説明

減結合されたホログラムフィルム及び拡散体

様々な実施形態において、ディスプレイ装置は、ディスプレイ素子のアレイの全体に光を配分するために、干渉変調器のアレイのようなディスプレイ素子のアレイの前方に配置された光導波路を備える前部照明装置前照明デバイスを含む。光導波路は、光源からの均一な照射をディスプレイ素子のアレイまで伝達する転向フィルムを含むことができる。多くの携帯ディスプレイ用途のために、光導波路は、ディスプレイ素子の製造に用いられる基板を備える。また、ディスプレイ装置は、付加的な層を備えても良い。例えば、光導波路は、拡散体層及び/又は光学絶縁層を含み、ディスプレイ装置の光学特徴を更に強化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロ電気機械システム(MEMS)に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電気機械システム(MEMS)は、マイクロ機械素子、アクチュエータ及び電子機器を含む。マイクロ機械素子は、基板の部分をエッチングして除去し及び/又は材料層を堆積させ、又は、層を追加して電気及び電気機械装置を形成する、堆積、エッチング及び/又は他のマイクロ機械加工プロセス(micromachining processes)を用いて形成され得る。一種類のMEMS装置は、干渉変調器(interferometric modulator)と呼ばれる。ここで用いられる干渉変調器又は干渉光変調器(interferometric light modulator)という用語は、干渉の原則を用いて、光を選択的に吸収し及び/又は選択的に反射する装置を指す。ある実施形態では、干渉変調器は一対の導電プレートを備え得る。一対の導電プレートの一方又は両方は適当な電気信号の適用に応じて、全部又は一部において、透明型及び/又は反射型てもよく、且つ相対運動ができる。特定の実施形態では、一対の導電プレートの一方は基板に置かれる静止層(stationary layer)を備えることができる。一対の導電プレートの他方はエアギャップによって、静止層から切り離される金属層(metallic membrane)を備えることができる。更に詳細に本願明細書において、記載されているように、別のプレートに対して一方のプレートの位置は干渉変調器に入射する光の干渉を変えることができる。この種の装置は広い用途を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それらの特徴が既存の製品を改善して、まだ開発されていない新製品を製作する際に利用できるように、この種の装置の特徴を利用し及び/又は修正することは従来技術において、有益である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願明細書において、記載されている様々な実施形態は、基板(substrate)、複数のディスプレイ素子(display elements)、光転向フィルム(turning film)及びクラッド(cladding)を含むディスプレイ装置を備える。基板は、該基板の内部に光を導波するように構成される。複数のディスプレイ素子は、基板により支持されると共に基板の後方に位置する。光転向フィルムは、基板の前方に位置し、基板に導波される光を複数のディスプレイ素子の方へ向かせるように構成される。複数の散乱特徴体(scattering features)は、光転向フィルムの前方にある。光が、光転向フィルム及び基板内において導波されるように、クラッドは光転向フィルムと散乱特徴との間に配置されている。
【0005】
本願明細書において、記載されている特定の実施形態は、画像を表示するための表示手段と該表示手段を支持するための支持手段を含むディスプレイ装置を備える。支持手段は、表示手段の前方に配置されると共に内部に光を導波するように構成される。ディスプレイ装置は、支持手段内で導波される光を表示手段の方へ向かせるための光転向手段を更に備える。光転向手段は、支持手段の前方にある。更に、ディスプレイ装置は、光を散乱させるための手段を更に備えており、その手段は光転向手段の前方に配置する。ディスプレイ装置は、光転向手段及び支持手段内に光が導波されるように光転向手段からの光を光転向手段に戻るように光の方向を変える手段を更に備える。光の方向を変える手段は、光転向手段と光の散乱手段との間にある。
【0006】
本願明細書において、記載されている特定の実施形態は、その後方に複数のディスプレイ素子を有する基板を提供する段階を備えるディスプレイ装置の製造方法を備える。基板は、光をその内部において導波するように構成される。この方法において、光転向フィルムは、基板の前方に配置される。光転向フィルムは、基板において導波される光を複数のディスプレイ素子の方へ向かせるように構成される。複数の散乱特徴体は、光転向フィルムの前方に形成される。光が光転向フィルム及び基板に導波されるように、クラッドは光転向フィルムと散乱特徴体との間に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の干渉変調器の移動可能な反射層が緩和位置にあると共に、第2の干渉変調器の移動可能な反射層が作動位置において、ある干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を表す等角図である。
【図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んでいる電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉変調器の1つの例示的な実施形態における可動ミラーの位置に対する印加電圧の図である。
【図4】干渉変調器ディスプレイを駆動するために用いることができる一組の横列電圧及び縦列電圧の図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調器ディスプレイのディスプレイデータで1つの一般的なフレームを例示する図である。
【図5B】図5Aでフレームを記述するために用いることができる横列信号及び縦列信号のための1つの一般的なタイミング図を例示する図である。
【図6A】複数の干渉変調器を備える視覚的ディスプレイ装置の一実施形態を例示しているシステムブロック図である。図6A及び6Bは、複数の干渉変調器を備える視覚的ディスプレイ装置の一実施形態を例示しているシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉変調器を備える視覚的ディスプレイ装置の一実施形態を例示しているシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】干渉変調器の代替の実施形態の断面図である。
【図7C】干渉変調器の他の代替の実施形態の断面図である。
【図7D】干渉変調器の更なる代替の実施形態の断面図である。
【図7E】干渉変調器の付加的な代替の実施形態の断面図である。
【図8】上にディスプレイ素子が形成される基板上に配置されている光転向フィルムと拡散体層とを備えるディスプレイ装置の一部の断面図である。
【図9】反射防止コーティングを更に備えるディスプレイ装置の一部の断面図である。
【図10】レンズ又はタッチパネルを更に備えるディスプレイ装置の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明は、本発明のある特定実施形態に導く。しかし、本発明は、異なる様々な方法において、具体化され得る。この明細書において、全ての図面において、類似の部分には類似の番号が付されるよう参照番号が図面に付与されている。以下の説明から明らかであるように、実施形態は、動く画像(例えば、ビデオ)又は動かない画像(例えば、静止画像)であるかどうかに関係なく、また文字画像又は写真画像であるかどうかに関係なく、画像を表示するように構成されるいかなる装置においても実施されることができる。より詳しくは、実施形態は、様々な電子装置において、実施され得るか又は様々な電子装置に関係され得ることが意図されている。様々な電子装置は、限定されないが、例えば携帯電話、無線デバイス、個人データアシスタント(PDA)、ハンドヘルド型又は携帯型のコンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、ビデオカメラ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動ディスプレイ(例えば、走行距離計ディスプレイ、その他)、コックピット制御及び/又はディスプレイ)、カメラ用のディスプレイ(display of camera views)(例えば、車両の後部ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子ビルボード又は電子記号、プロジェクタ、建築構造物(architectural structures)、パッケージ、或いは美的構造物(例えば、宝石上の画像の表示)である。また、本願明細書において、記載されているものに類似する構造を有するMEMS装置は、例えば電子スイッチングデバイスのような非表示用途に用いられることもできる。
【0009】
本願明細書において、記載されている様々な実施形態において、ディスプレイ装置は、ディスプレイ素子のアレイの全体に光を配分するために、ディスプレイ素子のアレイ、例えば干渉変調器のアレイの前方へ配置された光導波路を備える前部照明装置を含む。例えば、光転向フィルムを含む光導波路は、ディスプレイ素子のアレイの周囲照明から照射の選択肢を考慮に入れると共に、光源からディスプレイ素子のアレイまで均一な照射を伝達するためにディスプレイ素子のアレイの前で配置されていてもよい。しかし、多くの携帯用のディスプレイ用途のために、ディスプレイが非常に薄いことが重要である。したがって、本願明細書において、記載されている様々な実施形態で、光導波路は、ディスプレイ素子を製作する際に用いられる基板を備える。光導波路は、また付加的なフィルムを含むことができる。光導波路は、例えば、ディスプレイ素子のアレイを支持しているガラス基板の最上部又は底面に堆積又は積層された光転向フィルムを含むことができる。結果として、全体のディスプレイの総厚みは、基板の上に形成されるディスプレイ素子自身の厚みを越えてわずかな厚みだけが増加される。ある実施形態は、付加的な光学層を含む。付加的な光学層は、例えば、更にディスプレイの光学特徴を強化するための拡散体層(diffuser)及び/又は光学絶縁層(optical isolation layer)である。
【0010】
干渉計MEMSディスプレイ素子を備える干渉変調器ディスプレイの一実施形態が、図1に図示されている。これらの装置において、ピクセルは、明るい状態又は暗い状態にある。明るい(「オン」又は「オープン」)状態において、ディスプレイ素子は、ユーザに入射可視光の大部分を反射する。暗い(「オフ」又は「クローズ」)状態にあるときにおいて、ディスプレイ素子はユーザに入射可視光を殆ど反射しない。実施形態に応じて、「オン」状態及び「オフ」状態の光反射率の特徴は逆であることができる。MEMSピクセルは選択された色を主に反射するように構成されることができる。MEMSピクセルは、白黒に加えてカラーディスプレイを考慮に入れる。
【0011】
図1は、画像ディスプレイにおける一連のピクセルのうち2つの隣接ピクセルを表す等角図である。各ピクセルはMEMS干渉変調器を備える。幾つかの実施形態において、干渉変調器ディスプレイは、その干渉変調器の横列アレイ(row array)/縦列アレイ(column array)を備える。各干渉変調器は、少なくとも一つの可変的な寸法を有する共振光ギャップ(resonant optical gap)を形成するために、各々から可変的且つ制御可能な距離に置かれる一対の反射層を含む。一実施形態において、一対の反射層のうちの一方は、2つの位置の間で移動できる。本明細書において、緩和位置と記載する第一位置において、移動可能な反射層は、固定された部分的反射層(fixed partially reflective layer)から、比較的大きな距離に配置される。本明細書において、作動位置と記載する第二位置において、移動可能な反射層は、部分的反射層により接近して配置される。2枚の層から反射する入射光は移動可能な反射層の位置に応じて建設的に、又は破壊的に干渉し、各ピクセルに対して、全体的に反射する状態又は反射しない状態を生じる。
【0012】
図1のピクセルアレイの表示された部分は、2つの隣接する干渉変調器12a及び12bを含む。左側上の干渉変調器12aにおいて、移動可能な反射層14aは光学積層体16aから予め定められた距離での緩和位置において例示される。光学積層体16aは部分的反射層を含む。右側上の干渉変調器12bにおいて、移動可能な反射層14bは、光学積層体16bに隣接する作動位置において、例示される。
【0013】
本願明細書において、参照されるように、光学積層体16a及び16b(あわせて光学積層体16と呼ばれる)は一般的に幾つかの融解層(fused layers)を備える。いくつかの融解層は、酸化インジウムスズ(ITO)層のような電極層、クロム層のような部分的反射層、及び透明な絶縁体層を含むことができる。光学積層体16は、このように電気伝導性を有すると共に、部分的に透明であり、且つ部分的に反射性を有する。光学積層体16は、例えば、透明基材20上に上記の層の一つ以上を堆積させることによって、作られ得る。部分的反射層は、部分的に反射する様々な材料、例えば様々な金属、半導体及び絶縁体から形成されることができる。部分的反射層は材料の一つ以上の層の形態で形成されることができ、層の各々は単一の材料又は材料の組合せの形態で形成されることができる。
【0014】
幾つかの実施形態では、光学積層体16の層は、平行した縞状(strips)にパターン化されて、更に後述するようにディスプレイ装置の横列電極(row electrodes)を形成できる。移動可能な反射層14a、14bは、ポスト18とポスト18の間に堆積された中間犠牲材料(intervening sacrificial material)層と、ポスト18の上面の上に堆積された金属層又は複数の金属層(横列電極16a、16bに対して垂直な)の一連の平行したストリップとして形成されることができる。犠牲材料がエッチングされてなくなるときに、移動可能な反射層14a、14bは画成されたギャップ19によって、光学積層体16a、16bから切り離される。アルミニウムのような高い伝導性及び高い反射性を有する材料が反射層14のために用いられることができ、これらの縞はディスプレイ装置の縦列電極を形成できる。
【0015】
電圧が印加されない場合、図1のピクセル12aで示すように、機械的に緩和状態(mechanically relaxed state)の移動可能な反射層14aによって、移動可能な反射層14aと光学積層体16aの間にギャップ19が残る。しかし、選択された「横列及び縦列」に電位差が印加されると、対応するピクセルの横列電極及び縦列電極の交差箇所で形成されるコンデンサが充電され、静電力(electrostatic forces)は電極を互いに引きつける。電圧が十分に高い場合、移動可能な反射層14は変形して、光学積層体16に押し付けられる。図1の右上のピクセル12bで示すように、光学積層体16内の誘電体層(この図に図示されていない)は、層14と16の間の短絡を防止できると共に、層14と16の間に分離距離が制御できる。印加電位差の極性に関係なく、動作(behavior)は同じことである。このように、反射ピクセル状態に対する無反射ピクセル状態を制御できる横列動作/縦列動作は、従来のLCD及び他の表示技術で使われている様々な方法に類似している。
【0016】
図2から図5Bは、表示用途に干渉変調器のアレイを用いるための1つの例示的なプロセス及びシステムを例示する。
【0017】
図2は、本発明の態様を組み込むことができる電子装置の一実施形態を例示しているシステムブロック図ある。例示の実施形態において、電子装置は、プロセッサ21を含む。プロセッサ21は、ARM、Pentium(登録商標) R、Pentium(登録商標) IIR、Pentium(登録商標) IIIR、Pentium(登録商標) IV、Pentium(登録商標)Rプロ、8051、MIPSR、Power PCR又はALPHARのような任意の一般的な目的のシングルチップ・マイクロプロセッサ又はマルチチップ・マイクロプロセッサでもあってもよく、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ又はプログラム可能なゲートアレイのような特別な目的のマイクロプロセッサであってもよい。従来技術において使用されているように、プロセッサ21は一つ以上のソフトウェア・モジュールを実行するように構成され得る。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは一つ以上のソフトウェア用途を実行するように構成されることができる。一つ以上のソフトウェア用途は、ウェブブラウザ、電話用途、電子メールプログラム又は他のいかなるソフトウェア用途も含む。
【0018】
一実施形態において、プロセッサ21は、アレイドライバ(array driver)22と通信するようにも構成される。一実施形態において、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ又は表示パネル30に信号を提供する横列ドライバ回路(row driver circuit)24及び縦列ドライバ回路(column driver circuit)26を含む。図1に図示されるアレイの断面図は、図2の線1―1により示される。MEMS干渉変調器のために、横列動作プロトコル/縦列動作プロトコルは、図3に図示される装置のヒステリシス特徴を利用できる。例えば、移動可能な層を緩和状態(relaxed state)から作用状態(actuated state)まで変形させるために10Vの電位差を必要とすることができる。しかし、電圧がその値から減らされるときに、電圧が10V以下に後退するにつれて、移動可能な層はその状態を維持する。図3の例示的実施形態において、電圧が2V以下に低下するまで、移動可能な層は完全に緩和しない。このように、印加電圧の窓が存在する。図3に図示される実施形態において、印加電圧の窓は約3〜7Vである。印加電圧の窓の中で、装置は緩和状態又は作用状態において、安定である。これは、本明細書において、「ヒステリシス窓」又は「安定性窓」と称される。図3のヒステリシス特徴を有するディスプレイアレイのために、横列/縦列動作のプロトコルは、横列ストロボ(row strobing)の際に、作用されることになっているデータ送受信が開始・制御された横列のピクセルが約10Vの電圧差にさらされると共に、緩和されることになっているピクセルは約0Vの電圧差にさらされるに設計され得る。ストロボの後で、ピクセルは約5Vの定常状態電圧差に晒され、ピクセルは横列ストロボが入った状態(put them in)か何れかの状態のままになる。書き込まれた後、各ピクセルは、この実施形態における3V〜7Vの「安定性窓」の中の電位差になる。この特徴は、既存の作用状態又は緩和状態との同じ印加電圧の条件の下で、図1に示すピクセル構造を安定させる。干渉変調器の各ピクセルは、作用状態であるか又は緩和状態であるかに関わらず、基本的に固定及び可動の反射層により形成されるコンデンサであるので、この安定した状態は殆どパワーの散逸なしにヒステリシス窓内の電圧で保たれ得る。基本的に、印加ポテンシャルが固定される場合、電流はピクセル内に流入しない。
【0019】
典型的用途において、表示フレームは、第1の横列の作動ピクセルの所望のセットに従って、縦列電極の一組を断定することにより作成されることができる。横列パルスはそれから横列1電極に適用され、断定された縦列ラインに対応するピクセルを作動させる。その後、縦列電極の断定されたセットは、2本目の横列の作動ピクセルの所望のセットに対応するために変えられる。その後、パルスは横列2の電極に適用され、断定された縦列電極に従って横列2の適当なピクセルを作動させる。横列1のピクセルは、横列2のパルスに影響を受けず、横列1のパルスの間に設定された状態が維持される。これは、順次的に一連の全て横列に対して繰り返され、フレームが生成される。通常、1秒につき幾つかの所望の数のフレームでこのプロセスを継続的に繰り返すことによって、フレームは、新しいディスプレイデータでリフレッシュされ及び/又はアップデートされる。ピクセルアレイの横列電極及び縦列電極を駆動させて表示フレームを生成する多様なプロトコルは、周知でもあり、且つ本発明と連動して使われることもできる。
【0020】
図4、図5A及び図5Bは、図2の3×3アレイ上に表示フレームを作成するための1つの可能な作動プロトコルを例示する。図4は、図3のヒステリシス曲線を示しているピクセルのために用いられ得る縦列電圧レベル及び横列電圧レベルの可能な一組を例示する。図4の実施形態において、ピクセルを起動させることには、適当な縦列を−Vbiasに、適当な横列を+ΔVにセットすることが含まれる。−Vbias及び+ΔVはそれぞれ、−5V及び5Vに対応し得る。ピクセルを緩和させることには適当な縦列をVbiasに、適当な横列を同じ+ΔVにセットして、ピクセルを横切る0Vの電位差を生成するで達成できる。横列電圧が0Vで保たれるそれらの横列において、縦列が+Vbiasであるか−Vbiasであるかに関係なく、ピクセルはそれらの第一の状態で安定になる。また、図4に図示されているように、上記の電圧と反対極性の電圧が用いられ得ることは言うまでもなく、例えば、ピクセルを起動させることには、適当な縦列をVbiasに、適当な横列を−ΔVにセットすることができる。この実施形態では、ピクセルを緩和させることには適当な縦列を−Vbiasに、適当な横列を同じ−ΔVにセットして、ピクセルを横切る0Vの電位差を生成するで達成できる。
【0021】
図5Bは、図5Aに図示されるディスプレイ装置に結果としてなる図2の3×3アレイに適用される一連の横列信号及び縦列信号を示しているタイミング図である。ここで、作動ピクセルは無反射である。図5Aに図示されるフレームを書き込む前に、ピクセルは、いかなる状態にあることができる。この例では、すべての横列が0Vであり、すべての縦列が、+5Vである。これらの印加電圧で、すべてのピクセルは、それらの既存の作用状態又は緩和状態において、安定である。
【0022】
図5Aのフレームにおいて、ピクセル(1,1)(1,2)(2,2)、(3,2)及び(3,3)が、作動する。これを達成するために、横列1のための「線時間」の間、縦列1及び縦列2は−5Vにセットされる。そして、縦列3は+5Vにセットされる。これはいかなるピクセルの状態も変えない。その理由は、すべてのピクセルは3V〜7Vの安定性窓のままであるからである。その後、横列1は、0Vから5Vまでに至り、またゼロへ戻るパルスによって、データ送受信が開始・制御される。これは、ピクセル(1,1)及び(1,2)を作動させて、ピクセル(1,3)を緩和させる。アレイにおける他のいかなるピクセルも、影響を受けない。要望通り、横列2をセットするために、縦列2を−5Vに、縦列1及び3を+5Vにセットする。その後、横列2に適用される同じストロボは、ピクセル(2,2)を作動させて、ピクセル(2,1)及び(2,3)を緩和させる。また、アレイの他のいかなるピクセルも、影響を受けない。横列3は、縦列2及び縦列3を−5Vにセットし、縦列1を+5Vにセットすることでセットされる。横列3のストロボは、図5Aに示すように横列3ピクセルをセットする。フレームを書き込んだ後に、横列電位はゼロである。縦列電位は+5又は−5Vに維持されることができ、その後、表示は図5Aのアレイにおいて、安定となる。同じ手順が多数又は何百の横列又は縦列のアレイのために使用されることができることはいうまでもない。横列動作又は縦列動作を実行するために用いる電圧のタイミング、シーケンス及びレベルが上で概説された一般的な原則内で広く変化できることを理解されたい。上記の例は一般的な例に過ぎず、そして、いかなる駆動電圧方法が、本願明細書において、説明されるシステム及び方法と共に用いられることが可能である。
【0023】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ装置40の一実施形態を例示しているシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は、例えば、携帯電話又は移動電話でありえる。しかし、ディスプレイ装置40又はそれの僅かな変形例の同じ構成要素は、例えばテレビ及び携帯用のメディアプレーヤの様々な形のディスプレイ装置も図示する。
【0024】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力装置48及びマイクロホン46を含む。ハウジング41は通常、当業者にとって周知である様々な製造プロセスのいずれかから形成され、注入成形(injection molding)及び真空成形(vacuum forming)を含む。更に、ハウジング41は、限定的ではないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム及びセラミック、又はそれらの組み合わせを含む様々な材料の何れかから作られることが可能である。一実施形態において、ハウジング41は、異なる色の他の着脱可能な部分又は異なるロゴ、画像又はシンボルを含むの他の着脱可能な部分と交換され得る着脱可能な部分(図示せず)を含む。
【0025】
本願明細書において、記載されているように、一般的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、双安定型ディスプレイ(bi-stable display)を含む様々なディスプレイのいずれかであってもよい。他の実施態様において、30ディスプレイは、当業者にとって周知の、上記の通りの例えばプラズマ、EL、OLED、STN LCD又はTFT LCDのフラットパネルディスプレイ又は例えばCRT又は他の管装置の非フラットパネルディスプレイを含む。しかし、本実施形態を記載するために、本願明細書において、記載されているように、ディスプレイ30は、干渉変調器ディスプレイを含む。
【0026】
一般的なディスプレイ装置40の一実施形態の構成要素は、図6Bにおいて、略図で例示される。図示の一般的なディスプレイ装置40は、ハウジング41を含んで、ハウジング41内に少なくとも部分的に囲まれた追加部品を含むことができる。例えば、一実施形態において、一般的なディスプレイ装置40は、アンテナ43を有するネットワークインターフェース27を含む。アンテナ43はトランシーバ47に連結する。トランシーバ47はプロセッサ21に接続している。プロセッサ21はコンディショニングハードウェア52に接続している。コンディショニングハードウェア52は、信号を条件づける(例えば、信号をフィルタに通す)ように構成されることができる。コンディショニングハードウェア52は、スピーカ45及びマイクロホン46に接続している。プロセッサ21は、入力装置48及びドライバコントローラ29にも接続している。ドライバコントローラ29は、フレームのバッファ28及びアレイドライバ22に連結する。アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に連結する。電源50は、特定の一般的なディスプレイ装置40の設計によって、必要とされるすべての構成要素へ電力を供給する。
【0027】
一般的なディスプレイ装置40がネットワーク上の一つ以上の装置と通信できるように、ネットワークインターフェース27はアンテナ43及びトランシーバ47を含む。一実施形態において、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21の必須要件を軽減するために若干の処理能力を有することもできる。アンテナ43は、信号を送信及び受信するためのものであって、当業者に知られている任意のアンテナである。一実施形態において、アンテナはIEEE 802.11の(a)、(b)又は(g)を含むIEEE 802.11の標準によって、RF信号を送信及び受信する。他の実施形態では、アンテナは、ブルートゥース(BLUETOOTH)標準に従ってRF信号を送信及び受信する。携帯電話の場合、アンテナは、無線携帯電話ネットワーク内での通信に用いられるCDMA、GSM、AMPS又は他の周知の信号を受信するように設計される。それらはプロセッサ21によって、受け取られることができて、更に操作されることができるように、トランシーバ47はアンテナ43から受け取られる信号を前処理する。それらがアンテナ43を介して一般的なディスプレイ装置40から送信されることができるように、トランシーバ47もプロセッサ21から受け取られる信号を処理する。
【0028】
代替的な実施形態では、トランシーバ47は、受信機と置き換えられることが可能である。更に、また別の実施形態においては、ネットワークインターフェース27は画像ソースと置き換えられることが可能である。画像ソースはプロセッサ21に送信される画像データを格納できるか又は生成できる。例えば、画像ソースは、画像データ又は画像データを生成するソフトウェア・モジュールを含むデジタルビデオディスク(DVD)又はハードディスクでありえる。
【0029】
プロセッサ21は一般に、一般的なディスプレイ装置40の全作動を制御する。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27又は画像ソースからの圧縮イメージデータのようなデータを受信して、生の画像データに、又は、生の画像データに直ちに処理されるフォーマットにデータを処理する。その後、プロセッサ21は、ドライバコントローラ29に、又は、記憶のためのフレームバッファ28に処理されたデータを送る。一般的に生データとは、画像内の各位置における画像特徴を特定する情報をいう。例えば、そのような画像特徴は、色、彩度及びグレイスケール・レベルを含むことができる。
【0030】
一実施形態において、プロセッサ21は、マイクロコントローラ、CPU又は一般的なディスプレイ装置40の動作を制御する論理回路装置を含む。コンディショニングハードウェア52は、一般に、スピーカ45に信号を送ると共にマイクロホン46から信号を受け取るためのアンプ及びフィルタを含む。コンディショニングハードウェア52は、一般的なディスプレイ装置40内の分離された構成要素でもよいか、又はプロセッサ21又は他の構成要素内に組み込まれることができる。
【0031】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって、発生する生の画像データをプロセッサ21又はフレームバッファ28から直接に受け取り、アレイドライバ22への高速伝送のために、適切に生の画像データを再フォーマットする。具体的には、ドライバコントローラ29はラスタのようなフォーマットを有するデータフローに生の画像データを再フォーマットする。そうすると、生の画像データはディスプレイアレイ30全体のスキャンに適している時間順序を有する。そしてドライバコントローラ29は、アレイドライバ22にフォーマット化された情報を送る。例えばLCDコントローラのドライバコントローラ29は、しばしば独立型集積回路(IC)としてシステム・プロセッサ21と関係しているにもかかわらず、この種のコントローラは様々な方法で行うことができる。それらは、ハードウェアとしてプロセッサ21に埋められることができて、ソフトウェアとしてプロセッサ21に埋められることができ、又は、アレイドライバ22を有するハードウェアにおいて、完全に集積されることができる。
【0032】
一般的に、アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマット化された情報を受け取って、ピクセルの表示のx‐yマトリックスから来ている何百又は時々何千の導線に1秒につき複数回適用される波形の平行したセットにビデオデータを再フォーマットする。
【0033】
一実施形態において、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22及びディスプレイアレイ30は、本願明細書において、記載されているディスプレイのタイプのいずれかに適切である。例えば、一実施形態において、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラ又は双安定型ディスプレイコントローラ(bi-stable display controller)(例えば、干渉変調器コントローラ)である。別の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバ又は双安定型ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態において、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化される。この種の実施形態は、携帯電話、腕時計及び他の小面積型ディスプレイのような高度に集積されたシステムで一般的である。更なる別の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイ又は双安定型ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0034】
入力装置48によって、ユーザが一般的なディスプレイ装置40の動作を制御できる。一実施形態において、入力装置48は、QWERTYキーボード又は電話キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、又は、感圧性(pressure-sensitive)又は感熱性(heat-sensitive)の膜を含む。一実施形態において、マイクロホン46は、一般的なディスプレイ装置40用の入力装置である。マイクロホン46がデータを装置に入力するために用いるときに、音声コマンドが一般的なディスプレイ装置40の制御動作のためにユーザにより提供され得る。
【0035】
電源50は、公知技術である様々なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、一実施形態において、電源50は、ニッケルカドミウム電池又はリチウムイオン電池のような再充電可能電池である。他の実施形態では、電源50は、更新可能なエネルギー源、コンデンサ、又はプラスチック太陽電池及び太陽電池塗料を含む太陽電池である。他の実施形態では、電源50は、壁面コンセント(wall outlet)から電力を受け取るように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、制御プログラム化の可能性は、上記の通り、電子ディスプレイシステムのいくつかの場所に位置することが可能なドライバコントローラに帰する。いくつかの実施形態では、制御プログラム化の可能性は、アレイドライバ22に帰する。当業者は、上記の最適化(optimizations)が任意の数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素、及び様々な構成において、行うことができることが理解できる。
【0037】
上で記載される原理に従って作動する干渉変調器の構造の詳細は、広く変更されてもよい。例えば、図7A〜図7Eは移動可能な反射層14及びそれの支持構造物の5つの異なる実施形態を例示する。図7Aは図1の実施形態の断面図である。ここで、金属材14の縞は、直交して延在する支持体18上に堆積されている。図7Bにおいて、綱32に、移動可能な反射層14は、角においてのみ支持体に取り付けられる。図7Cにおいて、移動可能な反射層14は変形可能な層34からぶらさがっている。変形可能な層34は可撓性金属を備えることができる。変形可能な層34は、変形可能な層34の周辺部周辺で直接又は間接的に基板20に連結される。本願明細書において、これらの連結部は、支持柱と呼ぶこととする。図7Dに図示される実施形態は、変形可能な層34が静止する支持柱プラグ42を有する。図7A〜図7Cのような、移動可能な反射層14はギャップの上側に浮いたままである。しかし、変形可能な層34は変形可能な層34と光学積層体16の間に穴を埋めることによって、支持柱を形成しない。むしろ、支持柱は平坦化材料層の形態で形成される。平坦化材料層は支持柱プラグ42を形成するために用いる。図7Eに図示される実施形態は、図7Dの図示した実施形態に基づくが、図7A〜図7Cに図示される実施形態のいずれかと及び示されない付加的な実施形態と共に働くのに適していてもよい。図7Eに示す実施形態では、金属又は他の導電材料の追加層は、バス構造44を形成するために用いた。これは干渉変調器の後ろに沿って信号の経路取りを可能とする。そして、さもなければ基板20の上に形成されなければならなかった多くの電極を除去する。
【0038】
図7に示されるそれらのような実施形態において、干渉変調器は直視型装置(direct-view devices)として機能する。直視型装置において、画像は干渉変調器が配置される側とは反対側の透明基材20の前側から見られる。これらの実施形態では、反射層14は基板20とは反対側の変形可能な層34を含む反射層側上の干渉変調器の部分を光学的に保護する。これによって、遮蔽領域が画質に悪い影響を及ぼすことなく、構成されると共に作用され得る。この種の遮蔽は図7Eのバス構造44を可能とし、干渉変調器の光学特徴を、そのアドレス指定から生じるアドレス指定及び動作のような干渉変調器の電気機械プロパティから切り離す能力を提供する。この分離可能な変調器の構造(architecture)によって、変調器の電気機械側面及び変調器の光学的な側面のために用いられる構造設計及び材料が互いに独立に選択されて、互いに独立に機能することが可能となる。更に、図7C〜図7Eの図示した実施形態は反射層14の光学特徴をその機械的特徴から切り離すことに由来している付加的な利点を有する。そして、付加的な利点は変形可能な層34により実現される。これは、反射層14のために用いられる構造設計及び材料が光学特徴に関して最適化されることを可能にすると共に、変形可能な層34のために用いられる構造設計及び材料が所望の機械的特徴に関して最適化されることを可能にする。
【0039】
上述の通り、特定の実施形態において、干渉変調器は、反射性を有して、日光(daylight)又は十分に明るい環境(well-lit environments)において、周囲照明に依存する。そのほかに、照明の人工光源は、暗い周囲環境において、干渉変調器の照明のために提供され得る。干渉変調器ディスプレイ用の照明光源は、例えば、光導波路の狭い矩形の端による光を集めて、干渉変調器の方へ光の方向を変えるための光導波路を用いる前部ライトを備えることができる。あるの実施形態では、光導波路は、プラスチック、ガラス板(glass slab)、シート、プレート又はフィルムを備えることができ、渉変調器の正面に配置される。光転向フィルムは、ディスプレイ素子の方へ光導波路に沿って広がっている光の方向を変えるために板、シート又はフィルム上に覆うか、又は堆積できる。様々な構造において、このような光導波路は、ほぼ1mm厚さのプラスチックの層を備える。しかし、特定の用途のために、光導波路は全体のディスプレイ装置を薄く保つように、例えば約0.5mm未満の低減された厚さ又は最小の厚さ有するかもしれない。
【0040】
ディスプレイの全体の厚みを減らすか又は最小化する1つの方法は、干渉変調器の構造構成要素上、例えば干渉変調器が形成される基板上に光転向フィルムを組み込むことである。この基板は、ガラスを備えることができる。代替的に、基板は、プラスチック又は他の実質的に光学的に透過性材料を備えることができる。干渉変調器の構造構成要素上、例えばガラス基板上に光転向フィルムを形成することによって、人工光源からの光は、干渉変調器のガラス基板層に結合(coupling)されることができて、光転向フィルムによって、干渉変調器に向けられることが可能である。このような実施形態では、別々のガラス、プラスチックスラブ、シート又はフィルムが用いられず、その結果、全体のディスプレイ装置の厚みは著しく低減され得る。
【0041】
あるの実施形態では、一つ以上の付加的な光学層、例えば拡散体層又は光学絶縁層は、さもなければディスプレイの光学性能を高めるために、干渉変調器の基板上に配置されていてもよい。例えば、拡散体層は、さもなければ必要以上に鏡のようであるディスプレイにより拡散性の映り込み(diffuse look)を提供する干渉変調器から反射される光を散乱させるために設けられ得る。代替的に、又は、追加的に、光学絶縁層は、干渉変調器が光を導波する部分を伝播する光を吸収するのを防止するために、ディスプレイの光をガイドする部分と干渉変調器の間に設けられることができる。本願明細書において、記載されているように、干渉変調器に対する基板上の光転向フィルム、拡散体層及び付加光学膜の幾何学的配置は光の効率を強化するように、更に全体のディスプレイの光学性能を強化するために、又は、他の効果を提供するために、選択されることができる。
【0042】
ディスプレイ装置は、本願明細書において、記載されている一つ以上の光学層をディスプレイ素子のアレイのガラス基板又はプラスチック基板上に付着するために、当業者に公知の様々な製造プロセスののいずれかを使用して形成されることができる。ガラス又はプラスチック基板は、その上に干渉変調器のアレイのようなディスプレイ素子が製作される支持層を備える。本願明細書において、開示されるように、基板はディスプレイ装置の一つ以上の光学層を支持するために更に用いてもよい。一実施形態において、光転向フィルムは、基板に堆積さ又は積層され得る。例えば、光転向フィルムは、感圧接着剤を使用している基板の上面に積層でもよい。代替的に、光転向フィルムは、従来技術において、公知の技術又は更に開発される他の技術によって、基板上に配置され得る。光転向フィルムは、ディスプレイ素子のアレイから、基板の反対側の表面に配置され得る。ある実施形態では、一つ以上の層は、光転向フィルムと基板の間に配置され得る。
【0043】
拡散体は、ガラス基板に付着されも得る。いくつかの実施形態では、光転向フィルムが拡散体層と基板の間にあるように、拡散体層は光転向フィルムの前方へ配置されている。例えば、拡散体層は、光転向フィルムに配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、一つ以上の層は、拡散体層と光転向フィルムの間に配置されることができる。拡散体層は、従来技術において、公知の又は更に開発される任意の適切な技術を用いて、光転向フィルム又は拡散層と光転向フィルムと間の他の層上に被覆され、堆積され、積層され、又は、エッチングされることができる。例えば、拡散体層はスピンキャスト法により 形成されてもよく、又は、拡散体層は光転向フィルムの表面又は光転向フィルム上に配置された他の層上に直接的に成長された薄膜を備えることができる。幾つかの実施形態において、拡散体層は、光転向フィルムに対して一つ以上層又は構造を積層するために用いられる、拡散特徴体(diffusing features)を有する感圧接着層のような拡散させるためにその中の微粒子を有する接着剤を備える。他の実施態様において、拡散体層は、光転向フィルム又は光転向フィルムの上の層に積層された表層拡散体層シート(surface diffuser sheet)又は体積拡散体層シート(volume diffuser sheet)でもよい。拡散体層は、キャリアの上に形成される薄膜を備えることもできる。
【0044】
ある実施形態では、光学絶縁層は、ガラス基板とディスプレイ素子のアレイの間に配置されることができる。例えば、光学絶縁層は、ガラス基板とディスプレイ素子のアレイとの間の基板の表面上に積層又は堆積され得る。他の実施態様において、光学絶縁層がガラス基板とディスプレイ素子のアレイとの間にあるように、光学絶縁層は基板の上の層に積層又は堆積され得る。
【0045】
更に、様々な変形例が、可能である。フィルム、層、構成要素及び/又は要素は、加えられ、除去され、又を、再配置できる。加えて、処理ステップは、加えられ、除去され、又は、再び整理されることができる。また、本願明細書において、フィルム及び層が用いられたが、本明細書で用いられるそのような用語はフィルム積層体及び多層フィルムを含む。そのようなフィルム積層体及び多層フィルムは、接着剤を用いて他の構造に付着させるか又は堆積技術又は他の方法で他の構造上に形成されることができる。複数の光学層のいくつかの幾何学的配置の中の何れかは、周知の製造法又は更に開発される技術を用いて、ディスプレイ素子の基板上に生成されて所望の光学特徴を有する薄いディスプレイ装置を提供する。
【0046】
図8は、光転向フィルム82が干渉変調器86のアレイのためのガラス基板85の上面に配置された照明装置80の一部の一実施形態を例示する。図8に示す実施形態では、光転向フィルム82は、キャリア82bに配置されている転向特徴体(turning features)82aを含む。図8の図示した実施形態においては、転向特徴体82aはキャリア82bの後方にあるが、他の実施形態においては、転向特徴体がはキャリア82bの前方にある。更なる他の実施形態において、キャリア82bは、除外される。光転向フィルム82は、いくつかの実施形態において、感圧接着剤(pressure sensitive adhesive)にような接着剤を用いてガラス基板85に付着され得る。
【0047】
ガラス基板85及び光転向フィルム82は、光が導波されることができる照明装置80の光導波領域81を形成する。しかし、ガラス基板85が干渉変調器86の構造構成要素である、光導波路81によるディスプレイ装置の全体の厚みは光転向フィルム82の追加によって、増加する。光導波路のための別のガラス又はプラスチック板、又はシートの必要性は、干渉変調器86のガラス基板85に直接光転向フィルム82を付着することによって、また光を導く基板を用いることによtって除去される。従って、照明装置80の全体の厚みは光転向フィルム82の厚みによって、増加するだけである。そして、それは通常、約50μm〜300μmの間にある。光転向フィルム82と基板85間の感圧接着剤は、幾つかの実施形態において、約25μm〜50μmでもよい。
【0048】
図8の図示した実施形態は、光導波路81及び干渉変調器86のアレイ上に配置された拡散層84を更に備える。拡散層84には、キャリア84bに配置されている複数の拡散特徴体84a又は散乱特徴体84aを備える。複数の散乱特徴体84aがキャリア84bの後方の拡散層の一部内のに配置されているように示されるにもかかわらず、他の実施形態で、複数の散乱特徴体84aはキャリア84bの前方へ拡散層の一部に配置されていてもよい。あるいは、キャリアを、除外できる。拡散体層84は、光転向フィルムが拡散体層と基板85及び干渉変調器86との間にあるように、光転向フィルム82の前方に配置されて、光転向フィルム82に付着した。
【0049】
例えば一つ以上の発光ダイオード(LED)を備える光源83は、光導波路81に対して配置され、光導波路内に光を注入する。図8に示す実施形態では、例えば、光源83からの光5は、照明装置80における光を導波する部分81の一端内に注入される。いくつかの実施形態では、光源83は、光を点光源エミッタ(例えば、発光ダイオード)から線光源に変える光注入システムを備える。光注入システムは、例えば、光バー(light bar)を備えることができる。他のタイプの光源が、使われることもできる。
【0050】
このように、光5は、光転向フィルム82及び/又はガラス基板85の一端に射出される。光5は、光転向フィルム82と拡散層84との間に屈折率の違いのため、全反射で少なくとも部分的に光導波領域81に沿って伝播される。
【0051】
例えば、光転向フィルム82及び/又はキャリア82bは、一般的にポリカーボネート、アクリル、例えばポリメチルメタクリレート、PMMA又はアクリル酸塩共重合体(例えばポリエステル繊維(スチレン‐メチル・メタクリル酸塩)ポリマー、PS‐PMMA、Zylarという名前で販売される又は他の光学的に透明なプラスチック)のような材料を備える。可視スペクトルの波長に対して、ポリカーボネートの屈折率は、約1.59であり、Zylar(登録商標)の屈折率は、約1.54である。
【0052】
拡散層84は、低い屈折率を有する材料を備えることができる。低い屈折率を有する材料は、例えば、1.47の屈折率を有する感圧接着剤から成ることができる。この材料が全反射を通じて光導波路領域81内における光の導波を容易にするので、この材料は本明細書において、クラッド88aと称される。特に、光転向フィルム82の屈折率がクラッド88aの屈折率より大きいので、光転向フィルム/クラッドの界面上に入射される光は臨界角より大きいとき、光導波領域81内へ反射されて戻り、光導波領域81に沿って伝播され続ける。
【0053】
更に、光5は、光導波路81に沿って光の伝播を支持しているディスプレイ素子86から反射され得る。しかし、干渉変調器のようなディスプレイ素子86は、吸収性を有することができ、その結果、下で詳細に述べられるように、その上に入射される光の一部を吸収することができる。
【0054】
したがって、ディスプレイ装置は、ガラス基板85と干渉変調器86のアレイの間に配置された光学絶縁層88bを更に備えることができる。一般的に、法線(the normal)からディスプレイ素子まで測定される45°〜90°の角度で導波される光に対して、干渉変調器86は、吸収性の構造をとる。このように、光導波部分81を導波する光の一部と、斜めの角度で干渉変調器86上に入射される光の一部は、充分な数の反射後、干渉変調器86によって実質的に吸収されることがある。吸収による光のこの損失を減らし、最小化し、又は防止するために、光学絶縁層88bは、ガラス基板85と干渉変調器86との間に配置されることができる。以下に詳述するように、光学絶縁層88bは、有利にガラス基板85より実質的に低い屈折率を有する。その結果、光は光導波部81を通って進み、ある角度でガラス/光学絶縁層の界面に例えば、臨界角(例えば、40°又は50°より大きい)大きな斜角又すれすれ角(grazing angle)で当たり、照明装置80の光導波部分81内へと全反射して戻る。様々な種実施形態において、光学絶縁層は、二酸化ケイ素又はフッ素化した二酸化ケイ素を備える。
また、他の材料も使用され得る。
【0055】
特定の実施形態において、光導波部分81を備える複数の光学層、ここでは光転向フィルム82及びガラス基板85、の屈折率は、有利なことに互いに近いので、光が実質的に反射されることなく複数の光学層を通って伝達され得る。基板85は、例えば、1.52の屈折率を有することができる。上述の通り、特定の実施形態において、基板85はガラス又はポリマー材料を含むことができる。
【0056】
幾つかの実施形態では、基板85の屈折率は、光転向フィルム82の屈折率より低い。そのような設計では、基板85と転向特徴体82aとの間の界面上の大きな入射角(例えば70°から90°)で入射される光の一部分は反射されて戻り、光が光源83の反対側に光転向フィルム82の端部まで導波される。例えば、光転向フィルム82の効率は高いとき、このような構成は、ディスプレイ素子86上の導波される光の配布の均一性が改善され得る。
【0057】
ある実施形態では、照明装置80の光導波部分81又は他の部分は、例えば感圧接着剤(PSA)層のような接着層を更に備える。PSA層は、拡散層84、光転向フィルム82、及びガラス基板85を付着するために用いてもよい。様々な種実施形態において、PSA層は、通常、約1.47〜1.53の屈折率を有すると共に透明であり、屈折率が可視スペクトルの波長に対して屈折率が1.52であるガラス基板85の屈折率に合致する。例えば、特定の実施形態で、PSA層の屈折率は、約1.53である。PSA層の屈折率をガラス基板85及び光転向フィルム82と適合させることは、周囲から、又は、基板85と光転向フィルム82との間における光導波路の光源から生じる不必要な反射を防止するのに有利である。また、そのような接着層も、どこかに用いられ得る。複数の層を一緒に付着するための変形例が使われることもできる。
【0058】
光がディスプレイ素子86の方へ方向が変えられるように、また、戻された光の伝播方向がディスプレイ素子の表面に法線から45°未満の角度をなすように、光転向フィルム82の複数の転向特徴体82aは光導波路81において正常に導波される光を向かせる。従って、光は、光導波路及びディスプレイ素子86のアレイに対して実質的に垂直に、光導波部分81の厚みを通って方向が変えられて、おそらく直角入射又はそれに実質的に近い状態でディスプレイ素子86に伝達される。ある実施形態では、転向特徴体82aは、複数の表面特徴体部又は体積特徴体を含むことができる。幾つかの実施形態では、光転向フィルム82は回折光学要素を備える。そして、転向特徴体は光転向フィルム82で幅方向にわたって延びている回折特徴体を備える。回折光学要素は、光転向フィルム82で幅方向に延びる体積特徴体又は表面特徴体を備えることができる。ある実施形態では、光転向フィルム82はホログラム特徴体を備える。そして、転向特徴体82aはホログラフィック特徴体を備える。ホログラム特徴体は、光転向フィルム82で幅方向にわたって延びるホログラフィック体積特徴体又は表面特徴体を備えることができる。ホログラムフィルムは、プラスチックキャリア上に配置されていてもよい。
【0059】
代替的に、転向特徴体82aは、光転向フィルム82の幅に沿って延びている複数のマイクロプリズムを含むことができる。マイクロプリズムは、光転向フィルム82の幅に沿って伝播している光5を受光しして、通常70°〜90°の間で大きな角度で光5を向かせるように構成され得る。プリズム微細構造は、全反射を介して光を反射するために互いにある角度に曲がっている2つ以上の転向ファセット(turning facets)を備えることができ、光を垂直入射又はほぼ垂直入射でディスプレイ素子86のアレイに向かせる。プリズム微細構造は、キャリア上に配置されているフィルムに含まれることができる。転向特徴体のサイズ、形状及び分離が変化できることに注意されたい。光転向フィルムは、回析的、ホログラフィック的、プリズム的、その他、様々なタイプが可能である。したがって、異なるサイズ、形状、構成及び配置が、適用可能である。
【0060】
転向特徴体82aによって戻られた後、光5はそれが調整されることができる干渉変調器86の方へ光導波領域81の厚みを通って伝達され、ディスプレイ装置上に画像を提供するためにディスプレイ装置の前で配置するビューア(viewer)の方へ光導波部分81によって、反射されて戻される。この反射光は、図8の矢印89によって、図式的に表される。
【0061】
様々な実施形態において、光転向フィルム82によって、光導波部分81に実質的に垂直になる光のように急な角度(ディスプレイ素子の法線により近い)で光導波部分81を通って伝搬する光又は周囲の光は、低い反射を有する層の間の界面によって伝達される。
この垂直に入射される光又は垂直に近い角度で入射される光は、そのパワー(power)又はフラックス(flux)の損失が約0.5%未満であることが好ましく、そのパワー又はフラックスの損失が約0.1%未満であることがより好ましい。
【0062】
上記の通りに、代替的な実施形態では、光転向フィルム82及び拡散層84は、キャリア82b、84bを含む必要はない。例えば、拡散層84は、光散乱特徴体(light diffusing characteristics)を提供するため、その内部に散在する微粒子のような光拡散特徴体又は光散乱特徴体を有する透明な粘着性又は他の材料を備えることができる。この設計はキャリア84bの必要性を取り除くことによって、全体の表示照明装置80の厚みを更に減少させることができ、それによって、幾つかの実施形態において、拡散層84が約25μm〜100μmの厚みになるようにすることができる。
【0063】
図9は、ディスプレイ装置の照明装置80の他の実施形態を示す。本実施形態において、反射防止層90が拡散層84の前方に配置される。この特定の実施形態では、反射防止層90は、拡散層84aを支持するキャリア84b上に配置される。他の実施形態は、異なって構成されることができる。例えば、一つ以上の層は、拡散層84と反射防止層90の間に配置されることができる。また、拡散層84は、異なる構成であり得る。幾つかの実施形態では、例えば、上記の通りに、キャリア84bを、除かれ得る。
【0064】
様々な実施形態において、反射防止層90は、照明装置80から周辺光の反射を減らす。ビューアが光変調器86のアレイから反射された変調された光と共に変調されていない光という反映環境を見るとき、このような反射された周辺光は装置のコントラストを減少させ得る。
【0065】
反射防止層90は、反射を減らす一つ以上の層を備えることができる。例えば、反射防止層90は、照明装置80(例えば、拡散体層84)と環境(又は反射防止層の前方の層)の間に屈折率整合を増加させる透明な絶縁体でもよい。幾つかの実施形態では、反射防止層90は、例えば、4分の1波長積層体の干渉積層体のような多層積層体を備える。様々な反射防止層は、可能である。
【0066】
図9も、照明装置80の構造における他の可能な変形例を示す。クラッド88aは、光転向フィルム82と拡散体層84との間に配置されて示される。例えば、このクラッド88aは、例えば、光転向フィルム82、及びおそらく基板85の屈折率より低い屈折率を有する材料を備えることができる。したがって、クラッド88aは、全反射を介して光導波領域81内に光の伝播を補助できる。より低い屈折率を有するクラッド88aを用いると、拡散体層84aの屈折率は、光転向フィルム82の屈折率より低いものに限定されいない。他の実施態様において、拡散体層84は、図8と関連して上で検討したように、クラッド88aの一部を形成することができる。他の変形例も、可能である。
【0067】
図9において表される実施形態において、光転向フィルム82は、クラッド88aに付着する。図8に示されているように、転向特徴体82aを支持するための分離されたキャリア82bは、構造における可能な変形例を説明するために、図9に含まれていない。基板85又はクラッド88aは光転向フィルム82のための構造支持体を提供することができ、又は光転向フィルムはそれ自身で十分に硬くてもよい。幾つかの実施形態では、光転向フィルム82は、プリズム状のフィルムを備える。他の実施態様において、光転向フィルム82は、回析層又はホログラフィック層を備える。更に他の変形例が可能である。
【0068】
図10は、ディスプレイ装置の照明装置80の他の実施形態を示す。本実施形態において、カバーレンズ又はタッチパネル100は、拡散層84の前方に配置されている。他の実施態様において、カバーレンズ又はタッチパネル100は、その代わりに、平坦なカバープレートを備えることができる。この特定の実施形態では、カバーレンズ又はタッチパネル100は、拡散体層84に配置されている。他の実施形態は、異なって構成されることができる。例えば、一つ以上の層が、拡散体層84とカバーレンズ又はパネル100との間に配置され得る。
【0069】
カバーレンズ100は、正度数(positive power)又は負度数(negative power)の光学要素を備えることができる。カバーレンズ100は、屈折レンズ又は回析(例えば、ホログラフィック)レンズを備えることができる。幾つかの実施形態では、複数の微(lenslets)は、拡散層84の前方に配置されてもよい。
【0070】
タッチパネル100は、ユーザが照明装置80又はディスプレイ装置の一部分を触ってデータを入力することができ、オプションを選択でき、又は、ディスプレイ装置を制御できるように様々なタッチパネルを備えることができる。更に進化されたタッチパネル100が、用いられることもできる。
【0071】
図10も、照明装置80の構造における他の可能な変形例を示す。例えば、図10において表される実施形態において、拡散体層84はカバーレンズ又はタッチパネル100と、光転向フィルム82のためのキャリア82bと、に取り付けられる。図8及び図9に示されているように、分離されたキャリア84bは、可能性のある構造における変形例を示すために、図10に含まれていない。カバーレンズ又はタッチパネル100と、光転向フィルム82のためのキャリア82bとによって、拡散体層84のための構造的な支持を提供する。または、拡散体層は、それ自体が構造的に硬くてもよい。幾つかの実施形態では、拡散体層84は、例えば、カバーレンズ又はタッチパネル100を光転向フィルム82に付着する接着層を備える。接着層は、光を拡散するために、その中に微粒子のような拡散特徴体又は散乱特徴体を含むことができる。幾つかのの実施形態において、拡散層84は、ゲルを含むこともできる。ゲルは、光を拡散するために、その中に微粒子のような拡散特徴体又は散乱特徴体を含むことができる。ゲルはカバーレンズ又はタッチパネル100と光転向フィルム82及び転向特徴体82aとの光学的な結合を提供する。更に他の変形例が、可能である。様々な実施形態において、散乱特徴体は、少なくともそれの一部分が光導波路81のためのクラッドである材料内に配置されている。このような実施形態では、少なくともマトリクス材料の一部は、散乱特徴体と光導波路81との間に配置され得る。従って、散乱特徴体はクラッド内に配置されていてもよく、クラッドの少なくとも一部が散乱特徴体と光転向フィルムの間に配置される。
【0072】
図10は、様々な構成要素が照明装置80及び/又はディスプレイ装置に加えられることが可能であることを示す。付加反射防止層90、タッチスクリーン及び/又はレンズ100において、他の構成要素が、含まれることもできる。
【0073】
様々な他の代替配置構造も、可能である。例えば、構成要素(例えば、層)が、加えられ、取り除かれることができ、又を再配置できる。同様に、処理及び方法ステップが、加えられ、取り除かれることができ、又を再配置できる。また、本願明細書において、用いられたフィルム及び層という用語が用いられているが、本明細書で用いられるそのような用語はフィルム積層体及び多層を含む。そのようなフィルム積層体及び多層は、接着剤で他の構造に付着されるか又は堆積又は他の方法で形成され得る。
【0074】
従って、本発明が特定の実施形態及び実施例の文脈に沿って説明されてきたが、本発明がその本発明及び明らかな変更態様及び等価物の他の別の実施形態及び/又は用いられる能力に特に開示された実施形態を越えて更に延伸することは当業者によってよく理解されている。更に、本発明の幾つかの変形例が示されると共に説明されたが、特許請求の範囲内である他の変更例はこの開示に基づいて当業者にとって明らかに自明である。実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組合せ又は下位組合せが作られることができて、まだ本発明の範囲内になることができることも考えられる。開示された実施形態の様々な特徴及び態様が開示発明の様々なモードを形成するために互いと結合されることができ、又は置き換えることが可能であることを理解すべきである。このように、本願明細書において開示された本発明の範囲が開示されて上記の特定の実施形態により制限されず、特許請求の範囲を公平に読むことにでのみ決定されなければならない。
【符号の説明】
【0075】
20・・・基板
86・・・ディスプレイ素子
82・・・転向フィルム
84a・・・散乱特徴体
88a・・・クラッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部において、光を導波するように構成される基板と、
前記基板で支持されて支えられていると共に前記基板の後方にある複数のディスプレイ素子と、
前記基板の前方にあると共に、前記基板内において導波された光を前記複数のディスプレイ素子の方へ向かせるように構成される転向フィルムと、
前記転向フィルムの前方にある複数の散乱特徴体と、
前記転向フィルム及び前記基板内において、光が導波されるように、前記転向フィルムと複数の散乱特徴体との間に配置されたクラッドと、
を備える、ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記基板がガラス又はプラスチックを備える、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記複数のディスプレイ素子がマイクロ電気機械システム(MEMS)構造を備える、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記MEMS構造が第1反射面及び第2反射面を備え、前記第1反射面及び前記第2反射面のうち少なくとも一方が前記第1反射面及び前記第2反射面のうちの他方に対して移動可能である、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記複数のディスプレイ素子が干渉変調器を備える、請求項4に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記基板と前記ディスプレイ素子との間に光学絶縁層を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記光学絶縁層が、前記基板より低い屈折率を有する、請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記光学絶縁層が二酸化ケイ素又はフッ素化二酸化ケイ素を備える、請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記転向フィルムがホログラフィック層を備える、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記ホログラフィック層がプラスチックキャリア上に配置されている、請求項9に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記転向フィルムがプリズム状のフィルムを備える、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記プリズム状のフィルムがプラスチックキャリア上に配置されている、請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記転向フィルムが前記基板に直接接しているか又は接着剤で前記基板に直接付着されている請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記転向フィルムが、プラスチックキャリア上に配置されており、前記プラスチックキャリアが前記基板に直接接しているか又は接着剤で前記基板に直接付着されている、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
前記散乱特徴体が前記クラッドに含まれる、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
前記クラッドが前記散乱特徴体を備える散乱体層と前記転向フィルムとの間に配置されている、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
前記クラッドが十分に低い屈折率を有する低屈折率材料を備え、前記光が前記転向フィルム及び前記基板内において、導波される、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項18】
前記低屈折率材料が、前記転向フィルムより低い屈折率を有する、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項19】
前記低屈折率材料が、前記基板より低い屈折率を有する、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項20】
前記低屈折率材料が、1.48未満の屈折率を有する、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項21】
前記散乱特徴体が前記低屈折率材料に配置されている拡散微粒子を備える、請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項22】
前記低屈折率材料が接着剤を備える、請求項21に記載のディスプレイ装置。
【請求項23】
前記散乱特徴体が拡散体層に配置されている、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項24】
前記拡散体層が前記転向フィルムに直接接しているか又は接着剤で前記転向フィルムに直接付着されている、請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項25】
前記転向フィルムがプラスチックキャリア上に配置されており、前記プラスチックキャリアが前記拡散体層に直接接しているか又は接着剤で前記基板に直接付着されている請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項26】
前記転向フィルム及び前記拡散体層が複数のプラスチックキャリア上に配置されており、前記複数のプラスチックキャリアが互いに直接に接しているか又は接着剤で互いに直接付着されている、請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項27】
前記拡散体層がプラスチックキャリア上に配置されており、前記プラスチックキャリアが前記転向フィルムに直接接しているか又は接着剤で前記転向フィルムに直接付着されている、請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項28】
前記拡散体層が、前記ホログラフィック層より低い屈折率を有する、請求項9に記載のディスプレイ装置。
【請求項29】
前記拡散体層がゲルを備える、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項30】
反射防止コーティングを更に備え、拡散体層の前方の前記反射防止コーティングが前記散乱特徴体を備える、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項31】
少なくとも一つの前記複数のディスプレイ素子と電気的に繋がっていると共に画像データを処理するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサと電気的に繋がっているメモリデバイスと、
を更に備える、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項32】
前記少なくとも一つの前記複数のディスプレイ素子に少なくとも一つの信号を送信するように構成されるドライバ回路を更に備える、請求項31に記載のディスプレイ装置。
【請求項33】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部を送信するように構成されるコントローラを更に備える、請求項32に記載のディスプレイ装置。
【請求項34】
前記画像データを前記プロセッサに送信するように構成される画像ソースモジュールを更に備える、請求項31に記載のディスプレイ装置。
【請求項35】
前記画像ソースモジュールが、受信機、送受信機及び送信機の少なくとも一つを備える、請求項34に記載のディスプレイ装置。
【請求項36】
入力データを受信して、前記プロセッサに前記入力データを通信するように構成される入力装置を更に備える、請求項31に記載のディスプレイ装置。
【請求項37】
画像を表示するための表示手段と、
前記表示手段を支持すると共に、前記表示手段の前方に配置されており、且つ内部において、光を導波するように構成される支持手段と、
前記支持手段内において導波された光を、前記表示手段の方に向かせると共に前記支持手段の前方に位置する転向手段と、
前記転向手段の前方に配置されている光を散乱させる散乱手段と、
前記転向手段からの光を前記転向手段に再方向付けし、前記光を前記転向手段及び前記支持手段内で導波されるようにすると共に、前記転向手段と前記光散乱手段との間に配置される光の方向を変える光リダイレクト手段と、
を備える、ディスプレイ装置。
【請求項38】
前記表示手段が複数のディスプレイ素子を備える、請求項37に記載のディスプレイ装置。
【請求項39】
前記複数のディスプレイ素子が干渉変調器を備える、請求項38に記載のディスプレイ装置。
【請求項40】
前記支持手段が基板を備える、請求項37に記載のディスプレイ装置。
【請求項41】
前記光散乱手段が散乱特性体を備える、請求項37に記載のディスプレイ装置。
【請求項42】
前記転向手段がホログラフィック層又はプリズム状の層を備える、請求項37に記載のディスプレイ装置。
【請求項43】
前記光リダイレクト手段がクラッドを備える、請求項37に記載のディスプレイ装置。
【請求項44】
後方に複数のディスプレイ素子を有すると共に内部において光を導波するように構成された基板を形成する段階と、
前記基板の前方に転向フィルムを配置させる段階であって、前記転向フィルムが前記基板及び該転向フィルム内において、導波された光を前記複数のディスプレイ素子へ向かせるように構成する段階と、
前記転向フィルムの前方に複数の散乱特徴体を形成する段階と、
光が前記転向フィルムと前記基板とに導波されるように、前記転向フィルムと前記散乱特徴体との間にクラッドを配置する段階と、
を備える、ディスプレイ装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−508898(P2011−508898A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537000(P2010−537000)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/085026
【国際公開番号】WO2009/076075
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】