説明

測定装置

【課題】光ビームにノイズが発生したことを検出することができる測定装置を提供する。
【解決手段】ノイズ検出部86により、CCD36Bにより生成されて取得された画像情報に対して2次元フーリエ変換を行なって空間周波数領域の画像情報を求め、当該空間周波数領域の画像情報に、ノイズに対応するものとして予め定められた空間周波数成分が存在するか否かを判定することによりノイズの発生を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置に係り、特に、表面プラズモン共鳴現象を利用して試料の特性を測定する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表面プラズモン共鳴現象(Surface Plasmon Resonance:SPR)を利用して試料の特性を測定する測定装置の1つとして、表面プラズモンセンサーが知られている。一般的に、表面プラズモンセンサーは、プリズムと、このプリズムの一面に配置され、試料としての生理活性物質が固定される金属性の薄膜層と、光ビームを発生させる光源と、光ビームをプリズムに対して、プリズムと薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの光強度分布を検出する光検出手段と、を備え、光検出手段により検出された光強度分布から表面プラズモン共鳴現象による全反射減衰の発生により暗線が発生した位置を検出することにより、生理活性物質の特性の解析を行なうものである。
【0003】
この暗線の位置を検出する技術として、特許文献1には、全反射減衰が発生していない光ビームそのものの光強度分布を基準光強度分布として予め記憶しておき、界面で全反射した光ビームの光強度分布を検出し、検出した光強度分布から分布値毎に基準光強度分布を除算することにより、光ビームの光強度分布のばらつきの影響を相殺して、暗線の位置を高精度に検出する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、反射率と入射角の関係を示すプラズモン共鳴カーブの方程式を予め記憶しておき、検出された光ビームの光強度分布に対して方程式に示されるプラズモン共鳴カーブのフィッティングを行なうことにより全反射減衰角の位置を高精度に検出する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−98369号公報
【特許文献2】特開2003−14623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の測定装置では、プリズムにゴミが付着したり、光学系の光路上に傷などがあると、光ビームにノイズが発生する場合がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、光ビームにノイズが発生した場合について考慮されていないため、光ビームにノイズが発生すると暗線位置の検出精度が低下する場合がある、という問題点があった。
【0007】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、光ビームにノイズが発生したことを検出することができる測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、光ビームに対して透過性を有し、一部に薄膜層が形成され、当該薄膜層上に試料が接触される光透過性部材と、前記光透過性部材と前記薄膜層との界面において全反射される角度で前記光透過性部材に光ビームを出射する光源と、前記界面において全反射された光ビームを所定の結像位置に結像させる光学系と、前記結像位置に配置され、前記界面において全反射されて前記光学系により結像された光ビームによる2次元の画像を示す画像情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された画像情報に対して2次元フーリエ変換を行なって空間周波数領域の画像情報を求め、当該空間周波数領域の画像情報に、ノイズに対応するものとして予め定められた空間周波数成分が存在するか否かを判定することによりノイズの発生を検出する検出手段と、を備えている。
【0009】
請求項1記載の発明は、光ビームに対して透過性を有し、一部に薄膜層が形成された光透過性部材の上記薄膜層上に試料が接触され、光透過性部材と前記薄膜層との界面において全反射される角度で前記光透過性部材に光ビームが光源から出射されるものとされており、光学系により、界面において全反射された光ビームが所定の結像位置に結像され、結像位置に配置された取得手段により、界面において全反射されて光学系により結像された光ビームによる2次元の画像を示す画像情報が取得される。
【0010】
そして、本発明は、検出手段により、取得手段により取得された画像情報に対して2次元フーリエ変換を行なって空間周波数領域の画像情報を求め、当該空間周波数領域の画像情報に、ノイズに対応するものとして予め定められた空間周波数成分が存在するか否かを判定することによりノイズの発生が検出される。
【0011】
このように請求項1記載の発明によれば、取得した画像情報に対して2次元フーリエ変換を行なって空間周波数領域の画像情報を求め、当該空間周波数領域の画像情報に、ノイズに対応するものとして予め定められた空間周波数成分が存在するか否かを判定することによりノイズの発生を検出しているので、光ビームにノイズが発生したことを検出することができる。
【0012】
なお、請求項1記載の発明は、請求項2記載の発明ように、前記2次元フーリエ変換が、前記界面において前記光ビームが反射される反射方向と当該反射方向の直交方向の2方向を軸とする空間周波数領域へ変換することが好ましい。
【0013】
また、本発明は、請求項3記載の発明ように、前記ノイズに対応する空間周波数成分が、前記光源、前記光透過性部材、及び前記光学系を含む何れかの光ビームの光路上に配置された部材に存在する異物及び傷の少なくとも一方によって、前記取得手段により取得された前記画像情報により示される画像に発生するノイズの空間周波数に応じて定められており、前記検出手段が、前記空間周波数領域の画像情報に、前記ノイズの空間周波数に対応する空間周波数成分が存在するか否かを判定することにより異物及び傷の少なくとも一方が存在する前記部材を検出することが好ましい。
【0014】
また、請求項1記載の発明は、請求項4記載の発明ように、前記検出手段は、前記2次元フーリエ変換によるノイズの検出に代えて、前記取得手段により取得された画像情報により示される2次元の画像に対して、ノイズを示すものとして予め定められた2次元パターンとのパターン・マッチングを行なうことにより、ノイズの発生を検出してもよい。
【発明の効果】
【0015】
このように、本発明によれば、取得された画像情報に対して2次元フーリエ変換を行なって空間周波数領域の画像情報を求め、当該空間周波数領域の画像情報に、ノイズに対応するものとして予め定められた空間周波数成分が存在するか否かを判定することによりノイズの発生を検出しているので、光ビームにノイズが発生したことを検出することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
本実施の形態に係る測定装置としてのバイオセンサー10は、金属膜の表面に発生する表面プラズモン共鳴現象を利用して、タンパクTaと試料Aとの相互作用を測定する、いわゆる表面プラズモンセンサーである。
【0018】
図1〜図4に示すように、バイオセンサー10は、下部筐体11及び上部筐体12を備えている。上部筐体12は、断熱部材で構成されており、バイオセンサー10の上半分全体を覆っている。上部筐体12内と、外部及び下部筐体11内との間は、断熱されている。上部筐体12の手前側は、上方へ開放可能とされており、把手13が取り付けられている。上部筐体12の外側には、ディスプレイ14及び入力部16が設置されている。
【0019】
図2は、上部筐体12を取り去って、図1の奥側からみたバイオセンサー10の内部を示す図であり、図3は筐体の内部を上面からみた図、図4は図2の手前側からみた内部の側面図である。
【0020】
上部筐体12の内部には、分注ヘッド20、測定部30、試料ストック部40、ピペットチップストック部42、バッファストック部44、保冷部46、測定チップストック部48、ラジエータ60、ラジエータ送風ファン62、水平方向送風ファン64が備えられている。
【0021】
試料ストック部40は、試料積層部40A及び試料セット部40Bで構成されている。試料積層部40Aには、個々のセルに各々異なる測定対象とする試料としてのアナライト溶液をストックする試料プレート40Pが、Z方向(鉛直方向)に積層されて収容されている。試料セット部40Bには、1枚の試料プレート40Pが、図示しない搬送機構により試料積層部40Aから搬送されてセットされる。
【0022】
ピペットチップストック部42は、ピペットチップ積層部42A及びピペットチップセット部42Bで構成されている。ピペットチップ積層部42Aには、複数のピペットチップを保持するピペットチップストッカー42Pが、Z方向に積層されて収容されている。ピペットチップセット部42Bには、1枚のピペットチップストッカー42Pが、図示しない搬送機構によりピペットチップ積層部42Aから搬送されてセットされる。
【0023】
バッファストック部44は、ボトル収容部44A及びバッファ供給部44Bで構成されている。ボトル収容部44Aには、測定の基準となる基準試料としてのバッファー液が貯留された複数本のボトル44Cが収容されている。バッファ供給部44Bには、バッファプレート44Pがセットされている。バッファプレート44Pは、複数筋に区画されており、各々の区画には濃度の異なるバッファー液が貯留されている。また、バッファプレート44Pの上部には、分注ヘッド20のアクセス時にピペットチップCPが挿入される孔Hが構成されている。バッファプレート44Pへは、ホース44Hによりボトル44Cからバッファ液が供給される。
【0024】
バッファ供給部44Bの隣には、補正用プレート45が配置され、その隣に保冷部46が配置されている。補正用プレート45は、バッファー液の濃度調整を行うためのプレートであり、マトリクス状に複数セルが構成されている。保冷部46には、冷蔵の必要な試料が配置される。保冷部は低温とされており、この上で試料は低温状態に保たれる。
【0025】
測定チップストック部48には、測定チップ収容プレート48Pがセットされている。測定チップ収容プレート48Pには、測定チップ50が複数本収納されている。
【0026】
測定チップストック部48と測定部30との間には、測定チップ搬送機構49が備えられている。測定チップ搬送機構49は、測定チップ50を両側から挟み込んで保持する保持アーム49A、回転により保持アーム49AをY方向に移動させるボールねじ49B、Y方向に配置され、測定チップ50が載せられる搬送レール49C、を含んで構成されている。測定の際には、1本の測定チップ50が測定チップ搬送機構49により測定チップ収容プレート48Pから搬送レール49C上に載せられ、保持アーム49Aにより挟持されつつ測定部30へ移動してセットされる。
【0027】
測定チップ50は、図5及び図6に示すように、誘電体ブロック52、流路部材54、及び、保持部材56、で構成されている。
【0028】
誘電体ブロック52は、光ビームに対して透明な透明樹脂等で構成されており、断面が台形の棒状とされたプリズム部52A、及び、プリズム部52Aの両端部にプリズム部52Aと一体的に形成された被保持部52Bを備えている。プリズム部52Aの互いに平行な2面の内の広い側の上面には、金属性の薄膜57が形成されている。誘電体ブロック52は、いわゆるプリズムとして機能し、バイオセンサー10での測定の際には、プリズム部52Aの対向する互いに平行でない2つの側面の内の一方から光ビームが入射され、他方から薄膜57との界面で全反射された光ビームが出射される。
【0029】
薄膜57の表面には、タンパクTaを薄膜57上に固定化するための、リンカー層57Aが形成されている。このリンカー層57A上にタンパクTaが固定される。
【0030】
プリズム部52Aの両側面には、上側の端辺に沿って保持部材56と係合される係合凸部52Cが形成されている。また、プリズム部52Aの下側には、側端辺に沿って搬送レール49Cと係合されるフランジ部52Dが形成されている。
【0031】
図6に示すように、流路部材54は、6個のベース部54Aを備え、ベース部54Aの各々に4本の円筒部材54Bが立設されている。ベース部54Aは、3個のベース部54A毎に、立設された円筒部材54Bのうちの1本の上部が連結部材54Dによって連結されている。流路部材54は、軟質で弾性変形可能な材料、例えば非晶質ポリオフィレンエラストマーで構成されている。
【0032】
ベース部54Aには、図7に示すように、底面側に略S字状の2本の流路溝54Cが形成されている。流路溝54Cは、端部の各々が1の円筒部材54Bの中空部と連通されている。ベース部54Aは、底面が誘電体ブロック52の上面と密着され、流路溝54Cと誘電体ブロック52の上面との間に構成される空間と前記中空部とで、液体流路55が構成される。1個のベース部54Aには、2本の液体流路55が構成される。各々の液体流路55において、円筒部材54Bの上端面に液体流路55の出入口53が構成される。
【0033】
ここで、2本の液体流路55のうち、1本は測定流路55Aとして用いられ、他の1本は参照流路55Rとして用いられる。測定流路55Aの薄膜57上(リンカー層57A上)にはタンパクTaが固定され、参照流路55Rの薄膜57上(リンカー層57A上)にはタンパクTaが固定されない状態で測定が行われる。測定流路55A及び参照流路55Rには、図7に示すように、各々光ビームL1、L2が入射される。光ビームL1、L2は、図8に示すように、ベース部54Aの中心線M上に配置されるS字の屈曲部分に照射される。以下、測定流路55Aにおける光ビームL1の照射領域を測定領域E1、参照流路55Rにおける光ビームL2の照射領域を参照領域E2という。参照領域E2は、タンパクTaの固定された測定領域E1から得られるデータを補正するための測定を行う領域である。
【0034】
測定チップ50の保持部材56(図6参照。)は、長尺とされ、上面部材56A及び2枚の側面板56Bが蓋状に構成された形状とされている。側面板56Bには、誘電体ブロック52の係合凸部52Cと係合される係合孔56C、及び、光ビームL1、L2の光路に対応する部分に窓56Dが形成されている。保持部材56は、係合孔56Cと係合凸部52Cとが係合されて、誘電体ブロック52に取り付けられる。なお、流路部材54は、保持部材56と一体成形されており、保持部材56と誘電体ブロック52の間に配置される。
【0035】
上面部材56Aには、流路部材54の円筒部材54Bに対応する位置に、受部59が形成されている。受部59は略円筒状とされている。
【0036】
一方、分注ヘッド20は、図2に示すように、上部筐体12内の上部に設けられ、水平駆動機構22により矢印X方向に移動可能とされている。水平駆動機構22は、ボールねじ22A、モータ22B、ガイドレール22Cにより構成されている。ボールねじ22A及びガイドレール22Cは、X方向に配置されている。ガイドレール22Cは平行に2本配置され、そのうちの1本はボールねじ22Aの下側に所定間隔離れて配置されている。分注ヘッド20は、ボールねじ22Aの回転により、ガイドレール22Cに沿ってX方向に移動される。
【0037】
分注ヘッド20には、分注ヘッド20を矢印Z方向に移動させる鉛直駆動機構24が設けられている。鉛直駆動機構24は、図9に示すように、モータ24A及びZ方向に配置された駆動軸24Bを含んで構成され、分注ヘッド20をZ方向に移動させる。図3に示すように、分注ヘッド20によりアクセスされて液体の供給等が行われる、保冷部46、補正用プレート45、バッファ供給部44B(バッファプレート44P)、測定部30(測定チップ50)、試料セット部40B(試料プレート40P)、及びピペットチップセット部42B(ピペットチップストッカー42P)は、この順にX方向(分注ヘッド20の移動方向)に配置されている。
【0038】
図9に示すように、分注ヘッド20は、12本の分注管20Aを備えている。分注管20Aは、X方向と直交する矢印Y方向に沿って1列に配置されている。分注管20Aは、隣り合う2本で一対とされ、一方が液体供給用、他方が液体排出用とされている。分注管20Aの先端部には、ピペットチップCPが取り付けられる。ピペットチップCPは、ピペットチップストッカー42Pにストックされており、必要に応じて交換可能とされている。
【0039】
測定時には、分注管20Aにより、測定チップ50へ試料やバッファー液が供給される。これらの液体の供給は、分注ヘッド20を、保冷部46、試料セット部40A、バッファ供給部44B上へ移動させ、液体供給用の6本の分注管20Aに取り付けられたピペットチップCPで試料やバッファー液を吸引する。このときの吸引量は、2本分の流路に供給するための量である。そして、試料やバッファー液を吸引した6本の分注管20A側のピペットチップCPを、測定チップ50の測定流路55A側の片方の出入口53(以下「供給口53A」という)へ挿入すると共に、排出用の列の6本の分注管20Aに取り付けられたピペットチップCPを他方の出入口53(以下「排出口53B」という)へ挿入する。そして、供給口53A側の分注管20Aから半量の液体を吐出すると共に、排出口53B側の分注管20Aで液体を吸入することにより行われる。続いて、参照流路55R側へも、同様にしてピペットチップCPの残り半量の液体が供給される。
【0040】
測定部30は、図4に示すように、光学定盤32、光出射部34、受光部36を含んで構成されている。光学定盤32には、側方向から見て、上部中央の水平平面で構成される上部台32A、上部台32Aから離れる方向に向かって低くなる出射傾斜部32B、上部台32Aを挟んで出射傾斜部32Bと逆側に配置される受光傾斜部32Cが形成されている。上部台32Aには、Y方向沿って測定チップ50がセットされるものとされている。光学定盤32の出射傾斜部32Bには、測定チップ50へ向かって光ビームL1、L2を出射する光出射部34が設置されている。また、受光傾斜部32Cには、受光部36が設置されている。光学定盤32の隣には、光学定盤32を冷却する水冷ジャケット32Jが設けられている。
【0041】
図10に示すように、光出射部34には、光源34A、レンズユニット34Bが備えられている。また、受光部36には、レンズユニット36A、CCD36Bが備えられている。CCD36Bは、バイオセンサー10の全体の制御を司る制御部70が接続された画像処理部38と接続されている。
【0042】
光源34Aからは、発散状態の光ビームLが出射される。レンズユニット34Bは、偏光ビームスプリッタを内蔵しており、光源34Aから入射する光ビームLのP偏光成分とS偏光成分に分離し、光ビームLのP偏光成分をZ方向に対して一定の幅を持った比較的太い2本の平行な光ビームL1、L2に分ける。そして、レンズユニット34Bは、この2本の平行な光ビームL1、L2を薄膜57と誘電体ブロック52との界面の測定領域E1と参照領域E2に対して全反射角以上の種々の入射角で測定領域E1と参照領域E2において収束光状態となるように入射させる。よって、測定領域E1及び参照領域E2に入射する光ビームL1、L2は、誘電体ブロック52と薄膜57との界面において種々の反射角で全反射される。この全反射された光ビームL1、L2は、レンズユニット36Aを経てCCD36Bに結像される。CCD36Bは、全反射された2本の光ビームL1、L2を共に受光可能な面積の受光面を有するエリアセンサとされており、受光面に結像した像を示す画像情報を生成して出力する。この出力された画像情報は画像処理部38に入力される。画像処理部38では、入力された画像情報に基づいて所定の処理が行なわれ、測定領域E1及び参照領域E2での屈折率変化データが求め、制御部70へ出力される。
【0043】
この屈折率変化データは、測定チップ50に試料及びバッファー液をそれぞれ個別に供給してそれぞれ光出射部34から光ビームLを出射させて測定領域E1及び参照領域E2に光ビームL1、L2を照射し、測定領域E1及び参照領域E2において全反射された光ビームL1、L2に暗線が発生する暗線位置をそれぞれ求めた場合の、試料及びバッファー液での測定領域E1において暗線が発生する暗線位置の差分と、参照領域E2において暗線が発生する暗線位置の差分との差に基づいて求められるものである。薄膜57とタンパクTaとの界面に特定の入射角で入射した光ビームL1、L2は、界面に表面プラズモンを励起させ、これにより、特定の入射角で入射した光ビームL1、L2の反射光の強度が鋭く低下して暗線として観察される。この暗線となる光ビームL1、L2の入射角が全反射減衰角θSPであり、タンパクTaと試料Aとの反応に応じた全反射減衰角θSPの変化に基づいて屈折率変化データが求められる。
【0044】
制御部70は、屈折率変化データに基づいて、タンパクTaと試料Aとの反応を測定し、測定結果をディスプレイ14に表示させる。
【0045】
図11には、本実施の形態に係る画像処理部38の機能的な構成を示す機能ブロック図が示されている。
【0046】
同図に示すように、画像処理部38は、CCD36Bより入力される画像情報を記憶する画像情報記憶部78と、画像情報記憶部78に記憶された画像情報により示される2次元の画像に対して畳み込み演算を行なって1次元の光強度分布を示す分布情報を導出する畳み込み演算部80と、導出された分布情報を記憶する分布情報記憶部82と、上記分布情報に基づいて暗線位置の検出を行なう暗線位置検出部84と、画像情報記憶部78に記憶された画像情報により示される2次元の画像にノイズが含まれるか否かを判定するノイズ検出部86と、暗線位置検出部84により検出された暗線位置に基づいて屈折率変化データを導出する変化データ導出部88と、を備えている。
【0047】
なお、画像情報により示される2次元の画像には、界面において全反射された2本の光ビームL1、L2の像が含まれている。このため、本実施の形態に係る畳み込み演算部80は、画像情報により示される2次元の画像の光ビームL1、L2の像の領域毎に畳み込み演算を行なって、光ビームL1、L2の1次元の光強度分布を示す分布情報をそれぞれ導出するものとされている。
【0048】
次に、暗線位置の検出を行なう際の本実施の形態に係るバイオセンサー10の作用について説明する。
【0049】
屈折率変化データの導出を行なう場合、本実施の形態に係るバイオセンサー10は、最初に測定対象とする測定チップ50に分注ヘッド20からバッファー液を供給し、当該測定チップ50を測定チップ搬送機構49により上部台32Aに搬送して測定対象とする測定流路55Aの測定領域E1及び参照流路55Rの参照領域E2を各々光ビームL1、L2が入射する位置に配置する。そして、バイオセンサー10は、光出射部34から光ビームを出射して測定領域E1、参照領域E2の各々に、光ビームL1、L2を各々照射する。これらの光ビームL1、L2は、測定領域E1、参照領域E2で全反射され、発散しながら誘電体ブロック52のプリズム面を通って外部に出射される。外部に出射された光ビームL1、L2は、レンズユニット36Aを経てCCD36Bの受光面に結像され、受光面に結像した像を示す画像情報が生成されて画像処理部38へ出力される。CCD36Bより出力された画像情報は画像情報記憶部78に記憶される。
【0050】
次に、バイオセンサー10は、上記測定対象とする測定チップ50に分注ヘッド20から試料を供給し、上述したバッファー液の場合と同様に、当該測定チップ50の測定対象とする測定流路55Aの測定領域E1及び参照流路55Rの参照領域E2を各々光ビームL1、L2が入射する位置に配置する。そして、バイオセンサー10は、光出射部34から光ビームを出射して測定領域E1、参照領域E2の各々に、光ビームL1、L2を各々照射する。これらの光ビームL1、L2は、測定領域E1、参照領域E2で全反射され、レンズユニット36Aを経てCCD36Bの受光面に結像され、受光面に結像した像を示す画像情報が生成されて画像処理部38へ出力され、画像情報記憶部78に記憶される。
【0051】
これにより、画像情報記憶部78には、測定対象とする測定チップ50に試料及びバッファー液をそれぞれ個別に供給して測定領域E1及び参照領域E2において全反射された光ビームL1、L2の画像情報が記憶される。
【0052】
図12(A)には、画像情報により示される画像の一例が示されている。
【0053】
同図に示されるように、画像情報により示される画像には、測定領域E1、参照領域E2で全反射された2本の光ビームL1、L2の像が含まれている。
【0054】
画像処理部38は、画像情報が入力されると、以下の屈折率変化データ導出処理を行う。
【0055】
図13には、第1の実施の形態に係る画像処理部38により実行される屈折率変化データ導出処理の流れを示すフローチャートが示されている。以下同図を参照して、当該屈折率変化データ導出処理について説明する。
【0056】
同図のステップ100では、画像情報記憶部78から測定対象とする測定チップ50に試料及びバッファー液をそれぞれ供給した際の画像情報をそれぞれ読み出す。そして、本ステップ100では、読み出した各画像情報により示される画像の光ビームL1の像が含まれる領域Aの画像及び光ビームL2の像が含まれる領域Bの画像に対してそれぞれ畳み込み演算を行なって光ビームL1、L2の1次元の光強度分布を示す分布情報をそれぞれ導出することにより測定領域E1及び参照領域E2の光強度分布を示す分布情報を導出する。図12(B)には、領域Bの画像に対して畳み込み演算を行なって導出された分布情報により示される光ビームL2の1次元の光強度分布が示されている。
【0057】
そして、本ステップ100では、導出した光ビームL1、L2の分布情報を分布情報記憶部82に記憶させる。なお、本ステップ100の処理が畳み込み演算部80の処理に相当する。
【0058】
次のステップ102では、画像情報記憶部78から測定対象とする測定チップ50に試料及びバッファー液をそれぞれ供給した際の画像情報をそれぞれ読み出す。そして、本ステップ102では、読み出した各画像情報により示される画像の領域A及び領域Bに対してそれぞれ2次元フーリエ変換を行なって空間周波数領域の画像情報を求め、当該空間周波数領域の画像情報に、ノイズに対応するものとして予め定められた空間周波数成分が存在するか否かを判定することによりノイズの発生を検出する。
【0059】
ところで、この画像情報により示される画像に発生するノイズの空間周波数は、CCD36Bの受光面からの光ビームの光路上での距離によって異なっている。
【0060】
例えば、図14(A)には、図12(A)の領域Dを拡大した拡大図が示されている。
【0061】
同図に示されるように、画像情報により示される画像には、CCD36Bの受光面にゴミが付着したことによるノイズが含まれている。
【0062】
図14(B)には、この図14(A)により示される画像を2次元フーリエ変換を行なって界面において光ビームL1、L2が反射される反射方向と当該反射方向の直交方向の2方向を軸とする空間周波数領域に変換された画像情報が示されている。なお、図14(B)は、画像に含まれる対応する空間周波数成分の量が多い部分ほど薄い色で示されている。
【0063】
図14(B)に示されるように、CCD36Bの受光面にゴミが付着した場合、空間周波数領域の画像情報には、反射方向及び直交方向にそれぞれ高い空間周波成分が含まれる。
【0064】
また、図15(A)には、図12(A)の領域Cを拡大した拡大図が示されている。
【0065】
同図に示されるように、画像情報により示される画像には、例えば、誘電体ブロック52にゴミが付着したことにより、反射方向の直交方向に対してムラなどのノイズが発生している。
【0066】
図15(B)には、この図15(A)により示される画像を2次元フーリエ変換を行なって界面において光ビームL1、L2が反射される反射方向と当該反射方向の直交方向の2方向を軸とする空間周波数領域に変換された画像情報が示されている。なお、図15(B)も同様に、画像に含まれる対応する空間周波数成分の量が多い部分ほど薄い色で示されている。
【0067】
図15(B)に示されるように、誘電体ブロック52にゴミが付着した場合、空間周波数領域の画像情報には、図14(B)に比較して高い空間周波成分が含まれなくなる。
【0068】
すなわち、この画像情報により示される画像に発生するノイズは、CCD36Bの受光面からの光ビームの光路上での距離が離れるほどノイズの空間周波数が低くなる。
【0069】
よって、空間周波数領域の画像情報に、特定の空間周波数成分が存在するか否かを判定することにより異物及び傷の少なくとも一方が存在する部材を検出することができる。
【0070】
このため、本実施の形態では、ノイズに対応する空間周波数成分を、光源34A、レンズユニット34B、誘電体ブロック52、レンズユニット36A及びCCD36Bを含む光ビームL1、L2の光路上に配置された部材にゴミなどの異物及び傷の少なくとも一方が存在する際にCCD36Bにより生成されて取得された画像情報により示される画像に発生するノイズの各空間周波数に応じて複数定めている。
【0071】
そして、本ステップ102では、2次元フーリエ変換を行なって得られた空間周波数領域の画像情報に、上記定めた各空間周波数に対応する空間周波数成分が存在するか否かを判定することにより光ビームL1、L2の光路上に配置された部材のいずれかに異物の付着や傷の発生したかを検出している。
【0072】
本ステップ102では、ノイズが含まれていることを検出した場合、ゴミや傷が発生した部材を示すノイズ情報を制御部70へ出力する。なお、本ステップ102の処理がノイズ検出部86の処理に相当する。
【0073】
次のステップ104では、分布情報記憶部82から測定対象とする測定チップ50に試料及びバッファー液をそれぞれ供給した際の測定領域E1及び参照領域E2での分布情報をそれぞれ読み出す。そして、本ステップ104では、各分布情報により示される光強度分布からそれぞれ暗線位置の検出を行なう。
【0074】
なお、本ステップ104では、図16(A)〜(E)に示される処理を行なうことにより暗線位置の検出を行なう。
【0075】
すなわち、まず、読み出した分布情報により示される光強度分布(図16(A))に対して平滑化処理を行なって平滑化した光強度分布を求める(図16(B))。次に、分布情報により示される光強度分布から平滑化した光強度分布を減算して差分強度分布を導出する(図16(C))。そして、導出した差分強度分布により示される各強度に所定閾値を加算する(図16(D))。最後に、所定閾値を加算した差分強度分布において強度がゼロ以下となる部分を特定し(図16(F))、強度がゼロ以下となる部分の面積の重心位置を求めることにより、暗線位置を検出する。
【0076】
そして、本ステップ104では、検出した暗線位置を示す情報を変化データ導出部88に出力する。なお、本ステップ104の処理が暗線位置検出部84の処理に相当する。
【0077】
次のステップ106では、測定領域E1及び参照領域E2毎に、上記ステップ104の処理により検出されたバッファー液を供給した際の分布情報により示される光強度分布の暗線位置と試料を供給した際の分布情報により示される光強度分布の暗線位置の差分を求める。そして、本ステップ106では、測定領域E1での暗線位置の差分と参照領域E2での暗線位置の差分との差を屈折率変化データとし、当該屈折率変化データを制御部70に出力して本屈折率変化データ導出処理を終了する。なお、本ステップ106の処理が変化データ導出部88の処理に相当する。画像情報記憶部78に記憶された画像情報は、本屈折率変化データ導出処理を終了すると消去される。
【0078】
制御部70は、図示しない記憶部を備えており、屈折率変化データとノイズ情報を関連付けて記憶部に記憶する。また、制御部70は、記憶部に記憶した屈折率変化データにより示される暗線位置の差分に基づいて、タンパクTaと試料Aとの反応状態を測定し、測定結果をディスプレイ14に表示させ、また、ノイズ情報に基づいてゴミが付着したり、傷がある光ビームの光路上の部材を示す情報を表示させる。これによりユーザは、当該屈折率変化データの測定精度が低いことを認識することができる。また、ユーザがゴミが付着したり、傷がある部材の交換を行なうことにより、バイオセンサー10の暗線位置の検出精度が低下することを抑制することもできる。
【0079】
以上のように本実施の形態によれば、ノイズ検出部86により、CCD36Bにより生成されて取得された画像情報に対して2次元フーリエ変換を行なって空間周波数領域の画像情報を求め、当該空間周波数領域の画像情報に、ノイズに対応するものとして予め定められた空間周波数成分が存在するか否かを判定することによりノイズの発生を検出しているので、光ビームにノイズが発生したことを検出することができる。
【0080】
また、本実施の形態によれば、光ビームL1、L2の光路上に配置された部材のいずれかに異物の付着や傷の発生したかを検出できるため、ノイズの発生原因となる部材を素早く特定することができる。
【0081】
なお、本実施の形態では、画像情報により示される画像に対して2次元フーリエ変換を行なって空間周波数領域の画像情報を求め、当該空間周波数領域の画像情報に、ノイズに対応するものとして予め定められた空間周波数成分が存在するか否かを判定することによりノイズの発生を検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像情報により示される画像に対して、例えば、図14(A)のノイズに示されるようなノイズを示すものとして予め定められた2次元パターンとのパターン・マッチングを行なうことにより、ノイズの発生を検出するものとしてもよい。
【0082】
また、本実施の形態では、レンズユニット34Bにより測定領域E1と参照領域E2に対して種々の角度で2本の平行な光ビームL1、L2を同時に入射させて、測定領域E1と参照領域E2の界面において種々の反射角で全反射された光ビームL1、L2を同時にCCD36Bにより受光するものとした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、CCD36Bにより個別に受光するものとしてもよい。
【0083】
また、本実施の形態では、レンズユニット34BにおいてP偏光光ビームを測定領域E1と参照領域E2に対して入射させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、光ビームに含まれるノイズの検出を行なう場合、S偏光光ビームでもよく、また、特に偏光を行なわない、P偏光成分及びS偏光成分を含んだ光ビームを入射させるものとしてもよい。
【0084】
また、本実施の形態では、分布情報により示される光強度分布から平滑化した光強度分布を減算して暗線位置を検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、全反射減衰が発生していない状態の光ビームの光強度分布を示す基準データを予め暗線位置検出部84に記憶させておき、暗線位置検出部84が、分布情報により示される光強度分布と記憶した基準データにより示される光強度分布との差分を求めることにより、差分強度分布を導出するものとしてもよい。また、暗線位置検出部84が基準データを記憶するものとした場合、変化データ導出部は、ノイズ検出部86により、暗線位置の検出精度が低下したことを検出したとき、その時点で畳み込み演算部80により導出された分布情報で基準デーを更新するように制御してもよい。
【0085】
また、本実施の形態では、屈折率変化データに対してノイズ情報を関連付けて記憶部に記憶させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ノイズ検出部86が、ノイズを検出した場合に暗線位置検出部84による暗線の位置の検出を中止させるようにしてもよい。
【0086】
また、全反射減衰を利用する他のバイオセンサーとしては、漏洩モード検出器をあげることができる。漏洩モードセンサは、誘電体と、この上に順に層設されたクラッド層と光導波層とによって構成された薄膜とからなり、この薄膜の一方の面がセンサ面となり、他方の面が光入射面となる。光入射面に全反射条件を満たすように光を入射させると、その一部が前記クラッド層を透過して前記光導波層に取り込まれる。そして、この光導波層において、導波モードが励起されると、前記光入射面における反射光が大きく減衰する。導波モードが励起される入射角は、表面プラズモン共鳴角と同様に、センサ面上の媒質の屈折率に応じて変化する。この反射光の減衰を検出することにより、前記センサ面上の反応を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施の形態に係るバイオセンサー全体の斜視図である。
【図2】実施の形態に係るバイオセンサーの内部の斜視図である。
【図3】実施の形態に係るバイオセンサーの内部の上面図である。
【図4】実施の形態に係るバイオセンサーの内部の側面図である。
【図5】実施の形態に係る測定チップの斜視図である。
【図6】実施の形態に係る測定チップの分解斜視図である。
【図7】実施の形態に係る測定チップの測定領域及び参照領域へ光ビームが入射している状態を示す図である。
【図8】実施の形態に係る測定チップの流路部材を下側からみた図である。
【図9】実施の形態に係るバイオセンサーの分注ヘッドの鉛直駆動機構を示す斜視図である。
【図10】実施の形態に係るバイオセンサーの光学測定部付近の概略図である。
【図11】実施の形態に係る画像処理部の機能構成を示すブロック図である。
【図12】(A)は画像情報により示される2本の光ビームの像を含んだ画像の一例を示す図であり、(B)は光ビームの光強度分布の一例を示すグラフである。
【図13】実施の形態に係る屈折率変化データ導出処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】(A)は図12(A)の領域Dを拡大した拡大図であり、(B)は(A)を2次元フーリエ変換した空間周波数領域の画像情報を示す図である。
【図15】(A)は図12(A)の領域Cを拡大した拡大図であり、(B)は(A)を2次元フーリエ変換した空間周波数領域の画像情報を示す図である。
【図16】(A)〜(E)は暗線を導出する際の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0088】
10 バイオセンサー
34A 光源
36B CCD(取得手段)
36A レンズユニット(光学系)
52 誘電体ブロック(光透過性部材)
57 薄膜(薄膜層)
86 ノイズ検出部(検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームに対して透過性を有し、一部に薄膜層が形成され、当該薄膜層上に試料が接触される光透過性部材と、
前記光透過性部材と前記薄膜層との界面において全反射される角度で前記光透過性部材に光ビームを出射する光源と、
前記界面において全反射された光ビームを所定の結像位置に結像させる光学系と、
前記結像位置に配置され、前記界面において全反射されて前記光学系により結像された光ビームによる2次元の画像を示す画像情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された画像情報に対して2次元フーリエ変換を行なって空間周波数領域の画像情報を求め、当該空間周波数領域の画像情報に、ノイズに対応するものとして予め定められた空間周波数成分が存在するか否かを判定することによりノイズの発生を検出する検出手段と、
を備えた測定装置。
【請求項2】
前記2次元フーリエ変換は、前記界面において前記光ビームが反射される反射方向と当該反射方向の直交方向の2方向を軸とする空間周波数領域へ変換する
請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記ノイズに対応する空間周波数成分は、前記光源、前記光透過性部材、及び前記光学系を含む何れかの光ビームの光路上に配置された部材に存在する異物及び傷の少なくとも一方によって、前記取得手段により取得された前記画像情報により示される画像に発生するノイズの空間周波数に応じて定められており、
前記検出手段は、前記空間周波数領域の画像情報に、前記ノイズの空間周波数に対応する空間周波数成分が存在するか否かを判定することにより異物及び傷の少なくとも一方が存在する前記部材を検出する
請求項1又は請求項2記載の測定装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記2次元フーリエ変換によるノイズの検出に代えて、前記取得手段により取得された画像情報により示される2次元の画像に対して、ノイズを示すものとして予め定められた2次元パターンとのパターン・マッチングを行なうことにより、ノイズの発生を検出する
請求項1記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図16】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−89369(P2008−89369A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269111(P2006−269111)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】