説明

混合処理物の選別処理システム及び混合処理物の選別方法

【解決手段】湿式ボールミル1により破砕かつ磨砕された混合処理物の破砕物は、回転篩い装置6により第1の固体群とその第1の固体群よりも細かい第2の固体群とに選別される。第1の経路7では、湿式比重選別装置9により第1の固体群は第3の固体群とその第3の固体群よりも比重の小さい第4の固体群とに浮沈選別される。第4の固体群は回転篩い装置10により脱水されて第5の固体群として選別される。第2の経路8では、サイクロン11により第2の固体群は第6の固体群とその第6の固体群よりも質量の小さい第7の固体群とに選別される。第6の固体群は湿式比重選別装置12により第8の固体群とその第8の固体群よりも比重の小さい第9の固体群とに浮沈選別される。第9の固体群は振動篩い装置13により脱水されて第10の固体群として選別される。
【効果】混合処理物に対する破砕能力と分級能力とを高め、混合処理物の再利用と減量とを促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建築物の解体工事現場などで発生する建設混合廃棄物などの混合処理物を選別してその再利用と減量とを促進することができる選別処理システム及び選別処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1では、ジョークラッシャーによる破砕設備により破砕された破砕物を篩いに通して選別する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−10129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、建設混合廃棄物としては、砂や泥や砂利やレンガ片や瓦片やコンクリート廃材やガラス片やボード材や壁材や木屑やビニール等のプラスチック材など、様々な種類で比重や質量やサイズの異なる固体が含まれている。そのような建設混合廃棄物では、それらの固体が互いに組み合わされて付着された大小の塊になっていることが多い。このような塊を含む建設混合廃棄物をジョークラッシャーによる破砕設備により破砕するだけでは、このような塊からそれぞれの固体を剥ぎ取って分離することは困難であり、各固体が互いに付着した破砕物を分級してそれぞれの固体を回収することは難しく、場合によっては手選別も必要としていた。
【0005】
この発明は、各種の混合処理物に対する破砕能力と分級能力とを高めて、混合処理物の再利用と減量とを促進することができる選別処理システム及び選別処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
後記実施形態(図1、図5(a)及び図6〜7に示す第1実施形態、図2(a)に示す第1実施形態の別例1、図2(b)に示す第1実施形態の別例2、図3、図5(b)及び図6〜7に示す第2実施形態、図4(a)に示す第2実施形態の別例1、図4(b)に示す第2実施形態の別例2)の図面の符号を援用して本発明を説明する。
【0007】
後記の第1発明の1及び第1発明の2と第3発明の1及び第3発明の2とにおいて、破砕設備(A)とサイズ選別設備(B)と比重選別設備(C11)及び比重選別設備(C12)と第1設備(E11)及び第1設備(E12)と第2設備(E21)及び第2設備(E22)と第3設備(E31)及び第3設備(E32)とを下記のように定義する。
【0008】
(A)=ボールやロッドなどの多数の破砕媒体(3)を収容した回転筒(2)内に混合処理物及び液体を供給してその回転筒(2)内で破砕かつ磨砕する湿式ボールミルや湿式ロッドミルなどの湿式ミル(1)を有する破砕設備である。混合処理物としては、例えば建設混合廃棄物や焼却灰や汚染土壌や浚渫物などがある。建設混合廃棄物としては、例えば、砂や泥や砂利やレンガ片や瓦片やコンクリート廃材やガラス片やボード材や壁材や木屑やビニール等のプラスチック材など、様々な種類で比重や質量やサイズの異なる固体が含まれている。
【0009】
(B)=その混合処理物の破砕物を、第1の固体群と、その第1の固体よりも細かい第2の固体を含む第2の固体群とに選別する例えばトロンメル等の篩い装置などのサイズ選別設備である。
【0010】
(C11)=このサイズ選別設備(B)から液体容器(14)内に供給した第1の固体群をその液体容器(14)内で、第3の固体群と、その第3の固体よりも比重の小さい第4の固体を含む第4の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置(9)を有する比重選別設備である。
【0011】
(C12)=この破砕設備(A)から液体容器(14)内に供給した混合処理物の破砕物をその液体容器(14)内で、第3の固体群と、その第3の固体よりも比重の小さい第4の固体を含む第4の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置(9)を有する比重選別設備である。
【0012】
(E11)=前記サイズ選別設備(B)から遠心分離容器(21)内に供給した第2の固体群をその遠心分離容器(21)内で、第6の固体群と、その第6の固体よりも質量の小さい第7の固体を含む第7の固体群とに選別するサイクロン(11)と、このサイクロン(11)から液体容器(22)内に供給した第6の固体群をその液体容器(22)内で、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置(12)とを有する第1設備である。
【0013】
(E12)=前記破砕設備(A)から遠心分離容器(21)内に供給した混合処理物の破砕物をその遠心分離容器(21)内で、第6の固体群と、その第6の固体よりも質量の小さい第7の固体を含む第7の固体群とに選別するサイクロン(11)と、このサイクロン(11)から液体容器(22)内に供給した第6の固体群をその液体容器(22)内で、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置(12)とを有する第1設備である。
【0014】
(E21)=前記サイズ選別設備Bから遠心分離容器(21)内に供給した第2の固体群をその遠心分離容器21内で、第6の固体群と、その第6の固体よりも質量の小さい第7の固体を含む第7の固体群とに選別するサイクロン(11)と、このサイクロン(11)から液体容器(22)内に供給した第6の固体群をその液体容器(22)内で、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置(12)と、このサイクロン(11)からの第6の固体群に代えてこのサイズ選別設備(B)から第2の固体群をこの湿式比重選別装置(12)の液体容器(22)内に供給するように切り替えるか、またはこのサイクロン(11)及び湿式比重選別装置(12)への供給量を分配することができる手段(26)とを有する第2設備である。
【0015】
(E22)=前記破砕設備(A)から遠心分離容器(21)内に供給した混合処理物の破砕物をその遠心分離容器(21)内で、第6の固体群と、その第6の固体よりも質量の小さい第7の固体を含む第7の固体群とに選別するサイクロン(11)と、このサイクロン(11)から液体容器(22)内に供給した第6の固体群をその液体容器(22)内で、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置(12)と、このサイクロン(11)からの第6の固体群に代えてこの破砕設備(A)から混合処理物の破砕物をこの湿式比重選別装置(12)の液体容器(22)内に供給するように切り替えるか、またはこのサイクロン(11)及び湿式比重選別装置(12)への供給量を分配することができる手段(26)とを有する第2設備である。
【0016】
(E31)=前記サイズ選別設備(B)から液体容器(22)内に供給した第2の固体群をその液体容器(22)内で、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置(12)を有する第3設備である。
【0017】
(E32)=前記破砕設備(A)から液体容器(22)内に供給した混合処理物の破砕物をその液体容器(22)内で、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置(12)を有する第3設備である。
【0018】
* 請求項1の発明
下記の第1発明の1及び第1発明の2は請求項1の発明に該当する。
第1発明の1にかかる混合処理物の選別処理システムは、第1実施形態及びその別例1,2に対応し、前記破砕設備(A)と前記サイズ選別設備(B)とを備え、さらに、このサイズ選別設備(B)により選別した第1の固体群を処理する第1の経路(7)と、このサイズ選別設備(B)により選別した第2の固体群を処理する第2の経路(8)とのうち、第1の経路(7)において、前記比重選別設備(C11)を備えている。
【0019】
第1発明の1では、建設混合廃棄物等の混合処理物が、湿式ミル(1)により破砕かつ磨砕されて、例えば、前述したように様々な種類で比重や質量やサイズの異なる固体が互いに組み合わされて付着された大小の塊からそれぞれの固体を剥ぎ取って容易に分離した所望の破砕物を容易に得ることができるので、その建設混合廃棄物等の破砕物をサイズ選別設備(B)で選別して、第1の固体群と、その第1の固体(粗目固体)よりも細かい第2の固体(細目固体)を含む第2の固体群とに容易に分離することができる。
【0020】
さらに、第1の経路(7)において、前述したように様々な種類で比重や質量やサイズの異なる固体が含まれている建設混合廃棄物等の破砕物である第1の固体群を比重選別設備(C11)の湿式比重選別装置(9)で浮沈選別して、砂利やレンガ片や瓦片やコンクリート廃材やガラス片やボード材や壁材などの破砕物である第3の固体を含む第3の固体群と、その第3の固体(粗目の重量物)よりも比重の小さい木屑やビニール等のプラスチック材などの破砕物である第4の固体(粗目の軽量物)を含む第4の固体群とに容易に分離することができる。例えば、前記第1の経路(7)の湿式比重選別装置(9)においては、第1の固体群が供給される振動シュート(16)の出口(16a)に向けて発生させた液体容器(14)内の流体流により、第1の固体群から第4の固体を液体容器(14)内で浮遊させて取出口(18)から排出させるとともに、第1の固体群から第3の固体を液体容器(14)内に沈下させてコンベヤ(15)により取出口(17)から搬出する。この第3の固体群には木屑やビニール等のプラスチック材などの破砕物である第4の固体群が含まれていないため、容易に再利用することができる。
【0021】
第1発明の2にかかる混合処理物の選別処理システムは、第2実施形態及びその別例1,2に対応し、前記破砕設備(A)を備え、さらに、前記比重選別設備(C12)を備えている。第1発明の2では、サイズ選別設備(B)が省略されて、サイズ選別設備(B)からの第2の固体群に代えて破砕設備(A)からの混合処理物の破砕物を直接選別処理すること以外は、第1発明の1の効果と同様である。
【0022】
* 請求項2の発明
下記の第2発明の1及び第2発明の2は請求項2の発明に該当する。
第2発明の1にかかる混合処理物の選別方法は、第1実施形態及びその別例1,2に対応し、多数の破砕媒体(3)を収容した回転筒(2)を有する湿式ミル(1)にあってその回転筒(2)内に混合処理物及び液体を供給して破砕かつ磨砕し、次に、その湿式ミル(1)で破砕かつ磨砕した混合処理物の破砕物を篩い装置(6)に供給して、第1の固体群と、その第1の固体(粗目固体)よりも細かい第2の固体(細目固体)を含む第2の固体群とに選別し、次に、前記篩い装置(6)により選別した第1の固体群を処理する第1の経路(7)と、前記篩い装置(6)によりにより選別した第2の固体群を処理する第2の経路(8)とのうち、第1の経路(7)において、この篩い装置(6)から第1の固体群を湿式比重選別装置(9)の液体容器(14)内に供給して、第3の固体群と、その第3の固体(粗目の重量物)よりも比重の小さい第4の固体(粗目の軽量物)を含む第4の固体群とに浮沈選別し、次に、この第1の経路(7)において、この湿式比重選別装置(9)から第4の固体群を篩い装置(10)に供給して脱水した第5の固体群に選別する。第2発明の1では、前述したように様々な種類で比重や質量やサイズの異なる固体が含まれている建設混合廃棄物等の混合処理物から選別した第1の固体群と第2の固体群とのうち、第1の固体群から、砂利やレンガ片や瓦片やコンクリート廃材やガラス片やボード材や壁材などの破砕物である第3の固体を含む第3の固体群を分離して容易に再利用することができるとともに、その第3の固体よりも比重の小さい木屑やビニール等のプラスチック材などの破砕物である第4の固体を含む第4の固体群を脱水した第5の固体群を分離して容易に再利用することができる。
【0023】
第2発明の2にかかる混合処理物の選別方法は、第2実施形態及びその別例1,2に対応し、多数の破砕媒体(3)を収容した回転筒(2)を有する湿式ミル(1)にあってその回転筒(2)内に混合処理物及び液体を供給して破砕かつ磨砕し、次に、その湿式ミル(1)で破砕かつ磨砕した混合処理物の破砕物を湿式比重選別装置(9)の液体容器(14)内に供給して、第3の固体群と、その第3の固体よりも比重の小さい第4の固体を含む第4の固体群とに浮沈選別し、次に、この湿式比重選別装置(9)から第4の固体群を篩い装置(10)に供給して脱水した第5の固体群に選別する。第2の発明の2では、サイズ選別設備(B)が省略されて、サイズ選別設備(B)からの第2の固体群に代えて破砕設備(A)からの混合処理物の破砕物を直接選別処理すること以外は、第2発明の1の効果と同様である。
【0024】
* 請求項3の発明
下記の第3発明の1及び第3発明の2は請求項3の発明に該当する。
第3発明の1にかかる混合処理物の選別処理システムは、第1実施形態及びその別例1,2に対応し、前記破砕設備(A)と前記サイズ選別設備(B)とを備え、さらに、前記サイズ選別設備(B)により選別した第1の固体群を処理する第1の経路(7)と、前記サイズ選別設備Bにより選別した第2の固体群を処理する第2の経路(8)とのうち、第2の経路(8)において、前記第1設備(E11)と第2設備(E21)と第3設備(E31)とのうち、いずれかの設備を備えている。
【0025】
第3発明の1では、建設混合廃棄物等の混合処理物が、湿式ミル(1)により破砕かつ磨砕されて、例えば、前述したように様々な種類で比重や質量やサイズの異なる固体が互いに組み合わされて付着された大小の塊からそれぞれの固体を剥ぎ取って容易に分離した所望の破砕物を得ることができるので、その建設混合廃棄物等の破砕物をサイズ選別設備(B)で選別して、第1の固体群と、その第1の固体(粗目固体)よりも細かい第2の固体(細目固体)を含む第2の固体群とに容易に分離することができる。
【0026】
さらに、第2の経路8においては、第1設備(E11)と第2設備(E21)との場合、前述したように様々な種類で比重や質量やサイズの異なる固体が含まれている建設混合廃棄物等の破砕物である第2の固体群をサイクロン(11)で選別して、砂利やレンガ片や瓦片やコンクリート廃材やガラス片やボード材や壁材や木屑やビニール等のプラスチック材などの破砕物である第6の固体を含む第6の固体群と、その第6の固体よりも質量の小さい泥などの第7の固体を含む第7の固体群とに容易に分離することができる。
【0027】
さらに、第2の経路(8)において、第1設備(E11)と第2設備(E21)との場合にはサイクロン(11)からの第6の固体群を湿式比重選別装置(12)で浮沈選別し、第3設備(E31)の場合にはサイズ選別設備(B)からの第2の固体群を湿式比重選別装置(12)で浮沈選別して、砂利やレンガ片や瓦片やコンクリート廃材やガラス片やボード材や壁材などの破砕物である第8の固体(細目の重量物)を含む第8の固体群と、木屑やビニール等のプラスチック材などの破砕物である第9の固体(細目の軽量物)を含む第9の固体群とに容易に分離することができる。例えば、前記第2の経路(8)の湿式比重選別装置(12)においては、第6の固体群から第9の固体を液体容器(22)内で浮遊させて排出するとともに、第6の固体群から第8の固体を液体容器(22)内に沈下させて振動コンベヤ(23)により取出口(25)から搬出する。
【0028】
さらに、第2の経路(8)において、第2設備(E21)の場合には切替手段(26)を切り替えてサイクロン(11)の利用の有無を選択することができ、サイクロン(11)を利用しない場合、サイクロン(11)からの第6の固体群に代えて破砕設備(A)の湿式ミル(1)から混合処理物の破砕物が湿式比重選別装置(12)に供給される。また、分配手段(26)によりサイクロン(11)や湿式比重選別装置(12)への供給量を変更することもできる。
【0029】
第3発明の2にかかる混合処理物の選別処理システムは、第2実施形態及びその別例1,2に対応し、前記破砕設備(A)を備え、さらに、前記第1設備(E12)と第2設備(E22)と第3設備(E32)とのうち、いずれかの設備を備えている。第3発明の2では、サイズ選別設備(B)が省略されて、サイズ選別設備(B)からの第2の固体群に代えて破砕設備(A)からの混合処理物の破砕物を直接選別処理すること以外は、第3発明の1の効果と同様である。
【0030】
* 請求項4の発明
下記の第4発明の1及び第4発明の2は請求項4の発明に該当する。
第4発明の1にかかる混合処理物の選別方法は、第1実施形態及びその別例1に対応し、多数の破砕媒体(3)を収容した回転筒(2)を有する湿式ミル(1)にあってその回転筒(2)内に混合処理物及び液体を供給して破砕かつ磨砕し、次に、その湿式ミル(1)で破砕かつ磨砕した混合処理物の破砕物を篩い装置(6)に供給して、第1の固体群と、その第1の固体よりも細かい第2の固体を含む第2の固体群とに選別し、次に、前記篩い装置(6)により選別した第1の固体群を処理する第1の経路(7)と、前記篩い装置(6)により選別した第2の固体群を処理する第2の経路(8)とのうち、第2の経路(8)において、この篩い装置(6)から第2の固体群をサイクロン(11)の遠心分離容器(21)内に供給して、第6の固体群と、その第6の固体よりも質量の小さい第7の固体を含む第7の固体群とに選別し、次に、この第2の経路(8)において、このサイクロン(11)から第6の固体群を湿式比重選別装置(12)の液体容器(22)内に供給して、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別し、次に、この第2の経路(8)において、この湿式比重選別装置(12)から第9の固体群を篩い装置(13)に供給して脱水した第10の固体群に選別する。第4発明の1は、前述したように様々な種類で比重や質量やサイズの異なる固体が含まれている建設混合廃棄物等の混合処理物から、砂利やレンガ片や瓦片やコンクリート廃材やガラス片やボード材や壁材などの破砕物である第8の固体(細目の重量物)を含む第8の固体群を分離して容易に再利用することができるとともに、その第8の固体よりも比重の小さい木屑やビニール等のプラスチック材などの破砕物である第9の固体(細目の軽量物)を含む第9の固体群を脱水した第10の固体群を分離して容易に再利用することができる。
【0031】
第4発明の2にかかる混合処理物の選別方法は、第2実施形態及びその別例1に対応し、多数の破砕媒体(3)を収容した回転筒(2)を有する湿式ミル(1)にあってその回転筒(2)内に混合処理物及び液体を供給して破砕かつ磨砕し、次に、この湿式ミル(1)から混合処理物の破砕物をサイクロン(11)の遠心分離容器(21)内に供給して、第6の固体群と、その第6の固体よりも質量の小さい第7の固体を含む第7の固体群とに選別し、次に、このサイクロン(11)から第6の固体群を湿式比重選別装置(12)の液体容器(22)内に供給して、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別し、次に、この湿式比重選別装置12から第9の固体群を篩い装置(13)に供給して脱水した第10の固体群に選別する。第4発明の2では、サイズ選別設備(B)が省略されて、サイズ選別設備(B)からの第2の固体群に代えて破砕設備(A)からの混合処理物の破砕物を直接選別処理すること以外は、第4発明の1の効果と同様である。
【0032】
* 請求項以外の発明
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
第1発明の1を前提とする第5の発明(第1実施形態及びその別例1,2に対応)においては、さらに、前記サイズ選別設備(B)により選別した第1の固体群を処理する第1の経路(7)と、前記サイズ選別設備(B)により選別した第2の固体群を処理する第2の経路(8)とのうち、第2の経路(8)において、前記第1設備(E11)と第2設備(E21)と第3設備(E31)とのうち、いずれかの設備を備えている。第5の発明では、第1発明の1及び第3発明の1の効果を奏する。
【0033】
第1発明の2を前提とする第6の発明(第2実施形態及びその別例1,2に対応)においては、さらに、前記第1設備(E12)と第2設備(E22)と第3設備(E32)とのうち、いずれかの設備を備えている。第6の発明では、第1発明の2及び第3発明の2の効果を奏する。
【0034】
第3発明の1を前提とする第7の発明(第1実施形態及びその別例1に対応)にかかる第2の経路(8)においては、前記サイズ選別設備(B)により選別した第2の固体群は、液体タンク(20)を経て、サイクロン(11)の遠心分離容器(21)内に供給される。第7の発明では、第2の固体群が液体とともにサイクロン(11)に供給されるため、サイクロン(11)による選別機能を高めることができる。
【0035】
第3発明の2を前提とする第8の発明(第1実施形態及びその別例1に対応)においては、前記破砕設備(A)からの混合処理物の破砕物は、液体タンク(20)を経て、サイクロン(11)の遠心分離容器(21)内に供給される。第8の発明では、第2の固体群が液体とともにサイクロン(11)に供給されるため、サイクロン(11)による選別機能を高めることができる。
【0036】
第1発明の1または第1発明の2または第5の発明または第6の発明を前提とする第9の発明(第1実施形態及びその別例1,2と第2実施形態及びその別例1,2に対応)にかかる第1の経路(7)において、湿式比重選別機(9)から供給した第4の固体群を脱水した第5の固体群に選別する篩い装置(10)等の脱水装置を備えている。第9の発明では、例えば建設混合廃棄物中の木屑やビニール等のプラスチック材などの破砕物である第4の固体群を脱水して、それらの破砕物である第5の固体群を容易に再利用することができる。
【0037】
第9の発明を前提とする第10の発明(第1実施形態及びその別例1,2と第2実施形態及びその別例1,2とに対応)にかかる第1の経路(7)において、篩い装置(10)等の脱水装置で脱水して生じた液体は、液体タンク(19)を経て、湿式比重選別装置(9)の液体容器(14)内に戻される。第10の発明では、第4の固体群を脱水して生じた液体を第1の経路(7)の湿式比重選別装置(9)で有効に再利用することができる。
【0038】
第3発明の1または第3発明の2の発明または第5の発明または第6の発明を前提とする第11の発明(第1実施形態及びその別例1,2と第2実施形態及びその別例1,2とに対応)において、湿式比重選別装置(12)から供給した第9の固体群を脱水した第10の固体群に選別する篩い装置(13)等の脱水装置を備えている。第11の発明では、例えば建設混合廃棄物中の木屑やビニール等のプラスチック材などの破砕物である第9の固体群を脱水して、それらの破砕物である第10の固体群を容易に再利用することができる。また、例えば、前記第2の経路(8)において、篩い装置(13)で脱水して生じた液体を湿式比重選別装置(12)の液体容器(22)内に戻して再利用したり、第2の経路(8)の湿式比重選別装置(22)で使用した液体を第7の発明または第8の発明にかかる液体タンク(20)に戻して再利用したりすることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明は、混合処理物の選別処理システム及び選別処理方法において、各種の混合処理物に対する破砕能力と分級能力とを高め、混合処理物の再利用と減量とを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1実施形態にかかる混合処理物の選別処理システムの経路を示すブロック図である。
【図2】(a)は第1実施形態の別例1にかかる経路を示すブロック図であり、(b)は第1実施形態の別例2にかかる経路を示すブロック図である。
【図3】第2実施形態にかかる混合処理物の選別処理システムの経路を示すブロック図である。
【図4】(a)は第2実施形態の別例1にかかる経路を示すブロック図であり、(b)は第2実施形態の別例2にかかる経路を示すブロック図である。
【図5】(a)は第1実施形態及びその別例1,2にかかる選別処理システムの湿式ボールミルを概略的に示す断面図であり、(b)は第2実施形態及びその別例1,2にかかる選別処理システムの湿式ボールミルを概略的に示す断面図である。
【図6】第1実施形態及びその別例1,2及び第2実施形態及びその別例1,2にかかる選別処理システムの第1の経路において湿式比重選別装置を概略的に示す断面図である。
【図7】第1実施形態及びその別例1,2及び第2実施形態及びその別例1,2にかかる選別処理システムの第2の経路においてサイクロン及び湿式比重選別装置を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
まず、本発明の第1実施形態にかかる混合処理物の選別処理システムについて図1、図5(a)及び図6〜7を参照して説明する。
図1に示す破砕設備Aの湿式ボールミル1においては、図5(a)で概略的に示すように、円筒状の回転筒2内に直径の異なる多数のボール3(破砕媒体)が収容され、建設混合廃棄物などの混合処理物は入口4側から回転筒2内に液体とともに供給される。その混合処理物は、回転筒2の回転により持ち上げられて落下するとともに転動し、その落下に伴い生じる滝運動の大きさに応じて発生する落下エネルギーにより、回転筒2内で破砕かつ磨砕された後に出口5側から、図1に示すサイズ選別設備Bの回転篩い装置6(トロンメル)へ排出される。建設混合廃棄物としては、例えば、砂や泥や砂利やレンガ片や瓦片やコンクリート廃材やガラス片やボード材や壁材や木屑やビニール等のプラスチック材など、様々な種類で比重や質量やサイズの異なる固体が含まれている。回転筒2の回転速度が遅いと、各ボール3の滝運動に伴う衝撃や圧縮や剪断や磨砕が小さくなるため、破砕エネルギーが小さくなって大塊(例えば40mm)の破砕が不可能になり、破砕能力が小さくなるとともに余分な磨砕作用が多くなって汚泥の発生量が多くなる。回転筒2の回転速度が速いと、各ボール3の滝運動に伴う衝撃や圧縮や剪断や磨砕が大きくなるため、各ボール3による破砕エネルギーが大きくなって大塊(例えば40mm)の破砕が可能になり、破砕能力が大きくなるとともに余分な磨砕作用が少なくなって汚泥の発生量が少なくなる。大径のボール3が多いと、各ボール3による破砕エネルギーが大きくなるため、大塊(例えば40mm)の破砕が可能になって破砕能力が大きくなるとともに、各ボール3間の空隙が大きくなるため、小塊(例えば5mm)の破砕が少なくなって汚泥の発生量が少なくなる。小径のボール3が多いと、各ボール3による破砕エネルギーが小さくなるため、大塊(例えば40mm)の破砕が不可能になって破砕能力が小さくなるとともに、各ボール3間の空隙が小さくなるため、小塊(例えば5mm)の破砕が多くなって汚泥の発生量が多くなる。回転筒2内の混合処理物滞留量が少ないと、各ボール3と混合処理物との直接衝突が多くなって大塊(例えば40mm)の破砕能力が大きくなるとともに、小塊(例えば5mm)の破砕が少なくなって汚泥の発生量が少なくなる。
【0042】
図5(a)で概略的に示す前記サイズ選別設備Bの回転篩い装置6において、建設混合廃棄物などの混合処理物の破砕物は、水洗浄されるとともに、回転篩い装置6における円筒状の網6aを通さないで排出される第1の固体群と、その網6aを通して排出されてその第1の固体(粗目固体)よりも細かい第2の固体(細目固体)を含む第2の固体群とに選別される。回転篩い装置6の以降は、図1に示すように、サイズ選別設備Bにより選別した第1の固体群を処理する第1の経路7と、サイズ選別設備Bにより選別した第2の固体群を処理する第2の経路8とに分けられる。なお、回転筒2内に建設混合廃棄物等とともに供給した液体の多くは、第1の固体群よりも第2の固体群に流れる。
【0043】
前記第1の経路7においては、図1に示すように、比重選別設備C11の湿式比重選別装置9と、回転篩い装置10(脱水装置)とが設置されている。また、前記第2の経路8においては、図1に示すように、第1設備E11のサイクロン11及び湿式比重選別装置12と、振動篩い装置13(脱水装置)とが設置されている。
【0044】
図1に示す比重選別設備C11の湿式比重選別装置9においては、図6で概略的に示すように、液体容器14内にバケットコンベヤ15が収容され、前記サイズ選別設備Bの回転篩い装置6から第1の固体群が液体容器14の振動シュート16にコンベヤ(図示せず)により供給される。その第1の固体群は、振動シュート16の出口16aに向けて発生させた液体容器14内の流体流(水噴出管からの水流や空気噴出管からの空気流)により、浮沈選別される。その浮沈選別により、第1の固体群から液体容器14内に沈下した第3の固体(粗目固体の重量物)を含む第3の固体群は、バケットコンベヤ15により取出口17から搬出され、コンベヤ(図示せず)により運ばれて堆積される。また、その浮沈選別により、第3の固体よりも比重の小さい第4の固体(粗目固体の軽量物)を含む第4の固体群は、第1の固体群から液体容器14内で浮遊し、取出口18から液体とともに排出され、管路(図示せず)により前記回転篩い装置10に供給される。なお、液体の多くは第3の固体群よりも第4の固体群に含まれる。この第3の固体群には木屑やビニール等のプラスチック材などの破砕物である第4の固体群が含まれていないため、容易に再利用することができる。
【0045】
前記比重選別設備C11の湿式比重選別装置9から第4の固体群が供給された回転篩い装置10においては、第4の固体群から脱水された第5の固体群がコンベヤ(図示せず)により運ばれて堆積されるとともに、脱水して生じた液体は管路(図示せず)により液体タンク19を経て湿式比重選別装置9の液体容器14内に戻される。
【0046】
前記第2の経路8においては、前記サイズ選別設備Bの回転篩い装置6から第2の固体群が管路(図示せず)により液体タンク20に供給される。その液体タンク20内の液体は適宜排水処理される。その液体タンク20で液体が加えられた第2の固体群は、図7で概略的に示す第1設備E11のサイクロン11の遠心分離容器21に管路(図示せず)により供給され、その遠心分離容器21内で、第6の固体群と、その第6の固体よりも質量の小さい第7の固体を含む第7の固体群とに選別される。第7の固体群は、泥などを含み、排水処理される。第2の固体(細目固体)から泥などが除去された第6の固体群は第1設備E11の湿式比重選別装置12に管路(図示せず)により供給される。
【0047】
前記第2の経路8の湿式比重選別装置12においては、図7で概略的に示すように、液体容器22内に振動コンベヤ23が収容され、液体容器22の入口24に供給された第6の固体群が浮沈選別される。その浮沈選別により、第6の固体群から液体容器22内に沈下した第8の固体(細目固体の重量物)を含む第8の固体群は、振動コンベヤ23により取出口25から搬出され、コンベヤ(図示せず)により運ばれて堆積される。また、その浮沈選別により、第8の固体よりも比重の小さい第9の固体(細目固体の軽量物)を含む第9の固体群は、液体容器22から振動篩い装置13に管路(図示せず)により供給される。なお、液体容器22からオーバーフローした液体は液体タンク20に管路(図示せず)により戻される。この第8の固体群には木屑やビニール等のプラスチック材などの破砕物である第9の固体群が含まれていないため、土砂などとして容易に再利用することができる。
【0048】
前記湿式比重選別装置12から第9の固体群が供給された振動篩い装置13においては、第9の固体群から脱水された第10の固体群が堆積されるとともに、脱水して生じた液体は管路(図示せず)により湿式比重選別装置12の液体容器22内に戻される。
【0049】
図2(a)に示す第1実施形態の別例1において、第2設備E21は、前記第1設備E11におけるサイクロン11と湿式比重選別装置12とのほかに、切替手段26を有している。この切替手段26により、サイズ選別設備Bの回転篩い装置6と液体タンク20とサイクロン11と湿式比重選別装置12とを順次接続することができる経路と、サイズ選別設備Bの回転篩い装置6から液体タンク20とサイクロン11とを経ることなくその回転篩い装置6と湿式比重選別装置12とを直接接続することができる経路とを任意に選択することができる。従って、このサイクロン11からの第6の固体群に代えてサイズ選別設備Bから第2の固体群をこの湿式比重選別装置12の液体容器22に供給することができる。また、この切替手段26については、サイクロン11や湿式比重選別装置12への供給量を変更することができる分配手段26として機能させることもできる。
【0050】
図2(b)に示す第1実施形態の別例2にかかる第3設備E31においては、液体タンク20とサイクロン11とが省略され、サイズ選別設備Bの回転篩い装置6と湿式比重選別装置12とが直接接続されている。従って、サイズ選別設備Bから第2の固体群をこの湿式比重選別装置12の液体容器22に供給することができる。
【0051】
図3、図5(b)及び図6〜7に示す第2実施形態においては、図1、図5(a)及び図6〜7に示す第1実施形態においてサイズ選別設備(B)が省略されている。従って、破砕設備Aの湿式ボールミル1から分配された混合処理物の破砕物が、第1の固体群に代えて第1の経路7の比重選別設備C12における湿式比重選別装置9の液体容器14に供給されるとともに、第2の固体群に代えて第2の経路8の第1設備E12における液体タンク20に供給される。
【0052】
図4(a)に示す第2実施形態の別例1においては、図2(a)に示す第1実施形態の別例1においてサイズ選別設備Bが省略されている。従って、破砕設備Aの湿式ボールミル1から混合処理物の破砕物が、第1の固体群に代えて第1の経路7の比重選別設備C12における湿式比重選別装置9の液体容器14に供給されるとともに、第2の固体群に代えて第2の経路8の第2設備E22における切替手段26に供給される。
【0053】
図4(b)に示す第2実施形態の別例2においては、図2(b)に示す第1実施形態の別例2においてサイズ選別設備Bが省略されている。従って、破砕設備Aの湿式ボールミル1から混合処理物の破砕物が、第1の固体群に代えて第1の経路7の比重選別設備C12における湿式比重選別装置9の液体容器14に供給されるとともに、第2の固体群に代えて第2の経路8の第3設備E32における湿式比重選別装置12の液体容器22に供給される。
【0054】
本実施形態は下記の効果を有する。
(1) 第1,2実施形態及びそれらの別例1,2においては、破砕設備Aとして湿式ボールミル1を採用したので、前述したように湿式ボールミル1に対する破砕条件を変更すると、各種の混合処理物に応じて破砕能力を調整して所望の破砕物を容易に得ることができる。特に、様々な種類で比重や質量やサイズの異なる固体が互いに組み合わされて付着された大小の塊からそれぞれの固体を剥ぎ取って容易に分離することができるので、サイズ選別設備Bの回転篩い装置6や、第1の経路7の湿式比重選別装置9や、第2の経路8のサイクロン11及び湿式比重選別装置12において、良好な分級を行うことができる。
【0055】
(2) 第1実施形態及びその別例1,2においては、破砕設備Aの湿式ボールミル1により得られた所望の破砕物をさらにサイズ選別設備Bの回転篩い装置6により互いにサイズの異なる第1の個体群と第2の固体群とに選別することができるので、サイズの大きい破砕物を処理する第1の経路7の湿式比重選別装置9や、サイズの小さい破砕物を処理する第2の経路8のサイクロン11及び湿式比重選別装置12において、より一層良好な分級を行うことができる。
【0056】
(3) 第1,2実施形態及びそれらの別例1,2においては、サイズの大きい破砕物を処理する第1の経路7で、第1の固体群または混合処理物の破砕物を湿式比重選別装置9により互いに重量の異なる第3の個体群と第4の固体群とに浮沈選別することができるので、軽量物である第4の固体群を取り除いた重量物である第3の個体群を容易に再利用することができるとともに、重量物から取り除いた軽量物を脱水した第5の固体群を容易に再利用することができる。
【0057】
(4) 第1,2実施形態及びそれらの別例1において、サイズの小さい破砕物を処理する第2の経路8で、第2の固体群または混合処理物の破砕物は液体タンク20を経てサイクロン11に供給されて互いにサイズの異なる第6の個体群と第7の固体群とに選別されるので、泥などの第7の固体群を取り除いた土砂などの第6の個体群を湿式比重選別装置12に供給してより一層良好な分級を行うことができる。
【0058】
(5) 第1,2実施形態及びそれらの別例1,2においては、サイズの小さい破砕物を処理する第2の経路8で、第6の固体群または混合処理物の破砕物を湿式比重選別装置12により互いに重量の異なる第8の個体群と第9の固体群とに浮沈選別することができるので、軽量物である第9の固体群を取り除いた重量物である第8の固体群を容易に再利用することができるとともに、重量物から取り除いた軽量物を脱水した第10の固体群を容易に再利用することができる。
【0059】
(6) 第1,2実施形態及びそれらの別例1においては、サイズの小さい破砕物を処理する第2の経路8で、切替手段26を切り替えて液体タンク20及びサイクロン11の利用の有無を選択することができるので、第2の個体群または混合処理物の破砕物が第6の固体群に類似する場合にはサイクロン11を利用しないで湿式比重選別装置12により浮沈選別することもできる。
【0060】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 破砕設備Aの湿式ミルとしては、前記第1,2実施形態及びそれらの別例1,2のように多数のボールを回転筒2内に収容した湿式ボールミル1以外に、多数のロッドを回転筒内に収容した湿式ロッドミルを採用してもよい。また、それらの湿式ミルを一台だけ設置すること以外に、複数台の湿式ミルを直列的に並べて設置してもよい。その際、複数台の湿式ボールミル1だけを直列的に並べて設置したり、複数台の湿式ロッドミルだけを直列的に並べて設置したり、湿式ボールミル1と湿式ロッドミルとを混合させた複数台を適宜順序で直列的に並べて設置したりしてもよい。
【0061】
・ 前記比重選別設備C11,C12においては、湿式比重選別装置9を複数並べて第3の固体群の選別を複数回行ってもよい。また、前記第1設備E11,E12や第2設備E21,E22においては、サイクロン11を複数並べて第6の固体群の選別を複数回行ってもよい。さらに、前記第1設備E11,E12や第2設備E21,E22や第3設備E31,E32においては、湿式比重選別装置12を複数並べて第8の固体群の選別を複数回行ってもよい。
【0062】
・ 混合処理物としては、建設混合廃棄物以外に、焼却灰や汚染土壌や浚渫物などを湿式ボールミル1に供給してもよい。
・ 湿式比重選別装置9,12としては、前記第1,2実施形態及びそれらの別例1,2で例示したもの以外に、市販されている各種の装置を採用してもよい。
【0063】
・ 前記第1,2実施形態及びそれらの別例1,2において、磁気選別装置を設置してもよい。
【符号の説明】
【0064】
A…破砕設備、B…サイズ選別設備、C11,C12…比重選別設備、E11,E12…第1設備、E21,E22…第2設備、E31,E32…第3設備、1…湿式ボールミル、2…回転筒、3…ボール(破砕媒体)、6…回転篩い装置、7…第1の経路、8…第2の経路、9…湿式比重選別装置、10…回転篩い装置、11…サイクロン、12…湿式比重選別装置、13…振動篩い装置、14…液体容器、21…遠心分離容器、22…液体容器、26…切替手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の破砕媒体を収容した回転筒内に混合処理物及び液体を供給してその回転筒内で破砕かつ磨砕する湿式ミルを有する破砕設備(A)と、その混合処理物の破砕物を、第1の固体群と、その第1の固体よりも細かい第2の固体を含む第2の固体群とに選別するサイズ選別設備(B)とを備えた設備と、
多数の破砕媒体を収容した回転筒内に混合処理物及び液体を供給してその回転筒内で破砕かつ磨砕する湿式ミルを有する破砕設備(A)を備えた設備と
のうち、いずれかの設備を備え、
さらに、このサイズ選別設備(B)から液体容器内に供給した第1の固体群、または、この破砕設備(A)から液体容器内に供給した混合処理物の破砕物をその液体容器内で、第3の固体群と、その第3の固体よりも比重の小さい第4の固体を含む第4の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置を有する比重選別設備(C11,C12)を備えた
ことを特徴とする混合処理物の選別処理システム。
【請求項2】
多数の破砕媒体を収容した回転筒を有する湿式ミルにあってその回転筒内に混合処理物及び液体を供給して破砕かつ磨砕し、
次に、その湿式ミルで破砕かつ磨砕した混合処理物の破砕物を篩い装置に供給して、第1の固体群と、その第1の固体よりも細かい第2の固体を含む第2の固体群とに選別した後に、この篩い装置から第1の固体群を湿式比重選別装置の液体容器内に供給して、第3の固体群と、その第3の固体よりも比重の小さい第4の固体を含む第4の固体群とに浮沈選別するか、
または、その湿式ミルで破砕かつ磨砕した混合処理物の破砕物を湿式比重選別装置の液体容器内に供給して、第3の固体群と、その第3の固体よりも比重の小さい第4の固体を含む第4の固体群とに浮沈選別し、
次に、この湿式比重選別装置から第4の固体群を篩い装置に供給して脱水した第5の固体群に選別する
ことを特徴とする混合処理物の選別方法。
【請求項3】
多数の破砕媒体を収容した回転筒内に混合処理物及び液体を供給してその回転筒内で破砕かつ磨砕する湿式ミルを有する破砕設備(A)と、その混合処理物の破砕物を、第1の固体群と、その第1の固体よりも細かい第2の固体を含む第2の固体群とに選別するサイズ選別設備(B)とを備えた設備と、
多数の破砕媒体を収容した回転筒内に混合処理物及び液体を供給してその回転筒内で破砕かつ磨砕する湿式ミルを有する破砕設備(A)を備えた設備と
のうち、いずれかの設備を備え、
さらに、前記サイズ選別設備(B)から遠心分離容器内に供給した第2の固体群、または、前記破砕設備(A)から遠心分離容器内に供給した混合処理物の破砕物をその遠心分離容器内で、第6の固体群と、その第6の固体よりも質量の小さい第7の固体を含む第7の固体群とに選別するサイクロンと、このサイクロンから液体容器内に供給した第6の固体群をその液体容器内で、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置とを有する第1設備(E11,E12)と、
前記サイズ選別設備(B)から遠心分離容器内に供給した第2の固体群、または、前記破砕設備(A)から遠心分離容器内に供給した混合処理物の破砕物をその遠心分離容器内で、第6の固体群と、その第6の固体よりも質量の小さい第7の固体を含む第7の固体群とに選別するサイクロンと、このサイクロンから液体容器内に供給した第6の固体群をその液体容器内で、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置と、このサイクロンからの第6の固体群に代えてこのサイズ選別設備(B)から第2の固体群またはこの破砕設備(A)から混合処理物の破砕物をこの湿式比重選別装置の液体容器内に供給するように切り替えるか、またはこのサイクロン及び湿式比重選別装置への供給量を分配することができる手段とを有する第2設備(E21,E22)と、
前記サイズ選別設備(B)から液体容器内に供給した第2の固体群、または、前記破砕設備(A)から液体容器内に供給した混合処理物の破砕物をその液体容器内で、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別する湿式比重選別装置を有する第3設備(E31,E32)と
のうち、いずれかの設備を備えた
ことを特徴とする混合処理物の選別処理システム。
【請求項4】
多数の破砕媒体を収容した回転筒を有する湿式ミルにあってその回転筒内に混合処理物及び液体を供給して破砕かつ磨砕し、
次に、その湿式ミルで破砕かつ磨砕した混合処理物の破砕物を篩い装置に供給して、第1の固体群と、その第1の固体よりも細かい第2の固体を含む第2の固体群とに選別した後に、この篩い装置から第2の固体群、または、この湿式ミルから混合処理物の破砕物をサイクロンの遠心分離容器内に供給して、第6の固体群と、その第6の固体よりも質量の小さい第7の固体を含む第7の固体群とに選別し、
次に、このサイクロンから第6の固体群を湿式比重選別装置の液体容器内に供給して、第8の固体群と、その第8の固体よりも比重の小さい第9の固体を含む第9の固体群とに浮沈選別し、
次に、この湿式比重選別装置から第9の固体群を篩い装置に供給して脱水した第10の固体群に選別する
ことを特徴とする混合処理物の選別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−130877(P2012−130877A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286038(P2010−286038)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(510338123)株式会社 トーホーテクノ (1)
【出願人】(591004478)株式会社グラベル・クリーン (5)
【Fターム(参考)】