説明

温室効果ガス排出枠取得システムとこれを用いる画像形成装置及び温室効果ガス排出枠取得方法

【課題】画像形成装置メーカーや消耗品メーカーの温室効果ガス削減目標達成に寄与することができ、効率良く消耗品を取得することができる温室効果ガス排出枠取得システムとこれを用いる画像形成装置及び温室効果ガス排出枠取得方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置1の消耗品の使用状況から消耗品の取得を促す温室効果ガス排出枠取得システムであって、消耗品の情報を検出する検出手段と、消耗品による印刷枚数を算出する印刷枚数算出手段と、算出された印刷枚数がメーカー保証の印刷枚数に近づいたか否かを判断する消耗品使用状況判定手段と、メーカー保証の印刷枚数に近づいたと判断された場合に、ユーザ情報101b2と消耗品使用情報101b1を最寄りの消耗品販売会社へ通知し、消耗品購入情報101a1と消耗品の注文先情報101a2を画像形成装置1へ通知する情報通知手段を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室効果ガス排出枠取得システムとこれを用いる画像形成装置及び温室効果ガス排出枠取得方法に係り、特に、購入またはリースされている画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠(温室効果ガス排出権)が付与された消耗品を取得する温室効果ガス排出枠取得システムとこれを用いる画像形成装置及び温室効果ガス排出枠取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において、地球環境への配慮から、画像形成装置に用いられる消耗品や交換部品などにおいても、地球環境への負荷を低減したものを使用することが促進されている。
【0003】
従来技術として、例えば、印刷装置に着脱自在な消耗品ユニットとして、温室効果ガス排出枠が付与されて販売される消耗品ユニットを使用し、これらの消耗品ユニットの継続使用状態によって温室効果ガスの削減に対する評価を行い、オペレーションパネル等に評価結果を表示し、用紙にその評価結果を印刷するようにしたものが提案されている(特許文献1を参照。)。
これにより、ユーザは温室効果ガスの削減に対する評価を確認できるので、温室効果ガス削減への認識を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−2442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した印刷装置によれば、ユーザの温室効果ガス削減への認識を高めることができるものの、消耗品がなくなった場合に効率良く消耗品を取得することは考慮させていない。したがって、例えば、消耗品販売店がユーザから遠い場合には、納入するための時間が多くかかったり、消耗品の納入輸送に関わる温室効果ガス発生量が増大したりするため、画像形成装置メーカーや消耗品メーカーの温室効果ガス削減目標達成に寄与することはできないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、画像形成装置メーカーや消耗品メーカーの温室効果ガス削減目標達成に寄与することができ、ユーザにとっても効率良く消耗品を取得することができる温室効果ガス排出枠取得システムとこれを用いる画像形成装置及び温室効果ガス排出枠取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するための本発明に係る温室効果ガス排出枠取得システムとこれを用いる画像形成装置及び温室効果ガス排出枠取得方法は、次の通りである。
【0008】
本発明は、購入またはリースされている画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠(温室効果ガス排出権)が付与された消耗品の使用状況から消耗品の取得を促す温室効果ガス排出枠取得システムであって、前記画像形成装置と該画像形成装置を管理するデータ管理サーバとが通信手段を介して接続されて、前記データ管理サーバにより前記画像形成装置の消耗品の使用状況が監視可能に構成され、前記画像形成装置に用いられる消耗品に備えられた記憶手段または記録手段に格納されている消耗品の情報を検出する検出手段と、前記消耗品による印刷枚数を算出する印刷枚数算出手段と、前記印刷枚数算出手段により算出された前記消耗品による印刷枚数が前記消耗品のメーカー保証の印刷枚数(印刷保証枚数)に近づいたか否かを判断する消耗品使用状況判定手段と、前記印刷枚数算出手段により算出された前記消耗品による印刷枚数が前記消耗品のメーカー保証の印刷枚数に近づいたと判断された場合に、前記画像形成装置のユーザ情報とメーカー保証の印刷枚数に近づいたという消耗品使用情報とを前記画像形成装置の設置場所から最寄りの消耗品販売会社へ通知するとともに、前記消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報とを前記画像形成装置へ通知する情報通知手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、前記画像形成装置の構成として、前記検出手段に検出された消耗品の情報を前記データ管理サーバに通知する消耗品情報通知手段を備えることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報との通知を、前記画像形成装置のReady時に前記画像形成装置の表示部に表示することが好ましい。
【0011】
なお、本発明において、画像形成装置のReady時とは、ウォームアップ時、印刷JOBの合間、または入力部からの入力信号がない時(ユーザが画像形成装置の操作をしていない時)、スキャナユニットに原稿載置の信号がない時などを指す。
【0012】
また、本発明は、前記表示部の構成として、タッチパネルまたは操作キーを略一体的に備え、前記表示部で前記タッチパネルまたは前記操作キーを操作することで、前記消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報の通知を前記表示部に表示させることが好ましい。
【0013】
なお、タッチパネルと操作キーとを別々に設けてもよいし、タッチパネルを用いた表示部と表示のみを行う表示部、即ち表示部を複数設けてもよい。
【0014】
また、本発明は、前記消耗品には、少なくとも前記消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガスの種類、前記温室効果ガスの排出量の値、その値を説明する説明文の何れかが表示されていることが好ましい。
【0015】
なお、本発明において、前記消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガスとして、例えば、カーボンフットプリントマークは、ライフサイクルにおける温室効果ガス排出量を二酸化炭素に換算したものである。
また、カーボンフットプリントマークを説明する説明文が備えられていることが好ましく、消耗品自体や消耗品の梱包材にカーボンフットプリントマークやその説明文を表示するようにしてもよい。
【0016】
また、本発明は、前記消耗品の記憶手段または記録手段として、ICチップ(例えば、無線ICタグ、接点式CRUM)、バーコード、QRコード(登録商標)の何れかを用いることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、購入またはリースされている画像形成装置であって、請求項1から6のうちの何れか一項に記載の温室効果ガス排出枠取得システムを用いることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明は、購入またはリースされている画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠が付与された消耗品の温室効果ガス排出枠取得方法であって、請求項7に記載の画像形成装置を用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の温室効果ガス排出枠取得システムによれば、購入またはリースされている画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠(温室効果ガス排出権)が付与された消耗品の使用状況から消耗品の取得を促す温室効果ガス排出枠取得システムにおいて、前記画像形成装置と該画像形成装置を管理するデータ管理サーバとが通信手段を介して接続されて、前記データ管理サーバにより前記画像形成装置の消耗品の使用状況が監視可能に構成され、前記画像形成装置に用いられる消耗品に備えられた記憶手段または記録手段に格納されている消耗品の情報を検出する検出手段と、前記消耗品による印刷枚数を算出する印刷枚数算出手段と、前記印刷枚数算出手段により算出された前記消耗品による印刷枚数が前記消耗品のメーカー保証の印刷枚数(印刷保証枚数)に近づいたか否かを判断する消耗品使用状況判定手段と、前記印刷枚数算出手段により算出された前記消耗品による印刷枚数が前記消耗品のメーカー保証の印刷枚数に近づいたと判断された場合に、前記画像形成装置のユーザ情報とメーカー保証の印刷枚数に近づいたという消耗品使用情報とを前記画像形成装置の設置場所から最寄りの消耗品販売会社へ通知するとともに、前記消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報とを前記画像形成装置へ通知する情報通知手段と、を備えることで、最寄りの消耗品販売会社から消耗品を納入することができるので、消耗品の納入輸送に関わる温室効果ガス発生量を削減して、削減した温室効果ガス量を画像形成装置メーカーや消耗品メーカーの温室効果ガス削減枠に充当して温室効果ガス削減目標に近づけることができる。
【0020】
また、画像形成装置のユーザにとっても、データ管理サーバから消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報が通知されるので、画像形成装置を監視することなく消耗品の購入時期を知ることができ、最寄りの消耗品販売会社から消耗品を入手できる。これにより、消耗品切れによる画像形成装置の使用待ち時間を短縮できる。さらに、正規の販売ルートで販売されない非純正消耗品の使用による画像形成装置の故障を抑制でき、消耗品販売会社の売り上げ向上に貢献できる。
また、消耗品販売会社が移転や統合されて、住所や電話番号が変わった場合であっても、容易に消耗品を発注して入手することができる。
【0021】
また、本発明によれば、前記画像形成装置の構成として、前記検出手段に検出された消耗品の情報を前記データ管理サーバに通知する消耗品情報通知手段を備えることで、データ管理サーバ側で画像形成装置の使用状況を確認でき、消耗品の印刷保証枚数に対する印刷履歴が容易に取得できる。
【0022】
また、本発明によれば、前記消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報との通知を、前記画像形成装置のReady時に前記画像形成装置の表示部に表示することで、画像形成装置を複数のユーザが使用している環境においても、他のユーザのコピー操作やメール操作、FAX操作の邪魔になることなく再生消耗品の使用推奨メッセージを通知することができる。
【0023】
また、本発明によれば、前記表示部の構成として、タッチパネルまたは操作キーを略一体的に備え、前記表示部で前記タッチパネルまたは前記操作キーを操作することで、前記消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報の通知を前記表示部に表示させることで、画像形成装置から直接各情報を簡便に表示させることができるので、画像形成装置を複数のユーザが使用している環境においても、コピー操作やメール操作、FAX操作の邪魔になることなく再生消耗品の使用推奨メッセージを表示することができる。
【0024】
また、本発明によれば、前記消耗品には、少なくとも前記消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガスの種類、前記温室効果ガスの排出量の値、その値を説明する説明文の何れかが表示されることで、ユーザに対して、温室効果ガス排出の削減と地球環境保全に対する意識の向上を喚起できるとともに、ユーザは、消耗品の耐環境性能を把握でき、安心して消耗品を使用できる。
【0025】
また、本発明によれば、前記消耗品の記憶手段または記録手段として、ICチップ(例えば、無線ICタグ、接点式CRUM)、バーコード、QRコード(登録商標)の何れかを用いることで、現在使用している消耗品の情報を容易に検出することができる。
【0026】
また、本発明の画像形成装置によれば、請求項1から6のうちの何れか一項に記載の温室効果ガス排出枠取得システムを用いることで、最寄りの消耗品販売会社から消耗品を納入することができるので、消耗品の納入輸送に関わる温室効果ガス発生量を削減して、削減した温室効果ガス量を画像形成装置メーカーや消耗品メーカーの温室効果ガス削減枠に充当して温室効果ガス削減目標に近づけることができる。
【0027】
また、画像形成装置のユーザにとっても、データ管理サーバから消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報が通知されるので、画像形成装置を監視することなく消耗品の購入時期を知ることができ、最寄りの消耗品販売会社から消耗品を入手できる。これにより、消耗品切れによる画像形成装置の使用待ち時間を短縮できる。さらに、正規の販売ルートで販売されない非純正消耗品の使用による画像形成装置の故障を抑制でき、消耗品販売会社の売り上げ向上に貢献できる。
【0028】
また、本発明の温室効果ガス排出枠取得方法によれば、請求項7に記載の画像形成装置を用いることで、最寄りの消耗品販売会社から消耗品を納入することができるので、消耗品の納入輸送に関わる温室効果ガス発生量を削減して、削減した温室効果ガス量を画像形成装置メーカーや消耗品メーカーの温室効果ガス削減枠に充当して温室効果ガス削減目標に近づけることができる。
【0029】
また、画像形成装置のユーザにとっても、データ管理サーバから消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報が通知されるので、画像形成装置を監視することなく消耗品の購入時期を知ることができ、最寄りの消耗品販売会社から消耗品を入手できる。これにより、消耗品切れによる画像形成装置の使用待ち時間を短縮できる。さらに、正規の販売ルートで販売されない非純正消耗品の使用による画像形成装置の故障を抑制でき、消耗品販売会社の売り上げ向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【図2】前記画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】前記画像形成装置の温室効果ガス排出枠取得システムを構成する通信ネットワークの一例を示す説明図である。
【図4】前記画像形成装置の温室効果ガス排出枠取得システムを構成する操作パネルの構成を示す説明図である。
【図5】前記操作パネルを構成する表示部に表示されたDOCUMENT FILING モードの初期画面を示す説明図である。
【図6】前記表示部に表示されたデータ管理サーバから画像形成装置へ通知された消耗品購入情報と消耗品の注文先情報とを含むメッセージのプレビュー表示の一例を示す説明図である。
【図7】前記表示部に表示されたIMAGE SEND モードの初期画面を示す説明図である。
【図8】前記画像形成装置の温室効果ガス排出枠取得システムにより消耗品販売会社とユーザに対してメッセージを通知する手順を示すフローチャートである。
【図9】前記温室効果ガス排出枠取得システムにより販売先のデータ管理サーバから消耗品販売会社の端末装置へ通知された消耗品使用情報と画像形成装置のユーザ情報とを含むメッセージのプレビュー表示の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【0032】
本実施形態は、図1に示すように購入またはリースされている画像形成装置であってデータ管理サーバに接続されて電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置1に用いられる温室効果ガス排出枠(温室効果ガス排出権)が付与された消耗品の使用状況から消耗品の取得を促す温室効果ガス排出枠取得システムとして、本発明に係る特徴的な温室効果ガス排出枠取得システムの構成を採用したものである。
【0033】
まず、画像形成装置1の全体構成について説明する。
画像形成装置1は、外部から伝達される画像データに応じて所定のシート(記録用紙,記録媒体)に画像を形成するものである。画像形成装置1は、図1に示すように、主に、本体装置である電子写真プロセス部(図示省略)を備えた画像形成部3と、操作パネル100とスキャナユニット(図示省略)を備えた画像読取部2とを備えて構成されている。
【0034】
原稿画像をスキャナユニットで読み取ることにより得られた画像データは、各種処理が施された後、メモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリから画像データを画像形成部3に出力して、感光体ドラム(図示省略)上に可視画像として再現した後、用紙上に画像を転写してトナー像を形成する。
【0035】
画像形成部3に隣接して用紙を供給する給紙部4が構成されている。
給紙部4は、第1〜3カセット31,32,33、さらにオプションとして大容量カセット34を有している。大容量カセット34は、最も使用頻度の高い、例えばA4サイズの標準紙を大量に収容することができる。
【0036】
画像読取部2と画像形成部3の間には排紙トレイ51が形成されている。
画像形成部3に隣接して後処理装置5が構成されている。
後処理装置5には、第1排紙卜レイ52,第2排紙トレイ53が設けられている。
【0037】
そして、画像形成装置1は、図示しないネットワーク回線(LAN、電話回線等)を介してPC、FAX、及びメーカー、販売先またはリース先等のデータ管理サーバに接続されている。
【0038】
ここで、画像形成装置1の構成についてブロック図を参照して説明する。
図2は本実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0039】
画像形成装置1は、図2に示すように、電気的構成として、画像形成装置1の動作を制御する制御部501、記憶部502、演算部503、表示部101、入力部505、ネットワーク回線を介してPC等とLAN接続等を行う通信部506、画像処理を行う画像処理部508、画像形成を行う画像形成部509、トナー像の定着処理を行う定着部510、スキャナにおいて画像の読み取りを行う読取部507、後処理装置5(図2の周辺機器を指す)の動作を制御する制御部511などを備えている。
【0040】
なお、本実施形態では、画像形成装置1に用いられる消耗品には、記憶手段または記録手段として、ICチップ(無線ICタグや接点式CRUM)、バーコード、QRコード(登録商標)等が備えられている。
【0041】
そして、画像形成装置1は、この消耗品の記憶手段または記録手段に格納された情報を検出する検出部(検出手段)509aを備えている。
検出部509aは、ユーザが画像形成装置1で使用している消耗品の情報を検出する。
演算部503は、消耗品の使用状態に応じて印刷枚数を算出する機能(印刷枚数算出手段)を備えている。
【0042】
制御部501は、検出部509aにより検出された検出結果(消耗品の情報)に加えて、演算部503により算出された算出結果(消耗品による印刷枚数)をデータ管理サーバ701に通知する機能(消耗品情報通知手段)を備えている。
【0043】
本実施形態では、制御部501は、データ管理サーバ701において、検出部509aにより検出された消耗品が再生消耗品ではないと判断された場合に、データ管理サーバ701より通知される再生消耗品を使用することを推奨する再生消耗品の使用推奨メッセージを表示部101に表示するとともに、画像形成装置1をReady状態に起動するようにされている。
【0044】
次に、本実施形態の画像形成装置1に用いられる特徴的な温室効果ガス排出枠取得システムについて図面を参照して説明する。
図3は本実施形態の画像形成装置の温室効果ガス排出枠取得システムを構成する通信ネットワークの一例を示す説明図、図4は本実施形態に係る画像形成装置の温室効果ガス排出枠取得システムを構成する操作パネルの構成を示す説明図、図5は前記操作パネルを構成する表示部に表示されたDOCUMENT FILING モードの初期画面を示す説明図、図6は前記表示部に表示されたデータ管理サーバから画像形成装置へ通知された消耗品購入情報と消耗品の注文先情報とを含むメッセージのプレビュー表示の一例を示す説明図、図7は前記表示部に表示されたIMAGE SEND モードの初期画面を示す説明図である。
【0045】
本実施形態に係る画像形成装置1の温室効果ガス排出枠取得システムは、図3に示すように、画像形成装置1に用いられる温室効果ガス排出枠が付与された消耗品の使用状況から消耗品の取得を促す温室効果ガス排出枠取得システムであって、通信部506によりLAN(ローカルエリアネットワーク)700を介して画像形成装置1がメーカー、販売先またはリース先等のデータ管理サーバ701に接続されて、データ管理サーバ701を管理する事業者からユーザに対して消耗品が無くなる前に消耗品の取得(購入)する旨を通知することを特徴とするものである。
【0046】
この温室効果ガス排出枠取得システムは、画像形成装置1と消耗品の販売先のデータ管理サーバ701とが通信接続としてLAN(ローカルエリアネットワーク(通信手段))700を介して接続されて、販売先により画像形成装置1の消耗品の使用状況が監視可能に構成されるとともに、データ管理サーバ701と消耗品販売会社とがLAN700を介して接続されている。
【0047】
また、温室効果ガス排出枠取得システムは、画像形成装置1側に、画像形成装置1に用いられる消耗品に備えられた記憶手段または記録手段に格納されている情報を検出する機能(検出手段)と、その検出結果(消耗品の情報)をデータ管理サーバ701に通知する機能(消耗品情報通知手段)と、消耗品による印刷枚数を算出する機能(印刷枚数算出手段)を備え、データ管理サーバ701側に、算出された消耗品による印刷枚数が消耗品のメーカー保証の印刷枚数(印刷保証枚数)に近づいたか否かを判断する機能(消耗品使用状況判定手段)と、算出された消耗品による印刷枚数が消耗品のメーカー保証の印刷枚数に近づいたと判断された場合に、画像形成装置1のユーザ情報とメーカー保証の印刷枚数に近づいたという消耗品使用情報とを画像形成装置の設置場所から最寄りの消耗品販売会社へ通知するとともに、消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と消耗品の注文先情報とを画像形成装置1へ通知する機能(情報通知手段)を備えている。
【0048】
本実施形態では、画像形成装置1は、画像形成装置1に用いられる消耗品に備えられた記憶手段または記録手段に格納されている情報を検出する検出部509aと、消耗品による印刷枚数を算出する演算部503とを備えるとともに、制御部501が、検出部509aにより検出された消耗品の情報や演算部503により算出された算出結果をデータ管理サーバ701に通知する消耗品情報通知手段として機能するように構成されている。
【0049】
また、データ管理サーバ701が、画像形成装置1に用いられる消耗品の情報を格納する消耗品情報記憶手段として機能し、演算部503により算出された消耗品による印刷枚数が消耗品のメーカー保証の印刷枚数(印刷保証枚数)に近づいたか否かを判断する消耗品使用状況判定手段として機能するとともに、消耗品による印刷枚数が消耗品のメーカー保証の印刷枚数に近づいたと判断された場合に、画像形成装置1のユーザ情報とメーカー保証の印刷枚数に近づいたという消耗品使用情報とを画像形成装置の設置場所から最寄りの消耗品販売会社へ通知するとともに、消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と消耗品の注文先情報とを画像形成装置1へ通知する情報通知手段として機能するように構成されている。
【0050】
また、本実施形態では、操作パネル100の表示部101が、温室効果ガス排出枠取得システムの表示部として機能するように構成されている。
【0051】
操作パネル100は、図4に示すように、操作面(入力部)100aが略平面状に構成されて、その略中央部に表示部101が構成されている。
なお、表示部101は、操作面(入力部)100aと同一平面でなくとも、操作面(入力部)100aに対して開閉移動式であってもよいし、操作面(入力部)100aとは別に設けてもよい。また、それらを組み合わせてもよい。
【0052】
また、表示部101は、タッチパネルまたは操作キーを略一体的に備え、表示部101でタッチパネルまたは操作キーを操作することでデータ管理サーバ701から送信された情報を表示できるように構成されている。
【0053】
表示部101には、図5,図7に示すように、画像形成装置1による処理モードを選択する操作キー110が表示されている。操作キー110には、DOCUMENT FILING モード用のアイコン111a、IMAGE SEND モード用のアイコン111b、COPY モード用のアイコン111cが設けられている。そして、操作キー110により、COPY モード、IMAGE SEND モード、DOCUMENT FILING モードが選択可能になっている。
【0054】
表示部101は、画像形成装置1の電源をONにすると、図示しない初期画面が表示され、操作キー110のうちのDOCUMENT FILING モード用のアイコン111aが選択されると、図5に示すように、DOCUMENT FILING モードの初期画面110aが表示される。
【0055】
DOCUMENT FILING モードの初期画面110aの画面左下には、操作キーとしてのプレビュー確認用アイコン120aが表示される。プレビュー確認用アイコン120aをタッチすると、画像形成装置1が受信したメール等の情報を表示部101に表示するようにされている。
【0056】
本実施形態では、画像形成装置1に新規メールが受信されると、DOCUMENT FILING モード用のアイコン111aが点滅するようにされている。そして、プレビュー確認用アイコン120aが選択されると、図6に示すように、例えば、販売店のデータ管理サーバ701から画像形成装置1(ユーザ側)へ通知されるメッセージのプレビュー画面101aが表示部101に表示される。
【0057】
具体的には、画像形成装置1側で算出された消耗品による印刷枚数が消耗品のメーカー保証の印刷枚数に近づいたと判断された場合に、販売店のデータ管理サーバ701から画像形成装置1(ユーザ側)に対して、図6に示すように、消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報101a1と消耗品の注文先情報101a2を含むメッセージが通知される。
【0058】
また、操作キー110のうちのIMAGE SEND モード用のアイコン111bが選択されると、図7に示すように、IMAGE SEND モードの初期画面110bが表示される。
【0059】
IMAGE SEND モードの初期画面110bの画面左下には、操作キーとしてのEcoviewアイコン120bが表示される。Ecoviewアイコン120bをタッチすると、表示部101には、使用している画像形成装置1に関する情報を取得するための選択画面が表示される。画像形成装置1に関する情報には、画像形成装置1に用いられる消耗品の情報を含む。本実施形態において、消耗品は温室効果ガス排出枠付き消耗品とする。
なお、ここでは、画像形成装置1に関する情報の取得については説明を省略する。
【0060】
また、操作パネル100は、リスト表示とサムネイル表示とを切り替えるアイコン(図示省略)と、IMAGE SEND モードの初期画面110bに戻すためのアイコン(図示省略)を備えている。
【0061】
消耗品には、図示しないカーボンフットプリントラベル(カーボンフットプリントマーク)が備えられている。また、再生消耗品には、再生消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量をCO排出量に換算した値と、その値を説明する説明文とを表示してもよい。
【0062】
カーボンフットプリントラベルは、商品及びサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るライフサイクル全体を通しての環境負荷を定量的に算定するLCA(ライフサイクルアセスメント)手法を活用し、ライフサイクル全体における温室効果ガス排出量をCOに換算し表示するものである。
【0063】
カーボンフットプリントラベルのマーク中に表示する重量(kg)は、例えば、消耗品であるトナーカートリッジのライフサイクル段階における原材料調達から廃棄・リサイクルまでのCO排出量換算値の合計量を示すものである。
【0064】
ここで、トナーカートリッジのライフサイクルにおける情報とは、トナーカートリッジの原材料調達段階に始まり、生産段階、流通段階、使用・維持管理段階、廃棄・リサイクル段階の間に排出する温室効果ガスの種類と排出量の情報である。
【0065】
温室効果ガスの種類には、京都議定書で対象となったCO、CH、NO、HFCs、PFCs、SFの6種類があるが、COに換算した値がラベルに記録されるので、Ecoviewサムネイル表示にはトナーカートリッジのCO換算値が表示される。
CO排出量は、LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を活用して、下記一般式(I)で算定される。
【0066】
CO排出量=Σ(活動量i×CO排出原単位)・・・(I)
iは上述した原材料調達から廃棄・リサイクルまでの活動量(プロセス)である。
ライフサイクルの各段階と活動量(プロセス)の例とを(1)から(5)に示す。
(1)原材料調達段階の活動量は、素材使用量である。
(2)生産段階の活動量は、組立て重量および生産時の電力消費量である。
(3)流通段階の活動量は、輸送量(輸送距離と積載率とトラックの積載量との積)である。
(4)使用・維持管理段階の活動量は、使用時の電力消費量である。
(5)廃棄・リサイクル段階の活動量は、埋立重量とリサイクル重量である。
なお、CO排出量の単位は(kg)である。
従って、ラベルには、COの文字とCO排出量(kg)との情報が記載される。
また、CO排出量の単位は、(kg)以外にも(g)や(t)といった重量を表す単位でもよい。
【0067】
ユーザは、トナーカートリッジに表示されたカーボンフットプリントラベルやその説明文を見ることで、温室効果ガス排出の削減と地球環境保全への対応が喚起される。
【0068】
次に、本実施形態の画像形成装置1に用いられる温室効果ガス排出枠取得システムを構成する画像形成装置1とデータ管理サーバ701との接続について説明する。
【0069】
本実施形態において、画像形成装置1の全体制御は、図2に示すように、制御部501により行なわれる。また、画像形成装置1に用いられる再生消耗品の製品情報や再生消耗品の環境対応取得情報であるエコラベル情報は、データ管理サーバ701の図示しない記憶部(再生消耗品情報記憶手段)に記憶されている。記憶部は、HDD装置であってもよく、Blu−rayディスク装置、ROMやRAM、またはUSBメモリ、メモリカードのメモリであってもよい。
【0070】
本実施形態では、画像形成装置1とデータ管理サーバ701とが通信手段を介して接続されている。例えば、図3に示すように、複数のユーザA,B,Cは、それぞれの端末機である画像形成装置1の通信部506によりLAN(ローカルエリアネットワーク)700を介して画像形成装置や消耗品の販売店やリース会社などのデータ管理サーバ701に接続されたり、通信衛星711を利用した衛星通信インフラ710を介して通信接続することが可能である。
【0071】
LAN(ローカルエリアネットワーク)700としては、有線の場合は、イーサネットIEEE規格の10BASE−T、100BASE−TX、10GBASE−T等や、それらの光マルチモードの10BASE−F、100BASE−F、1000BASE−X、10GBASE−R、10GBASE−W、10GBASE−X、無線の場合は、WiMAXのIEEE 802.16(ブロードバンド無線規格)、IEEE 802.16a(固定無線通信の標準規格、IEEE 802.16規格の使用周波数帯を変更したもの)、IEEE 802.16-2004(固定区間に用いられる方式、別名IEEE 802.16a/REVd)、WAN、そして、クラウドコンピューティングサービス(専用事業者:クラウドプロバイダー)も利用できる。
【0072】
なお、画像形成装置1とデータ管理サーバ701との通信接続の方式は、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網等が利用可能である。
また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE 1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、およびHDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0073】
次に、画像形成装置1の温室効果ガス排出枠取得システムにより消耗品のトナー残量が少なくなった時に、消耗品販売会社とユーザに対してメッセージを通知する手順をフローチャートに沿って説明する。
図8は本実施形態の画像形成装置の温室効果ガス排出枠取得システムにより消耗品販売会社とユーザに対してメッセージを通知する手順を示すフローチャートである。
【0074】
画像形成装置1の電源をONにして温室効果ガス排出枠取得システムにより画像形成装置1に使用する消耗品の使用状態により消耗品の取得を促すための制御が開始されると(ステップS1)、まず、画像形成装置1に用いられる消耗品の販売先のデータ管理サーバ701と画像形成装置1とが接続されて、通信可能であるか否かが確認される(ステップS2)。データ管理サーバ701と画像形成装置1とが通信可能であれば通信確立を認識する(ステップS3)。
【0075】
次に、画像形成装置1に消耗品が装着されているか否かが判断される(ステップS4)。これは、画像形成装置1の制御部501において、検出部509aにより消耗品を検出したか否かで判断される。
【0076】
本実施形態では、消耗品には図示しないICチップ(無線ICタグや接点式CRUM)、バーコード、QRコード(登録商標)等が備えられ、それらを検出部509aにより検出するようになっている。
【0077】
検出部509aによる検出結果は、制御部501からLAN700を介してデータ管理サーバ701に通知される。そして、データ管理サーバ701において、図示しない記憶手段から消耗品のデータと受信した検出結果とを照合される。
【0078】
ステップS4において、画像形成装置1に消耗品が装着されていないと判断された場合は、温室効果ガス排出枠取得システムによる処理は終了する。
一方、ステップS4において、画像形成装置1に消耗品が装着されていると判断された場合は、データ管理サーバ701は、画像形成装置1から演算部503により算出された算出結果(消耗品による印刷枚数)を取得して(ステップS5)、演算部503により算出された消耗品による印刷枚数と消耗品のメーカー保証の印刷枚数(印刷保証枚数)とを照合する(ステップS6)。
【0079】
そして、消耗品による残り印刷枚数に余裕はあるか否かが判断される(ステップS7)。すなわち、演算部503により算出された消耗品による印刷枚数が消耗品のメーカー保証の印刷枚数(印刷保証枚数)に近づいたか否かが判断される。
【0080】
ここで、消耗品による印刷枚数がメーカーの印刷保証枚数に近づいたと判断する一例を説明する。
【0081】
データ管理サーバ701は、LAN700を介して常時、画像形成装置1の制御部501を監視リモートしている。
また、データ管理サーバ701は、画像形成装置1の制御部501が、ユーザが消耗品を購入後、画像形成装置1に初めて消耗品が装着された時を、検出部509aが消耗品に備えられた記憶手段を検知することで検出し、その検出結果をLAN700を介してデータ管理サーバ701に送信するように、図示しないデータ管理サーバ701の制御手段が制御するように構成されている。
【0082】
画像形成装置1に初めて消耗品が装着された時を起点として、例えば、消耗品に備えられた図示しないトナー残量検知センサのデータや、消耗品(トナー)が画像形成装置1に備えられた感光体(静電潜像担持体)に静電潜像を形成する露光手段のドットから消耗品(トナー)の消費量を知ることができる。そのデータとデータ管理サーバ701の図示しない記憶手段に記憶された消耗品(トナー)の使用量と印刷枚数(保証印刷枚数)とを対応させたデータとを照合することにより、保証印刷枚数にどれだけ近づいたことを推定することができる。
【0083】
例えば、消耗品(トナー)のメーカーの保証印刷枚数が5万枚として、推定された消耗品(トナー)の印刷枚数が4.5万枚とした時に印刷保証枚数に近づいたと判断するようにしてもよい。
【0084】
フローチャートに戻り、ステップS7において、消耗品による残り印刷枚数に余裕はあると判断された場合は、温室効果ガス排出枠取得システムによる処理は終了する。
【0085】
一方、ステップS7において、消耗品による印刷枚数が消耗品の印刷保証枚数に近づいて、消耗品による残り印刷枚数に余裕はないと判断された場合は、データ管理サーバ701は、メーカー保証の印刷枚数に近づいて消耗品が間もなく空になるという消耗品使用情報と消耗品販売会社への画像形成装置1のユーザ情報とを含むメッセージを図示しない記憶手段から読出し、送信準備後、消耗品販売会社へ送信すると同時に(ステップS8)、メーカー保証の印刷枚数に近づいて消耗品が間もなく空になるので消耗品の購入時期が近づいているという消耗品購入情報と消耗品の注文先情報とを含むメッセージを図示しない記憶手段から読出して、画像形成装置1への通知準備を行う(ステップS9)。
【0086】
この消耗品販売会社へ送信は、消耗品販売会社が所有するパソコンや画像形成装置であってもよいし、営業マンやサービスマン、画像形成装置の管理者が所有する携帯端末でもよい。
【0087】
ここで、販売店のデータ管理サーバ701から最寄りの消耗品販売会社の端末装置へ送信されるメッセージについて図面を参照して説明する。
図9は本発明の実施形態に係る温室効果ガス排出枠取得システムにより販売先のデータ管理サーバから消耗品販売会社の端末装置へ通知された消耗品使用情報と画像形成装置のユーザ情報とを含むメッセージのプレビュー表示の一例を示す説明図である。
【0088】
データ管理サーバ701は、図9に示すように、例えば、メーカー保証の印刷枚数に近づいて消耗品が間もなく空になるという消耗品使用情報101b1と画像形成装置1のユーザ情報101b2を含むメッセージのプレビュー画面101bを、消耗品販売会社の端末装置の表示部に表示する。
【0089】
なお、本実施形態では、消耗品販売会社へメッセージを送信するタイミング(ステップS8)は、画像形成装置1への通知準備を行う(ステップS9)と同時に送信しているが、送信するタイミングは、例えば、画像形成装置1への通知のタイミングに対して前後してもよい。
【0090】
そして、本実施形態では、販売店側のデータ管理サーバ701とユーザ側の画像形成装置1とは常時LAN700で接続され、販売店はユーザの画像形成装置1の状態を管理できるようになっている。即ち、販売店は、画像形成装置1には現在どのような消耗品が使用されているか、消耗品の使用状況、画像形成装置1の不具合、画像形成装置1のメンテナンス時期等を監視できる。
【0091】
そして、データ管理サーバ701は、LAN700を介して画像形成装置1の制御部501と通じて、画像形成装置1の稼動状況、例えば、ウォームアップ中か、印刷JOB中か、操作パネルに入力信号があるか、また、スキャナからの原稿載置信号があるか否かを監視する(ステップS10)。
なお、上記以外の入力信号(例えば、メモリカードやUSBメモリ、ICカード、磁気カード、無線LANなど)があるか否かを監視するようにしてもよい。
【0092】
ステップS10において、画像形成装置1がウォームアップ中の場合、印刷JOB中でない場合、または操作パネルに入力信号がない場合、スキャナからの原稿載置信号がない場合は、画像形成装置1の操作パネル100をユーザが操作中ではないと判断して、データ管理サーバ701は、画像形成装置1に対して消耗品購入情報101a1と消耗品の注文先情報101a2を含むメッセージを送信する(ステップS11)。そして、操作パネル100の表示部101に、図6に示すように、消耗品購入情報101a1と消耗品の注文先情報101a2を含むメッセージのプレビュー画面101aを表示させる。
【0093】
以上により、温室効果ガス排出枠取得システムによる消耗品販売会社とユーザに対してメッセージを通知する処理は終了する。
【0094】
なお、データ管理サーバ701は、消耗品購入情報101a1と消耗品の注文先情報101a2を含むメッセージを画像形成装置1へ先に送信して記憶部502へ格納した後に、DOCUMENT FILING モード用のアイコン111aを点滅させてユーザに新着メールがあることを知らせる。そして、画像形成装置1が稼動状態でない時(ウォームアップ中の場合、印刷JOB中でない場合、操作パネルに入力信号がない場合、またはスキャナからの原稿載置信号がない場合)に、ユーザがプレビュー確認用アイコン120aをタッチしたときに、図6に示すように、操作パネル100の表示部101にメッセージのプレビュー画面101aを表示するようにしてもよい。
【0095】
また、使用中の消耗品が純正消耗品でない場合は、非純正消耗品であることを表示部101に表示するようにしてもよい。また、非純正消耗品であることの表示内容は、例えば、「非純正消耗品をお使いのため、本画像形成装置が正常に動作しない場合があります。」などのユーザに対する注意喚起や警告のメッセージであってよい。
【0096】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、画像形成装置1に用いられる温室効果ガス排出枠が付与された消耗品の使用状況から消耗品の取得を促す温室効果ガス排出枠取得システムの構成として、画像形成装置1と消耗品の販売先のデータ管理サーバ701とがLAN700を介して接続して、販売先により画像形成装置1の消耗品の使用状況が監視可能に構成し、画像形成装置1側に画像形成装置1に用いられる消耗品に備えられた記憶手段または記録手段に格納されている情報を検出する検出部509aと、消耗品による印刷枚数を算出する演算部503とを備えるとともに、制御部501を検出部509aにより検出された消耗品の情報や演算部503により算出された算出結果をデータ管理サーバ701に通知する消耗品情報通知手段として機能するように構成し、データ管理サーバ701を、画像形成装置1に用いられる消耗品の情報を格納する消耗品情報記憶手段として機能し、演算部503により算出された消耗品による印刷枚数が消耗品のメーカー保証の印刷枚数(印刷保証枚数)に近づいたか否かを判断する消耗品使用状況判定手段として機能するとともに、消耗品による印刷枚数が消耗品のメーカー保証の印刷枚数に近づいたと判断された場合に、画像形成装置1のユーザ情報101b2とメーカー保証の印刷枚数に近づいたという消耗品使用情報101b1とを画像形成装置の設置場所から最寄りの消耗品販売会社へ通知するとともに、消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報101a1と消耗品の注文先情報101a2とを画像形成装置1へ通知する情報通知手段として機能するように構成することで、最寄りの消耗品販売会社から消耗品を納入することができるので、消耗品の納入輸送に関わる温室効果ガス発生量を削減して、削減した温室効果ガス量を画像形成装置メーカーや消耗品メーカーの温室効果ガス削減枠に充当して温室効果ガス削減目標に近づけることができる。
【0097】
また、画像形成装置1のユーザにとっても、データ管理サーバ701から消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報101a1と前記消耗品の注文先情報101a2が通知されるので、画像形成装置1を監視することなく消耗品の購入時期を知ることができ、最寄りの消耗品販売会社から消耗品を入手できる。これにより、消耗品切れによる画像形成装置1の使用待ち時間を短縮できる。さらに、正規の販売ルートで販売されない非純正消耗品の使用による画像形成装置の故障を抑制でき、消耗品販売会社の売り上げ向上に貢献できる。
【0098】
また、本実施形態によれば、消耗品販売会社が移転や統合されて、住所や電話番号が変わった場合であっても、容易に消耗品を発注して入手することができる。
特に、海外では消耗品販売会社と画像形成装置のユーザとの距離が著しく離れ、場合によっては飛行機やヘリコプター等を利用して消耗品を納入することもあるが、この温室効果ガス排出枠取得システムによれば、最寄りの消耗品販売会社から消耗品を納入することができるので、消耗品の流通(納入)に関わる温室効果ガスの削減量は膨大な量になる。
【0099】
また、本実施形態では、消耗品にカーボンフットプリントラベル(対環境性能情報)を備えるようにしたので、対環境意識の高いユーザに対しても、地球環境への負荷を低減できる消耗品であることを知らせることができる。
【0100】
また、消耗品の梱包材にもカーボンフットプリントラベル等の対環境性能情報を表示させてもよいし、消耗品や消耗品の梱包材に対環境性能情報の説明文を表示させてもよい。
これにより、カーボンフットプリントラベルが何を示すものであるかをよりいっそう容易に知ることができ、消耗品を梱包材から開封する前に知ることで、開封の手間なしに地球環境への負荷を低減できる消耗品であることを知らせることができる。
【0101】
また、本実施形態では、データ管理サーバ701は、メーカー、販売先またはリース先等の事業部により管理されるものとしているが、例えば、画像形成装置メーカー、消耗品メーカー、クラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドプロバイダーにより管理されるものであってもよい。
【0102】
また、画像形成装置1の記憶部502や図示しないデータ管理サーバ701の記憶手段は、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R/Blu−ray等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0103】
さらに、画像形成装置1の表示部101の構成として、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display)、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel)、プラズマチューブアレイディスプレイ(Plasma Tubes Array Display)、電気泳動等を利用した電子ペーパーディスプレイ、電子放出素子を用いたディスプレイ(Field Emission Display、Surface-conduction Electron-emitter Display)を用いることができる。
【0104】
なお、上述した実施形態では、本発明に係る再生消耗品使用推奨システムの構成を図1に示すような操作パネル100を有する画像形成装置1に適用した例について説明したが、再生消耗品の使用推奨メッセージを表示可能な表示部を備える装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、インクジェット記録装置、または、その他の装置、例えば家電製品、民生用機器(映像・音響・通信などに関連した電子機器や装置、または端末において、一般消費者による使用・一般家庭での使用を目的としているもの、または、そのことを前提に開発・設計された製品・規格を指す)、および業務用機器(法人(企業や学校、官公庁)など、一般家庭以外の用途を前提として開発された製品)等に展開が可能である。
【0105】
また、入力部505としてタッチパネルを用いたが、Ubi−Fingerデバイス等を用いたジェスチャー入力装置等を用いてもよい。
【0106】
また、本実施形態では、表示部101にプレビュー確認用アイコン120aやEcoviewアイコン120bを備えて、表示切換えスイッチとしているが、画面サイズが小さく、且つ操作部(メニューキー、テンキー、プリントキー等)が小さくプレビュー確認用アイコン120aやEcoviewアイコン120bが設けられない場合には、表示部101以外の箇所にプレビュー確認用操作キーやEcoview操作キーを備えることもできる。また、本実施形態では、プレビュー確認用アイコン120aやEcoviewアイコン120bを表示部101の右側下部に設けているが、特に限定せず、表示部101においての上部、下部、左側、右側の何れの箇所に設けてもよい。
【0107】
また、本実施形態では、消耗品使用情報等を含むメッセージの消耗品販売会社へ送信は、消耗品販売会社が所有するパソコンや画像形成装置であってもよく、営業マンやサービスマン、画像形成装置の管理者が所有する携帯端末でもよいとしているが、画像形成装置1のユーザの管理者の場合は、一般的な機器類を管理する者であってもよく、より好ましくは、CO排出量を減らすための専門資格保有者(地球温暖化対策についての専門知識やノウハウを客観的に判断できる者)がよい。すなわち、画像形成装置1のユーザの管理者が専門資格保有者であることで、よりいっそう対環境性能に配慮した消耗品の購入使用や画像形成装置1の使用管理が可能となり、地球温暖化防止促進に貢献できる。
【0108】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
1 画像形成装置
100 操作パネル
101 表示部
101a,101b プレビュー画面
101a1 消耗品購入情報
101a2 注文先情報
101b1 消耗品使用情報
101b2 ユーザ情報
110 操作キー
110a DOCUMENT FILING モードの初期画面
110b IMAGE SEND モードの初期画面
120a プレビュー確認用アイコン
120b Ecoviewアイコン
501 制御部(消耗品情報通知手段)
502 記憶部
503 演算部(印刷枚数算出手段)
505 入力部
506 通信部(消耗品情報通知手段)
509a 検出部(検出手段)
700 LAN(ローカルエリアネットワーク)
701 データ管理サーバ(消耗品使用状況判定手段、情報通知手段)
710 衛星通信インフラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入またはリースされている画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠が付与された消耗品の使用状況から消耗品の取得を促す温室効果ガス排出枠取得システムであって、
前記画像形成装置と該画像形成装置を管理するデータ管理サーバとが通信手段を介して接続されて、前記データ管理サーバにより前記画像形成装置の消耗品の使用状況が監視可能に構成され、
前記画像形成装置に用いられる消耗品に備えられた記憶手段または記録手段に格納されている消耗品の情報を検出する検出手段と、
前記消耗品による印刷枚数を算出する印刷枚数算出手段と、
前記印刷枚数算出手段により算出された前記消耗品による印刷枚数が前記消耗品のメーカー保証の印刷枚数に近づいたか否かを判断する消耗品使用状況判定手段と、
前記印刷枚数算出手段により算出された前記消耗品による印刷枚数が前記消耗品のメーカー保証の印刷枚数に近づいたと判断された場合に、前記画像形成装置のユーザ情報とメーカー保証の印刷枚数に近づいたという消耗品使用情報とを前記画像形成装置の設置場所から最寄りの消耗品販売会社へ通知するとともに、前記消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報とを前記画像形成装置へ通知する情報通知手段と、
を備えることを特徴とする温室効果ガス排出枠取得システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前記検出手段に検出された消耗品の情報を前記データ管理サーバに通知する消耗品情報通知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の温室効果ガス排出枠取得システム。
【請求項3】
前記消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報との通知は、前記画像形成装置のReady時に前記画像形成装置の表示部に表示されることを特徴とする請求項1または2に記載の温室効果ガス排出枠取得システム。
【請求項4】
前記表示部は、タッチパネルまたは操作キーを略一体的に備え、
前記表示部で前記タッチパネルまたは前記操作キーを操作することで、前記消耗品の購入時期が近づいたという消耗品購入情報と前記消耗品の注文先情報との通知を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の温室効果ガス排出枠取得システム。
【請求項5】
前記消耗品は、少なくとも前記消耗品のライフサイクルにおける温室効果ガスの種類、前記温室効果ガスの排出量の値、その値を説明する説明文の何れかが表示されていることを特徴とする請求項1から4のうちの何れか一項に記載の温室効果ガス排出枠取得システム。
【請求項6】
前記消耗品の記憶手段または記録手段は、ICチップ、バーコード、QRコードの何れかを用いることを特徴とする請求項1から5のうちの何れか一項に記載の温室効果ガス排出枠取得システム。
【請求項7】
購入またはリースされている画像形成装置であって、請求項1から6のうちの何れか一項に記載の温室効果ガス排出枠取得システムを用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
購入またはリースされている画像形成装置に用いられる温室効果ガス排出枠が付与された消耗品の温室効果ガス排出枠取得方法であって、請求項7に記載の画像形成装置を用いることを特徴とする温室効果ガス排出枠取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−189778(P2012−189778A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52829(P2011−52829)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】