説明

液晶表示素子の製造システム及び製造方法

【課題】より小さい設置スペースで貼り合わせを良好に行うことができる液晶表示素子の製造システム及び製造方法を提供する。
【解決手段】パネル旋回部200で液晶パネルWを上下反転及び水平方向に回転させることにより、第1連続ロールR1及び第2連続ロールR2から繰り出される光学機能フィルムを平面視で直線状に配置されたフィルム搬送ラインL1で搬送し、かつ、フィルム搬送ラインL1に対して上側に位置するように重畳的に配置された平面視で直線状のパネル搬送ラインL2で液晶パネルWを搬送する。フィルム搬送ラインに対して上方にパネル搬送ラインを配置し、第1連続ロールR1及び第2連続ロールR2から繰り出される光学機能フィルムを、いずれも下側から液晶パネルWに貼り合せる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールを用いて、偏光フィルムを含む光学機能フィルムのシート片を長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造システム及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような液晶表示素子の製造システムの一例として、帯状フィルム10Aのフィルム片19Aが貼り合わせられた後の基板1を上下反転させた後、帯状フィルム10Bのフィルム片19Bを貼り合わせるような製造システムが知られている(例えば、特許文献1の段落[0037]〜[0044]及び[図6]〜[図9])。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の製造システムでは、巻出ロール56Aから帯状フィルム10Aを繰り出して搬送する方向と、巻出ロール56Bから帯状フィルム10Bを繰り出して搬送する方向とが直交したL字状の製造ラインとなるため、設置スペースが必要以上に大きくなるといった問題がある。
【0004】
一方、本出願人は、長方形状の液晶パネルの長辺及び短辺に対応するように幅の異なるロールを使用した場合であっても、光学表示ユニット(液晶パネル)を回転させる回転機構を設けることにより設置スペースをコンパクトにし得る製造システムを提案した(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−37417号公報
【特許文献2】特許第4307510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液晶ディスプレイがますます横長大型化した場合には、貼り合わせの精度及び機能を維持しつつ製造ライン自体をさらにコンパクト化することが求められる。特に、液晶表示素子の性能の高度化に伴って、貼り合わせの精度を維持しつつ、製造中のロール及び液晶パネルの清浄度を維持したり、温度及び湿度の条件を管理したりすることも重要となってくる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、より小さい設置スペースで貼り合わせを良好に行うことができる液晶表示素子の製造システム及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る液晶表示素子の製造システムは、それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムを巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムを繰り出して、幅方向に前記光学機能フィルムを切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造システムであって、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインと、前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインと、前記パネル搬送ライン中に設けられ、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために上下反転及び水平方向に回転させるパネル旋回部とを備える直線ライン構造の液晶表示素子の製造システムである。
【0009】
本発明において「平面視で直線状となるように配置する」とは、平面視において、直線に沿った搬送長さに対して搬送位置の変位幅(直線に垂直な方向の変位幅)が十分小さい状態で対象物を搬送するように配置することを指し、平面視において、直線に沿って搬送経路が蛇行した状態で対象物を搬送するような配置、及び、直線の搬送ラインがライン幅の方向に位置を変えながら直線に沿って複数連結されることにより、搬送経路がライン幅の方向にシフトしつつ連続した状態で対象物を搬送するような配置などを包含する概念である。
【0010】
本発明によれば、パネル旋回部で液晶パネルを上下反転及び水平方向に回転させることにより、第1連続ロール及び第2連続ロールから繰り出される光学機能フィルムを平面視で直線状に配置されたフィルム搬送ラインで搬送し、かつ、フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置された平面視で直線状のパネル搬送ラインで液晶パネルを搬送することができる。すなわち、平面視で一直線状に延びるフィルム搬送ライン及びパネル搬送ラインに沿って光学機能フィルム及び液晶パネルが搬送されることにより、I字状の製造ラインとすることができるので、L字状の製造ラインなどと比較して、設置スペースをより小さくすることができる。
【0011】
特に、フィルム搬送ラインに対して上方にパネル搬送ラインが配置され、第1連続ロール及び第2連続ロールから繰り出される光学機能フィルムが、いずれも下側から液晶パネルに貼り合せられるため、液晶パネルの貼り合わせ面に異物が落下するのを防止することができ、貼り合わせを良好に行うことができる。
【0012】
本発明に係る別の液晶表示素子の製造システムは、それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムを巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムを繰り出して、幅方向に前記光学機能フィルムを切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造システムであって、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインと、前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインと、前記パネル搬送ライン中に設けられ、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために、前記液晶パネルの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸を中心に反転させるパネル旋回部とを備える直線ライン構造の液晶表示素子の製造システムである。
【0013】
本発明によれば、液晶パネルの上下反転及び水平方向の回転を別々に行う場合と同様の効果を単一の動作で実現することができる。したがって、パネル旋回部の長さを短くすることができるので、設置スペースをさらに小さくすることができる。このような効果は、液晶ディスプレイが横長大型化した場合には、より顕著になる。
【0014】
前記液晶表示素子の製造システムは、それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムをキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルム及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記キャリアフィルムを切断せずに前記光学機能フィルムを幅方向に切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造システムであって、前記フィルム搬送ラインには、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから繰り出され、前記光学機能フィルムのシート片が剥離された後の前記キャリアフィルムを巻き取るための第1巻取ロール及び第2巻取ロールが設けられており、前記パネル搬送ラインにおける前記液晶パネルの搬送方向に平行な方向に沿って、前記第1巻取ロール及び前記第1連続ロールがこの順序で並べて配置され、前記第2巻取ロール及び前記第2連続ロールがこの順序で並べて配置されていることが好ましい。
【0015】
本発明によれば、第1連続ロールから光学機能フィルムを繰り出す高さと、第1巻取ロールによりキャリアフィルムを巻き取る高さとを同じ高さにすることができるとともに、第2連続ロールから光学機能フィルムを繰り出す高さと、第2巻取ロールによりキャリアフィルムを巻き取る高さとを同じ高さにすることができる。これにより、連続ロール及び巻取ロールの着脱を容易にすることができる。例えば、着脱装置を用いて連続ロール及び巻取ロールを着脱する場合には、着脱装置の高さ調整を行う必要がないため、作業性が向上する。
【0016】
本発明に係る別の液晶表示素子の製造システムは、それぞれ偏光フィルムを含む光学機能フィルムのシート片をキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムのシート片及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造システムであって、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインと、前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインと、前記パネル搬送ライン中に設けられ、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために上下反転及び水平方向に回転させるパネル旋回部とを備える直線ライン構造の液晶表示素子の製造システムである。
【0017】
本発明に係る別の液晶表示素子の製造システムは、それぞれ偏光フィルムを含む光学機能フィルムのシート片をキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムのシート片及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造システムであって、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインと、前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインと、前記パネル搬送ライン中に設けられ、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために、前記液晶パネルの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸を中心に反転させるパネル旋回部とを備える直線ライン構造の液晶表示素子の製造システムである。
【0018】
前記フィルム搬送ラインには、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから繰り出され、前記光学機能フィルムのシート片が剥離された後の前記キャリアフィルムを巻き取るための第1巻取ロール及び第2巻取ロールが設けられており、前記パネル搬送ラインにおける前記液晶パネルの搬送方向に平行な方向に沿って、前記第1巻取ロール及び前記第1連続ロールがこの順序で並べて配置され、前記第2巻取ロール及び前記第2連続ロールがこの順序で並べて配置されていることが好ましい。
【0019】
前記フィルム搬送ライン及び前記パネル搬送ラインが、隔壁構造内に配置されていることが好ましい。
【0020】
本発明によれば、フィルム搬送ライン及びパネル搬送ラインを隔壁構造内に配置することにより、外部からの異物の混入を防止し、貼り合わせをより良好に行うことができる。また、隔壁構造内に空気を循環させて隔壁構造内を清浄化する場合には、L字状の製造ラインなどと比較して、I字状の製造ラインの方が空気の流れがよい。そのため、塵埃の滞留を防止して、製造中の連続ロール及び液晶パネルの清浄度を維持することができるとともに、温度及び湿度の条件を良好に管理することができる。
【0021】
本発明に係る液晶表示素子の製造方法は、それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムを巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムを繰り出して、幅方向に前記光学機能フィルムを切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造方法であって、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインにおいて、前記光学機能フィルムをそれぞれ搬送するフィルム搬送工程と、前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインにおいて、前記液晶パネルを搬送するパネル搬送工程と、前記パネル搬送ライン中に設けられたパネル旋回部により、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために上下反転及び水平方向に回転させるパネル旋回工程とを含むことを特徴とする。
【0022】
本発明に係る別の液晶表示素子の製造方法は、それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムを巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムを繰り出して、幅方向に前記光学機能フィルムを切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造方法であって、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインにおいて、前記光学機能フィルムをそれぞれ搬送するフィルム搬送工程と、前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインにおいて、前記液晶パネルを搬送するパネル搬送工程と、前記パネル搬送ライン中に設けられたパネル旋回部により、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために、前記液晶パネルの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸を中心に反転させるパネル旋回工程とを含むことを特徴とする。
【0023】
前記液晶表示素子の製造方法は、それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムをキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルム及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記キャリアフィルムを切断せずに前記光学機能フィルムを幅方向に切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造方法であって、前記フィルム搬送ラインには、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから繰り出され、前記光学機能フィルムのシート片が剥離された後の前記キャリアフィルムを巻き取るための第1巻取ロール及び第2巻取ロールが設けられており、前記パネル搬送ラインにおける前記液晶パネルの搬送方向に平行な方向に沿って、前記第1巻取ロール及び前記第1連続ロールがこの順序で並べて配置され、前記第2巻取ロール及び前記第2連続ロールがこの順序で並べて配置されていることが好ましい。
【0024】
本発明に係る別の液晶表示素子の製造方法は、それぞれ偏光フィルムを含む光学機能フィルムのシート片をキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムのシート片及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造方法であって、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインにおいて、前記光学機能フィルムをそれぞれ搬送するフィルム搬送工程と、前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインにおいて、前記液晶パネルを搬送するパネル搬送工程と、前記パネル搬送ライン中に設けられたパネル旋回部により、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために上下反転及び水平方向に回転させるパネル旋回工程とを含むことを特徴とする。
【0025】
本発明に係る別の液晶表示素子の製造方法は、それぞれ偏光フィルムを含む光学機能フィルムのシート片をキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムのシート片及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造方法であって、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインにおいて、前記光学機能フィルムをそれぞれ搬送するフィルム搬送工程と、前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインにおいて、前記液晶パネルを搬送するパネル搬送工程と、前記パネル搬送ライン中に設けられたパネル旋回部により、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために、前記液晶パネルの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸を中心に反転させるパネル旋回工程とを含むことを特徴とする。
【0026】
前記フィルム搬送ラインには、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから繰り出され、前記光学機能フィルムのシート片が剥離された後の前記キャリアフィルムを巻き取るための第1巻取ロール及び第2巻取ロールが設けられており、前記パネル搬送ラインにおける前記液晶パネルの搬送方向に平行な方向に沿って、前記第1巻取ロール及び前記第1連続ロールがこの順序で並べて配置され、前記第2巻取ロール及び前記第2連続ロールがこの順序で並べて配置されていることが好ましい。
【0027】
前記フィルム搬送ライン及び前記パネル搬送ラインが、隔壁構造内に配置されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法の一例を示したフローチャートである。
【図2A】液晶表示素子の製造システムの一例を示した概略平面図である。
【図2B】液晶表示素子の製造システムの他の例を示した概略平面図である。
【図3】液晶パネルに対する第1光学機能フィルムの貼り合わせの態様を示した概略側面図である。
【図4】液晶パネルに対する第2光学機能フィルムの貼り合わせの態様を示した概略側面図である。
【図5】光学機能フィルムを液晶パネルに貼り合せる際の態様の一例を示した断面図である。
【図6】液晶パネルの旋回を行う方法の具体例を示した模式図である。
【図7】フィルム搬送ラインとパネル搬送ラインの位置関係を示した概略斜視図である。
【図8A】製造ラインの構成例を示した概略平面図である。
【図8B】製造ラインの構成例を示した概略平面図である。
【図9A】連続ロール及び巻取ロールの他の配置例を示した概略側面図である。
【図9B】連続ロール及び巻取ロールの他の配置例を示した概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法の一例を示したフローチャートである。図2Aは、液晶表示素子の製造システムの一例を示した概略平面図である。図2Bは、液晶表示素子の製造システムの他の例を示した概略平面図である。図3は、液晶パネルWに対する第1光学機能フィルムF11の貼り合わせの態様を示した概略側面図である。図4は、液晶パネルWに対する第2光学機能フィルムF21の貼り合わせの態様を示した概略側面図である。
【0030】
(液晶パネル)
本発明により製造される液晶表示素子に用いられる液晶パネルWは、例えば対向する1対のガラス基板間に液晶が配置されたガラス基板ユニットである。液晶パネルWは、長方形状に形成されている。
【0031】
(光学機能フィルム)
本発明により製造される液晶表示素子に用いられる光学機能フィルムは、偏光フィルムを有している。光学機能フィルムの一方の面には、液晶パネルWに貼り合せるための粘着層が形成され、この粘着層を保護するためのキャリアフィルムが設けられる。すなわち、光学機能フィルムと、粘着層と、キャリアフィルムとが、この順に積層された構成となっている。また、光学機能フィルムの他方の面には、粘着層を介して表面保護フィルムが設けられる。以下において、表面保護フィルムおよびキャリアフィルムが積層された光学機能フィルムを光学フィルム積層体と称することがある。
【0032】
図5は、光学機能フィルムを液晶パネルWに貼り合せる際の態様の一例を示した断面図である。本実施形態では、液晶パネルWの一方表面に貼り合せられる第1光学機能フィルムF11を含む第1光学フィルム積層体F1と、液晶パネルWの他方表面に貼り合せられる第2光学機能フィルムF21を含む第2光学フィルム積層体F2とが用いられる。
【0033】
第1光学フィルム積層体F1は、第1光学機能フィルムF11と、第1キャリアフィルムF12と、表面保護フィルムF13とが積層された構造を有する。本実施形態において、第1光学機能フィルムF11は偏光フィルムを有している。第1光学機能フィルムF11は、第1偏光子F11aと、その一方面に接着剤層(不図示)を介して貼り合せられた第1フィルムF11bと、その他方面に接着剤層(不図示)を介して貼り合せられた第2フィルムF11cとで構成されている。第1偏光子F11aは、例えばポリビニルアルコール(PVA)フィルムを延伸することにより形成される。ただし、第1偏光子F11aは、ポリビニルアルコールフィルム以外のフィルムを用いて形成されるものであってもよい。
【0034】
第1、第2フィルムF11b、F11cは、例えば、保護フィルム(例えばトリアセチルセルロースフィルム、PETフィルム等)である。第2フィルムF11cは、第1粘着層F14を介して液晶パネルWに貼り合わされる。第1フィルムF11bには、表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理等が挙げられる。第1キャリアフィルムF12は、第2フィルムF11cに第1粘着層F14を介して貼り合せられている。また、表面保護フィルムF13は、第1フィルムF11bに粘着層F15を介して貼り合せられている。
【0035】
また、第2光学フィルム積層体F2の積層構造は、第1光学フィルム積層体F1と同様の構成であるが、これに限定されない。第2光学フィルム積層体F2は、第2光学機能フィルムF21と、第2キャリアフィルムF22と、表面保護フィルムF23とが積層された構造を有する。本実施形態において、第2光学機能フィルムF21は偏光フィルムを有している。第2光学機能フィルムF21は、第2偏光子F21aと、その一方面に接着剤層(不図示)を介して貼り合せられた第3フィルムF21bと、その他方面に接着剤層(不図示)を介して貼り合せられた第4フィルムF21cとで構成されている。第2偏光子F21aは、例えばポリビニルアルコール(PVA)フィルムを乾燥することにより形成される。ただし、第2偏光子F21aは、ポリビニルアルコールフィルム以外のフィルムを用いて形成されるものであってもよい。
【0036】
第3、第4フィルムF21b、F21cは、例えば、保護フィルム(例えばトリアセチルセルロースフィルム、PETフィルム等)である。第4フィルムF21cは、第2粘着層F24を介して液晶パネルWに貼り合わされる。第3フィルムF21bには、表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理等が挙げられる。第2キャリアフィルムF22は、第4フィルムF21cに第2粘着層F24を介して貼り合せられている。また、表面保護フィルムF23は、第3フィルムF21bに粘着層F25を介して貼り合せられている。
【0037】
(製造フローチャート)
(1)第1連続ロール準備工程(図1、S1)。長尺の第1光学フィルム積層体F1がロール状に巻回されることにより形成された第1連続ロールR1を準備する。第1連続ロールR1の幅は、液晶パネルWの貼り合せサイズに依存している。すなわち、第1連続ロールR1は、液晶パネルWの短辺又は長辺に対応する幅の第1光学機能フィルムF11を有する第1光学フィルム積層体F1を巻回することにより形成されている。より具体的には、第1連続ロールR1は、第1光学機能フィルムF11と第1粘着層F14と第1キャリアフィルムF12とがこの順に積層された長尺原反を、液晶パネルWの短辺又は長辺に対応する幅にスリットすることにより得られた長尺の第1光学フィルム積層体F1を巻回することにより形成されている。上記長尺原反に含まれる偏光フィルムは、長手方向に沿って延伸されることにより形成されていることが好ましく、この場合には、長手方向に沿って偏光フィルムの吸収軸が形成される。当該長尺原反を長手方向に平行にスリットすることにより、長手方向に沿って精度よく吸収軸が延びる第1光学フィルム積層体F1を形成することができる。なお、本実施形態では、液晶パネルWの短辺に対応する幅の第1連続ロールR1が用いられている。
【0038】
(2)第1光学機能フィルム搬送工程(図1、S2)。第1搬送装置12が、準備され設置された第1連続ロールR1から、第1光学機能フィルムF11を含む第1光学フィルム積層体F1を繰り出し、下流側に搬送する。第1連続ロールR1から繰り出される第1光学フィルム積層体F1は、平面視で直線状に搬送されるようになっている。
【0039】
(3)第1検査工程(図1、S3)。第1光学フィルム積層体F1の欠点を第1欠点検査装置14を用いて検査する。ここでの欠点検査方法としては、第1光学フィルム積層体F1の両面に対し、透過光、反射光による画像撮影・画像処理する方法、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光フィルムの吸収軸とクロスニコルとなるように配置(0度クロスと称することがある)して画像撮影・画像処理する方法、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光フィルムの吸収軸と所定角度(例えば、0度より大きく10度以内の範囲)になるように配置(x度クロスと称することがある)して画像撮影・画像処理する方法が挙げられる。なお、画像処理のアルゴリズムとしては、例えば二値化処理による濃淡判定によって欠点を検出することができる。
【0040】
第1欠点検査装置14で得られた欠点の情報は、その位置情報(例えば、位置座標)とともに紐付けされて、制御装置に送信され、第1切断装置16による切断方法に寄与させることができる。
【0041】
(4)第1切断工程(図1、S4)。第1切断装置16は、第1連続ロールR1から引き出された第1光学フィルム積層体F1のうち少なくとも第1光学機能フィルムF11を幅方向に切断することにより、第1光学機能フィルムF11のシート片を形成する。この例では、第1キャリアフィルムF12を切断せずに、当該第1キャリアフィルムF12が貼り合せられている第1光学機能フィルムF11と、第1光学機能フィルムF11に貼り合せられている表面保護フィルムF13とを所定サイズに切断する。ただし、このような構成に限らず、例えば第1光学フィルム積層体F1を完全に切断して、枚葉の第1光学フィルム積層体F1を形成するような構成であってもよい。切断手段としては、例えば、レーザ装置、カッターなどが挙げられる。第1欠点検査装置14で得られた欠点の情報に基づいて、欠点を避けるように切断するように構成されることが好ましい。これにより、第1光学フィルム積層体F1の歩留まりが大幅に向上する。欠点を含む第1光学フィルム積層体F1は、第1排除装置(図示せず)によって排除され、液晶パネルWには貼り付けされないように構成される。本実施形態では、第1光学機能フィルムF11が液晶パネルWの長辺に対応する長さで切断されるようになっているが、第1連続ロールR1の幅が液晶パネルWの長辺に対応している場合には、液晶パネルWの短辺に対応する長さで切断されてもよい。
【0042】
これらの第1連続ロール準備工程、第1検査工程、第1切断工程のそれぞれの工程は連続した製造ラインとされることが好ましい。以上の一連の製造工程において、液晶パネルWの一方表面に貼り合せるための第1光学機能フィルムF11のシート片が形成される。以下では、液晶パネルWの他方表面に貼り合せるための第2光学機能フィルムF21のシート片を形成する工程について説明する。
【0043】
(5)第2連続ロール準備工程(図1、S11)。長尺の第2光学フィルム積層体F2がロール状に巻回されることにより形成された第2連続ロールR2を準備する。第2連続ロールR2の幅は、液晶パネルWの貼り合せサイズに依存している。すなわち、第2連続ロールR2は、液晶パネルWの長辺又は短辺に対応する幅の第2光学機能フィルムF21を有する第2光学フィルム積層体F2を巻回することにより形成されている。より具体的には、第2連続ロールR2は、第2光学機能フィルムF21と第2粘着層F24と第2キャリアフィルムF22とがこの順に積層された長尺原反を、液晶パネルWの長辺又は短辺に対応する幅にスリットすることにより得られた長尺の第2光学フィルム積層体F2を巻回することにより形成されている。上記長尺原反に含まれる偏光フィルムは、長手方向に沿って延伸されることにより形成されていることが好ましく、この場合には、長手方向に沿って偏光フィルムの吸収軸が形成される。当該長尺原反を長手方向に平行にスリットすることにより、長手方向に沿って精度よく吸収軸が延びる第2光学フィルム積層体F2を形成することができる。第2連続ロールR2は、例えば第1連続ロールR1とは異なる幅で形成されている。すなわち、第1連続ロールR1が液晶パネルWの長辺に対応する幅で形成されている場合には、第2連続ロールR2が液晶パネルWの短辺に対応する幅で形成されており、第1連続ロールR1が液晶パネルWの短辺に対応する幅で形成されている場合には、第2連続ロールR2が液晶パネルWの長辺に対応する幅で形成されている。なお、本実施形態では、液晶パネルWの長辺に対応する幅の第2連続ロールR2が用いられている。本実施形態において、「液晶パネルWの長辺又は短辺に対応させる」とは、液晶パネルWの長辺又は短辺の長さに対応する光学機能フィルムF11,F21の貼り合わせの長さ(露出部分を除いた長さ)を指し、液晶パネルWの長辺又は短辺の長さと光学機能フィルムF11,F21の幅とが同じである必要はない。
【0044】
(6)第2光学機能フィルム搬送工程(図1、S12)。第2搬送装置22が、準備され設置された第2連続ロールR2から、第2光学機能フィルムF21を含む第2光学フィルム積層体F2を繰り出し、下流側に搬送する。第2連続ロールR2から繰り出される第2光学フィルム積層体F2は、平面視で直線状に搬送されるようになっている。より具体的には、図2A及び図2Bに示すように、第1連続ロールR1から繰り出される第1光学フィルム積層体F1と、第2連続ロールR2から繰り出される第2光学フィルム積層体F2とが、平面視で互いに延長線上に延びる第1直線搬送路P1上で搬送される(フィルム搬送工程)。第1光学フィルム積層体F1及び第2光学フィルム積層体F2は、第1直線搬送路P1上を互いに逆方向に搬送されてもよいし、同方向に搬送されてもよい。本実施形態における液晶表示素子の製造システムには、上記のように第1光学フィルム積層体F1及び第2光学フィルム積層体F2の搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインL1が備えられている(図3及び図4参照)。
【0045】
(7)第2検査工程(図1、S13)。第2光学フィルム積層体F2の欠点を第2欠点検査装置24を用いて検査する。ここでの欠点検査方法は、上述した第1欠点検査装置14による方法と同様である。ただし、第1検査工程(S3)及び第2検査工程(S13)を省略することも可能である。この場合、第1連続ロールR1及び第2連続ロールR2を製造する段階で、第1光学フィルム積層体F1及び第2光学フィルム積層体F2の欠点検査が行われ、その欠点検査により得られた欠点情報が付された第1連続ロールR1及び第2連続ロールR2を用いて液晶表示素子が製造されるような構成であってもよい。
【0046】
(8)第2切断工程(図1、S14)。第2切断装置26は、第2連続ロールR2から引き出された第2光学フィルム積層体F2のうち少なくとも第2光学機能フィルムF21を幅方向に切断することにより、第2光学機能フィルムF21のシート片を形成する。この例では、第2キャリアフィルムF22を切断せずに、当該第2キャリアフィルムF22が貼り合せられている第2光学機能フィルムF21と、第2光学機能フィルムF21に貼り合せられている表面保護フィルムF23とを所定サイズに切断する。ただし、このような構成に限らず、例えば第2光学フィルム積層体F2を完全に切断して、枚葉の第2光学フィルム積層体F2を形成するような構成であってもよい。切断手段としては、例えば、レーザ装置、カッターなどが挙げられる。第2欠点検査装置24で得られた欠点の情報に基づいて、欠点を避けるように切断するように構成されることが好ましい。これにより、第2光学フィルム積層体F2の歩留まりが大幅に向上する。欠点を含む第2光学フィルム積層体F2は、第2排除装置(図示せず)によって排除され、液晶パネルWには貼り付けされないように構成される。本実施形態では、第2光学機能フィルムF21が液晶パネルWの短辺に対応する長さで切断されるようになっているが、第2連続ロールR2の幅が液晶パネルWの短辺に対応している場合には、液晶パネルWの長辺に対応する長さで切断されてもよい。
【0047】
上記のような第1光学機能フィルムF11及び第2光学機能フィルムF21のシート片をそれぞれ形成する工程と並行して、液晶パネルWを搬送する工程が行われる。液晶パネルWには、その搬送中に下記のような処理が行われる。
【0048】
(9)洗浄工程(図1、S6)。液晶パネルWは、研磨洗浄、水洗浄等によって、その表面が洗浄される。図3及び図4に示すように、洗浄後の液晶パネルWは、フィルム搬送ラインL1に対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、液晶パネルWの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインL2において、第2直線搬送路P2上を搬送される(パネル搬送工程)。第2直線搬送路P2は、少なくとも後述の第1貼合装置18と第2貼合装置28との間に延びており、平面視で第1直線搬送路P1と少なくとも一部が重なり合うように、第1直線搬送路P1に対して平行に配置されている(図2A及び図2B参照)。
【0049】
(10)第1光学機能フィルム貼合工程(図1、S5)。切断された第1光学機能フィルムF11(第1光学機能フィルムF11のシート片)は、第1キャリアフィルムF12が剥離されながら、第1貼合装置18により粘着層F14を介して液晶パネルWの一方表面に貼り合せられる。剥離部171により剥離された第1キャリアフィルムF12は、第1巻取ロール172に巻回される。貼り合せの際には、互いに対向する1対のローラ181,182の間に第1光学機能フィルムF11及び液晶パネルWを挟持して圧着する。
【0050】
(11)パネル搬送供給工程(図1、S7)。第1貼合装置18により第1光学機能フィルムF11のシート片が貼り合わせられた後の液晶パネルWは、第2直線搬送路P2に沿って第2貼合装置28に供給される。パネル搬送ラインL2には、第1光学機能フィルムF11のシート片が貼り合わせられた後の液晶パネルWを、第2光学機能フィルムF21のシート片が貼り合せられる前に、第2直線搬送路P2上で旋回させるためのパネル旋回部が設けられている。当該パネル旋回部により、液晶パネルWを上下反転させ、かつ、水平方向に90°回転させた状態とすることにより(パネル旋回工程)、第1光学機能フィルムF11及び第2光学機能フィルムF21をクロスニコルの関係(偏光フィルムの吸収軸が互いに直交する関係)で液晶パネルWに貼り合わせることができる。
【0051】
図2Aの例では、液晶パネルWを水平方向に回転させるパネル回転機構20と、液晶パネルWを上下反転させるパネル反転機構21とにより、パネル旋回部が構成されている。すなわち、液晶パネルWの上下反転及び水平方向の回転が別々に行われるようになっている。ただし、パネル回転機構20及びパネル反転機構21は、どちらが手前側に設けられていてもよい。一方、図2Bの例では、パネル旋回部200により、液晶パネルWの上下反転及び水平方向の回転が同時に行われるようになっている。
【0052】
図6は、液晶パネルWの旋回を行う方法の具体例を示した模式図である。図6(a)及び(b)は、クロスニコルの関係になるように液晶パネルWを上下反転させる方法であり、液晶パネルWの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸(軸A1又は軸A2)を中心に液晶パネルWが反転(斜め反転)される。図6(a)には、液晶パネルWの角部を通る水平な軸A1を中心に液晶パネルWが上下反転される例が示され、図6(b)には、液晶パネルWの中心部を通る水平な軸A2を中心に液晶パネルWが上下反転される例が示されている。図6(a)及び(b)のいずれにおいても、例えば軸A1,A2が液晶パネルWの搬送方向に対して45°傾斜している。図6(c)は、上下反転及び水平方向の回転を別々に行うことによりクロスニコルの関係にする方法であり、上下反転及び水平方向の回転のいずれを先に行ってもよい。図6(d)は、液晶パネルWを上下反転させながら水平方向に回転させる方法であり、パネル旋回部が、液晶パネルWを水平方向に回転させる機構と、液晶パネルWを水平な軸A3を中心に上下反転させる機構とを備えている。
【0053】
図6(a)に示す例では、パネル旋回部200に至るまでのパネル搬送ラインL2に対して、軸A1を中心に反転された後の液晶パネルWが、ライン幅の方向に変位した状態となる。本発明では、変位した液晶パネルWの搬送位置を、元のパネル搬送ラインL2の延長線上に戻して搬送してもよく、又は、そのままの搬送位置から、搬送経路がライン幅の方向にシフトした搬送ラインL2によって、継続する搬送を行ってもよい。後者の場合についても、直線の搬送ラインがライン幅の方向に位置を変えながら直線に沿って複数連結され、これにより搬送経路がライン幅の方向にシフトしつつ連続した状態で液晶パネルWを搬送するような配置となるため、本発明における「平面視で直線状となるように配置する」の概念に包含される。
【0054】
上記のようなパネル旋回部の動作により、液晶パネルWの長辺と短辺の位置関係を逆転させることができる。すなわち、動作後の液晶パネルWの長辺が動作前の短辺に平行になり、動作後の液晶パネルWの短辺が動作前の長辺に平行になる。ただし、パネル旋回部の動作は、図6の態様に限らず、他の各種態様にて液晶パネルWを旋回させることができる。
【0055】
上記実施形態では、第1貼合装置18で第1光学機能フィルムF11を貼り合せた後の液晶パネルWを、第2貼合装置28での貼り合せ方向に旋回させるようになっているが、上述の通り、第1光学機能フィルムF11よりも先に第2光学機能フィルムF21を液晶パネルWに貼り合せるようにしてもよく、この場合には、第2貼合装置28で第2光学機能フィルムF21を貼り合せた後の液晶パネルWを、第1貼合装置18での貼り合せ方向に旋回させるようになっていてもよい。
【0056】
(12)第2光学機能フィルム貼合工程(図1、S15)。切断された第2光学機能フィルムF21(第2光学機能フィルムF21のシート片)は、第2キャリアフィルムF22が剥離されながら、第2貼合装置28により粘着層F24を介して液晶パネルWの他方表面に貼り合せられる。剥離部271により剥離された第2キャリアフィルムF22は、第2巻取ロール272に巻回される。貼り合せの際には、互いに対向する1対のローラ281,282の間に第2光学機能フィルムF21及び液晶パネルWを挟持して圧着する。
【0057】
(13)液晶パネルの検査工程(図1、S16)。光学機能フィルムF11,F21が両面に貼着された液晶パネルWは、検査装置により検査される。検査方法としては、液晶パネルWの両面に対し、透過光及び反射光による画像撮影・画像処理する方法が例示される。また他の方法として、検査用偏光フィルムをCCDカメラと検査対象物との間に設置する方法も例示される。なお、画像処理のアルゴリズムとしては、例えば二値化処理による濃淡判定によって欠点を検出することができる。
【0058】
(14)検査装置で得られた欠点の情報に基づいて、液晶パネルWの良品判定がなされる。良品判定された液晶パネルWは、次の実装工程に搬送される。不良品判定された場合、リワーク処理が施され、新たに光学機能フィルムF11,F21が貼られ、次いで検査され、良品判定の場合、実装工程に移行し、不良品判定の場合、再度リワーク処理に移行するかあるいは廃棄処分される。
【0059】
以上の一連の製造工程において、第1光学機能フィルムF11の貼合工程と第2光学機能フィルムF21の貼合工程とを連続した製造ラインとすることによって、液晶表示素子を好適に製造することができる。
【0060】
上記第1及び第2切断工程では、キャリアフィルムF12,F22を切断せずに、光学フィルム積層体F1,F2のその他の部材を切断する方式(ハーフカット方式)について説明した。しかし、このような構成に限らず、例えば光学フィルム積層体F1,F2におけるキャリアフィルムF12,F22以外の部材が予め切断されることにより、キャリアフィルムF12,F22上に光学機能フィルムF11,F21のシート片が保持されたハーフカット済みの連続ロールを用いることも可能である。この場合、連続ロールは、長方形状の液晶パネルWの短辺又は長辺に対応する幅に長尺原反をスリットすることにより得られた長尺の光学フィルム積層体F1,F2を、キャリアフィルムF12,F22を除いて光学機能フィルムF11,F21及び粘着層F14,F24を液晶パネルWの長辺又は短辺に対応する長さに切断した状態で巻回することにより形成される。このような連続ロールから光学フィルム積層体F1,F2を引き出して、キャリアフィルムF12,F22を剥離しながら、粘着層F14,F24を介して光学機能フィルムF11,F21のシート片を液晶パネルWの表面に貼り合せることにより、液晶表示素子を製造することができる。また、光学機能フィルムF11,F21を切断した後に貼り合せるような構成に限らず、貼り合せ中又は貼り合せ後に切断するような構成であってもよい。
【0061】
図7は、フィルム搬送ラインL1とパネル搬送ラインL2の位置関係を示した概略斜視図である。この図7にも示すように、本実施形態では、パネル旋回部で液晶パネルWを旋回させることにより、第1連続ロールR1及び第2連続ロールR2から繰り出される光学機能フィルムF11,F21を平面視で直線状に配置されたフィルム搬送ラインL1で搬送し、かつ、フィルム搬送ラインL1に対して上側に位置するように重畳的に配置された平面視で直線状のパネル搬送ラインL2で液晶パネルWを搬送することができる。すなわち、平面視で一直線状に延びるフィルム搬送ラインL1及びパネル搬送ラインL2に沿って光学機能フィルムF11,F21及び液晶パネルWが搬送されることにより、図2A及び図2Bに示すようなI字状の製造ラインとすることができるので、L字状の製造ラインなどと比較して、設置スペースをより小さくすることができる。
【0062】
特に、本実施形態では、フィルム搬送ラインL1に対して上方にパネル搬送ラインL2が配置され、第1連続ロールR1及び第2連続ロールR2から繰り出される光学機能フィルムF11,F21が、いずれも下側から液晶パネルWに貼り合せられるようになっている。これにより、液晶パネルWの貼り合わせ面に異物が落下するのを防止することができ、貼り合わせを良好に行うことができる。
【0063】
また、図6(a)及び(b)のように、液晶パネルWの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸(軸A1又は軸A2)を中心に液晶パネルWを反転させる場合や、図6(d)のように、液晶パネルWの上下反転及び水平方向の回転を同時に行う場合には、図6(c)のように液晶パネルWの上下反転及び水平方向の回転を別々に行う場合と比較して、パネル旋回部の長さを短くすることができるので、設置スペースをさらに小さくすることができる。このような効果は、液晶ディスプレイが横長大型化した場合には、より顕著になる。特に、図6(a)及び(b)に例示されるような構成では、液晶パネルWの上下反転及び水平方向の回転を別々に行う場合と同様の効果を単一の動作で実現することができる。
【0064】
さらに、本実施形態では、製造ライン全体が隔壁構造50内に配置されている。これにより、フィルム搬送ラインL1及びパネル搬送ラインL2が隔壁構造50内に配置されており、外部からの異物の混入を防止し、貼り合わせをより良好に行うことができる。隔壁構造50は、例えば透明板を箱状に組み立てることにより形成することができる。
【0065】
本実施形態では、隔壁構造50の上部に、当該隔壁構造50内に空気を循環させるための空気循環装置40が備えられている。本実施形態における空気循環装置40は、隔壁構造50内に空気を送り込むものであり、送り込まれた空気は、隔壁構造50内を上方から下方へと流れ、当該隔壁構造50の下部に形成された開口部50aから排出されるようになっている。これにより、隔壁構造50内に空気を循環させて隔壁構造50内を清浄化することができる。このように隔壁構造50内に空気を循環させる場合には、L字状の製造ラインなどと比較して、本実施形態のようなI字状の製造ラインの方が空気の流れがよい。そのため、塵埃の滞留を防止して、製造中の連続ロールR1,R2及び液晶パネルWの清浄度を維持することができるとともに、温度及び湿度の条件を良好に管理することができる。
【実施例】
【0066】
以下では、平面視において異なる形状(I字状、L字状、H字状など)からなる製造ラインを用いて、それぞれ異なる内部構成で液晶セルWに光学機能フィルムF11,F21を貼り合わせることにより液晶表示素子を製造し、それらの液晶表示素子の異物発生率を測定した結果について説明する。液晶パネルWとしては、大型パネル(例えば、32インチ以上)の一例として、40インチのものを用いた。
【0067】
図8A及び図8Bは、製造ラインの構成例を示した概略平面図である。図8A(a)及び(b)は、上記実施形態と同様の構成からなるI字状(直線ライン構造)の製造ラインであり、第1連続ロールR1及び第2連続ロールR2から繰り出される光学機能フィルムF11,F21が平面視で互いに延長線上に延びる第1直線搬送路P1上で搬送され、かつ、平面視で当該第1直線搬送路P1と少なくとも一部が重なり合う第2直線搬送路P2上を液晶パネルWが搬送されるようになっている。図8A(a)では、光学機能フィルムF11,F21の搬送方向が逆方向である。これに対して、図8A(b)では、光学機能フィルムF11,F21の搬送方向が同方向であり、その方向が液晶パネルWの搬送方向と一致している。図8A(b)のように、光学機能フィルムF11,F21及び液晶パネルWの搬送方向が全て同じ方向であれば、前後の工程との連結が容易であるとともに、連続ロールR1,R2の設置位置や光学機能フィルムF11,F21の搬送機構を下側に集約することができるので、さらなる省スペース化を実現できる。
【0068】
図8B(a)は、L字状の製造ラインであり、第1連続ロールR1及び第2連続ロールR2から繰り出される光学機能フィルムF11,F21の搬送路P11が平面視で互いに直交し、かつ、平面視でL字状の搬送路P12上を液晶パネルWが搬送されるようになっている。図7B(b)は、H字状の製造ラインであり、第1連続ロールR1及び第2連続ロールR2から繰り出される光学機能フィルムF11,F21の搬送路P21が平面視で互いに平行に延び、かつ、それらの搬送路P21に跨る平面視でU字状の搬送路P22上を液晶パネルWが搬送されるようになっている。図8A(a)、図8A(b)及び図8B(b)に示すような構成では、光学機能フィルムF11,F21をクロスニコルの関係で貼り合わせるために、液晶パネルWを水平方向に回転させる必要があるが、図8B(a)に示すような構成では、液晶パネルWを水平方向に回転させる必要がない。
【0069】
(実施例1)
実施例1では、図8A(a)に示すようなI字状の製造ラインを用いて、図6(c)と同様の構成により、液晶パネルWの上下反転及び水平方向の回転を別々に行い、液晶パネルWに対して光学機能フィルムF11,F21をいずれも下側から貼り合わせた。この製造ラインでは、縦幅W1が30.0m、横幅W2が2.0mであり、貼り合わせ領域の設置面積は60.0m、貼り合わせ領域のライン長は30.0mである。この製造ラインを用いて製造した液晶表示素子100枚のうち、異物の発生により不良品と判定された枚数の割合は、1.2%であった。
【0070】
(実施例2)
実施例2では、図8A(a)に示すようなI字状の製造ラインを用いて、図6(a)又は(b)と同様の構成により、液晶パネルWの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸(軸A1又は軸A2)を中心に液晶パネルWを反転(斜め反転)させ、液晶パネルWに対して光学機能フィルムF11,F21をいずれも下側から貼り合わせた。この製造ラインでは、縦幅W1が28.0m、横幅W2が2.0mであり、貼り合わせ領域の設置面積は56.0m、貼り合わせ領域のライン長は28.0mである。液晶パネルWの上下反転及び水平方向の回転を別々に行う場合と同様の効果を単一の動作で実現することができるため、実施例1のように上下反転及び水平方向の回転を別々に行う構成と比較して、縦幅W1が2.0m短縮されている。この製造ラインを用いて製造した液晶表示素子100枚のうち、異物の発生により不良品と判定された枚数の割合は、1.1%であった。このような結果は、図6(d)のように液晶パネルWの上下反転及び水平方向の回転を同時に行うような構成においても同様に得られるものと推察される。
【0071】
(比較例1)
比較例1では、図8B(a)に示すようなL字状の製造ラインを用いて、液晶パネルWの水平方向の回転は行わずに上下反転のみを行い、液晶パネルWに対して光学機能フィルムF11,F21をいずれも下側から貼り合わせた。この製造ラインでは、縦幅W1が12.5m、横幅W2が12.5mであり、貼り合わせ領域の設置面積は156.3m、貼り合わせ領域のライン長は23.0mである。この製造ラインを用いて製造した液晶表示素子100枚のうち、異物の発生により不良品と判定された枚数の割合は、4.5%であり、異物の発生率が比較的高いことが分かった。
【0072】
(比較例2)
比較例2では、図8B(b)に示すようなH字状の製造ラインを用いて、液晶パネルWの上下反転は行わずに水平方向の回転のみを行い、液晶パネルWに対して光学機能フィルムF11,F21の一方を上側から貼り合わせるとともに、他方を下側から貼り合わせた。この製造ラインでは、縦幅W1が15.0m、横幅W2が7.0mであり、貼り合わせ領域の設置面積は105.0m、貼り合わせ領域のライン長は35.0mである。この製造ラインを用いて製造した液晶表示素子100枚のうち、異物の発生により不良品と判定された枚数の割合は、6.9%であり、異物の発生率が比較的高いことが分かった。
【0073】
(比較例3)
比較例3では、図8B(a)に示すようなL字状の製造ラインを用いて、液晶パネルWの上下反転及び水平方向の回転をいずれも行わず、液晶パネルWに対して光学機能フィルムF11,F21の一方を上側から貼り合わせるとともに、他方を下側から貼り合わせた。この製造ラインでは、縦幅W1が12.5m、横幅W2が14.0mであり、貼り合わせ領域の設置面積は175.0m、貼り合わせ領域のライン長は24.5mである。液晶パネルWに対する光学機能フィルムF11,F21の貼り合わせ方向(上側又は下側)が異なることにより、光学機能フィルムF11,F21の引き回しに余分なスペースが必要となるため、比較例1と比べて横幅W2が1.5mだけ長くなっている。この製造ラインを用いて製造した液晶表示素子100枚のうち、異物の発生により不良品と判定された枚数の割合は、7.6%であり、異物の発生率が比較的高いことが分かった。
【0074】
以上のような異物発生率の測定結果は、下記表1の通りである。
【表1】

【0075】
図9A及び図9Bは、連続ロールR1,R2及び巻取ロール172,272の他の配置例を示した概略側面図である。図9A及び図9Bのいずれの例においても、パネル搬送ラインL2における液晶パネルWの搬送方向に平行な方向に沿って、第1巻取ロール172及び第1連続ロールR1がこの順序で並べて配置され、第2巻取ロール272及び第2連続ロールR2がこの順序で並べて配置されている。
【0076】
具体的には、図9Aの例では、各連続ロールR1,R2から光学フィルム積層体F1,F2がそれぞれ液晶パネルWの搬送方向とは逆方向に繰り出され、剥離部171,271により剥離された各キャリアフィルムF12,F22は、それぞれ液晶パネルWの搬送方向とは逆方向に搬送されて巻取ロール172,272に巻き取られるようになっている。一方、図9Bの例では、各連続ロールR1,R2から光学フィルム積層体F1,F2がそれぞれ液晶パネルWの搬送方向と同方向に繰り出され、剥離部171,271により剥離された各キャリアフィルムF12,F22は、それぞれ液晶パネルWの搬送方向とは逆方向に搬送されて各連続ロールR1,R2の上側を通過し、巻取ロール172,272に巻き取られるようになっている。
【0077】
図9A及び図9Bに例示されるような構成によれば、第1連続ロールR1から第1光学フィルム積層体F1を繰り出す高さと、第1巻取ロール172により第1キャリアフィルムF12を巻き取る高さとを同じ高さにすることができるとともに、第2連続ロールR2から第2光学フィルム積層体F2を繰り出す高さと、第2巻取ロール272により第2キャリアフィルムF22を巻き取る高さとを同じ高さにすることができる。これにより、連続ロールR1,R2及び巻取ロール172,272の着脱を容易にすることができる。例えば、着脱装置を用いて連続ロールR1,R2及び巻取ロール172,272を着脱する場合には、着脱装置の高さ調整を行う必要がないため、作業性が向上する。
【0078】
なお、図9A及び図9Bの例では、パネル旋回部200が示されているが、パネル回転機構20及びパネル反転機構21が別個に設けられた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
12 第1搬送装置
14 第1欠点検査装置
16 第1切断装置
18 第1貼合装置
20 パネル回転機構
21 パネル反転機構
22 第2搬送装置
24 第2欠点検査装置
26 第2切断装置
28 第2貼合装置
50 隔壁構造
200 パネル旋回部
F1 第1光学フィルム積層体
F11 第1光学機能フィルム
F12 第1キャリアフィルム
F2 第2光学フィルム積層体
F21 第2光学機能フィルム
F22 第2キャリアフィルム
L1 フィルム搬送ライン
L2 パネル搬送ライン
P1 第1直線搬送路
P2 第2直線搬送路
R1 第1連続ロール
R2 第2連続ロール
W 液晶パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムを巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムを繰り出して、幅方向に前記光学機能フィルムを切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造システムであって、
前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインと、
前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインと、
前記パネル搬送ライン中に設けられ、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために上下反転及び水平方向に回転させるパネル旋回部とを備える直線ライン構造の液晶表示素子の製造システム。
【請求項2】
それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムを巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムを繰り出して、幅方向に前記光学機能フィルムを切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造システムであって、
前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインと、
前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインと、
前記パネル搬送ライン中に設けられ、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために、前記液晶パネルの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸を中心に反転させるパネル旋回部とを備える直線ライン構造の液晶表示素子の製造システム。
【請求項3】
前記液晶表示素子の製造システムは、それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムをキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルム及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記キャリアフィルムを切断せずに前記光学機能フィルムを幅方向に切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造システムであって、
前記フィルム搬送ラインには、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから繰り出され、前記光学機能フィルムのシート片が剥離された後の前記キャリアフィルムを巻き取るための第1巻取ロール及び第2巻取ロールが設けられており、
前記パネル搬送ラインにおける前記液晶パネルの搬送方向に平行な方向に沿って、前記第1巻取ロール及び前記第1連続ロールがこの順序で並べて配置され、前記第2巻取ロール及び前記第2連続ロールがこの順序で並べて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の直線ライン構造の液晶表示素子の製造システム。
【請求項4】
それぞれ偏光フィルムを含む光学機能フィルムのシート片をキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムのシート片及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造システムであって、
前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインと、
前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインと、
前記パネル搬送ライン中に設けられ、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために上下反転及び水平方向に回転させるパネル旋回部とを備える直線ライン構造の液晶表示素子の製造システム。
【請求項5】
それぞれ偏光フィルムを含む光学機能フィルムのシート片をキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムのシート片及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造システムであって、
前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインと、
前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインと、
前記パネル搬送ライン中に設けられ、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために、前記液晶パネルの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸を中心に反転させるパネル旋回部とを備える直線ライン構造の液晶表示素子の製造システム。
【請求項6】
前記フィルム搬送ラインには、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから繰り出され、前記光学機能フィルムのシート片が剥離された後の前記キャリアフィルムを巻き取るための第1巻取ロール及び第2巻取ロールが設けられており、
前記パネル搬送ラインにおける前記液晶パネルの搬送方向に平行な方向に沿って、前記第1巻取ロール及び前記第1連続ロールがこの順序で並べて配置され、前記第2巻取ロール及び前記第2連続ロールがこの順序で並べて配置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の直線ライン構造の液晶表示素子の製造システム。
【請求項7】
前記フィルム搬送ライン及び前記パネル搬送ラインが、隔壁構造内に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液晶表示素子の製造システム。
【請求項8】
それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムを巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムを繰り出して、幅方向に前記光学機能フィルムを切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造方法であって、
前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインにおいて、前記光学機能フィルムをそれぞれ搬送するフィルム搬送工程と、
前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインにおいて、前記液晶パネルを搬送するパネル搬送工程と、
前記パネル搬送ライン中に設けられたパネル旋回部により、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために上下反転及び水平方向に回転させるパネル旋回工程とを含む液晶表示素子の製造方法。
【請求項9】
それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムを巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムを繰り出して、幅方向に前記光学機能フィルムを切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造方法であって、
前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインにおいて、前記光学機能フィルムをそれぞれ搬送するフィルム搬送工程と、
前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインにおいて、前記液晶パネルを搬送するパネル搬送工程と、
前記パネル搬送ライン中に設けられたパネル旋回部により、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために、前記液晶パネルの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸を中心に反転させるパネル旋回工程とを含む液晶表示素子の製造方法。
【請求項10】
前記液晶表示素子の製造方法は、それぞれ偏光フィルムを含む長尺の光学機能フィルムをキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルム及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記キャリアフィルムを切断せずに前記光学機能フィルムを幅方向に切断することによって形成された光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造方法であって、
前記フィルム搬送ラインには、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから繰り出され、前記光学機能フィルムのシート片が剥離された後の前記キャリアフィルムを巻き取るための第1巻取ロール及び第2巻取ロールが設けられており、
前記パネル搬送ラインにおける前記液晶パネルの搬送方向に平行な方向に沿って、前記第1巻取ロール及び前記第1連続ロールがこの順序で並べて配置され、前記第2巻取ロール及び前記第2連続ロールがこの順序で並べて配置されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項11】
それぞれ偏光フィルムを含む光学機能フィルムのシート片をキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムのシート片及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造方法であって、
前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインにおいて、前記光学機能フィルムをそれぞれ搬送するフィルム搬送工程と、
前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインにおいて、前記液晶パネルを搬送するパネル搬送工程と、
前記パネル搬送ライン中に設けられたパネル旋回部により、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために上下反転及び水平方向に回転させるパネル旋回工程とを含む液晶表示素子の製造方法。
【請求項12】
それぞれ偏光フィルムを含む光学機能フィルムのシート片をキャリアフィルムに貼り合わせた状態で巻回することにより形成された幅の異なる第1連続ロール及び第2連続ロールから、前記光学機能フィルムのシート片及び前記キャリアフィルムを繰り出して、前記光学機能フィルムのシート片を前記キャリアフィルムから剥離して長方形状の液晶パネルの両面に貼り合わせることにより、液晶表示素子を製造するための液晶表示素子の製造方法であって、
前記第1連続ロール及び第2連続ロールから前記光学機能フィルムを繰り出して、それらの光学機能フィルムの搬送が平面視で直線状となるように配置されたフィルム搬送ラインにおいて、前記光学機能フィルムをそれぞれ搬送するフィルム搬送工程と、
前記フィルム搬送ラインに対して上側に位置するように重畳的に配置され、かつ、前記液晶パネルの搬送が平面視で直線状となるように配置されたパネル搬送ラインにおいて、前記液晶パネルを搬送するパネル搬送工程と、
前記パネル搬送ライン中に設けられたパネル旋回部により、一方の光学機能フィルムのシート片が下側から貼り合わせられた後の液晶パネルを、他方の光学機能フィルムのシート片を下側から貼り合せるために、前記液晶パネルの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸を中心に反転させるパネル旋回工程とを含む液晶表示素子の製造方法。
【請求項13】
前記フィルム搬送ラインには、前記第1連続ロール及び第2連続ロールから繰り出され、前記光学機能フィルムのシート片が剥離された後の前記キャリアフィルムを巻き取るための第1巻取ロール及び第2巻取ロールが設けられており、
前記パネル搬送ラインにおける前記液晶パネルの搬送方向に平行な方向に沿って、前記第1巻取ロール及び前記第1連続ロールがこの順序で並べて配置され、前記第2巻取ロール及び前記第2連続ロールがこの順序で並べて配置されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項14】
前記フィルム搬送ライン及び前記パネル搬送ラインが、隔壁構造内に配置されていることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の液晶表示素子の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2012−83690(P2012−83690A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251958(P2010−251958)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【特許番号】特許第4723044号(P4723044)
【特許公報発行日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】