液晶表示素子及びその製造方法
【課題】ラビング配向法及び光配向法の問題点を全て解決できる液晶表示素子の製造方法及びその方法によって製造される液晶表示素子を提供する。
【解決手段】第1基板及び第2基板100,200と;前記両基板100,200のうち少なくとも一つの基板上に形成された配向膜300a,300bと;前記両基板100,200の間に形成された液晶層400と;を含んで構成され、前記配向膜300a,300bは、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなる液晶表示素子を提供する。
【解決手段】第1基板及び第2基板100,200と;前記両基板100,200のうち少なくとも一つの基板上に形成された配向膜300a,300bと;前記両基板100,200の間に形成された液晶層400と;を含んで構成され、前記配向膜300a,300bは、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなる液晶表示素子を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子に関するもので、詳しくは、液晶表示素子における液晶の初期配向のための配向膜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示画面の厚さが数センチメートル(cm)に過ぎない超薄型の平板表示素子のうち液晶表示素子は、低い動作電圧によって消費電力が少なく、携帯用として用いられるなどの利点があり、ノートブックコンピュータ、モニター、宇宙船、航空機などの分野で広く応用されている。
【0003】
一般に、液晶表示素子は、カラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ基板と、このカラーフィルタ基板と対向し、薄膜トランジスタが形成された薄膜トランジスタ基板と、前記両基板の間に形成された液晶層と、を含んで構成される。
【0004】
上記の液晶表示素子では、前記液晶層の配向が電圧印加によって変更されて光の透過度が調節されることで、画像が再現される。したがって、電圧印加のために、前記薄膜トランジスタ基板及び/またはカラーフィルタ基板に電極が形成される。このとき、薄膜トランジスタ基板に画素電極が配置され、カラーフィルタ基板に共通電極が配置されることで、両基板の間に垂直電界が形成されるか(例えば、ツイストネマティック(TN)モード)、薄膜トランジスタ基板に画素電極及び共通電極が平行に配置されて水平電界が形成される(例えば、水平配列(IPS)モード)。
【0005】
図1は、一般的なTNモード液晶表示素子を示した分解斜視図である。
【0006】
図1に示すように、薄膜トランジスタ基板10にはゲートライン12とデータライン14とが交差形成され、その交差領域に薄膜トランジスタTが形成される。画素電極16は、薄膜トランジスタTに連結形成される。また、カラーフィルタ基板20には、光の漏洩を防止するための遮光層22が形成され、遮光層22の間にR、G、Bのカラーフィルタ層24が形成され、前記カラーフィルタ基板20上に共通電極25が形成される。
【0007】
ここで、薄膜トランジスタ基板10に形成された画素電極16と、カラーフィルタ基板20に形成された共通電極25と、の間には、垂直電界が形成され、それによって液晶の配向方向が調節される。
【0008】
その後、上記のように構成された両基板10,20は、合着されて一つの液晶パネルを形成するが、このとき、両基板10,20の間には液晶層が形成される。
【0009】
一方、前記液晶層が両基板10,20の間に任意に配列される場合、液晶層の一貫した分子配列を得られにくいので、図示してないが、薄膜トランジスタ基板10及びカラーフィルタ基板20には、液晶の初期配向のための配向膜が形成される。
【0010】
液晶の初期配向のための配向膜を形成する方法には、ラビング配向法及び光配向法がある。
【0011】
ラビング配向法は、基板上にポリイミドなどの有機高分子を薄膜の形態で塗布した後、ラビング布が巻かれたラビングロールを回転して有機高分子をこすることで、有機高分子を一定の方向に整列する方法である。
【0012】
しかしながら、ラビング配向法には、次のような短所がある。
【0013】
第一に、ラビング布の配列が乱れる場合、光漏れが発生するという問題がある。
【0014】
図2は、ラビング布の配列が乱れる場合を概略的に示した斜視図である。
【0015】
上述したように、基板上には、薄膜トランジスタ、カラーフィルタ層及び電極層などの構造物が形成されるので、図2に示すように、ラビングロール30が基板10,20上に形成された前記構造物上で回転するとき、ラビングロール30に巻かれたラビング布32の一部32aにおける配列が乱れるようになる。よって、ラビング布が乱れると、その乱れたラビング布によるラビング領域では有機高分子の側鎖が整列できなくなり、その領域における液晶の配向が均一でないため、光漏れが発生するようになる。
【0016】
第二に、ラビング布が基板と接触できない場合、光漏れが発生するという問題がある。
【0017】
図3は、ラビング布が基板と接触できない場合の液晶配列状態を概略的に示した斜視図である。
【0018】
上述したように、基板上には、画素電極及び共通電極などの電極層が形成される。したがって、図3に示すように、基板10上の電極層の段差によってラビング布32が基板と接触できない領域(A領域)が生じる。この場合、その領域(A領域)における液晶の配向が均一でないため、光漏れ現象が発生することになる。
【0019】
特に、TNモードによる液晶表示素子の場合、画素電極及び共通電極が画素領域内でそれぞれ別途の基板に形成されるので、段差の発生領域が少ないが、IPSモードによる液晶表示素子の場合、画素電極及び共通電極が画素領域内で同じ基板に平行に反復形成されるので、段差の発生領域が多く存在し、前記光漏れ現象が一層大きな問題となる。
【0020】
上記のようなラビング配向法の問題点は、全てラビングロールと基板との間の物理的な接触によって発生するものである。
【0021】
それゆえ、最近は、上記のラビング配向法の問題点を解決するために、物理的な接触を要しない配向膜の製造方法が多様に研究されつつある。そのうち、偏光されたUVを高分子フィルムに照射することで配向膜を製造する光配向法が提案された。液晶配向が起きるためには、配向膜に構造的な非等方性を持たせるべきであるが、この非等方性は、高分子フィルムが、偏光されたUVによって非等方的に反応することで得られる。
【0022】
しかしながら、上記の光配向法は、上述したラビング配向法と関連した問題は解決できるが、アンカリング強度が低いという致命的な欠陥がある。より具体的に説明すると、ラビング配向法は、上述したように、有機高分子の側鎖が一定の方向に整列されるので、側鎖と液晶との間の化学的相互作用によって液晶の配向が調節されるとともに、ラビングによって基板の表面に規則的なグルーブが生成されるため、グルーブと液晶との間の機械的相互作用によって液晶の配向が調節される。それに反して、光配向法は、基板の表面にグルーブが生成されず、ただ、光反応による高分子フィルムと液晶との間の化学的相互作用によって液晶の配向が調節される。したがって、光配向法は、ラビング配向法に比べると、アンカリング強度が低く残像が発生するという問題がある。
【0023】
上記のように光配向法で発生する残像の問題は、生産ラインに適用しにくい程度であるので、上述した光漏れの問題点にもかかわらず、大量生産ラインにはラビング配向法が適用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、より高品質の液晶表示素子に対する消費者の要求が日々に増加しつつある現時点では、前記ラビング配向法及び光配向法の問題点を全て解決できる新しい方式による液晶配向法の開発、または、それぞれの配向法で発生する問題点を最小化するための修正方案などの研究が一層要求されている。
【0025】
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、その目的は、前記ラビング配向法及び光配向法の問題点を全て解決できる液晶表示素子の製造方法及びその方法によって製造される液晶表示素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的を達成するために、本発明は、第1基板及び第2基板を準備する工程と;前記両基板のうち少なくとも一つの基板上に配向膜を塗布する工程と;前記配向膜が塗布された基板上にラビングを行う工程と;前記配向膜が塗布された基板上に、偏光されたUVを照射する工程と;を含んで構成され、前記配向膜は、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法を提供する。
【0027】
また、本発明は、 第1基板及び第2基板と;前記両基板のうち少なくとも一つの基板上に形成された配向膜と;前記両基板の間に形成された液晶層と;を含んで構成され、前記配向膜は、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
【0028】
本発明の第一の特徴は、ラビング配向法と光配向法とを組み合わせることで、従来の問題点を全て解消した点にある。すなわち、ラビング配向法でラビング布の配列が乱れる場合、または、ラビング布が基板と接触できない場合に、その領域で配向膜が一定の配向方向に整列できない問題を解決するために、光配向法を適用して整列するとともに、光配向法のみを適用するときの低いアンカリング問題を解決するために、ラビング配向法を適用した。
【0029】
本発明の第二の特徴は、光配向法のうち光重合反応を適用した点にある。したがって、本発明の配向膜には、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質が用いられる。以下、まず、光配向法に対して説明した後、本発明の光配向法のうち光重合反応を適用した理由を説明する。
【0030】
光配向法は、用いられる配向物質のUVに対する反応の種類によって、光分解、光重合(二量体形成)(photo−dimerization)などに分けられる。
【0031】
光分解反応の場合は、図4に示すように、高分子配向膜に、偏光されたUVを照射すると、偏光方向に位置した側鎖の結合が分解され、結局、偏光方向に垂直な方向の側鎖のみが残るようになり、その方向に液晶が配向される。
【0032】
また、光重合反応の場合は、図5に示すように、偏光されたUVを照射すると、偏光方向と並んだ二重結合(矢印で表示された結合)が破れて隣接した分子と結合し、このとき、二重結合の外にあった側鎖が主鎖と並んで整列されるようになり、結局、異方性が誘導される方向(偏光方向に垂直方向または水平方向)に配向される。
【0033】
ここで、光配向法のうち光分解反応を適用すると、次のような問題点が発生する。第一に、ラビングによって良好に整列された配向膜の結合が分解され、アンカリング強度が低くなる。第二に、光分解によって不純物が生じるようになり、この不純物によって残像が発生する。第三に、光分解によって生じる不純物による残像問題を解決するために、前記不純物を除去する工程が追加されるとともに、高分子物質の不純物を除去するための洗浄液の開発も必要となる。
【0034】
したがって、本発明では、光配向法のうち光重合反応を適用することで、ラビング配向法及び光重合反応による光配向法を同時に適用できる配向膜を提供する。
【0035】
前記配向膜は、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなるもので、前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、シンナモイル系、カルコン系、クマリン系、マレイミド系物質からなる群から選択されることが好ましい。
【0036】
前記高分子主鎖は、ポリイミド系、ポリアミック酸系、ポリアミド系、ポリノルボルネン系、ポリアミドイミド系、ポリビニル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリレート系、ポリ(ビニルクロライド)系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリチオエーテル系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリウレア系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリアセタル系、ポリ(ビニルアセテート)系からなる群から選択された高分子物質であることが好ましい。
【0037】
一方、本発明の製造方法では、前記ラビング工程及びUV照射工程を同時に行うこともできるし、ラビング工程を先に、または、UV照射工程を先に行うこともできる。
【0038】
また、前記UV照射工程は、配向膜が塗布された基板の全面に行うこともでき、前記配向膜が塗布された基板上の段差発生領域のみに行うこともできる。すなわち、基板に段差が形成された場合、ラビング布が基板と接触できないので、段差形成領域のみに偏光されたUVを照射することもでき(換言すると、段差形成領域以外の領域にマスクを被せ、偏光された光を照射することもでき)、基板に段差が形成されるとともに、ラビング布の配列が乱れた場合は、基板の全面に偏光されたUVを照射することが好ましい。
【0039】
前記段差形成領域のみに偏光されたUVを照射する場合、段差形成領域は、基板が薄膜トランジスタ基板であるか、または、カラーフィルタ基板であるかによって相異なり、かつ、同じ基板であっても、液晶表示素子がTNモードであるか、または、IPSモードであるかによって相異なる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によって製造された液晶表示素子は、ラビング工程を行うので、アンカリング強度が高く残像が発生せず、偏光されたUV照射工程を行うので、ラビング配向法でラビング布の配列が乱れる場合、または、ラビング布が基板と接触できない場合に発生する光漏れ問題を解決できるという効果がある。
【0041】
さらに、配向膜として、光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質を用いることで、UV照射によって光分解産物が生じないため、不純物による残像問題及び追加的な洗浄問題が発生しないという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0043】
液晶表示素子
【0044】
図6は、本発明の一実施形態に係る液晶表示素子を概略的に示した断面図である。
【0045】
図6に示すように、本発明の一実施形態に係る液晶表示素子は、下部基板100と、上部基板200と、前記両基板100,200上に形成された配向膜300a,300bと、前記両基板100,200の間に形成された液晶層400と、を含んで構成される。
【0046】
前記下部基板100及び上部基板200の構造は具体的に示してないが、液晶表示素子のモードによって、当業者にとって自明な範囲内で多様に変更できる。
【0047】
例えば、液晶表示素子がTNモードである場合、前記下部基板100上には、互いに交差形成されて画素領域を定義するゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線とデータ配線との交差領域に形成され、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を含んで構成される薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタのドレイン電極に連結される画素電極と、が含まれ、前記上部基板200上には、光の漏洩を防止する遮光層と、該遮光層上に形成された緑色、赤色、青色のカラーフィルタ層と、前記カラーフィルタ層の上部に形成された共通電極と、が含まれる。
【0048】
一方、液晶表示素子がIPSモードである場合、前記下部基板100上には、互いに交差形成されて画素領域を定義するゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線とデータ配線との交差領域に形成され、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を含んで構成される薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタのドレイン電極に連結される画素電極と、該画素電極と平行に形成される共通電極と、が含まれ、前記上部基板200上には、光の漏洩を防止する遮光層と、該遮光層上に形成された緑色、赤色、青色のカラーフィルタ層と、該カラーフィルタ層の上部に形成されたオーバーコート層と、が含まれる。
【0049】
その他に、図示してないが、前記両基板100,200の間のセルギャップを均一に維持するために、前記両基板100,200の間にスペーサーが形成される。該スペーサーには、ボールスペーサーまたはカラムスペーサーなどが適用される。
【0050】
前記配向膜300a,300bは、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなるが、以下、項に分けて一層具体的に説明する。
【0051】
1.UVによって光重合反応を起こす光反応基
【0052】
前記光反応基は、シンナモイル系、カルコン系、クマリン系、マレイミド系物質からなる群から選択されることが好ましい。
【0053】
(1)前記シンナモイル系化合物は、下記の化学式で表現される化合物であることが好ましい。
【0054】
【化1】
【0055】
ここで、前記Xは、-((CH2)nO)m-、-O((CH2)nO)m-、
【化2】
からなる群から選択され(前記m及びnは、0〜10の整数)、前記Yは、
【化3】
からなる群から選択され、前記Yにおいて、前記1乃至9は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化4】
からなるグループから選択されることが好ましい(前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【0056】
(2)前記カルコン系化合物は、下記の化学式で表現される化合物であることが好ましい。
【0057】
【化5】
【0058】
ここで、前記nは、0〜10の整数で、前記1乃至5は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化6】
からなるグループから選択されることが好ましい(前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【0059】
(3)前記クマリン系化合物は、下記の化学式で表現される化合物であることが好ましい。
【0060】
【化7】
【0061】
ここで、前記1乃至6は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化8】
からなるグループから選択されることが好ましい(前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【0062】
(4)前記マレイミド系化合物は、下記の化学式で表現される化合物であることが好ましい。
【0063】
【化9】
【0064】
ここで、前記Yは、
【化10】
からなる群から選択され(前記nは、0〜10の整数)、前記1及び2は、-H、-F、-CH3、-CF3、-CN、
【化11】
及び
【化12】
からなる群から選択されることが好ましい。
【0065】
2.高分子主鎖
【0066】
高分子主鎖は、ポリイミド系、ポリアミック酸系、ポリアミド系、ポリノルボルネン系、ポリアミドイミド系、ポリビニル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリレート系、ポリ(ビニルクロライド)系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリチオエーテル系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリウレア系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリアセタル系、ポリ(ビニルアセテート)系からなる群から選択された高分子物質であることが好ましいが、さらに、下記の化学式で表示されるポリイミド系またはポリアミック酸系化合物であることが好ましい。
【0067】
【化13】
(ここで、m+n=1、0≦m≦1、0≦n≦1である。)
【0068】
前記化学式のポリイミド系またはポリアミック酸系化合物は、アミンと酸二無水物との反応によって製造されることが好ましい。
【0069】
(1)前記酸二無水物は、
【化14】
からなる群から選択された物質であることが好ましい。
【0070】
(2)前記アミンは、下記の(イ)乃至(ホ)の化合物からなる群から選択された物質であることが好ましい。
【0071】
(イ)
【化15】
【0072】
ここで、前記X1は、O、CO、
【化16】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化17】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化18】
からなる群から選択され、前記X1は、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなる。
【0073】
(ロ)
【化19】
【0074】
ここで、前記R1及びR2は、(CH2)n(n=0〜10の整数)または
【化20】
である。
【0075】
(ハ)
【化21】
【0076】
ここで、前記Xは、(CH2)nH、CN、OCF3、O(CH2)nH、または、O(CF2)nCF3で、前記Xは、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなる。
【0077】
(ニ)NH2-(CH2)n-NH2
【0078】
ここで、前記nは、1〜20の整数である。
【0079】
(ホ)
【化22】
【0080】
ここで、前記m及びnは、0〜10の整数である。
【0081】
3.配向膜
【0082】
配向膜は、上述した高分子主鎖に、光反応基が結合形成された高分子物質からなる。
【0083】
前記高分子主鎖が酸二無水物とアミンとの反応によって製造されるポリイミド系またはポリアミック酸系化合物の場合、前記光反応基が側鎖に結合されるためには、前記酸二無水物の水素原子が前記光反応基に置換されるか、または、前記アミンの水素原子が前記光反応基に置換される。
【0084】
前記配向膜を構成する高分子物質は、ラビング配向法に適用可能でありながら、光配向法のうち光重合反応を起こす物質であり、光配向法のうち光分解反応を起こさないようにλmaxが270nm〜350nmの範囲を有することが好ましい。
【0085】
前記配向膜を構成する高分子物質のうちベンゼン環を含む高分子物質としては、ほとんどパラ構造のみを示したが、それに限定されるものではなく、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなることもできる。
【0086】
液晶表示素子の製造方法
【0087】
図7A乃至図7Eは、本発明の一実施例に係る液晶表示素子の製造方法を示した図である。
【0088】
まず、図7Aに示すように、下部基板100及び上部基板200を準備する。
【0089】
前記下部基板100及び上部基板200の具体的な構成及び形成方法は、当業者に公知された多様な方法によって変更形成できる。
【0090】
その後、図7Bに示すように、下部基板100及び上部基板200上に配向膜300a,300bを塗布する。図面には、両基板100,200の全てに配向膜300a,300bが形成されているが、必ずこれに限定されるものではない。
【0091】
前記配向膜300a,300bの材料は、上述したとおりであるので、その具体的な説明を省略する。
【0092】
前記配向膜300a,300bの塗布工程は、基板100,200上に配向膜を印刷する工程と、この印刷された配向膜を硬化する工程と、からなる。
【0093】
前記配向膜の印刷工程は、有機溶媒に配向膜成分を1〜20wt%の濃度及び1〜1000cpsの粘度で溶解した後、スピンコーティング法またはロールコーティング法を用いて行うことが好ましい。
【0094】
前記印刷された配向膜の硬化工程は、高温、好ましくは約60℃〜80℃の温度と、約80℃〜230℃の温度で2回にかけて硬化することが好ましい。
【0095】
前記配向膜300a,300bは、50〜200nmの厚さで塗布することが好ましい。
【0096】
その後、図7Cに示すように、前記配向膜300a,300bが塗布された基板100,200上にラビングを行う。このラビング工程は、ラビング布520が付着されたラビングロール500を所望の配向方向にラビングして行う。
【0097】
その後、図7Dに示すように、前記ラビングを完了した基板100,200に、UV照射装置600を用いて偏光されたUVを照射する。
【0098】
UV照射工程は、前記ラビング工程後に行えるが、必ずそれに限定されるものではなく、UV照射工程を先に行うこともでき、両工程を同時に行うこともできる。
【0099】
前記ラビング工程による配向膜の配向方向と、前記UV照射工程による配向膜の配向方向と、が互いに一致するように、前記ラビング工程及び前記UV照射工程を行う。
【0100】
前記UVは、基板100,200の全面に照射されるか、基板100,200上の段差形成領域のみに照射される。
【0101】
TNモード液晶表示素子が適用される場合、下部基板100上のゲート配線、データ配線及び薄膜トランジスタの形成領域に段差が発生し、IPSモード液晶表示素子が適用される場合、下部基板100上のゲート配線、データ配線及び薄膜トランジスタの形成領域、そして、画素電極及び共通電極の形成領域に段差が発生する。したがって、前記段差の発生領域以外の領域に、マスクを被せてUVを照射することができる。
【0102】
前記偏光されたUVの照射エネルギーは、10mJ〜3000mJの範囲を有することが好ましい。
【0103】
また、前記偏光されたUVには、部分偏光または直線偏光されたUVが用いられる。
【0104】
また、UV照射工程は、基板に対して傾斜して照射するか、垂直に照射することができるが、基板に対して傾斜して照射する場合は、傾斜角度が60°以下であることが好ましい。
【0105】
また、前記UV照射工程は、スキャンタイプの露光法または全面露光法によって行うことができる。
【0106】
その後、図7Eに示すように、両基板100,200を合着する。
【0107】
前記両基板100,200の合着工程は、真空注入方式または液晶滴下方式によって行うことができる。
【0108】
前記真空注入方式は、両基板100,200を合着した後、真空状態で圧力差を用いて液晶を注入する方式であり、液晶滴下方式は、両基板のうちいずれか一つの基板上に液晶を滴下した後、両基板を合着する方式である。基板のサイズが大きくなる場合、真空注入方式では液晶注入時間の増加によって生産性が落ちるので、液晶滴下方式を適用することが好ましい。
【0109】
以上、本発明の好ましい実施例に対して説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、当業者にとって自明な範囲内で変更実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】従来のTNモード液晶表示素子を示した分解斜視図である。
【図2】従来のラビング配向法の問題点を示すための図である。
【図3】従来のラビング配向法の問題点を示すための図である。
【図4】従来の光分解反応による光配向法を示した図である。
【図5】本発明に係る光重合反応による光配向法を示した図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子を概略的に示した断面図である。
【図7A】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を示した工程図である。
【図7B】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を示した工程図である。
【図7C】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を示した工程図である。
【図7D】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を示した工程図である。
【図7E】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を示した工程図である。
【符号の説明】
【0111】
100 下部基板
200 上部基板
300a,300b 配向膜
400 液晶
500 ラビングロール
600 UV照射装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子に関するもので、詳しくは、液晶表示素子における液晶の初期配向のための配向膜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示画面の厚さが数センチメートル(cm)に過ぎない超薄型の平板表示素子のうち液晶表示素子は、低い動作電圧によって消費電力が少なく、携帯用として用いられるなどの利点があり、ノートブックコンピュータ、モニター、宇宙船、航空機などの分野で広く応用されている。
【0003】
一般に、液晶表示素子は、カラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ基板と、このカラーフィルタ基板と対向し、薄膜トランジスタが形成された薄膜トランジスタ基板と、前記両基板の間に形成された液晶層と、を含んで構成される。
【0004】
上記の液晶表示素子では、前記液晶層の配向が電圧印加によって変更されて光の透過度が調節されることで、画像が再現される。したがって、電圧印加のために、前記薄膜トランジスタ基板及び/またはカラーフィルタ基板に電極が形成される。このとき、薄膜トランジスタ基板に画素電極が配置され、カラーフィルタ基板に共通電極が配置されることで、両基板の間に垂直電界が形成されるか(例えば、ツイストネマティック(TN)モード)、薄膜トランジスタ基板に画素電極及び共通電極が平行に配置されて水平電界が形成される(例えば、水平配列(IPS)モード)。
【0005】
図1は、一般的なTNモード液晶表示素子を示した分解斜視図である。
【0006】
図1に示すように、薄膜トランジスタ基板10にはゲートライン12とデータライン14とが交差形成され、その交差領域に薄膜トランジスタTが形成される。画素電極16は、薄膜トランジスタTに連結形成される。また、カラーフィルタ基板20には、光の漏洩を防止するための遮光層22が形成され、遮光層22の間にR、G、Bのカラーフィルタ層24が形成され、前記カラーフィルタ基板20上に共通電極25が形成される。
【0007】
ここで、薄膜トランジスタ基板10に形成された画素電極16と、カラーフィルタ基板20に形成された共通電極25と、の間には、垂直電界が形成され、それによって液晶の配向方向が調節される。
【0008】
その後、上記のように構成された両基板10,20は、合着されて一つの液晶パネルを形成するが、このとき、両基板10,20の間には液晶層が形成される。
【0009】
一方、前記液晶層が両基板10,20の間に任意に配列される場合、液晶層の一貫した分子配列を得られにくいので、図示してないが、薄膜トランジスタ基板10及びカラーフィルタ基板20には、液晶の初期配向のための配向膜が形成される。
【0010】
液晶の初期配向のための配向膜を形成する方法には、ラビング配向法及び光配向法がある。
【0011】
ラビング配向法は、基板上にポリイミドなどの有機高分子を薄膜の形態で塗布した後、ラビング布が巻かれたラビングロールを回転して有機高分子をこすることで、有機高分子を一定の方向に整列する方法である。
【0012】
しかしながら、ラビング配向法には、次のような短所がある。
【0013】
第一に、ラビング布の配列が乱れる場合、光漏れが発生するという問題がある。
【0014】
図2は、ラビング布の配列が乱れる場合を概略的に示した斜視図である。
【0015】
上述したように、基板上には、薄膜トランジスタ、カラーフィルタ層及び電極層などの構造物が形成されるので、図2に示すように、ラビングロール30が基板10,20上に形成された前記構造物上で回転するとき、ラビングロール30に巻かれたラビング布32の一部32aにおける配列が乱れるようになる。よって、ラビング布が乱れると、その乱れたラビング布によるラビング領域では有機高分子の側鎖が整列できなくなり、その領域における液晶の配向が均一でないため、光漏れが発生するようになる。
【0016】
第二に、ラビング布が基板と接触できない場合、光漏れが発生するという問題がある。
【0017】
図3は、ラビング布が基板と接触できない場合の液晶配列状態を概略的に示した斜視図である。
【0018】
上述したように、基板上には、画素電極及び共通電極などの電極層が形成される。したがって、図3に示すように、基板10上の電極層の段差によってラビング布32が基板と接触できない領域(A領域)が生じる。この場合、その領域(A領域)における液晶の配向が均一でないため、光漏れ現象が発生することになる。
【0019】
特に、TNモードによる液晶表示素子の場合、画素電極及び共通電極が画素領域内でそれぞれ別途の基板に形成されるので、段差の発生領域が少ないが、IPSモードによる液晶表示素子の場合、画素電極及び共通電極が画素領域内で同じ基板に平行に反復形成されるので、段差の発生領域が多く存在し、前記光漏れ現象が一層大きな問題となる。
【0020】
上記のようなラビング配向法の問題点は、全てラビングロールと基板との間の物理的な接触によって発生するものである。
【0021】
それゆえ、最近は、上記のラビング配向法の問題点を解決するために、物理的な接触を要しない配向膜の製造方法が多様に研究されつつある。そのうち、偏光されたUVを高分子フィルムに照射することで配向膜を製造する光配向法が提案された。液晶配向が起きるためには、配向膜に構造的な非等方性を持たせるべきであるが、この非等方性は、高分子フィルムが、偏光されたUVによって非等方的に反応することで得られる。
【0022】
しかしながら、上記の光配向法は、上述したラビング配向法と関連した問題は解決できるが、アンカリング強度が低いという致命的な欠陥がある。より具体的に説明すると、ラビング配向法は、上述したように、有機高分子の側鎖が一定の方向に整列されるので、側鎖と液晶との間の化学的相互作用によって液晶の配向が調節されるとともに、ラビングによって基板の表面に規則的なグルーブが生成されるため、グルーブと液晶との間の機械的相互作用によって液晶の配向が調節される。それに反して、光配向法は、基板の表面にグルーブが生成されず、ただ、光反応による高分子フィルムと液晶との間の化学的相互作用によって液晶の配向が調節される。したがって、光配向法は、ラビング配向法に比べると、アンカリング強度が低く残像が発生するという問題がある。
【0023】
上記のように光配向法で発生する残像の問題は、生産ラインに適用しにくい程度であるので、上述した光漏れの問題点にもかかわらず、大量生産ラインにはラビング配向法が適用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、より高品質の液晶表示素子に対する消費者の要求が日々に増加しつつある現時点では、前記ラビング配向法及び光配向法の問題点を全て解決できる新しい方式による液晶配向法の開発、または、それぞれの配向法で発生する問題点を最小化するための修正方案などの研究が一層要求されている。
【0025】
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、その目的は、前記ラビング配向法及び光配向法の問題点を全て解決できる液晶表示素子の製造方法及びその方法によって製造される液晶表示素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的を達成するために、本発明は、第1基板及び第2基板を準備する工程と;前記両基板のうち少なくとも一つの基板上に配向膜を塗布する工程と;前記配向膜が塗布された基板上にラビングを行う工程と;前記配向膜が塗布された基板上に、偏光されたUVを照射する工程と;を含んで構成され、前記配向膜は、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法を提供する。
【0027】
また、本発明は、 第1基板及び第2基板と;前記両基板のうち少なくとも一つの基板上に形成された配向膜と;前記両基板の間に形成された液晶層と;を含んで構成され、前記配向膜は、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
【0028】
本発明の第一の特徴は、ラビング配向法と光配向法とを組み合わせることで、従来の問題点を全て解消した点にある。すなわち、ラビング配向法でラビング布の配列が乱れる場合、または、ラビング布が基板と接触できない場合に、その領域で配向膜が一定の配向方向に整列できない問題を解決するために、光配向法を適用して整列するとともに、光配向法のみを適用するときの低いアンカリング問題を解決するために、ラビング配向法を適用した。
【0029】
本発明の第二の特徴は、光配向法のうち光重合反応を適用した点にある。したがって、本発明の配向膜には、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質が用いられる。以下、まず、光配向法に対して説明した後、本発明の光配向法のうち光重合反応を適用した理由を説明する。
【0030】
光配向法は、用いられる配向物質のUVに対する反応の種類によって、光分解、光重合(二量体形成)(photo−dimerization)などに分けられる。
【0031】
光分解反応の場合は、図4に示すように、高分子配向膜に、偏光されたUVを照射すると、偏光方向に位置した側鎖の結合が分解され、結局、偏光方向に垂直な方向の側鎖のみが残るようになり、その方向に液晶が配向される。
【0032】
また、光重合反応の場合は、図5に示すように、偏光されたUVを照射すると、偏光方向と並んだ二重結合(矢印で表示された結合)が破れて隣接した分子と結合し、このとき、二重結合の外にあった側鎖が主鎖と並んで整列されるようになり、結局、異方性が誘導される方向(偏光方向に垂直方向または水平方向)に配向される。
【0033】
ここで、光配向法のうち光分解反応を適用すると、次のような問題点が発生する。第一に、ラビングによって良好に整列された配向膜の結合が分解され、アンカリング強度が低くなる。第二に、光分解によって不純物が生じるようになり、この不純物によって残像が発生する。第三に、光分解によって生じる不純物による残像問題を解決するために、前記不純物を除去する工程が追加されるとともに、高分子物質の不純物を除去するための洗浄液の開発も必要となる。
【0034】
したがって、本発明では、光配向法のうち光重合反応を適用することで、ラビング配向法及び光重合反応による光配向法を同時に適用できる配向膜を提供する。
【0035】
前記配向膜は、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなるもので、前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、シンナモイル系、カルコン系、クマリン系、マレイミド系物質からなる群から選択されることが好ましい。
【0036】
前記高分子主鎖は、ポリイミド系、ポリアミック酸系、ポリアミド系、ポリノルボルネン系、ポリアミドイミド系、ポリビニル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリレート系、ポリ(ビニルクロライド)系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリチオエーテル系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリウレア系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリアセタル系、ポリ(ビニルアセテート)系からなる群から選択された高分子物質であることが好ましい。
【0037】
一方、本発明の製造方法では、前記ラビング工程及びUV照射工程を同時に行うこともできるし、ラビング工程を先に、または、UV照射工程を先に行うこともできる。
【0038】
また、前記UV照射工程は、配向膜が塗布された基板の全面に行うこともでき、前記配向膜が塗布された基板上の段差発生領域のみに行うこともできる。すなわち、基板に段差が形成された場合、ラビング布が基板と接触できないので、段差形成領域のみに偏光されたUVを照射することもでき(換言すると、段差形成領域以外の領域にマスクを被せ、偏光された光を照射することもでき)、基板に段差が形成されるとともに、ラビング布の配列が乱れた場合は、基板の全面に偏光されたUVを照射することが好ましい。
【0039】
前記段差形成領域のみに偏光されたUVを照射する場合、段差形成領域は、基板が薄膜トランジスタ基板であるか、または、カラーフィルタ基板であるかによって相異なり、かつ、同じ基板であっても、液晶表示素子がTNモードであるか、または、IPSモードであるかによって相異なる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によって製造された液晶表示素子は、ラビング工程を行うので、アンカリング強度が高く残像が発生せず、偏光されたUV照射工程を行うので、ラビング配向法でラビング布の配列が乱れる場合、または、ラビング布が基板と接触できない場合に発生する光漏れ問題を解決できるという効果がある。
【0041】
さらに、配向膜として、光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質を用いることで、UV照射によって光分解産物が生じないため、不純物による残像問題及び追加的な洗浄問題が発生しないという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0043】
液晶表示素子
【0044】
図6は、本発明の一実施形態に係る液晶表示素子を概略的に示した断面図である。
【0045】
図6に示すように、本発明の一実施形態に係る液晶表示素子は、下部基板100と、上部基板200と、前記両基板100,200上に形成された配向膜300a,300bと、前記両基板100,200の間に形成された液晶層400と、を含んで構成される。
【0046】
前記下部基板100及び上部基板200の構造は具体的に示してないが、液晶表示素子のモードによって、当業者にとって自明な範囲内で多様に変更できる。
【0047】
例えば、液晶表示素子がTNモードである場合、前記下部基板100上には、互いに交差形成されて画素領域を定義するゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線とデータ配線との交差領域に形成され、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を含んで構成される薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタのドレイン電極に連結される画素電極と、が含まれ、前記上部基板200上には、光の漏洩を防止する遮光層と、該遮光層上に形成された緑色、赤色、青色のカラーフィルタ層と、前記カラーフィルタ層の上部に形成された共通電極と、が含まれる。
【0048】
一方、液晶表示素子がIPSモードである場合、前記下部基板100上には、互いに交差形成されて画素領域を定義するゲート配線及びデータ配線と、前記ゲート配線とデータ配線との交差領域に形成され、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を含んで構成される薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタのドレイン電極に連結される画素電極と、該画素電極と平行に形成される共通電極と、が含まれ、前記上部基板200上には、光の漏洩を防止する遮光層と、該遮光層上に形成された緑色、赤色、青色のカラーフィルタ層と、該カラーフィルタ層の上部に形成されたオーバーコート層と、が含まれる。
【0049】
その他に、図示してないが、前記両基板100,200の間のセルギャップを均一に維持するために、前記両基板100,200の間にスペーサーが形成される。該スペーサーには、ボールスペーサーまたはカラムスペーサーなどが適用される。
【0050】
前記配向膜300a,300bは、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなるが、以下、項に分けて一層具体的に説明する。
【0051】
1.UVによって光重合反応を起こす光反応基
【0052】
前記光反応基は、シンナモイル系、カルコン系、クマリン系、マレイミド系物質からなる群から選択されることが好ましい。
【0053】
(1)前記シンナモイル系化合物は、下記の化学式で表現される化合物であることが好ましい。
【0054】
【化1】
【0055】
ここで、前記Xは、-((CH2)nO)m-、-O((CH2)nO)m-、
【化2】
からなる群から選択され(前記m及びnは、0〜10の整数)、前記Yは、
【化3】
からなる群から選択され、前記Yにおいて、前記1乃至9は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化4】
からなるグループから選択されることが好ましい(前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【0056】
(2)前記カルコン系化合物は、下記の化学式で表現される化合物であることが好ましい。
【0057】
【化5】
【0058】
ここで、前記nは、0〜10の整数で、前記1乃至5は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化6】
からなるグループから選択されることが好ましい(前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【0059】
(3)前記クマリン系化合物は、下記の化学式で表現される化合物であることが好ましい。
【0060】
【化7】
【0061】
ここで、前記1乃至6は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化8】
からなるグループから選択されることが好ましい(前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【0062】
(4)前記マレイミド系化合物は、下記の化学式で表現される化合物であることが好ましい。
【0063】
【化9】
【0064】
ここで、前記Yは、
【化10】
からなる群から選択され(前記nは、0〜10の整数)、前記1及び2は、-H、-F、-CH3、-CF3、-CN、
【化11】
及び
【化12】
からなる群から選択されることが好ましい。
【0065】
2.高分子主鎖
【0066】
高分子主鎖は、ポリイミド系、ポリアミック酸系、ポリアミド系、ポリノルボルネン系、ポリアミドイミド系、ポリビニル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリレート系、ポリ(ビニルクロライド)系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリチオエーテル系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリウレア系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリアセタル系、ポリ(ビニルアセテート)系からなる群から選択された高分子物質であることが好ましいが、さらに、下記の化学式で表示されるポリイミド系またはポリアミック酸系化合物であることが好ましい。
【0067】
【化13】
(ここで、m+n=1、0≦m≦1、0≦n≦1である。)
【0068】
前記化学式のポリイミド系またはポリアミック酸系化合物は、アミンと酸二無水物との反応によって製造されることが好ましい。
【0069】
(1)前記酸二無水物は、
【化14】
からなる群から選択された物質であることが好ましい。
【0070】
(2)前記アミンは、下記の(イ)乃至(ホ)の化合物からなる群から選択された物質であることが好ましい。
【0071】
(イ)
【化15】
【0072】
ここで、前記X1は、O、CO、
【化16】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化17】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化18】
からなる群から選択され、前記X1は、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなる。
【0073】
(ロ)
【化19】
【0074】
ここで、前記R1及びR2は、(CH2)n(n=0〜10の整数)または
【化20】
である。
【0075】
(ハ)
【化21】
【0076】
ここで、前記Xは、(CH2)nH、CN、OCF3、O(CH2)nH、または、O(CF2)nCF3で、前記Xは、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなる。
【0077】
(ニ)NH2-(CH2)n-NH2
【0078】
ここで、前記nは、1〜20の整数である。
【0079】
(ホ)
【化22】
【0080】
ここで、前記m及びnは、0〜10の整数である。
【0081】
3.配向膜
【0082】
配向膜は、上述した高分子主鎖に、光反応基が結合形成された高分子物質からなる。
【0083】
前記高分子主鎖が酸二無水物とアミンとの反応によって製造されるポリイミド系またはポリアミック酸系化合物の場合、前記光反応基が側鎖に結合されるためには、前記酸二無水物の水素原子が前記光反応基に置換されるか、または、前記アミンの水素原子が前記光反応基に置換される。
【0084】
前記配向膜を構成する高分子物質は、ラビング配向法に適用可能でありながら、光配向法のうち光重合反応を起こす物質であり、光配向法のうち光分解反応を起こさないようにλmaxが270nm〜350nmの範囲を有することが好ましい。
【0085】
前記配向膜を構成する高分子物質のうちベンゼン環を含む高分子物質としては、ほとんどパラ構造のみを示したが、それに限定されるものではなく、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなることもできる。
【0086】
液晶表示素子の製造方法
【0087】
図7A乃至図7Eは、本発明の一実施例に係る液晶表示素子の製造方法を示した図である。
【0088】
まず、図7Aに示すように、下部基板100及び上部基板200を準備する。
【0089】
前記下部基板100及び上部基板200の具体的な構成及び形成方法は、当業者に公知された多様な方法によって変更形成できる。
【0090】
その後、図7Bに示すように、下部基板100及び上部基板200上に配向膜300a,300bを塗布する。図面には、両基板100,200の全てに配向膜300a,300bが形成されているが、必ずこれに限定されるものではない。
【0091】
前記配向膜300a,300bの材料は、上述したとおりであるので、その具体的な説明を省略する。
【0092】
前記配向膜300a,300bの塗布工程は、基板100,200上に配向膜を印刷する工程と、この印刷された配向膜を硬化する工程と、からなる。
【0093】
前記配向膜の印刷工程は、有機溶媒に配向膜成分を1〜20wt%の濃度及び1〜1000cpsの粘度で溶解した後、スピンコーティング法またはロールコーティング法を用いて行うことが好ましい。
【0094】
前記印刷された配向膜の硬化工程は、高温、好ましくは約60℃〜80℃の温度と、約80℃〜230℃の温度で2回にかけて硬化することが好ましい。
【0095】
前記配向膜300a,300bは、50〜200nmの厚さで塗布することが好ましい。
【0096】
その後、図7Cに示すように、前記配向膜300a,300bが塗布された基板100,200上にラビングを行う。このラビング工程は、ラビング布520が付着されたラビングロール500を所望の配向方向にラビングして行う。
【0097】
その後、図7Dに示すように、前記ラビングを完了した基板100,200に、UV照射装置600を用いて偏光されたUVを照射する。
【0098】
UV照射工程は、前記ラビング工程後に行えるが、必ずそれに限定されるものではなく、UV照射工程を先に行うこともでき、両工程を同時に行うこともできる。
【0099】
前記ラビング工程による配向膜の配向方向と、前記UV照射工程による配向膜の配向方向と、が互いに一致するように、前記ラビング工程及び前記UV照射工程を行う。
【0100】
前記UVは、基板100,200の全面に照射されるか、基板100,200上の段差形成領域のみに照射される。
【0101】
TNモード液晶表示素子が適用される場合、下部基板100上のゲート配線、データ配線及び薄膜トランジスタの形成領域に段差が発生し、IPSモード液晶表示素子が適用される場合、下部基板100上のゲート配線、データ配線及び薄膜トランジスタの形成領域、そして、画素電極及び共通電極の形成領域に段差が発生する。したがって、前記段差の発生領域以外の領域に、マスクを被せてUVを照射することができる。
【0102】
前記偏光されたUVの照射エネルギーは、10mJ〜3000mJの範囲を有することが好ましい。
【0103】
また、前記偏光されたUVには、部分偏光または直線偏光されたUVが用いられる。
【0104】
また、UV照射工程は、基板に対して傾斜して照射するか、垂直に照射することができるが、基板に対して傾斜して照射する場合は、傾斜角度が60°以下であることが好ましい。
【0105】
また、前記UV照射工程は、スキャンタイプの露光法または全面露光法によって行うことができる。
【0106】
その後、図7Eに示すように、両基板100,200を合着する。
【0107】
前記両基板100,200の合着工程は、真空注入方式または液晶滴下方式によって行うことができる。
【0108】
前記真空注入方式は、両基板100,200を合着した後、真空状態で圧力差を用いて液晶を注入する方式であり、液晶滴下方式は、両基板のうちいずれか一つの基板上に液晶を滴下した後、両基板を合着する方式である。基板のサイズが大きくなる場合、真空注入方式では液晶注入時間の増加によって生産性が落ちるので、液晶滴下方式を適用することが好ましい。
【0109】
以上、本発明の好ましい実施例に対して説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、当業者にとって自明な範囲内で変更実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】従来のTNモード液晶表示素子を示した分解斜視図である。
【図2】従来のラビング配向法の問題点を示すための図である。
【図3】従来のラビング配向法の問題点を示すための図である。
【図4】従来の光分解反応による光配向法を示した図である。
【図5】本発明に係る光重合反応による光配向法を示した図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子を概略的に示した断面図である。
【図7A】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を示した工程図である。
【図7B】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を示した工程図である。
【図7C】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を示した工程図である。
【図7D】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を示した工程図である。
【図7E】本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を示した工程図である。
【符号の説明】
【0111】
100 下部基板
200 上部基板
300a,300b 配向膜
400 液晶
500 ラビングロール
600 UV照射装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板及び第2基板と;
前記両基板のうち少なくとも一つの基板上に形成された配向膜と;
前記両基板の間に形成された液晶層と;を含んで構成され、
前記配向膜は、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなることを特徴とする液晶表示素子。
【請求項2】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、シンナモイル系、カルコン系、クマリン系、マレイミド系物質からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項3】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるシンナモイル系化合物であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
【化1】
(ここで、前記Xは、-((CH2)nO)m-、-O((CH2)nO)m-、
【化2】
からなる群から選択され、前記m及びnは、0〜10の整数、
前記Yは、
【化3】
からなる群から選択され、
前記Yにおいて、前記1乃至9は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化4】
からなるグループから選択され、前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【請求項4】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるカルコン系化合物であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
【化5】
【化6】
からなるグループから選択され、前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【請求項5】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるクマリン系化合物であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
【化7】
(ここで、前記1乃至6は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化8】
からなるグループから選択され、前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【請求項6】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるマレイミド系化合物であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
【化9】
(ここで、
前記Yは、
【化10】
からなる群から選択され(前記nは、0〜10の整数)、
前記1及び2は、-H、-F、-CH3、-CF3、-CN、
【化11】
及び
【化12】
からなる群から選択される)。
【請求項7】
前記高分子主鎖は、ポリイミド系、ポリアミック酸系、ポリアミド系、ポリノルボルネン系、ポリアミドイミド系、ポリビニル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリレート系、ポリ(ビニルクロライド)系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリチオエーテル系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリウレア系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリアセタル系、ポリ(ビニルアセテート)系からなる群から選択された高分子物質であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項8】
前記高分子主鎖は、下記の化学式で表示されるポリイミド系またはポリアミック酸系化合物であることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示素子。
【化13】
(ここで、m+n=1、0≦m≦1、0≦n≦1である。)
【請求項9】
前記ポリイミド系またはポリアミック酸系化合物は、アミンと酸二無水物との反応によって製造されることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示素子。
【請求項10】
前記酸二無水物は、
【化14】
からなる群から選択された物質であることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示素子。
【請求項11】
前記酸二無水物の水素原子は、シンナモイル系化合物に置換されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示素子。
【請求項12】
前記酸二無水物の水素原子は、カルコン系化合物に置換されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示素子。
【請求項13】
前記酸二無水物の水素原子は、クマリン系化合物に置換されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示素子。
【請求項14】
前記酸二無水物の水素原子は、マレイミド系化合物に置換されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示素子。
【請求項15】
前記アミンは、下記の化合物からなる群から選択された物質であることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示素子。
1.
【化15】
(ここで、前記X1は、O、CO、
【化16】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化17】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化18】
からなる群から選択され、前記X1は、オルト、メタ、パラ構造、または、その混合構造からなる。)
2.
【化19】
(ここで、前記R1及びR2は、(CH2)n(n=0〜10の整数)または
【化20】
である。)
3.
【化21】
(ここで、前記Xは、(CH2)nH、CN、OCF3、O(CH2)nH、または、O(CF2)nCF3で、前記Xは、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなる。)
4.NH2-(CH2)n-NH2
(ここで、前記nは、1〜20の整数である。)
5.
【化22】
(ここで、前記m及びnは、0〜10の整数である。)
【請求項16】
前記アミンの水素原子は、シンナモイル系化合物に置換されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示素子。
【請求項17】
前記アミンの水素原子は、カルコン系化合物に置換されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示素子。
【請求項18】
前記アミンの水素原子は、クマリン系化合物に置換されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示素子。
【請求項19】
前記アミンの水素原子は、マレイミド系化合物に置換されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示素子。
【請求項20】
前記配向膜を構成する高分子物質は、UVによる分解現象を防止するために、λmax270nm〜350nmの範囲を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項21】
前記配向膜を構成する高分子物質のうちベンゼン環を含む高分子物質は、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項22】
第1基板及び第2基板を準備する工程と;
前記両基板のうち少なくとも一つの基板上に配向膜を塗布する工程と;
前記配向膜が塗布された基板上にラビングを行う工程と;
前記配向膜が塗布された基板上に、偏光されたUVを照射する工程と;を含んで構成され、
前記配向膜は、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【請求項23】
前記ラビング工程による配向膜の配向方向と、前記UV照射工程による配向膜の配向方向とは、互いに一致することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項24】
前記UV照射工程は、前記基板の全面に行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項25】
前記UV照射工程は、前記基板上の段差発生領域のみに行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項26】
前記ラビング工程は、前記UV照射工程前に行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項27】
前記UV照射工程は、前記ラビング工程前に行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項28】
前記ラビング工程及びUV照射工程は、同時に行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項29】
前記UV照射工程では、部分偏光または線偏光されたUVを照射することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項30】
前記偏光されたUVの照射エネルギーは、10mJ〜3000mJの範囲を有することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項31】
前記UV照射工程は、基板に対して垂直に、または、傾斜して照射することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項32】
前記配向膜の塗布工程は、有機溶媒に配向膜成分を1〜20wt%の濃度及び1〜1000cpsの粘度で溶解した後、スピンコーティング法またはロールコーティング法を用いて行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項33】
前記配向膜の塗布工程は、50〜200nmの厚さで塗布することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項34】
前記両基板の合着工程をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項35】
前記合着工程は、両基板のうちいずれか一つの基板上に液晶を滴下した後、両基板を合着することを特徴とする請求項34に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項36】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、シンナモイル系、カルコン系、クマリン系、マレイミド系物質からなる群から選択されることを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項37】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるシンナモイル系化合物であることを特徴とする請求項36に記載の液晶表示素子の製造方法。
【化23】
(ここで、前記Xは、-((CH2)nO)m-、-O((CH2)nO)m-、
【化24】
からなる群から選択され(前記m及びnは、0〜10の整数)、
前記Yは、
【化25】
からなる群から選択され、
前記Yにおいて、前記1乃至9は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化26】
からなるグループから選択される(前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である。)
【請求項38】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるカルコン系化合物であることを特徴とする請求項36に記載の液晶表示素子の製造方法。
【化27】
(ここで、前記nは、0〜10の整数で、前記1乃至5は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化28】
からなるグループから選択され、前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である。)
【請求項39】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるクマリン系化合物であることを特徴とする請求項36に記載の液晶表示素子の製造方法。
【化29】
(ここで、前記1乃至6は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
からなるグループから選択され、前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である。)
【請求項40】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるマレイミド系化合物であることを特徴とする請求項36に記載の液晶表示素子の製造方法。
【化30】
(ここで、前記Yは、
【化31】
からなる群から選択され(前記nは、0〜10の整数)、前記1及び2は、-H、-F、-CH3、-CF3、-CN、
【化32】
及び
【化33】
からなる群から選択される。)
【請求項41】
前記高分子主鎖は、ポリイミド系、ポリアミック酸系、ポリアミド系、ポリノルボルネン系、ポリアミドイミド系、ポリビニル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリレート系、ポリ(ビニルクロライド)系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリチオエーテル系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリウレア系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリアセタル系、ポリ(ビニルアセテート)系からなる群から選択された高分子物質であることを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項42】
前記高分子主鎖は、下記の化学式で表示されるポリイミド系またはポリアミック酸系化合物であることを特徴とする請求項41に記載の液晶表示素子の製造方法。
【化34】
(ここで、m+n=1、0≦m≦1、0≦n≦1である。)
【請求項43】
前記ポリイミド系またはポリアミック酸系化合物は、アミンと酸二無水物との反応によって製造されることを特徴とする請求項42に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項44】
前記酸二無水物は、
【化35】
からなる群から選択された物質であることを特徴とする請求項43に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項45】
前記酸二無水物の水素原子は、シンナモイル系化合物に置換されることを特徴とする請求項44に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項46】
前記酸二無水物の水素原子は、カルコン系化合物に置換されることを特徴とする請求項44に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項47】
前記酸二無水物の水素原子は、クマリン系化合物に置換されることを特徴とする請求項44に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項48】
前記酸二無水物の水素原子は、マレイミド系化合物に置換されることを特徴とする請求項44に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項49】
前記アミンは、下記の化合物からなる群から選択された物質であることを特徴とする請求項43に記載の液晶表示素子の製造方法。
1.
【化36】
(ここで、前記X1は、O、CO、
【化37】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化38】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化39】
からなる群から選択され、前記X1は、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなる。)
2.
【化40】
(ここで、前記R1及びR2は、(CH2)n(n=0〜10の整数)または
【化41】
である。)
3.
【化42】
(ここで、前記Xは、(CH2)nH、CN、OCF3、O(CH2)nH、または、O(CF2)nCF3で、前記Xは、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなる。)
4.NH2-(CH2)n-NH2
(ここで、前記nは、1〜20の整数である。)
5.
【化43】
(ここで、前記m及びnは、0〜10の整数である。)
【請求項50】
前記アミンの水素原子は、シンナモイル系化合物に置換されることを特徴とする請求項49に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項51】
前記アミンの水素原子は、カルコン系化合物に置換されることを特徴とする請求項49に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項52】
前記アミンの水素原子は、クマリン系化合物に置換されることを特徴とする請求項49に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項53】
前記アミンの水素原子は、マレイミド系化合物に置換されることを特徴とする請求項49に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項54】
前記配向膜を構成する高分子物質は、UVによる分解現象を防止するために、λmax270nm〜350nmの範囲を有することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項55】
前記配向膜を構成する高分子物質のうちベンゼン環を含む高分子物質は、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなることを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項1】
第1基板及び第2基板と;
前記両基板のうち少なくとも一つの基板上に形成された配向膜と;
前記両基板の間に形成された液晶層と;を含んで構成され、
前記配向膜は、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなることを特徴とする液晶表示素子。
【請求項2】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、シンナモイル系、カルコン系、クマリン系、マレイミド系物質からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項3】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるシンナモイル系化合物であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
【化1】
(ここで、前記Xは、-((CH2)nO)m-、-O((CH2)nO)m-、
【化2】
からなる群から選択され、前記m及びnは、0〜10の整数、
前記Yは、
【化3】
からなる群から選択され、
前記Yにおいて、前記1乃至9は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化4】
からなるグループから選択され、前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【請求項4】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるカルコン系化合物であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
【化5】
【化6】
からなるグループから選択され、前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【請求項5】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるクマリン系化合物であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
【化7】
(ここで、前記1乃至6は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化8】
からなるグループから選択され、前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である)。
【請求項6】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるマレイミド系化合物であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
【化9】
(ここで、
前記Yは、
【化10】
からなる群から選択され(前記nは、0〜10の整数)、
前記1及び2は、-H、-F、-CH3、-CF3、-CN、
【化11】
及び
【化12】
からなる群から選択される)。
【請求項7】
前記高分子主鎖は、ポリイミド系、ポリアミック酸系、ポリアミド系、ポリノルボルネン系、ポリアミドイミド系、ポリビニル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリレート系、ポリ(ビニルクロライド)系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリチオエーテル系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリウレア系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリアセタル系、ポリ(ビニルアセテート)系からなる群から選択された高分子物質であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項8】
前記高分子主鎖は、下記の化学式で表示されるポリイミド系またはポリアミック酸系化合物であることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示素子。
【化13】
(ここで、m+n=1、0≦m≦1、0≦n≦1である。)
【請求項9】
前記ポリイミド系またはポリアミック酸系化合物は、アミンと酸二無水物との反応によって製造されることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示素子。
【請求項10】
前記酸二無水物は、
【化14】
からなる群から選択された物質であることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示素子。
【請求項11】
前記酸二無水物の水素原子は、シンナモイル系化合物に置換されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示素子。
【請求項12】
前記酸二無水物の水素原子は、カルコン系化合物に置換されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示素子。
【請求項13】
前記酸二無水物の水素原子は、クマリン系化合物に置換されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示素子。
【請求項14】
前記酸二無水物の水素原子は、マレイミド系化合物に置換されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示素子。
【請求項15】
前記アミンは、下記の化合物からなる群から選択された物質であることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示素子。
1.
【化15】
(ここで、前記X1は、O、CO、
【化16】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化17】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化18】
からなる群から選択され、前記X1は、オルト、メタ、パラ構造、または、その混合構造からなる。)
2.
【化19】
(ここで、前記R1及びR2は、(CH2)n(n=0〜10の整数)または
【化20】
である。)
3.
【化21】
(ここで、前記Xは、(CH2)nH、CN、OCF3、O(CH2)nH、または、O(CF2)nCF3で、前記Xは、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなる。)
4.NH2-(CH2)n-NH2
(ここで、前記nは、1〜20の整数である。)
5.
【化22】
(ここで、前記m及びnは、0〜10の整数である。)
【請求項16】
前記アミンの水素原子は、シンナモイル系化合物に置換されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示素子。
【請求項17】
前記アミンの水素原子は、カルコン系化合物に置換されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示素子。
【請求項18】
前記アミンの水素原子は、クマリン系化合物に置換されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示素子。
【請求項19】
前記アミンの水素原子は、マレイミド系化合物に置換されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示素子。
【請求項20】
前記配向膜を構成する高分子物質は、UVによる分解現象を防止するために、λmax270nm〜350nmの範囲を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項21】
前記配向膜を構成する高分子物質のうちベンゼン環を含む高分子物質は、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項22】
第1基板及び第2基板を準備する工程と;
前記両基板のうち少なくとも一つの基板上に配向膜を塗布する工程と;
前記配向膜が塗布された基板上にラビングを行う工程と;
前記配向膜が塗布された基板上に、偏光されたUVを照射する工程と;を含んで構成され、
前記配向膜は、高分子主鎖に、UVによって光重合反応を起こす光反応基が結合された高分子物質からなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【請求項23】
前記ラビング工程による配向膜の配向方向と、前記UV照射工程による配向膜の配向方向とは、互いに一致することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項24】
前記UV照射工程は、前記基板の全面に行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項25】
前記UV照射工程は、前記基板上の段差発生領域のみに行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項26】
前記ラビング工程は、前記UV照射工程前に行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項27】
前記UV照射工程は、前記ラビング工程前に行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項28】
前記ラビング工程及びUV照射工程は、同時に行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項29】
前記UV照射工程では、部分偏光または線偏光されたUVを照射することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項30】
前記偏光されたUVの照射エネルギーは、10mJ〜3000mJの範囲を有することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項31】
前記UV照射工程は、基板に対して垂直に、または、傾斜して照射することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項32】
前記配向膜の塗布工程は、有機溶媒に配向膜成分を1〜20wt%の濃度及び1〜1000cpsの粘度で溶解した後、スピンコーティング法またはロールコーティング法を用いて行うことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項33】
前記配向膜の塗布工程は、50〜200nmの厚さで塗布することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項34】
前記両基板の合着工程をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項35】
前記合着工程は、両基板のうちいずれか一つの基板上に液晶を滴下した後、両基板を合着することを特徴とする請求項34に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項36】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、シンナモイル系、カルコン系、クマリン系、マレイミド系物質からなる群から選択されることを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項37】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるシンナモイル系化合物であることを特徴とする請求項36に記載の液晶表示素子の製造方法。
【化23】
(ここで、前記Xは、-((CH2)nO)m-、-O((CH2)nO)m-、
【化24】
からなる群から選択され(前記m及びnは、0〜10の整数)、
前記Yは、
【化25】
からなる群から選択され、
前記Yにおいて、前記1乃至9は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化26】
からなるグループから選択される(前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である。)
【請求項38】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるカルコン系化合物であることを特徴とする請求項36に記載の液晶表示素子の製造方法。
【化27】
(ここで、前記nは、0〜10の整数で、前記1乃至5は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
【化28】
からなるグループから選択され、前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である。)
【請求項39】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるクマリン系化合物であることを特徴とする請求項36に記載の液晶表示素子の製造方法。
【化29】
(ここで、前記1乃至6は、それぞれ-A、-(CA2)nCA3、-O(CA2)nCA3、-(O(CA2)m)nCA3、-O(CA2)nOCA3、-(O(CA2)m)nOCA3、
からなるグループから選択され、前記m及びnは、それぞれ0〜10の整数で、前記A及びBは、それぞれH、F、Cl、CN、CF3またはCH3である。)
【請求項40】
前記UVによって光重合反応を起こす光反応基は、下記の化学式で表現されるマレイミド系化合物であることを特徴とする請求項36に記載の液晶表示素子の製造方法。
【化30】
(ここで、前記Yは、
【化31】
からなる群から選択され(前記nは、0〜10の整数)、前記1及び2は、-H、-F、-CH3、-CF3、-CN、
【化32】
及び
【化33】
からなる群から選択される。)
【請求項41】
前記高分子主鎖は、ポリイミド系、ポリアミック酸系、ポリアミド系、ポリノルボルネン系、ポリアミドイミド系、ポリビニル系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアクリレート系、ポリ(ビニルクロライド)系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリチオエーテル系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリウレア系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリアセタル系、ポリ(ビニルアセテート)系からなる群から選択された高分子物質であることを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項42】
前記高分子主鎖は、下記の化学式で表示されるポリイミド系またはポリアミック酸系化合物であることを特徴とする請求項41に記載の液晶表示素子の製造方法。
【化34】
(ここで、m+n=1、0≦m≦1、0≦n≦1である。)
【請求項43】
前記ポリイミド系またはポリアミック酸系化合物は、アミンと酸二無水物との反応によって製造されることを特徴とする請求項42に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項44】
前記酸二無水物は、
【化35】
からなる群から選択された物質であることを特徴とする請求項43に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項45】
前記酸二無水物の水素原子は、シンナモイル系化合物に置換されることを特徴とする請求項44に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項46】
前記酸二無水物の水素原子は、カルコン系化合物に置換されることを特徴とする請求項44に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項47】
前記酸二無水物の水素原子は、クマリン系化合物に置換されることを特徴とする請求項44に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項48】
前記酸二無水物の水素原子は、マレイミド系化合物に置換されることを特徴とする請求項44に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項49】
前記アミンは、下記の化合物からなる群から選択された物質であることを特徴とする請求項43に記載の液晶表示素子の製造方法。
1.
【化36】
(ここで、前記X1は、O、CO、
【化37】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化38】
(nは、0〜20の整数で、Hは、Fに置換可能)、
【化39】
からなる群から選択され、前記X1は、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなる。)
2.
【化40】
(ここで、前記R1及びR2は、(CH2)n(n=0〜10の整数)または
【化41】
である。)
3.
【化42】
(ここで、前記Xは、(CH2)nH、CN、OCF3、O(CH2)nH、または、O(CF2)nCF3で、前記Xは、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなる。)
4.NH2-(CH2)n-NH2
(ここで、前記nは、1〜20の整数である。)
5.
【化43】
(ここで、前記m及びnは、0〜10の整数である。)
【請求項50】
前記アミンの水素原子は、シンナモイル系化合物に置換されることを特徴とする請求項49に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項51】
前記アミンの水素原子は、カルコン系化合物に置換されることを特徴とする請求項49に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項52】
前記アミンの水素原子は、クマリン系化合物に置換されることを特徴とする請求項49に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項53】
前記アミンの水素原子は、マレイミド系化合物に置換されることを特徴とする請求項49に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項54】
前記配向膜を構成する高分子物質は、UVによる分解現象を防止するために、λmax270nm〜350nmの範囲を有することを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【請求項55】
前記配向膜を構成する高分子物質のうちベンゼン環を含む高分子物質は、オルト、メタ、パラ構造、または、それらの混合構造からなることを特徴とする請求項22に記載の液晶表示素子の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【公開番号】特開2006−350347(P2006−350347A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163489(P2006−163489)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(501426046)エルジー.フィリップス エルシーデー カンパニー,リミテッド (732)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(501426046)エルジー.フィリップス エルシーデー カンパニー,リミテッド (732)
【Fターム(参考)】
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