説明

減電圧リニアモータシステムおよびその方法

リニアモータシステムが、螺刻された通路を有する要素と、螺刻されたシャフトと、駆動システムとを含む。螺刻されたシャフトは、螺刻された通路の少なくとも一部を通して延在しかつそれと少なくとも部分的に係合されている、回転軸を有する。駆動システムは、要素に動作可能に接続された少なくとも2つの部材を備える。2つの部材はそれぞれ、2つ以上の圧電層と、圧電層のそれぞれの対向する表面に連結されている電極とを備える。部材は、回転軸に沿った方向に拡張および収縮するように構成されている。駆動システムは、要素に振動を与え、螺刻されたシャフトを、要素を通して、同時に、回転、および回転軸に沿った方向に平行移動させ、かつ回転軸に沿った方向に軸方向力を印加するように構成されている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年8月18日出願の米国特許出願番号第12/228,923号の恩典を主張するものであって、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、モータシステムおよびその方法に関し、より具体的には、減電圧リニアモータシステムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0003】
圧電技術を使用した変換器は、ナノメートル規模における精密な位置調節のために使用される。典型的には、圧電デバイスは、帯電および放電時に形状を変化させるコンデンサに形成されるセラミックを含む。これらの圧電デバイスは、その形状変化特性(すなわち、振動)によって、位置調節アクチュエータとして使用することができる。そのような圧電デバイスが、位置調節アクチュエータとして使用される場合、セラミックの形状変化は、セラミックにわたって印加される電圧差に略比例する。
【0004】
リニアモータは、圧電生成振動を使用し、高速、高トルク、小型サイズ、および静動作で、螺刻されたシャフトの継続的移動をもたらす。例示的な先行技術のリニアモータは、螺刻された要素またはナットを支持するシリンダを含む。シリンダは、4つの対称的に位置付けられた圧電変換器を含み、±90度位相シフトを伴う超音波領域内の第1の曲げモード共振周波数において、直角曲げモードのシリンダを同時に励起し、円形軌道を生成する。螺刻された要素は、螺刻されたシャフトを直線的に移動させる螺刻されたシャフトを回転させるトルクを生成する共振周波数において、シリンダの中心線を周回する。
【0005】
このリニアモータは、典型的には、約40ボルトで動作する。しかしながら、携帯電話、カメラ等における光学システムは、典型的には、約3ボルトのバッテリのみを含む。これらのデバイスは、電圧を増加および/または昇圧させるように変圧器またはDC−DCブースト回路を使用することなく、意図された通りにモータを動作させるのに十分な電圧を供給することは、単純には不可能である。変圧器は、例えば、携帯電話用カメラに追加の回路、容積、重量、および追加費用を付加する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態による、リニアモータシステムは、螺刻された通路を有する要素と、螺刻されたシャフトと、駆動システムとを含む。螺刻されたシャフトは、螺刻された通路の少なくとも一部を通して延在しかつそれと少なくとも部分的に係合されている、回転軸を有する。駆動システムは、要素に動作可能に接続された少なくとも2つの部材を備える。2つの部材はそれぞれ、2つ以上の圧電層と、それぞれの圧電層の対向する表面に連結された電極とを備える。部材は、回転軸に沿った方向に拡張および収縮するように構成される。駆動システムは、要素に振動を与え、螺刻されたシャフトを、要素を通して、同時に、回転、および回転軸に沿った方向に平行移動させ、かつ回転軸に沿った方向に軸方向力を印加するように構成される。
【0007】
本開示の他の実施形態による、光学レンズアセンブリは、リニアモータシステムと、光学レンズとを含む。リニアモータシステムは、螺刻された通路を有する要素と、螺刻されたシャフトと、駆動システムとを備える。螺刻されたシャフトは、螺刻された通路の少なくとも一部を通して延在しかつそれと少なくとも部分的に係合されている、回転軸を有する。駆動システムは、要素に振動を与え、螺刻されたシャフトを、要素を通して、同時に、回転、および回転軸に沿った方向に平行移動させ、かつ回転軸に沿った方向に軸方向力を印加する、少なくとも2つの部材を備える。少なくとも2つの部材はそれぞれ、回転軸に沿った方向に拡張および収縮するように構成される、2つ以上の圧電層を備える。光学レンズは、リニアモータシステムに連結される。リニアモータシステムは、回転軸に沿った方向と実質的に平行の方向に光学レンズを移動させるように構成される。
【0008】
本開示の他の実施形態による、装填材料を駆動させるための方法は、回転軸を有し、要素内の螺刻された通路の少なくとも一部を通して延在し、かつそれと少なくとも部分的に係合されている螺刻されたシャフトに、装填材料を動作可能に接続することを含む。回転軸に沿った方向に拡張および収縮するように構成され、要素に接続された少なくとも2つの部材に、振動を与え、螺刻されたシャフトを、装填材料を移動させる要素を通して、同時に、回転、および回転軸に沿った方向に平行移動させる。2つの部材はそれぞれ、2つ以上の圧電層と、それぞれの圧電層の対向する表面に連結された電極とから成る。
【0009】
本開示の他の実施形態による、リニアモータを作製するための方法は、螺刻されたシャフトを要素の螺刻された通路内の回転軸と少なくとも部分的に係合することを含む。駆動システムの少なくとも2つの部材を要素に接続する。2つの部材はそれぞれ、2つ以上の圧電層と、それぞれの圧電層の対向する表面に連結された電極とを備える。圧電層はそれぞれ、回転軸に沿った方向に拡張および収縮するように構成される。駆動システムは、要素に振動を与え、螺刻されたシャフトを、要素を通して、同時に、回転、および回転軸に沿った方向に平行移動させ、かつ回転軸に沿った方向に軸方向力を印加するように構成される。
【0010】
本開示は、より効率的かつよりコンパクトなリニアモータシステムを提供することを含め、いくつかの利点をもたらす。リニアモータシステムは、DC−DCブースター回路および/または変圧器を使用せずに、約2.8ボルトで直接動作可能である。リニアモータシステムは、単なる例にすぎないが、カメラのオートフォーカスシステムおよびオートズームシステム等、種々の異なる用途において、種々の異なる装填材料を移動させるために使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本開示の実施形態による、リニアモータシステムの斜視図である。
【図1B】図1Aに例証される、リニアモータシステムの駆動システムの部分的拡大図である。
【図2】図1Aのリニアモータシステムの分解斜視図である。
【図3】図1Bの駆動システムの部材の断面側面図である。
【図4】本開示の実施形態による、2つのフルブリッジ駆動システムの略図である。
【図5】図1Aのリニアモータシステムを駆動するための駆動システムによって印加される、電気信号の実施例の略図である。
【図6】図1Aのリニアモータシステムのための電気接続を詳述する表である。
【図7】図1Aに例証されるリニアモータシステムの例示的な楕円軌道を例証する略図である。
【図8】本開示の実施形態による、2つのリニアモータシステムを伴う光学システムを例証する略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態による、リニアモータシステム100が、図1A〜図1Bおよび2に例証される。リニアモータシステム100は、螺刻された通路を有する要素110と、螺刻されたシャフト120と、駆動システム130とを含む。リニアモータシステム100は、他の種類および数のシステム、デバイス、および他の手法で接続される構成要素を含むことが可能である。本開示は、よりコンパクトかつ効率的なリニアモータシステムを提供する。
【0013】
図1Aを参照すると、リニアモータシステム100は、装填材料(例えば、光学レンズ)を直線方向に移動させるような力を生成する。リニアモータシステム100は、他の種類の装填材料を他の方向に移動させることも可能であることが想定される。要素110の内側通路は、部分的に螺刻可能または全体的に螺刻可能である。螺刻されたシャフト120は、それを中心として螺刻されたシャフト120が回転する、回転軸125を有する。また、螺刻されたシャフト120は、回転軸125に沿った方向に平行移動もする。いくつかの実施形態では、螺刻されたシャフト120は、少なくとも1つの丸みのある端部122を含む。丸みのある端部122は、摩擦力を軽減し、装填材料を移動させるための力を印加する補助をする。
【0014】
いくつかの実施形態によると、駆動システム130は、4つの部材132a〜dと、フレックス回路140と、フルブリッジ駆動システム150とを備える。駆動システム130は、他の数および種類の構造を備えることも可能であることが想定される。各部材132a〜dは、その厚さT(図2に図示)にわたって、電圧差を受けると、長さを変化させるように構成される。具体的には、部材132a〜dは、螺刻されたシャフト120の回転軸125に沿った方向に拡張および/または収縮可能である。部材132a〜dはそれぞれ、2つ以上の圧電層を備える。いくつかの実施形態では、部材132a〜dは、約5個〜約25個の圧電層を備える。いくつかの実施形態では、部材132a〜dは、約13個の圧電層を備える。
【0015】
圧電層はそれぞれ、対向する表面に連結されている一対の電極を有する。圧電層および電極の配向ならびに配列の実施例は、図1Bおよび3に最も良く表され、その両方に関しては、以下に詳述される。再び図1Aを参照すると、部材132a〜dはそれぞれ、セラミック材料から作製され、プレートの形状で、多層圧電変換器内に内部伝導性電極とともに共焼成される。いくつかの実施形態では、他の種類および形状の圧電材料ならびに部材132a〜dを形成するための他の手法も可能であることが想定される。
【0016】
また、フレックス回路140は、電気連結器とも称され得る。フレックス回路140は、各圧電層間に位置付けられた電極と、フルブリッジ駆動システム150とを電気的に連結する。フレックス回路140は、電気端子142が、部材132a〜d上の「L」型電極134a〜dおよび136a〜d(図2に図示)と整合し、電気的に連結するように、要素110の周囲に屈設および/または巻設されるように構成される。フレックス回路140は、少なくとも4つの異なる電気信号470A〜D(図4に図示)を種々の電気端子142に搬送する、少なくとも4つの電気トレース144a〜dから成る。
【0017】
フルブリッジ駆動システム150は、電圧源461から成り、方形波電圧信号を提供する、4つの信号出力154a〜dを有する。他の種類および数の電圧信号、駆動回路、およびより多い、またはより少ない出力を伴うシステムも使用可能であることが想定される。4つの信号出力154a〜dはそれぞれ、それぞれの電気トレース144a〜dに電気的に接続し、フレックス回路140を介して、方形波電圧信号のうちの1つを分配する。フルブリッジ駆動システム150は、部材132a〜dのそれぞれにおける各圧電層にわたって、電圧差を効果的に2倍にし、ハーフブリッジ回路と比較して、機械的出力を2倍にする。そのようなフルブリッジ駆動システムの使用は、システムの入力電圧および電力要件を低減可能であるが、ハーフブリッジ回路システム等の他の種類のシステムも、依然として使用可能である。フルブリッジ駆動システムの構成要素および動作は、当業者に周知であるため、本明細書では、詳細に説明されない。
【0018】
図1Bを参照すると、いくつかの実施形態による、駆動システム130の部分的拡大図が示される。より具体的には、多層圧電部材132a、b、およびdの一実施例が示される。部材132aを参照すると、複数の圧電層133が、第1および第2の組の織り込み電極134、136とともに示される。第1の組の織り込み電極134は、共通して、「L」型電極134aに接続される。同様に、第2の組の織り込み電極136は、共通して、対向する「L」型電極136aに接続される(図2に図示)。「L」型電極134aは、電気トレース144cを介して、フルブリッジ駆動システム150に電気的に連結される端子142に、電気的に第1の組の織り込み電極134を接続する。同様に、対向する「L」型電極136aは、同様に、電気トレース144dを介して、フルブリッジ駆動システム150に電気的に連結される端子(1Bに図示せず)に第2の組の織り込み電極136を電気的に接続する。同様に、部材132b〜dは、それぞれ、複数の圧電層と、第1および第2の組の織り込み電極134、136と、「L」型電極134b〜d、136b〜dとを備える。
【0019】
いくつかの実施形態によると、圧電層133のそれぞれは、約14マイクロメートルの厚さTを有するが、圧電層133のそれぞれに対して、他の厚さおよび/または多様な厚さも使用可能である。圧電層133は、約5マイクロメートル〜約40マイクロメートルの厚さTを有することが可能であることが想定される。複数の薄い圧電層133(例えば、約5マイクロメートル厚〜約40マイクロメートル厚)を使用して、部材132a〜dのそれぞれを形成することは、厚モノリシック圧電層(例えば、約200マイクロメートル厚)を使用する場合に可能な電圧よりも、使用される電圧を低くすることを可能にする。具体的には、比較的薄い圧電層133は、厚いモノリシック圧電層と比較して、比較的小さい電圧差が、各圧電層の厚さTにわたって印加される場合、回転軸125に沿った方向に、同一量だけ拡張および/または収縮する。したがって、多層圧電部材(例えば、部材132a〜d)は、回転軸125に沿った方向に、モノリシック圧電部材と同一量の拡張および/または収縮が可能であるが、より小さい電圧差を印加による。例えば、典型的な先行技術のモノリシック圧電部材は、動作のために約40ボルトを必要とするが、多層圧電部材(例えば、部材132a〜d)は、動作のためにわずか約2.8ボルトのみを必要とする。以下に詳述されるように、部材132a〜dの拡張および/または収縮は、要素110を屈曲および/または振動させる。要素110のこれらの振動は、螺刻されたシャフト120を直線的に駆動し、螺刻されたシャフト120によって装填材料に力を印加させる。
【0020】
図2を参照すると、いくつかの実施形態による、リニアモータシステム100の分解斜視図が示される。螺刻されたシャフト120は、要素110の螺刻された通路内の位置に螺入可能である。部材132a〜dのそれぞれの底面は、要素110の対応する外側表面に硬く取り付けられる。部材132a〜dは、種々の糊および/または接着剤を使用して、要素110に取り付け可能であることが想定される。
【0021】
フレックス回路140は、部分的に折りたたまれた位置に示される。フレックス回路140は、ある場所で屈曲されるように予め配置され、フレックス回路140を部材132a〜dおよび要素110の周囲に巻設する補助をすることが可能である。フレックス回路140は、8つの端子142と、フルブリッジ駆動システム150の4つの信号出力154a〜dに取り付けられる4つの電気トレース144a〜dとを備える。電気トレース144a〜dはそれぞれ、各電気トレース144a〜dが、2つの異なる端子142に電気的に取り付けられるように、フレックス回路140の種々の層内に位置付けられる。いくつかの実施形態では、フレックス回路140は、8つの電気トレースを備え、8つの電気トレースはそれぞれ、電気的に8つの端子142のうちの1つに電気的に取り付けることが可能であることが想定される。いくつかの実施形態では、フレックス回路140は、予め配置された屈曲線に沿って、いくつかの孔147をさらに含み、フレックス回路140を部材132a〜dおよび要素110の周囲に巻設する補助をさらに行うことが可能である。電気トレース144a〜dの例証される経路は、一例にすぎず、電気トレース144a〜dの経路の実際のレイアウトを限定するものとしては意図されない。電気トレース144a〜dを部材132a〜dに接続する方法の一実施例として、図5および6を参照する。
【0022】
各部材132a〜dは、それぞれ、2つの「L」型電極134a〜dと、136a〜dとを備える。いくつかの実施形態によると、「L」型電極134a〜d、136a〜dはそれぞれ、それぞれ、第1および第2の組の織り込み電極134、136と電気的に連結される。「L」型電極は、部材132a〜dの外側表面に取り付け可能であるか、または部分的に内側表面に取り付け可能である。換言すると、「L」型電極134a〜d、136a〜dは、部材132a〜dの外側表面のうちの1つ以上の上に完全に露出されるか、または部分的にのみ露出されることが可能である。しかしながら、「L」型電極134a〜d、136a〜dのそれぞれの少なくとも一部は、「L」型電極134a〜d、136a〜dが、隣接するフレックス回路140上の端子142のうちの1つと電気的に連結可能であるように、部材132a〜d上に位置付けられなければならない。要素110は、回転軸125に垂直な少なくとも2つの節面を含み、部材132a〜dの振動振幅が、第1の曲げ共振モードに対して最小となる。いくつかの実施形態によると、部材132a〜dのそれぞれに対して、端子142のうちの1つは、要素110の2つの節面のそれぞれに実質的に設置される。
【0023】
図3を参照すると、いくつかの実施形態による、複数の圧電層を有する部材132aの断面図が示される。多層圧電部材(例えば、部材132a〜d)は、Takahashiらの米国特許第4,523,121号およびMicromechatronics by Kenji Uchino and Jayne R.Giniewicz,chap.4(2003)(ISBN: 0−8247−4109−9)に記載のような任意の従来の技術、または任意の他の好適な技術に従って、作成することが可能である。部材132b〜dの断面は、部材132aの断面と同一である。部材132aは、複数の圧電層133と、第1の組の織り込み電極134と、第2の組の織り込み電極136とを備える。第1の組の織り込み電極134は、「L」型電極134aに電気的に接続される。第2の組の織り込み電極136は、「L」型電極136aに電気的に接続される。「L」型電極134a、136aは、部材132aの対向する端部に連結される。他の種類および数の電極および/または電気接続も想定される。
【0024】
第1の組の織り込み電極134内の電極のそれぞれ1つは、それぞれの圧電層の第1の表面に取り付けられ、第2の組の織り込み電極136内の電極の適合する1つは、同一のそれぞれの圧電層の第2の対向する表面に取り付けられる。例えば、電極134’および電極136’は、厚さTを有する、圧電層133’の対向する表面に連結および/または挟着された、第1の適合している対の電極を備える。「L」型電極134a、136aはそれぞれ、電圧源353に連結される。
【0025】
「L」型電極134a、136aは、フレックス回路140を介して、フルブリッジ駆動システム150に連結される。電圧差は、電圧源353を使用して、部材132aの厚さにわたって印加可能である。具体的には、電圧差は、第1および第2の組の織り込み電極134、136を使用して、圧電層133のそれぞれの厚さTにわたって印加可能である。いくつかの実施形態によると、圧電層133のそれぞれにおける電気双極子の配向に応じて、電圧差は、回転軸125に沿った方向に、部材132aの圧電層133それぞれを拡張および/または収縮させる。
【0026】
部材132a〜dはそれぞれ(図2に図示)、分極によって、製造プロセスの際に生成可能な正および負の極性137を有する。例えば、「L」型電極134aが、正であって、「L」型電極136aが、負である場合、電圧源353の2つの端子353aと353bとの間の電圧差が正となるように、「L」型電極134aと136aとの間に電圧差が印加されると、部材(例えば、部材132a〜d)は、収縮および/または縮小すると考えられる。加えて、2つの端子353aと353bとの間の電圧差が、負となるように、「L」型電極134aと136aとの間に電圧差が印加されると、部材(例えば、部材132a〜d)は、膨張および/または長さが増加すると考えられる。LからL’までの部材132aの長さの増加の一実施例は、点線132a’によって例証される。
【0027】
図4を参照すると、いくつかの実施形態による、第1および第2のフルブリッジ駆動システム150A、Bを例証する回路ブロック図が示される。第1および第2のフルブリッジ駆動システム150A、Bはそれぞれ、例えば、携帯電話、カメラ、またはPDA内のバッテリである可能性がある、電圧源152を含む。いくつかの実施形態によると、コントローラ回路480は、マイクロコントローラおよび/またはマイクロプロセッサと、第1のパルス幅変調(PWM)入力信号470(1)’および第2のPWM入力信号470(2)’を生成するための位相シフト回路とを含む。コントローラ回路480は、PWM入力信号470(1)’、470(2)’のうちの1つを、他方に対して90度位相シフトし、信号470(1)’、470(2)’を第1および第2のフルブリッジ駆動システム150A、Bに伝達するように構成される。具体的には、第1のPWM入力信号470(1)’は、第1のフルブリッジ駆動システム150Aに伝達され、第2のPWM入力信号470(2)’は、第2のフルブリッジ駆動システム150Bに伝達される。いくつかの実施形態によると、位相シフト回路は、制限回路と称することができる。
【0028】
第1のフルブリッジ駆動システム150Aは、第1のPWM入力信号470(1)’を増幅し、第1の電気信号470Aと第2の電気信号470Bとに分割する。電気信号470A、Bのうちの1つは、他の電気信号に対して180度位相シフトされ、部材132a、cの圧電層133のそれぞれにわたる実効電圧差を2倍にする。第1および第2の電気信号470A、Bは、フレックス回路140を介して、部材132a、cに伝達され、部材132a、cを駆動する。同様に、第2のフルブリッジ駆動システム150Bは、第2のPWM入力信号470(2)’を増幅し、第3の電気信号470Cと第4の電気信号470Dとに分割する。電気信号470C、Dのうちの1つは、他の電気信号に対して180度位相シフトされ、部材132b、dの圧電層133のそれぞれにわたる実効電圧差を2倍にする。第3および第4の電気信号470C、Dは、フレックス回路140を介して、部材132b、dに伝達され、部材132b、dを駆動する。
【0029】
いくつかの実施形態によると、フルブリッジ駆動システム150A、Bを使用して、第1および第2または第3および第4の電気信号470A、B、470C、Dをそのそれぞれの部材132a〜dに伝達することによって、駆動システム130は、共接地462が可能となる。電極134a〜dおよび136a〜dは、共接地に対して遊動し、独立して駆動され、先行技術リニアモータシステムにおいて典型的に必要とされるように、要素110に共接地線をハンダ付けするための必要性を排除する。要素110にハンダ付けされる共接地線を排除することは、リニアモータシステム100等のリニアモータシステムの作製にかかる時間および費用を削減する。
【0030】
図5を参照すると、それぞれの部材132a〜dに伝達される電気信号470A〜Dが、例証および図示される。第1の電気信号470Aは、同様に方形波電圧信号である第2の電気信号470Bから、約180度位相がずれた方形波電圧信号である。同様に、第3の電気信号470Cは、同様に方形波電圧信号である第4の電気信号470Dから、約180度位相がずれた方形波電圧信号である。第1および第2の電気信号470A、Bは、端子142を介して、第1の部材132a上のそれぞれの「L」型電極134aおよび136aに、また、第3の部材132c上のそれぞれの「L」型電極134cおよび136cに取り付けられる、電気トレース144c、dを通して伝達される。第3および第4の電気信号470C、Dは、端子142を介して、第2の部材132b上のそれぞれの「L」型電極134bおよび136bに、また、第4の部材132d上のそれぞれの「L」型電極134dおよび136dに取り付けられる、電気トレース144a、bを通して伝達される。図5に図示され、図4に例証される、「L」型電極134a〜dおよび136a〜dは、部材132a〜dのより長い方の縁上に設置可能であって、図1〜図3に示される「L」型電極134a〜dおよび136a〜dと電気的に等しい。
【0031】
図6を参照すると、部材132a〜dのための電気接続の一実施例を詳述する表が示される。表に示されるように、部材132a〜dはそれぞれ、「L」型電極134a〜dが正となり、「L」型電極136a〜dが負となるように、正および負の極性137を有する。
【0032】
図5および図6を参照して、いくつかの実施形態によると、第1の部材132aおよび第3の部材132cは、ともに動作する第1の対の対向する部材を備え、第2の部材132bおよび第4の部材132dは、ともに動作する第2の対の対向する部材を備える。第1の対の対向する部材に提供される電気信号470A、Bは、第2の対の対向する部材に提供される電気信号470C、Dに対して約90度位相シフトされ、螺刻されたシャフト120を、回転、および回転軸125に沿った方向に平行移動させる。図5に示されるように、正の90度位相シフトは、螺刻されたシャフト120の正または順方向平行移動をもたらし、負の90度位相シフトは、螺刻されたシャフト120の負または逆方向平行移動をもたらすと考えられる。いくつかの実施形態によると、電気信号の470A_Dの周波数は、モータシステム100の第1の曲げモード共振と実質的に同一である。ある電気信号および位相シフトについて説明されているが、信号470A〜Dの他の周波数範囲、形状、および位相差も企図されることが想定される。
【0033】
次に、図1A、図1B〜図6を参照して、リニアモータシステム100の動作について、説明する。上述のように、第1の部材132aおよび第3の部材132cは、電気信号470A、Bが印加されると、部材の一方が長さを増加し、他方の部材が長さを減少するのに伴って、ともに動作し、要素110を一方向に屈曲させる、対向する部材の第1の対を備える。同様に、第2の部材132bおよび第4の部材132dは、電気信号470C、Dが印加されると、部材の一方が、長さを増加し、他方の部材が、長さを減少するのに伴って、ともに動作し、要素110を直交方向に屈曲させる、対向する部材の第2の対である。
【0034】
フルブリッジ駆動システム150Aは、図4に示されるように、第1のPWM入力信号470(1)’を受信する。第1のPWM入力信号470(1)’は、電気信号470A、Bに分割され、一方は、他方に対して180度位相シフトされる。電気信号470A、Bはそれぞれ、電圧源152を使用して増幅され、フレックス回路140(図1A参照)を介して、対向する部材の第1の対に伝達される。電気信号470A、Bのそれぞれは、部材132a、cに取り付けられた2つの対向する「L」型電極134a、136aおよび134c、136cに伝達される(接続については図5〜図6参照)。具体的には、第1の電気信号470Aは、「L」型電極134aおよび136cに伝達され、第2の電気信号470Bは、「L」型電極136aおよび134c(「L」型電極の配向については図2参照)に伝達される。
【0035】
図3に関連して、「L」型電極134aは、第1の組の織り込み電極134と電気的に連結され、「L」型電極136aは、第2の組の織り込み電極136と電気的に連結される。同様に、「L」型電極134cは、第1の組の織り込み電極134と電気的に連結され、「L」型電極136cは、第2の組の織り込み電極136と電気的に連結される。そのそれぞれの組の織り込み電極134、136に対して、「L」型電極136aおよび134cは、第1の電気信号470Aを電気的に印加し、「L」型電極134aおよび136cは、第2の電気信号470Bを電気的に印加する。対向する組の織り込み電極への電気信号470A、Bの印加は、第1および第3の部材132a、c内の各圧電層133にわたって、電圧差をもたらす。
【0036】
フルブリッジ駆動システム150Aと同様に、フルブリッジ駆動システム150Bも、図4に示されるように、第2のPWM入力信号470(2)’を受信する。第2のPWM入力信号470(2)’は、電気信号470C、Dに分割され、一方は、他方に対して180度位相シフトされる。電気信号470C、Dはそれぞれ、電圧源152を使用して増幅され、フレックス回路140(図1A参照)を介して、対向する部材の第2の対に伝達される。電気信号470C、Dはそれぞれ、部材132b、dに取り付けられた2つの対向する「L」型電極134b、136bおよび134d、136dに伝達される(接続については図5〜図6参照)。具体的には、第3の電気信号470Cは、「L」型電極134bおよび136dに伝達され、第4の電気信号470Dは、「L」型電極136bおよび134dに伝達される(「L」型電極の配向については図2参照)。
【0037】
図3に関連して、「L」型電極134bは、第1の組の織り込み電極134と電気的に連結され、「L」型電極136bは、第2の組の織り込み電極136と電気的に連結される。同様に、「L」型電極134dは、第1の組の織り込み電極134と電気的に連結され、「L」型電極136dは、第2の組の織り込み電極136と電気的に連結される。そのそれぞれの組の織り込み電極134、136に、「L」型電極136bおよび134dは、第3の電気信号470Cを電気的に印加し、「L」型電極134bおよび136dは、第4の電気信号470Dを電気的に印加する。対向する組の織り込み電極への電気信号470C、Dの印加は、第2および第4の部材132b、d内の各圧電層133にわたって、電圧差をもたらす。
【0038】
フルブリッジ駆動システム150を含む、いくつかの実施形態によると電圧源152は、約8ボルトバッテリであって、各圧電層133の厚さTにわたる実効電圧差は、約16ボルトである。フルブリッジ駆動システム150を含む、いくつかの実施形態によると電圧源152は、約2.8ボルトバッテリであって、各圧電層133の厚さTにわたる実効電圧差は、約5.6ボルトである。フルブリッジ駆動システム150を含む、いくつかの実施形態によると、電圧源152は、約2ボルトバッテリであって、各圧電層133の厚さTにわたる実効電圧差は、約4ボルトである。種々の電圧出力を伴う、種々の種類のバッテリおよび電圧源(例えば、約2ボルト〜約16ボルト)が、駆動システム130内で使用される場合があることが想定される。
【0039】
図5に示されるように、電気信号470A〜Dは、電気信号470A、Bと電気信号470C、Dとの間に等振幅および90度位相シフトを伴う方形波であって、円形軌道をもたらす。次に、図7を参照すると、リニアモータシステム100の単一軌道サイクルが、一方向の回転および対応する電気信号振幅に対して、順次、90度の増分で、690、692、694、696、および698として示される。
【0040】
0度における第1の90度増分690を参照すると、上述のように、第1および第2の電気信号470A、Bを第1の対向する部材の対に印加することによって、部材132cを膨張および/または伸長させる一方、同時に、部材132aを収縮させる。回転軸125に沿った方向における、このような同時の要素110の片側の膨張および収縮要素110の反対側の収縮は、第1の90度増分690に示されるように、要素110を屈曲させる。円筒形屈曲および軌道移動は、X方向695a/695bとY方向696a/696bに示される。要素110は、隙間697bを伴う1つの場所697aにおける螺刻されたシャフト120の側面を反対側に接触させ、それによって、接触は、接線分力と、各軌道サイクルに対して、少量だけ螺刻されたシャフト120を回転698aおよび平行移動698bさせる移動を付与する。サイクルあたりの回転および平行移動量は、軌道振幅、螺刻されたシャフト120に作用する力の規模、ならびにネジの摩擦係数および表面仕上げを含む、多くの要因に依存する。
【0041】
図7に示されるように、要素110と螺刻されたシャフト120との間の隙間697bは、要素110の軌道運動をより明確に示すために誇張されている。いくつかの実施形態によると、要素110の軌道運動の振幅(軌道の直径)は、約0.5マイクロメートル〜約10マイクロメートルの範囲であって、振動周波数は、要素110の第1の曲げモード共振に対応する、約20,000Hz〜約500,000Hzの範囲である。要素110のネジおよび螺刻されたシャフト120のネジは、約25マイクロメートル〜約500マイクロメートルの範囲である、螺刻されたシャフト120の外径と要素110の内径の差であるネジの隙間と対合する。いくつかの実施形態によると、螺刻されたシャフト120の丸みのある端部122(図1Aに図示)に力が印加され、螺刻されたシャフト120ネジ面と要素110のネジ面との摩擦連結を補助する。いくつかの実施形態によると、軌道振動振幅は、螺刻されたシャフト120の螺刻された面に接線分力をもたらし、それによって、螺刻されたシャフトを回転および平行移動させる。これらの実施形態では、軌道振動周波数は、螺刻されたシャフト120の中心線が、実質的に固定されたままとなるように、十分に高いものである。
【0042】
いくつかの実施形態によると、要素110の接点697aと螺刻されたシャフト120との間の無滑動状態のため、サイクルあたりの螺刻されたシャフト120の移動は、名目上、軌道振動振幅に比例する。一般に、電気信号470A〜Dの振幅が増加するのに伴って、軌道直径も増加し、速度が上昇し、かつトルク/力も増大する。
【0043】
減電圧リニアモータシステム100を使用するいくつかの利点が存在する。例えば、リニアモータシステム100は、2つ以上の圧電層を使用し、必要入力電圧要件を低減する。具体的には、減電圧リニアモータシステム100は、入力電圧を昇圧または増加させるために、変圧器あるいはDC−DCブースト回路を必要としない。先行技術のリニアモータシステムの空間感応型モータシステムの大部分では、典型的バッテリ電圧源は、約2.8ボルトである。しかしながら、先行技術のリニアモータシステムは、モータを適切に動作させるために、約40ボルトを必要とする。したがって、モータを動作させるために、変圧器および/またはDC−DCブースト回路が必要とされる。先行技術のリニアモータシステムは、典型的には、携帯電話、カメラ、およびPDA内のオートズームならびにオートフォーカス用途において使用されるため、追加的な変圧器回路網の含有は、その他の点では小型である環境において、費用、容積、重量、占有空間の追加をもたらす。したがって、減電圧リニアモータシステム100は、追加的な変圧器回路を伴わずに動作することができ、依然として、携帯電話、カメラ、およびPDA内のオートズームならびにオートフォーカス用途のために使用される一方、より小さい占有面積を占める。上述の利点は、一例にすぎず、減電圧リニアモータシステム100は、他の利点も有し、それらのいくつかは、上述されている。
【0044】
図8を参照すると、本開示の実施形態による、光学システム700が示される。光学システム700は、それぞれ、リニアモータシステム701および702を利用して、レンズ782および784を制御および駆動するために使用される。リニアモータシステム701、702は、上述ならびに図1A、図1B、および図2に図示されるリニアモータシステム100と同一または類似である。光学システム700は、リニアモータシステム701、702と、電圧源752と、コントローラ回路780と、レンズ782、784と、画像センサ786と、画像信号プロセッサ(ISP)788と、変圧器790と、位置センサ792、794とを含む。光学システム700は、任意選択で、シャッタおよびアイリス796を含むことが可能である。
【0045】
いくつかの実施形態によると、電圧源752は、電力を変圧器790、画像信号プロセッサ788、およびコントローラ回路780に供給する。変圧器790を使用して、例えば、位置センサ792、794が、より高い動作電圧を必要とする場合、電圧源752によって供給される入力電圧を昇圧または増加可能である。コントローラ回路780は、変圧器を必要とせずに、電圧源752から電力を直接受給する。コントローラ回路780は、リニアモータシステム701、702を個々に制御する。コントローラ回路780は、1つ以上の電気信号(例えば、電気信号470A〜D)をリニアモータシステム701、702に送信し、レンズ782、784の位置に対してリニアモータシステム701、702を調節させることが可能である。
【0046】
いくつかの実施形態では、レンズ782は、オートフォーカスレンズであって、レンズ784は、光学ズームレンズである。レンズ782、784はそれぞれ、カバーを伴う筐体から成る。カバーは、レンズ782、784が、選択的に光を筐体に入射可能なように位置付けられる、開口を有する。いくつかの実施形態によると、コントローラ回路780は、シャッタ796を移動および/または調節することによって、カバー内の開口を開放し、それによって、レンズ782、784の一方または両方に光を通過して伝達させることが可能である。次いで、本光は、光学センサまたはデジタル画像センサと称される可能性がある、画像センサ786内で受光される。画像センサ786は、受光した光と関係付けられたデータおよび/または情報をもたらし、そのデータおよび/または情報を画像信号プロセッサ788に伝達し、画像を生成および/または保存する。
【0047】
いくつかの実施形態によると、リニアモータシステム701、702によって、レンズ782、784が調節されるのに伴って、位置センサ792、794は、筐体内のレンズ782、784の位置を監視および/または追跡し、位置信号をコントローラ回路780に送信する。位置信号は、レンズ782、784の位置調節を微調整するために、コントローラ回路780によって使用されることが可能である。
【0048】
リニアモータシステム100、701、および702等、リニアモータシステムのための種々の他の用途が存在する。例えば、そのようなリニアモータシステムのためのいくつかの代替用途は、「Ultrasonic Lead Screw Motor」と題された、米国特許第6,940,209号、「Mechanism Comprised of Ultrasonic Lead Screw Motor」、と題された、米国特許第7,339,306号、「Mechanism Comprised of Ultrasonic Lead Screw Motor」と題された、米国特許第7,170,214号、および「Mechanism Comprised of Ultrasonic Lead Screw Motor」と題された、米国特許第7,309,943号に見出され得、これらはすべて、同一譲受人であるNew Scale Technologies, Inc.に譲渡され、参照により、その全体が本明細書に全て組み込まれる。
【0049】
このように、本発明の基本概念が説明されたが、上述の詳細な開示は、一例としてのみ提示されることを意図しており、限定として意図されるものではないことは、当業者には明白であろう。本明細書に明示的に記載されないが、種々の変更、改良、および修正が、当業者には想起および意図されるであろう。これらの変更、改良、および修正は、本明細書によって示唆されることが意図され、発明の精神および範囲内とされる。加えて、列挙される処理要素またはシーケンスの順番、あるいは数字、文字、または他の記号表示の使用も、したがって、特許請求の範囲に指定され得る場合を除き、特許請求されるプロセスを任意の順番に限定することを意図するものではない。故に、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺刻された通路を有する要素と、
前記螺刻された通路の少なくとも一部を通して延在しかつそれと少なくとも部分的に係合されている、回転軸を有する螺刻されたシャフトと、
前記要素に動作可能に接続された少なくとも2つの部材を備える駆動システムであって、前記2つの部材がそれぞれ、2つ以上の圧電層と、前記圧電層のそれぞれの対向する表面に連結されている電極とを備え、前記部材が、前記回転軸に沿った方向に膨張および収縮するように構成され、前記駆動システムが、前記要素に振動を与え、前記螺刻されたシャフトを、前記要素を通して、同時に、回転、および前記回転軸に沿った方向に平行移動させ、かつ前記回転軸に沿った方向に軸方向力を印加するように構成されている、前記駆動システムと
を備えるリニアモータシステム。
【請求項2】
前記駆動システムに連結された電圧源をさらに備えるシステムであって、前記電圧源が、前記圧電層のそれぞれにわたって、約5.6ボルトの実効電圧差を印加する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
各圧電層の前記対向する表面に連結された前記電極が、前記電圧差を印加する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記駆動システムに連結された電圧源をさらに備えるシステムであって、前記電圧源が、前記圧電層のそれぞれにわたって、実効電圧差を印加し、前記実効電圧が、約2ボルト〜約16ボルトである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記駆動システムが、フルブリッジ駆動システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記螺刻されたシャフトが、前記回転軸に沿った方向に移動可能である装填材料に動作可能に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記装填材料が、光学レンズを備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも2つの部材が、
第1の部材および第2の部材を含む、対向する部材の第1の対と、
第3の部材および第4の部材を含む、対向する部材の第2の対と
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記部材がそれぞれ、第1の組の織り込み電極と、第2の組の織り込み電極とを備え、前記第1および第2の組の織り込み電極が、フルブリッジ駆動システムに連結されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記フルブリッジ駆動システムが、前記第1および第2の部材内の前記第1の組の織り込み電極に第1の信号を出力し、前記第1および第2の部材内の前記第2の組の織り込み電極に第2の信号を出力し、前記第3のおよび第4の部材内の前記第1の組の織り込み電極に第3の信号を出力し、前記第3および第4の部材内の前記第2の組の織り込み電極に第4の信号を出力し、前記第1の信号、前記第2の信号、前記第3の信号、および前記第4の信号が、少なくとも部分的に位相がずれている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の信号が、前記第2の信号に対して、位相がずれるようにシフトされ、前記第3の信号が、前記第4の信号に対して、位相がずれるようにシフトされて、前記部材のそれぞれにおける前記圧電層のそれぞれの厚さにわたって印加される実効電圧差を2倍にする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記2つ以上の圧電層が、約5個の圧電層〜約25個の圧電層を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記2つ以上の圧電層が、約13個の圧電層である、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記圧電層がそれぞれ、約5マイクロメートル厚〜約40マイクロメートル厚である、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記圧電層がそれぞれ、約10マイクロメートル厚〜約20マイクロメートル厚である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記部材がそれぞれ、約150マイクロメートル厚〜約250マイクロメートル厚である、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも2つの部材が、実質的に平面である、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記要素が、正方形断面、八角形断面、多角形断面、円形断面、楕円形断面、またはそれらの任意の組み合わせを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
螺刻された通路を有する要素と、
前記螺刻された通路の少なくとも一部を通して延在しかつそれと少なくとも部分的に係合されている、回転軸を有する螺刻されたシャフトと、
前記要素に振動を与え、前記螺刻されたシャフトを、前記要素を通して、同時に、回転、および前記回転軸に沿った方向に平行移動させ、かつ前記回転軸に沿った方向に軸方向力を印加する少なくとも2つの部材を備える駆動システムであって、前記少なくとも2つの部材がそれぞれ、前記回転軸に沿った方向に膨張および収縮するように構成されている2つ以上の圧電層を備える、駆動システムと
を備える、リニアモータシステムと、
前記リニアモータシステムに連結された光学レンズと
を備える光学レンズアセンブリであって、
前記リニアモータシステムが、前記回転軸に沿った方向と実質的に平行の方向に、前記光学レンズを移動させるように構成されている、
光学レンズアセンブリ。
【請求項20】
カバーを有する筐体をさらに備えるアセンブリであって、前記カバーが、前記筐体内に光が入るように位置付けられた開口を有し、前記光学レンズが、前記筐体内に設置されている、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記開口および前記光学レンズを通して伝達される光を受光するために、前記筐体内に位置付けられた光学センサをさらに備える、請求項20に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記光学センサが、デジタル画像センサである、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項23】
カメラ、携帯電話、およびPDAのうちの少なくとも1つの中に搭載されるように構成される、請求項19に記載の光学レンズアセンブリ。
【請求項24】
前記回転軸に沿った方向に前記螺刻されたシャフトの移動を制御するように構成されているコントローラ回路をさらに備える、請求項20に記載のアセンブリ。
【請求項25】
位置センサをさらに備えるアセンブリであって、前記位置センサが、前記筐体内の前記光学レンズの場所を追跡するように構成され、前記位置センサが、前記コントローラ回路に連結され、前記コントローラ回路が、前記位置センサから受信した位置情報に少なくとも部分的に基づいて、前記リニアモータシステムを移動させるように構成されている、請求項24に記載のアセンブリ。
【請求項26】
前記光学センサに連結された画像信号プロセッサをさらに備えるアセンブリであって、前記画像信号プロセッサが、前記画像センサから情報を受信するように構成されている、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項27】
回転軸を有し、かつ要素内の螺刻された通路の少なくとも一部を通して延在しかつそれと少なくとも部分的に係合されている螺刻されたシャフトに、装填材料を動作可能に接続する工程と、
前記回転軸に沿った方向に拡張および収縮するように構成され、かつ前記要素に接続されている少なくとも2つの部材に、振動を与え、前記螺刻されたシャフトを、前記装填材料を移動させる前記要素を通して、同時に、回転、および回転軸に沿った方向に平行移動させる工程であって、前記2つの部材がそれぞれ、2つ以上の圧電層と、前記圧電層のそれぞれの対向する表面に連結された電極とを備える、工程と
を含む、装填材料を駆動するための方法。
【請求項28】
前記装填材料が、光学レンズである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
螺刻されたシャフトを、要素における螺刻された通路内の回転軸と少なくとも部分的に係合させる工程と、
駆動システムの少なくとも2つの部材を前記要素に接続する工程であって、前記2つの部材がそれぞれ、2つ以上の圧電層と、前記圧電層のそれぞれの対向する表面に連結された電極とを備え、前記圧電層がそれぞれ、前記回転軸に沿った方向に膨張および収縮するように構成され、前記駆動システムが、前記要素に振動を与え、前記螺刻されたシャフトを、前記要素を通して、同時に、回転、および前記回転軸に沿った方向に平行移動させ、かつ前記回転軸に沿った方向に軸方向力を印加するように構成されている、工程と
を含む、リニアモータを作製するための方法。
【請求項30】
前記少なくとも2つの部材をフルブリッジ駆動回路に電気的に連結する工程をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記要素が、導体から電気的に絶縁されている、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記電極が、前記圧電層間に織り込まれ、前記圧電層が、共焼成されている、請求項29に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−500618(P2012−500618A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523931(P2011−523931)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/054159
【国際公開番号】WO2010/022048
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(507408914)ニュー スケール テクノロジーズ インコーポレーティッド (6)
【Fターム(参考)】