説明

液晶バックライト駆動装置

【課題】
バックライト制御による消費電力低減の具現化に有効な手法を提供する。
【解決手段】
バックライト制御回路304に、画像処理回路202が出力した調光信号Dimを加工する調光信号加工回路320と、この加工した調光信号Dim’に基づいてバックライト308を駆動するインバータ回路322とを設け、調光信号加工回路320が画像処理回路202が出力した映像信号VDに基づいて、画像処理回路202が出力した調光信号Dimを加工し、その結果をインバータ回路322に出力する。インバータ回路322は、加工された調光信号Dim’に基づいて交流電力PWRを生成し、この生成した電力をバックライト308に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶バックライト駆動装置に関し、特に、消費電力の低減に有効な液晶バックライト駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶TVに代表される液晶ディスプレイの消費電力を低減させる手法として、映像の平均輝度に応じてバックライトの輝度を制御するAPL−AGC(Average Picture Level Automatic Gain Control)という手法が知られている。この手法は、例えば、特許文献1乃至特許文献4に記載されている。
【0003】
これらの文献には、映像シーンに連動させたバックライト制御の有効な手法が記載されているが、これらの手法を実際の製品で実現させるためには、LSIで構成された画像処理回路に変更を加える必要があり、バックライト駆動ユニットの構成や制御方法により対応が異なるため、画像処理LSI内でのバリエーション対応が困難であった。
【0004】
また、より消費電力を低減させるためには、バックライト制御手法そのものの高度化や多種類のバックライト制御手法を次々と組み合わせてゆく必要があり、莫大な開発費用のかかる大規模な画像処理回路内でのきめ細かい対応が困難である。
【特許文献1】特開2002−156951号公報
【特許文献2】特開2002−258401号公報
【特許文献3】特開2002−357810号公報
【特許文献4】特開2004−085961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、バックライト制御による消費電力低減の具現化に有効な手法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、前記光源の光出力量の基準となる調光信号を生成する調光信号生成回路と、前記調光信号とは別の信号に基づいて、前記調光信号を加工する調光信号加工回路とを具備することを特徴とする。
【0007】
このような構成により、映像に連動した任意の光源制御が画像処理回路の外部で実現できるため、多彩な制御の組み合わせによる低消費電力機能の組み込みを促進することが可能になるとともに、画像処理回路を共通化した状態で機種ごとに必要な機能のバリエーションを追加することができるため、好適な機種展開を図ることが可能になる。
【0008】
特に、APL−AGCのような光源と表示素子との連動を必要としない制御を追加したい場合は、本構成のように、光源制御部のみを画像処理回路の外付け回路で実現できる構成が好適である。
【0009】
ここで、表示素子としては、反射型または透過型の液晶素子やマイクロ・ミラー・デバイスなどを用いることが可能であり、画素数に応じて複数設けられる。さらに、カラー表示の場合は、これらの表示素子がRGBのそれぞれに対応して設けられるかもしくはRGBを時間順次に点灯される。これらの表示素子は、例えば、光源から照射された光の反射量または透過量を映像に応じた変調度で階調制御することにより、視聴者が知覚可能な映像を表示する。
【0010】
また、光源としては、熱陰極管や冷陰極管等の蛍光管やLEDやEL等の半導体デバイスを用いることが可能であり、これらの光源はインバータ回路やDCDCコンバータ回路などで駆動される。光源から照射される光出力量は、表示素子の変調度に対応して決定され、調光信号として前述のインバータ回路やDCDCコンバータ回路に出力される。
【0011】
調光信号とは別の信号に基づいて、該調光信号を加工する方法としては、映像に連動して光源の光出力量を制御する方法が有効であり、例えば、平均輝度の高い明るいシーンで光出力量を絞ることで、視聴者が感じる眩しさを低減するとともに省電力効果を得る制御方法や、平均輝度あるいは輝度ピークの低い暗いシーンでバックライトの光量を絞ると同時に表示素子の反射率または透過率を上げることで、見た目を変えずに省電力効果を得る制御方法を用いることができる。
【0012】
また、映像に連動して光源の光出力量を制御する方法としては、平均輝度の高い明るいシーンで光出力量を絞ることで、視聴者が感じる眩しさを低減するとともに省電力効果を得る制御方法や、平均輝度あるいは輝度ピークの低い暗いシーンでバックライトの光量を絞ると同時に表示素子の反射率または透過率を上げることで、見た目を変えずに省電力効果を得る制御方法を用いることができる。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、前記光源の光出力量の基準となる第1の調光信号を生成する手段と、前記光源の光出力量の基準となる第2の調光信号を生成する手段と、前記第1および第2の調光信号と該各調光信号とは別の信号とに基づいて、第3の調光信号を生成する手段と、前記第3の調光信号に基づいて前記光源の光出力量を制御する手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
このような構成により、調光信号が独立して複数生成される場合であっても、これらの調光信号を協働させることができるため、より効果の高い省電力制御を行うことが可能になる。例えば、画像処理回路が生成する調光信号に、外光センサの検出結果を調光要素として加えたい場合等は、各調光信号を複合する本構成が有効である。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、前記光源の光出力量の制御基準となる調光信号を生成する調光信号生成手段と、前記調光信号に基づいて前記光源を第1および第2の方式で制御する手段と、前記調光信号とは別の信号に基づいて前記第1の方式と前記第2の方式の配分を決定する手段とを具備することを特徴とする。
【0016】
このように、光源の制御方式を映像に応じて配分することで、光源の特性に適した制御を行うことができる。例えば、明るいシーンでは、パルス幅による制御比率を大きくし、暗いシーンでは、電流量の制御比率を大きくすることで、蛍光管のような光源に適した制御を行うことが可能になる。
【0017】
また、請求項4記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、前記光源の光出力量の制御基準となる調光信号を生成する調光信号生成手段と、前記調光信号とは別の信号に基づいて前記調光信号が示す光出力期間を調整する手段とを具備することを特徴とする。
【0018】
このように、調光信号が光源の光出力期間で表現されている場合には、映像の内容に合わせて省電力効果を得るに適した光量を演算し、その結果に基づいて調光信号の光出力期間を調整して再出力することで、各種の省電力制御を簡易に追加することができる。
【0019】
また、請求項5記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御するとともに、該映像信号を加工する手段と、前記加工後の映像信号に基づいて前記表示素子を制御する手段とを具備することを特徴とする。
【0020】
このように、映像信号に基づいて、光源の制御と同時に映像信号自体をも加工することで、より高度な省電力制御を行うことが可能になる。例えば、光源の光出力量の変化に合わせて映像信号に含まれる輝度情報、色情報、RGB比率等を変更することで、映像の違和感なく省電力効果を向上させることも可能である。
【0021】
この構成は、例えば、平均輝度あるいは輝度ピークの低い暗いシーンでバックライトの光量を絞ると同時に表示素子の反射率または透過率を上げることで、見た目を変えずに省電力効果を得る制御方法に有効である。
【0022】
また、請求項6記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に基づいて、前記表示素子および/または光源を制御する制御信号を生成する手段と、前記映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御するとともに、前記制御信号を加工する手段とを具備することを特徴とする。
【0023】
このように、映像信号に基づいて、光源の制御と同時に表示素子および/または光源を制御する信号を加工することでも、より高度な省電力制御を行うことが可能になる。例えば、液晶ディスプレイに本構成を適用する場合には、操作系の制御を実行するマイコン等の制御回路から液晶輝度制御信号をもらうとともに、映像信号からバックライト制御信号を作り、それらの信号を総合してリアルタイムに加工された液晶輝度コマンドとして画像処理回路に出力すれば良い。尚、マイコン等の制御回路から直接液晶輝度コマンドを取得し、これを加工して再出力する構成としても良い。
【0024】
また、請求項7記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、前記光源の光出力量の制御基準となる調光信号を生成する調光信号生成手段と、前記表示素子および/または光源の制御情報を含む制御コマンドを生成する制御コマンド生成手段と、前記調光信号とは別の信号に基づいて、前記調光信号を加工するとともに、前記制御コマンドを加工する手段とを具備することを特徴とする。
【0025】
このように、調光信号の加工に伴って表示素子および/または光源制御用の制御コマンドを加工することでも、より高度な省電力制御を行うことが可能になる。この構成は、画像処理回路へ入力される映像信号を分岐して光源制御用に利用する場合に有効である。
【0026】
また、請求項8記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に基づいて前記光源の光出力量を制御するとともに、該映像信号を加工して再出力する手段と、前記加工後の映像信号に基づいて、前記表示素子を制御する手段とを具備することを特徴とする。
【0027】
このように、光源の制御に伴って映像信号自体を加工することでも、より高度な省電力制御を行うことが可能になる。この構成は、画像処理回路の前段で光源制御を行う場合に有効である。
【0028】
また、請求項9記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、前記光源の光出力量の基準となる第1の調光信号を生成する手段と、前記光源の光出力量の基準となる第2の調光信号を生成する手段と、前記第1および第2の調光信号とに基づいて、第3の調光信号を生成する手段と、前記第3の調光信号に基づいて前記光源の光出力量を制御する手段とを具備することを特徴とする。
【0029】
このような構成により、調光信号が独立して複数生成される場合であっても、これらの調光信号を協働させることができるため、より効果の高い省電力制御を行うことが可能になる。
【0030】
また、請求項10記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、前記光源の光出力量の制御基準となる調光信号とを生成する調光信号生成手段と、前記光源を第1および第2の方式で制御する手段と、前記第1の方式と前記第2の方式の配分を決定する手段とを具備することを特徴とする。
【0031】
このように、光源の制御方式を適宜配分することで、光源の特性に適した制御を行うことができる。
【0032】
また、請求項11記載の発明は、分割された複数の表示エリアのそれぞれに対応して設けられた複数の光源から照射された光出力を表示エリアごとに設けられた複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された輝度情報を前記表示エリアごとに評価する手段と、前記評価した結果に基づいて、前記各光源の光出力量および/または前記各表示素子を制御する手段とを具備することを特徴とする。
【0033】
このように、分割したエリアごとに映像に連動させた光源制御を行うことで、同じ映像上であっても、明るい部分に対してはより眩しさを抑え、暗い部分に対しては光出力量をより抑えて変調度をより上げることが可能になるため、映像全体の光量を均一的に低減するよりも、より見易く目に優しくかつ、より大きな省電力効果が期待できる。
【0034】
また、請求項12記載の発明は、分割された複数の表示エリアのそれぞれに対応して設けられた複数の光源から照射された光出力を表示エリアごとに設けられた複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号または輝度情報を前記各表示エリアごとに評価する手段と、前記評価した結果に基づいて、前記各光源の光出力量を制御する手段とを具備し、前記各光源の制御は、隣接する表示エリア間の関係が一定の制約条件内に入るように行われることを特徴とする。
【0035】
このように、隣接エリア間の光量関係を一定とすることで、各エリアを独立調光した場合に生じ得るエリア間の映像違和感を低減させることができる。望ましくは、隣接エリア間の光量差または比が一定以内となるように制御する。
【0036】
また、請求項13記載の発明は、分割された複数の表示エリアのそれぞれに対応して設けられた複数の光源から照射された光出力を表示エリアごとに設けられた複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、前記各光源の光出力量を制御することにより、少なくとも隣接する表示エリア間に一定の輝度傾斜を生じさせる手段と、入力された映像信号または輝度情報に基づいて、前記傾斜の値を決定する手段とを具備することを特徴とする。
【0037】
このように、隣接エリア間の光量関係を一定の条件内に収めることで、各エリアを独立調光した場合に生じ得るエリア間の映像違和感を低減させることができる。望ましくは、隣接エリア間の光源の光量差または光量比が一定以内となるように制御する。
【0038】
また、請求項14記載の発明は、分割された複数の表示エリアのそれぞれに対応して設けられた複数の光源から照射された光出力を表示エリアごとに設けられた複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、前記各光源の光出力量を制御することにより、前記各表示エリア間に一定の輝度傾斜を加算する手段を具備し、前記加算される傾斜は、入力された映像信号に拘わらず一定の値に設定されることを特徴とする。
【0039】
このように、固定の輝度傾斜を付加することで、画面上で輝度変化が目立たない部分の光量をより低減させることができるため、より高い省電力効果が期待できる。例えば、照明位置や目の特性から画面の下側が多少暗くても検知されにくい場合には、画面の上側から下側にかけて徐々に光量を落とす輝度傾斜を付加することで、映像に違和感を与えることなく省電力効果を高めることができる。
【0040】
また、請求項15記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御する手段と、前記映像信号の変化に対応させて前記光出力量の変化を強調する手段とを具備することを特徴とする。
【0041】
このように、映像の変化に対応させて光出力量の変化を強調することにより、前記表示素子を通過した画像の輝度の変化は逆に緩和されることとなり、より目に優しく省電力効果の高い制御方法を提供することができる。光出力量の変化の強調は、網膜の知覚特性や順応特性等を考慮した所定の時定数を持たせることが望ましい。
【0042】
また、請求項16記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された第1の映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御する手段と、前記第1の映像信号と時間差を持った第2の映像信号に基づいて、前記制御の応答遅れと映像表示の遅れの差を補償する手段とを具備することを特徴とする。
【0043】
このように、複数の映像信号間の時間差を利用することで、予め映像輝度の変化を予測することが可能になるため、映像の変化と同時あるいは変化の手間で光源の光出力量を低減させることが可能になる。その結果、より目に優しく省電力効果の高い制御方法を提供することができる。時間差を有する映像信号を利用する方法としては、例えば、メモリを使用して意図的に時間差映像信号を作る方法や画像処理の過程で自然に生じた時間差映像信号を用いることができる。
【0044】
また、請求項17記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された第1の映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御する手段と、前記第1の映像信号と時間差を持った第2の映像信号に基づいて、前記第1の映像信号の変化の前後で前記光出力量の変化を強調する手段とを具備することを特徴とする。
【0045】
このように、映像信号の変化の前後で前記光出力量の変化を強調することで、予動を含めた変化の緩和が可能になるため、輝度変化をさらに緩やかにし、より目に優しく省電力効果の高い制御方法を提供することができる。
【0046】
また、請求項18記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御する手段と、入力された映像信号の輝度分布を検出する手段と、前記映像信号の平均輝度が同じであっても前記輝度分布が異なる場合には、前記輝度分布に対する前記光出力量の制御特性を変化させる手段とを具備することを特徴とする。
【0047】
このように、映像の輝度分布に基づいて、光出力量の制御特性を変化させることにより、映像内容に応じてより違和感なく光量の低減を行うことができる。例えば、APL−AGCを行う場合に、映像信号に非線形性を持たせて輝度評価値を作成し、平均輝度が同じでも、平均的に暗い場合と極端に明るい部分が小面積ある場合で異なる応答をさせる。
【0048】
また、請求項19記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御する手段を具備し、前記映像信号に非線形変換処理をした後、その平均輝度を求め、その平均輝度で前記光出力量を制御することにより、映像信号の輝度分布に依存して前記光出力量の制御特性に変化をもたせることを特徴とする。
【0049】
例えば、入力された映像信号の一定輝度以下の暗部を一定にスライスしたり、一定輝度以上のまぶしい部分のレベルを上げるなどの非線形変換処理をした後、画面内の平均を求め輝度評価値とし、それに基づいて光源を制御することにより、輝度の分布状態を直接検出することなく、輝度の分布状態により制御特性に差を持たせる構成が有効である。
【0050】
このように、映像の輝度分布に依存して光出力量の制御特性を変化させることにより、映像内容に応じてより違和感なく光量の低減を行うことができる。例えば、APL−AGCを行う場合に、平均的に暗めの場合は輝度をあまり低減せず細部が見やすい
状態を保ち、同じ平均輝度でも一部が極端に明るい場合には、眩しさを抑えるために多めに輝度を低減するような特性を得ることができる。
【0051】
また、請求項20記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に基づいて、前記表示素子を制御するとともに前記光源の光出力量を制御する手段を具備し、前記制御手段は、前記映像信号に含まれた輝度情報のピーク値に基づいて、前記光源の制御を行うとともに、前記光源の光出力量を低下させる場合は、前記映像信号に含まれたまたは重畳されるテキスト情報を無視して前記表示素子の変調度を増加させることを特徴とする。
【0052】
このように、字幕等のテキスト情報を無視して光源の制御と変調度の増加を行うことで、より省電力効果を高めることができる。例えば、映像のピーク輝度に合わせて光源を連動変調させることで、輝度変調レンジの拡大を図る手法において、ピーク輝度を検出する際に字幕部分の輝度情報は無視し、さらに字幕部分の信号量が飽和しても放置する。これにより、字幕に対する処理をすることなく、かつ暗いシーンに眩しい字幕がある場合などは素の明るさを自動的に抑える効果があり、見やすい字幕、省電力効果、字幕以外の本来のシーンの変調レンジが確保でき、階調の滑らかさやコントラストの確保ができる。
【0053】
字幕を検出する方法の例としては、デジタル放送などのクローズドキャプション分は、スーパーインポーズ合成前のデータをそのまま使用して精度を上げることも可能である。この場合、液晶素子の変調制御後に合成すれば飽和すらも防げるという効果が期待できる。
【0054】
また、請求項21記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に基づいて、前記表示素子を制御するとともに前記光源の光出力量を制御する手段を具備し、前記制御手段は、前記光源の光出力量を低下させる場合は、前記表示素子の変調度を増加させるとともに前記映像信号の高域を強調することを特徴とする。
【0055】
このように、暗いシーンでの光量低下および変調増加と連動させて高域強調(シャープネス)を同時に行うことにより、暗部のコントラスト感を出し視認性を上げることができるため、同じ見栄えであればさらに光量を低下させることができる。尚、暗いシーンに連動してシャープネスを2〜3回増加させても良い。
【0056】
また、請求項22記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に基づいて、前記表示素子を制御するとともに前記光源の光出力量を制御することにより、前記映像信号によって表現される映像の表示輝度変化を緩和する手段と、前記映像信号の輝度変化速度を検出する手段とを具備し、前記緩和手段は、前記変化速度が速い場合は、前記表示素子の制御で対応し、前記変化速度が遅い場合は、前記光源の制御で対応することを特徴とする。
【0057】
このように、映像信号の輝度変化速度に応じて制御の比重を変えることで、変化の速いシーンに対しては急激な変化成分を液晶変調度側に持たせることにより変化を緩和して目にやさしい映像を表示する時に、時間ずれを少なく高精度に制御することが可能になる。また、請求項23記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、前記光源の光出力量をパルス信号で定義した調光信号を生成する調光信号生成手段と、前記調光信号に基づいて映像表示頻度の基準となる単位フレーム内に複数のパルス信号を存在させる手段と、前記複数のパルス信号に基づいて前記光源の光出力制御を行う手段とを具備することを特徴とする。
【0058】
このように、もとの調光信号の調光情報に基きまたは独自に生成する調光信号を1フレームにつき複数のパルス信号とすることで、光源点滅の基本波成分比率を減らすことができるため、映像のフレーム周波数が50Hzや60Hzの場合であってもフリッカを低減することができる。この構成は、光源を画面の上下方向に分割し、表示素子の走査と同方向に順次同期点灯させる順次点灯方式を行う場合に特に有効である。この順次点灯方式については、特開2005−099367号公報でも説明されている。
【0059】
また、請求項24記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に含まれた輝度情報に基づいて、該映像信号の基準となる単位フレーム内に複数のパルス信号を生成する手段と、前記複数のパルス信号に基づいて前記光源の光出力制御を行う手段とを具備することを特徴とする。このように、映像信号に基づいて1フレーム内に複数の調光信号を生成しても良い。
【0060】
また、請求項25記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に基づいて、前記表示素子を制御する手段と、前記映像信号に含まれたフレーム信号に同期させて複数のパルス信号を生成する手段と 前記複数のパルス信号に基づいて前記光源の光出力制御を行う手段とを具備し、前記パルス信号の生成は、前記表示素子の状態遷移期間を優先的に避けて前記各パルス信号の幅および/または位相を決定することにより行われることを特徴とする。
【0061】
このように、映像フレームに同期させてパルス分割を行うとともに、表示素子の状態遷移期間を避けてパルス信号を配置することで、より高画質化、低消費電力化を向上させることができる。本構成は前述の順次点灯方式に有効である。
【0062】
パルス分割の例としては、例えば、光源の点灯期間を制御するバースト信号を映像フレームに同期させて必ず2連発にし、フルデューティから下げる時は、まずバースト信号の立上がり端から液晶遷移時間分の間隔を空けてゆき、遷移時間分の色歪みを回避しコントラストを高めると共に、液晶の実質的応答時間改善と時間開口率が下がることによる動画応答改善を図る、さらにデューティを下げる場合には、2つのバースト信号間の間隔も空けてゆくことで基本波成分の増加を抑え、フリッカの発生を抑制する。さらに絞る時は2つのバースト信号をそれぞれ絞っていきさらに動画応答改善を図る。
【0063】
また、請求項26記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、入力された映像信号に基づいて、前記表示素子を制御する手段と、前記映像信号に含まれたフレーム信号に同期させて複数のパルス信号を生成する手段と、前記複数のパルス信号に基づいて前記光源の光出力制御を行う手段とを具備し、前記パルス信号の生成は、前記各パルス信号の幅および/または位相を所定の関係に従って決定することにより行われることを特徴とする。
【0064】
このように、映像フレームに同期させてパルス分割を行うとともに、パルス信号の幅および/または位相を所定の関係に従って制御することで、ビートの発生を抑制することができる。本構成は前述の順次点灯方式に有効である。パルス信号の制御方法としては、各パルス信号の分割比や間隔を制御することが可能である。
【0065】
また、請求項27記載の発明は、光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置に組み込まれる信号処理回路において、前記光源の光出力量の基準となる調光信号を生成する手段と、前記映像信号とは別の信号に基づいて前記調光信号を加工する手段とを具備することを特徴とする。
【0066】
また、請求項28記載の発明は、複数の液晶素子の背面に設けられたバックライト光源の光出力を制御する液晶バックライト制御装置において、前記バックライト光源の制御基準となる調光信号を生成する手段と、前記調光信号とは別の信号に基づいて前記調光信号を加工する手段とを具備することを特徴とする。
【0067】
また、請求項29記載の発明は、複数の液晶素子の背面に設けられたバックライト光源の光出力を制御する液晶バックライト制御方法において、前記バックライト光源の制御基準となる調光信号を生成するステップと、前記調光信号とは別の信号に基づいて前記調光信号を加工するステップとを具備することを特徴とする。
【0068】
尚、上記各発明において、光源の制御に利用する映像信号はアナログでもデジタルでも良く、また、信号の形態は、RGB信号、YC信号、コンポジット信号、コンポーネント信号のいずれの形態であっても良い。
【0069】
また、映像信号は、チューナの出力信号、端子の出力信号、画像処理前の信号、画像を一部処理した後の信号、画像を完全に処理した後の信号、液晶制御後の信号、制御回路を経由した信号等、輝度情報を含む信号であれば、どこから得ても良い。
【発明の効果】
【0070】
以上説明したように、本発明によれば、各種の光源制御によるり、明るい場面でのまぶしさを抑えたり、急激な輝度変化を抑圧したり、フリッカを抑圧したりして、より自然で見やすい映像表示にすると同時に、消費電力低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。尚、本発明は、以下説明する実施形態に限らず適宜変更可能である。
【0072】
図1は、第1の実施形態に係る映像表示装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、本映像表示装置は、映像信号を外部から入力するフロントエンド部100と、入力した映像信号を処理する映像処理部200と、この処理された信号に基づいて映像表示を行うディスプレイ部300とで構成される。
【0073】
フロントエンド部100には、アナログ放送やデジタル放送を受信して圧縮信号をデコードするチューナ102と、RGB、D端子、HDMI(High Definition Media Interface)端子等の映像信号入力用のインターフェースが設けられる。セレクタ104は、外部から入力された映像信号を入力インターフェースとして機能するチューナ、RGB端子、D端子、HDMI端子のうちから選択し、この選択した映像信号を画像処理回路202に出力する。
【0074】
映像処理部200には、フロントエンド部100から入力された各種の映像信号を処理する画像処理回路202と、操作系や装置内の全体制御を行う制御回路204が設けられる。
【0075】
画像処理回路202は、色空間変換、IP変換(飛び越し走査から順次走査への変換)、スケーリング(解像度変換)、画質向上および調整処理等の画像形成に必要な処理を行い、制御回路204は、外部のリモコン400や図示しないユーザインターフェースを介して指示された操作を所定の制御コマンドに変換し、画像処理回路202、液晶制御回路302、バックライト制御回路304などに出力する。同図中では、バックライト制御回路304へ出力する信号を制御信号Aで示し、画像処理回路202へ出力する信号を制御信号Bで示す。これら制御信号AおよびBには輝度情報が含まれ、例えば、この輝度情報に基づいてバックライト制御回路304による光源の制御が行われる。
【0076】
ディスプレイ部300には、所定数の液晶素子で構成された液晶パネル306と、該液晶パネルの背面に配置され、液晶素子に背面から光を照射するバックライト308と、液晶パネル306内に設けられた液晶素子の透過率を制御する液晶制御回路302と、バックライト308の光出力量を制御するバックライト制御回路304と、外光の明るさを検出し、その結果を直接(図中実線)または制御回路を介して(図中点線)バックライト制御回路に出力する外光センサ310とが設けられる。
【0077】
バックライト308は、複数のバックライト光源BL1〜BL4で構成され、これらの光源は、バックライト制御回路304によって一括または独立に制御される。
【0078】
図2は、図1に示したバックライト制御回路の周辺構成を示すブロック図である。同図に示すバックライト制御回路304には、前図に示した制御回路204または画像処理回路202が生成した調光信号を加工する調光信号加工回路320と、この加工した加工調光信号に基づいてバックライト308を駆動するインバータ回路322とが設けられる。尚、同図に示す例では、制御信号Aに調光信号が含まれるものとする。
【0079】
調光信号加工回路320は、前図に示したフロントエンド部100または画像処理回路202が出力した映像信号に含まれた輝度情報に基づいて、制御回路204が出力する制御信号Aに含まれた調光信号または画像処理回路202が出力した調光信号を加工し、その結果を加工調光信号としてインバータ回路322に出力する。
【0080】
インバータ回路322は、加工調光信号に基づいて交流電力を生成し、この生成した電力を前図に示すバックライト308に供給する。
【0081】
図3は、図2に示した調光信号加工回路が行う処理例を示す概念図である。同図に示すように、調光信号加工回路は、映像の入力平均輝度レベルの増加に対応させてバックライトの輝度を低下させる処理を行う。この処理で用いられる映像の入力平均輝度レベルは、映像信号に含まれた各画素の輝度情報を平均することにより算出することができる。尚、同図に示すように、バックライトの減光開始ポイントを一定の入力平均輝度以上に設定することで、暗いシーンでのコントラストを向上させることができる。
【0082】
図4は、入力平均輝度レベルを算出する方法の例を示す回路図である。映像信号がRGBで出力される場合は、同図に示すように、RGB信号のそれぞれを抵抗Rr、Rg、Rbを介して合成して輝度信号を生成する。そしてその輝度信号を非線形回路350に入力することで、一定以下の暗い映像では減光を開始しないような猶予特性や、輝度の高い部分には累進的なゲイン特性を持たせて重点的に扱うなどの最適な非線形変換を行った後、ローパスフィルタ352で平均化することにより、入力平均輝度レベルを求めることができる。
【0083】
ここで、RGBの各信号が輝度に寄与する割合は、抵抗Rr、Rg、Rbで調整することが可能であり、これらの比率を最適化することで、より自然なAPL−AGC制御を行うことができる。この入力平均輝度レベルを算出する回路は、図1に示した画像処理回路202の後段に設けても、画像処理の一部を行った中間出力に設けても、フロントエンド部100のRGB端子に接続しても良い。
【0084】
図5は、図2に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。同図に示す例では、映像信号が1秒間に60フレームの速度で更新され、1/60秒ごとに映像データFrame1、Frame2,Frame3・・・の順に調光信号加工回路に入力される。同時に調光信号がバックライトの点灯期間を示すバースト信号として調光信号加工回路に入力される。
【0085】
ここで、同図に示すように、調光信号加工回路が映像信号から算出した入力平均輝度レベルがFrame1、Frame2,Frame3の順に増加してゆく場合は、平均輝度レベルの増加に合わせてバックライトの光量が低減する方向に、パルス幅の加工された加工調光信号が生成される。
【0086】
このとき、映像信号に対して入力平均輝度レベルの算出遅れが生じるため、実際にバックライトが制御されるタイミングは、1〜数フレームの遅れを生じるが、映像信号も表示までに同程度遅れるため映像に違和感を与えるほどの時間差は生じない。同図には、入力平均輝度レベルの増加に伴って加工調光信号の幅が狭くなってゆく例を示している。
【0087】
インバータ回路から出力される交流電力は、加工調光信号がONとなる期間に出力され、このON期間にバックライト光源へパワーが供給される。
【0088】
尚、同図においては、調光信号や加工調光信号をパルス形式としその幅でバックライト調光情報を示す例としたが、バックライト輝度情報を示すものであれば、アナログ電圧やパルス密度変調、パルス周波数変調、パラレルまたはシリアルのデジタル符号などいかなる形式であっても構わない。このことは以下の実施形態においても同様とする。
【0089】
図6は、入力平均輝度レベルの増加と、バックライト輝度の低減と、映像表示輝度との関係を示すタイミングチャートである。同図に示すように、入力平均輝度レベルが増加すると、バックライトの光量が低減されて、バックライト輝度が減少する。
【0090】
その結果、入力平均輝度レベルが増加した映像と光量が低減したバックライト出力とが合成され、ディスプレイ上に表示される映像表示輝度が本制御を行わない場合の表示輝度(図中点線)よりも低減されて、眩しさの緩和と省電力効果が得られる。
【0091】
図7は、第2の実施形態に係るバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。本実施形態の説明では、前述の第1の実施形態と異なる点を説明し、説明を省略した部分については第1の実施形態と同様に構成される。
【0092】
この実施形態では、同図に示すように、調光信号加工回路320が前図に示した外光センサ310から入力された照度信号に基づいて、画像処理回路202から入力された調光信号を加工し、この加工後の加工調光信号でインバータ回路322が駆動される。
【0093】
図8は、図7に示した調光信号加工回路が行う処理例を示す概念図である。同図に示すように、調光信号加工回路は、照度信号が示す外光照度の増加に対応させてバックライトの輝度を増加させる処理を行う。これにより、明るい環境で視聴する際には十分なバックライト輝度が確保され、暗い環境で視聴する際にはバックライト輝度の低下による省電力化と眩しさの低減が図られる。
【0094】
図9は、図7に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。同図に示す例は、照度信号に基づいて、画像処理回路が生成した調光信号を加工する例である。
【0095】
同図に示すように、調光信号加工回路は、映像信号のFrame2で照度信号が下がるとその時点で調光信号のパルス幅を加工してバックライト光量を低減させる。その結果、周囲が暗くなっても見やすく、かつ、省電力効果が得られるバックライト光量を出力することができる。尚、同図では解り易い様に1フレーム後に追従するように記載したが、実際には人が歩いただけの僅かな外光変化や、自らの画面の映像の部屋内での反射などに不必要に敏感に反応しないよう、照度信号に例えば数秒程度の時定数応答特性を持たせることで反応感度を抑えておくことが望ましい。
【0096】
図10は、第3の実施形態に係るバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。本実施形態の説明では、前述の各実施形態と異なる点を説明し、説明を省略した部分については各実施形態と同様に構成される。この実施形態では、同図に示すように、外光センサ310からの照度信号に加えて映像信号をも考慮して調光信号が加工される。
【0097】
図11は、図10に示した調光信号加工回路が行う処理例を示す概念図である。同各図に示すように、調光信号加工回路は、映像の入力平均輝度レベルの増加に対応させてバックライトの輝度を低下させる処理を行うとともに(同図(a))、照度信号が示す外光照度の増加に対応させてバックライトの輝度を増加させる処理を行う(同図(b))。これにより、平均輝度レベルの高い映像や暗い環境で視聴する際の眩しさを抑えるとともに省電力化が図られる。この例では、同図(a)と(b)の両処理が同時に適用されるため、暗い環境下で明るい映像を見る場合に最も省電力効果が得られ、かつ、眩しさの低減が図られる。
【0098】
図12は、図10に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。同図に示す例では、入力平均輝度レベルと照度信号とに基づいて、画像処理回路が生成した調光信号が加工される。
【0099】
同図に示すように、調光信号加工回路は、映像信号のFrame2における入力平均輝度レベルの増加と照度信号の低下に基づき調光信号のパルス幅を加工してバックライト光量を低減させる。その結果、視聴者にとって見やすく省電力効果が得られるバックライト光量を出力することができる。尚、同図では、フレームごとに段階的に変化する入力平均輝度レベルを利用する例を示したが、図5に示したように連続的に変化する入力平均輝度レベルを利用しても良い。
【0100】
図13は、第4の実施形態に係るバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。本実施形態の説明では、前述の各実施形態と異なる点を説明し、説明を省略した部分については各実施形態と同様に構成される。この実施形態では、同図に示すように、調光信号の合成と調光方式の再配分が行われる。
【0101】
同図に示す調光方式再配分回路320は、映像の内容や加工後の加工調光信号の情報に応じて複数の調光方式の再配分を行う。例えば、バックライトに流す電流の値または電流の高周波キャリア・デューティ比などを変調し、平均電流を制御するアナログ調光手段と、電流を数十ヘルツ〜数百ヘルツなどのある程度長周期でオン、オフ点滅を繰り返し、そのデューティ比により視覚的に変調するデジタル調光手段を有し、加工後の加工調光信号が所定のレベル以上である場合には、アナログ調光のみ可変とし、所定のレベル以下である場合にはデジタル調光のみ可変とし、その総合で所望の調光を行う等の処理が行われる。
【0102】
図14は、図13に示した調光信号加工回路が行う処理例を示す概念図である。前図に示した調光信号加工回路は、映像の入力平均輝度レベルの増加に対応させてバックライトの輝度を低下させる処理を行うが、ここで、調光方式再配分回路は、同図に示すように、バックライトの光量を示す加工調光信号に応じてアナログ調光とデジタル調光の配分を行う。
【0103】
同図に示す例では、加工調光信号がD1からD2に増加する区間ではデジタル調光のDutyを一定の比率で増加させ、加工調光信号がD2からD3に増加する区間ではアナログ調光の電流量を一定の比率で増加させる。その結果、バックライトの輝度は、デジタル調光量とアナログ調光量の積に所定の係数を乗じた値に制御され、結果として所望の輝度がデジタル調光とアナログ調光の分配によって実現される。
【0104】
尚、アナログ調光のカーブとデジタル調光のカーブは、その積が所望の調光制御特性になればよく、アナログ調光とデジタル調光がある配分で同時に変化する部分があるなど、同図の曲線やその分配比率に限定されるものではない。
【0105】
図15は、図13に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。同図に示す例では、入力平均輝度レベルに基づいて調光信号が加工され、この加工された加工調光信号に基づいて、アナログ調光とデジタル調光の配分が行われる。
【0106】
その結果、インバータ回路からは、同図中の交流電力で示したように、アナログ調光量を変化させる期間(図中のFrame1、Frame2)はアナログ調光信号に従って振幅の変化を伴う交流電力が出力され、デジタル調光量を変化させる期間(図中のFrame3以降)はデジタル調光信号がONになる間アナログ調光信号が示す振幅の交流電力が出力され、これらの調光方式の積でバックライト輝度が制御される。尚、この例では、アナログ調光量を変化させる期間はデジタル調光信号が常にONに設定され、デジタル調光を変化させる期間はアナログ調光信号が最小値に設定されるが、これに限定されずデジタル調光量とアナログ調光量を同時に変化させる等の制御を行ってもよい。
【0107】
図16は、第5の実施形態に係る映像表示装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の説明では、前述の各実施形態と異なる点を説明し、説明を省略した部分については各実施形態と同様に構成される。この実施形態では、同図に示すように、制御回路204が出力する制御信号をバックライト制御回路304が加工することで、バックライト光量の制御と同時に液晶変調ゲインの制御も行われる。
【0108】
この構成において、バックライト制御回路304には、フロントエンド部100からの映像信号がセレクタ104を介して分岐入力され、この分岐された映像信号に基づいて、バックライトの光量制御と液晶変調ゲイン制御が行われる。
【0109】
図17は、図16に示したバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。同図に示すように、調光信号生成回路321は、前図に示したフロントエンド部100から受信した映像信号に含まれた輝度情報に基づいて調光信号を生成しインバータ回路322に出力するととともに、制御回路204から直接もしくはIF中継回路326を介して受信した制御信号A中に含まれた液晶変調ゲイン情報を加工する。
【0110】
そして、この加工した液晶変調ゲイン情報を元の制御信号Aに含めた制御信号A‘をIF中継回路326を介して前図に示した画像処理回路202または液晶制御回路302に出力する。
【0111】
加工後の液晶変調ゲインを直接または画像処理回路202を介して受信した液晶制御回路302は、この加工後の液晶変調ゲインに従って液晶パネル306内に設けられた液晶素子を制御する。これら一連の制御の結果として、バックライト制御と液晶制御を連動させた省電力制御が行われる。
【0112】
尚、IF中継回路326では、制御回路204から画像処理回路202を直接制御する制御信号は通過させ、バックライト制御や液晶変調に関係するものは調光信号生成加工回路321が一旦受け取りって適宜加工する。これらの加工された情報を含む総合加工後の制御信号A‘はは画像処理回路202が受信可能な形式で出力される。
【0113】
図18は、図17に示した調光信号生成回路が行う処理例を示す概念図である。同図(a)に示すように、調光信号生成回路は、映像の入力ピーク輝度または入力平均輝度レベルの減少に対応させてバックライトの輝度を減少させる処理を行うとともに、同図(b)に示すように、このバックライト輝度の減少に連動させて、液晶変調度を増加させることで、見た目の映像を変化させることなく暗いシーンにおける省電力化を図ることができる。またこの場合、液晶変調ゲインを上げたことにより、暗部の階調数が増加し、それと連動してバックライト輝度を下げたことにより、黒がしっかり再現できるようになるため暗部コントラストも改善される。
【0114】
尚、バックライトと液晶の合成で表示される映像の表示輝度のゲインは、同図(c)に示すように、バックライトの輝度と液晶変調ゲインの積となり、この値は表示輝度の変化による違和感を与えないよう一定の値に設定される。
【0115】
図19は、図17に示した調光信号生成回路が行う他の処理例を示す概念図である。調光信号生成回路が行う処理としては、同各図に示すように、点線で示した図3の処理と実線で示した図18の処理を組み合わせることも可能である。これらの制御はそれぞれ独立に行われ、入力ピーク輝度や入力平均輝度のレベルに応じて、両処理の効果をそれぞれ得ることができるが、場合によっては、1点鎖線で示したような両処理の相乗効果も期待できる。
【0116】
図20は、第6の実施形態に係る映像表示装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の説明では、前述の各実施形態と異なる点を説明し、説明を省略した部分については他の実施形態と同様に構成される。この実施形態では、同図に示すように、フロントエンド部100から出力された映像信号をバックライト制御回路304が一旦受け取り、ここで映像信号が加工された後、画像処理回路202に入力される。
【0117】
図21は、図20に示したバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。同図に示すように、輝度制御信号生成回路332は、前図に示したフロントエンド部100から受信した映像信号に含まれた輝度情報に基づいて輝度制御信号を生成し、この生成した輝度制御信号を映像信号加工回路330と調光信号加工回路320に出力する。
【0118】
調光信号加工回路320は、輝度制御信号に基づいて、制御回路204から受信した制御信号Aに含まれた調光信号を加工して、この加工生成した新たな加工調光信号を出力する。
【0119】
同時に、映像信号加工回路330は、輝度制御信号に基づいて映像信号を加工し、この加工後の加工映像信号を画像処理回路202に出力する。画像処理回路202はこの加工映像信号に基づいて液晶素子を制御する。
【0120】
この例では画像処理回路の手前の映像信号をバックライト制御回路で加工するようにしたが、画像処理回路の出力映像信号を加工して液晶制御回路に送ってもよく、また、画像処理回路の途中からもらった映像信号を加工後画像処理回路内の次の処理段階に送り返すようにしても良い。
【0121】
図22は、図21に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。同図に示すように、この実施形態においても図5を用いて説明したAPL−AGC制御を行うことができる。
【0122】
図23は、第7の実施形態に係るバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。本実施形態の説明では、前述の各実施形態と異なる点を説明し、説明を省略した部分については各実施形態と同様に構成される。この実施形態では、同図に示すように、バックライト308に設けられた4つの光源BL1〜BL4が独立に制御される。
【0123】
この構成において、調光信号加工回路320は、映像信号に含まれた輝度情報に基づいて、制御信号Aに含まれた調光信号を加工し、各光源BL1〜BL4制御するための加工調光信号1〜4を生成する。
【0124】
インバータ回路322は、調光信号Dim1’〜Dim4’に基づいて、交流電力PWR1〜PWR4をそれぞれ生成し、各光源BL1〜BL4を独立駆動する。尚、このように光源BL1〜BL4を独立に駆動する構成は他の実施形態にも適用可能である。
【0125】
図24は、図23に示した調光信号加工回路が行う処理例を示す概念図である。同図に示すように、調光信号加工回路は、光源BL1〜BL4の照光範囲に対応させて分割された映像領域Area1〜Area4の平均輝度レベルAPLをそれぞれ算出し、映像エリアごとにこの算出した入力平均輝度レベルの増加に対応させてバックライトの輝度を低下させるエリア別APL−AGC制御を行う。
【0126】
同図に示す例では、画面上側の映像領域Area1、Area2の平均輝度レベルがそれぞれ90、80と高くなるため、これに対応させて同図BL輝度例1に示すようにバックライトの輝度をそれぞれ65、75に設定することで眩しさを抑える。また、画面下側の映像領域Area3、Area4の平均輝度レベルは、それぞれ40、30と低くなるため、これに対応させてバックライトの輝度をそれぞれ90、100に設定することで暗部、明部それぞれを見やすい明るさに調整する。これにより、画面全体を一括して行う場合に比べて、暗部とも明部双方の視認性を向上させた逆光補正のような効果をもたらすと共に、より効果的な省電力化が可能になる。
【0127】
このとき、隣接映像領域間に極端なバックライト輝度差をつけることは明るさの変化に段が付き不自然さをもたらすので望ましくない。そのため、隣接映像領域間のバックライト輝度は一定の差または比の範囲に入るように制限を設ける。また、各映像領域の入力平均輝度のモーメントを求めてそれに応じた輝度傾斜をつけるようにしても良い。例えば、同図BL輝度例2に示すように、画面の上側が明るい映像では、Area1、Area2、Area3、Area4の順に70,80,90,100というように徐々に一定傾斜で光源の輝度を増加させる。これにより、より自然な画像で同様の効果を得ることができる。
【0128】
図25は、図23に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。同図に示すように、光源BL1〜BL4を制御する加工調光信号1〜4と、交流電力1〜4とは、映像信号の1フレーム内に所定の位相差で順次点灯制御される。尚、光源BL1〜BL4の点灯制御は、順次点灯でなくても全エリア同位相の同時点灯制御としても良い。
【0129】
図26は、APL−AGCの基本動作を示すタイミングチャートである。同図に示すように、APL−AGCは、例えば、映像が30%から100%の明るさに急激に変化した場合に、バックライト輝度を100%から70%へ低下させることで、表示輝度を70%に抑える手法である。
【0130】
図27は、前述した各実施形態に係る映像表示装置が実行可能な処理例であって、映像の明るさが変化したときの知覚順応制御例を示すタイミングチャートである。本制御例では、同図に示すように、入力平均輝度レベルが急激に増加した時バックライトの輝度を本来のAPL−AGCの目標値よりも大きめに低下させ、その後、所定の時定数を持たせて徐々に輝度を増加させる視覚の順応期間を作りながら、本来のAPL−AGCの目標値に収束させる。
【0131】
その結果、液晶素子とバックライト出力光で合成された映像の表示輝度は、順応期間により徐々に明るくなる期間が設けられる。例えば、例えば、映像が30%から100%の明るさに急激に変化した場合には、通常のAPL−AGCでは100%から70%へ抑えるところを変化の直後には一旦変化を強調して50%まで抑えてから徐々に70%にする。得られた表示輝度は30%から一旦変化が大きく抑圧されて50%まで変化し、その後徐々に70%に達する。これにより、人間の目には急激なシーンチェンジなどの違和感や疲労感がなくなり、かつ、効果的な省電力化が期待できる。
【0132】
尚、同図に示すタイミングに、映像の明るさが変化したときのバックライト制御遅延時間と、映像表示時間遅延の間に差が有ると入力平均輝度変化点において結果的に表示輝度に不自然なハザードが発生するため、時間差を補正することが望ましい。
【0133】
この遅延補正は、フロントエンド部や映像処理部の時間差信号を利用して行うことができる。例えば、ハイビジョン信号と並行して出力される時間の進んだNTSC信号を利用してAPL計算を行うことでAPLの応答遅れを解消することで、より目にとって自然な映像効果と省電力効果を得ることができる。その場合、元々もしくは時間差映像信号を使用したためにAPLの方が相対的に進みすぎる場合は、APL制御信号をフレーム単位で遅延させることにより遅延差を解消することができる。
【0134】
図28は、前述した各実施形態に係る映像表示装置が実行可能な処理例であって、映像の明るさが変化する前後に順応期間を設けた例を示すタイミングチャートである。本制御例では、同図に示すように、平均輝度レベルAPLが増加する前後でバックライトの輝度を変化させ順応期間を長く取ることで、より目に優しく省電力効果の高い制御が提供される。
【0135】
例えば、時間差信号の利用によって次に来る映像が30%から100%の明るさに変化すると判明した場合には、明るさ30%の映像のときにバックライト輝度をあらかじめ徐々に増加させておき(図中、順応期間A)、映像の明るさが100%に変化するタイミングで、通常のAPL−AGCでは90%から70%へ抑えるところを一旦変化を強調して50%まで抑えてから徐々に70%にする(図中、順応期間B)。得られた表示輝度は映像の明るさが変化する前で30%から40%まで徐々に変化し、映像の明るさが変化すると同時に40%から50%に増加し、映像の明るさが変化した後50%から徐々に70%に達する。これにより、人間の目には急激なシーンチェンジなどの違和感や疲労感がなくなり、かつ、効果的な省電力化が期待できる。
【0136】
尚、同図中の説明では、映像の明るさが変化するタイミングでは、表示輝度の変化として40%から50%への変化成分を残すことで映像本来の明るさ変化が表現されるよう構成したが、このような変化成分を残さずに変化の前後にわたって30%から70%まで徐々になめらかに変化させても良い。また、変化成分として残す量は、順応期間の長さや映像の明るさ変化度合いに応じて適宜設定しても良い。
【0137】
図29は、前述した各実施形態に係る映像表示装置が実行可能な処理例であって、APL−AGCの制御特性を画面内の輝度分布状況に応じて変化させた場合の例を示す概念図である。本制御例では、同図に示すように、画面内の輝度分布が均一に広がる映像の制御特性(図中、「輝度分布均一映像」で示した曲線)と、輝度分布に偏りがある場合の映像の制御特性(図中、「輝度分布集中映像」で示した曲線)とで異なる特性を持たせる。
【0138】
例えば、同じ平均輝度の映像であっても、平均的に暗い場合と極端に明るい部分が小面積ある場合で異なる応答を持たせることで、より高輝度部分が集中した場合のまぶしさを抑えることができ自然な画質とすることができる。
【0139】
図30は、字幕処理を行う場合の映像表示装置の構成を示すブロック図である。同図に示す例では、フロントエンド部100から出力された映像信号VDが調光信号生成回路321に入力され、フロントエンド部100から出力されたテキスト信号TEXTが画像処理回路202に入力される。
【0140】
調光信号生成回路321は、テキスト情報を除く映像信号のピーク輝度あるいは入力平均輝度に基づいて、調光信号を生成し、この信号でインバータ回路322を駆動するとともに、映像信号を加工して画像処理回路202に出力する。また、別の例としては映像信号は加工前のまま画像処理回路にも分岐して入力し(図中点線)、調光信号生成回路からを画像処理回路または液晶制御部にバックライトと連動した液晶変調ゲイン信号(図中括弧)を送ることでも達成できる。
【0141】
ここで、省電力制御を目的としてバックライトの輝度を低下させた場合、画像処理回路202は、字幕部分が飽和してもこれを無視して変調度を上げる。即ち、ピーク輝度に合わせて液晶変調ゲインとバックライトを連動変調させることで、輝度変調レンジの拡大を図る手法において、ピーク輝度を検出する際に字幕部分の輝度情報は無視し、かつ、字幕部分の信号量が飽和しても放置する。これにより、字幕に対する処理をすることなく、画像の明るさに応じた見やすい字幕、省電力効果、変調レンジが確保できる。
【0142】
字幕を検出する方法の例としては、デジタル放送などのクローズドキャプション分は、スーパーインポーズ合成前のデータをそのまま使用して精度を上げる。この場合、LCD変調制御後に合成すると飽和すらも防げるという効果が期待できる。
【0143】
図31は、図30に示した装置が行う処理例を示す概念図である。この例では、同図(a)に示すように、ピーク輝度あるいは入力平均輝度が小さい場合にはバックライトの輝度を低下させて省電力化を図ると共に、同図(b)に示すように、バックライト輝度の低下を補完する方向に液晶変調度ゲインを増加させる。
【0144】
このとき、液晶変調ゲイン増加により字幕部分は変調度が増加しても飽和が無視されるため、同図(c)に示すように、液晶変調度ゲインの増加領域であっても同図中に点線で示した「字幕飽和点」より左側の領域では字幕輝度の低下する部分が生じるが、この領域は、暗いシーンになるため、字幕輝度が低下することによってかえって見やすい映像となる。
【0145】
図32は、図17や図21に示した装置が行う処理例であって、暗部のシャープネスを強調する制御例を示す概念図である。この例では、同図(a)に示すように、ピーク輝度が小さい場合にはバックライトの輝度を低下させて省電力化を図ると共に、同図(b)に示すように、バックライト輝度の低下を補完する方向に液晶変調度ゲインを増加させる。
【0146】
このとき、同図(c)に示すように、液晶変調ゲインの増加領域でシャープネスも強調することで、コントラスト感を出し暗部の視認性を向上させる。あるいは、同じ視認性としておいてシャープネスの強調と連動してバックライト輝度をさらに落とすことで省電力効果を向上させても良い。
【0147】
図33は、図17や図21に示した装置が行う処理例であって、映像の高速変化に追従させる場合の制御例を示す概念図である。この例では、同図(a)に示すように、ピーク輝度または入力平均輝度レベルが時間とともに長く緩やかな変化と短く急激な変化とが混在する動画表示において、同図(b)に示すように、長く緩やかな変化成分に対してはバックライトの輝度変化で対応し(時間t1〜t6)、同図(c)に示すように、短く急激な変化成分に対しては液晶変調ゲインの変化で対応させる(時間t2、t3、t4、t5)。その結果、高速変化成分に対する映像と遅延時間差の精度が出しやすく好適な映像変化の緩和効果と省電力効果を得ることができる。
【0148】
尚、この例では、同図中の時間t2、t3、t4、t5で短く急激な入力輝度ピークの変化が映像に発生し、時間t1〜t6にかけて長く穏やかな入力輝度ピークの変化が映像に発生する例を示している。また、期間t1〜t2、期間t2〜t3、期間t3〜t4、期間t4〜t5、期間t5〜t6における液晶変調ゲインは、該各期間でバックライト輝度を低下させる速度(図中では傾き)に対応させて増加させることで、該各期間での表示輝度を一定に維持する。
【0149】
図34は、前述した各実施形態に係る映像表示装置が実行可能な制御例であって、調光信号の分割による疑似高速駆動を行う場合の制御例を示すタイミングチャートである。本制御例では、同図に示すように、画像処理回路が出力する調光信号パルスを2分割して映像信号の1フレーム内に複数存在する新たな加工調光信号パルスを生成することで、光源の点灯期間を制御するバースト信号の50Hzや60Hzの基本波成分を低減し、フリッカの防止効果を向上させる。尚、加工調光信号は、3分割でも4分割でもよい。また、画像処理回路が出力する調光信号パルスを加工する構成ではなく、映像信号に含まれた輝度情報に基づいて最初から映像信号の1フレーム内に複数存在する調光信号パルスを生成しても良い。
【0150】
本制御例では、同図に示すように、画像処理回路が出力する調光信号パルスを2分割して新たな加工調光信号パルス’を生成する際に、液晶の遷移期間を避けることで、より高画質な映像表示を可能とする。この制御例は、図23に示した順次点灯制御構成で実施することが望ましい。
【0151】
調光信号分割の例としては、例えば、光源の点灯期間を制御するバースト信号パルスを映像フレームに同期させて必ず2連発にし、フルデューティから下げる時は、まずバースト信号パルスの立上がり端(図中「t1」)から液晶遷移時間分の間隔を空けてゆき、さらにデューティを下げる場合には、フレーム内に存在する2つのバースト信号パルス間の間隔(図中「G1−1、G1−2、G1−3」)も並行して空けることで基本波成分の増加を抑える。さらに絞る時はバースト信号パルスの立上がり端とバースト信号間の間隔を均等に増やしていく。また、パルス信号の幅(図中「W1−1、W1−2、W1−3、W2−1、W2−2、W2−3」)および/または位相を所定の関係に従って制御することで、ビートの発生を抑制することができる。本構成は前述の順次点灯方式に有効である。バースト信号パルスの幅や位相を制御する方法としては、各バースト信号パルスの分割比や間隔を制御することが可能である。尚、図中「G2−1、G2−2」は、フレーム単位で複数存在するパルスのうちの最後尾のパルスと、これに続くフレームに複数存在するパルスのうちの先頭パルスとの間隔を示し、このような異フレーム間のパルス間隔を制御しても良い。
【0152】
図35は、図34に示したタイミングチャートにおけるバースト信号パルスの第1の制御例を示す概念図である。同図中の横軸はデジタル調光方式においてバースト信号パルスに求められるデューティの変化を示し、縦軸は1フレーム内の時間変化を示す。
【0153】
同図に示す例は、各バースト信号パルスの前縁t1、t3を固定し、デューティの変化に応じて各バースト信号パルスの後縁t2、t4を同時に一定の比率で変化させる例である。この例では、各バースト信号パルスに一定の間隔G1、G2を設けることでフリッカの発生が抑制される。
【0154】
図36は、図34に示したタイミングチャートにおけるバースト信号パルスの第2の制御例を示す概念図である。同図に示す例は、各バースト信号パルスの後縁t2、t4を固定し、デューティの変化に応じて各バースト信号パルスの前縁t1、t3を同時に一定の比率で変化させる例である。この例では、各バースト信号パルスに一定の間隔G1、G2を設けることでフリッカの発生が抑制される。
【0155】
図37は、図34に示したタイミングチャートにおけるバースト信号パルスの第3の制御例を示す概念図である。同図に示す例では、フレーム内に複数存在するパルスのうちの先頭パルスの前縁t1を全デューティにわたって固定とすることで液晶素子の遷移時間を避けたデューティ制御が行われる。
【0156】
この制御においてデューティを100%から75%に絞るときはフレーム内に複数存在するパルスのうちの最後尾パルスの後縁t4から削ってゆくことで。液晶素子の状態が安定している期間を優先的に確保しつつデューティを減少させる。
【0157】
さらに、デューティを75%から50%に絞るときは最後尾パルスの前縁t3および後縁t4を固定した状態で先頭パルスの後縁t2を削ってゆくことで、最もフリッカが発生しやすいデューティ50%付近で十分なフリッカ抑制間隔G1、G2を設ける。
【0158】
さらに、デューティを50%から10%に絞るときは最後尾パルスの前縁t3および後縁t4と先頭パルスの後縁t2をそれぞれ一定比率で削ってゆくことで、フリッカ抑制間隔G1、G2を設けたままデューティを減少させる。
【0159】
図38は、図34に示したタイミングチャートにおけるバースト信号パルスの第4の制御例を示す概念図である。同図に示す例では、フレーム内に複数存在するパルスのうちの先頭パルスの前縁t4を全デューティにわたって固定とすることで液晶素子の次のフレームに向けての遷移時間を避けたデューティ制御が行われる。
【0160】
この制御においてデューティを100%から75%に絞るときはフレーム内に複数存在するパルスのうちの先頭パルスの前縁t1から削ってゆくことで。液晶素子の状態が安定している期間を優先的に確保しつつデューティを減少させる。
【0161】
さらに、デューティを75%から50%に絞るときは先頭パルスの前縁t1および後縁t2を固定した状態で最後尾パルスの後縁t3を削ってゆくことで、最もフリッカが発生しやすいデューティ50%付近で十分なフリッカ抑制間隔G1、G2を設ける。
【0162】
さらに、デューティを50%から10%に絞るときは先頭パルスの前縁t1および後縁t2と最後尾パルスの前縁t3をそれぞれ一定比率で削ってゆくことで、フリッカ抑制間隔G1、G2を設けたままデューティを減少させる。
【0163】
図39は、図23に示した装置に組み込み可能な入力平均輝度算出回路の一例を示すブロック図である。同図に示す例では、入力平均輝度の算出回路に周囲エリアからのクロストーク特性を持たせて、隣接エリア間の差または比が一定の範囲内に収まるようにする。ここで、周囲エリアには、画面の上下、左右および映像フレームの時間軸の前後が含まれる。
【0164】
具体的には、図24に示したエリアArea1〜4毎の入力平均輝度情報に該当エリアの周囲のエリアの入力平均輝度情報を混合して各エリアの最終入力平均輝度APL1〜4を得る。
【0165】
もしくは、図40に示すように、図4におけるLPFを、順次入力される映像信号に対して適切なインパルス・レスポンスを持った一次元または二次元のローパス・フィルタとして、その出力を順次サンプリングすることにより、該当ブロックの周囲のブロックの信号が混入した状態の各ブロック入力平均輝度APL1〜4を得る。
【0166】
これにより、特段隣接ブロック間のバックライト輝度差または比の制限手段などを設けなくとも自動的に適度な最大差または比以内に維持される。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明によれば、より高度なバックライト制御が可能になるため、消費電力の低減が要求される大型液晶ディスプレイへの適用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】第1の実施形態に係る映像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したバックライト制御回路の周辺構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した調光信号加工回路が行う処理例を示す概念図である。
【図4】平均輝度レベルを算出する方法の例を示す回路図である。
【図5】図2に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【図6】平均輝度レベルAPLの増加と、バックライトの低減と、映像輝度との関係を示すタイミングチャートである。
【図7】第2の実施形態に係るバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。
【図8】図2に示した調光信号加工回路が行う処理例を示す概念図である。
【図9】図7に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【図10】第3の実施形態に係るバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示した調光信号加工回路が行う処理例を示す概念図である。
【図12】図10に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【図13】第4の実施形態に係るバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示した調光信号加工回路が行う処理例を示す概念図である。
【図15】図13に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【図16】第5の実施形態に係る映像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図17】図16に示したバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。
【図18】図17に示した調光信号加工回路が行う処理例を示す概念図である。
【図19】図17に示した調光信号加工回路が行う他の処理例を示す概念図である。
【図20】第6の実施形態に係る液晶バックライト駆動装置の構成を示す概念図である。
【図21】図20に示したバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。
【図22】図21に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【図23】第7の実施形態に係るバックライト制御回路の構成を示すブロック図である。
【図24】図23に示した調光信号加工回路が行う処理例を示す概念図である。
【図25】図23に示したバックライト制御回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【図26】APL−AGCの基本動作を示すタイミングチャートである。
【図27】前述した各実施形態に係る映像表示装置が実行可能な処理例であって、映像の明るさが変化したときの知覚順応制御例を示すタイミングチャートである。
【図28】前述した各実施形態に係る映像表示装置が実行可能な処理例であって、映像の明るさが変化する前後に順応期間を設けた例を示すタイミングチャートである。
【図29】前述した各実施形態に係る映像表示装置が実行可能な処理例であって、APL−AGCの制御特性を映像の内容に応じて変化させた場合の例を示す概念図である。
【図30】字幕処理を行う場合の映像表示装置の構成を示すブロック図である。
【図31】図30に示した装置が行う字幕処理例を示す概念図である。
【図32】図17や図21に示した装置が行う処理例であって、暗部のシャープネスを強調する制御例を示す概念図である。
【図33】図17や図21に示した装置が行う処理例であって、映像の高速変化に追従させる場合の制御例を示す概念図である。
【図34】前述した各実施形態に係る映像表示装置が実行可能な制御例であって、調光信号の分割による疑似高速駆動を行う場合の制御例を示すタイミングチャートである。
【図35】図34に示したタイミングチャートにおけるバースト信号パルスの第1の制御例を示す概念図である。
【図36】図34に示したタイミングチャートにおけるバースト信号パルスの第2の制御例を示す概念図である。
【図37】図34に示したタイミングチャートにおけるバースト信号パルスの第3の制御例を示す概念図である。
【図38】図34に示したタイミングチャートにおけるバースト信号パルスの第4の制御例を示す概念図である。
【図39】図23に示した装置に組み込み可能な入力平均輝度算出ブロックの例を示すブロック図である。
【図40】入力平均輝度算出処理の他の例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0169】
100…フロントエンド部、102…チューナ回路、104…セレクタ、200…映像処理部、202…画像処理回路、204…制御回路、300…ディスプレイ部、302…液晶制御回路、304…バックライト制御回路、306…液晶パネル、308…バックライト、310…外光センサ、320…調光信号加工回路、321…調光信号生成回路、322…インバータ回路、324…調光方式再配分回路、326…IF中継回路、330…映像信号加工回路、332…輝度制御信号生成回路、350…非線形回路、352…ローパスフィルタ、354…レジスタ、356…タイミング制御回路、400…リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
前記光源の光出力量の基準となる調光信号を生成する調光信号生成回路と、
前記調光信号とは別の信号に基づいて、前記調光信号を加工する調光信号加工回路と、
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
前記光源の光出力量の基準となる第1の調光信号を生成する手段と、
前記光源の光出力量の基準となる第2の調光信号を生成する手段と、
前記第1および第2の調光信号と該各調光信号とは別の信号とに基づいて、第3の調光信号を生成する手段と、
前記第3の調光信号に基づいて前記光源の光出力量を制御する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項3】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
前記光源の光出力量の制御基準となる調光信号を生成する調光信号生成手段と、
前記調光信号に基づいて前記光源を第1および第2の方式で制御する手段と、
前記調光信号とは別の信号に基づいて前記第1の方式と前記第2の方式の配分を決定する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項4】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
前記光源の光出力量の制御基準となる調光信号を生成する調光信号生成手段と、
前記調光信号とは別の信号に基づいて前記調光信号が示す光出力期間を調整する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項5】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御するとともに、該映像信号を加工する手段と、
前記加工後の映像信号に基づいて前記表示素子を制御する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項6】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に基づいて、前記表示素子および/または光源を制御する制御信号を生成する手段と、
前記映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御するとともに、前記制御信号を加工する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項7】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
前記光源の光出力量の制御基準となる調光信号を生成する調光信号生成手段と、
前記表示素子および/または光源の制御情報を含む制御コマンドを生成する制御コマンド生成手段と、
前記調光信号とは別の信号に基づいて、前記調光信号を加工するとともに、前記制御コマンドを加工する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項8】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に基づいて前記光源の光出力量を制御するとともに、該映像信号を加工して再出力する手段と、
前記加工後の映像信号に基づいて、前記表示素子を制御する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項9】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
前記光源の光出力量の基準となる第1の調光信号を生成する手段と、
前記光源の光出力量の基準となる第2の調光信号を生成する手段と、
前記第1および第2の調光信号とに基づいて、第3の調光信号を生成する手段と、
前記第3の調光信号に基づいて前記光源の光出力量を制御する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項10】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
前記光源の光出力量の制御基準となる調光信号とを生成する調光信号生成手段と、
前記光源を第1および第2の方式で制御する手段と、
前記第1の方式と前記第2の方式の配分を決定する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項11】
分割された複数の表示エリアのそれぞれに対応して設けられた複数の光源から照射された光出力を表示エリアごとに設けられた複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された輝度情報を前記表示エリアごとに評価する手段と、
前記評価した結果に基づいて、前記各光源の光出力量および/または前記各表示素子を制御する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項12】
分割された複数の表示エリアのそれぞれに対応して設けられた複数の光源から照射された光出力を表示エリアごとに設けられた複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号または輝度情報を前記各表示エリアごとに評価する手段と、
前記評価した結果に基づいて、前記各光源の光出力量を制御する手段とを具備し、
前記各光源の制御は、隣接する表示エリア間の関係が一定の制約条件内に入るように行われることを特徴とする映像表示装置。
【請求項13】
分割された複数の表示エリアのそれぞれに対応して設けられた複数の光源から照射された光出力を表示エリアごとに設けられた複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
前記各光源の光出力量を制御することにより、少なくとも隣接する表示エリア間に一定の輝度傾斜を生じさせる手段と、
入力された映像信号または輝度情報に基づいて、前記傾斜の値を決定する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項14】
分割された複数の表示エリアのそれぞれに対応して設けられた複数の光源から照射された光出力を表示エリアごとに設けられた複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
前記各光源の光出力量を制御することにより、前記各表示エリア間に一定の輝度傾斜を加算する手段を具備し、
前記加算される傾斜は、入力された映像信号に拘わらず一定の値に設定されることを特徴とする映像表示装置。
【請求項15】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御する手段と、
前記映像信号の変化に対応させて前記光出力量の変化を強調する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項16】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された第1の映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御する手段と、
前記第1の映像信号と時間差を持った第2の映像信号に基づいて、前記制御の応答遅れと映像表示の遅れの差を補償する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項17】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された第1の映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御する手段と、
前記第1の映像信号と時間差を持った第2の映像信号に基づいて、前記第1の映像信号の変化の前後で前記光出力量の変化を強調する手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項18】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御する手段と、
入力された映像信号の輝度分布を検出する手段と、
前記映像信号の平均輝度が同じであっても前記輝度分布が異なる場合には、前記輝度分布に対する前記光出力量の制御特性を変化させる手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項19】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に基づいて、前記光源の光出力量を制御する手段を具備し、
前記映像信号に非線形変換処理をした後、その平均輝度を求め、その平均輝度で前記光出力量を制御することにより、映像信号の輝度分布に依存して前記光出力量の制御特性に変化をもたせることを特徴とする映像表示装置。
【請求項20】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に基づいて、前記表示素子を制御するとともに前記光源の光出力量を制御する手段を具備し、
前記制御手段は、前記映像信号に含まれた輝度情報のピーク値に基づいて、前記光源の制御を行うとともに、前記光源の光出力量を低下させる場合は、前記映像信号に含まれたまたは重畳されるテキスト情報を無視して前記表示素子の変調度を増加させることを特徴とする映像表示装置。
【請求項21】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に基づいて、前記表示素子を制御するとともに前記光源の光出力量を制御する手段を具備し、
前記制御手段は、前記光源の光出力量を低下させる場合は、前記表示素子の変調度を増加させるとともに前記映像信号の高域を強調することを特徴とする映像表示装置。
【請求項22】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に基づいて、前記表示素子を制御するとともに前記光源の光出力量を制御することにより、前記映像信号によって表現される映像の表示輝度変化を緩和する手段と、
前記映像信号の輝度変化速度を検出する手段とを具備し、
前記緩和手段は、前記変化速度が速い場合は、前記表示素子の制御で対応し、前記変化速度が遅い場合は、前記光源の制御で対応することを特徴とする映像表示装置。
【請求項23】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
前記光源の光出力量をパルス信号で定義した調光信号を生成する調光信号生成手段と、
前記調光信号に基づいて映像表示頻度の基準となる単位フレーム内に複数のパルス信号を存在させる手段と
前記複数のパルス信号に基づいて前記光源の光出力制御を行う手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項24】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に含まれた輝度情報に基づいて、該映像信号の基準となる単位フレーム内に複数のパルス信号を生成する手段と、
前記複数のパルス信号に基づいて前記光源の光出力制御を行う手段と
を具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項25】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に基づいて、前記表示素子を制御する手段と、
前記映像信号に含まれたフレーム信号に同期させて複数のパルス信号を生成する手段と 前記複数のパルス信号に基づいて前記光源の光出力制御を行う手段とを具備し、
前記パルス信号の生成は、前記表示素子の状態遷移期間を優先的に避けて前記各パルス信号の幅および/または位相を決定することにより行われることを特徴とする映像表示装置。
【請求項26】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置において、
入力された映像信号に基づいて、前記表示素子を制御する手段と、
前記映像信号に含まれたフレーム信号に同期させて複数のパルス信号を生成する手段と、
前記複数のパルス信号に基づいて前記光源の光出力制御を行う手段とを具備し、
前記パルス信号の生成は、前記各パルス信号の幅および/または位相を所定の関係に従って決定することにより行われることを特徴とする映像表示装置。
【請求項27】
光源から照射された光出力を複数の表示素子で制御することにより映像を表示する映像表示装置に組み込まれる信号処理回路において、
前記光源の光出力量の基準となる調光信号を生成する手段と、
前記映像信号とは別の信号に基づいて前記調光信号を加工する手段と
を具備することを特徴とする信号処理回路。
【請求項28】
複数の液晶素子の背面に設けられたバックライト光源の光出力を制御する液晶バックライト制御装置において、
前記バックライト光源の制御基準となる調光信号を生成する手段と、
前記調光信号とは別の信号に基づいて前記調光信号を加工する手段と
を具備することを特徴とする液晶バックライト制御装置。
【請求項29】
複数の液晶素子の背面に設けられたバックライト光源の光出力を制御する液晶バックライト制御方法において、
前記バックライト光源の制御基準となる調光信号を生成するステップと、
前記調光信号とは別の信号に基づいて前記調光信号を加工するステップと
を具備することを特徴とする液晶バックライト制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2008−52131(P2008−52131A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−229557(P2006−229557)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【出願人】(399091511)マイクロスペース株式会社 (15)
【Fターム(参考)】