液体噴射装置
【課題】構造を単純化したインク噴射装置を提供する。
【解決手段】インク噴射装置1は、シリンダ5と、シリンダ5内に配置され起動信号を受けてガスを放出するガス発生器9と、シリンダ5に形成され、外部との接続口となる放出口11と、シリンダ5内であって、ガス発生器9と放出口11との間に配置され、特殊インク12を内蔵する可撓性を備えたインクパック7と、シリンダ5内であって、ガス発生器9とインクパック7との間に配置され、ガス発生器9からの加圧力により移動してインクパック7を押圧するピストン8と、シリンダ5内であって、インクパック7と放出口11との間に配置され、インクパック7を破損するカッター10とを備え、ガス発生器9からの加圧力により、ピストン8を移動させてインクパック7をカッター10に押し付けて破損させると共に、インクパック7から特殊インクを押し出し、放出口11から噴射する。
【解決手段】インク噴射装置1は、シリンダ5と、シリンダ5内に配置され起動信号を受けてガスを放出するガス発生器9と、シリンダ5に形成され、外部との接続口となる放出口11と、シリンダ5内であって、ガス発生器9と放出口11との間に配置され、特殊インク12を内蔵する可撓性を備えたインクパック7と、シリンダ5内であって、ガス発生器9とインクパック7との間に配置され、ガス発生器9からの加圧力により移動してインクパック7を押圧するピストン8と、シリンダ5内であって、インクパック7と放出口11との間に配置され、インクパック7を破損するカッター10とを備え、ガス発生器9からの加圧力により、ピストン8を移動させてインクパック7をカッター10に押し付けて破損させると共に、インクパック7から特殊インクを押し出し、放出口11から噴射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体貯蔵器に内蔵されている液体を放出口から噴射する液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙幣汚損用汚濁液噴出装置として、ケース本体内に配置されてインクを充填する膨縮変形可能な内容器及びこの内容器を収容する密閉式の耐圧性外容器からなるインク収納容器と、このインク収納容器の内容器の一端部に装着された封板パッキンと、加圧用ガスを充填したガスボンベと、インク収納容器における外容器の、封板パッキンが設けられた側の一端部に嵌合固定されたシリンダ状の蓋部材と、この蓋部材の軸芯部に形成されたシリンダ室と、シリンダ室内に摺動自在に嵌合させたピストンと、該ピストンの中央部に一体に設けられ、封板パッキン側に向かって突出し該ピストンがガスの加圧力によりスプリングに抗して押圧移動されたとき、その先端部で封板パッキンを破封する筒軸と、ガスボンベから噴出されるガスをピストンの動力源としてシリンダ室内に供給する一方の樹脂チューブと、シリンダ室内に供給されたガスを外容器内に供給する他方の樹脂チューブと、インク放出管と、ノズルとを備えたものがある。
【0003】
このような紙幣汚損用汚濁液噴出装置を備えたケースを輸送している際に盗難に遭った場合、ガスボンベからガスが一方の樹脂チューブを経てシリンダ室内に供給され、このガスを動力源としてピストンがスプリングに抗して押圧移動されて、筒軸の先端部で封板パッキンを破封する。つづいて、シリンダ室内に供給されたガスが他方の樹脂チューブを経て外容器内に供給されて、その供給されたガスの加圧力よって内容器が縮小変形される。これによって、内容器内のインクがインク放出管を経てノズルから紙幣束に指向して噴出され、紙幣を汚損する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このようにインクを紙幣に付着させることで盗難された紙幣である事を見た目で判断して紙幣を使用できなくすることや、あるいは自動取引装置の鑑別部にインクを検知する機能を備え、インクが付着した紙幣が自動取引装置に入金されると、鑑別部でインクを検知し、接客口から顧客に返却して紙幣を使用できなくすることで、紙幣の盗難の防止、及び抑制を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−303511号公報 (段落[0027]から[0035]、第7図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の紙幣汚損用汚濁液噴出装置においては、ガスを、一方の樹脂チューブでガスボンベからインク収納容器のインク放出側に設けられたシリンダ室内に供給し、更に他方の樹脂チューブでシリンダ室内に供給されたガスを外容器内に供給して内容器を縮小変形させている。このように、ガスを、2本の樹脂チューブを利用してガスボンベからシリンダ室内と、外容器に供給している。従って、ガスボンベからガスを供給してインクを紙幣束に噴射するために必要な機構が複雑であり、その結果、ガスボンベからガスを送り出してからインクを紙幣束に噴射するまでに必要な時間が長くかかってしまい、また装置が大型化してしまうという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明で設けた解決手段は、容器と、前記容器内に配置され起動信号を受けて圧力を発生させる加圧手段と、前記容器に形成され、外部との接続口となる放出口と、前記容器内であって、前記加圧手段と前記放出口との間に配置され、液体を内蔵する可撓性を備えた液体貯蔵器と、前記容器内であって、前記加圧手段と前記液体貯蔵器との間に配置され、前記加圧手段からの加圧力により移動して前記液体貯蔵器を押圧するピストンと、前記容器内であって、前記液体貯蔵器と前記放出口との間に配置され、前記液体貯蔵器を破損する破損手段とを備え、前記加圧手段からの加圧力により、前記ピストンを移動させて前記液体貯蔵器を前記破損手段に押し付けて破損させると共に、前記液体貯蔵器から液体を押し出し、前記放出口から噴射するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、加圧手段からの加圧力を、チューブを介さずにピストンに伝達して該ピストンを液体貯蔵器方向へと移動させることができる。そしてピストンが液体貯蔵器を破損手段に押し付けて破損させ、液体貯蔵器から液体を押し出し、放出口から噴射する。このように単純な構造で液体を噴射することができる。その結果、加圧手段が加圧力を発生させてから液体を噴射するために必要な時間を短くすることができる。また、部品点数を少なくすることができるので、装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態の紙幣収納庫の構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態のシリンダの構成を示す斜視図である。
【図3】実施の形態のノズルを示す一部破断斜視図である。
【図4】実施の形態のノズルを示す一部破断断面図である。
【図5】実施の形態のシリンダとピストンとの関係を示す説明図である。
【図6】実施の形態のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図である。
【図7】実施の形態のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図である。
【図8】実施の形態のピストンが傾いた状態のシリンダを示す斜視図である。
【図9】実施の形態のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図である。
【図10】実施の形態の他の構成のノズルを示す一部破断斜視図である。
【図11】実施の形態の他の構成のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図である。
【図12】実施の形態の他の構成のノズルを示す一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明による券処理装置の実施例を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。なお、各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は実施の形態の紙幣収納庫の構成を示す斜視図、図2は実施の形態のシリンダの構成を示す斜視図、図3は実施の形態のノズルを示す一部破断斜視図、図4は実施の形態のノズルを示す一部破断断面図、図5は実施の形態のシリンダとピストンとの関係を示す説明図である。
【0012】
図示せぬ自動取引装置には、紙幣入出金部が設けられている。この紙幣入出金部の前面上部には顧客に対して媒体である紙幣を排出する、あるいは顧客から投入される紙幣を受け入れるユニットである接客部が設けられている。
【0013】
図1において、紙幣入出金部の底部には、金種別に紙幣2を貯留する紙幣収納庫3が複数設けられており、前記接客部から紙幣収納庫3まで、紙幣2が搬送される搬送路が形成されている。搬送路は紙幣2を搬送するローラと搬送ベルトにより構成されており、接客部と紙幣収納庫3との間の搬送路には、送り込まれた紙幣2の真偽、正損、表裏、2枚以上の重なり、及び斜行等を鑑別、検知する鑑別部が設けられている。
【0014】
全ての紙幣収納庫3にはそれぞれ、液体噴射装置であるインク噴射装置1が設けられている。このインク噴射装置1は容器である円筒形のシリンダ5と、該シリンダ5に接続されたチューブ4と、該チューブ4に接続されたノズル6とから構成されている。なお、ノズル6は紙幣2の集積方向に沿って伸びた状態で配置されている。
【0015】
図1、図2において、シリンダ5の側面には、前記チューブ4と接続され、外部との接続口となる放出口11が形成されており、この放出口11から後方に向かうに従って、可撓性を備え、膨縮変形可能な部材で形成され、ある程度の粘性を備え、耐溶性が高い、紙幣を汚損するための液体であるインク又は溶剤(以下特殊インクとする)を内蔵している液体貯蔵器であるインクパック7と、該インクパック7をノズル6方向に押し出す円筒形のピストン8と、該ピストン8をインクパック7方向に動作させると共に、特殊インクをシリンダ5から押し出すためのガスを放出する加圧手段であるガス発生器9が内蔵されている。なお、放出口11の周囲には、シリンダ5の内壁からインクパック7側に刃が突出する状態でカッター10が設けられており、このカッター10によりインクパック7に切れ目を入れて破損させる。
【0016】
このように構成されているインク噴射装置1は、ガス発生器9が放出するガスによる圧力に押されることでピストン8がノズル6方向に飛ばされて移動し、インクパック7をノズル6方向に押す。これによりインクパック7はカッター10に接触し、更に押圧されることでカッター10に押し当てられ一部が破損する。これによりインクパック7内に充填されている特殊インクが漏れ出し、更に押圧されることでインクパック7はつぶれながら特殊インクを排出し収縮する。これにより特殊インクは強制的にインクパック7から押し出される。そしてインクパック7から放出される特殊インクは放出口11からチューブ4を介してノズル6へと達する。
【0017】
図1、図2に示すようにガス発生器9と、ピストン8と、インクパック7と、カッター10と、放出口11とは直線上に配置されている。これにより、ガス発生器9からの加圧力を、チューブを介さずにピストン8に伝達して該ピストン8をインクパック7方向へと移動させることができる。そしてピストン8がインクパック8をカッター10に押し付けて破損させ、インクパック7から特殊インクを押し出し、放出口11から噴射することができる。
【0018】
図3、図4に示すように、ノズル6には複数の噴射口14が形成されており、該ノズル6には両面テープ19によりスリット板20が固着されている。両面テープ19とスリット板20の、前記噴射口14に対向した位置にはそれぞれ穴21とスリット15が形成されている。そして噴射口14から噴射される特殊インクは穴21、及びスリット15を介して集積されている紙幣2に対して噴射される。
【0019】
なお、両面テープ19に形成された穴21の径は噴射口14の径よりも大きく形成されており、噴射口14から噴射される特殊インクは、該噴射口14から直線状に外部に噴射されるものに加え、一旦径がより大きな穴21内に広がった状態で溜られてから外部に噴射されるものもある。これにより、噴射口14から直線状に噴射するのみの場合と比べてより広範囲に亘って特殊インクを噴射させることができる。
【0020】
また、図1に示すように、紙幣収納庫3内には、ノズル6に対向して紙幣2の集積方向に沿って伸び、且つ集積されている紙幣2に一部が接触する位置に、繊維で形成された伝達部材であるブラシ13が設けられている。ブラシ13は噴射口14から噴射される特殊インクを紙幣2に伝える。これによりノズル6から噴射された特殊インクは、ノズル6から直接紙幣2に付着すると共に、ブラシ13を介して紙幣2に付着する。
【0021】
またピストン8が移動中に斜めに傾き、シリンダ7の内壁にひっかかり移動が停止してしまうと、シリンダ7内の圧力が上昇し、ガス発生器9から放出したガスの内圧に耐えられずにシリンダ7が破裂してしまう可能性がある。これを防止するために、図2に示すように、ピストン8には圧力軽減手段である穴8aが形成されている。この穴8aの大きさは、穴8aから抜けるガスの加圧力だけでインクパック7をカッター10に十分に押し付けてインクパック7を破損させると共に、インクパック7に押圧力を与えて特殊インクを押し出し収縮させることを可能とする大きさであって、且つピストン8が動作しなかった場合、あるいは所定位置まで移動せず移動途中で停止してしまった場合に、ガス発生器9とピストン8との空間に充満するガスが、シリンダ7の耐圧を超えない量となるまで抜けることを可能とする大きさとなっている。
【0022】
なお、穴8aの位置は、穴8aから抜けるガスの加圧力だけでインクパック7をカッター10に十分に押し付け、更に圧縮変形させることができればピストン8の中央部に形成される必要はなく、また穴8aは複数形成されていてもよい。
【0023】
あるいは図5に示すように、穴8aを形成する代わりに、ピストン8が移動中に傾き、シリンダ7の内壁にひっかかり移動できなくなることを防止するために、シリンダ5の内径Dを、傾いた状態のピストン8の最大長さLよりも大きく形成するようにしても良い。このように構成することで傾いた状態でのピストン8の移動を可能とし、シリンダ5の破裂を防止する。
【0024】
紙幣収納庫3にはまた、図2に示すように、破壊検知手段であるスイッチ17と、該スイッチ17とインク噴射装置1のガス発生器9とを電気的に接続する信号線18が設けられている。スイッチ17は紙幣収納庫3が受けた衝撃を検出し、該衝撃が予め決められた値を超えると、信号線18を介してガス発生器9に対して紙幣盗難防止のトリガとなる起動信号を送信する。
【0025】
次に上記構成における紙幣収納庫3が外部からの攻撃を受けインク噴射装置1が特殊インクを噴射するときの動作について説明する。図6、図7は実施の形態のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図、図8は実施の形態のピストンが傾いた状態のシリンダを示す斜視図、図9は実施の形態のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図、図10は実施の形態の他の構成のノズルを示す一部破断斜視図、図11は実施の形態の他の構成のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図、図12は実施の形態の他の構成のノズルを示す一部破断斜視図である。
【0026】
図1、図2において、輸送時に紙幣収納庫3が盗難される、あるいは自動取引装置が盗難されると、紙幣収納庫3の図示せぬ扉には鍵がかかっているので紙幣収納庫3は破壊するための攻撃を外部よりバール等により受ける。すると、スイッチ17が紙幣収納庫3が受けた衝撃を検出し、該衝撃が予め決められた値を超えると、紙幣収納庫3が破壊されているとして信号線18を介してガス発生器9に対して起動信号を送信する。
【0027】
ガス発生器9はスイッチ17からの起動信号を受信するとガスを所定量放出する。なお、1回の起動信号を受けてガスが放出される量は、ピストン8を、インクパック7を押しつぶす所定の位置まで移動させるために必要な量、及び特殊インクがチューブ4、及びノズル6に残留しないように該チューブ4、及びノズル6から押し出すために必要な量以上である。
【0028】
ガスが放出されるとこのガスに押圧されてピストン8はノズル6方向に飛ばされて移動し、インクパック7をノズル6方向に押す。これによりインクパック7はカッター10に接触し、さらに押圧されることでカッター10に押し当てられ一部が破損する。これによりインクパック7内に充填されている特殊インクが漏れ出し、更に押圧されることでインクパック7はつぶれながら特殊インクを排出し収縮する。これにより特殊インクは強制的にインクパック7から押し出される。またピストン8からの押圧力に加えて、ピストン8に形成された穴8aを通過するガス、及びピストン8とシリンダ5の内壁との隙間から届くガスがインクパック7を絞りインクパック7が更に収縮して特殊インクを押し出す。これによりインクパック7内の特殊インクは、残留することなく外部に放出される。
【0029】
押し出された特殊インクは放出口11からチューブ4を介してノズル6へと到達し、ノズル6の噴射口14、両面テープ19の穴21、及びスリット板20のスリット15から集積されている紙幣2に対して噴射される。噴射された特殊インクは重なり合った紙幣2の隙間から紙幣2の搬送面へと入り込み、図6に示すように紙幣2に付着する。
【0030】
このようにして紙幣2は特殊インク12により汚損され、該汚損された紙幣2は店舗や自動取引装置、更には自動販売機等での使用が不可能となる。その結果、機器破壊による紙幣2の盗難の防止、及び抑止効果を得ることができる。
【0031】
また、集積されている紙幣2に接触する位置に繊維で形成されたブラシ13が設けられていることにより、ノズル6から特殊インク12が噴射されると、図6に示すように特殊インク12はノズル6から直接紙幣2に付着すると共に特殊インク12が付着した状態のブラシ13からもまた紙幣2に付着する。ブラシ13を介して特殊インク12が紙幣2に付着すると、特殊インク12が長時間紙幣2に接触していることになり、特殊インク12が紙幣2に染み込む時間が長くなる。これにより、図7に示すようにブラシ13を設けずに特殊インク12を紙幣2に付着させた場合と比べて、特殊インク12を紙幣2に対して広範囲に亘って付着させることができる。また、特殊インク12がブラシ13の繊維を伝わって紙幣2に付着することにより、ノズル6から噴射された特殊インク12が直接届かない紙幣2の部分や、汚損しにくい部分についても均一に特殊インク12を付着させることが可能となる。
【0032】
また、放出口11からは特殊インク12に加えて、ガスも外部へと抜ける。なお、つぶされたインクパック7が放出口11を覆うような状態となっても、インクパック7と放出口11との間には隙間ができるので、この隙間を通りガスは放出口11から外部へと抜ける。
【0033】
ガス発生器9から放出するガスは、インクパック7内から全て特殊インク12を放出させた後も所定量の放出が完了するまで放出され続けるので、放出口11から放出されるガスに押し出されチューブ4、及びノズル6内にインクが残留することがない。従って、インクパック7内に充填する特殊インク12の量はチューブ4、及びノズル6内に残留する特殊インクの量を考慮することなく、紙幣2を汚損するために必要な量だけでよい。その結果、紙幣2を汚損するために必要な量以上の特殊インク12を充填する必要がないので、無駄に特殊インク12を消費することがない。
【0034】
なお、ピストン8には穴8aが形成されているので、図8に示すように、ピストン8が所定の位置まで移動する前に斜めに傾き、シリンダ5の内壁にひっかかり移動が停止してしまっても、穴8aを通過するガスの加圧力だけでインクパック7をカッター10に十分に押し付けて破損させ、更にインクパック7に押圧力を加えて収縮させて、特殊インク12を強制的にインクパック7から押し出し、更にシリンダ5から押し出すことができる。
【0035】
またピストン8が動作しなかった場合、あるいは所定位置まで移動せず移動途中で停止してしまった場合であっても、シリンダ5の耐圧を超えないようにガスが穴8aを通り、放出口11へと抜けていくので、ガスがガス発生器9とピストン8との狭い空間に充満することを防止することができ、従って、シリンダ5内の圧力が上昇することを防止することができる。その結果、ガス発生器9とピストン8との空間に充満するガスの内圧に耐えられずにシリンダ5が破裂してしまうことを防止することができる。
【0036】
あるいは図5に示すように、穴8aを形成する代わりに、シリンダ5の内径Dを、傾いた状態のピストン8の最大長さLよりも大きく形成しておけば、ピストン8が移動中に傾いてもピストン8は傾いた状態で飛ばされて移動し、インクパック7をカッター10に対して押圧し、カッター10によりインクパック7の一部を破損することができる。これによりインクパック7内に充填されている特殊インクが漏れ出し、更にピストン8がインクパック7を押圧することでインクパック7はつぶれながら特殊インク12を排出し収縮する。これによりインクパック7内に充填されている特殊インク12は強制的にインクパック7から押し出される。またピストン8からの押圧力に加えて、ピストン8とシリンダ5の内壁との隙間から届くガスがインクパック7を絞りインクパック7が更に収縮して特殊インクを押し出す。このようにしてシリンダ5から押し出された特殊インクはチューブ4を介してノズル6へと到達し、該ノズル6から紙幣2に対して噴射される。
【0037】
なお、図9に示すようにノズル6を紙幣2の集積高さと略同じ高さ設けることができない場合には、集積された全ての紙幣2に特殊インク12を付着させることができない可能性がある。これを防止するために、図10に示すように、ノズル6の端部である上面6aを紙幣2の集積方向に傾けて形成し、該上面6aに噴射口14を形成すると共に、該噴射口14に対向した位置の両面テープ19に穴21を形成し、またスリット板20にスリット15を形成する。そして上面6aから斜め上方に向かっても特殊インク12を噴射することができるようにする。これによりノズル6の上面6aから噴射される特殊インク12は、ノズル6の高さよりもより高い位置まで届く。従って、従来のインク噴射範囲Aに加え、上方のインク噴射範囲Bにも特殊インク12を噴射することができるようになるので、ノズル6が紙幣2の高さ分設けられていない場合であっても、ノズル6が対向していない位置に集積されている紙幣2に対して確実に特殊インク12を付着させることが可能となる。
【0038】
また、図11に示すようにノズル6の端部である下面6bも上面6aと同様に紙幣2方向に傾けて形成し、噴射口を形成する。これによりノズル6の下面6bから斜め下方に向かって特殊インク12を噴射することができるようになり、ノズル6の下面6bから噴射される特殊インク12が、ノズル6の高さよりもより低い位置まで届き、インク噴射範囲A、及びインク噴射範囲Bに加え、更に下方のインク噴射範囲Cが特殊インク12の噴射範囲として加わる。これによりノズル6が対向していない位置に集積されている紙幣2に対して確実に特殊インク12を付着させることが可能となる。その結果、全ての集積紙幣2に特殊インク12を確実に付着させることができる。
【0039】
また、ノズル6を紙幣2の集積高さと略同じ高さ設けることができない場合に全ての集積紙幣2に特殊インク12を確実に付着させるための他の手段として、図12に示すように、ノズル6に形成されている噴射口14の径を大きくし、噴射する特殊インク12の量を増やし、またスリット15の長さを長くして特殊インク12を噴射した際のインク噴射範囲Eを広げる。噴射される特殊インク12の量が増え、また噴射範囲が広がることにより、ノズル6が対向していない位置に集積されている紙幣2に対して確実に特殊インク12を付着させることが可能となる。その結果、全ての集積紙幣2に特殊インク12を確実に付着させることができる。
【0040】
また、ノズル6の噴射口14において、上端と下端の噴射口14の径を中央部の噴射口14の径よりも大きく形成しても良い。このように噴射口を少なくとも2種類の大きさで形成することで、ノズル6の上端と下端から多量の特殊インク12を噴射することができ、上方と下方に更に噴射範囲を広げることができる。これによりノズル6が対向していない位置に集積されている紙幣2に対して確実に特殊インク12を付着させることが可能となる。その結果、全ての集積紙幣2に特殊インク12を確実に付着させることができる。
【0041】
更に、径の異なる穴が複数形成された噴射量調整スライド部材を、ノズル6に摺動自在に設けてもよい。これにより、噴射量調整スライド部材を摺動させて、該噴射量調整スライド部材に形成された径の大きな穴をノズル6の噴射口14に対向させ、この状態で特殊インク12を噴射すれば特殊インク12を多量に噴射させることができる。一方、噴射量調整スライド部材を摺動させて径の小さな穴をノズル6の噴射口14に対向させ、この状態で特殊インク12を噴射すれば特殊インク12を少量だけ噴射させることができる。このように噴射量調整スライド部材を設ければ、簡単な機構で噴射口の大きさを変更することができ、特殊インク12の噴射量を調整することができる。
【0042】
なお、ガス発生器9を、ガスを内蔵した袋状部材とし、該袋状部材を破裂させることでガスを放出するようにしてもよい。またはガス発生器9の代わりに火薬によるエネルギーによりピストン8を移動させるようにしてもよい。あるいは、モータやソレノイドのような電気系のアクチュエータを用いてピストン8を移動させてもよい。
【0043】
また、紙幣2を汚損するためのインクは紙幣2を使用不可能な状態に汚損することができればよく、印刷用のインクであってもよい。また、盗難紙幣であることを紙幣2が挿入された装置が認識することを可能とするために、特殊インク12の中に無線ICタグや、カーボン粒子、あるいは磁性体粒子を混入してもよい。
【0044】
特殊インク12の中に無線ICタグを混入しておく場合には、無線ICタグには盗難紙幣であることを示す情報を書き込んでおき、紙幣2が挿入される装置に無線ICタグから情報を読み取る読取手段を設ける。これにより、無線ICタグが付着した紙幣2が装置内に挿入されると、読取手段が無線ICタグから盗難紙幣であることを示す情報を読み取り、盗難紙幣であることを容易に装置が認識することができる。
【0045】
また、紙幣2が挿入される装置に設けられている紙幣鑑別部は、紙幣が偽造券であるか否かを鑑別するために、可視光、赤外線、紫外線等の光出力、又は磁気出力を利用している。従って、特殊インク12にカーボン粒子、あるいは磁性体粒子を混入しておけば、このような特殊インク12が付着した紙幣2が装置内に挿入されると、カーボン粒子、あるいは磁性体粒子が検出され光出力、又は磁気出力の波形が正常紙幣の出力と相違する波形となる。これにより紙幣鑑別部は、挿入された紙幣2を異常な紙幣として認識することができる。
【0046】
以上本発明の実施の形態においては、インク噴射装置1が、シリンダ5と、シリンダ5内に配置されたガス発生器9と、シリンダ5に形成された放出口11と、ガス発生器9と放出口11との間に配置されたインクパック7と、ガス発生器9とインクパック7との間に配置されたピストン8と、インクパック7と放出口11との間に配置されたカッター10とを備えることにより、ガス発生器9からのガスによる加圧力を、チューブを介さずにピストン8に伝達して該ピストン8をインクパック7方向へと移動させることができる。そしてピストン8がインクパック7をカッター10に押し付けて破損させ、インクパック7から特殊インク12を押し出し、放出口11から噴射する。このように単純な構造で特殊インク12を噴射することができる。その結果、ガス発生器9がガスを放出させてから特殊インク12を噴射するために必要な時間を短くすることができる。また、部品点数を少なくすることができるので、装置を小型化することができる。
【0047】
更に、ガスの加圧力によりインクパック7を収縮させて強制的に特殊インク12をシリンダ5内から放出するので、インク噴射装置1を内蔵する装置の配置状態にかかわらず紙幣2に対して特殊インク12を均一に噴射することができる。その結果、紙幣2を均一に汚損することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 インク噴射装置
2 紙幣
5 シリンダ
6 ノズル
7 インクパック
8 ピストン
9 ガス発生器
10 カッター
12 特殊インク
13 ブラシ
14 噴射口
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体貯蔵器に内蔵されている液体を放出口から噴射する液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙幣汚損用汚濁液噴出装置として、ケース本体内に配置されてインクを充填する膨縮変形可能な内容器及びこの内容器を収容する密閉式の耐圧性外容器からなるインク収納容器と、このインク収納容器の内容器の一端部に装着された封板パッキンと、加圧用ガスを充填したガスボンベと、インク収納容器における外容器の、封板パッキンが設けられた側の一端部に嵌合固定されたシリンダ状の蓋部材と、この蓋部材の軸芯部に形成されたシリンダ室と、シリンダ室内に摺動自在に嵌合させたピストンと、該ピストンの中央部に一体に設けられ、封板パッキン側に向かって突出し該ピストンがガスの加圧力によりスプリングに抗して押圧移動されたとき、その先端部で封板パッキンを破封する筒軸と、ガスボンベから噴出されるガスをピストンの動力源としてシリンダ室内に供給する一方の樹脂チューブと、シリンダ室内に供給されたガスを外容器内に供給する他方の樹脂チューブと、インク放出管と、ノズルとを備えたものがある。
【0003】
このような紙幣汚損用汚濁液噴出装置を備えたケースを輸送している際に盗難に遭った場合、ガスボンベからガスが一方の樹脂チューブを経てシリンダ室内に供給され、このガスを動力源としてピストンがスプリングに抗して押圧移動されて、筒軸の先端部で封板パッキンを破封する。つづいて、シリンダ室内に供給されたガスが他方の樹脂チューブを経て外容器内に供給されて、その供給されたガスの加圧力よって内容器が縮小変形される。これによって、内容器内のインクがインク放出管を経てノズルから紙幣束に指向して噴出され、紙幣を汚損する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このようにインクを紙幣に付着させることで盗難された紙幣である事を見た目で判断して紙幣を使用できなくすることや、あるいは自動取引装置の鑑別部にインクを検知する機能を備え、インクが付着した紙幣が自動取引装置に入金されると、鑑別部でインクを検知し、接客口から顧客に返却して紙幣を使用できなくすることで、紙幣の盗難の防止、及び抑制を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−303511号公報 (段落[0027]から[0035]、第7図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の紙幣汚損用汚濁液噴出装置においては、ガスを、一方の樹脂チューブでガスボンベからインク収納容器のインク放出側に設けられたシリンダ室内に供給し、更に他方の樹脂チューブでシリンダ室内に供給されたガスを外容器内に供給して内容器を縮小変形させている。このように、ガスを、2本の樹脂チューブを利用してガスボンベからシリンダ室内と、外容器に供給している。従って、ガスボンベからガスを供給してインクを紙幣束に噴射するために必要な機構が複雑であり、その結果、ガスボンベからガスを送り出してからインクを紙幣束に噴射するまでに必要な時間が長くかかってしまい、また装置が大型化してしまうという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明で設けた解決手段は、容器と、前記容器内に配置され起動信号を受けて圧力を発生させる加圧手段と、前記容器に形成され、外部との接続口となる放出口と、前記容器内であって、前記加圧手段と前記放出口との間に配置され、液体を内蔵する可撓性を備えた液体貯蔵器と、前記容器内であって、前記加圧手段と前記液体貯蔵器との間に配置され、前記加圧手段からの加圧力により移動して前記液体貯蔵器を押圧するピストンと、前記容器内であって、前記液体貯蔵器と前記放出口との間に配置され、前記液体貯蔵器を破損する破損手段とを備え、前記加圧手段からの加圧力により、前記ピストンを移動させて前記液体貯蔵器を前記破損手段に押し付けて破損させると共に、前記液体貯蔵器から液体を押し出し、前記放出口から噴射するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、加圧手段からの加圧力を、チューブを介さずにピストンに伝達して該ピストンを液体貯蔵器方向へと移動させることができる。そしてピストンが液体貯蔵器を破損手段に押し付けて破損させ、液体貯蔵器から液体を押し出し、放出口から噴射する。このように単純な構造で液体を噴射することができる。その結果、加圧手段が加圧力を発生させてから液体を噴射するために必要な時間を短くすることができる。また、部品点数を少なくすることができるので、装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態の紙幣収納庫の構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態のシリンダの構成を示す斜視図である。
【図3】実施の形態のノズルを示す一部破断斜視図である。
【図4】実施の形態のノズルを示す一部破断断面図である。
【図5】実施の形態のシリンダとピストンとの関係を示す説明図である。
【図6】実施の形態のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図である。
【図7】実施の形態のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図である。
【図8】実施の形態のピストンが傾いた状態のシリンダを示す斜視図である。
【図9】実施の形態のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図である。
【図10】実施の形態の他の構成のノズルを示す一部破断斜視図である。
【図11】実施の形態の他の構成のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図である。
【図12】実施の形態の他の構成のノズルを示す一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明による券処理装置の実施例を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。なお、各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は実施の形態の紙幣収納庫の構成を示す斜視図、図2は実施の形態のシリンダの構成を示す斜視図、図3は実施の形態のノズルを示す一部破断斜視図、図4は実施の形態のノズルを示す一部破断断面図、図5は実施の形態のシリンダとピストンとの関係を示す説明図である。
【0012】
図示せぬ自動取引装置には、紙幣入出金部が設けられている。この紙幣入出金部の前面上部には顧客に対して媒体である紙幣を排出する、あるいは顧客から投入される紙幣を受け入れるユニットである接客部が設けられている。
【0013】
図1において、紙幣入出金部の底部には、金種別に紙幣2を貯留する紙幣収納庫3が複数設けられており、前記接客部から紙幣収納庫3まで、紙幣2が搬送される搬送路が形成されている。搬送路は紙幣2を搬送するローラと搬送ベルトにより構成されており、接客部と紙幣収納庫3との間の搬送路には、送り込まれた紙幣2の真偽、正損、表裏、2枚以上の重なり、及び斜行等を鑑別、検知する鑑別部が設けられている。
【0014】
全ての紙幣収納庫3にはそれぞれ、液体噴射装置であるインク噴射装置1が設けられている。このインク噴射装置1は容器である円筒形のシリンダ5と、該シリンダ5に接続されたチューブ4と、該チューブ4に接続されたノズル6とから構成されている。なお、ノズル6は紙幣2の集積方向に沿って伸びた状態で配置されている。
【0015】
図1、図2において、シリンダ5の側面には、前記チューブ4と接続され、外部との接続口となる放出口11が形成されており、この放出口11から後方に向かうに従って、可撓性を備え、膨縮変形可能な部材で形成され、ある程度の粘性を備え、耐溶性が高い、紙幣を汚損するための液体であるインク又は溶剤(以下特殊インクとする)を内蔵している液体貯蔵器であるインクパック7と、該インクパック7をノズル6方向に押し出す円筒形のピストン8と、該ピストン8をインクパック7方向に動作させると共に、特殊インクをシリンダ5から押し出すためのガスを放出する加圧手段であるガス発生器9が内蔵されている。なお、放出口11の周囲には、シリンダ5の内壁からインクパック7側に刃が突出する状態でカッター10が設けられており、このカッター10によりインクパック7に切れ目を入れて破損させる。
【0016】
このように構成されているインク噴射装置1は、ガス発生器9が放出するガスによる圧力に押されることでピストン8がノズル6方向に飛ばされて移動し、インクパック7をノズル6方向に押す。これによりインクパック7はカッター10に接触し、更に押圧されることでカッター10に押し当てられ一部が破損する。これによりインクパック7内に充填されている特殊インクが漏れ出し、更に押圧されることでインクパック7はつぶれながら特殊インクを排出し収縮する。これにより特殊インクは強制的にインクパック7から押し出される。そしてインクパック7から放出される特殊インクは放出口11からチューブ4を介してノズル6へと達する。
【0017】
図1、図2に示すようにガス発生器9と、ピストン8と、インクパック7と、カッター10と、放出口11とは直線上に配置されている。これにより、ガス発生器9からの加圧力を、チューブを介さずにピストン8に伝達して該ピストン8をインクパック7方向へと移動させることができる。そしてピストン8がインクパック8をカッター10に押し付けて破損させ、インクパック7から特殊インクを押し出し、放出口11から噴射することができる。
【0018】
図3、図4に示すように、ノズル6には複数の噴射口14が形成されており、該ノズル6には両面テープ19によりスリット板20が固着されている。両面テープ19とスリット板20の、前記噴射口14に対向した位置にはそれぞれ穴21とスリット15が形成されている。そして噴射口14から噴射される特殊インクは穴21、及びスリット15を介して集積されている紙幣2に対して噴射される。
【0019】
なお、両面テープ19に形成された穴21の径は噴射口14の径よりも大きく形成されており、噴射口14から噴射される特殊インクは、該噴射口14から直線状に外部に噴射されるものに加え、一旦径がより大きな穴21内に広がった状態で溜られてから外部に噴射されるものもある。これにより、噴射口14から直線状に噴射するのみの場合と比べてより広範囲に亘って特殊インクを噴射させることができる。
【0020】
また、図1に示すように、紙幣収納庫3内には、ノズル6に対向して紙幣2の集積方向に沿って伸び、且つ集積されている紙幣2に一部が接触する位置に、繊維で形成された伝達部材であるブラシ13が設けられている。ブラシ13は噴射口14から噴射される特殊インクを紙幣2に伝える。これによりノズル6から噴射された特殊インクは、ノズル6から直接紙幣2に付着すると共に、ブラシ13を介して紙幣2に付着する。
【0021】
またピストン8が移動中に斜めに傾き、シリンダ7の内壁にひっかかり移動が停止してしまうと、シリンダ7内の圧力が上昇し、ガス発生器9から放出したガスの内圧に耐えられずにシリンダ7が破裂してしまう可能性がある。これを防止するために、図2に示すように、ピストン8には圧力軽減手段である穴8aが形成されている。この穴8aの大きさは、穴8aから抜けるガスの加圧力だけでインクパック7をカッター10に十分に押し付けてインクパック7を破損させると共に、インクパック7に押圧力を与えて特殊インクを押し出し収縮させることを可能とする大きさであって、且つピストン8が動作しなかった場合、あるいは所定位置まで移動せず移動途中で停止してしまった場合に、ガス発生器9とピストン8との空間に充満するガスが、シリンダ7の耐圧を超えない量となるまで抜けることを可能とする大きさとなっている。
【0022】
なお、穴8aの位置は、穴8aから抜けるガスの加圧力だけでインクパック7をカッター10に十分に押し付け、更に圧縮変形させることができればピストン8の中央部に形成される必要はなく、また穴8aは複数形成されていてもよい。
【0023】
あるいは図5に示すように、穴8aを形成する代わりに、ピストン8が移動中に傾き、シリンダ7の内壁にひっかかり移動できなくなることを防止するために、シリンダ5の内径Dを、傾いた状態のピストン8の最大長さLよりも大きく形成するようにしても良い。このように構成することで傾いた状態でのピストン8の移動を可能とし、シリンダ5の破裂を防止する。
【0024】
紙幣収納庫3にはまた、図2に示すように、破壊検知手段であるスイッチ17と、該スイッチ17とインク噴射装置1のガス発生器9とを電気的に接続する信号線18が設けられている。スイッチ17は紙幣収納庫3が受けた衝撃を検出し、該衝撃が予め決められた値を超えると、信号線18を介してガス発生器9に対して紙幣盗難防止のトリガとなる起動信号を送信する。
【0025】
次に上記構成における紙幣収納庫3が外部からの攻撃を受けインク噴射装置1が特殊インクを噴射するときの動作について説明する。図6、図7は実施の形態のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図、図8は実施の形態のピストンが傾いた状態のシリンダを示す斜視図、図9は実施の形態のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図、図10は実施の形態の他の構成のノズルを示す一部破断斜視図、図11は実施の形態の他の構成のノズルから噴射された特殊インクが紙幣に付着した状態を示す斜視図、図12は実施の形態の他の構成のノズルを示す一部破断斜視図である。
【0026】
図1、図2において、輸送時に紙幣収納庫3が盗難される、あるいは自動取引装置が盗難されると、紙幣収納庫3の図示せぬ扉には鍵がかかっているので紙幣収納庫3は破壊するための攻撃を外部よりバール等により受ける。すると、スイッチ17が紙幣収納庫3が受けた衝撃を検出し、該衝撃が予め決められた値を超えると、紙幣収納庫3が破壊されているとして信号線18を介してガス発生器9に対して起動信号を送信する。
【0027】
ガス発生器9はスイッチ17からの起動信号を受信するとガスを所定量放出する。なお、1回の起動信号を受けてガスが放出される量は、ピストン8を、インクパック7を押しつぶす所定の位置まで移動させるために必要な量、及び特殊インクがチューブ4、及びノズル6に残留しないように該チューブ4、及びノズル6から押し出すために必要な量以上である。
【0028】
ガスが放出されるとこのガスに押圧されてピストン8はノズル6方向に飛ばされて移動し、インクパック7をノズル6方向に押す。これによりインクパック7はカッター10に接触し、さらに押圧されることでカッター10に押し当てられ一部が破損する。これによりインクパック7内に充填されている特殊インクが漏れ出し、更に押圧されることでインクパック7はつぶれながら特殊インクを排出し収縮する。これにより特殊インクは強制的にインクパック7から押し出される。またピストン8からの押圧力に加えて、ピストン8に形成された穴8aを通過するガス、及びピストン8とシリンダ5の内壁との隙間から届くガスがインクパック7を絞りインクパック7が更に収縮して特殊インクを押し出す。これによりインクパック7内の特殊インクは、残留することなく外部に放出される。
【0029】
押し出された特殊インクは放出口11からチューブ4を介してノズル6へと到達し、ノズル6の噴射口14、両面テープ19の穴21、及びスリット板20のスリット15から集積されている紙幣2に対して噴射される。噴射された特殊インクは重なり合った紙幣2の隙間から紙幣2の搬送面へと入り込み、図6に示すように紙幣2に付着する。
【0030】
このようにして紙幣2は特殊インク12により汚損され、該汚損された紙幣2は店舗や自動取引装置、更には自動販売機等での使用が不可能となる。その結果、機器破壊による紙幣2の盗難の防止、及び抑止効果を得ることができる。
【0031】
また、集積されている紙幣2に接触する位置に繊維で形成されたブラシ13が設けられていることにより、ノズル6から特殊インク12が噴射されると、図6に示すように特殊インク12はノズル6から直接紙幣2に付着すると共に特殊インク12が付着した状態のブラシ13からもまた紙幣2に付着する。ブラシ13を介して特殊インク12が紙幣2に付着すると、特殊インク12が長時間紙幣2に接触していることになり、特殊インク12が紙幣2に染み込む時間が長くなる。これにより、図7に示すようにブラシ13を設けずに特殊インク12を紙幣2に付着させた場合と比べて、特殊インク12を紙幣2に対して広範囲に亘って付着させることができる。また、特殊インク12がブラシ13の繊維を伝わって紙幣2に付着することにより、ノズル6から噴射された特殊インク12が直接届かない紙幣2の部分や、汚損しにくい部分についても均一に特殊インク12を付着させることが可能となる。
【0032】
また、放出口11からは特殊インク12に加えて、ガスも外部へと抜ける。なお、つぶされたインクパック7が放出口11を覆うような状態となっても、インクパック7と放出口11との間には隙間ができるので、この隙間を通りガスは放出口11から外部へと抜ける。
【0033】
ガス発生器9から放出するガスは、インクパック7内から全て特殊インク12を放出させた後も所定量の放出が完了するまで放出され続けるので、放出口11から放出されるガスに押し出されチューブ4、及びノズル6内にインクが残留することがない。従って、インクパック7内に充填する特殊インク12の量はチューブ4、及びノズル6内に残留する特殊インクの量を考慮することなく、紙幣2を汚損するために必要な量だけでよい。その結果、紙幣2を汚損するために必要な量以上の特殊インク12を充填する必要がないので、無駄に特殊インク12を消費することがない。
【0034】
なお、ピストン8には穴8aが形成されているので、図8に示すように、ピストン8が所定の位置まで移動する前に斜めに傾き、シリンダ5の内壁にひっかかり移動が停止してしまっても、穴8aを通過するガスの加圧力だけでインクパック7をカッター10に十分に押し付けて破損させ、更にインクパック7に押圧力を加えて収縮させて、特殊インク12を強制的にインクパック7から押し出し、更にシリンダ5から押し出すことができる。
【0035】
またピストン8が動作しなかった場合、あるいは所定位置まで移動せず移動途中で停止してしまった場合であっても、シリンダ5の耐圧を超えないようにガスが穴8aを通り、放出口11へと抜けていくので、ガスがガス発生器9とピストン8との狭い空間に充満することを防止することができ、従って、シリンダ5内の圧力が上昇することを防止することができる。その結果、ガス発生器9とピストン8との空間に充満するガスの内圧に耐えられずにシリンダ5が破裂してしまうことを防止することができる。
【0036】
あるいは図5に示すように、穴8aを形成する代わりに、シリンダ5の内径Dを、傾いた状態のピストン8の最大長さLよりも大きく形成しておけば、ピストン8が移動中に傾いてもピストン8は傾いた状態で飛ばされて移動し、インクパック7をカッター10に対して押圧し、カッター10によりインクパック7の一部を破損することができる。これによりインクパック7内に充填されている特殊インクが漏れ出し、更にピストン8がインクパック7を押圧することでインクパック7はつぶれながら特殊インク12を排出し収縮する。これによりインクパック7内に充填されている特殊インク12は強制的にインクパック7から押し出される。またピストン8からの押圧力に加えて、ピストン8とシリンダ5の内壁との隙間から届くガスがインクパック7を絞りインクパック7が更に収縮して特殊インクを押し出す。このようにしてシリンダ5から押し出された特殊インクはチューブ4を介してノズル6へと到達し、該ノズル6から紙幣2に対して噴射される。
【0037】
なお、図9に示すようにノズル6を紙幣2の集積高さと略同じ高さ設けることができない場合には、集積された全ての紙幣2に特殊インク12を付着させることができない可能性がある。これを防止するために、図10に示すように、ノズル6の端部である上面6aを紙幣2の集積方向に傾けて形成し、該上面6aに噴射口14を形成すると共に、該噴射口14に対向した位置の両面テープ19に穴21を形成し、またスリット板20にスリット15を形成する。そして上面6aから斜め上方に向かっても特殊インク12を噴射することができるようにする。これによりノズル6の上面6aから噴射される特殊インク12は、ノズル6の高さよりもより高い位置まで届く。従って、従来のインク噴射範囲Aに加え、上方のインク噴射範囲Bにも特殊インク12を噴射することができるようになるので、ノズル6が紙幣2の高さ分設けられていない場合であっても、ノズル6が対向していない位置に集積されている紙幣2に対して確実に特殊インク12を付着させることが可能となる。
【0038】
また、図11に示すようにノズル6の端部である下面6bも上面6aと同様に紙幣2方向に傾けて形成し、噴射口を形成する。これによりノズル6の下面6bから斜め下方に向かって特殊インク12を噴射することができるようになり、ノズル6の下面6bから噴射される特殊インク12が、ノズル6の高さよりもより低い位置まで届き、インク噴射範囲A、及びインク噴射範囲Bに加え、更に下方のインク噴射範囲Cが特殊インク12の噴射範囲として加わる。これによりノズル6が対向していない位置に集積されている紙幣2に対して確実に特殊インク12を付着させることが可能となる。その結果、全ての集積紙幣2に特殊インク12を確実に付着させることができる。
【0039】
また、ノズル6を紙幣2の集積高さと略同じ高さ設けることができない場合に全ての集積紙幣2に特殊インク12を確実に付着させるための他の手段として、図12に示すように、ノズル6に形成されている噴射口14の径を大きくし、噴射する特殊インク12の量を増やし、またスリット15の長さを長くして特殊インク12を噴射した際のインク噴射範囲Eを広げる。噴射される特殊インク12の量が増え、また噴射範囲が広がることにより、ノズル6が対向していない位置に集積されている紙幣2に対して確実に特殊インク12を付着させることが可能となる。その結果、全ての集積紙幣2に特殊インク12を確実に付着させることができる。
【0040】
また、ノズル6の噴射口14において、上端と下端の噴射口14の径を中央部の噴射口14の径よりも大きく形成しても良い。このように噴射口を少なくとも2種類の大きさで形成することで、ノズル6の上端と下端から多量の特殊インク12を噴射することができ、上方と下方に更に噴射範囲を広げることができる。これによりノズル6が対向していない位置に集積されている紙幣2に対して確実に特殊インク12を付着させることが可能となる。その結果、全ての集積紙幣2に特殊インク12を確実に付着させることができる。
【0041】
更に、径の異なる穴が複数形成された噴射量調整スライド部材を、ノズル6に摺動自在に設けてもよい。これにより、噴射量調整スライド部材を摺動させて、該噴射量調整スライド部材に形成された径の大きな穴をノズル6の噴射口14に対向させ、この状態で特殊インク12を噴射すれば特殊インク12を多量に噴射させることができる。一方、噴射量調整スライド部材を摺動させて径の小さな穴をノズル6の噴射口14に対向させ、この状態で特殊インク12を噴射すれば特殊インク12を少量だけ噴射させることができる。このように噴射量調整スライド部材を設ければ、簡単な機構で噴射口の大きさを変更することができ、特殊インク12の噴射量を調整することができる。
【0042】
なお、ガス発生器9を、ガスを内蔵した袋状部材とし、該袋状部材を破裂させることでガスを放出するようにしてもよい。またはガス発生器9の代わりに火薬によるエネルギーによりピストン8を移動させるようにしてもよい。あるいは、モータやソレノイドのような電気系のアクチュエータを用いてピストン8を移動させてもよい。
【0043】
また、紙幣2を汚損するためのインクは紙幣2を使用不可能な状態に汚損することができればよく、印刷用のインクであってもよい。また、盗難紙幣であることを紙幣2が挿入された装置が認識することを可能とするために、特殊インク12の中に無線ICタグや、カーボン粒子、あるいは磁性体粒子を混入してもよい。
【0044】
特殊インク12の中に無線ICタグを混入しておく場合には、無線ICタグには盗難紙幣であることを示す情報を書き込んでおき、紙幣2が挿入される装置に無線ICタグから情報を読み取る読取手段を設ける。これにより、無線ICタグが付着した紙幣2が装置内に挿入されると、読取手段が無線ICタグから盗難紙幣であることを示す情報を読み取り、盗難紙幣であることを容易に装置が認識することができる。
【0045】
また、紙幣2が挿入される装置に設けられている紙幣鑑別部は、紙幣が偽造券であるか否かを鑑別するために、可視光、赤外線、紫外線等の光出力、又は磁気出力を利用している。従って、特殊インク12にカーボン粒子、あるいは磁性体粒子を混入しておけば、このような特殊インク12が付着した紙幣2が装置内に挿入されると、カーボン粒子、あるいは磁性体粒子が検出され光出力、又は磁気出力の波形が正常紙幣の出力と相違する波形となる。これにより紙幣鑑別部は、挿入された紙幣2を異常な紙幣として認識することができる。
【0046】
以上本発明の実施の形態においては、インク噴射装置1が、シリンダ5と、シリンダ5内に配置されたガス発生器9と、シリンダ5に形成された放出口11と、ガス発生器9と放出口11との間に配置されたインクパック7と、ガス発生器9とインクパック7との間に配置されたピストン8と、インクパック7と放出口11との間に配置されたカッター10とを備えることにより、ガス発生器9からのガスによる加圧力を、チューブを介さずにピストン8に伝達して該ピストン8をインクパック7方向へと移動させることができる。そしてピストン8がインクパック7をカッター10に押し付けて破損させ、インクパック7から特殊インク12を押し出し、放出口11から噴射する。このように単純な構造で特殊インク12を噴射することができる。その結果、ガス発生器9がガスを放出させてから特殊インク12を噴射するために必要な時間を短くすることができる。また、部品点数を少なくすることができるので、装置を小型化することができる。
【0047】
更に、ガスの加圧力によりインクパック7を収縮させて強制的に特殊インク12をシリンダ5内から放出するので、インク噴射装置1を内蔵する装置の配置状態にかかわらず紙幣2に対して特殊インク12を均一に噴射することができる。その結果、紙幣2を均一に汚損することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 インク噴射装置
2 紙幣
5 シリンダ
6 ノズル
7 インクパック
8 ピストン
9 ガス発生器
10 カッター
12 特殊インク
13 ブラシ
14 噴射口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、
前記容器内に配置され起動信号を受けて圧力を発生させる加圧手段と、
前記容器に形成され、外部との接続口となる放出口と、
前記容器内であって、前記加圧手段と前記放出口との間に配置され、液体を内蔵する可撓性を備えた液体貯蔵器と、
前記容器内であって、前記加圧手段と前記液体貯蔵器との間に配置され、前記加圧手段からの加圧力により移動して前記液体貯蔵器を押圧するピストンと、
前記容器内であって、前記液体貯蔵器と前記放出口との間に配置され、前記液体貯蔵器を破損する破損手段とを備え、
前記容器の内径を、傾いた状態の前記ピストンの最大長さよりも大きく形成し、傾いた状態で前記ピストンの移動を可能とし、前記加圧手段からの加圧力により、前記容器内で、前記ピストンを移動させて前記液体貯蔵器を前記破損手段に押し付けて破損させると共に、前記液体貯蔵器から液体を押し出し、前記放出口から噴射することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記放出口に接続され、液体が噴射される媒体の集積方向に沿って配置され液体を前記媒体に対して噴射する噴射口が形成されたノズルと、
前記媒体に一部が接触した状態で、前記ノズルと前記媒体との間に配置されると共に、前記噴射口から噴射される液体を前記媒体に伝える伝達部材とを設けた請求項1記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記ノズルの端部は、前記噴射口が形成された状態で前記媒体の集積方向に向かって傾けられている請求項2記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記噴射口は少なくとも2種類の大きさで前記ノズルに複数形成されている請求項2記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記噴射口の大きさを変更可能とし、液体の噴射量を調整可能とした請求項2記載の液体噴射装置。
【請求項1】
容器と、
前記容器内に配置され起動信号を受けて圧力を発生させる加圧手段と、
前記容器に形成され、外部との接続口となる放出口と、
前記容器内であって、前記加圧手段と前記放出口との間に配置され、液体を内蔵する可撓性を備えた液体貯蔵器と、
前記容器内であって、前記加圧手段と前記液体貯蔵器との間に配置され、前記加圧手段からの加圧力により移動して前記液体貯蔵器を押圧するピストンと、
前記容器内であって、前記液体貯蔵器と前記放出口との間に配置され、前記液体貯蔵器を破損する破損手段とを備え、
前記容器の内径を、傾いた状態の前記ピストンの最大長さよりも大きく形成し、傾いた状態で前記ピストンの移動を可能とし、前記加圧手段からの加圧力により、前記容器内で、前記ピストンを移動させて前記液体貯蔵器を前記破損手段に押し付けて破損させると共に、前記液体貯蔵器から液体を押し出し、前記放出口から噴射することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記放出口に接続され、液体が噴射される媒体の集積方向に沿って配置され液体を前記媒体に対して噴射する噴射口が形成されたノズルと、
前記媒体に一部が接触した状態で、前記ノズルと前記媒体との間に配置されると共に、前記噴射口から噴射される液体を前記媒体に伝える伝達部材とを設けた請求項1記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記ノズルの端部は、前記噴射口が形成された状態で前記媒体の集積方向に向かって傾けられている請求項2記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記噴射口は少なくとも2種類の大きさで前記ノズルに複数形成されている請求項2記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記噴射口の大きさを変更可能とし、液体の噴射量を調整可能とした請求項2記載の液体噴射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−224566(P2011−224566A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118408(P2011−118408)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【分割の表示】特願2005−200434(P2005−200434)の分割
【原出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【分割の表示】特願2005−200434(P2005−200434)の分割
【原出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
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