説明

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】圧電素子及び振動板の変位特性の低下及び変位量のばらつきの発生を抑制して液体噴射特性を向上することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】ノズル開口に連通する流路52が形成された流路形成基板50と、該流路形成基板50の一方面側に設けられた振動板55と、前記振動板55上に接着剤63を介して接着された圧電素子11と、を具備し、前記振動板55には、前記圧電素子11が接着される厚肉部としての島部59が設けられており、前記島部59と前記圧電素子11との接着面の少なくとも一方に溝部62を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドの代表例としては、例えば、圧電素子の変位による圧力を利用してノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが知られている。インクジェット式記録ヘッドは、ノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室に供給されたインクに圧力を付与することで、ノズル開口からインク滴を吐出させている。また、振動板は、各圧力発生室に相対向する領域に設けられた厚肉部と、厚肉部の周囲に設けられた薄肉部とで構成され、各圧電素子の端面は、各厚肉部に接着剤を介して接着されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−327462号公報
【特許文献2】特開2003−17770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、厚肉部と圧電素子とを接着する際に、接着剤が薄肉部上に流出すると、流出した接着剤によって振動板の薄肉部における変位特性が変化し、圧電素子(振動板)の変位量が低下してしまう虞があるという問題がある。
【0005】
また、接着剤の薄肉部への流出量のばらつきによって、圧電素子(振動板)の変位量にばらつきが生じ、インク滴の吐出特性を均一にすることができなくなる虞があるという問題がある。
【0006】
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑み、圧電素子及び振動板の変位特性の低下及び変位量のばらつきの発生を抑制して液体噴射特性を向上することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の態様は、ノズル開口に連通する流路が形成された流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に設けられた振動板と、前記振動板上に接着剤を介して接着された圧電素子と、を具備し、前記振動板には、前記圧電素子が接着される厚肉部が設けられており、前記厚肉部と前記圧電素子との接着面の少なくとも一方には、溝部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、厚肉部と圧電素子との接着面に溝部が設けられることにより、厚肉部と圧電素子とを接着する接着剤が溝部内に充填されて、余分な接着剤が厚肉部の外側に流出するのを抑制することができる。これにより、圧電素子及び振動板の変位量の低下やばらつきを低減して液体吐出特性を均一化することができる。
【0009】
ここで、前記溝部が、前記厚肉部側の前記接着面に設けられていてもよく、また、前記溝部が、前記圧電素子側の前記接着面に設けられていてもよい。
【0010】
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体噴射特性を均一化して印刷品質を向上した液体噴射装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部拡大断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る圧電素子ユニットの斜視図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る圧電素子ユニットの平面図及び断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1(a)は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの圧力発生室の長手方向の断面図であり、図1(b)は、インクジェット式記録ヘッドの圧力発生室の短手方向の要部断面図である。また、図2は、図1(b)の要部を拡大した断面図である。
【0013】
図1に示すように、流路形成基板50はシリコン単結晶基板からなり、その一方面側の表層部分には、複数の隔壁51によって画成された圧力発生室52がその幅方向(短手方向)に並設されている。また、各圧力発生室52の長手方向一端部側には、各圧力発生室52に液体の一例であるインクを供給するためのリザーバー53が液体供給路の一例であるインク供給路54を介して連通されている。また、流路形成基板50の圧力発生室52の開口面側は振動板55で封止され、他方面側にはノズル開口56が穿設されたノズル形成部材の一例であるノズルプレート57が接着剤や熱溶着フィルムを介して接着されている。
【0014】
流路形成基板50上に形成された振動板55は、例えば、樹脂フィルム等の弾性部材からなる弾性膜55aと、この弾性膜55aを支持する、例えば、金属材料等からなる支持板55bとの複合板で形成されており、弾性膜55a側が流路形成基板50に接合されている。例えば、本実施形態では、弾性膜55aは、厚さが数μm程度のPPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルムからなり、支持板55bは、厚さが数十μm程度のステンレス鋼板(SUS)からなる。また、振動板55の各圧力発生室52に対向する領域内には、圧電素子11の先端部が当接する島部59が設けられている。すなわち、振動板55の各圧力発生室52の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部60が形成され、この薄肉部60の内側にそれぞれ島部59が設けられている。本実施形態では、振動板55に、島部59を設けることで、振動板55に他の領域(薄肉部60)よりも厚さの厚い厚肉部が設けられている。また、本実施形態では、島部59の表面、すなわち、流路形成基板50とは反対側の面には、複数の溝部62が設けられている。溝部62は、圧力発生室52の長手方向に沿って設けられていても、圧力発生室52の短手方向に沿って設けられていてもよく、また、これらを組み合わせた格子状に設けられていてもよい。もちろん、溝部62は、島部59の面内に不連続となるように点在してもよい。
【0015】
また、振動板55のリザーバー53に対向する領域には、薄肉部60と同様に、支持板55bがエッチングにより除去されて実質的に弾性膜55aのみで構成されるコンプライアンス部61が設けられている。なお、このコンプライアンス部61は、リザーバー53内に圧力変化が生じた時に、このコンプライアンス部61の弾性膜55aが変形することによって圧力変化を吸収し、リザーバー53内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。
【0016】
振動板55上には、図示しない複数の液体貯留体の一例であるインクカートリッジに接続される液体供給路の一例であるインク供給路を有するヘッドケース58が固定されており、且つこのヘッドケース58には、圧電素子ユニット10が高精度に位置決めされて固定されている。すなわち、ヘッドケース58は、貫通した収容部58aが設けられており、この収容部58aの一方の内面に圧電素子ユニット10が、各圧電素子11の先端が振動板55上の各圧力発生室52に対応する領域に設けられた各島部59(厚肉部)に接着剤63を介して接着されて固定されている。
【0017】
ここで、圧電素子ユニット10について詳細に説明する。図3は、本発明の実施形態1に係る圧電素子ユニットの斜視図であり、図4は、図3の平面図及びそのA−A′断面図である。
【0018】
図3及び図4に示すように、本実施形態に係る圧電素子ユニット10は、複数の圧電素子11がその幅方向に並設された列12を有する圧電素子形成部材13と、圧電素子形成部材13の先端部(一端部)側が自由端11aとなるようにその基端部(他端部)側が固定端として接合される固定板14とを有する。
【0019】
圧電素子形成部材13は、圧電材料層15と、圧電素子11の2つの極を構成する内部電極、すなわち、隣接する圧電素子11と電気的に独立する個別電極を構成する個別内部電極16と、隣接する圧電素子11と電気的に共通する共通電極を構成する共通内部電極17とを交互に挟んで積層することにより形成されている。
【0020】
この圧電素子形成部材13には、例えば、ワイヤーソー等によって複数のスリット18が形成され、その先端部側が櫛歯状に切り分けられて圧電素子11の列12が形成されている。なお、圧電素子11の列12の両外側には、各圧電素子11よりも広い幅を有する位置決め部19が設けられている。この位置決め部19は、圧電素子ユニット10をインクジェット式記録ヘッドIに組み込む際に、圧電素子ユニット10を高精度に位置決めするために設けられている。
【0021】
ここで、各圧電素子11の個別電極となる個別内部電極16は、基本的には圧電素子形成部材13の略全面に亘って設けられているが、固定板14の端面近傍に対向する領域で先端部側と基端部側とに分離して設けられている。一方、共通電極となる共通内部電極17も基本的に圧電素子形成部材13の略全面に亘って設けられているが、個別内部電極16と同様に、圧電素子11の先端部近傍で分離されている。すなわち、圧電素子11の固定板14に接合される領域は、振動に寄与しない不活性領域となっており、圧電素子11を構成する個別内部電極16及び共通内部電極17間に電圧を印加すると、固定板14に接合されていない先端部側の領域のみが振動する。本実施形態では、上述したように圧電素子11の固定板14に固定された基端を固定端11bと言い、圧電素子11の振動する先端を自由端11aと言っている。
【0022】
また、圧電素子形成部材13の外表面には、個別内部電極16及び共通内部電極17と接続される外部電極20が形成されている。また、圧電素子形成部材13の少なくとも圧電素子11の列12に対応する領域の基端部側には、外部電極20が存在しない電極非形成部21が存在する。
【0023】
そして、複数のスリット18は、この電極非形成部21に対向する領域に達する長さで形成され、外部電極20が、このスリット18及び電極非形成部21によって分離され、隣接する圧電素子11と電気的に独立する個別外部電極22と、隣接する圧電素子11と電気的に共通する共通外部電極23とを構成する。
【0024】
具体的には、外部電極20は、本実施形態では、各圧電素子11に対向する部分と位置決め部19に対向する部分とに分離され、各圧電素子11に対向する領域の外部電極20が、圧電素子形成部材13の先端部で圧電素子11の個別電極を構成する個別内部電極16と電気的に接続される個別外部電極22を構成している。一方、圧電素子11の列12の両側に設けられた位置決め部19上の外部電極20が、圧電素子形成部材13の基端部側の端面で各圧電素子11の共通電極を構成する共通内部電極17と接続される共通外部電極23を構成している。
【0025】
すなわち、本実施形態の圧電素子ユニット10では、圧電素子形成部材13の固定板14に接合された部分の反対側の面に、個別外部電極22が並設されると共に、個別外部電極22の並設方向両側で位置決め部19に対向する領域に共通外部電極23が存在する。これにより、圧電素子ユニット10と後述する回路基板30とを比較的容易に接続することができ、且つ圧電素子ユニット10の小型化を図ることができる。
【0026】
このような圧電素子ユニット10は、図1に示すように、固定板14が、圧電素子形成部材13が固定された面とは反対側の面がヘッドケース58の収容部58aに固定される。また、各圧電素子11の先端面には、個別外部電極22が形成されており、各圧電素子11の先端の個別外部電極22が形成された端面が、振動板55の島部(厚肉部)59に接着剤63を介して接着される。ここで、圧電素子11の島部59に接着される端面は、図2に示すように、圧力発生室52の短手方向において島部59の幅よりも幅広となるように設けられている。このため、圧電素子11の端面に接着剤63を塗布した状態で、圧電素子11と島部59とを接着すると、圧電素子11の端面に塗布された接着剤63が島部59の外側の薄肉部60まで流出し易い。しかしながら、本実施形態では、島部59の表面に溝部62を設けたため、余分な接着剤63を溝部62内に逃がすことができ、余分な接着剤63が島部59の上から薄肉部60の上に流出するのを抑制することができる。これにより、薄肉部60に余分な接着剤63が付着することによる振動板55の変位量の低下や、接着剤63の流出量のばらつきによる振動板55の変位量のばらつきの発生を抑制して、インク吐出特性を向上すると共に均一化することができる。
【0027】
ちなみに、振動板55は、弾性膜55aと、支持板55bとを接合した後、支持板55bの島部59以外の領域をエッチングにより除去することで形成することができる。そして、上述した溝部62は、例えば、島部59を形成する際のエッチングによって形成してもよいし、例えば、サンドブラスト法等により形成してもよい。勿論、溝部62は、弾性膜55aと支持板55bとを接合する前に支持板55bに形成してもよく、支持板55bをエッチングした後に形成してもよい。
【0028】
さらに、ヘッドケース58上には、回路基板30の各配線31がそれぞれ接続される複数の導電パッド32が設けられた配線基板33が固定されており、ヘッドケース58の収容部58aは、この配線基板33によって実質的に塞がれている。配線基板33には、ヘッドケース58の収容部58aに対向する領域にスリット状の開口部34が形成されており、回路基板30はこの配線基板33の開口部34から収容部58aの外側に折り曲げられて引き出されている。
【0029】
ここで、圧電素子ユニット10を構成する回路基板30は、例えば、本実施形態では、圧電素子11を駆動するための駆動IC(図示なし)が搭載されたチップオンフィルム(COF)からなる。そして、回路基板30の各配線31は、その基端部側では、例えば、半田、異方性導電材等によって圧電素子11を構成する電極形成材料16,17に外部電極20(個別外部電極22及び共通外部電極23)を介して接続されている。一方、先端部側では、各配線31は配線基板33の各導電パッド32に接合されている。具体的には、配線基板33の開口部34から収容部58aの外側に引き出された回路基板30の先端部が配線基板33の表面に沿って折り曲げられた状態で、各配線31は配線基板33の各導電パッド32に接合されている。
【0030】
なお、このようなインクジェット式記録ヘッドIでは、インク滴を吐出する際に、圧電素子11及び振動板55の変形によって各圧力発生室52の容積を変化させて所定のノズル開口56からインク滴を吐出させるようになっている。具体的には、図示しないインクカートリッジからリザーバー53にインクが供給されると、インク供給路54を介して各圧力発生室52にインクが分配される。実際には、圧電素子11に電圧を印加することにより圧電素子11を収縮させる。これにより、振動板55が圧電素子11と共に変形されて圧力発生室52の容積が広げられ、圧力発生室52内にインクが引き込まれる。そして、ノズル開口56に至るまで内部にインクを満たした後、配線基板33を介して供給される記録信号に従い、圧電素子11の電極形成材料16,17に印加していた電圧を解除する。これにより、圧電素子11が伸張されて元の状態に戻ると共に振動板55も変位して元の状態に戻る。結果として圧力発生室52の容積が収縮して圧力発生室52内の圧力が高まりノズル開口56からインク滴が吐出される。
【0031】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、島部59に溝部62を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、溝部62は圧電素子11の島部59に接着される端面に設けるようにしてもよく、圧電素子11の端面と島部59との両方に設けるようにしてもよい。ちなみに、圧電素子11の端面には、個別外部電極22が形成されているため、溝部62は、個別外部電極22に設けてもよく、また、圧電素子形成部材13に溝部62を設け、溝部62に沿って均一な厚さの個別外部電極22を設けるようにしてもよい。すなわち、溝部62は、圧電素子11と振動板55の厚肉部(島部59)との接着面である圧電素子11の端面及び島部59の表面の少なくとも一方に設けられていれば、圧電素子11と振動板55とを接着する接着剤63の流出を抑制することができる。
【0032】
また、溝部62は、圧電素子11と厚肉部(島部59)との接着面の外周側に沿って設けられていれば、接着剤63の薄肉部60への流出を有効に抑制することができる。すなわち、圧電素子11と厚肉部(島部59)とを互いに押圧することにより、接着面からはみ出ようとする接着剤63を溝部62内に有効に逃がして、接着剤63の流出を抑制することができる。
【0033】
また、上述した実施形態1では、圧電材料層15と電極形成材料(個別内部電極16,共通内部電極17)とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子11について説明したが、圧電材料層15と電極形成材料16,17とを交互に積層させて積層方向の一端部を島部59に当接させる横振動型の圧電素子を用いるようにしてもよい。
【0034】
なお、上述した実施形態1のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図5は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
【0035】
図5に示すように、インクジェット式記録装置IIは、インクジェット式記録ヘッドIを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bを具備する。記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
【0036】
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
【0037】
なお、上述した実施形態1においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
【0038】
また、液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置IIを挙げて説明したが、上述した他の液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置にも用いることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 圧電素子ユニット、 11 圧電素子、 11a 自由端、 11b 固定端、 13 圧電素子形成部材、 14 固定板、 16 個別内部電極、 17 共通内部電極、 18 スリット、 19 位置決め部、 22 個別外部電極、 23 共通外部電極、 30 回路基板、 31 配線、 32 導電パッド、 33 配線基板、 50 流路形成基板、 52 圧力発生室、 55 振動板、 56 ノズル開口、 58 ヘッドケース、 59 島部(厚肉部)、 60 薄肉部、 61 コンプライアンス部、 62 溝部、 63 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル開口に連通する流路が形成された流路形成基板と、
該流路形成基板の一方面側に設けられた振動板と、
前記振動板上に接着剤を介して接着された圧電素子と、を具備し、
前記振動板には、前記圧電素子が接着される厚肉部が設けられており、
前記厚肉部と前記圧電素子との接着面の少なくとも一方には、溝部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
前記溝部が、前記厚肉部側の前記接着面に設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
【請求項3】
前記溝部が、前記圧電素子側の前記接着面に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射ヘッド。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−260295(P2010−260295A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114217(P2009−114217)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】