液体撹拌方法、液体収容体、液体収容ケース及び液体噴射装置
【課題】 簡単に、しかも効率よく液体を撹拌することができる液体撹拌方法、液体収容体、液体収容ケース及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】 液体を内部に収容する収容袋1には、第1及び第2収容部6,7が設けられている。第1及び第2収容部6,7は、流路断面積が縮小された連通部8を介して互いに連通されている。収容袋1内の液体を撹拌する際は、第1及び第2収容部6,7のいずれかに外力を加えて体積を縮小し、他方の第1及び第2収容部6,7に液体を導出する。液体が連通部8を通過することにより、第1及び第2収容部6,7内において液体の回転する流れが発生して液体が撹拌される。
【解決手段】 液体を内部に収容する収容袋1には、第1及び第2収容部6,7が設けられている。第1及び第2収容部6,7は、流路断面積が縮小された連通部8を介して互いに連通されている。収容袋1内の液体を撹拌する際は、第1及び第2収容部6,7のいずれかに外力を加えて体積を縮小し、他方の第1及び第2収容部6,7に液体を導出する。液体が連通部8を通過することにより、第1及び第2収容部6,7内において液体の回転する流れが発生して液体が撹拌される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体撹拌方法、液体収容体、液体収容ケース及び液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、薬液、液状又はゾル状の食品、インク等の液体を密閉状態で収容し、内部の液体を導出可能な液体収容体が製造されている。これらの液体収容体の中には、液体の各成分の濃度分布を偏りなく均一にする等の目的で、使用前等に液体の撹拌が必要となるものがある。
【0003】
収容体内の液体を撹拌する方法として、例えば、豆腐を製造する目的で、豆乳及び凝固剤が入った袋体に外力を加えて、豆乳を撹拌する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、袋体の下部を押圧する動作及び押圧力を解除する動作を繰り返して、豆乳中に凝固剤を分散させるとともに、撹拌動作に伴う豆乳の泡立ちを防止している。
【特許文献1】特開2000−325243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記した方法では、撹拌の際に液体が泡立ちにくいという効果は得られるが、袋体内の液体は、単に上下動されるのみで撹拌効率が悪い。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単に、しかも効率よく液体を撹拌することができる液体撹拌方法、液体収容体、液体収容ケース及び液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、液体収容体内の液体を撹拌する液体撹拌方法において、前記液体収容体の内部を複数の収容部に区画し、同各収容部を、流路断面積が縮小された連通部を介して互いに連通させるとともに、少なくとも一つの前記収容部に外力を加えて体積を縮小し、その収容部内の液体を、他方の前記収容部に前記連通部を介して導出することにより、液体が導出されたその前記収容部内において液体の流れを発生させる。
【0006】
これによれば、液体収容体には、複数の収容部が設けられ、各収容部は断面積が縮小された連通部にて連通される。また、液体収容体内の液体を撹拌する場合には、少なくとも一つの収容部に外力を加えてその体積を縮小し、液体を他方の収容部に連通部を介して導出する。このため、その収容部内の局所的な箇所から大きな流速で他方の収容部に液体を導出できるので、液体収容体内の液体を、簡単に、しかも少ない動力で効率よく撹拌することができる。
【0007】
この液体撹拌方法において、前記液体収容体の内部を第1及び第2収容部に区画し、前記連通部にて互いに連通させるとともに、前記第1及び第2収容部の少なくとも1つに外力を加えて体積を縮小し、前記液体を他方の前記収容部に前記連通部を介して導出して、液体が導出された前記収容部内において液体の流れを発生させる。
【0008】
これによれば、液体収容体には、第1及び第2収容部が設けられ、各収容部は互いに連通部にて連通される。また、液体収容体内の液体を撹拌する場合には、いずれか一方の収容部に外力を加えて、その体積を縮小し、液体を他方の収容部に連通部を介して導出する。このため、その収容部内の局所的な箇所から大きな流速で他方の収容部に液体を導出で
きるので、液体収容体内の液体を、簡単に、しかも効率よく撹拌することができる。また、収容部を2つにしたので、収容体を簡単な構成にすることができる。
【0009】
この液体撹拌方法において、前記各収容部を、仕切部によって区画し、同仕切部の一部に設けられた連通部を介して互いに連通する。
これによれば、液体収容体には、仕切部で区画された複数の収容部を設け、各収容部は、仕切部の一部に設けられた連通部にて連通される。このため、収容部の構成を簡単にすることができる。
【0010】
この液体撹拌方法において、前記各収容部に交互に外力を加える。
これによれば、各収容部には、交互に外力が加えられる。このため、一方の収容部に外力を加えて、他方の収容部内で液体の流れを発生させた後、その他方の収容部から液体を導出することができる。このため、液体の流れを有効に利用して、効率よく液体を撹拌することができる。
【0011】
この液体撹拌方法において、前記各収容部を鉛直方向に並ぶように配置し、鉛直方向下方の前記収容部に外力を加えて前記液体を導出した後、鉛直方向上方の前記収容部に導出された液体を重力によって前記鉛直方向下方の収容部に導出する。
【0012】
これによれば、各収容部は、鉛直方向に並ぶように配置される。そして、鉛直方向下方の収容部に外力を加えて、鉛直方向上方の収容部に液体を導出して、液体の流れを発生させる。そして、その収容部に収容された液体を重力によって鉛直方向下方の収容部に導出する。このため、重力を利用して、少ない動力で効率的に液体を撹拌することができる。
【0013】
本発明は、液体を収容する液体収容体において、仕切部により区画された複数の収容部を備え、前記各収容部は、その流路断面積が前記各収容部の断面積よりも縮小された連通部にて連通されている。
【0014】
これによれば、液体収容体には、仕切部によって区画された複数の収容部が設けられ、各収容部は、流路断面積が縮小された連通部にて連通される。このため、少なくとも一つの収容部に外力を加えて、その体積を縮小すると、液体を他方の収容部に連通部を介して導出することができる。このため、その収容部の局所的な箇所から、他方の収容部に大きな流速で液体を導入することができるので、液体収容体内の液体を、簡単に、しかも少ない動力で効率よく撹拌することができる。
【0015】
この液体収容体において、前記仕切部は、前記液体収容体の中央位置に設けられている。
これによれば、仕切部は、液体収容体の中央位置に設けられているので、外力を加えることで、一方の収容部の液体のほぼ全量を、他方の収容部に移送することができるので、効率よく撹拌することができる。
【0016】
この液体収容体において、前記各収容部の隅部が円弧状に形成されている。
これによれば、収容部の隅部が円弧状に形成されている。このため、連通部を介して導出された液体が、隅部に衝突する際のエネルギーの損失を最小限にすることができる。従って、収容部内に発生した液体の流れが弱まるのを防止できる。
【0017】
この液体収容体において、前記連通部は、前記収容部の内側面に沿って設けられている。
これによれば、連通部は、各収容部の内側面に沿って設けられている。このため、液体が連通部から導出された際に、内側面に沿った流れを発生させることができる。従って、
液体の流れが相殺されることなく、内側面に沿って回転する流れを発生させることができる。
【0018】
この液体収容体において、前記連通部は、前記仕切部の端部に設けられている。
これによれば、連通部は仕切部の一部に形成されているので、液体収容体の構成を簡単にすることができる。また、連通部は仕切部の端部に設けられているので、収容部の内側面に沿った回転する流れを比較的容易に発生させることができる。
【0019】
この液体収容体において、前記連通部は、前記仕切部の中央位置に設けられている。
これによれば、連通部は仕切部の一部に形成されているので、液体収容体の構成を簡単にすることができる。また、連通部は、仕切部の中央位置に設けられているので、各収容部の液体が他の収容部に導出されやすい。
【0020】
この液体収容体において、前記各収容部を鉛直方向に並べて設けた。
これによれば、収容部は、鉛直方向に並べて設けられているので、鉛直方向上方の収容部内の液体は、外力を加えなくても、重力に従って下方の収容部に流れ落ちる。このため、撹拌する際には、下方の収容部のみ外力を加えればよいので、少ない動力で効率よく液体を撹拌することができる。
【0021】
この液体収容体において、前記液体収容体は、可撓性材質から形成されている。
これによれば、液体収容体は、可撓性材質から形成されているので、押圧力を加えることで収容部の体積を容易に縮小することができる。
【0022】
本発明は、ケースと、液体を収容する液体収容体を備えた液体収容ケースであって、前記液体収容体は、仕切部により区画された複数の収容部を備え、前記各収容部は、その流路断面積が前記各収容部の断面積よりも縮小された連通部にて連通されるとともに、前記ケースは、前記収容部の少なくとも1つに押圧力を加える加圧機構を備える。
【0023】
これによれば、液体収容ケースは、ケース内に液体収容体を備える。液体収容体には、仕切部によって区画された複数の収容部が設けられ、各収容部は、流路断面積が縮小された連通部にて連通される。ケースは、少なくとも一つの収容部に外力を加える加圧機構を備える。このため加圧機構により収容部を押圧して体積を縮小すると、液体を他方の収容部に連通部を介して導出することができる。このため、その収容部の局所的な箇所から、他方の収容部に大きな流速で液体を導入することができるので、液体収容体内の液体を、簡単に、しかも少ない動力で効率よく撹拌することができる。
【0024】
本発明は、液体噴射ヘッドから液体を吐出する液体噴射装置において、仕切部により区画された複数の収容部を備え、前記各収容部が連通部にて連通された液体収容体と、前記収容部の少なくとも1つに押圧力を加える加圧機構と、前記液体収容体から、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する供給機構とを備えた。
【0025】
これによれば、液体噴射装置は、連通部にて互いに連通された複数の収容部を設けた液体収容体を備える。そして、液体収容体の収容部のうち少なくとも1つを加圧機構により加圧して、液体を他方の収容部に導入する。このため、液体が導入された収容部では液体の流れが生じるので液体を撹拌できる。撹拌された液体は、供給機構により液体噴射ヘッドに供給されるので、液体噴射ヘッドからは撹拌された液体が吐出される。このため、常に濃度が均一の液体を吐出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図6に従って説明する。図1は、液体が収容された液体収容体としての収容袋1の斜視図である。
【0027】
図1に示すように、収容袋1は、2枚の略長方形状のフィルムFから形成されている。各フィルムFは、可撓性材質のフィルムであって、例えば、熱可塑性樹脂層を、ガスバリア性を有する材質でラミネート加工して形成されている。各フィルムFは、熱可塑性樹脂層を向かい合わせて重ねられた状態で、その4辺の縁を熱溶着されることで袋状に形成されている。その結果、各フィルムF間には、液体を収容可能な大収容部3が設けられる。また、図5に示すように、各フィルムFは、大収容部3の各隅部3a〜3dが円弧状になるように互いに固着されている。
【0028】
さらに、収容袋1には、仕切部5が設けられている。この仕切部5は、各フィルムFの長手方向の略中央を、一部拡開した状態で熱溶着することで形成されている。その結果、仕切部5は、大収容部3の長手方向の中央位置に、幅方向(図1中X軸方向)に沿って大収容部3を横切るように設けられている。また、この仕切部5により、大収容部3は、第1収容部6及び第2収容部7に区画される。これらの第1及び第2収容部6,7は、その幅(X軸方向の長さ)、長さ(Y軸方向の長さ)及び厚みが等しく、その容積は同じである。また、仕切部5の一部には、連通部8が、各収容部6,7の内側面に沿って設けるように形成されている。即ち、図4及び図5に示すように、第1及び第2収容部6,7は、流路断面積が縮小された連通部8を介して互いに連通されている。さらに、仕切部5は、第1及び第2収容部6,7の隅部6a,7aが円弧状になるように形成されている。
【0029】
また、各フィルムFの一辺の間には、樹脂からなる供給部9が挟まれた状態で固着されている。供給部9は、一端が大収容部3内に、他端がフィルムFから突出するように固着されている。この供給部9は、内部に流路、図示しない弁機構等を備え、供給部9の差込口に供給針を差し込んだ際に、第1収容部6の液体を外部に導出可能となっている。尚、弁機構は、供給部9に供給針を差し込まない限り、開弁しないように付勢されており、収容袋1の内圧変化が生じても開弁しない。
【0030】
この収容袋1に液体を収容する際には、例えば、袋状の各フィルムFの一辺を開放した状態で液体を注入して、注入後、開口部を固着する。また、収容袋1には、第1及び第2収容部6,7の容量を累計した全容量よりも少量の液体が注入される。このため、液体を収容した状態でも、収容袋1は外力に応じてその外形が変形可能になっている。また、液体が、固体物質が液状の分散媒に分散されている液体や、親油性の液体及び親水性の液体からなる混合液体等である場合には、成分が各収容部6,7の底部等に沈降したり、液体を構成する各成分が分離したりするので、撹拌する必要が生じる。
【0031】
この収容袋1の液体の撹拌方法について、図2〜図6に従って説明する。図2及び図3は、液体を収容した収容袋1の側面図である。図4は、液体の流れを説明する断面図、図5及び図6は、収容袋の正面図である。
【0032】
図2に示すように、第1及び第2収容部6,7を鉛直方向に並ぶように収容袋1を垂直に立てた状態(以下、垂直姿勢という)では、大部分の液体が第2収容部7に移動した状態になっている。この状態で撹拌を行う場合には、まず、手で第2収容部7を外側から挟持する等して、第2収容部7の体積を縮小するような押圧力(外力)を加える(図3中矢印参照)。すると、図3に示すように、第2収容部7を構成するフィルムFが撓んで、内部の液体に第2収容部7から押し出されるような圧力が加わる。その結果、第2収容部7内の液体は、図4に示すように、連通部8を介して第1収容部6に導出され、第2収容部7の体積が減少する。
【0033】
加圧された第2収容部7の液体は、断面積の小さい連通部8を通過することで、第1収容部6内に噴出する。これにより、図5中矢印方向に示すように、第1収容部6の内側面に沿って、鉛直方向上方に向かう液体の流れが発生する。さらに、液体は、第1収容部6の左上の隅部3aに衝突し、内側面に沿って右上の隅部3dに向かって流れる。また、隅部3dに衝突した液体は、大収容部3の内側面に沿って鉛直方向下方に流れる。つまり、連通部8を介して第1収容部6に流入した液体は、局所的な箇所に設けられた連通部8を通過することで流速を高め、第1収容部6の内側面に沿って回転する流れを発生する。この流れが発生することにより、第2収容部7側に沈降又は分離した成分が第1収容部6内で縦横方向に移動するので、それらの成分が第1収容部6内に分散される。
【0034】
第2収容部7から第1収容部6へ液体を移送した後、第2収容部7への押圧力を解除すると、第1収容部6内の液体が、重力に従って第2収容部7に導出される。このとき液体は、まず、図6に示すように、連通部8を通過することで流速を高め、第2収容部7の左下の隅部3bから、右下の隅部3cに向かい、さらに右上の隅部7aに向かって上昇する流れを生じる。その結果、第2収容部7に流入した液体は、第2収容部7の内側面に沿って回転する流れを生じる。このため、第1収容部6側に分離された液体や、第2収容部7の底部に堆積した成分、又は分離した液体が、第2収容部7内の液体全体に混合される。
【0035】
再び、第2収容部7に押圧力を加えると、撹拌された第2収容部7内の液体が、第1収容部6に移送され、第1収容部6内では、前記したような回転する流れが生じて液体がさらに撹拌される。このように、第2収容部7に対し、押圧力を加える動作及び解除する動作を繰り返し行うことにより、第1及び第2収容部6,7の底部に沈降した成分又は、分離した成分が全体に混合され、液体の各成分の濃度分布が均一になる。
【0036】
一方、収容袋1を水平にした状態(以下、水平姿勢という)では、収容袋1内の液体は、ほぼ半量ずつ第1及び第2収容部6,7に収容される。この水平姿勢で収容袋1を撹拌する場合には、第1及び第2収容部6,7に交互に押圧力を加える。例えば、まず、第2収容部7に押圧力を加え、第2収容部7内の液体を加圧状態とし、連通部8を介して第1収容部6に噴出させる。そして、第1収容部6内で回転する流れ(図5参照)を発生させて、液体を撹拌する。
【0037】
次に、第2収容部7への押圧力を解除して、第1収容部6に外側から押圧力を加え、第1収容部6内の液体を加圧する。すると、加圧された液体は、連通部8から第2収容部7に噴出し、第2収容部7で回転する流れ(図6参照)を生じる。このような第1及び第2収容部6,7内の流れによって、第1及び第2収容部6,7の底部に沈降した成分、分離した成分は、縦横方向に移動し、液体全体に分散される。このような各収容部6,7に交互に押圧力を加える方法は、垂直姿勢の収容袋1に適用してもよい。
【0038】
撹拌後、液体を外部に導出する際には、供給部9に供給針等を挿入し、収容袋1全体を押圧する。又は、供給部9を鉛直方向下方になるように収容袋1を配置する。すると、供給部9を介して濃度が均一になった液体が導出する。
【0039】
第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態では、収容袋1に、第1及び第2収容部6,7を設け、各収容部6,7を、流路断面積が縮小された連通部8を介して連通するようにした。また、収容袋1内の液体を撹拌する場合には、各収容部6,7の一方に外力を加えて、その体積を縮小し、液体を他方の収容部6,7に連通部8を介して導出することで、流速の大きい流れを発生するようにした。このため、小さな動力で、各収容部6,7内において回転する流れを発生させることができるので、収容袋1内の液体を、簡単に、しかも効率よく撹拌することができる。
【0040】
(2)第1の実施形態では、収容袋1を垂直姿勢にして液体を撹拌する際に、第2収容部7のみを押圧するようにした。そして、第2収容部7の液体を第1収容部6に導出した後、押圧力を解除することにより、第1収容部6の液体を重力によって第2収容部7に導出した。このため、各収容部6、7の両方を押圧しなくても、重力を利用して効率よく液体を撹拌することができる。
【0041】
(3)第1の実施形態では、収容袋1を水平姿勢又は垂直姿勢にして液体を撹拌する際に、第1及び第2収容部6,7を交互に押圧するようにした。このため、各収容部6,7の一方に押圧力を加えて、他方の収容部6,7に液体を移送し、液体の流れを発生させてから、他方の収容部6,7を押圧して、もう一方の収容部6,7に液体を導出することができる。このため、液体の流れを有効に利用して、液体を撹拌することができる。
【0042】
(4)第1の実施形態では、収容袋1に仕切部5を設けることにより、第1及び第2収容部6,7を区画するようにした。このため、収容袋1を区画するための、クリップ状の挟持部材等が必要ない。
【0043】
(5)第1の実施形態では、仕切部5を、収容袋1の長手方向の略中央に設けた。このため、第1及び第2収容部6,7の容積が等しくなり、押圧力を加えることで、各収容部6,7の一方に収容された液体のほぼ全量を他方の収容部6,7に移送することができる。従って、効率よく液体を撹拌することができる。
【0044】
(6)第1の実施形態では、各収容部6,7の隅部3a〜3d,6a,7aを円弧状に形成した。このため、流速が高められた液体が、隅部3a〜3d,6a,7aに衝突する際に、液体のエネルギーの損失を最小限にすることができる。従って、液体の流速の低下が最小限になるので、収容部6,7内で回転する液体の流れを確実に発生させることができる。
【0045】
(7)第1の実施形態では、収容袋1には、各収容部6,7の全容積よりも少量の液体を収容するようにした。このため、液体が自由に流動するスペースを設けることができるので、各収容部6,7内に液体の流れを容易に発生させることができる。
【0046】
(8)第1の実施形態では、連通部8を、仕切部5の一部であって、各収容部6,7の内側面に沿って設けるようにした。このため、連通部8から液体が導出された際に、内側面に沿った回転する流れを容易かつ確実に発生させることができる。また、連通部8と仕切部5が一体であるため、連通路を別途形成することなく、収容袋1の構成を簡単にすることができる。
【0047】
(9)第1の実施形態では、収容袋1は、可撓性のフィルムFから形成されている。このため、小さな押圧力で収容部6,7の体積を容易に縮小することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図7〜図9に従って説明する。尚、第2の実施形態は、第1の実施形態の収容袋1をケースに収容した点のみを変更しているため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0048】
図7に示すように、本実施形態の液体収容ケース(以下、単にケース10と言う。)は、ケースとしてのケース本体11内に、第1の実施形態の収容袋1を備えている。収容袋1は、ケース本体11に対して、その供給部9の差込口が外部を向いた状態で固定されている。また、ケース本体11内には、収容袋1の第2収容部7を挟むように、加圧機構としての一対の加圧板12が配設されている。そして、この加圧板12は、図示しない駆動
機構に連結され、第2収容部7を両側から押圧して、第2収容部7の体積を減少させる位置(以下、作用位置と言う)と、第2収容部7から離間する位置(以下、退避位置と言う)との間で図7中矢印方向に往復移動するように構成されている。
【0049】
このケース10は、第1収容部6が第2収容部7よりも鉛直方向上方に配置するような垂直姿勢になるように配置される。そして、図8に示すように、加圧板12を作用位置に配置すると、第2収容部7内の液体が、第1収容部6内に移送され、第1収容部6内で回転する流れを生じる。また、加圧板12が、作用位置から退避位置に移動すると、第1収容部6の液体が重力に従って第2収容部7に移送され、第2収容部7内で回転するような流れが発生する。さらに、加圧板12が作用位置と退避位置との間で移動動作を繰り返すことにより、第1及び第2収容部6,7内の液体が撹拌される。
【0050】
このケース10は、例えば、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、プリンタ15と言う)に搭載することができる。図9に示すように、このプリンタ15は、フレーム16に架設されたガイド部材17を備えている。ガイド部材17には、キャリッジ18が主走査方向に沿って往復移動可能に設けられている。キャリッジ18には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド19と、記録ヘッド19にインクを供給する4個のサブタンク20が搭載されている。
【0051】
各サブタンク20は、供給機構を構成する各供給路21を介して、4個のケース10とそれぞれ接続している。各ケース10は収容袋1が垂直姿勢になるようにフレーム16内にそれぞれ配設されている。各収容袋1内には、顔料からなる色材を分散媒内に分散した、液体としての顔料インクがそれぞれ収容されている。また、各供給路21の先端には図示しない供給針が設けられ、各収容袋1の供給部9にそれぞれ差し込まれている。さらに、各供給路21の途中であって、ケース10近傍には図示しないバルブが接続されている。
【0052】
プリンタ15は、適宜インク撹拌動作を行い、収容袋1内のインクを撹拌する。具体的には、供給路21の前記バルブを閉状態とし、前記した駆動機構を駆動して、加圧板12を作用位置及び退避位置の間で往復移動させる。これにより、収容袋1内のインクは撹拌される。インクを記録ヘッド19に供給する際は、撹拌動作を行った後、前記バルブを開状態とする。そして、ケース10内に空気を圧送する加圧ポンプ等の図示しない加圧手段、又は加圧板12により、収容袋1を押し潰してインクを押し出す。その結果、濃度が均一になったインクが収容袋1から供給路21に導出され、サブタンク20を介して記録ヘッド19まで供給される。
【0053】
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)、(2)、(4)〜(9)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(10)第2の実施形態では、収容袋1を垂直姿勢にしてケース10に収容した。また、ケース10に、1対の加圧板12を第2収容部7をそれぞれ挟むように設けた。そして、加圧板12が第2収容部7を押圧する作用位置と、第2収容部7から離間する退避位置との間で往復移動することにより、収容袋1内の液体を撹拌するようにした。このため、収容袋1内の液体を撹拌し、しかも構成が簡単なケース10を提供することができる。
【0054】
(11)第2の実施形態では、ケース10をプリンタ15に搭載し、収容袋1内に顔料インクを収容した。ケース10で撹拌されたインクは、供給機構により記録ヘッド19に供給されるので、記録ヘッド19からは撹拌されたインクが吐出される。このため、常に顔料濃度が均一のインクを記録ヘッド19から吐出して、色の濃淡にばらつきのない印刷物を作成することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図10に従って説明する。尚、第3の実施形態は、第2の実施形態の収容袋1を備えたケースを変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0056】
本実施形態のケース25は、ケース本体26内に、収容袋1を備える。また、ケース本体26内には、2対の第1及び第2加圧板27,28が備えられる。
第1加圧板27は、第1収容部6を挟むように設けられ、第2加圧板28は、第2収容部7を挟むように設けられている。このケース25は、第1及び第2収容部6,7が水平に並ぶように、水平姿勢に配置してもよいし、第1収容部6が第2収容部7よりも鉛直方向上方になるように鉛直姿勢に配置してもよいが、ここでは、水平姿勢に配置した場合について説明する。
【0057】
撹拌動作の際には、第1及び第2加圧板27,28を、交互に作用位置及び退避位置との間で移動させる。詳述すると、第1加圧板27を、第1収容部6を挟んで、その体積を減少させる作用位置に移動すると同時に、第2加圧板28を、第2収容部7から離間した退避位置まで移動する。すると、第1収容部6内の液体が、連通部8を介して、第2収容部7に移送され、第2収容部7内で回転するような流れが発生する。
【0058】
次に、第1加圧板27を、第1収容部6から離間した退避位置まで移動し、第2加圧板28を第2収容部7を挟んで、その体積を減少させる作用位置に配置する(図10参照)。その結果、第2収容部7内で撹拌された液体が、第1収容部6に移送される。また、液体は、第1収容部6内で回転するような流れを生じる。このため、第1及び第2収容部6,7底部に堆積した物質、分離した成分が液体全体に撹拌され、濃度分布が均一になる。
【0059】
従って、第3の実施形態によれば、第1及び第2の実施形態の(1)、(3)〜(9)、(11)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(12)第3の実施形態では、収容袋1を収容するケース25に、第1及び第2収容部6,7を押圧する第1及び第2加圧板27,28を設けた。そして、第1及び第2加圧板27,28が作用位置と退避位置との間で交互に往復移動することにより、収容袋1内の液体を撹拌するようにした。このため、収容袋1内の液体を撹拌し、しかも構成が簡単なケース10を提供することができる。また、ケース25は、垂直姿勢及び水平姿勢のいずれでも配設することができるので、レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0060】
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4の実施形態を図11〜図13に従って説明する。尚、第3の実施形態は、第1〜第3の実施形態の収容袋1及びケース10,25を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0061】
本実施形態の収容袋30は、図11に示すように、供給部9を1辺に挟んだ状態で、各フィルムFの4辺の縁を熱溶着することにより袋状に形成されている。つまり、この収容袋30は、第1の実施形態の収容袋1の仕切部5を省略した点のみ異なる構成である。
【0062】
そして、図12に示すように、ケース31は、箱体部32と蓋部33とを備えている。図13に示すように箱体部32の略中央には、幅方向に沿って立設されたリブ34が形成されている。リブ34は、箱体部32の右壁部32aから、幅方向に平行に延び、左壁部32bと隙間を設けるように形成されている。開口部を上方に向けた状態の箱体部32に収容袋30を収容すると、図11の2点鎖線及び図12に示すように、リブ34が仕切部として機能し、収容袋30は液体の重みによって、略中央位置において第1及び第2収容部35,36に区画される。また、第1及び第2収容部35,36の間には連通部37が
設けられる。
【0063】
また、箱体部32には、第1及び第2加圧板38,39と、その駆動機構が設けられている。収容袋30を収容した状態で、箱体部32を蓋部33にて閉塞し、撹拌動作を行う際には、第1及び第2加圧板38,39を交互に移動させる。すると、収容袋30内の液体は、上記実施形態と同様に、各収容部35,36内で回転する流れを生じ、撹拌される。
【0064】
従って、第4の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)、(3)、(6)〜(9)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(13)第4の実施形態では、リブ34を設けた箱体部32に、収容袋30を収容することによって、連通部37を設けた状態で、第1及び第2収容部35,36を区画した。このため、収容袋30の構成を簡単にすることができる。
【0065】
尚、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、連通部8,37は仕切部の中央に設けてもよい。具体的には、収容袋40は、図14に示すように、仕切部43によって、第1及び第2収容部41,42に区画され、仕切部43の中央位置には、連通部44が形成されている。第2収容部42を加圧すると、第2収容部42内の液体は、連通部44を介して第1収容部41に導出され、図14中矢印方向に回転する流れを生じる。この流れは、内側面に衝突すると、2つの流れに分岐する。また、第1収容部41を加圧したり、収容袋40を垂直姿勢で配置した場合には、第1収容部41内の液体は、連通部44を介して第2収容部42に導出され、図15中矢印方向に回転する流れを生じる。このように連通部を中央に設けると、液体が各収容部に導出されやすくなる。
【0066】
・収容袋は、仕切部を設ける替りに仕切部としての挟持部材で区画されてもよい。具体的には、図16に示すように、収容袋50を両側面から挟持するクリップ状の挟持部材51で挟持して、大収容部52を区画してもよい。尚、挟持部材51は、大収容部52の一部を開放し、連通部を設けた状態で取付ける。
【0067】
・液体収容体は、2つの液体収容部を連結して構成してもよい。具体的には、図17に示すように、供給部61及び連通部としての連結口62を備えた第1液体収容部60と、連通部としての連結口63を備えた第2液体収容部64とを、各連結口62,63で互いに連結する。そして、第1及び第2液体収容部60,64を交互に押圧し、内部に液体の流れを発生させて撹拌する。
【0068】
・上記各実施形態では、収容袋1を押圧する加圧機構を、加圧板にしたが、これに限定されることはない。例えば、収容袋1を、支持軸に軸支された回動板によって押圧して、撹拌しても良い。また、加圧板を、形状記憶合金等、熱、電圧等を加えることにより変形・ひずみを生じる材質から形成し、加熱又は電圧の印加によって、作用位置及び退避位置の間を移動させてもよい。また、収容袋1を、2室に区画されたケースに収容し、各室に交互に空気を送出して、交互に加圧状態とし、第1及び第2収容部6,7を交互に押圧して撹拌するようにしてもよい。
【0069】
・上記各実施形態では、大収容部3内に、一方のフィルムFの内側面に固定された仕切部を設けてもよい。この仕切部は、他方のフィルムとの間が拡開しており、この拡開部が連通部を構成する。
【0070】
・上記各実施形態では、第1及び第2収容部6,7内で液体の回転するような流れを発生することにより液体を撹拌するようにしたが、回転流に限定されることはなく、第1及
び第2収容部6,7内で液体が縦横方向に流動すればよい。
【0071】
・上記各実施形態では、収容袋1に2つの収容部を形成したが、3つ以上の収容部を形成してもよい。
・上記各実施形態では、液体収容体を、袋状のフィルムではなく、樹脂等の可撓性材質からなる筐体から構成してもよい。
【0072】
・上記各実施形態では、フィルムFは、熱可塑性樹脂にガスバリア層をラミネートしたフィルムとしたが、単に樹脂からなるフィルム、金属箔からなるフィルムを用いてもよい。
【0073】
・上記各実施形態では、収容袋1は、2枚のフィルムFを熱溶着することで形成したが、1枚のフィルムFを折り曲げて袋状にしてもよい。また、3枚以上のフィルムFを互いに固着して袋状にしてもよい。また、フィルムFの端を互いに固着する方法としては、熱溶着に限定されることはなく、接着剤による固着、振動溶着等、何でもよい。
【0074】
・上記各実施形態においては、液体噴射装置として、インクを吐出するプリンタ15について説明したが、その他の液体噴射装置であってもよい。例えば、ファックス、コピア等を含む印刷装置や、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。また、液体も顔料インクに限られず、染料インクや、他の液体に応用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】第1の実施形態の液体収容袋の斜視図。
【図2】同収容袋の側面図。
【図3】同収容袋の側面図。
【図4】同収容袋の断面図。
【図5】同収容袋内の液体の流れを説明する正面図。
【図6】同収容袋内の液体の流れを説明する正面図。
【図7】第2の実施形態の液体収容ケースの断面図。
【図8】同液体収容ケースの断面図。
【図9】同液体収容ケースが搭載されるプリンタの平面図。
【図10】第3の実施形態の液体収容ケースの断面図。
【図11】第4の実施形態の収容袋の正面図。
【図12】同液体収容ケースの断面図。
【図13】同液体収容ケースを構成するケース本体の平面図。
【図14】別例の液体収容袋の正面図。
【図15】同液体収容袋の正面図。
【図16】別例の液体収容袋の正面図。
【図17】別例の液体収容袋の正面図。
【符号の説明】
【0076】
1,30,40,50…液体収容体としての収容袋、5,34,43,51…仕切部、6,35,41…収容部としての第1収容部、7,36,42…収容部としての第2収容部、8,37,44…連通部、10…液体収容ケースとしてのケース、11…ケースとしてのケース本体、12,27,28,38,39…加圧機構、15…液体噴射装置としてのプリンタ、19…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、21…供給機構を構成する供給路、60…収容部としての第1液体収容部、62,63…連通部としての連結口、64…
収容部としての第2液体収容部、3a〜3d,6a,7a…隅部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体撹拌方法、液体収容体、液体収容ケース及び液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、薬液、液状又はゾル状の食品、インク等の液体を密閉状態で収容し、内部の液体を導出可能な液体収容体が製造されている。これらの液体収容体の中には、液体の各成分の濃度分布を偏りなく均一にする等の目的で、使用前等に液体の撹拌が必要となるものがある。
【0003】
収容体内の液体を撹拌する方法として、例えば、豆腐を製造する目的で、豆乳及び凝固剤が入った袋体に外力を加えて、豆乳を撹拌する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、袋体の下部を押圧する動作及び押圧力を解除する動作を繰り返して、豆乳中に凝固剤を分散させるとともに、撹拌動作に伴う豆乳の泡立ちを防止している。
【特許文献1】特開2000−325243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記した方法では、撹拌の際に液体が泡立ちにくいという効果は得られるが、袋体内の液体は、単に上下動されるのみで撹拌効率が悪い。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単に、しかも効率よく液体を撹拌することができる液体撹拌方法、液体収容体、液体収容ケース及び液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、液体収容体内の液体を撹拌する液体撹拌方法において、前記液体収容体の内部を複数の収容部に区画し、同各収容部を、流路断面積が縮小された連通部を介して互いに連通させるとともに、少なくとも一つの前記収容部に外力を加えて体積を縮小し、その収容部内の液体を、他方の前記収容部に前記連通部を介して導出することにより、液体が導出されたその前記収容部内において液体の流れを発生させる。
【0006】
これによれば、液体収容体には、複数の収容部が設けられ、各収容部は断面積が縮小された連通部にて連通される。また、液体収容体内の液体を撹拌する場合には、少なくとも一つの収容部に外力を加えてその体積を縮小し、液体を他方の収容部に連通部を介して導出する。このため、その収容部内の局所的な箇所から大きな流速で他方の収容部に液体を導出できるので、液体収容体内の液体を、簡単に、しかも少ない動力で効率よく撹拌することができる。
【0007】
この液体撹拌方法において、前記液体収容体の内部を第1及び第2収容部に区画し、前記連通部にて互いに連通させるとともに、前記第1及び第2収容部の少なくとも1つに外力を加えて体積を縮小し、前記液体を他方の前記収容部に前記連通部を介して導出して、液体が導出された前記収容部内において液体の流れを発生させる。
【0008】
これによれば、液体収容体には、第1及び第2収容部が設けられ、各収容部は互いに連通部にて連通される。また、液体収容体内の液体を撹拌する場合には、いずれか一方の収容部に外力を加えて、その体積を縮小し、液体を他方の収容部に連通部を介して導出する。このため、その収容部内の局所的な箇所から大きな流速で他方の収容部に液体を導出で
きるので、液体収容体内の液体を、簡単に、しかも効率よく撹拌することができる。また、収容部を2つにしたので、収容体を簡単な構成にすることができる。
【0009】
この液体撹拌方法において、前記各収容部を、仕切部によって区画し、同仕切部の一部に設けられた連通部を介して互いに連通する。
これによれば、液体収容体には、仕切部で区画された複数の収容部を設け、各収容部は、仕切部の一部に設けられた連通部にて連通される。このため、収容部の構成を簡単にすることができる。
【0010】
この液体撹拌方法において、前記各収容部に交互に外力を加える。
これによれば、各収容部には、交互に外力が加えられる。このため、一方の収容部に外力を加えて、他方の収容部内で液体の流れを発生させた後、その他方の収容部から液体を導出することができる。このため、液体の流れを有効に利用して、効率よく液体を撹拌することができる。
【0011】
この液体撹拌方法において、前記各収容部を鉛直方向に並ぶように配置し、鉛直方向下方の前記収容部に外力を加えて前記液体を導出した後、鉛直方向上方の前記収容部に導出された液体を重力によって前記鉛直方向下方の収容部に導出する。
【0012】
これによれば、各収容部は、鉛直方向に並ぶように配置される。そして、鉛直方向下方の収容部に外力を加えて、鉛直方向上方の収容部に液体を導出して、液体の流れを発生させる。そして、その収容部に収容された液体を重力によって鉛直方向下方の収容部に導出する。このため、重力を利用して、少ない動力で効率的に液体を撹拌することができる。
【0013】
本発明は、液体を収容する液体収容体において、仕切部により区画された複数の収容部を備え、前記各収容部は、その流路断面積が前記各収容部の断面積よりも縮小された連通部にて連通されている。
【0014】
これによれば、液体収容体には、仕切部によって区画された複数の収容部が設けられ、各収容部は、流路断面積が縮小された連通部にて連通される。このため、少なくとも一つの収容部に外力を加えて、その体積を縮小すると、液体を他方の収容部に連通部を介して導出することができる。このため、その収容部の局所的な箇所から、他方の収容部に大きな流速で液体を導入することができるので、液体収容体内の液体を、簡単に、しかも少ない動力で効率よく撹拌することができる。
【0015】
この液体収容体において、前記仕切部は、前記液体収容体の中央位置に設けられている。
これによれば、仕切部は、液体収容体の中央位置に設けられているので、外力を加えることで、一方の収容部の液体のほぼ全量を、他方の収容部に移送することができるので、効率よく撹拌することができる。
【0016】
この液体収容体において、前記各収容部の隅部が円弧状に形成されている。
これによれば、収容部の隅部が円弧状に形成されている。このため、連通部を介して導出された液体が、隅部に衝突する際のエネルギーの損失を最小限にすることができる。従って、収容部内に発生した液体の流れが弱まるのを防止できる。
【0017】
この液体収容体において、前記連通部は、前記収容部の内側面に沿って設けられている。
これによれば、連通部は、各収容部の内側面に沿って設けられている。このため、液体が連通部から導出された際に、内側面に沿った流れを発生させることができる。従って、
液体の流れが相殺されることなく、内側面に沿って回転する流れを発生させることができる。
【0018】
この液体収容体において、前記連通部は、前記仕切部の端部に設けられている。
これによれば、連通部は仕切部の一部に形成されているので、液体収容体の構成を簡単にすることができる。また、連通部は仕切部の端部に設けられているので、収容部の内側面に沿った回転する流れを比較的容易に発生させることができる。
【0019】
この液体収容体において、前記連通部は、前記仕切部の中央位置に設けられている。
これによれば、連通部は仕切部の一部に形成されているので、液体収容体の構成を簡単にすることができる。また、連通部は、仕切部の中央位置に設けられているので、各収容部の液体が他の収容部に導出されやすい。
【0020】
この液体収容体において、前記各収容部を鉛直方向に並べて設けた。
これによれば、収容部は、鉛直方向に並べて設けられているので、鉛直方向上方の収容部内の液体は、外力を加えなくても、重力に従って下方の収容部に流れ落ちる。このため、撹拌する際には、下方の収容部のみ外力を加えればよいので、少ない動力で効率よく液体を撹拌することができる。
【0021】
この液体収容体において、前記液体収容体は、可撓性材質から形成されている。
これによれば、液体収容体は、可撓性材質から形成されているので、押圧力を加えることで収容部の体積を容易に縮小することができる。
【0022】
本発明は、ケースと、液体を収容する液体収容体を備えた液体収容ケースであって、前記液体収容体は、仕切部により区画された複数の収容部を備え、前記各収容部は、その流路断面積が前記各収容部の断面積よりも縮小された連通部にて連通されるとともに、前記ケースは、前記収容部の少なくとも1つに押圧力を加える加圧機構を備える。
【0023】
これによれば、液体収容ケースは、ケース内に液体収容体を備える。液体収容体には、仕切部によって区画された複数の収容部が設けられ、各収容部は、流路断面積が縮小された連通部にて連通される。ケースは、少なくとも一つの収容部に外力を加える加圧機構を備える。このため加圧機構により収容部を押圧して体積を縮小すると、液体を他方の収容部に連通部を介して導出することができる。このため、その収容部の局所的な箇所から、他方の収容部に大きな流速で液体を導入することができるので、液体収容体内の液体を、簡単に、しかも少ない動力で効率よく撹拌することができる。
【0024】
本発明は、液体噴射ヘッドから液体を吐出する液体噴射装置において、仕切部により区画された複数の収容部を備え、前記各収容部が連通部にて連通された液体収容体と、前記収容部の少なくとも1つに押圧力を加える加圧機構と、前記液体収容体から、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する供給機構とを備えた。
【0025】
これによれば、液体噴射装置は、連通部にて互いに連通された複数の収容部を設けた液体収容体を備える。そして、液体収容体の収容部のうち少なくとも1つを加圧機構により加圧して、液体を他方の収容部に導入する。このため、液体が導入された収容部では液体の流れが生じるので液体を撹拌できる。撹拌された液体は、供給機構により液体噴射ヘッドに供給されるので、液体噴射ヘッドからは撹拌された液体が吐出される。このため、常に濃度が均一の液体を吐出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図6に従って説明する。図1は、液体が収容された液体収容体としての収容袋1の斜視図である。
【0027】
図1に示すように、収容袋1は、2枚の略長方形状のフィルムFから形成されている。各フィルムFは、可撓性材質のフィルムであって、例えば、熱可塑性樹脂層を、ガスバリア性を有する材質でラミネート加工して形成されている。各フィルムFは、熱可塑性樹脂層を向かい合わせて重ねられた状態で、その4辺の縁を熱溶着されることで袋状に形成されている。その結果、各フィルムF間には、液体を収容可能な大収容部3が設けられる。また、図5に示すように、各フィルムFは、大収容部3の各隅部3a〜3dが円弧状になるように互いに固着されている。
【0028】
さらに、収容袋1には、仕切部5が設けられている。この仕切部5は、各フィルムFの長手方向の略中央を、一部拡開した状態で熱溶着することで形成されている。その結果、仕切部5は、大収容部3の長手方向の中央位置に、幅方向(図1中X軸方向)に沿って大収容部3を横切るように設けられている。また、この仕切部5により、大収容部3は、第1収容部6及び第2収容部7に区画される。これらの第1及び第2収容部6,7は、その幅(X軸方向の長さ)、長さ(Y軸方向の長さ)及び厚みが等しく、その容積は同じである。また、仕切部5の一部には、連通部8が、各収容部6,7の内側面に沿って設けるように形成されている。即ち、図4及び図5に示すように、第1及び第2収容部6,7は、流路断面積が縮小された連通部8を介して互いに連通されている。さらに、仕切部5は、第1及び第2収容部6,7の隅部6a,7aが円弧状になるように形成されている。
【0029】
また、各フィルムFの一辺の間には、樹脂からなる供給部9が挟まれた状態で固着されている。供給部9は、一端が大収容部3内に、他端がフィルムFから突出するように固着されている。この供給部9は、内部に流路、図示しない弁機構等を備え、供給部9の差込口に供給針を差し込んだ際に、第1収容部6の液体を外部に導出可能となっている。尚、弁機構は、供給部9に供給針を差し込まない限り、開弁しないように付勢されており、収容袋1の内圧変化が生じても開弁しない。
【0030】
この収容袋1に液体を収容する際には、例えば、袋状の各フィルムFの一辺を開放した状態で液体を注入して、注入後、開口部を固着する。また、収容袋1には、第1及び第2収容部6,7の容量を累計した全容量よりも少量の液体が注入される。このため、液体を収容した状態でも、収容袋1は外力に応じてその外形が変形可能になっている。また、液体が、固体物質が液状の分散媒に分散されている液体や、親油性の液体及び親水性の液体からなる混合液体等である場合には、成分が各収容部6,7の底部等に沈降したり、液体を構成する各成分が分離したりするので、撹拌する必要が生じる。
【0031】
この収容袋1の液体の撹拌方法について、図2〜図6に従って説明する。図2及び図3は、液体を収容した収容袋1の側面図である。図4は、液体の流れを説明する断面図、図5及び図6は、収容袋の正面図である。
【0032】
図2に示すように、第1及び第2収容部6,7を鉛直方向に並ぶように収容袋1を垂直に立てた状態(以下、垂直姿勢という)では、大部分の液体が第2収容部7に移動した状態になっている。この状態で撹拌を行う場合には、まず、手で第2収容部7を外側から挟持する等して、第2収容部7の体積を縮小するような押圧力(外力)を加える(図3中矢印参照)。すると、図3に示すように、第2収容部7を構成するフィルムFが撓んで、内部の液体に第2収容部7から押し出されるような圧力が加わる。その結果、第2収容部7内の液体は、図4に示すように、連通部8を介して第1収容部6に導出され、第2収容部7の体積が減少する。
【0033】
加圧された第2収容部7の液体は、断面積の小さい連通部8を通過することで、第1収容部6内に噴出する。これにより、図5中矢印方向に示すように、第1収容部6の内側面に沿って、鉛直方向上方に向かう液体の流れが発生する。さらに、液体は、第1収容部6の左上の隅部3aに衝突し、内側面に沿って右上の隅部3dに向かって流れる。また、隅部3dに衝突した液体は、大収容部3の内側面に沿って鉛直方向下方に流れる。つまり、連通部8を介して第1収容部6に流入した液体は、局所的な箇所に設けられた連通部8を通過することで流速を高め、第1収容部6の内側面に沿って回転する流れを発生する。この流れが発生することにより、第2収容部7側に沈降又は分離した成分が第1収容部6内で縦横方向に移動するので、それらの成分が第1収容部6内に分散される。
【0034】
第2収容部7から第1収容部6へ液体を移送した後、第2収容部7への押圧力を解除すると、第1収容部6内の液体が、重力に従って第2収容部7に導出される。このとき液体は、まず、図6に示すように、連通部8を通過することで流速を高め、第2収容部7の左下の隅部3bから、右下の隅部3cに向かい、さらに右上の隅部7aに向かって上昇する流れを生じる。その結果、第2収容部7に流入した液体は、第2収容部7の内側面に沿って回転する流れを生じる。このため、第1収容部6側に分離された液体や、第2収容部7の底部に堆積した成分、又は分離した液体が、第2収容部7内の液体全体に混合される。
【0035】
再び、第2収容部7に押圧力を加えると、撹拌された第2収容部7内の液体が、第1収容部6に移送され、第1収容部6内では、前記したような回転する流れが生じて液体がさらに撹拌される。このように、第2収容部7に対し、押圧力を加える動作及び解除する動作を繰り返し行うことにより、第1及び第2収容部6,7の底部に沈降した成分又は、分離した成分が全体に混合され、液体の各成分の濃度分布が均一になる。
【0036】
一方、収容袋1を水平にした状態(以下、水平姿勢という)では、収容袋1内の液体は、ほぼ半量ずつ第1及び第2収容部6,7に収容される。この水平姿勢で収容袋1を撹拌する場合には、第1及び第2収容部6,7に交互に押圧力を加える。例えば、まず、第2収容部7に押圧力を加え、第2収容部7内の液体を加圧状態とし、連通部8を介して第1収容部6に噴出させる。そして、第1収容部6内で回転する流れ(図5参照)を発生させて、液体を撹拌する。
【0037】
次に、第2収容部7への押圧力を解除して、第1収容部6に外側から押圧力を加え、第1収容部6内の液体を加圧する。すると、加圧された液体は、連通部8から第2収容部7に噴出し、第2収容部7で回転する流れ(図6参照)を生じる。このような第1及び第2収容部6,7内の流れによって、第1及び第2収容部6,7の底部に沈降した成分、分離した成分は、縦横方向に移動し、液体全体に分散される。このような各収容部6,7に交互に押圧力を加える方法は、垂直姿勢の収容袋1に適用してもよい。
【0038】
撹拌後、液体を外部に導出する際には、供給部9に供給針等を挿入し、収容袋1全体を押圧する。又は、供給部9を鉛直方向下方になるように収容袋1を配置する。すると、供給部9を介して濃度が均一になった液体が導出する。
【0039】
第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態では、収容袋1に、第1及び第2収容部6,7を設け、各収容部6,7を、流路断面積が縮小された連通部8を介して連通するようにした。また、収容袋1内の液体を撹拌する場合には、各収容部6,7の一方に外力を加えて、その体積を縮小し、液体を他方の収容部6,7に連通部8を介して導出することで、流速の大きい流れを発生するようにした。このため、小さな動力で、各収容部6,7内において回転する流れを発生させることができるので、収容袋1内の液体を、簡単に、しかも効率よく撹拌することができる。
【0040】
(2)第1の実施形態では、収容袋1を垂直姿勢にして液体を撹拌する際に、第2収容部7のみを押圧するようにした。そして、第2収容部7の液体を第1収容部6に導出した後、押圧力を解除することにより、第1収容部6の液体を重力によって第2収容部7に導出した。このため、各収容部6、7の両方を押圧しなくても、重力を利用して効率よく液体を撹拌することができる。
【0041】
(3)第1の実施形態では、収容袋1を水平姿勢又は垂直姿勢にして液体を撹拌する際に、第1及び第2収容部6,7を交互に押圧するようにした。このため、各収容部6,7の一方に押圧力を加えて、他方の収容部6,7に液体を移送し、液体の流れを発生させてから、他方の収容部6,7を押圧して、もう一方の収容部6,7に液体を導出することができる。このため、液体の流れを有効に利用して、液体を撹拌することができる。
【0042】
(4)第1の実施形態では、収容袋1に仕切部5を設けることにより、第1及び第2収容部6,7を区画するようにした。このため、収容袋1を区画するための、クリップ状の挟持部材等が必要ない。
【0043】
(5)第1の実施形態では、仕切部5を、収容袋1の長手方向の略中央に設けた。このため、第1及び第2収容部6,7の容積が等しくなり、押圧力を加えることで、各収容部6,7の一方に収容された液体のほぼ全量を他方の収容部6,7に移送することができる。従って、効率よく液体を撹拌することができる。
【0044】
(6)第1の実施形態では、各収容部6,7の隅部3a〜3d,6a,7aを円弧状に形成した。このため、流速が高められた液体が、隅部3a〜3d,6a,7aに衝突する際に、液体のエネルギーの損失を最小限にすることができる。従って、液体の流速の低下が最小限になるので、収容部6,7内で回転する液体の流れを確実に発生させることができる。
【0045】
(7)第1の実施形態では、収容袋1には、各収容部6,7の全容積よりも少量の液体を収容するようにした。このため、液体が自由に流動するスペースを設けることができるので、各収容部6,7内に液体の流れを容易に発生させることができる。
【0046】
(8)第1の実施形態では、連通部8を、仕切部5の一部であって、各収容部6,7の内側面に沿って設けるようにした。このため、連通部8から液体が導出された際に、内側面に沿った回転する流れを容易かつ確実に発生させることができる。また、連通部8と仕切部5が一体であるため、連通路を別途形成することなく、収容袋1の構成を簡単にすることができる。
【0047】
(9)第1の実施形態では、収容袋1は、可撓性のフィルムFから形成されている。このため、小さな押圧力で収容部6,7の体積を容易に縮小することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図7〜図9に従って説明する。尚、第2の実施形態は、第1の実施形態の収容袋1をケースに収容した点のみを変更しているため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0048】
図7に示すように、本実施形態の液体収容ケース(以下、単にケース10と言う。)は、ケースとしてのケース本体11内に、第1の実施形態の収容袋1を備えている。収容袋1は、ケース本体11に対して、その供給部9の差込口が外部を向いた状態で固定されている。また、ケース本体11内には、収容袋1の第2収容部7を挟むように、加圧機構としての一対の加圧板12が配設されている。そして、この加圧板12は、図示しない駆動
機構に連結され、第2収容部7を両側から押圧して、第2収容部7の体積を減少させる位置(以下、作用位置と言う)と、第2収容部7から離間する位置(以下、退避位置と言う)との間で図7中矢印方向に往復移動するように構成されている。
【0049】
このケース10は、第1収容部6が第2収容部7よりも鉛直方向上方に配置するような垂直姿勢になるように配置される。そして、図8に示すように、加圧板12を作用位置に配置すると、第2収容部7内の液体が、第1収容部6内に移送され、第1収容部6内で回転する流れを生じる。また、加圧板12が、作用位置から退避位置に移動すると、第1収容部6の液体が重力に従って第2収容部7に移送され、第2収容部7内で回転するような流れが発生する。さらに、加圧板12が作用位置と退避位置との間で移動動作を繰り返すことにより、第1及び第2収容部6,7内の液体が撹拌される。
【0050】
このケース10は、例えば、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、プリンタ15と言う)に搭載することができる。図9に示すように、このプリンタ15は、フレーム16に架設されたガイド部材17を備えている。ガイド部材17には、キャリッジ18が主走査方向に沿って往復移動可能に設けられている。キャリッジ18には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド19と、記録ヘッド19にインクを供給する4個のサブタンク20が搭載されている。
【0051】
各サブタンク20は、供給機構を構成する各供給路21を介して、4個のケース10とそれぞれ接続している。各ケース10は収容袋1が垂直姿勢になるようにフレーム16内にそれぞれ配設されている。各収容袋1内には、顔料からなる色材を分散媒内に分散した、液体としての顔料インクがそれぞれ収容されている。また、各供給路21の先端には図示しない供給針が設けられ、各収容袋1の供給部9にそれぞれ差し込まれている。さらに、各供給路21の途中であって、ケース10近傍には図示しないバルブが接続されている。
【0052】
プリンタ15は、適宜インク撹拌動作を行い、収容袋1内のインクを撹拌する。具体的には、供給路21の前記バルブを閉状態とし、前記した駆動機構を駆動して、加圧板12を作用位置及び退避位置の間で往復移動させる。これにより、収容袋1内のインクは撹拌される。インクを記録ヘッド19に供給する際は、撹拌動作を行った後、前記バルブを開状態とする。そして、ケース10内に空気を圧送する加圧ポンプ等の図示しない加圧手段、又は加圧板12により、収容袋1を押し潰してインクを押し出す。その結果、濃度が均一になったインクが収容袋1から供給路21に導出され、サブタンク20を介して記録ヘッド19まで供給される。
【0053】
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)、(2)、(4)〜(9)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(10)第2の実施形態では、収容袋1を垂直姿勢にしてケース10に収容した。また、ケース10に、1対の加圧板12を第2収容部7をそれぞれ挟むように設けた。そして、加圧板12が第2収容部7を押圧する作用位置と、第2収容部7から離間する退避位置との間で往復移動することにより、収容袋1内の液体を撹拌するようにした。このため、収容袋1内の液体を撹拌し、しかも構成が簡単なケース10を提供することができる。
【0054】
(11)第2の実施形態では、ケース10をプリンタ15に搭載し、収容袋1内に顔料インクを収容した。ケース10で撹拌されたインクは、供給機構により記録ヘッド19に供給されるので、記録ヘッド19からは撹拌されたインクが吐出される。このため、常に顔料濃度が均一のインクを記録ヘッド19から吐出して、色の濃淡にばらつきのない印刷物を作成することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図10に従って説明する。尚、第3の実施形態は、第2の実施形態の収容袋1を備えたケースを変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0056】
本実施形態のケース25は、ケース本体26内に、収容袋1を備える。また、ケース本体26内には、2対の第1及び第2加圧板27,28が備えられる。
第1加圧板27は、第1収容部6を挟むように設けられ、第2加圧板28は、第2収容部7を挟むように設けられている。このケース25は、第1及び第2収容部6,7が水平に並ぶように、水平姿勢に配置してもよいし、第1収容部6が第2収容部7よりも鉛直方向上方になるように鉛直姿勢に配置してもよいが、ここでは、水平姿勢に配置した場合について説明する。
【0057】
撹拌動作の際には、第1及び第2加圧板27,28を、交互に作用位置及び退避位置との間で移動させる。詳述すると、第1加圧板27を、第1収容部6を挟んで、その体積を減少させる作用位置に移動すると同時に、第2加圧板28を、第2収容部7から離間した退避位置まで移動する。すると、第1収容部6内の液体が、連通部8を介して、第2収容部7に移送され、第2収容部7内で回転するような流れが発生する。
【0058】
次に、第1加圧板27を、第1収容部6から離間した退避位置まで移動し、第2加圧板28を第2収容部7を挟んで、その体積を減少させる作用位置に配置する(図10参照)。その結果、第2収容部7内で撹拌された液体が、第1収容部6に移送される。また、液体は、第1収容部6内で回転するような流れを生じる。このため、第1及び第2収容部6,7底部に堆積した物質、分離した成分が液体全体に撹拌され、濃度分布が均一になる。
【0059】
従って、第3の実施形態によれば、第1及び第2の実施形態の(1)、(3)〜(9)、(11)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(12)第3の実施形態では、収容袋1を収容するケース25に、第1及び第2収容部6,7を押圧する第1及び第2加圧板27,28を設けた。そして、第1及び第2加圧板27,28が作用位置と退避位置との間で交互に往復移動することにより、収容袋1内の液体を撹拌するようにした。このため、収容袋1内の液体を撹拌し、しかも構成が簡単なケース10を提供することができる。また、ケース25は、垂直姿勢及び水平姿勢のいずれでも配設することができるので、レイアウトの自由度を向上させることができる。
【0060】
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4の実施形態を図11〜図13に従って説明する。尚、第3の実施形態は、第1〜第3の実施形態の収容袋1及びケース10,25を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0061】
本実施形態の収容袋30は、図11に示すように、供給部9を1辺に挟んだ状態で、各フィルムFの4辺の縁を熱溶着することにより袋状に形成されている。つまり、この収容袋30は、第1の実施形態の収容袋1の仕切部5を省略した点のみ異なる構成である。
【0062】
そして、図12に示すように、ケース31は、箱体部32と蓋部33とを備えている。図13に示すように箱体部32の略中央には、幅方向に沿って立設されたリブ34が形成されている。リブ34は、箱体部32の右壁部32aから、幅方向に平行に延び、左壁部32bと隙間を設けるように形成されている。開口部を上方に向けた状態の箱体部32に収容袋30を収容すると、図11の2点鎖線及び図12に示すように、リブ34が仕切部として機能し、収容袋30は液体の重みによって、略中央位置において第1及び第2収容部35,36に区画される。また、第1及び第2収容部35,36の間には連通部37が
設けられる。
【0063】
また、箱体部32には、第1及び第2加圧板38,39と、その駆動機構が設けられている。収容袋30を収容した状態で、箱体部32を蓋部33にて閉塞し、撹拌動作を行う際には、第1及び第2加圧板38,39を交互に移動させる。すると、収容袋30内の液体は、上記実施形態と同様に、各収容部35,36内で回転する流れを生じ、撹拌される。
【0064】
従って、第4の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)、(3)、(6)〜(9)に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(13)第4の実施形態では、リブ34を設けた箱体部32に、収容袋30を収容することによって、連通部37を設けた状態で、第1及び第2収容部35,36を区画した。このため、収容袋30の構成を簡単にすることができる。
【0065】
尚、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、連通部8,37は仕切部の中央に設けてもよい。具体的には、収容袋40は、図14に示すように、仕切部43によって、第1及び第2収容部41,42に区画され、仕切部43の中央位置には、連通部44が形成されている。第2収容部42を加圧すると、第2収容部42内の液体は、連通部44を介して第1収容部41に導出され、図14中矢印方向に回転する流れを生じる。この流れは、内側面に衝突すると、2つの流れに分岐する。また、第1収容部41を加圧したり、収容袋40を垂直姿勢で配置した場合には、第1収容部41内の液体は、連通部44を介して第2収容部42に導出され、図15中矢印方向に回転する流れを生じる。このように連通部を中央に設けると、液体が各収容部に導出されやすくなる。
【0066】
・収容袋は、仕切部を設ける替りに仕切部としての挟持部材で区画されてもよい。具体的には、図16に示すように、収容袋50を両側面から挟持するクリップ状の挟持部材51で挟持して、大収容部52を区画してもよい。尚、挟持部材51は、大収容部52の一部を開放し、連通部を設けた状態で取付ける。
【0067】
・液体収容体は、2つの液体収容部を連結して構成してもよい。具体的には、図17に示すように、供給部61及び連通部としての連結口62を備えた第1液体収容部60と、連通部としての連結口63を備えた第2液体収容部64とを、各連結口62,63で互いに連結する。そして、第1及び第2液体収容部60,64を交互に押圧し、内部に液体の流れを発生させて撹拌する。
【0068】
・上記各実施形態では、収容袋1を押圧する加圧機構を、加圧板にしたが、これに限定されることはない。例えば、収容袋1を、支持軸に軸支された回動板によって押圧して、撹拌しても良い。また、加圧板を、形状記憶合金等、熱、電圧等を加えることにより変形・ひずみを生じる材質から形成し、加熱又は電圧の印加によって、作用位置及び退避位置の間を移動させてもよい。また、収容袋1を、2室に区画されたケースに収容し、各室に交互に空気を送出して、交互に加圧状態とし、第1及び第2収容部6,7を交互に押圧して撹拌するようにしてもよい。
【0069】
・上記各実施形態では、大収容部3内に、一方のフィルムFの内側面に固定された仕切部を設けてもよい。この仕切部は、他方のフィルムとの間が拡開しており、この拡開部が連通部を構成する。
【0070】
・上記各実施形態では、第1及び第2収容部6,7内で液体の回転するような流れを発生することにより液体を撹拌するようにしたが、回転流に限定されることはなく、第1及
び第2収容部6,7内で液体が縦横方向に流動すればよい。
【0071】
・上記各実施形態では、収容袋1に2つの収容部を形成したが、3つ以上の収容部を形成してもよい。
・上記各実施形態では、液体収容体を、袋状のフィルムではなく、樹脂等の可撓性材質からなる筐体から構成してもよい。
【0072】
・上記各実施形態では、フィルムFは、熱可塑性樹脂にガスバリア層をラミネートしたフィルムとしたが、単に樹脂からなるフィルム、金属箔からなるフィルムを用いてもよい。
【0073】
・上記各実施形態では、収容袋1は、2枚のフィルムFを熱溶着することで形成したが、1枚のフィルムFを折り曲げて袋状にしてもよい。また、3枚以上のフィルムFを互いに固着して袋状にしてもよい。また、フィルムFの端を互いに固着する方法としては、熱溶着に限定されることはなく、接着剤による固着、振動溶着等、何でもよい。
【0074】
・上記各実施形態においては、液体噴射装置として、インクを吐出するプリンタ15について説明したが、その他の液体噴射装置であってもよい。例えば、ファックス、コピア等を含む印刷装置や、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。また、液体も顔料インクに限られず、染料インクや、他の液体に応用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】第1の実施形態の液体収容袋の斜視図。
【図2】同収容袋の側面図。
【図3】同収容袋の側面図。
【図4】同収容袋の断面図。
【図5】同収容袋内の液体の流れを説明する正面図。
【図6】同収容袋内の液体の流れを説明する正面図。
【図7】第2の実施形態の液体収容ケースの断面図。
【図8】同液体収容ケースの断面図。
【図9】同液体収容ケースが搭載されるプリンタの平面図。
【図10】第3の実施形態の液体収容ケースの断面図。
【図11】第4の実施形態の収容袋の正面図。
【図12】同液体収容ケースの断面図。
【図13】同液体収容ケースを構成するケース本体の平面図。
【図14】別例の液体収容袋の正面図。
【図15】同液体収容袋の正面図。
【図16】別例の液体収容袋の正面図。
【図17】別例の液体収容袋の正面図。
【符号の説明】
【0076】
1,30,40,50…液体収容体としての収容袋、5,34,43,51…仕切部、6,35,41…収容部としての第1収容部、7,36,42…収容部としての第2収容部、8,37,44…連通部、10…液体収容ケースとしてのケース、11…ケースとしてのケース本体、12,27,28,38,39…加圧機構、15…液体噴射装置としてのプリンタ、19…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、21…供給機構を構成する供給路、60…収容部としての第1液体収容部、62,63…連通部としての連結口、64…
収容部としての第2液体収容部、3a〜3d,6a,7a…隅部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体収容体内の液体を撹拌する液体撹拌方法において、
前記液体収容体の内部を複数の収容部に区画し、同各収容部を、流路断面積が縮小された連通部を介して互いに連通させるとともに、
少なくとも一つの前記収容部に外力を加えて体積を縮小し、その収容部内の液体を、他方の前記収容部に前記連通部を介して導出することにより、液体が導出されたその前記収容部内において液体の流れを発生させることを特徴とする液体撹拌方法。
【請求項2】
請求項1に記載の液体撹拌方法において、
前記液体収容体の内部を第1及び第2収容部に区画し、前記連通部にて互いに連通させるとともに、
前記第1及び第2収容部の少なくとも1つに外力を加えて体積を縮小し、前記液体を他方の前記収容部に前記連通部を介して導出して、液体が導出された前記収容部内において液体の流れを発生させることを特徴とする液体撹拌方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液体撹拌方法において、
前記各収容部を、仕切部によって区画し、同仕切部の一部に設けられた連通部を介して互いに連通することを特徴とする液体撹拌方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の液体撹拌方法において、
前記各収容部に交互に外力を加えることを特徴とする液体撹拌方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の液体撹拌方法において、
前記各収容部を鉛直方向に並ぶように配置し、鉛直方向下方の前記収容部に外力を加えて前記液体を導出した後、鉛直方向上方の前記収容部に導出された液体を重力によって前記鉛直方向下方の収容部に導出することを特徴とする液体撹拌方法。
【請求項6】
液体を収容する液体収容体において、
仕切部により区画された複数の収容部を備え、
前記各収容部は、その流路断面積が前記各収容部の断面積よりも縮小された連通部にて連通されていることを特徴とする液体収容体。
【請求項7】
請求項6に記載の液体収容体において、
前記仕切部は、前記液体収容体の中央位置に設けられていることを特徴とする液体収容体。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の液体収容体において、
前記各収容部の隅部が円弧状に形成されていることを特徴とする液体収容体。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1つに記載の液体収容体において、
前記連通部は、前記収容部の内側面に沿って設けられていることを特徴とする液体収容体。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか1つに記載の液体収容体において、
前記連通部は、前記仕切部の端部に設けられていることを特徴とする液体収容体。
【請求項11】
請求項6〜8のいずれか1つに記載の液体収容体において、
前記連通部は、前記仕切部の中央位置に設けられていることを特徴とする液体収容体。
【請求項12】
請求項6〜11のいずれか1つに記載の液体収容体において、
前記各収容部を鉛直方向に並べて設けたことを特徴とする液体収容体。
【請求項13】
請求項6〜12のいずれか1つに記載の液体収容体において、
前記液体収容体は、可撓性材質から形成されていることを特徴とする液体収容体。
【請求項14】
ケースと、液体を収容する液体収容体を備えた液体収容ケースであって、
前記液体収容体は、仕切部により区画された複数の収容部を備え、
前記各収容部は、その流路断面積が前記各収容部の断面積よりも縮小された連通部にて連通されるとともに、
前記ケースは、前記収容部の少なくとも1つに押圧力を加える加圧機構を備えることを特徴とする液体収容ケース。
【請求項15】
液体噴射ヘッドから液体を吐出する液体噴射装置において、
仕切部により区画された複数の収容部を備え、前記各収容部が連通部にて連通された液体収容体と、
前記収容部の少なくとも1つに押圧力を加える加圧機構と、
前記液体収容体から、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する供給機構とを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項1】
液体収容体内の液体を撹拌する液体撹拌方法において、
前記液体収容体の内部を複数の収容部に区画し、同各収容部を、流路断面積が縮小された連通部を介して互いに連通させるとともに、
少なくとも一つの前記収容部に外力を加えて体積を縮小し、その収容部内の液体を、他方の前記収容部に前記連通部を介して導出することにより、液体が導出されたその前記収容部内において液体の流れを発生させることを特徴とする液体撹拌方法。
【請求項2】
請求項1に記載の液体撹拌方法において、
前記液体収容体の内部を第1及び第2収容部に区画し、前記連通部にて互いに連通させるとともに、
前記第1及び第2収容部の少なくとも1つに外力を加えて体積を縮小し、前記液体を他方の前記収容部に前記連通部を介して導出して、液体が導出された前記収容部内において液体の流れを発生させることを特徴とする液体撹拌方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液体撹拌方法において、
前記各収容部を、仕切部によって区画し、同仕切部の一部に設けられた連通部を介して互いに連通することを特徴とする液体撹拌方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の液体撹拌方法において、
前記各収容部に交互に外力を加えることを特徴とする液体撹拌方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の液体撹拌方法において、
前記各収容部を鉛直方向に並ぶように配置し、鉛直方向下方の前記収容部に外力を加えて前記液体を導出した後、鉛直方向上方の前記収容部に導出された液体を重力によって前記鉛直方向下方の収容部に導出することを特徴とする液体撹拌方法。
【請求項6】
液体を収容する液体収容体において、
仕切部により区画された複数の収容部を備え、
前記各収容部は、その流路断面積が前記各収容部の断面積よりも縮小された連通部にて連通されていることを特徴とする液体収容体。
【請求項7】
請求項6に記載の液体収容体において、
前記仕切部は、前記液体収容体の中央位置に設けられていることを特徴とする液体収容体。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の液体収容体において、
前記各収容部の隅部が円弧状に形成されていることを特徴とする液体収容体。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1つに記載の液体収容体において、
前記連通部は、前記収容部の内側面に沿って設けられていることを特徴とする液体収容体。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか1つに記載の液体収容体において、
前記連通部は、前記仕切部の端部に設けられていることを特徴とする液体収容体。
【請求項11】
請求項6〜8のいずれか1つに記載の液体収容体において、
前記連通部は、前記仕切部の中央位置に設けられていることを特徴とする液体収容体。
【請求項12】
請求項6〜11のいずれか1つに記載の液体収容体において、
前記各収容部を鉛直方向に並べて設けたことを特徴とする液体収容体。
【請求項13】
請求項6〜12のいずれか1つに記載の液体収容体において、
前記液体収容体は、可撓性材質から形成されていることを特徴とする液体収容体。
【請求項14】
ケースと、液体を収容する液体収容体を備えた液体収容ケースであって、
前記液体収容体は、仕切部により区画された複数の収容部を備え、
前記各収容部は、その流路断面積が前記各収容部の断面積よりも縮小された連通部にて連通されるとともに、
前記ケースは、前記収容部の少なくとも1つに押圧力を加える加圧機構を備えることを特徴とする液体収容ケース。
【請求項15】
液体噴射ヘッドから液体を吐出する液体噴射装置において、
仕切部により区画された複数の収容部を備え、前記各収容部が連通部にて連通された液体収容体と、
前記収容部の少なくとも1つに押圧力を加える加圧機構と、
前記液体収容体から、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する供給機構とを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−27617(P2006−27617A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204583(P2004−204583)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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