説明

液晶表示装置

【課題】表示素子内に位置検出用の接点電極を有する液晶表示装置において、接点電極とタッチ位置検出回路との接続回路を簡素化すると共に、データ処理を簡素化する。
【解決手段】本タッチパネル機能を有する液晶表示素子の駆動方式は、対向電極の電位Vcomが基準電位に対して正負を反転させる、ライン反転駆動である。対向電極と導通することで対向電極と等電位になる、X座標検出用接点電極から出力され、X軸方向のタッチ位置の情報を示すシリアルデータであるX−dataは、Vcomの電位に応じて、基準電位に対して正になったり負になったりする。Y−dataも同様である。本実施形態における検出回路は、Vcomが反転するのに同期して、X−data及びY−dataが、基準電位に対して正になったときを検出する回路と、負になったときを検出する回路とを切換えて、それぞれを検出し、X検出信号及びY検出信号を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル機能を有する液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(Thin−Film Transistor;TFT)をスイッチング素子として用いたアクティブマトリックス液晶表示装置が知られている。この様な液晶表示装置にタッチパネル機能を付加した装置に係る技術が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されているタッチパネル機能を有する液晶表示装置は、次の様な構成を有する。その液晶表示装置の基板上には、複数の画素電極のスイッチング素子であるTFTに接続する、複数の走査線及び信号線が配置されている。例えば、走査線と平行に、複数のX座標検出ラインが形成され、信号線と平行に、複数のY座標検出ラインが形成されている。X座標検出ラインにはそれぞれ、複数のX座標検出用接点電極が接続され、Y座標検出ラインにはそれぞれ、複数のY座標検出用接点電極が接続されている。また、このX座標検出用接点電極及びY座標検出用接点電極と対向して、対向電極が配置されている。この液晶表示装置の表示画面の、観察者側の表面がタッチされると、そのタッチされた位置において、前記X座標検出用接点電極と対向電極とが電気的に導通し、Y座標検出用接点電極と対向電極とが電気的に導通する。その結果、対向電極の電位が、タッチされた位置に存在するX座標検出用接点電極を通してX座標検出ラインから出力される。同様に、対向電極の電位が、Y座標検出用接点電極を通してY座標検出ラインから出力される。各X座標検出ライン及び各Y座標検出ラインは、それぞれタッチ位置検出回路に接続されている。このタッチ位置検出回路は、各X座標検出ライン及び各Y座標検出ラインからの出力に基づき、タッチされた位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−95044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に係る技術において、X座標検出ライン及びY座標検出ラインは本数が多い。このため、それら検出ラインとタッチ位置検出回路との配線等の構成が複雑になる。また、各X座標検出ライン及び各Y座標検出ラインからタッチ位置検出回路に入力されるデータはパラレルデータとなる。そのため、これらパラレルデータのデータ処理量は多くなり複雑になるという課題がある。
【0005】
そこで本発明は、各X座標検出ラインとタッチ位置検出回路とを接続する接続回路、各Y座標検出ラインとタッチ位置検出回路とを接続する接続回路、の少なくとも一方を簡素化すると共に、タッチ位置検出回路におけるデータ処理を簡素化する、タッチパネル機能を有する液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を果たすため、本発明の液晶表示装置の一態様は、
画素電極及び対向電極、並びに該対向電極の電位を基準電位に対して正負反転させるコモン信号発生回路を有する、アクティブマトリクス型の液晶表示パネルであって、
前記画素電極が配置された基板上に前記対向電極と間隙を有して配置され、該対向電極が形成された基板が押圧されると該対向電極と導通する第1の座標検出電極と、
前記液晶表示パネルの走査線がゲート端子に接続し、前記第1の座標検出電極がソース端子に接続する、第1の座標検出トランジスタと、
複数の前記第1の座標検出トランジスタのドレイン端子に共通接続する第1の出力ラインと、
前記第1の出力ラインの出力信号に基づいて、前記対向電極と導通している第1の座標検出電極の位置を検出する、第1の座標検出回路と、
を具備し、
前記第1の座標検出回路は、
前記第1の出力ラインの出力信号の電位が第1の閾値以下になったことを検出する第1の電位低下検出回路と、
前記第1の出力ラインの出力信号の電位が、前記第1の閾値以上である第2の閾値以上になったことを検出する第1の電位上昇検出回路と、
前記コモン信号発生回路が発生する前記対向電極の電位が、前記基準電位に対して負のときは、前記第1の出力ラインの出力信号を前記第1の電位低下検出回路に入力し、前記基準電位に対して正のときは、前記第1の出力ラインの出力信号を前記第1の電位上昇検出回路に入力する第1の切換回路と、
を含む、
ことを特徴とする。
【0007】
また、前記目的を果たすため、本発明の液晶表示装置の一態様は、
画素電極及び対向電極、並びに該対向電極の電位を基準電位に対して正負反転させるコモン信号発生回路を有する、アクティブマトリクス型の液晶表示パネルであって、
前記画素電極が配置された基板上に前記対向電極と間隙を有して配置され、該対向電極が形成された基板が押圧されると該対向電極と導通する第1の座標検出電極と、
前記液晶表示パネルの走査線がゲート端子に接続し、前記第1の座標検出電極がソース端子に接続する、第1の座標検出トランジスタと、
複数の前記第1の座標検出トランジスタのドレイン端子に共通接続する第1の出力ラインと、
前記第1の出力ラインの出力信号に基づいて、前記対向電極と導通している第1の座標検出電極の位置を検出する、第1の座標検出回路と、
を具備し、
前記コモン信号発生回路は、前記第1の座標検出トランジスタがON状態である期間における前記対向電極の電位を、当該液晶表示装置の表示n(nは自然数)フレーム毎に前記基準電位に対して正負反転させ、
前記第1の座標検出回路は、
前記第1の出力ラインの出力信号の電位が第1の閾値以下になったことを検出する第1の電位低下検出回路、又は、前記第1の出力ラインの出力信号の電位が第2の閾値以上になったことを検出する第1の電位上昇検出回路、を含み、
当該液晶表示装置の表示m(mはn+1以上の自然数)フレーム毎に前記対向電極と導通している第1の座標検出電極の位置を検出する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に依れば、各X座標検出ラインとタッチ位置検出回路とを接続する接続回路、各Y座標検出ラインとタッチ位置検出回路とを接続する接続回路、の少なくとも一方を簡素化すると共に、タッチ位置検出回路におけるデータ処理を簡素化できる、タッチパネル機能を有する液晶表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の各実施形態に係る液晶表示装置の構成例の概略を示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の後側基板の回路構成例の概略を示す図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置のタッチパネルに係る回路構成例の概略を示す図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置をライン反転方式で駆動するときの、各駆動信号とタッチ位置検出に係る各信号の波形の例の概略を示す図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の各信号の実測例を示す図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の検出回路の一例を示す図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の各信号波形と位置検出を説明する為の図。
【図8】本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る液晶表示装置の各駆動信号の波形の例の概略を示す図。
【図9】本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る液晶表示装置の各信号の実測例を示す図。
【図10】本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る液晶表示装置の検出回路の一例を示す図。
【図11】本発明の第1の実施形態の第2の変形例に係る液晶表示装置の検出回路の一例を示す図。
【図12】本発明の第1の実施形態の第2の変形例に係る液晶表示装置の各信号波形と位置検出を説明する為の図。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置のタッチパネルに係る回路構成例の概略を示す図。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の各信号波形と位置検出を説明する為の図。
【図15】本発明の第2の実施形態の変形例に係る液晶表示装置の各信号波形と位置検出を説明する為の図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る液晶表示装置の概略を図1に示す。本液晶表示装置は、タッチパネル機能を有する液晶表示パネル1と、前記液晶表示パネル1に搭載されたドライバ素子38と、表示用コントローラ41と、コモン信号発生回路42と、座標検出用コントローラ44と、メインコントローラ45とを有する。
【0011】
液晶表示パネル1は、薄膜トランジスタ(TFT)をアクティブ素子としたアクティブマトリックス液晶表示パネルである。本実施形態に係る液晶表示装置は、例えば、水平方向に240画素、垂直方向に320画素を有する、縦置きQVGA(以下、QVGAポートレートと称する)の表示パネルである。但し、QVGAポートレートに限らず、横置きの通常のQVGAや、例えば、VGA(640画素×480画素)、SVGA(800画素×600画素)、XGA(1024画素×768画素)、SXGA(1280画素×1024画素)や、それらの縦置き型等、種々の画素数を有する表示パネルを用いても良い。他の画素数を有する表示パネルを用いた場合、以下の説明において、画素数に合わせて、他の構成要素の数が多くなったり少なくなったりしても良いことは勿論である。液晶表示パネル1は、液晶層を挟んで互いに対向する後側基板3と前側基板4とを有する。図示しないバックライトから出射した光は、液晶表示パネル1を後側基板3から前側基板4に向けて透過し、使用者に届く。本実施形態の説明では、前側基板4側を観察側、後側基板3側をバックライト側と定義する。
【0012】
後側基板3の観察側の面の画面エリア2内の領域には、複数の透明な画素電極5が形成されている。例えば画素電極5は、図2に示す様に、行方向(水平方向;図2において両矢印Hで示した方向)及び列方向(垂直方向;図2において両矢印Vで示した方向)に配列されている。各画素電極5は、行方向の電極幅が列方向の電極長さよりも小さい、縦長の矩形形状を有している。各画素電極5は、スイッチング素子として働く表示用薄膜トランジスタ(表示用TFT)6のドレイン端子にそれぞれ接続している。各表示用TFT6は、前記縦長の矩形形状を有する各画素電極5の、一隅角(例えば図2における左下隅)に配置されている。
【0013】
また、後側基板3の観察側の面には、各画素電極5の行方向に沿って、行毎に走査線14が形成されている。各行の走査線14は、画素電極5の表示用TFT6が配置された側の端(図2において各画素電極5の下端側)に沿わせて設けられており、当該走査線14に沿って配置された表示用TFT6の各ゲート端子に接続している。更に、後側基板3の観察側の面には、各画素電極5の列方向に沿って、列毎に信号線15が形成されている。各列の信号線15は、画素電極5の表示用TFT6が配置された側の端(図2において各画素電極5の左端側)に沿わせて設けられており、当該信号線15に沿って配置された表示用TFT6の各ソース端子に接続している。
【0014】
また、後側基板3の一端部を前側基板4の外方に張り出して形成されたドライバ搭載部3aには、ドライバ素子38が、図1に示す様に搭載されている。このドライバ素子38は、図2に示す様に、走査ドライバ39とデータドライバ40とが形成された、LSI(Large Scale Integrated Circuit;大規模集積回路)からなる。各走査線14は、ドライバ搭載部3aに導出されて(図示せず)、走査ドライバ39の各出力端子に接続されており、各信号線15は、同様にドライバ搭載部3aに導出されて、データドライバ40の各出力端子に接続されている。
【0015】
前側基板4のバックライト側には、複数の画素電極5と対向する一枚膜状の透明な対向電極16が形成されている。対向電極16は、コモン信号発生回路42に接続されており、対向電極16の電位は、コモン信号発生回路42により制御される。
【0016】
本液晶表示パネル1は、タッチされた位置(以下、タッチ部と称する)の座標を検出できる、タッチパネル機能を備えている。本液晶表示パネル1において、走査線14が伸展している方向をX軸方向と、信号線15が伸展している方向をY軸方向と定義する。本液晶表示パネル1は、X軸方向のタッチ部の座標をX座標として、また、Y軸方向のタッチ部の点座標をY座標として、それぞれ検出できる。このため本液晶表示パネル1には、例えば図2に示す様に、赤、緑及び青の3色を表示するための3つの画素電極5で構成される1画素毎に、各1つのX座標検出用接点電極25及びY座標検出用接点電極26が、後側基板3の観察側に形成されている。
【0017】
これらX座標検出用接点電極25は、列毎に、各X座標検出ライン19に接続されている。これらのX座標検出ライン19は、図2に示す様に、列方向に配列した各画素電極5と、当該画素電極5と隣り合う列の各画素電極5に接続された表示用TFT6にデータ信号を供給する信号線15との間に、信号線15と平行に形成されている。言い換えると、各X座標検出ライン19は、各画素電極5の、当該画素電極5に接続された表示用TFT6にデータ信号を供給する信号線15が形成されている側と反対側であり、当該画素電極5と隣接する位置に、信号線15と平行に形成されている。
【0018】
また、これらY座標検出用接点電極26は、行毎に、各Y座標検出ライン20に接続されている。これらの各Y座標検出ライン20は、前記行方向に配列された各画素電極5と、当該画素電極5と隣り合う行の各画素電極5に接続された表示用TFT6にゲート信号を供給する走査線14との間に、走査線14と平行に形成されている。言い換えると、各Y座標検出ライン20は、各画素電極5の、当該画素電極5に接続された表示用TFT6にゲート信号を供給する走査線14が形成されている側と反対側であり、当該画素電極5と隣接する位置に、走査線14と平行に形成されている。
【0019】
また、X座標検出用接点電極25及びY座標検出用接点電極26と、対向電極16との間には間隙が設けられている。本表示装置の使用者により、前側基板4が観察側から押圧されて撓むと、対向電極16とその部分に存在するX座標検出用接点電極25及びY座標検出用接点電極26とが導通する。その結果、対向電極16と導通したX座標検出用接点電極25に接続するX座標検出ライン19、及び対向電極16と導通したY座標検出用接点電極26に接続するY座標検出ライン20は、対向電極16と等電位になる。
【0020】
更に、後側基板3の観察側の面の、画面エリア2の領域外(図2において画面エリア2の右側の領域)には、複数のX座標検出用薄膜トランジスタ(X座標検出用TFT)6a、及び複数のY座標検出用薄膜トランジスタ(Y座標検出用TFT)6bが形成されている。各Y座標検出用TFT6bは、画面エリア2の領域外のうち、画面エリア2と隣接する部分に、X座標検出ライン19が伸展する方向と平行な方向に1列に並べて配置されている。各Y座標検出用TFT6bが配置される間隔は、各Y座標検出ライン20の間隔と同程度である。一方、前記各X座標検出用TFT6aは、前記各Y座標検出用TFT6bの画面エリア2からみて更に外側となる位置に、前記各Y座標検出用TFT6bとそれぞれ隣り合わせに、1列に並べて配置されている。
【0021】
X座標検出用TFT6aは、X座標検出ライン19と同じ数存在する。各X座標検出用TFT6aのソース端子は、それぞれ別々のX座標検出ライン19に接続されている。ここで、X座標検出ライン19とX座標検出用TFT6aとの接続は、X座標検出ライン19を前記画面エリア2の外側で引き回す、延長ライン19aにより行われている。また、各X座標検出用TFT6aのゲート端子は、それぞれ別々の走査線14に、延長ライン14aを介して接続している。各X座標検出用TFT6aのドレイン端子は、1本のX座標検出用出力ライン21aに接続されている。このX座標検出用出力ライン21aは、外部回路接続端子22bに接続されている。この外部回路接続端子22bは、ドライバ搭載部3a(図1参照)に設けられている。
【0022】
一方、Y座標検出用TFT6bは、Y座標検出ライン20と同じ数存在する。各Y座標検出用TFT6bのソース端子は、それぞれ別々のY座標検出ライン20に接続されている。また、各Y座標検出用TFT6bのゲート端子は、それぞれ別々の走査線14に、延長ライン14aを介して接続している。各Y座標検出用TFT6bのドレイン端子は、1本のY座標検出用出力ライン21bに接続されている。このY座標検出用出力ライン21bは、X座標検出用出力ライン21aと同様に、ドライバ搭載部3aに設けられた外部回路接続端子22aに接続されている。
【0023】
本実施形態に係る液晶表示パネル1はQVGAポートレートである。従って、当該タッチパネルは、X軸方向に240点、Y軸方向に320点の検出点を有する。このため、X座標検出ライン19は240本あり、X座標検出用TFT6aは240個ある。また、Y座標検出ライン20は320本あり、Y座標検出用TFT6bは320個ある。
【0024】
尚、本液晶表示パネル1は、前記液晶層の液晶分子を、後側基板3及び前側基板4の間において液晶分子をツイスト配向させたツイステッドネマティック(TN)型若しくはスーパーツイステッドネマティック(STN)型、液晶分子を後側基板3及び前側基板4の面に対して垂直に配向させた垂直配向型(Vertical Alignment方式;VA方式)、横電界型のIn−Plane Switching方式(IPS方式)の液晶パネルを含む液晶分子の分子長軸を一方向に揃えて後側基板3に平行に配向させた水平配向型、液晶分子をベンド配向させるベンド配向型(Optically Compensated Birefringenece方式;OCB方式)、又は強誘電性若しくは反強誘電性液晶表示パネル等、種々の液晶表示パネルのうち何れでも良い。また、ポリマーネットワーク型液晶表示パネルでも良い。
【0025】
図1に示す様に、ドライバ素子38の走査ドライバ39とデータドライバ40とは、前記した液晶表示パネル1に接続される外部回路の表示用コントローラ41に接続されている。また、対向電極16に接続しているコモン信号発生回路42も、表示用コントローラ41に接続されている。X座標検出用出力ライン21aの外部回路接続端子22a及びY座標検出用出力ライン21bの外部回路接続端子22bは、前記した座標検出用コントローラ44に接続されている。これら表示用コントローラ41及び座標検出用コントローラ44は、それらを制御するメインコントローラ45とそれぞれ接続している。
【0026】
この様に、例えば、画素電極5は、液晶表示パネルが有する画素電極として機能し、例えば対向電極16は、液晶表示パネルが有する対向電極として機能し、例えばコモン信号発生回路42は、液晶表示パネルが有するコモン信号発生回路として機能し、例えばX座標検出用接点電極25又はY座標検出用接点電極26は、第1の座標検出電極又は第2の座標検出電極として機能し、例えばX座標検出用薄膜トランジスタ6a又はY座標検出用薄膜トランジスタ6bは、第1の座標検出トランジスタ又は第2の座標検出トランジスタとして機能し、例えばX座標検出用出力ライン21a又はY座標検出用出力ライン21bは、第1の出力ライン又は第2の出力ラインとして機能し、例えば座標検出用コントローラ44の一部は、第1の座標検出回路又は第2の座標検出回路として機能する。
【0027】
次に、本実施形態に係る液晶表示装置の動作を説明する。液晶表示パネル1において、コモン信号発生回路42から出力されたVcom信号は、対向電極16に印加される。表示用コントローラ41の走査ドライバ39は、各走査線14を順次選択し、選択した走査線14に、表示用TFT6をONさせるゲート信号を、選択期間印加する。また、表示用コントローラ41のデータドライバ40は、各信号線15に、前記Vcom信号に対して画像データに対応した電位差をもつデータ信号を、走査線14の選択期間印加する。液晶表示パネル1は、上記の通り表示駆動される。尚、本実施形態では、液晶表示パネル1の表示駆動方式に、ライン反転方式を用いる。即ち、各走査線14の選択期間毎に、対向電極16に印加するVcom信号の電圧を、ハイレベル(以下、Hレベルという)とローレベル(以下、Lレベルという)とに反転させる。
【0028】
次に、液晶表示パネル1のタッチパネルとしての動作を説明する。液晶表示パネル1に対するタッチ入力は、前記表示駆動中に、画面エリア2内の任意の位置を、前側基板4の観察側から、指先やタッチペン等によりタッチすることにより行われる。ここで、図2からタッチパネル機能に関係する構成を抜粋した回路構成の概略を、図3に示す。
【0029】
各走査線14、各X座標検出用TFT6a、各Y座標検出用TFT6b、各X座標検出ライン19、及び各Y座標検出ライン20に以下の名称を付する。即ち、図3における上端側から、1行目の画素電極5に接続する表示用TFT6のゲート端子に接続する走査線14をゲートG1とし、2行目のそれをゲートG2とし、以下同様にして、下端である320行目のそれをゲートG320とする。そして、ゲートG1にそのゲート端子を接続しているX座標検出用TFT6aをX−TFT1とし、ゲートG2にそのゲート端子を接続しているX座標検出用TFT6aをX−TFT2とし、以下同様にして、ゲートG240にそのゲート端子を接続しているX座標検出用TFT6aをX−TFT240とする。また同様に、ゲートG1にそのゲート端子を接続しているY座標検出用TFT6bをY−TFT1とし、ゲートG2にそのゲート端子を接続しているY座標検出用TFT6bをY−TFT2とし、以下同様にして、ゲートG320にそのゲート端子を接続しているY座標検出用TFT6bをY−TFT320とする。また、X−TFT1のソース端子に接続しているX座標検出ライン19をX−1とし、X−TFT2のソース端子に接続しているX座標検出ライン19をX−2とし、以下同様にして、X−TFT240のソース端子に接続しているX座標検出ライン19をX−240とする。また同様に、Y−TFT1のソース端子に接続しているY座標検出ライン20をY−1とし、Y−TFT2のソース端子に接続しているY座標検出ライン20をY−2とし、以下同様にして、Y−TFT320のソース端子に接続しているY座標検出ライン20をY−320とする。
【0030】
前記タッチ入力が行われると、タッチ部の前側基板4が後側基板3側に撓み変形し、前記タッチ部の前側基板4に形成された対向電極16と、後側基板3に形成されたX座標検出用接点電極25及びY座標検出用接点電極26とが導通する。その結果、対向電極16とそれら接点電極とが電気的に導通する。従って、対向電極の電位が、タッチされた位置に存在するX座標検出用接点電極と通してX座標検出ラインから出力され、Y座標検出用接点電極を通してY座標検出ラインから出力される。従って、タッチ部で対向電極16と導通したX座標検出用接点電極25、及びこの接点電極と接続しているX座標検出ライン19は、対向電極16に印加されたVcom信号の電位と同レベルになる。同様に、タッチ部で対向電極16と導通したY座標検出用接点電極26、及びこの接点電極と接続しているY座標検出ライン20の電位は、対向電極16に印加されたVcom信号の電位と同レベルになる。
【0031】
前記の通り、各X座標検出ライン19は、X座標検出用TFT6aに接続しており、Y座標検出ライン20は、Y座標検出用TFT6bのソース端子に接続している。また、各X座標検出用TFT6aのゲート端子は、それぞれ別々の走査線14に接続されており、各Y座標検出用TFT6bのゲート端子は、それぞれ別々の走査線14に接続されている。
【0032】
従って、画像表示のため、ゲートG1からゲートG320までの各走査線14に順次ゲート信号が印加されると、X−TFT1からX−TFT240までの各X座標検出用TFT6aは、順次ON状態になる。このとき、X座標検出用出力ライン21aの電位は、前記ON状態になっているX座標検出用TFT6aのソース端子に接続されているX座標検出ライン19の電位になる。ここで、タッチ部に対応するX座標検出用接点電極25が接続しているX座標検出ライン19の電位は、対向電極16の電位になっている。
【0033】
これらと同様に、ゲートG1からゲートG320までの各走査線14に順次ゲート信号が印加されたとき、Y−TFT1からY−TFT320までの各Y座標検出用TFT6bは、順次ON状態になる。そして、Y座標検出用出力ライン21bの電位は、前記ON状態になっているY座標検出用TFT6bのソース端子に接続されているY座標検出ライン20の電位になる。ここで、タッチ部に対応するY座標検出用接点電極26が接続しているY座標検出ライン20の電位は、対向電極16の電位になっている。
【0034】
即ち、G1、G2、・・・、G240と順にゲート電圧が印加されると、X−TFT1、X−TFT2、・・・、X−TFT240と順にTFTがON状態となり、その結果、X座標検出用出力ライン21aの電位は、順次X−1の電位、X−2の電位、・・・、X−240の電位になる。同様に、G1、G2、・・・、G320と順にゲート電圧が印加されると、Y−TFT1、Y−TFT1、・・・、Y−TFT240と順にTFTがON状態となり、その結果、Y座標検出用出力ライン21bの電位は、順次Y−1の電位、Y−2の電位、・・・、Y−320の電位になる。従って、この液晶表示パネル1は、各X座標検出ライン19の電位に対応したX座標のパラレルデータを、X座標シリアルデータに変換して、X座標検出用出力ライン21aから出力する。また同様に、各Y座標検出ライン20の電位に対応したY座標のパラレルデータを、Y座標シリアルデータに変換して、Y座標検出用出力ライン21bから出力する。
【0035】
次に、図4を参照して制御信号について説明する。図4の1行目(1)に、Lowアクティブの垂直方向の基準信号である垂直同期信号(VSYNC信号)の波形の概略を示す。また、2行目(2)に、Lowアクティブの水平方向の基準信号である水平同期信号(HSYNC信号)の波形の概略を示す。VSYNC信号の1周期には、本実施形態の例では、325水平期間を設けている。図4の3行目(3)に、対向電極16に印加するVcom信号の波形の概略を示す。本実施形態の表示駆動方式は、ライン反転方式であるので、Vcom信号は、第1フレームにおいては、1番目の水平期間でハイレべル(Hレベル)、2番目の水平期間でローレベル(Lレベル)という様に、HレベルとLレベルを交互に繰り返す。そして、Vcom信号は、第2フレームにおいては、1番目の水平期間で、Lレベル、2番目の水平期間でHレベルとなり、以下、LレベルとHレベルが交互に繰り返す。
【0036】
図4の4行目(4)に記載したゲートG1は、各フレームの2番目の水平期間に、Hレベルになる。その結果、各フレームの2番目の水平期間において、図4の5行目(5)に記載したX−TFT1と、図4の6行目(6)に記載したY−TFT1とは、ON状態になる。X−TFT1及びY−TFT1がON状態のとき、Vcom信号は、第1フレームにおいてはLレベルであり、第2フレームにおいてはHレベルであり、以後交互に繰り返す。
【0037】
同様に、ゲートG2は、各フレームの3番目の水平期間に、Hレベルになり、このときX−TFT2及びY−TFT2がON状態になる。X−TFT2及びY−TFT2がON状態のとき、Vcom信号は、第1フレームではHレベルであり、第2フレームではLレベルであり、以後交互に繰り返す。ゲートG3以降も同様である。
【0038】
図4の27行目(27)に、当該タッチパネルがタッチされていないときの、X座標検出用出力ライン21aの電位X−dataの概略を示す。また、同様に図4の28行目(28)に、当該タッチパネルがタッチされていないときの、Y座標検出用出力ライン21bの電位Y−dataの概略を示す。X−data及びY−dataは、容量結合により、Vcom信号と同様の傾向を有する、HレベルとLレベルを繰り返すノイズ電位を示す。
【0039】
図5は、実際に検出された電位の波形を示す。この図において、1段目はVcom信号の電位を示し、2段目はX−dataの電位を示し、3段目はY−dataの電位を示し、4段目はゲートの電位を示す。この図においてそれぞれ破線は、それぞれの信号の基準電位を表す。この図の1段目に示す通り、Vcom信号の電位は、基準電位を中心に正負を反転させる波形を示す。従って、ゲート電位がLレベルである期間では、X−data及びY−dataは、Vcom信号の電位に応じた、その基準電位に対して高低を繰り返すノイズ波形を示している。このノイズ波形は、前記の通り、容量結合したVcom信号に起因する。
【0040】
この例では、ゲート電位がHレベルになる期間は、Vcom信号の電位がHレベル又はLレベルで維持される期間の約半分である。図5に示す通り、この例において、ゲート電位がHレベルになったとき、Vcom信号の電位は、Lレベルとなっている。このため、ゲート電位がHレベルとなっている期間に、X−data及びY−dataの電位は低下している。そして、ゲート電位がLレベルに戻ると、X−data及びY−dataの電位は上昇し始めている。一方、図示していないが、Vcom信号の電位がHレベルとなったときに、ゲート電位がHレベルになると、ゲート電位がHレベルの期間において、X−data及びY−dataの電位は上昇し、ゲート電位がLレベルに戻ると、X−data及びY−dataの電位は低下し始める。
【0041】
次に、座標検出用コントローラ44に含まれる座標検出回路について説明する。本実施形態では、前記の通り、Vcom信号の電位が基準電位に対して正の値になったり負の値になったりする。このため、Vcom信号の電位変化に応じて、検出すべきX−data及びY−dataの電位の上昇を検出したり、低下を検出したりする必要がある。そこで本座標検出回路は、例えば図6に示す様な、X−data用の検出回路を有する。この検出回路は、本タッチパネルがタッチされたときに、即ち、入力したX−data信号の電位が、Vcom信号の電位に近づいて、Hレベル又はLレベルになったときに、LレベルからHレベルになる電位を出力する。X−data信号は、入力端子61に入力され、出力値は出力端子62から得られる。
【0042】
第1のオペアンプ63は、本タッチパネルがタッチされたときの、X−data信号の電位の低下を検出し、そのときHレベルの電位を出力するための第1のコンパレータを構成する。一方、第2のオペアンプ64は、本タッチパネルがタッチされたときの、X−data信号の電位の上昇を検出し、そのときHレベルの電位を出力するための第2のコンパレータを構成する。従って、Vcom信号の高低の変化に応じて、X−data信号を、第1のオペアンプ63に入力するか、第2のオペアンプ64に入力するかを選択する必要がある。この入力の選択は、スイッチ65により行う。即ち、スイッチ65は、Vcom信号がLレベルであるとき、X−data信号を第1のオペアンプ63に入力する様に接続する。一方で、スイッチ65は、Vcom信号がHレベルであるとき、X−data信号を第2のオペアンプ64に入力する様に接続する。
【0043】
電源端子66は、第1のオペアンプ63及び第2のオペアンプ64の電源となる高電位を入力するもので、例えば5Vが入力される。電源端子67には、例えば3Vが入力され、X−data信号の低下を検出する際の、X−data信号の入力線に、プルアップ抵抗68を介して接続されている。このX−data信号の低下を検出する際のX−data信号の入力線は、第1のオペアンプ63の反転端子(「−」端子)に接続されている。第1の比較アナログ信号Vref1を入力する第1の比較アナログ信号入力端子69は、第1のオペアンプ63の非反転端子(「+」端子)に接続されている。従って、第1のオペアンプ63は、X−data信号と第1の比較アナログ信号Vref1とを比較し、X−data信号の電位が第1の比較アナログ信号Vref1の電位より低くなったとき、Hレベルを出力する。この様に、第1のオペアンプ63は、第1のコンパレータを構成する。
【0044】
一方、接地端子70は、X−data信号の上昇を検出する際の、X−data信号の入力線に、プルダウン抵抗71を介して接続されている。このX−data信号の上昇を検出する際のX−data信号の入力線は、第2のオペアンプ64の非反転端子(「+」端子)に接続されている。第2の比較アナログ信号入力端子72は、第2の比較アナログ信号Vref2を入力するものであり、第2のオペアンプ64の反転端子(「−」端子)に接続されている。従って、第2のオペアンプ64は、X−data信号と第2の比較アナログ信号Vref2とを比較し、X−data信号の電位が比較アナログ信号Vref2の電位より低くなったとき、Hレベルを出力する。この様に、第2のオペアンプ64は、第2のコンパレータを構成する。
【0045】
以上の通り、本検出回路は、X−data信号を入力端子61に入力し、Vcom信号の高低の変化に応じて、スイッチ65により第1のオペアンプ63又は第2のオペアンプ64への入力を切換える。そして、本検出回路は、スイッチ65に同期させてスイッチ73を切換えて、第1のオペアンプ63又は第2のオペアンプ64からの出力を出力端子62に接続する。この様に本検出回路は、出力端子62から、本タッチパネルがタッチされたか否かの信号を取得することができる様に構成されている。座標検出用コントローラ44の座標検出回路は、図6に示したものと同じ回路を、Y−data信号の処理用にもう一つ別に有している。この回路は、X−data信号の場合と同様に、Y−data信号を入力し、本タッチパネルがタッチされたか否かの信号を取得することができる様に構成されている。
【0046】
この様に、例えば第1のオペアンプ63を含む第1のコンパレータは、第1の出力ラインの出力信号の電位が第1の閾値以下になったことを検出する第1の電位低下検出回路として機能し、例えば第2のオペアンプ64を含む第2のコンパレータは、第1の出力ラインの出力信号の電位が第2の閾値以上になったことを検出する第1の電位上昇検出回路として機能し、例えばスイッチ65は、第1の切換回路として機能し、例えば第1の比較アナログ信号Vref1は、第1のオペアンプの非反転端子に入力される第1の閾値を表す信号として機能し、例えば第2の比較アナログ信号Vref2は、第1のオペアンプの反転端子に入力される第2の閾値を表す信号として機能する。
【0047】
また、前記した座標検出用コントローラ44がY−data信号の処理用にもう一つ別に有している回路の、例えば第1のコンパレータに相当する回路は、第2の電位低下検出回路として機能し、例えば第2のコンパレータに相当する回路は、第2の電位上昇検出回路として機能し、例えばスイッチ65に相当するスイッチは、第2の切換回路として機能し、例えば第1の比較アナログ信号Vref1に相当する信号は、第3の閾値を表す信号として機能し、例えば第2の比較アナログ信号Vref2に相当する信号は、第4の閾値を表す信号として機能する。
【0048】
上記では比較器を用いた検出回路を説明したが、A/Dコンバータを用いて、デジタル信号に変換した後、当該デジタル化されたX−data及びY−data信号を処理することで、同様な処理を実現できる。デジタル信号を用いて処理する場合、例えばデジタル化されたX−data信号を処理する演算装置の、X−data信号が所定の閾値以下であるかを判断する機能は、第1の電位低下検出回路として機能し、X−data信号が所定の閾値以上であるかを判断する機能は、第1の電位上昇検出回路として機能し、Vcom信号の高低の変化に応じて、前記X−data信号が所定の閾値以下であることを判断するかX−data信号が所定の閾値以上であることを判断するかを選択する機能は、第1の切換回路として機能する。また、例えばデジタル化されたY−data信号を処理する演算装置の、Y−data信号が所定の閾値以下であるかを判断する機能は、第2の電位低下検出回路として機能し、Y−data信号が所定の閾値以上であるかを判断する機能は、第2の電位上昇検出回路として機能し、Vcom信号の高低の変化に応じて、前記Y−data信号が所定の閾値以下であることを判断するかY−data信号が所定の閾値以上であることを判断するかを選択する機能は、第2の切換回路として機能する。
【0049】
図7(a)に、当該タッチパネルのタッチされている位置の模式図を示し、図7(b)に、Vcom信号の電位、X−data信号及びY−data信号の電位、並びにX−data信号及びY−data信号をそれぞれ入力端子61に入力したときに出力端子62からそれぞれ出力されるX検出信号及びY検出信号の模式図を示し、図7(c)に、タッチされていると検出される位置の模式図を示す。図7(a)及び(c)において、各縦の線は、各X座標検出ライン19を模式的に示し、それらには、図3と同様の符号を付している。また、同様に各横の線は、Y座標検出ライン20を模式的に示し、それらには、図3と同様の符号を付している。図7においては、X軸方向にはX1〜X6のみが、Y軸方向にはY1〜Y8のみが、それぞれ示されている。本説明では、図7(a)に記号「○」で示した縦の線及び横の線の交点の位置にある、X座標検出用接点電極25及びY座標検出用接点電極26がタッチされたものとする。
【0050】
図7(a)に記号「○」で示した点がタッチされた場合、各信号の波形は図7(b)に示す様になる。Vcom信号は、図に示す様に繰り返しHレベル及びLレベルに変化している。ここで、Vcom信号を表す波形の上に付した番号1,2,3,・・・は、それぞれ、X−TFT1及びY−TFT1,X−TFT2及びY−TFT2,X−TFT3及びY−TFT3,・・・がONになっている期間であることを示す。
【0051】
この場合、X−data信号に注目すると、図7(a)に示す通りX−1,X−2及びX−3についてタッチされている点があるので、X−data信号は、X−TFT1,X−TFT2及びX−TFT3がONになっている期間に、Vcom信号と同様に変化する。その結果、X−data信号は、X−TFT1,X−TFT2及びX−TFT3がONになっている期間に、第1フレームでは、基準電位に対して順にLレベル,Hレベル,Lレベルと変化し、第2フレームでは、基準電位に対して順にHレベル,Lレベル,Hレベルと変化する。同様に、Y−2,Y−3及びY−4についてタッチされている点があるので、Y−data信号は、Y−TFT2,Y−TFT3及びY−TFT4がONになっている期間に、第1フレームでは、基準電位に対して順にHレベル,Lレベル,Hレベルと変化し、第2フレームでは、基準電位に対して順にLレベル,Hレベル,Lレベルと変化する。
【0052】
座標検出用コントローラ44内のX−data用の検出回路にX−data信号が入力された際の出力信号であるX検出信号は、X−data信号のHレベル又はLレベルへの変化が検出されて、X−TFT1,X−TFT2及びX−TFT3がONになっている期間に、Hレベルとなり、その他の期間には、Lレベルとなる。同様に、座標検出用コントローラ44内のY−data用の検出回路にY−data信号が入力された際の出力信号であるY検出信号は、Y−data信号のHレベル又はLレベルへの変化が検出されて、Y−TFT2,Y−TFT3及びY−TFT4がONになっている期間に、Hレベルとなり、その他の期間には、Lレベルとなる。この例におけるX検出信号は、X−1,X−2及びX−3がタッチされていることを表し、Y検出信号は、Y−2,Y−3及びY−4がタッチされていることを表す。従って、座標検出用コントローラ44で算出されるタッチ位置は、図7(c)に記号「◇」で示した点となる。
【0053】
上記した通り、X−data用の検出回路から出力されるX検出信号と、Y−data用の検出回路から出力されるY検出信号とは、走査線14の選択期間毎にHレベル又はLレベル、即ち1又は0の値を示すデジタルデータである。そして、座標検出用コントローラ44は、X検出信号とY検出信号とに基づいて、液晶表示パネル1内の画面エリア2におけるタッチ点のX座標データとY座標データとを算出し、そのX座標データとY座標データとを外部に出力する。
【0054】
以上の通り、本実施形態では、後側基板3の画面エリア2の領域外に、複数のX座標検出用TFT6a及び複数のY座標検出用TFT6b、並びにX座標検出用出力ライン21a及びY座標検出用出力ライン21bとを設けている。各X座標検出用TFT6aは、その各ゲート端子を各走査線14に接続し、各ソース端子を各X座標検出ライン19に接続し、各ドレイン端子を各X座標検出用出力ライン21aに接続している。このため、本実施形態に依れば、各X座標検出ライン19を介して出力されるX座標に係るパラレルデータを、X座標検出用出力ライン21aに出力されるシリアルデータに変換することができる。同様に、各Y座標検出用TFT6bは、その各ゲート端子を各走査線14に接続し、各ソース端子を各Y座標検出ライン20に接続し、各ドレイン端子を各Y座標検出用出力ライン21bに接続している。このため、各Y座標検出ライン20を介して出力されるY座標に係るパラレルデータを、Y座標検出用出力ライン21bに出力されるシリアルデータに変換することができる。従って、本構成に依れば、パラレル/シリアル変換回路を別途設ける必要が無い。従って、従来のパラレル/シリアル変換回路を含むタッチパネル機能を有する液晶表示装置に比べて、回路を大幅に簡素化することができる。
【0055】
また、本実施形態に依れば、複数のX座標検出用TFT6a及び複数のY座標検出用TFT6b、並びにX座標検出用出力ライン21a及びY座標検出用出力ライン21bとを、画面エリア2の領域外に集約して設けている。このため、従来の構造と比較して、タッチ位置検出の分解能を向上させても、配線の省スペース化が可能である。従って、表示装置全体に対する画面エリア2の割合を大きくすることができる。
【0056】
更に、本実施形態に依れば、X座標検出用TFT6a及びY座標検出用TFT6bを含めた各部材を、表示用TFT6その他の表示に用いられる部材と同じ積層構造で形成できる。このため、タッチパネル機能を有しないアクティブマトリックス液晶表示装置の製造と殆んど変わらない工程によって、タッチパネル機能を有する液晶表示装置を、低コストに製造することができる。
【0057】
そして、本実施形態に依れば、座標検出用コントローラ44に含まれる座標検出回路は、Vcom信号のHレベルとLレベルの反転に同期して、検出回路を切換える。従って、本実施形態の様に、Vcom信号をHレベルとLレベルとで反転させるライン反転方式の駆動を用いても、タッチ部の検出を行うことができる。
【0058】
尚、本実施形態では、1水平期間毎にVcom信号をHレベルとLレベルとに切換えるライン反転駆動方式を例に挙げて説明したが、これに限らず、Vcom信号をHレベルとLレベルとに切換えるコモン反転駆動方式の駆動方式であれば、例えば1フレーム毎にVcom信号をHレベルとLレベルとに切換えるフレーム反転方式等を用いても良いことは勿論である。この場合も、座標検出用コントローラ44に含まれる座標検出回路は、Vcom信号のHレベルとLレベルの反転に同期して、検出回路を切換える。
【0059】
[第1の実施形態の第1の変形例]
次に、本発明の第1の実施形態の第1の変形例について説明する。ここで本変形例の説明では、第1の実施形態との相違点に限定して説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。図5に示した通り、X−data信号及びY−data信号において、Vcom信号がHレベルからLレベルへ、又はその逆へ、切り替わった直後に、出力レベルが不安定な期間がある。座標検出用コントローラ44が、X−data信号及びY−data信号に基づいてタッチされた座標の検出を行うとき、この出力信号の不安定さに起因する誤検出が発生する虞がある。
【0060】
そこで本変形例では、X−data信号及びY−data信号の出力レベルが比較的安定している、Vcom信号がHレベルとLレベルで切り替わる前後を除いた期間についてのみ、座標検出用コントローラ44は、X−data信号及びY−data信号に基づいてタッチされた座標の検出を行う。このため、X座標の検出用のマスク信号MaskX、及びY座標の検出用のマスク信号MaskYを、例えば図8にそのタイミングチャートを示す様に、入力する。
【0061】
図8において、1行目(1)に記載したVSYNC信号は、例えば図4を参照して説明した通り、Lowアクティブの垂直方向の基準信号である。VSYNC信号の周期は、325水平期間である。2行目(2)に記載したHSYNC信号は、Lowアクティブの水平方向の基準信号である。3行目(3)に記載したDE(データイネーブル)信号は、垂直方向の画素数に等しい320水平期間においてHレベルになる期間を有する。本変形例に係る4行目(4)に記載したMaskX信号は、水平方向の検出用接点の数である240個に等しい240水平期間においてHレベルになる期間を有する。また、5行目(5)に記載したMaskY信号は、垂直方向の検出用接点の数である320個に等しい320水平期間においてHレベルになる期間を有する。
【0062】
ここで、クロック周波数は10MHzであり、このクロック信号を6行目(6)CLKに模式的に記載した。HSYNC信号の周期は、7行目(7)に記載する様に、512CLKである。水平方向の基準は、HSYNC信号の立下り位置であり、8行目(8)に記載したDE信号は、前記水平方向の基準から100クロックで立ち上がり、水平方向の画素数に合わせ240クロックで立ち下がる。9行目(9)に記載したMaskX信号及びMaskY信号は、HSYNC信号の立ち下がりから345クロックで立ち上がり、その後100クロックで立ち下がる。
【0063】
図9に、実際に検出された電位の波形を示す。この図において、1段目はVcom信号の電位を示し、2段目はX−dataの電位を示し、3段目はゲートの電位を示し、4段目はMaskX信号を示す。この図に示す通り、MaskX信号がHレベルになっている期間において、X−data信号に含まれるノイズは小さい。
【0064】
本変形例に係る座標検出回路においては、MaskX信号がHレベルのとき、X−data信号を検出し、MaskY信号がHレベルのとき、Y−data信号を検出する。このため、図6を参照して説明したX−data用の検出回路は、図10に示す様に変更されている。即ち、図6を参照して説明したX−data用の検出回路の、スイッチ73の出力と、Mask入力端子75に入力されたMaskX信号とを、AND素子76に入力し、それらの論理積を出力値とする。これによって、MaskXがHレベルのときのみ、タッチされた座標のX軸方向の検出ができる。Y−data用の検出回路も同様に構成することで、MaskYがHレベルのときのみ、タッチされた座標のY軸方向の検出をすることができる。この様に、例えばMaskX信号又はMaskY信号は、検出期間信号として機能し、例えばAND素子76は、第1のAND回路又は第2のAND回路として機能する。
【0065】
以上の様に、本変形例に依れば、Vcom信号のHレベルとLレベルが切り替わる前後に発生するノイズに起因した、タッチされた座標の検出における誤検出を防止することができる。
【0066】
[第1の実施形態の第2の変形例]
次に、本発明の第1の実施形態の第2の変形例について説明する。ここで本変形例の説明では、第1の実施形態との相違点に限定して説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本変形例に係る座標検出用コントローラ44内の検出回路は、図11に示す様に、図6に示した検出回路における、電位の低下を検出する第1のオペアンプ63を含む第1のコンパレータを有し、電位の上昇を検出する第2のオペアンプ64を含む第2のコンパレータがない構成となっている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。この様な構成を用いても、第1の実施形態と同様にタッチされた位置を検出することができる。
【0067】
図11に示した検出回路を用いると、図7を参照して説明したタッチされた位置の検出は、図12に示す様になる。即ち、第1フレームにおいてX検出信号は、X−data信号が基準電位に対してLレベルとなっているX−TFT1及びX−TFT3がONになっている期間に、Hレベルとなる。一方、第2フレームにおいてX検出信号は、X−data信号が基準電位に対してLレベルとなっているX−TFT2がONになっている期間に、Hレベルとなる。この様に、第1フレームと第2フレームとで、X検出信号の波形は異なり互いに補完する関係にある。従って、第1フレーム又は第2のフレームで、Hレベルとなっている期間に相当する点を検出点とすることで、タッチされている点を検出できる。即ち、図12に示す例の場合では、第1フレーム又は第2のフレームで、Hレベルとなっている、X−1,X−2,X−3がタッチされているということを検出できる。Y検出信号についても同様であり、第1フレーム又は第2のフレームで、Hレベルとなっている期間に相当する点を検出点とすることで、タッチされている位置を検出することができる。
【0068】
以上の様に、本変形例においては、X検出信号及びY検出信号について、第1フレーム又は第2のフレームで、Hレベルとなっているタイミングに相当する点を検出点とすることで、第1の実施形態と同様に、タッチされている位置を検出することができる。例えば、図12に示す例では、図12(c)に◇で示す様に、X−1,X−2及びX−3並びにY−2,Y−3及びY−4が検出される点となる。
【0069】
本変形例に依れば、第1フレーム及び第2のフレームを一組としてタッチ位置の検出を行うので、第1の実施形態の場合と比較して、時間分解能は低下するものの、座標検出用コントローラ44内の検出回路を簡素化することができる。
【0070】
前記の例では、Vcom信号が1フレーム毎に反転しているため、第1フレーム及び第2のフレームを一組としているが、例えばVcom信号が2フレーム毎に反転する等、複数フレーム毎に反転しても良い。この場合、当該フレーム数より多いフレーム数を一組とすればタッチ位置を検出できる。
【0071】
尚、本変形例では、電位の低下を検出する第1のオペアンプ63を含む第1のコンパレータを有し、電位の上昇を検出する第2のオペアンプ64を含む第2のコンパレータがない構成としたが、電位の上昇を検出する第2のコンパレータを有し、電位の低下を検出する第1のコンパレータがない構成としても同様に機能する。また、本変形例と、前記第1の変形例とを組み合わせて構成することができることも勿論である。
【0072】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。ここで本実施形態の説明では、第1の実施形態との相違点に限定して説明し、同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、X座標検出用TFT6a、Y座標検出用TFT6b及び延長ライン19aの数を削減するため、第1の実施形態における図3に相当する、図13に示す様な構成を用いる。
【0073】
即ち、X座標検出ライン19及びY座標検出ライン20は、それぞれ隣り合う2本のラインを束ねている。例えば、X座標検出ライン19は、X−1とX−2を束ねてX−TFT1のソース端子に接続されており、X−3とX−4を束ねてX−TFT3のソース端子に接続されており、以下同様に構成されている。同様に、例えば、Y座標検出ライン20は、Y−1とY−2を束ねてY−TFT1のソース端子に接続されており、Y−3とY−4を束ねてY−TFT3のソース端子に接続されており、以下同様に構成されている。この様に構成することで、X座標検出用TFT6a及びY座標検出用TFT6bの数を半分に減らすことができる。この様に、例えばX座標検出ライン19は、第1の座標検出ラインとして機能し、例えばY座標検出ライン20は、第2の座標検出ラインとして機能する。
【0074】
前記の構成を用いた場合、第1の実施形態における図7に相当する、各種信号波形やその結果検出されるタッチ位置は、図14に示す様になる。X−TFT1,X−TFT3,X−TFT5,・・・の様に、奇数番号が付されたX座標検出用TFT6aしか存在しないので、例えば、第1フレームでは、基準電位に対してLレベルの遷移のみ現れ、Hレベルは現れない。逆に第2フレームでは、基準電位に対してHレベルの遷移のみ現れる。本実施形態に係るタッチパネルは、X座標検出ライン19及びY座標検出ライン20をそれぞれ2本毎に束ねているため、空間分解能は低下している。このため、本実施形態で検出されるタッチ位置は、図14(c)に示す様になる。即ち、X検出信号は、この例ではX−1,X−2,X−3及びX−4がタッチされていることを表し、Y検出信号は、Y−1,Y−2,Y−3及びY−4がタッチされていることを表す。上記した通り、座標検出用コントローラ44は、X検出信号とY検出信号とに基づいて、液晶表示パネル1内の画面エリア2におけるタッチ点のX座標データとY座標データとを算出し、そのX座標データとY座標データとを外部に出力する。
【0075】
本実施形態に依れば、第1の実施形態の場合と比較して、タッチ位置検出の空間分解能は低下するものの、X座標検出用TFT6a、Y座標検出用TFT6b及び延長ライン19aの数を半分にすることができる。即ち、後側基板3上の回路を簡素化できる。また、画面エリア2外の領域に確保するX座標検出用TFT6a、Y座標検出用TFT6b及び延長ライン19aの配置スペースを、第1の実施形態の場合よりも大幅に小さくできる。その結果、表示装置全体に対する画面エリア2の面積の割合を大きくすることができる。
【0076】
尚、本実施形態の説明では、X座標検出ライン19及びY座標検出ライン20について、それぞれ隣り合う2本のラインを束ねているとしたが、2本毎に束ねるに限らず、3本毎や4本以上毎に束ねても良い。この場合、分解能の低下と、回路の簡素化と、どちらを優先させるかにより、束ねるX座標検出ライン19及びY座標検出ライン20の本数を決定すれば良い。また、全て同じ本数毎に束ねなくとも、例えば、束ねないものと2本束ねたものとを混在させたり、2本束ねたものと3本束ねたものとを混在させたりすることもできる。
【0077】
また、本実施形態においても、第1の実施形態に第1の変形例と同様に、X座標の検出用のマスク信号MaskX、及びY座標の検出用のマスク信号MaskYを用いて、X−da信号及びY−data信号のうち、それら信号波形が安定している期間の信号のみを用いて検出するように構成することができる。その結果、誤検出の発生を抑制することができる。この場合、第1の実施形態に第1の変形例と同様の効果を得ることができる。
【0078】
また、第1の実施形態の第2の変形例と同様に、座標検出用コントローラ44内の検出回路を、図11に示す様に、電位の低下を検出する第1のオペアンプ63を含む第1のコンパレータを有し、電位の上昇を検出する第2のオペアンプ64を含む第2のコンパレータがない構成とすることもできる。この様な構成の検出回路を用いると、図14に相当する各種信号波形やその結果検出されるタッチ位置は、図15に示す様になる。即ち、X検出信号及びY検出信号は、例えば第1フレームのみ信号が出力され、第2フレームでは信号が出力されないことになる。この様に、本構成に依れば、時間分解能は低下するものの、座標検出回路を簡素化することができる。
【0079】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても、発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題が解決でき、かつ、発明の効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成も発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…液晶表示パネル、2…画面エリア、3…後側基板、3a…ドライバ搭載部、4…前側基板、5…画素電極、6…表示用薄膜トランジスタ、6a…X座標検出用薄膜トランジスタ、6b…Y座標検出用薄膜トランジスタ、14…走査線、14a…延長ライン、15…信号線、16…対向電極、19…X座標検出ライン、19a…延長ライン、20…Y座標検出ライン、21a…X座標検出用出力ライン、21b…Y座標検出用出力ライン、22a…外部回路接続端子、22b…外部回路接続端子、25…X座標検出用接点電極、26…Y座標検出用接点電極、38…ドライバ素子、39…走査ドライバ、40…データドライバ、41…表示用コントローラ、42…コモン信号発生回路、44…座標検出用コントローラ、45…メインコントローラ、61…入力端子、62…出力端子、63…第1のオペアンプ、64…第2のオペアンプ、65…スイッチ、66…電源端子、67…電源端子、68…プルアップ抵抗、69…第1の比較アナログ信号入力端子、70…接地端子、71…プルダウン抵抗、72…第2の比較アナログ信号入力端子、73…スイッチ、75…Mask入力端子、76…AND素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素電極及び対向電極、並びに該対向電極の電位を基準電位に対して正負反転させるコモン信号発生回路を有する、アクティブマトリクス型の液晶表示パネルであって、
前記画素電極が配置された基板上に前記対向電極と間隙を有して配置され、該対向電極が形成された基板が押圧されると該対向電極と導通する第1の座標検出電極と、
前記液晶表示パネルの走査線がゲート端子に接続し、前記第1の座標検出電極がソース端子に接続する、第1の座標検出トランジスタと、
複数の前記第1の座標検出トランジスタのドレイン端子に共通接続する第1の出力ラインと、
前記第1の出力ラインの出力信号に基づいて、前記対向電極と導通している第1の座標検出電極の位置を検出する、第1の座標検出回路と、
を具備し、
前記第1の座標検出回路は、
前記第1の出力ラインの出力信号の電位が第1の閾値以下になったことを検出する第1の電位低下検出回路と、
前記第1の出力ラインの出力信号の電位が、前記第1の閾値以上である第2の閾値以上になったことを検出する第1の電位上昇検出回路と、
前記コモン信号発生回路が発生する前記対向電極の電位が、前記基準電位に対して負のときは、前記第1の出力ラインの出力信号を前記第1の電位低下検出回路に入力し、前記基準電位に対して正のときは、前記第1の出力ラインの出力信号を前記第1の電位上昇検出回路に入力する第1の切換回路と、
を含む、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1の電位低下検出回路は、第1のオペアンプを含む第1のコンパレータであり、前記第1の電位上昇検出回路は、第2のオペアンプを含む第2のコンパレータである
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1のコンパレータは、
前記第1のオペアンプの反転端子に前記第1の出力ラインの出力信号が入力され、
前記第1のオペアンプの非反転端子に前記第1の閾値を表す信号が入力される、
構成を有しており、
前記第2のコンパレータは、
前記第2のオペアンプの非反転端子に前記第1の出力ラインの出力信号が入力され、 前記第2のオペアンプの反転端子に前記第2の閾値を表す信号が入力される、
構成を有している、
ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1の座標検出回路は、当該液晶表示装置の表示1フレーム毎に前記対向電極と導通している第1の座標検出電極の位置を検出する、ことを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
画素電極及び対向電極、並びに該対向電極の電位を基準電位に対して正負反転させるコモン信号発生回路を有する、アクティブマトリクス型の液晶表示パネルであって、
前記画素電極が配置された基板上に前記対向電極と間隙を有して配置され、該対向電極が形成された基板が押圧されると該対向電極と導通する第1の座標検出電極と、
前記液晶表示パネルの走査線がゲート端子に接続し、前記第1の座標検出電極がソース端子に接続する、第1の座標検出トランジスタと、
複数の前記第1の座標検出トランジスタのドレイン端子に共通接続する第1の出力ラインと、
前記第1の出力ラインの出力信号に基づいて、前記対向電極と導通している第1の座標検出電極の位置を検出する、第1の座標検出回路と、
を具備し、
前記コモン信号発生回路は、前記第1の座標検出トランジスタがON状態である期間における前記対向電極の電位を、当該液晶表示装置の表示n(nは自然数)フレーム毎に前記基準電位に対して正負反転させ、
前記第1の座標検出回路は、
前記第1の出力ラインの出力信号の電位が第1の閾値以下になったことを検出する第1の電位低下検出回路、又は、前記第1の出力ラインの出力信号の電位が第2の閾値以上になったことを検出する第1の電位上昇検出回路、を含み、
当該液晶表示装置の表示m(mはn+1以上の自然数)フレーム毎に前記対向電極と導通している第1の座標検出電極の位置を検出する、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1の電位低下検出回路は、第1のオペアンプを含む第1のコンパレータであり、前記第1の電位上昇検出回路は、第2のオペアンプを含む第2のコンパレータである、
ことを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1のコンパレータは、
前記第1のオペアンプの反転端子に前記第1の出力ラインの出力信号が入力され、
前記第1のオペアンプの非反転端子に前記第1の閾値を表す信号が入力される、
構成を有しており、
前記第2のコンパレータは、
前記第2のオペアンプの非反転端子に前記第1の出力ラインの出力信号が入力され、
前記第2のオペアンプの反転端子に前記第2の閾値を表す信号が入力される、
構成を有している、
ことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記nは1であることを特徴とする請求項5乃至7のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記mは2であることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記第1の座標検出回路は、前記対向電極の電位の反転時から次の電位の反転時までのうち、所定の期間である検出期間における前記第1の出力ラインの出力信号に基づいて、前記対向電極と導通している第1の座標検出電極の位置を検出する、ことを特徴とする請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記検出期間は、前記対向電極の電位の反転時から第1の所定の時間が経過した時から、前記対向電極の電位の反転時から第2の所定の時間が経過した時までであり、
前記対向電極の電位の反転時から、前記対向電極の電位の反転時から第1の所定の時間が経過した時までの期間は、前記対向電極の電位の反転後の前記第1の出力ラインの出力信号が不安定である期間を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記第1の座標検出回路は、
前記第1の電位低下検出回路の出力信号又は前記第1の電位上昇検出回路の出力信号と、前記検出期間にHighレベルとなる検出期間信号とを入力し、
前記第1の電位低下検出回路の出力信号又は前記第1の電位上昇検出回路の出力信号と、前記検出期間信号との論理積を出力する、
第1のAND回路を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記対向電極の電位の反転は、一水平期間毎に行われる、ことを特徴とする請求項1乃至12のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記第1の座標検出電極は、第1の座標検出ラインを経由して前記第1の座標検出トランジスタに接続されており、
複数の前記第1の座標検出ラインは、隣り合う所定の本数を各一組として、1つの前記第1の座標検出用薄膜トランジスタに接続する、
ことを特徴とする請求項1乃至13のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記所定の本数は2本である、ことを特徴とする請求項14に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記画素電極が配置された基板上に前記対向電極と間隙を有して配置され、該対向電極が形成された基板が押圧されると該対向電極と導通する第2の座標検出電極と、
前記液晶表示パネルの走査線がゲート端子に接続し、前記第2の座標検出電極がソース端子に接続する、第2の座標検出トランジスタと、
複数の前記第2の座標検出トランジスタのドレイン端子に共通接続する第2の出力ラインと、
前記第2の出力ラインの出力信号に基づいて、前記対向電極と導通している第2の座標検出電極の位置を検出する、第2の座標検出回路と、
を更に具備し、
前記第2の座標検出回路は、
前記第2の出力ラインの出力信号の電位が第3の閾値以下になったことを検出する第2の電位低下検出回路と、
前記第2の出力ラインの出力信号の電位が、前記第3の閾値以上である第4の閾値以上になったことを検出する第2の電位上昇検出回路と、
前記コモン信号発生回路が発生する前記対向電極の電位が、前記基準電位に対して負のときは、前記第2の出力ラインの出力信号を前記第2の電位低下検出回路に入力し、前記基準電位に対して正のときは、前記第2の出力ラインの出力信号を前記第2の電位上昇検出回路に入力する第2の切換回路と、
を含み、
第1の方向に沿って配列された少なくとも1つの前記第1の座標検出電極は、1つの第1の座標検出ラインを経由して前記第1の座標検出トランジスタに接続され、
第1の座標検出ラインは、前記走査線と対応しており、
前記第1の方向に対して直交する第2の方向に沿って配列された少なくとも1つの前記第2の座標検出電極は、1つの第2の座標検出ラインを経由して前記第2の座標検出トランジスタに接続され、
第2の座標検出ラインは、前記走査線と対応している、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記第1の電位低下検出回路は、第1のオペアンプを含む第1のコンパレータであり、前記第1の電位上昇検出回路は、第2のオペアンプを含む第2のコンパレータであり、
前記第2の電位低下検出回路は、第3のオペアンプを含む第3のコンパレータであり、前記第2の電位上昇検出回路は、第4のオペアンプを含む第4のコンパレータである、
ことを特徴とする請求項16に記載の液晶表示装置。
【請求項18】
前記第1のコンパレータは、
前記第1のオペアンプの反転端子に前記第1の出力ラインの出力信号が入力され、
前記第1のオペアンプの非反転端子に前記第1の閾値を表す信号が入力される、
構成を有しており、
前記第2のコンパレータは、
前記第2のオペアンプの非反転端子に前記第1の出力ラインの出力信号が入力され、
前記第2のオペアンプの反転端子に前記第2の閾値を表す信号が入力される、
構成を有しており、
前記第3のコンパレータは、
前記第3のオペアンプの反転端子に前記第2の出力ラインの出力信号が入力され、
前記第3のオペアンプの非反転端子に前記第3の閾値を表す信号が入力される、
構成を有しており、
前記第4のコンパレータは、
前記第4のオペアンプの非反転端子に前記第2の出力ラインの出力信号が入力され、
前記第4のオペアンプの反転端子に前記第4の閾値を表す信号が入力される、
構成を有している、
ことを特徴とする請求項17に記載の液晶表示装置。
【請求項19】
前記第1の閾値と前記第3の閾値は等しく、
前記第2の閾値と前記第4の閾値は等しい、
ことを特徴とする請求項16乃至18のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項20】
前記第1の座標検出回路は、当該液晶表示装置の表示1フレーム毎に前記対向電極と導通している第1の座標検出電極の位置を検出し、
前記第2の座標検出回路は、当該液晶表示装置の表示1フレーム毎に前記対向電極と導通している第2の座標検出電極の位置を検出する、
ことを特徴とする請求項16乃至19のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項21】
前記画素電極が配置された基板上に前記対向電極と間隙を有して配置され、該対向電極が形成された基板が押圧されると該対向電極と導通する第2の座標検出電極と、
前記液晶表示パネルの走査線がゲート端子に接続し、前記第2の座標検出電極がソース端子に接続する、第2の座標検出トランジスタと、
複数の前記第2の座標検出トランジスタのドレイン端子に共通接続する第2の出力ラインと、
前記第2の出力ラインの出力信号に基づいて、前記対向電極と導通している第2の座標検出電極の位置を検出する、第2の座標検出回路と、
を更に具備し、
前記第2の座標検出回路は、
前記第2の出力ラインの出力信号の電位が第3の閾値以下になったことを検出する第2の電位低下検出回路、又は、前記第2の出力ラインの出力信号の電位が第4の閾値以上になったことを検出する第2の電位上昇検出回路、を含み、
当該液晶表示装置の表示m(mはn+1以上の自然数)フレーム毎に前記対向電極と導通している第2の座標検出電極の位置を検出し、
第1の方向に沿って配列された少なくとも1つの前記第1の座標検出電極は、1つの第1の座標検出ラインを経由して前記第1の座標検出トランジスタに接続され、
第1の座標検出ラインは、前記走査線と対応しており、
前記第1の方向に対して直交する第2の方向に沿って配列された少なくとも1つの前記第2の座標検出電極は、1つの第2の座標検出ラインを経由して前記第2の座標検出トランジスタに接続され、
第2の座標検出ラインは、前記走査線と対応している、
ことを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項22】
前記第1の電位低下検出回路は、第1のオペアンプを含む第1のコンパレータであり、前記第1の電位上昇検出回路は、第2のオペアンプを含む第2のコンパレータであり、
前記第2の電位低下検出回路は、第3のオペアンプを含む第3のコンパレータであり、前記第2の電位上昇検出回路は、第4のオペアンプを含む第4のコンパレータであり、
ことを特徴とする請求項21に記載の液晶表示装置。
【請求項23】
前記第1のコンパレータは、
前記第1のオペアンプの反転端子に前記第1の出力ラインの出力信号が入力され、
前記第1のオペアンプの非反転端子に前記第1の閾値を表す信号が入力される、
構成を有しており、
前記第2のコンパレータは、
前記第2のオペアンプの非反転端子に前記第1の出力ラインの出力信号が入力され、
前記第2のオペアンプの反転端子に前記第2の閾値を表す信号が入力される、
構成を有しており、
前記第3のコンパレータは、
前記第3のオペアンプの反転端子に前記第2の出力ラインの出力信号が入力され、
前記第3のオペアンプの非反転端子に前記第3の閾値を表す信号が入力される、
構成を有しており、
前記第4のコンパレータは、
前記第4のオペアンプの非反転端子に前記第2の出力ラインの出力信号が入力され、
前記第4のオペアンプの反転端子に前記第4の閾値を表す信号が入力される、
構成を有している、
ことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示装置。
【請求項24】
前記第1の閾値と前記第3の閾値は等しく、
前記第2の閾値と前記第4の閾値は等しい、
ことを特徴とする請求項21乃至23のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項25】
前記nは1であることを特徴とする請求項21乃至24のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項26】
前記mは2であることを特徴とする請求項25に記載の液晶表示装置。
【請求項27】
前記第1の座標検出回路は、前記対向電極の電位の反転時から次の電位の反転時までのうち、所定の期間である検出期間における前記第1の出力ラインの出力信号に基づいて、前記対向電極と導通している第1の座標検出電極の位置を検出し、
前記第2の座標検出回路は、前記検出期間における前記第2の出力ラインの出力信号に基づいて、前記対向電極と導通している第2の座標検出電極の位置を検出する、
ことを特徴とする請求項16乃至26のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項28】
前記検出期間は、前記対向電極の電位の反転時から第1の所定の時間が経過した時から、前記対向電極の電位の反転時から第2の所定の時間が経過した時までであり、
前記対向電極の電位の反転時から、前記対向電極の電位の反転時から第1の所定の時間が経過した時までの期間は、前記対向電極の電位の反転後の前記第1の出力ラインの出力信号及び前記第2の出力ラインの出力信号が不安定である期間を含む、
ことを特徴とする請求項27に記載の液晶表示装置。
【請求項29】
前記第1の座標検出回路は、
前記第1の電位低下検出回路の出力信号又は前記第1の電位上昇検出回路の出力信号と、前記検出期間にHighレベルとなる検出期間信号とを入力し、
前記第1の電位低下検出回路の出力信号又は前記第1の電位上昇検出回路の出力信号と、前記検出期間信号との論理積を出力する、
第1のAND回路を有し、
前記第2の座標検出回路は、
前記第2の電位低下検出回路の出力信号又は前記第2の電位上昇検出回路の出力信号と、前記検出期間信号とを入力し、
前記第2の電位低下検出回路の出力信号又は前記第2の電位上昇検出回路の出力信号と、前記検出期間信号との論理積を出力する、
第2のAND回路を有する、
ことを特徴とする請求項27又は28に記載の液晶表示装置。
【請求項30】
前記対向電極の電位の反転は、一水平期間毎に行われる、ことを特徴とする請求項16乃至29のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項31】
複数の前記第1の座標検出ラインは、隣り合う第1の所定の本数を各一組として、1つの前記第1の座標検出用薄膜トランジスタに接続し、
複数の前記第2の座標検出ラインは、隣り合う第2の所定の本数を各一組として、1つの前記第2の座標検出用薄膜トランジスタに接続する、
ことを特徴とする請求項16乃至30のうち何れか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項32】
前記第1の所定の本数及び前記第2の所定の本数は2本である、ことを特徴とする請求項31に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−3085(P2012−3085A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138631(P2010−138631)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】