説明

液晶表示装置

【課題】液晶パネルの駆動タイミングに応じて、容易に点灯/消灯する発光素子を切換えることができる液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】液晶表示装置100において、光照射部83a〜83fは、LEDが導光板81の側面と対向する向きに所定間隔で設けられ、給電回路84は、各々の光照射部83a〜83fを直列に接続し、各々の光照射部83a〜83fの両端部83aa〜83ff及び/又は複数の光照射部83a〜83fの両端部83aa〜83ffに接続され、オンした状態で両端部83aa〜83ffの間に接続された光照射部83a〜83fへの給電を停止するスイッチ85a〜85gを備え、切換えプログラムにより、液晶パネルの駆動タイミングに応じて各々のスイッチ85a〜85gのオン/オフ状態を制御し、給電を停止する一又は複数の光照射部83a〜83fを順次切換えるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶テレビ等の液晶表示装置においては、液晶パネルの背面に導光板を設け、その導光板の周囲に複数のLED等の発光素子を配置して光源とし、当該光源からの光を、導光板を介して液晶パネルに照射するバックライト光として使用している。ここで、上記光源に配置された全ての発光素子を常時点灯させた場合、表示画面上に映像のぼやけ(残像)が生じてしまうため、液晶パネルの駆動タイミングを調整し、1フレーム分の映像信号が当該液晶表示装置に入力される毎に、発光素子を点灯/消灯させ、黒色の画面表示を行わせる信号処理(いわゆる、黒挿入駆動処理)が行われる。この際、発光素子各々に印加される電圧値や電流量を発光素子ごとに逐次制御し、必要に応じて点灯/消灯する発光素子を切換えている。
【0003】
ところが、上述のような発光素子ごとの電圧値や電流量を逐次制御するのは、CPU等の制御装置の処理負担が大きくなるため効率的ではない。
そこで、例えば、1個以上のLED(発光素子)と少なくとも1個の点滅スイッチを直列接続した直列回路分枝を複数並列に接続した並列回路分枝を有し、この並列回路分岐を複数直列に接続した並列直列回路からなるLED駆動回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−302712号公報
【0005】
この特許文献1に記載の発明によると、発光色ごとのLEDと点滅スイッチが直列接続されたものが複数並列に接続されているため、任意のスイッチをオンにすると、当該スイッチに接続された任意の色のLEDにのみ電位差を生じさせて点灯させることができるので、表示画面上でのLEDによる表示色や輝度のばらつきを抑えることが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のLED駆動回路を備えた液晶表示装置によると、発光素子ごとの電圧値や電流量を逐次制御することなく、容易に表示画面上の表示色や輝度のばらつきを抑えることはできるが、例えば、上記黒挿入駆動処理等の液晶パネルの駆動タイミングに応じて、点灯/消灯する発光素子を切換える具体的手法を備えていないという問題があった。
【0007】
本発明の課題は、液晶パネルの駆動タイミングに応じて、容易に点灯/消灯する発光素子を切換えることができる液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、液晶パネルの背面に配置された導光板を介して前記液晶パネルに向けて光を照射する発光素子を有する光照射部と、前記光照射部に給電して発光素子から光を出射させる給電回路と、を含み、映像信号に基づく映像を前記液晶パネルを介して表示する液晶表示装置において、前記光照射部は、前記発光素子が導光板の側面と対向する向きに所定間隔で複数設けられ、前記給電回路は、各々の前記光照射部を直列に接続し、各々の前記光照射部の両端部及び/又は複数の前記光照射部の両端部に接続され、オンした状態で両端部の間に接続された光照射部への給電を停止するスイッチを有し、前記液晶パネルの駆動タイミングに応じて各々の前記スイッチのオン/オフ状態を制御し、給電を停止する一又は複数の光照射部を順次切換える切換え手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置において、前記切換え手段により給電を停止する光照射部を切換える順序を変更する変更手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、各々の前記光照射部は、前記発光素子を複数直列、並列、あるいは直並列に接続したものからなることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、液晶パネルの背面に配置された導光板を介して前記液晶パネルに向けて光を照射する発光素子を有する光照射部と、前記光照射部に給電して発光素子から光を出射させる給電回路と、を含み、入力される映像信号を前記液晶パネルを介して表示する液晶表示装置において、前記光照射部は、前記発光素子が導光板の側面と対向する向きに所定間隔で複数設けられ、前記給電回路は、各々の前記光照射部を直列に接続し、各々の前記光照射部の両端部及び/又は複数の前記光照射部の両端部に接続され、オンした状態で両端部の間に接続された光照射部への給電を停止するスイッチを有し、前記液晶パネルの駆動タイミングに応じて各々の前記スイッチのオン/オフ状態を制御し、給電を停止する一又は複数の光照射部を順次切換える切換え手段と、前記切換え手段により給電を停止する光照射部を切換える順序を変更する変更手段と、を備え、各々の前記光照射部は、前記発光素子を複数直列、並列、あるいは直並列に接続したものからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発光素子を有する光照射部が直列に接続されており、各々の光照射部の両端部及び/又は複数の光照射部の両端部に接続されたスイッチをオンすると、両端部の間に接続された一又は複数の光照射部への給電を停止することができるので、発光素子ごとの電圧値や電流量を逐次制御することなく、点灯/消灯する発光素子をスイッチのオン/オフのみによって容易に切換えることができる。さらに、切換え手段によって、液晶パネルの駆動タイミングに応じて各々のスイッチのオン/オフ状態を制御し、給電を停止する一又は複数の光照射部を順次切換えることができる。
つまり、本発明は、液晶パネルの駆動タイミングに応じて、容易に点灯/消灯する発光素子を切換えることができる液晶表示装置であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図2】本発明に係る導光板と光源部の位置関係、及び、光源部の回路配置を模式的に説明する図である。
【図3】本発明に係る光照射部に配置されるLEDの配置パターンを示す図であり、(A)はLEDが直列に配置されているパターンを、(B)はLEDが並列に配置されているパターンを、(C)はLEDが直並列に配置されているパターンを、それぞれ示す。
【図4】本発明に係る導光板と光源部の位置関係、及び、光源部の回路配置を模式的に説明する図である。
【図5】本発明に係る液晶表示装置による光照射部の切換え処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明では、図2における導光板81の左右方向をX方向、前後方向をY方向、XY方向に直交する方向をZ方向とする。
【0015】
本実施形態の液晶表示装置100は、例えば、図1に示すように、信号入力部1、映像処理部2、タイミング制御部3、フレームメモリ4、液晶パネル5、走査線駆動部6、信号線駆動部7、バックライト8、制御部12等を備える。
【0016】
信号入力部1は、例えば、テレビジョン放送信号を受信するアンテナ及びチューナや、外部装置からの映像信号を受信する各種映像端子等を備えて構成され、入力される映像信号を受信して、映像処理部2に出力する。
【0017】
映像処理部2は、例えば、A/D変換回路、RGB生成回路、画質調整回路等を備えて構成され、信号入力部1から供給される映像信号に基づいて、RGBのデジタル映像信号を生成し、液晶パネル5の画素数に応じたスケーリング処理を行って、1フレーム分の映像信号を生成する。さらに、1フレーム分の映像信号に対して、制御部12から出力される画質調整信号に基づいて、ブライトネス、コントラスト、色の濃さ、色合い、シャープネス等の各種画質調整を行った後に、フレームメモリ4に出力する。
【0018】
タイミング制御部3は、信号入力部1から供給される映像信号に基づいて、1ライン期間を示すタイミング信号と、1フレーム期間を示すタイミング信号とを生成して、液晶表示装置100の各部に供給する。
【0019】
フレームメモリ4は、映像処理部2から入力される映像信号をフレーム単位で蓄積し、その映像信号を液晶ディスプレイ(図示省略)に出力する。
【0020】
液晶パネル5は、所定の間隔を隔てて配設された一対の基板の間に、マトリクス状に配置された液晶が封入されて成る。これら一対の基板は、偏光軸が直交した2枚の偏光板で挟まれ、背面側にはバックライト8が配設されている。また、液晶パネル5は、その表示領域が予め定められた分割方法で、例えば、縦n個×横m個のマトリクス状に等分割された複数のサブ表示領域で構成されている。
基板の上面には、p行の走査線X(X〜X)及びq列の信号線Y(Y〜Y)が互いに直交するように配列されている。この液晶パネル5は、例えば、アクティブマトリクス駆動方式を採用しており、走査線Xと信号線Yの各交点の画素に、アクティブ素子としての薄膜トランジスタ(TFT: Thin Film Transistor)が配設されている。各画素には画素電極が形成され、画素電極に対向して、対向する基板に対向電極が形成されている。また、画素電極と対向電極との対向面にはそれぞれ配向膜が形成されている。つまり、液晶パネル5は、タイミング制御部3により生成されるタイミング信号に従って、上記TFTがオン/オフされ、画素電極に電荷が蓄積されて液晶の配列方向が変化することで駆動し、信号入力部1から入力される映像信号の書き込み動作を行う。
【0021】
走査線駆動部6は、液晶パネル5における走査線X(X〜X)の各々に対応して設けられており、タイミング制御部3からのタイミング信号に従って、各走査線Xを順に選択して、同一の走査線X上に連なるTFTをオン/オフさせる。
信号線駆動部7は、液晶パネル5における信号線Y(Y〜Y)の各々に対応して設けられており、走査線駆動部6による各走査線Xの走査に同期して、フレームメモリ4から出力される映像信号や黒画像に応じた電圧を信号線Yに対して印加する。
したがって、走査線駆動部6及び信号線駆動部7により走査線Xと信号線Yとが駆動されると、それらの交点にある画素のTFTがオンとなって画素電極に電荷が蓄積され、その画素電極と対向電極との間に挟持されている液晶の配列方向が変化して、配向膜と偏光板とともに、液晶パネル5の背面側に設けられたバックライト8から照射される光を画素単位で通過或いは遮断させる。
【0022】
バックライト8は、液晶パネル5の背面に配置され、例えば、図2に示すように、導光板81と、導光板81の左側面(X方向)に設けられた光源部82と、を含んで構成され、光源部82より出射されたX方向の光が導光板81の側面(YZ面)から導入され、導光板81により液晶パネル5の背面に向けてZ方向に反射するように構成されている。
【0023】
導光板81は、図示は省略するが、光を導入して伝達するアクリル材等で形成された基板と、基板の背面(XY面)に形成され、基板を伝達する光を反射させる反射ドットと、基板の背面側を覆い、高光反射率を備える材質からなり、反射ドットによる反射効率を高める反射シートと、基板の表面側を覆い、反射ドットにより基板の表面側に導出される光を拡散させる拡散シートと、等を含んで構成される。したがって、導光板81は、光源部82から導入されるX方向の光を側面(YZ面)から基板に導入し、当該基板内を伝達する光を反射ドット(及び反射シート)により基板の表面側に向けてZ方向に反射させ、拡散シートで拡散させて液晶パネル5の背面を照射する。
【0024】
光源部82は、例えば、光照射部83a〜83fと、給電回路84と、を含んで構成され、図2に示すような回路配置からなる。
【0025】
光照射部83a〜83fは、それぞれ、導光板81を介して液晶パネル5に向けて光を照射する発光素子としてのLED(Light−EmittingDiode)を有し、当該LEDが導光板81の側面(YZ面)と対向する向きに所定間隔で設けられている。これら光照射部83a〜83fは、それぞれ、液晶パネル5が映像信号の書き込み動作を実行する際の数ライン分に相当する箇所を照射する。
【0026】
なお、図2において、光照射部83a〜83fはそれぞれ両端部83aa〜83ff間に単一のLEDを有するように構成されているが、複数有しているものであってもよい。 つまり、例えば、光照射部83a〜83fは、それぞれの両端部83aa〜83ff間に、図3(A)に示すように、LEDが複数直列に接続されたものであってもよいし、図3(B)に示すように、LEDが導光板81の厚さ方向(Z方向)に沿って複数並列に接続されたものであってもよいし、図3(C)に示すように、LEDが複数直並列に接続されたものであってもよい。したがって、例えば、液晶パネル5へのバックライト光としての光量が十分でない場合や、光照射部83a〜83fに配置される各々のLEDの長寿命化を図る必要がある場合等に、複数のLEDを状況に応じて直列、並列、あるいは直並列に配置することにより対処することができる。
【0027】
給電回路84は、光照射部83a〜83fに給電してLEDから光を出射させるための回路であり、例えば、制御部12からの作動信号に応じてオン/オフ状態を切換えるスイッチ85a〜85gと、光照射部83a〜83fに所定値の電圧を印加する電源86と、を含んで構成され、光照射部83a〜83fを直列に接続し、光照射部83a〜83fの両端部83aa〜83ffにそれぞれスイッチ85a〜85gを接続している。
【0028】
スイッチ85a〜85gは、それぞれ、オフした状態で電源86より印加される電圧により両端部83aa〜83ffの間に接続された光照射部に給電を行う一方で、オンした状態で両端部83aa〜83ffの間に接続された光照射部への給電を停止する機能を有する。つまり、例えば、光照射部83a及び光照射部83bの両端部83aa及び両端部83bbの間に接続されるスイッチ85aをオンした場合、電源86より電圧が印加されても、スイッチ85aによりバイパス経路が形成され、光照射部83a及び光照射部83bには電位差が生じないため(給電が停止されるため)、光照射部83a及び光照射部83bに含まれるLEDを消灯することができる。
なお、図2において、光照射部83a及び光照射部83bに含まれるダイオードが黒色で表示されているのは、スイッチ85aがオンされて、光照射部83a及び光照射部83bへの給電が停止された状態を示している。
【0029】
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)121、CPU121のワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)122、CPU121によって実行される各種プログラムを格納する記憶部125等を備えて構成される。
【0030】
CPU121は、液晶表示装置100の各部から入力される入力信号に応じて、記憶部125に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、液晶表示装置100の動作全般を統括制御する。
【0031】
RAM122は、例えば、CPU121により実行される処理プログラム等を展開するためのプログラム格納領域や、入力データや処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等を格納するデータ格納領域などを備える。
【0032】
記憶部125は、プログラム格納エリア内に、例えば、切換えプログラム125a、変更プログラム125b等を備えている。
【0033】
切換えプログラム125aは、例えば、CPU121に、液晶パネル5の駆動タイミングに応じて各々のスイッチ85a〜85gのオン/オフ状態を制御し、給電を停止する一又は複数の光照射部83a〜83fを順次切換える機能を実現させるプログラムである。ここで、液晶パネル5の駆動タイミングとは、例えば、タイミング制御部3により生成されるタイミング信号に基づいて映像信号の書き込み動作を行うタイミングである。
具体的には、CPU121が切換えプログラム125aを実行することにより、タイミング制御部3により生成されるタイミング信号に基づき、液晶パネル5が映像信号の書き込み動作を行う際に、書き込み動作を実行するラインに該当する光照射部又は当該光照射部に隣接する光照射部への給電を停止することができる。
つまり、CPU121が切換えプログラム125aを実行することにより、液晶パネル5に配置された液晶の駆動に同期させて、予め定められた時間間隔でスイッチ85a、スイッチ85b、スイッチ85cの順にオンして、光照射部83a及び光照射部83b、光照射部83c及び光照射部83d、光照射部83e及び光照射部83f、と給電を停止する光照射部(消灯するLED)を順次切換える制御を実行することができるので、いわゆる黒挿入駆動の効果を得ることができる(表示画面上の映像のぼやけを防止することができる)。
また、CPU121は切換えプログラム125aの実行により、液晶パネル5の駆動タイミングに応じて、光照射部83a〜83f各々に印加される電圧や電流量を制御することなく、単にスイッチ85a〜85gのオン/オフ状態を制御するだけで、給電を停止する光照射部(消灯するLED)を順次切換えることができるので、処理負担が大幅に縮減される。
なお、上記給電を停止する光照射部83a〜83fを切換える順序は、後述の変更プログラム125bの実行により逐次変更され、切換えプログラム125aは当該変更された順序に従って光照射部83a〜83fを順次切換える処理を行う。
【0034】
変更プログラム125bは、例えば、CPU121に、切換えプログラム125aの実行による給電を停止する光照射部を切換える順序を変更する機能を実現させるプログラムである。
具体的には、CPU121が変更プログラム125bを実行することにより、例えば、切換えプログラム125aが実行されて、上記のように、スイッチ85a、スイッチ85b、スイッチ85cの順にスイッチがオンされた場合、液晶パネル5の次の駆動タイミング(つまり、次のフレームの映像信号を表示するタイミング)では、スイッチ85d、スイッチ85e、スイッチ85f及びスイッチ85g(スイッチ85fとスイッチ85gは同時にオンされる)の順にオンするように変更することで、光照射部83b及び光照射部83c、光照射部83d及び光照射部83e、光照射部83f及び光照射部83a、と給電を停止する光照射部を切換える順序を変更することができる。なお、上記光照射部を切換える順序の変更にあわせて、液晶パネル5が映像信号の書き込み動作を行う際の、書き込み動作を実行するラインの順序も変更する。
つまり、液晶パネル5の駆動タイミングごとに、給電が停止される光照射部が同じ順序で切換えられた場合、ユーザに切換え時の表示画面上の明暗を気づかせてしまうおそれがあるため、上述のように駆動タイミングに応じて光照射部を切換える順序を変更することで、上記明暗をユーザに気づかせないようにすることができる。
【0035】
なお、切換えプログラム125a及び変更プログラム125bは、上記のように一のスイッチにて複数の光照射部への給電を停止するように制御するものでなくともよい。
具体的には、例えば、図4に示すように、光照射部83a〜83fの両端部83aa〜83ffそれぞれにスイッチ87a〜スイッチ87fを接続し、各々の光照射部83a〜83fへの給電の停止を、スイッチ87a〜スイッチ87fにより個別に切換えられるようにする。
そして、CPU121が切換えプログラム125aを実行することにより、液晶パネル5の駆動タイミングに応じて、予め定められた時間間隔で、スイッチ87a及びスイッチ87b、スイッチ87c及びスイッチ87d、スイッチ87e及びスイッチ87f、の順にオンすることで、光照射部83a及び光照射部83b、光照射部83c及び光照射部83d、光照射部83e及び光照射部83f、と給電を停止する光照射部を順次切換えることができる。
また、CPU121が変更プログラム125bを実行することにより、液晶パネル5の次の駆動タイミングでは、スイッチ87b及びスイッチ87c、スイッチ87d及びスイッチ87e、スイッチ87f及びスイッチ87a、の順にオンするように変更することで、光照射部83b及び光照射部83c、光照射部83d及び光照射部83e、光照射部83f及び光照射部83a、と給電を停止する光照射部を切換える順序を変更することができる。
【0036】
次に、図5のフローチャートを参照しながら、本実施形態の液晶表示装置100において行われる光照射部83a〜83fの切換え処理の流れについて説明する。
【0037】
まず、液晶表示装置100の信号入力部1に対して、外部装置より映像信号が入力される(ステップS1)。
次いで、タイミング制御部3により上記映像信号に基づくタイミング信号が生成されて液晶表示装置100の各部に供給され、当該タイミング信号に従って液晶パネル5が駆動する(ステップS2)。
【0038】
次いで、CPU121は、切換えプログラム125aを実行し、液晶パネル5の駆動タイミングに応じて、給電を停止する光照射部83a〜83fを順次切換える(ステップS3)。
【0039】
次いで、CPU121は、ステップS1にて入力された映像信号に基づく全ての映像を表示したか否かを判断する(ステップS4)。
そして、CPU121は、全ての映像を表示していないと判断した場合(ステップS4;No)、変更プログラム125bを実行して、切換えプログラム125aの実行による給電を停止する光照射部を切換える順序を変更し(ステップS5)、ステップS2以降の処理を繰り返し行う。
一方で、CPU121は、全ての映像を表示したと判断した場合(ステップS4;Yes)、本処理を終了する。
【0040】
以上説明した本実施形態における液晶表示装置100によれば、液晶表示装置100において、光照射部83a〜83fは、LEDが導光板81の側面と対向する向きに所定間隔で設けられ、給電回路84は、各々の光照射部83a〜83fを直列に接続し、各々の光照射部83a〜83fの両端部83aa〜83ff及び/又は複数の光照射部83a〜83fの両端部83aa〜83ffに接続され、オンした状態で両端部83aa〜83ffの間に接続された光照射部83a〜83fへの給電を停止するスイッチ85a〜85g(87a〜87f)を備え、切換えプログラム125aにより、液晶パネル5の駆動タイミングに応じて各々のスイッチ85a〜85gのオン/オフ状態を制御し、給電を停止する一又は複数の光照射部83a〜83fを順次切換えるように構成されている。
つまり、本発明によると、CPU121の切換えプログラム125aの実行により、液晶パネル5の駆動タイミングに応じて、光照射部83a〜83f各々に印加される電圧や電流量を制御することなく、単にスイッチ85a〜85gのオン/オフ状態を制御するだけで、給電を停止する光照射部(消灯するLED)を順次切換えることができる。
したがって、本発明は、液晶パネルの駆動タイミングに応じて、容易に点灯/消灯する発光素子を切換えることができる液晶表示装置であるといえる。
【0041】
また、CPU121の変更プログラム125bの実行により、切換えプログラム125aの実行による給電を停止する光照射部を切換える順序を変更することが出来る。
つまり、液晶パネル5の駆動タイミングごとに、給電が停止される光照射部が同じ順序で切換えられた場合、ユーザに切換え時の表示画面上の明暗を気づかせてしまうおそれがあるため、変更プログラム125bの実行により、液晶パネル5の駆動タイミングに応じて光照射部83a〜83fを切換える順序を変更することで、上記明暗をユーザに気づかせないようにすることができる。
【0042】
また、光照射部83a〜83fは、LEDを複数直列、並列、あるいは直並列に接続したものからなる。
つまり、例えば、液晶パネル5へのバックライト光としての光量が十分でない場合や、光照射部83a〜83fに配置される各々のLEDの長寿命化を図る必要がある場合等に、複数のLEDを状況に応じて直列、並列、あるいは直並列に配置することにより対処することができる。
【0043】
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【符号の説明】
【0044】
100 液晶表示装置
5 液晶パネル
6 走査線駆動部
7 信号線駆動部
8 バックライト
81 導光板
82 光源部
83a〜83f 光照射部
83aa〜83ff 両端部
84 給電回路
85a〜85g,87a〜87f スイッチ
12 制御部
121 CPU(切換え手段、変更手段)
125a 切換えプログラム(切換え手段)
125b 変更プログラム(変更手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルの背面に配置された導光板を介して前記液晶パネルに向けて光を照射する発光素子を有する光照射部と、前記光照射部に給電して発光素子から光を出射させる給電回路と、を含み、映像信号に基づく映像を前記液晶パネルを介して表示する液晶表示装置において、
前記光照射部は、前記発光素子が導光板の側面と対向する向きに所定間隔で複数設けられ、
前記給電回路は、各々の前記光照射部を直列に接続し、各々の前記光照射部の両端部及び/又は複数の前記光照射部の両端部に接続され、オンした状態で両端部の間に接続された光照射部への給電を停止するスイッチを有し、
前記液晶パネルの駆動タイミングに応じて各々の前記スイッチのオン/オフ状態を制御し、給電を停止する一又は複数の光照射部を順次切換える切換え手段を備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記切換え手段により給電を停止する光照射部を切換える順序を変更する変更手段を備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
各々の前記光照射部は、前記発光素子を複数直列、並列、あるいは直並列に接続したものからなることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
液晶パネルの背面に配置された導光板を介して前記液晶パネルに向けて光を照射する発光素子を有する光照射部と、前記光照射部に給電して発光素子から光を出射させる給電回路と、を含み、入力される映像信号を前記液晶パネルを介して表示する液晶表示装置において、
前記光照射部は、前記発光素子が導光板の側面と対向する向きに所定間隔で複数設けられ、
前記給電回路は、各々の前記光照射部を直列に接続し、各々の前記光照射部の両端部及び/又は複数の前記光照射部の両端部に接続され、オンした状態で両端部の間に接続された光照射部への給電を停止するスイッチを有し、
前記液晶パネルの駆動タイミングに応じて各々の前記スイッチのオン/オフ状態を制御し、給電を停止する一又は複数の光照射部を順次切換える切換え手段と、
前記切換え手段により給電を停止する光照射部を切換える順序を変更する変更手段と、
を備え、
各々の前記光照射部は、前記発光素子を複数直列、並列、あるいは直並列に接続したものからなることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−210973(P2010−210973A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57364(P2009−57364)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】