説明

液晶表示装置製造用ハーフトーンマスクブランクス、ハーフトーンマスクおよびハーフトーンマスク製造方法

【課題】ハーフトーンマスクにおいて製造工程の負荷を減らしてコストダウンが図れ、かつパターンにダメージがない高品質なハーフトーンマスクおよびその製造方法、さらにこれに用いるハーフトーンマスクブランクスを提供すること。
【解決手段】透明基板上に、半透過膜、バリア膜、および一層または二層以上からなる遮光膜をこの順に積層して形成されたハーフトーンマスクブランクスであって、
前記バリア膜がITO(酸化インジウムすず)を含む材料を用いることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置の製造において使用されるハーフトーンマスクブランクス、ハーフトーンマスクおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置あるいは液晶ディスプレイの製造に用いられるフォトマスクにおいて、遮光部と透過部の他に半透過部(ハーフトーン部)を有するフォトマスクが提案されていた。(非特許文献1参照)
【0003】
このフォトマスク(以降、マスクと略す)は、一般に半透過型マスクあるいはハーフトーンマスクと呼ばれており、一枚のマスクに複数の異なる透過率を持つパターンを形成するために、透明基板上に遮光膜と所望の透過率を持つ半透過膜をそれぞれ積層した材料を準備する。この積層した状態の材料をハーフトーンマスクブランクスと称する。
さらに、このハーフトーンマスクブランクスにリソグラフィ技術を用いて、前記遮光膜と半透過膜のそれぞれにパターン形成することにより、前記ハーフトーンマスクを得る。
【0004】
図4は従来のハーフトーンマスクブランクスの層構成を示す断面図である。
このハーフトーンマスクブランクス20は、ガラス材料からなる透明基板22の上に、半透過膜23およびバリア膜24、遮光膜25が積層されている。
【0005】
従来、ハーフトーンマスクブランクスの材料としては、例えば遮光膜25にはクロム(Cr)、半透過膜23には酸化クロム(CrO)、バリア膜24には酸化シリコン(SiO)などが用いられている。(特許文献1参照)
【0006】
ここで、バリア膜24は遮光膜25と半透過膜23との間に存在して、パターン形成工程におけるエッチングストッパー層として働くものである。すなわち、遮光膜25とは異なるエッチング特性を持つ材料を用いることにより、遮光膜25をエッチングした際にバリア膜24はエッチングされない。
【0007】
従来のハーフトーンマスクの製造工程の概略を、図5を用いて説明する。
図5(a)〜(h)は、前記図4に示した従来のハーフトーンマスクブランクス20を材料として用いて製造するハーフトーンマスクの製造工程を示している。
まず図5(a)では、ハーフトーンブランクス20の上に感光性レジストを塗布した後、1回目の露光及び現像処理を行ってパターニングし、レジストパターン26aを形成して、開口部q1を設けている。
【0008】
続いて図5(b)〜(d)においては、レジストパターン26aを保護膜として、遮光膜25、バリア膜24、半透過膜23の順に、それぞれの膜に対して順次エッチング処理が施され、遮光膜パターン25a、バリア膜パターン24a、半透過膜パターン23aが形成され、マスクの透過部Q1が形成される。
【0009】
このときバリア膜24として用いる酸化シリコンは遮光膜25および半透過膜23のようなクロム系の膜とはエッチング特性が異なるので、そのエッチング種に対して互いにエッチングされない。従ってこの場合、透過部Q1が形成されるまでに3回のエッチング処理を要する。
【0010】
さらに図5(e)では、レジストを除去した後に再度レジストを塗布し、2回目の露光及び現像処理を行ってレジストパターン27aを形成して開口部q2を設けており、続いて(f)〜(g)で遮光膜25、バリア膜24の順にそれぞれエッチングして、遮光膜パターン25b、バリア膜パターン24bを形成し、最後に(h)で第2レジストを除去して、ハーフトーンマスク21を得る。このときマスクの半透過部Q2が形成されるまでに、2回のエッチング処理を要する。
【0011】
このようにして、開口部Q1が透過部であり、開口部Q2が半透過部であり、他の部分が遮光部Q3に相当するハーフトーンマスク21ができる。
【0012】
前記ハーフトーンマスクのパターン形成方法は、一般的に光リソグラフィ技術や電子線リソグラフィ技術などの公知の微細加工技術を用いることができ、その場合、前記ハーフトーンブランクスの表面に感光性レジスト膜を塗布形成して、露光(あるいは描画)、現像、エッチングなどの処理を行ってパターンを形成する。
【0013】
このようなハーフトーンマスクは、透過部と遮光部の他に半透過部を持つパターンが形成できる。そしてこのハーフトーンマスクを用いて液晶ディスプレイ基板に露光転写することによって、半透過部の露光量は透過部と遮光部の中間の露光量をとることができる。
【0014】
従来のような遮光部と透過部のみのマスクを用いてこのような中間露光量を持つパターンを被転写物上に形成するためには、二枚のマスクを用いてそれぞれ異なる露光量でそれぞれのパターンを露光する必要があった。これに対して、ハーフトーンマスクの場合は一枚で従来の二枚分の露光工程を行うことができ、したがって工程を短縮できるという利点がある。
【0015】
さらに、理論的には半透過膜の膜数を増やしてそれぞれ異なる透過率を持つようにすれば、一枚で数種類の透過率を持つ露光が可能となる。
【0016】
しかしながら、このような構成では、図5および特許文献1にも示されているように、透過部および半透過部のパターンを形成するためには合わせて5回のエッチング工程を経てマスクを作製しなければならず、従来のマスクと比べて工程数が多いため、スループットや製造コストが増大してしまうという問題があった。
【0017】
また、バリア膜24の材料にSiOやSiO、SOG(無機系シリコン塗布剤)を用いた場合、遮光層のクロムに対して異なるエッチング特性を持つためエッチングストッパーとして効果はあるが、これをエッチングにより除去するためにフッ酸を用いる必要がある。
【0018】
フッ酸は強い毒性を持つために人体や環境への影響が大きく、問題がある。また通常のマスク製造工程ではフッ酸を用いていないため、新たに防護装置や廃液処理設備等を備えなければならず、そのための設備コスト負荷も大きい。
【0019】
ハーフトーンブランクスには、前記バリア膜24を省略したタイプも提案されている。(特許文献2参照)この例では、Crからなる遮光膜25とモリブデンシリサイド(MoSi)からなる半透過膜23とで構成しており、それぞれの膜が異なるエッチング特性を持つことを利用して、半透過膜が前記エッチングストッパー層としても機能することを利用している。
【0020】
しかし、この構成ではバリア膜がないために、遮光膜をエッチングした際に下層の半透過膜が露出するので、半透過膜表面にエッチングによるダメージが生じ、半透過膜の膜減
りや透過率変化、あるいは表面荒れなどのマスクの品質低下が生じてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2002−189281号公報
【特許文献2】特開2005−24730号公報
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】「月刊FPD Intelligence」1999年5月号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、上記の課題を鑑み、液晶表示装置製造用ハーフトーンマスクにおいて製造工程の負荷を減らしてコストダウンが図れ、かつパターンにダメージがない高品質なハーフトーンマスクおよびその製造方法、さらにこれに用いるハーフトーンマスクブランクスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の特徴を備える。
【0025】
請求項1の発明に係るハーフトーンマスクブランクスは、
透明基板上に、半透過膜、バリア膜、および一層または二層以上からなる遮光膜をこの順に積層して形成されたハーフトーンマスクブランクスであって、
前記バリア膜がITO(酸化インジウムすず)を含む材料を用いることを特徴とする。
【0026】
請求項2の発明に係るハーフトーンマスクブランクスは、
前記半透過膜と遮光膜が同一のエッチング種によりエッチング可能な材料からなり、かつ前記バリア膜は前記エッチング種ではエッチング困難なことを特徴とする。
【0027】
請求項3の発明に係るハーフトーンマスクブランクスは、
前記半透過膜および遮光膜が、主として同一の遷移金属とケイ素とを含む材料を用いてなることを特徴とする。
【0028】
請求項4の発明に係るハーフトーンマスクブランクスは、
前記遮光膜を形成する層の少なくとも一層が、酸素、窒素、炭素から選ばれる一種類以上を含有することを特徴とする。
【0029】
請求項5の発明に係るハーフトーンマスクは、
マスク面内に、遮光部と、半透過部と、透過部とを有し、
さらに前記遮光部が、透明基板上に形成された半透過膜と、バリア膜と、遮光膜を含み、前記半透過部が、透明基板上に形成された半透過膜、または半透過膜およびバリア膜を含むことを特徴とする。
【0030】
請求項6の発明に係るハーフトーンマスク製造方法は、
(A)請求項1から4のいずれかに記載のハーフトーンマスクブランクス上にレジスト膜を塗布形成する工程と、
(B)前記レジスト膜に対して透過部を形成する領域を露光し、現像処理を施して第一のレジストパターンを形成する工程と、
(C)前記第一のレジストパターンをマスクとして露出した遮光膜とバリア膜とを異なる
エッチング種により順次エッチングする工程と、
(D)前記レジスト膜に対して半透過部を形成する領域を露光し、現像処理を施して第二のレジストパターンを形成する工程と、
(E)前記第二のレジストパターンをマスクとして、露出した遮光膜と半透過膜とを同一のエッチング種により同時にエッチングする工程と、
(F)残存したレジスト膜を除去する工程、を含むことを特徴とする。
【0031】
請求項7の発明に係るハーフトーンマスク製造方法は、
前記請求項6に記載のハーフトーンマスク製造方法において、
前記(E)の工程と(F)の工程の間に、(E’)露出したバリア膜をエッチングする工程、をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、液晶表示装置製造用ハーフトーンマスクのバリア膜にITOを用いたことにより、下層の半透過膜にダメージを与えずにパターン形成でき、さらに従来方法より少ない工数で製造でき、かつ酸またはアルカリ溶液をエッチング剤として使用できるため人体や環境への影響が小さく、廃液処理も容易でコストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のハーフトーンマスクブランクスの構成を示す断面図である。
【図2】本発明のハーフトーンマスクの一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明のハーフトーンマスクの製造工程を示す断面図である。
【図4】従来のハーフトーンブランクスの構成を示す断面図である。
【図5】従来のハーフトーンマスクの製造工程を示す断面図である。。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る液晶表示装置製造用ハーフトーンマスクブランクスおよびハーフトーンマスクの実施形態を図面に基づいて詳細説明する。
【0035】
図1は、本発明に係るハーフトーンマスクブランクス10の構成を示しており、透明基板12上に、半透過膜13、バリア膜14、遮光膜15がこの順に積層されている。
図2は、本発明に係るハーフトーンマスクの構成を示しており、膜の構成の違いにより、透過部P1と半透過部P2と遮光部P3の三領域に区分される。
【実施例1】
【0036】
以下、本発明のハーフトーンマスクの実施例として、その製造工程を詳細に説明する。
図3(a)〜(g)に、ハーフトーンマスクの製造工程の概略を示す。
まず図3(a)では、図1に示したハーフトーンブランクス10の上に感光性レジストを塗布し、一回目の露光描画を行い、現像してレジストパターン16aを得た。但しレジストはポジ型感光性レジストを用い、露光部分が現像により溶解して開口パターンを得られるタイプのものを用いた。
【0037】
レジストパターンの形成方法は公知のリソグラフィ手段を用いてよく、例えば電子線描画装置またはレーザー描画装置を用いてパターンを露光描画した後、現像液に浸漬してレジストパターンを得る。また、前記感光性レジストも公知のポジ型あるいはネガ型マスク製造用レジスト材料を用いてよく、膜厚や露光量等の製造条件は適宜事前テストを行って最適な条件を求めておけばよい。
【0038】
本実施例では、透明基板12として低膨張ガラス材料を、ハーフトーンマスクブランクスの遮光膜材料としてCrを、バリア膜としてITOを、半透過膜材料としてCrO(酸
化クロム)を用いた。
【0039】
これらの材料は適宜選択すればよく、例えば遮光膜にはCr系材料としてCrの窒化物、酸化物、炭化物、あるいは酸化窒化物等、これら化合物を組み合わせた複合物を用いることができる。
【0040】
遮光膜は、本発明のマスクを露光に用いる際に少なくともその露光波長における光学濃度が所定の値以上となる膜とする。一般には光学濃度(OD)値が3.0以上であれば充分である。なお、光学濃度は遮光膜の光学吸収係数および膜厚と比例関係にあるので、充分な膜厚と吸収係数を持つように膜材料を成膜することが必要である。
【0041】
遮光膜材料としては、前記Cr化合物の他に、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)などの単体、あるいは、それらの遷移金属と、酸素、窒素、および炭素から選ばれる一つ以上の元素を含む遷移金属化合物が挙げられる。さらに、遷移金属とケイ素(Si)を含む化合物でもよい。
【0042】
また半透過膜には、遮光膜と同一のエッチング種によりエッチングできる材料を用いることが好ましい。例えば、遮光膜としてCr化合物を用いた場合は、半透過膜もCr化合物を用いる。
【0043】
これは、少なくとも同一の金属を用いていれば同一のエッチング種によりエッチング可能なためである。但し、遮光膜と半透過膜とでは要求する透過率特性が異なるので、膜の化合物組成や膜厚などが膜により異なる場合が多いが、基本的には若干エッチング速度が異なる程度であり、エッチングは可能である。
【0044】
また、異なる金属を用いた化合物であっても同一のエッチング種でエッチング可能なものも多数あるので、その場合も上記と同様に膜材料として用いることができる。
【0045】
次に、マスクの透過部を形成するための手順に入る。
図3(b)において、開口部p1で露出した遮光膜15をエッチングし、遮光膜パターン15aを得た。エッチング方法はウェットエッチングまたはドライエッチングのどちらでもよいが、本実施例ではウェットエッチングを適用して硝酸セリウム第二アンモニウム溶液を用いた。このエッチング液は無機酸性溶液であるが、ITO膜はエッチングされず、ITO膜が露出した状態でエッチングを終了する。
【0046】
この開口部p1は、最終的にこのマスクにおいて透過部を形成する領域であるが、ここではバリア膜を残したままにしておく。この理由は以下の工程にて説明される。
【0047】
さらに図3(c)において、露出したITOのバリア膜14をエッチングし、バリア膜パターン14aを得た。エッチングはウェットエッチングまたはドライエッチングのどちらでもよいが、本実施例ではウェットエッチングを適用して水酸化カリウム水溶液を用いた。このエッチング液は無機アルカリ性溶液であるが、クロム化合物の遮光膜および半透過膜はエッチングされず、半透過膜13が露出した状態でエッチングを終了した。
【0048】
次に、マスクの半透過部を形成するための手順に入る。
図3(d)では、二回目の露光描画を行い、現像してレジストパターン16aが得られ、このとき開口部p2が形成された。二回目の露光描画においては、前記一回目で露光されていない領域を露光する。
【0049】
続いて図3(e)に示したように、前記レジストを保護膜として、開口部p2で露出した遮光膜15をエッチングし、遮光膜パターン15bを得た。このとき実際には、前記開口部p1において露出した半透過膜13も同時にエッチングされ、半透過膜パターン13bが得られた。
これは前述の通り遮光膜および半透過膜の材料がともにCr化合物であるため、同一のエッチング種で遮光膜および半透過膜がエッチングできることによる。
【0050】
また、遮光膜15の下層にあるバリア膜14と半透過膜13の下にある透明基板12は、ともにエッチング液の硝酸セリウム第二アンモニウム溶液には不溶でありエッチングされないので、それぞれエッチングストッパー層として機能する。
【0051】
次の図3(f)では、開口部p2で露出したバリア膜14を水酸化カリウム水溶液でエッチングし、バリア膜パターン14bを得た。このとき開口部p1で露出した透明基板はエッチングされない。
【0052】
そして、図3(g)ではレジストパターン16bを除去した。このようにして、透過部P1、半透過部P2、および遮光部P3が形成されたハーフトーンマスク11が得られた。
【0053】
以上の製造工程において、合計のエッチング処理の回数は4回となる。前述の図5にて示された従来のハーフトーンマスクの製造工程と比較すると1回分少なく、コストを低減することが可能になる。
またバリア膜のエッチングにフッ酸を用いないため、人体や環境への影響が小さく、廃液処理設備等の設備負荷も少ない。
【0054】
上記の実施例ではウェットエッチング技術を用いたが、反応性イオンエッチング等のドライエッチング技術を用いてもよい。その場合、例えばクロム化合物は塩素と酸素の混合ガスが反応ガスとして用いられ、一方、ITOにはフッ素系のガスが用いられる。これにより、ドライエッチングにおいてもバリア膜のエッチングストッパーとしての効果が得られる。このように、材料のエッチング特性に合わせて適宜エッチング種を選択すれば、同様な効果が得られる。
【0055】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものでなく、ハーフトーンマスクブランクスを構成する各層の膜厚は適宜選択でき、マスクに要求される透過率などの光学特性、耐薬品性、膜付着強度、パターン加工精度などを勘案して決定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る液晶表示装置製造用ハーフトーンマスクブランクスおよびハーフトーンマスクによれば、一枚で複数の透過率を持つことにより、液晶表示装置製造の工程が簡略化でき且つマスク製造工程においても工程が簡略化できて環境負荷も小さいという利点があり、ハーフトーンマスク製造において、今後広く用いることが可能となる。
【符号の説明】
【0057】
10・・・ハーフトーンマスクブランクス
11・・・ハーフトーンマスク
12・・・透明基板
13・・・半透過膜
14・・・バリア膜
15・・・遮光膜
15a、15b・・・遮光膜パターン
16・・・感光性レジスト
16a・・・レジストパターン
20・・・ハーフトーンマスクブランクス
21・・・ハーフトーンマスク
22・・・透明基板
23・・・半透過膜
24・・・バリア膜
25・・・遮光膜
26a・・・レジストパターン
27a・・・レジストパターン
p1、p2、q1、q2・・・レジスト開口部
P1、Q1・・・透過部
P2、Q2・・・半透過部
P3、Q3・・・遮光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板上に、半透過膜、バリア膜、および一層または二層以上からなる遮光膜をこの順に積層して形成されたハーフトーンマスクブランクスであって、
前記バリア膜がITO(酸化インジウムすず)を含む材料を用いることを特徴とする、液晶表示装置製造用ハーフトーンマスクブランクス。
【請求項2】
前記半透過膜と遮光膜が同一のエッチング種によりエッチング可能な材料からなり、かつ前記バリア膜は前記エッチング種ではエッチング困難なことを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置製造用ハーフトーンマスクブランクス。
【請求項3】
前記半透過膜および遮光膜が、主として同一の遷移金属とケイ素とを含む材料を用いてなることを特徴とする、請求項1または2に記載の液晶表示装置製造用ハーフトーンマスクブランクス。
【請求項4】
前記遮光膜を形成する層の少なくとも一層が、酸素、窒素、炭素から選ばれる一種類以上を含有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶表示装置製造用ハーフトーンマスクブランクス。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれかに記載のハーフトーンマスクブランクスを用いて製造されたハーフトーンマスクにおいて、
マスク面内に、遮光部と、半透過部と、透過部とを有し、
さらに前記遮光部が、透明基板上に形成された半透過膜と、バリア膜と、遮光膜を含み、前記半透過部が、透明基板上に形成された半透過膜、または半透過膜およびバリア膜を含むことを特徴とする、液晶表示装置製造用ハーフトーンマスク。
【請求項6】
請求項5に記載のハーフトーンマスクを製造する方法において、
(A)請求項1から4のいずれかに記載のハーフトーンマスクブランクス上にレジスト膜を塗布形成する工程と、
(B)前記レジスト膜に対して透過部を形成する領域を露光し、現像処理を施して第一のレジストパターンを形成する工程と、
(C)前記第一のレジストパターンをマスクとして露出した遮光膜とバリア膜とを異なるエッチング種により順次エッチングする工程と、
(D)前記レジスト膜に対して半透過部を形成する領域を露光し、現像処理を施して第二のレジストパターンを形成する工程と、
(E)前記第二のレジストパターンをマスクとして、露出した遮光膜と半透過膜とを同一のエッチング種により同時にエッチングする工程と、
(F)残存したレジスト膜を除去する工程と、
を含むことを特徴とする、液晶表示装置製造用ハーフトーンマスク製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載のハーフトーンマスク製造方法において、
前記(E)の工程と(F)の工程の間に、
(E’)露出したバリア膜をエッチングする工程、
をさらに含むことを特徴とする液晶表示装置製造用ハーフトーンマスク製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−227391(P2011−227391A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99007(P2010−99007)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】