説明

液体容器の口部シール部の検査方法及びその装置

【課題】液体容器に内容物を充填後にその口部を保護材でシールした液体容器において、そのヒートシール部すなわちその口部の外周、外縁部と保護材の間に液体内容物がはさまれてしまう、いわゆる液ガミ現象の起きたシール不良を非破壊検査で発見する。
【解決手段】容器の口部の方向を揃えて搬送するコンベヤと、外部部材に固定され同コンベヤ上に載置された口部を保護材2でシールした容器の口部の温度を上昇させる高周波加熱装置と、同加熱装置により容器送り方向の後流側に設置され前記保護材の表面温度を測定する測定手段と、その温度分布映像を画像処理して保護材による容器口部のシール状態を検査判定する画像処理装置と、同画像処理装置の判定信号により保護材のシール不良容器をコンベヤ上より排除する容器排除手段とよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙とプラスチックを主原料とする液体容器の口部をフィルム等でヒートシールしたときのシール部の検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、牛乳、野菜ジース、お茶、コーヒーそして紅茶などの容器として、紙とポリエチレン等のプラスチック材料を主原料とする液体容器が広く用いられている。また、化粧品、薬品等の容器として、ポリエチレン等の材料を用いたチューブ容器が広く用いられている。このような容器などに内容物を充填するときは、先ず上向きにした開口部を開いて内容物の適量を充填した後、容器の開口部に、それより大きめの保護シートで覆い、ヒートシールしたり、開口部の左右前後の壁面の内面の熱溶融層面同士を重ね合わせてヒートシールにより熱融着したり、容器の上端部を挟み、直接加熱又は超音波を印加してシールし、密閉される。
【0003】
このシール状態が完全でないと、すなわち熱溶融層面同士の間に、ゴミや液体や内容物が挟まれてヒートシールされた場合に、ちょっとした外力で密封が損じ、内容物が漏れたり逆に有害物が入り込んで内容物を変化させたりするので、容器が確実にシールされていることが内容物に対する保証につながる。この現象を(液がみ不良)と呼んでいる。
【0004】
前記液がみ不良品を製造中に、しかも簡易で、非破壊で発見できることが、望ましい。
【0005】
液体容器に内容物を充填したから、シール部を検査するには、従来は目視により、あるいは若干の外圧をかけてシールの強度を確かめる方法を採っていたが、この方法は人手と時間がかかり不便であった。このような容器に対するシール部検査の方法として、特許文献1に記載されているものを説明すると、これは図4で示したように、透明又は半透明な材料からなる容器本体の端部がシールされているチューブ容器12のシール部11のシール不良を検査するものであり、チューブ容器12のシール部11を遮蔽板10により遮蔽しながら、照明光源によりチューブ容器12を照明し、チューブ容器12のシール部11を照明光源と反対側からCCDカメラで撮像し、チューブ容器12の内容物の光屈折を利用して、チューブ容器12とシール部11との境界部内容物のかみ部14を光らせ、撮像した映像と解析手段を使ってシール不良を検出する方法である。
【0006】
また最近の食品や薬品等においては、開封あるいは開封後の取り扱いを容易とするため、厚肉の丈夫な容器口部にフィルム等の保護材を貼付、あるいはシールをして内容物を保護する包装形態が見受けられる。この場合も、保護材が確実に貼付、あるいはシールされていることが内容物に対する保証に直結することとなる。容器に保護材をシールしたときシール性の検査の方法として一般に知られているのは、保護材のシール面を加工して半透明にし、シールの際にシール面の溶融によりシール部が透明になることを利用して、シール部の色調を変化させること等によりシール部の密着性を目視で確認したり、あるいは画像処理により検査を行ったりしている。しかし、目視可能な変化がない場合はよりよい検査方法がなかったため、内容物に対す保証ができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−27045号
【特許文献2】特開平8−184571号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで前記従来の技術例は、透明あるいは半透明な筒状のフィルム容器に充填物を充填し、その容器材フィルムの熱シール性を利用して、そのままヒートシールした場合の検査方法の例であるが、この場合は容器のフィルムが完全に不透明のときは検査不可能である。
【0009】
また厚肉の容器口に薄いフィルム等の保護材を被せてシールする場合には、容器内の充填液の光屈折が使えないので前記した方法は適用できない。また後者の従来例では、保護材のシール面を加工して半透明にし、シールによる溶融によりシール部が透明になることを必要条件としているので、完全に透明な材料や不透明なフィルムには適用不可能である。
【0010】
最近はこのような厚肉の容器口に薄いフィルム等の保護材を被せてシールするものが市場に多く見られるようになり、保護材が透明、不透明に拘わらず検査可能なシール部検査方法や装置が待望されていた。
【0011】
特許文献2は、容器の厚肉の口部に薄いフィルム等の保護材を被せてシールしたものを、保護材側から保護材及び容器口部が温まるように加熱した後、一定時間自然冷却をすると、保護材は冷えて温度が下がるが、保護材のシールされている部分は、熱容量が大きい容器の口部と溶着しているので温度低下が遅く、シールされていない部分は熱容量が小さいので早く冷えて温度が下がり、保護材表面の温度分布はシール部が高く、シール部以外は低い温度となっている。
【0012】
これを赤外線カメラ等で撮像し温度差による赤外線波長の分析を行い、そのデータから保護材表面の像を幾つかの温度範囲毎に白黒の濃淡、あるいはカラー模様で表すことによりシール部形状を可視化し、これ基準シールパターンと比較することにより、容器口部と保護材のシールの良不良を検査する。
【0013】
容器口封材のシール部検査装置の作用は、口部をフィルム等の保護材でシールした容器をコンベヤにより一定間隔で搬送し、ヒータにより容器の口部を加熱し、一定時間送られた後、サーモグラフィカメラ(赤外線カメラ)で容器口部の保護材上面を撮影する。同サーモグラフィカメラの撮影した保護材表面の映像を、画像処理装置において前記したように分析し、温度分布映像をつくり、これを基準にシールパターンと画像比較して保護材による容器口部のシール状態を検査し、シーツの良不良を判定し、シール不良容器が見つかれば容器排除手段に信号を送り、シール不良容器を容器排除手段により前記容器搬送コンベヤ上より排除するものである。
【0014】
すなわち特許文献2は、図5、図6、図7のように、容器の保護材20の上側から口部の回りのシール部21近辺を加熱し、一定時間、自然冷却後、保護材表面を赤外線カメラ等で撮像して保護材表面の温度分布を可視化し、映像処理することにより容器口部と保護材のシールの良不良を検査する方法及び装置を提供し、前記従来の課題を解決することを目的とするものであるが、シール基材が薄いフイルムを用いた場合には、シール不良の検出の可能性はあるものの、紙とフイルムを積層したなどの比較的厚みのある材料を用いた場合には、シール不良を判別できる程度の温度分布すなわち温度差が出難い、つまり、紙材料は熱伝導が悪いので、ヒーターで加熱してもシール部とそうでない部分でサーモグラヒィカメラ40で検出できるほど、温度分布に差が生じ難いと思われる。
【0015】
すなわち、上記の方法は、容器口部全体が加熱され、シール部に狭まれた僅かな量の内容物を含めた容器口部全体が一旦高温になり、容器口部のシール部が徐々に冷却を始めていく段階で、シール部に狭まれた内容物の量に応じて、温度分布にわずかな差が出てくる
わけであるが、シール部に狭まれた内容物の量が微量なケースが多く、そこだけが高温を保てるわけもなく、他のシールと違う温度分布に成り難い、従って冷却を緩やかに行いその過程でシール部に狭まれた内容物の量に応じて、冷却が遅れる温度分布になると思われるが、冷却を緩やかに行うため、測定時間に多くの時間を要するものであり、測定効率の低い方法と思われる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このため本発明は、紙とポリエチレンなどのプラスチックを主原料とする液体容器を対象とするものであり、厚肉の口部を保護材でシールした液体容器であるので、シール部を集中的に瞬時に加熱する必要があり、内容物が狭まれたシール部だけが瞬時に温度上昇させる必要があり、本発明に至ったものである。
【0017】
請求項1の発明は、紙とプラスチックを主原料とする液体容器に液体内容物を充填後に、前記液体容器の厚肉の口部を保護材でシールして開口部を閉鎖したヒートシール部の非破壊検査方法において、
高周波加熱装置により、前記液体容器をマイクロ波吸収加熱させて、前記保護材の前記ヒートシール部並びに前記口部の温度上昇分布を測定し、
映像処理により前記液体容器の前記口部と前記保護材のシール状態の良不良をインラインにて検査すること
を特徴とする液体容器の口部シール部検査方法である。
【0018】
請求項2の発明は、紙とプラスチックを主原料とする液体容器口部シール部検査装置であって、前記液体容器の口部の方向を揃えて搬送するベルトコンベアと、
外部部材に固定され同べるとコンベア上に載置された前記口部を保護材でシールした前記液体容器の温度を上昇させる高周波加熱装置と、
前記高周波加熱装置により前記液体容器の送り方向の後流側に設置され前記保護材の前記ヒートシール部並びに前記口部の表面の温度上昇分布を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定した前記保護材の前記ヒートシール部並びに前記口部の表面の温度分布映像を画像処理して前記保護材による前記液体容器の口部のシール状態を検査しシールの良不良を判定する画像処理装置と、
前記画像処理装置の判定信号により前記保護材のシール不良容器をコンベヤ上より排除する液体容器排除手段と
を具備してなることを特徴とする液体容器の口部シール部検査装置である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明においては、紙とプラスチックを主原料とする液体容器に、液体内容物を充填し、この容器の口部に保護材をヒートシールした後、このシール部を含めてその全体を、高周波加熱装置により加熱する。そうすると、前記シール部において容器口部と保護材との間に液体が挟まれていた場合、この液体が高周波加熱装置によるマイクロ波を吸収して高温に加熱される。その液体の発熱温度は、液体周囲の紙やプラスチックの発熱温度に比較して、一般に50℃以上高い。このため、シール部及び口部の温度上昇分布を測定することにより、容器口部と保護材との間に液体が挟まれているか否かについて、短時間で簡易に、しかも非破壊で検査できるのである。
【0020】
なお、請求項2は本発明を装置として把握したものであり、請求項1の発明と同様の効果を有する。
【0021】
さらに、請求項1の発明において、高周波加熱装置により、このシール部を含めてその全体を、高いエネルギーで長時間加熱すると、シール部で挟まれた液体だけが温度上昇するだけでなく、液体内容物も温度上昇してきてしまって、このシール部を含めた全体が高
温になってしまって、シール部で挟まれた液体と液体容器の中の液体内容物とが区別し難くなってしまう。
【0022】
したがって、請求項1の発明において、高周波加熱装置により、このシール部を含めてその全体を、加熱するに際しては、液体容器の液体内容物の温度上昇が起こらない程度で、かつ、シール部で挟まれた液体部は微量であるので、シール部で挟まれた液体部だけが、マイクロ波を吸収して急激に温度上昇できるような低エネルギーで短い時間での高周波加熱をすることが必要である。
【0023】
すなわち請求項1の発明は、液体容器に液体内容物を充填し、ヒートシールした後に、シール部を含めて全体を低エネルギーで短時間の高周波加熱を行うことにより、さらに、シール部において、挟まれた液体部と、その他の部分との温度差が大きくなり、サーモプロジェクターカメラでの画像から、簡単に液がみが発見でき、良不良の判断が簡潔にできるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は本発明の検査対象とするヒートシール部を有する液体容器の模式図である。
【図2】図2の(a)は、本発明の検査対象とするシール部を有する液体容器の内容物を充填後の液がみしていない正常な良品の検査状態を表す平面略図である。図2の(b)は、本発明の検査対象とするシール部を有する液体容器の内容物を充填後の液がみしている不良品の検査状態を表す平面略図であり、液がみしているシール部(4)は、液体がマイクロ波を吸収して、60度C以上に急激に昇温し、サーモグラフィにおいて検知され、検査結果を表すモニター上で高い温度を示す色に変色している部分の平面略図である。
【図3】図3は、本発明のヒートシール部を有する液体容器が、内容物を充填される際にヒートシール部において、内容物の液体を液がみしている不良品をインラインで、かつ、非破壊状態で簡易に検査できる液体容器の口部シール部検査装置の模式図である。
【図4】図4は、特許文献1に係るチューブラミネート品の充填後のシール部における液ガミしている不良品を検査するシステムの一部分を示している図で,シール部を遮蔽した遮蔽板の裏側より照明し、内容物とシールの境界における境界形状を観察して、液がみか否かを判定する装置の検査結果を映し出すモニター上において、図4(a)は、液がみしていない正常な良品の検査状態を表す正面略図である。図4(b)は、液がみしている不良品の検査状態を表す正面略図である。
【図5】図5は、特許文献2に係るシール部を有する液体容器の模式図である。
【図6】図6は、特許文献2に係るシール部を有する液体容器品の充填後のシール部における液ガミしている不良品を検査するシステムの一部分を示している図で,シール部を外部より加熱して暖めたあと、冷却させて、温度の下がり方の温度分布をサーモグラフィカメラで撮影した画像をモニター上で見ながら判別するシステムであり、液がみか否かを判定する装置の検査結果を映し出すモニター上において、図6(a)は、液がみしていない正常な良品の検査状態を表す正面略図である。図6(b)は、液がみしている不良品の検査状態を表す正面略図である。シール部の斜線となっている部分23が液がみしている部分である。
【図7】図7は、特許文献2に係る容器口封材のシール部検査装置の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、紙とプラスチックを主原料とする液体容器に液体内容物を充填後に、前記液体容器の厚肉の口部を保護材でシールして開口部を閉鎖したヒートシール部のシール状態の良不良の判定をインラインにて、かつ短時間で簡易に、非破壊検査にて、検査できる効果を有する方法とその装置である。
【0026】
すなわち、その方法は、図1、図2(a)(b)のように、紙とプラスチックを主原料とする液体容器1に液体内容物を充填し、ヒートシールした後に、シール部3を含めて液体容器1を高周波加熱装置により、瞬間加熱するが、シール部の挟まれた液体部だけの温度が上昇するように、高周波のパワーを小さくして、シール部近辺を照射する。
【0027】
これにより、液体容器に充填された内容物全体及び容器全体の温度を上げることなく、シール部の挟まれた液体部だけの温度を急上昇させることができ、シール部の挟まれた液体部と、それ以外の紙とプラスチックを主原料とする液体容器の厚肉の開口部の外周、外縁部であるヒートシール性フイルム層、紙層そしてヒートシール性フイルム層を積層した容器外面層および液体容器の内容物並びに液体容器本体との温度分布を比較すると、紙とプラスチックを主原料とする液体容器の厚肉の開口部の外周、外縁部であるヒートシール性フイルム層、紙層そしてヒートシール性フイルム層を積層した容器外面層と、保護シール材層2の間において、シール部の挟まれた液体部4だけがマイクロ波を吸収して急激に温度上昇し、上下左右の層や内部の液体内容物と比べて瞬時に50度C以上の温度差が生じるものであるので、それをサーモグラヒィカメラで撮影した後のモニターの画面上で温度差を色の濃度差として表すことで、極端なくらい大きな濃度差となるので容易で、瞬時に、一目瞭然で良品と液がみ不良品を判定することができるものである。
【0028】
次にその装置は、紙とプラスチックを主原料とする液体容器の口部シール部の良不良をインラインで、非破壊方式で、しかも短時間で、容易に判断できる検査装置であって、前記液体容器の口部の方向を揃えて搬送するベルトコンベア6と、外部部材に固定され同ベルトコンベア上に載置された前記口部を保護材でシールした前記液体容器1の温度を上昇させる高周波加熱装置を備えたマイクロ波トンネル部7と、前記高周波加熱装置により前記液体容器の送り方向の後流側に設置され前記保護材の前記ヒートシール部並びに前記口部の表面の温度上昇分布を測定する測定手段5(サーモグラヒィーカメラ)と、前記測定手段5によって測定した前記保護材の前記ヒートシール部並びに前記口部の表面の温度分布映像を画像処理して前記保護材による前記液体容器の口部のシール状態を検査しシールの良不良を判定する画像処理装置(図示しない)と、前記画像処理装置の判定信号により前記保護材のシール不良容器をコンベヤ上より排除する液体容器排除手段(図示しない)とを具備してなることを特徴とする液体容器の口部シール部検査装置である。
【0029】
液体容器に液体内容物を充填し、ヒートシールした後に、シール部、液体内容物を含めて液体容器を高周波加熱装置により、加熱し、シール部において、挟まれた液体部だけが、紙とプラスチックを主原料とする液体容器の厚肉の開口部の外周、外縁部であるヒートシール性フイルム層、紙層そしてヒートシール性フイルム層を積層した容器外面層と、保護シール材層とを、比べた場合に、マイクロ波を吸収して急激に温度上昇し、上下左右の層や内部の液体内容物と比べて瞬時に50度以上の温度差が生じるものであるので、良不良の判定が、容易に、短時間で、インラインで、かつ非破壊方式で、できるという効果を有する液体容器の口部シール部検査装置である。
【0030】
すなわちシール部において、挟まれた液体部だけを、他の場所と比べて、瞬時に50度以上の温度差が生じさせるためには、挟まれた液体部が、液体内容物の量と比較して僅かな量であるので、液体内容物や容器全体が温度上昇するような高い高周波パワーを駆けるのではなく、挟まれた液体部の微量な分だけを温度急上昇させられるだけの低い、小さい高周波パワーをかける必要がる。
【0031】
具体的には、前記シール部において、挟まれた液体部の液体容量は、せいぜい5マイクロリットルであって、一方液体容器の内容物は、外径48ミリメートルの容器の場合、125ミリリツトルであり、挟まれた液体部の液体容量の約25000倍である。
【0032】
したがって、挟まれた液体部の液体が常温20℃の水の場合、一般の電子レンジにて2450MHzの周波数のもので3.6WK出力で0.5秒間照射で0.5マイクロリットルの前記水を80℃まで加熱上温させることができます、この場合、この出力では、容器の内容物の温度を上昇させることはできませんので、結果として、挟まれた液体部の液体だけを温度差50℃の瞬間昇温させることができるものである。
【0033】
一般的液体容器は、液体内容物を充填などをする開口部を有する蓋部と柱状か円筒状の本体部と底部よりなり、内容物に接する面のプラスチックフイルムとしては、ポリエチレンポリプロピレンなどのヒートシール性を有するものが使用できる。
【0034】
一般的に液体容器を形成する板紙は内容液の種類に応じて適切なものを使用すればよく、上記以外に、ポリエチレン/紙/ポリエチレンからなる層構成の板紙や、外側から順にポリエチレン/紙/ポリエチレン/ポリエステル/アルミニウム/エチレン系共重合体からなる接着性樹脂/ポリエチレンを積層した層構成の板紙などがある。ここで、後者におけるエチレン系共重合体からなる接着性樹脂としては、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)等が使用される。そして、後者のものは、特にアルカリ性内容液、例えば洗浄剤、入浴剤、パーマ液、アルコール飲料等を収納する紙容器に適している。
【0035】
なお、前記液体容器に用いられるプラスチックフイルムと紙およびプラスチックフイルムの積層体としては、一例として、外側から順にポリエチレン/紙/ポリエチレン/ポリエステル/アルミニウム蒸着層または酸化ケイ素蒸着層/エチレン系共重合体からなる接着性樹脂/ポリエチレンを積層した層構成の板紙などが使用できる。
【符号の説明】
【0036】
1、液体容器
2、保護材
3、シール部
4、シール部の挟まれた液体部
5、サーモグラヒィーカメラ
6、ベルトコンベア
7、マイクロ波トンネル部
8、画像処理装置
9、モニター
10、遮蔽板
11、チューブ容器12のシール部
12、チューブ容器
13、チューブ容器のキャップ
14、境界部の液体かみ部
20、保護材
21、シール部
22、容器
23、液がみしている部
30、容器
31、保護材
32、ベルトコンベアー
33、加熱工程
34、撮影工程
35、徐冷工程
36、入口
37、ヒーター
38、囲い
39、出口
40、サーモグラフィカメラ
41、仕切り
42、位置センサー
43、容器排除手段
44、映像処理装置
45、映像モニター
46、保護材温度表示形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙とプラスチックを主原料とする液体容器に液体内容物を充填後に、前記液体容器の厚肉の口部を保護材でシールして開口部を閉鎖したヒートシール部の非破壊検査方法において、高周波加熱装置により、前記液体容器をマイクロ波吸収加熱させて、前記保護材の前記ヒートシール部並びに前記口部の温度上昇分布を測定し、画像処理により前記液体容器の前記口部と前記保護材のシール状態の良不良をインラインにて検査することを特徴とする液体容器の口部シール部検査方法。
【請求項2】
紙とプラスチックを主原料とする液体容器口部シール部検査装置であって、
前記液体容器の口部の方向を揃えて搬送するベルトコンベヤと、
外部部材に固定され前記ベルトコンベヤ上に載置された前記口部を保護材でシールした前記液体容器の温度を上昇させる高周波加熱装置と、
前記高周波加熱装置により前記液体容器の送り方向の後流側に設置され前記保護材の前記ヒートシール部並びに前記口部の表面の温度上昇分布を測定する測定手段と、
前記測定手段によって測定した前記保護材の前記ヒートシール部並びに前記口部の表面の温度分布映像を画像処理して前記保護材による前記液体容器の口部のシール状態を検査しシールの良不良を判定する画像処理装置と、
前記画像処理装置の判定信号により前記保護材のシール不良容器を前記ベルトコンベヤ上より排除する液体容器排除手段と
を具備してなることを特徴とする液体容器の口部シール部検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−225871(P2012−225871A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96032(P2011−96032)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】