説明

液晶光学素子

【課題】表面が導電処理されている透明構造体を内包し、対向電極と短絡を起こさない液晶光学素子を提供すること。
【解決手段】一対の基板(2,4)に液晶層(8)を挟持し、一対の基板(2,4)内に凹凸を有する光学構造体(6)を内包し、該光学構造体(6)の液晶層に面する側の表面に導電膜(5)を備えた液晶光学素子において、光学構造体(6)と対向する対向電極(3)における導電膜が、光学構造体(6)の凸部の頂点に対応する位置で除かれており、且つ対向電極(3)には一様の駆動電圧が印加されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の透明基板に液晶層を挟持した液晶セルであり、該液晶セル内に凹凸を有する光学構造体を内包し、該構造体の液晶に面する表面に導電処理が施されている液晶光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明基板に液晶層を挟持した液晶セルにフレネルレンズ面の構造体を内包し、この構造体の下に位置する透明基板の表面に電極が設けられ、対向する電極が、全面一様に設けられた液晶光学素子が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
また、透明基板に液晶層を挟持した液晶セルにフレネルレンズ面の構造体を内包し、この構造体表面の液晶に面する面に電極が設けられ、対向する電極が、全面一様に設けられた液晶光学素子が提案されている(例えば特許文献1参照。)。特許文献1に記載の液晶光学素子について、以下に図を用いて説明する。
【0004】
図5(a)は特許文献1の図1に記載の液晶光学素子21の断面図であり、対向透明基板22と透明基板24に図示しないスペーサを含有したシール部27を介して液晶層28が挟持されており、挟持する2枚の透明基板内に透明構造体26を内包している。図5(b)は挟持された液晶層28から見た対向透明基板22側を、図5(c)は液晶層28から見た透明構造物26を有する側を示している。図5(a)に示すように対向透明基板は22は全面一様な対向透明電極23が成膜されている。透明構造体26を有する側では、透明電極25は透明構造体26の下に成膜された構造となっている。
【0005】
この液晶層28を駆動する印加電圧は、図示されていない回路から透明電極25と対向透明電極23間に加えられ、この構造では透明構造体26越しに加えられることとなる。このことは、液晶層28を駆動する印加電圧の増大を招いている。この印加電圧の増大をふせぐ構成例が特許文献1の図6に開示されている。以下に図を用いて説明する。
【0006】
図6(a)は特許文献1の図6に記載の液晶光学素子31の断面図であり、対向透明基板32と透明基板34に図示しないスペーサを含有したシール部37を介して液晶層38が挟持されており、挟持する2枚の透明基板内に透明構造体36を内包している。図6(b)は挟持された液晶層38から見た対向透明基板32側を、図6(c)は液晶層38から見た透明構造物36を有する側を示している。図6(a)に示すように対向透明基板32は全面一様な対向透明電極33が成膜されている。透明構造体36を有する側では、透明電極35は透明構造体36の上に成膜された構造となっている。
【0007】
この構成では、液晶層38を駆動する印加電圧は、図示されていない回路から、透明構造体36の上に成膜された透明電極35と対向透明電極33間に加えられ、この構成では透明構造体36を介さないためより低い印加電圧での駆動が可能となる。しかしながらこの構成では透明電極35と対向透明電極33が近接しており、対向透明基板32や透明基板34が十分な硬度や厚みを有するガラスで構成される場合はまだしも、0.3mmより薄いガラスや樹脂フィルムなどで構成された場合、変形が容易に予測され、上下の電極間で短絡することが考えられる。
【0008】
更に、上記とは別に、対向する電極がフレネルの構造に呼応して分割され、複数の電圧を印加する液晶光学素子が提案されている(例えば特許文献2参照。)。以下に図を用いて説明する。
【0009】
図7(a)は特許文献2の図13に記載の液晶光学素子41の断面図であり、対向透明基板42と透明基板44に図示しないスペーサを含有したシール部47を介して液晶層48が挟持されており、挟持する2枚の透明基板内に透明構造体46を内包している。図7(b)は挟持された液晶層48から見た対向透明基板42側を、図7(c)は液晶層48から見た透明構造物46を有する側を示している。図7(b)に示すように対向透明基板42は対向透明輪帯電極43が成膜されている。対向透明輪帯電極43は透明構造体46の頂点に呼応する位置で、絶縁性を有する輪帯間ギャップ49で分断されている。構造体の透明構造体46を有する側では、透明電極45は透明構造体46の上に成膜された構造となっている。
【0010】
図7(b)の対向透明輪帯電極43はそれぞれ異なる電圧を印加するために各々が独立した図示しない複数の電極引き出し部に繋がれており、更に図示しない回路により分断された輪帯電極毎に異なる電圧が印加される構造となっている。このことは回路に異なる電圧を用意する必要性を生じさせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−079669号公報(第6−12頁、図1、図6)
【特許文献2】特開2004−101885号公報(第8頁、図13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、従来の液晶光学素子では以下のような問題がある。特許文献1の図1に記載の提案による構成では、液晶層への電圧印加が透明構造体越しに与えられるため、透明構造体の厚さにより、液晶層への電圧印加状態も変わり、更に付与される印加電圧の効率は著しく劣り、液晶層に所望の動作をさせるために要する印加電圧は高電圧にならざるを得ない。
【0013】
また、特許文献1の図6に記載の提案による構成では、上記の弱点を補い低い印加電圧で液晶層に所望の動作をさせることが出来る。しかしながら、近年液晶光学素子を形成する透明基板はその透過率を上げ、重量を下げる方向でどんどん薄型化が進んでいる。更に透明基板としてガラス以外にもフィルム状の樹脂基板も使用される例がある。このように透明基板として温度変化や気圧変化で変形可能な部材を使用した場合、上記の提案による構成では安易に上下基板の電極が短絡をおこし、所望の動作をしない可能性が高くなる。
【0014】
更に特許文献2の図13に記載の提案による構成では、透明構造物の上端に対応する対向基板上の電極が、輪帯状に形成されており、上下基板の電極が短絡を起こしにくい構造となっている。しかしながら、前記提案ではそれぞれの輪帯に異なる電圧を付与するためにその引き出し線に工夫が必要となり構造も複雑になる。更に透明構造物の上端毎に輪帯間ギャップを設けているこの構造では、液晶光学素子の中心から外側に向かうにつれ、輪帯間ギャップの占める面積が増大し、液晶光学素子の目的とするレンズ化など光学的に不具合を生じやすくなる。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決し、単純な構成で、短絡もなく、光学特性でも優れた液晶光学素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、本発明における液晶光学素子では、基本的に下記に記載の構成要件を有するものである。
【0017】
本発明の液晶光学素子は、一対の基板に液晶層を挟持し、一対の基板のうち一方の基板の内側に凹凸を有する光学構造体を配置し、光学構造体の液晶層に面する側、及び他方の基板の液晶層に面する側のそれぞれ表面に導電膜を備えた液晶光学素子において、光学構造体の凸部の頂点に対応する位置で、他方の基板における導電膜の一部が除かれた箇所と、除かれていない箇所とを備え、導電膜が除かれた箇所の数が、光学構造体の凸部の数より少なく、除かれた箇所に対向する凸部の高さは、除かれていない箇所に対向する凸部の高さよりも高いことを特徴とする。
【0018】
また、光学構造体がフレネルレンズであることを特徴とする。また、一部の導電膜が除かれた対向電極は、同一の駆動電圧が印加されるように対応する箇所を除いた位置で共通接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、高さの異なるサグ高さを有した透明構造体の、一部の高いサグ高さを有する透明構造体の頂点部分の対向電極を除き、かつ、対向電極の導電膜が除かれた箇所の数が、光学構造体の凸部の数より少ないので、液晶光学素子の中心から外側に向かうにつれ、輪帯間ギャップの占める面積が増大する不具合を解消し、単純な構成で、短絡もなく、光学特性でも優れた液晶光学素子を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の液晶光学素子の断面図、及び対向透明輪帯電極の構成例を示した図である。
【図2】本発明の対向透明輪帯電極の輪帯同士を繋ぐ分解斜視図である。
【図3】本発明の実施例の液晶光学素子の断面図を拡大した図である。
【図4】本発明の他の液晶光学素子の断面図、及び対向透明輪帯電極の構成例を示した図である。
【図5】従来の液晶光学素子の構成例の図である。
【図6】従来の液晶光学素子の他の構成例の図である。
【図7】従来の液晶光学素子の他の構成例の図である。
【図8】本発明の実施例1のフレネルレンズの形状を半径分グラフ化した物である。
【図9】本発明の実勢例2のフレネルレンズの形状を半径分グラフ化した物である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の液晶光学素子について図面に基づいて詳細に説明する。図1(a)は本発明の液晶光学素子1の断面図であり、対向透明基板2と透明基板4に図示しないスペーサを含有したシール部7を介して液晶層8が挟持されており、挟持する2枚の透明基板内に凹凸を有する光学構造体の透明構造体6を内包している。但し、液晶層8にはスペーサを含有していない。これは、場所により異なる高さを有する透明構造体6上にスペーサを置くことは高さを規定することが出来ないことと同時に、光学的にスペーサ自体が散乱の要因となるためである。
【0022】
図1(b)は挟持された液晶層8から見た対向透明基板2における側を、図1(c)は液晶層8から見た透明構造体6を有する側を示している。図1(a)に示すように対向透明基板2は、対向透明輪帯電極3の導電膜が成膜されている。対向透明輪帯電極3は透明構造体6の凸部頂点に対応する位置で、導電膜が除かれており、絶縁性を有する輪帯間ギャップ9で分断されている。光学構造体の透明構造体6を有する側では、導電膜の透明電極5は透明構造体6の上、全面に成膜された構造となっている。
【0023】
図1の例では液晶光学素子1の半径方向に、透明構造体6の凸部頂点の個数は9つを有
しているが、対応する位置の導電膜が除かれた輪帯間ギャップ9の数は3つであり、9つより少ない。更に輪帯間ギャップ9に呼応した透明構造体6の3つの凸部頂点の高さ(サグ高さ)は、対応した輪帯間ギャップ9を有さない他の透明構造体6の6つの頂点のサグ高さよりも高い、言い換えれば、透明構造体6の凸部頂点が、対向透明基板2により近接した構成となっている。
【0024】
複数に分断された対向透明輪帯電極3は、例えば図2の様な構成により同一の電圧が印加される。以下、この構成例について図2を用いて説明する。図2は対向透明基板2の膜構成を示した分解斜視図である。対向透明基板2には液晶光学素子に電圧を印加するための電極引き出し部13があり、その部分を含む対向透明基板2全域に下透明電極12が成膜されている。下透明電極12の上に成膜されない膜欠如部11を有した透明絶縁薄膜10が、更にその上に成膜されない輪帯間ギャップ9を有した対向透明輪帯電極3が成膜されている。膜欠如部11の位置は複数に分断された各対向透明電極3に一致するように配置されている。このような構成を採用することにより複数に分断された各対向透明電極3は、膜欠如部11を通じて下透明電極12に接続され、図示されていない回路から同一の駆動電圧が印加される。
【0025】
上記のような構成により、上下基板の電極の短絡もなく、液晶光学素子の目的とするレンズ化等に不具合を生じる輪帯間ギャップが減ることにより光学特性も優れた液晶光学素子を得ることが出来る。
【実施例1】
【0026】
本発明の液晶光学素子の構成方法について具体的に説明する。ここでは透明構造体の例としてフレネルレンズを用いている。厚さ125μm、基材としてポリカーボネートを用いた透明基板の上に透明なUV硬化型の樹脂によってフレネルレンズを形成する。このフレネルレンズは有効直径20mm、ジオプターの絶対値2.0を有するものとした。
【0027】
このフレネルレンズ設計は以下に記す構成に則っている。以下図3を用いて詳細に説明する。図3は今回の実施例の液晶光学素子の断面の一部を拡大した物である。透明輪帯電極3と輪帯間ギャップ9が形成された対向透明基板と、今回はフレネルレンズである透明構造体6が形成された透明基板4の間に液晶層8が満たされている。但し、この液晶層8はスペーサを含まない物とした。図示しないシール部に含有されたスペーサでこのギャップは規定されている。このギャップをセルギャプgとし、形成したフレネルレンズの中で、高いサグ高さをh、低いサグ高さをlで示している。この3つの値に関して、下記す関係式に則る様に、フレネルレンズを設計している。
【0028】
g−h<h−l ・・・(1)
具体的にはセルギャプgを20μm、高いサグ高さhを16μm、低いサグ高さlを10μmとした。配置された凸部のサグ高さは一様ではなく設計されている。更にフレネルレンズのサグ高さの構成を1:2の割合で低いサグ高さを多く配置した。尚、最も中心部に近いサグは高いサグとしている。図8はこの時の、フレネルレンズの形状を半径分グラフ化した物であり、x軸は中心をゼロとした半径方向、y軸はサグの高さを示している。この高いサグの頂点を配置する位置に、対向透明基板2上の輪帯間ギャップ9が対応するように、対向透明基板2と透明基板4は貼り合わされている。
【0029】
図1は、高いサグ高さの凸部を3つとし、それにあわせて対向する基板の輪帯間ギャップ9も3つ配置した構成を図示した。図8は、実際のフレネルレンズの設計にあわせた図を示し、透明構造体6は、半径10mmの間に10個の高いサグと20個の低いサグで構成している。従って対向透明基板2上の輪帯間ギャップ9も10個、高いサグの頂点と呼応する位置に配置している。
【0030】
尚、対向透明基板2の各対向透明輪帯電極3は輪帯間ギャップ9で11個に分断されているが、例えば図2に示したような構造で同一の駆動電圧が印加出来るように接続されている。また、実際には対向透明輪帯電極3、透明電極5の上には液晶を配向させるための配向膜が塗布されラビング処理がなされているがここでは図示していない。
【0031】
液晶光学素子の作製時の温度より周囲環境が下がった場合、スペーサを有していない透明構造体を有する液晶層の領域では内側に変形する。しかしながら低いサグの上に成膜された透明電極が対向電極にあたり短絡する前に、高いサグが、導電膜が配置されていない輪帯間ギャップ9の部分に接触し、あたかもスペーサのように振る舞うため、短絡を起こすことはない。
【0032】
更に、サグの頂点全てに対して輪帯間ギャップを設けた場合と比較して、今回の実施例では略1/3に輪帯間ギャップの面積を減らすことが出来ている。輪帯間のギャップは液晶光学素子の光学的な目的、本実施例の場合はレンズ化、に寄与しない。従って輪帯間ギャップの面積を減らすことは光学特性の向上にも有効である。
【実施例2】
【0033】
本発明の他の実施例として図4、図9を用いて説明する。図4(a)は本発明の液晶光学素子1の断面図、図4(b)は挟持された液晶層8から見た対向透明基板2における側を、図4(c)は液晶層8から見た透明構造体6を有する側を示している。構成部材は、図1と同様であるので、ここでは省略する。
図4の例では液晶光学素子1の半径方向に、透明構造体6の凸部頂点の個数は8つを有しているが、対応する位置の導電膜が除かれた輪帯間ギャップ9の数は3つであり、8つより少ない。更に輪帯間ギャップ9に呼応した透明構造体6の3つの凸部頂点の高さ(サグ高さ)は、対応した輪帯間ギャップ9を有さない他の透明構造体6の5つの頂点のサグ高さよりも高い、言い換えれば、透明構造体6の凸部頂点が、対向透明基板2により近接した構成となっている。更に図4の輪帯間ギャップ9の位置は図1と比べて中心に近づくように配置した。
【0034】
図9はより具体的にフレネルレンズの形状を半径分グラフ化した物であり、フレネルレンズの設計として、(1)式の関係式はそのままに高いサグの配置を換えた例となっている。ただし、図4では、サグ高さの高い凸部頂点は3つしか示していないが、図9では実際のフレネルレンズの設計にあわせ、9個の高い凸部頂点を有している状態を示している。図9に図示した液晶光学素子は、セルギャップ20μm、高いサグ高さ16μm、低いサグ高さ10μmであり、図8で図示したものと共通としている。先の実施例の図8では、高いサグ1個と低いサグ2個を順次並べた構成に対し、本実施例では中心から外側に進むにつれて、高いサグの間に挟む低いサグの個数を同数以上に並べた構成になっている。
【0035】
今回の例では、図9の様に高いサグの位置を先の実施例の図8と比べて中心よりに配置した。この結果、図示しないフレネルレンズのすぐ外側に位置するスペーサを含んだシールがセル間の距離を規定できると見込み、サグ高さの高い凸部をなるべく内側よりに配置することが出来た。更に輪帯間ギャップの面積は、ギャップ幅が同じ場合、中心からの距離に略比例するため、存在する9個の輪帯間ギャップの総面積も図8のように配置した場合に比べ、軽減することが出来た。これによって、輪帯間ギャップの占める面積を減らし、光の利用効率を高めることが可能となった。これはフレネルレンズの元となる式から、中心から離れるに従って傾きが大きくなっているために有効なのであり、他の全ての透明構造体にあてはまるわけではない。
【0036】
また、対向輪帯電極及び輪帯間ギャップの配置は上記設計に応じて高いサグの頂点と呼
応する位置に配置し、且つ分断された対向輪帯電極は、実施例1と同様図2に示したような構造で、同一の駆動電圧が印加出来るように共通接続されている。ここで、これら実施例では、同一の駆動電圧を印加したが、分断された対向輪帯電極のそれぞれに異なる電圧を印加してもよい。このように異なる電圧を各電極に印加することにより、レンズパワーを制御することが可能となる。
【0037】
また、これらの実施例における各構成は、液晶光学素子の有効直径、封入する液晶の複屈折率の差であるΔn、セルギャップ等で随時適切な配置をすべきであり、実施例の各数字に限定される物ではない。また、本実施例では光学構造体をフレネルレンズとしたが、形状はこれに限定されるものではなく、凹凸形状を有していれば、いかなる構造体でも効果が得られる。
【0038】
上記のような構成により、透明基板として温度変化や気圧変化で変形可能な部材を使用した場合でも、上下基板の電極が短絡をおこさず、所望の動作をする、光学特性も高い液晶光学素子を得ることが出来る。
【符号の説明】
【0039】
1、21、31、41 液晶光学素子
2、22、32、42 対向透明基板
3、43 対向透明輪帯電極
4、24、34、44 透明基板
5、25,35、45 透明電極
6、26、36、46 透明構造体
7、27、37、47 シール部
8、28、38、48 液晶層
9 輪帯間ギャップ
10 透明絶縁薄膜
11 膜欠如部
12 下透明電極
13 電極引き出し部
g セルギャップ
h 高いサグの高さ
l 低いサグの高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の基板に液晶層を挟持し、該一対の基板のうち一方の基板の内側に凹凸を有する光学構造体を配置し、該光学構造体の前記液晶層に面する側、及び他方の基板の前記液晶層に面する側のそれぞれ表面に導電膜を備えた液晶光学素子において、
前記光学構造体の凸部の頂点に対応する位置で、前記他方の基板における前記導電膜の一部が除かれた箇所と、除かれていない箇所とを備え、
前記導電膜が除かれた箇所の数が、前記光学構造体の凸部の数より少なく、
前記除かれた箇所に対向する前記凸部の高さは、前記除かれていない箇所に対向する前記凸部の高さよりも高いことを特徴とする液晶光学素子。
【請求項2】
前記光学構造体がフレネルレンズであることを特徴とする請求項1に記載の液晶光学素子。
【請求項3】
一部の前記導電膜が除かれた前記対向電極は、同一の駆動電圧が印加されるように前記対応する箇所を除いた位置で共通接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶光学素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−123041(P2012−123041A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271363(P2010−271363)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】