説明

液晶表示装置、バックライトユニット、透光板および導光体

【課題】照明装置の輝度均一性を向上しつつ、効率的に省電力化を図ることができる、液晶表示装置、バックライトユニット、透光板および導光体を提供する。
【解決手段】表示面18を構成する液晶表示パネル2と、液晶表示パネル2の表示面18側とは反対側である下方に配置され、複数の光源6が設けられた発光層5と、発光層5と液晶表示パネル2との間に配置された光電変換層19とを備えている。光電変換層19は、光源6の上方の位置に形成された、表示面18側とは反対側に向いた受光面を有する複数の光電変換部3を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置、バックライトユニット、透光板および導光体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置が大型化するに従い、その消費電力の低減が求められている。バックライトからの光を有効活用して省電力化を図った液晶表示装置を開示した先行文献として特許文献1がある。
【0003】
特許文献1に記載された液晶表示装置においては、バックライトの背面の略全域に複数の光発電素子が設けられている。この液晶表示装置は、バックライトの背面側に進行した無駄な光を光発電素子により回収することにより、未利用であった光を有効活用して省電力化を図っている。
【0004】
大型液晶ディスプレイにおいて薄型化を図るために、光源と液晶表示パネルとが近づけられるが、この場合、照明装置の輝度均一性を保つために遮光部が設けられていた。遮光部を設けた液晶表示装置を開示した先行文献として特許文献2がある。
【0005】
特許文献2に記載された液晶表示装置においては、光源の直上の領域に高密度の拡散粒子を配置することにより、光源からの距離が近い領域の光の透過率を低減させて、拡散板からの出射光の輝度均一性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−212851号公報
【特許文献2】WO 2008/050504 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載された液晶表示装置においては、遮光部を設けることにより輝度ムラを低減しているが、この遮光部に輝度の高い光が当たることにより、光エネルギーの損失が発生している。特許文献1に記載された液晶表示装置においては、光源から出射された光を回収するためにバックライトの背面側の略全面に光発電素子が設けられており、バックライトと光発電素子との間において、バックライトの背面側のほぼ全領域にわたって反射シートが設けられている。その反射シートによってバックライトの光が反射されるため、光発電素子に入射する光が低減されている。よって、液晶表示装置の省電力化という点で、さらに改善の余地があった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、照明装置の輝度均一性を向上しつつ、効率的に省電力化を図ることができる、液晶表示装置、バックライトユニット、透光板および導光体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に基づく液晶表示装置は、表示面を構成する液晶表示パネルと、液晶表示パネルの表示面側とは反対側である下方に配置され、複数の光源が設けられた発光層と、発光層と液晶表示パネルとの間に配置された光電変換層とを備えている。光電変換層は、光源の上方の位置に形成された、表示面側とは反対側に向いた受光面を有する複数の光電変換部を含む。
【0010】
上記の液晶表示装置によれば、輝度の高い光が発生しやすい光源の上方の位置に光電変換部が設けられているため、光電変換部により輝度の高い光を回収することができる。その結果、発光層から液晶表示パネルに入射する光の輝度を均一にして、照明装置の輝度均一性を向上させることができる。また、光電変換部が発電した電力を利用することにより、液晶表示装置の省電力化を図ることができる。
【0011】
本発明の一形態においては、光電変換層は、発光層から発光された光を拡散させる光量調節部を含む。このようにすることにより、発光層から液晶表示パネルに入射する光の輝度をさらに均一にすることができる。
【0012】
好ましくは、光源は、その発光方向が指向性を有し、この指向性は、発光層に垂直な方向の光の成分よりも発光層に平行な光の成分の方が大きい。このようにすることにより、発光層の全体に光を行き渡らせることができるため、発光層から液晶表示パネルに入射する光の輝度を均一にすることができる。
【0013】
本発明の一形態においては、光源が発光ダイオードである。このようにすることにより、光源が消費する電力を削減することができる。
【0014】
本発明の一形態においては、光電変換部により発電された電力を光源に利用する。このようにすることにより、光源が消費する電力の一部に光電変換部で発電した電力を利用することができるため、液晶表示装置の省電力化を図ることができる。
【0015】
本発明の一形態においては、発光層は、光源からの光が入射される複数の導光体を備えている。少なくとも1つの光電変換部が、平面的に見て、隣接する導光体同士の境界を覆うように配置されている。このようにすることにより、導光体の端面から出射する輝度の高い光を遮光して、発光層から液晶表示パネルに入射する光の輝度を均一にすることができる。
【0016】
本発明の一形態においては、発光層は、光源からの光が入射される複数の導光体を備えている。光源は、導光体の互いに対向する2つの端部に沿って配置され、複数の光源は、異なる色の光を発光するものを1つ以上含み、光源の配列方向における各導光体の端部の側面には、導光体の内側に向いた受光面を有する光電変換部が設けられている。
【0017】
このようにすることにより、配列された光源において最も端に配置された光源から発光された光を光電変換部により回収することができるため、導光体の側端面が色付くことを防ぐことができる。
【0018】
本発明の一形態においては、複数の光源が、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび青色発光ダイオードを含み、表示面に対向する導光体の発光面から、光源からの光が混色されて出射される。このようにすることにより、色再現範囲の広い照明装置を得ることができる。
【0019】
好ましくは、対向する2つの端部のうちの一方の端部側に配置された光源は、対向する他方の端部に配置された光源に向かって光を照射する。このようにすることにより、発光層の全体に光を行き渡らせることができるため、発光層から液晶表示パネルに入射する光の輝度を均一にすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、輝度の高い光が発生しやすい光源の上方の位置に光電変換部が設けられているため、光電変換部により輝度の高い光を回収することができる。その結果、発光層から液晶表示パネルに入射する光の輝度を均一にして、照明装置の輝度均一性を向上させることができる。また、光電変換部が発電した電力を利用することにより、液晶表示装置の省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態1に係る液晶表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る液晶表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態3に係る導光体の構成を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態1に係る、液晶表示装置、バックライトユニット、透光板および導光体について図面を参照して説明する。
実施形態1
図1は、本発明の実施形態1に係る液晶表示装置の構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本発明の実施形態1に係る液晶表示装置1は、液晶表示パネル2、バックライトユニット17および透光板12を備えている。
【0023】
液晶表示パネル2の構成については、従来の液晶表示装置に使用される一般的な液晶表示パネルと同様であるため、その説明を省略する。液晶表示パネル2は、液晶表示装置1の表示面18を構成している。
【0024】
液晶表示パネル2の表示面18側とは反対側である下方に、バックライトユニット17が配置されている。バックライトユニット17は、複数の光源6が設けられた発光層5および発光層5の上方に配置された光電変換層19などを備えている。
【0025】
光源6は、平板状の基板4に空気が封入された空気層7内に複数配置されている。光源6と空気層7とから、発光層5が構成されている。光源6を構成するサイド発光型のLEDとして、R、G、Bのチップが1つのパッケージにモールドされているものを用いることによって、色再現範囲の広い照明装置を得ることが可能となる。光源6から空気層7に入射した光は、空気層7内で混色されながら進行して光電変換層19との境界に達する。
【0026】
複数の光源6が点在して存在する発光層5の上方に透光板12が配置されている。透光板12として、本実施形態においてはガラス基板を用いた。透光板12には、液晶表示装置1の表示面18側とは反対側に向いた受光面を有する光電変換部3が、光源6が配置された位置の上方に形成されている。光電変換部3は、SnO2(酸化錫)からなる透明導電膜8、太陽電池本体9、ZnO(酸化亜鉛)層とAg層とを積層した裏面電極層10が順次積層された構成の薄膜太陽電池である。
【0027】
本実施形態においては、太陽電池本体9は、アモルファスシリコンからなる第1太陽電池層と微結晶シリコンからなる第2太陽電池層とが積層されてなるタンデム型の薄膜太陽電池から構成されている。第1太陽電池層は、a−Si:Hp層、a−Si:Hi層およびa−Si:Hn層からなり、第2太陽電池層は、μc−Si:Hp層、μc−Si:Hi層およびμc−Si:Hn層からなるが、これに限定されるものではない。なお、薄膜太陽電池である太陽電池本体9は、プラズマCVD装置内でガス状のシリコンをプラズマ放電によって分解し、ガラス基板上に薄いシリコン膜を積層して作製した。このように、太陽電池本体9に薄膜太陽電池を用いれば、液晶表示パネル2を作製する際に必要なシリコン薄膜の技術を光電変換部3に水平展開できるため、光電変換部3を有する液晶表示装置1を効率的に生産することができる。
【0028】
光電変換層19においては、それぞれの光源6の上方の位置に光電変換部3が形成され、光源6同士の間の位置の上方に空間11が形成されている。本実施形態においては、空間11には空気が封入されているが、空間11に発光層5から発光された光を拡散させる光量調節部を設けてもよい。光量調節部は、拡散板13と同様の機能を有しているため、空間11に光量調節部を設けた場合には、バックライトユニット17から照射される光の輝度均一性を向上することができる。
【0029】
光量調節部の具体的な構造としては、たとえば、透明樹脂に拡散粒子を分散させることにより、発光層5から発光された光を散乱させるようにしてもよい。拡散粒子の大きさを位置によって変える、または、拡散粒子の密度を位置によって変えることにより、光の散乱量を変化させることができる。このようにすることにより、光量調節部により液晶表示パネル2に入射する光の量を調節することができる。
【0030】
透光板12の上方に、拡散板13が配置されている。拡散板13は、光源6から出射された光を板の内部で拡散させ、板の主面全体から面発光させるものである。拡散板13としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの透明樹脂を用いて形成することができるが、これらに限られず、拡散板として一般的に使用される材料を用いることができる。
【0031】
基板4の下面には、基板4を透過した光を再度発光層5に入射させる反射部14が形成されている。反射部14としては、たとえば、基板4の下面にAlなどの金属を蒸着させることにより形成することができる。光源6から出射された光を反射部14により液晶表示パネル2側に反射させることにより、輝度が均一にされた光を発光層5から面発光させることができる。
【0032】
光源6からの光の出射方向について説明する。本実施形態に係るバックライトユニット17においては、従来の直下型のバックライトとは異なり、拡散板13に垂直な方向に光源6の発光方向の主成分、言い換えると、出射光のピーク成分がない。拡散板13に平行な方向に、光源6の発光方向の主成分がある。
【0033】
つまり、光源6は、その発光方向が指向性を有し、その指向性は、発光層5に垂直な方向の成分よりも発光層5に平行な光の成分の方が大きい。これにより、光電変換層19に光源6からの光が直接入射する光を減らすことができるため、発光層5から液晶表示パネル2に入射する光の輝度ムラを低減することができ、バックライトユニット17の薄型化を図ることができる。
【0034】
図1中に、光源6から出射された光の出射方向を矢印で示す。この矢印に示されるように、各光源6からの光は、発光層5に沿うように出射される。つまり、基板4上に設けられた光源6の側面から光が出射し、その出射方向が拡散板13の板の延在方向に略平行になっている。
【0035】
隣接して設けられた光源6からの光の出射方向は、反対方向に向けられている。このように、本実施形態に係るバックライトユニット17においては、複数個の光源6から出射される各光の出射方向は、少なくとも2種類存在する。
【0036】
このように、光源6からの光の出射方向が発光層5に平行な方向になっていることによって、光源6の直上の領域の光の輝度が、他の領域の光の輝度に比べて高くなることを抑制することができる。さらに、隣接する2つの光源6からの光の出射方向が互いに異なっていることにより、光を発光層5の隅々まで行き渡らせることができる。上記のように、光源6の直上と他の領域との輝度の差を少なくしつつ、輝度が高くなる光源6の直上に光電変換部3を配置することにより、発光層5から出射される光の輝度を均一にすることができる。
【0037】
なお、本実施形態においては、光源6からの光の主たる出射方向が、発光層5と光電変換層19との境界面に完全に平行になっているものが最も好ましいが、かならずしもこのような構成に限定されない。つまり、光源6が指向性を有するものであり、その指向性が、発光層5と光電変換層19との境界面に垂直な方向の光の成分より、発光層5と光電変換層19との境界面に平行な方向の光の成分の方が大きくなるようなものであればよい。
【0038】
本実施形態においては、光源として発光ダイオードを用いた。また、発光ダイオードから出射された光を効率よく出射するために、図示しないモールド樹脂とモールド樹脂を保持するための図示しないパッケージと発光ダイオードを通電するための図示しない電極を設けた。光源6として、発光ダイオードを用いることにより、バックライトユニット17の消費電力を低減することができるとともに、光源6の長寿命化を図ることができる。
【0039】
光電変換部3により発電された電力は、図示しない蓄電装置に蓄電して光源6の駆動に利用した。このように、光電変換部3により得られた起電力を光源6に利用することにより、液晶表示装置1の省電力化を図ることができる。また、光電変換部3により得られた起電力は、液晶表示装置1に搭載されるデバイスの駆動などに使用してもよい。
【0040】
上記の液晶表示装置1によれば、輝度ムラの発生しやすい光源6の上方の位置に光電変換部3が設けられているため、発光層5から液晶表示パネル2に入射する光の輝度を均一にして、バックライトユニット17の輝度均一性を向上させることができる。光電変換部3により輝度の高い光を回収して発電することができ、液晶表示装置1の省電力化を図ることができる。
【0041】
以下、本発明の実施形態2に係る、液晶表示装置、バックライトユニット、透光板および導光体について図面を参照して説明する。実施形態1と同一の構成については、同じ参照符号を付し、その説明を繰り返さない。
実施形態2
図2は、本発明の実施形態2に係る液晶表示装置の構成を模式的に示す断面図である。図2に示すように、本実施形態に係る液晶表示装置20においては、発光層27は、光源6からの光が入射される複数の導光体15を備えている。
【0042】
導光体15の上面と光電変換層19の下面とは接している。平面的に見て、光電変換部3は、隣接する導光体15の同士の境界を覆うように配置されている。本実施形態においては、すべての光電変換部3は、隣接する導光体15同士の境界を覆うように形成されているが、少なくとも1つの光電変換部3が、隣接する導光体15同士の境界を覆うように形成されていればよい。
【0043】
光源6から導光体15に入射した光は、導光体15内において全反射を繰り返しながら光電変換層19との境界に進行する。光は、導光体15内において全反射する度に、光の強度が減少していく。そのため、導光体15内において複数回全反射した光の強度は低下している。
【0044】
本実施形態の液晶表示装置20のように、タイル構造の導光体15では、光源6から導光体15に入射した光の一部が、導光体15内において全反射することなく、隣接する導光体15同士の境界に達する。その一部の光16は、導光体15内において全反射していないため、光の強度が強い。そのため、隣り合う導光体15同士の間の隙間から出射された光には強度の強い光が含まれ、その光がそのまま液晶表示パネル2に入射した場合、バックライトユニットから出射される光の輝度均一性が損なわれる。
【0045】
本実施形態の液晶表示装置20においては、平面的に見て、光電変換部3が隣接する導光体15同士の境界を覆うように配置されている。そのため、隣接する導光体15同士の間の隙間から出射された輝度の高い光は、光電変換部3により回収されるため、液晶表示パネル2に入射される光の輝度均一性を向上することができる。
【0046】
上記の液晶表示装置20によれば、輝度ムラの発生しやすい光源6の上方の位置に光電変換部3が設けられているため、発光層27から液晶表示パネル2に入射する光の輝度を均一にして、バックライトユニット26の輝度均一性を向上させることができる。輝度の高い光を光電変換部3により受光して発電することができ、液晶表示装置20の省電力化を図ることができる。
【0047】
以下、本発明の実施形態3に係る導光体について図面を参照して説明する。実施形態1または2と同一の構成については、同じ参照符号を付し、その説明を繰り返さない。
実施形態3
図3は、本発明の実施形態3に係る導光体の構成を模式的に示す平面図である。本実施形態に係る導光体15は、実施形態2と同様に、発光層27は、光源からの光が入射される導光体15を備えている。
【0048】
図3に示すように、光源6は、導光体15の互いに対向する2つの端部に沿って配置されている。複数の光源6は、異なる色の光を発光するものを1つ以上含み、光源6の配列方向における各導光体15の端部の側面には、導光体15の内側に向いた受光面を有する光電変換部24が設けられている。
【0049】
光電変換部24は、SnO2(酸化錫)からなる透明導電膜21、太陽電池本体22、ZnO(酸化亜鉛)層とAg層とを積層した裏面電極層23が順次積層された構成の薄膜太陽電池である。
【0050】
本実施形態においては、太陽電池本体22は、アモルファスシリコンからなる第1太陽電池層と微結晶シリコンからなる第2太陽電池層とが積層されてなるタンデム型の薄膜太陽電池から構成されている。第1太陽電池層は、a−Si:Hp層、a−Si:Hi層およびa−Si:Hn層からなり、第2太陽電池層は、μc−Si:Hp層、μc−Si:Hi層およびμc−Si:Hn層からなるが、これに限定されるものではない。なお、薄膜太陽電池である太陽電池本体22は、プラズマCVD装置内でガス状のシリコンをプラズマ放電によって分解し、ガラス基板上に薄いシリコン膜を積層して作製した。このように、太陽電池本体22に薄膜太陽電池を用いれば、液晶表示パネル2を作製する際に必要なシリコン薄膜の技術を光電変換部24に水平展開できるため、光電変換部24を有する液晶表示装置1を効率的に生産することができる。
【0051】
以下、光電変換部24を上記のように設ける理由について説明する。光源6である発光ダイオードの出射輝度の角度特性は、どの角度においても均一な輝度で出射しているわけでなく、正面方向に出射している光の輝度が最も高く、正面方向からの角度が増大するにしたがって輝度が低下していく。
【0052】
たとえば、図3に示すように、R、G、Bの3原色の発光ダイオードを用いた場合、Rの発光ダイオードの正面で充分に混色された白色光を得るためには、Rの右隣のG、Bのの各光源、また、Rの左隣のG、Bの各光源から斜め方向に出射された光がRの正面の発光部まで導光され、R、G、Bの光が均等に混色されることが必要となる。
【0053】
しかし、たとえば導光体15の右側端面においては、左側からの各光源6から斜め右方向に出射された光は混色されるが、右側に光源6が無いため、最も右側に配置された発光ダイオードの色以外の色の光量が少なくなる。さらに、最右端の発光ダイオードから右側に出射された光は、右端面で全反射する。これにより、最右端の発光ダイオードの色の光量が大きくなる。そのため、導光体15の側端面において、最も端に配置された発光ダイオードの色に色づいてしまう問題が発生していた。
【0054】
そこで、本実施形態に係る導光体15においては、光源6の配列方向における導光体15の端部の側面に光電変換部24が設けられている。このように構成することにより、光源6から導光体15へ入射された光は、導光体15の端部側面にて全反射することなく光電変換部24により回収される。この結果、導光体15の端部に配置された光源6から出射された光の光量が低下するため、並んで配置された各光源6のうち、最も端に配置された光源6の色による色付を低減することができる。上記の導光体15においては、図2に示す導光体15の発光面25から均一な白色光が出射される。
【0055】
本実施形態においては、対向する2つの端部のうちの一方の端部側に配置された光源6は、対向する他方の端部に配置された光源6に向かって光を照射する。このようにすることにより、各導光体15の対向する2つの端部に沿ってそれぞれ並んで配置された各光源6が、互いに照射できない領域を補い合うように光を照射することができる。その結果、導光体15の発光面25の全面から均一な光を照射することができる。その他の構成については、実施形態2と同一であるため説明を繰り返さない。
【0056】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1,20 液晶表示装置、2 液晶表示パネル、3 光電変換部、4 基板、5,27 発光層、6 光源、7 空気層、8,21 透明導電膜、9,22 太陽電池本体、10,23 裏面電極層、11 空間、12 透光板、13 拡散板、14 反射部、15 導光体、16 光、17,26 バックライトユニット、18 表示面、19,24 光電変換層、25 発光面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面を構成する液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの前記表示面側とは反対側である下方に配置され、複数の光源が設けられた発光層と、
前記発光層と前記液晶表示パネルとの間に配置された光電変換層と
を備え、
前記光電変換層は、前記光源の上方の位置に形成された、前記表示面側とは反対側に向いた受光面を有する複数の光電変換部を含む、液晶表示装置。
【請求項2】
前記光電変換層は、前記発光層から発光された光を拡散させる光量調節部を含む、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記光源は、その発光方向が指向性を有し、該指向性は、前記発光層に垂直な方向の光の成分よりも前記発光層に平行な光の成分の方が大きい、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記光源が発光ダイオードである、請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記光電変換部により発電された電力を前記光源に利用する、請求項1から4のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記光電変換部は、アモルファスシリコンからなる太陽電池層と、微結晶シリコンからなる太陽電池層とが積層されたタンデム構造を含む、請求項1から5のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記発光層は、前記光源からの光が入射される複数の導光体を備え、
少なくとも1つの前記光電変換部が、平面的に見て、隣接する前記導光体同士の境界を覆うように配置された、請求項1から6のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記発光層は、前記光源からの光が入射される複数の導光体を備え、
前記光源は、前記導光体の互いに対向する2つの端部に沿って配置され、
複数の前記光源は、異なる色の光を発光するものを1つ以上含み、
前記光源の配列方向における各前記導光体の端部の側面には、前記導光体の内側に向いた受光面を有する光電変換部が設けられた、請求項1から6のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項9】
複数の前記光源が、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオードおよび青色発光ダイオードを含み、
前記表示面に対向する前記導光体の発光面から、前記光源からの光が混色されて出射される、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記対向する2つの端部のうちの一方の端部側に配置された前記光源は、対向する他方の端部に配置された前記光源に向かって光を照射する、請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
複数の光源が設けられた発光層と、
前記発光層の上方に配置された光電変換層と
を備え、
前記光電変換層は、前記光源の上方の位置に形成された、表示面側とは反対側に向いた受光面を有する複数の光電変換部を含む、バックライトユニット。
【請求項12】
前記発光層は、前記光源からの光が入射される複数の導光体を備え、
少なくとも1つの前記光電変換部が、平面的に見て、隣接する前記導光体同士の境界を覆うように配置された、請求項11に記載のバックライトユニット。
【請求項13】
前記発光層は、前記光源からの光が入射される複数の導光体を備え、
前記光源は、前記導光体の互いに対向する2つの端部に沿って配置され、
複数の前記光源は、異なる色の光を発光するものを1つ以上含み、
前記光源の配列方向における各前記導光体の端部の側面には、前記導光体の内側に向いた受光面を有する光電変換部が設けられた、請求項11に記載のバックライトユニット。
【請求項14】
液晶表示装置に用いられ、光源の上方に配置され、該光源から出射された光を透過させる透光板であって、
前記光源の上方の位置に形成され、前記透光板の前記光が出射される側とは反対側に向いた受光面を有する光電変換部を備えた、透光板。
【請求項15】
前記液晶表示装置は、前記光源からの光が入射される複数の導光体を備え、
少なくとも1つの前記光電変換部が、平面的に見て、隣接する前記導光体同士の境界を覆うように配置された、請求項14に記載の透光板。
【請求項16】
前記液晶表示装置は、前記光源からの光が入射される複数の導光体を備え、
前記光源は、前記導光体の互いに対向する2つの端部に沿って配置され、
複数の前記光源は、異なる色の光を発光するものを1つ以上含み、
前記光源の配列方向における各前記導光体の端部の側面には、前記導光体の内側に向いた受光面を有する光電変換部が設けられた、請求項14に記載の透光板。
【請求項17】
液晶表示装置に用いられ、異なる色の光を発光するものを1つ以上含む複数の光源からの光が入射される導光体であって、
前記導光体の互いに対向する2つの端部に沿って前記光源が配置され、
前記光源の配列方向における各前記導光体の端部の側面には、前記導光体の内側に向いた受光面を有する光電変換部が設けられた、導光体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−40978(P2013−40978A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286621(P2009−286621)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】