説明

温度・圧力測定装置、および取付装置

【課題】簡略な構成により、被測定流体の吸熱量を確保して温度測定の精度を向上させることができ、かつ逆止弁のバネを永久変形させることがない温度・圧力測定装置、およびその取付装置の提供。
【解決手段】コイルバネ50がバルブスリーブ40の外周に配置されるため保護管30の有効使用長が長く、温度感知部23が流体の収容部材の深い位置まで浸漬されるため、正確な測定に必要な吸熱量を十分確保できる。また、係止リング60がバルブスリーブ40のストッパとなるので、バルブスリーブ40のストロークの範囲内にコイルバネ50の圧縮量が制限され、コイルバネ50の座屈、永久変形の発生を防止できる。さらに、被測定流体の導入用開口が保護管30の先端部30Bによって構成されているとともに、係止リング60がコイルバネ50の係止とバルブスリーブ40のストッパとに兼用されているため、構成を簡略にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定流体の温度および圧力を測定する温度・圧力測定装置、および、温度・圧力計を被測定流体が入った容器や配管に取り付ける取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、容器内や配管内のガスや液体などの流体圧力を測定する圧力計と、当該流体の温度を測定する温度計との両方を兼ね備える温度・圧力計が開発されている(特許文献1および特許文献2)。
これらの温度・圧力計は、温度感知部と圧力導入部とが一体化され被測定流体に接触する流体接触棒を有している。この流体接触棒は、被測定流体が入った容器や配管等の取付口に固定された保護管に挿入され、保護管にネジ等で固定される。ここで、保護管には、メンテナンス時などに温度・圧力計を保護管から取り外した際に、配管等からの被測定流体の流出を規制する逆止弁が設けられている。
【0003】
特許文献1における保護管は、保護管の流体接触棒が挿入される側とは反対側の先端部にキャップを有している。また、特許文献1の保護管の内部には、流体接触棒が挿入される有底筒状のバルブが挿入されている。このバルブは、バルブの底部とキャップとの間に配置されたコイルバネによって付勢されており、バルブ内に挿入された流体接触棒で押されてコイルバネが圧縮された状態において、キャップの側面に形成された貫通孔から保護管内部に被測定流体が導入される。この保護管内に導入された被測定流体は、バルブと保護管内壁との間の流路、そして保護管の基端部側でバルブの端部に形成された貫通孔を通り、流体接触棒に接触する。一方、流体接触棒を保護管から抜いた際には、バルブ外周に設けられたフランジが押し戻されて保護管内壁の段差部に係止され、これによって流路が遮断される。
【0004】
また、特許文献2における保護管は、保護管の流体接触棒が挿入される側とは反対側の先端部に逆止弁手段を有している。流体接触棒が保護管内に挿入されると、流体接触棒の先端の棒で弁部材が押され、保護管内に被測定流体が導入されて流体接触棒に接触する。一方、流体接触棒を保護管から抜いた際には、逆止弁手段が備えるバネによって弁部材が押し戻され、流体導入開口が遮断される。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3121723号
【特許文献2】特開2003−322579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような保護管および逆止弁に係る構成はいずれも、逆止弁を構成する部材やバネが流体接触棒の挿入方向前方側に配置されているので、これらの部材やバネの長さの分、保護管への流体接触棒の挿入長さが短くなり、被測定流体からの吸熱量が少なくなる。これにより、温度測定の精度が低下してしまう。
例えば、特許文献2では、流体接触棒先端の棒に押圧される弁部材と、この弁部材が挿入される弁室部材とがそれぞれ、保護管の先端部に配置されているので、流体接触棒の保護管への挿入長さが短くなる。なお、保護管が長くなると流体抵抗への強度が低下するおそれがあるため、保護管を長くすることによって吸熱量を確保することは難しい。
【0007】
一方、特許文献1では、流体接触棒の先端側にバルブが配置されていないため、特許文献2の構成よりは保護管に流体接触棒を長く挿入できるが、キャップに設けられたコイルバネの長さ分、保護管への流体接触棒の挿入長さが短くなるため、吸熱量が不足しがちとなる。
しかも、特許文献1の構成では、流体接触棒を保護管に挿入する際に、バルブの底部に押されてコイルバネの素線同士が密着するまで流体接触棒を挿入可能なため、コイルバネを永久変形させてしまうおそれがある。
なお、特許文献1では、保護管の略全長に亘ってバルブが設けられ、また、保護管にキャップが設けられているので、これらのバルブやキャップに関して部品コストや組立コストが高くなる。
【0008】
本発明の目的は、簡略な構成により、被測定流体の吸熱量を確保して温度測定の精度を向上させることができ、かつ逆止弁のバネを永久変形させることがない温度・圧力測定装置、およびその取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の温度・圧力測定装置は、被測定流体の温度および圧力を測定する測定本体と、接触した被測定流体の温度感知部、および前記被測定流体の流体圧力を前記測定本体に導入する圧力導入部が一体的に棒状に形成された流体接触棒と、被測定流体の収容部材に形成された取付口に挿入固定される筒状の部材であって、その内部に前記取付口に固定された側の端部から挿入された前記流体接触棒が着脱可能に固定され、かつその内壁に径方向内側に突出する環状部を有する保護管と、前記保護管内に配置され前記流体接触棒の一部が挿入される有底略筒状の部材であって、その側壁から突出するフランジを有し、前記環状部よりも前記流体接触棒の挿入方向後方側の前記保護管の内壁との間に被測定流体が流通可能なギャップが形成されるバルブスリーブと、前記バルブスリーブの外周に配置され前記フランジを前記環状部に向かって付勢するコイルバネと、前記バルブスリーブの外径よりも小さい開口を有し、前記保護管の前記挿入方向前方側の端部に設けられて前記コイルバネを係止する係止部材と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の温度・圧力測定装置では、被測定流体の温度および流体圧力の測定時、被測定流体の収容部材に固定された保護管に流体接触棒が挿入された状態とされ、保護管から流体接触棒を抜いた際に逆止弁が機能する。
すなわち、測定時には、保護管に挿入された流体接触棒によってバルブスリーブの底部が押されるため、バルブスリーブのフランジが保護管の環状部から離れてバルブが開いた状態となる。この状態では、係止部材の開口から保護管内に導入された被測定流体の圧力が、バルブスリーブと保護管内壁との間のギャップを介して測定本体に導入される。すなわち、ギャップは、被測定流体の流路を構成している。
一方、メンテナンス時などに、流体接触棒を保護管から抜き取った際には、コイルバネのバネ力および被測定流体の背圧によって保護管の環状部にバルブスリーブのフランジが当接し、バルブスリーブと保護管内壁との間の流路が遮断される。
【0011】
ここで、本発明では、コイルバネがバルブスリーブの外周に配置されているため、流体接触棒が被測定流体に接触可能な保護管の有効使用長が、保護管に流体接触棒が固定された位置から、保護管の流体接触棒が挿入される側と反対側の先端部までとなる。これにより、温度感知部が被測定流体の収容部材の深い位置まで浸漬されるため、被測定流体からの吸熱量がその分増大し、正確な測定に必要な吸熱量を十分確保できる。これにより、温度測定の精度を向上させることができる。
そして、このように吸熱量が確保されることで、保護管を短くすることができるため、保護管の強度を維持しつつ、保護管の部品材料コストを削減できる。
【0012】
また、このようにコイルバネがバルブスリーブの外周に配置され、かつ流体接触棒の挿入時に移動するバルブスリーブのストロークが係止部材によって規定されるので、このストロークの範囲内にコイルバネの弾性量が制限される。すなわち、流体接触棒が保護管の先端部まで届く長さであっても、流体接触棒の先端部で押されて移動したバルブスリーブの底部が係止部材の開口の周縁部に係止される。つまり、係止部材がバルブスリーブのストッパとして機能するため、コイルバネの座屈、永久変形の発生を防止できる。
【0013】
そして、本発明では、被測定流体に開放された保護管の先端部によって被測定流体の導入用開口が構成されているとともに、係止部材がコイルバネの係止とバルブスリーブのストッパとに兼用されている。つまり、保護管の先端部にキャップや弁室部材を設けたり、バネ係止用の部材と流体接触棒のストッパとを別々に設ける必要が無いため、構成を簡易にできる。すなわち、部品点数が少なくなり、部品コストや組立コストを削減できるので、量産に適し、大規模な設備への多数の温度・圧力測定装置の設置にも対応できる。
【0014】
本発明の温度・圧力測定装置では、前記流体接触棒の適正長さは、当該流体接触棒を前記保護管に挿入する際、前記バルブスリーブの底部が前記係止部材に到達する以前に、前記流体接触棒の所定位置が前記保護管に固定される長さとされていることが好ましい。
【0015】
この発明によれば、前記のように流体接触棒の適正長さが設定されており、この適正長さよりも長い流体接触棒を保護管に挿入した際には、バルブスリーブの底部が係止部材に当たり、流体接触棒の所定位置を保護管に固定できない。つまり、係止部材への突き当て感があったり、流体接触棒の所定位置が保護管の基端部から突出していることで、挿入した流体接触棒の長さが不適正であることが容易に判る。これによって、流体接触棒の長さが種々あっても、適切な流体接触棒を確実に保護管に挿入して、正しい測定を行うことができる。
なお、流体接触棒の保護管への固定は、例えば、保護管の基端部内周に形成された雌ネジに、流体接触棒の基端部外周に形成された雄ネジが螺合されることにより、行われる。
【0016】
本発明の温度・圧力測定装置では、前記流体接触棒が前記保護管内で被測定流体と接触可能な長さである前記保護管の有効使用長を、前記流体接触棒が前記保護管に固定された位置から前記保護管における前記挿入方向前方の端部までの長さとしたとき、前記保護管の前記挿入方向前方側の端部から前記環状部までの寸法は、前記有効使用長の1/2以下とされ、前記バルブスリーブの長さは、当該バルブスリーブに前記流体接触棒が挿入された状態で、当該バルブスリーブの前記挿入方向後方側の端部が前記環状部の位置と重なる寸法とされていることが好ましい。
【0017】
この発明によれば、環状部と保護管の先端部との間の長さと略同様に、バルブスリーブの長さが有効使用長に対して短いものとなるので、流体接触棒のバルブスリーブから突出する部分において、流体接触棒を保護管内壁との間で被測定流体に十分に接触させることが可能となる。これにより、保護管の先端部から環状部までの距離が有効使用長の1/2超の場合に比べて温度測定の精度をより一層向上させることができる。また、バルブスリーブの長さが短いことで、部品材料コストを低減できる。
なお、流体接触棒と保護管内壁との間には、バルブスリーブの側壁厚みに応じた幅の流路が形成される。
【0018】
本発明の温度・圧力測定装置では、前記バルブスリーブのフランジと前記環状部との間には、環状のシール部材が介装されていることが好ましい。
【0019】
この発明によれば、シール部材を介してフランジと環状部とが密着するので、被測定流体の流路をより確実に遮断できる。
【0020】
本発明の温度・圧力測定装置では、前記環状部には、前記挿入方向後方側から前記挿入方向前方側に向かって拡径する斜面が形成され、前記バルブスリーブは、前記フランジに前記シール部材を係止するシール部材係止手段を有することが好ましい。
【0021】
この発明によれば、斜面がガイドとなりバルブスリーブの外周部と保護管の内周面とにシール部材が密着してシール性を発揮するので、特許文献1のように斜面が形成されずにシール部材が保護管の長さ方向にのみ弾性変形する場合と比べて、同じシール性能を実現するのに必要なコイルバネのバネ力を小さくできる。これにより、シール部材の環状部と接する部分が削れたり、クリープ変形を起こしたりしにくい。
また、シール部材係止手段により、シール部材がバルブスリーブに固定されるので、定量的なシール性能が得られる。
【0022】
本発明の温度・圧力測定装置では、前記シール部材係止手段は、前記フランジよりも前記挿入方向後方側で前記バルブスリーブの側壁から突出する係止用フランジとされ、前記シール部材は、前記フランジと前記係止用フランジとの間に形成された溝部に配置され、かつ前記係止用フランジから径方向外側に突出していることが好ましい。
【0023】
この発明によれば、係止用フランジとフランジとの間の溝部にシール部材を容易にかつ確実に固定できるとともに、係止用フランジからシール部材が突出しているため、シール部材を前記斜面により確実に密接させることができる。
【0024】
本発明の温度・圧力測定装置では、前記保護管の前記挿入方向前方側の端部内壁には、周方向に沿って溝が形成され、前記係止部材は、前記溝に係止される留め環により、前記保護管に固定されていることが好ましい。
【0025】
この発明によれば、留め環により、保護管の端部開口に係止部材を嵩張らない構造で簡易に固定することができる。
【0026】
本発明の温度・圧力測定装置では、前記バルブスリーブの前記環状部よりも前記挿入方向後方側の側壁には、被測定流体が流通可能な貫通孔が形成されていることが好ましい。
【0027】
この発明によれば、バルブスリーブのフランジが環状部から離れてバルブが開いた状態で、被測定流体がバルブスリーブの側壁と保護管内壁との間のギャップだけでなく、バルブスリーブの貫通孔も通り、流体接触棒に迅速に接触するので、被測定流体の温度および圧力を正確に測定することができる。
【0028】
本発明の温度・圧力測定計の取付装置は、被測定流体の温度および圧力を測定する測定本体と、接触した被測定流体の温度感知部、および前記被測定流体の流体圧力を前記測定本体に導入する圧力導入部が一体的に棒状に形成された流体接触棒と、を備えた温度・圧力計を、被測定流体の収容部材に形成された取付口に挿入された状態で取り付ける取付装置であって、前記取付口に挿入固定される筒状の部材であって、その内部に前記取付口に固定された側の端部から挿入された前記流体接触棒が着脱可能に固定され、かつその内壁に径方向内側に突出する環状部を有する保護管と、前記保護管内に配置され前記流体接触棒の一部が挿入される有底略筒状の部材であって、その側壁から突出するフランジを有し、前記環状部よりも前記流体接触棒の挿入方向後方側の前記保護管の内壁との間に被測定流体が流通可能なギャップが形成されるバルブスリーブと、前記バルブスリーブの外周に配置され前記フランジを前記環状部に向かって付勢するコイルバネと、前記バルブスリーブの外径よりも小さい開口を有し、前記保護管の前記挿入方向前方側の端部に設けられて前記コイルバネを係止する係止部材と、を備えることを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、前述のように、コイルバネがバルブスリーブの外周に配置されることにより、保護管の有効使用長を長く確保でき、これにより、正確な測定に必要な吸熱量を十分確保できるので、温度測定の精度を向上させることができる。
また、このように吸熱量が確保されることで、保護管を短くすることができるため、保護管の強度を維持しつつ、保護管の部品材料コストを削減できる。
さらに、このようにコイルバネがバルブスリーブの外周に配置され、かつ係止部材がバルブスリーブのストッパとして機能するため、コイルバネの座屈、永久変形の発生を防止できる。
そして、本発明では、保護管の先端部にキャップや弁室部材を設けたり、バネ係止用の部材とバルブスリーブのストッパとを別々に設ける必要が無いため、部品点数が少なくなり、部品コストや組立コストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、第2実施形態以降の説明において、以下に説明する第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
【0031】
[第1実施形態]
〔1.全体構成〕
図1は、本実施形態における温度・圧力計1Aの正面図である。この温度・圧力計1Aは、温度および流体圧力の測定値を表示する指示部11が正面側に設けられ、背面側に測定本体を収容するケース10と、ケース10の外周に突設され、接触した被測定流体の温度情報や流体圧力をケース10内の測定本体に導入する流体接触棒20とを備えている。
【0032】
〔2.指示部の構成〕
指示部11は、温度用の目盛111と圧力用の目盛112とがそれぞれ円弧状に配置された目盛板110と、目盛111を指示する温度用指針121と、目盛112を指示する圧力用指針122とを有して構成されている。なお、この指示部11における表示形態は適宜構成できる。
【0033】
〔3.流体接触棒の構成〕
流体接触棒20は、図2に示すように、ケース10の外周に背面側で結合されており、このケース10に結合された基端部20Aから先端部20Bに向かって順に、角ナット部21Aが設けられた雄ネジ部21と、雄ネジ部21よりも小径の圧力導入部22と、圧力導入部22よりもさらに小径でバイメタルなどからなる温度感知部23とを一体に有している。なお、温度感知部23における温度感知機構は、流体接触棒20の先端部20Bまたは先端部20Bの近傍に設けられている。
そして、圧力導入部22の外周には、リング状のゴムパッキン221が設けられている。
【0034】
ここで、圧力導入部22と温度感知部23とはそれぞれ、測定本体(図示せず)が備える変換機構を介して指示部11(図1)に接続されており、圧力導入部22によって導入された流体圧力が指針122の動きに変換され、温度感知部23によって感知された温度が指針121の動きに変換されるようになっている。
【0035】
〔4.温度・圧力計の取付装置の構成〕
図3は、上述した温度・圧力計1Aと、ガス、液体等の被測定流体を収容する収容部材100の取付口101に温度・圧力計1Aを取り付ける取付装置1Bとを示す。これらの温度・圧力計1Aと取付装置1Bとにより、温度・圧力測定装置1が構成されている。
【0036】
図4は、流体接触棒20が取り外された状態の取付装置1Bの側断面図である。この取付装置1Bは、収容部材100(図3)の取付口101に挿入固定される保護管30と、保護管30内に配置され逆止弁として機能するバルブスリーブ40と、バルブスリーブ40の外周に配置される圧縮コイルバネ50と、保護管30の先端部30Bに設けられてコイルバネ50を係止する係止リング60とを備えている。
【0037】
保護管30の外周には、角ナット部301と雄ネジ部302とが形成されている。雄ネジ部302が取付口101(図3)に形成された雌ネジ部に螺合されることにより、保護管30は、取付口101から収容部材100の内側に突出する。
この保護管30の内周には、取付口101の外側に配置される基端部30A側から、収容部材100の内側に挿入される先端部30Bに向かって順に、雌ネジ部31と、雌ネジ部31よりも小径の圧力導入室32と、圧力導入室32よりもさらに小径の流路部33と、流路部33から拡径し、バルブスリーブ40(図3)が設けられるバルブ室34とを有している。これらの雌ネジ部31、圧力導入室32、流路部33、およびバルブ室34は互いに連通している。
【0038】
保護管30内周の雌ネジ部31には、流体接触棒20(図3)の雄ネジ部21が螺合される。これによって流体接触棒20は保護管30に着脱可能に固定される。
また、圧力導入室32は、流体接触棒20の圧力導入部22に対応しており、圧力導入室32の内周面にはゴムパッキン221が密接する。この圧力導入室32からケース10内の測定本体におけるセンサ部に、流体接触棒20の圧力導入部22によって被測定流体の流体圧力が導入されることになる。
【0039】
流路部33には、温度感知部23の基端部から先端部までが挿入され、この温度感知部23と流路部33の内壁との間に、バルブスリーブ40側壁の厚みに応じた幅の流路が形成される。
バルブ室34における流路部33から拡径した部分には、環状部としての受座341が流路部33側の保護管30の内壁から段落ち形成されている。また、被測定流体に開放されたバルブ室34の端部内壁には、周方向に沿って溝342が形成されている。
ここで、保護管30に流体接触棒20が固定される雌ネジ部31から保護管30の先端部30Bまでの寸法を保護管30の有効使用長Lとしたとき、保護管30の先端部30Bから受座341までの寸法L1は、有効使用長Lの約1/3となっている。
【0040】
バルブスリーブ40は、図4に示すように、底部41を有する有底筒状であって、バルブスリーブ40の側壁には貫通孔42が形成されているとともに、この貫通孔42よりも保護管30の先端部30B側には、保護管30の受座341に対応するフランジ43が形成されている。フランジ43と受座341との間には、環状のシール部材としてのゴムパッキン431が介装されている。このバルブスリーブ40には、流体接触棒20の一部が挿入される(図3)。
なお、バルブスリーブ40と保護管30の内壁との間には、被測定流体が通り得る微少なギャップGが形成されている。
【0041】
圧縮コイルバネ50は、バルブスリーブ40と保護管30の内壁との間で、受座341と係止リング60との間に配置されている。このコイルバネ50は、保護管30の先端部30B側から基端部30A側に、保護管30の長さ方向に沿ってバルブスリーブ40を付勢している。
【0042】
係止リング60には、バルブスリーブ40の外径よりも小さい径の開口61が形成されている。この係止リング60は、保護管30内壁の溝342に係止される留め環(Cリング)62によって保護管30の端縁近傍に固定され、コイルバネ50の端部を係止している。
【0043】
図5は、取付装置1Bに温度・圧力計1Aが装着された状態を示す。図6は、図5の部分拡大図である。
ここで、流体接触棒20を保護管30に装着する際は、保護管30の雌ネジ部31に流体接触棒20の雄ネジ部21を螺合していき、雄ネジ部21と雌ネジ部31とが全体的に螺合した状態とする。これにより、流体接触棒20が保護管30に最大限挿入された状態となる。この際、バルブスリーブ40の底部41は、係止リング60に到達しない位置で止まっており、コイルバネ50は、当該バネの所定の弾性領域以内で変形している。
【0044】
〔5.測定時および非測定時におけるバルブの作用〕
図5のように流体接触棒20が保護管30に挿入されると、流体接触棒20の先端部20Bがコイルバネ50のバネ力に抗してバルブスリーブ40の底部41を押し、バルブスリーブ40のフランジ43が受座341から離間してバルブが開いた状態となる。
この状態において、係止リング60の開口61から被測定流体が保護管30内に導入され、保護管30内に導入された被測定流体は、バルブ室34からギャップGを介して流路部33へと流入し、流体接触棒20に接触する。また、保護管30内に導入された被測定流体は、バルブ室34からバルブスリーブ40の貫通孔42を通じて流体接触棒20に接触する。
このように被測定流体が流体接触棒20の表面に十分に行きわたり、また、保護管30の先端部30Bにおいて、被測定流体の温度がバルブスリーブ40の側面部及び底部を介して流体接触棒20先端の温度感知機構部に伝達されることにより、被測定流体の温度が温度感知部23によって感知される。そして、感知された被測定流体の温度情報は、温度感知部23から測定本体に送られる。
また、被測定流体は、ギャップGを含む流路部33を通って圧力導入室32に到達し、流体接触棒20の圧力導入部22によって圧力導入室32からケース10内の測定本体に、流体圧力が導入される。
【0045】
一方、流体接触棒20を保護管30から抜き出すと、図4の状態となる。この際、コイルバネ50のバネ力および被測定流体の背圧によってバルブスリーブ40が保護管30の基端部30A側に移動し、フランジ43がゴムパッキン431を介して受座341に密接する。このとき、ゴムパッキン431は潰れた状態となってギャップGを塞ぐ。これにより、バルブ室34から流路部33への被測定流体の流路は遮断され、バルブは閉じた状態となる。
すなわち、バルブスリーブ40が逆止弁として機能することにより、流体接触棒20を保護管30から取り外して温度・圧力計1Aのメンテナンスや交換などを行う際に、収容部材100を有する設備の運転を停めたり、収容部材100の内部の流体を抜いたりする必要がない。
【0046】
〔6.流体接触棒の適正長さについて〕
以上で示した各図において、温度・圧力計1Aは保護管30の長さに適合する適正な長さの流体接触棒20を備えていたが、流体接触棒20の長さは各種あるため、不適正な長さの流体接触棒20を誤って保護管30に挿入する可能性がある。
図7は、適正値よりも温度感知部23の寸法が長い流体接触棒20Xが保護管30に挿入された状態を示す。この場合、流体接触棒20Xの先端部20Bによって押されて移動したバルブスリーブ40の底部が係止リング60の開口61の周縁部に当接し、係止リング60がストッパとして機能するため、流体接触棒20Xの雄ネジ部21を保護管30の雌ネジ部31に最後まで螺合することができない。
このように、適正値よりも長い流体接触棒20Xを保護管30に挿入した際、バルブスリーブ40の底部が係止リング60によって係止されるため、コイルバネ50の圧縮量が当該バネの所定の弾性領域内に制限される。また、バルブスリーブ40の底部が係止リング60に当たった際の感触と、流体接触棒20Xの雄ネジ部21が保護管30の雌ネジ部31から突出し完全には固定されていない外観とにより、流体接触棒20Xが不適正な長さであることをユーザに知らせることが可能となる。
【0047】
〔7.本実施形態の効果〕
以上の本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)温度・圧力測定装置1では、コイルバネ50がバルブスリーブ40の外周に配置されるため保護管30の有効使用長Lが長く、圧力導入部22よりも先端部20A側に位置する温度感知部23が収容部材100の深い位置まで浸漬されるため、被測定流体からの吸熱量がその分増大し、正確な測定に必要な吸熱量を十分確保できる。これにより、温度測定の精度を向上させることができる。
そして、このように吸熱量が確保されることで、保護管30を短くすることができるため、保護管30の強度を維持しつつ、保護管30の部品材料コストを削減できる。
【0048】
(2)コイルバネ50がバルブスリーブ40の外周に配置され、かつ係止リング60がバルブスリーブ40のストッパとなるので、バルブスリーブ40のストロークの範囲内にコイルバネ50の圧縮量が制限される。すなわち、保護管30の先端部30Bまで届く長さの流体接触棒20Xを保護管30に挿入しても、流体接触棒20Xの先端部20Bで押されて移動したバルブスリーブ40の底部が係止リング60の開口61の周縁部に係止されるので、コイルバネ50の座屈、永久変形の発生を防止できる。
【0049】
(3)被測定流体の導入用開口が保護管30の先端部30Bによって構成されているとともに、係止リング60がコイルバネ50の係止とバルブスリーブ40のストッパとに兼用されているため、構成を簡略にできる。すなわち、部品点数が少なくなり、部品コストや組立コストを削減できるので、量産に適し、大規模な設備への多数の温度・圧力測定装置の設置にも対応できる。
【0050】
(4)バルブスリーブ40の底部41が係止リング60に到達する以前に、流体接触棒20の雄ネジ部21の略全体が保護管30に固定される長さに、流体接触棒20の適正長さが設定されているため、この適正長さよりも長い流体接触棒20Xを保護管30に挿入した際には、流体接触棒20の雄ネジ部21を完全には保護管30の雌ネジ部31に螺合固定できず、その流体接触棒20Xの長さが不適正であることが容易に判る。このため、適切な流体接触棒20を確実に保護管30に挿入して、正しい測定を行うことができる。
【0051】
(5)保護管30の先端部30Bから受座341までの寸法L1が保護管30の有効使用長Lの1/2以下とされ、これに伴ってバルブスリーブ40の長さが有効使用長Lに対して短いものとなるので、流体接触棒20のバルブスリーブ40から突出する部分において、流体接触棒20を保護管30内壁との間で被測定流体に十分に接触させることが可能となる。これにより、温度測定の精度をより一層向上させることができる。
また、バルブスリーブ40の長さが短いことで、部品材料コストを低減できる。
【0052】
(6)保護管30の受座341から基端部30A側の内壁により、バルブスリーブ40を長さ方向に沿ってガイドすることができる。
また、バルブスリーブ40のフランジ43が受座341から離れた状態で、被測定流体がバルブスリーブ40の側壁と保護管30内壁との間のギャップGだけでなく、バルブスリーブ40の貫通孔42も通り、流体接触棒20に迅速に接触するので、被測定流体の温度および圧力を正確に測定することができる。
【0053】
(7)係止リング60は、溝342に係止される留め環62によって保護管30に固定されているため、保護管30の端部開口に係止リング60を嵩張らない構造で簡易に固定することができる。
【0054】
(8)バルブスリーブ40のフランジ43と受座341との間に介装されたゴムパッキン431により、フランジ43と受座341とが密着するので、被測定流体の流路をより確実に遮断できる。
【0055】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態と前記第1実施形態とでは、バルブスリーブの構成、保護管の内壁の構成、およびコイルバネのバネ力がそれぞれ相違する。
なお、本実施形態は、主としてシール部材の劣化防止を目的とする。
図8は、本実施形態における温度・圧力計を示す。バルブスリーブ70のフランジ43よりも基端部側には、係止用フランジ74が形成されている。この係止用フランジ74とフランジ43との間には溝部741が形成されており、この溝部741にシール部材としてのゴムパッキン431が係止用フランジ74から径方向外側に突出した状態で固定されている。なお、本実施形態のバルブスリーブ70には、前記実施形態のバルブスリーブ40(図5)のように貫通孔42が形成されていないが、被測定流体はギャップGを介して流体接触棒20に接触し、かつ被測定流体の圧力がギャップGを介して導入される。
【0056】
ここで、本実施形態の保護管80における受座341の内周には、斜面841が形成されている。具体的に、保護管80の内壁には、係止用フランジ74の外周に応じて拡径した段差部81が形成され、この段差部81からさらに保護管80の先端部30B側に向かって拡径した斜面841が形成されている。
また、本実施形態では、第1実施形態のコイルバネ50よりもバネ係数が小さい圧縮コイルバネ55が使用されている。
【0057】
図9は、流体接触棒20を保護管80から抜いた状態を示す。流体接触棒20を保護管80から抜くと、コイルバネ55のばね力と、被測定流体の流体圧力とによってバルブスリーブ70が保護管80の基端部30A側に向かって移動し、さらに、斜面841がガイドとなってゴムパッキン431がバルブスリーブ70の長さ方向だけでなく径方向にも弾性変形し、バルブスリーブ70の外周部と保護管80の内周面とに密着する。これにより、バルブ室34から流路部33への被測定流体の流路が遮断される。
【0058】
本実施形態によれば、第1実施形態で述べた効果に加えて、次のような効果を奏する。
(9)斜面841がガイドとなって高いシール性能を発揮するので、斜面841が形成されていない場合と比べて、バネ係数が小さいコイルバネ55を使用できる。これにより、ゴムパッキン431が削れたり、コイルバネ55がクリープ変形を起こしたりしにくい。
【0059】
(10)また、係止用フランジ74により、ゴムパッキン431がバルブスリーブ70に固定されるので、定量的なシール性能が得られる。
【0060】
(11)係止用フランジ74とフランジ43との間の溝部741にゴムパッキン431を容易にかつ確実に固定できるとともに、係止用フランジ74からゴムパッキン431が突出しているため、ゴムパッキン431を斜面841により確実に密接させることができる。
【0061】
なお、ゴムパッキン431をフランジ43に固定する手段としては、第2実施形態の係止用フランジ74に限らず、例えば、フランジ43にゴムパッキン431を接着したり、バルブスリーブの側壁の数箇所に形成された凸片によってゴムパッキン431をフランジ43に固定することが考えられる。
【0062】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0063】
例えば、前記各実施形態では、バルブスリーブのフランジを保護管の環状部に向かって付勢する手段として圧縮コイルバネ50,55が使用されていたが、これに限らず、引張コイルバネを使用することも検討できる。すなわち、第1実施形態では保護管30の流体接触棒20が挿入される側とは反対側の端部30Bに設けられた係止リング60とバルブスリーブ40のフランジ43との間に圧縮コイルバネ50が配置されていたが、バルブスリーブの一部と、このバルブスリーブの一部よりも流体接触棒が挿入される側に位置する保護管の一部とにそれぞれバネ係止部を形成し、これらのバネ係止部の間に引張コイルバネを配置してもよい。このようにすれば、保護管の有効使用長をより一層長くできる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1実施形態に係る温度・圧力計の正面図。
【図2】前記温度・圧力計の側面図。
【図3】前記温度・圧力計を取付装置によって被測定流体の収容部材に取り付けた状態を示す図。
【図4】温度・圧力計の流体接触棒が挿入されていない状態の保護管の側断面図。
【図5】温度・圧力計の流体接触棒が挿入された状態の保護管の側断面図。
【図6】図5の部分拡大図。
【図7】不適正な長さの流体接触棒が保護管に挿入された状態を示す側断面図。
【図8】本発明の第2実施形態に係る温度・圧力計の側断面図。
【図9】前記実施形態において、流体接触棒が挿入されていない状態の保護管の側断面図。
【符号の説明】
【0065】
1 温度・圧力測定装置
1A 温度・圧力計
1B 取付装置
20 流体接触棒
22 圧力導入部
23 温度感知部
30 保護管
32 圧力導入室
33 流路部
34 バルブ室
40 バルブスリーブ
41 底部
42 貫通孔
43 フランジ
50 圧縮コイルバネ(コイルバネ)
60 係止リング(係止部材)
70 バルブスリーブ
80 保護管
61 開口
100 収容部材
101 取付口
341 受座(環状部)
342 溝
431 ゴムパッキン(シール部材)
74 係止用フランジ(シール部材係止手段)
741 溝部
841 斜面
G ギャップ
L 有効使用長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定流体の温度および圧力を測定する測定本体と、
接触した被測定流体の温度感知部、および前記被測定流体の流体圧力を前記測定本体に導入する圧力導入部が一体的に棒状に形成された流体接触棒と、
被測定流体の収容部材に形成された取付口に挿入固定される筒状の部材であって、その内部に前記取付口に固定された側の端部から挿入された前記流体接触棒が着脱可能に固定され、かつその内壁に径方向内側に突出する環状部を有する保護管と、
前記保護管内に配置され前記流体接触棒の一部が挿入される有底略筒状の部材であって、その側壁から突出するフランジを有し、前記環状部よりも前記流体接触棒の挿入方向後方側の前記保護管の内壁との間に被測定流体が流通可能なギャップが形成されるバルブスリーブと、
前記バルブスリーブの外周に配置され前記フランジを前記環状部に向かって付勢するコイルバネと、
前記バルブスリーブの外径よりも小さい開口を有し、前記保護管の前記挿入方向前方側の端部に設けられて前記コイルバネを係止する係止部材と、を備える
ことを特徴とする温度・圧力測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の温度・圧力測定装置において、
前記流体接触棒の適正長さは、当該流体接触棒を前記保護管に挿入する際、前記バルブスリーブの底部が前記係止部材に到達する以前に、前記流体接触棒の所定位置が前記保護管に固定される長さとされている
ことを特徴とする温度・圧力測定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の温度・圧力測定装置において、
前記流体接触棒が前記保護管内で被測定流体と接触可能な長さである前記保護管の有効使用長を、前記流体接触棒が前記保護管に固定された位置から前記保護管における前記挿入方向前方の端部までの長さとしたとき、
前記保護管の前記挿入方向前方側の端部から前記環状部までの寸法は、前記有効使用長の1/2以下とされ、
前記バルブスリーブの長さは、当該バルブスリーブに前記流体接触棒が挿入された状態で、当該バルブスリーブの前記挿入方向後方側の端部が前記環状部の位置と重なる寸法とされている
ことを特徴とする温度・圧力測定装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の温度・圧力測定装置において、
前記バルブスリーブのフランジと前記環状部との間には、環状のシール部材が介装されている
ことを特徴とする温度・圧力測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の温度・圧力測定装置において、
前記環状部には、前記挿入方向後方側から前記挿入方向前方側に向かって拡径する斜面が形成され、
前記バルブスリーブは、前記フランジに前記シール部材を係止するシール部材係止手段を有する
ことを特徴とする温度・圧力測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の温度・圧力測定装置において、
前記シール部材係止手段は、前記フランジよりも前記挿入方向後方側で前記バルブスリーブの側壁から突出する係止用フランジとされ、
前記シール部材は、前記フランジと前記係止用フランジとの間に形成された溝部に配置され、かつ前記係止用フランジから径方向外側に突出している
ことを特徴とする温度・圧力測定装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の温度・圧力測定装置において、
前記保護管の前記挿入方向前方側の端部内壁には、周方向に沿って溝が形成され、
前記係止部材は、前記溝に係止される留め環により、前記保護管に固定されている
ことを特徴とする温度・圧力測定装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の温度・圧力測定装置において、
前記バルブスリーブの前記環状部よりも前記挿入方向後方側の側壁には、被測定流体が流通可能な貫通孔が形成されている
ことを特徴とする温度・圧力測定装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の温度・圧力測定装置において、
被測定流体の温度および圧力を測定する測定本体と、接触した被測定流体の温度感知部、および前記被測定流体の流体圧力を前記測定本体に導入する圧力導入部が一体的に棒状に形成された流体接触棒と、を備えた温度・圧力計を、被測定流体の収容部材に形成された取付口に挿入された状態で取り付ける取付装置であって、
前記取付口に挿入固定される筒状の部材であって、その内部に前記取付口に固定された側の端部から挿入された前記流体接触棒が着脱可能に固定され、かつその内壁に径方向内側に突出する環状部を有する保護管と、
前記保護管内に配置され前記流体接触棒の一部が挿入される有底略筒状の部材であって、その側壁から突出するフランジを有し、前記環状部よりも前記流体接触棒の挿入方向後方側の前記保護管の内壁との間に被測定流体が流通可能なギャップが形成されるバルブスリーブと、
前記バルブスリーブの外周に配置され前記フランジを前記環状部に向かって付勢するコイルバネと、
前記バルブスリーブの外径よりも小さい開口を有し、前記保護管の前記挿入方向前方側の端部に設けられて前記コイルバネを係止する係止部材と、を備える
ことを特徴とする温度・圧力測定計の取付装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−281450(P2008−281450A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126137(P2007−126137)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000150707)長野計器株式会社 (62)
【Fターム(参考)】