説明

温度保護素子

【課題】バイメタルとPTCを使用しオン−オフする温度保護素子において、バイメタルの過熱を防止し、同時に所要部品を削減してローコスト化を図る。
【解決手段】一対のターミナル11を絶縁ケース12に一体化し、このケース内にPTC22およびバイメタル25を収容する。バイメタルの先端部に導電体26を設け後端部で第2ターミナル11−2と接続固定し、PTC22は第1および第2ターミナルと接続して構成する。ここで主回路を形成するために、第1ターミナル11−1の接点17、および第2ターミナル11−2の接点18間の架接をオン−オフするために、バイメタルの先端部に導電体26を開閉自在に配置する。それによりバイメタルが作動してオフ状態となった後、PTCが第1および第2ターミナル間に配置接続されて通電し、通電発熱回路に切り換りバイメタルのオフ状態を維持させるようにした温度保護素子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイメタルを利用して回路接点間をオン−オフする温度保護素子、特に、通電加熱素子の発熱によって、バイメタル動作時のオフ状態を異常解消まで維持する温度保護素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、バイメタルを回路遮断素子として利用することはよく知られている。例えば、充電による温度上昇時に充電を停止させるために、バイメタルサーモスタットをオフにすると同時にこれと並列に加熱素子を設けてサーモスタットの復帰を阻止する過充電防止用回路保護素子があり、この過充電防止用回路保護素子を用いるパック電池が知られている。特許文献1に開示されるパック電池は、感熱遮断素子のバイメタルサーモスタットと並列に遮断状態の感熱遮断素子を加熱する加熱抵抗を同一ケース内に内蔵させたもので、加熱抵抗のジュール熱が一緒に内蔵した感熱遮断素子を加熱して復帰を防止する。
【0003】
感熱遮断素子と加熱抵抗を内蔵するパック電池の安全装置の改良案として、特許文献2は、ターミナル間に可動アームを設け、この可動アームをバイメタルで作動させると同時に加熱素子にPTCを併用し、遮断中のオフ状態時に可動アーム、バイメタル、およびPTCをベース側ターミナルと導通状態にする安全装置を開示する。このバイメタルを用いた安全装置は、正常時には、可動アームがターミナル間の通電路となって、バイメタルおよびPTCは電気回路上接続されていない状態にされている。一方、周辺温度が上昇してバイメタルが反転する作動時に可動アームを押し上げ、接点を開放し、同時に反転状態のバイメタルを介してPTCに通電する電気回路に切り替え、電源電圧が低下するまでPTCの発熱によってバイメタルの反転状態を保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許文献1:特開平07−153499号公報
特許文献2:特開2005−203277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2が開示する安全装置は、可動アームを用いるために回路構成を複雑化させるとともに、バイメタル作動時にPTCの発熱に加えて、バイメタル自体の比較的高抵抗による通電熱、および可動アームとバイメタルの間の接触抵抗による通電熱とが生じる。それゆえ、所望しない発熱が可動アームに伝熱されて過熱状態となる。また、可動アームの過熱は、これらの構成部品を収容する絶縁ケースを熱変形させる。特に、可動アーム上に被せたプラッチック製カバーの熱変形を防止するために、予め金属薄板等をカバー内面に成形加工して組み込む必要が生じ、ケースカバーを可動アームの熱から遮蔽する必要があった。このように、可動アームのほかにアーム過熱対策用金属薄板などの付属部品やその組立構造上の加工処理など、部品点数の増加と組立作業の複雑化に伴うコスト面の欠点があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は上述する欠点を解消するために提案されたものであり、使用部品点数の削減によるローコスト化および感熱遮断素子のバイメタルの作動後のオフ(開離)状態に、所望しない回路上の通電発熱を阻止し、加熱素子のPTCを適切に作動維持させる機能を備える新規かつ改良された温度保護素子の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による温度保護素子は、一対のターミナルに接点を設けた絶縁ケースに感熱遮断素子のバイメタルと加熱素子のPTCを収容し、バイメタルが正常時にはターミナル用接点間を閉接するオン状態に、加熱異常時にはターミナル用接点間を開離するオフ状態に作動し、異常時にPTCに通電するようにしてPTCを発熱させることで、バイメタルのオフ状態を保持する温度保護素子において、バイメタルは先端側に導電体が設けられ、一対のターミナルの2つの接点間をバイメタル先端側に設けた導電体により架橋接続してオン状態に作動させる。すなわち、第1ターミナルに設けた第1接点と、第2ターミナルに設けた第2接点と、第1ターミナルに接続したPTCと、さらに、このPTCにバイメタルを介して接続する第2ターミナルか、またはこのPTCに接続された第2ターミナルに固定したバイメタルか、のいずれかを備え、バイメタルはその先端側に第1および第2接点間を架接する導電路を接点材により形成した導電体を具備し、一対のターミナルの導出部分以外を絶縁ケースと絶縁カバーによりパッケージした温度保護素子である。なお、必要に応じて、第1ターミナルにはPTCの一方の電極端子との接続用に第3接点を設け、第2ターミナルにはバイメタルおよびPTCの他方の電極端子との接続用に分岐を設けて一括固定される。ここで、バイメタルのオン状態には、一対のターミナル間は第1ターミナル−第1接点−導電体−第2接点−第2ターミナルから形成される主回路に通電され、正常のオン状態を維持する。一方、バイメタルのオフ状態には、第1ターミナル−PTC−バイメタル−第2ターミナルか、または第1ターミナル−PTC−第2ターミナルから形成される通電加熱回路に通電され、PTCの通電加熱でバイメタルのオフ状態が維持される。バイメタルおよびPTCは絶縁カバー付きケースに収納されて構成部品が保護される。バイメタルは、正常時には導電体で第1接点と第2接点の間を架橋接続し、異常時にバイメタルの反転作用で第1接点と第2接点間が開離される。そして、正常時は導電体を経て両ターミナル間を通電する主回路を形成し、異常時はPTCを経由する通電発熱回路に切り換える温度保護素子となる。
【0008】
本発明によれば、正常時の電流は、一方のターミナルに設けた第1接点からバイメタルに設けた低抵抗の導電体の架橋接続により、他方のターミナルに設けた第2接点へ通じる主回路に流れ、より抵抗値の高いバイメタルとPTCには通電せず、通電加熱回路による電力損失を最小限に抑える。一方、異常時の温度上昇を検知したときは、バイメタルの反転作動により、第1接点および第2接点が開離して、主にPTCへの通電発熱回路に電流が流れるように切り換わる。このように本発明の温度保護素子は、バイメタル先端側に設けた低抵抗の導電体と、それより高抵抗のバイメタル自体またはPTCとの間の電気抵抗差を利用して高抵抗側に流れる電流を制限して、通常時にターミナルおよびバイメタルとPTCとが接触した状態にあっても、正常に機能させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の温度保護素子は、バイメタルの先端部に一対のターミナル間を架接する導電体を設けたので正常時の主回路の電気抵抗を小さくして消費電力を最小限に抑えることができる。さらに、異常時にはバイメタル自体に通電させないか、あるいは通電距離を最小限に抑えることで、バイメタルの過度の抵抗加熱を阻止できる。このため構成部品にバイメタルの通電過熱対策を施す必要がなく、構成部品を簡素化できるので経済的効果も大きい。特に、バイメタルの一対のターミナルを特定構造として両者の接点を互いに近接配置してバイメタルに設けた導電体を架接用の共通接点としたので構成部品の使用点数を減らし、それにより組立を容易にして工数低減に寄与し、ローコストの温度保護素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施例1の温度保護素子の要部構成を示す分解斜視図である。
【図2】同じく図1の温度保護素子を示し、図2(a)はカバーを除く絶縁ケース本体側の正面図、図2(b)は正常時のオン状態における断面図および図2(c)は異常時のオフ状態における断面図である。
【図3】本発明に係る実施例1の温度保護素子の変形例を示し、図3(a)はカバーを除く絶縁ケース本体側の正面図、図3(b)は正常時のオン状態における断面図および図3(c)は異常時のオフ状態における断面図である。
【図4】本発明に係る実施例2の温度保護素子の要部構成を示す分解斜視図である。
【図5】同じく図4の温度保護素子を示し、図5(a)はカバーを除く絶縁ケース本体側の正面図、図5(b)は正常時のオン状態における断面図および図5(c)は異常時のオフ状態における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の実施例1に係る温度保護素子10を示し、一対の導出ターミナル11を設けた絶縁ケース12からなる。絶縁ケース12は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルペンテン、液晶ポリマー、フッ素樹脂などのエンジニアリングプラスチックを射出成形により、各ターミナルを内包するプラスチック製筐体に成形加工したものである。絶縁ケース12には、第1ターミナル11−1、第2ターミナル11−2を備え、予め適宜フォーミングされた各ターミナルを絶縁ケースに射出成形により一体成形すると共に、この絶縁ケース内にはターミナルの接続用電極部分を露呈させて設けている。すなわち、図1に示すように、一対のターミナル11を絶縁ケース12に一体化した加工部品、このケースの開口を覆う絶縁カバー19、絶縁ケース12内に収容するPTC22およびバイメタル25からなる4つの部品から構成される。先端部に導電体26を設けたバイメタル25は後端部を第2ターミナル11−2と接続する電極部13で接続固定され、PTC22はその下面が第1ターミナルと接続するように、第1ターミナル11−1に電極部(第3接点)14を設けている。さらに、主回路を形成するために、第1ターミナル11−1に電極部15と接点17、および第2ターミナル11−2に電極部16と接点18が設けられる。これらの接点17,18は、バイメタル25の導電体26と接触自在に配置され主回路をオン−オフする。両面に電極を有するPTC22は第1ターミナル11−1の電極部(第3接点)14およびバイメタル25と接続するように設置される。それにより、PTC22は第1および第2ターミナル間に配置接続される。PTC22の上下面には、例えばAg、Zn、Ni、カーボンなどの単体または複合体からなる電極を施している。また、図示しないがバイメタルが反転作動した際に、バイメタルと上記PTCの電極とを圧接させる目的で、バイメタル下面に接触突起を設けることが好ましい。なお、バイメタル25の架接用通電路となる導電体26は、バイメタル本体の材料より電気抵抗が小さい導電材であればよく、例えばCu、Ag、AuやCu合金、Ag合金、Au合金のような金属材料の中から選定することができ、選ばれた材料を接合固定するか、接点材のクラッドもしくはめっきして形成する。絶縁ケース12はPTC22およびバイメタル25を組み込み後、その開口部に絶縁カバー19が掛けられ、絶縁ケース開口部を絶縁カバー19で被ってパッケージする。実施例1では、図2(b)に示すように絶縁カバー19の内側に押圧部19−1を設けることで、バイメタルの初期変形を拘束してバイメタルのチャタリング動作を抑制している。
【0012】
図3は、本発明の実施例1に係る温度保護素子10の変形例を示す。温度保護素子10においては、絶縁カバー内側に押圧部を設けているが、変形例では、図3(b)に示すように、絶縁カバーの内側を平坦に成形してある点が異なっている。変形例の温度保護素子は、組立工程でバイメタル表面の一部をレーザー加工することで、チャタリング動作の抑制と反転温度の微調整を行う。上記の変形例では、バイメタルが反転作動した際にバイメタルとPTCとを圧接させる目的で、バイメタル25の凹面の内側部分に接触突起25−1を設けてもよい。
【0013】
図4および図5は、本発明に係る実施例2の温度保護素子30を示すが、実施例1と同様な構造については詳細な説明を省略する。実施例1においては絶縁ケース本体がターミナル部品と一括して加工されたのに対し、この実施例2では一対のターミナルも構成部品として挙げられ、図4に示すように、6つの部品で構成される。すなわち、絶縁ケース32と絶縁カバー33が所定形状に成形加工され、第1ターミナル31−1と第2ターミナル31−2が所定形状に板金加工されて用意される。PTC42およびバイメタル45は、絶縁ケース32と絶縁カバー33からなるパッケージの内部に収容される。一対のターミナル31はそれぞれに接点37と接点38が設けられており。これらの接点間のオン−オフがバイメタル45の先端部に設けた導電体46の作動により行うのは実施例1と同様である。また、PTC42が一対のターミナル31間に配置され、互いに接触して通電発熱回路を形成するのも実施例1と同様である。この実施例では、第1ターミナル31−1およびこれと対峙する第2ターミナル31−2の各平面部分に方形状PTC42が挟持状態で配置される。また、バイメタル45の先端側に設けた導電体46は、第1接点37および第2接点38の間を架接して開閉自在に配置し、バイメタル45の後端側は第2ターミナル31−2の上面と接合させて固定する。導電体46は、実施例1と同様にバイメタル材より電気抵抗が小さい導電材であればよく、例えばCu、Ag、AuやCu合金、Ag合金、Au合金のような金属材料の中から選ばれる。
【0014】
上述する実施例において、バイメタルに施す低抵抗の導電体は、めっき等の成膜によってバイメタルの表面全面または電気接触が必要とされる一部に部分的に設けてもよく、特に部分的に導電体を設ける場合は、低抵抗の単一材料やクラッド材等を該当部分に抵抗溶接するのが好ましい。また、方形板状PTCの上面に対向する部分のターミナルやバイメタルの接触面は全面もしくは一部分をクラッドもしくはめっきにより形成させてもよい。バイメタルに設ける導電体は、バイメタルとの境界面に、低抵抗導電材の組成分とバイメタル材質とが互いに拡散などにより混ざり合うことがないよう、Niなどのバリア層を設けるのが好ましい。この他に導電体は、Cu、Ag、Au、Cu合金、Ag合金、Au合金の中から選ばれた少なくとも1つの導電材を導電フィラーに用いた導電塗料をバイメタルアームに塗布し、使用するバイメタルとPTCよりも低抵抗の皮膜を形成させて設けてもよい。
【実施例1】
【0015】
図2の実施例1の温度保護素子では、絶縁ケース12は液晶ポリマーの射出成形により作製された。また、ターミナルのバイメタルやPTCとの接続電極や接点電極の各電極部は筐体内側に銅材を露出させている。具体的に、絶縁ケース12内の第1ターミナル11−1には、Ag−Ni合金材からなる第1接点17と第3接点14とを設け、PTC装入孔22−1の中央部に位置する第3接点14と円盤状のセラミック製PTC22とを接触させている。さらにPTC22の上面と接触するバイメタル25を第2ターミナル11−2に接合する電極部13をAg−Ni合金材により設けている。絶縁ケース開口部を覆う絶縁カバーも液晶ポリマー製である。実施例1で用いる導電体26は、テープ状のクロスバー型接点材をプロジェクション溶接によってバイメタル端部の所定位置に設ける。この実施例の保護素子が異常温度を検知したときは、図2(c)に示すように、バイメタルの反転による作動でバイメタル25の端部を動かし、導電体26が第1接点17と第2接点18の架接を開離する。その結果、専らPTC22の通電発熱回路に電流が流れるように切り換わる。過電流に対しては、電流値がバイメタル端部に設置した導電体26の通電容量を超えたときに、導電体の抵抗発熱によってバイメタルが反転作動する。作動による開離よりオフ状態となった後はPTC22を経る通電発熱回路が働き、その時点でバイメタルアームの自己発熱は停止する。
【0016】
実施例1の変形例は、図3(b)に示すように、液晶ポリマー製絶縁カバーの内側を平坦に成形している。また、バイメタル25の凹面の内側部分に接触突起25−1を設け、作動時にバイメタルをセラミック製PTC22に圧接させて接触性を向上させている。その他の部分の構成や作動原理については、実施例1と同様であるので省略する。
【実施例2】
【0017】
図5の実施例2の温度保護素子では、絶縁ケース32と絶縁カバー33は液晶ポリマー製絶縁物質で成形加工されている。ケース内部に、フォーミングを施した銅製の一対のターミナル31間に方形板状のセラミック製PTC42を挟み込んで収め、PTC42を第1ターミナル31−1と第2ターミナル31−2とに接触させ、さらに第2ターミナル上部にバイメタル45を接合している。各ターミナル31の各接点37,38はAg−Cu合金材からなり、バイメタル45の先端部に設けた導電体46もAg−Cu合金材からなる。絶縁ケース32の開口部を絶縁カバー33で被って、両者を融着させてある。実施例2で用いる導電体46は、テープ状のクロスバー型接点材をプロジェクション溶接によってバイメタル端部の所定位置に設けてある。この実施例2の温度保護素子30が異常温度を検知したときは、図5(c)に示すように、バイメタルの反転作動により導電体46が第1接点と第2接点の架接を開離する。その結果、専らPTC42に通電する通電発熱回路に電流が流れる。一方、過電流に対しては、電流値がバイメタル端部に設けた導電体の通電容量を超えたときに、導電体の抵抗発熱によってバイメタル45が反転作動することで両接点を開離し、この作動後はPTC42を経る通電発熱回路に切り替わるため、その時点でバイメタルの自己発熱は停止する。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の温度保護素子は、電気・電子回路の過熱防止に利用され、とりわけ二次電池の過充電防止用保護素子として有用である。
【符号の説明】
【0019】
10,30・・・温度保護素子、 11,31・・・ターミナル、
11−1,31−1・・・第1ターミナル、
11−2,31−2・・・第2ターミナル、
12,32・・・絶縁ケース、 19,33・・・絶縁カバー、
13・・・バイメタル用電極部、 14・・・PTC用電極部(第3接点)、
15・・・第1接点用電極部、 16・・・第2接点用電極部、
17,37・・・第1接点 、 22,42・・・PTC、
18,38・・・第2接点 、 25,45・・・バイメタル、
26,46・・・導電体、 19−1・・・バイメタル押圧部、
22−1・・・PTC装入孔、 25−1・・・接触突起。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のターミナルに接点を設けた絶縁ケース部材に感熱遮断素子と加熱素子を配置し、前記ターミナルの接点間を作動して主回路を正常時に閉接し、異常時に開離し、異常時に前記加熱素子を通電発熱回路に有用する温度保護素子において、前記感熱遮断素子はバイメタルの先端側に導電体を設け、この導電体を介して一対のターミナルに設けた接点間の架接状態によりオン−オフ作動させることを特徴とする温度保護素子。
【請求項2】
第1ターミナルに設けた第1接点と、第2ターミナルに設けた第2接点と、第1および第2ターミナルに接続したPTCと、このPTCに接続され前記第2ターミナルに固定したバイメタルとを具備し、前記バイメタルは先端側に接点材により形成した導電体を有し、前記第1および第2ターミナルの導出部を除き絶縁ケースとその開口を絶縁カバーで被ってパッケージした温度保護素子。
【請求項3】
第1接点を有する第1ターミナルと、第1ターミナルに接続したPTCと、第2接点を有し前記PTCに接続した第2ターミナルと、接点材からなる導電体を有し第2ターミナルに固定したバイメタルと、バイメタルとPTCを収納する絶縁ケースおよびカバーとを備え、前記バイメタルの前記導電体により、前記第1接点と第2接点の間を架橋接続し、前記バイメタルの反転作用によって第1接点と第2接点の間の接続を開離して、前記PTCに通電する通電発熱回路と前記導電体を経て両ターミナル間に通電する主回路を切り替える温度保護素子。
【請求項4】
前記バイメタルがオン状態である正常時には、一対のターミナル間は第1ターミナル−第1接点−導電体−第2接点−第2ターミナルの通電主回路が形成され、バイメタルがオフ状態となる異常時には、第1ターミナル−PTC−第2ターミナルの通電発熱回路が形成され、PTCの通電加熱により前記バイメタルをオフ状態に維持することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の温度保護素子。
【請求項5】
前記PTCと前記第2ターミナルとの電気接続がバイメタルを介して接続されたことを特徴とする請求項4に記載の温度保護素子。
【請求項6】
前記導電体は、感熱遮断素子に使用するバイメタルより電気抵抗が小さい導電材であることを特徴とする請求項1から請求項5に記載の温度保護素子。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−233314(P2011−233314A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101586(P2010−101586)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(300078431)エヌイーシー ショット コンポーネンツ株式会社 (75)
【Fターム(参考)】