説明

液晶表示装置、液晶表示装置の特性量測定装置、特性量測定方法及びコンピュータプログラム

【課題】液晶パネルの表示面の周辺部について輝度又は色度等の特性量を検出し、検出した表示面の周辺部の特性量から中央部の特性量を推定することができる液晶表示装置、液晶表示装置の特性量測定装置、特性量測定方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】液晶表示装置1に取り付けたスイングセンサ30にて表示面の周辺部の特性量を検出し、外部光センサ40にて表示面の中央部の特性量を検出し、これらの検出値を対応付けた相関テーブル64を予め記憶しておく。キャリブレーション処理などを行う際には、スイングセンサ30にて表示面の周辺部の特性量を検出し、相関テーブル64を参照して、対応する中央部の特性量を取得する。検出した特性量が相関テーブル64に記憶されていない場合には、線形補間などの補間処理を行って中央部の特性量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリブレーション又は特性のチェック等のために液晶パネルの表示面の輝度又は色度等の特性量を測定することができる液晶表示装置、液晶表示装置の特性量測定装置、特性量測定方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年普及している液晶表示装置は、一対のガラス基板の間に液晶物質を封入した液晶パネルと、この液晶パネルの背面に配設されたバックライトとを備える構成であり、PC(パーソナルコンピュータ)又は再生装置等の外部装置から与えられる映像信号に応じて液晶パネルを駆動することにより、映像を表示するようにしてある。液晶表示装置には液晶パネルの駆動回路としてゲートドライバ及びソースドライバが搭載してあり、ゲートドライバ及びソースドライバが液晶パネルの各画素を駆動するトランジスタのゲート及びソースに接続されて、入力された映像信号に基づいてトランジスタのオン/オフを制御すると共に、オンに制御されたトランジスタに映像信号に応じた電圧(液晶パネルへの入力レベル)を印加して、液晶物質の電機光学特性により決定される光透過率を変化させる。これにより、液晶表示装置は、バックライトから照射されて液晶パネルを透過する光の量を画素毎に制御して映像を階調表示することができる。
【0003】
液晶パネルは液晶物質が封入されたガラス基板間の対向距離、所謂液晶ギャップにより液晶物質の電気光学特性が決定されるが、製造バラツキなどの要因で設計値に対して液晶ギャップが狭い画素と広い画素とが混在し、液晶パネルの光透過率が設計値からずれ、所望の階調特性が得られない場合がある。この対策として、入力された映像信号による階調レベル(階調値)と、この階調レベルに対応する液晶パネルへの入力レベルとが関連付けられたLUT(ルック・アップ・テーブル)をメモリなどに記憶しておき、LUTに基づいて階調レベルを入力レベルに変換することによって、液晶表示装置毎に固有の階調特性を補正し、所望の階調特性を実現することが行われている。
【0004】
しかし、液晶パネル及びバックライト等の特性は、液晶表示装置の使用に伴って経年変化する。このため、経年変化が生じている場合には、液晶表示装置の製造時又は出荷時等に記憶されたLUTに基づいて階調特性を補正しても所望の階調特性を実現することができない虞がある。この問題に対して、液晶表示装置の出荷後に、ユーザ側でLUTを更新する、所謂キャリブレーションを行うことによって対処することが可能である。
【0005】
特許文献1においては、液晶表示部に対向して設けられた測光部にて検出した画質データを測定し、予め定めた理想的な登録画質データを記憶しておき、測定した画質データと登録画質データとの差分データを抽出して、差分データが所定の値以下となるように液晶表示部を制御する自己調整型表示システムが提案されている。この自己調整型表示システムでは、測光を行わないときには測光部を液晶表示装置のベゼルに収容することができるため、測光時以外では液晶面上を遮蔽しないという利点がある。また、人手を介することなく測光することができるため、ネットワークを介した遠隔操作により又は必要時に自動的に起動してキャリブレーションを行うことができるという利点がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の自己調整型表示システムのように、測光部を液晶表示装置のベゼルに収容する構成とした場合、測光部により測光できる範囲は液晶の表示面の周辺部のみである。液晶パネルは表示面の周辺部ほど輝度ムラ又は色ムラ等が発生しやすいため、表示面の周辺部での測光結果を基にキャリブレーションを行う場合には、最適な階調特性で表示を行うことができない虞がある。特許文献1においても、手動測光器にて表示面の中央部の測光を行い、周辺部の測光結果と相関させることができると記載してあるが、その詳細な方法については言及されていない。
【0007】
本願の発明者は、液晶パネルの表示面の周辺部にてセンサで取得した輝度などの特性量から、表示面の中央部での特性量を推定する技術を既に提案しており、以下にこの技術を簡単に説明する。図12は、液晶パネルの表示面の周辺部の特性量から中央部の特性量を推定する一の方法を説明するための模式図である。図において201はモノクロ表示の液晶表示装置であり、液晶表示装置201の上部には液晶パネルの表示面の周辺部の輝度を自動的に測定することができるスイングセンサ30が搭載されている。また、表示面の中央部の輝度をユーザが手動で測定するための外部光センサ40を備えており、スイングセンサ30の測定値と外部光センサ40の測定値との相対比を相対比算出部200が以下の(1)式に基づいて算出することにより、図示のような相対比LUTを作成する。
(相対比)=(スイングセンサの測定値)/(外部光センサの測定値) …(1)
【0008】
一例として図示した相対比LUTは、液晶表示装置201が256階調で表示を行うことができる場合のものである。この相対比LUTを作成するためには、液晶表示装置201の表示面の表示を1階調ずつ256段階で切り替えて表示し、各階調でスイングセンサ30及び外部光センサ40による測定を行う必要がある。液晶表示装置201のキャリブレーションを行う場合には、スイングセンサ30のみの測定を行って表示面の周辺部の測定値を取得し、相対比LUTを参照することによって、表示面の中央部の推定測定値を算出し、算出した中央部の推定測定値を基にキャリブレーションを行うことができる。
【特許文献1】特開2005−208548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、予め相対比LUTを取得して記憶しておくことによって、スイングセンサ30の測定値から表示面の中央部の推定測定値を取得して精度のよいキャリブレーションを行うことができるが、カラー表示の液晶表示装置について同様の方法で表示面の中央部の測定値を推定する場合には、以下のような問題が生じる。図13は、カラー表示の液晶表示装置の場合の問題点を説明するための模式図であり、相対比LUTをグラフ化して図示したものである。カラー表示の液晶表示装置の場合、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色成分毎に相対比LUTを作成する必要がある。しかし、カラー表示の液晶表示装置ではユーザがカラーバランスの設定を変更することができるため、一の設定にて最適な相対比LUT(図13(a)参照)を取得しても、例えばユーザがR成分を弱めるようにカラーバランスの設定を変更した場合には最適な相対比LUT(図13(b)参照)が異なるため、表示面の中央部の測定値を精度よく推定することができない。
【0010】
この問題を解決するために、想定されるカラーバランスの全てについて相対比LUTを予め取得して記憶しておくことが考えられるが、相対比LUTを記憶しておくためのメモリ容量が増大するのみでなく、多数の相対比LUTを取得するために膨大な測定時間が必要となるという問題がある。あるいは、カラーバランスを変更する毎に相対比LUTを取得することもできるが、この作業はユーザが行わなければならないため煩わしいという問題がある。
【0011】
また、上述の相対比LUTは液晶表示装置201が表示することができる全階調について相対比を予め取得する必要があるため、相対比LUTの取得に時間がかかるという問題もあった。また、相対比LUTには、階調と相対比とを対応付けて記憶してあるため、表示面の中央部の測定値を推定する場合には、スイングセンサ30により測定値を取得した際に液晶表示装置201が表示を行っていた階調を知る必要があるため、液晶表示装置201とスイングセンサ30とが協調して処理を行う必要があり、スイングセンサ30と協調して動作する機能を備えない液晶表示装置についてはこの方法を適用できないという問題もあった。
【0012】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、予め検出した液晶パネルの表示面の中央部の特性量と周辺部の特性量とを対応付けて記憶しておき、表示面の周辺部の特性量を検出して、記憶しておいた特性量の対応を基に対応する中央部の特性量を取得するか、又は、検出した周辺部の特性量に対応する中央部の特性量が記憶されていない場合には、記憶された特性量の対応を基に中央部の特性量を算出する構成とすることにより、液晶パネルに表示する階調に依存することなく、表示面の周辺部の特性量から中央部の特性量を推定することができる液晶表示装置、液晶表示装置の特性量測定装置、特性量測定方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【0013】
また本発明の他の目的とするところは、表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量の対応を予め検出して離散的に複数記憶しておき、表示面の周辺部の特性量から中央部の特性量を算出する場合に、検出した周辺部の特性量に近いものを記憶した特性量から取得して、線形補間などの補間処理により中央部の特性量を算出する構成とすることにより、予め検出及び記憶しておく特性量が少なくてよい液晶表示装置、液晶表示装置の特性量測定装置、特性量測定方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【0014】
また本発明の他の目的とするところは、予め検出した表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量を三刺激値として記憶しておき、赤、緑及び青の三原色の色度で検出した周辺部の特性量を三刺激値に変換して、中央部の特性量の取得又は算出を行う構成とすることにより、検出した周辺部の特性量から中央部の特性量を補間処理などにより算出する場合に、精度よく算出を行うことができる液晶表示装置、液晶表示装置の特性量測定装置、特性量測定方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【0015】
また本発明の他の目的とするところは、表示面の中央部の特性量を検出する手段を備えて、表示面の中央部の特性量と周辺部の特性量とを検出し、検出した特性量を対応付けて記憶させる構成とすることにより、液晶パネルが経年変化などによって特性が変化した場合に、予め対応付けて記憶した表示面の中央部及び周辺部の特性量を更新することができる液晶表示装置、液晶表示装置の特性量測定装置、特性量測定方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【0016】
また本発明の他の目的とするところは、予め対応付けて記憶した表示面の中央部及び周辺部の特性量と、検出した表示面の周辺部の特性量とを基に取得又は算出した表示面の中央部の特性量に応じて、液晶パネルの表示面に映像を表示する表示特性を調整する構成とすることにより、表示面の特性量に基づく高精度な表示特性の調整を行うことができる液晶表示装置、液晶表示装置の特性量測定装置、特性量測定方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
第1発明に係る液晶表示装置は、映像を表示面に表示する液晶パネルと、前記表示面の周辺部の輝度又は色度の特性量を検出する周辺特性量検出手段とを備える液晶表示装置において、前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量を対応付けて予め記憶する記憶手段と、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量が、前記記憶手段が記憶した特性量に含まれているか否かを判定する判定手段と、含まれていると前記判定手段が判定した場合に、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に対応する前記表示面の中央部の特性量を取得する取得手段と、含まれていないと前記判定手段が判定した場合に、前記記憶手段に予め記憶された中央部の特性量及び周辺部の特性量を基に、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に対する前記表示面の中央部の特性量を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
また、第2発明に係る液晶表示装置は、前記記憶手段には、前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量が離散的に複数記憶してあり、前記算出手段は、前記記憶手段に記憶された特性量から、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に近い特性量を取得し、補間処理を行って中央部の特性量を算出するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
また、第3発明に係る液晶表示装置は、前記記憶手段には、特性量を三刺激値として記憶してあり、前記周辺特性量検出手段は、赤、緑及び青の三原色の色度を特性量として検出するようにしてあり、前記周辺特性量検出手段が検出した各色の色度を三刺激値に変換する変換手段を備えることを特徴とする。
【0020】
また、第4発明に係る液晶表示装置は、前記表示面の中央部の特性量を検出する中央特性量検出手段と、該中央特性量検出手段が検出した特性量及び前記周辺特性量検出手段が検出した特性量を対応付けて前記記憶手段に記憶させる手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
また、第5発明に係る液晶表示装置は、前記取得手段が取得した中央部の特性量又は前記算出手段が算出した中央部の特性量に応じて、前記表示面に映像を表示するときの表示特性を調整する調整手段を備えることを特徴とする。
【0022】
また、第6発明に係る液晶表示装置の特性量測定装置は、液晶表示装置に取り付けられて、前記液晶表示装置の表示面の周辺部の輝度又は色度の特性量を検出する周辺特性量検出手段を備える液晶表示装置の特性量測定装置において、前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量を対応付けて予め記憶する記憶手段と、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量が、前記記憶手段が記憶した特性量に含まれているか否かを判定する判定手段と、含まれていると前記判定手段が判定した場合に、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に対応する前記表示面の中央部の特性量を取得する取得手段と、含まれていないと前記判定手段が判定した場合に、前記記憶手段に予め記憶された中央部の特性量及び周辺部の特性量を基に、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に対する前記表示面の中央部の特性量を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
また、第7発明に係る液晶表示装置の特性量測定装置は、前記記憶手段には、前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量が離散的に複数記憶してあり、前記算出手段は、前記記憶手段に記憶された特性量から、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に近い特性量を取得し、補間処理を行って中央部の特性量を算出するようにしてあることを特徴とする。
【0024】
また、第8発明に係る液晶表示装置の特性量測定装置は、前記記憶手段には、特性量を三刺激値として記憶してあり、前記周辺特性量検出手段は、赤、緑及び青の三原色の色度を特性量として検出するようにしてあり、前記周辺特性量検出手段が検出した各色の色度を三刺激値に変換する変換手段を備えることを特徴とする。
【0025】
また、第9発明に係る液晶表示装置の特性量測定装置は、前記表示面の中央部の特性量を検出する中央特性量検出手段と、該中央特性量検出手段が検出した特性量及び前記周辺特性量検出手段が検出した特性量を対応付けて前記記憶手段に記憶させる手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
また、第10発明に係る液晶表示装置の特性量測定装置は、前記取得手段が取得した中央部の特性量又は前記算出手段が算出した中央部の特性量に応じて、前記表示面に映像を表示するときの表示特性を調整する調整手段を備えることを特徴とする。
【0027】
また、第11発明に係る特性量測定方法は、映像を表示面に表示する液晶パネルを備える液晶表示装置の前記表示面の輝度又は色度の特性量を測定する特性量測定方法において、前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量を対応付けて予め記憶しておき、前記表示面の周辺部の特性量を検出し、検出した前記表示面の周辺部の特性量が、予め対応付けて記憶した前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量に含まれているか否かを判定し、含まれている場合には、検出した周辺部の特性量に対応する予め記憶した中央部の特性量を取得し、含まれていない場合には、予め記憶した中央部の特性量及び周辺部の特性量を基に、検出した周辺部の特性量に対する中央部の特性量を算出することを特徴とする。
【0028】
また、第12発明に係る特性量測定方法は、前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量を離散的に記憶しておき、記憶した特性量から、検出した周辺部の特性量に近い特性量を取得し、補間処理を行って中央部の特性量を算出することを特徴とする。
【0029】
また、第13発明に係る特性量測定方法は、特性量を三刺激値として記憶しておき、前記表示面の周辺部の特性量を赤、緑及び青の三原色の色度として検出し、検出した各色の色度を三刺激値に変換することを特徴とする。
【0030】
また、第14発明に係る特性量測定方法は、前記表示面の中央部の特性量を検出し、検出した中央部の特性量及び検出した周辺部の特性量を対応付けて記憶することを特徴とする。
【0031】
また、第15発明に係る特性量測定方法は、取得又は算出した中央部の特性量に応じて、前記表示面に映像を表示するときの表示特性を調整することを特徴とする。
【0032】
また、第16発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、映像を表示面に表示する液晶パネルと、前記表示面の周辺部の輝度又は色度の特性量を検出する周辺特性量検出手段とを備える液晶表示装置の前記表示面の特性量を測定させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記周辺特性量検出手段が検出した周辺部の特性量が、予め対応付けて記憶された前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量に含まれているか否かを判定させ、含まれている場合には、前記周辺特性量検出手段が検出した周辺部の特性量に対応する予め記憶された中央部の特性量を取得させ、含まれていない場合には、予め記憶した中央部の特性量及び周辺部の特性量を基に、検出した周辺部の特性量に対する中央部の特性量を算出させることを特徴とする。
【0033】
また、第17発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、予め離散的に記憶された前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量から、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に近い特性量を取得し、補間処理を行って中央部の特性量を算出させることを特徴とする。
【0034】
また、第18発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、前記周辺特性量検出手段が赤、緑及び青の三原色の色度として検出した前記表示面の周辺部の特性量を三刺激値に変換させることを特徴とする。
【0035】
また、第19発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、前記表示面の中央部の特性量を検出する中央特性量検出手段が検出した中央部の特性量、及び前記周辺特性量検出手段が検出した周辺部の特性量を対応付けて記憶させることを特徴とする。
【0036】
また、第20発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、取得又は算出した中央部の特性量に応じて、前記表示面に映像を表示するときの表示特性を調整させることを特徴とする。
【0037】
本発明においては、液晶パネルの表示面の中央部及び周辺部の輝度又は色度等の特性量を予め検出し、検出したそれぞれの特性量を対応付けてメモリ又はハードディスク等に記憶しておく。キャリブレーションなどを行う際には、表示面の周辺部のみの特性量を検出して、予め記憶した中央部及び周辺部の特性量を基に表示面の中央部の特性量を推定し、中央部の特性量に応じたキャリブレーションを行う。予め対応付けて記憶した周辺部の特性量の中に、キャリブレーションの際に測定した周辺部の特性量が含まれている場合、これに対応する中央部の特性量を読み出して取得することが可能である。測定した周辺部の特性量が含まれていない場合には、予め記憶した中央部及び周辺部の特性量を基に、例えば補間処理などの演算処理を行うことによって、算出する。従来のように液晶パネルが表示可能な階調に対応付けて相対比を記憶しておくのではなく、予め測定した中央部及び周辺部の特性値を記憶しておくのみでよいため、キャリブレーションの際に中央部の特性量を取得又は算出を階調に依存することなく行うことが可能となる。よって、カラーバランスの変更などが行われた場合であっても、中央部の特性量の取得又は算出を容易に行うことが可能となる。また、液晶パネルが表示する階調に依存しないため、本機能を有さない従来の液晶表示装置であっても、本機能を有する測定装置を付加することにより、同等のキャリブレーションを行うことが可能となる。
【0038】
また、本発明においては、表示面の中央部及び周辺部の特性量を対応付けて予め離散的に検出及び記憶しておく。キャリブレーションなどの際に検出した表示部の周辺部の特性量が予め記憶した特性量に含まれていない場合、検出した周辺部の特性量に近いものを記憶した特性量から取得し、線形補間などの補間処理を行って検出した周辺部の特性量に対する中央部の特性量を算出する。予め検出する特性量の線形性が高い場合には、算出精度を低下させることなく中央部の特性量を算出でき、また、予め記憶する特性量の数を減ずることができる。
【0039】
また、本発明においては、表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量を予め三刺激値として記憶しておく。表示面の周辺部の特性量を検出する場合には赤、緑及び青の三原色の色度として特性量を検出し、検出した各色の色度を三刺激値に変換する。特性量を三刺激値として記憶しておくことにより、線形性の高い値を記憶しておくことができ、線形補間などの補間処理によって容易に且つ精度よく中央部の特性量を算出することが可能となる。
【0040】
また、本発明においては、表示面の中央部の特性量を検出する手段を装置に備える。これにより、液晶表示装置が長期にわたって使用され、液晶パネルの特性などに経年変化が生じた場合に、表示面の中央部及び周辺部の特性量を再度検出し、予め対応付けて記憶してある表示面の中央部及び周辺部の特性量を更新することが可能となる。
【0041】
また、本発明においては、予め対応付けて記憶した表示面の中央部及び周辺部の特性量と、検出した表示面の周辺部の特性量とを基に表示面の中央部の特性量を取得又は算出し、この特性量に応じて液晶パネルの表示特性の調整、所謂キャリブレーションを行う。上述のように、表示面の周辺部の特性量から精度よく中央部の特性量を取得又は算出できるため、キャリブレーションを中央部の特性量に応じて精度よく行うことができる。
【発明の効果】
【0042】
第1発明、第6発明、第11発明及び第16発明による場合は、予め検出した液晶パネルの表示面の中央部の特性量と周辺部の特性量とを対応付けて記憶しておき、表示面の周辺部の特性量を検出して、記憶しておいた特性量の対応を基に中央部の特性量を取得又は算出する構成とすることにより、液晶パネルが表示する階調に依存することなく検出した周辺部の特性量から中央部の特性量を推定することができ、カラーバランスが変更された場合であっても表示面の中央部の特性量を容易に且つ精度よく推定することができるため、カラー表示の液晶表示装置のキャリブレーションなどを精度よく行うことができる。また、本機能を有さない従来の液晶表示装置であっても、本機能を有する測定装置を付加することにより、同等のキャリブレーションを行うことができる。よって、液晶表示装置のキャリブレーション又は表示特性のチェック等の処理を自動化することも容易であり、液晶表示装置の表示品質を高度に保つことができる。
【0043】
また、第2発明、第7発明、第12発明及び第17発明による場合は、表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量の対応を予め検出して離散的に複数記憶しておき、検出した周辺部の特性量に近いものを記憶した特性量から取得し、線形補間などの補間処理を行って中央部の特性量を算出する構成とすることにより、特性量の線形性が高い場合には、算出精度を低下させることなく、予め記憶する特性量の数を減ずることができるため、必要な記憶容量を削減することができると共に、予め記憶するための中央部及び周辺部の特性量の検出を短時間で行うことができる。よって、装置の部品コスト及び製造コスト等を削減でき、安価な装置を提供することができる。
【0044】
また、第3発明、第8発明、第13発明及び第18発明による場合は、予め検出した表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量を三刺激値として記憶しておき、赤、緑及び青の三原色の色度で検出した周辺部の特性量を三刺激値に変換して、中央部の特性量の取得又は算出を行う構成とすることにより、特性量として線形性の高い値を記憶しておくことができるため、線形補間などの補間処理によって容易に且つ精度よく中央部の特性量を算出することができる。よって、キャリブレーションなどを精度よく且つ高速に行うことができ、液晶表示装置の表示品質を高度に保つことができる。
【0045】
また、第4発明、第9発明、第14発明及び第19発明による場合は、表示面の中央部の特性量を検出する手段を備えて、表示面の中央部の特性量と周辺部の特性量とを検出し、検出した特性量を対応付けて記憶させる構成とすることにより、表示面の中央部及び周辺部の特性量を再度検出し、予め対応付けて記憶してある表示面の中央部及び周辺部の特性量を更新することができる。よって、液晶パネルの特性などに経年変化が生じた場合であっても、予め記憶した特性量を更新することによって、キャリブレーションなどを精度よく行うことができ、液晶表示装置の表示品質を高度に保つことができる。
【0046】
また、第5発明、第10発明、第15発明及び第20発明による場合は、予め対応付けて記憶した表示面の中央部及び周辺部の特性量と、検出した表示面の周辺部の特性量とを基に表示面の中央部の特性量を取得又は算出し、この特性量に応じて液晶パネルの表示特性の調整を行う構成とすることにより、表示面の周辺部の特性量から精度よく取得又は算出した中央部の特性量に基づく高精度な調整を行うことができ、液晶表示装置の表示品質を高度に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る液晶表示装置の外観を示す模式的斜視図である。図において1はカラー表示の液晶表示装置である。液晶表示装置1は、略矩形の板状をなす本体部分の正面に液晶パネルによる表示面2が設けられて映像を表示するようにしてあると共に、背面にスタンドが設けられて机上又は床上等に表示面2が略垂直となるように本体部分を支持するようにしてある。
【0048】
また、液晶表示装置1の本体部分の上側には、表示面2の周辺部の輝度及び色度等の特性量を検知するスイングセンサ30が着脱可能に取り付けてある。スイングセンサ30は、略長方形の板状をなして一端部分近傍に光センサが配されると共に、他端部を回動可能に枢支された移動部31を有している。移動部31は、光センサが表示面2の周辺部に対向する位置と、スイングセンサ30の本体部分に設けられた収容部32内に収容されて表示面2に対向しない位置との間を、DCモータの動力により移動するようにしてある。移動部31を自動的に移動させることにより表示面2の特性量を自動的に検知することも可能である。
【0049】
図2及び図3は、本発明に係る特性量測定方法を実行するための装置の構成を示すブロック図である。本発明に係る特性量測定法は、上述の液晶表示装置1及びスイングセンサ30と、手動で液晶表示装置1の表示面2の中央部の特性量を検知するための外部光センサ40と、これらの3つの装置を制御するPC50とを用いて行うことができる。
【0050】
液晶表示装置1は、液晶パネル3、バックライト4、制御部5、ROM6、RAM7、操作部8、信号入力部9、バックライト駆動部10、液晶駆動部11等を備えている。液晶表示装置1の信号入力部9は、PC50などの外部機器にケーブルを介して接続される接続端子を有しており、外部機器から入力される映像信号を取得するようにしてあり、液晶表示装置1はこの映像信号に基づいて液晶パネル3の表示面2に映像を表示するようにしてある。なお、信号入力部9に入力される映像信号は、アナログの信号形式又はデジタルの信号形式のいずれであってもよい。
【0051】
制御部5は、バスを介して液晶表示装置1内の各部に接続してあり、これらの動作を制御することによって、映像の表示などの種々の処理を実行するようにしてある。ROM6は、例えばマスクROM又はEEPROM等の不揮発性のメモリ素子により構成してあり、制御部5の動作に必要な各種のプログラム及びデータ等が予め記憶してある。RAM7は、SRAM又はDRAM等の書き換え可能なメモリ素子により構成してある。例えば、制御部5はROM6に記憶されたプログラムをRAM7にロードしてプログラムを実行し、プログラムの実行に伴って生成された一時的なデータをRAM7に記憶するようにしてある。
【0052】
操作部8は、液晶表示装置1を操作するための各種のファンクションキーなどを有している。例えば、表示面2の明るさ(ブライトネス)を設定するためのキー、及び表示面2に表示される映像のカラーバランスを設定するためのキー等の各種の設定キーが操作部8には設けてある。操作部8は、これらのファンクションキーに対するユーザの操作を受け付けて、制御部5へ通知するようにしてあり、制御部5は受け付けたユーザの操作に応じて各部を制御し、設定を更新するようにしてある。
【0053】
液晶パネル3は、一対のガラス基板が対向配置され、その間隙内に液晶物質である液晶層が形成された構造をなしている。一方のガラス基板には、複数の画素電極と、画素電極のそれぞれにドレインを接続したTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)とが設けてあり、他方のガラス基板には共通電極が設けてある。TFTのゲート及びソースは、液晶駆動部11のゲートドライバ11a及びソースドライバ11bの各出力段にそれぞれ接続してある。
【0054】
液晶駆動部11は、制御部5に制御されて、信号入力部9に入力された映像信号に基づいて液晶パネル3を駆動するようにしてある。液晶駆動部11のゲートドライバ11aは、液晶パネル3が有する多数のTFTのゲートに、入力された映像信号に応じて選択的に電圧を印加するようにしてあり、同様にソースドライバ11bは、TFTのソースに、入力された映像信号に応じた電圧値で電圧を印加するようにしてある。
【0055】
液晶パネル3は、ゲートドライバ11aから印加される電圧によって各画素のTFTのオン/オフが制御され、ソースドライバ11bから入力される出力電圧(液晶パネル3への入力レベル)をオン期間に各画素のTFTに印加することにより、液晶物質の電気光学特性によって決定される光透過率を制御して、光源からの光の透過を調整し、映像を階調表示するようにしてある。液晶パネル3は一対の偏光板(図示は省略する)で挟まれ、更にその背面に光源としてのバックライト4が配設してある。また、液晶パネル3の正面側は外部に露出しており、正面側が映像を表示する表示面2をなしている。
【0056】
バックライト4はバックライト駆動部10から与えられる出力電圧により駆動されており、バックライト駆動部10は制御部5により制御されて、ユーザが操作部8を操作して設定したブライトネスに応じて出力電圧を調整してバックライト4へ与え、バックライト4の輝度を調整するようにしてある。これにより、液晶パネル3の表示面2でのブライトネスを調整することができる。
【0057】
液晶表示装置1に取り付けられるスイングセンサ30は、光センサ33、DCモータ34、モータ駆動部35及びI/F(インタフェース)部36等を備える構成である。上述の移動部31に設けられる光センサ33は、フォトトランジスタなどの受光素子及びA/D変換回路等を有するものであり、液晶パネル3の表示面2の周辺部の輝度又は色度等の特性量に応じて受光素子が出力する電圧をA/D変換回路によりデジタルの電気信号に変換して出力するようにしてある。
【0058】
また、DCモータ34は、移動部31を液晶ディスプレイ3の表示面2に沿って回動させる動力を発生するものであり、モータ駆動部35から与えられる電圧により駆動されるようにしてある。モータ駆動部35は、所望の電圧を発生してDCモータ34に印加し、DCモータ34の回転方向及び回転量を制御することによって、光センサ33による表示面2の特性量の検出位置又は非検出位置のいずれかに移動部31を移動させるようにしてある。
【0059】
また、光センサ33及びモータ駆動部35はI/F部36にそれぞれ接続してある。I/F部36はケーブルを介してPC50に接続してあり、光センサ33が検知した表示面2の特性量をデジタルのデータとしてPC50へ与えると共に、PC50からの制御命令を取得してモータ駆動部35に与えるようにしてある。これにより、モータ駆動部35がDCモータ34を駆動し、移動部31を移動させて光センサ33による特性量の検出を行うようにしてある。
【0060】
外部光センサ40は、スイングセンサ30の光センサ33と同様に表示面2の輝度又は色度等の特性量を検出するものである。ただし、スイングセンサ30のように常に液晶表示装置1に取り付けるのではなく、検出を行う場合にのみ表示面2の略中央に両面テープなどで固定して使用するようにしてあり、液晶表示装置1の製造時、スイングセンサ30の取り付け時又は定期的に、表示面2の中央部の特性量と周辺部の特性量との相関関係を取得する場合に付加的に使用される。外部光センサ40は、使用時にのみPC50に接続され、外部光センサ40が検出した特性量はデジタルのデータとしてPC50へ与えられる。
【0061】
PC50は、CPU51、RAM52、操作部53、I/F部54、55、信号出力部56及び記憶部60等を備える構成である。CPU51は、バスを介してその他のハードウェア各部に接続してあり、これら各部の動作を制御する処理を行うと共に、記憶部60に記憶された各種のプログラムを実行することにより演算などの処理を行うようにしてある。RAM52は、SRAM又はDRAM等のメモリ素子で構成され、CPU51が処理を行う際に各種のプログラム及びデータ等を一時的に記憶するようにしてある。
【0062】
操作部53は、例えばマウス及びキーボード等の装置に対してユーザが行った操作を受け付け、操作内容をCPU51に通知する処理を行うようにしてある。I/F部54、55は、例えばUSB又はRS232C等の規格の接続端子を備えて外部の機器との間でデータの送受信を行うためのものであり、図3に示す例ではスイングセンサ30が常時接続されると共に、必要に応じて外部光センサ40が接続される。信号出力部56は、液晶表示装置1に接続されており、CPU51の処理により生成された表示用の映像信号を液晶表示装置1へ出力し、所望の映像を液晶表示装置1の表示面2に表示することができるようにしてある。
【0063】
記憶部60は、ハードディスクなどの大容量の記憶装置で構成されるものであり、図示は省略するが、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム及び制御プログラム等の各種のプログラムと、これらのプログラムで利用されるデータ又はこれらのプログラムが生成したデータ等とを記憶するようにしてある。本実施の形態においては、記憶部60にキャリブレーションプログラム61、理想階調特性テーブル62、LUT63、及び相関テーブル64等が記憶してある。
【0064】
理想階調テーブル62は、液晶表示装置1に表示する映像のデータに係る階調レベルと、この階調レベルに対して液晶表示装置1の液晶パネル3が表示する際の理想的な輝度又は色度等の特性量とが関連付けて記憶されたテーブルである。LUT63は、理想階調テーブル62に記憶された理想的な特性量となるように、各階調レベルに対応して液晶パネル3へ与える入力レベルが関連付けて記憶されたテーブルである。CPU51は、各種のプログラムの実行により生成された映像データの各画素の階調レベルを、LUT63を基に液晶パネル3への最適な入力レベルに変換し、映像信号として信号出力部56から液晶表示装置1へ出力するようにしてある。
【0065】
しかし、液晶表示装置1の継続的な使用により液晶パネル3に経年変化が生じ、液晶パネル3の表示特性に若干の変化が生じた場合、予め記憶したLUT63による階調レベルから入力レベルへの変換では、理想階調テーブル62に記憶された理想的な特性量で映像を表示できない場合がある。このため、変化した液晶パネル3の表示特性に合わせてLUT63を更新する処理(以下、キャリブレーション処理という)を行うキャリブレーションプログラム61が記憶部60に記憶してあり、キャリブレーションプログラム61をCPU51が実行してLUT63を更新することにより、液晶パネル3にて理想的な特性量で映像を表示できるようにしてある。なお、キャリブレーション処理は、ユーザが操作部53を操作することによりキャリブレーションプログラム61をPC50に実行させてもよく、予め定められた周期で自動的に行わせてもよく、PC50がLANなどのネットワークに接続する機能を有している場合にはサーバコンピュータなどによる遠隔操作で行わせてもよい。
【0066】
キャリブレーションプログラム61によるキャリブレーション処理では、スイングセンサ30を用いて液晶表示装置1の表示面2の特性量を検出し、理想階調テーブル62に記憶された理想的な特性量との差を打ち消すように、LUT63に記憶された入力レベルを更新する。しかし、スイングセンサ30は表示面2の周辺部の特性量を検出する構成であるが、キャリブレーション処理は表示面2の中央部の特性量を基に行うことが好ましい。そこで、記憶部60には、表示面2の中央部の特性量と周辺部の特性量とが対応付けて記憶された相関テーブル64が記憶してあり、キャリブレーションプログラム61は、相関テーブル64を基に、スイングセンサ30が検出した表示面2の周辺部の特性量から中央部の特性量を取得又は算出し、中央部の特性量を基にキャリブレーション処理を行うようにしてある。
【0067】
図4は、相関テーブル64の一例を示す模式図である。相関テーブル64は、スイングセンサ30が検出した表示面2の周辺部の特性量と、外部光センサ40が検出した表示面2の中央部の特性量とが対応付けて記憶されたテーブルである。液晶表示装置1とスイングセンサ30及び外部光センサ40とを組にして製造及び販売等される場合には、製造工程にてスイングセンサ30及び外部光センサ40による測定を予め行って相関テーブル64を作成し、また、液晶表示装置1とスイングセンサ30及び外部光センサ40とが個別に製造及び販売等される場合には、スイングセンサ30の取り付け時に測定を行って相関テーブル64を作成すればよい。製造工程にて相関テーブル64を作成した場合には、作成した相関テーブル64をCD−ROMなどの記録媒体に記録して提供してもよく、PC50の記憶部60に記憶してPC50と共に提供してもよい。また、ユーザがスイングセンサ30及び外部光センサ40を利用して、相関テーブル64を更新することも可能である。相関テーブル64の更新は、キャリブレーションプログラム61の一機能として提供される。
【0068】
相関テーブル64には、表示面2の中央部の特性量と周辺部の特性量とが三刺激値(X、Y、Z値)として記憶してある。図4に示す相関テーブル64には、スイングセンサ30が検出した特性量の三刺激値をXSn、YSn、ZSn(n=0〜8)とし、外部光センサ40が検出した特性量の三刺激値をXRn、YRn、ZRn(n=0〜8)として記載してある。液晶パネル3が256階調の表示を行う場合、相関テーブル64には図示のように9段階程度に離散的に検出を行った結果を対応付けて記憶してあり、一の測定階調レベル毎に、各X、Y、Z値についてスイングセンサ30の検出値(XSn、YSn、ZSn)に、外部光センサ40の検出値に対するスイングセンサ30の検出値の比(XRn/XSn、YRn/YSn、ZRn/ZSn)が対応付けて記憶してある。なお、実際に記憶部60に記憶する相関テーブル64では、図4に示した測定階調レベルの項目は含まれていなくてもよい。また、スイングセンサ30の検出値(XSn、YSn、ZSn)に対応付けて外部光センサ40の検出値に対するスイングセンサ30の検出値の比(XRn/XSn、YRn/YSn、ZRn/ZSn)を記憶する構成としたが、これに限らず、スイングセンサ30の検出値(XSn、YSn、ZSn)に対して単に外部光センサ40の検出値(XRn、YRn、ZRn)を対応付けて記憶する構成としてもよい。
【0069】
キャリブレーションプログラム61によりキャリブレーション処理を行う場合には、スイングセンサ30にて表示面2の周辺部の特性量を検出し、検出した特性量を三刺激値(XSn、YSn、ZSn)に変換して、相関テーブル64を参照することにより、中央部の特性量の三刺激値(XRn、YRn、ZRn)を取得することができる。このとき、スイングセンサ30にて検出した特性量に係る三刺激値が、相関テーブル64に含まれておらず、直接的に中央部の特性量の三刺激値を取得することができない場合には、相関テーブル64に記憶された値を基に線形補間処理を行って、中央部の特性量の三刺激値を取得するようにしてある。
【0070】
図5は、相関テーブル64をグラフとして示した模式図であり、図4に示した相関テーブル64のX値についてグラフ化したものである。また、(a)に相関テーブル64の全体図を示し、(b)に一部拡大した図を示してある。検出した特性量を三刺激値として記憶した相関テーブル64の各値は、図5(a)に示すように線形性が高く、一次関数で近似することができる。例えば、キャリブレーション処理の際にスイングセンサ30にて検出した特性量のX値が、XS3及びXS4の間の値XSであった場合、(XS3、XR3/XS3)及び(XS4、XR4/XS4)の2点を結ぶ直線(図5(b)の破線参照)を算出して、XSに対応するXR/XRを算出することができる。
【0071】
このように、相関テーブル64に特性量を三刺激値として記憶しておくことにより、線形補間処理を行って精度よく表示面2の中央部の特性量を算出することができる。このため、相関テーブル64には、256段階の全階調レベルについて値を記憶しておく必要はなく、図示のように9段階程度の階調レベルについて予め検出を行って記憶しておけばよい。
【0072】
なお、スイングセンサ30が例えば特性量を赤、緑及び青の三原色の色度(R、G、B値)で検出する場合には、検出したR、G、B値から三刺激値であるX、Y、Z値に変換する必要がある。以下に、R、G、B値からX、Y、Z値への変換方法について簡単に説明する。R、G、B値からX、Y、Z値へ変換を行う場合、まず、以下の(2)式及び(3)式を用いてR、G、B値をY、x、y値に変換する。
【0073】
【数1】

【0074】
なお、A00〜A33は変換のための定数であり、一例として以下の値を用いることができる。
【0075】
【数2】

【0076】
次いで、算出したY、x、y値をX、Y、Z値に変換する。この変換は、以下の(4)式を用いて行うことができる。
【0077】
【数3】

【0078】
キャリブレーション処理の際にスイングセンサ30にて検出したR、G、B値を(2)〜(4)式にてX、Y、Z値に変換し、相関テーブル64を参照することによって、表示面2の中央部の特性量をX、Y、Z値として取得又は算出することができる。取得又は算出した中央部の特性量は、変換式は省略するが上記の逆の演算を行うことにより、必要に応じてX、Y、Z値からR、G、B値に変換することができる。また、外部光センサ40が、表示面の中央部の特性量をY、x、y値として検出する構成の場合、検出値を(4)式によりX、Y、Z値に変換する。
【0079】
図6及び図7は、相関テーブル64を作成又は更新する処理の手順を示すフローチャートである。相関テーブル64を作成又は更新する処理は、キャリブレーションプログラム61の一機能として実行することができ、PC50の操作部53の操作によりこの処理を実行する指示が与えられた場合には、まず、液晶表示装置1の表示面2の中央に外部光センサ40の取り付けを要求するメッセージを表示する(ステップS1)。このとき、メッセージと共に表示面2の中央に外部光センサ40の取り付け位置を示す図形又は記号等を表示することが好ましい。その後、表示面2の中央に外部光センサ40が取り付けられて、例えば取り付け完了を通知する操作がなされたか否かを調べることによって、外部光センサ40の取り付けが完了したか否かを調べ(ステップS2)、取り付けが完了していない場合には(S2:NO)、ステップS1へ戻ってメッセージの表示を継続して行い、取り付けが完了するまで待機する。
【0080】
表示面2の中央に外部光センサ40の取り付けが完了した場合(S2:YES)、表示面2の全体に白色を表示し(ステップS3)、スイングセンサ30を起動して(ステップS4)、光センサ33が表示面2の周辺部に対向するように移動部31を移動させる。次いで、液晶表示装置1のバックライト4を消灯し、スイングセンサ30及び外部光センサ40による検出を行って、このときの検出値を基準値とする0調整を行う(ステップS5)。
【0081】
次いで、バックライト4を点灯して、ブライトネス設定を予め定められた設定(例えば、キャリブレーション処理を行う際のブライトネス設定に対して+5%のブライトネス、又は最大のブライトネス等)に調整し(ステップS6)、このときのスイングセンサ30による検出値を取得すると共に(ステップS7)、外部光センサ40による検出値を取得する(ステップS8)。スイングセンサ30による検出値はR、G、B値であるが、外部光センサ40の検出値はY、x、y値であるため、外部光センサ40の検出値はY、x、y値からR、G、B値に変換し(ステップS9)、スイングセンサ30の検出値を補正するための補正係数(a、b、c)を以下の(5)式に基づいて算出する(ステップS10)。
【0082】
【数4】

【0083】
なお、(5)式において、R0、G0及びB0はステップS7でのスイングセンサ30の検出値であり、R’、G’及びB’はステップS8での外部光センサ40の検出値をステップS9にて変換した値である。以後の処理においては、スイングセンサ30が検出した検出値R0、G0、B0に補正係数a、b、cをそれぞれ乗じた値R、G、Bを、スイングセンサ30の検出結果として用いる(上記の(6)式参照)。スイングセンサ30のような簡易的な光センサには安価な受光素子が使われることが多く、この場合検出値R0、G0及びB0の各色比率に固体バラツキは生じやすい。上記補正係数を用いることで、検出値R0、G0及びB0の各色比率をより高精度な外部光センサ40の検出値R’、G’及びB’の各色比率にあわせ、スイングセンサ30の固体バラツキを解消することが可能となる。なお、スイングセンサ30に固体バラツキの少ない受光素子が使われている場合はこの補正係数は不要となる。算出した補正係数は記憶部60に記憶し(ステップS11)、次の処理へ移行する。
【0084】
次いで、表示面2の表示を白色表示からグレイ表示に変更し(ステップS21)、表示面2に表示する階調レベルを予め定められた測定階調レベルの一つに設定する(ステップS22)。例えば、図4に示した相関テーブル64の場合には、9段階で測定階調レベルを変化させる必要があり、ステップS22にてこの9段階の測定階調レベルのうちの一の測定階調レベルとなるように設定を行う。
【0085】
次いで、スイングセンサ30にて表示面2の周辺部の特性量を検出して、検出値を取得し(ステップS23)、記憶部60に記憶した補正係数及び上記の(6)式に基づいて検出値を補正し(ステップS24)、補正したR、G、B値の検出値を(2)〜(4)式に基づいてX、Y、Z値の三刺激値に変換する(ステップS25)。また、外部光センサ40にて表示面2の中央部の特性量を検出して、検出値を取得し(ステップS26)、取得したY、x、y値の検出値を(4)式に基づいてX、Y、Z値の三刺激値に変換する(ステップS27)。
【0086】
次いで、外部光センサ40の検出値XRn、YRn、ZRnに対するスイングセンサ30の検出値XSn、YSn、ZSnの比XRn/XSn、YRn/YSn、ZRn/ZSn、即ち相関係数を算出して(ステップS28)、記憶部60に相関テーブル64として記憶する(ステップS29)。相関係数の記憶を全ての測定階調レベルについて終了したか否かを調べ(ステップS30)、終了していない場合には(S30:NO)、ステップS22へ戻り、未処理の測定階調レベルについてステップS22〜S29の処理を繰り返し行う。全ての測定階調レベルについて処理が終了した場合(S30:YES)、スイングセンサ30の移動部31を収容部32に収容する処理、液晶パネル3の表示を元に戻す処理、ブライトネス設定を元に戻す処理、及び外部光センサ40の取り外しを促すメッセージを表示する処理等を含む終了処理を行って(ステップS31)、処理を終了する。
【0087】
以上の手順により相関テーブル64の作成又は更新を行うことができ、キャリブレーション処理を行う際に相関テーブル64を用いることによって、スイングセンサ30が検出した表示面2の周辺の特性量から中央部の特性量を取得することができる。図8及び図9は、キャリブレーション処理の手順を示すフローチャートである。キャリブレーション処理では、まず、記憶部60に相関テーブル64が記憶済みであるか否かのチェックを行って(ステップS41)、相関テーブル64が記憶部60に記憶されていない場合(S41:NO)、液晶表示装置1の表示面2にエラーメッセージを表示して(ステップS42)、処理を終了する。この際に、相関テーブル64の作成を促すメッセージを表示することが好ましい。
【0088】
相関テーブル64が記憶部60に記憶されている場合(S41:YES)、表示面2の全体に白色を表示し(ステップS43)、スイングセンサ30を起動して(ステップS44)、光センサ33が表示面2の周辺部に対向するように移動部31を移動させる。次いで、液晶表示装置1のバックライト4を消灯し、スイングセンサ30による検出を行って、このときの検出値を基準値とする0調整を行う(ステップS45)。その後、バックライト4を点灯して、ブライトネス設定を予め定められた設定に調整し(ステップS46)、表示面2の表示をグレイ表示に変更して(ステップS47)、表示する階調レベルを0に設定する(ステップS48)。
【0089】
次いで、スイングセンサ30にて表示面2の周辺部の特性量を検出して、検出値を取得し(ステップS49)、記憶部60に記憶してある補正係数a、b、c及び上述の(6)式に基づいて検出値を補正し(ステップS50)、補正したR、G、B値の検出値を(2)〜(4)式に基づいてX、Y、Z値の三刺激値に変換する(ステップS51)。
【0090】
次いで、ステップS51にて得られた三刺激値が、記憶部60中の相関テーブル64に記憶された値に含まれているか否かを調べ(ステップS52)、含まれている場合には(S52:YES)、相関テーブル64から対応する中央部の特性量を取得し(ステップS53)、含まれていない場合には、(S52:NO)、線形補間処理を行って(ステップS53)、中央部の特性量を算出する。
【0091】
ステップS53にて取得した特性量又はステップS54にて補間処理により算出した中央部の特性量はX、Y、Z値の三刺激値であるので、これをR、G、B値の特性量に変換し(ステップS55)、R、G、B値に変換した中央部の特性量を階調レベルと対応付けて記憶部60に記憶する(ステップS56)。その後、液晶パネル3が表示可能な全ての階調レベルについて表示面2の中央部の特性量の測定を終了したか否かを調べ(ステップS57)、全ての階調レベルについて終了していない場合には(S57:NO)、階調レベルを1段階増すなどの変更を行って(ステップS58)、ステップS49へ戻り、全ての階調レベルについてステップS49〜S56の処理を繰り返し行う。
【0092】
全ての階調レベルについて表示面2の中央部の特性量の測定を終了した場合(S57:YES)、記憶部60に記憶された理想階調特性テーブル62を読み出して(ステップS59)、ステップS56にて記憶部60に記憶した全階調レベルについての表示面2の中央部の特性量と理想階調特性テーブル62の階調特性とを基にLUT63の更新処理を行う(ステップS60)。
【0093】
図10は、LUT63の更新処理の手順を示すフローチャートであり、図8及び図9に示すフローチャートのステップS60にて行う処理である。理想階調特性テーブル62には階調レベルに対して理想的な特性量が対応付けて記憶してあり、理想階調特性テーブル62中の階調レベルkに対する理想的な特性量をXTkとする(k=0〜255)。また、ステップS56にて記憶した表示面2の中央部の特性量について、階調レベルjに対して測定した特性量をXTjとする(j=0〜255)。
【0094】
LUT63の更新処理では、まず、理想的な特性量XTkと測定した特性量XTjとの差分(XTk−XTj)を全ての組み合わせについて算出し(ステップS71)、この差分の絶対値|XTk−XTj|が最小となる階調レベルk及びjの組み合わせを抽出する(ステップS72)。抽出結果から、階調レベルkをテーブルの入力とし、対応する階調レベルjをテーブルの出力としてLUT63に記憶し(ステップS73)、更新処理を終了する。
【0095】
ステップS60にてLUT63の更新処理が終了した後、スイングセンサ30の移動部31を収容部32に収容する処理、液晶パネル3の表示を元に戻す処理、及びブライトネス設定を元に戻す処理等を含む終了処理を行って(ステップS61)、キャリブレーション処理を終了する。
【0096】
以上の構成の液晶表示装置1、スイングセンサ30及びPC50を用いた特性量測定方法においては、PC50の記憶部60に相関テーブル64として、スイングセンサ30による表示面2の周辺部の特性量と外部光センサ40による表示面2の中央部の特性量とを対応付けて記憶しておき、キャリブレーションなどの処理を行う際には、スイングセンサ30にて表示面2の周辺部の特性量を検出して、相関テーブル64から表示面2の中央部の特性量を取得又は算出することによって、スイングセンサ30の検出値から精度のよいキャリブレーションなどをの処理を行うことができるため、これらの処理の自動化を容易に実現可能となる。また、相関テーブル64の入力が特性量であり、出力もまた特性量であって、液晶パネル3の階調レベルに依存しない構成であるため、カラーバランスが変更された場合であっても同じ相関テーブル64を利用して処理を行うことができ、また、スイングセンサ30を取り付けてPC50にプログラムを導入するのみで、液晶表示装置の種類又は機能等に依存することなく特性量の測定を行うことができる。
【0097】
また、相関テーブル64には特性量を三刺激値として記憶しておくことにより、線形性の高いデータを記憶しておくことができるため、容易に且つ精度よく線形補間処理を行うことができる。よって、相関テーブル64には、256階調の表示を行う液晶パネル3であっても9階調程度の特性量を離散的に記憶しておくのみでよいため、記憶容量を削減することができると共に、相関テーブル64を作成するために必要な時間を短縮できる。また、経年変化などにより液晶パネル3又はバックライト4等の特性が変化し、表示面2での表示特性が変化した場合には、外部光センサ40を用いて相関テーブル64を更新することができるため、液晶表示装置1の表示品質を高度に保つことができる。
【0098】
なお、本実施の形態においては、表示面2の中央部の特性量の取得及び算出をキャリブレーション処理のために行う構成としたが、これに限るものではなく、液晶表示装置1の表示特性のチェックなどの他の目的に行う構成としてもよい。また、相関テーブル64の更新はキャリブレーションプログラム61が行う構成としたが、これに限るものではなく、専用の別のプログラムが相関テーブル64の更新を行う構成としてもよい。また、スイングセンサ30を液晶表示装置1とは別の装置とし、スイングセンサ30を液晶表示装置1に取り付けて検出を行う構成としたが、これに限るものではなく、スイングセンサ30を液晶表示装置1に内蔵する構成としてもよい。また、キャリブレーション処理及び相関テーブル64の更新処理等をPC50が行う構成としたが、これに限るものではなく、液晶表示装置1がこれらの処理を行う構成としてもよく、スイングセンサ30がこれらの処理を行う構成としてもよい。また、液晶表示装置1が表示する映像に係る映像信号をPC50が出力する構成としたが、これに限るものではなく、その他の装置が出力する構成としてもよい。
【0099】
(変形例)
図11は、本実施の形態の変形例に係る液晶表示装置101の構成を示すブロック図である。変形例に係る液晶表示装置101は、図2に示した液晶表示装置1の各部に加えて、スイングセンサ30を接続するI/F部54と、外部光センサ40を接続するI/F部55と、キャリブレーションプログラム61、理想階調特性テーブル62、LUT63及び相関テーブル64等が記憶された記憶部60と、これらを制御可能な制御部105とを備えている。
【0100】
よって、液晶表示装置101は、PC150から与えられる映像信号の階調レベルをLUT63により液晶パネル3に適した階調レベルに変換して映像を表示する処理を行うと共に、上述のキャリブレーション処理及び相関テーブル64の更新処理等を行うことができる。このように、キャリブレーション処理及び相関テーブル64の更新処理等をPC150が行うのではなく、液晶表示装置101が自ら行う構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の外観を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明に係る特性量測定方法を実行するための装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る特性量測定方法を実行するための装置の構成を示すブロック図である。
【図4】相関テーブルの一例を示す模式図である。
【図5】相関テーブルをグラフとして示した模式図である。
【図6】相関テーブルを作成又は更新する処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】相関テーブルを作成又は更新する処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】キャリブレーション処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】キャリブレーション処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】LUTの更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態の変形例に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図12】液晶パネルの表示面の周辺部の特性量から中央部の特性量を推定する一の方法を説明するための模式図である。
【図13】カラー表示の液晶表示装置の場合の問題点を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0102】
1 液晶表示装置
2 表示面
3 液晶パネル
4 バックライト
5 制御部
9 信号入力部
10 バックライト駆動部
11 液晶駆動部
30 スイングセンサ(特性量測定装置)
31 移動部
33 光センサ(周辺特性量検出手段)
40 外部光センサ(中央特性量検出手段)
50 PC(特性量測定装置)
51 CPU(判定手段、取得手段、算出手段、変換手段、調整手段)
56 信号出力部
60 記憶部(記憶手段)
61 キャリブレーションプログラム
62 理想階調特性テーブル
63 LUT
64 相関テーブル
101 液晶表示装置
105 制御部
150 PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示面に表示する液晶パネルと、前記表示面の周辺部の輝度又は色度の特性量を検出する周辺特性量検出手段とを備える液晶表示装置において、
前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量を対応付けて予め記憶する記憶手段と、
前記周辺特性量検出手段が検出した特性量が、前記記憶手段が記憶した特性量に含まれているか否かを判定する判定手段と、
含まれていると前記判定手段が判定した場合に、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に対応する前記表示面の中央部の特性量を取得する取得手段と、
含まれていないと前記判定手段が判定した場合に、前記記憶手段に予め記憶された中央部の特性量及び周辺部の特性量を基に、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に対する前記表示面の中央部の特性量を算出する算出手段と
を備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記記憶手段には、前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量が離散的に複数記憶してあり、
前記算出手段は、前記記憶手段に記憶された特性量から、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に近い特性量を取得し、補間処理を行って中央部の特性量を算出するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記記憶手段には、特性量を三刺激値として記憶してあり、
前記周辺特性量検出手段は、赤、緑及び青の三原色の色度を特性量として検出するようにしてあり、
前記周辺特性量検出手段が検出した各色の色度を三刺激値に変換する変換手段を備えること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記表示面の中央部の特性量を検出する中央特性量検出手段と、
該中央特性量検出手段が検出した特性量及び前記周辺特性量検出手段が検出した特性量を対応付けて前記記憶手段に記憶させる手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記取得手段が取得した中央部の特性量又は前記算出手段が算出した中央部の特性量に応じて、前記表示面に映像を表示するときの表示特性を調整する調整手段を備えること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の液晶表示装置。
【請求項6】
液晶表示装置に取り付けられて、前記液晶表示装置の表示面の周辺部の輝度又は色度の特性量を検出する周辺特性量検出手段を備える液晶表示装置の特性量測定装置において、
前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量を対応付けて予め記憶する記憶手段と、
前記周辺特性量検出手段が検出した特性量が、前記記憶手段が記憶した特性量に含まれているか否かを判定する判定手段と、
含まれていると前記判定手段が判定した場合に、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に対応する前記表示面の中央部の特性量を取得する取得手段と、
含まれていないと前記判定手段が判定した場合に、前記記憶手段に予め記憶された中央部の特性量及び周辺部の特性量を基に、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に対する前記表示面の中央部の特性量を算出する算出手段と
を備えることを特徴とする液晶表示装置の特性量測定装置。
【請求項7】
前記記憶手段には、前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量が離散的に複数記憶してあり、
前記算出手段は、前記記憶手段に記憶された特性量から、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に近い特性量を取得し、補間処理を行って中央部の特性量を算出するようにしてあること
を特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置の特性量測定装置。
【請求項8】
前記記憶手段には、特性量を三刺激値として記憶してあり、
前記周辺特性量検出手段は、赤、緑及び青の三原色の色度を特性量として検出するようにしてあり、
前記周辺特性量検出手段が検出した各色の色度を三刺激値に変換する変換手段を備えること
を特徴とする請求項6又は請求項7に記載の液晶表示装置の特性量測定装置。
【請求項9】
前記表示面の中央部の特性量を検出する中央特性量検出手段と、
該中央特性量検出手段が検出した特性量及び前記周辺特性量検出手段が検出した特性量を対応付けて前記記憶手段に記憶させる手段と
を備えることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1つに記載の液晶表示装置の特性量測定装置。
【請求項10】
前記取得手段が取得した中央部の特性量又は前記算出手段が算出した中央部の特性量に応じて、前記表示面に映像を表示するときの表示特性を調整する調整手段を備えること
を特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか1つに記載の液晶表示装置の特性量測定装置。
【請求項11】
映像を表示面に表示する液晶パネルを備える液晶表示装置の前記表示面の輝度又は色度の特性量を測定する特性量測定方法において、
前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量を対応付けて予め記憶しておき、
前記表示面の周辺部の特性量を検出し、
検出した前記表示面の周辺部の特性量が、予め対応付けて記憶した前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量に含まれているか否かを判定し、
含まれている場合には、検出した周辺部の特性量に対応する予め記憶した中央部の特性量を取得し、
含まれていない場合には、予め記憶した中央部の特性量及び周辺部の特性量を基に、検出した周辺部の特性量に対する中央部の特性量を算出すること
を特徴とする特性量測定方法。
【請求項12】
前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量を離散的に記憶しておき、
記憶した特性量から、検出した周辺部の特性量に近い特性量を取得し、補間処理を行って中央部の特性量を算出すること
を特徴とする請求項11に記載の特性量測定方法。
【請求項13】
特性量を三刺激値として記憶しておき、
前記表示面の周辺部の特性量を赤、緑及び青の三原色の色度として検出し、
検出した各色の色度を三刺激値に変換すること
を特徴とする請求項11又は請求項12に記載の特性量測定方法。
【請求項14】
前記表示面の中央部の特性量を検出し、
検出した中央部の特性量及び検出した周辺部の特性量を対応付けて記憶すること
を特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれか1つに記載の特性量測定方法。
【請求項15】
取得又は算出した中央部の特性量に応じて、前記表示面に映像を表示するときの表示特性を調整すること
を特徴とする請求項11乃至請求項14のいずれか1つに記載の特性量測定方法。
【請求項16】
コンピュータに、映像を表示面に表示する液晶パネルと、前記表示面の周辺部の輝度又は色度の特性量を検出する周辺特性量検出手段とを備える液晶表示装置の前記表示面の特性量を測定させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
前記周辺特性量検出手段が検出した周辺部の特性量が、予め対応付けて記憶された前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量に含まれているか否かを判定させ、
含まれている場合には、前記周辺特性量検出手段が検出した周辺部の特性量に対応する予め記憶された中央部の特性量を取得させ、
含まれていない場合には、予め記憶した中央部の特性量及び周辺部の特性量を基に、検出した周辺部の特性量に対する中央部の特性量を算出させること
を特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項17】
コンピュータに、
予め離散的に記憶された前記表示面の中央部の特性量及び周辺部の特性量から、前記周辺特性量検出手段が検出した特性量に近い特性量を取得し、補間処理を行って中央部の特性量を算出させること
を特徴とする請求項16に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
コンピュータに、
前記周辺特性量検出手段が赤、緑及び青の三原色の色度として検出した前記表示面の周辺部の特性量を三刺激値に変換させること
を特徴とする請求項16又は請求項17に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
コンピュータに、
前記表示面の中央部の特性量を検出する中央特性量検出手段が検出した中央部の特性量、及び前記周辺特性量検出手段が検出した周辺部の特性量を対応付けて記憶させること
を特徴とする請求項16乃至請求項18のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
コンピュータに、
取得又は算出した中央部の特性量に応じて、前記表示面に映像を表示するときの表示特性を調整させること
を特徴とする請求項16乃至請求項19のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−165083(P2008−165083A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356833(P2006−356833)
【出願日】平成18年12月29日(2006.12.29)
【出願人】(391010116)株式会社ナナオ (160)
【Fターム(参考)】