測定装置
【課題】測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる、測定装置を提供する。
【解決手段】測定時状態情報記憶部25aは、測定対象に対して所定の測定が行われる測定時状態を特定するための複数の測定時状態情報が、時間帯と対応して記憶される。測定処理部26は、測定対象に対する測定を実行する。表示部37は、複数の測定時状態情報のうちから、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を、測定操作タイミングの時刻に基づいて、又は、測定処理部26で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づいて、選択し、選択した測定時状態情報を他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイに表示させる。
【解決手段】測定時状態情報記憶部25aは、測定対象に対して所定の測定が行われる測定時状態を特定するための複数の測定時状態情報が、時間帯と対応して記憶される。測定処理部26は、測定対象に対する測定を実行する。表示部37は、複数の測定時状態情報のうちから、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を、測定操作タイミングの時刻に基づいて、又は、測定処理部26で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づいて、選択し、選択した測定時状態情報を他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイに表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象に対して所定の測定が行われた際にその測定時状態を特定可能な測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療を対象とした測定装置の分野では、ユーザが簡易に操作できることを目指して作られた測定装置の利用が増加している。例えば、携帯型の小型の血糖値計では、測定対象の血液が滴下されたセンサが血糖値計に挿入されることで、センサに滴下されている血液内のグルコースに比例して流れる電流の値が測定され、測定された電流値から血糖値が算出される。そして、血糖値計は、算出した血糖値をディスプレイに表示する。このように、携帯型の小型の血糖値計は、簡易に操作できるように構成されている。
【0003】
また、上述したような測定装置は、測定対象に対して所定の測定を行って演算処理した結果をディスプレイに表示するとともに、測定が行われた測定時状態を特定可能な構成であることが望ましい。このような構成が備えられることで、測定によって得られた結果に関する更に詳細な情報が得られ、測定装置の利用の利便性が更に向上することになる。
【0004】
上記に対し、例えば、特許文献1は、血糖値をディスプレイに表示するとともに、複数の既定のフラグのうちの1つを提示し、表示した血糖値に関連付けるための既定のフラグを選択するようにユーザに対して問合せをする血糖値計として構成された測定装置を開示している。そして、ユーザは、この測定装置からの問合せに応じて、測定装置に設けられたユーザインターフェースボタンを操作する。
【0005】
また、特許文献1では、上記の既定のフラグとして、食前フラグ、食後フラグ、等が開示されている。このようなフラグが用いられることによって、測定が行われた測定時状態が、食前であるか、或いは、食後であるかが特定される。尚、特許文献1に開示された測定装置では、測定装置から提示されたフラグが、表示された血糖値に関連付けるためのフラグと異なる限り、ユーザは、ユーザインターフェースボタンを繰り返し操作する作業を求められることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−42261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された測定装置では、測定装置が提示するフラグが異なる限り、ユーザにとっては、繰り返し操作する作業が必要となる。このため、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業が煩雑になってしまうという問題がある。とくに、測定が行われる測定時状態を特定するための情報の種類が増加すると、その作業の煩雑さが増大することになる。よって、ユーザが簡易に操作できることを目指して作られた測定装置においては、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業も簡易であることが望ましい。
【0008】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる、測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明における測定装置は、測定対象に対して所定の測定が行われる測定時状態を特定するための複数の測定時状態情報が、時間帯と対応して記憶された、測定時状態情報記憶部と、前記測定対象に対する測定を実行する測定処理部と、前記測定対象に対する測定が行われるための操作が実行された測定操作タイミングで、前記測定時状態情報記憶部に記憶された複数の測定時状態情報のうちから、前記測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を、当該測定操作タイミングの時刻に基づいて、又は、前記測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づいて、選択し、選択した測定時状態情報を他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイに表示させる、表示部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
以上の特徴により、本発明における測定装置では、測定操作タイミングの時刻に基づいて、或いは、測定処理部での処理結果に基づいて、時間帯と対応して規定された複数の測定時状態情報のうちから、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報が、他の測定時状態情報と区別された状態で表示され、特定可能となる。このため、ユーザが操作キーを操作して測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を選択する作業が、省略或いは削減される。これにより、ユーザにとって、繰り返しの操作が必要となる煩雑な作業が削減されることになる。従って、本発明によれば、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。
【0011】
上記本発明における測定装置は、外部からの入力操作に基づいて設定された測定時状態情報を、或いは、前記測定処理部にて測定が実行されることに伴って設定された測定時状態情報を、前記測定操作タイミングに対応する測定時状態情報として決定する、決定部、を更に備えていることが好ましい。この態様によれば、外部からの入力操作又は測定実行に伴って、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報が簡易に決定される。
【0012】
上記本発明における測定装置においては、前記測定時状態情報記憶部には、測定時状態情報として、食事前及び食事後の測定時状態をそれぞれ特定する情報が記憶されている、態様であることが好ましい。この態様によれば、測定が行われた測定時状態が食事前或いは食事後であることを特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。
【0013】
また、上記本発明における測定装置は、前記表示部は、前記決定部において測定時状態情報として食事前の測定時状態情報が決定されており、前記測定操作タイミングが、同日に既に決定された食事前の測定時状態情報が対応する時間帯である場合、測定時状態情報として食事後の測定時状態情報をディスプレイに表示させることを特徴とする、態様であることが好ましい。この態様によれば、食事前の測定が行われたタイミングに応じて、食事後の測定時状態を特定する測定時状態情報を表示でき、ユーザの状況に柔軟に対応した更なる作業の簡易化が図られることになる。
【0014】
また、上記本発明における測定装置は、前記測定時状態情報記憶部には、測定時状態情報として、朝食前、朝食後、昼食前、昼食後、夕食前、夕食後、就寝前の測定時状態をそれぞれ特定する情報が記憶されている、態様であることが好ましい。この態様によれば、測定が行われた測定時状態が、朝食、昼食、及び夕食の各食事の前後、就寝前のいずれであるかを特定可能にするための作業を、ユーザが簡易に行うことができる。
【0015】
また、上記本発明における測定装置は、前記測定対象に対する測定が実行される毎に、前記測定操作タイミングの時刻の情報、及び、前記決定部で決定された測定時状態情報、を記憶する測定情報記憶部と、前記測定情報記憶部で記憶された情報に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに、前記測定操作タイミングの時刻が属する時間帯についての頻度を判定する頻度判定部と、を更に備え、前記表示部は、前記測定操作タイミングの時刻に加え、前記頻度判定部で頻度が判定された結果にも基づいて、選択する測定時状態情報を変更可能である、態様であることが好ましい。この態様によれば、測定時状態情報の種類ごとに、過去の測定状況に基づいて測定操作タイミングの時間帯の頻度が判定され、この判定結果に応じて、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報がディスプレイに表示される。このため、ユーザの測定時間帯のパターンを継続して学習でき、ユーザの時間帯の傾向に柔軟に対応した更なる作業の簡易化が図られることになる。
【0016】
また、上記本発明における測定装置は、センサが接続されるセンサ接続部を更に備え、前記表示部は、前記測定対象としての試料を含むセンサが前記センサ接続部に接続されたタイミングを、前記測定操作タイミングとして判定する、態様であることが好ましい。この態様によれば、試料がセンサを介して供給される構成の測定装置が、ユーザによるセンサの接続操作時に測定操作タイミングを容易に判定できる。このため、測定操作タイミングを測定装置に認識させるためのユーザによる別途の操作が不要となり、ユーザによる作業の更なる簡易化が図られることになる。
【0017】
また、上記本発明における測定装置は、前記測定対象は血液であり、前記測定処理部は、前記血液に対して測定を行い、血糖値を算出する処理を行う、態様であることが好ましい。この態様によれば、血糖値計として構成された測定装置において、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。
【0018】
また、上記本発明における測定装置は、前記決定部で決定された測定時状態情報、及び、前記測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果、を記憶する処理結果記憶部と、前記処理結果記憶部に記憶された内容に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに区別して、前記処理結果の時系列推移グラフをディスプレイに表示させるグラフ表示部と、を更に備えている、態様であることが好ましい。この態様によれば、ユーザは、測定装置での処理結果について、測定時状態情報の種類ごとに区別された状態の時系列推移グラフとして、測定装置のディスプレイにて容易に確認することができる。更に、処理結果の時系列推移が、測定時状態情報の種類ごとに区別された状態で表示されるため、ユーザは、測定装置での処理結果と、測定が行われた測定時状態との関係を正確に把握することができる。
【0019】
また、他の観点の発明の測定装置として、外部からの操作に基づいて、測定対象に対して所定の測定を実行する際の測定モードが、通常測定モード及び特別測定モードのいずれかに設定される測定装置が構成されてもよい。そして、上記の他の観点の発明における測定装置は、前記測定モードが前記通常測定モードに設定された場合に、測定を1回実行する、通常モード処理部と、前記測定モードが前記特別測定モードに設定された場合に、測定を複数回実行する、特別モード処理部と、前記測定モードが前記特別測定モードに設定された場合に、前記特別測定モードの設定が行われたタイミングから、設定された複数の警告時間がそれぞれ経過するごとに、外部に向けて警告を行う、警告部と、を更に備えていることを特徴とする。
【0020】
特許文献1には、測定対象に対する所定の測定をユーザによる操作に基づいて1回のみ実行することを前提とした測定装置が開示されている。そして、ユーザが、特許文献1に開示された測定装置を用いる場合、測定が行われた所定のタイミングから所定時間経過後に再度測定が必要なときには、ユーザは、自らその所定時間を計測する必要があり、測定が忘れられてしまう虞がある。これに対し、測定装置が、ユーザの設定操作に基づいて設定された時間の経過後に警告を行う機能を備える構成であれば、ユーザは、自ら時間を計測しなければならない煩わしさから解放されることになる。
【0021】
しかしながら、測定が行われた所定のタイミングから設定された時間が経過するごとに複数回に亘って測定が必要な場合、ユーザは、繰り返し、警告を行う機能を実行させるための設定操作を測定装置に対して行う必要がある。このため、繰り返しの操作が必要な煩雑な作業が発生してしまうという問題がある。よって、ユーザが簡易に操作できることを目指して作られた測定装置においては、複数回に亘る測定が必要となる場合であっても、自ら時間を計測しなければならない煩わしさからユーザを解放可能であるとともに操作も簡易であることが望ましい。
【0022】
上記の他の観点の発明における測定装置では、ユーザが測定装置の測定モードを特別測定モードに設定することで、測定が複数回実行され、特別測定モードの設定が行われたタイミングから、設定された複数の警告時間がそれぞれ経過するごとに、外部に向けて警告が行われる。このため、ユーザは、自ら時間を計測しなければならない煩わしさから解放されることになる。更に、設定された複数の警告時間が経過する毎に自動的に警告が行われるため、ユーザは、警告を行う機能を実行させるための設定操作を繰り返し行う必要がなく、操作が簡易となる。従って、上記の他の観点の発明によれば、複数回に亘る測定が必要となる場合であっても、自ら時間を計測しなければならない煩わしさからユーザを解放可能であるとともに操作も簡易な測定装置を提供することができる。
【0023】
また、上記の他の観点の発明における測定装置は、センサ接続部にセンサが接続され、前記測定対象としての血液がセンサに導入されたときに、前記通常モード処理部又は前記特別モード処理部からの指令に基づいて、前記血液に対して測定を行い、血糖値を算出する処理を行う測定処理部、を更に備え、前記特別測定モードとして、食事が行われるタイミングで設定されるための食後経過時間測定モードと、所定量のブドウ糖が摂取されるタイミングで設定されるための糖負荷試験測定モードと、が区別されて設定可能である、態様であることが好ましい。この態様によれば、食後経過時間測定の場合と、糖負荷試験測定の場合とを区別して、特別測定モードを設定でき、ユーザは、測定装置での処理結果と特別測定モードとの関係をより詳細且つ正確に把握することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明における測定装置によれば、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における測定装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す測定装置の外観を示す正面図である。
【図3】図3は、図1に示す測定装置の外観を示す正面図である。
【図4】図4は、図1に示す測定装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、図1に示す測定装置のディスプレイに表示されるメニュー画面を例示する図である。
【図6】図6は、図4に示す測定装置における測定時状態情報記憶部に記憶された測定時状態情報をリストの状態で列挙した図である。
【図7】図7は、図1に示す測定装置のディスプレイに表示されるスクロールメニュー画面を例示する図である。
【図8】図8は、図1に示す測定装置のディスプレイに表示される時系列推移グラフ画面を例示する図である。
【図9】図9は、図1に示す測定装置のディスプレイに表示される食後経過時間測定推移グラフ画面を例示する図である。
【図10】図10は、図1に示す測定装置の動作を示すフロー図である。
【図11】図11は、図10に示すフローにおいて、測定モードが特別測定モードに設定された場合の動作を示すフロー図である。
【図12】図12は、図1に示す測定装置における図10とは異なる動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態における測定装置について、図1〜図10を参照しながら説明する。
【0027】
[測定装置の構成]
最初に、本発明の実施の形態における測定装置の構成について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における測定装置1の外観を示す斜視図である。図2及び図3は、測定装置1の外観を示す正面図である。図4は、測定装置1の構成を示すブロック図である。尚、本実施の形態では、接続されたセンサ10に含まれた血液を流れる電流の値を測定するとともにその測定した電流値から血糖値を算出する血糖値計として構成された測定装置1の例が説明されている。しかし、この例に限らず、本発明は、種々の測定を行う測定装置に関して広く適用することができるものである。
【0028】
図1〜図3に示すように、本実施形態における測定装置1には、外縁形状が略長方形のセンサ10における長手方向の一端側が図2にて矢印Aで示される方向に沿って内部に挿入されるための挿入口21が設けられている。更に、測定装置1には、ディスプレイ22、及び、ユーザによって操作される操作キー23(23a、23b、23c)が、設けられている。
【0029】
本実施形態では、操作キー23として、決定キー23a、上スクロールキー23b、及び下スクロールキー23cが設けられている。決定キー23aは、例えば、ディスプレイ22に表示されるメニュー項目のうちから選択されたいずれかの項目に対する決定が行われる際に、ユーザによって押圧操作される。
【0030】
上スクロールキー23bは、例えば、ディスプレイ22に表示されるスクロールメニュー画面のメニュー項目について、上方にスクロールさせる際に、即ち、画面の上方から下方に向かって表示される位置を移動させる際に、ユーザによって押圧操作される。或いは、上スクロールキー23bは、画面においてメニュー項目のいずれかを選択するために表示される選択位置の表示について、上方にスクロールさせる際に、即ち、画面の下方から上方に向かって移動させる際に、ユーザによって押圧操作される。尚、本実施形態では、ディスプレイ22に表示される画面において、挿入口21側が上方となり、挿入口21と反対側が下方となる。
【0031】
一方、下スクロールキー23cは、例えば、ディスプレイ22に表示されるスクロールメニュー画面のメニュー項目について、下方にスクロールさせる際に、即ち、画面の下方から上方に向かって表示される位置を移動させる際に、ユーザによって押圧操作される。或いは、下スクロールキー23cは、画面においてメニュー項目のいずれかを選択するために表示される選択位置の表示について、下方にスクロールさせる際に、即ち、画面の上方から下方に向かって移動させる際に、ユーザによって押圧操作される。
【0032】
また、図4に示すように、測定装置1は、センサ接続部32を備えている。そして、測定装置1は、挿入口21に設けられているセンサ接続部32において、センサ10が接続される。センサ10は、図4にて矢印Aで示す方向に沿ってセンサ接続部32に挿入されて接続される。そして、測定装置1においては、接続されたセンサ10に対して測定対象としての試料である血液が供給された状態で、その血液内のグルコースに比例して流れる電流の値が測定され、血糖値が算出され、ディスプレイ22に表示される。尚、図2は、センサ10が接続される前の状態の測定装置1を示している。一方、図3は、センサ10が接続された後、血糖値の算出処理が完了し、その算出処理により得られた血糖値がディスプレイ22に表示された状態の測定装置1を示している。
【0033】
ここで、センサ10及び測定装置1の構成について、更に具体的に説明する。本実施の形態では、測定装置1の測定方式は、特に限定されず、電気抵抗方式であってもよいし、光学方式であってもよい。但し、図1〜図4に示した例では、電気抵抗方式が採用されており、以下、電気抵抗方式を前提にして説明する。また、測定装置1の測定方式が電気抵抗方式である場合、測定対象の試料としては、血液、間質液、等が挙げられる。更に、測定される物質としては、グルコース、ケトン体、コレステロール、乳酸、尿酸、及びビリルビンなどの生体中の生体物質が挙げられる。その他、測定される物質としては、更に、フッ化ソーダ、アスコルビン酸、及びアセトアミノフェンなどの薬物等も挙げられる。
【0034】
本実施形態では、測定装置1が電気抵抗方式を採用するため、センサ10は、試料測定部11及び12、試料測定部(11、12)のそれぞれに電流を供給するための端子13a、端子13b、及び端子13cを備えている。このため、測定装置1は、センサ接続部32において、図4に示すように、センサ10の端子13a〜13cそれぞれに接続される3つの接続端子32aを備えている。尚、センサ10に試料が供給される場合、この試料は、例えば、センサ10がセンサ接続部32に接続された状態で、センサ10におけるセンサ接続部32に接続される側の端部と反対側の端部に対して滴下される。そして、滴下された試料が、誘導路14を介して試料測定部(11、12)に供給されることになる。
【0035】
本実施形態では、図4に示すように、測定装置1は、更に、モード判定処理部24と、記憶部25と、測定処理部26と、決定部27と、頻度判定部28と、グラフ表示部29と、警告部30と、時間を計測する時計機能を有するクロック31と、を備えている。
【0036】
モード判定処理部24は、測定対象に対して所定の測定を実行する際に外部からの操作に基づいて設定された測定モードを判定し、その判定した測定モードに基づく処理を実行する。尚、本実施形態では、上記の所定の測定は、センサ10に含まれる試料に対して行われる測定であって血糖値を算出するための測定である。また、モード判定処理部24は、プロセッサによって構成されており、例えば、後述の決定部27及び頻度判定部28も、同じプロセッサによって構成されている。
【0037】
そして、本実施形態の測定装置1では、センサ10が接続される操作又は操作キー23の操作として実行される外部からのユーザによる操作に基づいて、測定モードが、通常測定モード及び特別測定モードのいずれかに設定される。具体的には、ユーザによってセンサ10がセンサ接続部32に挿入されて接続された後、所定時間の間に亘ってユーザによる所定の操作が行われなければ、測定モードが通常測定モードに設定される。
【0038】
上記の場合、センサ接続部32にセンサ10が挿入されると、センサ10における挿入された端部が、センサ接続部32に設けられたリミットスイッチ33に当接し、リミットスイッチ33が作動する。これにより、モード判定処理部24にてリミットスイッチ33の作動信号が検知される。そして、モード判定処理部24は、クロック31で計測される時間に基づいて、上記の所定時間が経過したと判断すると、測定モードが通常測定モードに設定されたと判定する。
【0039】
一方、リミットスイッチ33の作動開始から所定時間が経過するまでの間に、ユーザによる所定の操作が行われると、ディスプレイ22には、図5に例示するようなメニュー画面34が表示される。上記の所定の操作としては、例えば、操作キー23のうち決定キー23aが長押しされる操作(例えば、数秒以上に亘って押圧され続ける操作)、或いは、上スクロールキー23bと下スクロールキー23cとが同時に押圧される操作、等が挙げられる。
【0040】
メニュー画面34には、例えば、「グラフ表示」、「過去データ表示」、「食後経過時間測定」、「糖負荷試験測定」、「アラーム設定」、といったメニュー項目が表示される。そして、図5の例では、メニュー画面34におけるメニュー項目のいずれかを選択するために表示される選択位置34aが、「食後経過時間測定」を選択した状態として図示されている。ユーザは、選択位置34aを上方或いは下方にスクロールさせて他のメニュー項目を選択したい場合は、上スクロールキー23b或いは下スクロールキー23cを押圧操作することになる。尚、選択位置34aの表示方法としては、種々の方法を用いることができ、例えば、背景色の変更、ハイライト表示、等の方法を用いることができる。
【0041】
図5に示すメニュー画面34にて、選択位置34aが「食後経過時間測定」又は「糖負荷試験測定」を選択した状態で、ユーザが決定キー23aを押圧操作すると、「食後経過時間測定」又は「糖負荷試験測定」の選択が決定される。「食後経過時間測定」又は「糖負荷試験測定」の選択が決定されると、モード判定処理部24は、測定モードが特別測定モードに設定されたと判定する。このように、本実施形態の測定装置1では、特別測定モードとして、食後経過時間測定モードと、糖負荷試験測定モードとが、区別されて設定可能に構成されている。
【0042】
食後経過時間測定モードは、ユーザによって食事が行われるタイミングで設定されるための特別測定モードとして構成されている。特別測定モードとして食後経過時間測定モードが設定される場合は、食事後、定められた時間ごとに複数回に亘って測定が行われる、食後経過時間測定が、行われることになる。
【0043】
一方、糖負荷試験測定モードは、ユーザによって所定量のブドウ糖が摂取されるタイミングで設定されるための特別測定モードとして構成されている。特別測定モードとして糖負荷試験測定モードが設定される場合は、所定量のブドウ糖の摂取後、定められた時間ごとに複数回に亘って測定が行われる、糖負荷試験測定が、行われることになる。尚、食後経過時間測定及び糖負荷試験測定における上記の定められた時間は、複数回の測定の間において同一となる時間が定められる場合に限らず、複数回の測定の間において異なる時間が定められる場合もある。
【0044】
また、モード判定処理部24には、通常モード処理部35と、特別モード処理部36とが、備えられている。通常モード処理部35は、測定モードが通常測定モードに設定された場合に、後述の測定処理部26に対して指令することで、測定を1回実行するように構成されている。特別モード処理部36は、測定モードが特別測定モードに設定された場合に、後述の測定処理部26に対して指令することで、測定を複数回実行するように構成されている。
【0045】
特別測定モードが食後経過時間測定モードに設定された場合は、特別モード処理部36は、ユーザによる操作キー23の操作によって食後経過時間測定モードが設定された時刻を、食事開始時刻として、記憶部25に記憶させる。その後、複数回の測定に亘る食後経過時間測定が、特別モード処理部36からの指令に基づいて、測定処理部26により、実行されることになる。
【0046】
一方、特別測定モードが糖負荷試験測定モードに設定された場合は、特別モード処理部36は、ユーザによる操作キー23の操作によって糖負荷試験測定モードが設定された時刻を、糖負荷試験開始時刻として、記憶部25に記憶させる。その後、複数回の測定に亘る糖負荷試験測定が、特別モード処理部36からの指令に基づいて、測定処理部26により、実行されることになる。
【0047】
尚、複数回の測定に亘る食後経過時間測定及び複数回の測定に亘る糖負荷試験測定においては、それぞれ、複数回のタイミングに亘ってセンサ10がセンサ接続部32に接続されることになる。そして、各タイミングでセンサ接続部32に接続される各センサ10としては、異なるタイミングでユーザから採取された試料を含む新たなセンサ10が用いられる。
【0048】
警告部30は、測定モードが食後経過時間測定モード又は糖負荷試験測定モードの特別測定モードに設定された場合に、その特別測定モードの設定が行われたタイミングから、設定された複数の警告時間がそれぞれ経過するごとに、外部に向けて警告を行う。具体的には、警告部30は、アラーム音を出力するとともに、ディスプレイ22に、例えば、「測定時間になりました。」といったアラームメッセージを表示させる。
【0049】
また、警告部30は、測定モードが食後経過時間測定モードに設定された場合は、食後経過時間測定モードの設定が行われた時刻から、例えば、警告時間として設定された30分、60分、90分、120分がそれぞれ経過するごとに警告を行う。即ち、この場合、警告部30は、食後経過時間測定モードの設定時刻の30分後、60分後、90分後、120分後の各時刻に、警告を行う。
【0050】
また、警告部30は、測定モードが糖負荷試験測定モードに設定された場合は、糖負荷試験測定モードの設定が行われた時刻から、例えば、警告時間として設定された1時間、2時間がそれぞれ経過するごとに警告を行う。即ち、この場合、警告部30は、糖負荷試験測定モードの設定時刻の1時間後、2時間後の各時刻に、警告を行う。
【0051】
尚、ユーザは、上述した警告が行われるごとに、それらの警告に促されて、試料を含むセンサ10をセンサ接続部32に接続することになる。これにより、食後経過時間測定或いは糖負荷試験測定が行われることになる。
【0052】
記憶部25は、測定装置1の作動に必要な情報、測定装置1の作動によって得られた情報、等を記憶するメモリとして設けられ、測定時状態情報記憶部25a、測定情報記憶部25b、及び処理結果記憶部25cを備えている。尚、測定時状態情報記憶部25a、測定情報記憶部25b、及び処理結果記憶部25cは、記憶部25を構成するメモリにおける異なる記憶領域として構成される。
【0053】
測定時状態情報記憶部25aには、センサ10がセンサ接続部32に接続されることでそのセンサ10に含まれる試料に対して測定が行われる測定時状態を特定するための複数の測定時状態情報が、1日のうちにおける時間帯の順番と対応して記憶されている。この測定時状態情報記憶部25aには、測定時状態情報として、食事前の測定時状態を特定する情報と、食事後の測定時状態を特定する情報とが記憶されている。更に具体的には、測定時状態情報記憶部25aには、測定時状態情報として、「朝食前」、「朝食後」、「昼食前」、「昼食後」、「夕食前」、「夕食後」、「就寝前」、の各測定時状態を特定する情報が記憶されている。
【0054】
図6は、測定時状態情報記憶部25aに記憶された測定時状態情報をリストの状態で列挙した図である。図6のリストの順番で示すように、測定時状態情報記憶部25aにおいては、「朝食前」、「朝食後」、「昼食前」、「昼食後」、「夕食前」、「夕食後」、「就寝前」、の各測定時状態情報が、この順番で、1日のうちにおける時間帯の順番と対応して記憶されている。
【0055】
また、測定時状態情報記憶部25aでは、各測定時状態情報がそれぞれ対応する1日のうちの時間帯も記憶されている。例えば、「朝食前」の時間帯として午前5時〜午前8時が、「朝食後」の時間帯として午前8時から午前11時が、「昼食前」の時間帯として午前11時から午後1時が、「昼食後」の時間帯として午後1時から午後5時が、「夕食前」の時間帯として午後5時から午後8時が、「夕食後」の時間帯として午後8時から午後10時が、「就寝前」の時間帯として午後10時から午前2時が、それぞれ記憶されている。
【0056】
また、測定時状態情報記憶部25aでは、図6に示すように、「朝食前」、「朝食後」、「昼食前」、「昼食後」、「夕食前」、「夕食後」、「就寝前」、以外の測定時状態情報として、「未分類」としての状態を特定する測定時状態情報も記憶されている。この「未分類」の測定時状態情報は、例えば、ユーザの体調がすぐれないときに測定が行われる場合、或いは、深夜の時間帯に測定が行われる場合などに用いられる。
【0057】
また、通常モード処理部35には、表示部37が備えられている。表示部37は、センサ10に含まれた試料に対する測定が行われるための操作が実行された測定操作タイミングで、測定時状態情報記憶部25aに記憶された複数の測定時状態情報のうちから、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を、その測定操作タイミングの時刻に基づいて、選択する。そして、表示部37は、更に、その選択した測定時状態情報を他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイ22に表示させる。
【0058】
図7(a)は、表示部37が測定操作タイミングでディスプレイ22に表示したスクロールメニュー画面38を例示した図である。このスクロールメニュー画面38は、ユーザによる上下スクロールキー(23b、23c)の操作に伴って、測定時状態情報のメニュー項目が上下にスクロールされる画面として表示される。尚、図7(a)では、測定時状態情報の全項目(本実施形態では、8項目)のうちの一部の項目(本実施形態では、5項目)が表示されたスクロールメニュー画面38が例示されている。スクロールメニュー画面38では、上スクロールキー23bが連続して操作されると、表示されるメニュー項目が、例えば、「朝食前」、「未分類」、「就寝前」、「夕食後」、「夕食前」、「昼食後」、「昼食前」、「朝食後」、「朝食前」、の順番で巡回するようにスクロールしながら表示される。一方、下スクロールキー23cが連続して操作されると、表示されるメニュー項目が、例えば、「朝食前」、「朝食後」、「昼食前」、「昼食後」、「夕食前」、「夕食後」、「就寝前」、「未分類」、「朝食前」、の順番で巡回するようにスクロールしながら表示される。
【0059】
表示部37は、複数の測定時状態情報(「朝食前」、「朝食後」、「昼食前」、「昼食後」、「夕食前」、「夕食後」、「就寝前」)のうちから、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を、クロック31で計測されるその測定操作タイミングの時刻に基づいて、選択する。例えば、測定操作タイミングの時刻が午後5時10分であれば、この時刻は、「夕食前」の時間帯として例示した午後5時から午後8時の時間帯に属するため、表示部37は、「夕食前」の測定時状態情報を初期状態(デフォルト)の測定時状態情報として選択する。
【0060】
そして、表示部37は、その選択した「夕食前」の測定時状態情報が他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイ22に表示させる。図7(a)は、「夕食前」の測定時状態情報が初期状態で選択されたスクロールメニュー画面38を例示している。尚、図7(a)に示すスクロールメニュー画面38では、メニュー項目のいずれかをユーザが選択するために表示される選択位置38aは、スクロールメニュー画面38の上下方向の中央に表示されたままで表示位置が移動せず、メニュー項目が上下にスクロールするように表示される。また、表示部37によって選択されて表示される初期状態の測定時状態情報が他の測定時状態情報から区別されて表示される方法としては、種々の方法を用いることができ、例えば、背景色の変更、ハイライト表示、等の方法を用いることができる。
【0061】
また、表示部37は、例えば、試料を含むセンサ10がセンサ接続部32に接続された後、決定キー23aが長押し操作ではなく通常の短い時間のみ押圧操作されたタイミングを、上記の測定操作タイミングとして判定する。この場合、センサ10のセンサ接続部32への接続後の決定キー23aの押圧操作が、センサ10に含まれた試料に対する測定が行われるための操作となる。
【0062】
尚、測定装置1において、特別モード処理部36が備えられていない場合であれば、表示部37は、例えば、試料を含むセンサ10がセンサ接続部32に接続されたタイミングを、上記の測定操作タイミングとして判定する。この場合、センサ10がセンサ接続部32に接続されてリミットスイッチ33が作動し、更に、試料がセンサ10に滴下されて試料測定部(11、12)への通電が行われたタイミングが、測定操作タイミングとして判定される。或いは、試料が滴下された状態のセンサ10がセンサ接続部32に接続されてリミットスイッチ33が作動したタイミングが、測定操作タイミングとして判定される。
【0063】
測定処理部26は、測定対象としての試料に対する測定を実行する。具体的には、測定処理部26は、試料である血液を含むセンサ10がセンサ接続部32に接続されたときに、通常モード処理部35又は特別モード処理部36からの指令に基づいて、血液を流れる電流の値を測定し、その測定した電流値から、例えば、検量線を用いて、血糖値を算出する処理を行う。即ち、試料が供給された試料測定部(11、12)に流れる電流値を測定し、血糖値を算出する。
【0064】
尚、センサ10は、単一の試料測定部のみを備えた態様であってもよいが、測定精度の点から、本実施形態のように複数の試料測定部(本実施形態では、試料測定部11及び12の2つ)を備えている態様であってもよい。センサ10の内部に誘導路14を経て導入される試料は、試料測定部(11、12)のそれぞれに供給される。試料測定部(11、12)には、それぞれ異なる試薬を配置することができる。例えば、試料測定部11には、測定される物質に反応する試薬が配置され、試料測定部12には、測定される物質と共存している別の物質(生体物質、薬物等)に反応する試薬、又は試料の性状(粘性、塩濃度、ヘマトクリット値、等)に合わせて反応が変化する試薬が配置される。
【0065】
上記の形態の場合、測定処理部26は、測定される物質の情報に加え、共存している別の物質の情報(量等)、試料の性状に関する情報を取得することができる。具体的には、試料が血液であり、測定される物質がグルコースであるとすると、試料測定部11にはグルコースと反応する試薬が配置され、試料測定部12には、ヘマトクリット値に応じて異なる反応を示す試薬が配置される。この場合、測定処理部26は、グルコースの濃度を特定する情報と、ヘマトクリット値を特定する情報とを取得することができる。そして、測定処理部26は、取得したこれらの情報に基づいて、ヘマトクリット値がグルコースの濃度測定に与える影響を補正し、より正確にグルコースの濃度を算出することができる。
【0066】
決定部27は、外部からのユーザによる入力操作に基づいて設定された測定時状態情報を、前述の測定操作タイミングに最終的に対応する測定時状態情報として決定する。具体的には、ユーザは、表示部37によって初期状態の測定時状態情報として選択されて他から区別された状態で表示された測定時状態情報が測定操作タイミングに適切に対応していると判断すると、決定キー23aを押圧操作する。或いは、ユーザは、初期状態で表示された測定時状態情報が測定操作タイミングに適切に対応していないと判断すると、上下スクロールキー(23b、23c)を操作してスクロールメニュー画面38をスクロールさせる。尚、図7(b)は、図7(a)に示すスクロールメニュー画面38の状態から、ユーザによる上スクロールキー23bの操作が行われ、「昼食後」の測定時状態情報が選択位置38aに表示されたスクロールメニュー画面38を例示している。そして、測定操作タイミングに適切に対応しているとユーザが判断する測定時状態情報が選択位置38aに表示された状態で、ユーザは、決定キー23aを押圧操作する。このような外部からの入力操作に基づく測定時状態情報の設定操作が行われると、測定時状態情報決定部27は、この設定された測定時状態情報を測定操作タイミングに最終的に対応する測定時状態情報として決定する。
【0067】
尚、上記の例では、決定部27が、外部からのユーザによる入力操作に基づいて設定された測定時状態情報を、測定操作タイミングに最終的に対応する測定時状態情報として決定する形態を説明したが、この例の通りでなくてもよい。決定部27が、測定処理部26にて測定が実行されることに伴って設定された測定時状態情報を、測定操作タイミングに最終的に対応する測定時状態情報として決定する形態であってもよい。この場合、例えば、スクロールメニュー画面38を利用したユーザによる決定キー23aの操作がなくても、測定処理部26での処理が完了した際にスクロールメニュー画面38にて選択位置38aに表示されている測定時状態情報が、測定操作タイミングに最終的に対応する測定時状態情報として決定される。
【0068】
また、本実施形態では、表示部37は、決定部27において測定時状態情報として食事前の測定時状態情報が決定されており、測定操作タイミングが、同日に既に決定された食事前の測定時状態情報が対応する時間帯である場合、測定時状態情報として食事後の測定時状態情報をディスプレイ22に表示させるように構成されている。
【0069】
上記の具体例として、前回の測定の際に測定時状態情報として「夕食前」の測定時状態情報が決定され、その前回の測定の際における測定操作タイミングの時刻が午後6時であり、更に、同日の今回の測定が午後6時30分に行われる場合を例にとって説明する。測定時状態情報記憶部25aでは、「夕食前」の時間帯として午後5時から午後8時が、「夕食後」の時間帯として午後8時から午後10時が記憶されている。このため、上記の例の場合は、測定時状態情報記憶部25aに記憶された内容に基づくと、測定が行われる午後6時30分が、「食事後」の時間帯であるにも関わらず、「食事前」の時間帯に対応してしまうことになる。
【0070】
上記に対し、午後6時の前回の測定の際に測定時状態情報として「夕食前」の測定時状態情報が決定部27にて決定されており、今回の測定操作タイミングの時刻(午後6時30分)は、同日にすでに決定された「夕食前」の測定時状態情報が対応する時間帯(午後5時から午後8時)となる。この場合、表示部37は、今回の測定操作タイミングに対応する測定時状態情報として、「夕食後」の測定時状態情報を選択し、スクロールメニュー画面38の選択位置38aに初期状態の測定時状態情報として表示する。
【0071】
また、本実施形態では、記憶部25には、前述のように、測定情報記憶部25bが備えられている。測定情報記憶部25bは、試料に対する測定が実行される毎に、測定操作タイミングの時刻の情報、及び、決定部27で決定された測定時状態情報、を記憶する。また、本実施形態の測定装置1では、更に、頻度判定部28が備えられている。頻度判定部28は、測定情報記憶部25bで記憶された情報に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに、測定操作タイミングの時刻が属する時間帯についての頻度を判定する。そして、表示部37は、測定操作タイミングの時刻に加え、頻度判定部28で頻度が判定された結果にも基づいて、選択する測定時状態情報を変更可能に構成されている。これにより、ユーザが測定を行う時間帯のパターンが継続して学習される。そして、表示部37は、その学習結果が反映された測定時状態情報を、スクロールメニュー画面38の選択位置38aに初期状態の測定時状態情報として表示する。
【0072】
また、本実施形態では、記憶部25には、前述のように、処理結果記憶部25cが備えられている。処理結果記憶部25cは、決定部27で決定された測定時状態情報、及び、測定処理部26で測定が実行されることによって得られた処理結果、を記憶する。また、本実施形態の測定装置1では、更に、グラフ表示部29が備えられている。グラフ表示部29は、処理結果記憶部25cに記憶された内容に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに区別して、上記の処理結果についての時系列推移グラフをディスプレイ22に表示させる。
【0073】
図8は、グラフ表示部29がディスプレイ22に表示させた時系列推移グラフ画面39を例示した図である。この図8に示すように、グラフ表示部29は、例えば、処理結果記憶部25cに記憶された内容に基づいて、測定時状態情報の種類が、食事前、食事後、就寝前のいずれであるかでそれぞれ区別して、上記の処理結果としての血糖値の時系列推移グラフをディスプレイ22に表示させるように構成されている。尚、カラー表示器が用いられることで、時系列推移グラフ画面39が、ディスプレイ22にカラー表示で出力されることが好ましい。
【0074】
また、図8に例示するように、グラフ表示部29は、血糖値の時系列推移グラフとともに、測定時状態情報の種類ごとに区別して、上記の処理結果である血糖値の平均値を算出し、ディスプレイ22に表示させてもよい。
【0075】
また、記憶部25において、特別モード処理部36によって測定が実行されることによって得られた処理結果が記憶され、グラフ表示部29が、その記憶された内容に基づいて、その処理結果についての時系列推移グラフをディスプレイ22に表示させてもよい。
【0076】
図9は、グラフ表示部29がディスプレイ22に表示させた食後経過時間測定推移グラフ画面40を例示した図である。この図9に示すように、グラフ表示部29は、例えば、測定モードが食後経過時間測定モードに設定された場合に、記憶部25に記憶された内容に基づいて、特別モード処理部36にて複数回に亘って測定が実行されることによって得られた処理結果としての血糖値の食後経過時間の変化に伴う時系列推移グラフを、ディスプレイ22に表示させてもよい。また、このとき、グラフ表示部29は、図9に例示するように、以前に(例えば、前回に)行われた食後経過時間測定の際の処理結果の時系列推移と比較可能なように、今回の食後経過時間測定の処理結果の時系列推移グラフをディスプレイ22に表示させてもよい。また、グラフ表示部29は、測定モードが糖負荷試験測定モードに設定された場合にも同様に、特別モード処理部36にて複数回に亘って測定が実行されることによって得られた処理結果としての血糖値の糖負荷試験時間の変化に伴う時系列推移グラフを、ディスプレイ22に表示させてもよい。
【0077】
[測定装置の動作]
次に、本発明の実施の形態における測定装置1の動作について、図10〜図12を参照して説明する。図10は、本実施形態の測定装置1の動作を例示するフロー図である。また、図11は、図10に示すフローにおいて、測定モードが特別測定モードに設定された場合の動作を例示するフロー図である。図12は、測定装置1における図10とは異なる動作を例示するフロー図である。尚、以下の説明においては、適宜図1〜図9を参酌する。
【0078】
図10に示すように、まず、測定装置1は、センサ10が挿入口21に挿入されると、それによって起動される(ステップS101)。具体的には、測定装置1の電源スイッチは、挿入口21の奥に配置されている。電源スイッチは、センサ10が挿入されると、それによってON状態となる。
【0079】
次に、モード判定処理部24は、測定モードが特別測定モードに設定されるための入力があるかどうかを判定する(ステップS102)。この場合、例えば、モード判定処理部24は、リミットスイッチ33の作動開始から所定時間が経過するまでの間に、ユーザによる所定の操作、即ち、測定モードを特別測定モードに設定するためにディスプレイ22にメニュー画面34を表示させる操作が、行われたどうかを判定する。このとき、リミットスイッチ33の作動開始から所定時間が経過するまでの間に上記の所定の操作が行われなければ、モード判定処理部24は、測定モードが特別測定モードに設定されるための入力がないと判定する。
【0080】
ステップS102にて、測定モードが特別測定モードに設定されるための入力がないと判定された場合は、測定モードが通常測定モードに設定されたと判断され、通常モード処理部35からの指令に基づいて、測定処理部26によって、センサ10に含まれる試料に対する測定が行われ、血糖値を算出する処理が行われる(ステップS103)。そして、センサ10に含まれた試料に対する測定が行われるための操作として、ユーザによって決定キー23aの押圧操作が行われる(ステップS104)。この操作が行われることで、前述したように、表示部37は、測定操作タイミングを判定し、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報が他の測定時状態情報から区別された状態のスクロールメニュー画面38を、ディスプレイ22に表示させる(ステップS105)。
【0081】
ステップS105にてスクロールメニュー画面38がディスプレイ22に表示されると、前述のように、ユーザによって、決定キー23aの操作、或いは、上下スクロールキー(23b、23c)及び決定キー23aの操作が行われる(ステップS106)。そして、図3に示すように、ディスプレイ22に測定処理結果の画面が表示される(ステップS107)。この測定処理結果の画面には、測定操作タイミングの日時、決定部27にて決定された測定時状態情報、測定処理部26で測定が行われることによって得られた処理結果(本実施形態では、血糖値)、の各情報が表示される。これにより、測定モードが通常測定モードに設定された場合の測定が終了する。
【0082】
一方、ステップS102にて、モード判定処理部24は、リミットスイッチ33の作動開始から所定時間が経過するまでの間に、ユーザによる上記の所定の操作が行われると、測定モードが特別測定モードに設定されるための入力がなされたと判定する。この場合、測定装置1では、測定モードが特別測定モードに設定される場合の動作が行われる(ステップ108)。図11は、ステップS108にて実行される動作を例示するフロー図である。
【0083】
図11に示す動作が開始されると、前述したように、ディスプレイ22に、メニュー画面34が表示される(ステップS201)。そして、ユーザによって、上下スクロールキー(23b、23c)及び決定キー23aの操作が行われ、食後経過時間測定モード或いは糖負荷試験測定モードが特別測定モードとして設定される(ステップS202)。この特別測定モードの設定が行われたタイミングで、食事開始時刻或いは糖負荷試験開示時刻が記憶部25に記憶される。
【0084】
測定モードが食後経過時間測定モード又は糖負荷試験測定モードの特別測定モードに設定されると(ステップS202)、その特別測定モードの設定が行われたタイミングから、予め設定された1回目の警告時間が経過すると、警告部30が、1回目の警告を外部に向けて行う(ステップS203)。そして、この警告に応じて、ユーザがセンサ10をセンサ接続部32に接続することで、測定処理部26によって、センサ10に含まれる試料の測定が実行される(ステップS204)。
【0085】
また、特別測定モードの設定が行われたタイミングから、予め設定された2回目の警告時間が経過すると、警告部30が、2回目の警告を外部に向けて行う(ステップS205)。そして、この警告に応じて、ユーザがセンサ10をセンサ接続部32に接続することで、測定処理部26によって、センサ10に含まれる試料の測定が実行される(ステップS206)。尚、2回目の警告時間は、1回目の警告時間よりも長い時間として設定されている。
【0086】
また、特別測定モードの設定が行われたタイミングから、予め設定された3回目の警告時間が経過すると、警告部30が、3回目の警告を外部に向けて行う(ステップS207)。そして、この警告に応じて、ユーザがセンサ10をセンサ接続部32に接続することで、測定処理部26によって、センサ10に含まれる試料の測定が実行される(ステップS208)。尚、3回目の警告時間は、2回目の警告時間よりも長い時間として設定されている。本実施形態では、3回目の測定(ステップS208)が終了することで、図11に示す動作が終了し、図10に示す動作フローに戻り、測定モードが特別測定モードに設定された場合の測定が終了する。尚、上記の警告回数は、2回であってもよく、又は4回以上であってもよい。
【0087】
図10及び図11に示す動作フローでは、最初にセンサ10が挿入口21に挿入されることで測定装置1が起動される場合について説明したが、最初にセンサ10の挿入が行われずに決定キー23aの押圧操作が行われると、図12に示す動作フローが行われることになる。この場合、まず、決定キー23aが押圧操作され、それによって測定装置1が起動される(ステップS301)。即ち、測定装置1は、センサ10が挿入されずに決定キー23aが操作された場合にも、電源スイッチがON状態となるように構成されている。
【0088】
最初に決定キー23aが操作されて測定装置1が起動された場合は、通常測定モードではなく特別測定モードでの測定が行われることになる。そして、起動されて以降は、図11に示す動作フローと同じ動作フローが実行されることになる。即ち、ステップS201からステップS208までの各ステップが実行されることになる。
【0089】
以上のように、測定装置1では、測定操作タイミングの時刻に基づいて、時間帯と対応して規定された複数の測定時状態情報のうちから、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報が、他の測定時状態情報と区別された状態で表示され、特定可能となる。このため、ユーザが操作キー23を操作して測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を選択する作業が、省略或いは削減される。これにより、ユーザにとって、繰り返しの操作が必要となる煩雑な作業が削減されることになる。従って、本実施形態によれば、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。
【0090】
また、本実施形態によれば、測定が行われた測定時状態が、朝食、昼食、及び夕食の各食事の前後、就寝前のいずれであるかを特定可能にするための作業を、ユーザが簡易に行うことができる。また、本実施形態によれば、食事前の測定が行われたタイミングに応じて、食事後の測定時状態を特定する測定時状態情報を表示でき、ユーザの状況に柔軟に対応した更なる作業の簡易化が図られることになる。
【0091】
また、本実施形態によれば、測定時状態情報の種類ごとに、過去の測定状況に基づいて測定操作タイミングの時間帯の頻度が判定され、この判定結果に応じて、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報がディスプレイ22に表示される。このため、ユーザの測定時間帯のパターンを継続して学習でき、ユーザの時間帯の傾向に柔軟に対応した更なる作業の簡易化が図られることになる。
【0092】
また、本実施形態によれば、ユーザは、測定装置での処理結果について、測定時状態情報の種類ごとに区別された状態の時系列推移グラフとして、測定装置1のディスプレイ22にて容易に確認することができる。更に、処理結果の時系列推移が、測定時状態情報の種類ごとに区別された状態で表示されるため、ユーザは、測定装置1での処理結果と、測定が行われた測定時状態との関係を正確に把握することができる。
【0093】
また、本実施形態では、ユーザが測定装置1の測定モードを特別測定モードに設定することで、測定が複数回実行され、特別測定モードの設定が行われたタイミングから、設定された複数の警告時間がそれぞれ経過するごとに、外部に向けて警告が行われる。このため、ユーザは、自ら時間を計測しなければならない煩わしさから解放されることになる。更に、設定された複数の警告時間が経過する毎に自動的に警告が行われるため、ユーザは、警告を行う機能を実行させるための設定操作を繰り返し行う必要がなく、操作が簡易となる。従って、本実施形態によれば、複数回に亘る測定が必要となる場合であっても、自ら時間を計測しなければならない煩わしさからユーザを解放可能であるとともに操作も簡易な測定装置1を提供することができる。
【0094】
また、本実施形態では、食後経過時間測定の場合と、糖負荷試験測定の場合とを区別して、特別測定モードを設定でき、ユーザは、測定装置1での処理結果と特別測定モードとの関係をより詳細且つ正確に把握することができる。
【0095】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。また、本発明は、血液以外の測定対象に対して広く適用されてもよく、例えば、体重計、歩数計、等として実施されてもよい。また、上述の実施形態では、表示部が測定操作タイミングでディスプレイに表示させるメニュー画面が、上下にスクロールするスクロールメニュー画面として表示される形態を例にとって説明したが、この通りでなくもよい。左右にスクロールするスクロールメニュー画面、或いは、プルダウン表示されるプルダウンメニュー画面であってもよい。また、操作キーの形態についても、種々変更して実施されてもよい。
【0096】
また、測定操作タイミングの時刻に基づかず、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づいて、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を選択する表示部、が備えられた測定装置が実施されてもよい。そして、この測定装置における表示部は、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づいて選択した測定時状態情報を他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイに表示させることになる。
【0097】
上記の表示部を備えた測定装置の場合、測定対象が血液であれば、例えば、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果としての血糖値の値に基づいて、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報が選択される。このような測定時状態情報の選択処理のために、例えば、測定装置の測定時状態情報記憶部において、時間帯と対応して記憶された測定時状態情報が、更に、時間帯に対応して予め設定された血糖値の値の範囲である時間帯対応血糖値範囲にも対応して記憶された構成が実施されてもよい。そして、表示部は、上記の時間帯対応血糖値範囲のうち、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果としての血糖値の値が含まれる時間帯対応血糖値範囲を特定する。更に、表示部は、その特定した時間帯対応血糖値範囲が対応する測定時状態情報を、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報として選択する。
【0098】
また、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づく測定時状態情報の選択処理の他の形態として、過去の処理結果の平均値と今回の処理結果とを比較することで、測定時状態情報を選択する選択処理が実施されてもよい。この場合、例えば、測定装置において、測定処理が実行されるとともに測定時状態情報が決定される度に、それまでの過去に測定処理が実行された処理結果である血糖値の平均値である過去平均値を測定時状態情報の種類ごとに求める演算が実行される。更に、演算されて得られた過去平均値が、測定時状態情報の種類に対応して、測定装置の処理結果記憶部に記憶される。そして、測定処理部で測定が実行されることによって今回の処理結果としての血糖値が得られた際には、表示部は、例えば、測定時状態情報の種類に対応して記憶された上記の過去平均値のうち、この今回得られた血糖値に最も近い過去平均値を特定する。更に、表示部は、その特定した過去平均値が対応する測定時状態情報を、今回の測定操作タイミングに対応する測定時状態情報として選択する。
【0099】
尚、上記のように、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づく測定時状態情報の選択処理が行われる場合、測定時状態情報の選択が簡便となる。そのため、ユーザが選択内容を確認せずに不用意な入力操作を行ってしまい、ユーザが意識しないまま、不適切な測定時状態情報の決定が行われてしまう可能性も考えられる。
【0100】
上記に対しては、処理結果の値が、決定された測定時状態情報との関係で許容される値の範囲である許容範囲値から外れる場合に、測定装置が、決定された測定時状態情報が不適切である可能性があると判断し、ユーザに注意を促す構成が実施されてもよい。或いは、上記のように、決定された測定時状態情報が不適切である可能性があると判断された場合に、測定装置が、測定時状態情報が不適切であった可能性を後からユーザが判別可能なようにディスプレイに所定の表示を行う構成が実施されてもよい。上記の許容範囲値は、例えば、直近の過去における所定日数の複数日間における同じ測定時状態情報の処理結果の平均値からの所定のばらつき範囲内(例えば、±1標準偏差のばらつき内、或いは±2標準偏差のばらつき内)として設定されてもよい。或いは、上記の許容範囲値は、ユーザによる操作によって設定されてもよい。
【0101】
また、測定装置は、決定された測定時状態情報が不適切である可能性があると判断した場合、ユーザに注意を促すため、例えば、ディスプレイにアラームメッセージを表示し、又は、アラーム音を出力し、或いは、ユーザに再度の測定時状態情報の確認を促す処理を実行してもよい。また、測定装置は、測定時状態情報が不適切であった可能性を後からユーザが判別可能とするため、例えば、決定された測定時状態情報が不適切な可能性のある処理結果に所定のマーキングを付した状態で、ディスプレイに測定処理結果を表示してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように、本発明によれば、測定装置において、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。本発明は、測定の分野に有用である。
【符号の説明】
【0103】
1 測定装置
22 ディスプレイ
23 操作キー
25a 測定時状態情報記憶部
37 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象に対して所定の測定が行われた際にその測定時状態を特定可能な測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療を対象とした測定装置の分野では、ユーザが簡易に操作できることを目指して作られた測定装置の利用が増加している。例えば、携帯型の小型の血糖値計では、測定対象の血液が滴下されたセンサが血糖値計に挿入されることで、センサに滴下されている血液内のグルコースに比例して流れる電流の値が測定され、測定された電流値から血糖値が算出される。そして、血糖値計は、算出した血糖値をディスプレイに表示する。このように、携帯型の小型の血糖値計は、簡易に操作できるように構成されている。
【0003】
また、上述したような測定装置は、測定対象に対して所定の測定を行って演算処理した結果をディスプレイに表示するとともに、測定が行われた測定時状態を特定可能な構成であることが望ましい。このような構成が備えられることで、測定によって得られた結果に関する更に詳細な情報が得られ、測定装置の利用の利便性が更に向上することになる。
【0004】
上記に対し、例えば、特許文献1は、血糖値をディスプレイに表示するとともに、複数の既定のフラグのうちの1つを提示し、表示した血糖値に関連付けるための既定のフラグを選択するようにユーザに対して問合せをする血糖値計として構成された測定装置を開示している。そして、ユーザは、この測定装置からの問合せに応じて、測定装置に設けられたユーザインターフェースボタンを操作する。
【0005】
また、特許文献1では、上記の既定のフラグとして、食前フラグ、食後フラグ、等が開示されている。このようなフラグが用いられることによって、測定が行われた測定時状態が、食前であるか、或いは、食後であるかが特定される。尚、特許文献1に開示された測定装置では、測定装置から提示されたフラグが、表示された血糖値に関連付けるためのフラグと異なる限り、ユーザは、ユーザインターフェースボタンを繰り返し操作する作業を求められることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−42261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された測定装置では、測定装置が提示するフラグが異なる限り、ユーザにとっては、繰り返し操作する作業が必要となる。このため、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業が煩雑になってしまうという問題がある。とくに、測定が行われる測定時状態を特定するための情報の種類が増加すると、その作業の煩雑さが増大することになる。よって、ユーザが簡易に操作できることを目指して作られた測定装置においては、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業も簡易であることが望ましい。
【0008】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる、測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明における測定装置は、測定対象に対して所定の測定が行われる測定時状態を特定するための複数の測定時状態情報が、時間帯と対応して記憶された、測定時状態情報記憶部と、前記測定対象に対する測定を実行する測定処理部と、前記測定対象に対する測定が行われるための操作が実行された測定操作タイミングで、前記測定時状態情報記憶部に記憶された複数の測定時状態情報のうちから、前記測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を、当該測定操作タイミングの時刻に基づいて、又は、前記測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づいて、選択し、選択した測定時状態情報を他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイに表示させる、表示部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
以上の特徴により、本発明における測定装置では、測定操作タイミングの時刻に基づいて、或いは、測定処理部での処理結果に基づいて、時間帯と対応して規定された複数の測定時状態情報のうちから、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報が、他の測定時状態情報と区別された状態で表示され、特定可能となる。このため、ユーザが操作キーを操作して測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を選択する作業が、省略或いは削減される。これにより、ユーザにとって、繰り返しの操作が必要となる煩雑な作業が削減されることになる。従って、本発明によれば、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。
【0011】
上記本発明における測定装置は、外部からの入力操作に基づいて設定された測定時状態情報を、或いは、前記測定処理部にて測定が実行されることに伴って設定された測定時状態情報を、前記測定操作タイミングに対応する測定時状態情報として決定する、決定部、を更に備えていることが好ましい。この態様によれば、外部からの入力操作又は測定実行に伴って、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報が簡易に決定される。
【0012】
上記本発明における測定装置においては、前記測定時状態情報記憶部には、測定時状態情報として、食事前及び食事後の測定時状態をそれぞれ特定する情報が記憶されている、態様であることが好ましい。この態様によれば、測定が行われた測定時状態が食事前或いは食事後であることを特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。
【0013】
また、上記本発明における測定装置は、前記表示部は、前記決定部において測定時状態情報として食事前の測定時状態情報が決定されており、前記測定操作タイミングが、同日に既に決定された食事前の測定時状態情報が対応する時間帯である場合、測定時状態情報として食事後の測定時状態情報をディスプレイに表示させることを特徴とする、態様であることが好ましい。この態様によれば、食事前の測定が行われたタイミングに応じて、食事後の測定時状態を特定する測定時状態情報を表示でき、ユーザの状況に柔軟に対応した更なる作業の簡易化が図られることになる。
【0014】
また、上記本発明における測定装置は、前記測定時状態情報記憶部には、測定時状態情報として、朝食前、朝食後、昼食前、昼食後、夕食前、夕食後、就寝前の測定時状態をそれぞれ特定する情報が記憶されている、態様であることが好ましい。この態様によれば、測定が行われた測定時状態が、朝食、昼食、及び夕食の各食事の前後、就寝前のいずれであるかを特定可能にするための作業を、ユーザが簡易に行うことができる。
【0015】
また、上記本発明における測定装置は、前記測定対象に対する測定が実行される毎に、前記測定操作タイミングの時刻の情報、及び、前記決定部で決定された測定時状態情報、を記憶する測定情報記憶部と、前記測定情報記憶部で記憶された情報に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに、前記測定操作タイミングの時刻が属する時間帯についての頻度を判定する頻度判定部と、を更に備え、前記表示部は、前記測定操作タイミングの時刻に加え、前記頻度判定部で頻度が判定された結果にも基づいて、選択する測定時状態情報を変更可能である、態様であることが好ましい。この態様によれば、測定時状態情報の種類ごとに、過去の測定状況に基づいて測定操作タイミングの時間帯の頻度が判定され、この判定結果に応じて、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報がディスプレイに表示される。このため、ユーザの測定時間帯のパターンを継続して学習でき、ユーザの時間帯の傾向に柔軟に対応した更なる作業の簡易化が図られることになる。
【0016】
また、上記本発明における測定装置は、センサが接続されるセンサ接続部を更に備え、前記表示部は、前記測定対象としての試料を含むセンサが前記センサ接続部に接続されたタイミングを、前記測定操作タイミングとして判定する、態様であることが好ましい。この態様によれば、試料がセンサを介して供給される構成の測定装置が、ユーザによるセンサの接続操作時に測定操作タイミングを容易に判定できる。このため、測定操作タイミングを測定装置に認識させるためのユーザによる別途の操作が不要となり、ユーザによる作業の更なる簡易化が図られることになる。
【0017】
また、上記本発明における測定装置は、前記測定対象は血液であり、前記測定処理部は、前記血液に対して測定を行い、血糖値を算出する処理を行う、態様であることが好ましい。この態様によれば、血糖値計として構成された測定装置において、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。
【0018】
また、上記本発明における測定装置は、前記決定部で決定された測定時状態情報、及び、前記測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果、を記憶する処理結果記憶部と、前記処理結果記憶部に記憶された内容に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに区別して、前記処理結果の時系列推移グラフをディスプレイに表示させるグラフ表示部と、を更に備えている、態様であることが好ましい。この態様によれば、ユーザは、測定装置での処理結果について、測定時状態情報の種類ごとに区別された状態の時系列推移グラフとして、測定装置のディスプレイにて容易に確認することができる。更に、処理結果の時系列推移が、測定時状態情報の種類ごとに区別された状態で表示されるため、ユーザは、測定装置での処理結果と、測定が行われた測定時状態との関係を正確に把握することができる。
【0019】
また、他の観点の発明の測定装置として、外部からの操作に基づいて、測定対象に対して所定の測定を実行する際の測定モードが、通常測定モード及び特別測定モードのいずれかに設定される測定装置が構成されてもよい。そして、上記の他の観点の発明における測定装置は、前記測定モードが前記通常測定モードに設定された場合に、測定を1回実行する、通常モード処理部と、前記測定モードが前記特別測定モードに設定された場合に、測定を複数回実行する、特別モード処理部と、前記測定モードが前記特別測定モードに設定された場合に、前記特別測定モードの設定が行われたタイミングから、設定された複数の警告時間がそれぞれ経過するごとに、外部に向けて警告を行う、警告部と、を更に備えていることを特徴とする。
【0020】
特許文献1には、測定対象に対する所定の測定をユーザによる操作に基づいて1回のみ実行することを前提とした測定装置が開示されている。そして、ユーザが、特許文献1に開示された測定装置を用いる場合、測定が行われた所定のタイミングから所定時間経過後に再度測定が必要なときには、ユーザは、自らその所定時間を計測する必要があり、測定が忘れられてしまう虞がある。これに対し、測定装置が、ユーザの設定操作に基づいて設定された時間の経過後に警告を行う機能を備える構成であれば、ユーザは、自ら時間を計測しなければならない煩わしさから解放されることになる。
【0021】
しかしながら、測定が行われた所定のタイミングから設定された時間が経過するごとに複数回に亘って測定が必要な場合、ユーザは、繰り返し、警告を行う機能を実行させるための設定操作を測定装置に対して行う必要がある。このため、繰り返しの操作が必要な煩雑な作業が発生してしまうという問題がある。よって、ユーザが簡易に操作できることを目指して作られた測定装置においては、複数回に亘る測定が必要となる場合であっても、自ら時間を計測しなければならない煩わしさからユーザを解放可能であるとともに操作も簡易であることが望ましい。
【0022】
上記の他の観点の発明における測定装置では、ユーザが測定装置の測定モードを特別測定モードに設定することで、測定が複数回実行され、特別測定モードの設定が行われたタイミングから、設定された複数の警告時間がそれぞれ経過するごとに、外部に向けて警告が行われる。このため、ユーザは、自ら時間を計測しなければならない煩わしさから解放されることになる。更に、設定された複数の警告時間が経過する毎に自動的に警告が行われるため、ユーザは、警告を行う機能を実行させるための設定操作を繰り返し行う必要がなく、操作が簡易となる。従って、上記の他の観点の発明によれば、複数回に亘る測定が必要となる場合であっても、自ら時間を計測しなければならない煩わしさからユーザを解放可能であるとともに操作も簡易な測定装置を提供することができる。
【0023】
また、上記の他の観点の発明における測定装置は、センサ接続部にセンサが接続され、前記測定対象としての血液がセンサに導入されたときに、前記通常モード処理部又は前記特別モード処理部からの指令に基づいて、前記血液に対して測定を行い、血糖値を算出する処理を行う測定処理部、を更に備え、前記特別測定モードとして、食事が行われるタイミングで設定されるための食後経過時間測定モードと、所定量のブドウ糖が摂取されるタイミングで設定されるための糖負荷試験測定モードと、が区別されて設定可能である、態様であることが好ましい。この態様によれば、食後経過時間測定の場合と、糖負荷試験測定の場合とを区別して、特別測定モードを設定でき、ユーザは、測定装置での処理結果と特別測定モードとの関係をより詳細且つ正確に把握することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明における測定装置によれば、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における測定装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す測定装置の外観を示す正面図である。
【図3】図3は、図1に示す測定装置の外観を示す正面図である。
【図4】図4は、図1に示す測定装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、図1に示す測定装置のディスプレイに表示されるメニュー画面を例示する図である。
【図6】図6は、図4に示す測定装置における測定時状態情報記憶部に記憶された測定時状態情報をリストの状態で列挙した図である。
【図7】図7は、図1に示す測定装置のディスプレイに表示されるスクロールメニュー画面を例示する図である。
【図8】図8は、図1に示す測定装置のディスプレイに表示される時系列推移グラフ画面を例示する図である。
【図9】図9は、図1に示す測定装置のディスプレイに表示される食後経過時間測定推移グラフ画面を例示する図である。
【図10】図10は、図1に示す測定装置の動作を示すフロー図である。
【図11】図11は、図10に示すフローにおいて、測定モードが特別測定モードに設定された場合の動作を示すフロー図である。
【図12】図12は、図1に示す測定装置における図10とは異なる動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態における測定装置について、図1〜図10を参照しながら説明する。
【0027】
[測定装置の構成]
最初に、本発明の実施の形態における測定装置の構成について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における測定装置1の外観を示す斜視図である。図2及び図3は、測定装置1の外観を示す正面図である。図4は、測定装置1の構成を示すブロック図である。尚、本実施の形態では、接続されたセンサ10に含まれた血液を流れる電流の値を測定するとともにその測定した電流値から血糖値を算出する血糖値計として構成された測定装置1の例が説明されている。しかし、この例に限らず、本発明は、種々の測定を行う測定装置に関して広く適用することができるものである。
【0028】
図1〜図3に示すように、本実施形態における測定装置1には、外縁形状が略長方形のセンサ10における長手方向の一端側が図2にて矢印Aで示される方向に沿って内部に挿入されるための挿入口21が設けられている。更に、測定装置1には、ディスプレイ22、及び、ユーザによって操作される操作キー23(23a、23b、23c)が、設けられている。
【0029】
本実施形態では、操作キー23として、決定キー23a、上スクロールキー23b、及び下スクロールキー23cが設けられている。決定キー23aは、例えば、ディスプレイ22に表示されるメニュー項目のうちから選択されたいずれかの項目に対する決定が行われる際に、ユーザによって押圧操作される。
【0030】
上スクロールキー23bは、例えば、ディスプレイ22に表示されるスクロールメニュー画面のメニュー項目について、上方にスクロールさせる際に、即ち、画面の上方から下方に向かって表示される位置を移動させる際に、ユーザによって押圧操作される。或いは、上スクロールキー23bは、画面においてメニュー項目のいずれかを選択するために表示される選択位置の表示について、上方にスクロールさせる際に、即ち、画面の下方から上方に向かって移動させる際に、ユーザによって押圧操作される。尚、本実施形態では、ディスプレイ22に表示される画面において、挿入口21側が上方となり、挿入口21と反対側が下方となる。
【0031】
一方、下スクロールキー23cは、例えば、ディスプレイ22に表示されるスクロールメニュー画面のメニュー項目について、下方にスクロールさせる際に、即ち、画面の下方から上方に向かって表示される位置を移動させる際に、ユーザによって押圧操作される。或いは、下スクロールキー23cは、画面においてメニュー項目のいずれかを選択するために表示される選択位置の表示について、下方にスクロールさせる際に、即ち、画面の上方から下方に向かって移動させる際に、ユーザによって押圧操作される。
【0032】
また、図4に示すように、測定装置1は、センサ接続部32を備えている。そして、測定装置1は、挿入口21に設けられているセンサ接続部32において、センサ10が接続される。センサ10は、図4にて矢印Aで示す方向に沿ってセンサ接続部32に挿入されて接続される。そして、測定装置1においては、接続されたセンサ10に対して測定対象としての試料である血液が供給された状態で、その血液内のグルコースに比例して流れる電流の値が測定され、血糖値が算出され、ディスプレイ22に表示される。尚、図2は、センサ10が接続される前の状態の測定装置1を示している。一方、図3は、センサ10が接続された後、血糖値の算出処理が完了し、その算出処理により得られた血糖値がディスプレイ22に表示された状態の測定装置1を示している。
【0033】
ここで、センサ10及び測定装置1の構成について、更に具体的に説明する。本実施の形態では、測定装置1の測定方式は、特に限定されず、電気抵抗方式であってもよいし、光学方式であってもよい。但し、図1〜図4に示した例では、電気抵抗方式が採用されており、以下、電気抵抗方式を前提にして説明する。また、測定装置1の測定方式が電気抵抗方式である場合、測定対象の試料としては、血液、間質液、等が挙げられる。更に、測定される物質としては、グルコース、ケトン体、コレステロール、乳酸、尿酸、及びビリルビンなどの生体中の生体物質が挙げられる。その他、測定される物質としては、更に、フッ化ソーダ、アスコルビン酸、及びアセトアミノフェンなどの薬物等も挙げられる。
【0034】
本実施形態では、測定装置1が電気抵抗方式を採用するため、センサ10は、試料測定部11及び12、試料測定部(11、12)のそれぞれに電流を供給するための端子13a、端子13b、及び端子13cを備えている。このため、測定装置1は、センサ接続部32において、図4に示すように、センサ10の端子13a〜13cそれぞれに接続される3つの接続端子32aを備えている。尚、センサ10に試料が供給される場合、この試料は、例えば、センサ10がセンサ接続部32に接続された状態で、センサ10におけるセンサ接続部32に接続される側の端部と反対側の端部に対して滴下される。そして、滴下された試料が、誘導路14を介して試料測定部(11、12)に供給されることになる。
【0035】
本実施形態では、図4に示すように、測定装置1は、更に、モード判定処理部24と、記憶部25と、測定処理部26と、決定部27と、頻度判定部28と、グラフ表示部29と、警告部30と、時間を計測する時計機能を有するクロック31と、を備えている。
【0036】
モード判定処理部24は、測定対象に対して所定の測定を実行する際に外部からの操作に基づいて設定された測定モードを判定し、その判定した測定モードに基づく処理を実行する。尚、本実施形態では、上記の所定の測定は、センサ10に含まれる試料に対して行われる測定であって血糖値を算出するための測定である。また、モード判定処理部24は、プロセッサによって構成されており、例えば、後述の決定部27及び頻度判定部28も、同じプロセッサによって構成されている。
【0037】
そして、本実施形態の測定装置1では、センサ10が接続される操作又は操作キー23の操作として実行される外部からのユーザによる操作に基づいて、測定モードが、通常測定モード及び特別測定モードのいずれかに設定される。具体的には、ユーザによってセンサ10がセンサ接続部32に挿入されて接続された後、所定時間の間に亘ってユーザによる所定の操作が行われなければ、測定モードが通常測定モードに設定される。
【0038】
上記の場合、センサ接続部32にセンサ10が挿入されると、センサ10における挿入された端部が、センサ接続部32に設けられたリミットスイッチ33に当接し、リミットスイッチ33が作動する。これにより、モード判定処理部24にてリミットスイッチ33の作動信号が検知される。そして、モード判定処理部24は、クロック31で計測される時間に基づいて、上記の所定時間が経過したと判断すると、測定モードが通常測定モードに設定されたと判定する。
【0039】
一方、リミットスイッチ33の作動開始から所定時間が経過するまでの間に、ユーザによる所定の操作が行われると、ディスプレイ22には、図5に例示するようなメニュー画面34が表示される。上記の所定の操作としては、例えば、操作キー23のうち決定キー23aが長押しされる操作(例えば、数秒以上に亘って押圧され続ける操作)、或いは、上スクロールキー23bと下スクロールキー23cとが同時に押圧される操作、等が挙げられる。
【0040】
メニュー画面34には、例えば、「グラフ表示」、「過去データ表示」、「食後経過時間測定」、「糖負荷試験測定」、「アラーム設定」、といったメニュー項目が表示される。そして、図5の例では、メニュー画面34におけるメニュー項目のいずれかを選択するために表示される選択位置34aが、「食後経過時間測定」を選択した状態として図示されている。ユーザは、選択位置34aを上方或いは下方にスクロールさせて他のメニュー項目を選択したい場合は、上スクロールキー23b或いは下スクロールキー23cを押圧操作することになる。尚、選択位置34aの表示方法としては、種々の方法を用いることができ、例えば、背景色の変更、ハイライト表示、等の方法を用いることができる。
【0041】
図5に示すメニュー画面34にて、選択位置34aが「食後経過時間測定」又は「糖負荷試験測定」を選択した状態で、ユーザが決定キー23aを押圧操作すると、「食後経過時間測定」又は「糖負荷試験測定」の選択が決定される。「食後経過時間測定」又は「糖負荷試験測定」の選択が決定されると、モード判定処理部24は、測定モードが特別測定モードに設定されたと判定する。このように、本実施形態の測定装置1では、特別測定モードとして、食後経過時間測定モードと、糖負荷試験測定モードとが、区別されて設定可能に構成されている。
【0042】
食後経過時間測定モードは、ユーザによって食事が行われるタイミングで設定されるための特別測定モードとして構成されている。特別測定モードとして食後経過時間測定モードが設定される場合は、食事後、定められた時間ごとに複数回に亘って測定が行われる、食後経過時間測定が、行われることになる。
【0043】
一方、糖負荷試験測定モードは、ユーザによって所定量のブドウ糖が摂取されるタイミングで設定されるための特別測定モードとして構成されている。特別測定モードとして糖負荷試験測定モードが設定される場合は、所定量のブドウ糖の摂取後、定められた時間ごとに複数回に亘って測定が行われる、糖負荷試験測定が、行われることになる。尚、食後経過時間測定及び糖負荷試験測定における上記の定められた時間は、複数回の測定の間において同一となる時間が定められる場合に限らず、複数回の測定の間において異なる時間が定められる場合もある。
【0044】
また、モード判定処理部24には、通常モード処理部35と、特別モード処理部36とが、備えられている。通常モード処理部35は、測定モードが通常測定モードに設定された場合に、後述の測定処理部26に対して指令することで、測定を1回実行するように構成されている。特別モード処理部36は、測定モードが特別測定モードに設定された場合に、後述の測定処理部26に対して指令することで、測定を複数回実行するように構成されている。
【0045】
特別測定モードが食後経過時間測定モードに設定された場合は、特別モード処理部36は、ユーザによる操作キー23の操作によって食後経過時間測定モードが設定された時刻を、食事開始時刻として、記憶部25に記憶させる。その後、複数回の測定に亘る食後経過時間測定が、特別モード処理部36からの指令に基づいて、測定処理部26により、実行されることになる。
【0046】
一方、特別測定モードが糖負荷試験測定モードに設定された場合は、特別モード処理部36は、ユーザによる操作キー23の操作によって糖負荷試験測定モードが設定された時刻を、糖負荷試験開始時刻として、記憶部25に記憶させる。その後、複数回の測定に亘る糖負荷試験測定が、特別モード処理部36からの指令に基づいて、測定処理部26により、実行されることになる。
【0047】
尚、複数回の測定に亘る食後経過時間測定及び複数回の測定に亘る糖負荷試験測定においては、それぞれ、複数回のタイミングに亘ってセンサ10がセンサ接続部32に接続されることになる。そして、各タイミングでセンサ接続部32に接続される各センサ10としては、異なるタイミングでユーザから採取された試料を含む新たなセンサ10が用いられる。
【0048】
警告部30は、測定モードが食後経過時間測定モード又は糖負荷試験測定モードの特別測定モードに設定された場合に、その特別測定モードの設定が行われたタイミングから、設定された複数の警告時間がそれぞれ経過するごとに、外部に向けて警告を行う。具体的には、警告部30は、アラーム音を出力するとともに、ディスプレイ22に、例えば、「測定時間になりました。」といったアラームメッセージを表示させる。
【0049】
また、警告部30は、測定モードが食後経過時間測定モードに設定された場合は、食後経過時間測定モードの設定が行われた時刻から、例えば、警告時間として設定された30分、60分、90分、120分がそれぞれ経過するごとに警告を行う。即ち、この場合、警告部30は、食後経過時間測定モードの設定時刻の30分後、60分後、90分後、120分後の各時刻に、警告を行う。
【0050】
また、警告部30は、測定モードが糖負荷試験測定モードに設定された場合は、糖負荷試験測定モードの設定が行われた時刻から、例えば、警告時間として設定された1時間、2時間がそれぞれ経過するごとに警告を行う。即ち、この場合、警告部30は、糖負荷試験測定モードの設定時刻の1時間後、2時間後の各時刻に、警告を行う。
【0051】
尚、ユーザは、上述した警告が行われるごとに、それらの警告に促されて、試料を含むセンサ10をセンサ接続部32に接続することになる。これにより、食後経過時間測定或いは糖負荷試験測定が行われることになる。
【0052】
記憶部25は、測定装置1の作動に必要な情報、測定装置1の作動によって得られた情報、等を記憶するメモリとして設けられ、測定時状態情報記憶部25a、測定情報記憶部25b、及び処理結果記憶部25cを備えている。尚、測定時状態情報記憶部25a、測定情報記憶部25b、及び処理結果記憶部25cは、記憶部25を構成するメモリにおける異なる記憶領域として構成される。
【0053】
測定時状態情報記憶部25aには、センサ10がセンサ接続部32に接続されることでそのセンサ10に含まれる試料に対して測定が行われる測定時状態を特定するための複数の測定時状態情報が、1日のうちにおける時間帯の順番と対応して記憶されている。この測定時状態情報記憶部25aには、測定時状態情報として、食事前の測定時状態を特定する情報と、食事後の測定時状態を特定する情報とが記憶されている。更に具体的には、測定時状態情報記憶部25aには、測定時状態情報として、「朝食前」、「朝食後」、「昼食前」、「昼食後」、「夕食前」、「夕食後」、「就寝前」、の各測定時状態を特定する情報が記憶されている。
【0054】
図6は、測定時状態情報記憶部25aに記憶された測定時状態情報をリストの状態で列挙した図である。図6のリストの順番で示すように、測定時状態情報記憶部25aにおいては、「朝食前」、「朝食後」、「昼食前」、「昼食後」、「夕食前」、「夕食後」、「就寝前」、の各測定時状態情報が、この順番で、1日のうちにおける時間帯の順番と対応して記憶されている。
【0055】
また、測定時状態情報記憶部25aでは、各測定時状態情報がそれぞれ対応する1日のうちの時間帯も記憶されている。例えば、「朝食前」の時間帯として午前5時〜午前8時が、「朝食後」の時間帯として午前8時から午前11時が、「昼食前」の時間帯として午前11時から午後1時が、「昼食後」の時間帯として午後1時から午後5時が、「夕食前」の時間帯として午後5時から午後8時が、「夕食後」の時間帯として午後8時から午後10時が、「就寝前」の時間帯として午後10時から午前2時が、それぞれ記憶されている。
【0056】
また、測定時状態情報記憶部25aでは、図6に示すように、「朝食前」、「朝食後」、「昼食前」、「昼食後」、「夕食前」、「夕食後」、「就寝前」、以外の測定時状態情報として、「未分類」としての状態を特定する測定時状態情報も記憶されている。この「未分類」の測定時状態情報は、例えば、ユーザの体調がすぐれないときに測定が行われる場合、或いは、深夜の時間帯に測定が行われる場合などに用いられる。
【0057】
また、通常モード処理部35には、表示部37が備えられている。表示部37は、センサ10に含まれた試料に対する測定が行われるための操作が実行された測定操作タイミングで、測定時状態情報記憶部25aに記憶された複数の測定時状態情報のうちから、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を、その測定操作タイミングの時刻に基づいて、選択する。そして、表示部37は、更に、その選択した測定時状態情報を他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイ22に表示させる。
【0058】
図7(a)は、表示部37が測定操作タイミングでディスプレイ22に表示したスクロールメニュー画面38を例示した図である。このスクロールメニュー画面38は、ユーザによる上下スクロールキー(23b、23c)の操作に伴って、測定時状態情報のメニュー項目が上下にスクロールされる画面として表示される。尚、図7(a)では、測定時状態情報の全項目(本実施形態では、8項目)のうちの一部の項目(本実施形態では、5項目)が表示されたスクロールメニュー画面38が例示されている。スクロールメニュー画面38では、上スクロールキー23bが連続して操作されると、表示されるメニュー項目が、例えば、「朝食前」、「未分類」、「就寝前」、「夕食後」、「夕食前」、「昼食後」、「昼食前」、「朝食後」、「朝食前」、の順番で巡回するようにスクロールしながら表示される。一方、下スクロールキー23cが連続して操作されると、表示されるメニュー項目が、例えば、「朝食前」、「朝食後」、「昼食前」、「昼食後」、「夕食前」、「夕食後」、「就寝前」、「未分類」、「朝食前」、の順番で巡回するようにスクロールしながら表示される。
【0059】
表示部37は、複数の測定時状態情報(「朝食前」、「朝食後」、「昼食前」、「昼食後」、「夕食前」、「夕食後」、「就寝前」)のうちから、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を、クロック31で計測されるその測定操作タイミングの時刻に基づいて、選択する。例えば、測定操作タイミングの時刻が午後5時10分であれば、この時刻は、「夕食前」の時間帯として例示した午後5時から午後8時の時間帯に属するため、表示部37は、「夕食前」の測定時状態情報を初期状態(デフォルト)の測定時状態情報として選択する。
【0060】
そして、表示部37は、その選択した「夕食前」の測定時状態情報が他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイ22に表示させる。図7(a)は、「夕食前」の測定時状態情報が初期状態で選択されたスクロールメニュー画面38を例示している。尚、図7(a)に示すスクロールメニュー画面38では、メニュー項目のいずれかをユーザが選択するために表示される選択位置38aは、スクロールメニュー画面38の上下方向の中央に表示されたままで表示位置が移動せず、メニュー項目が上下にスクロールするように表示される。また、表示部37によって選択されて表示される初期状態の測定時状態情報が他の測定時状態情報から区別されて表示される方法としては、種々の方法を用いることができ、例えば、背景色の変更、ハイライト表示、等の方法を用いることができる。
【0061】
また、表示部37は、例えば、試料を含むセンサ10がセンサ接続部32に接続された後、決定キー23aが長押し操作ではなく通常の短い時間のみ押圧操作されたタイミングを、上記の測定操作タイミングとして判定する。この場合、センサ10のセンサ接続部32への接続後の決定キー23aの押圧操作が、センサ10に含まれた試料に対する測定が行われるための操作となる。
【0062】
尚、測定装置1において、特別モード処理部36が備えられていない場合であれば、表示部37は、例えば、試料を含むセンサ10がセンサ接続部32に接続されたタイミングを、上記の測定操作タイミングとして判定する。この場合、センサ10がセンサ接続部32に接続されてリミットスイッチ33が作動し、更に、試料がセンサ10に滴下されて試料測定部(11、12)への通電が行われたタイミングが、測定操作タイミングとして判定される。或いは、試料が滴下された状態のセンサ10がセンサ接続部32に接続されてリミットスイッチ33が作動したタイミングが、測定操作タイミングとして判定される。
【0063】
測定処理部26は、測定対象としての試料に対する測定を実行する。具体的には、測定処理部26は、試料である血液を含むセンサ10がセンサ接続部32に接続されたときに、通常モード処理部35又は特別モード処理部36からの指令に基づいて、血液を流れる電流の値を測定し、その測定した電流値から、例えば、検量線を用いて、血糖値を算出する処理を行う。即ち、試料が供給された試料測定部(11、12)に流れる電流値を測定し、血糖値を算出する。
【0064】
尚、センサ10は、単一の試料測定部のみを備えた態様であってもよいが、測定精度の点から、本実施形態のように複数の試料測定部(本実施形態では、試料測定部11及び12の2つ)を備えている態様であってもよい。センサ10の内部に誘導路14を経て導入される試料は、試料測定部(11、12)のそれぞれに供給される。試料測定部(11、12)には、それぞれ異なる試薬を配置することができる。例えば、試料測定部11には、測定される物質に反応する試薬が配置され、試料測定部12には、測定される物質と共存している別の物質(生体物質、薬物等)に反応する試薬、又は試料の性状(粘性、塩濃度、ヘマトクリット値、等)に合わせて反応が変化する試薬が配置される。
【0065】
上記の形態の場合、測定処理部26は、測定される物質の情報に加え、共存している別の物質の情報(量等)、試料の性状に関する情報を取得することができる。具体的には、試料が血液であり、測定される物質がグルコースであるとすると、試料測定部11にはグルコースと反応する試薬が配置され、試料測定部12には、ヘマトクリット値に応じて異なる反応を示す試薬が配置される。この場合、測定処理部26は、グルコースの濃度を特定する情報と、ヘマトクリット値を特定する情報とを取得することができる。そして、測定処理部26は、取得したこれらの情報に基づいて、ヘマトクリット値がグルコースの濃度測定に与える影響を補正し、より正確にグルコースの濃度を算出することができる。
【0066】
決定部27は、外部からのユーザによる入力操作に基づいて設定された測定時状態情報を、前述の測定操作タイミングに最終的に対応する測定時状態情報として決定する。具体的には、ユーザは、表示部37によって初期状態の測定時状態情報として選択されて他から区別された状態で表示された測定時状態情報が測定操作タイミングに適切に対応していると判断すると、決定キー23aを押圧操作する。或いは、ユーザは、初期状態で表示された測定時状態情報が測定操作タイミングに適切に対応していないと判断すると、上下スクロールキー(23b、23c)を操作してスクロールメニュー画面38をスクロールさせる。尚、図7(b)は、図7(a)に示すスクロールメニュー画面38の状態から、ユーザによる上スクロールキー23bの操作が行われ、「昼食後」の測定時状態情報が選択位置38aに表示されたスクロールメニュー画面38を例示している。そして、測定操作タイミングに適切に対応しているとユーザが判断する測定時状態情報が選択位置38aに表示された状態で、ユーザは、決定キー23aを押圧操作する。このような外部からの入力操作に基づく測定時状態情報の設定操作が行われると、測定時状態情報決定部27は、この設定された測定時状態情報を測定操作タイミングに最終的に対応する測定時状態情報として決定する。
【0067】
尚、上記の例では、決定部27が、外部からのユーザによる入力操作に基づいて設定された測定時状態情報を、測定操作タイミングに最終的に対応する測定時状態情報として決定する形態を説明したが、この例の通りでなくてもよい。決定部27が、測定処理部26にて測定が実行されることに伴って設定された測定時状態情報を、測定操作タイミングに最終的に対応する測定時状態情報として決定する形態であってもよい。この場合、例えば、スクロールメニュー画面38を利用したユーザによる決定キー23aの操作がなくても、測定処理部26での処理が完了した際にスクロールメニュー画面38にて選択位置38aに表示されている測定時状態情報が、測定操作タイミングに最終的に対応する測定時状態情報として決定される。
【0068】
また、本実施形態では、表示部37は、決定部27において測定時状態情報として食事前の測定時状態情報が決定されており、測定操作タイミングが、同日に既に決定された食事前の測定時状態情報が対応する時間帯である場合、測定時状態情報として食事後の測定時状態情報をディスプレイ22に表示させるように構成されている。
【0069】
上記の具体例として、前回の測定の際に測定時状態情報として「夕食前」の測定時状態情報が決定され、その前回の測定の際における測定操作タイミングの時刻が午後6時であり、更に、同日の今回の測定が午後6時30分に行われる場合を例にとって説明する。測定時状態情報記憶部25aでは、「夕食前」の時間帯として午後5時から午後8時が、「夕食後」の時間帯として午後8時から午後10時が記憶されている。このため、上記の例の場合は、測定時状態情報記憶部25aに記憶された内容に基づくと、測定が行われる午後6時30分が、「食事後」の時間帯であるにも関わらず、「食事前」の時間帯に対応してしまうことになる。
【0070】
上記に対し、午後6時の前回の測定の際に測定時状態情報として「夕食前」の測定時状態情報が決定部27にて決定されており、今回の測定操作タイミングの時刻(午後6時30分)は、同日にすでに決定された「夕食前」の測定時状態情報が対応する時間帯(午後5時から午後8時)となる。この場合、表示部37は、今回の測定操作タイミングに対応する測定時状態情報として、「夕食後」の測定時状態情報を選択し、スクロールメニュー画面38の選択位置38aに初期状態の測定時状態情報として表示する。
【0071】
また、本実施形態では、記憶部25には、前述のように、測定情報記憶部25bが備えられている。測定情報記憶部25bは、試料に対する測定が実行される毎に、測定操作タイミングの時刻の情報、及び、決定部27で決定された測定時状態情報、を記憶する。また、本実施形態の測定装置1では、更に、頻度判定部28が備えられている。頻度判定部28は、測定情報記憶部25bで記憶された情報に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに、測定操作タイミングの時刻が属する時間帯についての頻度を判定する。そして、表示部37は、測定操作タイミングの時刻に加え、頻度判定部28で頻度が判定された結果にも基づいて、選択する測定時状態情報を変更可能に構成されている。これにより、ユーザが測定を行う時間帯のパターンが継続して学習される。そして、表示部37は、その学習結果が反映された測定時状態情報を、スクロールメニュー画面38の選択位置38aに初期状態の測定時状態情報として表示する。
【0072】
また、本実施形態では、記憶部25には、前述のように、処理結果記憶部25cが備えられている。処理結果記憶部25cは、決定部27で決定された測定時状態情報、及び、測定処理部26で測定が実行されることによって得られた処理結果、を記憶する。また、本実施形態の測定装置1では、更に、グラフ表示部29が備えられている。グラフ表示部29は、処理結果記憶部25cに記憶された内容に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに区別して、上記の処理結果についての時系列推移グラフをディスプレイ22に表示させる。
【0073】
図8は、グラフ表示部29がディスプレイ22に表示させた時系列推移グラフ画面39を例示した図である。この図8に示すように、グラフ表示部29は、例えば、処理結果記憶部25cに記憶された内容に基づいて、測定時状態情報の種類が、食事前、食事後、就寝前のいずれであるかでそれぞれ区別して、上記の処理結果としての血糖値の時系列推移グラフをディスプレイ22に表示させるように構成されている。尚、カラー表示器が用いられることで、時系列推移グラフ画面39が、ディスプレイ22にカラー表示で出力されることが好ましい。
【0074】
また、図8に例示するように、グラフ表示部29は、血糖値の時系列推移グラフとともに、測定時状態情報の種類ごとに区別して、上記の処理結果である血糖値の平均値を算出し、ディスプレイ22に表示させてもよい。
【0075】
また、記憶部25において、特別モード処理部36によって測定が実行されることによって得られた処理結果が記憶され、グラフ表示部29が、その記憶された内容に基づいて、その処理結果についての時系列推移グラフをディスプレイ22に表示させてもよい。
【0076】
図9は、グラフ表示部29がディスプレイ22に表示させた食後経過時間測定推移グラフ画面40を例示した図である。この図9に示すように、グラフ表示部29は、例えば、測定モードが食後経過時間測定モードに設定された場合に、記憶部25に記憶された内容に基づいて、特別モード処理部36にて複数回に亘って測定が実行されることによって得られた処理結果としての血糖値の食後経過時間の変化に伴う時系列推移グラフを、ディスプレイ22に表示させてもよい。また、このとき、グラフ表示部29は、図9に例示するように、以前に(例えば、前回に)行われた食後経過時間測定の際の処理結果の時系列推移と比較可能なように、今回の食後経過時間測定の処理結果の時系列推移グラフをディスプレイ22に表示させてもよい。また、グラフ表示部29は、測定モードが糖負荷試験測定モードに設定された場合にも同様に、特別モード処理部36にて複数回に亘って測定が実行されることによって得られた処理結果としての血糖値の糖負荷試験時間の変化に伴う時系列推移グラフを、ディスプレイ22に表示させてもよい。
【0077】
[測定装置の動作]
次に、本発明の実施の形態における測定装置1の動作について、図10〜図12を参照して説明する。図10は、本実施形態の測定装置1の動作を例示するフロー図である。また、図11は、図10に示すフローにおいて、測定モードが特別測定モードに設定された場合の動作を例示するフロー図である。図12は、測定装置1における図10とは異なる動作を例示するフロー図である。尚、以下の説明においては、適宜図1〜図9を参酌する。
【0078】
図10に示すように、まず、測定装置1は、センサ10が挿入口21に挿入されると、それによって起動される(ステップS101)。具体的には、測定装置1の電源スイッチは、挿入口21の奥に配置されている。電源スイッチは、センサ10が挿入されると、それによってON状態となる。
【0079】
次に、モード判定処理部24は、測定モードが特別測定モードに設定されるための入力があるかどうかを判定する(ステップS102)。この場合、例えば、モード判定処理部24は、リミットスイッチ33の作動開始から所定時間が経過するまでの間に、ユーザによる所定の操作、即ち、測定モードを特別測定モードに設定するためにディスプレイ22にメニュー画面34を表示させる操作が、行われたどうかを判定する。このとき、リミットスイッチ33の作動開始から所定時間が経過するまでの間に上記の所定の操作が行われなければ、モード判定処理部24は、測定モードが特別測定モードに設定されるための入力がないと判定する。
【0080】
ステップS102にて、測定モードが特別測定モードに設定されるための入力がないと判定された場合は、測定モードが通常測定モードに設定されたと判断され、通常モード処理部35からの指令に基づいて、測定処理部26によって、センサ10に含まれる試料に対する測定が行われ、血糖値を算出する処理が行われる(ステップS103)。そして、センサ10に含まれた試料に対する測定が行われるための操作として、ユーザによって決定キー23aの押圧操作が行われる(ステップS104)。この操作が行われることで、前述したように、表示部37は、測定操作タイミングを判定し、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報が他の測定時状態情報から区別された状態のスクロールメニュー画面38を、ディスプレイ22に表示させる(ステップS105)。
【0081】
ステップS105にてスクロールメニュー画面38がディスプレイ22に表示されると、前述のように、ユーザによって、決定キー23aの操作、或いは、上下スクロールキー(23b、23c)及び決定キー23aの操作が行われる(ステップS106)。そして、図3に示すように、ディスプレイ22に測定処理結果の画面が表示される(ステップS107)。この測定処理結果の画面には、測定操作タイミングの日時、決定部27にて決定された測定時状態情報、測定処理部26で測定が行われることによって得られた処理結果(本実施形態では、血糖値)、の各情報が表示される。これにより、測定モードが通常測定モードに設定された場合の測定が終了する。
【0082】
一方、ステップS102にて、モード判定処理部24は、リミットスイッチ33の作動開始から所定時間が経過するまでの間に、ユーザによる上記の所定の操作が行われると、測定モードが特別測定モードに設定されるための入力がなされたと判定する。この場合、測定装置1では、測定モードが特別測定モードに設定される場合の動作が行われる(ステップ108)。図11は、ステップS108にて実行される動作を例示するフロー図である。
【0083】
図11に示す動作が開始されると、前述したように、ディスプレイ22に、メニュー画面34が表示される(ステップS201)。そして、ユーザによって、上下スクロールキー(23b、23c)及び決定キー23aの操作が行われ、食後経過時間測定モード或いは糖負荷試験測定モードが特別測定モードとして設定される(ステップS202)。この特別測定モードの設定が行われたタイミングで、食事開始時刻或いは糖負荷試験開示時刻が記憶部25に記憶される。
【0084】
測定モードが食後経過時間測定モード又は糖負荷試験測定モードの特別測定モードに設定されると(ステップS202)、その特別測定モードの設定が行われたタイミングから、予め設定された1回目の警告時間が経過すると、警告部30が、1回目の警告を外部に向けて行う(ステップS203)。そして、この警告に応じて、ユーザがセンサ10をセンサ接続部32に接続することで、測定処理部26によって、センサ10に含まれる試料の測定が実行される(ステップS204)。
【0085】
また、特別測定モードの設定が行われたタイミングから、予め設定された2回目の警告時間が経過すると、警告部30が、2回目の警告を外部に向けて行う(ステップS205)。そして、この警告に応じて、ユーザがセンサ10をセンサ接続部32に接続することで、測定処理部26によって、センサ10に含まれる試料の測定が実行される(ステップS206)。尚、2回目の警告時間は、1回目の警告時間よりも長い時間として設定されている。
【0086】
また、特別測定モードの設定が行われたタイミングから、予め設定された3回目の警告時間が経過すると、警告部30が、3回目の警告を外部に向けて行う(ステップS207)。そして、この警告に応じて、ユーザがセンサ10をセンサ接続部32に接続することで、測定処理部26によって、センサ10に含まれる試料の測定が実行される(ステップS208)。尚、3回目の警告時間は、2回目の警告時間よりも長い時間として設定されている。本実施形態では、3回目の測定(ステップS208)が終了することで、図11に示す動作が終了し、図10に示す動作フローに戻り、測定モードが特別測定モードに設定された場合の測定が終了する。尚、上記の警告回数は、2回であってもよく、又は4回以上であってもよい。
【0087】
図10及び図11に示す動作フローでは、最初にセンサ10が挿入口21に挿入されることで測定装置1が起動される場合について説明したが、最初にセンサ10の挿入が行われずに決定キー23aの押圧操作が行われると、図12に示す動作フローが行われることになる。この場合、まず、決定キー23aが押圧操作され、それによって測定装置1が起動される(ステップS301)。即ち、測定装置1は、センサ10が挿入されずに決定キー23aが操作された場合にも、電源スイッチがON状態となるように構成されている。
【0088】
最初に決定キー23aが操作されて測定装置1が起動された場合は、通常測定モードではなく特別測定モードでの測定が行われることになる。そして、起動されて以降は、図11に示す動作フローと同じ動作フローが実行されることになる。即ち、ステップS201からステップS208までの各ステップが実行されることになる。
【0089】
以上のように、測定装置1では、測定操作タイミングの時刻に基づいて、時間帯と対応して規定された複数の測定時状態情報のうちから、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報が、他の測定時状態情報と区別された状態で表示され、特定可能となる。このため、ユーザが操作キー23を操作して測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を選択する作業が、省略或いは削減される。これにより、ユーザにとって、繰り返しの操作が必要となる煩雑な作業が削減されることになる。従って、本実施形態によれば、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。
【0090】
また、本実施形態によれば、測定が行われた測定時状態が、朝食、昼食、及び夕食の各食事の前後、就寝前のいずれであるかを特定可能にするための作業を、ユーザが簡易に行うことができる。また、本実施形態によれば、食事前の測定が行われたタイミングに応じて、食事後の測定時状態を特定する測定時状態情報を表示でき、ユーザの状況に柔軟に対応した更なる作業の簡易化が図られることになる。
【0091】
また、本実施形態によれば、測定時状態情報の種類ごとに、過去の測定状況に基づいて測定操作タイミングの時間帯の頻度が判定され、この判定結果に応じて、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報がディスプレイ22に表示される。このため、ユーザの測定時間帯のパターンを継続して学習でき、ユーザの時間帯の傾向に柔軟に対応した更なる作業の簡易化が図られることになる。
【0092】
また、本実施形態によれば、ユーザは、測定装置での処理結果について、測定時状態情報の種類ごとに区別された状態の時系列推移グラフとして、測定装置1のディスプレイ22にて容易に確認することができる。更に、処理結果の時系列推移が、測定時状態情報の種類ごとに区別された状態で表示されるため、ユーザは、測定装置1での処理結果と、測定が行われた測定時状態との関係を正確に把握することができる。
【0093】
また、本実施形態では、ユーザが測定装置1の測定モードを特別測定モードに設定することで、測定が複数回実行され、特別測定モードの設定が行われたタイミングから、設定された複数の警告時間がそれぞれ経過するごとに、外部に向けて警告が行われる。このため、ユーザは、自ら時間を計測しなければならない煩わしさから解放されることになる。更に、設定された複数の警告時間が経過する毎に自動的に警告が行われるため、ユーザは、警告を行う機能を実行させるための設定操作を繰り返し行う必要がなく、操作が簡易となる。従って、本実施形態によれば、複数回に亘る測定が必要となる場合であっても、自ら時間を計測しなければならない煩わしさからユーザを解放可能であるとともに操作も簡易な測定装置1を提供することができる。
【0094】
また、本実施形態では、食後経過時間測定の場合と、糖負荷試験測定の場合とを区別して、特別測定モードを設定でき、ユーザは、測定装置1での処理結果と特別測定モードとの関係をより詳細且つ正確に把握することができる。
【0095】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。また、本発明は、血液以外の測定対象に対して広く適用されてもよく、例えば、体重計、歩数計、等として実施されてもよい。また、上述の実施形態では、表示部が測定操作タイミングでディスプレイに表示させるメニュー画面が、上下にスクロールするスクロールメニュー画面として表示される形態を例にとって説明したが、この通りでなくもよい。左右にスクロールするスクロールメニュー画面、或いは、プルダウン表示されるプルダウンメニュー画面であってもよい。また、操作キーの形態についても、種々変更して実施されてもよい。
【0096】
また、測定操作タイミングの時刻に基づかず、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づいて、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を選択する表示部、が備えられた測定装置が実施されてもよい。そして、この測定装置における表示部は、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づいて選択した測定時状態情報を他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイに表示させることになる。
【0097】
上記の表示部を備えた測定装置の場合、測定対象が血液であれば、例えば、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果としての血糖値の値に基づいて、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報が選択される。このような測定時状態情報の選択処理のために、例えば、測定装置の測定時状態情報記憶部において、時間帯と対応して記憶された測定時状態情報が、更に、時間帯に対応して予め設定された血糖値の値の範囲である時間帯対応血糖値範囲にも対応して記憶された構成が実施されてもよい。そして、表示部は、上記の時間帯対応血糖値範囲のうち、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果としての血糖値の値が含まれる時間帯対応血糖値範囲を特定する。更に、表示部は、その特定した時間帯対応血糖値範囲が対応する測定時状態情報を、測定操作タイミングに対応する測定時状態情報として選択する。
【0098】
また、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づく測定時状態情報の選択処理の他の形態として、過去の処理結果の平均値と今回の処理結果とを比較することで、測定時状態情報を選択する選択処理が実施されてもよい。この場合、例えば、測定装置において、測定処理が実行されるとともに測定時状態情報が決定される度に、それまでの過去に測定処理が実行された処理結果である血糖値の平均値である過去平均値を測定時状態情報の種類ごとに求める演算が実行される。更に、演算されて得られた過去平均値が、測定時状態情報の種類に対応して、測定装置の処理結果記憶部に記憶される。そして、測定処理部で測定が実行されることによって今回の処理結果としての血糖値が得られた際には、表示部は、例えば、測定時状態情報の種類に対応して記憶された上記の過去平均値のうち、この今回得られた血糖値に最も近い過去平均値を特定する。更に、表示部は、その特定した過去平均値が対応する測定時状態情報を、今回の測定操作タイミングに対応する測定時状態情報として選択する。
【0099】
尚、上記のように、測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づく測定時状態情報の選択処理が行われる場合、測定時状態情報の選択が簡便となる。そのため、ユーザが選択内容を確認せずに不用意な入力操作を行ってしまい、ユーザが意識しないまま、不適切な測定時状態情報の決定が行われてしまう可能性も考えられる。
【0100】
上記に対しては、処理結果の値が、決定された測定時状態情報との関係で許容される値の範囲である許容範囲値から外れる場合に、測定装置が、決定された測定時状態情報が不適切である可能性があると判断し、ユーザに注意を促す構成が実施されてもよい。或いは、上記のように、決定された測定時状態情報が不適切である可能性があると判断された場合に、測定装置が、測定時状態情報が不適切であった可能性を後からユーザが判別可能なようにディスプレイに所定の表示を行う構成が実施されてもよい。上記の許容範囲値は、例えば、直近の過去における所定日数の複数日間における同じ測定時状態情報の処理結果の平均値からの所定のばらつき範囲内(例えば、±1標準偏差のばらつき内、或いは±2標準偏差のばらつき内)として設定されてもよい。或いは、上記の許容範囲値は、ユーザによる操作によって設定されてもよい。
【0101】
また、測定装置は、決定された測定時状態情報が不適切である可能性があると判断した場合、ユーザに注意を促すため、例えば、ディスプレイにアラームメッセージを表示し、又は、アラーム音を出力し、或いは、ユーザに再度の測定時状態情報の確認を促す処理を実行してもよい。また、測定装置は、測定時状態情報が不適切であった可能性を後からユーザが判別可能とするため、例えば、決定された測定時状態情報が不適切な可能性のある処理結果に所定のマーキングを付した状態で、ディスプレイに測定処理結果を表示してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように、本発明によれば、測定装置において、測定が行われた測定時状態を特定可能にするための作業をユーザが簡易に行うことができる。本発明は、測定の分野に有用である。
【符号の説明】
【0103】
1 測定装置
22 ディスプレイ
23 操作キー
25a 測定時状態情報記憶部
37 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象に対して所定の測定が行われる測定時状態を特定するための複数の測定時状態情報が、時間帯と対応して記憶された、測定時状態情報記憶部と、
前記測定対象に対する測定を実行する測定処理部と、
前記測定対象に対する測定が行われるための操作が実行される測定操作タイミングで、前記測定時状態情報記憶部に記憶された複数の測定時状態情報のうちから、前記測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を、当該測定操作タイミングの時刻に基づいて、又は、前記測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づいて、選択し、選択した測定時状態情報を他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイに表示させる、表示部と、
を備えていることを特徴とする、測定装置。
【請求項2】
外部からの入力操作に基づいて設定された測定時状態情報を、或いは、前記測定処理部にて測定が実行されることに伴って設定された測定時状態情報を、前記測定操作タイミングに対応する測定時状態情報として決定する、決定部、
を更に備えていることを特徴とする、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記測定時状態情報記憶部には、測定時状態情報として、食事前及び食事後の測定時状態をそれぞれ特定する情報が記憶されていることを特徴とする、請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記決定部において測定時状態情報として食事前の測定時状態情報が決定されており、前記測定操作タイミングが、同日に既に決定された食事前の測定時状態情報が対応する時間帯である場合、測定時状態情報として食事後の測定時状態情報をディスプレイに表示させることを特徴とする請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記測定時状態情報記憶部には、測定時状態情報として、少なくとも朝食前、朝食後、昼食前、昼食後、夕食前、夕食後、の測定時状態をそれぞれ特定する情報が記憶されていることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記測定対象に対する測定が実行される毎に、前記測定操作タイミングの時刻の情報、及び、前記決定部で決定された測定時状態情報、を記憶する測定情報記憶部と、
前記測定情報記憶部で記憶された情報に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに、前記測定操作タイミングの時刻が属する時間帯についての頻度を判定する頻度判定部と、を更に備え、
前記表示部は、前記測定操作タイミングの時刻に加え、前記頻度判定部で頻度が判定された結果にも基づいて、選択する測定時状態情報を変更可能であることを特徴とする、請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項7】
センサが接続されるセンサ接続部を更に備え、
前記表示部は、前記測定対象としての試料を含むセンサが前記センサ接続部に接続されたタイミングを、前記測定操作タイミングとして判定することを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項8】
前記測定対象は血液であり、前記測定処理部は、前記血液に対して測定を行い、血糖値を算出する処理を行うことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項9】
前記決定部で決定された測定時状態情報、及び、前記測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果、を記憶する処理結果記憶部と、
前記処理結果記憶部に記憶された内容に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに区別して、前記処理結果の時系列推移グラフをディスプレイに表示させるグラフ表示部と、
を更に備えていることを特徴とする、請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項1】
測定対象に対して所定の測定が行われる測定時状態を特定するための複数の測定時状態情報が、時間帯と対応して記憶された、測定時状態情報記憶部と、
前記測定対象に対する測定を実行する測定処理部と、
前記測定対象に対する測定が行われるための操作が実行される測定操作タイミングで、前記測定時状態情報記憶部に記憶された複数の測定時状態情報のうちから、前記測定操作タイミングに対応する測定時状態情報を、当該測定操作タイミングの時刻に基づいて、又は、前記測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果に基づいて、選択し、選択した測定時状態情報を他の測定時状態情報から区別された状態でディスプレイに表示させる、表示部と、
を備えていることを特徴とする、測定装置。
【請求項2】
外部からの入力操作に基づいて設定された測定時状態情報を、或いは、前記測定処理部にて測定が実行されることに伴って設定された測定時状態情報を、前記測定操作タイミングに対応する測定時状態情報として決定する、決定部、
を更に備えていることを特徴とする、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記測定時状態情報記憶部には、測定時状態情報として、食事前及び食事後の測定時状態をそれぞれ特定する情報が記憶されていることを特徴とする、請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記決定部において測定時状態情報として食事前の測定時状態情報が決定されており、前記測定操作タイミングが、同日に既に決定された食事前の測定時状態情報が対応する時間帯である場合、測定時状態情報として食事後の測定時状態情報をディスプレイに表示させることを特徴とする請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記測定時状態情報記憶部には、測定時状態情報として、少なくとも朝食前、朝食後、昼食前、昼食後、夕食前、夕食後、の測定時状態をそれぞれ特定する情報が記憶されていることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記測定対象に対する測定が実行される毎に、前記測定操作タイミングの時刻の情報、及び、前記決定部で決定された測定時状態情報、を記憶する測定情報記憶部と、
前記測定情報記憶部で記憶された情報に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに、前記測定操作タイミングの時刻が属する時間帯についての頻度を判定する頻度判定部と、を更に備え、
前記表示部は、前記測定操作タイミングの時刻に加え、前記頻度判定部で頻度が判定された結果にも基づいて、選択する測定時状態情報を変更可能であることを特徴とする、請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項7】
センサが接続されるセンサ接続部を更に備え、
前記表示部は、前記測定対象としての試料を含むセンサが前記センサ接続部に接続されたタイミングを、前記測定操作タイミングとして判定することを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項8】
前記測定対象は血液であり、前記測定処理部は、前記血液に対して測定を行い、血糖値を算出する処理を行うことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項9】
前記決定部で決定された測定時状態情報、及び、前記測定処理部で測定が実行されることによって得られた処理結果、を記憶する処理結果記憶部と、
前記処理結果記憶部に記憶された内容に基づいて、測定時状態情報の種類ごとに区別して、前記処理結果の時系列推移グラフをディスプレイに表示させるグラフ表示部と、
を更に備えていることを特徴とする、請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−17808(P2013−17808A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−93716(P2012−93716)
【出願日】平成24年4月17日(2012.4.17)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月17日(2012.4.17)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【Fターム(参考)】
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