10のモータ11は一方向に回転駆動させても良いし、正逆回転駆動を繰り返すようにしてもいずれでもよい。
【0027】
次に、図2において、キャリッジ1にインクタンク4が当該キャリッジ1の走査方向に沿って複数併設されている場合の駆動伝達装置10の構成例について説明する。図2はインクタンク4を含むインクカートリッジ15がキャリッジ1に併設されている状態を示す説明図である。
各インクカートリッジ15には、異なる色の沈降性インク3が充填されている。モータ11に設けられている駆動側磁石12の構成は、図1と同様である。各インクタンク4内に設けられる被駆動側磁石7は、撹拌部材6の回転軸6aの両端部に設けられて回転可能に軸支されている点が異なる。これによって、キャリッジ1が待機位置へ移動するだけで、隣接する各インクタンクどうしの対向する被駆動側磁石7どうしがマグネットカップリングにより連結する。この状態で、単一の駆動伝達装置10のモータ11を回転駆動することにより各インクタンク4に備えた撹拌部材6へ駆動伝達されて同時に撹拌動作が行われる。尚、キャリッジ1が待機位置へ移動したか否かは、装置壁面9側に設けられたセンサ16で検出しても良い。
【0028】
上記構成によれば、キャリッジ1の走査方向に沿ってインクタンク4が複数併設されていても、待機位置に備えた単一の駆動伝達装置10によって各インクタンク4内に備えた撹拌装置6へ駆動伝達して効率良く撹拌動作が行なえる。よって、沈降性インクを用いてモノクロ印刷のみならずカラー印刷を行う場合にも印刷品質を維持することができる。
【0029】
次に、インクタンク4を複数備えた場合の駆動伝達装置の他例について図3を参照して説明する。
図2においては駆動系10に最も近いインク貯留部4と併設されるすべてのインク貯留部4に備わる撹拌部材6は、マグネットカップリングにより連結されていたが、図3に示すように、駆動伝達装置が回転軸6aどうしを機械的連結によって同時に駆動伝達されるようになっていても良い。
【0030】
図3において、駆動系10に最も近いインク貯留部4Aと併設されるインク貯留部4Bに備わる撹拌部材6は、マグネットカップリングにより連結されている。即ち、インク貯留部4Aの回転軸6aの一端側(側面4b側)には被駆動側磁石7が設けられ、回転軸6aの撹拌羽5を介して他端側(側面4a側)にはセレーションが形成された嵌合突部6bがインク貯留部4Aの側面4aより突設されている。また、併設されるインク貯留部4Bの回転軸6aの側面4b側には嵌合凸部6bが嵌合するセレーションが形成された嵌合凹部6cが形成され、回転軸6aの撹拌羽5を介して他端側にはセレーションが形成された嵌合凸部6bがインク貯留部4Bの側面4aより突設されている。以下、併設されるインク貯留部はインク貯留部4Bと同様の構成であるので説明を省略する。尚、併設されるインク貯留部4Bの嵌合凹部6cや嵌合凸部6bの周囲はOリングなどのシール材17によりシールされている。インク貯留部4Aとインク貯留部4Bとは、嵌合凸部6bを嵌合凹部6cにセレーション結合(嵌合)することで駆動伝達されるようになっている。
【0031】
このように併設されるインク貯留部4どうしが機械的な連結することによっても、キャリッジ1が待機位置において単一の駆動源により、各インク貯留部4内で沈降したインク3の撹拌を効率よく行うことができる。
【0032】
次に駆動系10の他例について図4を参照して説明する。
キャリッジ1が待機位置に移動したことを、例えばキャリッジ1を往復動するタイミングベルトを回転駆動するモータの回転量により検出することや、ストッパーに突き当たる位置で待機位置の位置出しを行なって、撹拌動作を開始することは前述した構成の通りである。
【0033】
その他の構成としては、図4に示すように、キャリッジ1の待機位置への移動動作にともなって摩擦クラッチ18が接続する位置でモータ11を起動して撹拌動作を開始するようにしても良い。尚、駆動側磁石12とインク貯留部4内に設けられる被駆動側磁石7とのマグネットカップリングによる連結構造は、図1と同様である。
【0034】
駆動側磁石12は駆動伝達軸19の一端側に設けられており、他端側には押圧側クラッチ板20が軸受19aにより回転可能に軸支されている。尚、軸受19aはクラッチ板20のスラスト荷重も受けられるようになっている。また、押圧側クラッチ板20と対向する位置には、被押圧側クラッチ板21が設けられている。被押圧側クラッチ板21は、押圧側クラッチ板20により押圧されてモータ軸11aが嵌合する嵌合軸孔21aが形成されている。嵌合軸孔21a内にはモータ軸11aと挿抜可能な付勢部材22が設けられている。モータ軸11aの嵌合部には軸方向に面取りされたDカット部が形成されており、嵌合軸孔21aと嵌め合った状態で回り止めされるようになっている。
【0035】
図1において、キャリッジ1が右方向に動いて待機位置に移動すると、押圧側クラッチ板20が被押圧側クラッチ板21へ押圧されるとクラッチ板どうしが摩擦結合する。この状態でモータ11を回転駆動すると、被押圧側クラッチ板21と押圧側クラッチ板20が摩擦結合したまま一体となって回転するため、駆動側磁石12も回転する。これによって、マグネットカップリングにより連結したインク貯留部4内の被駆動側磁石7も回転してインク3の撹拌が行われる。
【0036】
上述した実施態様では、撹拌部材6はインク貯留部4の対向する側面4a,4b方向に沿って軸支された回転軸6aを中心に回転可能に設けられていたが、回転動作に限らず撹拌羽5を往復動するようにしても良い。
例えば、駆動系10に備えたモータ11の回転駆動を、クランク機構を介して直動に変換する駆動変換機構を介して撹拌羽5をインク貯留部4内で往復動させ、底部に沈降した固形成分を分散させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0037】
1 キャリッジ 2 インクジェットヘッド 3 インク 4,4A,4B インク貯留部 4a,4b 側面 4c 底部 5 撹拌羽 6 撹拌部材 6a 回転軸 6b 嵌合凸部 6c 嵌合凹部 7 被駆動側磁石 8 キャップ 9 装置壁面 9a 開口部 10 駆動系 11 モータ 11a モータ軸 12 駆動側磁石 13 インク供給配管 14 インク戻り配管 15 インクカートリッジ 16 センサ 17 シール材 18 摩擦クラッチ 19 駆動伝達軸 19a 軸受 20 押圧側クラッチ板 21 被押圧側クラッチ板 21a 嵌合軸孔 22 付勢部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に往復動するキャリッジに搭載され、対向する媒体に液体を吐出する液体吐出部と、前記キャリッジに搭載され、前記液体吐出部から吐出する液体を貯留する液体貯留部を備えた液体吐出装置であって、
前記液体貯留部は、底面の面積より側面の面積の方が広い縦長な筐体状に形成されており内部には貯留される液体を撹拌する撹拌部材が設けられており、
前記側面には、前記キャリッジが所定位置にあるとき、前記液体貯留部の外部に設置された駆動装置により、前記撹拌部材に対して駆動伝達して貯留する液体を撹拌する駆動伝達部を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記駆動伝達部はマグネットカップリング若しくは機械的連結によって前記駆動装置から駆動伝達される請求項1記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記撹拌部材は回転翼を有する回転軸の軸端に前記側壁と対向配置された被駆動側磁石を有するマグネットスターラであり、当該マグネットスターラは、前記被駆動側磁石と前記側壁を介して対向配置された駆動側磁石とマグネットカップリングにより連結されて前記駆動装置により回転駆動される請求項1又は請求項2記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記液体吐出部と前記液体貯留部との間は複数の配管により連通されており、前記撹拌部材により前記液体貯留部と前記液体吐出部との間を液体が循環する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記液体貯留部が複数併設されており、各液体貯留部の撹拌部材に単一の駆動伝達装置より駆動伝達されて撹拌動作が行なわれる請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記各液体貯留部の前記撹拌部材は前記回転軸の両端部に前記被駆動側磁石が各々設けられており、各液体貯留部に設けられた前記撹拌部材どうしが前記側壁を介して対向する被駆動側磁石間のマグネットカップリングにより連結されている請求項5記載の液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−183751(P2012−183751A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48796(P2011−48796)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000137823)株式会社ミマキエンジニアリング (437)
【Fターム(参考)】