説明

液化ガスおよびガスの貯蔵

本発明の様々な実施態様による小規模用途の液化装置によって、液体酸素のような液体ガス製造の安全性と効率を向上させ、なおかつコストを低減するための装置および方法。一実施態様では、スイッチ(666)は、貯蔵デュワー加圧手段(646)に電気的に接続され、スイッチ(666)は、携帯型デュワー(668)と貯蔵デュワー(620)との係合の際に携帯型デュワー(668)によって起動されるように位置付けられる。クライオクーラー(602)および/または冷却ファン(3203、3208)は、デュワー(120)の液体レベルが所定のレベルに達した場合、低電力モードに入り、デュワー(120)の液体レベルが別の所定レベルに低下した場合、フル電力モードに戻る。クライオクーラー(102)のコールドフィンガー(408)は、デュワー(420)内に延在し、デュワー(420)の過充填を妨げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国暫定特許出願第60/622,483号、名称「Liquefying
and Storing a Gas」(2004年10月26日出願)の利益を主張するものである。本出願はまた、米国暫定特許出願第60/667,661号、名称「Liquefying and Storing a Gas」(2005年5月2日出願)の利益を主張するものである。本出願はまた、米国特許出願第11/131,071号、名称「Liquefying and Storing a Gas」(2005年5月16日出願)の優先権を主張するものである。上述の出願は、全ての目的に対して、それらを参照することによりその全体が本願明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本出願は、液化ガスの少なくとも一部を使用する場所での、液化ガスの製造および貯蔵に関する。特に、本発明は、酸素治療患者の住居における液化酸素の製造および貯蔵、ならびにそれらのコスト、安全性、および/または効率の改善に関する。
【背景技術】
【0003】
空気および酸素、窒素、およびアルゴンなどの空気の構成要素のような低沸点ガスの液化は、100年以上にわたって行われており、工業規模での当該のガスの液化は、20世紀初頭から行われている。一般に、市販の液化機は、1日あたり数百トンもの低温液体を製造するようにデザインされている。当該の工業用の液化機は、信頼性があり、また比較的高いエネルギ効率で液化ガスを製造することができる。比較的少量しか液化ガスを必要としない消費者に対しては、デュワーとして公知の小型の断熱容器に、市販の装置によって製造した液化ガスを充填して消費者に運搬する。少量の液化ガスの消費者には、患者に供給するための酸素と、冷媒として使用する窒素を必要とする病院が挙げられる。また、医師による家庭酸素療法が行われる慢性呼吸機能不全を患っている人々には、液化ガスをその患者の住居に供給することが可能である。
【0004】
当初、当該の液化機を提供する試みには、大型の液化装置を小型化するための労力を伴った。しかし、一般にクロードサイクルまたはその改良型に基づいている当該のシステムの複雑さから、これらの試みは失敗している。また、当該の液化機の小型化によってもたらされる超小型の機械的構成要素は、製造費用が高く、動作が不安定であった。現在の液化機は、しばしば複雑なおよび/または費用のかかる液化構成要素を伴い、しばしば液化システムを、住居用、小型化、および/または携帯用途にするための安全機能が欠如している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の理由から、酸素治療の患者の住居などのような液化ガスが使用される場所において、比較的少量の液化ガスを製造および貯蔵する安全性、効率、および/またはコストを改善するための方法および装置の提供が好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の開示)
小規模用途の液化装置によって、液体酸素製造の安全性と効率を向上させ、なおかつコストを低減するための装置および方法を開示する。一実施態様では、クライオクーラーとデュワーとの間のインターフェースのために液体酸素バリアを追加して、デュワーの転倒のときの液体酸素の漏出速度を制御することが可能である。ボイルオフ管をデュワーに流動的に接続することによって、転倒したデュワーから膨張したガスを逃がすことができ、一方で、液体をボイルオフ管内に安全に残すことができる。傾斜スイッチを使用して、液化装置が転倒または傾斜したかどうかを識別して、当該の状態が生じたときに、システムへの電力を遮断することが可能である。傾斜スイッチは、水銀スイッチとすることが可能であり、少なくとも45°の転倒または傾斜のときに電力を遮断するように機能させることが可能である。
【0007】
一実施態様では、クライオクーラーのコールドフィンガーは、デュワー内に延在し、デュワーの過充填を防ぐことが可能である。コールドフィンガーは、その一端が酸素の沸点よりも高い温度であり、他端が酸素の沸点よりも低い温度である、温度勾配を有する。ガスが液化してデュワーを満たすとき、液面は、温度が酸素の沸点を超えているコールドフィンガーのレベルまでしか上昇しない。このレベルでは、酸素を液化するのに十分冷却されたコールドフィンガーの露出部分がないので、液面はそれ以上上昇しない。これによって、電気的ではなく機械的手段によるデュワーの過充填を防ぐことが可能である。別様には、液面センサーを使用して、液面が所定の限度を越えたときにシステムの停止を起動させることが可能である。
【0008】
一実施態様では、液化装置は、調整器およびオリフィスを使用して供給ストリームを制御して、酸素濃縮器からの定常供給ストリームを保つ。固定した構成の調整器およびオリフィスを使用することによって、濃縮器からUSP93気体酸素を受け取ることによってUSP93承認の液体酸素を製造できるようになり、また定常流量でシステムの残りの部分を通させることができる。液化装置内の調整器およびオリフィスの組み合わせによって、費用もかからなくなり、また可変流量の弁、すなわち制御ループにおいて制御器によって制御される可変流量の弁よりも製造が容易になりうる。
【0009】
一実施態様では、デュワーと流体連通する圧縮機が、デュワーを加圧してトランスフィル管から携帯型ストローラに液体酸素を押し出すことが可能である。この加圧は、外気を使用して達成することが可能である。携帯型液体酸素ストローラは、液化装置上でトランスフィル弁とインターフェースするように構成された弁によって、トランスフィル弁上に押し下げることが可能である。携帯型液体酸素ストローラは、特にUSP93酸素用に構成するか、またはこれとの使用が承認されたものとすることが可能である。トランスフィル弁上に携帯型ストローラを配置する動作によって、トランスフィルスイッチを作動させることが可能であり、トランスフィル管以外のデュワーからあらゆる流体排出口を閉じるように作用させることが可能である。デュワーの流体排出口の閉鎖によって、ソレノイド弁を作動させて、デュワーからの通気管路を閉じることを伴うことが可能である。トランスフィルスイッチは、前もって設定された制限時間後にトランスフィルプロセスを終了させる、プログラム可能なロジック装置に接続することも可能である。供給管路および通気管路内に配置することが可能な圧力逃し弁によって、トランスフィルプロセス中の液化装置のデュワーまたは配管の過圧を防ぐことが可能である。
【0010】
一実施態様では、濃縮器からの供給ガス流は、患者用に1つと、液化用に1つの、2つの流れに分離される。患者流は、患者用の流量計で制御し、所定の限度に設定することが可能である。患者流の出力によって、カニューレ管路と加湿器要素を接続することができる。
【0011】
一実施態様では、液化装置は、取り付け用シュラウドとともに保持することが可能である。取り付けシュラウドには、二分割のものが挙げられる。二分割のものは、クライオクーラーフランジおよびデュワーフランジとの間に配置されるOリングによって、クライオクーラーフランジとデュワーフランジの両方を包含するように構成された締め付け要素を含むことが可能である。取り付けシュラウド、つまり締め付け要素を閉じると、締め付け要素に対向する軸方向力が生じて、クライオクーラーフランジおよびデュワーフランジを互いに押してOリングに加圧する力を提供する。これによって、クライオクーラーフランジとデュワーフランジとの間が密封され、液化装置が転倒した場合であっても、ガスまたは液体酸素の漏出を防ぐ。取り付けシュラウドは、筐体アセンブリにデュワーおよびクライオクーラーを固定することも可能である。防震部材を取り付けシュラウドと筐体との間に取り付けて、ノイズおよび振動を改善することが可能である。取り付けシュラウドに冷却ファンを固定して、クライオクーラーフィンおよび電気部品を冷却することができる。取り付けシュラウドのデザイン自体は、密閉型の空気経路を提供してクライオクーラーの冷却フィンを介した空気の経路を定めることが可能であり、クライオクーラーが過熱したり、ディスプレーサが固着したりする可能性が減じられる。
【0012】
一実施態様では、液化装置は、ベローズネックを有するステンレス鋼製のデュワーを用いる。金属ネック管を備えた金属デュワーは、複合ネック管を備えたガラスデュワーまたは金属デュワーよりも耐久性がある場合がある。金属ネック管によって、高酸素環境による引火の懸念が減じられる。全金属のデュワー構造によって、デュワーの頂部に取り付けフランジを直接的に溶接することができ、その結果、デュワーとクライオクーラーフランジとの間をより良好に密封できる。ベローズネックのデザインによって、熱的な導電率が減じられ、デュワー内部からの熱損失がさらに減じられる。当該のデュワーのデザインによって、製造が容易になり、また必要なアセンブリ部品の数が減じられる。
【0013】
本発明の種々の実施形態に従って、液体ガスを貯蔵デュワーから携帯型デュワーに移すための装置が提供される。このような実施形態の装置は、携帯型医療ガス治療のための液体ガスを収容するように機能する貯蔵デュワー、第1の端部および第2の端部を有するトランスフィル管であって、該第1の端部が、該貯蔵デュワー内に延在し、該第2の端部が、該貯蔵デュワーから外に開口している、トランスフィル管、該第2の端部に接続される弁、該液体ガスを該トランスフィル管を通して押すために、該貯蔵デュワーを加圧するための手段、および該貯蔵デュワーを加圧するための手段に電気的に接続されているスイッチであって、該スイッチが、該弁に携帯型デュワーを係合する際、該貯蔵デュワーを加圧するための手段を自動的に起動するように、該弁に対して配置される、スイッチ、を備える。実施形態のいくつかの例において、貯蔵デュワーを加圧するための手段が、貯蔵デュワーと流体連通する圧縮機であり得る。いくつかの場合において、圧縮機が、周囲の空気を用いて貯蔵デュワーを加圧し得る。実施形態の他の例は、さらに、貯蔵デュワーと流体連通しており、ガスが該貯蔵デュワーを出ることを可能にするように構成された通気管を備え得る。このような場合において、通気管が、ソレノイド弁を備え得、スイッチが、圧縮機を起動する際に該ソレノイド弁を閉じるように構成され得る。この装置の実施形態は、さらに、所定の時間後に前記圧縮機を停止させるように機能する、タイミング装置を備え得る。所定の時間は、例えば、2分であり得る。
【0014】
この装置のいくつかの実施形態に従って、弁およびスイッチが、ハウジングに設置されており、ハウジングが、携帯型デュワーの弁インターフェイス面に適合するように形付けられた凹部を、ハウジングに形成している。いくつかの場合において、スイッチが、携帯型デュワーが弁と係合したときに、携帯型デュワーによって押されるように構成された押しボタン式スイッチであり得る。他の場合において、スイッチは、携帯型デュワーが弁と係合するのに十分に近いときに起動するように構成された近接検出スイッチであり得る。なお他の場合において、弁は、第1の弁であり、携帯型ストローラが、第2の弁を備える。このような場合において、第2の弁を第1の弁上に押すことによって、第1の弁および第2の弁が開くように、第1の弁が、第2の弁に係合するように構成され得る。この装置の実施形態は、さらに、コールドフィンガーを備えるクライオクーラーを備え、コールドフィンガーが、貯蔵デュワー内に延在し、貯蔵デュワー内に収容するためにガスを液化するように機能し得る、クライオクーラーを備える。
【0015】
本発明の種々の実施形態に従って、住居用酸素治療のためのガスの液化において酸素純度の維持する方法が提供される。このような実施形態の方法は、酸素濃縮器からガスの供給ストリームを受け取る工程;コールドフィンガーを備えるクライオクーラーを設ける工程であって、コールドフィンガーが、容器内に延在し、容器内に収容するためにガスを液化するように機能し得る、工程;コールドフィンガーを、酸素の液化温度以下の実質的に一定の温度に維持する工程;ガスの供給ストリームの少なくとも一部を液化する工程であって、液化ガスの酸素純度が、実質的に、該ガスの供給ストリームの酸素純度以上である、工程;コールドフィンガーの表面において、ガスの供給ストリームを液化することによって作られる低圧を用いて、ガスの供給ストリームをコールドフィンガーに少なくとも一部引き出す工程;および容器に液化ガスを蓄える工程、を包含し得る。コールドフィンガーを実質的に一定の温度に維持する工程が、クライオクーラーに一定電力を供給する工程、およびガスの供給ストリームを実質的に一定の速度で受け取る工程を包含する。実質的に一定の温度は、例えば、87°Kにほぼ等しくあり得る。いくつかの場合において、液化ガスの酸素純度が、90〜96容量%であり得る;いくつかの場合において、液化ガスの酸素純度が、約93容量%であり得る;なお他の場合において、液化ガスの酸素純度が、少なくとも99容量%であり得る。この方法の実施形態は、移動性の医療ガス治療のための液化ガスを貯蔵するように機能し得る携帯型デュワーを提供する工程;および液化ガスを容器から携帯型デュワーに移す工程、を包含し得る。
【0016】
本発明の種々の実施形態に従って、住居用医療ガスの液化および貯蔵において電力消費を削減するための方法が提供される。このような実施形態は、酸素濃縮器からガスの供給ストリームを受け取る工程;コールドフィンガーを備えるクライオクーラーを設ける工程であって、コールドフィンガーが、容器内に延在し、容器内に収容するためにガスの供給ストリームの少なくとも一部を液化するように機能し得る、工程;液体レベルセンサーを容器内に設置する工程であって、液体レベルセンサーが、容器内の液体レベルを検出するように機能し得る、工程;および液体レベルが所定液体レベルに達した場合にクライオクーラーの低電力モードを開始する工程、を包含し得る。このような場合において、所定の液体レベルが、満杯液体レベルであり得る。他の場合において、所定の液体レベルが、第1の所定の液体レベルであり得、クライオクーラーの低電力モードを開始する工程が、以下:クライオクーラーの電力供給を所定の低電力設定値に低下させる工程;および液体レベルが、第2の所定の液体レベルに低下した場合に、クライオクーラーの電力供給を、所定のフル電力設定値に回復させる工程、を包含し得る。いくつかの場合において、第2の所定の液体レベルが、満杯の4分の3の液体レベルであり得る。
【0017】
本発明の種々の実施形態に従って、クライオクーラーの低電力モードを開始する工程が、クライオクーラーから熱を除去するように機能し得る冷却ファンを設ける工程;冷却ファンの電力供給を別の所定の低電力設定値に下げる工程;および液体レベルが第2の所定の液体レベルに低下した場合、冷却ファンの電力供給を別の所定のフル電力設定値に回復する工程、を包含し得る。本発明の種々の代替の実施形態に従って、クライオクーラーの低電力モードを開始する工程が、液体レベルを満杯で維持するために必要とされるコールドフィンガーの維持温度を選択する工程;コールドフィンガーの温度を監視する工程;維持温度で温度を維持するために、クライオクーラーの電力供給を変化させる工程、を包含し得る。この方法の実施形態は、液化の間、容器内の圧力またはガスの供給ストリームの流量を変化させる工程を含まなくあり得る。いくつかの場合において、液体レベルセンサーが、容量型液体レベルセンサーであり得る。
【0018】
本発明の種々の実施形態に従って、液化を受動的に遅らせるための装置が提供される。このような実施形態は、携帯型酸素治療のための液体酸素を収容するように機能し得る容器;およびコールドフィンガーを備えるクライオクーラーを備え、コールドフィンガーが、容器内で垂直に延在しており、容器内に収容するために酸素ガスを液化するように機能し得、コールドフィンガーが、酸素ガスを液化するのに十分な冷却端および酸素ガスを液化するには温かい第2の部分を備え、冷却端が、容器内で全体的に延在し、第2の部分が、容器内で少なくとも部分的に延在し、容器内の液体酸素ガスが冷却端を沈下するとすぐに液化が遅らされる。このような実施形態に従って、コールドフィンガーに沿った温度が、温度勾配に従って変化し、コールドフィンガーが、クライオクーラーに最も近い最も高い温度およびクライオクーラーから最も遠い最も低い温度を有する。
【0019】
本発明の種々の実施形態に従って、液体ガスを貯蔵デュワーから携帯型デュワーに移すための装置が提供される。このような実施形態は、携帯型医療ガス治療のための特定の純度範囲の液体ガスを収容するように構成された第1のデュワー;第1のデュワーと結合する雌型トランスフィル弁;携帯型医療ガス治療のための特定の純度範囲の液体ガスを収容するように構成された第2のデュワー;第2のデュワーと結合する雄型トランスフィル弁;および第1の端部および第2の端部を有するトランスフィル管であって、第1の端部が、第2のデュワー内に延在し、第2の端部が、雄型トランスフィル弁と流体連通する、トランスフィル管、を備える。このような実施形態に従って、雄型トランスフィル弁が、特定の純度範囲の液体ガスを収容するように構成されていない他のデュワーと適合しないように構成され得る。
【0020】
本発明の実施態様の他の機能は、添付図面およびそれに続く詳細な説明から明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
ここ数年、クライオクーラーは、集中的に開発されている。当初、クライオクーラーは、軍用の、赤外線センサー、半導体チップ、マイクロ波電子機器、高温超電導アプリケーション、光ファイバ増幅器などの冷却用途用に開発された。クライオクーラーは、約20K乃至150Kの範囲の温度で動作するこれらの用途用に開発され、その冷却能力は、1ワット未満乃至100ワット以上であった。加えて、上記の軍用用途用に開発されたクライオクーラーは、クライオクーラーの最低温度点、またはそれに近い温度で熱入力を提供した。例えば、冷却される構成要素は、一般にクライオクーラーの冷点(「コールドフィンガー」)に取り付けられ、最小の伝導損失で、その構成要素に熱を直接伝達した。しかし、小型のガス液化機に使用する場合、液化および迅速な冷却の各パラメータの正確な制御のような機能は不要であり、装置のコストを増加させるだけである。
【0022】
酸素治療中の患者が、比較的小型だが安定した量の酸素を必要とすることに関して、当該の患者の要求を満たす複数の方法が存在する。酸素治療患者が酸素を受け取る最も一般的な方法は、工業プラントにおいて製造された酸素の定期的な供給によるものである。酸素は、加圧気体または液体のいずれかとして供給することが可能である。加圧気体として供給される場合、高圧下で貯蔵されること、および非常に反応しやすいことから、酸素は危険物となる。液体として供給される酸素は、経時的に液化ガスの不可避な加温によって生じるボイルオフに起因する損失が生じやすい。特別に断熱した容器またはデュワーを使用した場合であっても当該の損失が生じるので、新鮮な液体酸素の供給を週単位で行わなければならない。
【0023】
外気中の酸素を取り出すか、またはこれを濃縮する装置の提供も公知である。これらの装置では、潜在的に危険な材料の貯蔵が不要となる。しかし、これらの装置は、一般に携帯型ではないので、連続的な酸素治療にある人は、自身の住居から外出するために、しばしば商用の「ボンベ入り」の酸素に依存しなければならない。
【0024】
ここ数年で、家庭用酸素液化装置に対していくらかの進歩があった。当該の装置には、米国特許第5,893,275号、名称「Compact Small Volume Liquid Oxygen Production System」(1997年9月4日出願)、および米国特許第6,212,904号、名称「Liquid Oxygen Production」(1999年11月1日出願)が挙げられ、それぞれのコンテンツは、参照することによりその全体が本願明細書に組み込まれる。
【0025】
いくつかの従来のガス液化装置は、一般に複雑な、および/または費用のかかる凝縮器構造を用いている。以前は、液化効率を改善するために、供給ガスストリームを冷表面に接触させることが好ましいと考えられていた。また、以前は、クライオクーラーの冷表面に取り付けられた二重壁の凝縮器構造のような冷却構造を用いること、および凝縮器構造を介して供給ガスを導いて、液化が生じる表面積を増加させることが好ましいとも考えられていた。
【0026】
加えて、家庭用酸素液化装置には、装置の転倒または過熱のときの損傷または破損を防ぐための安全機構がしばしば不足している。転倒した貯蔵デュワーから漏れた液体酸素は、温表面に触れると急速に膨張して沸騰し、多量の液体酸素が排出口を通って急激に噴霧また噴出することになる。転倒のときに液化装置の電力が入ったままになっていれば、漏れた酸素が、火花または炎に触れた場合に火災を引き起こす危険もある。構成要素の過熱によって、液化装置に損害を与える場合もある。クライオクーラーを用いた液化装置では、クライオクーラーは、過熱またはディスプレーサの固着を被る場合がある。液体酸素貯蔵デュワーの過充填も危険である。いくつかの酸素液化装置は、電子コントローラに依存して、液体酸素の製造を停止させる。他の安全性の懸念は、別のデュワーから携帯型液体酸素ストローラのトランスフィルを伴うことであり、このプロセスによって、携帯型液体酸素ストローラの一部が、別のデュワーへの接続において時折凍結することがあり、それによって携帯型ストローラの過充填またはデュワーの過排出が生じる。
【0027】
医療酸素は処方薬品とみなされる場合があるので、政府機関が管理する場合がある。例えば、米国では食品医薬局(Federal Drug Adminisrtation;FDA)が、酸素液化装置を管理している。米国薬局方(United States
Pharmacopeia;USP)が承認した酸素液化装置に財源が費やされている。USP承認の装置は、約99.0%純粋な酸素を製造する。USP93承認の装置は、93%純粋(許容範囲±3%)な酸素を製造する。USP承認の装置は、約99.0%の純度を達成するために、しばしばより高いコストで、酸素液化プロセスを達成しようとする。これは、高度なフィードバック、および酸素を含む供給ガスの流量を変化させる制御ループを使用することによって行うことが可能である。しかし、当該の最適化プロセスに使用される必要なセンサーおよび制御器は、高価になり得る。
【0028】
本出願では、小規模用途の液化装置によって、液体酸素製造の安全性と効率を向上させ、なおかつコストを低減するための装置および方法を開示する。本発明の実施態様の1つ以上の側面を参照するために、本願明細書には様々な用語が使用される。「住居用」、「小規模用途」、または「携帯型」液化装置とは、1日に25リットルもの液体ガスを製造するように機能する液化装置のことである。一般に、当該の装置は、24時間で、約1.5リットルの範囲で少量の液体ガスを製造する。本願明細書で用いられる、用語「ボイルオフ槽」および「相分離器」は代替可能に使用され、液体ガスが容器の底部に沈下して徐々に沸騰することができ、一方で、ガスがその容器から出られるようにすることによって、ガスおよび液体相を分離させるために、急速に膨張するガスと液体との混合物を受け取ることができるあらゆる容器のことであるといった、広範な意味で使用される。「ボイルオフ管」とは、ボイルオフ槽の構成の1つの特定の実施態様のことである。本願明細書で用いられる、用語「デュワー」は、液体ガス(例、液体酸素)を受け取る、および/または貯蔵するように機能する容器(例、低温断熱容器)のことであるといった、広範な意味で使用される。本願明細書で用いられる、用語「携帯型デュワー」、「ストローラ」、および「携帯型ストローラ」は代替可能に使用され、移動性の医療ガス治療のために容器の担送、カートでの運搬などが行えるような、液体ガス(例、液体酸素)を受け取る、および/または貯蔵するように機能する容器(例、低温断熱容器)のことであるといった、広範な意味で使用される。
【0029】
本願明細書で用いられる、用語「流体連通」は、液体が、別の要素を経て直接的または間接的に要素間を流れることができるように関連している要素のことであるといった、広範な意味で使用される。本願明細書で用いられる、用語「供給管」、「供給管路」、および「供給ホース」は代替可能に使用され、濃縮器からクライオクーラーおよび/またはデュワーにガスを移すように機能する、あらゆる流体流機構であるといった、広範な意味で使用される。本願明細書で用いられる、用語「通気管」、「通気管路」、および「通気ホース」は代替可能に使用され、クライオクーラーおよび/またはデュワーから離れてガスを移すように機能する、あらゆる流体流機構であるといった、広範な意味で使用される。本願明細書で用いられる、用語「放熱器」は、ある領域から熱を受け取り、それを別の領域で解放するように機能する、熱的な機構であるといった、広範な意味で使用される。放熱器の実施態様の一例は、クライオクーラー冷却フィンである。本願明細書で用いられる、単数の表記は、1つ以上の要素という因習的な意味で使用される。本願明細書で用いられる、「一実施態様では」、「一実施態様による」などのフレーズは、概して、そのフレーズに続く特別な機能、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施態様に含まれ、本発明の複数の実施態様に含めることが可能であることを意味する。重要なことに、当該のフレーズは、必ずしも同じ実施態様を参照しているわけではない。
【0030】
図5を参照する。酸素濃縮器に接続された本発明の一実施態様の概念的システム図であり、液化サイクル中の液体の流れを示す図である。酸素濃縮器530は、濃縮酸素の流れを出力する。図5において、「FFF」は酸素の供給流が存在することを示し、「PPP」は患者の気体酸素流が存在することを示し、「VVV」は通気ガス流が存在することを示す。代表的な濃縮器530は、1分あたり約5乃至10リットルの酸素を出力することが可能である。一実施態様では、酸素濃縮器は、USP93承認の酸素流を出力する。本発明のいくつかの実施態様によれば、酸素濃縮器530の出力流量は、その最大値に設定することが可能である。出力流は、酸素濃縮器530から、供給流管路512「FFF」および患者流管路534「PPP」に分岐する。患者流は、患者オリフィス536を通る。患者オリフィス536は、患者流管路534が供給流管路512の流れを「奪う」ことのないように構成する、換言すれば、過剰な濃縮器530の出力流が患者流管路534を通ることができ、供給流管路512を通るには十分でないように構成することが可能である。患者オリフィス536を通った後、患者流は患者流量計538を通るが、これによって、患者は、患者流管路534から受け取る酸素の流量を調整することができる。一実施態様では、患者流量計538は、ニードル弁の形態の可変オリフィスを備える。患者流管路534は、酸素濃縮器に見られるものに類似した接続ポートを提供することが可能であり、必要に応じて、カニューレ管路または加湿器を接続することができる。
【0031】
一実施態様では、供給流管路512における供給ガスの流量は、圧力調整器540およびオリフィス542によって一定の速度に保たれる。酸素濃縮器530は、一般に約6乃至8ポンド/平方インチゲージ(PSIG)の出口圧力を有する。圧力調整器540は、供給流の圧力を減じるように動作する。一実施態様では、供給流れの圧力は、3.8PSIGに減じられる。調整器540を通った後に、供給流は、オリフィス542を通る。一実施態様では、オリフィス542は、直径が0.016インチである。圧力3.8PSIGでの酸素供給流は、直径0.016インチのオリフィスを毎分約1.25リットルの割合で流れる。本発明のいくつかの実施態様によれば、圧力調整器540とオリフィス542との組み合わせによって、液化に供給される酸素ガスの供給流量を一定にすることができる。別様には、異なる圧力調整器540および/または異なるサイズのオリフィス542を選択することによって、様々な他の固定流量を達成することが可能である。
【0032】
固定圧力調整器540および固定直径オリフィス542を用いた液化装置は、制御器を備えた可変弁を用いもののような、可変フロー制御フィードバックループを用いたシステムに優る利点を有する。例えば、調整器540とオリフィス542との組み合わせによって、コストを下げ、可変フローシステムよりも製造を容易にすることが可能である。調整器540とオリフィス542との組み合わせを使用した一実施態様では、酸素濃縮器530からの濃縮USP93酸素は、単純に固定圧力に調整して、USP93酸素として液化されるUSP93酸素ガスの定常流を送る固定直径のオリフィスを介して送ることが可能である。
【0033】
次に、供給流は、一方向逆止め弁544を通って乾燥剤カートリッジ550に入る。本発明のいくつかの実施態様によれば、乾燥剤カートリッジ550は、オプションの要素である。一実施態様では、乾燥剤カートリッジ550は、携帯型ガス液化装置におけるガス供給ストリームを除湿するための、着脱自在に取り付け可能な乾燥剤カートリッジである。乾燥剤カートリッジ550は、小型で携帯型であることが好ましい。乾燥剤カートリッジ550は、霜の形成を低減または防ぐことが可能であり、含水量を減じて液化装置の全体的な効率を増加させることが可能である。
【0034】
一実施態様では、乾燥剤カートリッジは、ガス供給ストリーム入口と、ガス供給ストリーム入口と連通する除湿域と、除湿域と連通する除湿ガス供給ストリーム出口とを備える。ガス供給ストリーム入口は、酸素濃縮器530のようなガス供給ストリーム生成装置からのガス供給ストリームを受けるように構成することが可能である。除湿ガス供給ストリーム出口は、低温ユニットに除湿ガス供給ストリームを移動させるように構成することが可能である。乾燥剤カートリッジ550の様々な実施態様は、米国特許出願第10/884,318号、名称「Desiccant Cartridge」(2004年7月1日出願)に詳述されており、そのコンテンツは参照することによりその全体が組み込まれる。
【0035】
乾燥剤カートリッジ550を通った後に、供給流れは、状況に応じてフィルタ552を通る場合がある。一実施態様では、フィルタ552は、10ミクロンのフィルタである。供給流は、次いで供給流管512を通って、クライオクーラー502とデュワー520とのインターフェース近くのクライオクーラー502に入ることが可能である。供給流は、コールドフィンガー508を通って液化され、その後デュワー520に沈下する。ボイルオフガスおよび/または液化されなかった一部の供給流は、デュワー520に残って通気管514から流出することが可能な、通気流(VVV)を発生させることが可能である。通気流は、次いで、常開ソレノイド弁556を通ってボイルオフ管560に入ることが可能である。ボイルオフ管560によって、ガスはシステムから大気に出る。
【0036】
一実施態様では、ボイルオフ管560は、液化装置の安全性を高める。液体酸素バリア118を使用しても、液体酸素は、依然としてデュワー520が転倒した場合にデュワー520から流出する場合がある。ボイルオフ管560は、液体酸素バリア118とともに機能して、装置の転倒のときに、液体酸素が液化装置の通気ポートから噴霧されないようにすることが可能である。転倒のときに、液体酸素が供給管路512および通気管路514を通って流れると、その体積はガスに沸騰するときに約800倍の割合で膨張し、その結果、圧力が増加したときに残りの液体を前方に押し出す場合がある。ボイルオフ管560は、残りの液体が流路から沈下して、通気ポートを介してシステムの外に液体を押し出さずに、ガスを液化装置から通気できるようにする容量を提供する。これは、結果的に、人が急速に膨張する酸素ガスおよび液体酸素の混合物と接触する可能性を最小限に抑えることが可能である。一実施態様では、ボイルオフ管560は、その側面に敷設したときに液体をプールすることが可能な断面を提供する、幅広断面の管系を備える。ボイルオフ管560内にプールされる液体は、ガスに沸騰してボイルオフ管560から安全に通気される。一実施態様では、ボイルオフ管560は、PVCパイプによって構成される。
【0037】
図23は、本発明のいくつかの実施態様による、図5の概念的システム図に類似した概念的システム図の部分的な図である。図5および6と同様に、図23の要素の構成は、尺度または距離のような要素間の空間的関係を必ずしも示すわけではないが、図23は、デュワー2320と、コールドフィンガー2308と、クライオクーラー2301と、ボイルオフ槽2385との間の指向的な方向関係を表す。ボイルオフ槽2385は、別の実施態様である。ボイルオフ槽2385の「底部」は、それに向かって液体が重力で引っ張られる、ボイルオフ槽2385の表面である。「底部」の位置は、ボイルオフ槽2385の方向に基づいて変化する場合がある。デュワー2320およびボイルオフ槽2385が直立位置にあるとき、重力は矢印2302の方向と同じような方向に作用する。直立位置では、液体ガスは、デュワー2320の底部に収容され、通気ガス(ボイルオフガスおよび/または非液化供給流ガスなど)は、通気管路2314を通ってデュワー2320および/またはクライオクーラー2301の外に出て、常開ソレノイド弁2356を通ってボイルオフ槽2385に入り、ボイルオフ通気口2387を通って出る。本発明のいくつかの実施態様によれば、供給管路2312を通るコールドフィンガー2308への供給ストリームガスの正の流れを保つことによって、外気のような大気ガスが、ボイルオフ通気口2387のような開口通気管路を通って、ボイルオフ槽2385、クライオクーラー2301、および/またはデュワー2320に入らないようにすることが可能である。
【0038】
デュワー2320、クライオクーラー2301、およびボイルオフ槽2385は、重力が矢印2306の方向と同じような方向に重力が作用する、最低限好適な位置に転倒および/または傾斜する場合がある。当該の場合、デュワー2320内の液体ガスは、液体ガスの沸点か、またはそれよりも暖かいデュワー2320、クライオクーラー2301、および/またはコールドフィンガー2308の一部と接触する場合があり、液体ガスを蒸発および/または膨張させる。この急速に膨張するガスと液体の混合物は、デュワーを加圧して、急速に膨張する混合物を、供給管路2312および/または通気管路2314を通して、デュワー2320/クライオクーラー2301のインターフェースから迅速に流出させる。重力が方向2306に作用する最低限好適な位置では、重力が、暖かい供給管路2312および/または通気管路2314を通して液体ガスをさらに引っ張る。供給管路2312を通る急速に膨張する混合物は、一方向逆止め弁544によって濃縮器530へ逆流しないようにするか、または一方向逆止め弁648によって圧縮機646へ逆流しないようにすることが可能である。代わりに、供給管路2312を通る急速に膨張する混合物は、圧力逃し弁2354を通って逃し管路2395を通り、開口部2393を経てボイルオフ槽2385に入ることが可能である。通気管路2314を通る急速に膨張する混合物は、ソレノイド弁2356を通って、開口部2391を経てボイルオフ槽2385に入ることが可能である。別様には、ソレノイド弁2356が閉じている場合、またはソレノイド弁2356が急速に膨張する混合物を十分通過させなかった場合、その混合物は、圧力逃し弁2358を通って逃し管路2399を通り、開口部2391を経てボイルオフ槽2385に入ることが可能である。開口部2389は、大気に開口する。例えば、開口部2389は、ボイルオフ槽2385からボイルオフ通気口2387を経て大気に開口する。
【0039】
急速に膨張するガスおよび液体ガスの混合物が、開口部2391および/または2393を経てボイルオフ槽2385に入るとき、ガスおよび液体ガスの混合物の液相は、ボイルオフ槽2385の底部に沈下することが可能であり、ガスおよび液体ガスの混合物の気相は、開口部2389を経てボイルオフ槽2385から出ることが可能である。本発明のいくつかの実施態様によれば、ガスおよび液体ガスの混合物は、開口部2391および/または2393に対向するボイルオフ槽2385の側面の方へ、ボイルオフ槽2385に噴霧することが可能である。本発明のいくつかの実施態様によれば、ボイルオフ槽2385は細長い円筒状であり、開口部2389は、開口部2391および/または2393に最も近い端部に近接して、またはその近くに配置することが可能である。当該の構成によって、ボイルオフ槽2385内の液体をボイルオフ通気口2387および/または開口部2389の外に噴霧できるようにせずに、ボイルオフ槽2385および/またはデュワー2320を転倒直後に直立させることができる。本発明のいくつかの実施態様によれば、ボイルオフ槽2385の端部、および開口部2389および/または開口部2393の近くに開口部2389を備えることによって、最大の液体容量が得られ、一方で、ボイルオフ槽2385を可能な限り小さく維持することができる。ボイルオフ槽2385の形状および構成、および開口部2391、2393、および/または2389の位置に従って、適切な量の液体を収容するようにボイルオフ槽2385のサイズを選択しなければならない。例えば、本発明の一実施態様によれば、ボイルオフ槽2385の容量は、全液面に相当するデュワーにおける液体容量の1/3にほぼ等しい。別の例として、液体ガスデュワーが、約1.5リットルの液体ガスを保持している場合、約0.5リットルの容量を有するボイルオフ槽2385を使用することが可能である。別様には、ボイルオフ槽2385の容量は、本発明のいくつかの実施態様によれば、全液面に相当するデュワーにおける液体容量の半分にほぼ等しい。
【0040】
デュワー2320、クライオクーラー2301、およびボイルオフ槽2385は、矢印2304の方向と同じような方向に重力が作用する位置に転倒または傾斜する場合がある。本発明のいくつかの実施態様によれば、特に当該の場合には、重力が供給流管路2312および/または通気管路2314の方に液体ガスを引っ張るように作用しないので、当該の場合、通気管2314および/または通気管2387の長さによって、液体ガスが、液相内の開口部2389および/またはボイルオフ通気口2387を出る前に、液体ガスを沸騰させることができる。デュワー2320、クライオクーラー2301、およびボイルオフ槽2385は、矢印2302、2304、2306によって示される方向に垂直な方向に重力が作用する位置に転倒または傾斜する場合もある。当該の場合、供給管2312および流通管2314は、その側面に延在させることが可能であり、また適度な量の液体ガスが、沸騰する間に液体ガスの収容に利用可能な、ボイルオフ槽2387のほぼ半分の量をデュワー2320から逃がすことができ、一方で、通気ガスが開口部2389を通って逃れるための液体経路を残しておくことができる。
【0041】
ボイルオフ槽2385は、開口部2391、2393、および2389とともに示されているが、ボイルオフ槽2385は、代わりに、様々な実施態様に基づいて、開口部2389および開口部2391または開口部2393のいずれかとともに構成することが可能である。別様には、開口部2391および/または開口部2393の反対側のボイルオフ槽2385の端部に開口部2389を配置することによって(例えば、ボイルオフ槽560と表されている)、ボイルオフ槽2385は、あらゆる方向の転倒において液体ガスを一様に収容することができる。しかし、開口部2391および開口部2393の反対側のボイルオフ槽2385の端部に開口部2389を配置することで、ボイルオフ槽2385の転倒直後に直立させたときに、液体ガスが、ボイルオフ通気口2387から外に出てしまう場合がある。
【0042】
開口部2391、2193、および2389は、管を介した流れを収容するためのできるだけ小さなサイズの開口部であるが、開口部2391、2193、および2389のサイズおよび形状は、変更することが可能である。本発明のいくつかの実施態様によれば、複数のボイルオフ槽を使用することが可能である。ボイルオフ槽560、660、2385は、円筒として示されているが、本発明の実施態様によるボイルオフ槽は、多量の低温液体を保持または封入することができるあらゆる形状とすることが可能である。例えば、本発明の実施態様によるボイルオフ槽は、これに限定されないが、球、立方体、箱型、U型容量、円筒、半球、半円筒、角錐、円錐、半角錐、半円錐、および/または環状体とすることが可能である。本発明のいくつかの実施態様によれば、ボイルオフ槽は、デュワー2320の一部または全てを囲む。当該のボイルオフ槽の構成は、場合によってはスペースを節約することが可能である。本願明細書で提供される開示基づいて、当業者は、本発明の様々な実施態様によるボイルオフ槽の複数の異なる可能な形状、サイズ、および構成を理解されよう。
【0043】
図6は、本発明の実施態様による、トランスフィルサイクル中の図5のシステムに類似したシステムを示す図である。一実施態様では、デュワー620から携帯型ストローラ668への液体酸素のトランスフルを行うために、圧縮器646を使用して、デュワー620ひいては供給管路612を加圧する。圧縮器646を作動させてトランスフィルを開始する。図6において、「PPP」は、患者気体酸素流の存在を示し、「HHH」は、圧縮器646からの外気流のようなガス流の存在を示し、「LLL」は、液体酸素流のような液体ガス流の存在を示す。
【0044】
液体酸素の製造中にデュワー620内のシステム圧力を低く保つために、通気管路614を大気へ開口させる。デュワー620への外気の逆流は、クライオクーラー602への気体酸素のわずかな正の流れを保つことによって、また通気管路614内に一方向逆止め弁599を備えることによって防ぐ。しかし、液体酸素のトランスフィルには、デュワー620における高い圧力を必要とする。したがって、デュワー620内部の圧力を高められるように、トランスフィル中に、常開ソレノイド弁656を閉じる。トランスフィル管662は、デュワー620の外部のトランスフィル弁664をデュワー620の内部に接続する。トランスフィル管662の一端はデュワー620の内部に延在し、他端はデュワー620の外部に延在する。一実施態様では、トランスフィル管662は金属製であり、断熱デュワー620の2つの壁と真空空間を通っている。
【0045】
圧縮器646は、外気を吸気して圧縮し、一方向逆止め弁648を介してそれを送る。逆止め弁644、648は、圧縮空気が圧縮器646、濃縮器630、または患者流に逆流するのを実質的に防ぐ。例えば、逆止め弁644は、液化またはトランスフィル中の濃縮器630への逆流を防ぐだけでなく、患者供給634の過供給も防ぐことが可能である。逆止め弁544は、類似した機能を行うことが可能である。トランスフィル中に、濃縮器630からの気体酸素流は、患者流管路634、患者オリフィス636、患者流量計638を続けて通る。圧縮器646は、供給管路612に外気を取り込み続けるので、デュワー内の液体上部の空間が加圧状態になり、液体上部に下向きの力が発生して、デュワー620の液体が押されてトランスフィル管662に入る。液体は、次いでトランスフィル弁664を通って携帯型酸素ストローラ668に入る。
【0046】
圧縮器646に加えて、他の手段を使用して、トランスフィルプロセスのためにデュワー620の内部を加圧することが可能である。例えば、デュワー620内にヒーターを配置して、デュワー内の圧力が十分高くなるまで酸素を沸騰させて、デュワー620の液体を押してトランスフィル管662を通すことが可能である。別の例として、熱源を介して十分な熱を供給してデュワー620内の圧力を高めることが可能なように、熱源をデュワー620の内部ではなく近くに配置することが可能である。さらに別の例として、気化器ループまたは制御可能な熱漏れを使用して、トランスフィルプロセスのためにデュワー620の内部を加圧することが可能である。
【0047】
一実施態様では、トランスフィルプロセスは、ストローラ668をトランスフィル弁664に合わせて、トランスフィル弁664に押しつけたときに始まる。トランスフィルスイッチ666は、ストローラ668がトランスフィル弁664に係合されたときに作動するように構成することが可能である。本発明のいくつかの実施態様によれば、トランスフィルスイッチ666は、押しボタン式のスイッチであり、携帯型ストローラ668が弁664に係合したときに、携帯型ストローラ668の弁インターフェース面697が押さえるかまたは押圧することが可能である。他の実施態様によれば、トランスフィルスイッチ666は近接検出スイッチであり、携帯型ストローラ668が弁664と係合するように十分近づいたときに起動するように構成される。トランスフィルスイッチ666は、圧縮器646を作動させてソレノイド弁656を閉じることが可能である。一実施態様では、携帯型ストローラに対する液体酸素のトランスフィルは、プログラム可能なロジック装置の入力のときの状態の変化を通じて作動され、圧縮器646を動作させたり、ソレノイド弁を閉じたり、トランスフィルの開始からの時間を監視したり、また所定時間の経過後にトランスフィルを終了させるように動作させることが可能である。これにより、ストローラ668がトランスフィル弁664に固着して、ユーザーが、ストローラ668をトランスフィル弁664およびトランスフィルスイッチ666から取り除くことによる、手動でのトランスフィルプロセスの終了を妨げる場合において、デュワー620の過排出を防ぐことが可能であり、またトランスフィル中の携帯型ストローラ668の過充填を最小限に抑えることが可能である。
【0048】
一実施態様では、携帯型ストローラ668は、USP93承認のストローラである。ストローラ668は、患者が液体酸素を持ち運ぶために使用する装置である。酸素濃縮器は、現在USP93酸素に対して承認されているが、それらは気体酸素を製造する。液体は、携帯用途に対する酸素の最も好都合な状態であるので、患者には液体状態の酸素が最も求められる場合がある。患者は、既存の同等量の気体酸素用のものよりも小型軽量の容器で多くの量の酸素を搬送することができる。携帯型ストローラ668は、所定の速度で液体酸素を沸騰させて、患者に呼吸に適した酸素の流れを提供することが可能である。
【0049】
一実施態様では、圧力逃し弁654、658は、デュワー620の過圧を防止する。逃し弁654は、ボイルオフ管660に供給管路612を接続し、逃し弁658は、ボイルオフ管660に通気管路614を接続する。別様には、圧力逃し弁654は、圧力逃し管路698に沿って配置することが可能である。圧力逃し管路698は、供給管路612と流体連通する第1の端部と、ボイルオフ管660と流体連通する第2の端部を有する。一実施態様では、圧力逃し弁654は、供給管路612内の圧力が12PSIGなどの所定の圧力(許容差10%)になったときに開くように構成することができ、それによって、高圧の液体が供給管路612から流出して圧力逃し管路698を通ってボイルオフ管660に流れる。いくつかの実施態様では、圧力逃し弁658は、圧力逃し管路699に沿って配置することが可能である。圧力逃し管路699は、通気管路614と流体連通する第1の端部およびボイルオフ管660と流体連通する第2の端部を有することが可能である。別様には、圧力逃し管路699の第2の端部を、通気管路614と流体連通させることも可能である。例えば、通気管路614がソレノイド弁656を備えた実施態様では、圧力逃し管路699は、通気管路614においてソレノイド弁656を単純にバイパスすることが可能である。一実施態様では、圧力逃し弁658は、通気管路614内の圧力が12PSIGなどの所定の圧力(許容差10%)になったときに開くように構成することができ、それによって、高圧の液体が供給管路614から流出して圧力逃し管路699を通ってボイルオフ管660に流れる。
【0050】
図29は、本発明の様々な実施態様による、ソース2902によって供給される圧縮器2904の電力回路、および/またはソース2903によって供給されるソレノイド2905の電力回路を生成するトランスフィルスイッチ2901の概念的配線図である。圧縮器2904は、液化中は通常作動しない。ソレノイド弁656は常開であるが、デュワー620内部の圧力を高めることができるように、トランスフィル中に閉じておくことが可能である。トランスフィルスイッチ2901は、例えば、トランスフィル弁と係合されるときに、携帯型ストローラまたは携帯型デュワーの底部によって押圧することが可能である。トランスフィルスイッチは、次いで圧縮器2904回路および/またはソレノイド2905回路を構築することが可能である。
【0051】
図30は、本発明の様々な実施態様による、トランスフィルのタイムアウトフローチャートの図である。上述の一実施態様では、携帯型ストローラに対する液体酸素のトランスフィルは、プログラム可能なロジック装置の入力のときの状態の変化を通じて作動され、圧縮器646を動作させたり、ソレノイド弁656を閉じたり、トランスフィルの開始からの時間を監視したり、また所定時間の経過後にトランスフィルを終了させるように動作させることが可能である。様々な装置を使用して、図30のフロー図の要素を実装することが可能である。例えば、当該の装置には、これに限定されないが、マイクロコントローラおよび/またはプロセッサ、離散的ハードウェア半導体、および/またはプログラマブル論理装置が挙げられる。本発明のいくつかの実施態様によれば、ある方法を使用して、所定の時間の後にトランスフィルプロセスを停止させて、携帯型ストローラまたは携帯型デュワーの過充填を防止することが可能である。トランスフィルタイミングプロセスは、ブロック3001から始まる。トランスフィルスイッチが入っているかどうかの判断を行う(ブロック3002)。トランスフィルスイッチが入っていなければ、プロセスはブロック3002の直前まで継続される。トランスフィルスイッチが入っていれば、図29を使用して上述したように、圧縮器およびソレノイドが動作可能となる(ブロック3003)。いくつかの実施態様のクロックを使用して、タイマーカウントを開始する(ブロック3004)。タイマーカウントが所定のカウントになったかどうかの判定を行う(ブロック3005)。例えば、タイマーカウントが2分になったかどうかの判定を行う。別の例として、所定のカウントを1分40秒にすることが可能である。所定のカウントまたは所定の時間は、満たされる容器の予想される容量および/または容器への液体ガスの流量に基づいた、あらゆる時間とすることが可能である。当該の所定の時間はいずれも、トランスフィルプロセスの始めの間は、液体ガスを移すためにトランスフィル装置を十分に冷却した状態で液体ガスを沸騰させるので、液体ガスがデュワーとストローラとの間を移されない、という事実を考慮することも可能である。タイマーカウントが所定のカウントになっていなければ、タイマーカウントは正に増分され、プロセスはブロック3005の直前に戻る。タイマーカウントが所定のカウントになったら、トランスフィル時間プロセスを終了する(ブロック3006)。
【0052】
図13は、本発明のいくつかの実施態様による、携帯型ストローラ1368のインターフェースを示す図である。一実施態様では、トランスフィルプロセスは、雌型弁1377をトランスフィル弁1364に合わせて、矢印1367で示される方向に、トランスフィル弁1364に押しつけたときに始まる。トランスフィルスイッチ1366は、ストローラ1368上の雌型弁1377がトランスフィル弁1364と係合されるときに作動するように構成することが可能である。本発明のいくつかの実施態様によれば、トランスフィルスイッチ1366は、押しボタン式のスイッチであり、携帯型ストローラ1368の雌型弁1377が弁1364に係合したときに、携帯型ストローラ1368の弁インターフェース面1397が押さえるかまたは押圧することが可能である。
【0053】
図24は、本発明のいくつかの実施態様による、雄型トランスフィル弁2466および雌型弁2467のインターフェースの部分的な断面図である。ガス液化装置は、トランスフィル管と流体連通する弁マウント2473をその中に備えることが可能である。トランスフィル管は、例えば弁マウント2473と液体ガスを収容するように機能するデュワーとの間に延在する。本発明のいくつかの実施態様によれば、弁マウント2473は、ねじ付き外径を有する弁本体2475を取り付けることが可能な、ねじ付きの内径を有することが可能である。弁本体2475は、液体酸素のような液体が流れることが可能な、流体流路2465を備えることが可能である。弁棒2481は、液体流路2465内に配置して、押圧されるまで液体流路2465を閉じておくように構成することが可能である。1つ以上のスプリング(図示せず)を使用して、弁棒2481を閉位置に付勢することが可能である。雌型弁2467は、例えば携帯型ストローラに取り付けるために、ねじつきの外径を有する弁本体を備えることが可能である。雌型弁2467は、液体流路2463および弁棒2477を備えることも可能である。弁棒2477は、流体流路2463内に配置して、押圧されるまで液体流路2463を閉じておくように構成することが可能である。弁棒2477は、1つ以上のスプリング(図示せず)を介して閉位置に付勢することも可能である。雌型弁2467を備えた携帯型ストローラを、トランスフィル弁2466を備えた携帯用途の液化装置とインターフェースするとき、雌型弁2467をトランスフィル弁2466に押圧して、弁棒2477に弁棒2481を押圧することが可能であり、それによって、図24に示されるように流体流路2465および流体流路2463が開き、液体酸素のような液体ガスがデュワーから携帯型ストローラに流れることができる。本発明のいくつかの実施態様によれば、テフロン(登録商標)環2461を雌型弁2467とトランスフィル弁2466との間に使用して、弁2467が弁2466に押圧されている間、弁のインターフェースを一時的に密封して、トランスフィルプロセス中の液体ガスの漏出を防ぐことが可能である。
【0054】
更なる安全対策として、トランスフィル弁2466および/または雌型弁2467を、従来のUSPトランスフィル弁に適合しないように特に構成することが可能である。USPトランスフィル弁を使用して、デュワーから携帯型ストローラにUSP純度99%の液体酸素を移すことが可能である。しかし、政府の監督団体は、USP93承認のストローラをUSPトランスフィル弁と適合させないようにすることを求める場合がある。当該の問題に対するソリューションの一実施態様は、USP携帯型ストローラ用の事実上標準的な弁インターフェースの存在によって可能となる。当該の可能なソリューションは、USP携帯型ストローラの標準のUSP弁インターフェースが、弁マウント2473に合わないように、またUSP93酸素の液化装置の弁棒2481を押し下げることができないような、標準のUSP弁インターフェースの内径よりも大きな外径2471を有する弁マウント2473の開発を伴う。USP93ストローラは、より大きな内径2469によって弁マウント2473および/または弁本体2475に合わせた、雌型弁2467によって構成することが可能である。トランスフィル弁2466をUSP携帯型ストローラに適合しないようにするためのソリューションの別の実施態様は、USP携帯型ストローラ弁のトランスフィル弁への押し付けによって、USP携帯型ストローラが弁棒2481に十分近づいて、流体流路2463または流体流路2465を開かないように、弁本体2475のような、弁2466の突出した雄型部分を、USP携帯型ストローラ弁の雌型キャビティよりも短くすることを伴う場合がある。本発明のいくつかの実施態様によれば、標準のUSP弁を備えた携帯型ストローラは、トランスフィル弁2466には合わないが、雌型弁2467を備えた携帯型ストローラは、トランスフィル弁2466および/または標準のUSPトランスフィル弁に合うように構成することが可能である。本願明細書における説明によって、当業者は、トランスフィル弁2466および/または雌型弁2467を、対応するUSP(純度99%)承認の弁と適合しないように構成および/または変更することが可能であることを認識されよう。
【0055】
図1を参照する。クライオクーラーフランジ104およびデュワーフランジ116における、クライオクーラー102とデュワー120とのインターフェースである。Oリング106は、デュワーフランジ116とクライオクーラーフランジ104との間に配置して、デュワーフランジ116とクライオクーラーフランジ104との間を密封することが可能である。Oリング106は、シリコン製のものであってよい。コールドヘッド110を備えたコールドフィンガー108は、クライオクーラー102からデュワー120に下方に延在する。濃縮酸素ガスの供給流は、供給管112に入り、コールドヘッド110で液化されてデュワー120に落ちる。デュワー120からのボイルオフガスは、通気管114を通って出る。液体酸素バリア118は、デュワー120とクライオクーラー102との間に位置させて、デュワー120が転倒したときのガスの流れおよび液体の膨張を制御することが可能である。
【0056】
いくつかの従来のガス液化装置は、一般に、クライオクーラーのコールドヘッドに取り付けられた、複雑な、および/または費用のかかる凝縮器構造を用いている。以前は、液化効率を改善するために、供給ガスストリームを冷表面エンクロージャに接触させることが好都合であると考えられていた。また、以前は、クライオクーラーの冷表面に取り付けられた二重壁の凝縮器構造のような冷却構造を用いること、および凝縮器構造を介して供給ガスを導いて、液化が生じる表面積を増加させることが好都合であるとも考えられていた。しかし、本発明の実施態様は、酸素ガスを液化するコールドヘッド110を備えたコールドフィンガー108構造を単純に用いている。ガスの供給ストリームをコールドフィンガー108に接触させる代わりに、または高表面領域凝縮構造を介して、本発明の実施態様によって、酸素ガスを供給管路112に通してコールドフィンガー108の近傍に導くことができる。コールドフィンガー108によって生じる極低温よって、コールドフィンガー108の表面に低圧領域が生じる。この低圧領域すなわち「低温圧」は、液化のためのコールドフィンガー108の方へのガスの供給ストリームを引き出す。本発明の実施態様の本概念を用いることで、特に複雑な二重壁構造または螺旋状の凝縮器構造が取り除かれて、コストおよび複雑さが減じられる。
【0057】
液体酸素バリア2061の流れ誘導部2065は、コールドフィンガー108のコールドヘッド110を囲む場合、またはコールドヘッド110には達しない場合があるが、図20および21を参照して下述するように、本発明の様々な実施態様によれば、流れ誘導部2065は、単に気体酸素および他のガスの流れを導くだけであり、凝縮器ではない。流れ誘導部2065は、流入ガスを流れ誘導部2065の内部を通して導くことが可能であり、これによってコールドフィンガー108および/またはコールドヘッド110の近傍にガスが保持される。デュワー120からの流出ガス、すなわち通気ガスは、それが通気管路114を通って出るとき、流れ誘導部2065の外側に沿って通ることが可能である。コールドヘッド2110と流れ誘導部2065との間のより小さな開口部によって、液体酸素が液化後に滴下することができ、流れ誘導部2065の外部の大きな開口部によって、通気ガスのようなガスがデュワーから出ることができる。したがって、本発明のいくつかの実施態様によれば、流れ誘導部2065は、ガス流を導く役目をする。本発明のいくつかの実施態様によれば、流れ誘導部2065は、トランスフィルプロセスの直後の外気の液化を防ぐ役目をすることも可能である。
【0058】
図1に示される液化システムの実施態様も、複雑な、および/または費用のかかる凝縮器構造を必要としないという理由から、図1に示される液化装置の実施態様も、流入ガスの酸素純度を最高にしようとすることによってではなく、流入ガスの酸素純度を維持しようとすることによって、液化のコストを減じることが可能である。図1に示される本発明の実施態様は、ほぼ酸素ガスの流入供給ストリームの酸素純度の、またはそれ以上の純度の液体酸素を製造することが可能である。これは、例えば、調整器540およびオリフィス542を使用して、濃縮器530からの酸素の供給ストリームの流量を固定することによって、またコールドフィンガー108を、酸素の液化温度か、またはこれより低い実質的に一定の温度に保つことによって達成することが可能である。多くの酸素濃縮器は、USP93純度の酸素ガスを出力する。したがって、本発明の実施態様は、USP93の供給ストリームを液化して液化純度を最高にするのではなく、USP93純度の酸素ガスを発生させることによって、USP酸素ガスの供給流を液化して純度を保持する。当該の最高化には、しばしばより複雑な制御器およびハードウェアが必要であり、また、しばしば小規模の家庭またはオフィス用途の酸素液化のコストを大きく増加させるので、従来技術の装置に関連する共通の欠点として存在する。本発明の様々な実施態様によって達成される酸素純度の効率的かつ有効なメンテナンスは、特定のデザイン、構造、動作、およびクライオクーラー102、デュワー120、供給管路112、通気管路114、コールドフィンガー108、および本発明の実施態様の他の液化関連の構造物の配置によって少なくとも部分的に可能となる。
【0059】
本発明の実施態様による液化システムが平衡状態を達成すると、液化されるガスの一定の流れによるクライオクーラー102への一定のロード、およびシステムの一定の熱損失が存在する。クライオクーラー102への電力も一定のままであるので、コールドフィンガー108は、デュワー120が満たされるまで、実質的に一定の温度を維持することが可能である。ガスの供給ストリームの全てが液化された場合、液化ガスの酸素純度は、ガスの供給ストリームの酸素純度と同じままとなる。しかし、当該のシステムは、次の理由から、ガスの供給流の純度と比較して、液化ガスの純度を保つか、わずかに高めることが可能である。空気の3つの主要な構成要素は、酸素90.2K、アルゴン87.3K、および窒素77.4Kの沸点(液化温度)を有する。コールドフィンガー108先端の温度が77Kより冷えていても、正の供給流れが保たれれば、ガスの供給ストリームの全てが液化されず、アルゴンおよび窒素に対してわずかに大きな割合の酸素を液化する。当該の液化システムの平衡状態温度が87Kであれば、酸素およびアルゴンだけを液化する。類似した事象は、これらの3つのガスの異なる沸点温度により、選択的なボイルオフでの液化後にも生じる場合がある。酸素は、アルゴンまたは窒素よりも高い沸点温度を有するので、デュワー120の熱的な非効率性により、わずかに低い割合の酸素が沸騰する。液体ガスが液化装置内の貯蔵デュワー120から、患者が呼吸をするであろう携帯型デュワーに移された後に、選択的なボイルオフが継続して生じたとしても、生成ガスは、液化前の最初の供給ガスの純度か、またはそれ以上の純度を依然として保つことになる。これは、選択的な液化、および患者が液体携帯型ストローラからガスを呼吸する前に、すでに液体純度を増加させた、貯蔵および移動中の選択的なボイルオフによるものである。
【0060】
断熱デュワー120を備えた液化装置が液体酸素を満たしたデュワー120の側に転倒したとき、液体酸素は、デュワー120の口から流出してクライオクーラーフランジ104へ流れることができる。この領域は、大質量の金属によって非常に暖かい場合があり、また供給管112および通気管114への直接的なアクセスを提供する場合がある。液体酸素を急激に暖めることによって、液体が急速に沸騰して急速な体積膨張を生じる場合がある。この急速な膨張によって、気体酸素とともに液体酸素が供給管112および通気管114を通させる場合があり、その結果、液体酸素が液化装置の通気ポートから噴霧される場合がある。
【0061】
液体酸素バリア118は、転倒のときに液体酸素が断熱デュワー120から漏れる速度を著しく低下させるように構成することが可能である。液体酸素バリア118は、転倒のときに液体酸素が漏れる開口部のサイズを減じる。液体酸素バリア118は、クライオクーラーフランジ104またはデュワーフランジ116、あるいはその両方の直径よりもより小さい直径を有することが可能である。液体酸素バリア118は、クライオクーラーフランジ104とデュワーフランジ116との間に挿入するか、またはクライオクーラーフランジ104だけに挿入するか、あるいはデュワーフランジ116だけに挿入する別個の部品とすることが可能である。別様には、液体酸素バリア118は、クライオクーラーフランジ104またはデュワーフランジ116に統合することが可能である。
【0062】
図3は、クライオクーラーフランジ304とデュワーフランジ316との間に挿入された液体酸素バリア318を示す図である。Oリング306は、クライオクーラーフランジ304およびデュワーフランジ316との間の密封を助力する。濃縮ガスは、液化される前に供給管312に入る。デュワー320からのボイルオフガスは、通気管314通って出る。液体酸素バリア318によって、デュワー320の転倒のときに生じた圧力を通気させることができるが、その圧力は、制御された安全な速度で通気させることができる。一実施態様では、液体酸素バリア318は、より小さな開口部301の内径と外径の差が約1/10,000乃至1/15,000インチである、より小さな開口部301に対する、デュワー320とクライオクーラー302との間のコールドフィンガー308の周辺の開口部を制限する。より小さな開口部301は、環状流路395内に設置することが可能である。環状流路395は、図3に示されるように、クライオクーラーフランジ304および/またはデュワーフランジ316によって外側に、およびコールドフィンガー308および/またはクライオクーラー302によって内側に形成または画定することが可能である。別様には、環状流路395は、図3に示されるように、クライオクーラー302および/またはデュワー320によって外側に、およびコールドフィンガー308および/またはクライオクーラー302によって内側に形成または画定することが可能である。バリア318は、より小さな開口部301でのように、環状流路395の幅を狭くする、および/または環状流路395の断面積を減じる役目をすることが可能である。バリア318を備えても、ガスは、依然としてクライオクーラー302とデュワー320との間を流れることができる。しかし、デュワー320の転倒または傾斜のときに、バリア318は、急速に膨張するガスと液体の混合物がデュワー320からクライオクーラー302に流れることができる速度を減少させる役目をすることが可能である。好適な実施態様では、液体酸素バリア318は、テフロン(登録商標)で構成することが可能である。
【0063】
本発明のいくつかの実施態様によれば、バリア318は、クライオクーラーフランジ304とデュワーフランジ316との間に配置、挿入、または介入させることが可能である。当該の実施態様では、締め付け要素1831、1931(図18参照)は、バリア318を適切な場所に固定し、同時に、Oリングを通じてクライオクーラーフランジ304およびデュワーフランジ316を固定することが可能である。他の実施態様では、バリア318は、クライオクーラー302、デュワー320および/またはコールドフィンガー308と一体にすることが可能である。図19はまた、本発明の一実施態様の、クライオクーラーおよびデュワー内部の側面斜視図、断面図であり、コールドフィンガーおよび液体酸素バリア1918の一実施態様を示す図である。
【0064】
図20および21を参照する。これらは、液体酸素バリア2061の別の実施態様を示す図である。液体酸素バリア2061、2161は、液体酸素バリア部2063と、流れ誘導部2065とを備える。流れ誘導部2065は、コールドフィンガー2108の長さ方向に延在する。流れ誘導部2065は、代わりに、コールドヘッド2110を含むコールドフィンガー2108の長さ方向に延在させることが可能である。流れ誘導部2065は、管状とすることが可能である。別様には、流れ誘導部2065は、コールドフィンガー2108を囲み、供給管路512からコールドヘッド2110の方に供給ガス流を導く、あらゆる形状のものとすることが可能である。いくつかの実施態様では、液体酸素バリア2061、2161は、テフロン(登録商標)材で構成することが可能である。供給流は、供給流管路512から開口部2069を通り、コールドヘッド2110の方へ流れ誘導部2065の内部を流れる。通気ガスは、流れ誘導部2065の外側に沿って流れ、開口部2067を通って通気管路514の外側へ流れる。液体酸素バリア部2063は、供給ガスが内側を流れて通気ガスが外側を流れるような異なる構成のものであるが、転倒のときの液体および気体酸素の過度の漏出を防ぐことにおいて、液体酸素バリア118、318、1918と同じ機能を果たす。
【0065】
図9乃至11は、本発明の一実施態様による、液化装置の下部筐体アセンブリの斜視図である。図9乃至11は、供給管912、1012と、通気管914、1014と、ソレノイド弁1056と、供給管1012の逃し弁1054と、フィルタ1052と、通気管1014の逃し弁1158と、ベントポート1170と、ボイルオフ管1160とを示す。一実施態様では、供給管1012および/または通気管1014は、内径1/4インチのビニル管である。また、その上に上部筐体アセンブリを挿入することができる取り付けスロット1172も示す。
【0066】
図12および13は、本発明の一実施態様による、液化装置の外側ハウジング1280の斜視図であり、着脱可能な加湿器1284の可能な配置を示す図である。加湿器ボトル1284は、患者流通管534に取り付けられる。液化プロセスでは、水蒸気が酸素に混入することが許容されないので、加湿器を酸素濃縮器530の出口で使用することはできない。一実施態様では、加湿器ボトルは、カニューレを取り付けるための取り付けノズル1286を備える。患者流量計1238によって、患者は、受け取る酸素の流量を調整することができる。外側ハウジング1280の上部は、トランスフィル弁1264の上にストローラ668を合わせ易くするために、携帯型ストローラ668の底部の形をした凹部を有する。凹部1282はまた、携帯型ストローラ668を収容して、携帯型ストローラ668がトランスフィルスイッチ666を押し下げられるようにする。凹部1282は、外側ハウジング1280上に形成された凹部とすることが可能であり、携帯型ストローラ668の弁インターフェース面697に合うように形成される。ストローラ668はまた、ストローラ668がトランスフィル弁1264に係合されたときに、2つの弁の間の接続が開き、液体がそれらの間を自由に流れることができるように、特にトランスフィル弁1264とインターフェースする弁も有する。
【0067】
一実施態様では、外側ハウジング1280は、ハンドル1288を有する。ハンドル1288は、患者が取り扱うこと、および液化装置の動きを容易にすることが可能である。ハンドル1288は、カニューレを使用しない間、カニューレをハンドルの周りに巻いて格納することができるように構成することも可能である。別様には、ハンドルは、締結具によって外側ハウジング1280に固定することが可能であり、この締結具は、外側ハウジング1280の内側に沿ってワイヤーを適切な場所に保持するように機能する。例えば、ハンドル1288がねじによって外側ハウジング1280に固定されている場合、外側ハウジング1288の内側のワイヤーは、2つのネジ頭間の外側ハウジング1288の内側に固定されたストラップの下に敷設することが可能であるので、ワイヤーの配置が固定される。一実施態様では、ハンドルは、外側ハウジング1288と一体にすることが可能である。
【0068】
図14は、本発明の一実施態様による、液化装置の外側ハウジング1480の上部斜視図であり、トランスフィル弁1464およびトランスフィルスイッチ1466の一実施態様を示す図である。
【0069】
図15は、本発明の一実施態様による、液化装置の上部筐体1594に取り付けシュラウド1590によって固定されるクライオクーラー1502およびデュワー1520の側面斜視図である。取り付けシュラウド1590は、冷却ファンマウント1592を備える。一実施態様では、上部筐体1594は、下部筐体の取り付けスロット1172(図11参照)に合う取り付けペグ1596を有する。一実施態様では、取り付けシュラウド1590は、防振部材1598を介して上部筐体1594に固定される。防振部材1598は、取り付けシュラウド1590が上部筐体1594と接触する場所(4つの取り付けボルト)において、クライオクーラー1502および取り付けシュラウド1590を上部筐体1594から分離することによって、振動によるノイズを大幅に減じる。防振部材1598は、ゴムで形成することが可能である。例えば、防振部材1598は、Buna−Nゴムによって形成することが可能である。別様には、防振部材1598は、あらゆる他の防振材料または装置で形成することが可能である。例えば、防振部材1598は、スプリング緩衝アセンブリを備えることが可能である。
【0070】
図16は、本発明の一実施態様による、取り付けシュラウド1690およびデュワー1620の背面の斜視図である。取り付けシュラウド1690の内側の形状は、クライオクーラーの冷却フィンを通じて気流を導くようなものとすることが可能である。ファンは、ファンハウジング1692内に取り付けて、矢印1675で示される方向に空気を引っ張ることが可能である。結果的に、空気は、空気取入口1671に矢印1673で示される方向に入り、クライオクーラーの冷却フィンに吹き付けられ、ファンハウジング1692を通って取り付けシュラウド1690から出る。図17は、取り付けシュラウド1790の部分的な切断図を示し、クライオクーラー1702およびクライオクーラー冷却フィン1711を明示する。
【0071】
図18は、本発明の一実施態様による、クライオクーラーフランジ1804とデュワーフランジ1816との間のインターフェースを示す図である。取り付けシュラウド1890は、2つの別個の部分で構成することが可能である。取り付けシュラウド1890は、代わりに2分割で構成することが可能である。2つの取り付けシュラウドの片割れは、ボルト穴1677のようなボルト穴を通して、互いにボルトで固定することが可能である。一実施態様では、取り付けシュラウド1890は、締め具すなわち締め付け要素1831、1931を備える。締め付け要素1831、1931は、図18に示されるように、クライオクーラーフランジ1804およびデュワーフランジ1816の少なくとも一部を包含する。クライオクーラーフランジ1804は、クライオクーラーフランジ1804がデュワーフランジ1816に近づくにつれてその外径が大きくなる、クライオクーラーのネック部分1835から外へ通じる傾斜部表面を含む。デュワーフランジ1816は、デュワーフランジ1816がクライオクーラーフランジ1804に近づくにつれてその外径が大きくなる、デュワーのネック部分1833から外へ通じる傾斜部表面も含む。締め具1831、1931は、デュワーフランジ1816およびクライオクーラーフランジ1804の傾斜部表面に適合させて、例えばそれらに垂直力を加えるように構成することが可能である。クライオクーラーフランジ1804およびデュワーフランジ1816の傾斜部表面に加えた垂直力は、締め付け要素1831、1931の2つの片割れがフランジ1804、1816の周りに固定されて締め付けられるので、2つのフランジ1804、1816を押す、対応する軸方向力を発生させる。締め付け要素1831、1931のアプリケーションに従ったOリング106の圧縮は、クライオクーラーフランジ1804およびデュワーフランジ1816のインターフェースから、転倒のときであっても、気体または液体酸素を漏出させない役目をする。
【0072】
図4を参照する。本発明の一実施態様による、液体酸素の製造を遅らせるための、電気的ではなく機械的な手段である。コールドフィンガー408は、デュワー420に延在する。コールドフィンガー408は、温度勾配を有する。コールドフィンガー408の一端413は、酸素の沸点よりも高い温度であり、他端415は、酸素の沸点よりも低い温度である。酸素が液化してデュワー420を満たすとき、液面417は、温度が酸素の沸点を超えているコールドフィンガー408のレベルにまでしか上昇しない。この液面417では、コールドフィンガー408のいかなる露出部分も、酸素を液化させるまで十分に冷却されていないので、液面がさらに上昇することはない。これによって、デュワー420の過充填が防止される。
【0073】
別様には、低温液体レベルセンサー789を使用して、デュワーの液面が所定の限度を越えたときにシステムを停止させることが可能である。図7は、本発明の一実施態様の低温液体レベルセンサー789の側面図である。平行板783は、非導電性ねじ781とともに取り付けプレート785の両側に保持することが可能である。低温液体レベルセンサー789は、図8に示される本発明の一実施態様にあるように、デュワー820の上部に接続して、デュワー820の長さ方向に延在させることが可能である。デュワー内の液体酸素のような液体ガスのレベルを測定する容量法を用いることが可能である。この方法では、平行板783または平行な円筒(図示せず)を使用することが可能である。デュワー820内の液面が上昇するにしたがって、平行板783の間の気体酸素が徐々に液体酸素に置き換わる。気体酸素と液体酸素との間の誘電率の変化により、平行板783の間で測定される静電容量が変化する。この静電容量の変化は、デュワー820内の液面の変化に対応し、それを測定して、ユーザーに表示するための使用可能な形態に変換することが可能である。一実施態様では、デュワー内の液面は、デュワーの1/4(1/4、1/2、3/4、フル)の分解能で、バーランプの形態で表示される。一実施態様では、デュワー820内の液面は、デジタル読み出しで表示される。
【0074】
コンデンサ低温液体レベルセンサー789は、1.0を越える誘電率のような一定の誘電率を有する非導電性材料によって分離される、2つ以上の金属導電性板で構成することが可能である。当該の低温液体レベルセンサー789を使用して、液体酸素またはほぼあらゆる他の低温液体の液面を測定することが可能である。低温酸素液体レベルセンサー789は、気相と液相との間の酸素の誘電率における変化の差を測定することが可能である。これは、液体高さに直接関連する可変容量を発生させる。液面の複数の異なる表示は、低温液体レベルセンサー789を用いることによって可能となる。
【0075】
本発明の別の実施態様によれば、他のタイプの低温液体レベルセンサーを使用することが可能である。例えば、フロートを一般的な自動車用の燃料レベルセンサーとして使用可能な様態に類似した様態で、フロートを使用して低温液面を測定することが可能である。当該の場合、フロートが所望の液体の表面を上下に移動するときに、可変抵抗を通じてフロートアームを移動させる。この可変抵抗は、公知の電源から可変電圧を発生し、この可変電圧は、電圧計などに接続して表示することが可能である。低温液体レベルセンサーの他の別の実施態様によれば、抵抗法を使用することが可能である。当該の方法では、例えば、銅に対して一定の熱伝導率(3.98ワット毎センチメートル−ケルビン)および銅の抵抗率を用いて、低温液体の気相と液相との間の点を検出することが可能である。当該の気相と液相との間のレベル点は、2、3℃程度の差温の変化のような、差温の変化があり、気相は液相よりも多くの電力を導通するので、熱伝導率における差異を有する。液面の高さは、気相に導通した電力量によって検出されるように、液相の高さに基づいて計算することが可能である。気相に導通したより少ない電力は、より高い液面に対応させることが可能である。低温液体レベルセンサーのさらに他の別の実施態様によれば、半導体法を使用することが可能である。当該の方法は、低温に露出されたときに伝導特性が変化する、特別なダイオード構造を用いることが可能である。場合によっては、特別なダイオード構造は、マイクロコントローラ/プロセッサによって制御される、個々の点を監視する装置とすることが可能である。低温液体レベルセンサーの更なる別の実施態様によれば、超音波法を使用することが可能である。当該の方法は、パルス化された高周波数または超高周波数の超音波トランスデューサを使用して、測定する液体の表面からの反射信号の「ドップラー効果」を測定することが可能である。「ドップラー効果」の測定値が短くなるほど、低温液面が高くなる。
【0076】
図22は、効率的なデュワー2220のデザインを示す図である。液体酸素は、内槽2217内に貯蔵することが可能である。内槽2217は、外槽2215に収容される。内槽2217と外槽2215との間は、対流熱伝達を最小限に抑えるための略真空空間である。SuperWrapのようなラッピング材料2219を、内槽2217の周囲に巻きつけて、放射伝熱を遅らせる。コールドゲッター2211は、真空空間内から逸脱した水分子を捕らえる。温表面ゲッター2213は、真空空間内から水素分子を捕らえる。トランスフィル管2262は、内槽2217を通ってベローズネック2221に到達し、そこに複数回巻きつけられてから、外槽2215を通って外に出る。真空空間内のトランスフィル管2262を長くすることによって、また管2262の断面積を狭くすることによって、導電性熱損失が最小限に抑えられる。導電性熱損失は、ベローズネック2221によっても最小限に抑えられる。内槽2217は、ベローズネック2221によって外槽2215に接続される。ベローズネック2221は、図22に示されるように、アコーディオン形状として、熱が通って逃げなければならない経路を長くすることが可能である。他のベローズネックのデザインを用いて、熱が通って逃げなければならない経路を長くすることが可能である。
【0077】
図2を参照する。フィン温度センサー299は、クライオクーラーの冷却フィンに近接して設置することが可能である。加えて、コールドフィンガー温度センサー297は、クライオクーラーのコールドフィンガーに近接して設置することが可能である。フィン温度センサー299は、潜在的に危険な状態または損害を与える状態を検出することが可能である。例えば、異常に高いフィンの温度を検出することで、冷却ファンが故障してクライオクーラーが過熱していることを示すことが可能である。フィン温度センサー299は、液化装置が、直射日光下に、または異常に暖かい部屋に配置されたかどうか、あるいは冷却通気が遮断されたかどうかを検出することも可能である。コールドフィンガー温度センサー297は、クライオクーラー内のディスプレーサが動かなくなり、コールドフィンガーが冷却されずに温まったかどうかを検出することが可能である。別の液体酸素バリア2061を使用する方法(図20および21を参照)では、代わりにコールドフィンガー温度センサー297を、流れ誘導部2065の内部に設置することが可能である。フィン温度センサー299またはコールドフィンガー温度センサー297のいずれかが異常に高い温度を検出したときに、回路は、クライオクーラーの制御に対して「停止」信号をラッチして、モーターを停止させる。この障害中に、ユーザーに対して表示ランプを点灯させることが可能である。「停止」信号は、温度が高すぎる状態が依然として存在していなければ、液化装置へ電力を再循環させることによって解除することが可能である。
【0078】
図27は、本発明の様々な実施態様による、液化システムの電気部品をオフにするための温度検出回路の概念的配線図である。信号調整器は、温度センサーまたは熱電対2701、2702に接続することが可能である。信号調整器は、温度センサー2701、2702のうちの1つ、両方、またはそれ以上の温度センサーに対応する温度信号を出力する。一例として、温度センサー2701は、除去温度としても公知の、クライオクーラー2704の冷却フィンの近くで温度を測定するように設置する、および/または構成することが可能である。さらに別の例として、温度センサー2702は、クライオクーラー2704のコールドフィンガーの近くで温度を測定するように設置する、および/または構成することが可能である。この信号は、比較器2707によって参照電圧と比較される。温度センサー2701、2702のいずれかが、異常に高い温度を検出したときに、示された回路は、クライオクーラーのPWM制御器2706に対して「停止」信号をラッチして、ソース2705からクライオクーラー2704に電力を供給する電力回路を遮断することによって、クライオクーラー2704のモーターを停止させる。温度センサー2701または温度センサー2702のいずれかが、異常に高い温度を検出したときに、クライオクーラー2704から電力を取り除くことが可能である。例えば、本発明のいくつかの実施態様によれば、温度センサー2701が、クライオクーラーの冷却フィン温度が65℃より高いことを検出するか、または温度センサー2702が、コールドフィンガーの温度が50℃より高いことを検出することが可能である。この障害中に、ユーザーに対して表示ランプを点灯させることが可能である。「停止」信号は、温度が高すぎる状態が依然として存在していなければ、液化装置へ電力を再循環させることによって解除することが可能である。
【0079】
図25は、本発明の様々な実施態様による、液化システムの電気部品をオフにするための衝撃検出機構の概念的配線図である。ソース2506からロード2505に供給される電力は、作動接点アセンブリ(すなわち、回路遮断器またはリレー、あるいは半導体回路)を通る。アクチュエータ機構2504に電力が加えられる限り、電力は接点アセンブリを通ることができる。転倒状態中に、加速度計2501または他の衝撃検出装置2501の検出出力は、増幅器2502によって所望の範囲に増幅される。この電圧範囲は、アナログ−ビット変換器に入力され、比較器2503において公知の電圧と比較される。「ビット」出力は、スイッチング装置を起動させる。スイッチング装置が作動中であれば、回路保護装置は、アクチュエータ機構2504への電力を取り除き、またロード2505への電力を取り除く。ロード2505は、これに限定されないが、クライオクーラー、クライオクーラードライバ、冷却ファン、回路基板、および/または電力によって動作する他の要素とすることが可能である。
【0080】
図26は、本発明の様々な実施態様による、液化システムの電気部品をオフにするための転倒または傾斜スイッチの概念的配線図である。転倒/傾斜スイッチ2601は、角度の回転、または傾斜を受けたときに、その状態を「オン」から「オフ」へ、または「オフ」から「オン」へ切り替えることができるあらゆるスイッチとすることが可能である。転倒/傾斜スイッチ2601は、デュワー、クライオクーラー、および/またはガス液化システムのあらゆる他の要素に取り付けて、取り付けた要素が転倒および/または傾斜したことを判断することが可能である。例えば、転倒/傾斜スイッチ2601は、水銀スイッチとすることが可能である。転倒/傾斜スイッチ2601は、所定の角度で転倒または傾斜したときに、状態を変更するように構成することが可能である。例えば、所定の角度を45°とすることが可能である。別様には、所定の角度は、転倒または過度の傾斜状態を示すあらゆる角度とすることが可能である。例えば、所定の角度を30°から60°の範囲とすることが可能である。ソース2606からロード2605に供給される電力は、作動接点アセンブリ(すなわち、回路遮断器またはリレー、あるいは半導体回路)を通る。アクチュエータ機構2604に電力が加えられる限り、電力は接点アセンブリを通ることができる。転倒状態中に、転倒/傾斜スイッチ2601が起動して、アクチュエータ機構2604への電力を取り除き、それによって、ロード2605への電力が取り除かれる。ロード2505は、これに限定されないが、クライオクーラー、クライオクーラードライバ、冷却ファン、回路基板、および/または電力によって動作する他の要素とすることが可能である。
【0081】
図28は、本発明の様々な実施態様による、酸素純度の測定および酸素純度を表示するための表示オプションの概念的配線図である。酸素純度を検出する複数の方法が存在する。例えば、酸素純度は、ガルバニック型マイクロ「燃料電池」法によって、または光屈折法によって測定することが可能である。各酸素純度検出要素は、異なる使用可能な出力を提供することが可能であり、それぞれが専用の変換回路を必要とする場合がある。同様に、酸素純度の情報を表示するためのそれぞれの可能な方法は、専用の変換回路および/または方法を必要とする場合がある。図6に示されるように、酸素純度センサー568は、供給流れ管路512内に設置することが可能である。例えば、酸素純度センサー568は、液化前のどこかに、供給流管路512と流体連通して、および/または供給流管路512に沿って設置することが可能である。酸素純度センサー568が入力圧力に敏感である場合、酸素純度センサーは、圧力調整器540および/またはオリフィス542の下流の供給流管路512内に配置することが可能である。
【0082】
本発明の一実施態様によれば、「燃料電池」センサーのようなセンサー2801を使用して、酸素純度を測定することが可能である。検出した酸素純度は、例えば、数値LEDインジケータ2803、純度バーLEDインジケータ2804、および/または有色LED2805のような、様々なグラフィック表現を通じて表示することが可能である。「燃料電池」の使用可能な検出出力は、これに限定されないが、酸素1パーセントあたりのミリボルトに対応する信号とすることが可能である。この信号は、所要の電圧範囲に増幅することが可能である。単純な合/否タイプの情報表示を使用するときは、増幅信号を一連のアナログ−ビット変換器に入力することが可能である。ディスプレイドライバ2802は、次いで独立したLEDまたはランプをONにして、気体酸素純度レベルの合/否状態を示す。例えば、ディスプレイドライバ2802は、数値LEDインジケータ2803を通じて数値的な純度の測定値を示すことが可能である。いくつかの実施態様によれば、ディスプレイドライバ2802は、純度バーLEDインジケータ2804を通じてグラフィカルな純度の測定値を表示することが可能である。さらに他の実施態様によれば、ディスプレイドライバ2802は、緑色、黄色、および/または赤色のLED2805を通じて、純度の測定値の合/否を表示することが可能である。当該の場合、緑色LEDの点灯を、満足な酸素純度レベルを知らせるものとし、黄色のLEDの点灯を、必ずしも深刻ではないが酸素純度に問題の出る可能性があることを知らせるものとし、赤色LEDの点灯を、酸素純度レベルが危険なほど低いことを知らせるものとすることが可能である。本発明のいくつかの実施態様によれば、満足な酸素純度の範囲は、酸素が85容量%を越える純度である。
【0083】
図31は、本発明の様々な実施態様による、クライオクーラーの低電力モードを示す概念的配線図である。本発明の実施態様の液化装置においてデュワーが満たされると、クライオクーラーは動作を続けるが、酸素の液化は継続しない。これは、コールドフィンガーのある点まで液面が上昇して、クライオクーラーのコールドフィンガーのいかなる露出部分も、酸素の液化温度よりも低くならないからである。デュワーが満たされた状態で全出力でクライオクーラーを動作し続けると、エネルギを過剰に消費する場合がある。デュワーが満たされたことを検出したときに、クライオクーラーから電力を完全に取り除くことが可能であるが、電力を取り除く代わりに電力を下げることで、クライオクーラーの構成要素の摩耗を減じて、クライオクーラーのコールドスタートに関連するあらゆるノイズを除去することが可能である。クライオクーラーおよび/または冷却ファンの低電力モードを実装することの潜在的な利点には、これに限定されないが、ノイズレベルの低減、過剰な熱の発生の低減、デュワー内の液体ガスに対する液体のボイルオフ率の低減、および/またはクライオクーラーの摩耗の低減、などが挙げられる。クライオクーラーの低電力モードを実装することで、および/またはファンを冷却することで、デュワーが満たされている間の電力消費を50パーセント以上削減し、全体的な電力消費を30乃至35パーセント削減することが可能である。本発明のいくつかの実施態様によれば、低電力または省エネルギモードは、低温液体レベルセンサーが、デュワーの液面が満たされたことを検出したときに起動して、低温液体レベルセンサーが、デュワーが所定の液面になったことを検出したときに通常モードに戻すことが可能である。例えば、低温液体レベルセンサーが、デュワーが全液面の3/4になったことを検出したときに通常モードに戻すことが可能である。
【0084】
本発明のいくつかの実施態様によれば、クライオクーラーおよび/または冷却ファンに供給される電力を所定の電力レベルに単純に減じることによって、低電力モードにすることが可能である。図31は、クライオクーラードライバ3102への電力を減じるように機能する回路の一実施態様を示す。通常動作では、PWM設定点3101の全電圧をクライオクーラードライバ3102に加えることが可能である。低温液体レベルセンサーは、液面電圧3103を供給するが、この電圧は、増幅して基準電圧と比較して、いつ液面が満たされたか、およびいつ低電力モードにしなければならないのかを判断することが可能である。低電力動作を起動するときに、スイッチング装置が更なる抵抗を介してグラウンド経路を提供して、冷却器ドライバ3102の回路に加えられ流伝圧を減じる、分圧器を構築する。加えられた電力は、クライオクーラーのエネルギ消費要件に基づいて、所与の液化システムの広範囲の可能な電力、流体流、および/または熱力学的特性に設定することが可能である。本発明のいくつかの実施態様によれば、加えられた電力は、中央にあるがその全範囲を通して変位しないクライオクーラー内にピストンを保持するように選択することが可能である。
【0085】
図32は、本発明の様々な実施態様による、交流冷却ファンの低電力モードを示す概念的配線図である。第1の回路図3201は、ソース3204によって電力が供給される交流ファン3203の低電力モードを示す。通常動作中に、タイマー3206を有するPWM/ランダム位相制御器3205に全設定点電圧が加えられ、全電圧を冷却ファン3203に加える。ノイズ低減のためにファンの速度を下げたいとき、および完全な液体酸素の製造が必要ではないときに、スイッチング装置を、第2の抵抗を介してグラウンド経路を構築するように作動させることが可能である。当該のスイッチング装置は、低温液体レベルセンサーが基準電圧を超える液面電圧3207信号を供給するときに、作動させることが可能である。これによって、分圧器回路が構築され、PWM/ランダム位相ファンドライバ3205の電圧設定点を減じて、ファンを減速する。
【0086】
図33は、本発明の様々な実施態様による、直流冷却ファンの低電力モードを示す概念的配線図である。第2の回路図3202は、直流ファン3208の低電力モードを示す。液体ガスをそれ以上製造する必要がないときに電力を減じるのではなく、ファンの速度を自動的に増減させて、一定のクライオクーラー除去温度(または冷却フィン温度)を所定の温度に保つことが可能である。除去温度は、監視および設定点との比較が可能である。この差に基づいて、スイッチング装置をPWM制御器3209によって、より高いまたはより低い速度でパルスさせて、ファン3208の空気流を制御して、クライオクーラーの温度を設定する。
【0087】
クライオクーラーに供給される電力を所定の電力に単純に減じることによって、低電力モードにする実施態様によれば、システムは最終的には平衡状態になるが、その状態では、コールドフィンガー先端の温度は、これに限定されないが、クライオクーラーの冷却効率、およびクライオクーラーが従属する熱的なロードを含む、因子を組み合わせたものに依存しうる。クライオクーラーが受ける熱的なロードは、これに限定されないが、コールドフィンガーを通じて導かれるガスの流量、ガスの流入温度、およびデュワーおよびデュワーシールフランジの熱的な非効率性を含む、因子に依存しうる。別々に製造された構成要素間の物理的な差異に基づいて、これらのパラメータの全てに変動が存在しうるので、クライオクーラーに対する流入電力は、最悪の場合の変動に対応するように、十分高く設定しなければならない。当該のクライオクーラーの電力設定によって、クライオクーラーが、十分な液化速度の達成に必要な電力よりも大きな電力を引き出す場合がある。当該の余分の電力は、液化中に、概してコールドフィンガーの温度を更に下げる場合がある。しかし、本発明のいくつかの別の実施態様によれば、ライオクーラーに供給される電力を所定のレベルに単純に減じる代わりに、コールドフィンガーの冷却端の温度を監視して、クライオクーラーに供給される電力を調整することによって、低電力モードにして、低電力モード中に所定の冷却端の温度を保つことが可能である。当該の別の実施態様では、デュワーが満たされるまで液体が製造され、クライオクーラーに供給される電力は、コールドフィンガーの先端温度を監視しながら減じることが可能である。冷却端部の所定の温度は、スケールで測定されるデュワー内の液体の容量が保持される温度が見つかるまで、実験的に温度を変化させることによって見出すことが可能である。当該の方法は、場合によっては、より費用効果の優れた省エネルギのデザインを可能にし、また経時的にクライオクーラーの効率の潜在的な向上も補うことが可能である。
【0088】
液化装置は、他の電子システムを用いて、安全性、効率、およびコストを改善することも可能である。例えば、最初に電力をシステムに加えたときに、全てのユーザー表示ランプを点灯させて、全てのランプが正常に作動していることをユーザーが確認できるようにすることが可能である。しばらく経過した後に、電源ランプを除く全てのランプを消灯して、システムに通常の動作を行わせることが可能である。
【0089】
加えて、様々な電子手段を用いて、クライオクーラーを制御することが可能である。適切なRMS電圧が加えられるように、クライオクーラーのファイアリング角度を変化させて、外部の作動条件が変化したときに、所望のピストン行程を保持することが可能である。ピストン行程の制御ループは、行程設定点と、再構成回路からのピストン振幅を比較する。これは、ランダム位相、オプトアイソレーショントライアックドライバに対するファイアリング角度を制御することによって達成することが可能である。ファイアリングトライアック装置およびフロントエンドの再構成回路は、制御およびフィードバック回路から電気的に絶縁することが可能である。また、クライオクーラーピストンの行程は、モーターの独立した逆起電力を使用して、モーター電流の独立した監視を行って算定することが可能である。得られたモーター速度の積分により、ピストン行程のリアルタイムのセンサーレス測定値が得られる。クライオクーラーの電源投入シーケンスの開始のときに、クライオクーラーのピストンは、AC電圧を整流して冷却器への得られたDC電力を制御することによって、その最高の状態に持ち上げられる。これは、ランダム位相、オプトアイソレーショントライアックドライバに対するファイアリング角度、および全波ダイオードブリッジとトライアックとの組み合わせの使用を制御することによって達成される。
【0090】
図34は、本発明の様々な実施態様による、住居用酸素治療のためのガスの液化における酸素純度の保持方法を示すフローチャート3400の図である。ガスの供給ストリームは、酸素濃縮器から受け取る(ブロック3402)。クライオクーラーが提供される。クライオクーラーはコールドフィンガーを含む。コールドフィンガーは、容器内に延在して、容器内にガスを封じ込めるためのガスを液化するように機能する(ブロック3404)。コールドフィンガーは、酸素の液化温度か、またはこれより低い実質的に一定の温度に保つことが可能である(ブロック3406)。ガスの供給ストリームの少なくとも一部が液化され、液化ガスの酸素純度は、実質的にガスの供給ストリームの酸素純度であるか、またはこれより高い(ブロック3408)。ガスの供給ストリームは、コールドフィンガーの表面におけるガスの供給ストリームの液化によって発生する低圧で、少なくとも部分的にコールドフィンガーに引き出すことが可能である(ブロック3410)。液化ガスは、容器内に蓄えることが可能である(ブロック3412)。本発明のいくつかの実施態様によれば、携帯型デュワーを提供して、移動性の医療ガス治療のための液体ガスを貯蔵することが可能である(ブロック3414)。また、液化ガスは、容器から携帯型デュワーに移すことが可能である(ブロック3416)。
【0091】
図35は、本発明の様々な実施態様による、住居用医療ガス液化および貯蔵における消費電力を減じるための方法、およびクライオクーラーの低電力モードを起動するための方法を示すフローチャートの図である。フローチャート3500は、住居用医療ガス液化および貯蔵における消費電力を減じるための方法を示す。ガスの供給ストリームは、酸素濃縮器から受け取ることが可能である(ブロック3502)。クライオクーラーを提供することが可能である。クライオクーラーはコールドフィンガーを含む。コールドフィンガーは、容器内に延在して、容器内にガスを封じ込めるためのガスの供給ストリームの少なくとも一部を液化するように機能する(ブロック3504)。液体レベルセンサーを容器内に取り付けることが可能であり、このセンサーは、容器内の液面を検出するように機能する(ブロック3506)。検出された液面が、第1の所定の液面か、またはそれを超えているかどうかの判断を行う(ブロック3508)。そうでない場合には、液体レベルセンサーは、液面の検出を継続する(ブロック3508)。検出された液面が第1の所定の液面か、または、全液面のように、それを超えている場合は、クライオクーラーの低電力モードを起動することが可能である(ブロック3510)。
【0092】
フローチャート3501は、クライオクーラーの低電力モードを起動するための方法を示す。メンテナンス温度を選択することが可能である(ブロック3512)。また、コールドフィンガーの温度を監視することが可能である(ブロック3514)。クライオクーラーへの電力供給は、コールドフィンガーの温度をメンテナンス温度に保つように変化させることが可能である(ブロック3516)。
【0093】
図36は、本発明の様々な実施態様による、クライオクーラーの低電力モードを起動するための方法を示すフローチャート3600、3601の図である。フローチャート3600は、クライオクーラーの低電力モードを起動するための方法を示す。クライオクーラーへの電力供給は、低電力の設定値まで減じることが可能である(ブロック3612)。デュワー内の液面が、第2の所定の液面か、またはそれより低いかどうかを判断することが可能である(ブロック3614)。そうでない場合には、液面の検出を継続することが可能である(ブロック3614)。デュワー内の液面が、第2の所定の液面か、または、総液面の3/4のような、それより低い場合は、クライオクーラーへの電力供給を全出力の設定値に戻すことが可能である(ブロック3616)。フローチャート3601は、低電力モードを起動するための方法の更なる要素を示す。冷却ファンを提供することが可能である(ブロック3618)。冷却ファンへの電力供給は、低電力の設定値まで減じることが可能である(ブロック3620)。デュワー内の液面が、第2の所定の液面か、またはそれより低いかどうかを判断することが可能である(ブロック3622)。そうでない場合には、液面の検出を継続することが可能である(ブロック3622)。デュワー内の液面が、第2の所定の液面か、または、総液面の3/4のような、それより低い場合は、冷却ファンへの電力供給を全出力の設定値に戻すことが可能である(ブロック3624)。
【0094】
本発明の好適な実施態様を図を参照して説明したが、本発明がこれらの実施態様のみに限定されないことは明らかである。様々な修正、変更、バリエーション、代用物、および同等物は、請求項に説明されるように、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、当業者に明らかになろう。例えば、本開示における用語「酸素」の使用は、概して、窒素、酸素、アルゴン、空気、および/またはそれらの混合物のようなあらゆる液化可能な、医学的に有用なガスと置き換えることが可能である。加えて、医学的に有用なガスとして言及されているが、本発明の実施態様を使用して、工業用または他の用途に有用な液体ガスを製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】図1は、本発明の一実施態様のクライオクーラーとデュワーとのインターフェースの断面図、切断図である。
【図2】図2は、本発明の一実施態様のクライオクーラーおよびデュワーの断面図、切断図であり、温度センサーの可能な配置を示す図である。
【図3】図3は、本発明の一実施態様のクライオクーラーとデュワーとのインターフェース内に位置する液体酸素の一実施態様の断面図、切断図である。
【図4】図4は、本発明の一実施態様のクライオクーラーとデュワーとのインターフェースの断面図、切断図であり、デュワー内の最大の維持可能な液体酸素レベルを示す図である。
【図5】図5は、酸素濃縮器に接続された本発明の一実施態様の概念的システム図であり、液化サイクル中の液体の流れを示す図である。
【図6】図6は、酸素濃縮器に接続された本発明の一実施態様の概念的システム図であり、トランスフィルサイクル中の液体の流れを示す図である。
【図7】図7は、本発明の一実施態様の液体レベルセンサーの側面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施態様のデュワーの断面図、切断図であり、その内部における図7の液体レベルセンサーの配置を示す図である。
【図9】図9は、本発明の一実施態様による、液化装置の下部筐体アセンブリの斜視図である。
【図10】図10は、本発明の一実施態様の、下部筐体アセンブリの別の斜視図である。
【図11】図11は、本発明の一実施態様の、下部筐体アセンブリの別の斜視図である。
【図12】図12は、本発明の一実施態様による、液化装置の外側ハウジングの斜視図であり、着脱可能な加湿器の可能な配置を示す図である。
【図13】図13は、本発明の一実施態様による、トランスフィル弁およびトランスフィルスイッチを備えた外側ハウジング、および雌型弁を備えた携帯型ストローラの部分的な断面図である。
【図14】図14は、本発明の一実施態様による、液化装置の外側ハウジングの上部斜視図であり、トランスフィル弁およびトランスフィルスイッチの一実施態様を示す図である。
【図15】図15は、本発明の一実施態様による、液化装置の上部筐体に取り付けたシュラウドによって固定されるクライオクーラーおよびデュワーの側面斜視図である。
【図16】図16は、本発明の一実施態様による、取り付けシュラウドおよびデュワーの斜視図である。
【図17】図17は、切断図で示される取り付けシュラウドを備えた、図16に類似した側面斜視図である。
【図18】図18は、取り付けシュラウドの切断図を伴った、クライオクーラー/デュワーフランジインタフェースの側面斜視図である。
【図19】図19は、本発明の一実施態様の、クライオクーラーおよびデュワーインターフェース内部の側面斜視図、断面図であり、コールドフィンガーおよび液体酸素バリアの一実施態様を示す図である。
【図20】図20は、本発明の一実施態様による、液体酸素バリアおよび流れ誘導部の側面斜視図である。
【図21】図21は、本発明の一実施態様の、クライオクーラーおよびデュワーインターフェース内部の側面斜視図、断面図であり、コールドフィンガー、液体酸素バリア、および流れ誘導部の一実施態様を示す図である。
【図22】図22は、本発明の一実施態様による、デュワーの側面図である。
【図23】図23は、本発明のいくつかの実施態様による、図5の概念的システム図に類似した概念的システム図の部分的な図である。
【図24】図24は、本発明のいくつかの実施態様による、雄型トランスフィル弁と雌型弁インターフェースの部分的な断面図である。
【図25】図25は、本発明の様々な実施態様による、液化システムの電気部品をオフにするための衝撃検出機構の概念的配線図である。
【図26】図26は、本発明の様々な実施態様による、液化システムの電気部品をオフにするための転倒スイッチの概念的配線図である。
【図27】図27は、本発明の様々な実施態様による、液化システムの電気部品をオフにするための温度検出回路の概念的配線図である。
【図28】図28は、本発明の様々な実施態様による、酸素純度の測定および酸素純度を表示するための表示オプションの概念的配線図である。
【図29】図29は、本発明の様々な実施態様による、圧縮機電力回路および/またはソレノイド電力回路を備えるためのトランスフィルスイッチの概念的配線図である。
【図30】図30は、本発明の様々な実施態様による、トランスフィルのタイムアウトフローチャートの図である。
【図31】図31は、本発明の様々な実施態様による、クライオクーラーの低電力モードを示す概念的配線図である。
【図32】図32は、本発明の様々な実施態様による、冷却ファンの低電力モードを示す概念的配線図である。
【図33】図33は、本発明の様々な実施態様による、冷却ファンの低電力モードを示す概念的配線図である。
【図34】図34は、本発明の様々な実施態様による、ガスの液化における酸素純度の保持方法を示すフローチャートの図である。
【図35】図35は、本発明の様々な実施態様による、住居用医療ガス液化および貯蔵における消費電力を減じるための方法、およびクライオクーラーの低電力モードを起動するための方法を示すフローチャートの図である。
【図36】図36は、本発明の様々な実施態様による、クライオクーラーの低電力モードを起動するための方法を示すフローチャートの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体ガスを貯蔵デュワーから携帯型デュワーに移すための装置であって、該装置が、以下:
携帯型医療ガス治療のための液体ガスを収容するように機能する貯蔵デュワー;
第1の端部および第2の端部を有するトランスフィル管であって、該第1の端部が、該貯蔵デュワー内に延在し、該第2の端部が、該貯蔵デュワーから外に開口している、トランスフィル管;
該第2の端部に接続される弁;
該液体ガスを該トランスフィル管を通して押すために、該貯蔵デュワーを加圧するための手段;および
該貯蔵デュワーを加圧するための手段に電気的に接続されているスイッチであって、該スイッチが、該弁に携帯型デュワーを係合する際、該貯蔵デュワーを加圧するための手段を自動的に起動するように、該弁に対して配置される、スイッチ、
を備える、装置。
【請求項2】
前記貯蔵デュワーを加圧するための手段が、該貯蔵デュワーと流体連通する圧縮機である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記圧縮機が、周囲の空気を用いて前記貯蔵デュワーを加圧する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置であって、さらに以下:
前記貯蔵デュワーと流体連通しており、ガスが該貯蔵デュワーを出ることを可能にするように構成された通気管であって、該通気管が、ソレノイド弁を備え、前記スイッチが、前記圧縮機を起動する際に該ソレノイド弁を閉じるように構成されている、通気管、
を備える、装置。
【請求項5】
請求項2に記載の装置であって、さらに以下:
所定の時間後に前記圧縮機を停止させるように機能する、タイミング装置
を備える、装置。
【請求項6】
前記所定の時間が約2分である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、前記弁および前記スイッチが、ハウジングに設置されており、該ハウジングが、前記携帯型デュワーの弁インターフェイス面に適合するように形付けられた凹部を、該ハウジングに形成している、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、前記スイッチが、前記携帯型デュワーが前記弁と係合したときに、該携帯型デュワーによって押されるように構成された押しボタン式スイッチである、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記スイッチが、前記携帯型デュワーが前記弁と係合するのに十分に近いときに起動するように構成された近接検出スイッチである、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、前記弁が第1の弁であり、前記携帯型ストローラが、第2の弁を備え、該第2の弁を該第1の弁上に押すことによって、該第1の弁および第2の弁が開くように、該第1の弁が、該第2の弁に係合するように構成されている、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、さらに以下:
コールドフィンガーを備えるクライオクーラーであって、該コールドフィンガーが、該貯蔵デュワー内に延在し、該貯蔵デュワー内に収容するためにガスを液化するように機能し得る、クライオクーラー
を備える、装置。
【請求項12】
住居用酸素治療のためのガスの液化において酸素純度の維持する方法であって、該方法が、以下の工程:
酸素濃縮器からガスの供給ストリームを受け取る工程;
コールドフィンガーを備えるクライオクーラーを設ける工程であって、該コールドフィンガーが、容器内に延在し、該容器内に収容するために該ガスを液化するように機能し得る、工程;
該コールドフィンガーを、酸素の液化温度以下の実質的に一定の温度に維持する工程;
該ガスの供給ストリームの少なくとも一部を液化する工程であって、液化ガスの酸素純度が、実質的に、該ガスの供給ストリームの酸素純度以上である、工程;
該コールドフィンガーの表面において、該ガスの供給ストリームを液化することによって作られる低圧を用いて、該ガスの供給ストリームを該コールドフィンガーに少なくとも一部引き出す工程;および
該容器に該液化ガスを蓄える工程、
を包含する、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記コールドフィンガーを実質的に一定の温度に維持する工程が、前記クライオクーラーに一定電力を供給する工程、およびガスの供給ストリームを実質的に一定の速度で受け取る工程を包含する、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、前記液化ガスの酸素純度が、90〜96容量%である、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、さらに以下の工程:
移動性の医療ガス治療のための液化ガスを貯蔵するように機能し得る携帯型デュワーを提供する工程;および
該液化ガスを該容器から該携帯型デュワーに移す工程、
を包含する、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、前記液化ガスの酸素純度が、約93容量%である、方法。
【請求項17】
請求項12に記載の方法であって、前記液化ガスの酸素純度が、少なくとも99容量%である、方法。
【請求項18】
請求項12に記載の方法であって、前記実質的に一定の温度が、87°Kにほぼ等しい、方法。
【請求項19】
住居用医療ガスの液化および貯蔵において電力消費を削減するための方法であって、該方法が、以下の工程:
酸素濃縮器からガスの供給ストリームを受け取る工程;
コールドフィンガーを備えるクライオクーラーを設ける工程であって、該コールドフィンガーが、容器内に延在し、該容器内に収容するために該ガスの供給ストリームの少なくとも一部を液化するように機能し得る、工程;
液体レベルセンサーを該容器内に設置する工程であって、該液体レベルセンサーが、該容器内の液体レベルを検出するように機能し得る、工程;
該液体レベルが所定液体レベルに達した場合に該クライオクーラーの低電力モードを開始する工程、
を包含する、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記所定の液体レベルが、満杯液体レベルである、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、前記所定の液体レベルが、第1の所定の液体レベルであり、前記クライオクーラーの低電力モードを開始する工程が、以下:
該クライオクーラーの電力供給を所定の低電力設定値に低下させる工程;および
該液体レベルが、第2の所定の液体レベルに低下した場合に、該クライオクーラーの電力供給を、所定のフル電力設定値に回復させる工程、
を包含する、方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であって、前記第2の所定の液体レベルが、満杯の4分の3の液体レベルである、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、前記クライオクーラーの低電力モードを開始する工程が、さらに以下の工程:
該クライオクーラーから熱を除去するように機能し得る冷却ファンを設ける工程;
該冷却ファンの電力供給を別の所定の低電力設定値に下げる工程;および
該液体レベルが第2の所定の液体レベルに低下した場合、該冷却ファンの電力供給を別の所定のフル電力設定値に回復する工程、
を包含する、方法。
【請求項24】
請求項19に記載の方法であって、前記クライオクーラーの低電力モードを開始する工程が、以下の工程:
前記液体レベルを満杯で維持するために必要とされる前記コールドフィンガーの維持温度を選択する工程;
該コールドフィンガーの温度を監視する工程;
該維持温度で該温度を維持するために、該クライオクーラーの電力供給を変化させる工程、
を包含する、方法。
【請求項25】
請求項19に記載の方法であって、該方法が、以下の工程:
液化の間、前記容器内の圧力または前記ガスの供給ストリームの流量を変化させる工程
を含まない、方法。
【請求項26】
請求項19に記載の方法であって、前記液体レベルセンサーが、容量型液体レベルセンサーである、方法。
【請求項27】
液化を受動的に遅らせるための装置であって、該装置が、以下:
携帯型酸素治療のための液体酸素を収容するように機能し得る容器;および
コールドフィンガーを備えるクライオクーラーであって、該コールドフィンガーが、該容器内で垂直に延在しており、該容器内に収容するために酸素ガスを液化するように機能し得、該コールドフィンガーが、該酸素ガスを液化するのに十分な冷却端および該酸素ガスを液化するには温かい第2の部分を備え、該冷却端が、該容器内で全体的に延在し、該第2の部分が、該容器内で少なくとも部分的に延在し、該容器内の該液体酸素ガスが該冷却端を沈下するとすぐに液化が遅らされる、クライオクーラー、
を備える、装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置であって、前記コールドフィンガーに沿った温度が、温度勾配に従って変化し、前記コールドフィンガーが、前記クライオクーラーに最も近い最も高い温度および該クライオクーラーから最も遠い最も低い温度を有する、装置。
【請求項29】
液体ガスを貯蔵デュワーから携帯型デュワーに移すための装置であって、該装置が以下:
携帯型医療ガス治療のための特定の純度範囲の液体ガスを収容するように構成された第1のデュワー;
該第1のデュワーと結合する雌型トランスフィル弁;
携帯型医療ガス治療のための特定の純度範囲の液体ガスを収容するように構成された第2のデュワー;
該第2のデュワーと結合する雄型トランスフィル弁;および
第1の端部および第2の端部を有するトランスフィル管であって、該第1の端部が、該第2のデュワー内に延在し、該第2の端部が、該雄型トランスフィル弁と流体連通する、トランスフィル管、
を備え、ここで、該雄型トランスフィル弁が、特定の純度範囲の液体ガスを収容するように構成されていない他のデュワーと適合しないように構成されている、
装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公表番号】特表2008−518181(P2008−518181A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539095(P2007−539095)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/038716
【国際公開番号】WO2006/047664
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(507137139)レスピロニックス イン−エックス, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】