説明

液体復元及び生成の汎用性を拡張する統合NGLを有するLNG設備

【課題】 本発明は、液体復元及び生成の汎用性を拡張する統合NGLを有するLNG設備を提供する。
【解決手段】 例えば高位発熱量(HHV)及び/又はプロパン含有量のような種々の特性を有する液化天然ガス(LNG)及び/又は液体天然ガス(NGL)生成物を生成する重質除去/液体天然ガス復元を統合された天然ガス液化システムの効率的動作のための処理。結果として生じたLNG及び/又はNGLは2以上の市場の有意に異なる規格に適合可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に天然ガスを液化する方法及び装置に関する。別の態様では、本発明は、有意に異なる生成物仕様を満たす液化天然ガス(LNG)生成物を効率的に供給可能な改良されたLNG設備に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスの低温液状化は、輸送及び/又は貯蔵のために天然ガスをより都合の良い形式に変換する手段として通常実施される。一般に、天然ガスの液状化は天然ガスの体積を約600倍減少し、それにより結果として大気圧近くで直ちに貯蔵及び輸送可能な液化生成物を生じる。
【0003】
天然ガスはしばしばパイプラインにより供給源から遠隔の市場へ輸送される。パイプラインを実質的に一定且つ高負荷率で動作することが望ましい。しかしパイプラインの分配可能性又は容量は需要を上回り、またある時には需要がパイプラインの分配可能性を上回る。需要が供給を超える山、又は供給が需要を超える谷を削り取るため、市場が指示した場合に剰余ガスが分配され得るように、剰余ガスを貯蔵することが望ましい。このような業務により、将来の需要の山を貯蔵からの物資で満たすことができる。これを行うある実用的手段は、貯蔵のためにガスを液化状態に変換すること、そして次に液体を需要に応じて気化することである。
【0004】
天然ガスの液化は、候補の市場から長距離離れた供給源からガスを輸送する場合及びパイプラインが利用不可能か非実用的である場合に更に重要性を増す。これは、特に輸送が遠洋航行船により行われなければならない場合に起こる。気相状態での船舶輸送は、ガスの比体積を有意に減少するためかなりの加圧が必要とし、及びこのような加圧は一層高価な貯蔵容器を必要とするので、一般的に実用的でない。
【0005】
上述の観点から、天然ガスを液体状態で大気圧前後で貯蔵し輸送することは有利である。天然ガスを液体状態で貯蔵及び輸送するために、天然ガスは−151乃至−162℃(−24度F乃至−260度F)に冷却される。ここで、液化天然ガス(LNG)は約大気中蒸気圧を有する。
【0006】
天然ガスの液状化のための多数の従来技術が存在する。従来技術では、高圧のガスを、ガスが低温に冷却される複数の冷却段を液状化温度に達するまで逐次通過させることにより、ガスを液化する。冷却は一般的に、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、メタン、窒素、二酸化炭素、又はそれらの組み合わせ(例えば、混合冷媒システム)のような1又は複数の冷媒を有する間接熱交換により達成される。本発明の1又は複数の実施例に実際に適用可能な液状化手法は、開メタン・サイクルを最終冷却サイクルに利用する。最終冷却サイクルでは加圧LNG関連ストリームがフラッシュされ、当該フラッシュ気体は続いて冷却剤として利用され、再圧縮され、冷却され、処理された天然ガス供給ストリームと混合され、そして液化され、それにより加圧LNG関連ストリームを生成する。
【0007】
従来、LNG設備は世界の特定地域の単一の市場へLNGを供給するために設計され及び動作されている。LNGの世界的需要が増加すると、単一のLNG設備が世界の異なる地域の複数の市場にLNGを供給可能であることは有利である。しかしながら、天然ガス規格は世界中で大きく変化する。標準的にこのような天然ガス規格は、高位発熱量(HHV)、ウォッベ指数、メタン含有量、エタン含有量、C3+含有量、及び不活性成分含有量のような基準を含む。例えば、異なる世界市場は、950乃至1160BTU/SCFの間のHHVを有するLNG生成物を要求する。既存のLNG設備は、単一市場の規格の基準セットに最適化されている。従って、異なる市場の予定外の規格を満たすLNGを生成するためLNG設備の動作パラメーターを努力して変更することは、設備の動作を有意に非効率にする。予定外の規格のLNG生成に関連するこれらの動作の非効率は、一般に単一のLNG設備で1より多い市場に供給することを経済的に不可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、液体復元及び生成の汎用性を拡張する統合NGLを有するLNG設備を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある実施例では、液化天然ガス(LNG)を生成する処理が提供される。処理は以下の段階を有する。つまり(a)第1のLNG生成物を生成する第1の動作モードでLNG設備を動作する段階、(b)前記LNG設備が第2の動作モードで動作するよう、前記LNG設備の少なくとも1つの非供給動作パラメーターを調整する段階、及び(c)第2のLNG生成物を生成する前記第2の動作モードで前記LNG設備を動作する段階、である。第1及び第2の動作モードは、LNG設備の始動及び停止の間には実行されない。段階(a)及び(c)は、任意的に、それぞれ第1及び第2の液体天然ガス(NGL)生成物を生成する段階を有し得る。第2のLNG生成物の平均高位発熱量(HHV)は、第1のLNG生成物の平均HHVと15℃で少なくとも約373kJ/m(10BTU/SCF)異なり、及び/又は第2のLNG生成物の平均プロパン含有量は第1のLNG生成物の平均プロパン含有量と少なくとも約1モル・パーセント異なる。
【0010】
本発明の別の実施例では、LNG設備から生成されるLNGの発熱量を変化する方法が提供される。方法は以下の段階を有する。つまり(a)間接熱交換により天然ガスを冷却し、第1の冷却ストリームを生成する段階、(b)第1の蒸留塔を用い、前記第1の冷却ストリームの少なくとも一部を第1の相対的高揮発性部分及び第1の相対的低揮発性部分に分離する段階、(c)前記第1の相対的高揮発性部分の少なくとも一部を冷却し、LNGを生成する段階、並びに(d)前記第1の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターを調整し、前記生成されたLNGのHHVを少なくとも約1パーセントだけ約72時間より少ない時間期間に渡り変化する段階、である。
【0011】
本願明細書で用いられる場合、代替の記載を列挙する際の用語「有する」又は「含む」は、列挙された要素に追加される要素が存在し得ることを意味する。用語「成る」は、記載された材料で「成る」と記載された特徴が当該要素のみから成ることを意味する。
【0012】
本願明細書で用いられる場合、句「基本的に〜から成る」及び同様の句は、本願明細書に特に言及されない他の段階、要素、又は材料が本発明の基本的特徴及び新規特徴に影響しない限り、当該段階、要素、又は材料の存在を排除せず、更に用いられる要素及び材料に通常関連する不純物を排除しない。
【0013】
本発明の好適な実施例は図を参照し以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1a】図1bに示される線A、B、及びCと接続するLNG設備の特定部分を備えた、2以上の異なる市場の有意に異なる規格を満たすLNGを生成する縦列冷却処理の簡略フロー図である。
【図1b】図1aのLNG設備と線A、B、及びCを介し接続された統合重質除去/NGL復元システムを示すフロー図である。
【図2a】図2bに示される線B、F、N、O、及びPと接続するLNG設備の特定部分を備えた、2以上の異なる市場の有意に異なる規格を満たすLNGを生成する縦列冷却処理の簡略フロー図である。
【図2b】図2aのLNG設備と線B、F、N、O、及びPを介し接続された統合重質除去/NGL復元システムを示すフロー図である。
【図3a】図3b、3c、3d、及び3eに示される線D、J、B、F、E、L、K、M、及びGと接続するLNG設備の特定部分を備えた、2以上の異なる市場の有意に異なる規格を満たすLNGを生成する縦列冷却処理の簡略フロー図である。
【図3b】図3aのLNG設備と線D、J、B、F、E、L、K、M、及びGを介し接続された統合重質除去/NGL復元システムを示すフロー図である。
【図3c】図3aのLNG設備と線D、J、B、F、E、L、K、M、及びGを介し接続された統合重質除去/NGL復元システムを示すフロー図である。
【図3d】図3aのLNG設備と線D、J、B、F、E、L、K、M、及びGを介し接続された統合重質除去/NGL復元システムを示すフロー図である。
【図3e】図3aのLNG設備と線D、J、B、F、E、L、K、M、及びGを介し接続された統合重質除去/NGL復元システムを示すフロー図である。
【図4a】図4bに示される線D、B、F、E、I、及びGと接続するLNG設備の特定部分を備えた、2以上の異なる市場の有意に異なる規格を満たすLNGを生成する縦列冷却処理の簡略フロー図である。
【図4b】図4aのLNG設備と線D、B、F、E、I、及びGを介し接続された統合重質除去/NGL復元システムを示すフロー図である。
【図5a】図5bに示される線D、B、F、E、及びGと接続するLNG設備の特定部分を備えた、2以上の異なる市場の有意に異なる規格を満たすLNGを生成する縦列冷却処理の簡略フロー図である。
【図5b】図5aのLNG設備と線D、B、F、E、及びGを介し接続された統合重質除去/NGL復元システムを示すフロー図である。
【図6a】図6bに示される線H、D、B、F、E、I、及びGと接続するLNG設備の特定部分を備えた、2以上の異なる市場の有意に異なる規格を満たすLNGを生成する縦列冷却処理の簡略フロー図である。
【図6b】図6aのLNG設備と線H、D、B、F、E、I、及びGを介し接続された統合重質除去/NGL復元システムを示すフロー図である。
【図7a】図7bに示される線H、D、B、F、E、及びGと接続するLNG設備の特定部分を備えた、2以上の異なる市場の有意に異なる規格を満たすLNGを生成する縦列冷却処理の簡略フロー図である。
【図7b】図7aのLNG設備と線H、D、B、F、E、及びGを介し接続された統合重質除去/NGL復元システムを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、天然ガスを当該天然ガスの液状化温度まで冷却しそれにより液化天然ガス(LNG)を生成するために用いられる処理/設備で実施され得る。LNG処理は一般的に1又は複数の冷却剤を利用し、天然ガスから熱を抽出し、そして周囲への熱を排除する。ある実施例では、LNG処理は、それぞれ異なる冷媒組成を利用する複数の多段冷却サイクルを用い天然ガス・ストリームを徐々に低温へ逐次冷却する縦列型冷却処理を利用する。別の実施例では、LNG処理は、少なくとも1つの混合冷媒を利用し天然ガス・ストリームを冷却する混合冷媒処理である。
【0016】
天然ガスは、約3400kPa乃至約20700kPa(約500乃至約3000ポンド/平方インチ絶対圧力(psia))、約3400kPa乃至約68000kPa、又は4140乃至5520kPa(約500乃至約1000psia、又は600乃至800psia)の範囲の高圧でLNG処理へ分配され得る。周囲温度に大きく依存して、LNG処理へ分配される天然ガスの温度は、一般に約−18℃乃至約82℃(約0乃至約180度F)、約−7℃乃至約66℃又は16℃乃至52℃(約20乃至約150度F又は60乃至125度F)の範囲であり得る。
【0017】
ある実施例では、本発明は、縦列型冷却及びそれに続く膨張式冷却を利用するLNG処理で実施され得る。このような液化処理では、縦列型冷却は高圧(例えば約650psia)で、それぞれ第1、第2、及び第3の冷媒を利用する第1、第2、及び第3の冷却サイクルを天然ガス・ストリームに逐次通過させることにより実行されて良い。ある実施例では、第1及び第2の冷却サイクルは閉冷却サイクルであり、第3の冷却サイクルは冷媒源として処理された天然ガスの一部を利用する開冷却サイクルである。第3の冷却サイクルは多段膨張サイクルを有し、処理された天然ガス・ストリームの追加冷却を提供し、及び当該天然ガス・ストリームの圧力を大気圧近くまで減少し得る。
【0018】
一連の第1、第2、及び第3の冷却サイクルでは、最高の沸点を有する冷媒が最初に利用され、続いて中間の沸点を有する冷媒が利用され、そして最後に最低の沸点を有する冷媒が利用される。ある実施例では、第1の冷媒は、大気圧で純粋なプロパンの沸点の約7、3、又は1.5℃(約20、約10、又は5度F)の範囲内の中間沸点を有する。第1の冷媒は、主にプロパン、プロピレン、又はそれらの混合を有し得る。第1の冷媒は、少なくとも約75モル・パーセントのプロパン、少なくとも90モル・パーセントのプロパンを有し得るか、又は基本的にプロパンから成って良い。ある実施例では、第2の冷媒は、大気圧で純粋なエチレンの沸点の約7、3、又は1.5℃(約20、約10、又は5度F)の範囲内の中間沸点を有する。第2の冷媒は、主にエタン、エチレン、又はそれらの混合を有し得る。第2の冷媒は、少なくとも約75モル・パーセントのエチレン、少なくとも90モル・パーセントのエチレンを有し得るか、又は基本的にエチレンから成り得る。ある実施例では、第3の冷媒は、大気圧で純粋なメタンの沸点の約7、3、又は1.5℃(約20、約10、又は5度F)の範囲内の中間沸点を有する。第3の冷媒は、少なくとも約50モル・パーセントのメタン、少なくとも約75モル・パーセントのメタン、少なくとも90モル・パーセントのメタンを有し得るか、又は基本的にメタンから成り得る。少なくとも約50、約75、又は95モル・パーセントの第3の冷媒は、処理された天然ガス・ストリームから作り出され得る。
【0019】
第1の冷却サイクルは、第1の冷媒を備えた間接熱交換により複数の冷却段/段階(例えば2乃至4個の冷却段)で天然ガスを冷却し得る。冷却サイクルの各間接冷却段は、別個の熱交換器で実行され得る。ある実施例では、ケトル型熱交換器が利用され、第1の冷却サイクルで間接熱交換を実現する。第1の冷却サイクルで冷却された後、天然ガスの温度は、約−43℃乃至約−33℃(約−45乃至約−10度F)、約−40℃乃至約−26℃又は−29℃乃至−34℃(約−40乃至約−15度F又は−20乃至−30度F)の範囲であり得る。第1の冷却サイクルに渡る天然ガスの標準的な温度低下は、約10℃乃至約99℃(約50乃至約210度F)、約24℃乃至約82℃又は38℃乃至60℃(約75乃至約180度F又は100乃至140度F)の範囲であり得る。
【0020】
第2の冷却サイクルは、第2の冷媒を備えた間接熱交換により複数の冷却段/段階(例えば2乃至4個の冷却段)で天然ガスを冷却し得る。ある実施例では、第2の冷却サイクルの間接熱交換冷却段は、別個のケトル型熱交換器を利用し得る。一般に、第2の冷却サイクルに渡る温度低下は、約10℃乃至約82℃、約24℃乃至約66℃、又は38℃乃至49℃(約50乃至約180度F、約75乃至約150度F、又は100乃至120度F)の範囲であり得る。第2の冷却サイクルの最終段では、処理された天然ガス・ストリームは大部分、望ましくは全体が凝縮(つまり液化)され、それにより加圧LNG関連ストリームを生成し得る。一般に、この時点の処理圧力は、第1の冷却サイクルの第1段へ供給される天然ガスの圧力より僅かに低いだけである。第2の冷却サイクルで冷却された後、天然ガスの温度は、約−132℃乃至約57℃(約−205乃至約−70度F)、約−115℃乃至約−71℃又は−96℃乃至−87℃(約−175乃至約−95度F又は−140乃至−125度F)の範囲であり得る。
【0021】
第3の冷却サイクルは、間接熱交換冷却部及び膨張式冷却部の両方を有し得る。間接熱交換を実現するため、第3の冷却サイクルは少なくとも1つのアルミニウムをろう付けしたプレートフィン型熱交換機を利用し得る。第3の冷却サイクルで間接熱交換により提供される冷却の総量は、約−15℃乃至約16℃、約−14℃乃至約10℃又は12℃乃至4℃(約5乃至約60度F、約7乃至約50度F又は10乃至40度F)の範囲であり得る。
【0022】
第3の冷却サイクルの膨張式冷却部は、加圧LNG関連ストリームを大気圧近くへの逐次減圧を介し更に冷却し得る。このような膨張式冷却は、LNG関連ストリームをフラッシュし、それにより2相の気液ストリームを生成することにより達成され得る。第3の冷却サイクルが開冷却サイクルである場合、膨張した2相ストリームは気液分離され、そして分離した気相(つまりフラッシュ・ガス)の少なくとも一部は第3の冷媒として利用され処理された天然ガス・ストリームの冷却を助ける。加圧LNG関連ストリームの大気圧近くへの膨張は、複数の膨張段階(つまり2乃至4個の膨張段階)を用いることにより達成され得る。ここで各膨張段階は膨張器を用いて実行される。適切な膨張器は、例えばジュール−トムソン膨張弁又は水圧膨張器のいずれかを含む。ある実施例では、第3の冷却サイクルは3個の逐次膨張冷却段階を利用し得る。各膨張段階の後に気液生成物の分離が続く。各膨張式冷却段階は、約−12℃乃至約16℃、約−9℃乃至約10℃又は−4℃乃至2℃(約10乃至約60度F、約15乃至約50度F又は25乃至35度F)の範囲でLNG関連ストリームを冷却し得る。第1の膨張段階に渡る減圧は、約552kPa乃至約2kPa、約896乃至約1724、又は1207乃至約1344kPa(約80乃至約300psia、約130乃至約250psia、又は175乃至195psia)の範囲であり得る。第2の膨張段階に渡る減圧は、約138乃至約758kPa、約276乃至約621kPa、又は379乃至483kPa(約20乃至約110psia、約40乃至約90psia、又は55乃至70psia)の範囲であり得る。第3の膨張段階は、約34乃至約345kPa、約69乃至約276kPa、又は103乃至207kPa(約5乃至約50psia、約10乃至約40psia、又は15乃至30psia)の範囲の量だけLNG関連ストリームの圧力を更に低下し得る。最終膨張段階により生じた液体部分は最終LNG生成物である。一般に、最終LNG生成物の温度は、約−129℃乃至約−184℃(約−200乃至約−300度F)、約−143℃乃至約−171℃(約−225乃至約−275度F)又は−151℃乃至−162℃(−240乃至−260度F)の範囲であり得る。最終LNG生成物の圧力は、約0乃至約276kPa(約0乃至約40psia)、約69乃至約138kPa(約10乃至約20psia)、又は86kPa乃至約121kPa(約12.5乃至約17.5psia)の範囲であり得る。
【0023】
LNG処理への天然ガス供給ストリームは、通常、第2の冷却サイクルの1又は複数の冷却段でC2+が豊富な液体の構成を生じるような量のC2+成分を含む。一般に、各冷却段の天然ガスの逐次冷却は、可能な限り多くのC及びより大きい分子量の炭化水素をガスから除去するよう制御され、それにより主にメタンの気体ストリーム並びに有意な量のエタン及びより重い成分を有する液体ストリームを生成する。この液体は、冷却段の下流の有利な位置で利用される気液分離を介し更に処理され得る。ある実施例では、気/液分離の1つの目的は、C5+物質の排除を最大化し、下流の処理装置での凍結を回避することである。気/液分離はまた、天然ガス生成物に残存し最終LNG生成物の特定の特徴に影響するC乃至C成分の量を変化するために利用されて良い。気液分離の正確な設定及び動作は、天然ガス供給ストリームのC2+組成、LNG生成物の所望のBTU含有量(つまり発熱量)、他の用途のためのC2+成分の値、及びLNG製造所及びガス製造所の当業者により通常考えられる他の因子のような多数のパラメーターに依存して良い。
【0024】
本発明のある実施例では、LNG処理は液体天然ガス(NGL)のLNG設備内への統合を含み得る。1つの設備内の2つの機能を統合することにより、LNG生成とNGL復元の効率を有意に向上し得る。更に、本発明は統合された重質除去/NGL復元システムを利用し得る。当該システムは、LNG生成物ストリームのBTU含有量(つまり高位発熱量(HHV))の迅速且つ経済的変化を可能にし、従って1つの設備により種々のLNG市場へ供給し得る。
【0025】
従って、本発明のある実施例では、異なる動作モードで動作され異なる生成物規格を満たすLNG及び/又はNGL生成物を生成するLNG設備が提供される。例えば、LNG設備は低BTUモードで動作され低BTU含有量(例えば950−1060BTU/SCF)を有するLNG生成物を生成し得るか、又は高BTUモードで動作され高BTU含有量(例えば1070−1160BTU/SCF)を有するLNG生成物を生成し得る。LNG設備はまた、異なる動作モードで動作され異なるNGL生成物を生成し得る。例えば、LNG設備はプロパン排除モードで動作され低プロパン含有量(例えば0−20モル・パーセント)を有するNGL生成物を生成し得るか、又はプロパン復元モードで動作され高プロパン含有量(例えば40−85モル・パーセント)を有するNGL生成物を生成し得る。
【0026】
LNG設備の異なる動作モードの間に生成されたLNGの平均高位発熱量(HHV)は、互いに15℃で少なくとも約373kJ/m(10BTU/SCF)、15℃で少なくとも約740kJ/m(20BTU/SCF)、又は15℃で少なくとも約1860kJ/m(50BTU/SCF)だけ異なり得る。更に、異なる動作モードにより生成されたLNG生成物の平均HHVは、異なる動作モードで少なくとも約1パーセント、少なくとも3パーセント、又は少なくとも5パーセントだけ変化し得る。ある実施例では、異なる動作モードの間に生成されたNGLの平均プロパン含有量の差は、少なくとも約1モル・パーセント、少なくとも2モル・パーセント、又は少なくとも5モル・パーセントであり得る。本願明細書で議論される異なる動作モードは定常状態の動作モードであり、LNG設備の始動及び停止の間の動作ではない。ある実施例では、異なる定常状態動作モードのそれぞれは、少なくとも1週間、少なくとも2週間、又は少なくとも4週間の時間期間に渡り実行される(標準的に始動又は停止に要求される短い時間期間とは対照的である)。
【0027】
従来のLNG製造所で生成されたLNGのHHVは、供給組成の変化及び/又は周囲条件の変化により長い時間期間に渡り僅かに変化し得ることが知られている。しかしながら、ある実施例では、本発明はLNG生成物のHHV値及び/又はNGL生成物のプロパン含有量の比較的大きく速い調整を可能にする。LNG生成物のHHV値及び/又はNGL生成物のプロパン含有量の比較的大きく速い調整を達成するために、LNG設備は1週間より少ない、3日より少ない、1日より少ない、又は12時間より少ない時間期間に渡る異なる動作モード間で遷移し得る。本発明の実施例によると、LNGの生成は異なる動作モード間を遷移する間に停止しない。代わりに、LNG設備は、設備の停止を要求することなく、ある定常状態動作モードから別の定常状態動作モードへ迅速に遷移され得る。
【0028】
LNG設備を第1の動作モードから第2の動作モードへ遷移するために、LNG設備の1又は複数の動作パラメーターが調整され得る。LNG設備を異なる動作モード間で遷移するために調整される動作パラメーターは、LNG設備の非供給動作パラメーターであり得る(つまり動作モード間の遷移はLNG設備への供給の組成を調整することにより引き起こされない)。例えば、LNG設備が、蒸留塔を利用し処理された天然ガスを比揮発度に基づき異なる成分に分離する重質除去/NGL復元システムを有する場合、LNG設備を異なる動作モード間で遷移するために調整される動作パラメーターは、蒸留塔の動作パラメーターであり得る。このような蒸留塔の動作パラメーターは、例えば塔の供給組成、塔の供給温度、塔の塔頂圧力、還流ストリームの流速、還流ストリームの組成、還流ストリームの温度、ストリッピング・ガスの流速、ストリッピング・ガスの組成、及びストリッピング・ガスの温度を有して良い。
【0029】
ある実施例では、LNG設備の重質除去/NGL復元システムは、2つの塔構成を利用し得る。このようなシステムは、第1の蒸留塔(例えば重質除去塔)及び第2の蒸留塔(例えば脱メタン装置、脱エタン装置、又は脱プロパン装置)を有し得る。重液は濃縮され重質除去塔の底から除去され得、その後第2の蒸留塔へ送られ得る。第2の塔は、底部生成物を安定させ、より軽い成分を塔頂へ送り、最終的にLNG生成物にするよう動作され得る。ある実施例によると、蒸留塔は、塔頂に十分に重い物質のみを生成し所望のLNG BTU含有量を提供し及び不要な軽質成分を除去することにより底部ストリームを安定化する方法で動作される。このような2塔構成では、蒸留塔の1つ又は両方の1又は複数の動作パラメーターは、LNG設備を異なる動作モード間で遷移するために調整され得る。LNG設備を異なる動作モード間で遷移するために調整され得る種々の動作パラメーターは、図1乃至7を参照して以下に詳細に議論される。
【0030】
本発明に従い動作可能なLNG設備は種々の構成を有し得る。図1乃至7に示されるフロー図及び装置は、LNG生成物を異なる規格を有する2以上の市場へ効率的に供給可能な本発明のLNG設備のいくつかの実施例を表す。図1b、2b、3b、3c、3d、3e、4b、5b、6b、及び7bは、本発明のLNG設備の統合型重質除去/NGL復元システムの種々の実施例を示す。当業者は、図1乃至7が説明のためであり、従って簡単のため、商用工場の通常運用に必要な設備の多くの要素が省略されていることを理解するだろう。このような要素は、例えば圧縮器制御装置、流れ及びレベル測定並びに対応する制御装置、温度及び圧力制御装置、ポンプ、モーター、フィルター、追加熱交換器、及びバルブ等を有し得る。これらの要素は、標準的な技術的手法に従い設けられ得る。
【0031】
図1乃至7の理解を助けるため、以下の表1は、図1a乃至7bに示された実施例の容器、装置、及び導管を示すために利用される数字の命名法の概要を提供する。
[表1]
【0032】
【表1】

図1乃至7に示された本発明のLNG設備は、天然ガスを当該天然ガスの液状化温度まで、膨張式冷却と組み合わせた縦列型冷却を用い冷却する。縦列型冷却は、3個の機械冷却サイクル、つまりプロパン冷却サイクル、次にエチレン冷却サイクル、次にメタン冷却サイクルにより実行される。メタン冷却サイクルは、熱交換冷却部及びそれに続く膨張式冷却部を有する。図1乃至7のLNG設備はまた、重質除去/NGL復元システムをプロパン冷却サイクルの下流に有し、重質炭化水素成分を処理された天然ガスから除去し及び結果としてNGLを復元する。
【0033】
図1a及び1bは、本発明のLNG設備のある実施例を示す。図1aのシステムは、天然ガスを当該天然ガスの液状化温度まで、以下に詳細に記載される膨張式冷却部と組み合わせられた3個の機械冷却段階を介し逐次冷却する。図1bは、重質除去/NGL復元システムのある実施例を示す。線A、B、及びCは、図1bに示された重質除去/NGL復元システムが図1aのLNG設備にどのように統合されるかを示す。本発明のある実施例によると、LNG設備は、NGL生成物のプロパン及び重成分の回復(本願明細書では「C3+復元」としても参照される)を最大化する方法で動作され得る。
【0034】
図1aに示されるように、プロパン冷却サイクルの主要構成要素は、プロパン圧縮器10、プロパン冷却器12、高段プロパン深冷器14、中段プロパン深冷器16、及び低段プロパン深冷器18を有する。エチレン冷却サイクルの主要構成要素は、エチレン圧縮器20、エチレン冷却器22、高段エチレン深冷器24、中段エチレン深冷器26、低段エチレン深冷器/凝縮器28、及びエチレン節減器30を有する。メタン冷却サイクルの間接熱交換部分の主要構成要素は、メタン圧縮器32、メタン冷却器34、主メタン節減器36、及び2次メタン節減器38を有する。メタン冷却サイクルの膨張式冷却部の主要構成要素は、高段メタン膨張器40、高段メタン・フラッシュ・ドラム42、中段メタン膨張器44、中段メタン・フラッシュ・ドラム46、低段メタン膨張器48、及び低段メタン・フラッシュ・ドラム50を有する。
【0035】
図1aに示されたLNG設備の動作は、プロパン冷却サイクルから以下に詳細に説明される。プロパンは、例えばガス・タービン駆動装置(示されない)により駆動される多段(例えば3段)プロパン圧縮器10で圧縮される。3段の圧縮は、望ましくは単一装置内に存在する。しかしながら、各圧縮段は、別個の装置及び単一の駆動装置により駆動されるよう機械的に結合された装置であって良い。圧縮されると、プロパンは導管300を通じてプロパン冷却器12へ渡され、外部流体(例えば空気又は水)との間接熱交換を介し冷却及び液化される。既存のプロパン冷却器12の液化プロパン冷媒の代表的な圧力及び温度は、約38℃(100度F)及び約1310kPa(約190psia)である。プロパン冷却器12からのストリームは導管302を通じて膨張バルブ56として示される減圧手段へ渡される。液化プロパンの圧力は減少され、それにより当該液化プロパンの一部を蒸発又はフラッシュさせる。結果として生じた2相生成物は次に、導管304を通じて高段プロパン深冷器14へ流れ込む。高段プロパン深冷器14は、到来するガス・ストリームを冷却する。到来するガス・ストリームは、それぞれ間接熱交換手段4、6、及び8を介する導管152内の再利用ストリーム、導管100内の天然ガス供給ストリーム、及び導管202内のエチレン冷媒再利用ストリームを含む。冷却されたメタン冷媒ガスは導管154を通じ高段プロパン深冷器14を出て、そして以下により詳細に議論される主メタン節減装置36へ供給される。
【0036】
高段プロパン深冷器14からの冷却された天然ガス・ストリームはまた、本願明細書ではメタンの豊富なストリームとしても参照され、導管102を介し別個の容器58へ流れ、気相及び液相が分離される。C3+成分の多い液相は、導管303を介し除去される。気相は導管104を介し除去され、そして中段プロパン深冷器16へ供給される。そしてストリームは間接熱交換手段62を介し冷却される。結果として生じた気体/液体ストリームは次に、導管112を介し低段プロパン深冷器18へ送られ、間接熱交換手段64により冷却される。冷却されたメタンの豊富なストリームは次に導管114を通じて流れ、そして以下に更に詳細に議論される高段エチレン深冷器24へ入る。
【0037】
高段プロパン深冷機14からのプロパン・ガスは、導管306を介しプロパン圧縮器10の高段吸気ポートへ戻される。残液プロパンは、導管308を介し、膨張バルブ72として示される減圧手段を通過し、液化プロパンの追加部分がフラッシュ又は蒸発される。結果として生じた冷却された2相ストリームは、導管310を介し中段プロパン深冷器16へ入り、それにより深冷器16に冷却剤を供給する。プロパン冷媒の気体部分は導管312を介し中段プロパン深冷器16を出て、そしてプロパン圧縮器10の中段吸気ポートへ供給される。液体部分は中段プロパン深冷器16から導管314を通じて流れ、膨張バルブ73として示される減圧手段を通過し、プロパン冷媒ストリームの一部が気化される。結果として生じた気体/液体ストリームは次に導管316を介し低段プロパン深冷器18に入り、ストリームは冷却剤として動作する。気化したプロパン冷媒ストリームは次に、導管318を介し低段プロパン深冷器18を出て、そしてプロパン圧縮器10の低段吸気ポートへ送られ、圧縮され、そして前述のプロパン冷却サイクルを通じて再利用される。
【0038】
前述のように、導管202内のエチレン冷媒ストリームは、高段プロパン深冷器14内で間接熱交換手段8を介し冷却される。冷却されたエチレン冷媒ストリームは次に、導管204を介し高段プロパン深冷器14を出る。部分的に凝縮されたストリームは中段プロパン深冷器16へ入り、間接熱交換手段66により更に冷却される。2相エチレン・ストリームは次に、導管206を介し低段プロパン深冷器18へ送られる。そしてストリームは間接熱交換手段68により全て凝縮されるか又はほぼ全体を凝縮される。エチレン冷媒ストリームは次に導管208を介し別個の容器70へ供給され、気体部分がある場合、気体部分は導管210を介し除去される。液体エチレン冷媒は次に、導管212を介しエチレン節減器30へ供給される。エチレン冷媒は、処理のこの位置で、一般的に約−31℃(約−24度F)の温度及び約285psiaの圧力である。
【0039】
図1aに示されたエチレン冷却サイクルを検討する。導管212内のエチレンはエチレン節減器30に入り、そして間接熱交換手段75を介し冷却される。サブクール液体エチレン・ストリームは導管214を介し膨張バルブ74として示される減圧手段を通過し、そしてストリームの一部がフラッシュされる。冷却された気体/液体ストリームは次に、導管215を通じ高段エチレン深冷器24に入る。導管114を介し低段プロパン深冷器18を出るメタンの豊富なストリームは、高段エチレン深冷器24に入り、間接熱交換手段82を介し更に凝縮される。冷却されたメタンの豊富なストリームは導管116を介し高段エチレン深冷器24を出て、ストリームの一部は導管Bを介し図1bの処理の重質除去/NGL復元システムへ送られる。図1bの詳細は以下で議論される。残りの冷却されたメタンの豊富なストリームは、中段エチレン深冷器26へ入る。
【0040】
エチレン冷媒気体は導管216を介し高段エチレン深冷器24を出て、そしてエチレン節減器30へ戻され、間接熱交換手段76を介し温められ、そして続いて導管218を介しエチレン圧縮器20の高段吸気ポートへ供給される。エチレン冷媒ストリームの液体部分は導管220を介し高段エチレン深冷器24を出て、そして次にエチレン節減器30の間接熱交換手段78で更に冷却される。結果として生じた冷却されたエチレン・ストリームは、導管222を介し、膨張バルブ80として示される減圧手段を通過し、エチレンの一部がフラッシュされる。
【0041】
高段エチレン深冷器24と同様の方法で、2相冷媒ストリームは導管224を介し中段エチレン深冷器26に入り、間接熱交換手段84を通じて流れる天然ガス・ストリームの冷却剤として動作する。導管Aを介し中段エチレン深冷器24を出る冷却されたメタンの豊富なストリームは、全体に凝縮されるか又はほぼ全体に凝縮される。ストリームは次に、後述される図1bの処理の重質除去/NGL復元システムへ送られる。
【0042】
エチレン冷媒ストリームの気体及び液体部分は、それぞれ導管226及び228を介し中段エチレン深冷器26を出る。導管226内の気体のストリームは、導管238内の未だ記載されていないエチレン気体ストリームと混合される。混合されたエチレン冷媒ストリームは導管238を介しエチレン節減器30に入り、間接熱交換手段86により温められ、そして導管230を介しエチレン圧縮器20の低段吸気ポートへ供給される。エチレン圧縮器20の低段からの流出物は、中段冷却器88へ送られ冷却され、そしてエチレン圧縮器20の高段ポートへ戻される。望ましくは2つの圧縮段は単一のモジュールであるが、それらはそれぞれ別個のモジュールであって良い。また当該モジュールは共通の駆動装置と機械的に結合されて良い。圧縮されたエチレン生成物は導管236を介しエチレン冷却器22へ流れ、外部流体(例えば空気又は水)との間接熱交換を介し冷却される。結果として生じた凝縮されたエチレン・ストリームは次に、前述の追加冷却のために導管202を介し高段プロパン深冷器14へ導入される。
【0043】
中段エチレン深冷器26からの導管228内のエチレン冷媒ストリームの液体部分は、低段エチレン深冷器/凝縮器28に入り、そして導管120内のメタンの豊富なストリームを間接熱交換手段90を介し冷却する。導管120内のストリームは、導管Cの処理の重質除去/NGL復元システムからの重質を除去された(つまり軽質炭化水素の豊富な)ストリームと導管158内の再利用メタン冷媒ストリームとの組み合わせである。上述のように、重質除去/NGL復元システムの詳細は以下に更に詳細に記載される。低段エチレン深冷器/凝縮器28からの気化エチレン冷媒は導管238を介して流れ、そして導管226内の中段エチレン深冷器からのエチレン気体と交わる。混合されたエチレン冷媒気体ストリームは次に、上述のエチレン節減器30内の間接熱交換手段86により熱せられる。導管122を介しエチレン冷却サイクルを出る加圧されたLNG関連ストリームは、約−123℃乃至約−46℃、約−115℃乃至約−73℃、又は−101℃乃至−87℃(約−200乃至約−50度F、約−175乃至約−100度F、又は−150乃至−125度F)の範囲の温度、及び約3450kPa乃至約4830kPa、又は3790kPa乃至5000kPa(約500乃至約700psia、又は500乃至725psia)の圧力であり得る。
【0044】
加圧されたLNG関連ストリームは次に主メタン節減器36へ送られ、間接熱交換手段92により更に冷却される。ストリームは導管124を通じて出て、メタン冷却サイクルの膨張式冷却部に入る。液化されたメタンの豊富なストリームは次に、高段メタン膨張器40として示される減圧手段を通過し、ストリームの一部が気化される。結果として生じた2相生成物は、高段メタン・フラッシュ・ドラム42へ導管163を介して入り、そして気相及び液相が分離される。高段メタン・フラッシュ・ガスは、導管155を介し主メタン節減器36へ輸送され、間接熱交換手段93を介し加熱され、そして導管168を介し主メタン節減器36を出て、メタン圧縮機32の高段吸気ポートに入る。
【0045】
高段フラッシュ・ドラム42からの液体生成物は、導管166を介し2次メタン節減器38に入り、ストリームは間接熱交換手段39を介し冷却される。結果として生じた冷却されたストリームは導管170を介し、中段メタン膨張器44として示される減圧手段を通過し、液化メタン・ストリームの一部が気化される。結果として生じた導管172内の2相ストリームは次に、中段メタン・フラッシュ・ドラム46に入り、気相及び液相が分離され、そしてそれぞれ導管176及び178を介して出る。気体部分は2次メタン節減器38に入り、間接熱交換手段41により加熱され、そして次に導管188を介し主メタン節減器36へ再び入る。ストリームは、導管190を介しメタン圧縮器32の中段吸気ポートに供給される前に、間接熱交換手段95により更に加熱される。
【0046】
中段メタン・フラッシュ・ドラム46の底部からの液体生成物は次に、導管176を介し膨張式冷却部の最終段に入り、低段メタン膨張器48として示される減圧手段を通じて送られ、液体ストリームの一部が気化される。冷却された混合相生成物は、導管186を介し低段メタン・フラッシュ・ドラム50へ送られ、気体部分及び液体部分が分離される。LNG生成物はほぼ大気圧であり、導管198を介し低段メタン・フラッシュ・ドラム50を出て、そしてLNG貯蔵容器99により示される貯蔵室へ送られる。
【0047】
図1aにより示されるように、気体ストリームは導管196を介し低段メタン・フラッシュ・ドラム50を出て、そして2次メタン節減器38に入り、間接熱交換手段43を介して加熱される。ストリームは次に導管180を介し主メタン節減器36へ進み、間接熱交換手段97により更に冷却される。気体は次に導管182を介しメタン圧縮器32の中段吸気ポートに入る。メタン圧縮器32の低段からの流出物は、中段冷却器29へ送られ冷却され、そしてメタン圧縮器32の中段ポートへ戻される。同様に、中段のメタン気体は、中段冷却器31へ送られ冷却され、そしてメタン圧縮器32の高段吸気ポートへ戻される。望ましくは3つの圧縮段は単一のモジュールであるが、それらはそれぞれ別個のモジュールであって良い。また当該モジュールは共通の駆動装置と機械的に結合されて良い。結果として生じた圧縮されたメタン生成物は、外部流体(例えば空気又は水)との間接熱交換のために導管192を介しエチレン冷却器34へ流れる。冷却器34の生成物は次に、前述の追加冷却のために導管152を介し高段プロパン深冷器14へ導入される。
【0048】
前述のように、高段プロパン深冷器14からの導管154内のメタン冷媒ストリームは、主メタン節減器36に入る。ストリームは次に間接熱交換手段98を介し更に冷却される。結果として生じたメタン冷媒ストリームは導管158を介し流れ、そして上述のように導管120を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28へ入る前に、導管C内の重質を除去された気体ストリームと混合される。
【0049】
図1bは、本発明のLNG設備の重質除去/NGL復元システムのある実施例を示す。図1bに示されたシステムの主要構成要素は、第1の蒸留塔452、第2の蒸留塔454、及び節減熱交換器402を有する。ある実施例では、第1の蒸留塔452は脱メタン装置として動作され、第2の蒸留塔454は脱エタン装置として動作される。本発明のある実施例によると、第1の蒸留塔452への還流ストリームは主にエタンを有する。
【0050】
図1bに示された重質除去/NGL復元システムの動作は以下に更に詳細に記載される。導管B内の部分的に気化されたメタンの豊富なストリームは節減熱交換器402に入り、間接熱交換手段404を介し更に凝縮される。冷却されたストリームは導管453を介し節減熱交換器402を出て、導管A内のストリームと混合される。結果として生じたストリームは次に第1の蒸留塔の供給分離容器406に入り、気相と液相が分離される。気体成分は導管455を介し除去され、次にターボ膨張器408として示される減圧手段を通過し、結果として2相ストリームが導管456を介し第1の蒸留塔452へ供給される。導管458を介し第1の蒸留塔の供給分離容器406を出る液相は、膨張バルブ410として示される減圧手段を通過し、ストリームの一部が気化される。結果として生じた気/液ストリームは導管460を介し第1の蒸留塔452内へ導入される。
【0051】
主にメタンの塔頂生成物は導管462を介し第1の蒸留塔452を出て、望ましくはフロー制御バルブである圧力制御手段412を通過し、そして導管Cを介し液化段へ再び入る。
【0052】
図1bに示されるように、サイド・ストリームは導管464を介し第1の蒸留塔452から引き出され、節減熱交換器402へ送られ、間接熱交換手段414により液体が加熱(再沸騰)される。結果として生じた部分的に気化されたストリームは、導管466を介し第1の蒸留塔452へ輸送され、ストリッピング・ガスとして利用される。ストリッピング・ガスは、標準的にストリッピング・ガスの不在のために液体生成物のままであり得る塔内の重質炭化水素成分の一部にエネルギーを与え気化する。ストリッピング・ガスは、例えば発熱量のような最終LNG生成物の特性を整然と調整する能力を最終的にもたらす第1の蒸留塔452内の軽質及び重質成分の分離をより正確に制御可能にする。
【0053】
図1bに示されるように、第1の蒸留塔452からの底部液体生成物は導管468を介し出て、膨張バルブ416として示される減圧手段を通過し、ストリームの一部が気化される。結果として生じた膨張バルブ416からの2相ストリームは次に、導管470を介し第2の蒸留塔454へ供給される。ストリームは第2の蒸留塔454の塔頂及び底部のポートの間のポートから導管472を介し引き出され、加熱器418へ送られる。そしてストリームは外部流体(例えばストリーム又は他の熱伝導流体)との間接熱交換により部分的に気化(再沸騰)される。結果として生じた気体ストリームは、導管474を介し第2の蒸留塔454へストリッピング・ガスとして戻される。結果として生じた液体ストリームは導管476を介し間接熱交換器418から除去され、その後、導管478内の第2の蒸留塔454からの液体底部生成物と混合される。この混合されたストリームは復元されたNGL生成物であり、貯蔵又は更なる処理のために導管480を介し送られる。
【0054】
第2の蒸留塔454の塔頂気体生成物は導管482を介し、望ましくはフロー制御バルブである圧力制御手段420を通過し、導管483を介し節減熱交換器402へ流れる。ストリームは間接熱交換手段422を介し冷却され部分的に凝縮される。この2相ストリームは次に導管486を介し第2の蒸留塔の還流分離容器424を通り、気相と液相が分離される。液体ストリームは導管488を介し第2の蒸留塔454へ還流して戻される。気体ストリームは導管490を通過し、節減熱交換器402に入る。そして気体は間接熱交換手段426を介し冷却され部分的に凝縮される。ストリームは導管492を介し節減熱交換器402を出て、冷却器428へ送られ、間接熱交換を介し更に冷却され凝縮され、望ましくは全体に凝縮される。冷却器428は外部冷却器であり得るか、又は図1aに示された深冷器の1つ(例えばエチレン深冷器28)の中の通路であり得る。結果として生じた凝縮されたストリームは、導管494を介し第1の蒸留塔の分離容器430へ入り、その後、導管496を介し還流ポンプ432へ輸送される。サブクール液体ストリームは次に導管498を介し還流ポンプ432から還流として第1の蒸留塔452へ放出される。
【0055】
一般に、最終LNG生成物の特性は、例えば処理容器の温度若しくは圧力、又は当該処理容器に関連するストリームの温度、圧力、フロー、若しくは組成のような1又は複数の主要処理パラメーターを操作することにより、2以上の市場の異なる規格を満たすよう変更され得る。このような関連したストリームは、例えば塔の還流ストリーム、塔のストリッピング・ガス・ストリーム、及び塔の供給ストリームを含む。処理変数への変化に影響を与えるため、関連する処理装置の設定は変更されて良い。例えば、利用される装置の数、配置、動作、及び/又は種類が変更され所望の結果を達成して良い。
【0056】
本発明のある実施例によると、LNG生成物の高位発熱量(HHV)は図1bに示されたシステムの1又は複数の動作パラメーターを変化することにより調整され得る。例えば、低位発熱量のLNGを生成するために、塔452及び/又は454の動作パラメーターに以下の調整が行われ得る。つまり(1)第1の蒸留塔452への供給ストリーム456及び/又は460に含まれるC2+成分の量を低下する、(2)第1の蒸留塔454への供給ストリーム456、460の温度を低下する、(3)第1の蒸留塔452への還流ストリーム498の流速を増大する、(4)第1の蒸留塔452への還流ストリーム498の温度を低下する、(5)第1の蒸留塔452への還流ストリーム498に含まれるC2+成分の量を増大する、(6)第1の蒸留塔452へのストリッピング・ガス・ストリーム466の流速を低下する、(7)第1の蒸留塔452へのストリッピング・ガス・ストリーム466の温度を低下する、(8)第1の蒸留塔452の塔頂圧力を増大する、(9)第2の蒸留塔454への供給ストリーム470に含まれるC3+成分の量を低下する、(10)第2の蒸留塔454への供給ストリーム470の温度を低下する、(11)第2の蒸留塔454への還流ストリーム488の流速を増大する、(12)第2の蒸留塔454への還流ストリーム488の温度を低下する、(13)第2の蒸留塔454への再沸騰ストリーム474の流速を低下する、(14)第2の蒸留塔454への再沸騰ストリーム474の温度を低下する、及び(15)第2の蒸留塔454の塔頂圧力を増大する、である。
【0057】
上記の(1)乃至(15)の調整に影響を与える多くの方法が存在する。例えば、第1の蒸留塔452への供給ストリーム456及び/又は460に含まれるC2+成分の量は、追加上流分離技術を用い調整され得る。例えば、第1の蒸留塔452への供給ストリーム456、460の温度は、熱交換器402又は他の上流熱交換器内の流速を調整することにより、少なくとも約0.5℃又は少なくとも1.5℃(約1度F又は少なくとも3度F)だけ低下され得る。例えば、第1の蒸留塔452への還流ストリーム498の流速は、熱交換器402(通路422)内の、第2の蒸留塔454の塔頂ストリーム149を更に冷却することにより増大され得る。例えば、第1の蒸留塔452への還流ストリーム498の温度は、熱交換器402(通路426)又は熱交換器428内で更に冷却することにより、少なくとも5度Fだけ低下され得る。例えば、第1の蒸留塔452への還流ストリーム498に含まれるC2+成分の量は、第2の蒸留塔454の動作を変更することにより少なくとも10モル・パーセントだけ増大され得る。例えば、第1の蒸留塔452へのストリッピング・ガス・ストリーム466の流速は、制御バルブ(示されない)を介し低下され得る。例えば、第1の蒸留塔452へのストリッピング・ガス・ストリーム466の温度は、熱交換器402(通路414)内により少ない加熱を提供することにより、少なくとも5度Fだけ低下され得る。例えば、第1の蒸留塔452の塔頂圧力は、バルブ412を介し線462内の塔頂フローを制限することにより増大され得る。例えば、第2の蒸留塔454への供給ストリーム470に含まれるC3+成分の量は、追加分離手段を含むか、又は塔452と454との間のメタンの豊富なストリームを混合することにより低下され得る。例えば、第2の蒸留塔454への供給ストリーム470の温度は、導管470内のストリームに追加冷却を提供することにより低下され得る。例えば、第2の蒸留塔454への還流ストリーム488の流速は、熱交換器402(通路422)内の第2の蒸留塔454の塔頂ストリーム482へより多くの冷却を提供することにより増大され得る。例えば、第2の蒸留塔454への還流ストリーム488の温度は、熱交換器402(通路422)内の第2の蒸留塔454の塔頂ストリーム482へより多くの冷却を提供することにより低下され得る。例えば、第2の蒸留塔454への再沸騰ストリーム472の流速は、第2の蒸留塔454の再沸騰器内で行われる熱伝導の量を減少することにより低下され得る。例えば、第2の蒸留塔454への再沸騰ストリーム472の温度は、第2の蒸留塔454の再沸騰器内で行われる熱伝導の量を減少することにより低下され得る。例えば、第2の蒸留塔454の塔頂圧力は、バルブ420を介し線482内の塔頂フローを制限することにより増大され得る。
【0058】
図1a及び1bのLNG設備からのLNG生成物のHHVは上述の1又は複数の動作の逆を実行することにより増大され得ることが理解される。
【0059】
以下の表2は、図1bから選択されたストリームの種々の特性の広範囲及び狭範囲の概要を提供する。
[表2]
【0060】
【表2】

図2a及び2bは、本発明の、有意に異なる生成物規格を満たすLNG生成物を効率的に供給可能なLNG設備の別の実施例を示す。図2bは、本発明の重質除去/NGL復元システムのある実施例を示す。線B、F、N、O及びPは、図2aに示された液状化部が図2bに示されたLNG設備の重物質除去/NGL復元システムにどのように統合されるかを示す。本発明のある実施例によると、LNG設備は、NGL生成物のC3+復元を最大化するように設定され動作されて良い。
【0061】
図2aにより示された液状化段のプロパン及びエチレン冷却サイクルの主要構成要素は、図1aに対し前述された構成要素と同様に番号付けされる。更に、図2aのメタン冷却サイクルは再利用圧縮器31を利用する。
【0062】
図2aに示されたLNG設備の動作は、図1aに関し前述された動作と異なるので、以下に詳細に記載される。図2aでは、冷却されたメタンの豊富なストリームは、導管114を介し低段プロパン深冷器18を出る。ストリームは次に高段エチレン深冷器24へ入り、間接熱交換手段82により更に冷却される。結果として生じたメタンの豊富なストリームは導管Bを介し中段エチレン深冷器24を出て、図2bに示された重質除去/NGL復元システムへ送られ、以下に詳細に記載されるように追加処理を行われる。
【0063】
メタンの豊富なストリームは次に、導管Fを介し未だ記載されていない図2bの重質除去/NGL復元システムから図2aの中段エチレン深冷器26に入る。ストリームは次に中段エチレン深冷器26内で間接熱交換手段84を介し更に冷却される。サブクール液体ストリームは中段エチレン深冷器26を出て、導管158を介し主メタン節減器36を出る液体メタン冷媒と混合する。混合されたストリームは導管120を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28へ送られ、間接熱交換手段90により冷却される。メタンの豊富なストリームの冷却に加え、低段エチレン深冷器28はまた、図2bの導管Nからの未だ議論されていないストリームに対し間接熱交換手段91を介し凝縮器として動作する。図2aの加圧されたLNG関連ストリームは、導管122を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28を出て、上述のメタン冷却サイクルの間接熱交換段及び膨張冷却段を通じて進む。結果として生じた最終膨張段からの液体はLNG生成物である。
【0064】
図2aのメタン冷却サイクルでは、重質除去/NGL復元システムからの未だ議論されていないストリームは、導管Pを介し主メタン節減器36に入る。そしてストリームは間接熱交換手段81を介し冷却される。結果として生じたストリームは次に、導管191を介し再利用圧縮器31へ送られる。圧縮された流出物は導管193を介し進み、高段プロパン深冷器14の排気口からの導管154内のメタン冷媒再利用ストリームと混合する。合成ストリームは次に主メタン節減器36に入り、間接熱交換手段98を介し冷却される。ストリームは次に導管158を介し再利用され、上述のように中段エチレン深冷器26を出るメタンの豊富なストリームと交わる。全体のストリームは次に導管120を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28に入り、図1aと関連して前述されたように処理段階を通じて進む。
【0065】
図2bを検討する。本発明のLNG設備の重質除去/NGL復元システムの別の実施例が示される。図2bのシステムの主要構成要素は、第1の蒸留塔552、第2の蒸留塔554、節減熱交換器502、膨張器504、及び供給サージ容器506を含む。本発明のある実施例によると、第1の蒸留塔552は脱メタン装置として動作され、第2の蒸留塔554は脱エタン装置として動作され得る。本発明のLNG設備のある実施例では、第1の蒸留塔552は主にメタンのストリームで還流され得る。
【0066】
図2bに示された本発明のLNG設備の重質除去/NGL復元システムの動作は以下に更に詳細に記載される。高段エチレン深冷器24からの部分的に凝縮された流出物は前述のように図2aの導管Bへ流れ、そして次に図2bの供給サージ容器506に入り、気体と液体が分離される。気体部分は導管520を介し第1の蒸留塔の供給膨張器504に入り、ストリームの一部が凝縮される。冷却された気/液ストリームは導管524を介し第1の蒸留塔552の下部近くに供給される。図2bの第1の蒸留塔552の塔頂部からの気体生成物は、前述のように導管Fを介し図2aの中段エチレン深冷器26の吸気へ送られる。主にメタンのストリームは次に冷却され、最終的に最終LNG生成物になる。
【0067】
液体ストリームは導管522を介し供給サージ容器506を出て、導管526内の第1の蒸留塔552の底部からの液体生成物と混合する。合成ストリームは導管528を介し節減熱交換器502へ進み、間接熱交換手段514を介し加熱される。結果として生じたストリームは導管530を介し第2の蒸留塔554へ供給される。第2の蒸留塔554の底部からの液体生成物は、最終NGL生成物である。図2bでは、NGL生成物は更なる処理又は貯蔵のために導管550を介し送られる。
【0068】
ストリームは第2の蒸留塔554の側方ポートから導管540を介し引き出される。ストリームは加熱器512に入り、外部流体(例えばストリーム又は熱伝導流体)との間接熱交換を介し加熱(再沸騰)される。結果として生じた気体は、導管542を介し第2の蒸留塔554へ戻され、ストリッピング・ガスとして利用される。第2の蒸留塔554の塔頂部からの気体ストリームは、導管532を介し節減熱交換器502へ進み、間接熱交換手段516を介し部分的に凝縮される。結果として生じた部分的に液化されたストリームは導管534を介し第2の蒸留塔の塔頂サージ容器508へ送られ、気体と液体が分離される。
【0069】
気体ストリームは図2bの導管Pを介し塔頂サージ容器508を出て、図2aの主メタン節減器36に入る。ストリームは冷却され、圧縮され、そして前述のように低段エチレン深冷器/凝縮器28の吸気へ再利用され戻される。図2bに示されるように、第2の蒸留塔の分離容器508からの液相は、導管536を介し還流ポンプ510の吸入に入る。還流ポンプ510の放出の一部は、導管538を介し還流として第2の蒸留塔554へ送られる。残りのストリームは、図2bの導管Nを介し、前述のように図2aの低段エチレン深冷器/凝縮器28の吸気へ送られる。図2aに示されるように、ストリームの一部は低段エチレン深冷器/凝縮器28に入り、間接熱交換手段91を介し冷却される。冷却されたストリームは、導管Oを介し低段エチレン深冷器を出る。導管O内のストリームの温度を制御する目的で、導管N内の液体の部分はバルブ125により制御されるよう導管121を介し低段エチレン深冷器をバイパスし得る。例えば、導管O内のストリームの温度を低下するため、バルブ125は閉じられ導管121を通じるフローを減少し、それにより、より多くのストリームが低段エチレン深冷器/凝縮器28により冷却できる。結果として生じた導管O内のストリームは次に第1の蒸留塔552へ還流として送られる。
【0070】
本発明のある実施例によると、LNG生成物の発熱量は図2bに示されたシステムの1又は複数の動作パラメーターを変化することにより調整され得る。例えば、低位発熱量のLNGを生成するために、蒸留塔552及び/又は554の動作パラメーターに対し1又は複数の以下の調整が行われ得る。つまり(1)第1の蒸留塔552への供給ストリーム524の温度を低下する、(2)第1の蒸留塔552への還流ストリームOの流速を増大する、(3)第1の蒸留塔552への還流ストリームOの温度を低下する、(4)第1の蒸留塔552の塔頂圧力を増大する、(5)第2の蒸留塔554への供給ストリーム530の温度を低下する、(6)第2の蒸留塔554への還流ストリーム538の流速を増大する、(7)第2の蒸留塔554への還流ストリーム538の温度を低下する、(8)第2の蒸留塔554へのストリッピング・ガス542の流速を低下する、(9)第2の蒸留塔554へのストリッピング・ガス542の温度を低下する、及び(10)第2の蒸留塔554の塔頂圧力を増大する、である。
【0071】
図1bに関し前述したように、蒸留及びLNG製造所の動作の当業者に良く知られた方法を含む、項目(1)乃至(10)の調整に影響するいくつかの方法が存在する。例えば、この実施例によると、第1の蒸留塔552への還流ストリームOの温度は、バルブ125を閉じ、上述のようにより多くのフローを低段エチレン深冷器/凝縮器28を通じて流し冷却させることにより低下され得る。
【0072】
図1a及び1bと同様に、図2a及び2bのLNG設備からのLNG生成物の発熱量は上述の1又は複数の動作の逆を実行することにより増大され得ることが理解される。
【0073】
図3aは、本発明の、2以上の市場の有意に異なる規格を満たすLNG生成物を効率的に供給可能なLNG設備の更なる実施例を示す。図3b乃至3eは、本発明の重質除去/NGL復元システムのいくつかの実施例を示す。図3bは、還流圧縮器を利用するLNG設備の重質除去/NGL復元システムのある実施例を示す。図3cは、本発明の、還流ポンプを利用する重質除去/NGL復元システムの別の実施例を示す。図3dは、膨張器を利用し蒸留塔供給を冷却し及び部分的に凝縮する重質除去/NGL復元システムの更なる実施例を示す。図3eに示される更に別の実施例は、重質炭化水素(つまりC4’S及びC5’S)を塔の還流に組み込むことによりNGL生成物のC3+復元を最大化する(98+%)ことを目的とする。線D、J、B、F、E、L、K、M、及びGは、図3b乃至3eに示されるシステムが図3aのLNG設備にどのように統合されるかを示す。
【0074】
図3aに示される本発明のLNG設備の液化段階の主要構成要素は、図1aに関し記載された実施例の構成要素と同様である。図3aに示された設備の動作は、前述された図1aの動作と異なるので、以下に示される。
【0075】
部分的に気化されたメタンの豊富なストリームは導管114を介し低段プロパン深冷器18を出る。そしてストリームの一部は導管Dを介し図3b、3c、3d、又は3eに示されるLNG設備の重物質除去/NGL復元システムへ送られる。本発明の重質除去/NGL復元システムのいくつかの代替の実施例は図3b乃至3eに示される。各実施例は以下に詳細に議論される。高段エチレン深冷器24に入る前に、図3b、3c、3d、又は3eからの導管J内の重質除去/NGL復元システムからのストリームは、導管114内のメタンの豊富なストリームと混合する。図3aでは、混合されたストリームは高段エチレン深冷器24へ入り、間接熱交換手段82により更に冷却される。結果として生じたストリームは次に、導管Bを介し図3b、3c、3d、又は3eの重物質除去/NGL復元システムへ送られる。ストリームは以下に詳細に記載されるように更なる処理を行われ、そして導管Fを介し中段エチレン深冷器26へ戻され、間接熱交換手段84を介し冷却される。結果として生じたストリームは中段エチレン深冷器26を出て、図1aの詳細な記載の1つの方法と同様に導管158内のメタン冷媒再利用ストリームと混合する。
【0076】
図3aによると、混合されたストリームは導管120を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28へ流れ、間接熱交換手段90を介し冷却される。メタンの豊富なストリームの冷却に加え、図3aの低段エチレン深冷器28はまた、図3b、3c、3d、又は3eにより示される重質除去/NGL復元システムの導管Nからの未だ議論されていないストリームに対し凝縮器として動作する。結果として生じたメタンの豊富なストリームは、少なくとも部分的に凝縮されるか又は全体に凝縮され、図3aの低段エチレン深冷器/凝縮器28を出て、導管M内の重質除去/NGL復元システムからのストリームと混合する。合成ストリームは主メタン節減器36に入り、図1aに関し前述されたようにメタン冷却サイクルの間接熱交換区間及び膨張冷却区間を通過する。同様に、最終膨張段からの液体部分はLNG生成物である。
【0077】
図3aのメタン冷却サイクルでは、未だ議論されていない重質除去/NGL復元システムからの導管G内の追加ストリームは、メタン圧縮器32の高段吸気ポートに入る前に、導管168内の主メタン節減器36からの流出物と混合する。結果として生じた圧縮されたメタン冷媒ストリームは導管192を介しメタン冷却器34へ流れ、外部流体(例えば空気又は水)との間接熱交換を介し冷却される。高段プロパン深冷器14に入る前に、メタン冷媒の一部は導管Eを介し図3b、3c、3d、又は3eの重物質除去/NGL復元システムへ送られる。図3aのメタン冷媒ストリームの残りは、前述のように導管152を介し高段プロパン深冷器14へ送られる。
【0078】
図3bを検討する。LNG設備の重質除去/NGL復元システムのある実施例が示される。図3bの主要構成要素は、第1の蒸留塔652、第2の蒸留塔654、節減熱交換器602、及び還流圧縮器608を含む。本発明のある実施例によると、第1の蒸留塔652は主にメタンを有するストリームで還流され得る。
【0079】
図3bに示された本発明のシステムの動作は以下に更に詳細に記載される。上述のように、導管D及びB内のストリームは図3aに示された液化システム内で生じる。導管Dは、図3aに示された低段プロパン深冷器18を出る部分的に凝縮されたメタンの豊富なストリームの一部を含む。導管B内のストリームは、図3aに示された、高段エチレン深冷器24の冷却された流出物を示す。図3bに示されるように、導管B及びD内のストリームは第1の蒸留塔652へ供給される前に混合される。ある実施例では、導管B内のストリームは冷却され、導管D内のフローはバルブ625を介し必要に応じて増加され、導管626内の第1の蒸留塔への供給の温度を調整する。図3bの第1の蒸留塔652の塔頂部からの気体生成物は導管Fを介し出て、前述のように図3aの中段エチレン深冷器26に入り、最終的にLNG生成物になる。
【0080】
導管628及び630を介した2つのサイド・ストリームは、第1の蒸留塔652から引き出される。導管628内のストリームは節減熱交換器602に入り、間接熱交換手段618を介し加熱(再沸騰)され少なくとも部分的に気化される。導管630内のサイド・ストリームは、凝縮器620内の第2の蒸留塔654からの未だ議論されていない塔頂気体生成物のための冷媒として動作する。結果として生じた、少なくとも部分的に望ましくは全体に気化されたストリームは、第1の蒸留塔652に再び入る前に導管633内で混合する。これらの主に気化されたストリームは次に第1の蒸留塔652内でストリッピング・ガスとして動作する。
【0081】
第1の蒸留塔652の底部からの液体生成物は、導管638を介し第2の蒸留塔654へ供給される。サイド・ストリームは第2の蒸留塔654から導管666を介し引き出され、加熱器612を通過する。そしてストリームは外部流体(例えばストリーム又は他の熱伝導流体)との間接熱交換を介し再沸騰(加熱)される。ストリームの一部は気化され、導管668を介し加熱器612から第2の蒸留塔654へ送られ、ストリッピング・ガスとして利用される。残りの液体は導管672を通じ熱交換器612から流れ、導管670内の第2の蒸留塔654の底部からの液体生成物と混合する。合成ストリームは最終NGL生成物であり、ある実施例では主にプロパン及び重質成分から成る。NGLストリームは更なる処理及び/又は貯蔵のために導管676を介し送られる。
【0082】
第2の蒸留塔654の塔頂部からの気体生成物は導管640を介し出て、その後、凝縮器620を介し上述のように導管630内の第1の蒸留塔652からのサイド・ストリームとの間接熱交換により凝縮される。結果として生じた少なくとも部分的に凝縮されたストリームは導管642を介し第2の蒸留塔の分離容器604へ流れ、気相と液相が分離される。液体部分は導管662を介し還流ポンプ606の吸引へ流れる。ストリームは次に導管664内に放出され、第1の蒸留塔652の還流ストリームとして利用される。
【0083】
気体ストリームは導管634を介し第2の蒸留塔の分離容器604を出る。気体ストリームの一部は導管644を介し送られ、他の用途に又は燃料として用いられて良い。気体生成物の別の部分は、導管Gを介し上述のように図3aのメタン圧縮器32の高段吸気ポートへ送られ得る。
【0084】
図3bによると、残りの気体生成物は導管646を介し還流圧縮器608の吸引ポートへ送られる。圧縮された気体は導管648を進み、節減熱交換器602に入る。そして気体は間接熱交換手段616を介し冷却される。結果として生じたストリームは導管Kを介し節減熱交換器602を出て、図3aの低段エチレン深冷器/凝縮器28に入る。そして気体は間接熱交換手段91を介し更に冷却され凝縮される。部分的に凝縮された、望ましくは全体に凝縮されたストリームは、導管Lを介し低段エチレン深冷器26を出て、図6bの第1の蒸留塔652へ還流として送られる。還流ストリームの一部は導管Mを介し送られ、図3aの導管122内の加圧されたLNG関連ストリームと混合する。前述のように、この合成ストリームは最終的に最終LNG生成物になる。
【0085】
前述のように、高段プロパン深冷器14に入る前に、導管152内のメタン冷媒ストリームの一部は導管Eを介し図3b、3c、3d、又は3eの重物質除去/NGL復元システムへ送られる。図3bでは、導管E内のストリームは節減熱交換器602に入り、間接熱交換手段614を介し冷却される。結果として生じたストリームは導管Jを介し流れ、上述のように導管114内の低段プロパン深冷器18の流出物と混合する。
【0086】
図3cを参照すると、LNG設備の重質除去/NGL復元システムの別の実施例が示される。図3cのシステムの主要構成要素及び動作は、図3bと同様である。しかしながら、図3cに示された実施例は、図3bで用いられる還流圧縮器の代わりに還流ポンプ609を利用する。導管L内の冷却されたストリームは図3aの低段エチレン深冷器を出て、次に図3cの還流ポンプ609の吸引に入る。ストリームは導管660内に放出され、一部が上述のように導管Mを介し図3aの導管122内の加圧されたLNG関連ストリームへ送られ得る。図3cによると、ストリームの残りの部分は導管660内で第1の蒸留塔652へ還流として戻る。
【0087】
図3dを参照すると、LNG設備の重質除去/NGL復元システムの更に別の実施例が示される。図3dに示されたシステムの主要構成要素は、図3bと同様である。しかしながら、図3dは分離容器611及び膨張器613を第1の蒸留塔652への供給のために利用する。
【0088】
図3dに示されたシステムの動作は、図3bに関し記載されたシステムの動作と異なるので、以下に詳細に記載される。図3dによると、導管B及びD内のストリームは図3aから入る。図3dでは、導管626内のストリームは分離容器611へ送られる。そして気体及び液体部分は分離され、そしてそれぞれ導管660及び662を介して出る。液体ストリームは次に第1の蒸留塔652へ直接供給される。分離容器611からの気体部分は膨張器613に入る。そして減圧され、ストリームの一部が凝縮される。結果として生じた気/液ストリームは次に導管664を介し第1の蒸留塔652へ供給される。残りの処理は、図3bに示された実施例に従い記載された方法と同様に動作する。
【0089】
図3eはLNG設備の重質除去/NGL復元システムの更に別の実施例を示す。図3eの主要構成要素は、図3bに示された実施例に記載された構成要素と同様である。更に、図3eに示されたシステムは、図3bに示された重質除去/NGL復元システムと同様の方法で動作し得る。しかしながら、図3eは、重質炭化水素成分(例えばC4’S及びC5’S)を有する追加還流ストリームを利用し、NGL生成物の高プロパン復元を達成する。
【0090】
図3eに示されたシステムの動作は、図3bに関し示されたシステムの動作と異なるので、以下に詳細に記載される。導管646内の第2の蒸留塔654からの気体は再利用圧縮器608により圧縮される。結果として生じたストリームは導管648を介して流れ、導管680内の望ましくはC4’S及びC5’Sである重質炭化水素成分を有する追加還流ストリームと混合する。合成ストリームは節減熱交換器602に入り、間接熱交換手段616を介し冷却される。冷却されたストリームは導管Kを介し図3aの低段エチレン深冷器/凝縮器28へ進む。図3a及び3bで前述されたように、ストリームは第1の蒸留塔652へ還流として戻される前に更に冷却され凝縮される。
【0091】
本発明のある実施例によると、LNG生成物のHHVは図3b乃至3eに示されたシステムの1又は複数の動作パラメーターを変化することにより調整され得る。例えば、低位発熱量のLNGを生成するために、蒸留塔652及び/又は654の動作パラメーターに対し1又は複数の以下の調整が行われ得る。つまり(1)第1の蒸留塔652への供給ストリーム626の温度を低下する、(2)第1の蒸留塔652への還流ストリームLの温度を低下する、(3)第1の蒸留塔652へのストリッピング・ガス636の温度を低下する、(4)第1の蒸留塔652への還流ストリームLのフローを増大する、(5)第2の蒸留塔654への供給ストリーム638の温度を低下する、(6)第2の蒸留塔654への還流ストリーム664の温度を低下する、(7)第2の蒸留塔654へのストリッピング・ガス668の温度を低下する、(8)第2の蒸留塔654への還流ストリーム664のフローを増大する、(9)第2の蒸留塔654の塔頂気体ストリームのフローを増大し導管644を介し燃料を供給する、である。図1bに関し前述したように、蒸留及びLNG設備及び蒸溜の当業者に良く知られた方法を含む、項目(1)乃至(9)の調整に影響するいくつかの方法が存在する。
【0092】
図1a及び1bと同様に、図3a、3b、3c、3d及び3eのLNG設備からのLNG生成物の発熱量は上述の1又は複数の動作の逆を実行することにより増大され得ることが理解される。
【0093】
図4aは本発明のLNG設備の更に別の実施例を示す。図4bは、LNG設備の重質除去/NGL復元システムの更なる実施例を示す。線D、B、F、E、I、及びGは、図4bに示されたシステムが図4aに示された本発明のLNG設備にどのように統合されるかを示す。本発明のある実施例によると、LNG設備は、NGL生成物のC3+復元を最大化するように動作され得る。別の実施例によると、設備はNGL生成物のC5+復元を最大化するよう動作され得る。
【0094】
図4aを参照すると、本発明のLNG設備の主要構成要素は、図1aに関し前述された構成要素と同様である。図4aに示されたシステムの動作は、図1aを参照して記載されたシステムと異なるので、以下に詳細に記載される。
【0095】
図4aによると、メタンの豊富なストリームは導管114を介し低段プロパン深冷器18を出る。そして一部が導管Dを介し図4bに示された重物質除去/NGL復元システムへ送られる。図4bに示された重質除去/NGL復元システムの詳細は以下に更に詳細に議論される。図4aの残りのメタンの豊富なストリームは高段エチレン深冷器24へ入り、間接熱交換手段82を介し更に冷却される。結果として生じたストリームは導管Bを介し高段エチレン深冷器24を出て、図4bの重質除去/NGL復元システムへ流れる。後述される追加処理の後、メタンの豊富なストリームは導管Fを介し図4aへ戻り、中段エチレン深冷器26へ入る。そしてストリームは間接熱交換手段84を介し冷却される。結果として生じたストリームは続いて導管120を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28へ流れ、間接熱交換手段90を介し冷却され、そして導管122を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28を出る。導管122内の加圧されたLNG関連ストリームは次に、図1aに関し前述されたようにメタン冷却サイクルの間接熱交換部分及び膨張式冷却部分を通じて送られる。上述のように、最終膨張冷却段階の後に結果として生じた液体は最終LNG生成物である。
【0096】
図4aのメタン冷却サイクルでは、図4bに示された重質除去/NGL復元システムからの導管G内の未だ議論されていないストリームは、メタン圧縮器32の高段吸気ポートに注入される前に、導管168を介し主メタン節減器36から出る図4aに示されたメタン冷媒ストリームと混合する。圧縮されたメタン冷媒ストリームは導管192を介しメタン冷却器34へ送られ、外部流体(例えば空気又は水)との間接熱交換を介し冷却される。導管152を介しメタン冷却器34を出るストリームの一部は次に導管Eを介し更なる処理のために図4bへ送られる。残りの冷媒は高段プロパン深冷器14へ入り、上述のように間接熱交換手段4により更に冷却される。結果として生じたストリームは導管154を通じて流れ、主メタン節減器36に入る。そしてメタン冷媒ストリームは間接熱交換手段98を介し更に冷却される。結果として生じたストリームは導管158を介し主メタン節減器36を出て、低段エチレン深冷器/凝縮器28に入る。続いて、メタン冷媒ストリームは間接熱交換手段91を介し更に冷却される。間接熱交換手段91は図1aに詳細に記載されたエチレン冷媒を冷却剤として利用する。図4aの結果として生じたストリームは導管Iを介し低段エチレン深冷器/凝縮器28を出て、図4bに示された重質除去/NGL復元システムへ送られる。
【0097】
図4dを検討する。LNG設備の重質除去/NGL復元システムの更に別の実施例が示される。図4bの主要構成要素は、第1の蒸留塔752、第2の蒸留塔754、及び節減熱交換器702を含む。本発明のLNG設備のある実施例によると、第1の蒸留塔752は脱メタン装置として動作され、第2の蒸留塔754は脱エタン装置として動作され得る。本発明のある実施例によると、第1の蒸留塔752は主にメタンを有するストリームで還流される。
【0098】
図4bに示されたシステムの動作は以下に更に詳細に記載される。上述のように、図4aでは、導管Bは低段プロパン深冷器18を出て、及び導管Dは高段エチレン深冷器24を出る。図4bでは、導管B及びD内のストリームは導管762を介し第1の蒸留塔752へ供給される前に混合される。図2bにより記載されたように、ストリームB及びDの相対フローはバルブ725を介し調整され、導管726内の供給ストリームの特定温度に影響を与え得る。第1の蒸留塔752の塔頂部からの気体生成物は導管Fを介して出て、図4aの高段エチレン深冷器24の吸気へ送られる。上述のように、図4aの高段エチレン深冷器24を出るメタンの豊富なストリームは、続いて冷却され、最終LNG生成物になる。
【0099】
図4aで前述されたように、メタン冷媒再利用ストリームの一部は導管Eを介し図4bへ送られる。ストリームは節減熱交換器702に入り、間接熱交換手段716を介し加熱される。結果として生じた少なくとも部分的に気化されたストリームは導管736を介し第1の蒸留塔752に入り、加熱された気体はストリッピング・ガスとして利用される。
【0100】
図4aでも述べたように、導管158内のメタン冷媒再利用ストリームは、低段エチレン深冷器28内で間接熱交換手段93を介し冷却される。結果として生じたストリームは、導管Iを介し低段エチレン深冷器/凝縮器28を出る。この冷却された、主にメタンの豊富なストリームは図4bへ送られ、第1の蒸留塔752に対し還流として機能する。
【0101】
図4bによると、第1の蒸留塔752の底部からの液体生成物は導管788を介して出る。そしてストリームは導管730及び732に分離する。導管732内のストリームは節減熱交換器702に入り、間接熱交換手段718を介し冷却される。結果として生じた冷却されたストリームは、導管738を介し節減熱交換器702を出る。導管738内のストリームの一部は、凝縮器720をバイパスするためにバルブ743を介し導管744を通じて送られて良い。凝縮器720をバイパスする導管744は、第2の蒸留塔の供給及び/又は塔頂気体生成物の温度制御のための1つの機構であり得る。
【0102】
図4bの導管730内の第2の蒸留塔の底部液体生成物の残りの部分を参照すると、ストリームは節減熱交換器702をバイパスし、バルブ737を通過し、そして導管747内の冷却されたストリームと再び混合する。合成ストリームは導管740を介し凝縮器720に入る。導管740内のストリームの温度は、バルブ737を開く又は閉じることにより導管730を通る流速を調整することにより制御され得る。例えば、導管740内のストリームの温度を減少するために、バルブ737を更に閉じ、それによりフローのより多くの部分を節減熱交換器702を通して冷却させ、従って凝縮器720に入る合成ストリームの温度を低下し得る。凝縮器720は間接熱交換手段のように動作し、ストリーム740を冷却剤として用いることにより未だ議論されていないストリームを冷却する。冷却剤は導管742を介し凝縮器720を出る。その後、導管742及び744内のストリームは混合する。そして導管746内の合成ストリームは第2の蒸留塔754に供給される。
【0103】
サイド・ストリームは第2の蒸留塔754から導管766を介し引き出され、加熱器712へ送られる。そしてストリームは外部流体(例えばストリーム又は他の熱伝導流体)との間接熱交換を介し加熱(再沸騰)される。ストリームの気化された部分は、導管768を介し第2の蒸留塔754へ戻され、ストリッピング・ガスとして利用される。結果として生じた液体部分は導管727を介し第2の蒸留塔の再沸騰器712を出て、導管770内の第2の蒸留塔754の底部からの液体生成物と混合する。導管776内の結果として生じた合成ストリームは最終NGL生成物である。ある実施例によると、NGL生成物はプロパン及び重質成分が豊富であり得る。本発明の別の実施例によると、第2の蒸留塔754は最終NGL生成物のC5+成分復元を最大化するように動作されて良い。NGL生成物のC5+成分復元を最大化することにより、比較的高いHHVを備えたLNG生成物が生成され得る。
【0104】
第2の蒸留塔754の塔頂部からの気体生成物は導管778を介して出る。そしてストリームは凝縮器720により冷却され少なくとも部分的に凝縮される。結果として生じたストリームは導管780を介し凝縮器720を出て、第2の蒸留塔の分離容器704に入り、気相と液相が分離される。主にエタンを有する気体部分は導管Gを介し図4aへ送られ、上述のようにメタン圧縮器の高段吸気ポートに注入される前に、導管168内のストリームと混合される。液相は導管762を介し第2の蒸留塔の分離容器704を出て、還流ポンプ706の吸引へ入る。液体は導管764を介し第2の蒸留塔754へ還流される。
【0105】
本発明のある実施例によると、LNG生成物の発熱量は図4bに示されたシステムの1又は複数の動作パラメーターを変化することにより調整され得る。例えば、低位発熱量のLNGを生成するために、以下の調整の1又は複数が蒸留塔752及び/又は754の動作パラメーターに対し行われ得る。つまり(1)第1の蒸留塔752への供給ストリーム726の温度を低下する、(2)第1の蒸留塔752へのストリッピング・ガス・ストリーム736のフローを減少する、(3)第1の蒸留塔752への還流ストリームIのフローを増加する、(4)第2の蒸留塔754への還流ストリーム764の温度を低下する、及び(5)第2の蒸留塔754へのストリッピング・ガス・ストリーム768の温度を低下する、である。図1bを参照し前述したように、当業者に良く知られた方法を含む、上述の項目(1)乃至(5)に記載された調整に影響するいくつかの方法が存在する。
【0106】
図1a及び1bと同様に、図4a及び4bのLNG設備からのLNG生成物の発熱量は上述の1又は複数の動作の逆を実行することにより増大され得ることが理解される。
【0107】
図5aは、有意に異なる生成物規格有するLNG生成物を効率的に供給可能な、2以上の市場の必要を満たすLNG設備の更に別の実施例を示す。図5bは、本発明のLNG設備の重質除去/NGL復元システムの更なる実施例を示す。線D、B、F、E、及びGは、図5bに示されたシステムが図5aに示されたLNG設備にどのように統合されるかを示す。本発明のある実施例によると、LNG設備は、NGL生成物のプロパン及び重質成分の復元を最大化するように動作され得る。別の実施例によると、設備はNGL生成物のC5+復元を最大化するよう動作され得る。
【0108】
図5aのシステムの主要構成要素は、図1aに記載された構成要素と同様である。図5aの動作は図1aと異なるので、以下に詳細に説明される。メタンの豊富なストリームは導管114を介し低段プロパン深冷器18を出る。そしてストリームの一部は図5bに示された重物質除去/NGL復元システムでの更なる処理のため導管Dを介し送られる。図5bに示されたシステムの詳細は以下に更に記載される。
【0109】
残りのメタンの豊富なストリームは高段エチレン深冷器24へ入り、間接熱交換手段82を介し冷却される。結果として生じたストリームは、導管Bを介し図5bの重物質除去/NGL復元システムへ送られる。後述される追加処理の後、メタンの豊富なストリームは導管Fを介し図5aへ戻り、中段エチレン深冷器26へ入り、そして間接熱交換手段84を介し冷却される。結果として生じたストリームは導管119を介して流れ、導管158内のメタン冷媒再利用ストリームと混合する。合成ストリームは導管120を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28へ流れ、間接熱交換手段90を介し更に冷却される。結果として生じた加圧されたLNG関連ストリームは導管122を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28を出て、主メタン節減器36へ送られる。加圧されたLNG関連ストリームは次に、図1aを参照して前述されたようにメタン冷却サイクルの間接熱交換段及び膨張式冷却段を通じて進み続ける。図1aと同様に、最終膨張段階からの結果として生じた液体は図5aの最終LNG生成物である。
【0110】
図5aのメタン冷却サイクルでは、導管G内の未だ議論されていない追加ストリームは、図5bに示された重質除去/NGL復元システムで生じ、図5aに入り、メタン圧縮器32の高段吸気ポートの上流の導管168内のメタン冷媒ストリームと混合する。圧縮された合成ストリームは導管192を介しメタン冷却器34へ送られ、外部流体(例えば空気又は水)との間接熱交換を介し冷却される。結果として生じたストリームの一部は更なる処理のために導管Eを介し図5bへ送られる。メタン冷媒ストリームの残りは、導管152を介し高段プロパン深冷器18流れ、そして図1aに関し前述されたように処理される。
【0111】
図5bを検討する。LNG設備の重質除去/NGL復元システムの更に別の実施例が示される。図5bに示されたシステムの主要構成要素は、第1の蒸留塔852、第2の蒸留塔854、及び節減熱交換器802を含む。LNG設備のある実施例によると、第1の蒸留塔852は脱メタン装置として動作され、第2の蒸留塔854は脱エタン装置として動作され得る。別の実施例では、第1の蒸留塔852は脱メタン装置として動作され、第2の蒸留塔854は脱ブタン装置として動作され得る。本発明のある実施例によると、第1の蒸留塔852は還流されない。
【0112】
図5bに示されたシステムの動作は、図4bに示された重質除去/NGL復元システムに関して記載された動作と同様である。しかしながら、図5bの第1の蒸留塔852は還流ストリームなしに動作され得る。図5bの線及び構成要素は、図4bの対応する線より100だけ大きい値で数字を付される。文字を付された線(例えばB、D、E、F,G)は図5b及び4bで同じである。図5bの対応する線及び構成要素の機能及び動作は、図4bを参照して前述された機能及び動作と同様である。例えば、図5bの第1の蒸留塔852へのストリッピング・ガス・ストリーム836の機能及び動作は、図4bの第1の蒸留塔752へのストリッピング・ガス・ストリーム736の機能及び動作と直接対応する。
【0113】
本発明のある実施例によると、LNG生成物の発熱量は図5bに示されたシステムの1又は複数の動作パラメーターを変化することにより調整され得る。例えば、低位発熱量のLNGを生成するために、以下の調整の1又は複数が蒸留塔852及び/又は854の動作パラメーターに対し行われ得る。つまり(1)第1の蒸留塔852への供給ストリーム826の温度を低下する、(2)第1の蒸留塔852へのストリッピング・ガス・ストリーム836のフローを減少する、(3)第1の蒸留塔852への還流ストリームIのフローを増加する、(4)第2の蒸留塔854への還流ストリーム864の温度を低下する、及び(5)第2の蒸留塔854へのストリッピング・ガス・ストリーム868の温度を低下する、である。図1bを参照し前述したように、当業者に良く知られた方法を含む、上述の項目(1)乃至(5)に記載された調整に影響するいくつかの方法が存在する。
【0114】
図1a及び1bと同様に、図5a及び5bのLNG設備からのLNG生成物の発熱量は上述の1又は複数の動作の逆を実行することにより増大され得ることが理解される。
【0115】
図6aは、本発明の、2以上の市場の異なる市場の必要を満たす有意に異なる規格を備えたLNG生成物を効率的に供給可能な設備の更に別の実施例を示す。図6bは、本発明の重質除去/NGL復元システムの更に別の実施例を示す。線H、D、B、F、E、I及びGは、図6bに示されたシステムが図6aに示されたLNG設備にどのように統合されるかを示す。本発明のある実施例によると、LNG設備は、最終NGL生成物のエタン及び重質成分の復元を最大化するように動作され得る。
【0116】
図6aのシステムの主要構成要素は、図1aに記載された構成要素と同じである。図6aの動作は、前述された図1aのシステムの動作と異なるので、以下に詳細に記載される。メタンの豊富なストリームは導管112を介し中段プロパン深冷器16を出て、図6bからの導管H内の未だ議論されていないストリームと混合する。図6bに示された重質除去/NGL復元システムの動作は以下に更に詳細に記載される。合成ストリームは低段プロパン深冷器18に入る。そしてストリームは間接熱交換手段64を介し冷却される。結果として生じた冷却されたストリームは導管114を介し低段プロパン深冷器18を出る。そしてストリームの一部は後述される図6bに示された重物質除去/NGL復元システムでの更なる処理のため導管Dを介し送られる。
【0117】
図6aの残りのメタンの豊富なストリームは高段エチレン深冷器24へ入り、間接熱交換手段82を介し更に冷却される。結果として生じたストリームは導管Bを介し高段エチレン深冷器24を出て、図6bの重質除去/NGL復元システムへ流れる。後述される追加処理の後、メタンの豊富なストリームは導管Fを介し図6aへ戻り、中段エチレン深冷器26へ入る。そしてストリームは間接熱交換手段84を介し冷却される。結果として生じたストリームは続いて導管120を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28へ流れ、間接熱交換手段90を介し冷却され、そして導管122を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28を出る。導管122内の加圧されたLNG関連ストリームは次に、図1aに関し前述されたようにメタン冷却サイクルの間接熱交換部分及び膨張式冷却部分を通じて送られる。上述のように、最終膨張冷却段階の後に結果として生じた液体は最終LNG生成物である。
【0118】
図6aのメタン冷却サイクルでは、図6bに示された重質除去/NGL復元システムからの導管G内の未だ議論されていないストリームは、メタン圧縮器32の高段吸気ポートに注入される前に、主メタン節減器36から出る図6aの導管168内のメタン冷媒ストリームと混合する。圧縮されたメタン冷媒ストリームは導管192を介しメタン冷却器34へ送られ、外部流体(例えば空気又は水)との間接熱交換を介し冷却される。結果として生じたストリームはメタン冷却器34を出る。そして再利用メタン冷媒ストリームの一部は更なる処理のために導管Eを介し図6bへ送られる。図6aの導管152内の残りのメタン冷媒ストリームは高段プロパン深冷器18へ入り、上述のように間接熱交換手段4により更に冷却される。結果として生じたストリームは次に導管154を通じて流れ、主メタン節減器36に入る。そしてメタン冷媒ストリームは間接熱交換手段98を介し更に冷却される。結果として生じたストリームは導管158を介し主メタン節減器36を出て、低段エチレン深冷器/凝縮器28に入る。続いて、メタン冷媒ストリームは間接熱交換手段91を介し更に冷却される。間接熱交換手段91は図1aに詳細に記載されたエチレン冷媒を冷却剤として利用する。図6aの結果として生じたストリームは導管Iを介し低段エチレン深冷器/凝縮器28を出て、図6bに示された重質除去/NGL復元システムへ送られる。
【0119】
図6bを検討する。LNG設備の重質除去/NGL復元システムの更なる実施例が示される。図6bに示された主要構成要素は、第1の蒸留塔952、第2の蒸留塔954、主節減熱交換器904、第1の蒸留塔の節減熱交換器902、中段分離器の熱交換器906、及び中段フラッシュ・ドラム956を含む。本発明のある実施例によると、第1の蒸留塔952は脱メタン装置として動作され、第2の蒸留塔954は脱エタン装置として動作され得る。ある実施例によると、第1の蒸留塔952は主にメタンを有するストリームにより還流される。
【0120】
図6bに示されたシステムの動作は、第1の蒸留塔952から開始し以下に更に詳細に記載される。図6aに関し上述されたように、導管B内のストリームは低段プロパン深冷器18の排気から出て、及び導管D内のストリームは高段エチレン深冷器24の排気から出る。図6bによると、2つのストリームは第1の蒸留塔952へ入る前に導管926で混合される。相対的に温かいストリームDのフローはバルブ925を介し操作され、第1の蒸留塔926への所望の温度を維持し得る。図6bの第1の蒸留塔952の塔頂部からの気体生成物は導管Fを介し出て、図6aで前述のように中段エチレン深冷器26に入る。このストリームは最終的に最終LNG生成物になる。
【0121】
図6aのメタン再利用ストリームの一部は導管Eを介し図6bへ送られる。その後、導管E内のストリームはいくつかの導管に分離される。導管E内のストリームの一部は導管928を通じて流れる。そしてストリームの別の一部は導管936を介し主節減熱交換器904へ送られる。ここでストリームは間接熱交換手段963を介し加熱され及び少なくとも部分的に気化される。結果として生じたストリームは導管938を介し主節減熱交換器904を出て、導管934内の未だ議論されていないストリームと混合される。導管928を再び参照すると、ストリームの残りの部分は中段分離器の節減熱交換器906に入り、間接熱交換手段930を介し冷却される。結果として生じた冷却されたストリームは導管Hを介して出て、前述のように図6aの低段プロパン深冷器18の吸気へ送られる。図6bでは、導管E内のストリームの残りは第1の蒸留塔の節減熱交換器902に入る。ここでストリームは間接熱交換手段916を介し加熱(再沸騰)される。結果として生じた少なくとも部分的に気化されたストリームは導管934を介し第1の蒸留塔の節減熱交換器902を出て、上述のように導管938内の加熱されたストリームと混合する。合成ストリームは、導管940を介し第1の蒸留塔952へ流れ、ストリッピング・ガスとして利用される。上述のように、導管I内のストリームは、図6aの中段エチレン深冷器26の排気から入る。図4bによると、この主にメタンのストリームは図6bの第1の蒸留塔952へ還流され戻される。
【0122】
第1の蒸留塔952の底部からの液体生成物は、導管942を介して出る。ストリームの一部は次に導管944を介し中段分離器956へ送られ、気相及び液相が分離される。気相は導管946を介して出て、そして中段分離器の節減熱交換器906へ送られる。そしてストリームは間接熱交換手段932を介し温められる。結果として生じたストリームは中段分離器の節減熱交換器906を出て、導管Gを介し上述のように図6aのメタン圧縮器32の高段吸気ポートへ送られ得る。
【0123】
図6bによると、液体ストリームは導管948を介し中段分離容器956を出て、導管974内の未だ議論されていないストリームと混合される。2つのサイド・ストリームは中段フラッシュ・ドラム956から除去される。1つのサイド・ストリームは導管950を介し中段分離容器956から引き出される。サイド・ストリームは主節減熱交換器904へ流れ、間接熱交換手段962を介し加熱(再沸騰)される。結果として生じたストリームは導管964内の未だ議論されていないストリームと混合され、そして導管960を介し中段分離容器956へ戻される。別のサイド・ストリームは中段分離容器956から引き出され、導管966を介し主節減熱交換器904へ戻される。ストリームは次に間接熱交換手段970を介し加熱され及び少なくとも部分的に気化される。結果として生じたストリームは導管972を介し主節減熱交換器904を出て、中段分離容器956へ戻される。
【0124】
導管942内の第1の蒸留塔952からの底部液体生成物の残りを検討する。ストリームは第1の蒸留塔の節減熱交換器902に入り、間接熱交換手段918を介し冷却される。結果として生じた冷却された液体は導管976を介し凝縮器920へ進む。導管976内のストリームは導管978内の未だ議論されていないストリームに対し冷却剤として動作する。凝縮器920を出た後、導管968内の結果として生じた加熱されたストリームは導管964及び974内の2つのストリームに分かれる。導管964内のストリームの一部は、上述のように中段分離容器956に入る前に、主節減熱交換器904を出るストリームと混合する。導管974内の加熱されたストリームの一部は、導管948を介し中段分離容器956を出る液相と混合する。結果として生じた合成ストリームは導管980を介し第2の蒸留塔954に入る。
【0125】
第2の蒸留塔954の塔頂部からの気体生成物は導管978を介し出て、凝縮器920に入る。そしてストリームは、上述のように導管976内の第1の蒸留塔952の底部からの液体ストリームとの間接熱交換を介し凝縮される。少なくとも部分的に凝縮されたストリームは導管982を介し第2の蒸留塔の分離容器908へ進み、気相と液相が分離される。主にエタンの豊富な気相は第2の蒸留塔の分離容器908を出て、更なる処理及び/又は貯蔵のために導管984を介し送られる。液相は導管986を介し第2の蒸留塔の分離容器908を出て、還流ポンプ910の吸引へ入る。還流ポンプ910は導管988を介し第2の蒸留塔954へ還流としてストリームを放出する。
【0126】
サイド・ストリームは第2の蒸留塔954から導管990を介し引き出される。ストリームは加熱器912へ送られ、外部流体(例えばストリーム又は熱伝導流体)との間接熱交換を介し加熱(再沸騰)される。ストリームの気化された部分は、導管992を介し第2の蒸留塔954へ戻され、ストリッピング・ガスとして利用される。結果として生じた液体部分は導管994を介し第2の蒸留塔の再沸騰器912を出て、導管996内の第2の蒸留塔954の底部からの液体生成物と混合する。結果として生じた合成ストリームは最終NGL生成物である。最終NGL生成物はエタン及び重質成分を有し、貯蔵及び/又は更なる処理のために導管998を介し送られる。
【0127】
本発明のある実施例によると、LNG生成物の発熱量は図6bに示されたシステムの1又は複数の動作パラメーターを変化することにより調整され得る。例えば、低位発熱量のLNGを生成するために、以下の調整の1又は複数が蒸留塔952及び/又は954の動作パラメーターに対し行われ得る。つまり(1)第1の蒸留塔952への供給ストリーム26の温度を低下する、(2)第1の蒸留塔952へのストリッピング・ガス・ストリーム940のフローを減少する、及び(3)第1の蒸留塔952への還流ストリームIのフローを増加する、である。図1bを参照し前述したように、当業者に良く知られた方法を含む、上述の項目(1)乃至(3)に記載された調整に影響するいくつかの方法が存在する。
【0128】
図1a及び1bと同様に、図6a及び6bのLNG設備からのLNG生成物の発熱量は上述の1又は複数の動作の逆を実行することにより増大され得ることが理解される。
【0129】
図7a及び7bは本発明のLNG設備の更に別の実施例を示す。図7bは当該設備の重質除去/NGL復元システムの別の実施例を示す。線H、D、B、F、E、及びGは、図7bに示されたシステムが図7aに示されたLNG設備にどのように統合されるかを示す。本発明のある実施例によると、LNG設備は、最終NGL生成物のC2+復元を最大化するように動作され得る。
【0130】
図7aのシステムの主要構成要素は、図1aに記載された構成要素と同様である。図7aの動作は、前述された図1aのシステムの動作と異なるので、以下に詳細に記載される。メタンの豊富なストリームは導管112を介し中段プロパン深冷器16を出て、図7bからの導管H内の未だ議論されていないストリームと混合する。図7bに示されたシステムの動作は以下に更に詳細に記載される。合成ストリームは低段プロパン深冷器18に入る。そしてストリームは間接熱交換手段64を介し冷却される。結果として生じた冷却されたストリームは導管114を介し低段プロパン深冷器18を出る。そしてストリームの一部は後述される図7bに示された重物質除去/NGL復元システムでの更なる処理のため導管Dを介し送られる。
【0131】
残りのメタンの豊富なストリームは高段エチレン深冷器24へ入り、間接熱交換手段82を介し冷却される。結果として生じたストリームは、導管Bを介し図7bの重物質除去/NGL復元システムへ送られる。後述される追加処理の後、メタンの豊富なストリームは導管Fを介し図7aへ戻り、中段エチレン深冷器26へ入り、そして間接熱交換手段84を介し冷却される。結果として生じたストリームは導管119を介して流れ、導管158内のメタン冷媒再利用ストリームと混合する。合成ストリームは導管120を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28へ流れ、間接熱交換手段90を介し更に冷却される。結果として生じた加圧されたLNG関連ストリームは導管122を介し低段エチレン深冷器/凝縮器28を出て、主メタン節減器36へ送られる。加圧されたLNG関連ストリームは次に、図1aを参照して前述されたようにメタン冷却サイクルの間接熱交換段及び膨張式冷却段を通じて進み続ける。図1aと同様に、最終膨張段階からの結果として生じた液体は図7aの最終LNG生成物である。
【0132】
図7aのメタン冷却サイクルでは、導管G内の未だ議論されていないストリームは、図7bに示され重質除去/NGL復元システムで生じ、図7aに入り、メタン圧縮器32の高段吸気ポートの上流の導管168内のメタン冷媒ストリームと混合する。圧縮された合成ストリームは導管192を介しメタン冷却器34へ送られ、外部流体(例えば空気又は水)との間接熱交換を介し冷却される。結果として生じたストリームの一部は更なる処理のために導管Eを介し図7bへ送られる。冷媒ストリームの残りは、導管152を介し高段プロパン深冷器14流れ、そして図1aに関し前述されたように処理される。
【0133】
図7bを検討する。本発明のLNG設備の重質除去/NGL復元システムが示される。図7bに示されたシステムの主要構成要素は、第1の蒸留塔1052、第2の蒸留塔1054、主節減熱交換器1004、第1の蒸留塔の節減熱交換器1002、中段分離器の熱交換器1006、及び中段フラッシュ・ドラム1056を有する。本発明のある実施例によると、第1の蒸留塔1052は脱メタン装置として動作され、第2の蒸留塔1054は脱エタン装置として動作され得る。本発明のある実施例によると、第1の蒸留塔1052は還流されない。
【0134】
図7bに示されたシステムの動作は、図7bの第1の蒸留塔1052が還流ストリームを有さないことを除き、図6bに示された重質除去/NGL復元システムに関して記載された動作と同様である。図7bの線及び構成要素は、図6bの対応する線より100だけ大きい値で数字を付される。文字を付された線(例えばB、D、E、F,G、H)は図7b及び6bで同じである。図7bの対応する線及び構成要素の機能及び動作は、図6bを参照して前述された機能及び動作と同様である。例えば、図7bの第1の蒸留塔1052へのストリッピング・ガス・ストリーム1040は、図6bの第1の蒸留塔952へのストリッピング・ガス・ストリーム940の機能及び動作と直接対応する。
【0135】
本発明のある実施例によると、LNG生成物の発熱量は図7bに示されたシステムの1又は複数の動作パラメーターを変化することにより調整され得る。例えば、低位発熱量のLNGを生成するために、以下の調整の1又は複数が蒸留塔1052及び/又は1054の動作パラメーターに対し行われ得る。つまり(1)第1の蒸留塔1052への供給ストリーム26の温度を低下する、(2)第1の蒸留塔1052へのストリッピング・ガス・ストリーム1040のフローを減少する、及び/又は(3)第2の蒸留塔1054への還流ストリーム1088のフローを増加する、である。図1bを参照し前述したように、当業者に良く知られた方法を含む、上述の項目(1)乃至(3)に記載された調整に影響するいくつかの方法が存在する。
【0136】
図1a及び1bと同様に、図7a及び7bのLNG設備からのLNG生成物の発熱量は上述の1又は複数の動作の逆を実行することにより増大され得ることが理解される。
【0137】
本発明のある実施例では、図1乃至7に示されたLNG生成システムは従来の処理シミュレーション・ソフトウェアを用いコンピューターでシミュレートされる。適切なシミュレーション・ソフトウェアの例は、ハイプロテック(Hyprotech)社のHYSYS(登録商標)、アスペンテクノロジー社(Aspen Technology, Inc.)のAspen Plus(登録商標)、及びシミュレーションサイエンス社(Simulation Sciences Inc.)のPRO/II(登録商標)を含む。
【0138】
上述の本発明の好適な形式は、説明のためのみであり、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。以上に説明された例である実施例への明らかな変更は、本発明の精神から逸脱することなく当業者により直ちに行われ得る。
【0139】
発明者等はここに均等論に依存する意図を述べ、請求項に記載された本発明の文言の範囲から実質的に逸脱せずに、しかし最大限に本発明の正当公正な範囲を如何なる装置に関しても定め判断する。
【0140】
[数値範囲]
本願明細書は本発明に関連する特定のパラメーターを定量化するために数値範囲を用いる。数値範囲が設けられた場合、当該範囲は、範囲の下限値のみを述べる請求項の制限及び範囲の上限のみを述べる請求項の制限のために文字による支援を提供するものとして見なされるべきである。例えば、開示された10乃至100の数値範囲は、「10より大きい」(上限を有さない)を述べる請求項、及び「100より小さい」(下限を有さない)を述べる請求項の文字による支援を提供する。
【0141】
本発明は特定の数値を用い本発明に関する特定のパラメーターを定量化する。当該特定の数値は明示的に数値範囲の一部ではない。本願明細書で提供される各特定の数値は、広、中、及び狭範囲の文字による支援を提供するものとして見なされるべきである。各特定の数値に関連した広範囲は、数値範囲±数値範囲の60%の値を2有効数字に丸めたものである。各特定の数値に関連した中範囲は、数値範囲±数値範囲の30%の値を2有効数字に丸めたものである。各特定の数値に関連した狭範囲は、数値範囲±数値範囲の15%の値を2有効数字に丸めたものである。例えば、本願明細書が特定の温度62度Fを記載した場合、当該記載は広範囲25度F乃至99度F(62度F+/−37度F)、中範囲43度F乃至81度F(62度F+/−19度F)、狭範囲53度F乃至71度F(62度F+/−9度F)の文字による支援を提供する。これらの広、中、及び狭数値範囲は、特定の値に適用されるだけでなく、これら特定の値の間の差にも適用されるべきである。従って、本願明細書が第1の圧力110psia及び第2の圧力48psia(差は62psiaである)を記載した場合、これら2つのストリームの間の圧力差の広、中、及び狭範囲は、それぞれ25乃至99psi、43乃至81psi、及び53乃至71psiである。
【0142】
[定義]
本願明細書で用いられるように、用語「天然ガス」は、エタン、高級炭化水素、窒素、二酸化炭素、及び/又は水銀、硫化水素、及びメルカプタンのような少量の他の成分と均衡を保っている、少なくとも65モル・パーセントのメタンを有するストリームを意味する。
【0143】
本願明細書で用いられるように、用語「混合冷媒」は、如何なる単一成分も冷媒の75モル・パーセントより多くない複数の異なる成分を有する冷媒を意味する。
【0144】
本願明細書で用いられるように、用語「純粋な成分の冷媒」は混合冷媒でない冷媒を意味する。
【0145】
本願明細書で用いられるように、用語「縦列冷却処理」は、それぞれ異なる純粋な成分の冷媒を利用し天然ガスを連続的に冷却する複数の冷却サイクルを利用する冷却処理を意味する。
【0146】
本願明細書で用いられるように、用語「開サイクル縦列冷却処理」は、少なくとも1つの閉冷却サイクルと1つの開冷却サイクルを有する縦列冷却処理を参照する。ここで、開サイクルで利用される冷媒の沸点は閉サイクルで利用される冷媒の沸点より低く、及び開サイクルの冷媒を凝縮するための冷却剤の一部は、1又は複数の閉サイクルにより提供される。本発明のある実施例では、主にメタンのストリームは開冷却サイクルで冷媒として利用される。この主にメタンのストリームは、処理された天然ガス供給ストリームから生じ、圧縮された開メタン・サイクルのガス・ストリームを含み得る。
【0147】
本願明細書で用いられるように、用語「膨張式冷却」は、ガス、液体又は2相システムの圧力が、減圧手段を通過することにより低減される場合に生じる冷却を参照する。ある実施例では、膨張手段はジュール−トンプソン膨張弁である。本発明の別の実施例では、膨張手段は水圧又はガスエキスパンダーである。
【0148】
本願明細書で用いられるように、用語「中間沸点」は、物理的成分の混合の重量の半分が特定の圧力で気化する(つまり沸騰して除去される)温度を参照する。
【0149】
本願明細書で用いられるように、用語「間接熱交換」は、冷媒が冷却されるべき物質を、冷媒と冷却されるべき物質との間の実際の物理的接触なしに冷却する処理を参照する。ケトル型熱交換器及びアルミニウムをろう付けしたプレートフィン型熱交換機は、間接熱交換を実現する装置の特定の例である。
【0150】
本願明細書で用いられるように、用語「節減器」又は「節減熱交換器」は、間接熱交換手段を利用し効率的に処理ストリーム間で熱伝導する複数の熱交換器を利用する構成を参照する。一般に、節減器は処理ストリームを互いに熱統合することにより外部エネルギー入力を最小化する。
【0151】
本願明細書で用いられるように、用語「高位発熱量」又は「HHV」は、LNG生成物が燃やされる場合に放出される熱量を参照し、燃焼反応の結果として生じる水を気化するために必要なエネルギーの主な原因である。
【0152】
本願明細書で用いられるように、用語「BTU含有量」は用語「高位発熱量」と同義である。
【0153】
本願明細書で用いられるように、用語「蒸留塔」又は「分離器」は相対揮発度に基づきストリームを分離する装置を参照する。
【0154】
本願明細書で用いられるように、用語「定常状態動作」は始動と停止との間の比較的安定な連続的動作の期間を意味する。
【0155】
本願明細書で用いられるように、用語「非供給動作パラメーター」は、装置又は設備の要素への主供給の組成ではない装置又は設備の要素の如何なる動作パラメーターも意味する。
【0156】
本願明細書で用いられるように、用語「液体天然ガス」又は「NGL」は、例えば標準的にエタンより重い成分を有する炭化水素の混合を参照する。NGLストリームの炭化水素成分のいくつかの例は、プロパン、ブタン、及びペンタン異性体、ベンゼン、トルエン、及び他の芳香族分子を有する。エタンもNGL混合に含まれて良い。
【0157】
本願明細書で用いられるように、用語「上流」及び「下流」は、製造所を通じて天然ガスが主に流れる経路に沿って、天然ガス液化設備の種々の構成要素の相対位置を参照する。
【0158】
本願明細書で用いられるように、用語「主に」、「主として」、「基本的に」及び「大部分」は、流体ストリームの特定成分の存在を記載するために用いられる場合、当該流体ストリームが少なくとも50モル・パーセントの記載された成分を有することを意味する。例えば、「主に」メタン・ストリーム、「主」メタン・ストリーム、メタンを「主」に有するストリーム、又は「主として」メタンを有するストリームは、それぞれ、少なくとも50モル・パーセントのメタンを有するストリームを示す。
【0159】
本願明細書で用いられるように、用語「及び/又は」は、2以上の要素の記載に用いられる場合、記載された要素の何れの1つも単独で利用され得るか、又は記載された要素の2以上の如何なる組み合わせも利用され得ることを意味する。例えば、組成が成分A、B、及び/又はCを含むとして記載される場合、組成はAを単独で、Bを単独で、Cを単独で、AとBを組み合わせて、AとCを組み合わせて、BとCを組み合わせて、又はAとBとCを組み合わせて含み得る。
【0160】
本願明細書で用いられるように、用語「有する(comprise)」は、上限が決められていない用語であり、当該用語の前に述べられた主語から当該用語の後に述べられた1又は複数の要素への移行のために用いられる。ここで、当該用語の後に記載された1又は複数の要素は必ずしも当該主語を構成する要素のみでなくても良い。 本願明細書で用いられるように、用語「含む(include)」は、「有する(comprise)」と同じ上限が決められていない意味である。
【0161】
本願明細書で用いられるように、用語「有する(have)」は「有する(comprise)」と同じ上限が決められていない意味である。
【0162】
本願明細書で用いられるように、用語「含む(contain)」は「有する(comprise)」と同じ上限が決められていない意味である。
【0163】
本願明細書で用いられるように、単数を示す語は1又は複数を意味する。
【0164】
上述の本発明の好適な形式は説明のためのみに用いられ、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。以上に説明された例である実施例への明らかな変更は、本発明の精神から逸脱することなく当業者により直ちに行われ得る。
【符号の説明】
【0165】
4、6、8、64、66、68、78、82、84、86、90 間接熱交換手段
10 プロパン圧縮器
12 プロパン冷却器
14 高段プロパン深冷器
16 中段プロパン深冷器
18 低段プロパン深冷器
20 エチレン圧縮器
24 高段エチレン深冷器
26 中段エチレン深冷器
30 エチレン節減器
36 主メタン節減装置
56、72、73、74、80 膨張バルブ
58、70 容器
100、102、104、112、114、116、152、154、202、206、208、210、212、214、215、222、224、226、228、238、238、300、302、303、304、306、308、310、312、314、316、318 導管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LNG設備から生成されるLNGの発熱量を変化する方法であって、
(a)間接熱交換により天然ガスを冷却し、それにより第1の冷却ストリームを生成する段階、
(b)第1の蒸留塔を用い、前記第1の冷却ストリームの少なくとも一部を第1の相対的高揮発性部分及び第1の相対的低揮発性部分に分離する段階、
(c)前記第1の相対的高揮発性部分の少なくとも一部を冷却し、それによりLNGを生成する段階、
(d)前記第1の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターを調整し、それにより前記生成されたLNGの高位発熱量(HHV)を少なくとも1パーセントだけ72時間より少ない期間にわたって変化する段階、
を有し、
段階(b)は、主に気体のストリッピング・ガス・ストリームを前記第1の蒸留塔の下側部分へ導入する段階を含み、
前記第1の冷却ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−125乃至−50度Fの範囲の温度を有し、前記ストリッピング・ガス・ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−50乃至100度Fの範囲の温度を有し、段階(d)は前記ストリッピング・ガス・ストリームの温度を少なくとも5度Fだけ低下し、それにより前記生成されたLNGのHHVを低下する段階を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターは、前記第1の冷却ストリームの温度、前記第1の冷却ストリームの組成及び前記第1の蒸留塔の塔頂圧力を有するグループから選択され、
前記第1の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターは、装置又は設備の要素への主供給の組成以外の装置又は設備の要素の動作パラメーターであり、及び/又は
段階(d)は、前記第1の蒸留塔の塔頂圧力を調整する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記生成されたLNGのHHVを24時間より短い期間にわたり少なくとも3パーセントだけ変化する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記生成されたLNGのHHVを12時間より短い期間にわたり少なくとも5パーセントだけ変化する段階を含み、及び/又は
段階(b)は、主に液体の還流ストリームを前記第1の蒸留塔の上側部分へ導入する段階を含み、及び/又は
前記第1の冷却ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−125乃至−50度Fの範囲の温度を有し、前記還流ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−180乃至−80度Fの範囲の温度を有し、段階(d)は、前記還流ストリームの温度を少なくとも5度Fだけ低下させ、それにより前記生成されたLNGのHHVを低下させる段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階(d)は前記第1の蒸留塔へ導入する前に前記第1の冷却ストリームの温度を調整する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
段階(d)は前記第1の冷却ストリームの温度を低下し生成されたLNGのHHVを低下させる段階を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の冷却ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−125乃至−50度Fの範囲の温度を有し、段階(d)は前記第1の冷却ストリームの温度を少なくとも1度Fだけ低下する段階を含み、及び/又は
前記第1の冷却ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−115乃至−65度Fの範囲の温度を有し、段階(d)は前記還流ストリームの温度を少なくとも3度Fだけ低下する段階を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
段階(b)は主に液体の還流ストリームを前記第1の蒸留塔の上側部分へ導入する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターは、前記還流ストリームの流速、前記還流ストリームの温度、前記還流ストリームの組成、前記第1の冷却ストリームの温度、前記第1の冷却ストリームの組成、及び前記第1の蒸留塔の塔頂圧力を有するグループから選択され、及び/又は
段階(d)は、前記還流ストリームの前記第1の蒸留塔への流速を変化する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記還流ストリームの前記第1の蒸留塔への流速を増大し、それにより前記生成されたLNGのHHVを低下する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記還流ストリームのC2+含有量を変化する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記還流ストリームの温度を変化する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記LNGストリームの前記第1の蒸留塔への流速を変化する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記LNGストリームの前記第1の蒸留塔への流速を増大し、それにより前記生成されたLNGのHHVを低下する段階を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
段階(d)は前記還流ストリームのC2+含有量を初期C2+含有量から調整されたC2+含有量まで増大し、生成されたLNGのHHVを低下させる段階を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記調整されたC2+含有量は初期C2+含有量よりモル方式で少なくとも10パーセント多く、及び/又は
前記初期C2+含有量は、75モル・パーセントより少なく、前記調整されたC2+含有量は少なくとも25モル・パーセントである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(e)第2の蒸留塔を用い、前記第1の相対的低揮発性部分の少なくとも一部を第2の相対的高揮発性部分と第2の相対的低揮発性部分とに分離する段階、を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
(f)前記第2の相対的低揮発性部分の少なくとも一部を前記第1の蒸留塔の上側部分に還流ストリームとして導入する段階、を更に有する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
(g)前記第2の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターを調整し、生成されたLNGのHHVを変化する段階、を更に有する請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターは、前記第2の蒸留塔へ導入される前記第1の相対的低揮発部分の温度、前記第2の蒸留塔へ導入される前記第1の相対的低揮発部分の組成、及び前記第2の蒸留塔の塔頂圧力を有するグループから選択され、及び/又は
(h)前記第2の相対的低揮発性部分の少なくとも一部を前記第1の蒸留塔の上側部分に還流ストリームとして導入する段階、を更に有し、段階(g)は前記還流ストリームのC2+含有量を変化する段階を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
段階(a)は、主にプロパンを有する第1の冷媒を利用する第1の冷却サイクルを用い、前記天然ガスの少なくとも一部を冷却する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
段階(c)は、主にエタン、エチレン、及び/又はメタンを有する第2の冷媒を利用する第2の冷却サイクルを用い、前記第1の分離されたストリームの少なくとも一部を冷却する段階を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の冷媒は主にメタンを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(i)主にエタン及び/又はエチレンを有する第3の冷媒を利用する第3の冷却サイクルを用い、前記第1の冷却ストリームの少なくとも一部及び/又は前記第1の分離されたストリームの少なくとも一部を冷却する段階、を更に有する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
LNG設備から生成されるLNGの発熱量を変化する方法であって、
(a)間接熱交換により天然ガスを冷却し、それにより第1の冷却ストリームを生成する段階、
(b)第1の蒸留塔を用い、前記第1の冷却ストリームの少なくとも一部を第1の相対的高揮発性部分及び第1の相対的低揮発性部分に分離する段階、
(c)前記第1の相対的高揮発性部分の少なくとも一部を冷却し、それによりLNGを生成する段階、
(d)前記第1の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターを調整し、それにより前記生成されたLNGの高位発熱量(HHV)を少なくとも1パーセントだけ72時間より短い期間にわたって変化する段階、
を有し、
段階(b)は、主に液体の還流ストリームを前記第1の蒸留塔の上側部分へ導入する段階を含み、
前記第1の冷却ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−125乃至−50度Fの範囲の温度を有し、前記還流ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−180乃至−80度Fの範囲の温度を有し、段階(d)は前記還流ストリームの温度を少なくとも5度Fだけ低下し、それにより生成されたLNGのHHVを低下する段階を含む、
方法。
【請求項19】
前記第1の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターは、前記第1の冷却ストリームの温度、前記第1の冷却ストリームの組成、及び前記第1の蒸留塔の塔頂圧力を有するグループから選択され、
前記第1の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターは、装置又は設備の要素への主供給の組成以外の装置又は設備の要素の動作パラメーターであり、及び/又は
段階(d)は、前記第1の蒸留塔の塔頂圧力を調整する段階を含み、及び/又は
前記第1の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターは、前記還流ストリームの流速、前記還流ストリームの温度、前記還流ストリームの組成、前記第1の冷却ストリームの温度、前記第1の冷却ストリームの組成、及び前記第1の蒸留塔の塔頂圧力を有するグループから選択され、及び/又は
段階(d)は、前記還流ストリームの前記第1の蒸留塔への流速を変化する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記還流ストリームの前記第1の蒸留塔への流速を増大し、それにより前記生成されたLNGのHHVを低下する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記還流ストリームのC2+含有量を変化する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記還流ストリームの温度を変化する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記LNGストリームの前記第1の蒸留塔への流速を変化する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記LNGストリームの前記第1の蒸留塔への流速を増大し、それにより前記生成されたLNGのHHVを低下する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記生成されたLNGのHHVを少なくとも3パーセントだけ24時間より短い期間にわたって変化する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記生成されたLNGのHHVを少なくとも5パーセントだけ12時間より短い期間にわたって変化する段階を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
段階(d)は前記第1の蒸留塔へ導入する前に前記第1の冷却ストリームの温度を調整する段階を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
段階(d)は前記第1の冷却ストリームの温度を低下し生成されたLNGのHHVを低下させる段階を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の冷却ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−125乃至−50度Fの範囲の温度を有し、段階(d)は前記第1の冷却ストリームの温度を少なくとも1度Fだけ低下する段階を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の冷却ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−115乃至−65度Fの範囲の温度を有し、段階(d)は前記第1の冷却ストリームの温度を少なくとも3度Fだけ低下する段階を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
段階(b)は主に気体のストリッピング・ガス・ストリームを前記第1の蒸留塔の下側部分へ導入する段階を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターは、前記ストリッピング・ガス・ストリームの流速、前記ストリッピング・ガス・ストリームの温度、前記ストリッピング・ガス・ストリームの組成、前記第1の冷却ストリームの温度、前記第1の冷却ストリームの組成、及び前記第1の蒸留塔の塔頂圧力を有するグループから選択され、及び/又は
段階(d)は、前記ストリッピング・ガス・ストリームの前記第1の蒸留塔への流速を変化する段階を含み、及び/又は
段階(d)は、前記ストリッピング・ガス・ストリームの前記第1の蒸留塔への流速を低下し、それにより前記生成されたLNGのHHVを低下する段階を含み、及び/又は
前記第1の冷却ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−125乃至−50度Fの範囲の温度を有し、前記ストリッピング・ガス・ストリームは、前記第1の蒸留塔へ導入されるとき、−50乃至100度Fの範囲の温度を有し、段階(d)は前記ストリッピング・ガス・ストリームの温度を少なくとも5度Fだけ低下し、それにより前記生成されたLNGのHHVを低下する段階を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
段階(d)は前記還流ストリームのC2+含有量を初期C2+含有量から調整されたC2+含有量まで増大し、それにより前記LNG生成物のHHVを低下させる段階を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記調整されたC2+含有量は初期C2+含有量よりモル方式で少なくとも10パーセント多く、及び/又は
前記初期C2+含有量は、75モル・パーセントより少なく、前記調整されたC2+含有量は少なくとも25モル・パーセントである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
(e)第2の蒸留塔を用い、前記第1の相対的低揮発性部分の少なくとも一部を第2の相対的高揮発性部分と第2の相対的低揮発性部分とに分離する段階、を更に有する請求項18に記載の方法。
【請求項29】
(f)前記第2の相対的低揮発性部分の少なくとも一部を前記第1の蒸留塔の上側部分に還流ストリームとして導入する段階、を更に有する請求項28に記載の方法。
【請求項30】
(g)前記第2の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターを調整し、生成されたLNGのHHVを変化する段階、を更に有する請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の蒸留塔の少なくとも1つの動作パラメーターは、前記第2の蒸留塔へ導入される前記第1の相対的低揮発部分の温度、前記第2の蒸留塔へ導入される前記第1の相対的低揮発部分の組成、及び前記第2の蒸留塔の塔頂圧力を有するグループから選択され、及び/又は
(h)前記第2の相対的低揮発性部分の少なくとも一部を前記第1の蒸留塔の上側部分に還流ストリームとして導入する段階、を更に有し、段階(g)は前記還流ストリームのC2+含有量を変化する段階を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
段階(a)は、主にプロパンを有する第1の冷媒を利用する第1の冷却サイクルを用い、前記天然ガスの少なくとも一部を冷却する段階を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
段階(c)は、主にエタン、エチレン、及び/又はメタンを有する第2の冷媒を利用する第2の冷却サイクルを用い、前記第1の分離されたストリームの少なくとも一部を冷却する段階を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の冷媒は主にメタンを有する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
(i)主にエタン及び/又はエチレンを有する第3の冷媒を利用する第3の冷却サイクルを用い、前記第1の冷却ストリームの少なくとも一部及び/又は前記第1の分離されたストリームの少なくとも一部を冷却する段階、を更に有する請求項34に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【公開番号】特開2012−141128(P2012−141128A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−48279(P2012−48279)
【出願日】平成24年3月5日(2012.3.5)
【分割の表示】特願2008−521451(P2008−521451)の分割
【原出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(503125112)コノコフィリップス カンパニー (2)
【Fターム(参考)】