説明

液化天然ガス受入システム及び受入方法

【課題】タンクローリーのタンクの内圧力とLNG貯槽の内圧力との圧力差によってタンクローリーからLNG貯槽にLNGを移送する際に、圧力変動の発生を防止することができるようにする。
【解決手段】LNG受入システム10は、タンクローリー40に備えられたローリータンク41からLNGをLNG貯槽に受け入れる際に用いられる。移送用パイプライン30をローリータンクに接続して、移送用パイプラインによってローリータンクとLNG貯槽とを連通状態とした後、加圧パイプライン20によってローリータンクの内圧力を加圧する。これによって、ローリータンクをLNG貯槽の前段に位置するバッファタンクとして機能させ、加圧の際に生じる圧力変動を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクローリーから液化天然ガス(LNG)をLNG貯槽(貯蔵タンク)に受け入れる際に用いられるLNG受入システム及び受入方法に関し、特に、タンクローリーからLNGサテライト設備にLNGを受け入れる際に用いられるLNG受入システム及び受入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、地方都市等においては需要家にLNGを供給するため、所謂LNGサテライト設備(サテライト基地)が配置されており、このLNGサテライト設備には、LNGを貯蔵するLNG貯槽が設けられ、LNG貯槽に貯蔵されたLNGを気化器によって気化して、需要家に供給するようにしている。そして、LNGサテライト設備(つまり、LNG貯槽)には定期的にタンクローリーによってLNGが供給される。
【0003】
タンクローリーからLNG貯槽にLNGを供給する際には、タンクローリーのタンク(以下ローリータンクと呼ぶ)の内圧力とLNG貯槽の内圧力との圧力差を利用して、タンクローリーからLNG貯槽にLNGを供給(移送)するようにしている。例えば、まず、LNGサテライト設備又はタンクローリーに備えられている加圧器によってLNGをガス化し(体積膨張させて)、ローリータンク内に送り込み、ローリータンクの内圧力をLNG貯槽の内圧力以上に加圧して所定の圧力とした後、ローリータンクとLNG貯槽と連結し(例えば、移送用バルブを開く)、ローリータンクの内圧力とLNG貯槽の内圧力との圧力差によってローリータンクからLNGをLNG貯槽に移送する。つまり、タンクローリーからLNGを受け入れる際には、LNGローリータンク内圧力をLNG貯槽内圧力よりも高くする必要がある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−20294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、LNG貯槽にLNGを移送する際には、ローリータンクの内圧力を所定の圧力まで上昇させる加圧が完了した後、移送用パイプライン(例えば、フレキシブルホース)によってローリータンクからLNG貯槽にLNGを移送している。
【0005】
また、ローリータンク内を加圧する際には、ローリータンク内のLNGをガス化してローリータンクに戻す加圧パイプラインを構成し(この加圧パイプラインは、加圧器、配管及び各種弁類等で構成されている)、ローリータンクの内圧力を所定の圧力まで加圧している。前述の圧力差が大きいほど、LNGの受入に要する時間が短くできるが、圧力差を大きくすると、つまり、ローリータンクの内圧力(所定の圧力)を高くしようとすると、ローリータンク内の加圧開始の際に、LNGのガス化が安定せず、このため、加圧ライン内圧力の変動が大きくなる(圧力変動が発生する)。
【0006】
そして、このような圧力変動が生じると、加圧パイプラインにおいて配管及び弁類に不要なストレスが加わって、配管及び弁類が劣化することがあり、さらには安全弁が誤動作を起こすという課題がある。
【0007】
本発明は、上述のような圧力変動の発生を防止することのできる液化天然ガス受入システム及び受入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明は、タンクローリーに備えられたタンクから液化天然ガスを液化天然ガス貯槽に受け入れる際に用いられる液化天然ガス受入システムであって、前記タンクに接続可能な加圧手段であって前記タンクの内圧力を加圧する加圧手段と、前記タンクに接続可能な移送手段であって前記タンクから前記液化天然ガスを前記液化天然ガス貯槽に移送するための移送手段とを有し、前記移送手段及び前記加圧手段を前記タンクに接続した後、前記移送手段によって前記タンクと前記液化天然ガス貯槽とを連通状態として前記タンクをバッファタンクとし、前記加圧手段によって前記タンクの内圧力を加圧し、前記移送手段によって前記液化天然ガスを、前記タンクの内圧力と前記液化天然ガス貯槽の圧力差に応じて前記液化天然ガス貯槽に移送することを特徴とするものである。
【0009】
(1)に記載の液化天然ガス受入システムでは、タンクローリーのタンクと液化天然ガス貯槽とを予め連通状態とした後、タンクローリーのタンク内を加圧するようにしたので、タンクローリーのタンクがバッファタンク、つまり、圧力変動吸収装置として機能するから、タンクの内圧力を加圧する際に生じる圧力変動を、このバッファタンクで吸収できる。その結果、配管及び弁類に加わるストレスを軽減でき、しかも安全弁が誤動作することもない。また、別に圧力変動吸収装置を設置する必要がないから、LNGサテライト設備に要する費用を削減できる。
【0010】
(2) 本発明は、(1)に記載の液化天然ガス受入システムにおいて、前記加圧手段は、前記液化天然ガスを気化させて前記タンクに送り込む加圧器を備えることを特徴とするものである。
【0011】
(2)に記載の液化天然ガス受入システムでは、加圧器を用いて液化天然ガスを気化(ガス化)してタンクの内圧力を加圧するようにし、タンクローリーのタンクをバッファタンクとして機能させているので、タンクの内圧力を加圧する際に生じる圧力変動を吸収できる。
【0012】
(3) 本発明は、(2)に記載の液化天然ガス受入システムにおいて、前記加圧手段は前記加圧器の下流側に配置された圧力調整弁を有することを特徴とするものである。
【0013】
(3)に記載の液化天然ガス受入システムでは、圧力調節弁を備えているので、タンクの内圧力を容易に調整することができる。
【0014】
(4) 本発明は、(3)に記載の液化天然ガス受入システムにおいて、前記タンクには第1のポート、第2のポート及び第3のポートが備えられ、前記加圧手段は配管を有する加圧用パイプラインであって、前記加圧用パイプラインが閉回路として前記第1のポート及び前記第2のポートに接続し、前記移送手段は配管を有する移送用パイプラインであって、前記移送用パイプラインによって前記第3のポートが前記天然ガス貯槽に接続されることを特徴とするものである。
【0015】
(4)に記載の液化天然ガス受入システムでは、加圧用パイプライン及び移送用パイプラインをタンクローリーのタンクに接続すればよいから、液化天然ガスの移送作業を容易に行える。
【0016】
(5) 本発明は、(4)に記載の液化天然ガス受入システムにおいて、前記加圧手段は前記第1のポートと前記加圧器との間に配置された第1の開閉弁と、前記圧力調整弁と前記第2のポートとの間に配置された第2の開閉弁とを有し、前記第2の開閉弁を開制御した後前記第1の開閉弁を開制御する制御手段を有することを特徴とするものである。
【0017】
(5)に記載の液化天然ガス受入システムでは、第2の開閉弁を開いた後、第1の開閉弁を開くようにしたので、圧力変動があっても安全弁等が誤動作することがない。
【0018】
(6) 本発明は、(5)に記載の液化天然ガス受入システムにおいて、前記制御手段は前記圧力調整弁を制御して前記タンクの内圧力を予め設定された設定圧力に調整することを特徴とするものである。
【0019】
(6)に記載の液化天然ガス受入システムでは、制御手段が圧力調整弁を制御してタンクの内圧力を予め設定された設定圧力とするようにしたので、容易にタンクの内圧力を制御することができる。
【0020】
(7) 本発明は、(6)に記載の液化天然ガス受入システムにおいて、前記移送手段には移送用開閉弁が備えられ、前記制御手段は前記第2の開閉弁を開く前に前記移送用開閉弁を開状態とし、前記移送用パイプラインによって前記タンクと前記液化天然ガス貯槽とを連通状態とすることを特徴とするものである。
【0021】
(7)に記載の液化天然ガス受入システムでは、タンクローリーのタンク内を加圧する前に、移送用開閉弁を開制御して、タンクローリーのタンクと液化天然ガス貯槽とを連通状態としたから、タンクローリーのタンクがバッファタンクとして機能する結果、タンクローリーのタンクの内圧力を最大許容圧力としても配管内に圧力変動が生じることが殆どない。従って、タンクローリーのタンクの内圧力と液化天然ガス貯槽の内圧力との圧力差を大きくでき、液化天然ガスの受け入れ時間を短縮することができる。
【0022】
(8) 本発明は、(3)〜(7)のいずれかに記載の液化天然ガス受入システムにおいて、前記加圧手段には安全弁が備えられていることを特徴とするものである。
【0023】
(8)に記載の液化天然ガス受入システムでは、安全弁を有しているので、圧力の異常上昇を防止することができる。
【0024】
(9) 本発明は、タンクローリーに備えられたタンクから液化天然ガスを液化天然ガス貯槽に受け入れる際に用いられる液化天然ガス受入方法であって、前記タンクに前記タンクから前記液化天然ガスを前記液化天然ガス貯槽に移送する移送用ラインによって前記タンクと前記液化天然ガス貯槽とを連通状態として前記タンクをバッファタンクとする第1のステップと、前記液化天然ガスを気化させて前記タンクの内圧力を予め設定された圧力まで加圧し、前記タンクの内圧力と前記液化天然ガス貯槽の内圧力との圧力差によって前記タンクから前記液化天然ガス貯槽に前記液化天然ガスを移送する第2のステップとを有することを特徴とするものである。
【0025】
(9)に記載の液化天然ガス受入方法では、タンクローリーのタンクをバッファタンクとして用いて、圧力変動吸収装置として機能させているから、タンクの内圧力を加圧する際に、圧力変動を吸収できる。その結果、配管及び弁類に加わるストレスを軽減でき、しかも安全弁が誤動作することもない。また、別に圧力変動吸収装置を設置する必要がないから、LNGサテライト設備に要する費用を削減できる。
【0026】
(10) 本発明は、(9)に記載の液化天然ガス受入方法において、前記第2のステップを行う際、前記液化天然ガスを気化させる加圧器を備える加圧用ラインを閉回路として前記タンクに接続することを特徴とするものである。
【0027】
(10)に記載の液化天然ガス受入方法では、加圧器を用いて液化天然ガスを気化して、タンクの内圧力を加圧するようにし、タンクローリーのタンクをバッファタンクとして機能させているので、タンクの内圧力を加圧する際に生じる圧力変動を容易に吸収することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明によれば、パイプライン等の移送手段によってタンクローリーのタンクと液化天然ガス貯槽とを接続して、このタンクと液化天然ガス貯槽とを連通状態とした後、タンクローリーのタンクの内圧力を加圧するようにしたので、タンクローリーのタンクを圧力変動吸収装置であるバッファタンクとして機能させることができる。その結果、タンクの内圧力を加圧する際の圧力変動を吸収できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態によるLNG受入システムの一例を示す図であり、このLNG受入システム10は、例えば、LNGサテライト設備に備えられている。
【0030】
このLNG受入システム10は、加圧パイプライン20及び移送用パイプライン(フレキシブルパイプライン)30を有しており、加圧パイプライン20は、配管21で構成され、この配管21には第1及び第2の開閉弁22及び23、第1及び第2の安全弁24及び25、圧力調整弁26及び加圧器(LNGローリー加圧器)27が備えられている。そして、後述するように、この加圧パイプライン20は、タンクローリー40のローリータンク41に接続される。また、図示のように、移送用パイプライン30は配管31で構成され、この配管31には開閉弁32が備えられている。
【0031】
タンクローリー40からLNGをLNGサテライト設備に備えられたLNG貯槽に移送する際には、ローリータンク41に移送用パイプライン30を接続するとともに、加圧パイプライン20をローリータンク41に接続する。ローリータンク41には第1のポートA及び第2のポートBと第3のポートCとが備えられており、第1のポートA及び第2のポートBに加圧パイプライン20が接続され、第3のポートCに移送用パイプライン30が接続される。
【0032】
図示のように、加圧パイプライン20においては、第1のポートAから第2のポートBに向かって、第1の開閉弁22、LNGローリー加圧器27、第1の安全弁24、圧力調整弁26、第2の安全弁25及び第2の開閉弁23の順に配列されており、後述するようにして、加圧パイプライン20によってLNGをガス化して、ローリータンク41に送り込んで、ローリータンク41内圧力を加圧する。
【0033】
ここで、図2も参照して、LNGの受入制御について説明する。タンクローリー40からLNG貯槽にLNGを移送する際には、前述のように、ローリータンク41に加圧パイプライン20及び移送用パイプライン30を接続する。まず、移送用パイプライン30の開閉弁32を開く(ステップS1)。つまり、予めローリータンク41からLNG貯槽に至る移送ラインを構成しておくことになる。この場合、移送ラインは構成されているが、ローリータンクの内圧力が高くないため、ローリータンク41からLNG貯槽にLNGは移送されない。
【0034】
その後、第2の開閉弁23を開き(ステップS2)、続いて第1の開閉弁22を開く(ステップS3)。これによって、ローリータンク41からLNGが配管21を通ってLNGローリー加圧器27に供給され、LNGはLNGローリー加圧器27で気化(ガス化)される(ステップS4)。
【0035】
ガス化されたLNGは第1の安全弁24を介して圧力調整弁26に至り、ここで圧力調整される(ステップS5)。なお、圧力調整弁26は、ローリータンク41内圧力が予め設定された圧力となるようにガス化されたLNGの圧力を調整する。そして、圧力調整弁26を通過したLNGは第2の開閉弁23を通ってローリータンク41に戻される。そして、ローリータンク41内の圧力を設定圧力に上昇させる(ステップS6)。開閉弁32は既に開かれているから、ローリータンク41内の圧力の上昇に応じてローリータンク41から配管31を通ってLNG貯槽にLNGが移送されることになる(ステップS7)。
【0036】
このようにして、予め移送用パイプライン30をローリータンク41に接続して、移送用パイプライン30によってローリータンク41とLNG貯槽とを連通した状態としてから、ローリータンク41内の加圧を行うようにしたので、LNG貯槽と加圧装置との間にローリータンク41が位置付けられた状態となって、あたかもローリータンク41が圧力変動吸収装置(バッファタンク)として機能することになる。その結果、バッファタンクによって、LNGをガス化してローリータンク41内を加圧する際に生じる圧力変動を防止することができる。
【0037】
このように、予めローリータンク41とLNG貯槽とを連通した後、ローリータンク41内を加圧するようにしたので、ローリータンク41がバッファタンクとして機能し、ローリータンク41において圧力変動を吸収することができるため、配管及び弁類に加わるストレスを軽減でき、しかも安全弁が誤動作することもない。
【0038】
さらに、ローリータンク41の設定加圧力を最高使用圧力(この最高使用圧力では、安全弁動作設定圧力との差が最も小さくなる)としても、バッファタンクが存在するから、安全弁が誤動作することがない。そして、最大使用圧力とすれば、ローリータンクの内圧力とLNG貯槽の内圧力との圧力差が大きくなり、つまり、ローリータンクからLNG貯槽にLNGを移送するのに要する受入時間を短縮することができる。
【0039】
加えて、加圧パイプラインに圧力変動吸収装置を別に設置する必要がないから、LNGサテライト設備に要する費用を削減できることになる。
【0040】
ところで、上述のLNG受入制御は、図3に示すように、制御装置50に行わせるようにしてもよい。つまり、上述のステップS1〜S6を制御装置50に行わせるようにしてもよい。この際には、ローリータンク41内に備えられた圧力センサ51が制御装置50に接続されるとともに、第1及び第2の開閉弁22及び23と開閉弁32、そして、圧力調整弁26が制御装置50に接続される。なお、タンクローリー40の外面には圧力センサ51の出力端が設けられている。
【0041】
制御装置50は、加圧パイプライン20及び移送用パイプライン30がローリータンク41に接続された後、操作卓52からLNG受入制御指令信号が与えられると動作を開始し、順次ステップS1〜S6を実行する。
【0042】
制御装置50は、開閉弁制御部50a、調整弁制御部50b、メモリ部50c、圧力検知部50d及び圧力比較部50eを有しており、メモリ部50cには予め加圧圧力設定値が設定されている。開閉弁制御部50aはLNG受入制御指令信号に応答して、開閉弁32を開いて、ローリータンク41とLNG貯槽とを配管31によって連通する。その後、開閉弁制御部50aは、第2の開閉弁23を開いた後、続いて第1の開閉弁22を開く。これによって、ローリータンク41からLNGが配管21を通ってLNGローリー加圧器27に供給され、LNGはLNGローリー加圧器27で気化(ガス化)されることになる。
【0043】
一方、圧力検知部50dはローリータンク41内の圧力センサ51で検知された圧力検知値を受け、この圧力検知値を圧力比較部50eに与える。圧力比較部50eでは、メモリ部50cに記憶された加圧圧力設定値と圧力検知値とを比較して比較結果を得て、この比較結果を調整弁制御部40bに与える。
【0044】
そして、調整弁制御部50bでは、この比較結果に応じて圧力調整弁26を制御する。つまり、調整弁制御部50bは、圧力調整弁26を制御して、ローリータンク41内圧力を加圧圧力設定値に調整することになる。言い換えると、加圧圧力設定値と圧力検知値との偏差がゼロとなるように圧力調整弁26を制御する。そして、ローリータンク41内圧力が上昇するにつれてローリータンク41からLNG貯槽に配管31を介してLNGが移送されることになる。
【0045】
このようにして、制御装置50によって開閉弁22、23及び32の開制御を行うとともに、圧力調整弁26を制御するようしたので、短時間で自動的にLNGの移送を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態によるLNG受入システムの一例を示す図である。
【図2】図1に示すLNG受入システムの動作を説明するためのフロー図である。
【図3】図1に示すLNG受入システムで用いられる制御系の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0047】
10 LNG受入システム
20 加圧パイプライン
21,31 配管
22,23,32 開閉弁
24,25 安全弁
26 圧力調整弁
27 加圧器(LNGローリー加圧器)
40 タンクローリー
41 タンク(ローリータンク)
50 制御装置
51 圧力センサ
53 操作卓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクローリーに備えられたタンクから液化天然ガスを液化天然ガス貯槽に受け入れる際に用いられる液化天然ガス受入システムであって、
前記タンクに接続可能な加圧手段であって前記タンクの内圧力を加圧する加圧手段と、
前記タンクに接続可能な移送手段であって前記タンクから前記液化天然ガスを前記液化天然ガス貯槽に移送するための移送手段と、を有し、
前記移送手段及び前記加圧手段を前記タンクに接続した後、前記移送手段によって前記タンクと前記液化天然ガス貯槽とを連通状態として前記タンクをバッファタンクとし、前記加圧手段によって前記タンクの内圧力を加圧し、前記移送手段によって前記液化天然ガスを、前記タンクの内圧力と前記液化天然ガス貯槽の圧力差に応じて前記液化天然ガス貯槽に移送することを特徴とする液化天然ガス受入システム。
【請求項2】
前記加圧手段は、前記液化天然ガスを気化させて前記タンクに送り込む加圧器を備えることを特徴とする請求項1に記載の液化天然ガス受入システム。
【請求項3】
前記加圧手段は前記加圧器の下流側に配置された圧力調整弁を有することを特徴とする請求項2に記載の液化天然ガス受入システム。
【請求項4】
前記タンクには第1のポート、第2のポート及び第3のポートが備えられ、
前記加圧手段は配管を有する加圧用パイプラインであり、
前記加圧用パイプラインが閉回路として前記第1のポート及び前記第2のポートに接続し、
前記移送手段は配管を有する移送用パイプラインであり、
前記移送用パイプラインによって前記第3のポートが前記液化天然ガス貯槽に接続されることを特徴とする請求項3に記載の液化天然ガス受入システム。
【請求項5】
前記加圧手段は前記第1のポートと前記加圧器との間に配置された第1の開閉弁と、前記圧力調整弁と前記第2のポートとの間に配置された第2の開閉弁とを有し、
前記第2の開閉弁を開制御した後に、前記第1の開閉弁を開制御する制御手段を有することを特徴とする請求項4に記載の液化天然ガス受入システム。
【請求項6】
前記制御手段は前記圧力調整弁を制御して前記タンクの内圧力を予め設定された設定圧力に調整することを特徴とする請求項5に記載の液化天然ガス受入システム。
【請求項7】
前記移送手段には移送用開閉弁が備えられ、
前記制御手段は前記第2の開閉弁を開く前に前記移送用開閉弁を開状態とし、前記移送用パイプラインによって前記タンクと前記液化天然ガス貯槽とを連通状態とすることを特徴とする請求項6に記載の液化天然ガス受入システム。
【請求項8】
前記加圧手段には安全弁が備えられていることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の液化天然ガス受入システム。
【請求項9】
タンクローリーに備えられたタンクから液化天然ガスを液化天然ガス貯槽に受け入れる際に用いられる液化天然ガス受入方法であって、
前記タンクに前記タンクから前記液化天然ガスを前記液化天然ガス貯槽に移送する移送用ラインによって前記タンクと前記液化天然ガス貯槽とを連通状態として前記タンクをバッファタンクとする第1のステップと、
前記液化天然ガスを気化させて前記タンクの内圧力を予め設定された圧力まで加圧し、前記タンクの内圧力と前記液化天然ガス貯槽の内圧力との圧力差によって前記タンクから前記液化天然ガス貯槽に前記液化天然ガスを移送する第2のステップとを有することを特徴とする液化天然ガス受入方法。
【請求項10】
前記第2のステップを行う際、前記液化天然ガスを気化させる加圧器を備える加圧用ラインを閉回路として前記タンクに接続することを特徴とする請求項9に記載の液化天然ガス受入方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−115179(P2009−115179A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288060(P2007−288060)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】