説明

液晶表示装置の電源供給回路

【課題】ゲート電源駆動部に具備された電源供給回路でゲートハイ電圧やゲートロー電圧を生成するときに、チャージング制御信号及びローディング制御信号を出力する時にチャージング制御信号及びローディング制御信号の区間を周期的にまたは不規則的に変化させて電磁波干渉が低減されるようにして、新しいフレームが始まる度に同一の位相のチャージング制御信号及びローディング制御信号を使用して画像が安定されるようにディスプレイする。
【解決手段】正極性または負極性の電荷チャージング部及びローディング部を具備すると共に、新しいフレームが始まる度に同一の位相のチャージング制御信号を正極性電荷チャージング部のスイッチに出力して、そのチャージング制御信号の区間及び前記正極性電荷ローディング部の各スイッチに出力するローディング制御信号の区間を周期的にまたは不規則的に変化させる正極性電荷チャージング/ローディング制御部を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置のパネル駆動に必要な電源を供給する技術に関し、特に、ゲート電圧を生成する時に周期的にまたは不規則的に変化されるチャージング制御信号及びローディング制御信号を使用して電磁波干渉を低減することができるようにした液晶表示装置の電源供給回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来液晶表示装置の概略ブロック図として、これに示したように、複数個のゲートラインとデータラインがお互いに垂直した方向に配列されて、マトリックス形態のピクセル領域を有する液晶パネル110;該液晶パネル110に駆動信号とデータ信号を供給する駆動回路部121及び、その駆動回路部121で要する電源を供給する電源供給部122で構成されたLDI(LCD Driver IC)120を具備する。
【0003】
前記駆動回路部121は、ゲートドライバー121A、ソースドライバー121B、タイミングコントローラ121Cを具備する。
【0004】
ゲートドライバー121Aは、前記液晶パネル110の各ゲートラインを駆動するためのゲート駆動信号を出力する。
【0005】
ソースドライバー121Bは、前記液晶パネル110の各データラインにデータ信号を出力する。
【0006】
タイミングコントローラ121Cは、前記ゲートドライバー121A及びソースドライバー121Bの駆動を制御すると共に、電源供給部122の駆動を制御する。
【0007】
電源供給部122は電源制御部122A、ソース電源駆動部122B及びゲート電源駆動部122Cを具備する。
【0008】
電源制御部122Aは、前記タイミングコントローラ121Cの制御を受けてソース電源駆動部122B及びゲート電源駆動部122Cの駆動を制御する。
【0009】
この時、前記ゲート電源駆動部122Cは、前記ゲートドライバー121Aで前記ゲート駆動信号を生成するために必要とするゲートハイ電圧(VGH)とゲートロー電圧(VGL)を生成して供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−167366号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、前記ゲート電源駆動部に具備された電源供給回路においては前記ゲートハイ電圧(VGH)とゲートロー電圧(VGL)を生成するためのチャージング制御信号及びローディング制御信号を出力する時、図2の(a)のように常に同一位相のスイッチングパルスを出力した。これによって図2の(b)のようにスペクトラムが中心周波数(f0)帯域に集中された。
【0012】
そして、ソース電源駆動部122Bは、前記ソースドライバー121Bで前記データ信号を生成するために必要とする正、負極性のパネル駆動電圧(VDDP)、(VDDN)を供給する。
【0013】
このように、従来のゲート電源駆動部に具備された電源供給回路においては、ゲートハイ電圧やゲートロー電圧を生成するためのチャージング制御信号及びローディング制御信号を出力する時固定された位相のチャージング制御信号及びローディング制御信号を出力して電磁波干渉(EMI:Electro Magnetic Interference)がひどく現われる問題点があった。
【0014】
また、新しいフレームが始まる度に他の位相のチャージング制御信号及びローディング制御信号を使用して画像が不安定にディスプレイされる問題点があった。
【0015】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、ゲート電源駆動部に具備された電源供給回路でゲートハイ電圧やゲートロー電圧を生成する場合において、チャージング制御信号及びローディング制御信号を出力する時にチャージング制御信号及びローディング制御信号の区間を周期的にまたは不規則的に変化させて、新しいフレームが始まる度に同一の位相のチャージング制御信号及びローディング制御信号を使用することにある。
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に制限されない。本発明の他の課題及び長所は下記の説明によってさらに明らかに理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記のような課題を達成するための本発明は、
第1コンデンサーの両端がそれぞれスイッチを通じて正電源端子、負電源端子にそれぞれ接続されて電荷をチャージングする第1正極性電荷チャージング部;
第2コンデンサーの両端がそれぞれスイッチを通じて正電源端子、グラウンド端子にそれぞれ接続されて電荷をチャージングする第2正極性電荷チャージング部;
正電源端子を通じて供給される電荷を前記第1正極性電荷チャージング部の第1コンデンサーの負極性端子側にローディングする第1正極性電荷ローディング部;
前記第1正極性電荷チャージング部の第1コンデンサーにチャージングされた電荷を第2正極性電荷チャージング部の第2コンデンサーの負極性端子側にローディングする第2正極性電荷ローディング部;
前記第2正極性電荷チャージング部の第2コンデンサーにチャージングされた電荷をゲートハイ電源端子に接続された第3コンデンサーにローディングする第3正極性電荷ローディング部;
新しいフレームが始まる度に同一の位相のチャージング制御信号を前記第1、2正極性電荷チャージング部の第1、2スイッチに出力して、そのチャージング制御信号の区間及び前記第1−3正極性電荷ローディング部の各スイッチに出力するローディング制御信号の区間を周期的にまたは不規則的に変化させる正極性電荷チャージング/ローディング制御部;を具備した液晶表示装置の電源供給回路を提供することにある。
【0018】
前記のような課題を達成するための他の本発明は、
第1コンデンサーの両端がそれぞれスイッチを通じて正電源端子、負電源端子にそれぞれ接続されて電荷をチャージングする負極性電荷チャージング部;
グラウンド端子を通じて供給される電荷を前記負極性電荷チャージング部の第1コンデンサーの正極性端子側にローディングする第1負極性電荷ローディング部;
前記負極性電荷チャージング部の第1コンデンサーにチャージングされた負極性電荷をゲートに右電源端子に接続された第2コンデンサーにローディングする第2負極性電荷ローディング部;
新しいフレームが始まる度に同一の位相のチャージング制御信号を前記負極性電荷チャージング部の第1スイッチに出力して、そのチャージング制御信号の区間及び前記第1、2負極性電荷ローディング部の各スイッチに出力するローディング制御信号の区間を周期的にまたは不規則的に変化させる負極性電荷チャージング/ローディング制御部;を具備した液晶表示装置の電源供給回路を提供することにある。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、ゲート電源駆動部に具備された電源供給回路でゲートハイ電圧やゲートロー電圧を生成するにおいて、チャージング制御信号及びローディング制御信号の区間を周期的に、またはランダムに可変することで電磁波干渉が低減される効果がある。
【0020】
また、新しいフレームが始まる度に同一の位相のチャージング制御信号及びローディング制御信号を使用して画像が安定された状態にディスプレイされる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来液晶表示装置の概略ブロック図である。
【図2】(a)は、従来電源供給回路でのスイッチングパルスの波形図であり、(b)は、従来電源供給回路によるスペクトラムである。
【図3】本発明による液晶表示装置の電源供給回路図である。
【図4】本発明による液晶表示装置のまた他の電源供給回路図である。
【図5】(a)−(g)は、図3及び図4各部の波形図である。
【図6】(a)は、同期信号の波形図であり、(b)は、パワー信号の波形図である。
【図7】図3の正極性電荷チャージング/ローディング制御部または図4の負極性電荷チャージング/ローディング制御部の詳細ブロック図である。
【図8】(a)は、本発明によって周波数が一定なパターンに変化されることを示したグラフであり、(b)は、本発明によって周波数がランダムなパターンに変化されることを示したグラフであり、(c)は、本発明によって周波数が可変されてエネルギーがスプレッド(拡散)されたスペクトラムを示したグラフであり、(d)は、本発明によって周波数が可変されて現われたスイッチングパルスの波形図である。
【図9】図7でPWM発生器の詳細ブロック図である。
【図10】(a)、(b)は、本発明が適用される前後の電磁波干渉信号に対するシミュレーション結果図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明すれば次のようである。
【0023】
図3は、本発明による液晶表示装置の電源供給回路図として、これに図示したように、第1正極性電荷チャージング部301及び第2正極性電荷チャージング部302、第1−3正極性電荷ローディング部303−305、及び正極性電荷チャージング/ローディング制御部306を具備する。前記図3の電源供給回路は図1でゲート電源供給部122に具備されることで、正極性電荷をチャージング(充電)して出力するための回路である。
【0024】
第1正極性電荷チャージング部301は、正(+)電源端子(VSP)と負(−)電源端子(VSN)の間に直列接続されたスイッチSW301、コンデンサーC301及びスイッチSW302を具備する。
【0025】
第2正極性電荷チャージング部302は、正電源端子(VSP)とグラウンド端子(VSS)の間に直列接続されたスイッチSW303、コンデンサーC302及びスイッチSW304を具備する。
【0026】
第1正極性電荷ローディング部303は、前記第1正極性電荷チャージング部301の負極性ポートC1Mと正電源端子(VSP)との間に接続されたスイッチSW305を具備する。
【0027】
第2正極性電荷ローディング部304は、前記第1正極性電荷チャージング部301の正極性ポートC1Pと第2正極性電荷チャージング部302の負極性ポートC2Mを接続するスイッチSW306を具備する。
【0028】
第3正極性電荷ローディング部305は、前記第2正極性電荷チャージング部302の正極性ポートC2Pとグラウンド端子(VSS)との間に直列接続されたスイッチSW307及びコンデンサーC303を具備する。
【0029】
正極性電荷チャージング/ローディング制御部306は、図5の(a)のように垂直同期信号(VSYNC)のロー区間が経過された後に図5の(b)のような水平同期信号(HSYNC)に同期して、図5の(d)のようなチャージング制御信号CP1、CP2を出力する。これによって、前記チャージング制御信号CP1、CP2の’ハイ’区間で前記第1、2正極性電荷チャージング部301、302のスイッチSW301−SW304がターンオンされる。よって、前記正電源端子(VSP)、負電源端子(VSN)に供給される電源電圧によって前記コンデンサーC301に電荷がチャージングされて、前記正電源端子(VSP)、グラウンド端子(VSS)に供給される電源電圧によって前記コンデンサーC302に電荷がチャージング(充電)される。
【0030】
また、前記正極性電荷チャージング/ローディング制御部306は、前記水平同期信号(HSYNC)に同期して、図5の(d)、(e)のように前記チャージング制御信号CP1、CP2と位相が反対であるローディング制御信号(LP1−LP3)を出力する。これによって、前記ローディング制御信号(LP1−LP3)の’ハイ’区間で第1−3正極性電荷ローディング部303−305のスイッチSW305−SW307がそれぞれターンオンされる。
【0031】
したがって、前記正電源端子(VSP)の電源電圧が前記スイッチSW305を通じて前記第1正極性電荷チャージング部301のコンデンサーC301の負極性端子に接続された負極性ポートC1Mに供給されて、そのコンデンサーC301の充電電圧レベルが上昇される。
【0032】
そして、前記レベルが上昇されたコンデンサーC301の充電電圧が前記スイッチSW306を通じて第2正極性電荷チャージング部302のコンデンサーC302の負極性端子に接続された負極性ポートC2Mに供給されて、そのコンデンサーC302の充電電圧レベルが上昇される。
【0033】
そして、前記のように二度のローディング動作によってレベルが上昇された前記第2正極性電荷チャージング部302のコンデンサーC302のチャージング電圧が前記スイッチSW307を通じてコンデンサーC303にチャージングされる。前記コンデンサーC303にチャージングされた電圧は、ゲートハイ電源端子(VGH)を通じて外部に出力される。
【0034】
ところが、前記正極性電荷チャージング/ローディング制御部306は、図5の(d)−(g)のように新しいフレームが始まる度に一番目の水平ラインで同一の位相(例:フェーズ1(phase1))のチャージング制御信号CP1、CP2及びローディング制御信号LP1−LP3を出力する。
【0035】
これによって、図6の(a)、(b)のように毎フレームが始める度に同一の駆動電圧で液晶パネルを駆動することができるようになる。参照で、前記図6の(a)は、垂直同期信号(VSYNC)の波形図であり、図6の(b)は正、負電源端子(VSP)、(VSN)によって生成されたゲートハイ電圧(VGH)、ゲートロー電圧(VGL)に対する波形図である。
【0036】
以後、前記正極性電荷チャージング/ローディング制御部306は、図5の(d)−(f)のように前記チャージング制御信号CP1、CP2のチャージング(充電)区間及びローディング制御信号LP1−LP3のローディング(出力)区間を周期的にまたは不規則的に変化させて、スプレッド(拡散)スペクトラムが具現される。
【0037】
また、図5のように垂直同期信号(VSYNC)の’ロー’区間は、ディスプレイ動作がなされない区間であることを勘案して、前記スイッチのスイッチング動作を停止させて、電力が無駄使いされることを防止するようにした。
【0038】
一方、図4は、本発明による液晶表示装置の電源供給回路のまた他の具現例示図として、これに示したように、負極性電荷チャージング部401、第1負極性電荷ローディング部402、第2負極性電荷ローディング部403及び、負極性電荷チャージング/ローディング制御部404を具備する。
【0039】
前記図4の電源供給回路の基本的な動作原理は、前記図3の電源供給回路の動作原理と類似なものであり、これに対して説明すれば次のようである。
【0040】
負極性電荷チャージング部401は、正電源端子(VSP)、負電源端子(VSN)の間に直列接続されたスイッチSW401、コンデンサーC401及びスイッチSW402を具備する。
【0041】
第1負極性電荷ローディング部402は、前記負極性電荷チャージング部401の正極性ポートC1Pとグラウンド端子(VSS)との間に接続されたスイッチSW403を具備する。
【0042】
第2負極性電荷ローディング部403は、前記負極性電荷チャージング部401の負極性ポートC1Mとグラウンド端子(VSS)との間に直列接続されたスイッチSW404及びコンデンサーC402を具備する。
【0043】
負極性電荷チャージング/ローディング制御部404は、図5の(a)のように垂直同期信号(VSYNC)のロー区間が経過された後に図5の(b)のような水平同期信号(HSYNC)に同期して、図5の(d)のようなチャージング制御信号CP1、CP2を出力する。これによって、前記チャージング制御信号CP1、CP2の’ハイ’区間で前記負極性電荷チャージング部401のスイッチSW401、SW402がターンオンされる。よって、前記正電源端子(VSP)、負電源端子(VSN)の電源電圧によって前記コンデンサーC401に電荷がチャージングされる。
【0044】
また、前記負極性電荷チャージング/ローディング制御部404は、前記水平同期信号(HSYNC)に同期して、図5の(e)のようなローディング制御信号LP1、LP2を出力する。これによって、前記ローディング制御信号LP1、LP2の’ハイ’区間で第1負極性電荷ローディング部402のスイッチSW403と第2負極性電荷ローディング部403のスイッチSW404がターンオンされる。
【0045】
したがって、グラウンド端子(VSS)の電源電圧が前記スイッチSW403を通じて前記第1負極性電荷チャージング部401のコンデンサーC401の正極性端子に接続された正極性ポートC1Pに供給されて、そのコンデンサーC401の充電電圧レベルが下降される。
【0046】
そして、前記のようなローディング動作によってレベルが下降された前記負極性電荷チャージング部401のコンデンサーC401のチャージング電圧が前記スイッチSW404を通じてコンデンサーC402にチャージングされる。前記コンデンサーC402にチャージングされた電圧はゲートに右電源端子(VGL)を通じて外部に出力される。
【0047】
ところが、前記負極性電荷チャージング/ローディング制御部404は、図5の(d)−(g)のように新しいフレームが始まる度に一番目の水平ラインで同一の位相(例:フェーズ1(phase1))のチャージング制御信号CP1、CP2及びローディング制御信号LP1、LP2を出力する。これによって、前記図6の説明のように毎フレームが始める度に同一の駆動電圧で液晶パネルを駆動することができるようになる。
【0048】
以後、前記負極性電荷チャージング/ローディング制御部404は、図5の(d)−(g)のように前記チャージング制御信号CP1、CP2のチャージング区間及びローディング制御信号(LP1)、(LP2)のローディング区間を周期的にまたは不規則的に変化させて、スプレッド(拡散)スペクトラムが具現される。
【0049】
また、図5のように垂直同期信号(VSYNC)の’ロー’区間は、ディスプレイ動作がなされない区間であることを勘案して、前記スイッチのスイッチング動作を停止(Halt)させて、電力が無駄使いされることを防止される。
【0050】
図7は、前記図3の正極性電荷チャージング/ローディング制御部306または図4の負極性電荷チャージング/ローディング制御部404の具現例を示した詳細ブロック図であり、これに示したように、水平同期信号発生器701、マルチプレクサ(MUX701)、リセット信号発生部702、カウンター703及びPWM発生器704を具備する。
【0051】
水平同期信号発生器701は、実際入力される垂直同期信号(VSYNC)、データイネーブル信号(DE)及び水平同期信号(HSYNC)を参照して、それと類似な形態の水平同期信号(HSYNC’)を生成する。
【0052】
マルチプレクサ(MUX701)は、選択信号(SEL)によって前記水平同期信号(HSYNC)、(HSYNC’)のうちで一つの信号を選択して出力する。
【0053】
リセット信号発生部702は、前記マルチプレクサ(MUX701)から入力される水平同期信号を遅延器(D701)で所定時間遅延して、NANDゲート(ND701)を通じてNAND組み合せて、それによるリセット信号を生成する。
【0054】
カウンター703は、nビットの出力(COUT)を発生して、前記リセット信号発生部702から入力されるリセット信号によって水平同期信号(HSYNC)と同一の周期でリセットされる。PWM発生器704は、前記カウンター703の出力(COUT)を受けて期設定されたパルス幅(Pulse width)の位相(フェーズ(phase)1,2,3,…,n)を有するチャージング制御信号CP1、CP2とローディング制御信号LP1、LP2、LP3を発生させる。
【0055】
図8の(a)−(d)は、前記PWM発生器704から出力される前記チャージング制御信号CP1、CP2及びローディング制御信号LP1−LP3の周波数パターン及びスペクトラムを示したものである。すなわち、PWM発生器704は、図8の(a)のように中心周波数(f)を基準で一定なパターンに変化される周波数の前記チャージング制御信号CP1、CP2及びローディング制御信号LP1−LP3を生成するか、または図8の(b)のように中心周波数(f)を基準で不規則的にホッピング(hopping)する周波数の前記チャージング制御信号CP1、CP2及びローディング制御信号LP1−LP3を生成する。
【0056】
これによって、本発明の電源供給回路によるスペクトラムが図8の(c)のように中心周波数(f)帯域に集中されないで、広く開かれた形態になる。図8の(d)は、前記PWM発生器704から出力される前記チャージング制御信号CP1、CP2及びローディング制御信号(LP1−LP3)が可変周波数形態に出力されることを示した波形図である。
【0057】
図9は、前記PWM発生器704の具現例を示したものであり、順次発生器901、ランダム信号発生器902及びマルチプレクサ903、904を具備する。
【0058】
順次信号発生器901は、チャージング制御信号CP1、CP2とローディング制御信号LP1、LP2、LP3の位相を図5の(f)のように規則的に変化させる。ランダム信号発生器902は、前記チャージング制御信号CP1、CP2とローディング制御信号LP1、LP2、LP3の位相を図5の(g)のように不規則的に変化させる。
【0059】
前記順次信号発生器901の出力信号及びランダム信号発生器902の出力信号は、マルチプレクサ903で選択信号(SS_SEL)によって選択されて、前記チャージング制御信号CP1、CP2やローディング制御信号LP1−LP3に出力される。すなわち、前記順次信号発生器901の出力信号及びランダム信号発生器902の出力信号は、マルチプレクサ903、904で選択信号(SS_SEL)によって選択されて、前記図3及び図4のチャージング制御信号CP1、CP2やローディング制御信号LP1−LP3に出力される。
【0060】
図10の(a)は、本発明が適用されない電源供給回路で発生される電磁波干渉(EMI)を示したものであり、図10の(b)は、本発明による電源供給回路で電磁波干渉が低減されたことを示した実験結果として、本発明によって電磁波干渉が多く低減されたことが分かる。
【0061】
以上で本発明の望ましい実施例に対して詳しく説明したが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではなく、次の請求範囲で定義する本発明の基本概念を土台でより多様な実施例で具現されることができるし、このような実施例もまた本発明の権利範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上説明したように、本発明は、ゲート電源駆動部に具備された電源供給回路でゲートハイ電圧やゲートロー電圧を生成するにおいて、チャージング制御信号及びローディング制御信号の区間を周期的に、またはランダムに可変することで電磁波干渉が低減される効果がある。また、新しいフレームが始まる度に同一の位相のチャージング制御信号及びローディング制御信号を使用して画像が安定された状態にディスプレイされる効果がある。
【符号の説明】
【0063】
301…第1正極性電荷チャージング部、
302…第2正極性電荷チャージング部、
303−305…第1−3正極性電荷ローディング部、
306…正極性電荷チャージング/ローディング制御部、
401…負極性電荷チャージング部、
402…第1負極性電荷ローディング部、
403…第2負極性電荷ローディング部、
404…負極性電荷チャージング/ローディング制御部、
701…水平同期信号発生器、
702…リセット信号発生部、
703…カウンター、
704…PWM発生器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンデンサーの両端がそれぞれスイッチを通じて正電源端子、負電源端子にそれぞれ接続されて電荷をチャージングする第1正極性電荷チャージング部;
第2コンデンサーの両端がそれぞれスイッチを通じて正電源端子、グラウンド端子にそれぞれ接続されて電荷をチャージングする第2正極性電荷チャージング部;
正電源端子を通じて供給される電荷を前記第1正極性電荷チャージング部の第1コンデンサーの負極性端子側にローディングする第1正極性電荷ローディング部;
前記第1正極性電荷チャージング部の第1コンデンサーにチャージングされた電荷を第2正極性電荷チャージング部の第2コンデンサーの負極性端子側にローディングする第2正極性電荷ローディング部;
前記第2正極性電荷チャージング部の第2コンデンサーにチャージングされた電荷をゲートハイ電源端子に接続された第3コンデンサーにローディングする第3正極性電荷ローディング部;
新しいフレームが始まる度に同一の位相のチャージング制御信号を前記第1、2正極性電荷チャージング部の第1、2スイッチに出力して、そのチャージング制御信号の区間及び前記第1−3正極性電荷ローディング部の各スイッチに出力するローディング制御信号の区間を周期的にまたは不規則的に変化させる正極性電荷チャージング/ローディング制御部;で構成したことを特徴とする液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項2】
第1正極性電荷ローディング部は、前記正電源端子と第1正極性電荷チャージング部の第1コンデンサーの負極性端子との間に接続された第5スイッチを具備したことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項3】
第2正極性電荷ローディング部は、前記第1正極性電荷チャージング部の第1スイッチの正極性端子と前記第2正極性電荷チャージング部の第2スイッチの負極性端子との間に接続された第6スイッチを具備したことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項4】
第3正極性電荷ローディング部は、前記第2正極性電荷チャージング部の第2コンデンサーの正極性端子とグラウンド端子との間に直列接続された第7スイッチ及び第3コンデンサーを具備したことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項5】
チャージング制御信号とローディング制御信号は、位相が反対であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項6】
正極性電荷チャージング/ローディング制御部は、
実際入力される水平同期信号を参照して、それと類似な形態の水平同期信号を生成する水平同期信号発生器;
選択信号によって前記実際入力される水平同期信号や類似な形態の水平同期信号のうちで一つの信号を選択して出力するマルチプレクサ;
前記マルチプレクサから入力される水平同期信号を遅延器で所定時間遅延して、NANDゲートを通じてNAND組み合せて、それによるリセット信号を出力するリセット信号発生部;
前記リセット信号によってリセットされて、水平同期信号と同一の周期を有するnビットの出力を発生するカウンター;
前記カウンターの出力を受けて、前記チャージング制御信号及びローディング制御信号を発生するPWM発生器;を具備したことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項7】
PWM発生器は、
前記チャージング/ローディング制御信号を順次に変化させて発生するが、毎フレームが始まる度に同一の値で制御信号を発生させて、垂直同期信号がローである区間では動作をしない順次信号発生器;
前記チャージング/ローディング制御信号を不規則的に変化させて発生するが、毎フレームが始まる度に同一の値で制御信号を発生させて、垂直同期信号がローである区間では動作をしないランダム信号発生器;
選択信号によって前記順次信号発生器の出力信号やランダム信号発生器の出力信号を選択して出力するマルチプレクサ;を含んで構成されたことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項8】
順次信号発生器は前記チャージング制御信号及びローディング制御信号の位相を規則的に変化させることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項9】
ランダム信号発生器は、前記チャージング制御信号及びローディング制御信号の位相を不規則的に発生させることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項10】
第1コンデンサーの両端がそれぞれスイッチを通じて正電源端子、負電源端子にそれぞれ接続されて、電荷をチャージングする負極性電荷チャージング部;
グラウンド端子を通じて供給される電荷を前記負極性電荷チャージング部の第1コンデンサーの正極性端子側にローディングする第1負極性電荷ローディング部;
前記負極性電荷チャージング部の第1コンデンサーにチャージングされた負極性電荷をゲートに右電源端子に接続された第2コンデンサーにローディングする第2負極性電荷ローディング部;
新しいフレームが始まる度に同一の位相のチャージング制御信号を前記負極性電荷チャージング部の第1スイッチに出力して、そのチャージング制御信号の区間及び前記第1、2負極性電荷ローディング部の各スイッチに出力するローディング制御信号の区間を周期的にまたは不規則的に変化させる負極性電荷チャージング/ローディング制御部;で構成したことを特徴とする液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項11】
第1負極性電荷ローディング部は、グラウンド端子と前記負極性電荷チャージング部の第1コンデンサーの正極性端子との間に第3スイッチを具備したことを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項12】
第2負極性電荷ローディング部は、前記負極性電荷チャージング部の第1コンデンサーの負極性端子とグラウンド端子との間に直列接続された第4スイッチ及び第2コンデンサーを具備したことを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項13】
チャージング制御信号とローディング制御信号は、位相が反対であることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項14】
負極性電荷チャージング/ローディング制御部は、
実際入力される水平同期信号を参照して、それと類似な形態の水平同期信号を生成する水平同期信号発生器;
選択信号によって前記実際入力される水平同期信号や類似な形態の水平同期信号のうちで一つの信号を選択して出力するマルチプレクサ;
前記マルチプレクサから入力される水平同期信号を遅延器で所定時間遅延して、NANDゲートを通じてNAND組み合せて、それによるリセット信号を出力するリセット信号発生部;
前記リセット信号によってリセットされて、水平同期信号と同一の周期を有するnビットの出力を発生するカウンター;
前記カウンターの出力を受けて前記チャージング制御信号及びローディング制御信号を発生するPWM発生器;を具備したことを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項15】
PWM発生器は、
前記チャージング/ローディング制御信号を順次に変化させて発生するが、毎フレームが始まる度に同一の値で制御信号を発生させて、垂直同期信号がローである区間では動作をしない順次信号発生器;
前記チャージング/ローディング制御信号を不規則的に変化させて発生するが、毎フレームが始まる度に同一の値で制御信号を発生させて、垂直同期信号がローである区間では動作をしないランダム信号発生器;
選択信号によって前記順次信号発生器の出力信号やランダム信号発生器の出力信号を選択して出力するマルチプレクサ;を含んで構成されたことを特徴とする請求項14に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項16】
順次信号発生器は、前記チャージング制御信号及びローディング制御信号の位相を規則的に変化させることを特徴とする請求項14に記載の液晶表示装置の電源供給回路。
【請求項17】
ランダム信号発生器は、前記チャージング制御信号及びローディング制御信号の位相を不規則的に変化させることを特徴とする請求項14に記載の液晶表示装置の電源供給回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−42908(P2012−42908A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234601(P2010−234601)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(508038091)シリコン・ワークス・カンパニー・リミテッド (46)
【氏名又は名称原語表記】Silicon Works Co., LTD.
【Fターム(参考)】