説明

液体金属複合材接触子の製造方法

本発明は電気工学に関し、即ち電気装置の製造に関し、特に出力開閉装置に好ましくは真空開閉装置を含めて動力回路網に用いた液体金属の複合材接触子の製造方法に関する。液体金属の複合材接触子の製造方法は、次の段階即ち高融点(融解)金属基質のワイヤ構造体を製造し、その際構造体は調整した構造を有するストリップの形であるものとし該構造体を圧延して円筒形加工物にし、該加工物を母材に取付け、加工物を加圧して所望寸法の構造体即ち耐火性金属の芯部を得、真空炉で得られた水素化物の水素の雰囲気中で該構造体を還元し、同じ真空炉内の水素化物の水素の雰囲気中で得られた多孔質構造体を低融点金属又は合金で浸漬即ち含浸することからなり、本発明においては、構造体を浸漬する操作は各々10〜20分間持続する3つの順次の段階内で水素化物の水素の雰囲気中で3種の金属即ち錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)を用いて行ない、即ち第一の段階では構造体を750〜1150℃の温度で液体錫(Sn)で浸漬し、第二段階では構造体を750〜1000℃の温度で液体インジウム(In)で浸漬し、第三段階では構造体を700〜900℃の温度で液体ガリウム(Ga)で浸漬し、液体錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)の使用量は、共沸混合物に及び構造体中の細孔容積即ち空隙率に比例するように選ばれることを特徴とする。本発明の目的はこのような液体金属複合材接触子の製造方法を提供するものであり、これによって低融点金属/高融点金属境界での向上した接着強度により多孔質高融点金属構造体の低融点金属での浸漬を改良するものであり、その際高融点金属(耐火性金属)は芯部構造体の材料であるものとし、且つこれによって低融点金属による構造体金属のより良い湿潤性の条件を生成することにより達成されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気工学に関し、即ち電気装置の製造に関し、特に開閉装置(switching units)に好ましくは真空開閉装置を含めて動力回路網に用いた液体金属複合材接触子(liquid-metal composite contact)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工学的な実体により、次の段階即ち高融点金属(耐火性金属)基質のワイヤ構造体を製造し、その際構造体は調製した構造を有するストリップの形であるものとし、該構造体を圧延して円筒形の加工物にし、該加工物を母材(matrix)に取付け、加工物を加圧して所望寸法の構造体(芯部)を得、真空炉で得られた水素化物の水素の雰囲気中で該構造体を還元し、水素化物の水素雰囲気中で該構造体を低融点合金で浸漬(含浸)することからなる液体金属複合材接触子の製造方法(発明に対するウクライナの宣言特許第62376A号、IPC H01H 9/00、公開日2003年12月15日、公報第12,2003号)は本願で提案される方法に最も類縁である。この従来技術の方法では、該構造体はタングステン、モリブデン及びレニウム基質の合金から製造される。
【0003】
該従来技術の欠点は、低融点(融解)合金による構造体の高融点金属の不十分な湿潤性に因って、低融点合金による多孔質構造体の不十分な浸漬にある。これによって接触部分内で一時的電気抵抗の不均一性が得られ、過熱帯域の出現と該構造体の早期変性とを生起する。
【0004】
本発明の目的は、高融点金属を構造体の材料としながら低融点金属/高融点金属境界で向上した接着強度により低融点金属での高融点金属多孔質構造体の浸漬を改良するものであり、しかも低融点金属により構造体金属のより良い湿潤性の条件を生成することにより達成されるものである、かかる液体金属複合材接触子の製造方法を提供するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の課題は、既知の液体金属複合材接触子の製造方法と同様に、次の段階即ち高融点金属基質のワイヤ構造体を製造し、その際構造体は調製した構造を有するストリップの形であるものとし、該構造体を圧延して円筒形の加工物にし、加工物を母材に取付け、該加工物を加圧して所望寸法の構造体を得、該構造体を真空炉で得られた水素化物の水素の雰囲気中で還元し、得られる多孔質構造体を同じ真空炉内の水素化物の水素の雰囲気中で低融点金属又は合金で浸漬することからなる本願発明の方法によって解決され、本発明は該構造体を浸漬する操作が各々10〜20分間持続する3つの順次段階内で水素化物の水素の雰囲気中で3種の金属即ち錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)を用いて行ない、即ち第一の段階では該構造体を750〜1150℃の温度で液体錫(Sn)で浸漬し、第二の段階では該構造体を750〜1000℃の温度で液体インジウム(In)で浸漬し、第三の段階では該構造体を700〜900℃の温度で液体ガリウム(Ga)で浸漬し、液体錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)の使用量は共融混合物に且つ構造体の細孔容積即ち空隙率に比例するように選択されることを特徴としている。
【0006】
液体錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)の使用量は共融混合物即ちSn−13%、In−25%、Ga−62%に比例するように且つ構造体中の細孔容積に比例するように選択される。+10℃ではかかる混合物は液状であり、空気中の酸素と活発に反応する。
【0007】
本発明の方法は構造体の浸漬中にW−Sn−In−Ga、Re−Sn−In−Ga、Mo−Sn−In−Ga不均質系の望ましくない不純物、主として酸化物を排除する条件を生成することを目的とする。何故ならばかかる酸化物不純物は低融点金属/高融点金属境界での接着強度を有意な程に減少させ、それ故低融点金属による構造体の湿潤性を減少させる。本発明者は長年の間実験を行なっており従って高融点ワイヤ製の構造体を浸漬する最適条件を見出し且つ前記の3段階よりなる操作順序を確定した。
【0008】
本発明の本質を添附図面により更に例示する;
図1は真空中で550〜700℃の温度で平坦な水平タングステン表面上の錫液滴の分布図を示す。
【0009】
図2は真空中で700℃の温度で平坦な水平タングステン表面上の錫液滴の40分間保持した後の分布図を示す。
【0010】
図3は水素化物の水素雰囲気中で950℃の温度で平坦な水平タングステン表面上の錫液滴の分布図を示す。
【0011】
図4は温度の関数として液体錫によるタングステン及びレニウムの湿潤性の図表を示す。線図1は真空中での液体錫によるタングステンの湿潤性を示し;線図2は水素化物の水素の雰囲気中で液体錫によるタングステンの湿潤性を示し;線図3は真空中での液体錫によるレニウムの湿潤性を示し;線図4は水素化物の水素雰囲気中で液体錫によるレニウムの湿潤性を示す。
【0012】
図5は温度の関数として液体錫によるモリブデンの湿潤性の図表を示す。線図1はヘリウム(He)の雰囲気中で液体錫によるモリブデンの湿潤性を示し;線図2は真空中での液体錫によるモリブデンの湿潤性を示し;線図3は水素化物の水素雰囲気中で液体錫によるモリブデンの湿潤性を示す。
【0013】
図6は液体金属複合材接触子の構造を示す図解図である。
【0014】
液体金属複合材接触子は低融点金属2で浸漬した弾性型の調製した構造を有する組織体の形での高融点金属製の多孔質構造体1を含有してなる。該構造体1の細孔の直線寸法hはh=(2・・・5)D、D=10・・・70μm(但しDは高融点金属ワイヤの直径である)と定義される。加圧後には、構造体1は一端がリード線に接触するように意図されしかも他端が別の同一の接触子(図示せず)に接触するように意図された弾性円筒の形を有する。
【0015】
実験結果(図1)が示す処によれば真空中で40分間550〜700℃の範囲の温度で加熱真空焼鈍すると(図1及び図2)、中間相の境界から不純物を除去させるものであり、かくして錫によるタングステンの湿潤性は有意な程に向上し、その際錫によるタングステンの湿潤性は真空中におけるよりも水素化物の水素の雰囲気(図3)中で更に良い。図4及び図5は温度の関数として液体錫によるタングステン、レニウム及びモリブデンの湿潤性を明記する。タングステン、レニウム及びモリブデンに対する湿潤性の限界値は水素化物の水素の雰囲気中で50〜100℃だけより低温の領域に移行することが見られる。実験結果が示す処によれば真空中で40分間550〜700℃の範囲の温度で加熱真空焼鈍すると(図1及び図2)中間相の境界から不純物を除去させるものであり、かくして錫によるタングステンの湿潤性は有意な程に向上し、その間錫によるタングステンの湿潤性は真空中におけるよりも水素化物の水素の雰囲気(図3)中で更に良い。図4は温度の関数として液体錫によるタングステン及びレニウムの湿潤性を明記する。タングステン及びレニウムに対する湿潤性の限界値は真空に比較すると水素化物の水素の雰囲気中でより低温の領域に移行することが見られる。湿潤性の限界値は湿潤性の角度が90°から、本発明の場合(図4及び図5)には20〜50°である平衡に減少し且つ温度の上昇と共に未変化のままである温度期間として定義される。錫−ガリウム合金によるタングステンの湿潤も研究した。
【0016】
本発明者は本法の最適条件を実験的に測定した。本発明者は高融点金属に接触する低融点金属合金の表面特性を研究した。液体錫(Sn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)及びそれらの合金によるタングステン、モリブデン及びレニウムの湿潤性は450〜1200℃の温度範囲で真空中で、ヘリウムの雰囲気中で及び水素化物の水素の雰囲気中で研究した。該合金は高純度の錫、インジウム及びガリウム(少なくとも99.9%の主成分)から調製した。用いた高融点金属は分帯融解法により製造したタングステン、モリブデン及びレニウムである。金属液滴の分布を写真板上に記録し、湿潤角度は顕微鏡を用いて肉眼で測定した。実験結果(図1〜図5)が示す処によれば真空中で40分間550〜700℃の範囲の温度で加熱真空焼鈍(図1及び図2)すると中間相の境界から不純物を除去させるものであり、かくして錫によるタングステンの湿潤性は有意な程に向上し、その際錫によるタングステンの湿潤性は真空中におけるよりも水素化物の水素の雰囲気(図3)中で更に良い。図4は温度の関数として液体錫によるタングステン及びレニウムの湿潤性を明記する。タングステン及びレニウムに対する湿潤性限界値(wettability threshold)は真空に比較して水素化物の水素の雰囲気中でより低温の帯域に移行することが見られる。湿潤性の限界値は湿潤性の角度が90°から20〜50°(本発明の場合)に減少し且つ温度の更なる上昇と共に不変のままである際の温度期間と定義される。
【0017】
液体の錫−ガリウム合金によるタングステンの湿潤も研究した。本発明者が見出した所によればガリウム中の錫含量が15重量%まで増大すると純粋なガリウムと比較してより低温の方に湿潤限界値を移行させるが、湿潤限界値を超えると接触角度は純粋なガリウムと比較してより大きい。
【0018】
本発明者は種々のガス状雰囲気中で液体の錫−インジウム合金によるモリブデン及びタングステンの湿潤を研究した。本発明者が見出した処によればモリブデンはタングステンよりも純粋なインジウム及びインジウム−錫合金によってより良く湿潤される。
【0019】
本発明者は高融点金属:タングステン、モリブデン及びレニウム製の多孔質構造体を浸漬する条件を研究した。
【0020】
液体錫は750〜1050℃の温度で水素化物の水素の雰囲気中で高融点金属:タングステン、モリブデン及びレニウム製の構造体をより良く湿潤した(第一の段階で)。
【0021】
第二の段階では液体錫により前もって湿潤され且つ浸漬された高融点構造体を液体インジウムにより浸漬する。インジウムにより浸漬するための最適条件は水素化物の水素雰囲気と750〜1000℃の温度範囲となった。
【0022】
第三の段階では共融Sn−In混合物による前記高融点金属製構造体の浸漬に続いて液体ガリウム(Ga)による浸漬を行なう。最適な条件は水素化物の水素の雰囲気と700〜900℃の温度範囲となった。
【0023】
前記の温度で水素化物の水素の雰囲気中では液体金属のインジウム(In)及びガリウム(Ga)はタングステン、モリブデン及びレニウムの如き高融点金属をより良く湿潤するが、錫よりも劣るものである。それ故、浸漬操作の順序は構造体浸漬の3段階よりなり即ち第一の段階では液体錫(Sn)による浸漬、第二の段階では液体インジウム(In)による浸漬、第三の段階では液体ガリウム(Ga)による浸漬よりなる。本法は各々の段階で10〜20分間持続する。10分より短い期間は満足な結果を提供せず、然るに20分を越える期間は経済的に引き合わない。何故ならば、浸漬過程は実際上20分以内に終了するからである。各々の段階についての温度条件は実験的に決定される。750℃以下の温度では実際上浸漬されず、然るに1050℃以上の温度では浸漬の有意な促進を生じない。更には、本発明者が見出した処によれば1200℃より高い温度では高融点構造体の強度を有意な程に減少させ、それ故各々の段階について温度の上限は1050℃である。
【0024】
共融混合物は、該混合物の融点が別の割合での2種又はそれ以上の物質の融点のうちで最低であるような割合でこれらの物質の混合物である(ウクライナ語のThe Big Explanatory Dictionary, Comp. & Ed, V.T. Busel, K. Irpen, VTF "Perun", 2003, 254頁)。それ故、液体の錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)の量は共融混合物(13%Sn、25%In、62%Ga)及び構造体細孔容積に比例するように選択される。
【0025】
本法は高融点金属:タングステン(W)、モリブデン(Mo)又はレニウム(Re)製のワイヤから製造した構造を有する接触子を製造することを意図する。
【0026】
液体金属複合材接触子は固体金属接触子以上の或る利点を有する。これらの利点のうちでは、低い境界抵抗、小さい接触力:振動及び溶接の不在:接触密封(contact sealing)の不在:高圧での操作能力、真空中で10gまでの加速を挙げることができ;かかる接触子はキロアンペア範囲の電流を開閉するのに用い得る。
【0027】
実施例1
液体金属複合材接触子を製造する。即ち、タングステンワイヤを用いて調製した構造を有するストリップの形の構造体を製造する。該ストリップを圧延して円筒形の加工物を形成し、これを母材に取付ける。次いで該加工物を加圧して必要な寸法の構造体1を得る。該構造体1を、真空炉で生じた水素化物の水素の雰囲気中で還元する。高融点金属ワイヤ製の構造体1を、各々10〜20分間持続する3つの順次段階内で水素化物の水素の雰囲気中で3種の低融点金属2即ち錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)で浸漬し、即ち第一の段階では該構造体を950℃の温度で液体錫(Sn)で浸漬し、第二の段階では該構造体を900℃の温度で液体インジウム(In)で浸漬し、第三の段階では該構造体を750〜800℃の温度で液体ガリウム(Ga)で浸漬し、液体錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)の使用量は共融混合物に及び構造体1中の細孔容積に比例するように選択する。
【0028】
実施例2
液体金属複合材接触子を製造する。即ちモリブデンワイヤを用いて調整した構造を有するストリップの形の構造体を製造する。該ストリップを圧延して円筒形の加工物を形成し、これを母材に取付ける。次いで該加工物を加圧して必要な寸法の構造体1を得る。該構造体1を真空炉で生じた水素化物の水素の雰囲気中で還元する。高融点金属製の構造体1を各々10〜20分持続する3つの順次段階内で水素化物の水素の雰囲気中で3種の低融点金属2即ち錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)で浸漬し、即ち第一の段階では該構造体を1100℃の温度で液体錫(Sn)で浸漬し、第二の段階では該構造体を850〜1000℃の温度で液体インジウム(In)で浸漬し、第三の段階では該構造体を800℃の温度で液体ガリウム(Ga)で浸漬し、液体錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)の使用量は共融混合物に且つ構造体1中の細孔容積に比例するように選択される。
【0029】
実施例3
液体金属の複合材接触子を製造する。即ち、レニウムワイヤを用いて調整した構造を有するストリップの形の構造体を製造する。該ストリップを圧延して円筒形の加工物を形成し、これを母材に取付ける。次いで該加工物を加圧して必要な寸法の構造体1を得る。該構造体1を真空炉で生じた水素化物の水素の雰囲気中で還元する。得られる多孔質の構造体1を、各々10〜20分持続する3つの順次段階内で水素化物の水素の雰囲気中で3種の低融点金属2即ち錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)で浸漬し、即ち第一の段階では該構造体を1050℃の温度で液体錫(Sn)で浸漬し、第二の段階では該構造体を950℃の温度で液体インジウム(In)で浸漬し、第三の段階では該構造体を900℃の温度で液体ガリウム(Ga)で浸漬し、液体錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)の使用量は共融混合物に且つ構造体1中の細孔容積に比例するように選択される。
【0030】
液体金属の複合材接触子は次の通り操作する。
【0031】
接触子の一部を接触ホルダー(図示せず)に固定する。接触子の別の部分は、同一の接触子と共に電流を導通し且つ開閉する接触部分である。本法の接触子は慣用の液体金属複合材接触子と比較すると多数の利点を有する。主たる利点は液体金属相(Sn−In−Ga)に因る連続表面接触面積の増大であり、これによって定格電流において2.5〜3倍の増大を可能とし、100〜140 Nにまで接触圧力の減少に因る有効寿命の長期化、重大な条件(即ち短絡)下での接触溶接可能性の不在、境界抵抗の減少である。
【0032】
前記の利点は低融点金属2による多孔質構造体1の浸漬の改良及び低融点金属2による構造体1の浸漬中に望ましくない不純物、主に酸化物、を除去することによりW−Sn−In−Ga、Re−Sn−In−Ga、Mo−Sn−In−Ga、不均一系の境界の接触強度の増大に因り達成される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】真空中で550〜700℃の温度で平坦な水平タングステン表面上の錫液滴の分布図
【図2】真空中で700℃の温度で平坦な水平タングステン表面上の錫液滴の40分間保持した後の分布図
【図3】水素化物の水素雰囲気中で950℃の温度で平坦な水平タングステン表面上の錫液滴の分布図
【図4】温度の関数として液体錫によるタングステン及びレニウムの湿潤性の図表
【図5】温度の関数として液体錫によるモリブデンの湿潤性の図表
【図6】液体金属複合材接触子の構造を示す図解図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の段階即ち高融点金属基質のワイヤ構造体を製造し、その際構造体は調整した構造を有するストリップの形であるものとし、該構造体を圧延して円筒形の加工物にし、加工物を母材に取付け、該加工物を加圧して所望寸法の構造体を得、該構造体を真空炉で得られた水素化物の水素の雰囲気中で還元し、同じ真空炉内の水素化物の水素雰囲気中で、得られる多孔質構造体を低融点金属又は合金で浸漬することからなる、液体金属の複合材接触子の製造方法において、該構造体を浸漬する操作は各々10〜20分間持続する3つの順次段階内で水素化物の水素雰囲気中で3種の金属即ち錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)を用いて行ない、即ち第一の段階では構造体を750〜1150℃の温度で液体錫(Sn)で浸漬し、第二の段階では構造体を750〜1000℃の温度で液体インジウム(In)で浸漬し、第三の段階では構造体を700〜900℃の温度で液体ガリウム(Ga)で浸漬し、液体錫(Sn)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)の使用量は共融混合物に及び構造体中の細孔容積に比例するように選択することを特徴とする、液体金属複合材接触子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−536009(P2008−536009A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504281(P2008−504281)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【国際出願番号】PCT/UA2005/000013
【国際公開番号】WO2006/101464
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(507310754)
【出願人】(507310765)
【出願人】(507310776)
【Fターム(参考)】