説明

清涼組成物

少なくとも1種の第1の清涼化合物、少なくとも1種の異なる第2の清涼化合物および第1の清涼化合物のための少なくとも1種の摂取可能な非極性溶媒の混合物であって、第1の清涼化合物:第2の清涼化合物:溶媒の割合が、1:1.5〜2.25:1.75〜4.4である、液体の清涼組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、実用的処方における使用のための清涼化合物の混合物に関する。
【背景技術】
【0002】
清涼化合物、つまり、皮膚または体の粘膜に清涼感を与える化合物はよく知られており、また、広く使用されている。成功を収めた化合物の例は、それぞれWS−3(商標)およびWS−23(商標)として商業化された(1R,2S,5R)−N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサン−カルボキサミドおよび2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブタンアミドを含む。近年の大いに有効な清涼化合物は、(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサン−カルボキサミド、Evercool(商標)180である。
清涼化合物に関する1つの問題は、それらの最大の潜在力を達成することであった。いくつかの清涼化合物は、溶媒に良好に溶解せず、つまり、いくつかの利用品に加え得る量、すなわち知覚され得る効果が、限定されることを意味する。カプセル化技術により制御された放出は、この状況を改善する可能性のある方法として示唆されてきたが、カプセル化において用いられる溶媒への溶解性の問題が再び生じる。さらに、化合物の望ましくない結晶化の問題が起こり得る。
【発明の概要】
【0003】
溶解させる、すなわち利用品において利用することができる量をかなり増加させることができるということが、今、見出された。すなわち、少なくとも1種の第1の清涼化合物、少なくとも1種の異なる第2の清涼化合物および第1の清涼化合物のための少なくとも1種の摂取可能な非極性溶媒の混合物であって、第1の清涼化合物:第2の清涼化合物:溶媒の割合が、1:1.5〜2.25:1.75〜4.4である、液体の清涼組成物が提供される。
【0004】
少なくとも1種の第1の清涼化合物を利用品中に取り込む方法であって、少なくとも1種の第1の清涼化合物を、少なくとも1種の異なる第2の清涼化合物および第1の清涼化合物のための少なくとも1種の摂取可能な非極性溶媒とを混合すること、ならびに得られた(resulting)混合物を利用品へ加えることを含む、前記方法が、さらに提供される。
【0005】
「液体」は、形成される組成物が液体であり、したがって少なくとも最終製品中へまたは封入(entrapped)形態へと取り込まれるまでは変化しないことを意味する。かかる組成物は、それらが室温で数時間から数週間にまでにわたって変動するかなりの期間にわたり、液体のままであり得ることを特徴とする。いくつかの場合において、組成物は、処理されるまで高温において液体であることができる。結晶化は、あらゆる環境において望ましくないが、組成物が最終製品の中へまたは封入形態へ取り込まれるときにそれが起こる場合には許容される。
【0006】
組成物は、第1および第2の清涼化合物と指定された、2つの異なる型の清涼化合物を有する。「第1の」清涼化合物は、少なくとも75°の融点を有する清涼化合物であり、一方、第2の清涼化合物は90℃より低い融点を有する。
【0007】
いくつかの清涼化合物、例えば、(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド(Evercool(商標)190)は、それらが第1または第2のいずれの清涼化合物であることが可能である融点を有する。かかる場合において、化合物は、第1または第2のいずれかの清涼化合物であることが選択され、それと共に混合するため、異なる第2または第1の清涼化合物が選択される。
【0008】
第1の清涼化合物の典型例は、(1R,2S,5R)−N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド(Evercool(商標)180)、(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド(Evercool(商標)190)を含む。
【0009】
第2の清涼化合物の典型例は、乳酸メンチル、2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブタンアミド(WS−23(商標))、(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド(Evercool(商標)190)を含む。
【0010】
本明細書中で用いられる非極性溶媒は、摂取可能な液体であり、すなわち、それらは、食料品、飲料および経口的に受容可能な医薬製品において用いられてもよい溶媒である。それらは、第1の清涼化合物を少なくともある程度、好ましくは、少なくとも0.0005g/mL程度、溶解させることが可能である。
【0011】
かかる溶媒の典型例は、ミグリオール(MCT)、ペパーミント油、スペアミント油、トリアセチン、オレンジオイル、レモンオイル、ライムオイル、液体フレーバー類およびメントールを含む。
【0012】
特定の組成物は、
(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド(Evercool(商標)180)/乳酸メンチル/ミグリオール;
(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド(Evercool(商標)180)/乳酸メンチル/トリアセチン;
(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド(Evercool(商標)180)/2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブタンアミド(WS−23(商標))/ミグリオール;
(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド)(Evercool(商標)190)/乳酸メンチル/ミグリオール;
(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド)(Evercool(商標)190)/2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブタンアミド(WS−23(商標))/ミグリオール;
(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド(Evercool(商標)180)/乳酸メンチル/ペパーミント油。
(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド(Evercool(商標)180)/(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド)(Evercool(商標)190)/乳酸メンチル/トリアセチン、
を含む。
【0013】
特定の態様において、第1の清涼化合物:第2の清涼化合物:溶媒の比は、1:1.8〜2.2:2.5〜3.5である。
【0014】
本開示の液状組成物は、格別に頑丈であり、ある程度で格別に頑丈であり、良好な保存安定性(shelf stability)を有し、変化する温度および湿度の条件下でさえ、ほとんど、または全く、沈殿を呈しない。それらは全ての様式の食料品、飲料および経口的に受容可能な医薬製品へと容易に取り込まれうる。
【0015】
これらの組成物は、口腔粘膜などの粘膜に対しまたは皮膚に対し適用され清涼感を与えるために適用される製品において用いられてもよい。「適用する(applying)」は、接触させるあらゆる剤型、例えば、経口摂取、局所適用、または、タバコ製品の場合、吸入などを意味する。皮膚への適用の場合、例えば、化合物をクリームまたは軟膏中に含むことによってもよい。したがって、本明細書中に記載される有効量の清涼組成物を含む製品を適用することにより、粘膜または皮膚に清涼感を提供する方法もまた提供される。
【0016】
口腔粘膜に適用される製品には、限定されないが、口内へ運ばれ燕下される食料品および飲料品、および、栄養的価値以外の理由から摂取される、クリーニング、フレッシュニング、ヒーリングおよび/またはデオドライジングの目的のために口腔粘膜に適用されてもよい製品、例えば錠剤、トローチ、洗口液、喉スプレー、歯磨き剤およびチューインガムなどが含まれる。
【0017】
皮膚に適用される製品には、限定されないが、香水、トイレタリー、医療または他の理由から人体の皮膚に適用され得る、ローション、オイル、軟膏および入浴剤などの化粧品が含まれる。
【0018】
食料品および飲料の特定の例には、限定されないが、アイスクリームおよびシャーベットなどの氷菓子;ゼリーおよびプリンなどのデザート;ケーキ、クッキー、チョコレートおよびチューインガムなどの菓子;ジャム;キャンデー;パン;緑茶、紅茶、カモミール茶、マルベリーリーフティー(mulberry leaf tea)、ルイボス茶(Roobos tea)、ペパーミントティーなどの茶飲料;スープ;調味料;インスタント飲料;スナック菓子などが含まれる。
【0019】
局所適用のための製品のさらなる例には、限定されないが、クレンジングティッシュ、タルカム粉(talcum powders)、フェイスクリーム、ローション、トニックおよびジェルなどのスキンケア化粧品;ハンドクリーム、ハンドローションおよびボディローション、抗脂肪沈着(anticellulite)/痩身のクリームおよびローション、ローション、バーム(balm)、ジェル、スプレーおよびクリーム;日焼け止めローション、バーム、ジェル、スプレーおよびクリームを含む日焼け用化粧品;アフターサンローション、スプレーおよびクリーム;石鹸、つまようじ、リップスティック、入浴剤、デオドラントおよび制汗剤、洗顔クリーム、マッサージクリームなどが含まれ得る。
【0020】
口腔粘膜に適用される製品のさらなる例には、限定されないが、歯磨き粉、歯用ジェル、歯用パウダー、歯ホワイトニング製品、デンタルフロス、抗歯垢および抗歯肉炎組成物、鼻の症状の処置のための組成物などが含まれ得る。
【0021】
したがって、製品基剤と上記に定義されたのとおりの少なくとも1つの清涼組成物の有効量を含む、局所適用、口腔ケア製品、鼻用ケア製品、トイレ用品、摂取可能な製品およびチューインガムなど、口腔粘膜に適用される製品および皮膚に適用される製品からなる群から選択される最終製品がさらに提供される。
【0022】
本明細書中に記載された清涼組成物は、また、天然の感覚刺激(sensate)化合物、例えば、ジャンブ(jambu)、ガランガル、酢酸ガランガル(galangal acetate)、山椒、カプサイシン(capscacian)、コショウおよび生姜、または一般に当業者に知られた他のフレーバーおよびフレグランス原材料、と調合されてもよい。フレーバーおよびフレグランス原材料の好適な例は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン炭化水素、窒素または硫黄ヘテロ環化合物を含む。フレーバーおよびフレグランス原料は、天然または合成由来のどちらでもよい。これらの多くはS. Arctanderによる著作、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAなどの参照テキストに列挙されている。
【0023】
清涼化合物は、製品と組成物とを単に直接混合することにより、製品中に採用されてもよく、または、より早い段階で、好適な封入材料中に封入されてもよい。好適な封入材料および手法は、ポリマーメルトまたはヒドロゲル、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、フィルム形成剤および環状オリゴサッカライド(例えば、シクロデキストリン)などの吸収剤を含む。
代替的に、それらは、天然ゴム(例えば、アラビアゴム)またはグリセリン脂肪酸エステルおよび脂肪酸サッカライドエステルなどの低分子量界面活性剤などの乳化剤または分散安定剤を用いて、アルコールまたは多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールなど)、トリアセチンおよびミグリオールなどの好適な液体中に、溶液または乳液として添加されてもよい。
【0024】
カプセルは、簡便な方法、例えば、コアシェル複合体、コアセルベーションカプセル、マトリックス型ヒドロゲルカプセルおよび被覆カプセルにより提供されてもよい。これらの組成物とともに有用な商業的に入手可能な封入材料の例は、Givaudan Flavors Corp.のULTRASEAL(商標)、GRANUSEAL(商標)およびQPEARL(商標)製品であるが、任意の他の類似の技術も用いられてもよい。
【0025】
特定の態様において、組成物は、噴霧乾燥(spray-dried)の形態で用いられる。噴霧乾燥は、当該技術分野で周知の技術である。それは、典型的に、好適な乳化剤存在下における組成物の水中への乳化、また、加熱された気流中への乳液の噴霧を含む。結果物は、微細粒状物質である。乳化剤は、当該技術分野に知られたあらゆる好適な乳化剤であってもよく、典型例は、アラビアゴム、食品変性澱粉(food-modified starch)、マルトデキストリン、ガティガム(gum ghatti)、ゼラチン、カゼイン酸ナトリウム、ホエイプロテイン、ミルクプロテイン、アルギニン酸ナトリウムおよびシトラスペクチンを含む。
したがって、上記に定義されたとおりの組成物が、噴霧乾燥の形態で提供される。
【0026】
封入組成物が製品において用いられる場合、それらは、清涼化合物の唯一の供給源であってもよいか、または、当該技術分野で知られた他の清涼化合物、例えばメントール、メントン、イソプレゴール、N−エチル−p−メンタンカルボキサミド(WS-3(商標))、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド、(WS-23(商標))、2−(2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド)−酢酸エチル(WS-5(商標))、乳酸メンチル、メントングリセリンアセタール(Frescolat(登録商標)MGA)、スクシン酸モノメンチル(Physcool(登録商標))、グルタル酸モノメンチル、O−メンチルグリセリン(CoolAct(登録商標)10)および2−sec−ブチルシクロヘキサノン(Freskomenthe(登録商標))、メンタン、樟脳、プレゴール、シネオール、ミント油、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、3−l−メントキシ−2−メンチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、2−l−メントキシエタン−1−オール、3−l−メントキシプロパン−1−オール、4−l−メントキシブタン−1−オール、およびQuestice(登録商標)の商品名の下販売されるメンチルピロリドンカルボン酸化合物で増量されてもよい。
【0027】
さらなる清涼化合物の例は、例えば、WO 2005/049553(例えば、2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキサンカルボン酸(4−シアノメチル−フェニル)−アミドおよび2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキサンカルボン酸(4−シアノメチルフェニル)−アミドおよび2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキサンカルボン酸(4−シアノメチルフェニル)−アミド)、WO2006/125334(例えば、4−[(2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−アミノ]−ベンズアミド、3−[(2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−アミノ]ベンズアミド、および(2−イソプロピル−5−メチル−N−(4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)シクロヘキサンカルボキサミド)およびWO 2007/019719(例えば、2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキサンカルボン酸ピペリジン−2−イルアミドおよび2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキサンカルボン酸(2−ピリジン−2−イル−エチル)−アミド)に見出されることができ、これらの特許出願は参照により本明細書中に組み込まれる。これらは、慣用的に当該技術分野で認識された量で加えられてもよい。
【0028】
本組成物および方法は、ここでさらに、特定の態様を記載する以下の非限定の例を参照して記載される。
【0029】
例1:
第1の清涼剤(coolant)(Evercool(商標)180)、第2の清涼剤(WS-23(商標))および溶媒(ミグリオール)の好適な重量比の確認。
溶媒の調製のための一般的手順:
第1の清涼剤(Primary cooling agent)は、溶融した第2の清涼剤中に溶解させ、次に、溶媒で希釈させた。溶媒は、室温まで冷却させた。
【表1】

第1の清涼剤:第2の清涼剤:ミグリオールの比率 1:1.5〜2:2〜3は、特に有効と見られる。
【0030】
例2:
第1の清涼剤(WS-3(商標))、第2の清涼剤(WS-23(商標))および溶媒(ミグリオール)。
【表2】

【0031】
例3:
第1の清涼剤(Evercool(商標)180)、第2の清涼剤(乳酸メンチル)および溶媒(ミグリオール)。
【表3】

本態様の最適比率:
第1の清涼剤:第2の清涼剤:ミグリオール 1:1.9〜2.1:2〜4.4
【0032】
例4:
第1の清涼剤(WS-3(商標))、第2の清涼剤(乳酸メンチル)および溶媒(ミグリオール)。
【表4】

【0033】
例5:
1次清涼剤(WS-3(商標))、2次清涼剤なし、および溶媒(ミグリオール)。
【表5】

【0034】
例6:
第1の清涼剤(Evercool(商標)180)、第2の清涼剤(WS-3(商標))および溶媒(ミグリオール)−より多量の溶融2次清涼剤の例
【表6】

【0035】
例7:
第2の清涼剤としてのWS-23(商標)および第1の清涼剤としてのEvercool(商標)180を用いる、溶媒としてのオレンジ油(1x、ブラジリアン)における最適濃度の決定。
【0036】
【表7】

溶解性は、通常の条件下において、オレンジ油(1xブラジル)中の>1%のEvercool(商標)180と比較して、顕著に改善した。
【0037】
例8:
第2の清涼剤としてWS-23(登録商標)および第1の清涼剤としてEvercool(登録商標)180を用いる、溶媒としてのトリアセチン中の最適濃度の決定。
【表8】

【0038】
例9:
第2の清涼剤としてWS-23(商標)および第1の清涼剤としてEvercool(商標)180を用いる、溶媒としてのメントール中の最適濃度の決定
【表9】

溶解性は、通常の条件下において、65℃でメントールに可溶な17%のEvercool(商標)180と比較して、顕著に改善した。
【0039】
例10:
第2の清涼剤としてWS-23(商標)および第1の清涼剤としてEvercool 180を用いる、溶媒としてのオレンジ油10xカリフォルニア中の最適濃度の決定
【表10】

【0040】
例11:
第2の清涼剤としてWS-23(商標)および第1の清涼剤としてEvercool(商標)180を用いる、溶媒としてのペパーミント油中の最適濃度の決定。
【表11】

溶解性は、通常の条件下において、室温でペパーミント油に可溶な12%のEvercool(商標)180と比較して、顕著に改善した。
【0041】
例12:
第2の清涼剤としてWS-23(商標)および第1の清涼剤としてEvercool(商標)180を用いる、極性溶媒プロピレングリコール中の最適濃度の決定。
【表12】

【0042】
例13:
第1の清涼剤(Evercool(商標)180)、第2の清涼剤(WS-5(商標))、溶媒(ミグリオール)。
1gのEvercool(商標)180を2gのWS-5(商標)中に溶解させ、その後、3gのミグリオールを加えた。溶液を室温まで攪拌下冷まし、わずか3時間後に曇り、4時間後に結晶化した。
【0043】
例14:
第1の清涼剤(Evercool(商標)180)、第2の清涼剤((1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−フェネチルシクロヘキサンカルボキサミド)、溶媒(ミグリオール)
1gのEvercool 180を2gの(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−フェネチルシクロヘキサンカルボキサミド中に加熱して溶解し、その後、3gのミグリオールを加えた。溶液を攪拌下室温まで冷まし、1時間後に曇り、6時間後に結晶化した。
【0044】
例15:
乳酸メンチル(第2の清涼剤)およびEvercool 180(第1の清涼剤)およびミグリオール(溶媒)の混合物の、非齲蝕原性スプレードライマトリックスにおけるカプセル化:
清涼剤を、スプレードライマトリックスに加えて乳液を形成する前に、油相中に可溶化してもよい。このシステムのために、32gの乳酸メンチルを60℃より高温で融解させた。16gのEvercool 180をこれ(乳酸メンチルのEvercool 180に対する、2:1重量比)に加え、可溶化するまで100℃より高温に加熱した。48gの加熱したミグリオール(100℃より高温)を、その後、1:1の比でこの均一な溶液に加えた。溶液をその後80℃より高温で保持し、溶解性を維持した。その後この油相を、アラビアゴム溶液(水中36%溶液、400gアラビアゴム、700g水)に加え、60℃で保持した。その後この乳液を、通常の条件下でスプレードライした。
【0045】
例16:
乳酸メンチル(第2の清涼剤)およびEvercool(商標)180のスプレードライ混合物の適用ならびに参照との比較:
【表13】

【0046】
ガムベース、および半分のソルビトールを混合し、マルチトールシロップを加え、その後ガム塊と混合した。粉末化原材料の残り(ソルビトール、マンニトール、ace-K、アスパルテームの残り)を加え、約1分間混合し、この時点でグリセリンを加え、ガム塊を約5分間混合し、ブランクのチューインガムを形成した。清涼剤混合物を塊中に作用させ、生じたガム(2g)の小片をパネリストが20分間噛み、吐き捨てた。清涼感を評価し、その時間強度プロファイルを記録した(図1参照)。
【0047】
例17:
乳酸メンチル(第2の清涼剤)の混合物およびEvercool 180(第1の清涼剤)およびミグリオール(溶媒)の混合物のカプセル化マトリックスにおけるカプセル化:
清涼剤を、スプレードライマトリックスに加え乳液を形成する前に、油相において可溶化しなければならない。このシステムのために、50gの乳酸メンチルを60℃より高温で融解させた。25gのEvercool 180をこれ(乳酸メンチル:Evercool 180の重量比2:1)に加え、可溶化するまで100℃より高温に加熱し、95gの加熱ミグリオール(75℃より高温)に加えた。その後この溶液を、132gのゼラチン100、42gのゼラチン0、13gのジャガイモデンプンおよび340g水中43gのキシリトールの高温(75℃)溶液に加え、均一化した。溶液を、100gのゼラチン100上に、ウルスターインサート(Wurster insert)(Tsolvent:75℃、Pnozzle:2.5bar、Tinlet:90℃)を用いてコーティングする間、75℃で攪拌を継続した。
【0048】
例18:
乳酸メンチル(第2の清涼剤)およびEvercool(商標)180のカプセル化された混合物の適用および参照との比較:
【0049】
【表14】

【0050】
ガムベース、およびソルビトールの半分を混合し、マルチトールシロップを加え、その後、ガム塊と混合した。粉末化原材料の残り(ソルビトール、マンニトール、ace-K、アスパルテームの残り)を加え、約1分間混合し、この時点でグリセリンを加え、ガム塊を約5分間混合し、ブランクのチューインガム塊を形成した。清涼剤混合物を塊中に作用させ、生じたガム(2g)の小片をパネリストが20分間噛み、吐き捨てた。清涼感を評価し、その時間強度プロファイルを記録した(図2参照)。
【0051】
本明細書中に記載された態様は単なる例示であり、また、変更および修飾が本発明の範囲から逸脱されることなく当業者によりなされることができることが、理解されるであろう。上記態様は、選択的であるだけでなく、組合せ可能でもあると解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、乳酸メンチル(第2の清涼剤)およびEvercool(商標)180のスプレードライ混合物の清涼感を評価し、その時間強度プロファイルを記録したグラフである。
【図2】図2は、乳酸メンチル(第2の清涼剤)およびEvercool(商標)180のカプセル化された混合物の清涼感を評価し、その時間強度プロファイルを記録したグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の第1の清涼化合物、少なくとも1種の異なる第2の清涼化合物および第1の清涼化合物のための少なくとも1種の摂取可能な非極性溶媒の混合物であり、第1の清涼化合物:第2の清涼化合物:溶媒の重量比が、1:1.5〜2.25:1.75〜4.4である、液体清涼組成物。
【請求項2】
第1の清涼化合物:第2の清涼化合物:溶媒の重量比が、1:1.8〜2.2:2.5〜3.5である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
第1の清涼化合物が、(1R,2S,5R)−N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、および(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
第2の清涼化合物が、乳酸メンチル、2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブタンアミド、および(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
非極性溶媒が、少なくとも0.0005g/mLの範囲まで第1の清涼化合物を溶解可能である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
第1の清涼化合物/第2の清涼化合物/溶媒の組合せが、以下からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物:
(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド/乳酸メンチル/ミグリオール;
(1R,2S,5R)−N−(4(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド/乳酸メンチル/トリアセチン;
(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド/2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブタンアミド/ミグリオール;
(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド/乳酸メンチル/ミグリオール;
(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド/2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブタンアミド/ミグリオール;
(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド/乳酸メンチル/ペパーミント油;および
(1R,2S,5R)−N−(4−(シアノメチル)フェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド(Evercool(登録商標)180)/(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチル−N−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)シクロヘキサンカルボキサミド)(Evercool(登録商標)190)/乳酸メンチル/トリアセチン。
【請求項7】
口腔粘膜および皮膚のうち少なくとも1つに適用されるために適合した製品であって、製品基剤および少なくとも1種の請求項1に記載の清涼組成物の有効量を含む、前記製品。
【請求項8】
清涼組成物が封入形態で存在する、請求項7に記載の製品。
【請求項9】
封入形態が、ポリマーメルトまたはヒドロゲル、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、フィルム形成剤ならびに吸収剤からなる群から選択される、請求項8に記載の製品。
【請求項10】
封入形態が、スプレードライ粒状である、請求項8に記載の製品。
【請求項11】
少なくとも1種の第1の清涼化合物を製品中に取り込む方法であって、少なくとも1種の第1の清涼化合物を、少なくとも1種の異なる第2の清涼化合物および第1の清涼化合物のための少なくとも1種の摂取可能な非極性溶媒と混合すること、ならびに生成混合物を製品へ加えることを含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−520925(P2011−520925A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509833(P2011−509833)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/CH2009/000161
【国際公開番号】WO2009/140783
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】